JP4438336B2 - トレッド用ゴム組成物およびそれを用いたタイヤ - Google Patents

トレッド用ゴム組成物およびそれを用いたタイヤ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、トレッド用ゴム組成物および該ゴム組成物をトレッドに使用してなるタイヤに関する。詳細には、ウェットグリップ性能の向上および低転がり抵抗化の両立を図れるトレッド用ゴム組成物および該ゴム組成物をトレッドに使用してなるタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】
タイヤトレッド用ゴム組成物において、補強剤として使用されるシリカには、タイヤの転がり抵抗を低減させる効果がある。また、ゴム成分としてスチレン−ブタジエンゴム(SBR)には、ウェットグリップ性能を向上させる効果がある。したがって、ゴム組成物としてシリカとSBRを用いた配合は、ウェットグリップ性能の向上および低転がり抵抗化の両立を図れることが期待される。
【0003】
ただし、シリカは、その表面の性質からジエン系ポリマーとは混ざりにくく、充分な補強性が得られないので、ゴム物性を改善するために、たとえばシランカップリング剤が併用される。しかしながら、このシランカップリング剤を混合温度を上げてポリマーと混合すると、シランカップリング剤に含まれる硫黄がジエン系ポリマーと反応し、ゴム組成物の粘度が上昇し、ゴムの加工性が低下する。一方、混合温度を充分に上げない場合、シリカとカップリング剤の反応が起こりにくく、シリカの分散をあげるために混練り時間を延長しなければならず、また、タイヤの耐摩耗性、外傷性が充分でなくなるという問題があった。
【0004】
たとえば、乗用車タイヤの低転がり抵抗とウェットグリップ性能を両立させる技術として、炭化水素溶媒中において溶液重合調製された共役ジエンと芳香族ビニル化合物の共重合体に、100〜250m2/gのBET、100〜250m2/gのCTAB、150〜250ml/gのDBP吸油量のシリカを配合して、密閉混合機での混合前後のシリカアグリゲートの平均投影面積を特定した技術が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0005】
また、有機リチウム化合物を溶液重の開始剤とする1,3−ブタジエンとスチレンの共重合体、いわゆる溶液重合スチレン−ブタジエン共重合体(S−SBR)とシリカを配合したゴム組成物を備えたタイヤについての技術が開示されている(たとえば、特許文献2参照)。
【0006】
これらの技術は、S−SBRとシリカを用いてゴム組成物の粘弾性特性をコントロールすることにより、タイヤの転がり抵抗を低下させ、また、ウェットスキッド性能を改善しようとしている。しかし、これらの技術においても、ゴム組成物の混合温度を上げると加工性に問題があり、また、混合温度を充分にあげないと、前述のとおり、シリカとカップリング剤の反応が起こりにくく、シリカの分散をあげるために混練り時間を延長しなければならず、また、タイヤの耐摩耗性、外傷性が充分でなくなるという問題があった。
【0007】
S−SBRとシリカを用いたゴム組成物において、さらに転がり抵抗を低減させるために、シリカ表面に存在するシラノール基と反応する官能基を導入したS−SBRに関する技術が知られている。この官能基導入S−SBRとシリカとの反応を充分に行なうためには、混練り温度を150〜180℃に保つことが必要である。混練り温度が150℃未満の場合は、反応が不充分でありゴム組成物のヒステリシスロス低減が充分ではなく、混練り温度が180℃をこえると未加硫ゴムの粘度が高くなり加工性が低下するからである。
【0008】
しかし、従来のカップリング剤、シリカでは150〜180℃で混練りした場合、未加硫ゴムの粘度が高くなりすぎて加工性に困難が生じるので、充分な性能が発揮されない。
【0009】
同様に、ポリマー重合末端にシロキサン化合物、アミノケトン化合物を付加させる技術が開示されているが、これらのポリマーも混練り温度を上げないとその特性をいかしきれず、一方、混練り温度を上げた場合には、ゴム組成物の加工性の問題が生じる。
【0010】
混練り温度を上げて、かつ、加工性を改善するために、ポリマーの粘度を下げる方法があるが、ポリマーの重合末端が増えてしまい、ゴム組成物のヒステリシスロスを下げる観点からは好ましくない。これを補う技術としてカップリング技術があるが、カップリング率を上げるとポリマー末端のシリカ表面と反応する官能基の数が減ってしまい、シリカと組み合わせても充分な転がり抵抗低減性能が得られない。
【0011】
ほかに、転がり抵抗を低減させるために、ポリマー末端にスズ、シリカなどのカップリング剤を付加させ、ポリマーの分子量を上げてポリマー末端を減らす技術も知られているが、過度にカップリングするとポリマーの分子量が上がり、加工性が低下するとともに前記シロキサン化合物、アミノケトン化合物と併用すると、カップリングによりシリカと反応する部分が減るので、好ましくない。
【0012】
このように、シリカとS−SBRを用いた配合技術において、ウェットグリップ性能と低転がり抵抗の両立および加工性の改善に関する問題は重要なテーマであるが、すべてを充分にみたす技術は、未だにないのが現状である。
【0013】
【特許文献1】
特許第2635881号公報
【特許文献2】
特許第3021516号公報
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、ウェットグリップ性能と低転がり抵抗化をさらに向上させ、かつ加工性を改善し得るトレッド用ゴム組成物および該ゴム組成物を使用してなるタイヤを提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、検討した結果、特定のシリカを用いて、S−SBRのカップリング率、カップリング剤、ムーニー粘度を特定し、特定のシランカップリング剤を用いて150〜180℃で混練りすることにより、加工性に優れたゴム組成物が得られ、このゴム組成物を使用したタイヤは、転がり抵抗が低くウェットグリップ性能に優れることを見いだし、本発明に至った。
【0016】
すなわち、本発明は、スズカップリングによるカップリング率が5〜50%、ムーニー粘度(ML1+4、100℃)が50〜90であって、重合末端にシラノール基と反応可能な官能基を備えたスチレンブタジエンゴムを30重量%以上含むジエン系ゴム100重量部に対して、
CTAB比表面積が80〜150m2/gでDBP吸油量が200〜300ml/100gのシリカ40〜120重量部、および
一般式:
(RO)3−Si−(CH2)xn(CH2)x−Si−(OR)3
(式中、Rは直鎖状または分岐鎖状の1〜8個の炭素数を有するアルキル基を表わし、Xは1〜8の整数、nは2〜8の整数)で表わされるシランカップリング剤1〜20重量部からなるトレッド用ゴム組成物であって、
カーボンブラックと前記シリカを合わせた補強性充填剤に占める前記シリカの割合が60重量%以上であり、前記一般式において、n=2であるシランカップリング剤の割合が60重量%以上で、かつ、Sの平均連鎖が2〜3であり、ベースゴムの混練り温度を150〜180℃で混練することにより得られるトレッド用ゴム組成物に関する。
【0017】
また、本発明は、前記トレッド用ゴム組成物をトレッドに用いてなるタイヤに関する。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明のトレッド用ゴム組成物は、1,3−ブタジエンとスチレンの共重合によって得られる重合体を含むジエン系ゴム、シリカおよびシランカップリング剤を含み、ベースゴムの混練り温度を150〜180℃で混練りすることにより得られる。
【0019】
1,3−ブタジエンとスチレンの共重合によって得られる前記重合体は、1,3−ブタジエンとスチレンとを、有機リチウムを開始剤とする溶液重合により、通常の方法で得られる溶液重合スチレン−ブタジエン(S−SBR)共重合体である。
【0020】
前記有機リチウムは、通常重合の開始剤として使用される有機リチウム開始剤であれば、とくに限定されない。
【0021】
本発明における前記重合体は、前記S−SBR共重合体に対して、カップリング剤としてスズを使用したスズカップリングを行なう。前記S−SBR共重合体をスズカップリングすることにより、カップリングS−SBR共重合体が得られる。
【0022】
前記スズの種類は、たとえば、四塩化スズなどがあげられる。
【0023】
本発明における前記重合体は、スズカップリングによるカップリング率が5〜50%、好ましくは15〜35%である。重合体のカップリング率が5%未満では、ポリマー末端が増えて、ヒステリシスロスを充分に下げられなくなる。重合体のカップリング率が50%をこえると、末端の官能基の数が少なくなり、ゴムの加工性が低下するとともに転がり抵抗の低減効果も小さくなる。
【0024】
本発明における前記重合体は、重合末端にシラノール基と反応可能な官能基を備えてなる。かかる官能基を備えることにより、本発明の前記重合体は、シリカとの反応性が高くなり、転がり抵抗を低減させることができる。
【0025】
シラノール基と反応可能な官能基としては、たとえば、−Si−OH、−Si−OR、−Si−Cl、−NCO、−COOH、−NR2があげられる。これらは、シリカとの反応性が高く、転がり抵抗を低減させることができる。
【0026】
前記官能基を前記重合体に備えさせる方法としては、通常カップリングS−SBR共重合体末端に官能基を導入させる方法であれば、とくに限定されない。たとえば、前記重合体に4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンなどの変性剤を添加して重合体の重合末端を変性させて、該重合末端に前記官能基を導入する。
【0027】
本発明における前記重合体は、100℃で測定されるムーニー粘度(ML1+4、100℃)が50〜90であり、60〜80であることが好ましい。重合体のムーニー粘度が50より小さいと加工性はよいが、ポリマー末端が増加することにより、強度とヒステリシスロスが低下し、転がり抵抗の低減効果が小さくなる。一方、重合体のムーニー粘度が90をこえると加工性が低下する。
【0028】
前記重合体は、結合スチレン量が15〜45%であることが好ましい。重合体の結合スチレン量が15%よりも低いとウェットグリップの改善効果が小さい傾向にあり、45%よりも高いと低温特性が低下し、低温時のグリップ性能が大幅に低下する傾向がある。
【0029】
前記重合体は、結合ビニル量が20〜60%であることが好ましい。重合体の結合ビニル量が20%よりも低いとウェットグリップの改善効果が小さい傾向があり、60%よりも高いと低温特性が低下し、低温時のグリップ性能が大幅に低下する傾向がある。
【0030】
本発明のトレッド用ゴム組成物におけるジエン系ゴム成分は、前記重合体がジエン系ゴム成分中に30重量%以上含まれる。前記重合体が30重量%に満たない場合、転がり抵抗の低減効果とウェットグリップ性能の改善効果が小さくなる。
【0031】
前記重合体以外に使用される前記ジエン系ゴムとしては、通常タイヤトレッド用に使用されるジエン系ゴムであれば、とくに限定されず、たとえば、天然ゴム(NR)、ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴム(IR)などがあげられ、これらは単独で、または2種類以上を混練りして用いられる。
【0032】
本発明のトレッド用ゴム組成物に使用されるシリカは、CTAB比表面積が80〜150m2/gである。シリカのCTAB比表面積が150より大きいと加工性が悪くなり、80より小さいと耐摩耗性が不充分である。
【0033】
前記シリカは、DBP吸油量が200〜300ml/100gである。シリカのDBP吸油量が200より小さいと耐摩耗性が低下し、300より大きいとゴムの加工性が低下する。
【0034】
前記シリカの配合量は、前記ジエン系ゴム成分100重量部に対して40〜120重量部である。前記シリカの配合量が40重量部未満では、転がり抵抗とウェットグリップ性能が充分ではなく、120重量部をこえるとゴムの加工性が低下する。
【0035】
本発明のトレッド用ゴム組成物は、補強性充填剤として、前記シリカ以外に、カーボンブラック、水酸化アルミニウム、クレイなどを含むことができる。ただし、前記補強性充填剤における前記シリカおよびカーボンブラックに占めるシリカの割合は、60重量%以上である必要がある。シリカの割合が60%未満では、転がり抵抗とウェットグリップ性能が充分ではない。
【0036】
本発明のトレッド用ゴム組成物に使用されるシランカップリング剤は、下記の化学式を有する。
【0037】
(RO)3−Si−(CH2)xn(CH2)x−Si−(OR)3
式中、Rは直鎖状または分岐鎖状の1〜8個の炭素数を有するアルキル基、とくに1〜3個の炭素数を有するアルキル基を表わし、Xは1〜8の整数、nは2〜8の整数を表わす。
【0038】
前記シランカップリング剤において、シランカップリング剤に占めるn=2のシランカップリング剤の割合は60重量%以上、好ましくは70重量%以上である。前記シランカップリング剤に占めるn=2のシランカップリング剤の割合が60重量%未満では、ゴムの加工性が悪くなる。
【0039】
また、前記シランカップリング剤におけるSの平均連鎖は、2〜3であり、好ましくは2〜2.5である。Sの平均連鎖が2未満では、ポリマーとの反応性に劣り、耐摩耗性が充分に改善されない。また、Sの平均連鎖が3をこえると、ゴムの加工性が悪くなる。
【0040】
前記シランカップリング剤の配合量は、前記ジエン系ゴム成分100重量部に対して1〜20重量部、好ましくは3〜15重量部である。前記シランカップリング剤の配合量が1重量部未満では、シリカをゴム中に分散させることが難しく、混練りゴムのムーニー粘度が硬くなり、加工性に劣ったり、耐摩耗性が充分でなくなったりする。一方、前記シランカップリング剤を20重量部をこえて配合しても過剰となり、高価なカップリング剤をこれ以上使用することは、経済的な観点から好ましくない。
【0041】
本発明のトレッド用ゴム組成物は、前述の各成分、ジエン系ゴム、補強性充填剤、シランカップリング剤のほかに、通常トレッド用ゴム組成物として添加される配合剤、たとえば、アロマオイル、ワックス、ステアリン酸、酸化亜鉛、加硫剤、加硫促進剤などを適宜配合できる。
【0042】
本発明のトレッド用ゴム組成物は、混練り条件としてベースゴムの混練り段階における混練り温度を150〜180℃、好ましくは160〜175℃の範囲で密閉式混練り機にて混練りする。ベースゴムの混練り温度が150℃未満では耐摩耗性、転がり抵抗が劣り、180℃をこえると加工性が大幅に低下するので好ましくない。なお、ベースゴムは、硫黄、加硫促進剤などの仕上げ薬品以外のゴム組成物を配合してなる。
【0043】
さらに本発明のトレッド用ゴム組成物は、混練り条件として、前記補強性充填剤を2回以上に分けてバンバリーなどに投入する場合、シリカは全配合量の70%以上を一度に投入することが好ましく、80%以上がより好ましい。シリカを一度に70%以上投入することで、活性なシリカの表面に亜鉛華、ステアリン酸、老化防止剤などが吸着するのを防ぎ、加硫速度が速くならないという効果が得られる。
【0044】
本発明のトレッド用ゴム組成物は、前述のように特定の重合体、シリカおよびシランカップリング剤をそれぞれ特定量含み、ベースゴムでの段階での混練り温度を特定の温度範囲で混練りしてなることにより、低転がり抵抗とウェットグリップ性能を向上し得て、かつ、加工性に優れたトレッド用ゴム組成物が得られる。
【0045】
本発明のタイヤは、前記トレッド用ゴム組成物を、通常の方法でタイヤトレッド用ゴムとして使用することにより得られる。
【0046】
【実施例】
つぎに、実施例および比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
【0047】
重合末端に、シラノール基と反応可能な官能基を備えたS−SBRポリマーの製造方法について説明する。
【0048】
製造例1(ポリマーA)
有機リチウム開始剤を使用して、溶液重合スチレン−ブタジエンA(S−SBR A)共重合体を得た。
【0049】
得られたS−SBR A共重合体にスズカップリング処理を行ない、カップリング率27%のカップリングS−SBR A共重合体を得た。
【0050】
ついで、カップリングS−SBR A共重合体に、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンを用いてポリマー重合末端を変性させ、シラノール基と反応可能な官能基を導入したポリマーAを得た。
【0051】
得られたポリマーAは、結合スチレン量28%、結合ビニル量50%、ムーニー粘度(ML1+4、100℃)75であった。
【0052】
製造例2(ポリマーB)
有機リチウム開始剤を使用して、溶液重合スチレン−ブタジエンB(S−SBR B)共重合体を得た。
【0053】
得られたS−SBR B共重合体にシリカカップリング処理を行ない、カップリング率65%のカップリングS−SBR B共重合体を得た。
【0054】
ついで、カップリングS−SBR B共重合体に、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンを用いてポリマー重合末端を変性させ、シラノール基と反応可能な官能基を導入したポリマーBを得た。
【0055】
得られたポリマーBは、結合スチレン量27%、結合ビニル量51%、ムーニー粘度(ML1+4、100℃)80であった。
【0056】
製造例3(ポリマーC)
有機リチウム開始剤を使用して、溶液重合スチレン−ブタジエンC(S−SBR C)共重合体を得た。
【0057】
得られたS−SBR C共重合体にスズカップリング処理を行ない、カップリング率80%のカップリングS−SBR C共重合体を得た。
【0058】
ついで、カップリングS−SBR C共重合体に、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンを用いてポリマー重合末端を変性させ、シラノール基と反応可能な官能基を導入したポリマーCを得た。
【0059】
得られたポリマーCは、結合スチレン量28%、結合ビニル量50%、ムーニー粘度(ML1+4、100℃)85であった。
【0060】
製造例4(ポリマーD)
有機リチウム開始剤を使用して、溶液重合スチレン−ブタジエンD(S−SBR D)共重合体を得た。
【0061】
得られたS−SBR D共重合体にスズカップリング処理を行ない、カップリング率25%のカップリングS−SBR D共重合体を得た。
【0062】
ついで、カップリングS−SBR D共重合体に、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンを用いてポリマー重合末端を変性させ、シラノール基と反応可能な官能基を導入したポリマーDを得た。
【0063】
得られたポリマーDは、結合スチレン量28%、結合ビニル量50%、ムーニー粘度(ML1+4、100℃)42であった。
【0064】
実施例1および比較例1〜7
以下の材料を用いて、以下の調製方法により実施例および比較例のゴム組成物を用意した。
【0065】
(材料)
E−SBR:日本ゼオン(株)製のSBR1500
BR(ハイシス):宇部興産(株)製のBR150B ハイシスポリブタジエン
シリカ:デグッサ社製のニプシルVN3(CTAB比表面積165m2/g、DBP吸油量162ml/100g)
シリカ:ローディア社製のローディア115GR(CTAB比表面積103m2/g、DBP吸油量250ml/100g)
カーボンブラックN330:三菱化学(株)製のカーボンブラック
シランカップリング剤Si69:デグッサ社製ビストリエトキシシリルプロピルテトラスルファン
一般式:
(RO)3−Si−(CH2)xn(CH2)x−Si−(OR)3
(式中、Rは直鎖状または分岐鎖状の1〜8個の炭素数を有するアルキル基、とくに1〜3個の炭素数を有するアルキル基を表わし、Xは1〜8の整数、nは2〜8の整数)で表わされるシランカップリング剤において、n=2であるシランカップリング剤の割合が16重量%でSの平均連鎖が3.9のカップリング剤。シランカップリング剤Si75:デグッサ社製のビストリエトキシシリルプロピルポリスルファン
一般式:
(RO)3−Si−(CH2)xn(CH2)x−Si−(OR)3
(式中、Rは直鎖状または分岐状の1〜8個の炭素数を有するアルキル基、とくに1〜3個の炭素数を有するアルキル基を表わし、Xは1〜8の整数、nは2〜8の整数)で表わされるシランカップリング剤において、n=2であるシランカップリング剤の割合が70重量%でSの平均連鎖が2.4のカップリング剤。
アロマオイル:モービル石油(株)製のモービルゾル 30T
ワックス:大内新興化学工業(株)製のサンタイトワックス
6PPD:住友化学(株)製のアンチゲン 6C
ステアリン酸:日本油脂(株)製のステアリン酸
亜鉛華:三井金属鉱業(株)製の酸化亜鉛
硫黄:鶴見化学(株)製の硫黄
加硫促進剤CBS:大内新興化学工業(株)製のノクセラーCZ
加硫促進剤DPG:大内新興化学工業(株)製のノクセラーD
【0066】
(調製方法)
表1に示す配合割合にしたがい、硫黄および加硫促進剤以外の材料(ベースゴム)をバンバリーで混練りした。表1に示すとおり、混練り後のベースゴム排出温度(℃)を測定し、混練り温度の指標とした。そののち、ベースゴムに硫黄および加硫促進剤を配合して(ファイナルゴム)、ロールにて混練りした。混練り後のファイナルゴム排出温度(℃)もまた、表1に示す。上記方法で混練りしたものを、175℃で20分間加硫して、各種ゴム組成物を調製し、以下の試験を実施した。
【0067】
(ムーニー粘度)
JIS K6300にしたがい、130℃でのゴムのムーニー粘度(ML1+4、130℃)を測定し、ムーニー粘度指数を下記式、
ムーニー粘度指数=(対象ゴムのムーニー粘度)/(実施例1のムーニー粘度)×100
で算出した。指数の値が小さい方が加工性がよい。
【0068】
(転がり抵抗)
各加硫ゴム組成物をトレッドゴムとして使用して、タイヤサイズ 195/65R15 乗用車タイヤを試作し、ドラム上で各タイヤの転がり抵抗を測定した。
【0069】
実施例1のタイヤを基準とし、下記式により転がり抵抗指数を求めた。
転がり抵抗指数=(実施例1のタイヤの転がり抵抗値)/(対象タイヤの転がり抵抗値)×100
指数の値が大きい方が転がり抵抗が低く、優れている。
【0070】
(ウェットグリップ性能)
各加硫ゴム組成物をトレッドゴムとして使用して、タイヤサイズ 195/65R14 乗用車タイヤを試作し、下記のテストを実施した。
【0071】
国産、FF車、ABSブレーキ作動の状態で時速100km/hからの潤滑アスファルト路面での制動距離を求め、ウェットグリップ性能指数を下記式、
ウェットグリップ性能指数=
(実施例1の制動距離)/(対象タイヤの制動距離)×100
で算出した。指数の値が大きい方が停止距離が短く制動性能(ウェットグリップ性能)がよい。
【0072】
(耐摩耗性)
各加硫ゴム組成物をトレッドゴムとして使用して、タイヤサイズ195/65R15 乗用車タイヤを試作した。得られた各タイヤを国産FF車に装着し、5000km走行前後のタイヤ重量を測定し、その差(摩耗量)を求めた。得られた摩耗量から、耐摩耗性指数を下記式、
耐摩耗性指数=(実施例1の摩耗量)/(対象タイヤの摩耗量)×100
で算出した。指数の値が大きい方が耐摩耗性がよい。
【0073】
結果を、それぞれ表1に示す。
【0074】
混練り温度が150℃に達しない比較例1は、加工性には優れるが、シリカとポリマーの反応が充分でなく、またシリカの分散も充分ではないので、転がり抵抗、ウェットグリップ性能および耐摩耗性がよくなかった。
【0075】
スズカップリングされていないポリマーを使用した比較例2では、ムーニー粘度が高くなり加工性が劣った。
【0076】
請求項1記載のシランカップリング剤を使用せずに、混練り温度を高くした比較例3では、カップリング剤中の硫黄がポリマーと反応し、ゲル化やスコーチを起こしムーニー粘度が上昇し、加工性が低下した。
【0077】
請求項1記載のシリカを使用せずに、混練り温度を高くした比較例4では、加工性が低下した。
【0078】
スズカップリング率が50%をこえたポリマーを使用した比較例5では、加工性が低下した。
【0079】
ムーニー粘度(ML1+4、100℃)が50未満であったポリマーを使用した比較例6は、加工性には優れるが、転がり抵抗、ウェットグリップ性能および耐摩耗性がよくなかった。
【0080】
請求項1記載のポリマーを含まず、また、請求項1記載のシリカの配合量が40重量部未満であった比較例7は、加工性には優れるが、転がり抵抗、ウェットグリップ性能および耐摩耗性がよくなかった。
【0081】
【表1】
Figure 0004438336
【0082】
【発明の効果】
本発明によれば、特定のポリマー、シリカおよびシランカップリング剤を特定量使用し、特定温度で混合することにより、転がり抵抗が低く、ウェットグリップ性能に優れ、かつ加工性においても優れたトレッド用ゴム組成物が得られる。さらに、本発明のトレッド用ゴム組成物は、耐摩耗性も優れている。

Claims (4)

  1. スズカップリングによるカップリング率が15〜35%、ムーニー粘度(ML1+4、100℃)が60〜80であって、重合末端にシラノール基と反応可能な官能基を備えたスチレンブタジエンゴムを30重量%以上含むジエン系ゴム100重量部に対して、
    CTAB比表面積が80〜150m2/gでDBP吸油量が200〜300ml/100gのシリカ40〜120重量部、および
    一般式:
    (RO)3−Si−(CH2)xn(CH2)x−Si−(OR)3
    (式中、Rは直鎖状または分岐鎖状の1〜8個の炭素数を有するアルキル基を表わし、Xは1〜8の整数、nは2〜8の整数)で表わされるシランカップリング剤3〜15重量部からなるトレッド用ゴム組成物であって、
    カーボンブラックと前記シリカを合わせた補強性充填剤に占める前記シリカの割合が60重量%以上であり、前記一般式において、n=2であるシランカップリング剤の割合が70重量%以上で、かつ、Sの平均連鎖が2〜2.5であり、硫黄および加硫促進剤以外の材料であるベースゴムの混練り温度を160〜175℃で混練することにより得られるトレッド用ゴム組成物であり、
    前記シラノール基と反応可能な官能基が、−Si−OH、−Si−OR、−Si−Cl、−NCO、−COOH、−NR 2 であるトレッド用ゴム組成物
  2. 前記シラノール基と反応可能な官能基が、スチレンブタジエンゴムに4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンを添加してスチレンブタジエンゴムの重合末端を変性させて導入されるシラノール基と反応可能な官能基である請求項1記載のトレッド用ゴム組成物。
  3. 前記スチレンブタジエンゴムの結合スチレン量が15〜45%であり、結合ビニル量が20〜60%である請求項1または2記載のトレッド用ゴム組成物。
  4. 請求項1、2または3記載のトレッド用ゴム組成物をトレッドに用いてなるタイヤ。
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