JP2000022973A - 変換装置およびその方法、並びに、記録媒体 - Google Patents

変換装置およびその方法、並びに、記録媒体

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JP2000022973A JP10187739A JP18773998A JP2000022973A JP 2000022973 A JP2000022973 A JP 2000022973A JP 10187739 A JP10187739 A JP 10187739A JP 18773998 A JP18773998 A JP 18773998A JP 2000022973 A JP2000022973 A JP 2000022973A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ディジタル演算による変換処理に適する四面
体補間における出力Pの演算には、単位直方体が立方体
である場合は複雑な乗算を必要としないため、演算量を
大幅に低減することができる。しかし、単位直方体が立
方体でない場合は複雑な乗算が必要になるたり、大幅に
演算量が増加する。 【解決手段】 格子間隔が設定されると(S1)、正規化さ
れた格子点に対する入力値の位置を得るためのX-u'、Y-
v'およびZ-w'の各テーブルを作成する(S2-S4)。続い
て、画像データを入力し(S5)、作成されたテーブルを用
いて入力された画像データに対応するu'、v'およびw'を
得て(S6)、u'、v'およびw'の大小関係を判定し(S7)、そ
の判定結果に応じた演算式を用いて、変換処理された画
像データを計算する(S8)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は変換処理装置および
その方法、並びに、記録媒体に関し、例えば、ディジタ
ル演算処理に適した変換方法、および、その方法を用い
る変換装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】コンピュータなどによりディジタル処理
される画像データの量は年々増加している。そして、カ
ラー画像の形成に要求される品質も年々高まっている。
高品質なカラー画像を形成するためには色変換処理が不
可欠であり、色変換処理には高い精度と柔軟な変換特性
の実現に加え、高速な処理が必要である。
【0003】色情報は一般に三次元空間を成すため、色
変換処理は、空間から空間への対応付けを行うことにな
る。このような変換を行う手法は幾多も存在するが、そ
れらの中でも特開昭53-123201号公報や特開平8-237497
号公報に示されるルックアップテーブル(LUT)を用いた
補間がよく用いられている。LUTを用いた補間による色
変換にも様々な手法が存在するが、必要なデータ量、必
要な演算量、単位直方体間での出力の連続性、および、
グレイラインの補間特性などを考慮すると、特開昭53-1
23201号公報に開示された四面体補間が最も適している
といえる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特開昭53-123
201号に開示された四面体補間がそのまま適用できるの
はLUTを構成する単位直方体が立方体である場合に限定
され、色変換をディジタル演算処理装置において実現す
る場合、単位直方体を立方体に限定することは変換処理
装置の実現において無視できない制限である。
【0005】この制限を具体的に説明すると、まず、デ
ィジタル処理を行う変換処理装置において、すべての単
位直方体を立方体にするためには取り得る格子間隔が限
定されてしまい、変換精度とデータ量(格子点数)を最
適なものにすることができない。例えば、入力が8ビッ
ト(0〜255)の場合、すべての単位直方体を立方体にする
には格子間隔を、85(格子点数4)、51(同6)、17(同
16)、15(同18)、5(同52)および3(同86)の何れか
に設定しなければならない。
【0006】また、色空間は全領域で均一ではないた
め、特定領域の格子間隔を意図的に狭くすることは、そ
の領域の変換精度を上げるのに有効である。例えば、RG
BからCMYKへ変換する場合、暗い領域つまり(R,G,B)≒
(0,0,0)において下色除去(UCR)処理に起因する格子間で
の濃度の低下が発生し易い。しかし、この問題は、その
領域の格子間隔を小さくすることにより効果的に防ぐこ
とができる。特開平7-131668号公報や特開平10-70669号
公報などには、格子間隔を小さくすることによって特定
色領域の補間精度を上げる手法が示されている。しか
し、これらの公報に開示された手法では、入力された色
情報の領域により処理を変更するために領域判別処理を
必要とし、処理速度および回路規模の点で前述した特開
昭53-123201号公報に開示された技術と比較して劣って
いる。
【0007】本発明は、上述の問題を解決するためのも
のであり、ディジタル演算処理に好適な変換処理方法、
および、その変換処理方法を用いる変換装置、並びに、
その変換処理に利用される記録媒体を提供することを目
的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段および作用】本発明は、前
記の目的を達成する一手段として、以下の構成を備え
る。
【0009】本発明にかかる変換方法は、入力値に対し
て、格子点から前記入力値までの距離を充分に大きな値
により正規化した値が得られるルックアップテーブルの
補間処理により変換処理を実現する変換方法であって、
前記ルックアップテーブルにより得られる値を、前記入
力値と前記格子点との距離として前記補間処理を行うこ
とにより、前記入力値に前記変換処理を施すことを特徴
とする。
【0010】本発明にかかる変換装置は、ルックアップ
テーブルの補間処理により変換処理を行う変換装置であ
って、入力値に対して、格子点から前記入力値までの距
離を充分に大きな値により正規化した値が得られるルッ
クアップテーブルが格納された記憶手段と、前記ルック
アップテーブルにより得られる値を、前記入力値と前記
格子点との距離として前記補間処理を行うことにより、
前記入力値に前記変換処理を施す演算手段とを有するこ
とを特徴とする。
【0011】本発明にかかる記録媒体は、変換処理に利
用されるデータが記録された記録媒体であって、入力値
に対して、格子点から前記入力値までの距離を充分に大
きな値により正規化した値が得られるテーブルデータ
と、前記テーブルデータにより得られる値を、前記入力
値と前記格子点との距離として前記補間処理を行うこと
により、前記入力値に前記変換処理を施すための演算を
表すデータとを有することを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明にかかる一実施形態
の変換装置およびその方法を図面を参照して詳細に説明
する。
【0013】[四面体補間の問題点]特開昭53-123201
号に開示された補間(四面体補間)処理をディジタル演
算処理装置により実現し、すべての次元で格子間隔が等
しくないLUTに適用する際に発生する問題点を明らかに
するために、二次元の補間処理を例にして説明を行う。
以下の補間処理において使用される手法は、特開昭53-1
23201号公報に開示された三次元における四面体補間を
一般化して二次元に適応させたものであり、以下の例に
おける問題点は三次元の四面体補間処理に対してより顕
著なものになる。なお、二次元において説明を行うの
は、図を簡素にして紙面上での説明をよりわかり易くす
るためである。
【0014】図1は二次元LUTの全体を表す図、図2は二
次元LUTの、ある単位長方形を抜き出して示す図であ
る。なお、三次元の四面体補間における単位直方体は、
二次元においては単位長方形になることは言うまでもな
い。
【0015】二次元における補間処理は、図2におい
て、入力点が三角形P00-P10-P11およびP00-P01-P11のど
ちらに含まれるかを判別し、入力点を含む三角形の頂点
における値(格子値)に重みを乗算することにより行わ
れる。P00 = P(X0,Y0)、P10 =P(X1,Y0)、P01 = P(X0,Y
1)およびP11 = P(X1,Y1)とし、(X1 - X0≠Y1 - Y0)、X0
≦X≦X1およびY0≦Y≦Y1なる入力点(X,Y)に対する出力P
を算出する処理を以下に説明する。
【0016】式(1a)および(1b)によりuおよびvを定義す
ると、入力点(X,Y)がどちらの三角形に含まれるかはuお
よびvの大小関係により決定され、補間に使用される格
子値も異なる。 u = (X - X0)/(X1 - X0) …(1a) v = (Y - Y0)/(Y1 - Y0) …(1b)
【0017】ケース1: u > vのとき入力点(X,Y)は三角
形P00-P10-P11に含まれる。よって、 P = [(X1 - X)(Y1 - Y0)・P00 + {(X - X0)(Y1-Y0) - (X1 - X0)(Y - Y0)}・P10 + (X1 - X0)(Y - Y0)・P11] / (X1 - X0) / (Y1 - Y0) …(2a)
【0018】ケース2: v > uのとき入力点(X,Y)は三角
形P00-P01-P11に含まれる。よって、 P = [(X1 - X0)(Y1 - Y)・P00 + {(X1 - X0)(Y - Y0) - (X - X0)(Y1 - Y0)}・P01 + (X - X0)(Y1 - Y0)・P11] / (X1 - X0) / (Y1 - Y0) …(2b)
【0019】ケース3: u = vのとき入力点(X,Y)は線分P
00-P11に含まれる。よって、 P = {(X1 - X)・P00 + (X - X0)・P11) / (X1 - X0) …(2c)
【0020】ここで式(2c)は、u = vのときの式(2a)あ
るいは式(2b)と等価であるため、ケース3はケース1ある
いはケース2に含めることができる。もし、(X1 - X0) =
(Y1- Y0)、つまり単位長方形が正方形であれば、式(2
a)および式(2b)はそれぞれ次式のように大幅に簡素化さ
れる。 P = [(X1 - X)・P00 + {(X - X0) - (Y - Y0)}・P10 + (Y - Y0)・P11] / (X1 - X0) …(2a') P = [(Y1 - Y)・P00 + {(Y - Y0) - (X - X0)}・P10 + (X-X0)・P11] / (X1 - X0) …(2b')
【0021】このように、二次元における四面体補間に
おいて単位長方形が正方形である場合は、出力Pの算出
に、例えば(X1 - X0)(Y1 - Y)のような乗算を必要とし
ないため、演算量を大幅に低減することができる。同様
に、三次元における四面体補間おいても単位直方体が立
方体である場合は、出力Pを算出する演算量を低減する
ことができる。しかし、単位直方体が立方体でない場合
は、一つの出力Pの算出に例えば(X1 - X0)(Y1 - Y0)(Z1
- Z0)のような乗算が必要になるため、大幅に演算量が
増加し、高速な処理および回路規模の大きい装置が要求
されることになる。
【0022】勿論、ディジタル処理においても浮動小数
点演算を行うとするならば式(2a)は次式のようになり、
(X1 - X0)≠(Y1 - Y0)の場合でも、式(2a')と同等に簡
素なものにすることができる。 P = {(1 - XX)・P00 + (XX - YY)・P10 + YY・P11} …(2a") ただし、XXはXX = (X - X0) / (X1 - X0)なる実数(0≦XX≦1) …(3a) YYはYY = (Y - Y0) / (Y1 - Y0)なる実数(0≦YY≦1) …(3b)
【0023】しかしながら、浮動小数点演算は整数演算
と比較して著しく処理に時間を要し、また膨大な規模の
回路を必要とする。そのため、式(2a)を整数演算処理す
るよりも、式(2a")を浮動小数点演算処理する方が、処
理時間あるいは回路規模を増大させることが多く、簡素
な回路で高速な補間処理を実現することはできない。
【0024】[一次元の補間処理]まず、本実施形態の
基本概念を、最も単純な一次元の補間処理に本実施形態
を適応した場合を例として説明する。
【0025】図3に示すようなP0 = P(X0)およびP1 = P
(X1)が与えられたとき、X0≦X≦X1なる入力点Xに対する
出力Pは、線形補間により補間を行うとすると、次式で
与えられる。 P = {(X1 - X)・P0 + (X - X0)・P1} / (X1 - X0) …(4)
【0026】しかし、式(4)において意味をなすのは(X1
- X0)、(X1 - X)および(X - X0)といった個々の値では
なく、(X1 - X) / (X1 - X0)および(X - X0) / (X1 - X
0)の二つの値の比が重みとして意味をなしている。従っ
て、任意の数値Lにより式(5)に示すuを算出し、uを用い
て式(4)を表すと式(6)のようになる。 u = {(X - X0) / (X1 - X0)}・L …(5) P = {(L - u)・P0 + u・P1} / L …(6)
【0027】式(5)および(6)を浮動挿入点少数演算する
場合はuは実数になり式(6)は式(4)と等価である。しか
し、前述したように浮動小数点演算を行うのは適当では
ない。そのため、同等の処理を整数演算によって行う場
合、式(5)により得られるuは近似値になる。つまり、実
際の装置によって行われる演算をより正確に式で表せば
次式のようになる。 u' = INT[{(X - X0) / (X1 - X0)}・L] …(5') P = {(L - u')・P0 + u'・P1} / L …(6') ただし、INT(x)は実数xの小数点以下を四捨五入する関
【0028】従って、式(6')により得られる出力Pと、
式(4)により得られる出力Pとは完全には一致しない。し
かし、Lを(X1 - X0)に比べて充分に大きな値にすること
により、その誤差は実用上問題ないものにすることがで
きる。しかも、Lは、(X1 - X0)とその大きさとを除け
ば、何ら関係なく設定することができるため、Lを2のべ
き乗数にすれば式(6')の除算は右シフト演算により実現
される。一般に、ディジタル演算装置においては、除算
よりもシフトの方が簡素な回路で、しかも、高速に処理
することができる。だから、Lを2のべき乗数にすること
により、処理時間の短縮および回路規模の縮小を図るこ
とができる。
【0029】ここでu'はXにのみ依存するため、実際の
処理においては、Xをアドレスとしてu'を出力するテー
ブル、X-u'テーブルを補間処理に先立って作成する。X-
u'テーブルの内容をグラフ化して図4に示す。比較のた
めに、Lを用いない場合のXと格子までの距離の関係をグ
ラフ化したものを図5に示す。このX-u'テーブルは、補
間処理を実行する直前に作成してもよいし、それぞれの
格子位置が予め定まっていれば、格子位置ではなくX-u'
テーブルを予め装置に格納しておくことも可能である。
【0030】このように、X-u'テーブルが作成されてい
れば、入力Xに対する出力Pは、式(6')により極めて簡素
な演算により算出することができる。
【0031】[二次元の補間処理]一次元の補間処理に
おいては、除算演算をシフト演算に置換えられるという
効果が得られるが、二次元以上の補間処理において四面
体補間を用いる場合にはそれ以上の大きな効果が期待さ
れる。それを示すために、図1に示す二次元の四面体補
間処理を例として説明する。以下の補間処理の説明にお
いて使用する手法は、三次元における四面体補間を二次
元に適用したものであり、以下の例における効果は三次
元の四面体補間処理においてより顕著なものになる。
【0032】一次元の場合の式(5)に示されるu'と同様
に、二次元の場合のu'およびv'を定義すると次式のよう
になる。 u' = INT[{(X - X0) / (X1 - X0)}・L] …(7a) v' = INT[{(Y - Y0) / (Y1 - Y0)}・L] …(7b)
【0033】そして、uおよびv、並びに、u'およびv'の
大小関係には以下の関係がある。 u > vであればu・L > v・LなのでINT(u・L)≧INT(v・L) よって u'≧v' v > uであればv・L > u・LなのでINT(v・L)≧INT(u・L) よって v'≧u' u = vであればu・L = v・LなのでINT(u・L) = INT(v・L) よって u' = v'
【0034】以上により、uおよびvをu',およびv'に変
換することで、u'およびv'の関係は不等号が等号に変化
することはあるが、大小関係そのものはuおよびvと同じ
関係が維持されることがわかる。従って、入力点が含ま
れる三角形が変わることはないため、u'およびv'の大小
関係により出力Pを算出することが妥当であることがわ
かる。従って、式(2a)および(2b)に、式(7a)および(7b)
を適用すると次式が得られる。 u' > v'のとき P = {(L - u')・P00 + (u' - v')・P10 + v'・P11}/ L …(8a) v' ≧ u'のとき P = {(L - v')・P00 + (v' - u')・P01 + u'・P11}/ L …(8b)
【0035】式(8a)および(8b)に示されるように、式(2
a')および(2b')において格子間隔が等しい場合、つまり
単位長方形を正方形とする場合と同等の演算量により、
任意の格子間隔の補間処理が実現される。勿論、Lを2の
べき乗数にすることにより、式(8a)および(8b)における
Lによる除算は、右シフト演算により実現される。
【0036】[三次元の補間処理]次に、三次元LUTを
用いて四面体補間を行う場合に、本実施形態を適用する
ときの処理手順を説明する。図6は三次元LUTの全体像を
表す図、図7は図6に示す三次元LUTの一部である単位直
方体を表す図である。
【0037】以下では、P000 = P(X0,Y0,Z0)、P001 = P
(X0,Y0,Z1)、P010 = P(X0,Y1,Z0)、P011 = P(X0,Y1,Z
1)、P100 = P(X1,Y0,Z0)、P101 = P(X1,Y0,Z1)、P110 =
P(X1,Y1,Z0)、P111 = P(X1,Y1,Z1)として、X0≦X≦X
1、Y0≦Y≦Y1、Z0≦Z≦Z1なる入力(X,Y,Z)に対する出力
Pを算出する処理を例として、三次元の四面体補間に本
実施形態を適用する場合の効果を説明する。 u' = INT[{(X - X0) / (X1 - X0)}・L] …(9a) v' = INT[{(Y - Y0) / (Y1 - Y0)}・L] …(9b) w' = INT[{(Z - Z0) / (Z1 - Z0)}・L] …(9c)
【0038】先に説明した二次元の場合と同様に、u'は
Xにのみ依存するため、Xをアドレスとしてu'を得るテー
ブル、X-u'テーブルを補間処理に先立って作成する。同
様に、Yをアドレスとしてv'を得るY-v'テーブル、およ
び、Zをアドレスとしてw'を得るZ-w'テーブルも補間処
理に先立って作成しておく。これらのテーブルは、補間
処理を実行する直前に作成してもよいし、X、YおよびZ
それぞれの格子位置が予め定まっている場合は、格子位
置ではなくX-u'テーブル、Y-v'テーブルおよびZ-w'テー
ブルをあらかじめ装置に格納しておくことも可能であ
る。これらのテーブルが作成されていれば、入力(X,Y,
Z)に対する出力Pは、以下に示すように極めて簡素な演
算により算出される。 u' > v' > w'のとき P = {(L - u')・P000 + (u' - v')・P100 + (v' - w')・P110 + w'・P111}/ L …(10a) u' >w' ≧v'のとき P = {(L - u')・P000 + (u' - w')・P100 + (w' - v')・P101 + v'・P111}/ L …(10b) w'≧u' > v'のとき P = {(L - w')・P000 + (w' - u')・P001 + (u' - v')・P101 + v'・P111}/ L …(10c) w'≧v'≧u'のとき P = {(L - w')・P000 + (w' - v')・P001 + (v' - u')・P011 + u'・P111}/ L …(10d) v' > w'≧u'のとき P = {(L - v')・P000 + (v' - w')・P010 + (w' - u')・P011 + u'・P111}/ L …(10e) v'≧u' > w'のとき P = {(L - v')・P00 + (v' - u')・P010 + (u' - w')・P110 + w'・P111}/ L …(10f)
【0039】上に示すように、本実施形態によれば、三
次元LUTにおける補間処理を簡素な演算によって行うこ
とができるため、容易に高速な処理を実現することがで
きる。
【0040】なお、上記では出力を一次元として説明し
たが、本実施形態の処理は、出力の次元が幾つあっても
各出力次元を独立に処理するため、任意の出力次元の変
換に本実施形態を適用できることは明白である。
【0041】実際の三次元LUTは、図6に示すように、複
数の単位直方体により構成されていて、単位直方体それ
ぞれの形状は、それぞれの次元に対する格子位置により
決定される。本実施形態は、図6に示すように、三次元
入力のそれぞれの格子の位置を独立に設定したLUTによ
る補間処理にもそのまま適用することができるが、すべ
ての次元の格子位置を同じにした場合は、X-u'テーブル
をY-v'テーブルおよびZ-w'テーブルとして使用できるた
め、それらのテーブルを作成する処理およびそれらを格
納するメモリを省略することができる。
【0042】色変換に本実施形態を適用する場合、RG
B、CMY、CMYK、CIE XYZおよびCIE Labなどの色空間のう
ち、入力がRGB、CMYおよびCIE XYZであれば、すべての
次元の格子位置を同じ位置にすることによりLUTの対角
線をグレイラインにすることができるので、グレイライ
ンの補間の精度を向上させることができる。前述したよ
うに、すべての次元の格子位置を同じ位置にすれば、テ
ーブル作成処理およびそれを格納するメモリを省略でき
るため、本実施形態がとくに効果を発揮する。
【0043】[変換装置の構成]図8は変換装置の構成
例を示すブロック図である。CPU 102は、ROM 101に格納
されたプログラムおよびデータに従い、バス107を介し
て変換装置全体の動作を制御するとともに、RAM 103を
ワークメモリとして、本実施形態にかかる色変換処理
を、例えばI/O 104またはNIC(Network Interface Card)
105を介して入力される画像データに施し、その処理結
果をI/O 104またはNIC 105を介して出力したり、ハード
ディスク(HD)107などの記憶媒体に記憶させる。
【0044】例えばI/O 104の先には、所定のインタフ
ェイスを介して、CRTやLCDのモニタ、プリンタ、イメー
ジリーダ、フィルムリーダ、ディジタルスチルカメラま
たはディジタルビデオカメラなどの画像入出力デバイ
ス、あるいは、磁気ディスクや光ディスクなどの記憶媒
体を備えた記憶装置が接続される。また、上記の画像入
出力デバイスや記憶装置が接続されたコンピュータ機器
とNIC 105を介して画像データのやり取りを行うことも
できる。そのようなネットワークとしては、Ethernet、
FDDI(Fiber Distributed Data Interface)を用いるネッ
トワーク、IEEE1394に規定されるシリアルバス、USB(Un
iversal Serial Bus)などがあげられる。
【0045】図9はCPU102によって実行される変換処理
の一例を示すフローチャートである。ステップS1で格子
位置が設定されると、ステップS2からS4でX-u'、Y-v'お
よびZ-w'の各テーブルを作成する。作成されたテーブル
は例えばRAM 103に格納される。
【0046】続いて、ステップS5で画像データを入力
し、ステップS6で、作成されたテーブルを用いて入力さ
れた画像データに対応するu'、v'およびw'を得る。そし
て、ステップS7でu'、v'およびw'の大小関係を判定し、
その判定結果に応じた演算式、つまり式(10a)から(10f)
の何れかを用いて、変換処理された画像データを計算す
る。なお、図9には示さないが、画像データすべての変
換処理が終了するまで、ステップS5からS8が繰り返され
る。
【0047】図8には、例えばパーソナルコンピュータ
のようなコンピュータ機器により本実施形態の変換装置
を実現する例を示したが、本実施形態はこれに限定され
ず、例えば、CPU 102のほかにDSP(Digital Signal Proc
essor)を組み込み、図9に示す変換処理を実現するプロ
グラムをDSPに供給し、DSPに変換処理を実行させること
もできる。さらに、プリンタや複写機などの画像形成装
置に本実施形態の変換装置を組み込むことでき、その場
合、画像データバスに設けられらLUT用RAMにX-u'、Y-v'
およびZ-w'の各テーブルを格納し、その出力に基づきDS
Pなどにより変換結果を演算し、その演算結果を画像デ
ータバスへ出力すればよい。なお、本実施形態の変換処
理を画像形成装置に適用する場合、その変換処理には、
入力マスキング、輝度-濃度変換、UCR(Under Color Rem
ove)、出力マスキング、ガンマ補正、階調補正、色空間
変換および色空間圧縮・伸長などの処理が適応する。
【0048】以上説明したように、本実施形態によれ
ば、入力値をアドレスとして、充分に大きな数値によっ
て正規化された格子点から前記入力値までの距離を得る
ルックアップテーブルを用いることにより、格子位置の
設定に制限が加えられることなく、すべての格子間隔が
等しい場合と同じ演算量で実用上充分な精度の補間処理
を実現することができる。従って、本実施形態にかかる
変換装置によれば、柔軟な変換特性を、演算量と回路規
模を増加させることなく実現することができる。
【0049】本実施形態は、とくに入力が二次元以上
で、補間方法が四面体補間である場合に、重みの算出に
必要な乗算回数を減らすことができ、処理時間の短縮お
よび回路規模の縮小に効果を発揮する。
【0050】また、前述した入力値と格子点との距離を
正規化する充分に大きな数値を2のべき乗数とすること
により、補間処理の最後で行われる全重みによる除算を
シフト演算により実現することができるので、さらに処
理時間の短縮および回路規模の縮小を図ることができ
る。
【0051】さらに、入力のすべての次元に対する格子
位置を等しくすることによって、本発明を実現するため
に必要な処理およびメモリ量をより減少させることがで
きる。
【0052】なお、本実施形態は、入力の色空間がRG
B、CMYおよびCIE XYZの何れかである場合に、グレーラ
インの補間精度をより高いものにすることができるため
とくに有効である。
【0053】
【他の実施形態】なお、本発明は、複数の機器(例えば
ホストコンピュータ、インタフェイス機器、リーダ、プ
リンタなど)から構成されるシステムに適用しても、一
つの機器からなる装置(例えば、複写機、ファクシミリ
装置など)に適用してもよい。
【0054】また、本発明の目的は、前述した実施形態
の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記
録した記憶媒体を、システムあるいは装置に供給し、そ
のシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやM
PU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読出し
実行することによっても、達成されることは言うまでも
ない。この場合、記憶媒体から読出されたプログラムコ
ード自体が前述した実施形態の機能を実現することにな
り、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明
を構成することになる。また、コンピュータが読出した
プログラムコードを実行することにより、前述した実施
形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコ
ードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS
(オペレーティングシステム)などが実際の処理の一部
または全部を行い、その処理によって前述した実施形態
の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもな
い。
【0055】さらに、記憶媒体から読出されたプログラ
ムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張カード
やコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わる
メモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に
基づき、その機能拡張カードや機能拡張ユニットに備わ
るCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その
処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合
も含まれることは言うまでもない。
【0056】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ディジタル演算処理に好適な変換処理方法、および、そ
の変換処理方法を用いる変換装置、並びに、その変換処
理に利用される記録媒体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】二次元LUTの全体を表す図、
【図2】図1に示す二次元LUTの、ある単位長方形を抜き
出して示す図、
【図3】一次元における線形補間の概念図、
【図4】X-u'テーブルの内容を説明するための図、
【図5】Xと格子までの距離の関係を説明するための
図、
【図6】三次元LUTの全体像を表す図、
【図7】図6に示す三次元LUTの一部である単位直方体を
表す図、
【図8】変換装置の構成例を示すブロック図、
【図9】変換処理の一例を示すフローチャートである。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力値に対して、格子点から前記入力値
    までの距離を充分に大きな値により正規化した値が得ら
    れるルックアップテーブルの補間処理により変換処理を
    実現する変換方法であって、 前記ルックアップテーブルにより得られる値を、前記入
    力値と前記格子点との距離として前記補間処理を行うこ
    とにより、前記入力値に前記変換処理を施すことを特徴
    とする変換方法。
  2. 【請求項2】 前記変換処理は、二次元以上の入力値に
    四面体補間を用いる補間処理を施すものであることを特
    徴とする請求項1に記載された変換方法。
  3. 【請求項3】 前記充分に大きな値は2のべき乗数であ
    ることを特徴とする請求項1または請求項2に記載され
    た変換方法。
  4. 【請求項4】 すべての入力次元に対する前記格子点の
    位置が等しいことを特徴とする請求項1から請求項3の何
    れかに記載された変換方法。
  5. 【請求項5】 前記入力値はRGB、CMYまたはXYZ色空間
    の画像データであることを特徴とする請求項1から請求
    項4の何れかに記載された変換方法。
  6. 【請求項6】 ルックアップテーブルの補間処理により
    変換処理を行う変換装置であって、 入力値に対して、格子点から前記入力値までの距離を充
    分に大きな値により正規化した値が得られるルックアッ
    プテーブルが格納された記憶手段と、 前記ルックアップテーブルにより得られる値を、前記入
    力値と前記格子点との距離として前記補間処理を行うこ
    とにより、前記入力値に前記変換処理を施す演算手段と
    を有することを特徴とする変換装置。
  7. 【請求項7】 入力値に対して、格子点から前記入力値
    までの距離を充分に大きな値により正規化した値が得ら
    れるルックアップテーブルの補間処理により変換処理を
    実現するプログラムコードが記録された記録媒体であっ
    て、 前記ルックアップテーブルにより得られる値を、前記入
    力値と前記格子点との距離として前記補間処理を行うこ
    とにより、前記入力値に前記変換処理を施すステップの
    コードを有することを特徴とする記録媒体。
  8. 【請求項8】 変換処理に利用されるデータが記録され
    た記録媒体であって、 入力値に対して、格子点から前記入力値までの距離を充
    分に大きな値により正規化した値が得られるテーブルデ
    ータと、 前記テーブルデータにより得られる値を、前記入力値と
    前記格子点との距離として前記補間処理を行うことによ
    り、前記入力値に前記変換処理を施すための演算を表す
    データとを有することを特徴とする記録媒体。
  9. 【請求項9】 入力データに基づき複数の格子点を選択
    し、 それらの格子点と前記入力データとの距離を表す所定値
    により正規化された値を求め、 得られた値および前記複数の格子点のデータに基づき補
    間処理を行うことを特徴とする画像処理方法。
  10. 【請求項10】 画像処理のプログラムコードが記録さ
    れた記録媒体であって、 入力データに基づき複数の格子点を選択するステップの
    コードと、 それらの格子点と前記入力データとの距離を表す所定値
    により正規化された値を求めるステップのコードと、 得られた値および前記複数の格子点のデータに基づき補
    間処理を行うステップのコードとを有することを特徴と
    する記録媒体。
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