JPH10225507A - 制菌処理方法、噴霧装置、食品の鮮度保持方法、及び冷凍食品の解凍方法 - Google Patents

制菌処理方法、噴霧装置、食品の鮮度保持方法、及び冷凍食品の解凍方法

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JPH10225507A
JPH10225507A JP9042859A JP4285997A JPH10225507A JP H10225507 A JPH10225507 A JP H10225507A JP 9042859 A JP9042859 A JP 9042859A JP 4285997 A JP4285997 A JP 4285997A JP H10225507 A JPH10225507 A JP H10225507A
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JP
Japan
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water
ozone
small cluster
spray
food
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JP9042859A
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English (en)
Inventor
Masanao Uchiyama
政直 内山
Masuo Inaba
益男 稲葉
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NIKKO SUISAN KK
Original Assignee
NIKKO SUISAN KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 噴霧液供給部1から、クラスタが好まし
くは90以下、より好ましくは70以下の小クラスタ
水、又はそれにオゾン含有水を組み合わせた噴霧液を噴
霧部2に供給し、霧化装置5により霧化してノズル6か
ら外部に噴出させる。噴霧液は、そのオゾンをオゾン分
解触媒8で、より殺菌効果の強いO+ 及びOH+ (ラジ
カル)に分解して用いることができる。 【効果】 人体などに対して安全でかつ持続性のある高
い制菌・殺菌効果が得られ、広い空間・雰囲気から医療
・調理器具、食品・植物まで広範囲の目的物に低コスト
で簡単に適用できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一般に消毒、殺菌
を行うための技術に関し、より詳細にいえば、様々な設
備・器具や室内・庫内などの環境又は雰囲気を消毒・清
浄化するための噴霧装置、肉・水産物・野菜などの生鮮
食品や生き花の鮮度を長期間に亘って保持するための処
理方法及び装置、並びにこれらの技術を利用して冷凍食
品を解凍する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より一般に、例えば熱湯、蒸気等で
加熱処理したり、塩素等の薬品を使用することにより、
調理器具又は医療器具などの様々な器具や設備を消毒し
たり、食品を殺菌する技術が知られている。また、野菜
など植物の鮮度を保持するために、植物の表面に水の微
粒子を噴霧することが一般に行われている。最近では、
オゾンの殺菌作用を利用して環境の殺菌や消臭、食品の
鮮度保持を図ろうとする様々な手段が提案されており、
実際に、オゾン水を利用して殺菌、漂白し、布巾の洗浄
や野菜の殺菌などを行う方法が実用化されている。
【0003】例えば、特開平7−289622号公報に
は、消臭剤を混合した水などの噴霧用液体とオゾンとを
交互に噴霧して、そのラジカルを空気中に生成し、居室
などの消臭殺菌を行う装置が開示されている。特開平5
−302736号及び特開平8−121828号各公報
に記載される空気清浄器は、オゾンによる人体への悪影
響を排除するために、微細化した水滴に高速度で空気流
を接触させる負イオンを発生させ、室内に噴霧して除塵
・除菌、脱臭効果を図っている。更に特開平8−248
63号公報に記載の酸性水噴霧器は、人体への影響が少
ない酸性水を霧状に噴霧することにより、診療室内を滅
菌する。
【0004】また、食品保存の分野では、特公平5−1
4547号公報に、オゾンの気泡を含む冷塩水で生鮮食
品又は冷凍食品を処理することにより、それらを洗浄、
殺菌して鮮度保持を図り、又は解凍する装置が開示され
ている。更に特開平3−183434号公報には、オゾ
ン水を食品に吹き付けて殺菌する方法が記載され、特開
平4−108333号及び特開昭64−43175号公
報などには、加湿した冷却空気とオゾンとを保存室内に
導入することにより、食品の鮮度を維持して長期保存す
る装置が記載されている。
【0005】他方、オゾンを積極的に利用しない方法と
して、特開平6−7083号公報には、特に緑色野菜を
プロタミン水溶液に浸漬させる又は噴霧するなどして接
触処理することにより、その変色を防止する方法が開示
されている。また、特開平2−43982号公報によれ
ば、水に電磁波又は高周波を照射し又はオゾンなどで酸
化処理して吸着作用と酸化触媒作用とを付与した「活性
水」を生成し、これを噴霧などすることにより食品の変
性防止及び鮮度維持を図り、又は衣類・室内などの脱臭
効果が図られている。更に、特公平4−70072号公
報には、溶存酸素濃度12ppm 以上の冷却水に300μ
mより短い波長域の遠赤外線を通過させて生成した「活
性化水」が記載され、これを野菜・果物・生き花などに
浸漬又は噴霧することにより、植物細胞の活性化を図ら
れている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の消毒・
殺菌技術において、塩素などの薬品を用いた場合には、
それらが消毒・殺菌処理した環境や設備・器具などに残
留し、人体などへの安全性を損なう虞があるという問題
があり、また加熱処理では、その効力が長期間持続しな
いという問題があった。オゾンを用いた場合でも、ガス
状態では不快な刺激臭を有し、かつ人体などに悪影響を
生じる虞がある。更に、オゾンは不安定で分解速度が速
いため、長い間十分な殺菌効果を得られない虞がある。
【0007】また、室内などの環境の消毒・殺菌に関連
して上述した各公報に記載の消毒・殺菌方法及び噴霧器
では、食品に直接作用させるものではないため、その表
面に付着した細菌を効果的に除去することができず、食
品の鮮度保持に適用することができない。他方、上記各
公報記載の食品の鮮度保持方法では、その適用範囲が食
品の保存室などの比較的狭い空間内の処理に限られ、又
は食品に直接噴霧したり浸漬させるものであるため、居
室などの環境や雰囲気の消毒・殺菌を行うことができな
い。しかしながら、環境・雰囲気などの消毒・殺菌と食
品の鮮度保持とを両立させた方法及び装置は、現在まで
提供されていない。
【0008】そこで、本発明は、上述した従来の問題点
に鑑みてなされたものであり、その目的とするところ
は、室内などの環境や雰囲気に対してだけでなく、設備
・器具などの被処理物に対しても直接使用でき、しかも
それらの消毒及び殺菌を効果的に行うことができると共
に、特に人体などに対して安全な消毒・殺菌のための方
法及び装置を提供することにある。
【0009】これに加え、本発明の目的は、各種食品や
生き花などに適用してその鮮度を長期間に亘って保持す
ることができる方法及び装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本願発明者は、上述した
従来の問題点を検討しかつこれを解消するべく、水のク
ラスタ(水分子の配列)の大きさに着目して鋭意研究を
重ねた結果、クラスタの小さい水(以下、小クラスタ水
という)は、浸透圧が高く、動植物の細胞内部に浸透し
易く、クラスタの大きい水と入れ替わる性質があるこ
と、そのため、動植物に触れるとその表面付近の細胞中
の自由水を置換する能力があること、更にクラスタの大
きい水に接触するとそのクラスタを小さく変化させる作
用があること、及び、これらの性質から細菌の細胞内へ
の侵入を阻止し、制菌効果を有することが分かった。
(水のクラスタ及びその大きさ・測定などについては、
例えば西信之他著の「クラスター(新物質ナノ工学のキ
ーテクノロジー)」(産業図書発行、Sブックス)を参
照。)
【0011】本発明は、上述した目的を達成するための
ものであり、以下にその内容を添付図面及び実施例を用
いて詳細に説明する。本発明の制菌処理方法は、小クラ
スタ水を用いて処理することを特徴とする。前記小クラ
スタ水のクラスタは、好ましくは90以下、より好まし
くは70以下である。本発明によれば、小クラスタ水は
上述した制菌作用を有するので、被処理物の表面を、例
えば噴霧し、浸漬し、又は払拭するなどして処理すれ
ば、それが動植物の細胞表面と接触することにより、何
ら薬品などの悪影響を受けることなく安全に細菌などの
増殖や働きを抑制し、かつそれらによる汚染を防止する
ことができる。
【0012】これに加え、本発明によれば、小クラスタ
水とオゾン含有水とを組み合わせて用いることができ
る。この場合、オゾンの殺菌作用により被処理物に付着
している細菌を除去し、更に前記オゾンが分解して消失
した後でも、この滅菌された状態を小クラスタ水の制菌
作用により維持できる相乗効果が得られるので、好都合
である。また、オゾン含有水はオゾンガスと異なり、刺
激臭や動植物への有害性が無く、しかも溶解しているオ
ゾンは、やがて分解して酸素とO+ とになるので安全で
ある。
【0013】小クラスタ水とオゾン含有水との組合せ
は、オゾンを溶解させた小クラスタ水を準備することに
より容易に実現することができる。別の実施例では、別
個に準備した小クラスタ水とオゾン含有水とを同時に噴
霧することにより、同様にオゾンの殺菌作用と小クラス
タ水の制菌作用との相乗効果が得られる。
【0014】更に本発明によれば、前記オゾン含有水
は、その中に含まれるオゾンを分解して用いることがで
きる。水に溶解しているオゾンを分解すると、ラジカル
であるO+ 及びOH+ が生成され、これら活性種は、オ
ゾンより分解速度が速いとは言え、オゾンよりも強い消
臭・殺菌作用を有し、しかもオゾンガスのような不快な
臭いや有害性が無いことが知られている。従って、殺菌
効果と安全性を一層高めることができるので、好都合で
ある。
【0015】本願発明者は、Pt、Pd、Au、Ruな
どの貴金属又はその化合物、Ni、Co、Mn又はFe
の化合物若しくはそれらの混合物、Si又はAlの化合
物、活性炭、又は、ゼオライトからなるオゾン分解触媒
が耐水性を有し、本発明のオゾン含有水について用いる
のに好都合であることを見い出した。
【0016】別の実施例では、オゾン含有水の代わり
に、過酸化水素(H22)水溶液を小クラスタ水に組み
合わせて用いることができる。過酸化水素が分解する
と、同様にO+ 及びOH+ が生成されるので、オゾン含
有水をオゾン分解処理して使用する場合と同じ作用効果
が得られる。
【0017】上述した制菌処理方法を実現するため、本
発明の別の側面によれば、小クラスタ水からなる噴霧液
の供給手段と、該噴霧液を霧化して送出する噴霧手段と
からなることを特徴とする噴霧装置が提供される。これ
により、処理対象である環境や雰囲気内に噴霧液を容易
に拡散させたり、特定の設備・器具や食品・植物などの
目的物の全体に噴霧液を容易に接触させることができ、
小クラスタ水の制菌作用を効果的に及ぼすことができ
る。
【0018】小クラスタ水は、湧水などとして自然界に
も存在するが、クラスタの大きい水でも適当な改質処理
を施すことにより、そのクラスタを小さくできることが
分かった。そこで、本発明によれば、前記噴霧装置が、
原料水を改質して小クラスタ水を生成する改質手段を更
に備えると、公共の水道から原料水を得られるので、好
都合である。
【0019】或る実施例では、前記改質手段は、エネル
ギ伝達可能な物質からなり、かつ前記物質に前記原料水
を接触させるように構成される。このようなエネルギ伝
達可能な物質としては、例えばトルマリン、ブラックシ
リカ、磁性粉、水晶、石英、アルミナ、又はシリカが使
用される。
【0020】別の実施例では、前記改質手段が、原料水
を電気分解する手段で構成される。また別の実施例で
は、前記改質手段が電磁エネルギ、磁気エネルギ、又は
遠赤外線を放出する物質を混合した材料で形成された、
原料水を噴霧手段に供給する前に貯留するための容器か
ら構成される。更に別の実施例では、前記改質手段が、
原料水に電磁波を印加する手段から構成される。
【0021】更に本発明の噴霧装置が、噴霧液にオゾン
を溶解させるための手段を更に備えると好都合であり、
小クラスタ水の制菌作用に加えて、オゾンの殺菌作用を
噴霧液に付与することができる。このオゾン溶解手段
が、水を電気分解してオゾンを発生させかつ該水に直接
溶解させる電気分解手段であると、クラスタの大きい水
を原料水とした場合でも、生成されるオゾン含有水はそ
のクラスタが小さくなるので、原料水の改質とオゾン含
有水の生成とが一度の処理で同時に行われ、好都合であ
る。
【0022】或る実施例では、前記噴霧装置が、噴霧液
を外部に噴霧する前に、その中に含まれるオゾンを分解
する触媒を有すると、オゾンよりも強い消臭・殺菌作用
を有するO+ 及びOH+ が噴霧液中に生成され、その殺
菌効果を高めることができるので好都合である。このよ
うなオゾン分解触媒は、上述したPt、Pd、Au、R
uなどの貴金属又はその化合物、Ni、Co、Mn又は
Feの化合物若しくはそれらの混合物、Si又はAlの
化合物、活性炭、又は、ゼオライトにより形成される。
【0023】また、別の実施例によれば、前記噴霧装置
は、霧化した噴霧液を噴射するノズルを更に備え、それ
により特定の被処理物の表面を集中して効果的にかつ短
時間で消毒・殺菌処理することができる。
【0024】本発明の制菌処理方法は、上述したように
人体などに対する高い安全性を有することから、特に食
品について適用すると有利である。
【0025】そこで、本発明の食品の鮮度保持方法は、
被処理物である食品の表面を小クラスタ水で処理するこ
とを特徴とする。小クラスタ水は、その高い浸透力によ
り食品の表面付近の細胞内部に入り込み、その中のクラ
スタの大きい水と入れ替わり、またそのクラスタを小さ
く変化させる。このようにして細胞内に入り込んだ小ク
ラスタ水は、食品表面から蒸発し難くかつ排出され難
く、食品が乾燥しないようにすると共に、細胞内部から
細菌類を追い出しかつ外部からの新たな侵入を制限する
働きをするものと考えられる。その結果、食品の鮮度が
長期間に亘って維持され、細菌などによる腐敗が起こら
ないことが、本願発明者により確認されている。
【0026】或る実施例では、小クラスタ水を食品表面
に噴霧すると、食品全体を簡単にかつ一様に処理するこ
とができるので、好都合である。別の実施例では、食品
を小クラスタ水に浸漬させることにより、食品全体をよ
り確実に処理することができる。
【0027】また、本発明の食品の鮮度保持方法によれ
ば、小クラスタ水とオゾン含有水とを組み合わせて用い
ることができる。これにより、先ずオゾンの殺菌作用で
食品の表面に付着している細菌などを死滅させ、次に小
クラスタ水の制菌作用で滅菌状態を維持することができ
るので、より長期間に亘ってより効果的に食品の鮮度を
維持することができる。この場合、オゾンを溶解させた
小クラスタ水を用いると、処理作業が一度で済むので便
利である。
【0028】更に、オゾン含有水は、その中に溶解して
いるオゾンを分解して用いると、それにより発生するO
+ 及びOH+ のより強力な殺菌作用により、食品をより
確実にかつ安全に消毒殺菌することができる。
【0029】本発明の更に別の側面によれば、冷凍食品
を小クラスタ水で、例えば浸漬させて処理することによ
り解凍することを特徴とする冷凍食品の解凍方法が提供
される。これにより、冷凍食品の表面に氷結している水
分が小クラスタ水に置き換えられ、該食品表面の細胞内
に浸透していくので、従来の解凍方法よりも大幅に速い
速度で、かつドリップを生じることなく解凍できる。し
かも、その際に上述した制菌効果が得られるので、解凍
後も品質が保持される。
【0030】この場合にも、小クラスタ水とオゾン含有
水とを組み合わせて用いることができ、解凍を促進する
と同時に、冷凍食品の表面に付着している細菌を死滅さ
せることができる。特に、小クラスタ水が、その中にオ
ゾンを溶解させたオゾン含有水であると、処理作業が簡
単になり有利である。更に、前記オゾン含有水を、その
中に溶解しているオゾンを分解して用いると、より強い
殺菌効果が得られる。
【0031】
【発明の実施の形態】図1は、本発明を適用した噴霧装
置の好適な実施例の構成を示している。本実施例の噴霧
装置は、噴霧液を準備する噴霧液供給部1と、該噴霧液
供給部から供給される前記噴霧液を霧化して外部に送出
する噴霧部2とから構成される。
【0032】噴霧液供給部1は、イオン交換樹脂を充填
した精製水生成装置3と、オゾン含有水生成装置4とを
備える。精製水生成装置3は、公共の水道から供給され
る水を前記イオン交換樹脂を通して精製し、これを原料
水としてオゾン含有水生成装置4に供給する。オゾン含
有水生成装置4は、精製された前記原料水を電気分解
し、それにより発生するオゾンを該原料水に直接溶解さ
せて高濃度のオゾン含有水を生成する。
【0033】このようなオゾン含有水生成装置4として
は、例えば特開平8−134677号明細書に記載され
るように、貴金属からなる金網状の陽極電極と同じく金
網状の陰極電極とを、フッ素系陽イオン交換膜などから
なる薄いシート状電解膜を挟んでその両面に重ねて配置
し、更にそれらの外面に比較的大きな網目状のスリット
を有するラス網をそれぞれ重ね合わせ、これらを両側か
らジャケットで挟持することにより、前記電解膜の両側
にその面方向に水が流れるような迷路状の複雑な狭い流
路を形成した装置を用いることができる。
【0034】このような構造の装置では、前記迷路状流
路に水を供給しつつ、両電極間に所定電圧を印加する
と、陽極電極側で水の電気分解により発生するオゾンが
そのまま流路を通過する間に水中で激しく気液接触を生
じ、水に直接溶解して高濃度のオゾン含有水が生成され
る。そして、このオゾン含有水は、同時に、本発明に噴
霧液として使用できる程度に十分にクラスタの小さい水
であることが本願発明者により確認された。
【0035】噴霧部2は、前記噴霧液を霧状にするため
の霧化装置5と、霧化した噴霧液を外部に噴出させるた
めのノズル6とを備える。噴霧液供給部1から前記霧化
装置に噴霧液を送給する管路7には、その途中をバイパ
スしてオゾン分解部8が設けられている。オゾン分解部
8は、Pt、Pd、Au、Ruなどの貴金属又はその化
合物、Ni、Co、Mn又はFeの化合物若しくはそれ
らの混合物、Si又はAlの化合物、活性炭、又は、ゼ
オライトからなるオゾン分解触媒を有し、これを通過す
る前記オゾン含有水に溶解しているオゾンを分解して、
O+ 及びOH+(ラジカル)を生成する。前記オゾン分
解触媒は、十分な耐水性を有し、通常ハニカム形状又は
所謂ヌードル状に形成され、バイパス管路内に配置され
る。
【0036】霧化装置5には、従来から採用されている
超音波式のもの、上記特開平8−121828号公報記
載の空気清浄器に使用される回転羽根式のもの、その他
公知の様々な構造のものを用いることができる。本実施
例の霧化装置5はブロワを内蔵し、霧化した噴霧液をノ
ズル6から強制的に外部に噴出させる。別の実施例で
は、前記霧化装置及びノズルを一体的にスプレーガンの
ように構成し、図示されないコンプレッサなどから供給
される圧縮空気により、噴霧液を霧状に噴射することが
でき、室内などの雰囲気ではない特定の被処理物に直接
用いる場合に有利である。
【0037】本実施例の噴霧装置では、水道から供給さ
れた水が精製水生成装置3により精製された後、オゾン
含有水生成装置4において、クラスタの小さい水である
と同時に高濃度のオゾンが溶解した噴霧液が生成され
て、噴霧部2に供給される。前記噴霧液は、その一部が
オゾン分解部8を通過することにより、その中に溶解し
ているオゾンが触媒分解されて、O+ 及びOH+ が同様
に前記噴霧液に溶解した状態で生成され、他の噴霧液と
再び混合した後に霧化装置5に供給される。従って、ノ
ズル6から外部に噴霧される微細な液滴は、小クラスタ
水であることによる制菌効果に加え、オゾンとO+ 及び
OH+ とが溶解しているので、より強い殺菌効果を発揮
する。
【0038】前記液滴に溶解しているオゾンは、オゾン
ガスのような不快な臭い又は有害な影響を有しない上
に、やがて分解して酸素となり、空気中に放散する。O
+ 及びOH+ は、分解速度が約30秒とオゾンよりもは
るかに速く、しかも人体などに対する有害性及び臭いが
全くない。従って、本発明の噴霧装置は、様々な環境に
おいて使用でき、非常に高い安全性が得られる。
【0039】前記噴霧装置を病院、料理店又は一般家庭
などで室内に用いた場合、噴霧された前記液滴は室内全
体に拡散し、その中に存在するものの表面に付着して、
それらを消臭・消毒・殺菌し、かつオゾン及びO+ 、O
H+ が分解消失した後も、滅菌状態を長期間に亘って維
持する。これと同時に、前記液滴は長時間空中を浮遊す
るから、空中に存在する細菌などをも死滅させることが
でき、より大きな消臭・消毒・殺菌効果が得られる。
【0040】図1の実施例では、管路7を分岐したバイ
パス管路を通過する一部の噴霧液だけが、オゾンが触媒
分解されるが、別の実施例では、噴霧液供給部1から噴
霧部2に供給される噴霧液の全部について、オゾンを触
媒分解することもできる。また、当然ながら、自然界か
ら入手したり別個の装置により生成した小クラスタ水
を、オゾン含有水生成装置4への原料水に用いることも
できる。
【0041】図2は、図1の噴霧液供給部1の変形例の
構成を概略的に示している。この噴霧液供給部1は、ク
ラスタの大きい水を小クラスタ水に改質する小クラスタ
水生成装置9と、オゾンガスを生成する従来のオゾナイ
ザ10とを別個に備える。生成された小クラスタ水は噴
霧液タンク11に送給され、前記オゾナイザから供給さ
れるオゾンをバブリングにより溶解させる。これにより
生成されたオゾン含有水は、図1の実施例と同様に噴霧
部2へ供給される。
【0042】バブリングによりオゾン含有水を生成する
場合には、オゾナイザ10からのオゾンが小クラスタ水
に完全に又は十分に溶解せず、一部が気体のまま噴霧液
タンク11内に残り、又は噴霧部2へ送る管路の途中で
気化する。このため、噴霧液供給部1には、前記小クラ
スタ水に溶解しなかったオゾンがノズル6から外部に排
出されないように、噴霧液タンク11及び管路7に連通
する廃オゾン処理装置12が更に設けられている。
【0043】本実施例の小クラスタ水生成装置9は、公
共の水道などから供給される原料水を貯留するタンクか
らなり、その中に例えばトルマリン、ブラックシリカ、
磁性粉、水晶、石英、アルミナ、又はシリカなどのよう
に、電磁又は磁気エネルギ、若しくは遠赤外線の形でエ
ネルギ伝達可能な物質を改質材料として設ける。これら
の物質に前記原料水が接触すると、クラスタの小さい水
に変質する。
【0044】別の実施例では、小クラスタ水生成装置9
は、前記タンク内に対向配置した1対の正負電極からな
る電気分解装置で構成される。この電気分解装置は、図
1に示す第1実施例のオゾンを発生溶解させるオゾン含
有水生成装置4とは異なり、水を単に電離させるだけの
ものであるが、クラスタの小さい水を生成することがで
きる。
【0045】更に別の実施例によれば、前記小クラスタ
水生成装置は、電磁又は磁気エネルギ、若しくは遠赤外
線を放出する前記物質を混入させた材料で前記タンクを
形成し、その中に原料水を貯留することにより、所望の
小クラスタ水を生成する。また、外部から別個の適当な
手段により、前記タンクに電磁波、超音波などのエネル
ギを与えることにより、タンク内の原料水を改質するこ
とができる。
【0046】図2の実施例において、過酸化水素(H2
2)水溶液を原料水として使用することができる。過
酸化水素は分解してO+ 及びOH+ を生じるので、オゾ
ンを溶解させた噴霧液全部をオゾン分解触媒で処理した
場合と同じ効果が得られる。従って、この場合には、オ
ゾン分解部8、オゾナイザ10及び廃オゾン処理装置1
2を省略することができるので、装置全体の構造をより
簡単にしかつ価格を低下させ、更にそのランニングコス
トを低減させることができる。
【0047】図1又は図2の噴霧装置は、薬品などの有
害な物質が残留する虞が無いので、室内などの環境・雰
囲気だけでなく、特定の医療器具・調理器具などの目的
物を消毒・殺菌するために使用することができる。更
に、食品や植物について使用した場合、その品質を低下
させたり悪影響を及ぼすことはなく、それらの表面に付
着している細菌などを死滅させ、かつ滅菌状態が維持さ
れることにより、長期間の鮮度保持が図られる。
【0048】特に鮮魚などの海産物については、適当な
塩分濃度の海水を噴霧することが、鮮度維持の観点から
適している場合がある。図2の実施例では、小クラスタ
水生成装置9に海水を原料水として供給し、そのクラス
タを小さく改質した後、噴霧液タンク11においてオゾ
ンをバブリングすることにより、オゾン含有海水の小ク
ラスタ水を生成できる。また、小クラスタ水生成装置9
において生成した海水の小クラスタ水と、図1のオゾン
含有水生成装置4で生成されたオゾン含有小クラスタ水
とを混合することによっても、オゾン含有海水の小クラ
スタ水を得ることができる。
【0049】本発明の噴霧装置は、その要旨を実質的に
変更することなく、使用場所、用途などの使用条件に対
応して、適当な能力、構造のものを設計することができ
る。図3は、比較的広い空間に多量の噴霧液を噴霧する
のに適した、本発明による噴霧装置の第2実施例を概略
的に示している。
【0050】第2実施例の噴霧装置は、図1の第1実施
例と異なり、噴霧液供給部1から供給される噴霧液の全
部がオゾン分解部8を通過して霧化装置5に送られる。
霧化装置5は、従来から知られた超音波式のもので、超
音波振動子13を作動させて微振動を与えることによ
り、タンク内の噴霧液14を霧化する。霧化した前記噴
霧液は、ブロワ15により強制的にノズル6から外部へ
噴出される。
【0051】霧化装置5からノズル6に至る通路16の
途中には、ミストセパレータ17が設けられ、前記ノズ
ルから出て行く水分を調整するようになっている。前記
ミストセパレータで集められ水分は、小クラスタ水であ
るので、ドレン18から噴霧液供給部1に戻して再利用
される。尚、噴霧液供給部1には、図1及び2に示す実
施例及びそれらに関連して上述した変形例を含む様々な
構造のものを用いることができる。
【0052】別の実施例では、クラスタの大きい水をク
ラスタの小さい水に変質させる改質材料で、即ち上述し
たトルマリン、ブラックシリカ、磁性粉、水晶、石英、
アルミナ、又はシリカなどの電磁又は磁気エネルギ、若
しくは遠赤外線の形でエネルギ伝達可能な物質でミスト
セパレータ17を形成することができる。これら改質材
料は、霧化した前記噴霧液が通過し易いように、ハニカ
ム状又は他の適当な形状・構造に形成する。
【0053】これにより、前記噴霧液は、ミストセパレ
ータ17を通過してノズル6から放出される前に、前記
改質材料の作用により小クラスタ水に変質する。従っ
て、この変形例では、噴霧液供給部1は小クラスタ水を
生成する機能を持たせる必要が無く、従ってオゾン含有
水を供給できれば十分である。
【0054】本発明で使用する噴霧液は、人体などに有
害な薬品などを全く使用しない安全なものであり、これ
を霧化することなく液体のまま使用することもできる。
例えば、この噴霧液を用いて目的物を払拭したり、その
なかに目的物を浸漬したり、シャワー状に掛けることに
よっても、上述した噴霧装置と同様の作用効果が得られ
る。特に鮮魚などの水産物の場合、噴霧液中に浸漬させ
ることにより、大量の目的物を一度に短時間で処理する
ことができる。
【0055】また、小クラスタ水は上述したようにクラ
スタの大きい水と入れ替わる性質があることから、本発
明の噴霧液を冷凍食品に用いた場合、その表面に氷結し
ている水分が小クラスタ水に置き換えられ、かつ該食品
表面の細胞内に浸透して、従来の解凍方法よりも大幅に
速い速度で、かつドリップを生じることなく解凍でき
た。更に、噴霧液中のオゾン又はO+ ・OH+ の殺菌作
用により、冷凍食品表面に付着している細菌が死滅する
ので、小クラスタ水による制菌作用との相乗効果によ
り、解凍後も長期間に亘って品質を保持することができ
た。
【0056】また、本発明はその技術的範囲内におい
て、上記実施例に様々な変形・変更を加えて実施するこ
とができる。例えば、噴霧液にオゾン又はO+ ・OH+
を含まない小クラスタ水を用いる場合は、前記霧化装置
にヒータを使用し、噴霧液を蒸気にして外部に放出し、
制菌作用を有する加湿器として用いることもできる。
【0057】
【実施例】上述した本発明による図1の噴霧装置を様々
な生鮮食品に適用した実施例を以下に示す。いずれの場
合にも、従来によりも長期間に亘って保存開始時の鮮度
が維持され、品質劣化やドリップの発生、最近の増殖に
よる腐敗を全く起こしていないことが確認された。
【0058】(実施例1)鰯10匹に上記図1の噴霧装
置を用いて、溶存オゾンを触媒分解した小クラスタ水か
らなる噴霧液を2分間噴霧し、下氷を入れた発泡スチロ
ール製の保存箱内に収容して、市販の冷蔵庫内に入れ、
1〜3℃のチルド状態で保存した。5日間経過した後に
取り出したところ、鮮度の低下は全く認められず、特に
えらはピンク色の状態を保ち、品質劣化を示す出血も見
られなかった。刺し身で生食でき、漁獲直後の鮮魚と実
質的に差は無かった。また、細菌検査の結果、大腸菌、
ブドウ球菌、サルモネラ菌などは、102 個以下であっ
た。
【0059】(実施例2)鯵5匹に上記図1の噴霧装置
を用いて、溶存オゾンを触媒分解した小クラスタ水から
なる噴霧液を2分間噴霧し、下氷を入れた発泡スチロー
ル製の保存箱内に収容して、市販の冷蔵庫内に入れ、1
〜3℃のチルド状態で保存した。5日間経過した後に取
り出したところ、鮮度の低下は全く認められず、特にえ
らはピンク色の状態を保ち、品質劣化を示す出血も見ら
れなかった。刺し身で生食でき、漁獲直後の鮮魚と実質
的に差は無かった。また、細菌検査の結果、大腸菌、ブ
ドウ球菌、サルモネラ菌などは、102 個以下であっ
た。
【0060】(実施例3)サバ5匹に上記図1の噴霧装
置を用いて、溶存オゾンを触媒分解した小クラスタ水か
らなる噴霧液を2分間噴霧し、下氷を入れた発泡スチロ
ール製の保存箱内に収容して、市販の冷蔵庫内に入れ、
1〜3℃のチルド状態で保存した。5日間経過した後に
取り出したところ、鮮度の低下は全く認められず、特に
えらはピンク色の状態を保ち、品質劣化を示す出血も見
られなかった。刺し身で生食でき、漁獲直後の鮮魚と実
質的に差は無かった。また、細菌検査の結果、大腸菌、
ブドウ球菌、サルモネラ菌などは、102 個以下であっ
た。
【0061】(実施例4)甘えび20匹に上記図1の噴
霧装置を用いて、溶存オゾンを触媒分解した小クラスタ
水からなる噴霧液を2分間噴霧し、下氷を入れた発泡ス
チロール製の保存箱内に収容して、市販の冷蔵庫内に入
れ、1〜3℃のチルド状態で保存した。5日間経過した
後に取り出したところ、鮮度の低下は全く認められず、
身は透明感を保ち、臭いも無く、色の変化も見られなな
かった。刺し身で生食でき、漁獲直後のものと実質的に
差は無かった。細菌検査の結果、大腸菌、ブドウ球菌、
サルモネラ菌などは、102 個以下であった。
【0062】(実施例5)マグロの柵に上記図1の噴霧
装置を用いて、溶存オゾンを触媒分解した小クラスタ水
からなる噴霧液を2分間噴霧し、下氷を入れた発泡スチ
ロール製の保存箱内に収容して、市販の冷蔵庫内に入
れ、1〜3℃のチルド状態で保存した。10日間経過し
た後に取り出したところ、鮮度の低下は全く認められ
ず、変色、臭いも無く、ドリップも発生しなかった。刺
し身で生食でき、漁獲直後の鮮魚と実質的に差は無かっ
た。また、細菌検査の結果、大腸菌、ブドウ球菌、サル
モネラ菌などは、102 個以下であった。
【0063】(実施例6)ヒラメの柵に上記図1の噴霧
装置を用いて、溶存オゾンを触媒分解した小クラスタ水
からなる噴霧液を2分間噴霧し、下氷を入れた発泡スチ
ロール製の保存箱内に収容して、市販の冷蔵庫内に入
れ、1〜3℃のチルド状態で保存した。10日間経過し
た後に取り出したところ、鮮度の低下は全く認められ
ず、変色、臭いも無く、ドリップも発生しなかった。刺
し身で生食でき、漁獲直後の鮮魚と実質的に差は無かっ
た。また、細菌検査の結果、大腸菌、ブドウ球菌、サル
モネラ菌などは、102 個以下であった。
【0064】(実施例7)新鮮な牛肉の固まりに上記図
1の噴霧装置を用いて、溶存オゾンを触媒分解した小ク
ラスタ水からなる噴霧液を噴霧し、市販の冷蔵庫に入れ
て1〜3℃のチルド状態で保存した。10日間経過した
後に取り出したところ、色の変化は無く、滑り、臭いの
発生もなかった。
【0065】(実施例8)解体したばかりの新鮮な食鳥
に上記図1の噴霧装置を用いて、溶存オゾンを触媒分解
した小クラスタ水からなる噴霧液を2分間噴霧し、市販
の冷蔵庫に入れて1〜3℃のチルド状態で保存した。5
日間経過した後に取り出したところ、色の変化は無く、
滑り、臭いの発生もなかった。
【0066】(実施例9)収穫後のレタス7個の内、5
個を丸ごと、2個を半分に切り分けた状態で、上記図1
の噴霧装置を用いて、溶存オゾンを触媒分解した小クラ
スタ水からなる噴霧液を噴霧し、市販の冷蔵庫の野菜保
存室に入れて保存した。10日以上経過しても鮮度が失
われず、ドリップの発生も無かった。
【0067】(実施例10)収穫後の胡瓜10本に上記
図1の噴霧装置を用いて、溶存オゾンを触媒分解した小
クラスタ水からなる噴霧液を噴霧し、市販の冷蔵庫の野
菜保存室に入れて保存した。10日以上経過しても鮮度
が失われず、色の変化も無く、折った時の音も収穫時と
差が無かった。
【0068】(実施例11)収穫後の白菜2個に上記図
1の噴霧装置を用いて、溶存オゾンを触媒分解した小ク
ラスタ水からなる噴霧液を噴霧し、市販の冷蔵庫の野菜
保存室に入れて保存した。10日以上経過しても鮮度が
失われず、色の変化も無く、収穫時と差が無かった。更
に同じ状態で保存を続けたところ、20日目に外側の葉
3枚が黄色く変色した。
【0069】(実施例12)熟した状態のトマト2個及
びプチトマト10個に、上記図1の噴霧装置を用いて、
溶存オゾンを触媒分解した小クラスタ水からなる噴霧液
を噴霧し、市販の冷蔵庫の野菜保存室に入れて保存し
た。7日以上経過しても鮮度が失われず、色の変化も無
かった。
【0070】更に本発明による噴霧装置を様々な生鮮食
品に適用して保存した結果を、従来の方法により保存し
た場合と比較して、次の表1に示す。表1に示す通り、
本発明により保存した生鮮食品は、従来に比して大幅に
長い期間品質の低下が無く、鮮度を保持できることが分
かる。
【0071】
【表1】
【0072】
【発明の効果】本発明は、以上のように構成されている
ので、以下に記載されるような効果を奏する。本発明の
制菌処理方法によれば、クラスタが好ましくは90以
下、より好ましくは70以下の小クラスタ水を用いて処
理することにより、人体などに対して安全でかつ持続性
のある高い制菌効果が得られ、更にオゾン含有水又はそ
のオゾンを触媒で分解したものを組み合わせて用いるこ
とにより、安全性の高いかつ優れた殺菌効果が得られる
ので、使用条件に制限されることなく、広い空間・雰囲
気から例えば医療・調理などの特定の設備・器具、その
他食品・植物を含む広範囲の目的物まで低コストでかつ
簡単に適用することができる。
【0073】また、本発明の噴霧装置によれば、危険で
有害な薬品などを全く使用せず、比較的簡単な構造で前
記制菌処理方法を容易にかつ安全に実現することができ
るので、病院・料理店などの業務用から一般家庭まで使
用条件に応じて適当な能力のものを低価格で提供でき、
かつ従来の空調設備や冷凍設備に組み込んで使用するこ
ともでき、しかも消臭・健康維持などの他の様々な目的
にも使用することができる。
【0074】特に、本発明の食品の鮮度保持方法によれ
ば、小クラスタ水が、食品表面の細胞内部のクラスタの
大きい水と入れ替わることにより、食品の乾燥を防止す
るだけでなく、持続性のある高い制菌作用を発揮するの
で、食品の鮮度を従来より大幅に長い期間に亘って良好
に維持することができ、更にオゾン含有水と組み合わせ
れば、オゾンの殺菌作用を安全に活用して、より長期間
に亘ってより効果的に食品の鮮度保持を実現することが
できる。従って、特に食中毒の発生防止に大きな効果を
発揮する。
【0075】この結果、生鮮食品の流通において、輸送
期間が従来より大幅に延長されることにより、輸送範囲
の拡大が図れ、輸送手段・方法をより安価で簡便なもの
に変更することができる。このため、従来のように腐敗
などによる品質劣化で廃棄処分となるものが少なくな
り、生鮮食品の価格が低減され、消費者に新鮮かつ安全
な食品を、味質を落とすことなく安価に提供することが
できる。更に加工食品についても、人体に有害な保存料
など薬品の使用を緩和し又は無くすことができるので、
保存期間の長期化と共に安全性が大幅に向上する。
【0076】更に、本発明の冷凍食品の解凍方法によれ
ば、冷凍食品表面の水分が小クラスタ水に置き換えられ
ることにより、何ら薬品や特別な手段を用いることなく
安全かつ簡単に、従来の解凍方法よりも大幅に速い速度
で解凍でき、かつドリップが発生しないので、品質が損
なわれず、しかも小クラスタ水の制菌効果により解凍後
も良好な品質が確保されるので、消費者に良質の冷凍食
品を安価にかつ安全に提供することができる。この効果
は、小クラスタ水とオゾン含有水とを組み合わせて用い
ると、冷凍食品表面に付着した細菌を死滅させることが
できるので、食中毒の発生防止効果と併せて、より一層
向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による噴霧装置の第1実施例の構成を概
略的に示すブロック図である。
【図2】噴霧液供給部の変形例を示すブロック図であ
る。
【図3】本発明による噴霧装置の第2実施例の構成を概
略的に示すブロック図である。
【符号の説明】
1 噴霧液供給部 2 噴霧部 3 精製水生成装置3 4 オゾン含有水生成装置 5 霧化装置 6 ノズル 7 管路 8 オゾン分解部 9 小クラスタ水生成装置 10 オゾナイザ 11 噴霧液タンク 12 廃オゾン処理装置 13 超音波振動子 14 噴霧液 15 ブロワ 16 通路 17 ミストセパレータ 18 ドレン

Claims (32)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 小クラスタ水を用いて処理することを特
    徴とする制菌処理方法。
  2. 【請求項2】 前記小クラスタ水のクラスタが90以下
    であることを特徴とする請求項1記載の制菌処理方法。
  3. 【請求項3】 前記小クラスタ水のクラスタが70以下
    であることを特徴とする請求項2記載の制菌処理方法。
  4. 【請求項4】 前記小クラスタ水とオゾン含有水とを組
    み合わせて用いることを特徴とする請求項1乃至3のい
    ずれか記載の制菌処理方法。
  5. 【請求項5】 前記小クラスタ水が、その中にオゾンを
    溶解させたオゾン含有水であることを特徴とする請求項
    4記載の制菌処理方法。
  6. 【請求項6】 前記小クラスタ水と前記オゾン含有水と
    を同時に噴霧することをことを特徴とする請求項4記載
    の制菌処理方法。
  7. 【請求項7】 前記オゾン含有水は、その中に溶解して
    いるオゾンを分解処理して用いることを特徴とする請求
    項4乃至6のいずれか記載の制菌処理方法。
  8. 【請求項8】 貴金属又はその化合物、Ni、Co、M
    n又はFeの化合物若しくはそれらの混合物、Si又は
    Alの化合物、活性炭、又は、ゼオライトからなる触媒
    を用いてオゾンを分解することを特徴とする請求項7記
    載の制菌処理方法。
  9. 【請求項9】 前記小クラスタ水と過酸化水素(H
    22)水溶液とを組み合わせて用いることを特徴とする
    請求項1乃至3のいずれか記載の制菌処理方法。
  10. 【請求項10】 小クラスタ水からなる噴霧液の供給手
    段と、前記噴霧液を霧化して外部に送出する噴霧手段と
    からなることを特徴とする噴霧装置。
  11. 【請求項11】 原料水を改質して前記小クラスタ水を
    生成する改質手段を更に備えることを特徴とする請求項
    10記載の噴霧装置。
  12. 【請求項12】 前記改質手段がエネルギ伝達可能な物
    質からなり、かつ前記物質に前記原料水を接触させるよ
    うにしたことを特徴とする請求項11記載の噴霧装置。
  13. 【請求項13】 前記エネルギ伝達可能な物質がトルマ
    リン、ブラックシリカ、磁性粉、水晶、石英、アルミ
    ナ、又はシリカであることを特徴とする請求項12記載
    の噴霧装置。
  14. 【請求項14】 前記改質手段が、原料水を電気分解す
    る手段でであることを特徴とする請求項11記載の噴霧
    装置。
  15. 【請求項15】 前記改質手段が、電磁エネルギ、磁気
    エネルギ、又は遠赤外線を放出する物質を混合した材料
    からなる前記原料水の貯留容器であることを特徴とする
    請求項11記載の噴霧装置。
  16. 【請求項16】 前記改質手段が、前記原料水に電磁波
    を印加する手段からなることを特徴とする請求項11記
    載の噴霧装置。
  17. 【請求項17】 前記噴霧液にオゾンを溶解させるため
    の手段を更に備えることを特徴とする請求項10記載の
    噴霧装置。
  18. 【請求項18】 前記オゾン溶解手段が、水を電気分解
    してオゾンを発生させかつ該水に直接溶解させる電気分
    解手段からなることを特徴とする請求項17記載の噴霧
    装置。
  19. 【請求項19】 前記噴霧液が外部に噴霧される前に、
    前記噴霧液に含まれるオゾンを分解する触媒を有するこ
    とを特徴とする請求項17又は18記載の噴霧装置。
  20. 【請求項20】 前記触媒が貴金属又はその化合物、N
    i、Co、Mn又はFeの化合物若しくはそれらの混合
    物、Si又はAlの化合物、活性炭、又は、ゼオライト
    からなることを特徴とする請求項19記載の噴霧装置。
  21. 【請求項21】 霧化した前記噴霧液を噴射するノズル
    を更に備えることを特徴とする請求項10乃至20のい
    ずれか記載の噴霧装置。
  22. 【請求項22】 食品の表面を小クラスタ水で処理する
    ことを特徴とする食品の鮮度保持方法。
  23. 【請求項23】 前記小クラスタ水を前記食品表面に噴
    霧することを特徴とする請求項22記載の食品の鮮度保
    持方法。
  24. 【請求項24】 前記食品を前記小クラスタ水に浸漬さ
    せることを特徴とする請求項22記載の食品の鮮度保持
    方法。
  25. 【請求項25】 前記小クラスタ水とオゾン含有水とを
    組み合わせて用いることを特徴とする請求項22乃至2
    4のいずれか記載の食品の鮮度保持方法。
  26. 【請求項26】 前記小クラスタ水が、その中にオゾン
    を溶解させたオゾン含有水であることを特徴とする請求
    項25記載の食品の鮮度保持方法。
  27. 【請求項27】 前記オゾン含有水は、その中に溶解し
    ているオゾンを分解して用いることを特徴とする請求項
    25又は26記載の食品の鮮度保持方法。
  28. 【請求項28】 冷凍食品を小クラスタ水で処理するこ
    とにより解凍することを特徴とする冷凍食品の解凍方
    法。
  29. 【請求項29】 前記冷凍食品を前記小クラスタ水に浸
    漬することを特徴とする請求項28記載の冷凍食品の解
    凍方法。
  30. 【請求項30】 前記小クラスタ水とオゾン含有水とを
    組み合わせて用いることを特徴とする請求項28又は2
    9のいずれか記載の冷凍食品の解凍方法。
  31. 【請求項31】 前記小クラスタ水が、その中にオゾン
    を溶解させたオゾン含有水であることを特徴とする請求
    項30記載の冷凍食品の解凍方法。
  32. 【請求項32】 前記オゾン含有水は、その中に溶解し
    ているオゾンを分解して用いることを特徴とする請求項
    30又は31記載の冷凍食品の解凍方法。
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