JP2000312576A - 野菜および果実類の洗浄処理方法 - Google Patents

野菜および果実類の洗浄処理方法

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JP2000312576A
JP2000312576A JP11122458A JP12245899A JP2000312576A JP 2000312576 A JP2000312576 A JP 2000312576A JP 11122458 A JP11122458 A JP 11122458A JP 12245899 A JP12245899 A JP 12245899A JP 2000312576 A JP2000312576 A JP 2000312576A
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vegetables
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acidic
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Hirobumi Nishiza
博文 西座
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 野菜または果実類からなる食材の洗浄処理方
法を改善し、効率よく確実に大腸菌や一般細菌を殺菌で
きる洗浄処理方法とし、しかも食材に塩素臭が残らず風
味が損なわれないようにし、また処理後に食材が褐変化
し難い洗浄処理方法を提供することである。 【解決手段】 水の電気分解によって陰極側に生成する
pH8〜11のアルカリ性水で野菜または果実類を洗浄
し、次いで好ましくは殺菌性エチルアルコール水溶液ま
たは水の電気分解によって陽極側に生成する酸性水で洗
浄した後、前記酸性水と前記アルカリ性水とを混合して
なるpH4〜6の混合水で洗浄する野菜および果実類の
洗浄処理方法とする。酸性電解水とアルカリ性電解水と
を混合した所定pHの混合水で洗浄すると、ガス状のC
2 の含有量が低く、しかもHClO量が高濃度に含ま
れた殺菌性の高い混合水でもって洗浄されるので、野菜
または果実類の表面は効率よく殺菌され、しかも塩素臭
のない状態になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、食品材料の野菜
や果実類の衛生状態を良好に保つために、品質管理上お
こなわれる野菜および果実類の洗浄処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、野菜や果実類を食品産業で調理
用素材として使用する場合に、衛生管理上の必要性から
洗浄処理が行なわれている。
【0003】このような洗浄処理は、食中毒を確実に防
止する観点から殺菌処理まで行なうことが好ましく、水
洗処理に加えてアルコールや次亜塩素酸ナトリウム溶液
を用いた殺菌または除菌処理が併用される場合がある。
【0004】また、最近では、大腸菌、サルモネラ菌、
MRSAなどの殺菌に有効な水として、水の電気分解に
よって陽極側に生成する酸性水が知られており、手指の
殺菌消毒や病院の室内や衛生設備の殺菌や除菌にも利用
されるようになった。このような酸性水は、平成9年特
許第2626778号公報に記載されているように食品
の調理用にも利用することができる。
【0005】上記した水の電気分解によって生成する酸
性水は、原料水に塩化ナトリウムのような電解質を混合
して電解質水溶液を調製し、これを電解槽に入れてチタ
ン基板にプラチナまたはイリジウム・プラチナ合金のコ
ーティングを施した電極等を用いて電気分解した場合に
陽極側に生成する酸性の水である。
【0006】因みに、水の電気分解により陽極側に生成
する酸性水(酸性電解水と略記する場合がある。)およ
び陰極側に生成するアルカリ性水(アルカリ性電解水と
略記する場合がある。)は、以下のような原理で生成さ
れたものである。
【0007】すなわち、塩化ナトリウムを水道水に溶か
した電解質水溶液には、水および塩化ナトリウムの解離
によってナトリウムイオン(Na+ )、塩素イオン(C
-)、水素イオン(H+ )、ヒドロキシイオン(OH
- )が存在する。
【0008】そして、陽極では電子を奪われた塩素イオ
ンが塩素ラジカルとなり、同様にヒドロキシラジカルが
生成する反応が起こり、見かけ上、以下の(a) の反応に
よって次亜塩素酸(HClO)が発生する。 Cl- +OH- →HClO+2e- ……(a) また、陽極では、電子を奪われた塩素イオンが塩素分子
になる反応も起こるので、塩素ガス(Cl2 )が発生
し、これが水と反応して次亜塩素酸と塩酸(HCl)が
発生し、見かけ上、以下の(b) の反応が起こる。 2Cl- +H2 O→HClO+HCl+2e- ……(b) 以上のようにして、陽極側には強酸性(pH約2.7以
下)の酸性電解水が生成する。
【0009】また、陰極側では、ナトリウムイオン(N
+ )が電子を受け取ってナトリウム原子(Na)とな
り、これが水と反応して水酸化ナトリウム(NaOH)
および水素ガス(H2 )となるが、強塩基のNaOHは
水中で解離してNa+ とOH- になる。これらの反応を
まとめると、みかけ上は下記の(c)の反応によって、
水が電気分解されて水素分子(H2 )とヒドロキシイオ
ン(OH- )が発生しているようにみえる。 2H2 O+2e- →H2 (ガス)+2OH- ……(c) このようにして、陰極側には強アルカリ性(pH約1
1.3以上)のアルカリ性電解水が生成する。
【0010】また、上述のようにして生成された酸性電
解水が殺菌作用をするメカニズムは菌の種類によって多
少の違いはあるが、次亜塩素酸濃度の殺菌性が主体とな
り、さらに塩素ガス、ヒドロキシラジカル(OH)及び
過酸化水素(H2 2 )の複合的な作用によって菌類の
生理活性を低下させるためと考えられている。
【0011】このように電解水の殺菌性は、主として酸
性電解水にあると考えられ、その殺菌性を利用して、生
鮮食品を殺菌し洗浄する処理が採用されてきた。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記した従来
の酸性水の使用方法によると、酸性水の塩素臭が食品に
移りやすく、特に野菜や果実類に塩素臭が移着すると、
その後に水洗しても完全な脱臭は困難であり、このよう
な殺菌洗浄処理によって野菜や果実類の風味が損なわれ
る場合がある。
【0013】また、酸性水で殺菌洗浄処理した野菜や果
実類を保存すると、野菜または果実類の表面で酸化が進
んで細胞が変質しやすくなり、食品の流通時や店頭や冷
蔵庫内に保存した時に本来の色調が損なわれて褐色に変
化しやすくなる。特にキャベツやレタスなどの淡色系の
野菜類またはこれらを裁断(カット)したサラダ等の惣
菜は短時間の保存状態でも褐変化しやすいという問題点
がある。
【0014】また、酸性電解水の殺菌性は、主として次
亜塩素酸濃度に依存すると考えられるが、酸性電解水中
の次亜塩素酸濃度を充分に高めて有効塩素濃度40mg
/リットル以上に調整することが好ましい。
【0015】そこで、この発明の課題は、上記した問題
点を解決して野菜類および果実類からなる食材の洗浄処
理方法を改善し、効率よく確実に大腸菌や一般細菌を殺
菌できる洗浄処理方法とし、しかも食材に塩素臭が残ら
ず風味が損なわれないようにし、また処理後に食材が褐
変化し難い洗浄処理方法を提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、この発明においては、水の電気分解によって陰極
側に生成するpH8〜11のアルカリ性水(アルカリ性
電解水)で野菜または果実類を洗浄し、その後、水の電
気分解によって陽極側に生成する酸性水(酸性電解水)
と前記アルカリ性水とを混合してなるpH4〜6の混合
水で洗浄することからなる野菜類および果実類の洗浄処
理方法としたのである。
【0017】または、前記の課題を解決するため、本願
の発明においては、水の電気分解によって陰極側に生成
するpH8〜11のアルカリ性水(アルカリ性電解水)
で野菜または果実類を洗浄し、次いで殺菌性エチルアル
コール水溶液または水の電気分解によって陽極側に生成
する酸性水(酸性電解水)で洗浄した後、前記酸性水と
前記アルカリ性水とを混合してなるpH4〜6の混合水
で洗浄することからなる野菜類および果実類の洗浄処理
方法としたのである。
【0018】上記したように、まず、水の電気分解によ
って陰極側に生成するpH8〜11のアルカリ性水でも
って野菜または果実類を洗浄すると、蛋白質や脂質など
の汚れが溶解または分解し、通常の水洗処理よりも効率
よく汚れを除去できる。そして、野菜または果実類の表
面に付着している脂質やタンパク質系の汚れを除去して
食材の表面を完全に露出させることにより、後述の殺菌
処理工程を効率よく行なうことができるのである。
【0019】また、酸性電解水には、次亜塩素酸(HC
lO)、塩素ガス、ヒドロキシラジカル(OH)および
過酸化水素(H2 2 )が含まれており、特にHClO
から生成する原子状酸素によって強力な殺菌作用がある
が、HClOはpH4〜6に調整した場合に最も高濃度
になることを知見した。
【0020】このように酸性電解水とアルカリ性電解水
とを混合してなるpH4〜6の混合水で洗浄すると、ガ
ス状のCl2 の含有量が低く、しかもHClO量が高濃
度に含まれた殺菌性の高い混合水でもって洗浄されるの
で、野菜または果実類の表面は効率よく殺菌され、しか
も塩素臭のない状態になる。
【0021】また、野菜または果実類の表面で酸化が進
むと細胞が変質して褐変化しやすいと考えられるが、前
記混合水はpH4〜6という弱酸性であるから、その後
の保存時に褐変は起こり難くなる。
【0022】上述したような優れた作用効果がある混合
水での洗浄は、前記アルカリ性水で野菜または果実類を
洗浄し、次いで殺菌性エチルアルコール水溶液または前
記酸性水で洗浄した後に行なってもよい。
【0023】このように3段階での洗浄処理を行なう
と、前記2段階の洗浄処理の場合と同様に、先ずアルカ
リ性水によって蛋白質などの汚れが分解されて洗い流さ
れるが、その後にエチルアルコール水溶液または酸性水
で特に大腸菌類が効率よく殺菌され、さらにHClO量
が高濃度に含まれた殺菌性の高い混合水でもって洗浄さ
れるので、いっそう確実に殺菌処理を行なうことができ
る。
【0024】また、pH4〜6の混合水で洗浄した際
に、表面のpHは弱酸性に変わるので保存時に野菜また
は果実類の褐変は起こり難くなる。また、混合水におけ
るガス状のCl2 の含有量は低いので、塩素臭のない野
菜または果実類になる。
【0025】
【発明の実施の形態】この発明で洗浄処理の対象となる
野菜類および果実類は、食品となる野菜類および果実類
であればよく、特にその種類を限定したものではなく、
また裁断(カット)されたもの、皮を剥いたものなど、
調理の前処理として加工されたものであってもよい。例
えば、キャベツ、レタスなどの葉部を食する野菜、ダイ
コン、ニンジン、サツマイモなどの根菜などの周知の野
菜類のいずれであってもよい。また、果実類についても
特に種類を限定することなく、イチゴ、ブドウ、リン
ゴ、ナシ、メロンなどいずれであってもよい。
【0026】この発明で用いるアルカリ性水および酸性
水は、水の電気分解によって生成される、いわゆる電解
水と呼ばれるものであり、市販の電解水生成装置を用い
て製造されたものを使用するとができる。
【0027】前述したように、周知の電解水生成装置
は、水道水や地下水などの飲用可能な原料水に塩化ナト
リウム、塩化カリウム、塩酸、硫酸のような電解質を混
合して電解質水溶液を調製し、これを電解槽に入れてチ
タン基板にプラチナまたはイリジウム・プラチナ合金の
コーティングを施した電極等に直流電圧をかけて電気分
解する装置である。そして、この発明に用いる電解水生
成装置の電極間にはイオン交換樹脂膜などの多孔性の隔
膜を設けて電極間のイオン化された物質の流通を制限し
ており、各電極付近に生成された酸性電解水またはアル
カリ性電解水を、それぞれ一時貯留用タンクに配水し、
別々に使用するか、または混合水として使用可能なよう
にしている。
【0028】通常、電解質として塩化ナトリウム(食
塩)または塩化カリウムを使用する場合が多いが、この
ような電解質濃度はできるだけ薄い方が好ましい。塩化
ナトリウムを使用する場合は、1000リットルの水中
に1〜2kgを溶解させ、1000〜2000mg/l
にすることもできるが、これよりも低濃度で使用可能な
市販の電解水生成装置として、塩化ナトリウム濃度10
0〜600mg/lで電気分解可能なコロナ工業社製:
エーオックスを使用することが好ましい。
【0029】このような電解水生成装置を用いて陰極側
に生成するアルカリ性電解水は、pH11を越えるもの
も得られるが、この発明ではpH8〜11のものを用い
て好ましい結果を得ている。pH8未満では、蛋白質や
脂質などの汚れの溶解または分解する効率が低下して好
ましくない。また、pH11を越えるアルカリ性でも汚
れ除去のための洗浄は可能であるが、pH11程度の効
果を大幅に向上させるものでもなく、かえって製造コス
ト面から不利になり、また酸性電解水と混合する際に微
量に添加してもpH変化が大きくなるため、所定pHに
調整する取り扱い難いものになる。
【0030】また、この発明で用いる酸性水(酸性電解
水)は、特にpHの範囲を限定したものではないが、通
常pH2.5〜2.7のものが最も強酸性のものである
と考えられる。pH値と次亜塩素酸濃度の関係からみて
最も殺菌性の高い酸性水は、pH約4程度である。
【0031】また、この発明に用いる混合水は、pH4
〜6のものである。その理由としては、pH4未満、特
にpH3以下では、陽極側に発生する塩素はCl2 とな
ってガス化されて空気中に拡散するので、HClO濃度
が低下し易く、またpH6を越え、特にpH7以上のア
ルカリ側では、HClOが塩素イオン(Cl- )になり
やすくHClO濃度が低下し易いからである。
【0032】混合水のpHを上記した所定範囲に調整す
るには、酸性電解水とアルカリ性電解水を容器内で所定
比率で混合すればよいが、例えば酸性電解水が60〜7
0体積%、アルカリ性電解水30〜40体積%とすれ
ば、pH4〜6の混合水が得られる。
【0033】この発明に用いる殺菌性のエチルアルコー
ル水溶液は、万一人体に摂取されても安全な食用アルコ
ールとしてエチルアルコールを採用し、所要の殺菌性を
発揮する濃度に適宜に水で希釈されたものであり、その
殺菌力は、50〜70%の場合が最も強く、10〜20
%ではほとんど効力がない。すなわち、この発明に用い
る殺菌性のエチルアルコール水溶液の好ましい濃度は、
40〜80%であり、より好ましい濃度は、50〜70
%である。
【0034】この発明でいう洗浄は、液体を用いて汚染
要因物を溶解または液中に分散させ、さらに液体と共に
汚染要因物を除去することをいい、例えば、液中に食材
を浸漬した後、取り出して表面の液体を除去するかもし
くは他の液体で希釈するか、または食材に液体を噴霧
し、他の液体で表面を洗い流すなどの周知の洗浄処理方
法である。
【0035】
【実施例および比較例】電解水生成装置(コロナ工業社
製:エーオックス)で製造された酸性電解水(pH2.
5〜3.5)、アルカリ性電解水(pH10.5〜1
1.3)、これら両電解水を6:4(体積比)の割合で
混合した混合水(pH4.5〜5.5)を用い、以下の
実施例および比較例の洗浄処理を行なった。
【0036】〔実施例1〕レタスを水道水の流し水で丸
洗い(予備洗浄)し、水切りしたレタスを約5cm角の
正方形状にカットし、次いでコンテナ型の容器に入れた
アルカリ性電解水にカットされたレタスを3分間浸漬
し、取り上げてこれを別途設けたコンテナ型の容器中の
混合水に入れ、1分間かき混ぜた後、取り出して液切り
した。
【0037】最終洗浄処理の直後にレタスの表面に付着
している菌を採取し、これを培養して、一般生菌数およ
び大腸菌群数をカウントし、この結果を表1中に示し
た。
【0038】なお、ブランクテストとしてレタスを水道
水(流し水)で丸洗いし、それを約5cm角の正方形状
にカットしたものをサンプルとし、表面に付着している
菌を採取し、培養して一般生菌数および大腸菌群数をカ
ウントし、この結果を表1中に併記した。
【0039】
【表1】
【0040】また、最終洗浄処理後のレタスを庫内5℃
の冷蔵庫で24時間保管し、その後の色調、食味、塩素
臭の有無を成人男女各5名のパネラーによって調べた
が、褐変化しておらず、歯応えがよく鮮度が保持されて
おり、しかも塩素臭が全くないという評価を得た。
【0041】〔比較例1〕レタスを水道水の流し水で丸
洗いし、それを3回繰り返した後、約5cm角の正方形
状にカットしたものをサンプルとし、その表面に付着し
ている菌を採取し、培養して一般生菌数および大腸菌群
数をカウントし、この結果を表1中に併記した。
【0042】〔比較例2〕レタスを水道水の流し水で丸
洗い(予備洗浄)し、水切りしたレタスを約5cm角の
正方形状にカットし、次いでコンテナ型の容器に入れた
アルカリ性電解水にカットされたレタスを3分間浸漬
し、取り上げてこれを別途設けたコンテナ型の容器中の
酸性電解水に入れ、1分間かき混ぜた後、取り出して液
切りした。
【0043】最終洗浄処理の直後にレタスの表面に付着
している菌を採取し、これを培養して、一般生菌数およ
び大腸菌群数をカウントし、この結果を表1中に示し
た。
【0044】また、最終洗浄処理後のレタスを庫内5℃
の冷蔵庫で24時間保管し、その後の色調、食味、塩素
臭の有無を前記パネラーにより調べたが、レタスの表面
がわずかに褐変し、塩素臭が感じられるとの評価が大半
であった。
【0045】〔比較例3〕比較例2において、酸性電解
水から取り出したレタスに対して、さらに水道水の流し
水で洗浄し、これを水切りする処理を追加したこと以外
は、比較例2と全く同様にして洗浄処理を行なった。
【0046】最終洗浄処理の直後にレタスの表面に付着
している菌を採取し、これを培養して、一般生菌数およ
び大腸菌群数をカウントし、この結果を表1中に示し
た。
【0047】また、最終洗浄処理後のレタスを庫内5℃
の冷蔵庫で24時間保管し、その後の色調、食味、塩素
臭の有無を前記パネラーにより調べたが、レタスはかな
り褐変し、塩素臭がわずかに感じられるとの評価が大半
であった。
【0048】〔実施例2〕キャベツを水道水の流し水で
丸洗い(予備洗浄)し、水切りしたキャベツの外葉
(イ)を取り除いたものを1/4にカットし、次いでコ
ンテナ型の容器に入れたアルカリ性電解水にカットキャ
ベツを3分間浸漬し、取り上げたもの(ロ)を、2〜3
mm幅にスライスし、これを別途設けたコンテナ型の容
器中の混合水に入れ、1分間かき混ぜた後、取り出して
液切りした(ハ)。このスライスされたキャベツを庫内
5℃の冷蔵庫で12時間保管した(ニ)。
【0049】洗浄処理段階が、(イ)、(ロ)、(ハ)
および冷蔵保存後(ニ)のキャベツの表面に付着してい
る菌を採取し、これを培養して、一般生菌数および大腸
菌群数をカウントし、この結果を表2中に示した。
【0050】
【表2】
【0051】表2の結果からも明らかなように、洗浄処
理段階が、(イ)、(ロ)、(ハ)と進むにつれて、一
般生菌数および大腸菌群数がいずれも顕著に減少してい
ることがわかる。
【0052】また、冷蔵保存後(ニ)のキャベツの食
味、塩素臭の有無を前記パネラーにより調べたが、歯応
えなどの食味はよく、褐変化しておらず、しかも塩素臭
が全くないという評価を得た。
【0053】〔実施例3〕レタス40重量%、フリルレ
タス(サニーレタス)30重量%、トレビス20重量
%、キャベツその他のカット野菜10重量%からなるサ
ラダ用素材を水道水の流し水で丸洗い(予備洗浄)し、
水切りしたものをコンテナ型の容器に入れたpH11.
2のアルカリ性電解水に3分間浸漬し、これに50%エ
チルアルコール水溶液を素材100g当たり9ml噴霧
し、その3分後に、別途設けたコンテナ型の容器中の混
合水(pH4.0)に入れ、5分間かき混ぜた後、取り
出して水洗し、これを水切りした。このサラダ用素材を
庫内5℃の冷蔵庫で12時間保管した。
【0054】洗浄処理の各段階においてサラダ用素材の
表面に付着している菌を採取し、これを培養して、一般
生菌数および大腸菌群数をカウントし、この結果を表3
中に示した。
【0055】
【表3】
【0056】表3の結果からも明らかなように、実施例
3の洗浄方法においても一般生菌数および大腸菌群数が
いずれも顕著に減少していることがわかる。
【0057】また、最終洗浄後12時間を経たサラダ用
素材の食味、塩素臭の有無を前記パネラーにより調べた
が、歯応えなどの食味はよく、褐変化しておらず、しか
も塩素臭が全くないという評価を得た。
【0058】
【発明の効果】所定のpHのアルカリ性電解水で洗浄
し、その後、所定pHの酸性電解水とアルカリ性電解水
の混合水で洗浄する本願の野菜および果実類の洗浄処理
方法に係る発明では、付着した塵埃や土壌内有機物など
の汚れがアルカリ性水で効率よく除去された後に、塩素
ガス量が少なく次亜塩素酸量が高濃度の混合水で洗浄す
るので、殺菌処理が確実であると共に野菜または果実類
に塩素臭が移着せず、また混合水は弱酸性であるので処
理後の保存状態で褐変を起こし難い洗浄処理方法である
という利点がある。
【0059】また、アルカリ性電解水で野菜または果実
類を洗浄し、次いで殺菌性エチルアルコール水溶液また
は酸性電解水で洗浄した後に、混合水で洗浄を行なう本
願の野菜および果実類の洗浄処理方法に係る発明では、
アルカリ性水で付着した塵埃や土壌内有機物などの汚れ
が確実に洗浄され、さらにエチルアルコール水溶液また
は酸性水で特に大腸菌類が効率よく殺菌され、次いでp
H4〜6の混合水で洗浄した際に一般細菌が効率よく殺
菌され、そして最終工程で野菜または果実類の表面のp
Hは弱酸性に変わるので、処理後に褐変化し難い洗浄処
理方法となり、混合水中の塩素ガス量は少ないため、食
品の風味を損なう塩素臭が移着することもないという利
点がある。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水の電気分解によって陰極側に生成する
    pH8〜11のアルカリ性水で野菜または果実類を洗浄
    し、その後、水の電気分解によって陽極側に生成する酸
    性水と前記アルカリ性水とを混合してなるpH4〜6の
    混合水で洗浄することからなる野菜および果実類の洗浄
    処理方法。
  2. 【請求項2】 水の電気分解によって陰極側に生成する
    pH8〜11のアルカリ性水で野菜または果実類を洗浄
    し、次いで殺菌性エチルアルコール水溶液または水の電
    気分解によって陽極側に生成する酸性水で洗浄した後、
    前記酸性水と前記アルカリ性水とを混合してなるpH4
    〜6の混合水で洗浄することからなる野菜および果実類
    の洗浄処理方法。
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