JP4254136B2 - 導電性ペーストおよびセラミック電子部品 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、導電性ペーストおよびそれを用いて形成した厚膜電極を備えたセラミック電子部品に関する。
【0002】
【従来の技術】
誘電体セラミック上に静電容量形成用の電極が配設された構造を有する、セラミック電子部品の1種であるセラミックコンデンサを製造する場合、電極は通常銀粉末を導電成分とし、これにガラスフリット、有機ビヒクル、さらに必要に応じて各種添加成分を含有させた導電性ペースト(銀ペースト)をセラミック誘電体上に塗布し、焼き付けることにより形成されている。このように、導電性ペーストを焼き付けて形成した銀厚膜電極は、電気的性質に優れ、高周波特性が良好で信頼性が高く、しかも容易かつ簡便に電極を形成することができるという特徴を有している。この導電性ペーストを構成するガラスフリットとして、鉛を含有するホウケイ酸鉛などのガラスフリットが広く用いられてきたが、近年環境問題に対する意識の高まりから、ガラスフリットに対して無鉛材料への転換が望まれるようになっている。
【0003】
無鉛のガラスフリットは、硼酸量を少なくした組成でないと低融点を示さないことが知られているが、低融点ガラスにおける耐湿性は、従来の鉛ガラスより劣ることが知られている。また、融点の高いガラスフリットを用いた場合、焼き付け温度400℃〜600℃の低温焼き付けでは、導電性ペーストから形成される厚膜電極の誘電体セラミックとの接合が不完全となり、厚膜電極の接着強度が低下するという問題がある。
【0004】
また、半導体セラミック素体上にオーミック接触する電極が配設された構造を有する、セラミック電子部品の1種である正特性サーミスタを製造する場合、半導体セラミックと電極との界面に電位障壁が形成され易い。この電位障壁は、高電場もしくは熱等に対して不安定であり、正特性サーミスタにたとえばパルス電流やサージ電流が流れたり、また、はんだ付けがなされたりした場合等においては、その電気的特性が劣化し易い。そこで、セラミック表面に電位障壁を形成しない無電解Niめっき膜が形成される。しかしながら、この無電解Niめっき膜のみでははんだ付け性が悪く、この上部に導電性ペーストを塗布し焼き付けすることが一般的であった。その導電性ペーストを焼き付ける際においては、下地のNiめっき膜の酸化抑制、半導体セラミックの劣化抑制を行うために、焼き付け温度を400℃〜600℃の低温で焼き付ける必要性がある。この焼き付け温度では、下地Niめっき膜と導電性ペーストから形成される厚膜電極との接合が不完全となり、厚膜電極の接着強度が低下するという問題が同様にある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように、上述した誘電体セラミック上に静電容量形成用の電極が配設された構造を有するセラミックコンデンサでは、従来の無鉛のガラスフリットを使用した銀の導電性ペーストで電極を形成した場合、低温400℃〜600℃の焼き付けでは電極の十分な接着強度(電極強度)が得られなかった。そのため、従来の銀の導電性ペーストでは、電気的特性が良好で信頼性の高いセラミックコンデンサを製造することが困難であった。
【0006】
また、半導体セラミック素体上にオーミック接触するNi電極が配設された構造を有するサーミスタでは、後のはんだ付けを行うために上記Ni電極上に銀の導電性ペーストでさらに電極が形成されている。ところが、従来の銀の導電性ペーストを、低温400℃〜600℃で焼き付けた場合、上記Ni電極との十分な接着強度(電極強度)が得られなかった。そのため、従来の銀の導電性ペーストでは、抵抗ばらつきのない、信頼性の高いサーミスタを製造することが困難であった。
【0007】
本発明は、上記従来の問題に鑑みなされたものであり、その目的は、低温の焼き付けでも、セラミック電子部品における十分な電極強度が得られる厚膜電極を形成することができる導電性ペーストを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明の導電性ペーストは、銀粉末と、ガラスフリットと、有機ビヒクルとを含む導電性ペーストにおいて、銀粉末とガラスフリットとからなる固形分に対して、銀粉末が60〜85重量%であり、B23とBi23とからなるガラスフリットが15〜40重量%であることを特徴としている。
【0009】
上記の導電性ペーストによれば、セラミック電子部品において低温で焼き付けることにより厚膜電極を形成することできる。上記の導電性ペーストによれば、たとえば、セラミックコンデンサ用の誘電体セラミック素子、および半導体セラミック素体上にオーミック接触する電極が配設された構造を有する抵抗素子に対して、低温(400℃〜600℃)での焼き付けを可能とする。さらに上記導電性ペーストにより、必要な電極強度を得られる厚膜電極を形成することができる。つまり、セラミック電子部品の信頼性を向上させることができる。
【0010】
また、上記導電性ペーストでは、ガラスフリットが、B23が15〜25.9重量%に対してBi23が85〜74.1重量%からなることが好ましい。
【0011】
また、本発明のセラミック電子部品は、セラミックと、上記導電性ペーストが前記セラミックに焼き付けられることにより形成された厚膜電極とを備えることを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
〔実施の形態1〕
本発明の実施の一形態にかかる導電性ペーストは、導電粉末としての銀粉末と、ガラスフリットと、有機ビヒクルとを含むものである。
【0013】
上記導電性ペーストは、たとえば、セラミックコンデンサ、半導体セラミック、正特性サーミスタ等の、セラミックからなる素体を備えるセラミック電子部品における外部電極等の電極を形成するものである。
【0014】
特に、上記導電性ペーストは、セラミック電子部品における外部電極を形成する場合に、セラミック素体の下地となるNi等のめっき層を介して間接的、あるいはセラミック素体に直接的に塗布され、さらに焼き付けられる。この焼き付けにより、外部電極となる厚膜電極が形成される。上記焼き付けの際には、セラミック電子部品としての性能を維持するために、セラミック素体の劣化等を防止(抑制)する必要、さらに下地にNiめっき膜を形成した場合にはそのNiめっき膜の酸化を抑制する必要がある。そのため、塗布した導電性ペーストを400℃〜600℃の低温で焼き付ける必要性がある。さらに、形成された厚膜電極は、セラミック電子部品として実際に使用するために、セラミック素体に対する電極強度が10N以上である必要がある。
【0015】
上記に示した外部電極としての条件を満たすためには、導電性ペーストにおいて、銀粉末とガラスフリットとからなる固形成分に対して、銀粉末が60.0重量%〜85.0重量%であり、ガラスフリットが15.0重量%〜40.0重量%とするとよい。
【0016】
これは、ガラスフリットの量が15.0重量%未満になると、電極強度が弱くなり、40.0重量%を超えると界面のガラス量が電気特性を低下させるからである。ガラスフリットの量が15.0重量%未満において電極強度が弱くなる原因としては、電極強度を測定した際の剥離面を観察すると、セラミック側のガラスの量が少ないことより、ガラスによる接着が不十分であることが挙げられる。
【0017】
上記ガラスフリットは、B23とBi23とからなる2成分系ガラスフリットである。
【0018】
さらに、上記ガラスフリットの組成は、B23が15.0重量%〜25.9重量%であり、Bi23が85.0重量%〜74.1重量%であることが好ましい。
【0019】
23とBi23からなる上記ガラスフリットは、B23の割合が7.4重量%〜34.6重量%の範囲において溶融し、ガラス化するが、その範囲内でも、組成によってガラスの高温時の粘性が変化する。図2に、高温時の粘性を示すが、特にB23が18.3重量%(約60mol%)において、Pb系ガラスに近い粘性を示す。
【0020】
また、電極強度は、B23が18.3重量%で電極強度が最も高くなるピークを持ち、B23が15.0重量%〜25.9重量%に範囲において、電極強度が平均10Nをクリアする。B23が15.0重量%未満および25.9重量%を超える場合には、実用に耐えうるセラミック電子部品の電気的特性およびセラミック電子部品における電極の電極強度を維持することが困難となる。
【0021】
また、ガラスフリットにおけるB23の組成が18.3重量%では、導電性ペーストの焼き付け温度400℃〜600℃の範囲において電極強度が平均10Nをクリアする。また、焼き付け温度が400℃未満においてはガラスフリットにおけるB23の組成が18.3重量%であっても、電極強度を測定した際の剥離面におけるセラミック側のガラスの存在は少なくなっており、電極強度が低下する。また。焼き付け温度が600℃を超えると、ガラスフリットにおけるB23の組成が18.3重量%の場合、電極強度については問題ないが、セラミック素体に対してガラスが反応するために電気特性が低下する。
【0022】
上記銀粉末の形状は、特に限定されることはなく、たとえば、球状、鱗片状、偏平状、不定形、針状等のどのような形状のものでもよい。
【0023】
上記有機ビヒクルは、バインダー機能を有する樹脂を溶剤に溶解したものであり、導電性ペーストに印刷性を付与できるものであれば特に限定されるものではない。上記樹脂としては、エチルセルロース樹脂、ニトロセルロース樹脂、アルキド樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂およびフェノール樹脂等の公知の樹脂を用いることができる。また、上記溶剤としては、α−テルピネオール、ブチルカルビトール、ブチルカルビトールアセテート、ジアセトンアルコール、メチルイソブチルケトン、ベンジルアルコール、ジヒドロターピネオール、およびそれらの混合溶剤等を用いることができる。また、上記有機ビヒクルには、塗布性や分散性を向上させる目的で、必要に応じて、公知のチクソトロピー剤、レベリング剤、分散剤、増粘防止剤、沈殿防止剤等を添加してもよい。
【0024】
次に、本発明の本実施の形態にかかるセラミック電子部品として、セラミックコンデンサを例に挙げ、図1を参照して説明する。
【0025】
本実施の形態にかかるセラミックコンデンサは、セラミックコンデンサ素体(セラミック素体)1と、電極2、2と、リード線3、3と、はんだ4、4と、外装樹脂5とからなる。
【0026】
本実施の形態において、セラミックコンデンサ素体1は、特に限定されるわけではないが、板状である。このセラミックコンデンサ素体1を挟むように一対の電極2、2が形成されている。電極2、2上には、はんだ4、4によってリード線3、3が電極2、2と電気的・機械的に接合されている。そして、上記セラミックコンデンサ素体1と、電極2、2と、リード線3、3と、はんだ4、4とが外装樹脂5により覆われている。上記セラミックコンデンサ素体1と、電極2、2と、はんだ4、4とは、完全に外装樹脂5に覆われている。また、リード線3、3は、外部の機器等に接続することができるように、リード線3、3の一端のみが外装樹脂5により覆われ。リード線3、3のもう一端は露出している。
【0027】
上記セラミックコンデンサ素体1は、特に限定されるものではなく、たとえば単板型、積層型のセラミックコンデンサ素体であればよい。単板型のセラミックコンデンサ素体は、誘電体材料、例えばBaTiO3を主成分とするセラミック成形体を焼成することにより作製される。また、積層型のセラミックコンデンサ素体は、たとえば略直方体の形状にセラミックグリーンシートと内部電極となる導電性ペースト層とを交互に積層し、この積層体を焼成することにより作製される。積層型のセラミックコンデンサ素体を用いた場合には、積層セラミックコンデンサとなる。積層型セラミックコンデンサの場合には、積層型のセラミックコンデンサ素体の内部電極が露出した両端面に電極2・2が形成される。
【0028】
電極2、2は、上記の本実施形態にかかる導電性ペーストを焼き付けることにより形成された厚膜電極からなる。この電極2、2は、たとえばセラミックコンデンサ素体1の両主面に上記導電性ペーストを塗布し、乾燥させ、さらに焼き付けることにより形成される。
【0029】
また、上記リード線3、3の材料は、特に限定されることなく、従来用いられている、直径0.6mmのはんだ引きCu線等を用いることができる。
【0030】
また、外装樹脂5の材料は、特に限定されることないが、シリコン樹脂等を用いることができる。
【0031】
〔実施の形態2〕
本発明の実施の他の形態にかかるセラミック電子部品として、正特性サーミスタを例に挙げ、図3に基づいて説明する。
【0032】
本実施の形態にかかる正特性サーミスタは、半導体セラミック素体(セラミック素体)6と、オーミック電極7、7、電極8、8と、リード線9、9と、はんだ10、10と、外装樹脂11とからなる。
【0033】
本実施の形態において、半導体セラミック素体6は、特に限定されるわけではないが、板状である。この半導体セラミック素体6を挟むように一対のオーミック電極7、7が形成されている。このオーミック電極7、7上には、本実施の形態の導電性ペーストを用いて形成される電極8、8が形成されている。この電極8、8上には、はんだ10、10によってリード線9、9が電極8、8と電気的・機械的に接合されている。そして、上記半導体セラミック素体6と、オーミック電極7、7と、電極8、8と、リード線9、9と、はんだ10、10とが外装樹脂11により覆われている。上記半導体セラミック素体6と、オーミック電極7、7と、電極8、8と、はんだ10、10とは、完全に外装樹脂11に覆われている。また、リード線9、9は、外部の機器等に接続することができるように、リード線9、9の一端のみが外装樹脂11により覆われ、リード線9、9のもう一端は露出している。
【0034】
上記半導体セラミック素体6は、特に限定されるものではなく、たとえば単板型、積層型の半導体セラミック素体であればよい。単板型の半導体セラミック素体は、半導体材料、例えばBaTiO3を主成分とするセラミック成形体を焼成することにより作製される。また、積層型の半導体セラミック素体は、たとえば略直方体の形状のセラミックグリーンシートと内部電極となる導電性ペースト層とを交互に積層し、この積層体を焼成することにより作製される。積層型正特性サーミスタの場合には、積層型の半導体セラミック素体の内部電極が露出した両端面に電極8、8が形成される。
【0035】
オーミック電極7、7は、たとえば無電解Niめっきにより形成されたNiめっき膜である。
【0036】
電極8、8は、本実施の形態にかかる導電性ペーストを焼き付けることにより形成された厚膜電極からなる。この電極8、8は、たとえば半導体セラミック素体6の両主面に本発明の導電性ペーストを塗布し、乾燥させ、さらに焼き付けることにより形成される。
【0037】
また、上記リード線9、9の材料は、特に限定されることなく、従来用いられている、直径0.6mmのはんだ引きCu線等を用いることができる。
【0038】
また、外装樹脂11の材料は、特に限定されることないが、絶縁性のものが好ましく、シリコン樹脂等を用いることができる。
【0039】
半導体セラミックにおいて、上記リード線および外装樹脂は、備えていなくても構わない。
【0040】
本実施の形態で用いられる導電性ペーストは、上述の実施の形態1で記載したものと同様である。
【0041】
上記導電性ペーストを用いることにより、実施の形態1と同様に、400℃〜600℃の低温での焼き付けで、抵抗値の変化をおさえて、実用に耐えうる電極強度の電極を形成することができる。
【0042】
【実施例】
以下、実施例により、本発明の導電性ペーストおよびセラミック電子部品についてさらに具体的に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。
【0043】
〔実施例1〕
導電性ペーストとして、表1に示すように、銀粉末50.0〜95.0重量%に対して、B23−Bi23ガラスフリット5.0〜50.0重量%の割合で配合し、有機ビヒクルを添加し3本ロールなどの混練機を用いて、銀粉末とガラスフリットとを分散させることにより試料1〜12を作製した。
【0044】
なお、表1において試料番号に*を付したものは、この発明の範囲から外れたもの、あるいは、この発明の範囲内にあるが、好ましい範囲から外れたものである。
【0045】
また、上記導電性ペーストにおけるB23−Bi23ガラスフリット(B23とBi23とからなる2成分系ガラスフリット)は、以下のようにして作製した。まず、酸化ホウ素(B23)および酸化ビスマス(Bi23)からなるガラス原料を白金るつぼ内に入れ、1000℃で溶融した。次いで、この溶融したガラス原料を純水内に投入して、急冷却することによりガラスカレットを作製した。上記ガラスカレットをライカイ機で粗粉砕した後、遊星ボールミルで微粉砕することによりD50が数μmのガラスフリットを作製した。
【0046】
23とBi23との組成は、ガラス化範囲であるB23が7.36〜34.6重量%の範囲になるように作製した。
【0047】
次に、上記導電性ペーストを用いて、セラミックコンデンサを作製した。
【0048】
すなわち、セラミックコンデンサ素体としてチタン酸バリウム系の高誘電率誘電体セラミックから形成された円板素体(直径14mm、厚さ0.5mm)を準備した。次に、上記試料1〜12の導電性ペーストを、この円板素体の両主面にスクリーン印刷し、大気雰囲気中500℃で焼成して、電極(厚膜電極)を形成した。そして、上記厚膜電極に、リード線をはんだ付けし、その後、外装樹脂で覆い、セラミックコンデンサを得た。
【0049】
この得られたセラミックコンデンサの静電容量、電極引張り強度(単に電極強度とする)を測定した。こうして得られたセラミックコンデンサの静電容量、電極強度を表1に示す。
【0050】
【表1】
Figure 0004254136
【0051】
なお、静電容量は、1Vrms1kHzで測定した。電極強度は、外装前の試料について、今田製作所製SV−201型引張り圧縮試験機で測定した。表1から明らかなように、導電性ペースト中のガラスフリットの量が多くなるにつれて、形成された厚膜電極の電極強度が高くなることが認められる。しかしながら、導電性ペーストにおけるガラスフリットの量が40重量%を超えると得られたセラミックコンデンサにおける電気特性が低下していた(試料1)。
【0052】
また、導電性ペーストにおけるガラスフリットの量が15.0重量%未満であると、電極強度が低下した(試料5、6)。つまり、導電性ペーストにおけるガラスフリットの量は15重量%以上、40重量%以下とすることにより、セラミックコンデンサにおける所望の電気特性および電極強度を得ることができた(試料2、3、4)。
【0053】
さらに、導電性ペーストのガラスフリットにおけるB23の組成が15.0重量%未満では、所望の電極強度を得ることが困難であった(試料7、8)。また、導電性ペーストのガラスフリットにおけるB23の組成が25.9重量%を超えると、セラミックコンデンサの電気特性が低下し、また所望の電極強度を得ることが困難であった(試料12)。つまり、ガラスフリットにおけるB23の組成が15.0重量%以上、25.9重量%以下にすることが、電気特性、電極強度の面より好ましい(試料9、10、11)。
【0054】
〔実施例2〕
導電性ペーストとして、表2に示すように、銀粉末50.0〜95.0重量%に対して、B23−Bi23ガラスフリット5.0〜50.0重量%の割合で配合し、有機ビヒクルを添加し3本ロールなどの混練機を用いて、銀粉末とガラスフリットとを分散させることにより試料13〜24を作製した。
【0055】
なお、表2において、試料番号に*を付したものは、この発明の範囲から外れたもの、あるいは、この発明の範囲内にあるが、好ましい範囲から外れたものである。
【0056】
また、上記導電性ペーストにおけるB23−Bi23ガラスフリット(B23とBi23とからなる2成分系ガラスフリット)は、以下のようにして作製した。まず、酸化ホウ素(B23)および酸化ビスマス(Bi23)からなるガラス原料を白金るつぼ内に投入して、1000℃で溶融した。次いで、この溶融したガラス原料を純水内に入れ、急冷却することによりガラスカレットを作製した。上記ガラスカレットをライカイ機で粗粉砕した後、遊星ボールミルで微粉砕することによりD50が数μmのガラスフリットを作製した。
【0057】
23とBi23との組成は、ガラス化範囲であるB23が7.36〜34.6重量%の範囲になるように作製した。
【0058】
次に、上記導電性ペーストを用いて、正特性サーミスタを作製した。
【0059】
すなわち、半導体セラミック素体としてBaTiO3を主成分とする半導体セラミックから形成された円板素体(直径14mm、厚さ0.5mm)を準備した。次に、この円板素体の両主面に無電解めっきにより、Niめっき膜を形成し、外周部を研磨することで一対のオーミック電極を形成した。次いで、上記試料13〜24の導電性ペーストを、円板素体のオーミック電極上にスクリーン印刷し、大気雰囲気中500℃で焼成して、厚膜電極を形成した。そして、上記厚膜電極にリード線をはんだ付けし、その後、外装樹脂で覆い、正特性サーミスタを得た。
【0060】
この得られた正特性サーミスタの初期抵抗、電極強度を測定した。こうして得られた半導体セラミックの初期抵抗、電極強度を表2に示す。
【0061】
【表2】
Figure 0004254136
【0062】
なお、初期抵抗値は25℃で測定した。また電極強度は、外装前の試料について、今田製作所製SV−201型引張り試験機で測定した。表2から明らかなように、導電性ペースト中のガラスフリットの量が多くなるにつれて、厚膜電極の電極強度が高くなることが認められる。しかしながら、導電性ペーストにおけるガラスフリットの量が40重量%を超えると初期抵抗値が高くなりすぎ、実際に使用することは困難である(試料13)。
【0063】
また、導電性ペーストにおけるガラスフリットの量が15.0重量%未満では電極強度が低下した(試料17、18)。つまり、導電性ペーストにおけるガラスフリットの量は15重量%以上、40重量%以下とすることにより、セラミックコンデンサにおける所望の電気特性および電極強度を得ることができた(試料14、15、16)。
【0064】
さらに、導電性ペーストのガラスフリットにおけるB23の量が、18.3重量%(試料22)で電極強度が最も高くなり、15.0重量%〜25.9重量%の範囲(試料21、22、23)において、電極強度が平均10N以上となった。これに対して、導電性ペーストのガラスフリットにおけるB23の量が15.0重量%未満、または34.6重量%を超えると、所望の電極強度を得ることが困難であった(試料19、20、24)。
【0065】
なお、上記実施例1、2において、ガラスフリット15.0重量%未満で電極強度が弱くなった原因は、電極強度測定後の破断面を観察したところ、セラミック側の破断面のガラスの量が少なく、ガラスによる接合が不十分なためであることが分かった。
【0066】
【発明の効果】
以上のように、本発明の導電性ペーストは、銀粉末と、ガラスフリットと、有機ビヒクルとを含む導電性ペーストにおいて、銀粉末とガラスフリットとからなる固形分の組成は、銀粉末が60〜85重量%であり、B23とBi23とからなるガラスフリットが15〜40重量%の割合である。この導電性ペーストを低温で焼き付けて厚膜電極を形成することにより、電気的特性が良好で信頼性の高いセラミックコンデンサを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の導電性ペーストを用いて電極を形成したセラミックコンデンサの要部の断面図である。
【図2】導電性ペーストに使用されるB23−Bi23ガラスの粘度の温度依存性を示すグラフである。
【図3】本発明の導電性ペーストを用いて電極を形成したサーミスタの要部の断面図である。
【符号の説明】
1 セラミックコンデンサ素体
2 電極(厚膜電極)
3 リード線
4 はんだ
5 外装樹脂
6 半導体セラミック素体
7 無電解Niめっき膜(オーミック電極)
8 電極(厚膜電極)
9 リード線
10 はんだ
11 外装樹脂

Claims (2)

  1. 銀粉末と、ガラスフリットと、有機ビヒクルとを含む導電性ペーストにおいて、
    銀粉末とガラスフリットとからなる固形分に対して、銀粉末が60〜85重量%であり、BとBiとからなるガラスフリットが15〜40重量%であり、
    前記ガラスフリットの組成は、B が15.0〜25.9重量%であり、Bi が85.0〜74.1重量%であることを特徴とする導電性ペースト。
  2. セラミックと、請求項に記載の導電性ペーストが前記セラミックに焼き付けられることにより形成された厚膜電極とを備えることを特徴とするセラミック電子部品。
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