JP2710263B2 - タイヤトレッドゴム組成物 - Google Patents
タイヤトレッドゴム組成物Info
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Description
物、特に凍結路面上でのグリップ性を改良したタイヤト
レッドゴム組成物に関する。
るためにスパイクタイヤの禁止が法制化され、寒冷地で
はスパイクタイヤに代わってスタッドレスタイヤが使用
されるようになった。スタッドレスタイヤは改良の結
果、スパイクタイヤに近いグリップ性を有するものが開
発され現に使用されている。
与えるトレッドゴムと路面との摩擦を支配する因子とし
て 1.ヒステリシスロス摩擦 2.粘着摩擦 3.掘り起こし摩擦 があるが、凍結路面のように非常に摩擦係数の小さい路
面ではヒステリシスロスによる摩擦は非常に小さく、粘
着摩擦、掘り起こし摩擦が大きな割合を示す。
ターンやトレッドゴムの表面形態が重要である。スパイ
クタイヤは掘り起こし摩擦力が大きいが、スタッドレス
タイヤにおいても掘り起こし摩擦力を高めるために発泡
ゴムの使用や有機繊維の混入によりトレッド表面の凹凸
を増やす工夫がなされ効果があがっている。トレッド表
面の凹凸は、トレッド表面と凍結路面との間に発生する
水膜を排除し、粘着摩擦力を高める効果もある。しかし
ながら、これは、実接触面積を増やすことにより間接的
に粘着摩擦力を高めているのであって、実接触面積を増
やすのには限界があり、粘着摩擦力を高めるのにも限界
がある。
のが影響を及ぼすので、例えば、ゴム質を柔らかくして
路面との接触面積を増加させることも有効な方法であ
る。このために、充填剤の量を少なくしたり、低温でも
硬化しにくいブタジエンゴムやイソプレンゴムを用いた
り、軟化剤を添加したりすることが行なわれているが操
縦安定性や耐摩耗性の観点から、極端に柔らかくするこ
とはできず不充分な対策であった。
はグリップ性の改良が不充分であり、雪上性能面ではス
パイクタイヤと比べて何ら遜色のない性能を発揮するも
のの、凍結路面では路面の条件、気温などの条件によっ
てスパイクタイヤと比べてグリップ性が劣るばあいもあ
り、その改良が要求されている。
鑑みなされたものであり、その目的は、凍結路面上にお
いても優れたグリップ性を発揮することのできるスタッ
ドレスタイヤに用いられるトレッド用のゴム組成物を提
供することにある。
達成するために鋭意検討した結果、水酸基を有する液状
のポリイソプレン、ポリブタジエンがゴム成分の3〜4
0%(重量%。以下同様)を占め、シランカップリング
剤を添加したゴム組成物が粘着摩擦力の向上に作用し非
常に有効であることを発見して本発明を完成するに至っ
た。
リイソプレンおよび/または水酸基を有する液状ポリブ
タジエンがゴム成分の3〜40%を占め、ゴム成分10
0部(重量部。以下同様)に対してシランカップリング
剤を2〜15部配合してなるタイヤトレッドゴム組成物
に関する。
基を有する液状ゴムが氷との親和性を高めることによ
り、凍結路面での粘着摩擦力を高める働きがあると考え
られ、一方液状ゴムによる物性の低下をシランカップリ
ング剤を使用して、補強性を高めることにより補うこと
ができるのである。
の氷上での実接触面積を大きくし粘着摩擦力を高めるた
めに、低温での硬度上昇の少ない天然ゴム、イソプレン
ゴムまたはブタジエンゴムなどが好ましく用いられる。
これらのゴムは単独または任意に組み合わせて用いるこ
とができる。
する液状のポリイソプレンまたはポリブタジエンが単独
または組み合わせて含まれる。
タジエンのいずれも使用可能であるが、粘着摩擦力の向
上の効果は液状のポリイソプレンの方が大きい。
ては、水酸基を1分子あたり2〜10個有し、数平均分
子量が10000〜60000程度のものがタイヤの性
能、加工性の面から好ましく、市販品としては、(株)
クラレ製のクラプレンLIR506(水酸基を1分子あ
たり約10個有し数平均分子量が25000)などがあ
げられる。
ては両末端に水酸基を有し、数平均分子量が1500〜
4000程度のものが、タイヤの性能、加工性の面から
好ましく、市販品としては、出光石油化学(株)製のP
oly bd R−45 HT(数平均分子量が270
0)、Poly bd R−15 HT(数平均分子量
が2700)などがあげられる。
およびポリブタジエンが合計でゴム成分のうち3〜40
%、好ましくは5〜25%を占める。3%より少ないと
凍結路面上でのグリップ性の改善が見られず、40%よ
り多いとゴムの破壊特性が低下し、耐摩耗性、耐カット
性が低下する傾向がある。
ップリング剤としては、式(I):
6の整数、Xはメルカプト基、アミノ器、エポキシ基、
ビニル基またはハロゲン原子を表わす)で示されるもの
が、ゴムの補強性において特に好ましい。式(I)に含
まれるものとしてビス(3−トリエトキシシリルプロピ
ル)テトラスルフェン、ビス(3−トリメトキシシリル
プロピル)モノスルフェンなどがあげられ、式(II)に
含まれるものとしてγ−クロロプロピルトリメトキシシ
ラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ
−アミノプロピルトリエトキシシランなどがあげられ
る。また、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリス(2
−メトキシエトキシ)シラン、γ−グリシドキシプロピ
ルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルト
リメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプ
ロピルトリメトキシシランなどを用いることもできる。
0部に対して2〜15部、好ましくは3〜8部配合され
る。2部より少ないと、ゴムの補強効果がほとんどえら
れず、15部より多いと未反応のシランカップリング剤
がゴム表面に析出し、逆に粘着摩擦力を低下させる傾向
がある。
き効果を高めるために有機繊維を混入したり、ゴム成分
として発泡ゴムを使用することができる。
要に応じて、タイヤのゴム配合に通常用いられる配合
剤、たとえば老化防止剤、軟化剤、亜鉛華、ステアリン
酸、加硫促進剤、加硫剤、イオウなどを適宜配合するこ
とができる。
ム成分、カーボンブラック、シランカップリング剤およ
び前記通常の配合剤を用いて通常の方法により製造する
ことができる。
物質はシランカップリング剤の反応を妨げるので、ベー
ス練り、すなわち加硫剤を除く成分の混練のさいに老化
防止剤も添加せず、仕上げ練りのさいに老化防止剤を添
加することが好ましい。反応性の低い老化防止剤はベー
ス練りの際に添加してもよい。ベース練りの際に添加す
る方が分散の点からより好ましい。ベース練りは、13
0〜170℃、好ましくは140〜160℃で行なわれ
る。130℃より低いとシランカップリング剤の反応が
充分に行なわれない傾向があり、170℃より高いとゴ
ム分子の劣化が起こる傾向がある。
用車用スタッドレスタイヤ、トラック用スタッドレスタ
イヤ、バス用スタッドレスタイヤなどのトレッドに適用
することができる。
が、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものでは
ない。
化防止剤以外を150℃±5℃でベース練りし、100
℃±5℃で加硫剤と老化防止剤を添加して仕上げ練りす
ることによりトレッドゴム組成物を調製した。
製のクラプレンLIR506、カーボンブラック(2)
としては昭和キャボット(株)製のN220、プロセス
オイル(3)としては出光興産(株)製のダイアナプロ
セス PS32、シランカップリング剤としてはデグッ
サ社製のSi69(ビス(3−トリエトキシシリルプロ
ピル)テトラスルフェン)、老化防止剤(5)としては
大内新興化学(株)製のノクラック6C(N−フェニル
−N’−(1,3ジメチルブチル)−P−フェニレンジ
アミン)、加硫促進剤(6)としては大内新興化学
(株)製のノクセラーNS(N−tert−ブチル−2
ベンゾチアジルスルフェンアミド)を用いた。
ポリブタジエン、シランカップリング剤の配合を表1の
ように変えて実験例1−1と同様にゴム組成物を調製し
た。なお、液状ポリブタジエンとしては、出光石油化学
(株)製のPoly bd R−45 HTを用いた。
3のスタッドレスタイヤを作製した。このタイヤの内圧
を2kgf/cm2として国産の1500ccFF A
BS(アンチロックブレーキングシステムが採用されて
いる)車に装着し、つぎの条件下に氷盤路での加速タイ
ム、制動停止距離を測定した。
トコース氷盤路 気温 :−8℃ 氷温 :−5℃ [加速タイム]停止状態から加速し、50m走行するの
に要した時間を測定した。結果は通常のトレッドゴム組
成物を用いた実験例2−8の測定時間を100として指
数で表2に示した。指数が小さいほど好ましい。
時に停止させるまでに要した距離を測定した。結果は通
常のトレッドゴム組成物を用いた実験例2−8の距離を
100として指数で表2に示した。指数が小さいほど好
ましい。
1と同じタイヤを作製した。これらのタイヤを用いて実
験例2−1と同様に加速タイム、制動停止距離を測定し
た。結果を表2に示す。
1と同じタイヤを作製した。これらのタイヤを用いて実
験例2−1と同様に加速タイム、制動停止距離を測定し
た。結果を表2に示す。
20℃で行なう以外は実験例1−1と同様にして調製
し、実験例2−1と同様にタイヤを作製し、同様の試験
を行なった。結果を表2に示す。
加をベース練り時に行なった以外は実験例1−1と同様
にして調製し、実験例2−1と同様にタイヤを作製し、
同様に加速タイム、制動停止距離を測定した。結果を表
2に示す。
9、1−10のトレッドゴム組成物を用いて実験例2−
1と同じタイヤを作製した。これらのタイヤを用いて実
験例2−1と同様に加速タイム、制動停止距離を測定し
た。結果を表2に示す。
組成物(実験例番号1−1、1−2、1−3、1−4、
1−5、1−6、1−7)を用いた実験例2−1、2−
2、2−3−1、2−3−2、2−3−3、2−4、2
−5、2−6、2−7においては優れた結果がえられ
た。実験例2−8はトレッドゴム組成物が液状ポリイソ
プレンまたは液状ポリブタジエンおよびシランカップリ
ング剤を含まないので優れた結果がえられなかった。実
験例2−9はシランカップリング剤を含まないので制動
停止距離が長くなった。実験例1−10はシランカップ
リング剤の配合量が多すぎるトレッドゴム組成物を用い
たので加速タイムが長くなった。
いれば、凍結路面上におけるグリップ性に優れ加速性
能、制動性能などが良好なスタッドレスタイヤをうるこ
とができる。
Claims (2)
- 【請求項1】 水酸基を有する液状ポリイソプレンおよ
び/または水酸基を有する液状ポリブタジエンがゴム成
分の3〜40重量%を占め、ゴム成分100重量部に対
してシランカップリング剤を2〜15重量部配合してな
るタイヤトレッドゴム組成物。 - 【請求項2】 加硫剤、老化防止剤以外の成分を130
〜170℃でベース練りし、そののち、加硫剤、老化防
止剤を添加して仕上げ練りをしてえられた請求項1記載
のタイヤトレッドゴム組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP5263628A JP2710263B2 (ja) | 1993-10-21 | 1993-10-21 | タイヤトレッドゴム組成物 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JPH07118453A JPH07118453A (ja) | 1995-05-09 |
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Family Applications (1)
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JP5263628A Expired - Fee Related JP2710263B2 (ja) | 1993-10-21 | 1993-10-21 | タイヤトレッドゴム組成物 |
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---|---|
JP (1) | JP2710263B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6512051B2 (en) | 1998-01-22 | 2003-01-28 | The Yokohama Rubber Co., Ltd. | Elastomer composition |
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-
1993
- 1993-10-21 JP JP5263628A patent/JP2710263B2/ja not_active Expired - Fee Related
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