JP2005085937A - 圧電アクチュエータ用導電ペースト、圧電アクチュエータ及び液体吐出装置 - Google Patents

圧電アクチュエータ用導電ペースト、圧電アクチュエータ及び液体吐出装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2005085937A
JP2005085937A JP2003315486A JP2003315486A JP2005085937A JP 2005085937 A JP2005085937 A JP 2005085937A JP 2003315486 A JP2003315486 A JP 2003315486A JP 2003315486 A JP2003315486 A JP 2003315486A JP 2005085937 A JP2005085937 A JP 2005085937A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
piezoelectric actuator
piezoelectric
electrode
glass
glass frit
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2003315486A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4565823B2 (ja
Inventor
Hiroshi Aida
比呂史 会田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyocera Corp filed Critical Kyocera Corp
Priority to JP2003315486A priority Critical patent/JP4565823B2/ja
Publication of JP2005085937A publication Critical patent/JP2005085937A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4565823B2 publication Critical patent/JP4565823B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)
  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
  • Electrodes Of Semiconductors (AREA)
  • Conductive Materials (AREA)

Abstract

【課題】繰返し変形しても電極が自形を保ち、接着強度に優れた圧電アクチュエータ用導体ペースト、及びそれを用いた圧電アクチュエータ、並びに液体吐出装置を提供する。
【解決手段】導電粉末と、B、Bi及びZnを含有するガラスフリットと、有機ビヒクルと、からなることを特徴とし、特に、前記ガラスフリットが、xB−yBi−zZnOとしたとき、各構成成分x、y、zが特定のモル%の各頂点A、B、C、D、Aを結ぶ領域内にあることが好ましい。圧電アクチュエータ用導体ペースト。
【選択図】図2

Description

本発明は圧電アクチュエータ用導電ペースト、及びそれを用いて電極材料を作製した圧電アクチュエータ及び液体吐出装置に関し、より詳しくは、例えば加速度センサ、ノッキングセンサ、AEセンサ等の圧電センサ、燃料噴射用インクジェクター、インクジェットプリンタ用印刷ヘッド、圧電共振子、発振器、超音波モーター、超音波振動子、フィルタ等に適し、さらに広がり振動、伸び振動、厚み縦振動を利用した印刷ヘッドとして好適に用いられる圧電アクチュエータ及び印刷ヘッド等の液体吐出装置に関する。
近年、マルチメディアの浸透に伴い、インパクト方式のプリンタに代わって、インクジェット方式や熱転写方式を利用したノンインパクト方式のプリンタが開発され、その利用範囲が各種産業分野及び一般家庭分野において広がりつつある。
かかるノンインパクト方式のプリンタのなかでも、インクジェット方式を利用したプリンタは、多階調化やカラー化が容易で、ランニングコストが低いことから将来性が注目されている。
このインクジェット方式を利用したプリンタに用いられるインクジェットプリンタ用印刷ヘッドは、圧電アクチュエータが流路部材の上に設けられ、圧電アクチュエータは内部に内部電極やビア電極を含み、表面には表面電極が形成され、表面電極と内部電極とに電圧が印加されると、両電極で挟持されている圧電セラミック層が変位する。
このような圧電アクチュエータでは、圧電セラミック層の表面に電極を作製するため、圧電アクチュエータ用導電ペーストを焼結体表面に印刷法等により塗布し、乾燥した後、空気中で焼成することにより得られている。
そして、このような圧電アクチュエータ用導電ペーストとしては、Agなどの導電粉末とガラスフリットとを混合したものに、樹脂及び溶剤からなる有機ビヒクルを加えて混練したものが用いられており、Agなどの導電成分と圧電セラミック層との接合に関与するものである。
圧電アクチュエータ用導電ペースト中のガラスフリットは、圧電セラミックスとの反応などによって、電極をセラミックスに接着するためのものであり、このようなガラスフリットとしては、硼珪酸亜鉛系ガラス(例えば、特許文献1参照)やPbO−SiO−Bガラス(例えば、特許文献2参照)等が使用されている。
特公平9−148639号公報 特開平10−190081号公報
しかしながら、圧電アクチュエータでは、駆動時には圧電体とそれを挟む一対の電極が変位をするため、電極が変形し、特にインクジェットプリンタ用印刷ヘッドに用いられる圧電アクチュエータ等のように、変形量が大きく、また変形の頻度が高い場合、特許文献1や特許文献2に記載のガラスフリットでは、繰返し変形によって電極にクラックが発生する、或いは電極が剥離するという危険があった。
そこで、本発明の目的は、繰返し変形に対しても電極が自形を保ち、接着強度に優れた圧電アクチュエータ用導体ペースト、及びそれを用いた圧電アクチュエータ、並びに液体吐出装置を提供することにある。
本発明の圧電アクチュエータ用導電ペーストは、導電粉末と、B、Bi及びZnを含有するガラスフリットと、有機ビヒクルと、からなることを特徴とする。
前記ガラスフリットが、xB−yBi−zZnOとしたとき、各構成成分x、y、zが以下のモル%の各頂点A、B、C、Dを結ぶ領域内にあることが好ましい。
x y z
A 35 64.9 0.1
B 1 98.9 0.1
C 1 89 10
D 20 40 40
前記ガラスフリットが、Cu、Ni、Pb、Fe、Mnのうち少なくとも1種を含むことが好ましい。
前記導電粉末が、Ni、Ag、Cu、Pd及びAuのうち少なくとも1種を主成分とすることが好ましい。
本発明の圧電アクチュエータは、圧電セラミックスの主面に、導電金属と、B、Bi及びZnを含有するガラスと、を含む電極が形成されてなることを特徴とする。
前記ガラスが、xB−yBi−zZnOとしたとき、各構成成分x、y、zが以下のモル%の各頂点A、B、C、Dを結ぶ領域内にあることが好ましい。
x y z
A 35 64.9 0.1
B 1 98.9 0.1
C 1 89 10
D 20 40 40
前記ガラスが、Cu、Ni、Pb、Fe、Mnのうち少なくとも1種を含むことが好ましい。
前記導電金属が、Ni、Ag、Cu、Pd及びAuのうち少なくとも1つを主成分とすることが好ましい。
前記圧電セラミックスが、少なくともPbを含むペロブスカイト型化合物を主体とする圧電体であることが好ましい。
本発明の液体吐出装置は、上記の圧電アクチュエータを、液体導入口と、液体加圧室と、液体吐出口とを具備する流路部材に接合してなることを特徴とする。
本発明は、表面電極が繰返し変形してもクラックを発生せずに自形を保ち、高い接着強度の可能な圧電アクチュエータ用導体ペーストを実現し、これを用いて圧電アクチュエータの圧電セラミックスの主面に表面電極を形成すると、寿命が長く、信頼性の高い圧電アクチュエータ及びそれを用いた液体吐出装置が実現できる。
前記ガラスフリットが、A、B、C、D、E、Fを結ぶ組成領域内にあるため、より高い接着強度を示すことができる。
前記ガラスフリットが、Cu、Ni、Pb、Fe、Mnのうち少なくとも1種を含むことで、圧電セラミックスに対する電極の接着強度を更に向上することが可能となる。
前記導電粉末はNi、Ag、Cu、Pd及びAuのうち少なくとも1つを主成分とするため、高い導電性を得ることができる。
本発明の圧電アクチュエータは、繰返し変形によってもクラック発生を抑制して自形を保ち、接着強度に優れた電極を具備し、寿命の長い圧電アクチュエータを実現することができる。
前記ガラスフリットが、A、B、C、D、E、Fを結ぶ組成領域内にあるため、より高い接着強度を示すことができる。
前記ガラスが、Cu、Ni、Pb、Fe、Mnのうち少なくとも1種を含むため、圧電セラミックスに対する電極の接着強度を更に向上することが可能となる。
前記導電金属が、Ni、Ag、Cu、Pd及びAuのうち少なくとも1つを主成分とするため、高い導電性を得ることができる。
前記圧電セラミックスが、少なくともPbを含むペロブスカイト型化合物を主体とする圧電体であるため、金属成分が拡散した拡散層がより容易に形成できるため、より高い接着強度を実現できる。
また、上記の圧電アクチュエータ用導電ペーストを液体吐出装置の圧電アクチュエータの電極用材料として用いることにより、吐出特性に優れ、安定した特性を示すことのできる液体吐出装置を得ることができる。これは、特にインクジェットプリンタ用印刷ヘッドとして好適に用いることができる。
以下、本発明の圧電アクチュエータ用導電ペースト及びそれを用いた圧電アクチュエータ及び液体吐出装置を、インクジェットプリンタ用印刷ヘッドを例として取り上げて図面を参照して詳細に説明する。まず、図1は、本実施形態の圧電アクチュエータの構造を示すもので、図1(a)は平面図、図1(b)は図1(a)のA−A’の概略断面図である。
図1(a)に示したように、圧電アクチュエータ1の表面には、複数の表面電極6が格子状、又は千鳥状(図示せず)等に規則的に配列されている。
この圧電アクチュエータ1は、図1(b)に示したように、振動板2上に共通電極5、圧電セラミック層4及び複数の表面電極6がこの順に積層され、複数の表面電極6が圧電セラミック層4の表面に格子状に配列されており、共通電極5、圧電セラミック層4及び表面電極6により圧電変位素子7が形成されている。この圧電変位素子7は、共通電極5と表面電極6との間に電圧を印加することにより撓み変形する。
圧電アクチュエータ1の厚みTは、振動板2や表面電極6を含む圧電変位素子7の総厚みを示すものであり、100μm以下であることが好ましい。このように薄層にすることで、大きな変位を得ることができ、低電圧で高効率の駆動を実現できる。特に、圧電アクチュエータ1としての特性を十分に発揮できる点で、好ましくは80μm以下、より好ましくは65μm以下、さらに好ましくは50μm以下であるのがよい。一方、厚みTの下限値は、十分な機械的強度を有し、取扱い及び作動中の破壊を防止するため、3μm、好ましくは5μm、より好ましくは10μm、さらに好ましくは20μmであることがよい。
圧電セラミック層4としては、圧電性を示すセラミックスを用いることができ、具体的には、Bi層状化合物(層状ペロブスカイト型化合物)、タングステンブロンズ型化合物、及びNb系ペロブスカイト型化合物(Nb酸ナトリウムなどのNb酸アルカリ化合物(NAC)、Nb酸バリウムなどのNb酸アルカリ土類化合物(NAEC))、マグネシウムニオブ酸鉛(PMN系)、ニッケルニオブ酸鉛(PNN系)、Pbを含有するジルコン酸チタン酸鉛(PZT)、チタン酸鉛等のペロブスカイト型化合物を含有する物質を例示できる。
上記のうち、特に、少なくともPbを含むペロブスカイト型化合物であるのがよい。例えば、マグネシウムニオブ酸鉛(PMN系)、ニッケルニオブ酸鉛(PNN系)、Pbを含有するジルコン酸チタン酸鉛(PZT)やチタン酸鉛等を含有する物質が好ましい。特に、Aサイト構成元素としてPbを含有し、かつBサイト構成元素としてZr及びTiを含有する結晶であるのがよい。このような組成にすることで、高い圧電定数を有する圧電セラミック層4が得られる。
これら中でもPbを含むペロブスカイト型化合物、例えばジルコン酸チタン酸鉛やチタン酸鉛等であることが好ましい。これにより、大きな変位を得ることが容易となり、且つ、ガラスフリットとの濡れ性が向上するため、より高い接着強度を得ることが容易となる。
上記ペロブスカイト型結晶の一例として、PbZrTiOを好適に使用できる。また、他の酸化物を混合しても良く、さらに、副成分として、特性に悪影響がない範囲であれば、Aサイト及び/またはBサイトに他元素が置換していてもよい。例えば、副成分としてZn、Sb、Ni及びTeを添加した、Pb(Zn1/3Sb2/3)O及びPb(Ni1/2Te1/2)Oの固溶体であってもよい。
本発明によれば、上記ペロブスカイト型結晶におけるAサイト構成元素として、さらにアルカリ土類元素を含有するのが望ましい。アルカリ土類元素としてはBa、Sr、Caなどが挙げられ、特にBa、Srが高い変位を得られる点で好ましい。これにより、比誘電率が向上する結果、さらに高い圧電定数を得ることが可能となる。
具体的には、Pb1−x−ySrBa(Zn1/3Sb2/3(Ni1/2Te1/2Zr1−a−b−cTi+α質量%Pb1/2NbO(0≦x≦0.1.90≦y≦0.1.90.05≦a≦0.1、0.002≦b≦0.01、0.44≦c≦0.50、α=0.1〜1.0)で表される化合物を例示できる。
振動板2としては、材質は特に限定しないが、例えば、モリブデン、タングステン、タンタル、チタン、白金、鉄、ニッケルなどの単体金属や、これらの金属の合金、ステンレス鋼などの金属材料、あるいはジルコニアやPZT等のセラミックスを用いることができ、特に、これらの材料の成形体を、共通電極5、圧電セラミック層4などと同時焼成により一体化されていることが好ましい。
本発明の圧電アクチュエータ用導電ペーストは、上記の圧電セラミック層4の表面に表面電極6を形成するために使用されるもので、導電粉末と、ガラスフリットと、有機ビヒクルとを具備する。そして、ガラスフリット中に、硼素(B)、ビスマス(Bi)、亜鉛(Zn)を含むことが重要である。
これらの元素を含むことによって、電極と圧電セラミックスとを高い接着強度で接合することができるので、電極の繰返し変形によるクラック発生や、電極剥離を抑制することができる。
特に、BとZnは接着をより低温で行うために有用であるとともに、接合時の残留応力を低減して、圧電アクチュエータの圧電特性が劣化するのを防止する効果も有する。
また、B−Bi−ZnO系ガラスの組成範囲は、図2に示す三元組成図において、A(35,64.9,0.1)、B(1,98.9,0.1)、C(1,89,10)、D(20,40,40)、A(35,64.9,0.1)を結ぶ領域内にあることが好ましい。このように、B、Bi及びZnを上記の組成範囲に設定することによって、より高い接着強度と、より高い剥離強度とを備える電極を効率良く作製することができ、特に、B(1,98.9,0.1)、C(1,89,10)、E(11,49,40)、F(11,69,20)、G(20,79,1)、B(1,98.9,0.1)を結ぶ領域内に設定することが、より好ましい。
このようにBiが多く、B及び/又はZnを加えた組成において、本発明の目的を容易に達成する傾向があり、B−C−E−F−G−Bで囲まれた範囲に組成を決定することが好ましい。
さらに、ガラスフリットが、Cu、Ni、Pb、Fe、Mnのうち少なくとも1種を含むことが更なる接着強度向上のために好ましい。これらのうち、特にCuは接着強度をさらに高める点で含有されるのが好ましい。また、Pbは低温焼成をさらに低減すると共に、接着強度をさらに高める効果を有するので好ましい。
本発明の圧電アクチュエータ用導電ペーストに含まれる導電粉末としては、Ni、Ag、Cu、Pd及びAuのうち少なくとも1種を主成分とすることが好ましい。これらの導電粉末は焼付け後に得られる電極の導電性を高めることができる。これらのうち、特に、Ag及びAuは、低抵抗で、電極の温度上昇も少ないため、圧電アクチュエータの脱分極を抑制する効果が高く、より好ましい。
有機ビヒクルとしては、一般的に圧電アクチュエータ用導電ペースト用として使用されているものを使用することができる。例えば、有機ビヒクル中の樹脂成分としては、エチルセルロースやニトロセルロースなどのセルロース系樹脂、メチルメタアクリレート等のアクリル系樹脂を使用でき、樹脂成分を溶解するための溶媒としては、テルピネオール、ブチルカルビトール、ブチルカルビトールアセテート、ジブチルフタレート、エーテル、ケトン類、アルコール類、ナフサ類を例示できる。
このような圧電アクチュエータ用導電ペーストは、圧電アクチュエータの主面に設けられた電極を形成するために用いられ、特に液滴吐出装置、例えばインクジェットヘッドに好適に使用することができる。
本発明の圧電アクチュエータは、圧電セラミックスの主面に、導電金属と、B、Bi及びZnを含有するガラスと、を含む電極が形成されていることを特徴とするものであり、上記の圧電アクチュエータ用導体ペーストを用いることによって容易に作製することができる。
本発明によれば、ガラスがB、Bi及びZnを含有するため、電極の剥離を抑制するとともに、接着強度を高めることができる。
特に、B−Bi−ZnO系ガラスの組成範囲は、図2に示す三元組成図において、A(35,64.9,0.1)、B(1,98.9,0.1)、C(1,89,10)、D(20,40,40)、A(35,64.9,0.1)を結ぶ領域内にあることが好ましい。さらに、B(1,98.9,0.1)、C(1,89,10)、E(11,49,40)、F(11,69,20)、G(20,79,1)、B(1,98.9,0.1)を結ぶ領域内に設定することが、より好ましい。
このように、B、Bi及びZnを上記の組成範囲に設定することによって、より高い接着強度と、より高い剥離強度とを備える電極を効率良く作製することができる。
また、圧電セラミックスが、少なくともPbを含むペロブスカイト型化合物を主体とする圧電体であることが好ましく、これにより、Bi、B、Zn系ガラスとの濡れ性が改善され、拡散が促進されて接着強度をさらに高めることができる。
圧電セラミックスの平均結晶粒子径は、Biの拡散を促進し、接着強度をより高め、電極の全面に渡って均一な接着強度を得るために、0.5〜10μm、特に0.7〜8μm、更には、1〜5μmであることが好ましい。
ガラスには、上記と同じ理由により、Cu、Ni、Pb、Fe、Mnのうち少なくとも1種を含むことが好ましい。
導電金属が、Ni、Ag、Cu、Pd及びAuのうち少なくとも1つを主成分とすることが好ましく、これらの金属で作製した電極の導電性を高めることができる。これらのうち、特に、Ag及びAuは、低抵抗で、電極の温度上昇も少ないため、圧電アクチュエータの脱分極を抑制する効果が高く、より好ましい。
例えば、Ag−Pd合金を用いると、PZTのようにPbを含むペロブスカイトを含む圧電セラミック層との濡れ性を高め、密着強度を改善することができ、圧電特性を安定化させることが容易に可能となる。その組成は、例えば導電金属である銀が71〜99.9質量%、特に80〜99質量%、更には85〜97質量%含まれ、残部をガラスが含まれるように設定することができる。
また、本発明の液体吐出装置は、上記の圧電アクチュエータを、流路部材に接合してなることを特徴とする。この流路部材は、液体導入口と、液体加圧室と、液体吐出口を具備するものである。
次に、本発明の液体吐出装置の製造方法について、インクジェットヘッドを例として取り上げて説明する。まず、原料として、純度99%、平均粒子径1μm以下のPZT粉末を、圧電性セラミックス粉末として準備し、ドクターブレード法によってテープ状に成形してグリーンシートを作製した。
作製したグリーンシートのうち、一部のグリーンシートにはAg−Pdペーストをスクリーン印刷によって塗布し、これを内部電極となるように、グリーンシートと、内部電極を塗布したグリーンシートとを積層し、所望の形状にカットする。得られて積層体を、400℃程度で脱バインダーを行い、その後に850〜1100℃の温度で焼成する。
焼成後、焼結体の主面に、所望の形状、所望の配列に表面電極を形成するが、そのために、まずガラスフリットを作製する。即ち、表1に示すガラス組成となるように、その出発原料のHBO、Bi、ZnO及び所望によりSiO、Pb、CuO、NiOSiO、Fe及びMnOを混合し、高温で溶融させた後急冷してガラス化した。その後、得られたガラスを粉砕してガラスフリットを得た。
次に、これらガラスフリットを、Ag等の導電粉末と、テルピネオールに溶解したエチルセルロース等からなる有機ビヒクルと混合し、これを十分混練、分散させて圧電アクチュエータ用導電ペーストを作製する。
得られた導電性ペーストを用いて、先に得られた焼結体の圧電セラミック層の表面に、表面電極材をスクリーン印刷によって塗布し、550〜800℃、特に575〜750℃、更には600〜700℃の温度で加熱処理をして表面電極を作製する。
最後に、表面電極及び内部電極間に電圧を印加して圧電セラミック層を分極して圧電アクチュエータが完成する。
本発明の圧電アクチュエータは、圧電セラミック層の一方の主面に共通電極が形成され、他方の対向主面に表面電極を形成し、圧電セラミック層と、共通電極と、表面電極とで形成される変位素子を複数備え、微量の液滴を吐出する液体吐出装置、特にインクジェット方式を利用したプリンタに用いられるインクジェットプリンタ用印刷ヘッドに好適に使用することができる。
例えば、図1に示したインクジェットプリンタ用印刷ヘッドのように、複数の溝を並設し、溝を液体加圧室3aとするとともに、各溝を仕切る壁を隔壁3bとした流路部材3と、圧電セラミック層4の一方の主面に共通電極5を、他方の主面に個別電極6を形成した圧電素子7を有し、変位素子7の共通電極5側を流路部材3の開口部に接着するとともに、圧電素子7の個別電極6の各々は液体加圧室3aの各々と対応するように設けられている。
そして、駆動回路より個別電極6に電圧を印加し、液体加圧室3aを形成する圧電素子7を振動させることにより液体加圧室3a内のインクを加圧し、流路部材3の底面に開口させた液体吐出口8よりインク滴を吐出させる。
このようなインクジェットプリンタ用印刷ヘッドの圧電アクチュエータとして好適に使用できる本発明の圧電アクチュエータは、変位素子が高速で繰返し変位しても、その一部を構成する表面電極がクラックを生じにくく、自形を保ち、しかも高い接着強度を有するため、これを用いたインクジェットヘッドは、高性能で高信頼性を有することができる。
まず、原料として、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)を含有する圧電体粉末を準備した。この原料粉末を成形してグリーンシートを作製した。また、Ag−Pdを主成分とあする内部電極用ペーストを作製し、これを先に得られた複数のグリーンシートのうち、一部について、表面に厚さ4μmの電極パターンを印刷して、内部電極を形成した。
グリーンシートと、表面に内部電極を形成したグリーンシートを積層し、得られた積層成形体を焼成した。
一方、圧電アクチュエータ用導電ペーストを作製するために、ガラスフリットを作製した。表1に示すガラス組成となるように調合し、HBO、Bi、ZnO及び所望によりSiO、Pb、CuO、NiOSiO、Fe及びMnOを混合し、高温で溶融させた後急冷してガラス化した。その後、得られたガラスを粉砕してガラスフリットを得、しかる後に、さらにガラスを粉砕してガラスフリットを作製した。
次に、得られたガラスフリットと平均粒径が約3μmのAg粉末とを表1に示した割合で加え、さらにこれらの合量80質量%に対して、エチルセルロース樹脂をテルピネオールに溶解した有機ビヒクル20質量%を混合し、十分に混練、分散させて圧電アクチュエータ用導電ペーストを作製した。
この圧電アクチュエータ用導電ペーストを、先に作製した圧電セラミックスの主面に印刷法により2μmの厚みで塗布し、550〜800℃の温度において焼成し、表面電極を形成し、圧電アクチュエータを作製した。
得られた圧電アクチュエータを、図1に示した形状を有する流路部材(ただし、吐出ノズルの代わりに変位量の測定が可能な大口径の孔が設けられている)の上に接着剤を用いて接合し、吐出装置であるインクジェットヘッドを作製した。なお、ここで用いた流路部材はFe−Ni系金属部材で、接着は、熱硬化性のエポキシ接着剤を流路部材の上に塗布し、その上に圧電アクチュエータを重ね、圧電駆動素子に2MPaの圧力をかけて、150℃の温度下で10分にて接着を行った。
得られた圧電アクチュエータを耐久テストで評価した。この耐久テストは、10kHzで圧電アクチュエータの表面に形成された表面電極と内部電極間に電圧を印加して約100nm程度の変位を1億回繰返した後に、圧電アクチュエータの表面電極にクラック及び剥離の有無を確認した。クラックは光学式顕微鏡にて観察し、更に走査型電子顕微鏡(SEM)で確認した。また、耐久テストの前後で変位素子の変位量を測定し、その低下率を%で表示した。
なお、変位素子の変位量の測定は、一つの圧電アクチュエータから50個の変位素子を選定し、これらについてインクジェットプリンタ用印刷ヘッドとしての使用を考慮し、図3に示したように、流路部材3側から液体加圧室3aを通して圧電アクチュエータに対して、レーザードップラー変位計によりレーザービームを照射し、流路部材3の液体加圧室3aに当接している圧電アクチュエータの中心部及び周辺部7点を測定して変位を測定し、平均値を算出した。結果を表1に示した。
Figure 2005085937
ガラスフリットにB、Bi及びZnが含まれない本発明の範囲外の試料No.1及び2は、耐久テストにおいて外観不良が観察され、且つ性能劣化が62%以上と大きかった。
これに対して本発明の試料No.3〜33は、耐久テストにおいて外観不良は観察されず、また性能劣化も25%以下であった。
本発明の液体吐出装置の構造を示す概略断面図である。 本発明の圧電アクチュエータ用導電ペーストのガラスフリットに含まれるB、Bi、Znの三元組成図である。 本発明の圧電アクチュエータの変位を測定するための接合構造を示す概略断面図である。
符号の説明
7・・・変位素子
1・・・圧電アクチュエータ
2・・・振動板
3・・・流路部材
3a・・・液体加圧室
3b・・・隔壁
4・・・圧電セラミック層
5・・・共通電極
6・・・個別電極
6a・・・駆動部電極
6b・・・接続部電極
7・・・変位素子
8・・・液体吐出口

Claims (10)

  1. 導電粉末と、B、Bi及びZnを含有するガラスフリットと、有機ビヒクルと、からなることを特徴とする圧電アクチュエータ用導体ペースト。
  2. 前記ガラスフリットが、xB−yBi−zZnOとしたとき、各構成成分x、y、zが以下のモル%の各頂点A、B、C、Dを結ぶ領域内にあることを特徴とする請求項1記載の圧電アクチュエータ用導体ペースト。
    x y z
    A 35 64.9 0.1
    B 1 98.9 0.1
    C 1 89 10
    D 20 40 40
  3. 前記ガラスフリットが、Cu、Ni、Pb、Fe、Mnのうち少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項1又は2記載の圧電アクチュエータ用導電ペースト。
  4. 前記導電粉末が、Ni、Ag、Cu、Pd及びAuのうち少なくとも1種を主成分とすることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の圧電アクチュエータ用導電ペースト。
  5. 圧電セラミックスの主面に、導電金属と、B、Bi及びZnを含有するガラスと、を含む電極が形成されてなることを特徴とする圧電アクチュエータ。
  6. 前記ガラスが、xB−yBi−zZnOとしたとき、各構成成分x、y、zが以下のモル%の各頂点A、B、C、Dを結ぶ領域内にあることを特徴とする請求項5記載の圧電アクチュエータ。
    x y z
    A 35 64.9 0.1
    B 1 98.9 0.1
    C 1 89 10
    D 20 40 40
  7. 前記ガラスが、Cu、Ni、Pb、Fe、Mnのうち少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項5又は6記載の圧電アクチュエータ。
  8. 前記導電金属が、Ni、Ag、Cu、Pd及びAuのうち少なくとも1つを主成分とすることを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載の圧電アクチュエータ。
  9. 前記圧電セラミックスが、少なくともPbを含むペロブスカイト型化合物を主体とする圧電体であることを特徴とする請求項5〜8のいずれかに記載の圧電アクチュエータ。
  10. 請求項5〜9のいずれかに記載の圧電アクチュエータを、液体導入口と、液体加圧室と、液体吐出口とを具備する流路部材に接合してなることを特徴とする液体吐出装置。

JP2003315486A 2003-09-08 2003-09-08 圧電アクチュエータ用導電ペースト、圧電アクチュエータ及び液体吐出装置 Expired - Fee Related JP4565823B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003315486A JP4565823B2 (ja) 2003-09-08 2003-09-08 圧電アクチュエータ用導電ペースト、圧電アクチュエータ及び液体吐出装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003315486A JP4565823B2 (ja) 2003-09-08 2003-09-08 圧電アクチュエータ用導電ペースト、圧電アクチュエータ及び液体吐出装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005085937A true JP2005085937A (ja) 2005-03-31
JP4565823B2 JP4565823B2 (ja) 2010-10-20

Family

ID=34415742

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003315486A Expired - Fee Related JP4565823B2 (ja) 2003-09-08 2003-09-08 圧電アクチュエータ用導電ペースト、圧電アクチュエータ及び液体吐出装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4565823B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7667377B2 (en) 2005-12-08 2010-02-23 Murata Manufacturing Co., Ltd. Laminated piezoelectric element and process for producing the same
JP2013048206A (ja) * 2011-08-29 2013-03-07 Samsung Electro-Mechanics Co Ltd 圧電素子、インクジェットプリントヘッド及びその製造方法
JP2020167157A (ja) * 2019-03-27 2020-10-08 三ツ星ベルト株式会社 導電性組成物ならびにメタライズド基板およびその製造方法

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0660716A (ja) * 1992-08-06 1994-03-04 Murata Mfg Co Ltd 導電ペースト及びそれを用いたセラミック電子部品の電極形成方法
JPH08315634A (ja) * 1995-05-23 1996-11-29 Murata Mfg Co Ltd 導電ペースト及びそれを用いたセラミック電子部品
JP2000036220A (ja) * 1998-07-15 2000-02-02 Murata Mfg Co Ltd 導電性ペースト及びそれを用いたセラミック電子部品
JP2001307547A (ja) * 2000-04-25 2001-11-02 Murata Mfg Co Ltd 導電性組成物およびそれを用いた印刷回路板
JP2002299712A (ja) * 2001-03-28 2002-10-11 Toshiba Corp 圧電素子、および超音波発振装置
JP2003151847A (ja) * 2001-11-13 2003-05-23 Tdk Corp セラミックコンデンサ

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0660716A (ja) * 1992-08-06 1994-03-04 Murata Mfg Co Ltd 導電ペースト及びそれを用いたセラミック電子部品の電極形成方法
JPH08315634A (ja) * 1995-05-23 1996-11-29 Murata Mfg Co Ltd 導電ペースト及びそれを用いたセラミック電子部品
JP2000036220A (ja) * 1998-07-15 2000-02-02 Murata Mfg Co Ltd 導電性ペースト及びそれを用いたセラミック電子部品
JP2001307547A (ja) * 2000-04-25 2001-11-02 Murata Mfg Co Ltd 導電性組成物およびそれを用いた印刷回路板
JP2002299712A (ja) * 2001-03-28 2002-10-11 Toshiba Corp 圧電素子、および超音波発振装置
JP2003151847A (ja) * 2001-11-13 2003-05-23 Tdk Corp セラミックコンデンサ

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7667377B2 (en) 2005-12-08 2010-02-23 Murata Manufacturing Co., Ltd. Laminated piezoelectric element and process for producing the same
JP2013048206A (ja) * 2011-08-29 2013-03-07 Samsung Electro-Mechanics Co Ltd 圧電素子、インクジェットプリントヘッド及びその製造方法
US8567695B2 (en) 2011-08-29 2013-10-29 Samsung Electro-Mechanics Co., Ltd. Piezoelectric device, inkjet print head and method of manufacturing the same
JP2020167157A (ja) * 2019-03-27 2020-10-08 三ツ星ベルト株式会社 導電性組成物ならびにメタライズド基板およびその製造方法
JP7235692B2 (ja) 2019-03-27 2023-03-08 三ツ星ベルト株式会社 導電性組成物ならびにメタライズド基板およびその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4565823B2 (ja) 2010-10-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4422973B2 (ja) 積層圧電体、アクチュエータ及び印刷ヘッド
JP4991145B2 (ja) 圧電アクチュエータの検査方法
JP2003258328A (ja) 積層型圧電アクチュエータ
CN100559622C (zh) 压电驱动器以及喷吐装置
JP5458085B2 (ja) 積層圧電体、圧電アクチュエータおよび印刷ヘッド
JP2006269916A5 (ja)
JP4812244B2 (ja) 印刷ヘッド
JP2007123483A (ja) 圧電アクチュエータ及び液体吐出装置
JP5001534B2 (ja) 圧電アクチュエータおよび吐出装置
JP4565823B2 (ja) 圧電アクチュエータ用導電ペースト、圧電アクチュエータ及び液体吐出装置
JP2004096068A (ja) 圧電素子、圧電アクチュエータ、及び、液体噴射ヘッド
JP4485140B2 (ja) 圧電アクチュエータおよびその製造方法
JP2005051840A (ja) 圧電アクチュエータの製造方法及び印刷ヘッドの製造方法
JP2011091234A (ja) 液体噴射ヘッド、液体噴射装置及びアクチュエーター装置
JP2005041053A (ja) 液体吐出装置
JP4907858B2 (ja) 圧電アクチュエータ、その製造方法及び印刷ヘッド
JP5096659B2 (ja) 圧電アクチュエータおよび印刷ヘッド
JP4456357B2 (ja) 圧電アクチュエータおよびインクジェット記録ヘッド
JP5178065B2 (ja) 圧電セラミックス、圧電アクチュエータおよび液体吐出ヘッド
JP2006073672A (ja) 積層圧電体、その製造方法、圧電アクチュエータおよび印刷ヘッド
JP2005022165A (ja) 液滴吐出用部材及び液滴吐出装置
JP4445719B2 (ja) 圧電アクチュエータおよびインクジェット記録ヘッド
JP4833510B2 (ja) インクジェット記録ヘッドおよびその製造方法
JP4889197B2 (ja) アクチュエータ及びその製造方法並びに印刷ヘッド
JP4766827B2 (ja) 圧電積層体の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060811

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100420

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100615

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100706

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100803

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130813

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees