JP2009043516A - 導電性ペースト及び圧電部品 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐湿性に優れ、圧電体に対する密着性に優れ、長期間駆動した際にも密着強度の低下が生じ難い、外部電極を形成することを可能とする導電性ペーストを提供する。
【解決手段】導電粉末と、ガラスフリットと、有機ビヒクルとを含み、圧電部品の外部電極に用いられる導電ペーストであって、前記ガラスフリットが、酸化物換算の含有割合として、B:10〜40重量%、SiO:45〜60重量%、CaO:5〜15重量%、ZnO:1〜10重量%及びアルカリ金属酸化物:5〜15重量%を含み、前記アルカリ金属酸化物として、LiO、NaO及びKOから選択される2種のアルカリ金属酸化物を含み、2種のアルカリ金属酸化物の内、一方の金属酸化物の含有量をB重量%、もう一方のアルカリ金属酸化物の含有量をA重量%とした場合(但し、B≧Aとする)に、A/Bが0.33〜1.00の範囲内にある。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば圧電アクチュエータなどの圧電部品の外部電極を形成するための導電性ペーストに関し、より詳細には、耐湿性に優れ、かつ圧電体に対する密着性に優れた外部電極を得ることを可能とする導電性ペースト、並びに該導電性ペーストを用いて外部電極が形成されている圧電部品に関する。
従来、電子部品の外部電極材料として導電性ペーストが広く用いられている。導電性ペーストは、導電粉末と、ガラスフリットと、有機ビヒクルとを溶剤と共に混練することにより得られる。
下記の特許文献1には、環境負担を軽減するために、酸化鉛を含まないガラスフリットを用いた導電性ペーストが開示されている。ここでは、ガラスフリット中に、酸化物単位として、Bを9.0〜20.0重量%、SiOを22.0〜32.0重量%、BaOを5.0〜45.0重量%、ZnOを0.1〜30.0重量%、Alを0.1〜12.0重量%及びNaOを0.1〜15.0重量%含み、焼成温度600〜670℃で焼成される導電性ペーストが開示されている。
また、下記の特許文献2には、鉛を含まず、ZnOを40〜60重量%、Bを15〜35重量%、SiOを1〜16重量%、Alを1〜10重量%、MnOを2〜15重量%と、LiO、NaO及びKOから選択された1種または2種以上のアルカリ金属酸化物を0.5〜10重量%含むガラスフリットと、導電性粉末と、有機ビヒクルとを含む導電性ペーストが開示されている。
下記の特許文献3には、ZnOを3〜13重量%、SiOを35〜55重量%、Bを15〜30重量%、アルカリ土類金属の酸化物を5〜15重量%及びアルカリ金属の酸化物を5〜10重量%含むガラスフリットと、導電性粉末と、有機ビヒクルとを含む導電性ペーストが開示されている。
特許第3534684号公報 特開2003−246644号公報 特開平6−349313号公報
上記のように、従来、電子部品の外部電極形成用導電性ペーストとして、様々な組成のガラスフリットを含む導電性ペーストが開示されている。しかしながら、特許文献1〜3に記載の導電性ペーストを焼き付けて電子部品の外部電極を形成した場合、外部電極の耐湿性が十分でないという問題があった。
また、圧電効果により変位する圧電体を用いた圧電部品の外部電極として、上記各導電性ペーストを用いた場合には、圧電体、特に圧電セラミックスに対し外部電極が強固に密着し難いという問題があった。そのため、長期間駆動している内に、特性が劣化しがちであった。
本発明の目的は、上述した従来技術の現状に鑑み、耐湿性に優れ、かつ圧電体に対する密着性に優れ、長期間駆動した場合にも特性が劣化し難い、導電性ペースト、並びに該導電性ペーストを用いて外部電極が形成されている圧電部品を提供することにある。
本発明によれば、導電粉末と、ガラスフリットと、有機ビヒクルとを含み、圧電部品の外部電極に用いられる導電性ペーストであって、前記ガラスフリットが、酸化物換算の含有割合として、B:10〜40重量%、SiO:45〜60重量%、CaO:5〜15重量%、ZnO:1〜10重量%及びアルカリ金属酸化物:5〜15重量%を含み、前記アルカリ金属酸化物として、LiO、NaO及びKOから選択される2種のアルカリ金属酸化物を含み、2種のアルカリ金属酸化物の内、一方の金属酸化物の含有量をB重量%、もう一方のアルカリ金属酸化物の含有量をA重量%とした場合(但し、B≧Aとする)に、A/B=0.33〜1.00の範囲内にあることを特徴とする、導電性ペーストが提供される。
本発明に係る圧電部品は、圧電体と、圧電体の外表面に形成された外部電極とを備え、外部電極が圧電体の外表面に付与されており、本発明の導電性ペーストを焼結することにより形成された焼結電極層を有することを特徴とする。
本発明の圧電部品では、好ましくは、外部電極において、焼結電極層と一体に焼結された導電性補強材がさらに備えられる。この場合には、分極処理時において焼結電極層にクラックが生じた場合でも外部電極面内の導通をとることができる。
また、本発明の圧電部品のある特定の局面では、圧電部品は、外部電極から電圧を印加することにより圧電体が変位される圧電アクチュエータである。この場合には、駆動に際し圧電体が比較的大きく変位するが、外部電極は、本発明の導電性ペーストが焼結された焼結電極層を有するため、圧電体に対する外部電極の密着性が高められる。従って、長期間駆動されたとしても、特性が劣化し難い。
本発明に係る圧電部品では、好ましくは、前記圧電体が、圧電体層を介して重なり合う第1の内部電極と、第2の内部電極とを有する積層型圧電体であって、前記外部電極が、前記第1,第2の内部電極にそれぞれ電気的に接続される第1,第2の外部電極である。この場合には、第1,第2の外部電極から電圧を印加して積層型圧電体を駆動した場合、積層型圧電体における第1,第2の内部電極を介して重なり合っている圧電体層が大きく変位されるが、外部電極が本発明の導電性ペーストを用いて形成されているので、長期間駆動したとしても、特性が劣化し難い。
本発明に係る導電性ペーストでは、ガラスフリットが、上記特定の組成を有し、特に、アルカリ金属酸化物として、LiO、NaO及びKOから選択される2種のアルカリ金属酸化物を含んでおり、上記A/Bが0.33〜1.00の範囲内とされているため、すなわち2種類のアルカリ金属酸化物が適切な配合比で配合されているため、焼付により形成された焼結電極層の耐湿性及び圧電体に対する密着性が効果的に高められる。従って、本発明によれば、耐湿性に優れ、しかも長期間駆動した後においても、耐湿性等の特性の低下が生じ難い、信頼性に優れた圧電部品を提供することが可能となる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の具体的な実施形態を説明することにより、本発明を明らかにする。
本発明に係る導電性ペーストは、圧電部品の外部電極に用いられる導電性ペーストである。導電性ペーストは、導電粉末と、ガラスフリットと、有機ビヒクルとを含む。
上記導電性粉末としては、特に限定されず、Ag、Cu、Niなどの適宜の金属もしくは合金からなる粉末を用いることができる。
また、有機ビヒクルについても、従来より導電性ペーストに汎用されている適宜の有機材料を用いることができる。このような材料としては、エチルセルロース、アルキド樹脂、ターピネオールなどの適宜の材料を用いることができる。
本発明の導電性ペーストの特徴は、上記ガラスフリットが特定の組成を有することにある。すなわち、ガラスフリットが、酸化物換算の含有割合として、B:10〜40重量%、SiO:45〜60重量%、CaO:5〜15重量%、ZnO:1〜10重量%及びアルカリ金属酸化物:5〜15重量%を含み、前記アルカリ金属酸化物として、LiO、NaO及びKOから選択される2種のアルカリ金属酸化物を含み、2種のアルカリ金属酸化物の内、一方の金属酸化物の含有量をB重量%、もう一方のアルカリ金属酸化物の含有量をA重量%とした場合(但し、B≧Aとする)に、A/Bが0.33〜1.00の範囲内にあることを特徴とする。
本発明では、上記特定の組成を有するガラスフリットを用いているため、後述する実験例から明らかなように、圧電体に対する外部電極の密着性が高められ、圧電体を長期間駆動した場合であっても、密着強度が低下し難く、剥離等が生じ難い。加えて、LiO、NaO及びKOから選択される2種のアルカリ金属酸化物として、一方のアルカリ金属酸化物と、もう一方のアルカリ金属酸化物を適切な配合比としているため、すなわちA/Bが0.33以上であるため、導電性ペーストの焼付により形成された外部電極の耐湿性が効果的に高められる。
これを、具体的な実験例に基づき説明する。
(ガラスフリットの作製)
出発原料として、B、SiO、CaO、BaO、ZnO、Al、ZrO、MnO、LiO、NaO及びKOの各粉末を用意し、下記の表1に示す比率となるように秤量し、混合し、試料番号1〜30の混合粉末を得た。なお、試料番号1〜13が実施例であり、試料番号14〜30は比較例である。
次に、各混合粉末をるつぼに入れた後、加熱炉内に配置し、最高温度が1300〜1500℃の範囲内となるようにして60分間保持した。混合粉末が完全に溶融したことを確認してから、加熱炉内からるつぼを取り出した。溶融混合粉末を冷却金属ロールに投下して接触させて、急冷し、ガラスを得た。得られたガラスをボールミルにより2時間湿式粉砕し、乾燥し、ガラスフリットを得た。
得られたガラスフリット(試料14,17を除く)のXRDスペクトル(X線回折スペクトル)を測定し、非晶質であることを確認した。しかし、試料番号14,17は、結晶化ピークが検出された。すなわち、ガラス化しなかったため、以降の評価はできなかった。
(導電性ペーストの作製)
上記のようにして得られたガラスフリットと、平均粒子径2.0μmの球状のAg粉末と、有機ビヒクルとを混合し、導電性ペーストを得た。なお、ガラスフリットを1.0〜5.0重量%配合し、Ag粉末を85.0〜90.0重量%とし、残部を有機ビヒクルとした。また、有機ビヒクルとしては、エチルセルロース及びターピネオールを用いた。
(評価用積層圧電部品の作製)
図1(a)〜(c)に示す積層型圧電アクチュエータ1を評価用積層型圧電部品として以下のようにして作製した。
第1の内部電極3と第2の内部電極4とが圧電体層を介して積層されている構造を有する積層型の圧電体2を用意した。内部電極3,4はAg/Pdペーストの焼付により形成されており、圧電体2は、チタン酸ジルコン酸鉛系セラミックスを主成分とする圧電セラミックスからなる。上記圧電体2の内部においては、端面2cから反対側の端面2dに向かって複数の内部電極3,4が積層されている。この直方体状の圧電体2の寸法は、高さ7.0mm×幅7.0mm×長さ35.0mmとした。なお、長さとは、端面2c,2dを結ぶ方向をいうものとする。
第1の内部電極3は下面2bに引き出されており、第2の内部電極4は上面2aに引き出されている。第1,第2の内部電極3,4に電気的に接続されるように、圧電体2の下面2b上に第1の外部電極6を、上面2a上に第2の外部電極7を、以下の要領で形成した。なお、図2を参照しつつ、圧電体2の上面2a上に第2の外部電極7が形成される工程を代表して説明する。
すなわち、上面2a上において、まず上記導電性ペーストをスクリーン印刷法により印刷し、3.0mm×33.0mm×膜厚30μmとなるように矩形形状に印刷した。印刷された導電性ペースト層7aを乾燥した後に、乾燥された導電性ペースト層7a上に、圧電体2の長さ方向に延び、かつ互いに1.0mmの距離を隔てて平行に配置された第2の導電性ペースト層7bを幅0.7mm×長さ32.0mm×膜厚15.0μmとなるように印刷した。しかる後、導電性補強材としての金属メッシュ9を載置した。金属メッシュ9としては、線径100μm、400メッシュであり、2.0×31.0mmのAgからなるメッシュを用いた。上記金属メッシュ9を載置した後、荷重を加え、150℃×10分間の熱風オーブンに入れ乾燥した。次に、大気雰囲気中で740〜770℃で焼き付けることにより、外部電極7を形成した。外部電極7は、第1,第2の導電性ペースト層7a,7bが焼結されて形成された第1,第2の焼結電極層7A,7Bを有する。第1,第2の焼結電極層7A,7Bは、焼結前の導電性ペースト段階で埋め込まれた金属メッシュ9と焼結により一体化されている。
なお、外部電極6側においても、外部電極7の形成と同時に、第1の導電性ペースト層及び第2の導電性ペースト層を印刷し、金属メッシュ9を同様にして導電性ペーストに一体化し、焼き付けた。このようにして、図1(a)〜(c)に示す積層型の圧電アクチュエータ1を得た。
(分極処理)
Sn−3Ag−0.5Cu系はんだを用い、外表面がエナメルで被覆された線径250μmのCu線を上記外部電極6,7の端部にはんだ付けし、外部電極6,7に、Cuからなるリード線を接続した。しかる後、空気中で3.0kV/mmの直流電圧を印加し、圧電体2を分極した。すなわち、第1,第2の内部電極3,4で挟まれた圧電体層が、隣の圧電体層と積層方向において逆方向に分極されるように、圧電体2を分極処理した。
(評価)
上記のようにして作製した積層型の圧電アクチュエータ1の外部電極6,7の密着強度と、200Vの電圧を印加した場合の変位量と、駆動試験と、該駆動試験後の変位量と、耐湿試験後の密着強度及び変位量を以下の要領で評価した。
(1)密着強度
各積層型圧電アクチュエータを引張圧縮試験機(今田製作所製、品番:SV−201)にセットし、外部電極6,7に接合されているリード線を治具を用いて引っ張り、外部電極6,7が圧電体2から界面剥離するまでの最大強度を測定した。引張速度は20mm/分とした。各圧電アクチュエータ10個について試験を行い、上記最大強度の平均値を、外部電極の密着強度とした。密着強度が20N以上のアクチュエータを良品と評価した。
(2)変位量
200Vの電圧を30Hzで印加し、それぞれ変位量を測定した。各圧電アクチュエータ6個について、100サイクル駆動し、得られた変位量の平均値を求めた。この平均値である変位量が40μm以上のアクチュエータを良品と評価した。
(3)駆動試験
(2)の変位量の測定後に、200Vの電圧を200Hzで印加する工程を繰り返し、破壊に至るまでの駆動サイクル数を求めた。なお、駆動時の余剰変位を抑制するために、圧電アクチュエータを金属板で押さえつけておいた。駆動サイクル数は5.0×10サイクルまでとし、5.0×10サイクルに至った試料については、再度(2)と同様にして変位量を測定した。測定された変位量が40μm以上のアクチュエータを、良品と評価した。なお、駆動試験に際しては、試料数はN=3とした。
(4)耐湿試験
(1)〜(3)の評価の場合とは異なり、前述した分極処理前の圧電体2の外表面において、外部電極6,7が形成されている部分以外の外表面をシリコーン系樹脂で被覆した後、分極処理を行い、積層型圧電アクチュエータを得た。しかる後、(2)の変位量を測定方法と同様にして変位量を測定した。次に、60℃及び相対湿度90%の耐湿槽内に放置し、200時間後に積層型圧電アクチュエータを取り出し、外部電極の密着強度を(1)の密着強度の測定と同様にして求めた。
結果を下記の表2に示す。
Figure 2009043516
Figure 2009043516
表1及び表2から明らかなように、本発明の実施例である試料番号1〜13の積層型圧電アクチュエータでは、初期状態における外部電極の密着強度、変位量が良好であり、駆動試験後及び耐湿試験後も特性は良好であった。また、試料番号1〜13の積層型圧電アクチュエータにおいて外部電極と圧電体との界面を観察したところ、界面にガラスが多く分布していることが認められた。
試料番号15,16,18〜23では、初期の密着強度が低かった。そのため、分極処理時に放電し、それ以降評価ができなかったり、初期の変位量は良好であったが、駆動試験時に放電故障し、5×10サイクル数に到達しなかったりした。
試料番号29,30は、特許文献1及び特許文献2に記載の範囲内の組成を有する導電性ペーストを用いた例であるが、これらにおいても、同様に、分極処理時に放電し、変位量を測定することができなかった。
また、試料番号1と試料番号14との比較から明らかなように、Bが10重量%より少ないと、ガラス化しないことがわかる。また、試料番号2と試料番号15との比較より、Bが40重量%より多くなると、密着強度が低下することがわかる。これは、外部電極内にガラスが集まり、圧電体と外部電極との界面にガラスがほとんど存在しなくなるためと考えられる。
また、試料番号3と試料番号16との比較より、SiOが45重量%より少ないと密着強度が低下する。これは、ガラスが圧電体2内に拡散し、圧電体2と外部電極との界面にガラスがほとんど存在しなくなり、強度が低下しているためと考えられる。逆に、試料番号4と試料番号17との比較から、SiOが60重量%より多くなると、ガラス化しなくなる。
試料番号5と試料番号18との比較から明らかなように、CaOが5重量%より少なくなると、密着強度が低下する。これは、外部電極内にガラスが集まり、圧電体と外部電極との界面にガラスがほとんど存在しないことによると考えられる。逆に、試料番号6と試料番号19との比較から明らかなように、CaOが15重量%より多くなると、密着強度が低下する。これは、ガラスが圧電体内に拡散し、圧電体と外部電極との界面にガラスがほとんど存在しなくなることによると考えられる。
試料番号7と試料番号20との比較から明らかなように、ZnOが1重量%より少ないと密着強度が低下する。これは、外部電極内にガラスが集中し、外部電極と圧電体との界面にガラスがあまり存在しなくなるためと考えられる。また、試料番号8と試料番号21との比較から明らかなように、ZnOが10重量%より多くなると、密着強度が低下する。これは、圧電体とガラスフリットの反応性が高くなり、反応層が形成されて、強度が低下するためと考えられる。
試料番号9,10と試料番号22との比較より、アルカリ金属酸化物が5重量%より少なくなると、密着強度が低下する。これは、外部電極内にガラスが集中し、外部電極と圧電素体との界面にガラスがほとんど存在しなくなるためと考えられる。また、試料番号11,12と試料番号23との比較から明らかなように、アルカリ金属酸化物が15重量%より多くなると、密着強度が低下する。これは、焼成時のガラスの結晶化により、外部電極と圧電素体との界面にガラスが流動せず、界面にガラスがほとんど存在しなくなるためと考えられる。
試料番号24〜28では、初期の密着性は良好であり、駆動試験においても良好な結果を示した。しかしながら、耐湿試験後に密着強度が劣化した。これは、試料番号24〜26では、1種類のアルカリ金属のみを含むため、ガラスの耐湿性が低くなり、外部電極の耐湿性が低くなることによると考えられる。また、2種類のアルカリ金属酸化物が含有されている場合においても、試料番号27,28のように前述した比A/Bが0.33を下回る場合には、耐湿性向上効果が低いため、耐湿試験後に密着強度が低下したと考えられる。すなわち、アルカリ金属酸化物は、2種混合し、前述した比A/Bを0.33以上とすることが必要であることがわかる。
(本発明が適用される圧電体の他の例)
なお、上記実験例では、図1及び図2を参照して示した圧電アクチュエータ1を示したが、本発明が適用される圧電部品は、これに特に限定されるものではない。例えば、図3(a)〜(c)及び図4に示す積層型圧電アクチュエータ11のように、最初に圧電体2の表面に付与される導電性ペースト層上に、矩形枠状に導電性ペースト層を積層してもよい。この場合においても、金属メッシュ9が、導電性ペースト層上に重ねられ、荷重を加えた後に焼成される。従って、導電性補強材としての金属メッシュ9が、焼結電極層7A,7Bと一体化される。
さらに、積層型の圧電アクチュエータ1,11では、第1の導電性ペースト層7a上に第2の導電性ペースト層7bを積層していたが、本発明に係る圧電部品では、1層の導電性ペースト層に導電性補強材を埋め込んだ構造を用いてもよい。
また、上記金属メッシュ9のような導電性補強材を必ずしも焼結電極層と一体化する必要もない。もっとも、金属メッシュ9のような導電性補強材を導電性ペーストに一体化した後に焼き付けることにより、より機械的強度が高く、面内の導通性の高い外部電極を形成することができる。
また、本発明に係る導電性ペーストは、上記のような積層型圧電アクチュエータに限らず、他の圧電アクチュエータの外部電極を形成するのに用いられてもよい。さらに、圧電アクチュエータ以外の圧電部品に、例えば圧電共振子等の圧電体が変位する他の圧電部品の外部電極にも本発明の導電性ペーストを好適に用いることができる。すなわち、本発明に係る導電性ペーストを焼き付けることにより形成された外部電極は、前述したように圧電体、特に圧電セラミックスに対して十分な密着強度を有するので、本発明は、圧電効果により変位する圧電体を用いた様々な圧電部品に好適に用いることができる。
(a)は、本発明の一実施形態の圧電部品としての積層型圧電アクチュエータの斜視図であり、(b)は横断面図であり、(c)は縦断面図である。 図1に示した積層型圧電アクチュエータの外部電極構造を説明するための分解斜視図である。 (a)は、本発明の一実施形態の圧電部品としての積層型圧電アクチュエータの他の例であり、(b)は横断面図であり、(c)は縦断面図である。 図3に示した積層型圧電アクチュエータの外部電極構造を説明するための分解斜視図である。
符号の説明
1…圧電アクチュエータ
2…圧電体
2a…上面
2b…下面
2c,2d…端面
3…第1の内部電極
4…第2の内部電極
6…第1の外部電極
7…第2の外部電極
7a…第1の導電性ペースト層
7b…第2の導電性ペースト層
7A…第1の焼結電極層
7B…第2の焼結電極層
9…金属メッシュ
11…圧電アクチュエータ

Claims (5)

  1. 導電粉末と、ガラスフリットと、有機ビヒクルとを含み、圧電部品の外部電極に用いられる導電性ペーストであって、
    前記ガラスフリットが、
    酸化物換算の含有割合として、
    :10〜40重量%
    SiO:45〜60重量%
    CaO:5〜15重量%
    ZnO:1〜10重量%
    及びアルカリ金属酸化物:5〜15重量%を含み、
    前記アルカリ金属酸化物として、LiO、NaO及びKOから選択される2種のアルカリ金属酸化物を含み、2種のアルカリ金属酸化物の内、一方の金属酸化物の含有量をB重量%、もう一方のアルカリ金属酸化物の含有量をA重量%とした場合(但し、B≧Aとする)に、A/B=0.33〜1.00の範囲内にあることを特徴とする、導電性ペースト。
  2. 圧電体と、外部電極とを備え、前記外部電極が、圧電体の外表面に付与されておりかつ請求項1に記載の導電性ペーストを焼結することにより形成された焼結電極層を有する、圧電部品。
  3. 前記外部電極において、前記焼結電極層と一体に焼結された導電性補強材をさらに備える、請求項2に記載の圧電部品。
  4. 前記外部電極から電圧を印加することにより前記圧電体が変位される圧電アクチュエータである、請求項2または3に記載の圧電部品。
  5. 前記圧電体が、圧電体層を介して重なり合う第1の内部電極と第2の内部電極とを有する積層型圧電体であって、前記外部電極が、前記第1,第2の内部電極にそれぞれ電気的に接続される第1,第2の外部電極である、請求項4に記載の圧電部品。
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