JP2000026656A - トレッドゴム組成物およびスタッドレスタイヤ - Google Patents

トレッドゴム組成物およびスタッドレスタイヤ

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JP2000026656A
JP2000026656A JP10200947A JP20094798A JP2000026656A JP 2000026656 A JP2000026656 A JP 2000026656A JP 10200947 A JP10200947 A JP 10200947A JP 20094798 A JP20094798 A JP 20094798A JP 2000026656 A JP2000026656 A JP 2000026656A
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rubber
tread
silicone
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weight
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JP10200947A
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Yoichi Mizuno
洋一 水野
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Sumitomo Rubber Industries Ltd
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Sumitomo Rubber Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 雪氷路面で、良好な耐摩耗性を有し、前後方
向のトラクション特性、ブレーキ特性および左右方向の
コーナーリング特性のいずれもが優れたスタッドレスタ
イヤ、および、このタイヤのトレッドが得られるトレッ
ドゴム組成物を提供すること。 【解決手段】 トレッドゴム組成物は、天然ゴム、イソ
プレンゴムおよびブタジエンゴムから選ばれた少なくと
も1種のジエン系ゴム100重量部に対し、5〜45重
量部のシリカおよび1〜20重量部のシリコーン系高分
子と、前記シリカの6〜12重量%のシランカップリン
グ剤とを配合してなる組成物である。スタッドレスタイ
ヤは、トレッドを備えたスタッドレスタイヤにおいて、
上記トレッドゴム組成物から得られていることを特徴と
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トレッドゴム組成
物およびスタッドレスタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】スパイクタイヤによる粉塵公害を防止す
るために、スパイクタイヤの禁止が法制化され、寒冷地
ではスパイクタイヤに代わってスタッドレスタイヤが使
用されている。スタッドレスタイヤは、改良の結果、ト
レッドと雪氷路面との間の摩擦力のうち、粘着摩擦力や
掘り起こし摩擦力を向上させることによって、スパイク
タイヤに近いグリップ特性を有するものが開発され、使
用されている。しかし、その前後方向のトラクション特
性、ブレーキ特性および左右方向のコーナーリング特性
のいずれもが満足できる性能のものはない。
【0003】たとえば、カーボンブラックの代わりにシ
リカとシランカップリング剤とを配合したゴム組成物か
ら得られるトレッドでは、シリカによって良好な耐摩耗
性が得られる。しかも、シランカップリング剤によって
撥水性が高まり、トレッドと路面との間に水膜がつかな
くなる。このことによって、粘着摩擦力が高まり、グリ
ップ特性が向上する。しかしながら、このトレッドは、
左右方向のコーナリング特性は良好であるが、前後方向
のトラクション特性やブレーキ特性は、依然として低
い。また、発泡ゴムや、有機繊維、ゴム粉等を配合した
ゴム組成物から得られるトレッドでは、耐摩耗性は低い
が、トレッド表面に凹凸が形成されるようになるために
掘り起こし摩擦力が高まり、グリップ特性が向上する。
しかも、このものは、前後方向のトラクション特性やブ
レーキ特性も良い。しかし、左右方向のコーナリング特
性は依然として低いものであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、雪氷路面で、良好な耐摩耗性を有し、前後
方向のトラクション特性、ブレーキ特性および左右方向
のコーナーリング特性のいずれもが優れたスタッドレス
タイヤ、および、このタイヤのトレッドが得られるトレ
ッドゴム組成物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、掘り起こし
摩擦力を高めてグリップ特性をより向上させるために、
前記ゴム粉の1種であるシリコーン系高分子を採り上
げ、これを配合したゴム組成物を開発した(特開平9−
241427号公報)。このゴム組成物から得られるト
レッドは、その表面に凹凸が形成され、前後方向のトラ
クション特性やブレーキ特性が向上している。グリップ
特性も大幅に向上している。しかし、左右方向のコーナ
リング特性や耐摩耗性は低かった。
【0006】本発明者は、そこで、コーナリング特性を
高めるために、このゴム組成物にシリカとシランカップ
リング剤を配合することを着想した。さらに、種々の実
験を重ねて各成分の配合割合を最適化して、良好な耐摩
耗性が得られるとともに、前後方向のトラクション特
性、ブレーキ特性および左右方向のコーナーリング特性
が相乗的に向上することを確認して、本発明に到達し
た。
【0007】すなわち、本発明にかかるトレッドゴム組
成物は、天然ゴム、イソプレンゴムおよびブタジエンゴ
ムから選ばれた少なくとも1種のジエン系ゴム100重
量部に対し、5〜45重量部のシリカおよび1〜20重
量部のシリコーン系高分子と、前記シリカの6〜12重
量%のシランカップリング剤とを配合してなる組成物で
ある。
【0008】本発明にかかるスタッドレスタイヤは、ト
レッドを備えたスタッドレスタイヤにおいて、上記トレ
ッドゴム組成物から得られていることを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】以下にまず、本発明のトレッドゴ
ム組成物を構成する各成分について詳しく説明し、その
後に、トレッドゴム組成物およびスタッドレスタイヤを
説明する。 〔ジエンゴム系〕本発明で用いられるジエン系ゴムは、
ゴム成分としてトレッドの基材となり、トレッドゴム組
成物を構成する主要な成分である。
【0010】ジエン系ゴムは、天然ゴム、イソプレンゴ
ムおよびブタジエンゴムから選ばれた少なくとも1種で
あり、これらのうちでも、天然ゴムおよび/またはブタ
ジエンゴムが好ましい。ジエン系ゴムに含まれる天然ゴ
ムおよびブタジエンゴムの配合割合(天然ゴム/ブタジ
エンゴム)は、好ましくは40/60〜80/20(重
量比)である。天然ゴム/ブタジエンゴムが40/60
未満であるとチッピング性能が低下するおそれがある。
他方、80/20を超えると耐摩耗性および低温特性が
低下するおそれがある。
【0011】ゴム成分は、上記ジエン系ゴム以外に、ス
チレン・ブタジエンゴム(SBR)、イソプレン−イソ
ブチレンゴム(IIR)、ハロゲン化ブチルゴム(X−
IIR)等を含むものでも良い。 〔シリカ〕本発明で用いられるシリカは、トレッドの耐
摩耗性および左右方向のコーナーリング特性を高める成
分である。
【0012】シリカは、二酸化ケイ素を主成分とし、た
とえば、ウルトラシルVN(デグッサジャパン社製)、
ニプシルVN3(日本シリカ社製)、ニプシルAQ(日
本シリカ社製)、トクシールUR(トクヤマ社製)、Z
1115Mp(ローヌプーラン社製)、Z1165Mp
(ローヌプーラン社製)等を挙げることができ、1種ま
たは2種以上使用される。 〔シリコーン系高分子〕本発明で用いられるシリコーン
系高分子は、前後方向のトラクション特性およびブレー
キ特性を高める成分である。
【0013】シリコーンとは、有機珪素化合物の重合体
から作られたものの総称である。シリコーン系高分子の
分子構造の骨格は、シロキサン結合(−Si−O−Si
−O−)からできており、この骨格に、アルキル、アリ
ル、アリール等の有機基およびその誘導基が結合して、
無機的構造および有機的構造の両方を有している。シリ
コーン系高分子としては、平均粒子径が100μm以下
の粒子からなる粉末タイプのものが好ましく、シリコー
ン系高分子は、他のゴム成分と化学的結合を形成しない
ため、平均粒子径が100μmを超えるものを用いる
と、耐摩耗性が低下する傾向にあるからである。
【0014】シリコーン系高分子としては、シリコーン
ゴムおよび/またはシリコーン樹脂が好ましく、いずれ
かの単独であってもよく、両者を併用してもよい。以下
にこれらを詳しく述べる。シリコーンゴム シリコーンゴムは、たとえば、オルガノポリシロキサン
に加硫剤を混練後、加熱加硫によって弾性体を得るミラ
ブル型シリコーンゴムと、加硫前は液状である液状シリ
コーンゴムとに大別される。本発明ではこれらのいずれ
を用いてもよい。さらに、液状シリコーンゴムは、たと
えば、室温付近で放置して弾性体となる室温加硫型シリ
コーンゴム(RTVゴム)と、100℃近辺で弾性体と
なる低温加硫型シリコーンゴム(LTVゴム)とに分け
ることができる。
【0015】ミラブル型シリコーンゴムは、たとえば、
高重合度の鎖状ポリオルガノシロキサン(生ゴム)を主
原料とし、これにシリカ系補強性充填剤、増量用充填
剤、分散促進剤、添加剤(耐熱向上剤、内部離型剤、顔
料等)等を配合したゴムコンパウンドに、加硫剤を混練
して加熱硬化するタイプのシリコーンゴムである。な
お、生ゴムとしては、たとえば、メチルビニルシリコー
ン等を挙げることができ、ビニル基は加硫特性と密接に
関係している。ミラブル型シリコーンゴムは、非常に高
価であるが、撥水性、高温および低温での特性や、電気
特性等に優れているため、耐熱ホース、医療用品等にも
用いることができる。
【0016】液状シリコーンゴムのうちでも、たとえば
RTVゴムは、シロキサンを含む柔らかいペースト状ま
たは半流動体の成分を室温付近で硬化させるものある。
RTVゴムを分類すると、たとえば、空気中の水分と反
応する1液型RTVゴムと、シロキサンを含む成分と硬
化剤とを混合して反応を開始させる2液型RTVゴムと
があり、本発明でシリコーンゴムとしてRTVゴムを使
用する場合は、1液型、2液型のいずれであってもよ
い。
【0017】1液型RTVゴムは、主成分のシラノール
(Si−OH)と、架橋剤(Si−X)との縮合反応に
よってシロキサン結合を形成し硬化する。架橋剤として
は、たとえば、アセトキシシラン、オキシムシラン、ア
ルコキシシラン、アミノシラン、アミドシラン等を挙げ
ることができる。これらがシラノールと反応すると、酢
酸、オキシム、アミン等が副生することになる。
【0018】2液型RTVゴムは、硬化反応機構によっ
て、縮合型と付加型に分類される。縮合型は上記縮合反
応によって進行する。また、付加型は、ビニルシロキサ
ン等の分子内に2重結合を有するシロキサンとSi−H
結合を有するシロキサンとを、白金化合物等を触媒に用
いて、付加反応(ヒドロシリル化反応)させることによ
って、シロキサン鎖同士が架橋する。シリコーン樹脂 シリコーン樹脂は、長鎖状ポリシロキサンの液状物を加
熱処理することで、ポリシロキサン中に残存する水酸基
同士を縮合して、鎖状分子間に三次元的な網目構造のシ
ロキサン結合を形成させて得られる熱硬化性樹脂であ
り、シリコーン樹脂を形成する主な構造単位は(C
3 2 SiOである。シリコーン樹脂は、非常に高価
であるが、撥水性や耐熱性等に優れているため、耐熱塗
料、接着剤等に用いられている。
【0019】上記シリコーン樹脂では、水酸基同士を縮
合することによって三次元的な網目構造となっている
が、上述のヒドロシリル化反応、シロキサン中のアルケ
ニル基等の2重結合に係わる付加重合反応等で三次元的
な網目構造が形成されているシリコーン樹脂であっても
よい。 〔シランカップリング剤〕本発明で用いられるシランカ
ップリング剤は、シリカとジエン系ゴムとを結合させ
て、トレッドゴムの耐摩耗性および左右方向のコーナー
リング特性を補助的に高める成分である。
【0020】シランカップリング剤としては、特に限定
はなく、たとえば、ビス(3−トリエトキシシリルプロ
ピル)テトラスルフェン、ビス(3−トリエトキシシリ
ルプロピル)ジスルフェン、α−メルカプトプロピルト
リメトキシシラン、3−チオシアネイトトリエトキシシ
ラン等を挙げることができ、1種または2種以上使用さ
れる。これらのうちでも、ビス(3−トリエトキシシリ
ルプロピル)テトラスルフェン、ビス(3−トリエトキ
シシリルプロピル)ジスルフェン等が好ましく、ジエン
系ゴムと結合し易い。 〔トレッドゴム組成物およびスタッドレスタイヤ〕本発
明のトレッドゴム組成物を構成する各成分の配合量につ
いて述べる。
【0021】シリカの配合割合は、ジエン系ゴム100
重量部に対し、シリカ5〜45重量部であり、好ましく
は10〜40重量部である。シリカの配合割合が、ジエ
ン系ゴム100重量部に対して5重量部未満であると、
耐摩耗性および左右方向のコーナーリング特性が低下す
る。他方、ジエン系ゴム100重量部に対して45重量
部を超えると、重荷重走行や加減速を繰り返す走行モー
ドである高シビア領域での耐摩耗性が低下し、経済的に
不利になる。
【0022】シランカップリング剤の配合割合は、シリ
カの配合量の6〜12重量%であり、好ましくは8〜1
0重量%である。シランカップリング剤の配合割合が、
シリカの配合量の6重量%未満であると、耐摩耗性およ
び左右方向のコーナーリング特性が低下する。他方、シ
ランカップリング剤の配合割合が12重量%を超える
と、経済的に不利になる。
【0023】シリコーン系高分子の配合割合は、ジエン
系ゴム100重量部に対し、1〜20重量部であり、好
ましくは5〜15重量部である。シリコーン系高分子の
配合割合が、ジエン系ゴム100重量部に対して1重量
部未満であると、前後方向のトラクション特性およびブ
レーキ特性が低下する。他方、シリコーン系高分子の配
合割合が20重量部を超えると、耐摩耗性が著しく低下
する。
【0024】本発明のトレッドゴム組成物は、これをス
タッドレスタイヤに使用した時に十分な硬度を得るため
に、カーボンブラックを含むものであってもよい。トレ
ッドゴム組成物中のカーボンブラックの配合量は特に限
定はなく、ジエン系ゴム100重量部に対して、好まし
くはカーボンブラック5〜45重量部、さらに好ましく
は10〜40重量部である。カーボンブラックの配合量
が5重量部未満であると、耐摩耗性が劣るおそれがあ
る。他方、カーボンブラックの配合量が45重量部を超
えると、前後方向のトラクション特性、ブレーキ特性お
よび左右方向のコーナーリング特性等の雪氷上性能が低
下するおそれがある。
【0025】本発明のトレッドゴム組成物には、必要に
応じて、カーボンブラック、シリカ以外の炭酸カルシウ
ム等の補強剤;ナフテン系プロセスオイル等の軟化剤;
イオウ、不溶性イオウ、硫黄化合物等の加硫剤;酸化亜
鉛、ステアリン酸等の加硫助剤;メルカプトベンゾチア
ゾール(MBT)、ベンゾチアジルジスルフィド(MB
TS)、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリル
スルフェンアミド(TBBS)、N−シクロヘキシル−
2−ベンゾチアジルスルフェンアミド(CBS)等のチ
アゾール系促進剤や、ジフェニルグアニジン(DPG)
等のグアニジン系促進剤等の加硫促進剤;有機繊維;発
泡剤;老化防止剤;加硫遅延剤;ワックス等の添加剤を
配合することができる。トレッドゴム組成物中のこれら
の添加剤の配合量は、特に制限はなく、適宜使用するこ
とができる。
【0026】本発明のトレッドゴム組成物の製造方法と
しては、公知の方法を適用することができる。上記各成
分を、たとえば、バンバリーミキサーや、二軸ローラー
等の混練機等を用いて、通常の方法、条件で混練するこ
とによって得られる。なお、混練温度は80〜150℃
であるのが好ましい。得られた混練物を、たとえば、1
40〜160℃で25〜40分間加硫することによっ
て、本発明のトレッドゴム組成物が得られる。
【0027】本発明にかかるスタッドレスタイヤは、そ
のトレッドが本発明のトレッドゴム組成物から得られて
いる。トレッドは、常に路面と接する部分であり、この
ため、スタッドレスタイヤは、雪氷路面で、良好な耐摩
耗性を有し、前後方向のトラクション特性、ブレーキ特
性および左右方向のコーナーリング特性のいずれもが優
れたものとなる。このような特性を有するため、このス
タッドレスタイヤを装着する車両としては、バス、トラ
ック等の大型自動車が好ましい。
【0028】本発明のスタッドレスタイヤは、トレッド
ゴム組成物を用いてそのもとになる生タイヤを製造した
後、この生タイヤを金型加硫機に入れて、たとえば、1
40〜160℃、25〜40分間加硫して製造すること
ができる。
【0029】
【実施例】以下に本発明の具体的な実施例および比較例
を示すが、本発明は下記実施例に限定されない。以下に
おいて、「部」は「重量部」、「%」は「重量%」を示
す。実施例および比較例に先立ち、これらに用いた基本
配合成分を調製した。 −基本配合成分の調製− 天然ゴム60部、ブタジエンゴム(BR150B、宇部
興産社製)40部、ワックス(サンノックワックス、大
内新興化学社製)2部、老化防止剤(オゾノン6C、精
工化学社製)1部、ステアリン酸(桐、日本油脂社製)
4部、酸化亜鉛(銀嶺、東邦亜鉛社製)3部を配合し
て、基本配合成分を調製した。
【0030】−実施例1− 上記で調製した基本配合成分110.0部、カーボンブ
ラック(N220、三菱化学社製)40部、シリカ(ウ
ルトラシルVN3、デグサ社製)5部、シリコーン系高
分子(トレフィルE500、平均粒子径約3μmのシ
リコーンゴム、東レダウコーニングシリコーン社製)1
0部およびプロセスオイル(ダイアナプロセスPS3
2、出光興産社製)4.5部を配合した後、イオウ(鶴
見化学社製)1部および加硫促進剤としてのN−ter
t−ブチル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド0.
8部をさらに配合し、混練した後、150℃で45分間
加硫して、トレッドゴム組成物(1)を調製した。な
お、表1には基本配合成分以外に配合した成分を示し
た。
【0031】トレッドゴム組成物(1)を150℃で3
0分加硫して得られた加硫ゴム(1)の硬度および耐摩
耗性を、以下の評価方法で評価した。その結果を表1に
示す。トレッドゴム組成物(1)を用いて、トラックバ
ス用のスタッドレスタイヤ(1)を製造した。なお、タ
イヤの規格は100.00R20であった。このスタッ
ドレスタイヤ(1)を10tトラックに装着させて、住
友ゴム工業社の北海道名寄テストコースで、−5〜−1
2℃の条件下で実車走行させて登坂タイム(前後方向の
トラクション特性の評価)およびコーナーリングタイム
(左右方向のコーナーリング特性の評価)と、氷上制動
停止距離(ブレーキ特性の評価)とを、以下の評価方法
で評価した。その結果を表1に示す。 <評価方法>硬度 JIS K6301に規定された方法に従って、25℃
におけるゴム硬度Hs(JIS−A)を測定した。摩耗試験 ランボーン摩耗試験機(岩本製作所社製)を用い、表面
回転速度50m/min、負荷荷重4.5kgおよび落
砂量15g/minで、スリップ率25%として、加硫
ゴムの摩耗を測定した(摩耗試験(1))。また、スリ
ップ率50%として、加硫ゴムの摩耗も測定した(摩耗
試験(2))。いずれの摩耗試験でも、比較例1の結果
を100とした指数で測定結果を算出した。指数が大き
いほど、耐摩耗性に優れる。登坂タイム テストコース内の登坂路の走行タイムを測定した。比較
例1の結果を100とした指数で測定結果を算出した。
指数が大きいほど、前後方向のトラクション特性に優れ
る。コーナーリングタイム 全長数百メートルの八の字周回路のタイムを測定した。
比較例1の結果を100とした指数で測定結果を算出し
た。指数が大きいほど、左右方向のコーナーリング特性
に優れる。氷上制動停止距離 −4〜−2℃で、30km/hrの速度で走行時に、急
ブレーキをかけてタイヤをロックさせて停止するまでの
距離を測定した。比較例1の結果を100とした指数で
測定結果を算出した。指数が大きいほど、ブレーキ特性
に優れる。
【0032】−実施例2〜7および比較例1〜16− ベース配合成分以外の成分を、表1〜3に示す種類およ
び量に変更する以外は実施例1と同様にして、トレッド
ゴム組成物(2)〜(7)および比較トレッドゴム組成
物(1)〜(16)を調製し、それぞれを実施例1と同
様に評価した。これらの結果を表1〜4に示す。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】
【表3】
【0036】
【表4】
【0037】シリコーン系高分子:東レダウコーニン
グシリコーン社製の平均粒子径約3μmのシリコーンゴ
ム(トレフィルE500) シリコーン系高分子:東レダウコーニングシリコーン
社製の平均粒子径約70μmのシリコーンゴム(トレフ
ィルE850) シリコーン系高分子:東芝シリコーン社製の平均粒子
径約0.5μmのシリコーン樹脂(トスパール105) <評価結果>実施例1〜7では、いずれも、雪氷路面
で、良好な耐摩耗性を有し、前後方向のトラクション特
性、ブレーキ特性および左右方向のコーナーリング特性
のいずれもが優れている。特に、実施例1〜5では、耐
摩耗性の低下を最低限に抑えながら、前後方向のトラク
ション特性およびブレーキ特性が優れている。
【0038】実施例2、6および7では、シリコーン系
高分子の種類を変更しているが、いずれの場合も良好な
結果が得られている。実施例2および6からは、粒径が
大きくなると、耐摩耗性が低下する傾向がある。これ以
外の物性は大差ない。比較例1〜7より、カーボンブラ
ックの代わりに、シリカおよびシランカップリング剤を
配合することによって、左右方向のコーナーリング特性
が向上し、前後方向のトラクション特性も少し向上する
ものの、耐摩耗性が若干低下しており、特に摩耗試験
(2)での低下が大きい。
【0039】比較例8〜12より、シリコーン系高分子
を配合することによって、前後方向のトラクション特性
が大きく向上し、左右方向のコーナーリング特性も少し
向上するものの、耐摩耗性が低下しており、特に摩耗試
験(2)での低下が大きい。比較例13より、シリコー
ン系高分子の配合量が多すぎると、耐摩耗性の低下が著
しい。また、比較例14より、シリコーン系高分子の配
合量が少なすぎると、前後方向のトラクション特性およ
びブレーキ特性が低下する。
【0040】比較例15より、シリカの配合量が少なす
ぎると、左右方向のコーナーリング特性が低下する。ま
た、比較例16より、シリカの配合量が多すぎると、耐
摩耗性が低下する。
【0041】
【発明の効果】本発明にかかるスタッドレスタイヤは、
雪氷路面で、良好な耐摩耗性を有し、前後方向のトラク
ション特性、ブレーキ特性および左右方向のコーナーリ
ング特性のいずれもが優れている。本発明にかかるトレ
ッドゴム組成物は、上記スタッドレスタイヤの製造に用
いることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 9/00 C08L 9/00 //(C08L 7/00 9:00 83:04)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】天然ゴム、イソプレンゴムおよびブタジエ
    ンゴムから選ばれた少なくとも1種のジエン系ゴム10
    0重量部に対し、5〜45重量部のシリカおよび1〜2
    0重量部のシリコーン系高分子と、前記シリカの6〜1
    2重量%のシランカップリング剤とを配合してなる、ト
    レッドゴム組成物。
  2. 【請求項2】前記シリコーン系高分子が100μm以下
    の平均粒子径を有する粒子である、請求項1に記載のト
    レッドゴム組成物。
  3. 【請求項3】前記シリコーン系高分子がシリコーンゴム
    および/またはシリコーン樹脂である、請求項1または
    2に記載のトレッドゴム組成物。
  4. 【請求項4】トレッドを備えたスタッドレスタイヤにお
    いて、前記トレッドが請求項1から3までのいずれかに
    記載のトレッドゴム組成物から得られていることを特徴
    とする、スタッドレスタイヤ。
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Cited By (10)

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