JP2000025626A - 油圧式パワーステアリング装置 - Google Patents
油圧式パワーステアリング装置Info
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Abstract
リング装置において、ダンパー効果を内燃機関の回転数
に応じて可変にして、車両の低速域における転舵追行性
の改善、高速域における操舵の安定感の向上、シミー現
象やキックバック現象の発生の防止を図る。 【解決手段】 ギヤボックス内の油路切換弁11とパワー
シリンダ6の左右油室とをつなぐ作動油回路8、9にダ
ンパーバルブ10が配設されてなる油圧式パワーステアリ
ング装置1において、ダンパーバルブ10は、スプールバ
ルブからなり、該スプールバルブ10の制御油室21は、内
燃機関により駆動されて作動油を吐出する油圧ポンプ13
と油路切換弁11とをつなぐ作動油供給路18に接続され、
その背圧室17は、油路切換弁11とリザーバタンク12とを
つなぐ作動油還流路19に接続され、各接続油路22、20に
はオリフィス27、28が介設されて、油圧ポンプ13の吐出
油圧が上昇したとき、スプールバルブ10の開度が大きく
なるようにされている。
Description
ブを有する車両用油圧式パワーステアリング装置に関
し、特にダンパ効果を内燃機関の回転数に応じて可変に
して、車両の低速域における転舵追行性の改善と高速域
における操舵の安定感の向上等を図った油圧式パワース
テアリング装置に関する。
アリング装置であって、ギヤボックス内の油路切換弁と
パワーシリンダの左右油室とをつなぐ作動油回路にダン
パーバルブが配設された油圧式パワーステアリング装置
として、実公平2−49109号公報に記載されたもの
がある。
うに、油圧式パワーステアリング装置01のギヤボックス
に収容された油路切換弁011 とパワーシリンダ06の左右
油室とをつなぐ作動油回路08、09に、油路切換弁011 側
から左右油室側へのみ油の流れを許容するチェック弁01
0a、010aと、初期荷重を有し、油室側から油路切換弁01
1 側へのみ油の流れを許容する絞りチェック弁010b、01
0bとが配設されている。そして、これらのチェック弁01
0a、010a、絞りチェック弁010b、010bにより、ダンパー
バルブが構成されている。
源である油圧ポンプ013 は、流量制御弁023 、リリーフ
バルブ024 および固定オリフィス025 を備えていて、こ
れらの協働作用により、その回転数に応じて図4に図示
される特性線図に従う吐出量の作動油を吐出する。
の低速回転数Nに達するまでの低回転数域では、漸次増
大して略一定の高水準に至る量の作動油を吐出し、該回
転数Nを越えると、漸次減少して略一定の低水準に至る
量の作動油を吐出する。油圧ポンプ013 は、図示されな
い内燃機関のクランクシャフトに伝動機構を介して連結
され、内燃機関の回転数と同じ回転数で回転する。
01におけるダンパーバルブは、フリクションが発生する
部位を有しないので、ステアリングハンドルの戻り性能
がよい。また、絞りチェック弁010b、010bは、初期荷重
を有しているので、パワーシリンダ06のピストンロッド
を兼用するラックシャフト04が、タイヤのアンバランス
等に起因して微小振動しようとしても、左右油室側から
油路切換弁011 側への作動油の流れが抑制され、ラック
シャフト04はほとんど移動しないので、ステアリングハ
ンドルが微小振動する、いわゆるシミー現象の発生を防
止することができる。012 はリザーバタンクである。
来のダンパーバルブは、内燃機関の回転数(油圧ポンプ
の回転数)や車速の高低にかかわらず、ダンパ効果が同
じであったため、内燃機関の低回転時や車両の低速時に
はダンパー効果が余り必要でなく、その反対の時にはダ
ンパー効果が必要であるにもかかわらず、そのような必
要の度合いに応じたダンパー効果の調整ができなかっ
た。このため、特に車両の低速域におけるステアリング
ハンドルの転舵追行性(転追性)に改善の余地が残され
ていた。
して、内燃機関の回転数に応じてダンパーバルブのダン
パー効果を可変にして、特に車両の低速域におけるステ
アリングハンドルの転舵追行性を改善するとともに、車
両の高速域における操舵の安定感の向上、シミー現象や
キックバック現象の発生の防止等を同時に可能にした油
圧式パワーステアリング装置を提供することを課題とす
る。
は、前記のような課題を解決した油圧式パワーステアリ
ング装置に係わり、その請求項1に記載された発明は、
ギヤボックス内の油路切換弁とパワーシリンダの左右油
室とをつなぐ作動油回路にダンパーバルブが配設されて
なる油圧式パワーステアリング装置において、前記ダン
パーバルブは、スプールバルブからなり、前記スプール
バルブの制御油室は、内燃機関により駆動されて作動油
を吐出する油圧ポンプと前記油路切換弁とをつなぐ作動
油供給路に接続され、その背圧室は、前記油路切換弁と
リザーバタンクとをつなぐ作動油還流路に接続され、各
接続油路にはオリフィスが介設されて、前記油圧ポンプ
の吐出油圧が上昇したとき、前記スプールバルブの開度
が大きくなるようにされたことを特徴とする油圧式パワ
ーステアリング装置である。
に構成されているので、油路切換弁とパワーシリンダの
左右油室とをつなぐ作動油回路に配設されるダンパーバ
ルブを構成するスプールバルブは、その制御油室が油圧
ポンプと油路切換弁とをつなぐ作動油供給路に接続さ
れ、その背圧室が油路切換弁とリザーバタンクとをつな
ぐ作動油還流路に接続され、内燃機関により駆動されて
作動油を吐出する油圧ポンプの吐出油圧に応じて作動さ
れて、吐出油圧が上昇したとき、その開度が大きくなる
ようにされる。
がって、また、油圧ポンプの回転数が低く、パワーステ
アリングの特性線図に基づき作動油の吐出量が多くなる
とき、ステアリングハンドルが操舵されると、作動油の
吐出圧も上昇するので、ダンパーバルブの開度が開い
て、作動油回路を大きく開通させる。これにより、作動
油が該回路を流れ易くなり、ダンパーバルブのダンパー
効果が弱体化されて、車両の低速域におけるステアリン
グハンドルの転舵追行性が向上し、操舵の軽快感が得ら
れるようになる。
て、また、油圧ポンプの回転数が高く、パワーステアリ
ングの特性線図に基づき作動油の吐出量が少なくなると
き、ステアリングハンドルが操舵されても、作動油の吐
出圧はさほど上昇しないので、ダンパーバルブの開度が
閉じて、作動油回路を小さく開通させる。これにより、
作動油が該回路を流れにくくなり、ダンパーバルブのダ
ンパー効果が発揮されて、車両の高速域におけるステア
リングハンドルの転舵追行性が低下し、中立状態のふら
つき感が減少して、操舵の安定感が得られるようにな
る。
は、その本来のダンパー効果を発揮するので、車輪側か
らパワーシリンダのピストンロッド(ラックシャフト)
を介してステアリングハンドルに伝えられる車両走行中
の微小振動(シミー現象)の発生が抑制される。また、
車輪が石に乗り上げたときなどに、ステアリングハンド
ルが逆転する、いわゆるキックバック現象の発生も抑制
される。これらにより、操舵の快適感が向上する。
の制御油室を作動油供給路に接続する接続油路と、その
背圧室を作動油還流路に接続する接続油路とには、それ
ぞれオリフィスが介設されるので、ダンパーバルブのス
プールの動きが緩慢化され、特に車両の低速域におい
て、ステアリングハンドルが中立位置に戻されるとき、
ダンパー効果が生じないうちに戻すことができ、操舵の
一層の軽快感が得られるようになる。
る本願の請求項1に記載された発明の一実施形態につい
て説明する。図1は、本実施形態における油圧式パワー
ステアリング装置の全体構成図、図2は、図1の油圧式
パワーステアリング装置の概略構成図であって、一部を
切断して示す図、図3は、図2の部分拡大図、図4は、
図1の油圧式パワーステアリング装置における油圧ポン
プの特性線図である。
パワーステアリング装置1は、ラックアンドピニオン式
パワーステアリング装置であって、図示されない車両の
ステアリングハンドルに連結された入力軸2が、ギヤボ
ックス3の切換弁収容部分3a 内において、図示されな
い出力軸(ピニオン軸)とトーションバーを介して連結
されており、該出力軸に形成されたピニオンと噛み合う
ラックを有するラックシャフト4が、ギヤボックス3の
ラックシャフト・パワーシリンダ収容部分3b内に、図
1において左右摺動自在に収容されている。
タイロッド5、5がそれぞれ連結され、その中間部に
は、ラックシャフト・パワーシリンダ収容部分3b 内に
収容されたパワーシリンダ6のピストン7が連結されて
いる。したがって、ラックシャフト4は、ピストン7の
ピストンロッドを兼ねている。
は、油路切換弁11(ロータリーバルブ。図2参照)が収
容されており、該油路切換弁11は、前記したトーション
バーの歪み量、すなわち、入力軸2と出力軸との相対的
な回転量差に応じて開弁して、作動油圧源である油圧ポ
ンプ13から作動油供給路18を経て圧送されてきた作動油
を、左方シリンダ油路8もしくは右方シリンダ油路9を
介してパワーシリンダ6の左右油室の一方に供給し、該
パワーシリンダ6の左右油室の他方から右方シリンダ油
路9もしくは左方シリンダ油路8を経て戻って来た作動
油を、作動油還流路19を介してリザーバタンク12に還流
させる。
伝動機構を介して内燃機関のクランクシャフトに連結さ
れており、該内燃機関の回転数と同じ回転数で回転す
る。そして、図2に概略図示されているように、流量制
御弁23、リリーフバルブ24および固定オリフィス25を備
えていて、これらの協働作用により、その回転数に応じ
て図4に図示される特性線図に従う吐出量の作動油を吐
出する。この特性線図は、従来の油圧ポンプ013 の特性
線図と同じである。
噛み合って、ラックシャフト4が左右動したときには、
該左右動に従って、タイロッド5、5が一体に左右動し
て、左右車輪の転舵を行なうとともに、内燃機関の回転
数に応じて油圧ポンプ13から吐出されて油路切換弁11に
より切換制御された作動油がパワーシリンダ6の左右油
室のいずれかに供給され、ピストン7、ラックシャフト
4およびタイロッド5、5が一体に左右動して、操舵補
助力に基づく左右車輪の重畳的転舵を行なうようになっ
ている。
3a のケーシングには、図1に図示されるように、ダン
パーバルブ10が取り付けられている。このダンパーバル
ブ10は、図2および図3に詳細に図示されるように、ス
プールバルブからなり、油路切換弁11とパワーシリンダ
6の左右油室とをつなぐ左右シリンダ油路(作動油回
路)8、9に跨がって配設されて、これらの油路を同時
に開閉し、ダンパー効果を強弱に調節することができ
る。
てダンパー効果が強化されたとき、車両の走行中、車輪
からの振動がパワーシリンダ6に伝わったとしても、ピ
ストン7およびラックシャフト4の左右動が抑制される
ので、該振動がラックシャフト4を介して図示されない
ステアリングハンドルに伝達するのを抑制することがで
きる。これにより、ステアリングハンドルが微小振動す
るシミー現象の発生を防止することができる。
ステアリングハンドルが逆転する、いわゆるキックバッ
ク現象の発生も、同様の理由により防止することができ
る。これらにより、操舵の快適感が向上する。以上のよ
うなダンパーバルブ10のダンパー効果は、後述されると
おり、内燃機関の回転数に応じて可変にされる。
用、本実施形態の効果について説明する。ダンパーバル
ブ10は、図3により良く図示されるように、バルブケー
シング(スリーブ)26のスプール収納孔16内にスプール
14がスプリング15により一方向(図3において左方向)
に付勢されて収納されており、その中央のランド部14a
の両側には、環状のU字溝14b 、14c がそれぞれ形成さ
れている。
シリンダ油路8、9がスプール収納孔16に開口するポー
ト部分8a 、9a と接離して、これらのポート部分8a
、9a と重なり合う度合いに応じて、これらの油路
8、9の開通の度合いを調節する。
動油圧が供給される制御油室21は、スプール収納孔16の
図3において左方端側に形成されていて、油路22、供給
路18を介して油圧ポンプ13の吐出側に接続されている。
スプリング15が収容されたスプール収納孔16の右方端側
の背圧室17は、油路20、還流路19を介してリザーバタン
ク12に接続されている。そして、バルブケーシング26に
近く、油路22、20の途中には、固定オリフィス27、28が
それぞれ介設されている。
くて、油圧ポンプ13の回転数も図4の特性線図のNより
低く、作動油の吐出量が比較的多いとき、ステアリング
ハンドルが操舵されると、油路切換弁11には絞り作用が
生じて作動油の吐出圧が上昇するので、ダンパーバルブ
10の制御油室21には作動油の高圧が作用して、スプール
14をスプリング15の付勢力に打ち勝って図2において右
方に移動させる。
、14c が左右シリンダ油路8、9のポート部分8a 、
9a とより多く重なり合う方向に移動するので、左右シ
リンダ油路8、9がより大きく開通されて(ダンパーバ
ルブ10の開度大)、作動油がこれらの油路を流れ易くな
り、ダンパーバルブ10のダンパ効果が弱体化される。
果が弱体化されると、ラックシャフト4の左右動は円滑
に行なわれるので、ステアリングハンドルの操舵が軽快
となり、転舵がし易くなって、その転舵追行性が向上す
る。のみならず、ステアリングハンドルの戻りの追行性
も向上するので、操舵の軽快感が得られるようになる。
このようにして、通常のパワーアシストがなされる。
操作のとき、ダンパーバルブ10のスプール14の動きは、
オリフィス27、28の作用により緩慢にされているので、
ダンパーバルブ10がダンパー効果を発揮し始める前に、
ステアリングハンドルを中立位置に迅速に戻すことがで
きて、操舵のより一層の軽快感が得られる。
パワーシリンダ6に伝えられる車両走行中の微小振動
は、ラックシャフト4の左右動を介してステアリングハ
ンドルにわずかに伝達され、シミー現象が発生するが、
内燃機関が低速回転しているので、何等問題は生じな
い。
ンプ13の回転数も図4の特性線図のNより高く、作動油
の吐出量が比較的少ないとき、ステアリングハンドルが
操舵されて油路切換弁11に絞り作用が生じたとしても、
作動油の吐出圧はさほど上昇しないので、ダンパーバル
ブ10の制御油室21には作動油の低圧が作用して、スプー
ル14をスプリング15の付勢力により図2において左方に
移動させる。
、14c が左右シリンダ油路8、9のポート部分8a 、
9a から離れる方向に移動するので、左右シリンダ油路
8、9が絞られて(ダンパーバルブ10の開度小)、作動
油がこれらの油路を流れにくくなり、ダンパーバルブ10
のダンパ効果が強化される。
果が強化されると、ラックシャフト4の左右動は円滑に
行なわれなくなるので、ステアリングハンドルの操舵が
重くなり、転舵がしにくくなって、その転舵追行性が低
下する。これにより、車両の高速における中立位置のふ
らつき感が減少して、操舵の安定感が得られるようにな
る。
の本来のダンパー効果を発揮するので、図示されない車
輪側からラックシャフト4を介してステアリングハンド
ルに伝えられる車両走行中の微小振動(シミー現象)の
発生が抑制される。また、車輪が石に乗り上げたときな
どに、ステアリングハンドルが逆転するキックバック現
象の発生も、同様の理由により、抑制される。これらに
より、操舵の快適感が向上する。
は、ギヤボックス3の切換弁収容部分3a のケーシング
に取り付けられたが、これに限定されず、切換弁収容部
分3a 内の油路切換弁11とパワーシリンダ6の左右油室
とをつなぐ作動油回路8、9中であって、レイアウト上
可能な個所に取り付けられればよい。
における油圧式パワーステアリング装置の全体構成図で
ある。
成図であって、一部を切断して示す図である。
油圧ポンプの特性線図である。
ギヤボックス、3a …切換弁収容部分、3b …ラックシ
ャフト・パワーシリンダ収容部分、4…ラックシャフ
ト、5…タイロッド、6…パワーシリンダ、7…ピスト
ン、8…左方シリンダ油路、8a …ポート部分、9…右
方シリンダ油路、9a …ポート部分、10…ダンパーバル
ブ、11…油路切換弁(ロータリーバルブ)、12…リザー
バタンク、13…油圧ポンプ、14…スプール、14a …ラン
ド部、14b 、14c …環状U字溝、15…スプリング、16…
スプール収納孔、17…スプリング収容背圧室、18…作動
油供給路、19…作動油還流路、20…油路、21…制御油
室、22…油路、23…流量制御弁、24…リリーフバルブ、
25…固定オリフィス、26…バルブケーシング(スリー
ブ)、27、28…固定オリフィス。
Claims (1)
- 【請求項1】 ギヤボックス内の油路切換弁とパワーシ
リンダの左右油室とをつなぐ作動油回路にダンパーバル
ブが配設されてなる油圧式パワーステアリング装置にお
いて、 前記ダンパーバルブは、スプールバルブからなり、 前記スプールバルブの制御油室は、内燃機関により駆動
されて作動油を吐出する油圧ポンプと前記油路切換弁と
をつなぐ作動油供給路に接続され、その背圧室は、前記
油路切換弁とリザーバタンクとをつなぐ作動油還流路に
接続され、各接続油路には、オリフィスが介設されて、
前記油圧ポンプの吐出油圧が上昇したとき、前記スプー
ルバルブの開度が大きくなるようにされたことを特徴と
する油圧式パワーステアリング装置。
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