JP2000036220A - 導電性ペースト及びそれを用いたセラミック電子部品 - Google Patents
導電性ペースト及びそれを用いたセラミック電子部品Info
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Abstract
処理を施さなくても、弱酸化性雰囲気で、銅の酸化を引
き起こすことなく焼成することが可能な導電性ペースト
及びそれを用いたセラミック電子部品を提供する。 【解決手段】 銅(Cu)粉末と、ガラスフリットと、
ビヒクルとを含有する導電性ペーストにおいて、ガラス
フリットとして、酸化硼素(B2O3)、酸化ビスマス
(Bi2O3)、酸化亜鉛(ZnO)、及び燐酸のアルカ
リ金属塩又はアルカリ土類金属塩を主成分として含有す
るものを用いる。また、銅粉末に対するガラスフリット
の体積比を0.3〜6.0%の範囲とする。
Description
及びそれを用いて形成した厚膜電極を備えたセラミック
電子部品に関する。
セラミック上に静電容量形成用の電極が配設された構造
を有するセラミックコンデンサを製造する場合、電極
は、通常、銀粉末を導電成分とし、これにガラスフリッ
ト、有機ビヒクル、さらに必要に応じて各種添加成分を
含有させた導電性ペースト(銀ペースト)をスクリーン
印刷などの方法でセラミック誘電体上に塗布し、焼き付
けることにより形成されている。
ト)を焼き付けて形成した銀厚膜電極は、電気的性質に
優れ、高周波特性が良好で、信頼性が高く、しかも、容
易かつ簡便に電極を形成することができるという特徴を
有している。
トは高価で、コストの増大を招くという問題点がある。
だ付けした場合、はんだ中に銀が拡散、移行する、いわ
ゆるはんだ食われ現象が発生する場合があり、電極の密
着性が低下したり、静電容量の不足を招いたりするとい
うような問題点がある。
ョンが発生しやすく、絶縁耐電圧の低下など信頼性を損
なう事態を招く場合がある。
クなどにより、セラミック誘電体にマイクロクラックが
発生すると、銀がマイクロクラック内に拡散、移行し
て、銀のマイグレーションの進行が助長され、信頼性を
低下させるという問題点がある。
銅厚膜電極を用いた磁器コンデンサが特公平1−510
03号に開示されている。そして、この銅厚膜電極の形
成には、銅微粉末と、硼珪酸鉛、硼珪酸ビスマス、硼珪
酸亜鉛の少なくとも1種を主成分とするガラスフリット
を、銅微粉末に対する体積比が2〜40%の割合で含有
する導電性ペースト(銅ペースト)が用いられている。
なお、銅厚膜電極の形成にあたっては、導電性ペースト
(銅ペースト)を誘電体磁器素体に塗布し、銅微粉末の
酸化を防止するために、中性雰囲気で焼き付けるように
している。
少なくとも1種を主成分とするガラスフリットは、硼酸
分を少なくした組成でないと低融点を示さないことが知
られているが、融点の低くないガラスフリットを用いた
場合、導電性ペーストの磁器素体との接合が不完全にな
り、銅厚膜電極の接着強度が低下するという問題点があ
る。
は、銅粉末の酸化防止法が開示されている。この方法
は、銅粉末に対して、硼素原子換算で0.01〜0.1
wt%の硼酸とこの硼酸が飽和濃度以下となる量のケトン
系、炭化水素系、芳香族系の溶媒とを組み合わせて混合
処理した後、乾燥処理して溶媒のみを蒸発させる方法で
あるが、焼成時の酸素濃度条件などによっては、必ずし
も十分な酸化防止効果が得られないという問題点があ
る。また、この方法では、上記の酸化防止処理の工程に
おいて、硼珪酸ガラスと混合した場合に、酸化防止効果
のある硼素が硼珪酸ガラス内に取り込まれて、弱酸化性
雰囲気での酸化防止効果を失うという問題点がある。
ラスフリットとして、鉛を含有する硼珪酸鉛などのガラ
スフリットが広く用いられてきたが、近年、環境問題に
対する意識の高まりから、ガラスフリット対して、無鉛
材料への転換が望まれるようになっている。
あり、鉛を含有せず、導電成分である銅に酸化防止処理
を施さなくても、弱酸化性雰囲気で、銅の酸化を引き起
こすことなく焼成することが可能な導電性ペースト及び
それを用いたセラミック電子部品を提供することを目的
とする。
に、本願発明(請求項1)の導電性ペーストは、銅(C
u)粉末と、ガラスフリットと、ビヒクルとを含有する
導電性ペーストであって、前記ガラスフリットが、主成
分として、酸化硼素(B2O3)、酸化ビスマス(Bi2
O3)、酸化亜鉛(ZnO)、及び燐酸のアルカリ金属
塩又はアルカリ土類金属塩を含有するものであることを
特徴としている。
して、卑金属で安価な銅粉末を用いているので、経済性
に優れた導電性ペーストを提供することが可能になる。
また、ガラスフリットとして、酸化硼素(B2O3)、酸
化ビスマス(Bi2O3)、酸化亜鉛(ZnO)、及び燐
酸のアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩を主成分と
する、鉛を含有しないガラスフリットを用いているた
め、鉛に起因する環境汚染問題を回避することが可能に
なる。
ス(Bi2O3)、酸化亜鉛(ZnO)、及び燐酸のアル
カリ金属塩又はアルカリ土類金属塩を主成分とするガラ
スフリットを用いることにより、硼素などによる酸化防
止処理を行うことなく、中性雰囲気で焼成した場合に限
らず、弱酸化性雰囲気中で焼成した場合にも、銅粉末が
酸化されることのない導電性ペーストを得ることが可能
になり、セラミック上に電極を形成するような場合に、
セラミックの還元を抑制して、特性の安定化を図ること
が可能になる。
の硼珪酸ガラスを主成分とするガラスフリットと同様
に、溶融した状態で急冷することによりガラス化する溶
融急冷法により効率よく製造することが可能である。さ
らに、硼酸塩を構成するアルカリ金属またはアルカリ土
類金属を含有することにより、低融点ガラスとしての特
性を得ることが可能になり、また、燐酸分(P205な
ど)が、編目形成酸化物として作用し、ガラスの還元を
抑制することが可能になる。すなわち、従来の硼珪酸ガ
ラスを用いたガラスフリットの場合のように、B2O3の
濃度の調整によりガラスの軟化点を低くしたりする物性
調整を行うと、ガラス還元性が増加するという問題点を
生じ、銅粉末の酸化防止処理を行うことが必要になる
が、本願発明の導電性ペーストにおいては、アルカリ金
属またはアルカリ土類金属を含有していることにより、
ガラスの軟化点を低くすることが可能になるため、B2
O3の濃度の調整によりガラスの軟化点を低くすること
が不要になるとともに、燐酸塩を含有していることによ
りガラスの還元性を抑制することが可能になる。
燐酸のアルカリ金属塩がナトリウム塩であることを特徴
としている。
塩を用いることにより、確実にガラスの軟化点を低くす
ることが可能になるとともに、低融点ガラスとしての特
性を得ることが可能になる。
銅粉末に対する前記ガラスフリットの体積比が0.3〜
6.0%の範囲にあることを特徴としている。
0.3〜6.0%の範囲にすることにより、硼素などに
よる酸化防止処理を施さなくても、確実に、銅粉末の酸
化を防止することができるようになる。ガラスフリット
の添加量は、導電性ペーストを焼き付けて形成した電極
の特性に大きな影響を与える。すなわち、ガラスフリッ
トの銅粉末に対する体積比が0.3%未満の場合、電極
の引張り強度(密着強度)が著しく低下する。また、ガ
ラスフリットの添加量が0.3%未満になると、銅の酸
化が起こりはじめ、はんだ付け性が低下する。一方、ガ
ラスフリットの添加量が6%を超えると、電極の引張り
強度は増大するが、誘電損失が大きくなり、コンデンサ
の場合、静電容量が小さくなる。
定しているのは、電極化した膜の緻密性が体積比により
左右されることによる。すなわち、重量比表現でガラス
フリットの添加量を規定した場合には、ガラスフリット
の真比重の相違により、銅粉末とガラスフリットの体積
比が異なり、膜の緻密性が変動して、電極のはんだ付け
性、誘電損失に大きな影響を及ぼすのに対して、体積比
で規定した場合には、所望のはんだ付け性、誘電損失な
どに関し、目標とする特性を安定して得ることが可能に
なることによる。
ガラスフリットの軟化点が350〜550℃の範囲にあ
ることを特徴としている。
℃の範囲とした場合、温度500〜700℃、焼成時間
0.5〜1.5hrの、通常の焼き付け条件で導電性ペ
ーストを確実に焼き付けることが可能になり、本願発明
をより実効あらしめることができる。
ガラスが電極の焼き付け時に低粘度となり過ぎて、セラ
ミック上に電極を形成するような場合に、セラミック内
へ拡散し、電極とセラミックの接合強度が低下するため
好ましくない。一方、軟化点が550℃超える場合に
は、電極の焼き付け時に十分に軟化せず、電極とセラミ
ックの接合が不十分になり、誘電損失の増大と電極の引
張り強度の低下を生じるため好ましくない。
電子部品は、誘電体セラミックと、前記誘電体セラミッ
クに請求項1〜4のいずれかに記載の導電性ペーストを
塗布して、焼き付けることにより形成された厚膜電極と
を具備することを特徴としている。
セラミックに、請求項1〜4のいずれかに記載の、安価
な銅粉末を導電成分として用いた導電性ペーストを塗布
して、焼き付けることにより形成された厚膜電極を備え
ているので、経済性に優れており、かつ、十分な信頼性
を有している。
前記導電性ペーストを500〜700℃の温度で焼き付
けることにより、前記厚膜電極を形成したことを特徴と
している。
0℃で焼成することにより形成された電極は、焼成時に
ガラスフリットが十分に軟化するとともに、銅が十分に
焼結されるため、セラミックに対する接着強度が大き
く、電気的特性にも優れており、所望の特性を備えたセ
ラミック電子部品を得ることが可能になる。なお、焼成
温度が500℃未満の場合、ガラスフリット軟化及び銅
の焼結が不十分になるため、電極のセラミックへの接着
強度が低下する。また、焼成温度が700℃を超えると
銅の酸化が著しくなり、電極のはんだ付け性を大きく低
下させる。
して、その特徴とするところをさらに詳しく説明する。
図1は、本願発明の一実施形態にかかるセラミックコン
デンサを示す断面図である。このセラミックコンデンサ
は、いわゆる単板コンデンサであって、誘電体セラミッ
クからなる板状のセラミック誘電体板(単板)1と、セ
ラミック誘電体板1の両主面にセラミック誘電体板1を
介して互いに対向するように配設された一対の電極(容
量形成用電極)3a,3bと、一対の電極3a,3bに
はんだ付けされたリード端子4a,4bと、セラミック
誘電体板1を封止する外装樹脂5とを備えている。
タン酸バリウム又はチタン酸ストロンチウムを主成分と
するセラミックから形成されており、電極3a,3b
は、銅粉末を導電成分とし、酸化硼素(B2O3)、酸化
ビスマス(Bi2O3)、酸化亜鉛(ZnO)、及び燐酸
のアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩を主成分とし
て含有するガラスフリットを、導電成分である銅粉末に
対して所定の体積比で配合した導電性ペーストを、塗
布、焼き付けすることにより形成されている。
かかるセラミックコンデンサを示す断面図である。この
セラミックコンデンサは、積層セラミックコンデンサで
あって、誘電体セラミックからなるセラミック積層体
(セラミック素子)10中に、複数の内部電極11a,
11bが誘電体セラミック層12を介して互いに対向す
るように配設されているとともに、交互に逆側の端面1
3a,13bに引き出されており、かつ、セラミック積
層体10の端面13a,13bに、内部電極11a,1
1bと導通するように外部電極14a,14bが配設さ
れた構造を有している。
タン酸バリウム又はチタン酸ストロンチウムを主成分と
するセラミック材料から形成されたセラミックグリーン
シートに、内部電極形成用の導電性ペーストを所定のパ
ターンとなるように塗布したセラミックグリーンシート
を複数枚積層し、さらにその上下両面側に内部電極パタ
ーンの形成されていないセラミックグリーンシートを積
層し、圧着した後、所定の条件で焼成して一体化するこ
とにより形成されている。
成、一体化されたセラミック積層体10の両端面に、本
願発明の導電性ペースト、すなわち、銅粉末を導電成分
とし、酸化硼素(B2O3)、酸化ビスマス(Bi
2O3)、酸化亜鉛(ZnO)、及び燐酸のアルカリ金属
塩又はアルカリ土類金属塩を主成分として含有するガラ
スフリットを、導電成分である銅粉末に対して所定の体
積比で配合した導電性ペーストを塗布、焼き付けするこ
とにより形成されている。
たセラミック電子部品の特性を調べるため、以下に説明
するようなサンプル(セラミックコンデンサ))を作製
し、静電容量、誘電損失、電極の引張り強度、はんだ付
け性などを測定した。
酸化ビスマス(Bi2O3)、酸化亜鉛(ZnO)、燐酸
水素二ナトリウム(Na2HPO4)からなるガラスフリ
ットを、微細な銅粉末に対して、体積比を変えながら、
3本ロールなどの混練機により、エチルセルロース有機
ビヒクル中に分散させて導電性ペーストを作成した。な
お、燐酸水素二ナトリウム(Na2HPO4)の代わり
に、他の燐酸アルカリ金属塩や燐酸アルカリ土類金属塩
を用いることも可能であり、さらに、酸化ナトリウム
(Na2O)と5酸化2燐(P2O5)を別々に添加する
ようにしてもよい。
酸バリウム系の高誘電率誘電体セラミックから形成さ
れ、直径が14mm、厚みが0.5mmの円板(単板)の両
主面に、スクリーン印刷などの方法により塗布し、酸素
濃度450ppmの弱酸化性雰囲気中、焼成温度600℃
で、60分間焼成することにより、セラミックコンデン
サ(サンプル)を得た。
て、静電容量、誘電損失(DF)、電極の引張り強度、
はんだ付け性(酸化度)などを測定した。その結果を表
1に示す。
付したものは本発明の範囲外の比較例である。また、ガ
ラスフリットの添加量に対する電極の引張り強度の関係
を図3に、ガラスフリットの添加量に対する静電容量の
関係を図4に、ガラスフリットの添加量に対する誘電損
失(DF)の関係を図5に示す。
り強度は、電極に直径0.5mmのリード線をはんだ付け
し、電極面に垂直の方向に引張って電極が剥離したとき
の荷重を引張り強度とした。
の表面にロジンフラックスを塗布した後、溶融はんだに
浸漬してはんだ付け性を目視により観察し、評価した。
なお、はんだは融点が183℃の共晶はんだ(温度:2
35℃)を使用し、2〜3秒間浸漬した。
トの添加量が増大すると引張り強度が大きくなることが
わかる。一方、ガラスフリットの添加量が体積比で6.
0%を超えるとはんだ付け性が低下する。また、ガラス
フリットの添加量が体積比で0.3%未満になると、半
田くわれが生じ、電極の引張り強度も大きく低下する。
リットの添加量を銅粉末に対して、体積比で0.3〜
6.0%の範囲とすることにより、電極の引張り強度と
はんだ付性を同時に満足できることがわかる。
フリットの添加量が、体積比で0.3〜6.0%の範囲
にある場合、18nF以上の静電容量を得ることが可能
になるとともに、誘電損失が4%以下となり、良好な特
性を備えたセラミックコンデンサを得ることができる。
銅粉末に対して、体積比で0.3〜6.0%の範囲とす
ることにより、静電容量、誘電損失、電極の引張り強
度、はんだ付け性(酸化度)に関し、所望の特性を備え
たセラミックコンデンサを得ることができる。
酸化ビスマス(Bi2O3)、酸化亜鉛(ZnO)、燐酸
水素二ナトリウム(Na2HPO4)からなるガラスフリ
ットを、微細な銅粉末に対して、体積比が0.5%とな
るように配合し、これを3本ロールなどの混練機によ
り、エチルセルロース有機ビヒクル中に分散させて導電
性ペーストを作成した。なお、燐酸水素二ナトリウム
(Na2HPO4)を添加する代わりに、酸化ナトリウム
(Na2O)と5酸化2燐(P2O5)を添加するように
してもよい。
酸バリウム系の高誘電率誘電体セラミックから形成され
た、直径が14mm、厚みが0.5mmの単板の両主面に、
スクリーン印刷などの方法により塗布し、酸素濃度10
00ppmの弱酸化性雰囲気中で、焼成温度を変化させて
60分間焼成することにより、セラミックコンデンサ
(サンプル)を得た。
て、静電容量、誘電損失(DF)、電極の引張り強度、
はんだ付け性(酸化度)などを測定した。その結果を表
2に示す。
付したものは本発明の範囲外の比較例である。また、焼
成温度に対する電極の引張り強度の関係を図6に、焼成
温度に対する静電容量の関係を図7に、焼成温度に対す
る誘電損失(DF)の関係を図8に示す。
り強度は、電極に直径0.5mmのリード線をはんだ付け
し、電極面に垂直の方向に引張って電極が剥離したとき
の荷重を引張り強度とした。
の表面にロジンフラックスを塗布した後、溶融はんだに
浸漬してはんだ付け性を目視により観察し、評価した。
なお、はんだは融点が183℃の共晶はんだ(温度:2
35℃)を使用し、2〜3秒間浸漬した。
00〜700℃の範囲においては、電極の引張り強度と
はんだ付け性を同時に満足することがわかる。しかし、
焼成温度が800℃以上になると、電極の酸化が生じて
はんだ濡れ性が低下し、電極として機能しない状態にな
った。
度が500℃以上になると、ガラスが十分に軟化して、
誘電体セラミックへの接合状態が良好になり、静電容
量、誘電損失などの特性を満足することがわかる。な
お、焼成温度が800℃以上になっても、図7及び図8
に示すように、静電容量及び誘電損失に関しては、必要
な特性が得られているが、酸化抑制効果が低下して電極
の酸化が生じ、はんだ濡れ性が低下するため好ましくな
い。
℃の範囲とすることにより、静電容量、誘電損失、電極
の引張り強度、はんだ付け性(酸化度)に関し、所望の
特性を備えたセラミックコンデンサを得ることができ
る。
デンサを例にとって説明したが、本願発明の導電性ペー
ストは、例えば、NTCサーミスタ、バリスタなどのセ
ラミック電子部品に電極を形成する場合などに広く用い
ることが可能である。
上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨の
範囲内において、種々の応用、変形を加えることが可能
である。
導電性ペーストは、導電成分として、卑金属で安価な銅
粉末を用いているので、低コストの導電性ペーストを提
供することが可能になるとともに、ガラスフリットとし
て、酸化硼素(B2O3)、酸化ビスマス(Bi2O3)、
酸化亜鉛(ZnO)、及び燐酸のアルカリ金属塩又はア
ルカリ土類金属塩を主成分として含有するものを用いて
おり、鉛を含有していないため、鉛に起因する環境汚染
の問題を回避することが可能になる。さらに、上記ガラ
スフリットを用いているので、硼素などによる酸化防止
処理を行うことなく、中性雰囲気で焼成した場合に限ら
ず、弱酸化性雰囲気中で焼成した場合にも、銅粉末の酸
化を防止することが可能になり、セラミック上に電極を
形成する場合に、セラミックの還元を抑制して特性の安
定化を図ることが可能になる。 また、燐酸のアルカリ
金属塩またはアルカリ土類金属塩を含有させることによ
り、ガラスの軟化点を低くすることが可能になるととも
に、ガラスの還元性を抑制することが可能になる。
に、燐酸のアルカリ金属塩として、ナトリウム塩を用い
ることにより、確実にガラスの軟化点を低くすることが
可能になるとともに、低融点ガラスとしての特性を得る
ことが可能になる。
に、銅粉末に対するガラスフリットの体積比を0.3〜
6.0%の範囲にした場合、硼素などによる酸化防止処
理を施さなくても、確実に、銅粉末の酸化を防止するこ
とができる。
に、ガラスフリットの軟化点を350〜550℃の範囲
とした場合、温度500〜700℃、焼成時間0.5〜
1.5hrの、通常の焼き付け条件で導電性ペーストを
確実に焼き付けることが可能になり、本願発明をより実
効あらしめることができる。
電子部品は、誘電体セラミックに、請求項1〜4のいず
れかに記載の、安価な銅粉末を導電成分として用いた導
電性ペーストを塗布して、焼き付けることにより形成さ
れた厚膜電極を備えているので、経済性に優れており、
かつ、十分な信頼性を有している。
合のように、本願発明の導電性ペーストを500〜70
0℃で焼成することにより形成された電極は、焼成時に
ガラスフリットが十分に軟化するとともに、銅が十分に
焼結されるため、セラミックに対する接着強度が大き
く、電気的特性にも優れており、所望の特性を備えたセ
ラミック電子部品を得ることが可能になる。
デンサを示す断面図である。
ンデンサを示す断面図である。
電極の引張り強度の関係を示す特性図である。
静電容量の関係を示す特性図である。
誘電損失の関係を示す特性図である。
の関係を示す特性図である。
示す特性図である。
示す特性図である。
子) 11a,11 内部電極 12 セラミック層 13a,13b セラミック積層体の端面 14a,14b 外部電極
Claims (6)
- 【請求項1】銅(Cu)粉末と、ガラスフリットと、ビ
ヒクルとを含有する導電性ペーストであって、 前記ガラスフリットが、主成分として、酸化硼素(B2
O3)、酸化ビスマス(Bi2O3)、酸化亜鉛(Zn
O)、及び燐酸のアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属
塩を含有するものであることを特徴とする導電性ペース
ト - 【請求項2】前記燐酸のアルカリ金属塩がナトリウム塩
であることを特徴とする請求項1記載の導電性ペース
ト。 - 【請求項3】前記銅粉末に対する前記ガラスフリットの
体積比が0.3〜6.0%の範囲にあることを特徴とす
る請求項1又は2記載の導電性ペースト。 - 【請求項4】前記ガラスフリットの軟化点が350〜5
50℃の範囲にあることを特徴とする請求項1〜3のい
ずれかに記載の導電性ペースト。 - 【請求項5】誘電体セラミックと、 前記誘電体セラミックに請求項1〜4のいずれかに記載
の導電性ペーストを塗布して、焼き付けることにより形
成された厚膜電極とを具備することを特徴とするセラミ
ック電子部品。 - 【請求項6】前記導電性ペーストを500〜700℃の
温度で焼き付けることにより、前記厚膜電極を形成した
ことを特徴とする請求項5記載のセラミック電子部品。
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JP21860898A JP3985352B2 (ja) | 1998-07-15 | 1998-07-15 | 導電性ペースト及びそれを用いたセラミック電子部品 |
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