JP2000033429A - 金属板に凹部を形成する方法 - Google Patents
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Abstract
に移行することにより、他方面の美観を良好にする。 【構成】 所定の板厚を有する金属板1の一方面1a側
からプレス等により金属板1の板厚より浅い寸法とした
所定形状の凹所2aを押圧形成し、金属板1の他方面1
b側に凹所2aの金属を移行させることにより凸部3を
突出形成した後、この凸部を切削加工により切削し、さ
らに上記凹所に対応した他方面側からプレス等により押
圧して凹所2aの底板1cを一方面1a側に移行させる
ることにより金属板1の他方面側に凹部2を形成する。
Description
の凹部を形成する形成方法に関するものであり、詳しく
は凸部の切削により生じた切削痕を金属板の他方面側か
ら除去するようにした金属板に凹部を形成する方法に関
する。
する方法としては、プレスによる押圧パンチを用いた押
圧加工、或いは化学的なエッチング加工法によって、底
部に肉薄の板厚を残すようにして、金属板に所定形状の
凹部を形成する方法が知られている。
凹部の体積分の金属が底部及び周囲に押し込まれること
により、周囲の金属部分がカーリングするため、平面度
は矯正不能な状態に著しく阻害される問題がある。ま
た、化学的なエッチング加工方法は、エッチング時間が
長いため、大量生産には不向きであり、必然的にコスト
アップになること、さらには、エッチング加工制御の限
度から寸法精度悪くなり実用化には限界が生ずる問題が
ある。
号において、上記従来技術が有する問題点を一掃するた
めの解決方法を提案した。図6は、新規に提案した解決
方法を示す工程を示し、以下にその概要を説明する。
示している。図6(B)は第1の押圧工程を示し、プレ
ス機のダイ104に対して位置決め固定した金属板10
0に対して一方面100a側からパンチ105によって
凹部102を形成し、この押圧によって金属板100の
他方面100b側に凹部102の金属を移行させて他方
面100b側に凸部103を突出形成する。
示し、上記第1の押圧工程によって金属板100の他方
面100b側に形成された凸部103を、カッター10
6によって他方面100bと同一面となるように基端か
ら切削する。尚、この切削による底部100cが凹部1
02方向に変位することを阻止するために、底部100
cを押圧工具107により押圧する。
面100a側には、図7に示す凹部102が形成され、
凹部102の底面には、比較的肉薄な所定の板厚の底部
100cが形成される。以上の形成方法によれば、第1
の押圧工程から第1の切削工程、その後第2の押圧工程
から第2の切削工程と両工程を複数回繰り返し、順次凹
部2の深さを深めると共に、各切削工程において凸部3
を肉薄の状態で徐々に切削するので、金属板100がカ
ーリングすることなく、しかも、底部100cが破損す
ることなく薄い板厚に形成できる等の特徴がある。
法は、カッター106により金属板100の他方面10
0b側に形成された凸部103を切削することから、図
7に示すように、金属板100の他方面100b側には
切削痕HLが形成される。この種の凹部を形成した金属
板は、通常の使用状態において、他方面100b側が露
出するため、切削痕HLを除去しなければならない。
知の方法としては、金属板100の他方面100b側を
フィニッシング加工により平面研磨したり、バフ等を用
いて仕上げ加工を施す方法がある。また、逆に金属板1
00の他方面100b側全面にサンドブラスト等による
梨地加工を施し、切削痕HLを目立たなくする方法もあ
る。
も、切削痕を除去するために金属板自体を削ることから
削り代を取らなくてはならず、このため、板厚寸法の管
理が困難になる。また、上記各方法は削り粉等の粉体が
発生し、場合によっては付着することから、これらを除
去するための洗浄工程が更に付加され、必然的にコスト
アップになる問題がある。
凹部を形成するときに、押圧加工によって金属板に反り
が生ずる。このため、平面度を要求される場合には、後
工程で平押し加工等、反りを矯正する加工を施している
が、要求される平面度まで矯正することは困難であり、
コストが増加する上に、高精度の製品が得られない問題
があった。
解決するためになされたもので、金属板の他方面に形成
された切削痕を凹部内に移行することにより、他方面の
美観を良好にすることができる金属板に凹部を形成する
方法を提供することを目的とする。
めに、請求項1記載の発明は、所定の板厚を有する金属
板の一方面側からプレス等により上記金属板の板厚より
浅い寸法とした所定形状の凹所を押圧形成し、金属板の
他方面側に上記凹所の金属を移行させることにより凸部
を突出形成した後、この凸部を切削加工により切削し、
さらに上記凹所に対応した他方面側からプレス等により
押圧して上記凹所の底板を上記一方面側に移行させるる
ことにより上記金属板の他方面側に凹部を形成すること
を特徴としている。
成する方法は、金属板の一方面側から第1の押圧工具に
より上記板厚の寸法より浅い所定形状の凹所を押圧形成
すると共に、他方面側に上記凹所の開口よりもやや小さ
い相似形の凸部を形成し、この凸部を切削加工により切
削した後、上記凹所に対応した他方面側から上記凹所よ
りもやや大きい相似形の第2の押圧工具により上記凹所
の底板を上記一方面側に移行させることを特徴としてい
る。
成する方法は、金属板の一方面側に第1の押圧具により
形成する凹所の内壁を底板側よりも開口側が大きい略テ
−パ状に形成し、凹所の底板を上記一方面側に移行させ
る第2の押圧工具を上記凹所の開口側よりもやや小さい
相似形に形成したことを特徴としている。
形成する方法は、金属板の一方面側に第1の押圧具によ
り形成する凹所を略矩形状に形成し、凹所の底板を上記
一方面側に移行させる第2の押圧工具を上記凹所よりも
やや大きい相似形に形成したことを特徴としている。
部を形成する方法は、金属板の一方面側から凹所を押圧
形成する工程と、他方面側の凸部を切削加工により切削
する工程とを複数回繰り返し、徐々に所定形状の凹所を
形成することを特徴としている。
示す実施の形態に基づいて詳細に説明する。図1は、本
発明にかかる金属板に凹部を形成する方法によって形成
された最終製品を示している。この図1に示す最終製品
の例としては、例えば、凹部内に集積回路のチップを収
納すると共に、上記集積回路から発生する熱を放熱する
ためのパッケージである。このパッケージの素材として
は、熱伝導率が比較的良好であり、しかも、塑性加工が
可能なアルミニウム、銅等からなり、図示のように、金
属板1の他方面1b側中央部には、略四角形の凹部2が
形成され、一方面1a側の凹部2に対応する位置には、
所定の板厚とした底板1cが形成されている。そして、
上記凹部2内の底板1c内面には、後述する切削痕HL
を有している。
により説明するが、図2(A)乃至(G)は、前述の図
6によって説明した形成方法と類似しているため、本発
明として特徴ある方法について詳細に説明し、図6と同
じ方法については概要を説明する。
は、銅やアルミニウム等の熱伝導率が比較的良好な金属
板1を選択する。図2(B)は第1の押圧工程を示して
いる。金属板1は、図示しないプレス機のダイ4に位置
決めされて載置し、この金属板1の一方面1a側から上
記プレス機に装着されたパンチ5からなる第1の押圧具
によって浅い凹所2aを形成する。この第1の押圧工程
に使用されるパンチ5の先端は角錐台状に形成され、従
って、凹所2aの内壁も底板側よりも開口側が大きい略
テ−パ状に形成される。
り、金属板1の他方面1b側には、凹所2aの金属が移
行することにより、凹所2aの深さとほぼ等しい高さh
の凸部3aを突出形成する。この凸部3aの外形寸法
は、凹所2aの開口側寸法よりもやや小さい相似形とし
ている。このような寸法関係は、凸部3aが金属板1か
ら切断することなく、常に連結状態を保持するためであ
る。また、凸部3aの突出高さhは、後述する切削工程
において、最小のストレスにて切削可能な高さに設定す
ることが望ましい。
示し、上記第1の押圧工程によって金属板1の他方面1
b側に形成された凸部3aを、カッター6によって他方
面1bと同一面となるように基端から切削する。切削工
程で使用するカッター6は、先端中心を突出させた矢型
状の歯部6aを有し、図2(C)に示す矢示の方向に移
動させ、図2(D)に示す位置まで進めて凸部3aを切
削する。この切削工程において、カッター6により底板
1cが凹所2a方向に変位することを阻止するために、
凹所2a内に押え具7を挿入して押圧しておくことが望
ましい。
し、先の第1の押圧工程によって形成された凹所2aを
更に深くするために、パンチ8の押圧により第2の押圧
加工を施し、完成状態にほぼ等しい深さの凹所2bを形
成する。このとき使用するパンチ8の先端が角錐台状に
形成しているので、凹所2b内の内壁も底板側よりも開
口側が大きい略テ−パ状に形成される。この結果、金属
板1の他方面1b側には第1の押圧工程と同様に凸部3
が突出形成される。この凸部3の外形寸法も、やはり凹
所2bの開口側寸法よりもやや小さい相似形としてい
る。
ち、第1の切削工程と同様に、カッター6を図2(F)
に示す矢示の方向に移動させ、図2(G)に示す位置ま
で進めると、金属板1の他方面1b側に形成された凸部
3が他方面1bと同一面となるように平坦に切削され
る。
側には凹所2bを形成し、さらに、凹所2の底面には、
比較的肉薄な所定の板厚の底板1cを形成する。しかし
ながら、金属板1の他方面1bには、図7で示したたよ
うに、凸部3をカッター6によって切削する際に生じた
略ヘアライン状の切削痕HLが形成されている。
面1bに存在していた切削痕HLを除去するための工程
を示している。即ち、凹所2bの内壁2dは、図2
(H)において拡大した円内に示すように、底板1c側
よりも開口側を大きくした略テ−パ状に形成されてい
る。一方、凹所2bの底板1cを金属板1の一方面1a
側に移行させるための押圧パンチ9(第2の押圧具)
は、先端面を平坦とした凹所2bと相似形の柱状に形成
され、さらに、先端面は凹所2bのテ−パ状に形成した
内壁の中央点10にほぼ一致させるか、或いは、凹所2
bの開口側とほぼ同じ大きさに設定している。
面1b側から、図2(H)に示す矢示の方向に押圧を開
始し、凹所2b内の底板1cの面が金属板1の一方面1
aと同一平面になった時点で終了させる。このように逆
方向から押圧した結果、逆に金属板1の他方面1b側
に、最終製品としての凹部2が形成される。そして、当
初は金属板1の他方面1b形成されていた切削痕HL
が、図1に示すように、凹部2の内側に移転する。この
ため、当初は凹所2bの内面が金属板1の一方面1aに
移転するので、実質的に切削痕HLが除去されたことに
なる。
から除去する工程において、図5に示すように押圧パン
チ9は凹所2bよりもやや大きい相似形に設定されてい
る。即ち、押圧パンチ9の幅L9 を凹所2bの幅L2 よ
りも大きく設定することにより、押圧パンチ9の外周部
分が凹所2bの外周部分の肉を一緒に押圧する。この結
果、凹所2bの底部1cが剪断することなく、金属板1
の一方面1aに移転させることができる。
て、凹所2bの内面はパンチ8等によって押圧された平
面であり、金属板1の一方面1aに移行した状態では、
金属板1とほぼ同じ面粗度となる。従って、金属板1の
他方面1bには切削痕HLが存在しないため、平面研磨
等の2次的な加工が不要になると共に美観が向上する。
さらに、以上の押圧工程の押圧方向に対して逆方向から
押圧パンチ8によって凹部2を形成するので、反りが戻
されて平面度、精度共に良好になる。また、凹所2a又
は2bを形成するときは、ラフな精度で加工しても、最
終的に精度を確保するのは最終工程の押圧パンチで良い
ため、生産性を一段と向上させることができる。
のは、1枚の金属板1に対して1個の凹部2を形成する
ようにしたが、広い面積の1枚の金属板に対し、2個か
ら5個程度の複数個の凹部を同時に形成するようにして
も良い。また、凹部2を形成するにあたり、第1及び第
2の押圧工程に使用されるパンチ5及び8の先端形状
は、先端面の各角部に丸み設けた形状であっても良い。
の他方面1b側に形成された凸部3を切削する他の方法
を示し、図3(A)は、フライス盤の回転刃11を図示
左方法に移動することによって凸部3を切削する例を示
している。図3(B)は、1回の押圧工程によって所定
の深さの凹所2aを形成した後、大きく突出した凸部3
を複数回に分けてカッター6により切削するようにした
例を示している。この形成方法によれば、1回の押圧工
程により凹所2aを押圧形成するので、工程が簡略化す
ることに加え、1回の切削代を、金属板1に対する残留
応力やストレスを与えない程度に設定するため、図2の
例と同様の特徴がそのまま活かされている。図3(C)
は、グライダー12に図示左方向に移動することによっ
て凸部3を切削する方法を示している。以上の例の他に
も、任意の切削方法によって凸部3を切削するようにし
ても良いことは勿論である。
圧工程において、先端形状が矩形状に形成したパンチ1
3を使用したものである。即ち、金属板1の一方面1a
側からパンチ13によって押圧すると、凹所2aの内壁
2dは、ダレによって開口側が大きくなり、実質的に底
部1c側よりも開口側を大きくした略テ−パ状に形成さ
れる。一方、この押圧工程によって金属板1の他方面1
b側に突出形成される凸部3は、パンチ13の先端形状
よりも大きく形成している。このような凹部形成方法に
よれば、プレス加工におけるダレを積極的に利用するの
で、テ−パ状の凹部が容易に形成できる特徴がある。
パンチ13によって押圧したとき、凹所2aの周囲が図
示上方に反り、平面度が悪化する恐れがある。このた
め、かかる押圧工程においては、凹所2aの周囲を図示
しない押圧具によって押圧し、反りの発生を予防するこ
とが肝要である。
板厚が薄い場合、もしくは、比較的浅い凹部の場合に
は、各工程を1回としてもよい。また、凹部を略すり鉢
状に形成する等、凹部の形状は任意に設定してもよく、
本発明は前述した各実施形態に限定されることなく、本
発明を逸脱しない範囲で変形可能である。
に凹部を形成する方法によれば、金属板の一方面側に所
定形状の凹所を形成すると共に、金属板の他方面側に凸
部を突出形成し、この凸部を切削加工により切削した
後、凹所に対応した他方面側から押圧して凹所の底板を
金属板の一方面側に移行させるので、金属板の他方面側
に存在した切削痕を凹部の内面に移転することができ
る。この結果、美観が必要な他方面側は、切削痕が存在
しない美観が良好金属面にすることができる。このた
め、従来必要とされた切削痕の除去を目的とした仕上げ
加工が不要となり、製造コストを低減することができ
る。また、、切削痕の実質的な除去はプレス等による塑
性加工によって行われるため、削り粉等の異物粉体が発
生しない、従って、異物粉体を洗浄するための洗浄工程
が不要となり、さらにコストを低減することができる。
さらにまた、金属板の一方面に凹部をする際に生じた反
りが、他方面から逆方向に加圧することにより戻すので
平面度、精度共に良好にすることができる。
す斜視図である。
工程説明図である。
工程を示す説明図である。
である。
す工程説明図である。
示す斜視図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 所定の板厚を有する金属板の一方面側か
ら上記板厚より浅い寸法とした所定形状の凹所をプレス
等により押圧形成すると共に、上記金属板の他方面側に
上記凹所の金属を移行させることにより凸部を突出形成
し、この凸部を切削加工により切削し、さらに上記凹所
に対応した他方面側からプレス等により押圧して上記凹
所の底板を上記一方面側に移行させることにより上記金
属板の他方面側に凹部を形成することを特徴とする金属
板に凹部を形成する方法。 - 【請求項2】 金属板の一方面側から第1の押圧工具に
より上記板厚の寸法より浅い所定形状の凹所を押圧形成
すると共に、他方面側に上記凹所の開口よりもやや小さ
い相似形の凸部を形成し、この凸部を切削加工により切
削した後、上記凹所に対応した他方面側から上記凹所よ
りもやや大きい相似形の第2の押圧工具により上記凹所
の底板を上記一方面側に移行させることを特徴とする請
求項1に記載の金属板に凹部を形成する方法。 - 【請求項3】 金属板の一方面側に第1の押圧工具によ
り形成する凹所の内壁を底板側よりも開口側が大きい略
テ−パ状に形成し、凹所の底板を上記一方面側に移行さ
せる第2の押圧工具を上記凹所の開口側よりもやや小さ
い相似形に形成したことを特徴とする請求項1に記載の
金属板に凹部を形成する方法。 - 【請求項4】 金属板の一方面側に第1の押圧工具によ
り形成する凹所を略矩形状に形成し、凹所の底板を上記
一方面側に移行させる第2の押圧工具を上記凹所よりも
やや大きい相似形に形成したことを特徴とする請求項1
に記載の金属板に凹部を形成する方法。 - 【請求項5】 金属板の一方面側から凹所を押圧形成す
る工程と、他方面側の凸部を切削加工により切削する工
程を複数回繰り返す、或いは、凸部を切削加工により切
削する工程を複数回繰り返して徐々に所定形状の凹部を
形成することを特徴とする請求項1に記載の金属板に凹
部を形成する方法。
Priority Applications (1)
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JP21642098A JP4217303B2 (ja) | 1998-07-15 | 1998-07-15 | 金属板に凹部を形成する方法 |
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