JP4556337B2 - 積層セラミック電子部品の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、積層セラミックコンデンサ,積層セラミックインダクタ等の積層セラミック電子部品に関し、詳しくは外部電極の引張り強度を高めるための改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、積層セラミック電子部品は、Pd,Pt,Ag/Pd等の貴金属またはNi等の卑金属を用いた導電性ペーストにより内部電極を誘電体のセラミックグリーンシートに印刷し、そのセラミックグリーンシートを内部電極と交互に複数積層させて形成したセラミック素体を備えると共に、外部電極をセラミック素体の両端部に設けることにより構成されている。
【0003】
従来、その外部電極は内部電極とのなじみを良くし、接続不良が内部電極との接続部分に生じないようAg/PdまたはCu等の金属粉末を主成分とし、ガラスフリットを加えた導電性ペーストを積層セラミック素体の両端部に塗布し、この導電性ペーストを焼付け処理することにより内部電極の貴金属または卑金属と融合させて良好な結合状態を保つ下地電極層をベースに形成されている。
【0004】
その下地電極層をベースとし、搭載される回路基板の導電パターンと半田付け固定するのに濡れ性及び耐はんだ性を向上し、特に、はんだ耐熱性を保持するためにNiの被膜でなる中間のメッキ層を下地電極層に被着し、更に、はんだ付け性を良好なものにするSnまたはSn/Pb等の被膜でなる最外層のメッキ層をNiメッキ層に被着することにより外部電極として形成されている。
【0005】
その積層セラミック電子部品は、鉛を含むクリームはんだにより外部電極を回路パターンのランド部にはんだ付け固定することにより回路基板の板面に搭載されている。但し、鉛を含むクリームはんだの環境等に与える影響から、鉛を含むクリームはんだに代えて、鉛を含まない導電性樹脂ペーストが固着手段として用いられる傾向にある。
【0006】
その導電性樹脂ペーストにより、最外層がSnまたはSn/Pb等のメッキ層でなる外部電極を固着するときには回路パターンのランド部と電気的に確実に導通固定する必要から、導電性樹脂ペーストを200〜350℃で乾燥硬化処理しなければならず、この加熱処理に伴って、最外層のメッキ層が表面酸化してしまう不具合を生ずる。
【0007】
その外部電極の表面酸化を防ぐため、Ag,Cuを主成分とし、貴金属を含有する合金層により外部電極を形成することが提案されている(特開2000―286144)。この合金層による外部電極では、導電性樹脂ペーストを200〜350℃で乾燥硬化処理しても、表面が酸化するのを確実に防げる。
【0008】
唯、内部電極とのなじみを良くし、接続不良が内部電極との接続部分に生じないよう形成するためには、セラミック素体の両端部に被着するCuの導電性ペーストにより第1層目電極を塗布形成し、その上に、Ag,Cuを主成分として貴金属を含有し、且つ、ガラスフリットを加えた導電性ペーストを第2層目電極として塗布形成することにより外部電極を形成するとよい。
【0009】
ところが、その外部電極では表面酸化を防げるが、第2層目電極とセラミック素体との界面強度が弱く、導電性樹脂ペーストにより積層セラミック電子部品を固着するために200〜350℃で加熱乾燥することで、第2層目電極とセラミック素体との界面が引張り応力により層間剥離する事態を生ずる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、Cuの導電性ペーストにより第1層目電極をセラミック素体の両端部に被着し、Ag,Cuを主成分として貴金属を含有し、且つ、ガラスフリットを加えた導電性ペーストを第2層目電極として塗布形成することにより外部電極を形成すると共に、導電性樹脂ペースト(鉛を含まず)を固着手段として用いても、その導電性樹脂ペーストを200〜350℃で加熱乾燥することによる引張り応力に対抗可能な外部電極を備える積層セラミック電子部品の製造方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る積層セラミック電子部品の製造方法においては、内部電極とセラミック層とを交互に複数積層させて形成したセラミック素体を備えると共に、その内部電極と電気的に導通させてセラミック素体の両端部に被着するCuの導電性ペーストによる第1層目電極と、第1層目電極の上に被着するAg,Cuを主成分として貴金属を含有し、且つ、ガラスフリットを加えた導電性ペーストによる第2層目電極とから外部電極を形成するべく、第1層目電極と第2層目電極とを形成後、300〜600℃の加熱温度でアニーリング処理を施すようにされている。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明は、積層セラミックコンデンサ,積層セラミックインダクタ等の積層セラミック電子部品の外部電極を形成するのに広く適用できるものであり、以下、その代表例として積層セラミックコンデンサを製造する場合で説明する。
【0013】
積層セラミックコンデンサは、Pd,Pt,Ag/Pd等の貴金属またはNi等の卑金属を用いた導電性ペーストにより内部電極を誘電体グリーンシートに印刷し、その誘電体グリーンシートを内部電極と交互に複数積層後焼成することにより積層コンデンサ素体を形成し、更に、積層コンデンサ素体の内部電極と電気的に導通する外部電極を両端部に設けることにより構成されている。
【0014】
その外部電極は、内部電極と接続することにより積層コンデンサ素体の両端部に被着するCuの導電性ペーストによる第1層目電極と、第1層目電極の上に被着するAg,Cuを主成分として貴金属を含有するガラスペーストによる第2層目電極とにより積層形成されている。このうち、第2層目電極は、金属材料を100gに対してガラスフリットを6g程度配合した導電性ペーストにより形成できる。
【0015】
そのガラスフリットを含む導電性ペーストとしては、82.5wt%〜92.5wt%のAgと2.5wt%のCuを主成分とし、5.0wt%〜15.0wt%のAuを配合したもの、また、72.5wt%〜92.5wt%のAgと2.5wt%のCuを主成分とし、5.0wt%〜25.0wt%のAuを配合したものを用いることができる。
【0016】
その外部電極の形成工程は、Cuの導電性ペーストを積層コンデンサ素体の両端部に塗布して70〜100℃で乾燥後、その上に、Ag,Cuを主成分として貴金属を含有し、且つ、ガラスフリットを加えた導電性ペーストを第1層目電極の上に塗布後750〜800℃の加熱温度で焼付け処理することにより第2層目電極を形成する。これらの積層形成後、更に、300〜600℃の加熱温度でアニーリング処理を施すことにより外部電極として形成する。
【0017】
その第1層目電極,第2層目電極の塗布形成後に300〜600℃の加熱温度でアニーリング処理を施すことから、第2層目電極のガラスフリットが第1層目電極に分散し、第2層目電極と第1層目電極との接合強度を高められるため、第2層目電極とセラミック素体との界面固着強度も高められる。
【0018】
その有効性を確認するべく、上述した工程から積層セラミックコンデンサを試料として作製し、表1で示す加熱条件により、アニーリング処理を施した。この表中、試料1(従来例)はアニーリング処理を施さない初期状態のもので、試料2〜試料7(試料2,7:比較例)は保持温度を変えてアニーリング処理を施したものを示す。各試料に対しては、熱処理後にメタノール中で10min間の超音波洗浄処理を施した。
【0019】
その各試料30個ずつについて、導電性樹脂ペーストにより外部電極を回路パターンのランド部にはんだ付け固定し、導電性樹脂ペーストを200〜350℃で加熱乾燥することにより引張り試験を行った。この引張り試験による剥離点数並びに固着強度の結果は、次の表1で示す通りである。
【0020】
【表1】
【0021】
その表1から明らかなように、アニーリング処理を施さない初期状態のものでは剥離点数が多く、固着強度も低い。また、アニーリング処理を180℃で施しても、アニーリング処理を施さない初期状態のものと何ら変わりない。
【0022】
これに対し、300〜600℃の加熱温度でアニーリング処理を施したものでは剥離が発生せずに高い固着強度が得られる。然し、アニーリング処理を700℃まで施すと、逆に剥離が発生して固着強度も低下してしまうことが判明した。
【0023】
次に、各試料について、表面等価抵抗を測定した。この結果は図1で示す通りであり、アニーリング処理を施さない初期状態のものでは表面等価抵抗が高くバラ付きも大きい。一方、700℃によるアニーリング処理したものでは表面等価抵抗を低く抑えられるが、バラ付きが大きい。これに対し、300〜600℃の加熱温度でアニーリング処理を施したものでは表面等価抵抗を安定して低く抑えられることが判明した。
【0024】
【発明の効果】
以上の如く、本発明に係る積層セラミック電子部品の製造方法に依れば、セラミック素体の両端部に被着するCuの導電性ペーストによる第1層目電極と、第1層目電極の上に被着するAg,Cuを主成分として貴金属を含有し、且つ、ガラスフリットを加えた導電性ペーストによる第2層目電極とを形成後、300〜600℃の加熱温度でアニーリング処理を施すことにより、第2層目電極と第1層目電極との接合強度を高めて第2層目電極とセラミック素体との界面固着強度を高められるため、鉛を含まない導電性樹脂ペーストを固着手段として用いても、その導電性樹脂ペーストを加熱乾燥することによる引張り応力に対抗でき、第2層目電極とセラミック素体との界面による層間剥離の発生を防げる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のアニーリング処理法による積層セラミック電子部品とアニーリング処理を施さない初期状態の積層セラミック電子部品との表面等価抵抗の測定結果を示すグラフである。
Claims (2)
- 内部電極とセラミック層とを交互に複数積層させて形成したセラミック素体を備えると共に、その内部電極と電気的に導通させてセラミック素体の両端部に被着するCuの導電性ペーストによる第1層目電極と、第1層目電極の上に被着するAg,Cuを主成分としてAg以外の貴金属をさらに含有し、且つ、ガラスフリットを加えた導電性ペーストによる第2層目電極とから形成される外部電極を備える積層セラミック電子部品の製造方法において、
前記第2層目電極を形成する導電性ペーストがAgとCuを主成分とし、AgがCuよりも多く配合され、
第1層目電極と第2層目電極とを形成後、300〜600℃の加熱温度でアニーリング処理を施すようにしたことを特徴とする積層セラミック電子部品の製造方法。 - 前記第2層目電極を形成する導電性ペーストはさらにAuが配合されたものであることを特徴とする請求項1に記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
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