JP2002326117A - 金属板へのキャビティ形成方法 - Google Patents

金属板へのキャビティ形成方法

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JP2002326117A
JP2002326117A JP2001128475A JP2001128475A JP2002326117A JP 2002326117 A JP2002326117 A JP 2002326117A JP 2001128475 A JP2001128475 A JP 2001128475A JP 2001128475 A JP2001128475 A JP 2001128475A JP 2002326117 A JP2002326117 A JP 2002326117A
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cutting
metal plate
convex portion
cavity
concave portion
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JP2001128475A
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Hideyuki Miyahara
英行 宮原
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Nakamura Seisakusho KK
Original Assignee
Nakamura Seisakusho KK
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    • B21MECHANICAL METAL-WORKING WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
    • B21KMAKING FORGED OR PRESSED METAL PRODUCTS, e.g. HORSE-SHOES, RIVETS, BOLTS OR WHEELS
    • B21K23/00Making other articles
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23PMETAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; COMBINED OPERATIONS; UNIVERSAL MACHINE TOOLS
    • B23P15/00Making specific metal objects by operations not covered by a single other subclass or a group in this subclass
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L2924/00Indexing scheme for arrangements or methods for connecting or disconnecting semiconductor or solid-state bodies as covered by H01L24/00
    • H01L2924/0001Technical content checked by a classifier
    • H01L2924/0002Not covered by any one of groups H01L24/00, H01L24/00 and H01L2224/00

Abstract

(57)【要約】 【課題】 金属版にキャビティを形成する過
程において、特に凸部を切削する工程におけるストレス
や応力集中を軽減させる。 【解決手段】 金属板10の一方面10aからプ
レス等の押圧形成により凹部2を形成すると共に、この
凹部2の形成によって金属板10の他方面側10bに突
出した凸部3を切削工具により切削することにより、底
面に金属板10より肉厚の薄い底部を有するキャビティ
を形成する方法であって、切削方向が相対向する方向に
異ならせた一対の切削工具13,14によって凸部3を
両側から切削する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子部品を収納す
るパッケージ、あるいは、マイクロマシン等のシャーシ
やベース部材等のキャビティを有する金属板のキャビテ
ィ形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子部品の高密度化が急速に進み、電子
部品を収納するパッケージ、あるいは、マイクロマシン
等のシャーシやベース部材は一段と軽薄短小化が求めら
れている。電子部品を収納するパッケージは、高密度化
によって発熱量が増加することから、放熱効率が高い放
熱手段が要求されているが、電子部品を使用する機器の
軽薄短小化によって必要な放熱特性を確保することがで
きない。
【0003】半導体集積回路等の電子部品を収納するパ
ッケージは、金属板に凹部を形成することによりキャビ
ティを形成し、このキャビティ内に上記電子部品を収納
することにより、発熱をパッケージ自体に放熱させるよ
うにしている。
【0004】図11及び図12は、金属板からなるパッ
ケージの適用例として半導体集積回路用パッケージを示
している。パッケージ1は熱伝導率が良好な銅合金、或
いはステンレス鋼、またはアルミニウム等からなる金属
板から選択される。
【0005】パッケージ1の一方面1a側には、略正方
形のキャビティ2が形成され、このキャビティ2の底面
には所定の板厚を有する底板1cが形成され、全体とし
てキャビティ型に形成されている。また、パッケージ1
の一方面1aには、配線基板PBを接着固定されてい
る。さらに、キャビティ2には、半導体集積回路ICの
チップを収納すると共に、底板1cに面接合状態で接着
等により固定している。キャビティ2の底板1cは、半
導体集積回路ICとのほぼ密着状態で接合するため、3
0nm以下の反りと平面度に形成することが条件とされ
ている。
【0006】このようにキャビティ2に収納した半導体
集積回路ICには、多数の端子が設けられ、配線基板P
Bの端子部とボンディングワイヤ3によって電気的に接
続される。さらに、キャビティ2に封止剤4を注入し、
半導体集積回路ICと上記ボンディングワイヤ3を封止
している。そして、半導体集積回路ICが動作中に発熱
した場合は、パッケージ1自体がヒートスプレッダとし
ての機能を有しているため、熱がパッケージ1に伝達し
て放熱される。
【0007】以上の構成からなるキャビティタイプのパ
ッケージを形成する方法としては、プレスにより押圧パ
ンチを用いて凹部を押圧加工する方法、或いは化学的な
エッチング加工法によって、底部に肉薄の板厚を残すよ
うにして、金属板に所定形状の凹部を形成する方法があ
る。
【0008】しかしながら、プレスによる押圧加工は、
凹部の体積分の金属が底部及び周囲に押し込まれること
から、周囲の金属部分がカーリングしてしまい、平面度
が矯正不能な状態になる。このため、高精度な平面度を
要求されるパッケージとしては致命的な問題になる。ま
た、化学的なエッチング加工方法は、エッチングに長時
間を要することから大量生産には不向きであり必然的に
コストアップになること、更には、エッチング加工の制
御の限度から寸法精度が悪くなり、実用化には限界が生
ずる問題がある。
【0009】そこで、出願人は特願平9−282769
号において、上記従来の形成方法が有する問題点を一掃
し、この種のパッケージに好適な形成方法を提案した。
図13は先に提案した方法による工程を示し、以下にそ
の概要を説明する。
【0010】図13(A)は、素材となる金属板100
を示している。図13(B)は押圧工程を示し、プレス
機のダイ104に対して位置決め固定した金属板100
に対し、一方面100a側からパンチ105によってキ
ャビティとしての凹部102を形成することにより、金
属板100の他方面100b側に凸部103を突出形成
する。
【0011】図13(C)及び(D)は切削工程を示
し、この押圧工程によって金属板100の他方面100
b側に形成された凸部103を、カッター106によっ
て他方面100bと同一面となるように基端から切削す
る。尚、この切削により底部100cが凹部102の方
向に変位することを阻止するために、底部100cを押
圧工具107により押圧する。
【0012】以上の各工程により、金属板100の一方
面100a側には凹部102が形成され、この凹部10
2の底面には、所定の板厚を有する比較的肉薄な底板1
00cが形成される。以上の形成方法によれば、押圧工
程と切削工程によって所望の深さのキャビティとしての
凹部102が形成されると共に、切削工程において凸部
を肉薄の状態で切削するので、底板100cの破損を大
幅に減少させることができる等の特徴がある。
【0013】一方、図9(D)に示すマイクロマシン等
のシャーシやベース部材においても、板厚が0.2mm
乃至5mmとした金属板からなるベース部材50の一方
面側には、支柱54や台座部55等の高さを異ならせた
各種の部位が一体に形成された異形状のキャビティとし
ての凹部52が形成されている。この凹部52の底部に
は厚さが上記板厚よりも小さい肉薄に形成した底板53
を有し、全体としてキャビティ構造に形成している。凹
部52に一体形成された支柱54や台座部55には、図
示しない機構部品等が配設される
【0014】このシャーシやベース部材50を形成する
ときにも、まず押圧工程により、素材となる金属板に対
し、上記支柱54や台座部55等の部位を形成するため
に先端面を異形状としたパンチ57を一方面側から押圧
し、凹部を形成すると共に、金属板の他方面側に凸部を
突出形成する。その後、切削工程により、金属板の他方
面側に形成された凸部を、カッター等によって他方面と
同一面となるように基端から切削する。この結果、キャ
ビティとしての凹部52の底部には肉薄な底板53が形
成されるので、全体としてキャビティ構造に形成され
る。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】図13に示した方法
は、金属板100の一方面100a側に形成する凹部1
02の肉を金属板100の他方面100b側に移行させ
て凸部103を突出形成することから、この押圧工程に
おいては金属板100に対して大きなストレスを与える
ことが少ない。しかし、切削工程において、カッター1
06により凸部103を切削するとき、カッター106
の移動に伴い、周囲の肉が引っ張られ、金属板100、
特に肉薄に形成される底部100cにストレスを与えて
しまう。
【0016】また、切削工程において、凸部103の図
示左方に位置する切削終端には、カッター106の押圧
力によって応力が集中する。このように、凸部103の
切削によって与えられたストレスや応力は、時間の経過
に伴い寸法が変化する他、反りが発生する問題が生ず
る。このため、前述したように、反りと平面度に対する
高い精度を要求されるパッケージ、あるいは図9(D)
に示すシャーシやベース部材50にあっては、経時変化
は致命的な欠陥となる。
【0017】本発明は以上のような従来方法の問題点を
解決するためになされたもので、金属版にキャビティを
形成する過程において、特に凸部を切削する工程におけ
るストレスや応力集中を軽減させることができる金属板
へのキャビティ形成方法を提供することを目的とする。
【0018】
【問題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに、請求項1に記載の発明は、金属板の一方面からプ
レス等の押圧形成により凹部を形成すると共に、この凹
部の形成によって上記金属板の他方面側に突出した凸部
を切削工具により切削することにより、底面に上記金属
板より肉厚の薄い底部を有するキャビティを形成する方
法であって、切削方向が相対向する方向に異ならせた一
対の切削工具によって上記凸部を両側から切削すること
を特徴としている。
【0019】また、請求項2に記載の発明は、金属板の
他方面側に突出形成した凸部を切削する一対の切削工具
は、上記凸部の切削量がほぼ同じになる刃先幅としたこ
とを特徴としている。
【0020】また、請求項3に記載の発明は、金属板の
一方面側から凹部を押圧する押圧工程と、他方面側の凸
部を切削する切削工程とを複数回繰り返し、上記各工程
を経る毎に徐々に所定の深さの凹部と凸部を形成し、上
記切削工程は凸部を突出形成する各回の押圧工程の後
に、切削方向が相対向する方向に異ならせた一対の切削
工具によって上記凸部を切削することを特徴としてい
る。
【0021】さらに、請求項4に記載の発明は、金属板
の一方面側に所定の深さの凹部を押圧形成することによ
り他方面側に凸部を突出形成した後、切削方向が相対向
する方向に異ならせた一対の切削工具によって上記凸部
を複数回に分割して切削することを特徴としている。
【0022】さらにまた、請求項5に記載の発明は、金
属板の一方面側に押圧形成する凹部は、深さが異なる異
形状に形成すると共に、この凹部の形成によって上記金
属板の他方面側に高さの異なる異形状の凸部を突出形成
した後、切削方向が相対向する方向に異ならせた一対の
切削工具によって上記凸部を切削することを特徴として
いる。
【0023】また、請求項6に記載の発明は、金属板の
他方面側に突出形成した凸部を切削方向が相対向する方
向に異ならせた一対の切削工具によって上記凸部を複数
回切削するとき、切削する毎に上記一対の切削工具の方
向を反転させて切削することを特徴としている。
【0024】さらに、請求項7に記載の発明は、金属板
の一方面側から板厚の寸法より浅い所定形状の凹部を押
圧形成すると共に、他方面側に上記凹部よりもやや小さ
い相似形の凸部を形成したことを特徴としている。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明による金属板へのキ
ャビティ形成方法を図1に示す実施の形態に基づいて詳
細に説明する。図1は、前述した図10及び図11に示
したパッケージ1の形成方法を例示し、図1(A)は素
材となる金属板10を示し、銅合金やステンレス鋼或い
はアルミニウム等の金属材から選択される。金属板10
は、所定の大きさに裁断されたもの、或いは、長尺帯状
のフープ材の何れでも良い。
【0026】図1(B)は第1の押圧工程を示してい
る。金属板10は、図示しないプレス機のダイ11に対
して位置決めした状態で載置した後、この金属板10の
一方面10a側から上記プレス機に装着されたパンチ1
2により、浅い凹部2aを形成する。このパンチ12の
先端は、所定寸法の略正方形に形成されている。
【0027】このように、浅い凹部2aを形成すること
により、金属板10の他方面10b側には凹部2aの金
属が移行し、凹部2aの深さとほぼ等しい低い高さhの
凸部3が突出形成される。この凸部3の外形寸法W1
は、凹部2aの開口側寸法W2よりもやや小さい相似形
としている。このように凸部3を小さな寸法に形成する
ことにより、上記ダイ11の開口周縁とパンチ12の先
端面周縁とによって挟まれた部分は、強圧により硬度が
増して加工硬化を生ずると共に連結部が形成される。こ
のため、凸部3が金属板10から切断することなく、常
に連結状態を保持される。さらに、浅い凹部2aを形成
して凸部3の高さhを低くすれば、後述する切削工程に
おいてストレスを小さくすることができる。
【0028】図1(C)及び(D)は第1の切削工程を
示し、上記第1の押圧工程によって金属板10の他方面
10b側に形成した高さの低い凸部3を、この凸部3の
両側から切削方向が相対向する方向に異ならせた左右一
対のカッター13、14からなる切削工具によって、他
方面10bと同一面となるように基端から切削する。こ
の切削工程で使用するカッター13、14は、各々の有
効切削幅の和をほぼ同じに設定することにより、凸部3
の切削量がほぼ同じになるようにしている。
【0029】即ち、一方のカッター13は、図2(A)
に示すように、刃先側を二叉状に分割し、各々の先端に
刃部13a、13bが形成されている。他方のカッター
14には1本の刃部14aが突出形成されている。そし
て、一方のカッター13の刃部13a、13bは、各々
の刃先幅W13a、W13bが凸部3の幅W1のほぼ4分1に
設定され、両刃先幅W13a、W13bの和が凸部3の幅W1
のほぼ2分1になるよう設定している。更に、各刃部1
3a、13b間の間隔W13cは凸部3の幅W1のほぼ2
分1に設定している。尚、実用的には、刃部13a、1
3bの刃先幅を図示のように外側を凸部3よりも若干突
出させることが好ましく、この場合には、凸部3そのも
のを切削する有効切削幅の和が凸部3の幅W1のほぼ2
分1になるように設定している。
【0030】また、他方のカッター14の刃部14a
は、刃先幅W14aを凸部3の幅W1のほぼ2分1に設定
し、上記一方のカッター13の刃部13a、13bの間
に挿入可能にしている。尚、カッター13、14の各刃
先幅を設定し、凸部3を切削するときの有効切削幅の和
をほぼ等しくしているが、金属板10の材質、性質、切
削代の大きさ等を勘案し、切削時のストレスの発生状態
に応じてカッター13、14の各刃先幅のバランスを異
ならせてもよい。
【0031】このように形成された左右一対のカッター
13、14は、図示しない駆動機構によって、図1
(C)に示す矢示にように、各々凸部3の両側から相対
向する方向に移動させて凸部3の切削を始める。更にカ
ッター13、14を移動すると、一方のカッター13の
刃部13a、13bの間に他方のカッター14の刃部1
4aが挿入し、互いにすれ違いながら切削が行われる。
その後、左右一対のカッター13、14の刃部が凸部3
を通過した時点で切削が終了する。このとき、カッター
13の刃部13a、13bとカッター14の刃部14a
との間に僅かな隙間が存在することから、2条の微少な
隆起が残存する場合がある。しかし、この隆起は後段の
工程において表面仕上げ加工を施すことにより容易に除
去することができる。また、後述する第2の切削工程に
おいて、凸部3に対するカッター13とカッター14の
位置を第1の切削工程に対して直角方向に変位させて切
削しすることにより除去するようにしてもよい。
【0032】この状態において、図2(B)に示すよう
に、カッター13の刃部13a、13bの先端と、カッ
ター14の基端面14c、及び、カッター14の刃部1
4aの先端と、カッター13の刃部13a、13bの間
に形成された基端面13cとの間に隙間G1、G2を設
けるようにしている。この隙間G1、G2は、両カッタ
ー13、14が凸部3を切削したときに生ずる切削屑を
一時的に貯蔵させる機能がある。切削屑は両カッター1
3、14を後退したときに排除される。
【0033】尚、図2に例示したカッター13の刃部1
3a、13b、及び、カッター14の刃部14aの先端
を各々直線状としているが、図3に示すように、各刃部
の中心を突出させた矢型状に形成しても良い。この切削
工程において与えるストレスを少しでも小さくする場合
は、後者の矢型状の刃部を有するカッター13、14が
好ましい。その他、カッター13、14の各刃部を進行
方向に対して傾斜させるようにしても良い。また、上記
カッター13の刃部の本数と、カッター14の刃部の本
数との関係は2対1に限らず、3対2や4対3等、適宜
の関係に設定することができる。
【0034】以上の構成によるカッター13、14を図
1(C)に示す矢示の方向に進め、図1(D)に示す位
置まで到達させて凸部3を切削する。このとき、カッタ
ー13、14の押圧力によって底部10cが凹部2a方
向に変位することを阻止するために、凹部2a内を押え
具26によって押圧しておくことが望ましい。この第1
の切削工程において、凸部3を切削するとき、カッター
13の有効切削幅とカッター14の有効切削幅を各々ほ
ぼ2分の1に設定すると共に、各々凸部3の一方側から
他方側に至るまで相対向する方向に異ならせて移動させ
るので、切削による応力集中やストレスが互いに相殺さ
れる。
【0035】次に、図1(E)は第2の押圧工程を示し
ている。第1の切削工程を経た金属板10はダイ11に
位置決めして載置され、金属板10の一方面10a側か
らパンチ12により押圧形成し、上記パッケージ1とし
て必要な形状と深さを有するキャビティとしての凹部2
を形成する。この結果、金属板10の他方面10b側に
は凹部2の金属を移行させることにより、再び第2の押
圧工程によって押圧した深さとほぼ等しい低い高さhの
凸部3を突出形成する。この第2の押圧工程において
も、凸部3の外形寸法を凹部2の開口側寸法よりもやや
小さい相似形としている。
【0036】その後、図1(F)(G)に示す第2の切
削工程に移行し、金属板10の他方面10b側に突出形
成した凸部3を切削する。即ち、前記第1の切削工程と
同様に、第2の押圧工程によって金属板10の他方面1
0b側に形成した高さの低い凸部3を、この凸部3の両
側から切削方向が相対向する方向に異ならせた左右一対
のカッター13、14からなる切削工具によって、他方
面10bと同一面となるように基端から切削する。
【0037】この切削工程で使用するカッター13、1
4は、前記第1の切削工程と同じである。そして、各々
のカッター13、14を図1(G)に示すように凸部3
を過ぎた位置まで進めると、金属板10の他方面10b
側が平坦に形成され、キャビティとしての凹部2の底面
には肉薄な底板10cが形成される。
【0038】この第2の切削工程において凸部3を切削
する場合は、前記第1の切削工程ににおいて凸部3を切
削したカッター13、14の切削方向を正方向としたと
き、第2の切削工程においては始動位置を入れ替えた逆
方向に反転させて切削しても良い。このように切削方向
を反転させる方法としては、一対のカッター13、14
を180度反転させる場合と、金属板10を180度反
転させる場合があり、何れを選択してもよい。また、第
2の切削工程におけるカッターとして、上記一対のカッ
ター13、14とは別個に、同一の仕様を有する180
度反転させた一対のカッター(図示せず)を設置して切
削するようにしても良い。以上のように、切削する毎に
正逆方向に切削方向を反転させることにより、カッター
による切削時の応力が相殺されるので、応力集中やスト
レスをより一層軽減することができる。更に、カッター
13とカッター14の刃部同士の隙間によって残存する
微少な隆起も、正逆方向に切削方向を反転させることに
よって解消される。
【0039】以上のように、切削方向が相対向する方向
に異ならせた左右一対のカッター13、14からなる切
削工具によって切削することにより、切削時の応力集中
やストレスがほぼ相殺されるか、もしくは大幅に軽減さ
れる。尚、この第2の切削工程においても、カッター1
3、14により底板10cが凹部2方向へ変位すること
があるが、これを阻止するために、凹部2内を押え具2
6により押圧しておくことが望ましい。
【0040】また、第2の切削工程においても、カッタ
ー13の刃部13a、13bとカッター14の刃部14
aとの間に僅かな隙間によって2条の微少な隆起が残存
する場合がある。この隆起は、表面仕上げ加工を施す工
程を後段に加えることにより容易に除去することができ
る。また、凸部3に対するカッター13とカッター14
の位置を僅かに変位させると共に再度移動することによ
り、微少な隆起を切削し除去するようにしてもよい。
【0041】以上説明したキャビティ構造としたパッケ
ージの形成方法によれば、第1及び第2の切削工程にお
いて、各々切削方向が相対向する方向に異ならせた左右
一対のカッター13、14によって切削するので、切削
時のストレスが大幅に減少すると共に、パッケージ1と
して必要な平坦度を得ることができる。一般に、パッケ
ージ1に形成される底板10cとして必要な反りと平坦
度は30nm以下、パッケージ1全体として必要な反り
と平坦度は70nm以下とされている。前述のように、
応力集中やストレスを相殺することにより解消されるの
で、必要とする許容範囲の反りと平坦度が得られること
は勿論のこと、応力集中やストレスが小さいことから経
時変化も小さくすることができる特徴がある。
【0042】[その他の実施の形態]図4(A)(B)
は、金属板10の一方面10a側に1回の押圧工程によ
り、パッケージ1として定められた深さのキャビティと
しての凹部2を押圧形成すると共に、他方面10b側に
凹部2の深さにほぼ等しい高さに凸部3aを突出させ、
この凸部3aを切削工具としてのカッターによって複数
回に分けて切削する方法を示している。即ち、図4
(A)に示すように、まず、カッター13、14によ
り、凸部3aの高さに対して例えばほぼ4分の1とした
肉薄な切削代をもって凸部3aの先端側を切削する。
【0043】このとき使用する切削工具は、前述の図1
に示したカッター13、14と同様であり、凸部3に対
して両側から切削方向が相対向する方向に異ならせた左
右一対のカッター13、14によって切削する。このカ
ッター13、14は、やはり前述の図1に示した例と同
様に、各々の有効切削幅の和をほぼ同じに設定すること
により、凸部3の切削量がほぼ同じになるようにしてい
る。そして、各々のカッター13、14が凸部3を過ぎ
た位置まで進むと初回の切削が終了する。
【0044】その後、カッター13、14によって、順
次肉薄な切削代をもって第2回、第3回の切削を繰り返
すことにより凸部3を順次切削し、最終の切削により、
図4(B)に示すように、カッター13、14により他
方面10b側と同一面となるように基端から切削して切
削工程が終了する。この結果、キャビティとしての凹部
2の底面には肉薄な底板10cが形成される。
【0045】このように、凸部3を2回、3回、4回と
複数回に分割して切削するときも、カッター13、14
によって切削する毎に凸部3に対するカッター13、1
4の始動位置を入れ替え、前記第1の切削工程における
方向を正逆方向に反転させて切削しても良い。この結
果、切削時の応力が相殺され、応力集中やストレスを軽
減することができる。
【0046】以上のように、金属板10の他方面10b
側に形成された凸部3aを複数回に分割して切削方向が
相対向する方向に異ならせた左右一対のカッター13、
14によって切削するならば、各々の切削時に生じた応
力集中やストレスがその都度相殺される。尚、この例に
おいては、凸部3の切削回数を4回としたが、凸部3a
の高さ及び1回の切削代によって切削回数を1回以上の
任意の回数に変更してもよい。尚、この例においても、
切削する際にカッター13、14により底板10cが凹
部2方向に変位することを阻止するために、凹部2内を
押え具26により押圧しておくことが望ましい。
【0047】図5は、カッターの変形例を示している。
前述した図2及び図3に示したカッター13、14は、
金属板10の切削に必要な十分な硬度を有する超鋼等の
よって、取り付け部分と刃部とを一体に形成している。
しかし、切削作業に寄与しない部分までも超鋼を使用し
ているために高価になると共に、刃部が摩耗した場合に
は全体を交換することから無駄が生ずる問題がある。
【0048】この問題を解決するために、図5に示すカ
ッター16、17は、各々の保持アームの刃先端に超鋼
等からなる切削チップを固定し、コストを大幅に低減す
るようにしている。即ち、一方のカッター16には、適
宜の硬度を有する金属材からなる一対の保持アーム1
8、19が着脱自在に固着されている。この保持アーム
18、19の先端には、各々切削チップ20、21がビ
ス22により固定されている。切削チップ20、21
は、所定の幅をもったほぼ立方体に構成されると共に、
各辺には各々刃部が形成されている。更に、中央に形成
された透孔にビス22を挿通して保持アーム18に固定
している。尚、この切削チップ20、21は一般市販品
を使用することができる。
【0049】カッター16の切削チップ20、21にお
ける各々の刃先幅は、前述した図2及び図3に示したカ
ッター13における刃先幅と同様に、凸部3の幅W1の
ほぼ4分1の幅に設定され、両刃先幅の和を凸部3の幅
W1のほぼ2分1になるよう設定している。更に、各切
削チップ20、21間の間隔は凸部3の幅W1のほぼ2
分1に設定している。但し、各切削チップ20、21
は、図示のように、外側を凸部3よりも若干突出させる
ことが好ましいが、このとき、凸部3を切削するときの
有効切削幅の和が、凸部3の幅W1のほぼ2分1になる
ように設定すればよい。
【0050】他方のカッター17には、適宜の硬度を有
する金属材からなる保持アーム23が着脱自在に固着さ
れ、その先端には切削チップ24がビス25により固定
されている。切削チップ24は、カッター16の切削チ
ップ20、21と同様の切削チップが使用され、中央に
形成した透孔にビス25を挿通して保持アーム23に固
定される。尚、この切削チップ24も一般市販品を使用
することができる。また、他方のカッター17の切削チ
ップ24における刃先幅は、凸部3の幅W1のほぼ2分
1に設定され、上記一方のカッター16の各切削チップ
20、21の間に挿入可能にしている。
【0051】上記各カッター16、17の各切削チップ
20、21、及び、24によって、前述の例のように凸
部3を切削するが、この切削には各切削チップの一辺が
使用される。数十万回乃至数百万回に及ぶ多数回切削し
た後、これら一辺が摩耗した場合には、ビス22、25
を緩めると共に各切削チップを回転させ、隣接する辺を
セットすることにより、新たな刃部によって再び良好な
切削が可能となる。このように、摩耗の都度使用する辺
を切り換えることにより、カッターとしての寿命を4倍
に延ばすことができる。また、反対面の4辺にも刃部を
設けた切削チップとすれば、カッターとしての寿命を8
倍に延ばすことができ、コストを更に低減することが可
能となる。
【0052】図6は、前述した切削工程に使用するカッ
ターに代え、切削工具としてグラインダー30、31に
より凸部3を切削する方法を示している。グラインダー
30は一対の回転砥石が同軸上に並行して配設され、一
体回転するように構成されている。前述したカッターと
同様に、一対のグラインダーにおける外周面の幅は、ほ
ぼ凸部3の幅W1のほぼ4分1に設定され、切削すると
きの有効切削幅の和を凸部3の幅W1のほぼ2分1にな
るよう設定している。更に、一対のグラインダー間の間
隔は凸部3の幅W1のほぼ2分1に設定している。
【0053】また、他方のグラインダー31は1個の回
転砥石からなり、外周面の幅をほぼ凸部3の幅W1のほ
ぼ2分1に設定して、上記グラインダー30における一
対の回転砥石の間に挿入可能にしている。そして、グラ
インダー30、31の各回転砥石を凸部3に対して両側
から切削方向が相対向する方向に異ならせて、他方面1
0b側と同一面となるように反対側に至るまで切削する
ことにより、切削工程が終了し、キャビティとしての凹
部2の底面には肉薄な底板が形成される。
【0054】グラインダー30、31によって切削する
方法は、上記カッターと比較して与えるストレスは小さ
いものの、やはり切削時には応力集中やストレスが生ず
る。このように、グラインダー30、31を凸部3に対
して両側から切削方向が相対向する方向に異ならせて切
削することにより、切削時に生ずる応力集中やストレス
が相殺され、ほぼ解消もしくは大幅に軽減することがで
きる。
【0055】このような回転切削による方法としては、
上記グラインダーの他に、切削工具として、フライス盤
的な回転刃、或いは、サンドペーパーを用いてもよく、
凸部3の面積や切削代によって適宜に選択可能である。
尚、これら回転切削による凸部3の切削は、1回若しく
は複数回による分割切削の何れでもよい。
【0056】図7は、図示しない順送加工機によって形
成する方法を示している。素材となる金属板はフープ状
金属板材40が使用される。そして、隣接する個々のパ
ッケージ中間品41乃至43間を含む周囲に溝孔44、
及び、パイロット孔45が穿孔される。上記溝孔44を
形成することにより、パッケージ中間品41乃至43は
フープ状金属板40と連結片46を介して連結してい
る。
【0057】その後、パッケージ中間品41に対し、図
1(B)における第1の押圧工程によってフープ状金属
板40の一方面40aに浅い凹部2aを押圧形成する。
このパッケージ中間品41は、図1(C)に示した第1
の切削工程に移行し、切削方向が相対向する方向に異な
らせた一対のカッター13,14によって、フープ状金
属板40の他方面に形成された凸部(図示せず)を切削
し、パッケージ中間品42を形成する。
【0058】パッケージ中間品42は、図1(E)に示
した第2の押圧工程によってフープ状金属板40の一方
面40aに所定の深さのキャビティとしての凹部2を押
圧し、パッケージ中間品43を形成する。このパッケー
ジ中間品43は、最終工程に移行され、切削方向が相対
向する方向に異ならせた一対のカッター13、14によ
って他方面に形成された凸部(図示せず)を切削し、パ
ッケージを形成する。その後、パッケージ1には半導体
集積回路や配線基板等を実装した後に連結片46が切断
される。
【0059】以上の順送加工機による形成方法は、各々
のパッケージ中間品毎に第1、第2の押圧工程及び第
1、第2の切削工程からなるステージを設定している
が、4個乃至5個の中間品を1単位のユニットとし、こ
のユニット毎に第1、第2の押圧工程及び第1、第2の
切削工程からなるステージを設定することができる。ま
た、この例においては、凸部3の切削回数を2回とした
が、凸部3aの高さ及び1回の切削代によって切削回数
を1回以上の任意の回数に変更してもよい。
【0060】図7に示した順送加工機による形成方法に
おいても、前記第1の切削工程の後工程で行われる第2
の切削工程において凸部3を切削する場合に、凸部3に
対するカッター13、14の始動位置を入れ替え、前記
第1の切削工程における方向を反転させて切削しても良
い。即ち、第1の切削工程においては、二点鎖線で示す
一対のカッター13、14のように、刃先側を二叉状に
分割したカッター13と、1本の刃部を有するカッター
14を図示のように配置して切削する。更に、第2の切
削工程においては、一対のカッター13、14を180
度入れ替え、上述したように凸部3を切削する。このよ
うに、切削する毎に、正逆方向に切削方向を反転させる
ことによって、カッターによる切削時の応力が相殺され
るので、応力集中やストレスを軽減することができる。
尚、順送加工機の場合は、フープ状金属板40を正逆方
向に反転することができないので、第1の切削工程用と
した一対のカッターと、第1の切削工程用とした一対の
カッターを個々に設置し、各工程で切削することが良
い。
【0061】以上説明した各例においては、押圧工程に
おいて、凹部の底面と内壁がほぼ直角な矩形状に形成す
ると共に、金属板の他方面側に突出形成する凸部もほぼ
直角な矩形状に形成したが、図8に示すように、面取り
状に形成したり、丸みを設けても良い。
【0062】即ち、図8(A)において、プレス機に装
着されたパンチ12には、外壁面と先端面との間に面取
り部12aを形成する一方、ダイ11の開口端には、面
取り部11aが形成されている。更に、パンチ12の外
形寸法をダイ11の内孔寸法よりも大きく形成すること
により、両面取り部11a、12a同士が対向させてい
る。そして、金属板10の一方面10a側からパンチ1
2により凹部2を形成すると、凹部2底面と内壁面との
間にテーパ面が形成されると共に、金属板10の他方面
10b側に凹部2の金属が移行し、凹部2の深さとほぼ
等しい高さの凸部3が突出形成する。このとき、図示の
ように、対向した両面取り部11a、12aの間は切断
することなく、常に連結状態が保持される。金属板10
の他方面10b側に突出形成された凸部3は、前述の例
と同様に、カッター13,14によって切削される。
【0063】また、図8(B)は、パンチ12の外壁面
と先端面との間に丸み部12bを形成した例を示してい
る。この例においても、パンチ12の外形寸法をダイ1
1の内孔寸法よりも大きく形成している。そして、金属
板10の一方面10a側からパンチ12により凹部2を
形成すると、凹部2の底面と内壁面との間に凹面が形成
されると共に、金属板10の他方面10b側には凹部2
aの金属が移行し、凹部2の深さとほぼ等しい高さの凸
部3が突出形成する。この凸部3も底面の周囲には丸み
が形成される。このとき、丸み部12bとダイ11の開
口端との間は切断することなく、連結状態を保持してい
る。その後、金属板10の他方面10b側に突出形成さ
れた凸部3は、前述の例と同様に、カッター13,14
によって切削される。尚、ダイ11及びパンチ12の形
状は各種に変形可能である。
【0064】図9は、本発明にかかる金属板へのキャビ
ティ形成方法によって形成された製品の一例として、例
えばマイクロマシンに使用されるベース部材の形成方法
を示している。ベース部材50は、図9(D)に示すよ
うに、厚さ0.2mm乃至5mmのベース部材1の一方
面側には、異形状の凹部52を形成すると共に、キャビ
ティとしての凹部52の底部には厚さを0.1mm乃至
4mmの肉薄に形成した底板53が形成され、全体とし
てキャビティ構造に形成されている。更に、凹部52に
は、図示しない機構部品を配設するための支柱54や台
座部55、あるいは、部品を収納するための凹陥部(図
示せず)等、底板53からの高さを異ならせた各種の部
位が一体に形成されている。このベース部材50の素材
としては、塑性加工が可能なアルミニウム、銅、ステン
レス、真鍮等の金属板から各種の用途に応じて選択さ
れ、以下に説明する形成方法によって形成される。
【0065】図9(A)乃至(D)は、金属板へのキャ
ビティ形成方法の形成方法としてベース部材50のキャ
ビティ形成方法を示している。図9(A)は上記ベース
部材50の素材として、厚さが0.2mm乃至5mmの
金属板51を示している。図9(B)は、押圧工程を示
し、金属板51は、図示しないプレス機に設置したダイ
56に位置決めして載置し、この金属板51の一方面側
から上記プレス機の可動側に装着されたパンチ57によ
ってキャビティとしての凹部52を形成する。
【0066】上記パンチ57は、図10に示すように、
深い凹部52aを形成することによってベース部材50
に肉薄の底板53を形成するための第1の突台12a
と、台座部55を形成するための第2の突台57bと、
円柱状の支軸54を形成するための小穴57cが一体的
に形成されている。
【0067】一方、ダイ56には、図9(B)に示すよ
うに、深い凹所56bと浅い凹所56cからなる凹陥部
56a、及び、支軸54を形成するための円柱突部56
dが形成されている。そして、凹陥部56aは上記パン
チ57の外形よりもやや小さくした相似形に形成されて
いる。
【0068】以上の構成からなるダイ56に載置した金
属板51の一方面側から上記パンチ57を下降させる
と、金属板51の一方面側には凹部52が形成されると
共に、この凹部52の金属肉がダイ56の凹陥部56a
に移行し、金属板51の他方面側に凹部52の深さとほ
ぼ等しい高さの凸部58が突出形成される。更に、キャ
ビティとしての凹部52には支柱4や台座部55が一体
に形成される。
【0069】前述のように、ダイ56の凹陥部56a
は、パンチ57の外形よりもやや小さく形成されてい
る。従って、パンチ57が最下点に達したとき、パンチ
57の周囲の部分がダイ56の上端面と対向する。この
対向間隔は、上記ベース部材50の底板53の板厚と同
じか、この寸法よりもやや厚い寸法に設定している。こ
の結果、凹部52と凸部58は上記ベース部材50の底
板53にほぼ等しい板厚の連結部59によって連結され
る。
【0070】図9(C)は切削工程を示し、上記押圧工
程によって金属板51の他方面側に形成された凸部58
を、カッター13、14によって連結部59の底面と同
一面となるまで、凸部58の先端側から一点鎖線で示す
ように複数回に分割して徐々に切削する。切削工程で使
用する左右一対のカッター13、14は、前述した図
2、図3、または図5に示したものと同じであり、切削
方向が相対向する方向に異ならせている。更に、カッタ
ー13、14は、凸部58における各々の有効切削幅の
和をほぼ同じに設定することにより、切削量がほぼ同じ
になるようにしている。そして、そして、この凸部58
を両側からカッター13、14からなる切削工具によっ
て、他方面51bと同一面となるように基端から切削す
る。
【0071】この切削工程においてカッター13、14
によって1回に切削する切削代は、上記底板3に大きな
負荷を与えない程度に薄く設定し、このような薄い切削
代によって複数回に分割して切削する。また、この切削
工程において、カッター13、14により底板53が凹
部52a方向に変位することを阻止するために、凹部5
2内に押え具60を挿入して押圧しておくことが望まし
い。
【0072】以上の切削工程によって、連結部59を残
して同一面となるまで切削することにより、金属板51
の他方面側51bは図9(D)に示すように平坦に形成
され、ベース部材50が完成する。このとき、凹部52
の底板53の板厚t3は、0.2mm程度の薄さに形成
されている。尚、連結部59の厚さを底板53の板厚と
同じに設定した場合は、凸部53部分のみに切削痕が残
るが、金属板51の他方面側全面を同一の面状態とする
ためには、予め連結部59の板厚を底板53の板厚より
もやや厚く設定し、最終の切削時に他方面側全面を切削
して底板53を指定の板厚にすればよい。また、上記切
削工程において、上記カッター13、14の他、前述し
たグラインダーやサンドペーパー、或いは、フライス等
の他の切削手段を単独もしくは併用によって使用しても
よい。
【0073】以上説明した実施形態においては、半導体
集積回路等の電子部品等を収納するパッケージ、及び、
マイクロマシンに使用されるベース部材を例示したが、
薄型電子機器のシャーシやケース等、他の機器、装置で
あってもよく。本発明はこれら実施形態に限定されるこ
となく、本発明を逸脱しない範囲において種々変更する
ことは可能である。
【0074】
【発明の効果】以上述べたように、本発明による金属板
へのキャビティ形成方法によれば、金属板の一方面から
押圧形成により凹部を形成し、この凹部の形成によって
他方面側に突出した凸部を切削工具により切削すること
により、底面に金属板より肉厚の薄い底部を有するキャ
ビティを形成するとき、金属板の他方面側に突出形成し
た凸部を切削する一対の切削工具の切削方向を、相対向
する方向に異ならせたので、切削時に生ずる金属板への
応力集中やストレスを互いに相殺することができる。こ
の結果、ストレスや応力集中によって生ずる時間の経過
に伴う寸法変化や反りの発生等の不具合を未然に防止す
ることができる。更に、一対の切削工具の切削量をほぼ
同じにすることにより、ストレスや応力集中を最小にす
ることができる。また、切削方向が異なる一対の切削工
具によって凸部を複数回に分割して切削することによっ
ても、ストレスや応力集中を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)乃至(G)は、本発明による金属板への
キャビティ形成方法を示す工程説明図である。
【図2】(A)(B)は、凸部を切削するカッターを示
す平面図である。
【図3】カッターの変形例を示す平面図である。
【図4】(A)(B)は、凸部を分割切削する方法を示
す工程説明図である。
【図5】カッターの他の変形例を示す平面図である。
【図6】凸部をグラインダーによって切削する方法を示
す工程説明図である。
【図7】順送加工機によりキャビティを形成する方法を
示す斜視図である。
【図8】(A)(B)は、押圧工程の変形例を示す断面
図である。
【図9】(A)乃至(D)は、本発明によるベース部材
等へキャビティを形成する方法を示す工程説明図であ
る。
【図10】図9におけるパンチを示す斜視図である。
【図11】パッケージを示す分解斜視図である。
【図12】パッケージに電子部品を配設した状態を示す
断面図である。
【図13】従来の金属板へのキャビティ形成方法を示す
工程説明図である。
【符号の説明】
2 凹部(キャビティ) 3 凸部 10 金属板 10a 一方面 10b 他方面 10c 底板 12 パンチ 13、14 カッター 13a、13b 刃部 30、31 グラインダー 50 ベース部材 52 凹部(キャビティ) 53 底板 57 パンチ 58 凸部

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属板の一方面からプレス等の押圧形成
    により凹部を形成すると共に、この凹部の形成によって
    上記金属板の他方面側に突出した凸部を切削工具により
    切削することにより、底面に上記金属板より肉厚の薄い
    底部を有するキャビティを形成する方法であって、切削
    方向が相対向する方向に異ならせた一対の切削工具によ
    って上記凸部を両側から切削することを特徴とする金属
    板へのキャビティ形成方法。
  2. 【請求項2】 金属板の他方面側に突出形成した凸部を
    切削する一対の切削工具は、上記凸部の切削量がほぼ同
    じになる刃先幅とした請求項1に記載の金属板へのキャ
    ビティ形成方法。
  3. 【請求項3】 金属板の一方面側から凹部を押圧する押
    圧工程と、他方面側の凸部を切削する切削工程とを複数
    回繰り返し、上記各工程を経る毎に徐々に所定の深さの
    凹部と凸部を形成し、上記切削工程は凸部を突出形成す
    る各回の押圧工程の後に、切削方向が相対向する方向に
    異ならせた一対の切削工具によって上記凸部を切削する
    請求項1に記載の金属板へのキャビティ形成方法。
  4. 【請求項4】 金属板の一方面側に所定の深さの凹部を
    押圧形成することにより他方面側に凸部を突出形成した
    後、切削方向が相対向する方向に異ならせた一対の切削
    工具によって上記凸部を複数回に分割して切削する請求
    項1に記載の金属板へのキャビティ形成方法。
  5. 【請求項5】 金属板の一方面側に押圧形成する凹部
    は、深さが異なる異形状に形成すると共に、この凹部の
    形成によって上記金属板の他方面側に高さの異なる異形
    状の凸部を突出形成した後、切削方向が相対向する方向
    に異ならせた一対の切削工具によって上記凸部を切削す
    る請求項1に記載の金属板へのキャビティ形成方法。
  6. 【請求項6】 金属板の他方面側に突出形成した凸部を
    切削方向が相対向する方向に異ならせた一対の切削工具
    によって上記凸部を複数回切削するとき、切削する毎に
    上記一対の切削工具の方向を反転させて切削する請求項
    1乃至5に記載の金属板へのキャビティ形成方法。
  7. 【請求項7】 金属板の一方面側から板厚の寸法より浅
    い所定形状の凹部を押圧形成すると共に、他方面側に上
    記凹部よりもやや小さい相似形の凸部を形成した請求項
    1に記載の金属板へのキャビティ形成方法。
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