JPH09190950A - 電子部品の外部電極 - Google Patents

電子部品の外部電極

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JPH09190950A
JPH09190950A JP8001448A JP144896A JPH09190950A JP H09190950 A JPH09190950 A JP H09190950A JP 8001448 A JP8001448 A JP 8001448A JP 144896 A JP144896 A JP 144896A JP H09190950 A JPH09190950 A JP H09190950A
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JP
Japan
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layer
metal
conductive paste
external electrode
resinate
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JP8001448A
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Inventor
Kaoru Nishizawa
薫 西澤
Jiro Harada
次郎 原田
Isao Ishiguchi
功 石口
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Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 メッキ層を形成する際の耐メッキ液性が良好
で、電気的特性、信頼性、機械的特性に優れた電子部品
を提供する。 【解決手段】 外部電極4を第1層4aと第2層4bの
2層構造とし、第1層4aを金属レジネートを有機バイ
ンダ及び有機溶剤に分散させてなる導電性ペーストで形
成し、第2層4bを金属粉末を熱硬化性樹脂及び有機溶
剤に分散させてなる導電性ペーストで形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子部品の外部電
極に係り、特に、外部電極表面に湿式メッキによりメッ
キ層を形成する際の耐メッキ液性が良好で、電気的特
性、信頼性、機械的特性に優れた電子部品の外部電極に
関する。
【0002】
【従来の技術】チップインダクター、チップ抵抗、チッ
プ型積層セラミックコンデンサ、チップサーミスタ等の
チップ型電子部品は、セラミックス焼結体からなるベア
チップと、その内部に設けられた内部電極と、この内部
電極に導通するように、ベアチップの両側面に設けられ
た外部電極とで主に構成され、この外部電極を基板には
んだ付けすることにより実装される。
【0003】このようなチップ型電子部品において、外
部電極は、チップ型電子部品と基板上の電気回路とを接
続するためのものであるため、その良否が製品の電気的
特性、信頼性、機械的特性等に大きな影響を及ぼす。
【0004】従来、チップ型電子部品の外部電極は、A
g,Pd,Pt等の貴金属粉末と無機結合材を混合した
ものを有機ビヒクルに混練し、得られた導電性ペースト
をベアチップの両端面に塗布した後、600〜800℃
程度の温度で焼成して形成されている(手法1)。或い
は、Ag,Pd,Pt等の貴金属粉末やCu,Ni,F
e等の卑金属粉末の1種又は2種以上を、熱硬化型樹脂
(エポキシ樹脂)と有機溶剤に混練し、得られた導電性
ペーストをベアチップの両端面に塗布した後、100〜
300℃程度の温度で熱硬化させ形成されている(手法
2)。
【0005】このようにして形成される外部電極の表面
には、はんだ付け時のくわれ(外部電極のはんだへの溶
解)を防止するためのNi或いはCuメッキ皮膜と、更
に、このメッキ皮膜の酸化によるはんだ付け性の低下を
防止するためのSnメッキ皮膜又はSn/Pdメッキ皮
膜とからなる2層のメッキ電極層が形成されている。こ
のメッキ電極層の形成は、通常、湿式の電解バレルメッ
キ法で行われている。
【0006】外部電極表面に電解バレルメッキ法でメッ
キ電極層を形成する際、外部電極の表面及び内部に空孔
があると、この空孔に電解液が侵入する場合がある。外
部電極の空孔内への電解液の侵入は、電子部品の信頼性
の低下や外部電極のベアチップに対する接合強度の低下
の原因となる。
【0007】従来、上記手法1による外部電極の形成に
おいては、外部電極のベアチップに対する接合強度を高
めるために、外部電極形成用導電性ペーストに主として
ガラスからなる無機結合材を加えている。そして、この
無機結合材の組成や金属成分の組成、これらの配合比を
調整することで、上記電解液の侵入防止を図っている
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、手法1
において、導電性ペーストの金属成分や無機結合材の組
成、及び配合比を調整しても、ベアチップと外部電極と
の界面における機械的ストレスを外部電極で吸収するこ
とはできないため、機械的強度が低いという問題があっ
た。
【0009】これに対して、手法2により、熱硬化型樹
脂と有機溶剤に金属粉末を混練したものを用いて形成さ
れる熱硬化型の外部電極は、機械的ストレスを吸収し、
機械的強度に優れているものの、樹脂中の金属粉末とベ
アチップとの導通コンタクトは、手法1による無機結合
材を使用して形成された外部電極のそれに及ばず、高い
電圧が急激に印加されると内部電極と外部電極との接合
面が断線して、電気特性不良を発生させるという問題が
あった。
【0010】本発明は、上記従来の問題点を解決し、外
部電極表面に湿式メッキによりメッキ層を形成する際の
耐メッキ液性が良好で、電気的特性、信頼性、機械的特
性に優れた電子部品を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の電子部品の外部
電極は、セラミック焼結体からなるベアチップの表面に
接する第1層と、この第1層に積層形成された第2層と
を有する電子部品の外部電極において、前記第1層は、
金属レジネートを有機バインダ及び有機溶剤に分散させ
てなる導電性ペーストで形成され、前記第2層は金属粉
末を熱硬化性樹脂及び有機溶剤に分散させてなる導電性
ペーストで形成されていることを特徴とする。
【0012】本発明の電子部品の外部電極では、第1層
はベアチップと外部電極との導通コンタクトを向上さ
せ、かつ金属レジネートの分解生成物、即ち金属微粒子
が焼成によって緻密な金属層を形成することで、湿式め
っき時の電解液の侵入を防止する。エポキシ樹脂などの
熱硬化型樹脂と有機溶剤に金属粉末を混練した導電性ペ
ーストで形成される導電性樹脂層よりなる第2層は、機
械的ストレスの吸収分散効果に優れ、従来の金属粉末と
無機結合材を有機ビヒクルに混練した焼成型導電性ペー
ストを使用する場合には得られない、著しく優れた機械
的強度を有するものである。
【0013】本発明において、該金属レジネート中の金
属は、Ag,Pd,Pt,Au及びRhよりなる第1の
金属群から選ばれる1種又は2種以上と、Si及びBよ
りなる第2の金属群から選ばれる1種又は2種と、P
b,Zn,Ca,Ba及びBiよりなる第3の金属群か
ら選ばれる1種又は2種以上とよりなることが好まし
い。
【0014】ここで、第1の金属群は外部電極としての
導電性に寄与し、また、第2の金属群と第3の金属群と
で第1層形成時における焼成工程でガラスが生成し、ベ
アチップとの接合強度が高められる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に図面を参照して本発明を詳
細に説明する。
【0016】図1は、本発明の電子部品の外部電極の一
実施例を示す積層セラミックコンデンサの断面図であ
る。
【0017】図示の積層セラミックコンデンサ10は、
表面実装型のチップコンデンサであり、内部電極1を有
する鉛系ペロブスカイトのセラミック誘電体2を複数回
積層して得られたグリーンチップを焼成して得られるベ
アチップ3の両端面に、内部電極1と電気的に接続され
た第1層4a及び第2層4bからなる2層構造の外部電
極4を形成したものである。
【0018】ここで、このセラミック誘電体2として
は、鉛系ペロブスカイトの他、チタン酸バリウム系、チ
タン酸ストロンチウム系等の誘電体が用いられ、内部電
極1としてはPd,Pt,Ag/Pd,Au等の貴金
属、或いはNi,Cu,Fe,Co等の卑金属が用いら
れる。
【0019】本発明に係る外部電極4の第1層4aは、
金属レジネートを有機バインダ及び有機溶剤に分散させ
てなる導電性ペーストで形成され、第2層4bは、金属
粉末をエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂及び有機溶剤に分
散させてなる導電性ペーストで形成される。
【0020】第1層4aを形成する導電性ペーストは、
金属レジネート中の金属がAg,Pd,Pt,Au及び
Rhよりなる第1の金属群から選ばれる1種又は2種以
上と、Si及びBよりなる第2の金属群から選ばれる1
種又は2種と、Pb,Zn,Ca,Ba及びBiよりな
る第3の金属群から選ばれる1種又は2種以上とである
ことが好ましく、金属レジネートとしては、例えば、オ
クチル酸銀、オクチル酸パラジウム等の有機金属化合物
等を用いることができる。なお、レジネート(樹脂酸
塩)の樹脂酸はオクチル酸以外の樹脂酸ではナフテン酸
等の脂肪酸であっても良い。また、金属レジネートは、
2種以上の金属を含む混合金属レジネートであっても良
い。
【0021】第1層形成用導電性ペーストは、このよう
な第1の金属群の金属を含む金属レジネート(以下「第
1の金属レジネート」と称す。)、第2の金属群の金属
を含む金属レジネート(以下「第2の金属レジネート」
と称す。)及び第3の金属群の金属を含む金属レジネー
ト(以下「第3の金属レジネート」と称す。)を、有機
バインダ及び有機溶剤を含む有機ビヒクルに混合して調
製され、その好適な配合割合は次の通りである。
【0022】第1層形成用導電性ペースト配合 第1の金属レジネート:70〜95重量%(金属成分と
して15〜40重量%) 第2の金属レジネート:1〜10重量%(金属成分とし
て15〜40重量%) 第3の金属レジネート:1〜10重量%(金属成分とし
て15〜40重量%) 有機ビヒクル:30〜5重量% なお、第1,第2及び第3の金属レジネートの合計は、
ペースト全体において80〜97重量%(金属成分とし
て39重量%)であることが好ましい。
【0023】第1層形成用導電性ペーストにおいて、第
1,第2及び第3の金属レジネートの合計含有量が上記
範囲より少ないと第1層の形成に当り、1回の導電性ペ
ーストの塗布では形成される第1層の厚さが極端に薄
く、連続した導電性膜を形成することが困難となり、メ
ッキ処理時に電解液浸入のおそれがある。導電性ペース
ト中の第1,第2及び第3の金属レジネートの合計含有
量が上記範囲よりも多いと、導電性ペーストの塗布作業
性が悪くなる。
【0024】また、第1の金属レジネートが上記範囲よ
りも少なく、第2,第3の金属レジネートが上記範囲よ
りも多いと第1層の導電性が不足し、第1の金属レジネ
ートが上記範囲よりも多く、第2,第3の金属レジネー
トが上記範囲よりも少ないと、第1層とベアチップとの
接着性が劣るものとなる。
【0025】一方、第2層形成用導電性ペーストは、A
g,Pd及びPtよりなる群から選ばれる1種又は2種
以上の金属粉末を、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂及び
有機溶剤に分散させて調製され、その好適な配合割合は
次の通りである。
【0026】第2層形成用導電性ペースト配合 金属粉末 :60〜90重量% 熱硬化性樹脂:20〜 3重量% 有機溶剤 :20〜 7重量% 第2層形成用導電性ペースト中の金属粉末の割合が60
重量%未満では、第2層と第1層との接合が悪くなり、
電気的特性に問題が生じる上に電極表面の導電性が低下
するため、電解メッキ法でメッキ皮膜を形成する際、メ
ッキ皮膜の形成が困難になる。逆に、金属粉末の割合が
90重量%を超えると、相対的に樹脂添加量が少なくな
りすぎて、ペースト化が困難になり、塗布作業を実施で
きなくなる。
【0027】なお、この金属粉末は、粒度分布D50%
値で3〜10μm程度であることが好ましく、特に、D
50%6〜10μmで、比表面積0.3〜1.3m2
gのフレーク状金属粉末が好適である。
【0028】また、第2層形成用導電性ペーストの熱硬
化性樹脂としては、エポキシ樹脂が好適である。
【0029】この第1層4a及び第2層4bからなる2
層構造の外部電極4は、ベアチップ3の外部電極形成端
面を第1層形成用導電性ペーストに浸漬した後引き上げ
て150〜200℃で乾燥した後、600〜800℃で
焼成して第1層4aを焼き付け、次いで、この第1層4
aを焼き付けたベアチップ3の外部電極形成端面を第2
層形成用導電性ペーストに浸漬した後引き上げて、15
0〜250℃の乾燥炉で樹脂を硬化させることにより形
成することができる。
【0030】なお、本発明において、外部電極4の第1
層4aの厚さは0.2〜20μmとし、第2層4bの厚
さは20〜200μmとするのが、メッキ処理後の電気
的特性及び機械的特性を確保する面で好適である。
【0031】この積層セラミックコンデンサ10は、外
部電極4の表面に更にCu又はNiメッキ皮膜5及びS
n又はSn/Pbメッキ皮膜6を形成して使用される。
【0032】なお、本発明のチップ型電子部品の外部電
極は、図示の積層セラミックコンデンサの他、チップ抵
抗、チップサーミスタ、チップインダクター等の様々な
チップ型電子部品に適用することができる。また、積層
セラミックコンデンサは、チタン酸バリウム、チタン酸
ストロンチウムといったセラミック誘電体を用いたもの
であっても良い。
【0033】本発明において、ベアチップを構成するセ
ラミック焼結体がチタン酸バリウム、チタン酸ストロン
チウム或いは、鉛ペロブスカイトを主成分とするセラミ
ック誘電体であれば、高特性セラミックコンデンサが提
供される。また、セラミック焼結体がフェライトを主成
分とするセラミック磁性体であれば、高特性チップサー
ミスタ又はフェライトチップインダクタが提供される。
【0034】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げて、本発明を
より具体的に説明する。
【0035】なお、以下において使用した積層セラミッ
クコンデンサチップは、鉛ペロブスカイト(PMN)系
セラミック誘電体を用いた、層間10μmの1ηF品
で、チップ寸法:長さ3.2mm×幅1.6mm×高さ
0.85mmのものである。
【0036】Ag金属レジネートとSi:Ca=3:1
(重量比)混合金属レジネート及び、Biの金属レジネ
ートをそれぞれ添加した。これをエチルセルロースN−
200、ブチルカルビトールアセテート及びテルピネオ
ールを含む有機ビヒクルに混練した。このようにして調
製した第1層形成用導電性ペーストの配合割合は次の通
りである。
【0037】Ag金属レジネート:50重量%(Agと
して17.5重量%) Si,Ca金属レジネート:15重量%(Siとして
3.9重量%,Caとして1.3重量%) Bi金属レジネート:5重量%(Biとして1.75重
量%) 有機ビヒクル:70重量% この第1層形成用導電性ペーストをベアチップ3の両端
面に塗布して、大気圧下、160℃で10分間乾燥した
後、大気圧下、25℃/分の昇温速度で750℃まで昇
温して焼成し、第1層4aを形成した。この第1層4a
の電極厚みは約5μmであった。
【0038】次に、Ag粉末をエポキシ樹脂、アルキッ
ド樹脂、ブチルカルビトールアセテート及びテルピネオ
ールを含む有機ビヒクルに混練して第2層形成用導電性
ペーストを調製した。使用した金属粉末は、比表面積
0.51m2 /g、平均粒径1.8μmのフレーク状銀
粉末で、ペースト中の混合割合は以下の通りである。
【0039】Ag粉末 :82重量% エポキシ樹脂 : 8重量% アルキッド樹脂: 2重量% ブチルカルビトールアセテート:テルピネオール(1:
1(重量比)):8重量% この第2層形成用導電性ペーストを、第1層4aを形成
したベアチップ3の第1層4a上に塗布し、大気圧下、
180℃で1時間熱硬化処理を施して、第2層4bを形
成した。この第2層4bの電極厚みは約70μmであっ
た。
【0040】その後、形成された外部電極上に、電解バ
レルメッキ法で、スルファミン酸ニッケルメッキ浴を用
いてNiメッキ皮膜5を形成し、次いで、スルホン酸メ
ッキ浴を用いてSn/Pbメッキ膜6を順次形成した。
【0041】得られた積層セラミックコンデンサについ
て、諸特性を次の方法により測定し、結果を表1に示し
た。
【0042】 静電容量(ηF)及び誘電正接(%)
(試験個数=30) LCRメータ(横河ヒューレットパッカード社製427
4型)を用い、1kHz、1Vrmsで測定した。
【0043】 絶縁抵抗(Ω)(試験個数=15) 高抵抗計(ヒューレットパッカード社製4329A)を
用い、25Vの直流電圧を5秒間印加した後、25秒経
過後の抵抗値を測定した。
【0044】 たわみ強度限界値(試験個数=10) JIS6429に準拠したたわみ強度試験用ガラスエポ
キシ基板(長さ90mm、幅40mm、厚み1.6m
m)の中央部に0.3mmメタルマスクでクリームはん
だを印刷した。次に、試料を載せ、230℃のホットプ
レート上ではんだ付けし、試料のはんだ付け面を下面に
して、この基板をスパン90mmの支持台に載せ、スパ
ン中心の上面に加重をかけ、試料が基板から剥離するま
での基板のたわみ量を測定した。
【0045】 引張強度(試験個数=10) 試料両外部電極にリード線をはんだ付けし、強度試験機
を使用して、10mm/minの速度で引っ張り、限界
強度を測定した。
【0046】 熱衝撃試験(試験個数=100) 室温におかれた試料を1個ずつピンセットで試料の幅の
狭い面が上下面となるようにつかみ、これを予熱せずに
400℃のSn/Pb(Sn:Pb=60:40重量
比)共晶はんだ槽に3秒間浸漬した後、引き上げる。そ
の後、試料セラミックス表面にクラックが入っているか
を倍率20倍の実体顕微鏡で確認し、試料100個中の
クラックの入った試料の数を調べた。また、更に、クラ
ックの入っていない試料について、直流25Vを印加し
て絶縁抵抗の測定を実施し、試験前に比べ劣化している
か確認し、劣化した試料の数を調べた。
【0047】 耐電圧後の容量変化(試験個数=20
0) 試料定格電圧5倍の直流80Vを印加した後、印加前の
容量Cと印加後の容量の差ΔCを調べ、(ΔC/C)×
100で示した。この値は±5%以下であることが好ま
しい。
【0048】 信頼性(高温負荷試験)(試験個数=
30) 125℃の温度で32Vの直流電圧を印加して2000
時間までの劣化を調べた。
【0049】 信頼性(耐湿負荷試験)(試験個数=
20) 85℃の温度で85%の相対湿度下、16Vの直流電圧
を印加して2000時間までの劣化を調べた。
【0050】 信頼性(温度サイクル試験)(試験個
数=30) −55℃(30分)〜常温(3分)〜+125℃(30
分)の3段階の温度に順次放置して、これを1サイクル
とする。この操作を200サイクル繰り返し、劣化の有
無を調べた。
【0051】実施例2,3 第1層形成用導電性ペーストの金属レジネート配合を次
の通りとしたこと以外は、実施例1と同様にして積層セ
ラミックコンデンサを製造し、同様に諸特性を調べ、結
果を表1に示した。
【0052】実施例2 Ag金属レジネート:45重量%(Agとして15重量
%) Si,Ca金属レジネート:3重量%(Siとして0.
65重量%,Caとして0.35重量%) Bi金属レジネート:2重量%(Biとして0.7重量
%) 有機ビヒクル:50重量% 実施例3 Ag金属レジネート:65重量%(Agとして23重量
%) Si,Ca金属レジネート:10重量%(Siとして
1.75重量%,Caとして0.875重量%) Bi金属レジネート:5重量%(Biとして1.75重
量%) 有機ビヒクル:20重量% 比較例1 実施例1において、第1層4aのみを形成し、第2層4
bを形成しなかったこと以外は同様にして積層セラミッ
クコンデンサを製造し、同様に諸特性を調べ、結果を表
1に示した。
【0053】比較例2 実施例1において、第2層4bのみを形成し、第1層4
aを形成しなかったこと以外は同様にして積層セラミッ
クコンデンサを製造し、同様に諸特性を調べ、結果を表
1に示した。
【0054】比較例3 Ag粉末75重量%と、SiO2 ,B23 ,ZnO及
びPbO(SiO2 :B23 :ZnO:PbO=2
0:30:20:30(重量%))からなるガラスフリ
ット10重量%と残部がエチルセルロースとブチルカル
ビトールとテルピネオールからなる有機ビヒクルとを混
練して調製した導電性ペーストをベアチップ2の両端部
に塗布し、大気圧下、180℃で10分乾燥した後、大
気圧下、25℃/分の昇温速度で750℃まで昇温して
焼成して1層の外部電極(厚さ70μm)を形成したこ
と以外は同様にして積層セラミックコンデンサを製造
し、同様に諸特性を調べ、結果を表1に示した。
【0055】比較例4 比較例3と同様にして外部電極を形成し、これを第1層
とし、この第1層上に、実施例1と同様にして第2層形
成用導電性ペーストで第2層を形成したこと以外は同様
にして積層セラミックコンデンサを製造し、同様に諸特
性を調べ、結果を表1に示した。
【0056】
【表1】
【0057】表1に示す結果から次のことが明らかであ
る。即ち、本発明に係る実施例1〜3の積層セラミック
コンデンサは電気的特性、機械的特性、熱衝撃性、信頼
性試験において不良が皆無である。しかも、比較例の試
料と比較して引張強度が飛躍的に向上している。
【0058】これに対して、比較例1のように、金属レ
ジネートを含む導電性ペーストのみで形成した外部電極
ではたわみ強度や温度サイクル性等の外部電極にかかる
ストレスに弱い。エポキシ樹脂を使用した熱硬化型電極
だけで外部電極を形成した比較例2では、外部電極とベ
アチップとの接合が不十分で耐電圧後の容量低下が発生
しており、熱衝撃試験に問題がある。比較例3のガラス
無機接合剤を添加した焼成型外部電極では比較例1と同
様、たわみ強度や温度サイクル性等のストレスに弱い。
比較例3の外部電極に比較例2の外部電極を組み合わせ
た比較例4の外部電極でも、実施例1〜3のものに比べ
引張強度が弱く、熱衝撃性も劣る。
【0059】上記実施例の説明は、積層セラミックコン
デンサについて行ったが、本発明は、積層セラミックコ
ンデンサ等の積層セラミック電子部品以外の他のセラミ
ック電子部品にも適用し得るものである。即ち、内部電
極が存在しないセラミック電子部品においても外部電極
表面に電解メッキによりメッキ層を形成させる場合に
は、本発明の電子部品の外部電極を適用することによ
り、信頼性の高い電子部品を製造することができる。
【0060】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明の電子部品の
外部電極によれば、金属レジネートを含む導電性ペース
トで形成された第1層と、金属粉末と熱硬化型樹脂を混
練してなる導電性ペーストで形成された第2層との2層
構造とすることにより、メッキ後の機械的強度を従来品
に比べて飛躍的に向上させることが可能になり、しか
も、電気的特性、耐熱衝撃性、信頼性、機械的特性に優
れた電子部品の外部電極を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子部品の外部電極の一実施例を示す
積層セラミックコンデンサの断面図である。
【符号の説明】
1 内部電極 2 セラミック誘電体 3 ベアチップ 4 外部電極 4a 第1層 4b 第2層 5 Niメッキ皮膜 6 Sn/Pbメッキ皮膜 10 積層セラミックコンデンサ
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年12月16日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正内容】
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の電子部品の外部
電極は、セラミック焼結体からなるベアチップの表面に
接する第1層と、この第1層に積層形成された第2層と
を有する電子部品の外部電極において、前記第1層は、
金属レジネートを有機バインダ及び有機溶剤に分散させ
てなる導電性ペーストを塗布して焼成することにより
成され、前記第2層は金属粉末を熱硬化性樹脂及び有機
溶剤に分散させてなる導電性ペーストを塗布して熱硬化
させることにより形成されていることを特徴とする。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セラミック焼結体からなるベアチップの
    表面に接する第1層と、この第1層に積層形成された第
    2層とを有する電子部品の外部電極において、前記第1
    層は、金属レジネートを有機バインダ及び有機溶剤に分
    散させてなる導電性ペーストで形成され、前記第2層は
    金属粉末を熱硬化性樹脂及び有機溶剤に分散させてなる
    導電性ペーストで形成されていることを特徴とする電子
    部品の外部電極。
  2. 【請求項2】 請求項1において、該金属レジネート中
    の金属がAg,Pd,Pt,Au及びRhよりなる第1
    の金属群から選ばれる1種又は2種以上と、Si及びB
    よりなる第2の金属群から選ばれる1種又は2種と、P
    b,Zn,Ca,Ba及びBiよりなる第3の金属群か
    ら選ばれる1種又は2種以上とであることを特徴とする
    電子部品の外部電極。
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