JP2000023619A - 生鮮食品の鮮度維持方法 - Google Patents

生鮮食品の鮮度維持方法

Info

Publication number
JP2000023619A
JP2000023619A JP20718698A JP20718698A JP2000023619A JP 2000023619 A JP2000023619 A JP 2000023619A JP 20718698 A JP20718698 A JP 20718698A JP 20718698 A JP20718698 A JP 20718698A JP 2000023619 A JP2000023619 A JP 2000023619A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
washing
electrolyzed
freshness
ppm
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP20718698A
Other languages
English (en)
Inventor
Makoto Kato
良 加藤
Kiyoshi Suzuki
潔 鈴木
Toyohiko Doi
豊彦 土井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Morinaga Engineering Co Ltd
Morinaga Milk Industry Co Ltd
Original Assignee
Morinaga Engineering Co Ltd
Morinaga Milk Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Morinaga Engineering Co Ltd, Morinaga Milk Industry Co Ltd filed Critical Morinaga Engineering Co Ltd
Priority to JP20718698A priority Critical patent/JP2000023619A/ja
Publication of JP2000023619A publication Critical patent/JP2000023619A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 薬品臭がなく、洗浄前と実施的に同等の鮮度
を長期に渡って維持でき、しかも洗浄後に水洗の必要が
ない生鮮食品の鮮度維持方法を提供すること。 【解決手段】 ナトリウムイオン濃度が200ppm以
下、及びpHが4.5〜6.8の範囲の電解水を使用し
て生鮮食品を洗浄することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生鮮食品の鮮度維
持方法に関する。更に詳しくは、本発明は、ナトリウム
イオン濃度が200ppm以下、及びpHが4.5〜
6.8の範囲の電解水を使用して、生鮮食品を洗浄する
ことを特徴とする生鮮食品の鮮度維持方法に関する。
【0002】
【従来の技術】最近、大腸菌O−157による食中毒に
起因する死者が続出し、学校給食では、生鮮食品、特に
野菜、果実等を生のまま児童に給与することが問題にな
っている。生鮮食品は、特に日持ちがしない食品である
から、鮮度維持に細心の注意を払う必要があり、油断を
すれば思わぬ事故に直結する危険がある。従って、鮮度
を維持するために、生鮮食品を十分に洗浄することが行
われている。
【0003】この場合、従来は、生鮮食品を水道水によ
り洗浄するか、洗剤で洗浄するか、又は次亜塩素酸ナト
リウムを溶解した溶液(以下、薬品水と記載することが
ある。)により洗浄し、更に水道水で洗浄するか、のい
ずれかにより洗浄処理し、生食に供されていた。
【0004】しかしながら、水道水により洗浄する方法
では、生鮮食品に付着している細菌を十分除去すること
ができず(防菌防黴、第3巻、第9号、第1〜10ペー
ジ、1975年)、洗剤により洗浄する方法では、洗剤
が生鮮食品に残留することが知られており(防菌防黴、
第5巻、第1号、第9〜14ページ、1977年:油化
学、第34巻、第3号、第161〜170ページ、19
85年)、薬品水を使用した場合、生鮮食品に薬品臭が
残存するので、二次的に水洗しなければならないという
問題点があった。
【0005】このような点を改善するために、酸性電解
水を生鮮食品の洗浄、殺菌に使用する試みがなされてい
る[食品と開発、第31巻、第11号、第9〜25ペー
ジ、1996年:レポー・オブ・ザ・スカイラーク・フ
ード・インスティチュート(Report of the Skylark Foo
d Science Institute)、第2号、第31〜35ページ、
1993年及び同第3号、第35〜45ページ、199
4年:食品加工技術、第15巻、第2号、第7〜16ペ
ージ、1995年:山形県食品加工研究会及び山形県食
品産業協議会、「平成6年度成果報告書」、第20〜3
5ページ、平成6年]。
【0006】従来の電解水は、例えば、特開平1−18
0293号に開示された技術(以下、従来技術1と記載
する。)により製造されるものであり、この技術におい
ては、食塩を添加した水を隔膜付きの電解槽に通水し、
これを電気分解し、陽極側に生成する強酸性水を電解水
として取得するものである。この電解水のpHは1.5
以上3.2以下であり、単なる低pH液に比して殺菌効
果が高いとされている。
【0007】また、特許第2627100号に開示され
た技術(以下従来技術2と記載する。)によって製造さ
れる電解水は、塩化ナトリウムを添加した水と、塩酸を
添加した水とを混合し、これを無隔膜電解槽によって電
気分解して得られるものであり、この塩化ナトリウムを
添加した水は、電解する際の電解効率を上げるために不
可欠の添加物とされている。
【0008】これら従来の電解水は、例えば、薬品水に
比して、低塩素濃度であっても殺菌等の効果が高く、ま
た、毎回使用する度に細かい濃度調整を行なう必要がな
い点において優れている。
【0009】また、以上の従来技術1又は2に開示され
た電解水は、いずれも塩化ナトリウムを添加した水を電
気分解して得られるものであり、このような塩化ナトリ
ウムの添加は、電解する際の効率を上げるために不可欠
なものとされている。
【0010】結局、従来、生鮮食品の洗浄に関しては、
塩化ナトリウムを添加した酸性電解水を使用して生鮮食
品を洗浄した報告は存在するが、塩化ナトリウムを添加
しない電解水について検討した報告は皆無である。ま
た、電解水による洗浄に関しては、電解水の殺菌効果に
ついて検討した報告は存在しているが、鮮度維持の効果
については報告されていない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】前記従来の酸性電解水
を、生鮮食品の洗浄に使用した場合には、次のような問
題点があった。
【0012】即ち、前記従来技術1は、有隔膜電解槽を
使用する方法であるため処理能力が低く、特に生鮮食品
の洗浄のように、電解水を大量に消費する用途に使用す
るには能力が不足する問題があった。
【0013】また、前記従来技術1により製造された電
解水は、pH1.5以上3.2以下の強酸性水であるた
め、手指に長時間接触することは好ましくなく、また、
特に葉菜を長時間浸漬すると黄変するという問題もあ
り、総じて、生鮮食品の洗浄に使用するには問題があっ
た。
【0014】更に、前記従来技術1及び2により製造さ
れた電解水は、いずれも食塩を含有しているので、生鮮
食品を洗浄した後には、必ず水洗する必要があった。即
ち、前記従来技術1及び2により製造された電解水は、
乾燥すると食塩が固体として析出し、このような食塩の
結晶は、清掃除去することが困難であった。従って、生
鮮食品を洗浄した後には、早急に、使用した器具類を水
洗する必要があったのである。このために、作業性が悪
く、水も無駄に消費する結果となっており、前記薬品水
により洗浄した場合と大差がない結果となっていた。
【0015】結局、従来の電解水を生鮮食品の洗浄に使
用することは、解決しなければならない問題が多数存在
したのである。
【0016】本発明者らは、二次洗浄の必要がない生鮮
食品の洗浄について、鋭意研究を行った結果、実質的に
食塩を添加しない電解水を用いて生鮮食品を洗浄するこ
とにより、生鮮食品の鮮度を長期に渡って維持できると
ともに、洗浄後に食塩結晶の析出を防止できることを見
い出し、本発明を完成した。
【0017】本発明の目的は、洗浄前と実質的に同等の
鮮度を長期に渡って維持でき、洗浄後に水洗の必要がな
く、しかも安全かつ安価に実施できる生鮮食品の鮮度維
持方法を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決する本発
明は、ナトリウムイオン濃度が200ppm以下、及び
pHが4.5〜6.8の範囲の電解水を使用して生鮮食
品を洗浄することを特徴とする生鮮食品の鮮度維持方
法、であり、電解水が、実質的に塩化ナトリウムを添加
しない水に塩酸を添加して塩酸添加水を調製し、調製し
た塩酸添加水を無隔膜電解槽に通水し、通水した塩酸添
加水を電気分解し、得られた電気分解液を希釈して得ら
れること、を望ましい態様としてもいる。
【0019】
【発明の実施の形態】次に本発明について詳細に説明す
る。
【0020】本発明の鮮度維持方法は、電解水により生
鮮食品を洗浄することを特徴とするものであるが、前記
従来技術1又は2とは異なる電解水、即ち、ナトリウム
イオン濃度が、一般的な上水の水質基準である200p
pm以下、より好ましくは50ppm以下の電解水を使
用することを一つの特徴としている。
【0021】従来の電解水は、水を電気分解して得られ
るものであるが、電解効率を増加させるために塩化ナト
リウムを添加することが常識であった。即ち、ナトリウ
ムイオン濃度が200ppm以下の電解水を、生鮮食品
の鮮度維持に使用するという着想は従来知られていなか
ったものである。また、本発明の鮮度維持方法において
使用する電解水は、pH値が4.5〜6.8である中性
付近であることを他の一つの特徴としている。
【0022】従って、本発明の方法において使用する電
解水は、自然の水と同様に取り扱うことが可能であり、
生鮮食品に何ら悪影響を与えることがなく、生鮮食品の
鮮度を維持するために特に好適なのである。また、この
電解水は、前記従来技術1又は2の電解水に比して、殺
菌作用も強力であるため、長時間貯留した場合であって
も、細菌が増殖することが困難である。
【0023】このような電解水を用いて、生鮮食品、例
えば、野菜、果実等、を洗浄するが、洗浄は、通常の洗
浄方法と同様であり、手作業又は機械(例えば、野菜洗
浄機等)により行われ、特別の手段を講じる必要はな
い。例えば、野菜、果実を野菜洗浄機を用いて洗浄する
場合、野菜洗浄機に野菜、果実を入れ[望ましくは葉野
菜では洗浄槽の1/30(w/v)以下]、連続的に電
解水を供給し、洗浄を行う。また、手作業で行う場合。
バケツ、タンク等に電解水を入れ、野菜、果実を浸漬す
るか、又はバケツ、タンク等に電解水を連続的に供給す
るか、いずれかにより洗浄を行うことができる。
【0024】本発明の方法において使用する電解水は、
洗浄後短時間内に塩素が消失するので、2次的な水洗を
必要としない利点があり、比較的高温度において洗浄が
行われるにもかかわらず、生鮮食品の鮮度に悪影響を及
ぼすことがなく、洗浄前とほぼ同等の鮮度を、長期間維
持することができるのである。
【0025】また、有効塩素が低濃度であるため、洗浄
後の生鮮食品に薬品臭がなく、手作業により生鮮食品を
洗浄した場合も、作業員の手指に悪い影響を与えない。
【0026】更に、この電解水は、塩化ナトリウムを添
加しない電解水であるから、仮に蒸発したとしても食塩
が析出することはない。従って、生鮮食品を電解水によ
り洗浄した後に、使用した器具類を水洗する必要がない
のである。
【0027】以上のように、本発明は、極めて有効な生
鮮食品の鮮度維持方法である。
【0028】本発明において使用する電解水は、公知の
方法(例えば、食品機械装置、第34巻、第1号、第9
7〜102ページ、1997年)により製造することが
できる。
【0029】例えば、まず、水に塩酸を添加し、塩酸添
加水を調製する。ここに「水」とは、水道水、地下水、
伏流水、脱塩水、蒸留水、精製水(例えば、RO水、膜
処理水等)、これらの混合水等である。「実質的に塩化
ナトリウムを添加しない」とは、人為的に塩化ナトリウ
ムを添加しないという意味であり、前記「水」に自然に
含有されている塩化ナトリウム成分は考慮しない。尚、
本発明においては、塩化ナトリウムのみならず、全般的
にアルカリ金属塩化物は添加しないことが望ましい。
【0030】調製した塩酸添加水を無隔膜電解槽に通水
し、電気分解し、電気分解液を取得する。無隔膜電解槽
であるため、電気分解した後に陰極水及び陽極水が分離
されることがなく、一括して電気分解液として取得する
ことができる。従って、電解水の大量製造が可能である
ため大規模な水洗に利用することが可能である。得られ
た電気分解液を希釈すれば、電解水を得ることができ
る。
【0031】この電解水には、当然のことながら塩化ナ
トリウムは全く添加されておらず、換言すれば、ナトリ
ウムイオン濃度が、前記「水」に含有されていたナトリ
ウムイオン濃度を越えることがなく、総じてナトリウム
イオン濃度が200ppm以下となるのである。このよ
うな電解水は、従来の一般的な電解水に比して、より自
然水に近い物性を有している。
【0032】以上の操作を実施する電解水製造手段とし
て、市販の電解水製造装置であるピュアスタ−(商標。
森永エンジニアリング社製、以下同じ。)を例示するこ
とができる。この装置に、21重量%(以下、特に断り
のない限り同じ。)又は3%の塩酸を貯留したタンクを
設置し、前者の場合は21%の塩酸と水とを混合して無
隔膜電解槽に通水し、後者の場合には3%の塩酸のみを
無隔膜電解槽に通水し、連続的に電気分解し、電気分解
液を製造することが可能である。得られた電気分解液を
水により希釈して、電解水を得ることができる。
【0033】尚、本発明の方法においては、生鮮食品を
洗浄する際には、pHを4.5〜6.8、望ましくは
5.0〜6.5に、有効塩素濃度を3〜30ppmに調
節することが望ましいが、特に野菜、果実の鮮度維持の
場合には、pHを6±0.5、有効塩素濃度を10〜2
0ppmに調製するのが望ましい。
【0034】本発明の鮮度維持方法により処理された生
鮮野菜は、次のa)〜d)、 a)細菌の残存率が5%以下であること b)薬品臭がないこと c)洗浄前と実質的に同一の鮮度を長期に渡って維持し
ていること d)良好な風味及び食感を有すること の性状を有している。従って、本発明の方法は、学校給
食、院内給食等にも安全に使用し得るのである。
【0035】次に試験例を示して本発明を詳細に説明す
る。試験例1この試験は、本発明の鮮度維持効果を確認
するために行った。
【0036】1)試料の調製 電解水 液温を16℃に調整したことを除き、後記実施例1と同
一の方法により製造した電解水を使用した。 生鮮食品 生鮮食品としてイチゴ(栃木県産。女蜂、Mサイズ)を
使用した。へた付きのイチゴ35個を前記電解水に10
分間浸漬し、10℃の冷蔵庫で保管し、試験試料とし
た。同様に、へた付きのイチゴ35個を水道水で処理し
たもの、及び無処理のものを、同一の冷蔵庫に保管して
対照試料1及び2とした。
【0037】2)試験方法 冷蔵7日目の各試料を肉眼により色調、組織、カビの繁
殖等を観察し、鮮度の状態を次の基準により判定した。 良 :保存前とほぼ同等 可 :保存前よりも若干変化しているが生食可能 やや不良 :生食不可能 不良 :腐敗 カビの繁殖:カビの繁殖が認められる
【0038】3)試験結果 この試験の結果は、表1に示すとおりある。即ち、試験
試料は、35個のイチゴのうち11個が保存前と全く同
一の状態であり、完全に鮮度が維持されていた。これに
対し、対照試料1及び2では、保存前と全く同一の状態
であったものは、35個のうち僅か3個及び1個であ
り、しかも対照試料2では、2個にはカビが繁殖してい
た。この試験により、本発明の方法によれば生鮮食品の
鮮度を有効に維持できることが判明した。尚、イチゴ以
外の生鮮食品についても同様の試験を行ったが、ほぼ同
様の結果が得られた。
【0039】
【表1】
【0040】試験例2 この試験は、本発明の方法の風味及び食感に対する鮮度
維持効果を調べるために行った。
【0041】1)試料の調製 電解水 有効塩素濃度17ppm、pH6.28、及び液温36
℃に調整したことを除き、後記実施例1と同一の方法に
より電解水を調製した。。 薬品水 次亜塩素酸ナトリウム(理工協産社製)214ppm溶
液(pH8.44)の液温を20℃に調整した。 生鮮食品 生鮮食品としてレタス(香川県産。A又はAAグレー
ド)約19kg(3ケース)を使用した。
【0042】2)試験方法 前記レタス4kgを無作為に採取し、野菜洗浄機(ショ
ウワ洗浄機社製。ES1−127型)を用いて、の電
解水により15分間洗浄した。洗浄後のレタスを10℃
で7日間冷蔵した後、試験試料とした。また、同様に、
レタス4kgを無作為に採取し、前記野菜洗浄機を用い
て、の薬品水を用いて洗浄し、更に水道水で5分間水
洗した後、同様に10℃で7日間冷蔵した後、対照試料
1とした。更に、何も処理しないレタスを10℃で7日
間冷蔵し、対照試料2とした。 a.風味試験 前記試験試料及び対照試料1について、男女各20名の
パネラーにより官能検査を行い、それらの風味を試験し
た。 b.食感試験 直径9cmのシャーレに、各試料から採取した葉を10
枚積層し、レオメーター(サン科学社製。Model:
compac−100)を用い、mode20作動距離
20mm、及びmode1加重量0.5kgの条件によ
り測定し、食感を試験した。
【0043】3)試験結果 a.風味試験 風味試験の結果、試験試料(電解水洗浄)を好むと解答
したパネラーが22名、対照試料1(薬品水洗浄)を好
むと解答したパネラーが12名、どちらともいえないと
解答したパネラーが6名であり、対照試料1よりも、試
験試料を好むと解答したパネラーが約2培であった。こ
の結果から、本発明の方法により洗浄した野菜は、薬品
水により洗浄した野菜よりも、保存後の風味が優れてい
ることが判明した。 b.食感試験 この試験の結果は、次に示すとおりであった。即ち、m
ode20については、20mmの作動距離を確保でき
る負荷加重は、試験試料(電解水処理)は82gであ
り、対照試料1(薬品水処理)は98gであり、対照試
料2(無処理)は、103gであった。また、mode
1については、加重量0.5kgにおける動作距離は、
試験試料(電解水処理)は13.7mmであり、対照試
料1(薬品水処理)は11.5mmであり、対照試料2
(無処理)は、10.9mmであった。
【0044】この結果から明らかなとおり、両モードに
よる測定値は、双方ともに試験試料が対照試料1又は2
よりも弾力性を保持していることを示していた。従っ
て、本発明の方法による洗浄は、保存中にも、野菜が有
する本来の性状を喪失させないことが判明した。
【0045】以上の試験の結果、本発明の鮮度維持方法
によれば、何の処理も施さない場合、又は薬品水を用い
て洗浄した場合に比して、鮮度維持効果が顕著に大きい
ことが確認された。
【0046】尚、レタス以外の生鮮食品についても同様
の試験を行ったが、ほぼ同様の結果が得られた。
【0047】試験例3 この試験は、本発明の電解水と、前記従来技術1及び2
による電解水とについて、食塩の析出程度を比較するた
めに行った。
【0048】1)試料の調製 前記試験例1と同一の電解水を本発明の試験試料とし
た。また、前記従来技術1を模して隔膜付きの回分式電
解槽を試作し、食塩を1g/l添加した食塩添加水を電
気分解して、陽極側に生成した水を採取し、pH2.
1、有効塩素濃度30ppmの電解水を製造し、これを
対照試料1とした。また、前記従来技術2を模して回分
式の無隔膜電解槽を試作し、食塩を1g/l添加した塩
酸添加水を貯留し、電解することによりpH5.8、有
効塩素濃度30ppmの電解水を製造し、これを対照試
料2とした。
【0049】2)試験方法 後記実施例1の野菜洗浄機(ショウワ洗浄機社製。ES
1−127型)に試料を貯留し、常法どおりキャベツ
(千葉県産。Mサイズ)を10分間洗浄した後、排水
し、そのまま乾燥させ、野菜洗浄機の内面の様子を肉眼
で観察した。この観察を、各試料について行った。
【0050】3)試験結果 この試験の結果は次に示すとおりであった。即ち、試験
試料を使用して洗浄した後には、食塩の結晶は一切見ら
れなかったのに対し、対照試料1及び2を使用して洗浄
した後には、野菜洗浄機の内壁面の底部に微小な斑点状
に食塩が析出していた。また、野菜洗浄機の上面の縁部
にも食塩が析出していた。
【0051】この結果により、本発明の鮮度維持方法で
あれば、電解水による洗浄の後に、使用した機器類を水
洗する必要がなく、従来の電解水を用いた場合に比し
て、作業性が極めて良好であり、節水も可能であること
が判明した。
【0052】尚、電解水の有効塩素濃度、pH、対照試
料1及び2の食塩濃度等を種々変更して同様の試験を行
ったが、ほぼ同様の結果が得られた。
【0053】
【実施例】次に実施例を示して本発明を更に詳細に説明
するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではな
い。
【0054】実施例1 プレート熱交換器(森永エンジニアリング社製)を用い
て加温した水道水量毎時1.2m3 、電解液流量毎時
1.8l、21%塩酸流量毎時125ml、及び電流1
5アンペアーの条件でピュアスター(森永エンジニアリ
ング社製)を運転し、有効塩素濃度14ppm、pH
6.2、液温30℃の電解水を連続的に製造した。
【0055】この電解水を用い、キャベツ(千葉県産。
Mサイズ)を野菜洗浄機(ショウワ洗浄機社製。ES1
−127型)により10分間洗浄した。
【0056】洗浄したキャベツについて、試験例2と同
一の方法により鮮度維持効果を試験した結果、鮮度が有
効に維持されていることが確認された。
【0057】実施例2 プレート熱交換器(森永エンジニアリング社製)を用い
て加温した水道水量毎時1.2m3 、電解液流量毎時
1.2l、21%塩酸流量毎時200ml、及び電流2
0アンペアーの条件でピュアスター(森永エンジニアリ
ング社製)を運転し、有効塩素濃度19ppm、pH
5.72、液温30℃の電解水を連続的に製造した。
【0058】この電解水を用い、キャベツ(千葉県産。
Mサイズ)を野菜洗浄機(ショウワ洗浄機社製。ES1
−127型)により10分間洗浄した。
【0059】洗浄したキャベツについて、試験例2と同
一の方法により鮮度維持効果を試験した結果、鮮度が有
効に維持されていることが確認された。
【0060】実施例3 プレート熱交換器(森永エンジニアリング社製)を用い
て加温した水道水量毎時1.2m3 、電解液流量毎時
1.8l、21%塩酸流量毎時100ml、及び電流9
アンペアーの条件でピュアスター(森永エンジニアリン
グ社製)を運転し、有効塩素濃度10.0ppm、pH
6.5、液温35℃の電解水を連続的に製造した。
【0061】この電解水を用い、レタス(熊本県産。L
サイズ)を野菜洗浄機(ショウワ洗浄機社製。ES1−
127型)により10分間洗浄した。
【0062】洗浄したレタスについて、試験例2と同一
の方法により鮮度維持効果を試験した結果、鮮度が有効
に維持されていることが確認された。
【0063】実施例4 プレート熱交換器(森永エンジニアリング社製)を用い
て加温した水道水量毎時1.2m3 、電解液流量毎時3
l、21%塩酸流量毎時85ml、及び電流7アンペア
ーの条件でピュアスター(森永エンジニアリング社製)
を運転し、有効塩素濃度7.0ppm、pH6.6、液
温40℃の電解水を連続的に製造した。
【0064】この電解水を用い、イチゴ(栃木県産。女
峯Mサイズ)を野菜洗浄機(ショウワ洗浄機社製。ES
1−127型)に入れ洗浄機を運転せずに電解水のみ連
続的に供給し10分間浸漬処理した。
【0065】洗浄したイチゴについて、試験例1と同一
の方法により鮮度維持効果を試験した結果、鮮度が有効
に維持されていることが確認された。
【0066】実施例5 水道水量毎時1.2m3 、電解液流量毎時1.0l、2
1%塩酸流量毎時203ml、及び電流22アンペアー
の条件でピュアスター(森永エンジニアリング社製)を
運転し、有効塩素濃度25ppm、pH5.5、液温1
7℃の電解水を連続的に製造し、500l容のタンク
(安田製作所製)に入れて40℃に加温し、のち野菜洗
浄機(ショウワ洗浄機社製。ES1−127型)に連続
的に供給し、葉を除去した大根(群馬県産。Mサイズ)
を10分間洗浄した。
【0067】洗浄した大根について、試験例1と同一の
方法により鮮度維持効果を試験した結果、鮮度が有効に
維持されていることが確認された。
【0068】実施例6 プレート熱交換器(森永エンジニアリング社製)を用い
て加温した水道水量毎時1.2m3 、電解液流量毎時
0.6l、21%塩酸流量毎時120ml、及び電流1
1アンペアーの条件でピュアスター(森永エンジニアリ
ング社製)を運転し、有効塩素濃度20ppm、pH
6.0、液温40℃の電解水を連続的に製造した。
【0069】この電解水を用い、ニンジン(千葉県産。
LLサイズ)を不織布を用いて水道水中で擦り洗いを行
い、葉を除去し、野菜洗浄機(ショウワ洗浄機社製。E
S1−127型)に入れて洗浄機で10分間洗浄した。
【0070】洗浄したニンジンについて、試験例1と同
一の方法により鮮度維持効果を試験した結果、鮮度が有
効に維持されていることが確認された。
【0071】
【発明の効果】以上詳細に説明したとおり、本発明は、
薬品臭がなく、洗浄前と実施的に同等の鮮度を長期に渡
って維持できる鮮度維持方法であり、本発明により奏せ
られる効果は、次のとおりである。 1)薬品臭がなく、洗浄前と実施的に同等の鮮度を長期
に渡って維持できる。 2)生鮮野菜の洗浄が一度にでき、水洗が不要となるの
で、省力化に有効である。 3)衛生面、食感及び風味の面から極めて優れた殺菌生
鮮食品が得られる。 4)低塩素濃度、中性のpHであるから、調理人の手指
の損傷がない。 5)電解水による洗浄の後に、使用した機器類を水洗す
る必要がなく、作業性が良いとともに、節水が可能であ
る。
フロントページの続き (72)発明者 鈴木 潔 神奈川県座間市東原5−1−83 森永乳業 株式会社分析センタ−内 (72)発明者 土井 豊彦 東京都東大和市立野4−515 森永乳業株 式会社装置開発研究所内 Fターム(参考) 4B021 LA41 LP10 LW02 MC01 MK08 MP03 MP10 4B061 AA07 AA08 BA01 CA40 4B069 AA04 HA02 HA06 HA09 KA01 KB01 KB10 KC11

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ナトリウムイオン濃度が200ppm以
    下、及びpHが4.5〜6.8の範囲の電解水を使用し
    て生鮮食品を洗浄することを特徴とする生鮮食品の鮮度
    維持方法。
  2. 【請求項2】 電解水が、実質的に塩化ナトリウムを添
    加しない水に塩酸を添加して塩酸添加水を調製し、調製
    した塩酸添加水を無隔膜電解槽に通水し、通水した塩酸
    添加水を電気分解し、得られた電気分解液を希釈して得
    られる請求項1に記載の生鮮食品の鮮度維持方法。
JP20718698A 1998-07-07 1998-07-07 生鮮食品の鮮度維持方法 Pending JP2000023619A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20718698A JP2000023619A (ja) 1998-07-07 1998-07-07 生鮮食品の鮮度維持方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20718698A JP2000023619A (ja) 1998-07-07 1998-07-07 生鮮食品の鮮度維持方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000023619A true JP2000023619A (ja) 2000-01-25

Family

ID=16535680

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP20718698A Pending JP2000023619A (ja) 1998-07-07 1998-07-07 生鮮食品の鮮度維持方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000023619A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009178072A (ja) * 2008-01-30 2009-08-13 Morinaga Milk Ind Co Ltd 果物又は野菜入り発酵乳の製造方法および発酵乳食品
JP2009179582A (ja) * 2008-01-30 2009-08-13 Morinaga Milk Ind Co Ltd 殺菌補助剤及び電解水組成物
JP2009202895A (ja) * 2008-02-27 2009-09-10 Morinaga Milk Ind Co Ltd 殺菌済原料の貯蔵方法、殺菌済原料における汚染の検出方法及び殺菌済原料貯蔵システム
JP2013162778A (ja) * 2012-01-10 2013-08-22 Bisansei Denkaisui Kenkyusho:Kk 食品原材料の殺菌方法および加工方法

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009178072A (ja) * 2008-01-30 2009-08-13 Morinaga Milk Ind Co Ltd 果物又は野菜入り発酵乳の製造方法および発酵乳食品
JP2009179582A (ja) * 2008-01-30 2009-08-13 Morinaga Milk Ind Co Ltd 殺菌補助剤及び電解水組成物
JP2009202895A (ja) * 2008-02-27 2009-09-10 Morinaga Milk Ind Co Ltd 殺菌済原料の貯蔵方法、殺菌済原料における汚染の検出方法及び殺菌済原料貯蔵システム
JP2013162778A (ja) * 2012-01-10 2013-08-22 Bisansei Denkaisui Kenkyusho:Kk 食品原材料の殺菌方法および加工方法
JP2015133996A (ja) * 2012-01-10 2015-07-27 株式会社微酸性電解水研究所 食品原材料の殺菌方法および加工方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US3814820A (en) Fruit and vegetable contact with chlorine containing biocides and discoloration inhibitors
RU2469537C2 (ru) Электрохимическое устройство для биоцидных обработок в сельскохозяйственных применениях
Fallanaj et al. Salt addition improves the control of citrus postharvest diseases using electrolysis with conductive diamond electrodes
WO2001066682A1 (fr) Solution de nettoyage, et procede et appareil de nettoyage utilisant cette solution
JP2000023619A (ja) 生鮮食品の鮮度維持方法
Gómez-López et al. Reduction of microbial load and sensory evaluation of minimally processed vegetables treated with chlorine dioxide and electrolysed water.
JP5155466B1 (ja) 米飯の製造方法
JP4945820B1 (ja) 植物由来の加工食品の製造方法および保存方法
JP3349810B2 (ja) 食材殺菌および鮮度維持装置およびその方法
ACHIWA et al. Efficacy of electrolyzed acidic water for disinfection and quality maintenance of fresh-cut cabbage
JPH1066553A (ja) 農産物の洗浄水及び洗浄方法
JP2000312576A (ja) 野菜および果実類の洗浄処理方法
JP2000166524A (ja) 生鮮食品の洗浄殺菌装置及び洗浄殺菌方法
JP3953730B2 (ja) 海洋深層水を電気分解して得られる弱アルカリ水溶液を利用した調味液および漬物
JP4881888B2 (ja) 果物又は野菜入り発酵乳の製造方法および発酵乳食品
JPH10286081A (ja) 殺菌生鮮食品及び殺菌方法
JP4117183B2 (ja) 炊飯米又は加熱処理工程を含む米加工品の殺菌方法
JPH06237747A (ja) 殺菌用処理液の製造方法および製造装置
JP2013042757A (ja) 食品原材料の製造装置および加工食品
JP3657903B2 (ja) 青果物の殺菌処理方法
JPH11197664A (ja) 梅干加工の合理化と排水浄化
JP4212758B2 (ja) 発芽種子の製造方法、及び発芽種子
JP6469820B2 (ja) 天然植物性殺菌剤及びその製造方法
RU2245079C1 (ru) Способ приготовления зернистой рыбной икры
JPH1056956A (ja) 食材の処理方法