JP2000034404A - ポリアミド樹脂組成物および成形品 - Google Patents

ポリアミド樹脂組成物および成形品

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JP2000034404A
JP2000034404A JP11116561A JP11656199A JP2000034404A JP 2000034404 A JP2000034404 A JP 2000034404A JP 11116561 A JP11116561 A JP 11116561A JP 11656199 A JP11656199 A JP 11656199A JP 2000034404 A JP2000034404 A JP 2000034404A
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acid
anhydride
polyamide resin
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resin
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JP11116561A
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English (en)
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Hideyuki Umetsu
秀之 梅津
Masahiro Sugimura
正宏 杉村
Yoshiki Makabe
芳樹 真壁
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】成形時にシリンダー内で滞留させても良流動性
で、新たに耐衝撃性、表面外観に優れ、さらに成形時の
クッション量ばらつき、糸引きなどの成形時の不良を低
減させたポリアミド樹脂組成物および成形品の取得を課
題とする。 【解決手段】ポリアミド樹脂100重量部に対し、液晶
性樹脂0.01〜100重量部および酸無水物0.01
〜5重量部からなるポリアミド樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、成形時にシリンダ
ー内で滞留させても良流動性で、新たに耐衝撃性、表面
外観に優れ、さらに成形時のクッション量ばらつき、糸
引きなどの成形時の不良を低減させたポリアミド樹脂組
成物および成形品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ナイロン6、ナイロン66に代表される
ポリアミド樹脂は優れた機械特性を始めとして、耐摩耗
性、電気的特性、耐薬品性及び加工性を有するため、エ
ンジニアリングプラスチックとして自動車分野、電気・
電子分野、その他建築・雑貨分野などで幅広く使用され
ている。
【0003】近年、各分野において高度化かつ多様化
し、プラスチックの高性能化に対する要求がますます高
まり、例えば、自動車分野においては排ガスなどによる
環境破壊をいくらかでも抑制するために自動車を形成し
ている部品の小型化および薄肉化による軽量化が行わ
れ、また電気・電子分野ではパソコンが最近携帯される
ようになってきているため、パソコン筐体の軽量化が望
まれている。しかし、これらの用途に用いるポリアミド
樹脂は、更なる薄肉化の要求に対し、流動性の改良が望
まれているのが現状である。
【0004】そこで種々の新規特性を有するポリマーが
数多く開発され、市場に供されているが、なかでも分子
鎖の平行な配列を特徴とする光学異方性の液晶性ポリマ
ーが優れた流動性と機械的性質を有する点で注目され、
特に高い強度、剛性を有することから電気・電子分野や
事務機器分野などで小型成形品としての需要が大きくな
ってきている。これら2種の材料の特性を付与しようと
液晶性樹脂と熱可塑性樹脂のブレンドが注目されてお
り、特開昭56−115357号公報、特開平1−25
9062号公報、特開平3−54222号公報、特開平
5−86286号公報、特開平9−12875号公報な
どが開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、両ポリ
マーを単純にブレンドしても相溶性が十分でないことか
ら、大きな物性向上が見られず、相溶性が悪いと異物と
なり衝撃強度の低下が起こる。あるいは大型成形機など
滞留時間の長いもの等では、アミド・エステル交換反応
が起こり、本来流動性を向上させる目的のものが逆に流
動性が低下することがわかった。例えば、特開平9−1
2875号公報に開示されているように交換反応を抑制
するためにポリアミドの重合時に末端封鎖を行ったの
ち、液晶性樹脂との単純なブレンドを行ってもでは両ポ
リマーの相溶性が十分とは言えず、物性低下を招くばか
りでなく、例えば大型成形品を取得するために大型成形
機などを用いる場合、必然的にシリンダー内で滞留が起
こるが、このような場合、アミド・エステル交換反応の
ためと推察されるが、分解発泡あるいは増粘し、ポリア
ミド単独より流動性が低下することがわかった。
【0006】よって本発明は、上述の問題を解消し、従
来のポリアミド樹脂の加工温度で加工可能であり、かつ
ポリアミド樹脂の従来の特性を損なうことなく、特異的
なモルホロジーを形成させるため、成形時にシリンダー
内で滞留させても良流動性で、新たに耐衝撃性、表面外
観に優れ、さらに成形時のクッション量ばらつき、糸引
きなどの成形時の不良を低減させたポリアミド樹脂組成
物の取得を課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。
【0008】すなわち、本発明は 1.ポリアミド樹脂100重量部に対し、液晶性樹脂
0.01〜100重量部および酸無水物0.01〜5重
量部を配合してなるポリアミド樹脂組成物、 2.液晶性樹脂の液晶開始温度がポリアミド樹脂の融点
以下であることを特徴とする上記1記載のポリアミド樹
脂組成物、 3.ポリアミド樹脂、液晶性樹脂および酸無水物の合計
100重量部に対し、充填材を0.5〜300重量部を
さらに添加してなる上記1または2いずれか記載のポリ
アミド樹脂組成物、 4.液晶性樹脂の溶融粘度がポリアミド樹脂の融点+2
5℃、剪断速度1000sec-1の条件で50Pa・s
以下であることを特徴とする上記1〜3いずれか記載の
ポリアミド樹脂組成物、 5.酸無水物が無水コハク酸、無水1,8−ナフタル
酸、無水フタル酸、無水マレイン酸から選ばれた1種以
上である上記1〜4いずれか記載のポリアミド樹脂組成
物、 6.上記1〜5いずれか記載のポリアミド樹脂組成物で
構成してなる成形品であって、成形品が厚み1.0mm
以下の薄肉部を成形品全面積に対して10%以上有する
箱形成形品である。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。本発明において「重量」とは「質量」を意味す
る。
【0010】本発明で用いられるポリアミド樹脂とは、
アミノ酸、ラクタムあるいはジアミンとジカルボン酸を
主たる原料とするナイロンである。その原料の代表例と
しては、6−アミノカプロン酸、11−アミノウンデカ
ン酸、12−アミノドデカン酸、パラアミノメチル安息
香酸などのアミノ酸、ε−アミノカプロラクタム、ω−
ラウロラクタムなどのラクタム、テトラメチレンジアミ
ン、ヘキサメレンジアミン、2−メチルペンタメチレン
ジアミン、ノナンメチレンジアミン、ウンデカメチレン
ジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,2,4−/
2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、5−
メチルノナメチレンジアミン、メタキシレンジアミン、
パラキシリレンジアミン、1,3−ビス(アミノメチ
ル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シ
クロヘキサン、1−アミノ−3−アミノメチル−3,
5,5−トリメチルシクロヘキサン、ビス(4−アミノ
シクロヘキシル)メタン、ビス(3−メチル−4−アミ
ノシクロヘキシル)メタン、2,2−ビス(4−アミノ
シクロヘキシル)プロパン、ビス(アミノプロピル)ピ
ペラジン、アミノエチルピペラジンなどの脂肪族、脂環
族、芳香族のジアミン、およびアジピン酸、スペリン
酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、テレフ
タル酸、イソフタル酸、2−クロロテレフタル酸、2−
メチルテレフタル酸、5−メチルイソフタル酸、5−ナ
トリウムスルホイソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル
酸、ヘキサヒドロイソフタル酸などの脂肪族、脂環族、
芳香族のジカルボン酸が挙げられ、本発明においては、
これらの原料から誘導されるナイロンホモポリマーまた
はコポリマーを各々単独または混合物の形で用いること
ができる。
【0011】本発明において、特に有用なポリアミド樹
脂は、200℃以上の融点を有する耐熱性や強度に優れ
たナイロン樹脂であり、具体的な例としてはポリカプロ
アミド(ナイロン6)、ポリヘキサメチレンアジパミド
(ナイロン66)、ポリテトラメチレンアジパミド(ナ
イロン46)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ナイロ
ン610)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ナイロン
612)、ポリノナンメチレンテレフタルアミド(ナイ
ロン9T)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキ
サメチレンテレフタルアミドコポリマー(ナイロン66
/6T)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリ
カプロアミドコポリマー(ナイロン6T/6)、ポリヘ
キサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンイソフタ
ルアミドコポリマー(ナイロン66/6I)、ポリドデ
カミド/ポリヘキサメチレンテレフタラミドコポリマー
(ナイロン12/6T)、ポリヘキサメチレンアジパミ
ド/ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリヘキサ
メチレンイソフタルアミドコポリマー(ナイロン66/
6T/6I)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/
ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリマー(ナイ
ロン6T/6I)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミ
ド/ポリ(2ーメチルペンタメチレンテレフタルアミ
ド)コポリマー(ナイロン6T/M5T)、ポリキシリ
レンアジパミド(ナイロンXD6)およびこれらの混合
物ないし共重合体などが挙げられる。
【0012】とりわけ好ましいものとしては、ナイロン
6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン46、ナ
イロン9T、ナイロン6/66コポリマー、ナイロン6
/12コポリマー、ナイロン9T、ナイロン6T/6コ
ポリマー、ナイロン66/6Tコポリマー、ナイロン6
T/6Iコポリマー、ナイロン66/6T/6I、ナイ
ロン12/6T、ナイロン6T/M5Tコポリマーなど
の例を挙げることができ、更にこれらのナイロン樹脂を
成形性、耐熱性、低吸水性などのその他の必要特性に応
じて混合物として用いることも実用上好適である。
【0013】これらポリアミド樹脂の重合度にはとくに
制限がなく、1%の濃硫酸溶液中、25℃で測定した相
対粘度が、1.5〜5.0の範囲、特に2.0〜4.0
の範囲のものが好ましい。
【0014】本発明に用いるポリアミド樹脂のアミノ末
端基濃度は、特に限定しないが、100×10-6当量/
g以下が好ましく、70×10-6当量/g以下がより好
ましくは、50×10-6当量/g以下が特に好ましい。
【0015】本発明のポリアミド樹脂のアミノ末端基濃
度の測定方法は特に限定されないが、例えば、試料20
mgをNMR試料管にはかりとり、溶媒(ヘキサフロロ
イソプロパノール-d2)を0.6ml加え溶解し、観測
周波数599.9MHzのNMR装置を用いて測定を行
う。
【0016】本発明の液晶性樹脂は、異方性溶融相を形
成し得る樹脂であり、例えば芳香族オキシカルボニル単
位、芳香族ジオキシ単位、芳香族ジカルボニル単位、エ
チレンジオキシ単位などから選ばれた構造単位からな
り、かつ異方性溶融相を形成する液晶性ポリエステル、
あるいは、上記構造単位と芳香族イミノカルボニル単
位、芳香族ジイミノ単位、芳香族イミノオキシ単位など
から選ばれた構造単位からなり、かつ異方性溶融相を形
成する液晶性ポリエステルアミドなどが挙げられる。
【0017】芳香族オキシカルボニル単位としては、例
えば、p−ヒドロキシ安息香酸、6−ヒドロキシ−2−
ナフトエ酸などから生成した構造単位、芳香族ジオキシ
単位としては、例えば、4,4´−ジヒドロキシビフェ
ニル、ハイドロキノン、3,3’,5,5’−テトラメ
チル−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、t−ブチル
ハイドロキノン、フェニルハイドロキノン、2,6−ジ
ヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレ
ン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン
および4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテルなど
から生成した構造単位、芳香族ジカルボニル単位として
は、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナ
フタレンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボ
ン酸、1,2−ビス(フェノキシ)エタン−4,4’−
ジカルボン酸、1,2−ビス(2−クロルフェノキシ)
エタン−4,4’−ジカルボン酸および4,4’ジフェ
ニルエーテルジカルボン酸などから生成した構造単位、
芳香族イミノオキシ単位としては、例えば、4−アミノ
フェノールなどから生成した構造単位が挙げられる。
【0018】液晶性ポリエステルの具体例としては、p
−ヒドロキシ安息香酸から生成した構造単位、6−ヒド
ロキシ−2−ナフトエ酸から生成した構造単位、芳香族
ジヒドロキシ化合物および/または脂肪族ジカルボン酸
から生成した構造単位からなる液晶性ポリエステル、p
−ヒドロキシ安息香酸から生成した構造単位、4,4’
−ジヒドロキシビフェニルから生成した構造単位、テレ
フタル酸およびアジピン酸から生成した構造単位からな
る液晶性ポリエステル、p−ヒドロキシ安息香酸から生
成した構造単位、4,4’−ジヒドロキシビフェニルお
よびハイドロキノンなどの芳香族ジヒドロキシ化合物か
ら生成した構造単位、テレフタル酸および/または2,
6−ナフタレンジカルボン酸から生成した構造単位から
なる液晶性ポリエステル、p−ヒドロキシ安息香酸から
生成した構造単位、エチレングリコールから生成した構
造単位、テレフタル酸およびイソフタル酸から生成した
構造単位からなる液晶性ポリエステル、p−ヒドロキシ
安息香酸から生成した構造単位、エチレングリコールか
ら生成した構造単位、4,4’−ジヒドロキシビフェニ
ルから生成した構造単位、テレフタル酸および/または
セバシン酸から生成した構造単位から生成した構造単位
からなる液晶性ポリエステル、p−ヒドロキシ安息香酸
から生成した構造単位、エチレングリコールから生成し
た構造単位、芳香族ジヒドロキシ化合物から生成した構
造単位、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタ
レンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸から生成し
た液晶性ポリエステルなどが挙げられる。
【0019】異方性溶融相を形成する液晶性ポリエステ
ルの好ましい例としては、下記(I)、(II)、(III)
および(IV)の構造単位からなる液晶ポリエステル、ま
たは、(I)、(III) および(IV)の構造単位からなる
異方性溶融相を形成する液晶性ポリエステルなどが挙げ
られる。
【0020】
【化1】 (ただし式中のR1
【0021】
【化2】 から選ばれた1種以上の基を示し、R2
【0022】
【化3】 から選ばれた1種以上の基を示す。ただし式中Xは水素
原子または塩素原子を示す。) 上記構造単位(I)はp−ヒドロキシ安息香酸から生成し
た構造単位であり、構造単位(II)は4,4’−ジヒドロ
キシビフェニル、3,3’,5,5’−テトラメチル−
4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノン、
t−ブチルハイドロキノン、フェニルハイドロキノン、
メチルハイドロキノン、2,6−ジヒドロキシナフタレ
ン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)プロパンおよび4,4’−
ジヒドロキシジフェニルエーテルから選ばれた一種以上
の芳香族ジヒドロキシ化合物から生成した構造単位を、
構造単位(III)はエチレングリコールから生成した構造
単位を、構造単位(IV)はテレフタル酸、イソフタル酸、
4,4’−ジフェニルジカルボン酸、2,6−ナフタレ
ンジカルボン酸、1,2−ビス(フェノキシ)エタン−
4,4’−ジカルボン酸、1,2−ビス(2−クロルフ
ェノキシ)エタン−4,4’−ジカルボン酸および4,
4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸から選ばれた一
種以上の芳香族ジカルボン酸から生成した構造単位を各
々示す。
【0023】これらのうちR1としては
【0024】
【化4】 が好ましい。また、R2としては
【0025】
【化5】 であるものが特に好ましい。
【0026】本発明に好ましく使用できる液晶性ポリエ
ステルは、上記構造単位(I)、(III)、(IV)からなる共重
合体および/または上記構造単位(I)、(II)、(III)、(I
V)からなる共重合体であり、上記構造単位(I)、(II)、
(III)および(IV)の共重合量は任意である。しかし、本
発明の特性を発揮させるためには次の共重合量であるこ
とが好ましい。
【0027】すなわち、上記構造単位(I)、(III)、(IV)
からなる共重合体の場合は上記構造単位(I)が構造単位
(I)、(III)、(IV)の合計に対して30〜80モル%が好
ましく、45〜75モル%がより好ましい。
【0028】また、上記構造単位(I)、(II)、(III)、(I
V)からなる共重合体の場合は、上記構造単位(I)および
(II)の合計は構造単位(I)、(II)および(III)の合計に対
して30〜95モル%が好ましく、40〜85モル%が
より好ましい。また、構造単位(III)は構造単位(I)、(I
I)および(III)の合計に対して70〜5モル%が好まし
く、60〜15モル%がより好ましい。また、構造単位
(I)と(II)のモル比[(I)/(II)]は好ましくは75/2
5〜95/5であり、より好ましくは78/22〜93
/7である。また、構造単位(IV)は構造単位(II)および
(III)の合計と実質的に等モルであることが好ましい。
【0029】また液晶性ポリエステルアミドとしては、
上記構造単位(I)〜(IV)以外にp−アミノフェノールか
ら生成したp−イミノフェノキシ単位を含有した異方性
溶融相を形成するポリエステルアミドが好ましい。
【0030】上記好ましく用いることができる液晶性ポ
リエステル、液晶性ポリエステルアミドは、上記構造単
位(I)〜(IV)を構成する成分以外に3,3’−ジフェニ
ルジカルボン酸、2,2’−ジフェニルジカルボン酸な
どの芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、アゼライン酸、
セバシン酸、ドデカンジオン酸などの脂肪族ジカルボン
酸、ヘキサヒドロテレフタル酸などの脂環式ジカルボン
酸、クロルハイドロキノン、3,4’−ジヒドロキシビ
フェニル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホ
ン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、
4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、3,4’−ジ
ヒドロキシビフェニル等の芳香族ジオール、プロピレン
グリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサ
ンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロ
ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノー
ル等の脂肪族、脂環式ジオールおよびm−ヒドロキシ安
息香酸、2,6−ヒドロキシナフトエ酸などの芳香族ヒ
ドロキシカルボン酸およびp−アミノフェノール、p−
アミノ安息香酸などを液晶性を損なわない程度の範囲で
さらに共重合せしめることができる。
【0031】本発明において使用する上記液晶性樹脂の
基本的な製造方法は、特に制限がなく、基本的には公知
のポリエステルの重縮合法に準じて製造できる。
【0032】例えば、上記液晶ポリエステルの製造にお
いて、次の製造方法が好ましく挙げられる。 (1)p−ヒドロキシ安息香酸を除く成分のみから得ら
れたポリエステルとp−アセトキシ安息香酸とを乾燥窒
素気流下で加熱溶融し、アシドリシス反応によって共重
合ポリエステルフラグメントを生成させ、次いで減圧し
増粘させる方法 (2)p−アセトキシ安息香酸および4,4’−ジアセ
トキシビフェニル、ジアセトキシベンゼンなどの芳香族
ジヒドロキシ化合物のジアシル化物と2,6−ナフタレ
ンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸などの芳
香族ジカルボン酸から脱酢酸縮重合反応によって製造す
る方法。 (3)p−ヒドロキシ安息香酸および4,4’−ジヒド
ロキシビフェニル、ハイドロキノンなどの芳香族ジヒド
ロキシ化合物と2,6−ナフタレンジカルボン酸、テレ
フタル酸、イソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸に無
水酢酸を反応させて、フェノール性水酸基をアシル化し
た後、脱酢酸重縮合反応によって製造する方法。 (4)p−ヒドロキシ安息香酸のフェニルエステルおよ
び4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノン
などの芳香族ジヒドロキシ化合物と2,6−ナフタレン
ジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸などの芳香
族ジカルボン酸のジフェニルエステルから脱フェノール
重縮合反応により製造する方法。 (5)p−ヒドロキシ安息香酸および2,6−ナフタレ
ンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸などの芳
香族ジカルボン酸に所定量のジフェニルカーボネートを
反応させて、それぞれジフェニルエステルとした後、
4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノンな
どの芳香族ジヒドロキシ化合物を加え、脱フェノール重
縮合反応により製造する方法。 (6)ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル
のポリマー、オリゴマーまたはビス(β−ヒドロキシエ
チル)テレフタレートなど芳香族ジカルボン酸のビス
(β−ヒドロキシエチル)エステルの存在下で(2)ま
たは(3)の方法により製造する方法。
【0033】液晶性樹脂の重縮合反応は無触媒でも進行
するが、酢酸第一錫、テトラブチルチタネート、酢酸カ
リウムおよび酢酸ナトリウム、三酸化アンチモン、金属
マグネシウムなどの金属化合物を使用することもでき
る。
【0034】本発明で用いる液晶性樹脂は、ペンタフル
オロフェノール中で対数粘度を測定することが可能なも
のもあり、その際には0.1g/dlの濃度で60℃で
測定した値で0.03g/dl以上が好ましく、0.0
5〜10.0dl/gが特に好ましい。
【0035】本発明で用いる液晶性樹脂の液晶開始温度
は、好ましくは混合するポリアミド樹脂の融点以下であ
り、より好ましくはポリアミドの融点−10℃以下、よ
り好ましくはポリアミドの融点−20℃以下である。液
晶開始温度が混合するポリアミドの融点より低い方がポ
リアミド樹脂中に均一分散し、本発明の効果がより鮮明
に発現する。
【0036】ここでいう液晶開始温度の測定方法は、液
晶性樹脂の薄い切片を切り出し、偏光顕微鏡の試料台に
乗せて昇温加熱し、剪断応力下で乳白色光を発する時の
温度であり、本発明の好ましい液晶性樹脂においては液
晶開始温度が融点よりも20℃程度低い温度であること
が多い。
【0037】また、本発明の液晶性樹脂の溶融粘度は特
に限定されないが、本発明の効果をより発揮するために
用いるポリアミド樹脂の融点+25℃で測定した値が、
好ましくは50Pa・s以下であり、より好ましくは0.
1〜30Pa・sであり、最も好ましくは0.5〜25Pa
・sである。なお、ここで溶融粘度は、剪断速度1,0
00(1/秒)の条件下でノズル径0.5mm φ、ノズル長
10mmのノズルを用い高化式フローテスターによって測定
した値である。
【0038】本発明の液晶性樹脂のポリアミド樹脂への
配合量は、ポリアミド樹脂の従来の特性を損なうことな
く、新規に流動性、耐衝撃性、表面外観に優れ、さらに
成形時のクッション量ばらつき、糸引きなどの成形時の
不良を低減させるなどの特性を付与する点からポリアミ
ド樹脂100重量部に対して0.01〜100重量部、
好ましくは0.05〜80重量部、さらに好ましくは
0.1〜10重量部である。
【0039】本発明に用いる酸無水物は例えば、無水安
息香酸、無水イソ酪酸、無水イタコン酸、無水オクタン
酸、無水グルタル酸、無水コハク酸、無水酢酸、無水ジ
メチルマレイン酸、無水デカン酸、無水トリメリト酸、
無水1,8−ナフタル酸、無水フタル酸、無水マレイン
酸などが挙げられ、中でも無水コハク酸、無水1,8−
ナフタル酸、無水フタル酸、無水マレイン酸などが好ま
しく用いられ、特に無水コハク酸、無水フタル酸が好ま
しく用いられる。
【0040】本発明の酸無水物のポリアミド樹脂への配
合量は0.01〜5重量部、好ましくは0.05〜3重
量部、より好ましくは0.1〜2重量部である。酸無水
物量が0.01重量部未満の場合、流動性をはじめとす
る本発明の効果が発現されず、添加量が5重量部超の場
合、コンパウンド時および成形時にガス発生が発生し、
噛み込み不良、成形品のガス焼けおよびボイド発生の原
因となり、得られた成形品も表面外観のみならず、機械
特性も低下するので好ましくない。
【0041】本発明において用いる酸無水物のポリアミ
ド樹脂組成物中での存在状態は特に限定されず、酸無水
物、水あるいはポリアミド、液晶性樹脂およびそのモノ
マー・オリゴマーとの反応物のいずれの状態で存在して
いてもかまわない。
【0042】本発明のポリアミド樹脂と液晶性樹脂およ
び酸無水物の配合方法は特に限定されないが、通常溶融
混練することが好ましく、溶融混練には公知の方法を用
いることができる。たとえば、バンバリーミキサー、ゴ
ムロール機、ニーダー、単軸もしくは二軸押出機などを
用い、180〜380℃の温度で溶融混練して組成物と
することができる。好ましくは押出機を用い、配合順序
は特に限定されないが、ポリアミドと酸無水物は同時に
混練することが好ましく、例えば、ポリアミドと酸無水
物をブレンドし、次いで液晶性樹脂を2段押し出しおよ
びサイドフィーダー備え付けの押出機の場合、サイドよ
り投入するか、あるいはポリアミド樹脂、液晶性樹脂、
酸無水物を同時にブレンドする方法が好ましく用いられ
る。
【0043】本発明においてポリアミド樹脂組成物の機
械強度その他の特性を付与するために充填剤を使用する
ことが可能であり、特に限定されるものではないが、繊
維状、板状、粉末状、粒状などの充填剤を使用すること
ができる。具体的には例えば、ガラス繊維、PAN系や
ピッチ系の炭素繊維、ステンレス繊維、アルミニウム繊
維や黄銅繊維などの金属繊維、芳香族ポリアミド繊維な
どの有機繊維、石膏繊維、セラミック繊維、アスベスト
繊維、ジルコニア繊維、アルミナ繊維、シリカ繊維、酸
化チタン繊維、炭化ケイ素繊維、ロックウール、チタン
酸カリウムウィスカー、チタン酸バリウムウィスカー、
ほう酸アルミニウムウィスカー、窒化ケイ素ウィスカー
などの繊維状、ウィスカー状充填剤、マイカ、タルク、
カオリン、シリカ、炭酸カルシウム、ガラスビーズ、ガ
ラスフレーク、ガラスマイクロバルーン、クレー、二硫
化モリブデン、ワラステナイト、酸化チタン、酸化亜
鉛、ポリリン酸カルシウム、グラファイトなどの粉状、
粒状あるいは板状の充填剤が挙げられる。上記充填剤
中、ガラス繊維および導電性が必要な場合にはPAN系
の炭素繊維が好ましく使用される。ガラス繊維の種類
は、一般に樹脂の強化用に用いるものなら特に限定はな
く、例えば長繊維タイプや短繊維タイプのチョップドス
トランド、ミルドファイバーなどから選択して用いるこ
とができる。また、上記の充填剤は2種以上を併用して
使用することもできる。なお、本発明に使用する上記の
充填剤はその表面を公知のカップリング剤(例えば、シ
ラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤な
ど)、その他の表面処理剤で処理して用いることもでき
る。
【0044】また、ガラス繊維はエチレン/酢酸ビニル
共重合体などの熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂などの熱硬
化性樹脂で被覆あるいは集束されていてもよい。
【0045】上記の充填剤の添加量は、ポリアミド樹
脂、液晶性樹脂および酸無水物の合計100重量部に対
し、通常、300重量部以下であり、好ましくは10〜
250重量部、より好ましくは20〜150重量部であ
る。
【0046】本発明のポリアミド樹脂組成物に長期耐熱
性を向上させるために銅化合物が好ましく用いられる。
銅化合物の具体的な例としては、塩化第一銅、塩化第二
銅、臭化第一銅、臭化第二銅、ヨウ化第一銅、ヨウ化第
二銅、硫酸第二銅、硝酸第二銅、リン酸銅、酢酸第一
銅、酢酸第二銅、サリチル酸第二銅、ステアリン酸第二
銅、安息香酸第二銅および前記無機ハロゲン化銅とキシ
リレンジアミン、2ーメルカプトベンズイミダゾール、
ベンズイミダゾールなどの錯化合物などが挙げられる。
なかでも1価の銅化合物とりわけ1価のハロゲン化銅化
合物が好ましく、酢酸第1銅、ヨウ化第1銅などを特に
好適な銅化合物として例示できる。銅化合物の添加量
は、通常ポリアミド樹脂100重量部に対して0.01
〜2重量部であることが好ましく、さらに0.015〜
1重量部の範囲であることが好ましい。添加量が多すぎ
ると溶融成形時に金属銅の遊離が起こり、着色により製
品の価値を減ずることになる。本発明では銅化合物と併
用する形でハロゲン化アルカリを添加することも可能で
ある。このハロゲン化アルカリ化合物の例としては、塩
化リチウム、臭化リチウム、ヨウ化リチウム、塩化カリ
ウム、臭化カリウム、ヨウ化カリウム、臭化ナトリウム
およびヨウ化ナトリウムを挙げることができ、ヨウ化カ
リウム、ヨウ化ナトリウムが特に好ましい。
【0047】また本発明の樹脂組成物にアルコキシシラ
ン、好ましくはエポキシ基、アミノ基、イソシアネート
基、水酸基、メルカプト基、ウレイド基の中から選ばれ
た少なくとも1種の官能基を有するアルコキシシランの
添加は、機械的強度、靱性などの向上に有効である。か
かる化合物の具体例としては、γ−グリシドキシプロピ
ルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリ
エトキシシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキ
シル)エチルトリメトキシシランなどのエポキシ基含有
アルコキシシラン化合物、γ−メルカプトプロピルトリ
メトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシ
シランなどのメルカプト基含有アルコキシシラン化合
物、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、γ−ウ
レイドプロピルトリメトキシシシラン、γ−(2−ウレ
イドエチル)アミノプロピルトリメトキシシランなどの
ウレイド基含有アルコキシシラン化合物、γ−イソシア
ナトプロピルトリエトキシシラン、γ−イソシアナトプ
ロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアナトプロピル
メチルジメトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルメ
チルジエトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルエチ
ルジメトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルエチル
ジエトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルトリクロ
ロシランなどのイソシアナト基含有アルコキシシラン化
合物、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチル
ジメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプ
ロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメ
トキシシランなどのアミノ基含有アルコキシシラン化合
物、γ−ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−
ヒドロキシプロピルトリエトキシシランなどの水酸基含
有アルコキシシラン化合物などなどが挙げられる。
【0048】さらに、本発明の樹脂組成物には、酸化防
止剤および熱安定剤(たとえばヒンダードフェノール、
ヒドロキノン、ホスファイト類およびこれらの置換体な
ど)、紫外線吸収剤(たとえばレゾルシノール、サリシ
レート、ベンゾトリアゾール、ベンゾフェノンなど)、
亜リン酸塩、次亜リン酸塩などの着色防止剤、滑剤およ
び離型剤(モンタン酸およびその塩、そのエステル、そ
のハーフエステル、ステアリルアルコール、ステアラミ
ドおよびポリエチレンワックスなど)、染料(たとえば
ニグロシンなど)および顔料(たとえば硫化カドミウ
ム、フタロシアニンなど)を含む着色剤、導電剤あるい
は着色剤としてカーボンブラック、結晶核剤、可塑剤、
難燃剤(例えば赤燐、水酸化マグネシウム、メラミンお
よびシアヌール酸またはその塩、臭素化ポリスチレン、
ポリ臭素化スチレン、臭素化ポリフェニレンエーテル、
臭素化エポキシ化合物、臭素化ポリカーボネートな
ど)、難燃助剤(アンチモン化合物、フッ素系樹脂、フ
ェノール系樹脂等)、帯電防止剤などの通常の添加剤を
添加して、所定の特性をさらに付与することができる。
【0049】無機充填材および上記の添加剤を添加する
場合の方法は溶融混練することが好ましく、溶融混練に
は公知の方法を用いることができる。たとえば、バンバ
リーミキサー、ゴムロール機、ニーダー、単軸もしくは
二軸押出機などを用い、180〜380℃の温度で溶融
混練して組成物とすることができる。その際、前記した
ポリアミド樹脂と酸無水物と液晶性樹脂との好ましい混
練方法におけるいずれの段階で添加してもよい。具体的
には、ポリアミド樹脂および酸無水物を溶融混練した
後、液晶性樹脂、充填材と混練する方法、全ての成分を
一括混練する方法、一度ポリアミド樹脂と酸無水物、液
晶性樹脂とを混練した後に充填材およびその他の添加剤
を混練する方法、一度ポリアミド樹脂と酸無水物、液晶
性樹脂とを混練し樹脂組成物(A)とした後、得られた
樹脂組成物(A)を用いて充填材の高濃度組成物(マス
ター)(B)を作成する等が挙げられ、いずれの方法で
もかまわない。
【0050】また、成形品を成形するにあたっての成形
方法は通常の成形方法(射出成形、押出成形、ブロー成
形、プレス成形、インジェクションプレス成形など)に
より、三次元成形品、シート、容器パイプなどに加工す
ることができ、特にその優れた流動性を生かし、薄肉部
を有する成形品(例えば板状成形品あるいは箱形成形品
が挙げられ、なかでも箱形成形品が好ましい)、特に
1.0mm以下の薄肉部を有する成形品に好ましく適用
できる。具体的には厚みが1.0mm以下の部分を成形
品の全表面積に対して、10%以上有する成形品、より
好ましくは1.0mm以下の部分を15%以上有する成
形品に、さらに好ましくは0.8mm以下の部分を10
%以上有する成形品に有効である。また、成形方法とし
ては射出成形あるいはインジェクションプレス成形等が
好ましい。
【0051】本発明のポリアミド樹脂組成物はポリアミ
ド樹脂の本来有する特性を損なわず、新規に流動性、耐
衝撃性、表面外観などの特性に優れ、かつ生産向上特性
(成形時のクッション量ばらつき、糸引きなどの成形時
の不良を低減させるなど)を生かし、各種ギヤー、各種
ケース、センサー、LEPランプ、コネクター、ソケッ
ト、抵抗器、リレーケース、スイッチ、コイルボビン、
コンデンサー、バリコンケース、光ピックアップ、発振
子、各種端子板、変成器、プラグ、プリント配線板、チ
ューナー、スピーカー、マイクロフォン、ヘッドフォ
ン、小型モーター、磁気ヘッドベース、パワーモジュー
ル、ハウジング、半導体、液晶ディスプレー部品、FD
Dキャリッジ、FDDシャーシ、HDD部品、モーター
ブラッシュホルダー、パラボラアンテナ、コンピュータ
ー関連部品などに代表される電気・電子部品;VTR部
品、テレビ部品、アイロン、ヘアードライヤー、炊飯器
部品、電子レンジ部品、音響部品、オーディオ・レーザ
ーディスク・コンパクトディスクなどの音声機器部品、
照明部品、冷蔵庫部品、エアコン部品、タイプライター
部品、ワードプロセッサー部品などに代表される家庭、
事務電気製品部品、オフィスコンピューター関連部品、
電話機関連部品、ファクシミリ関連部品、複写機関連部
品、洗浄用治具、オイルレス軸受、船尾軸受、水中軸
受、などの各種軸受、モーター部品、ライター、タイプ
ライターなどに代表される機械関連部品、顕微鏡、双眼
鏡、カメラ、時計などに代表される光学機器、精密機械
関連部品;オルタネーターターミナル、オルタネーター
コネクター、ICレギュレーター、排気ガスバルブなど
の各種バルブ、燃料関係・排気系・吸気系各種パイプ、
エアーインテークノズルスノーケル、インテークマニホ
ールド、燃料ポンプ、エンジン冷却水ジョイント、キャ
ブレターメインボディー、キャブレタースペーサー、排
気ガスセンサー、冷却水センサー、油温センサー、ブレ
ーキパットウェアーセンサー、スロットルポジションセ
ンサー、クランクシャフトポジションセンサー、エアー
フローメーター、エアコン用サーモスタットベース、暖
房温風フローコントロールバルブ、ラジエーターモータ
ー用ブラッシュホルダー、ウォーターポンプインペラ
ー、タービンべイン、ワイパーモーター関係部品、デュ
ストリビュター、スタータースィッチ、スターターリレ
ー、トランスミッション用ワイヤーハーネス、ウィンド
ウオッシャーノズル、エアコンパネルスィッチ基板、燃
料関係電磁気弁用コイル、ヒューズ用コネクター、ホー
ンターミナル、電装部品絶縁板、ステップモーターロー
ター、ランプソケット、ランプリフレクター、ランプハ
ウジング、ブレーキピストン、ソレノイドボビン、エン
ジンオイルフィルター、パワーシートギアハウジング、
イグニッションコイル用部品、点火装置ケースなどの自
動車・車両関連部品、その他各種用途に有用であり、箱
形成形品、特に、軽量性を要求されるCD、DVDなど
のオーディオ用トレー、携帯電話用ハウジング、ポケベ
ル基盤枠、パソコン用ハウジング等、各種機器の筐体
(ハウジング)として好ましい。特に厚み1.0mm以下
の部分を10%以上有する箱形成形品、特にパソコン用
ハウジング等に有用である。
【0052】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳述す
るが、本発明はその要旨を越えない限り以下の実施例に
限定されるものではない。 参考例 A−1:ε−カプロラクタムを常法により重合して、ナ
イロン6のペレットを得た。このポリアミドの相対粘度
を測定したところ2.70、融点222℃、アミノ末端
基濃度4.0×10-6当量/gであった。 A−2:ヘキサメチレンジアミン−アジピン酸の等モル
塩を常法により重合して、ナイロン66のペレットを得
た。このポリアミドの相対粘度を測定したところ2.7
5、融点262℃、アミノ末端基濃度4.9×10-6
量/gであった。 A−3:ヘキサメチレンテレフタルアミド単位50モル
%、ドデカアミド単位50モル%となるように調整した
ヘキサメチレンジアンモニウムテレフタレート(6T
塩)およびアミノドデカン酸の混合水溶液(固形原料濃
度60重量%)を加圧重合缶に仕込み、攪拌下に昇温
し、水蒸気圧19kg/cm2 で1.5時間反応させた後約
2時間かけて徐々に放圧し、更に常圧窒素気流下で約3
0分反応し、相対粘度2.55、融点283℃、アミノ
末端基濃度4.5×10-6等量/gのポリアミド樹脂を
得た。 A−4:ε−カプロラクタム100重量部に対して末端
封鎖剤として安息香酸を0.1重量部添加し、参考例A
−1と同様に常法により重合して、ナイロン6のペレッ
トを得た。このポリアミドの相対粘度を測定したところ
2.70、融点222℃、アミノ末端基濃度2.1×1
-6当量/gであった。 B−1:p−ヒドロキシ安息香酸528重量部、4,4
´−ジヒドロキシビフェニル126重量部、テレフタル
酸112重量部、固有粘度が約0.6dl/gのポリエ
チレンテレフタレ−ト864重量部及び無水酢酸586
重量部を撹拌翼、留出管を備えた反応容器に仕込み、重
合を行った。芳香族オキシカルボニル単位42.5モル
%、芳香族ジオキシ単位7.5モル%、エチレンジオキ
シ単位50モル%、芳香族ジカルボン酸単位57.5モ
ル%からなる液晶開始温度184℃の液晶性樹脂が得ら
れた。各温度の溶融粘度は、247℃で30Pa・s、
287℃で15Pa・s、308℃で1Pa・s(オリ
フィス0.5φ×10mm、ずり速度1,000(1/
秒))であった。 B−2:p−ヒドロキシ安息香酸777重量部、4,4
´−ジヒドロキシビフェニル126重量部、テレフタル
酸112重量部、固有粘度が約0.6dl/gのポリエ
チレンテレフタレ−ト519重量部及び無水酢酸816
重量部を撹拌翼、留出管を備えた反応容器に仕込み、重
合を行った。芳香族オキシカルボニル単位62.5モル
%、芳香族ジオキシ単位7.5モル%、エチレンジオキ
シ単位30モル%、芳香族ジカルボン酸単位37.5モ
ル%からなる液晶開始温度205℃の液晶性樹脂が得ら
れた。各温度の溶融粘度は、247℃で35Pa・s、
287℃で20Pa・s、308℃で2Pa・s(オリ
フィス0.5φ×10mm、ずり速度1,000(1/
秒))であった。 B−3:p−ヒドロキシ安息香酸907重量部、2,6
−ヒドロキシナフトエ酸457重量部及び無水酢酸87
2重量部を撹拌翼、留出管を備えた反応容器に仕込み、
重合を行った。芳香族オキシカルボニル単位100モル
%からなる液晶開始温度260℃のペレットを得た。各
温度の溶融粘度は、247℃で測定不能、287℃で1
20Pa・s、308℃で35Pa・s(オリフィス
0.5φ×10mm、ずり速度1,000(1/秒))で
あった。
【0053】なお、液晶開始温度(TN)は微量融点測
定装置(ヤナコ製)を用いて測定した。 実施例1〜9、比較例1〜12 参考例で得たポリアミド樹脂(A-1〜A-4)、液晶性樹脂(B
-1〜B-3)と酸無水物および平均繊維長6mm炭素繊維を
表1に示すようにそれぞれ所定量秤量し、ドライブレン
ドした。30mmφの単軸押出機でシリンダー温度は表1
のように設定し、スクリュー回転を30〜100r.p.m
の条件で溶融混練してペレットとした。熱風乾燥後、こ
のペレットを住友ネスタ−ル射出成形機プロマット40
/25(住友重機械工業(株)製)に供し、シリンダ−
温度、金型温度を表1のように設定し、以下に示す測定
用テストピースを射出成形して得た。測定方法を以下に
示す。 (1)流動性 上記の成形機を用いてシリンダー内で20分滞留した
後、射出速度99%、射出圧力500kgf/cm2
条件で0.5mm厚×12.7mm巾の試験片の流動長
(棒流動長)を測定した。 (2)耐衝撃性 JIS K6911に従い、ノッチなし(厚み1/8イン
チ)シャルピー衝撃試験を行った。 (3)表面外観 70x70x2mmtの角板を射出成形し、得られた成
形品表面に異物による膨らみ、ガス焼け、繊維の浮き出
し等があるか肉眼観察し、○:表面外観良好、×:上記
のいずれかの外観不良が発生した物で表した。 (4)クッション量ばらつき 射出5秒、冷却10秒、中間4秒の成形サイクルで1
2.7×127×3.2mmの曲げ試験片を20サイク
ル成形し、その時の保圧時のクッション(成形機シリン
ダー内において成形品を成形したときにスクリュウ先端
から成形機ノズル間のシリンダー中に残っている樹脂量
(g)をノズルからスクリュウまでの位置で示したも
の)量のばらつき(今回は基準を5mmに設定)の標準
偏差を測定した(クッション量とは、成形時に成形品の
ひけなどの不良を無くすために金型フル充填量+αの樹
脂を計量し、成形機シリンダーの先端に樹脂の余剰分を
残す。この余剰樹脂量αのことをさす)。 (5)糸引き性 上記(4)の評価において成形時のノズルからの糸引き
性について観察した。
【0054】○:なし、×:ありとして評価した。
【0055】
【表1】 表1の結果から本発明のポリアミド樹脂組成物は、大型
成形機を用いてシリンダー内に滞留させた場合でも良流
動性を確保し、また成形時特性(クッションばらつきお
よび糸引き性)に優れ、さらに得られた成形品の耐衝撃
性などの機械特性、表面外観の優れた成形品を得ること
ができる。
【0056】
【発明の効果】本発明のポリアミド樹脂組成物は、成形
機のシリンダー内で滞留させても良流動性で、新たに耐
衝撃性、表面外観に優れ、さらに成形時のクッション量
ばらつき、糸引きなどの成形時の不良を低減させたポリ
アミド樹脂組成物および成形品を得ることができ、成形
品では電気・電子関連機器、精密機械関連機器、事務用
機器、自動車・車両関連部品など、特に流動性を生か
し、ハウジング等の薄肉部を有する成形品、その他各種
用途に好適である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリアミド樹脂100重量部に対し、液晶
    性樹脂0.01〜100重量部および酸無水物0.01
    〜5重量部を配合してなるポリアミド樹脂組成物。
  2. 【請求項2】液晶性樹脂の液晶開始温度がポリアミド樹
    脂の融点以下であることを特徴とする請求項1記載のポ
    リアミド樹脂組成物。
  3. 【請求項3】ポリアミド樹脂、液晶性樹脂および酸無水
    物の合計100重量部に対し、充填材を0.5〜300
    重量部をさらに添加してなる請求項1または2いずれか
    記載のポリアミド樹脂組成物。
  4. 【請求項4】液晶性樹脂の溶融粘度がポリアミド樹脂の
    融点+25℃、剪断速度1000sec-1の条件で50
    Pa・s以下であることを特徴とする請求項1〜3いず
    れか記載のポリアミド樹脂組成物。
  5. 【請求項5】酸無水物が無水コハク酸、無水1,8−ナ
    フタル酸、無水フタル酸、無水マレイン酸から選ばれた
    1種以上である請求項1〜4いずれか記載のポリアミド
    樹脂組成物。
  6. 【請求項6】請求項1〜5いずれか記載のポリアミド樹
    脂組成物で構成してなる成形品であって、成形品が厚み
    1.0mm以下の薄肉部を成形品全面積に対して10%
    以上有する箱形成形品。
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