JP2000020922A - 磁気素子とそれを用いた磁気センサおよび磁気記憶装置 - Google Patents

磁気素子とそれを用いた磁気センサおよび磁気記憶装置

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JP2000020922A JP10185479A JP18547998A JP2000020922A JP 2000020922 A JP2000020922 A JP 2000020922A JP 10185479 A JP10185479 A JP 10185479A JP 18547998 A JP18547998 A JP 18547998A JP 2000020922 A JP2000020922 A JP 2000020922A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 GMR膜を構成する強磁性層の軟磁気特性を
向上させると共に、各種熱処理や使用時における温度上
昇などに伴う磁気抵抗効果特性や感度の劣化を抑制す
る。 【解決手段】 強磁性トンネル接合素子1、多重強磁性
トンネル接合素子、スピンバルブ膜などのGMR膜を構
成する強磁性層4に、それより酸化または窒化しやすい
数原子層(1nm)以下程度の金属の酸化膜または窒化膜5
を介して軟磁性層6を付与する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気抵抗効果を利
用した磁気素子とそれを用いた磁気センサおよび磁気記
録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気抵抗効果は、ある種の磁性体に磁界
を加えることにより電気抵抗が変化する現象である。こ
のような磁気抵抗効果を利用した磁気抵抗効果素子(以
下、MR素子と記す)は、磁気ヘッド、磁気センサなど
に使用されており、さらには磁気抵抗効果メモリなどの
磁気記憶装置が提案されている。このようなMR素子に
は、外部磁界に対する感度が大きいこと、応答速度が早
いことなどが要求されている。
【0003】強磁性体を用いたMR素子は、温度安定性
に優れ、使用温度範囲が広いというような特徴を有して
おり、従来からNiFe合金などの強磁性合金の薄膜が
使用されてきた。しかし、その磁気抵抗変化率は 2〜3%
程度と小さいため、これを用いた磁気ヘッドでは十分な
感度が得られないという問題があった。
【0004】一方、近年、スピンの方向に依存して巨大
磁気抵抗効果を示す材料として、強磁性金属層と非磁性
金属層とを数nmの周期で積層した積層膜が注目されてい
る。例えば、Fe/Cr人工格子膜(Phys. Rev. Lett.6
1, 2472(1988))、Co/Cu人工格子膜(J.Mag. Mag. M
ater.94, L1(1991))などの強磁性層間の相互作用を反強
磁性結合させたものや、強磁性金属層/非磁性金属層/
強磁性金属層のサンドイッチ積層膜の一方の強磁性金属
層に交換バイアスを及ぼして磁化を固定し、他方の強磁
性金属層のスピンのみを外部磁界で容易にスイッチでき
るようにしたスピンバルブ膜などが見出されている。
【0005】しかし、強磁性金属層間の反強磁性結合を
利用した金属人工格子膜は、反強磁性交換結合定数が大
きいために、飽和磁場が大きく、またヒステリシスも非
常に大きいという問題を有している。また、上述したよ
うな巨大磁気抵抗効果(GMR)を示す積層膜におい
て、大きな磁気抵抗変化率が得られるCoやCo−Fe
などのCo合金を用いると、保磁力が大きいために良好
な軟磁気特性が得られないという問題がある。
【0006】そこで、上述したようなGMR素子の磁気
抵抗効果曲線をソフト化するために、Ni−FeやFe
などの軟磁性層を付与する構造が提案されている(特開
平5-206540号公報など参照)。しかし、このような軟磁
性層を付与した構造では、製造プロセスにおける各種熱
処理、あるいはHDD内の温度上昇や電流による発熱な
どによって、巨大磁気抵抗効果を示す積層膜と軟磁性層
との間でミキシングなどが起こり、GMR素子の特性が
劣化してしまうという問題がある。
【0007】このような問題に対して、例えばNiFe
層の表面を酸化してNiやFeの酸化物を存在させ、そ
の上にスピンバルブ膜などのGMR膜を形成することに
よって、NiやFeの酸化物を原子拡散バリヤとして機
能させることが提案されている。例えば、CoZrNb
/NiFe/(Ni−O,Fe−O)/Co9 Fe/C
u/Co9 Fe/FeMn構造のスピンバルブ膜に対
し、磁場中熱処理により隣り合う磁場層(Co9 Fe)
のスピンを略直交させる初期アニールを施した場合、M
R変化率が増大すると共にソフト化されることが報告さ
れている(J.Appl.Phys.79(8), p.6399,(1996))。
【0008】しかしながら、NiFe層のような軟磁性
層の表面を酸化した後に、Co合金などを使用したGM
R膜を成膜すると、初期アニールや製造プロセスなどに
よる磁気抵抗変化率の劣化の度合いは抑えられるもの
の、高温ではCoの方がNiに比べて酸化しやすいため
(J.Iron steel Inst.160, 261(1948)、Physical Chemi
stry of Metals McGraw Hill, NewYork, 1953)、HDD
内の温度上昇や電流による発熱などによって、磁気抵抗
効果を発現するGMR膜中のCo9 Fe層自体が酸化し
てしまい、磁気抵抗効果特性や感度が劣化してしまうと
いう問題が生じるおそれがある。
【0009】一方、スピン依存散乱とはメカニズムを異
にする、強磁性トンネル効果に基づく巨大磁気抵抗効果
が見出されている。これは 2つの強磁性金属層間に誘電
体層を挿入したサンドイッチ膜において、膜面に垂直に
電流を流して誘電体層のトンネル電流を利用するもので
ある。このようなトンネル電流を利用した磁気抵抗効果
素子、いわゆる強磁性トンネル接合素子は構造が簡単で
あり、また比較的大きな磁気抵抗変化率が得られるもの
の、上述したスピンバルブ膜などと同様な問題を有して
いる。
【0010】つまり、大きな磁気抵抗効果が得られるス
ピン分極率の大きな強磁性層を用いた積層膜をソフト化
するために、強磁性層に軟磁性層を付与した場合、強磁
性層の軟磁性化に対しては効果を示すものの、製造プロ
セスにおける各種熱処理や電流による発熱などによっ
て、トンネルMRに寄与する強磁性層と軟磁性層との間
でミキシングが起こり、スピン分極率が低下して磁気抵
抗効果特性や感度が劣化してしまうという問題が発生す
る。さらに、前述したような原子拡散バリヤ層では強磁
性層自体の酸化を招くおそれがあり、この強磁性層の酸
化により磁気抵抗効果特性や感度が劣化してしまう。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、スピ
ンバルブ膜などのスピン依存散乱に基づく磁気抵抗効果
素子や、強磁性トンネル接合素子に代表される強磁性ト
ンネル効果を利用した磁気抵抗効果素子においては、大
きな磁気抵抗効果が得られるスピン分極率の大きな強磁
性層を用いた場合に、強磁性層の軟磁気特性の向上を実
現した上で、各種熱処理や温度上昇などに伴う磁気抵抗
効果特性や感度の劣化を抑制することが課題とされてい
る。
【0012】本発明はこのような課題に対処するために
なされたもので、種々のGMR膜を構成する強磁性層の
軟磁気特性を向上させると共に、各種熱処理や使用時に
おける温度上昇などに伴う磁気抵抗効果特性や感度の劣
化を抑制することを可能にした磁気素子、およびそれを
用いた磁気センサと磁気記憶装置を提供することを目的
としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の磁気素子
は、請求項1に記載したように、少なくとも 2層の強磁
性層と、前記強磁性層間に介在され、かつ前記強磁性層
間にトンネル電流を流し得る厚さを有する誘電体層とを
具備する磁気素子において、前記強磁性層のうち少なく
とも 1層には、前記強磁性層より酸化または窒化しやす
い金属の酸化膜または窒化膜を介して軟磁性層が付与さ
れていることを特徴としている。
【0014】本発明の第2の磁気素子は、請求項2に記
載したように、少なくとも 1層の強磁性層と、前記強磁
性層を挟持するように配置された誘電体層と、前記誘電
体層を介して前記強磁性層と積層され、少なくとも一方
が強磁性体からなる第1および第2の金属層とを具備す
る磁気素子において、前記第1および第2の金属層のう
ち、前記強磁性体からなる金属層には、前記強磁性金属
層より酸化または窒化しやすい金属の酸化膜または窒化
膜を介して軟磁性層が付与されていることを特徴として
いる。
【0015】本発明の第3の磁気素子は、請求項3に記
載したように、誘電体で分断された強磁性微粒子を有す
る少なくとも 1層の強磁性グラニュラー層と、前記強磁
性グラニュラー層を挟持するように配置された誘電体層
と、前記誘電体層を介して前記強磁性グラニュラー層と
積層され、少なくとも一方が強磁性体からなる第1およ
び第2の金属層とを具備する磁気素子において、前記第
1および第2の金属層のうち、前記強磁性体からなる金
属層には、前記強磁性金属層より酸化または窒化しやす
い金属の酸化膜または窒化膜を介して軟磁性層が付与さ
れていることを特徴としている。
【0016】本発明の第4の磁気素子は、請求項4に記
載したように、少なくとも 2層の強磁性層と、前記強磁
性層間に介在された非磁性層とを具備する磁気素子にお
いて、前記強磁性層のうち少なくとも 1層には、前記強
磁性層より酸化または窒化しやすい金属の酸化膜または
窒化膜を介して軟磁性層が付与されていることを特徴と
している。
【0017】上述した本発明の磁気素子は、請求項5に
記載したように、例えば前記金属の酸化膜または窒化膜
を介して前記軟磁性層が付与された前記強磁性層のスピ
ンの方向を変化させることにより磁気抵抗効果を発現さ
せるものである。また、本発明の磁気素子の具体的な形
態としては、請求項6に記載したように、前記金属の酸
化膜または窒化膜は 1nm以下の厚さを有し、かつ前記金
属はAl、Si、Mg、Ti、Ta、V、Mn、Cr、
Zn、Ca、Liおよび希土類元素から選ばれる少なく
とも 1種からなることが好ましい。
【0018】本発明の磁気センサは、請求項7に記載し
たように、上述した本発明の磁気素子と、前記磁気素子
にセンス電流を供給する電極とを具備することを特徴と
している。また、本発明の磁気記憶装置は、請求項8に
記載したように、上述した本発明の磁気素子と、前記磁
気素子に電流磁界を印加する電極とを具備することを特
徴としている。
【0019】本発明の磁気素子においては、例えば外部
磁界によりスピンの方向を変化させる強磁性層に対し
て、それより酸化または窒化しやすい金属の酸化膜また
は窒化膜を介して軟磁性層を付与している。このよう
に、強磁性層より酸化または窒化しやすい数原子層程度
の金属の酸化膜または窒化膜を介して、強磁性層に軟磁
性層を付与することによって、各種熱処理や使用時の温
度上昇などに伴う強磁性層の酸化や窒化を抑制すること
ができる。従って、軟磁性層の付与により強磁性層の軟
磁気特性を向上させた上で、強磁性層の酸化や窒化によ
る磁気抵抗効果特性や感度の劣化を抑制することが可能
となる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を実施するための
形態について説明する。
【0021】図1は本発明の第1の磁気素子の一実施形
態の要部構造を模式的に示す断面図である。図1に示す
磁気素子1は、第1の強磁性層2/誘電体層3/第2の
強磁性層4からなる積層膜を基本構成要素として有して
いる。誘電体層3は、第1の強磁性層2と第2の強磁性
層4との間にトンネル電流を流し得る厚さ、具体的には
30nm以下程度の厚さを有する誘電体層である。誘電体層
3と接した第1および第2の強磁性層2、4はそれぞれ
異なった材料で構成してもよい。
【0022】そして、第1および第2の強磁性層2、4
のうち一方の強磁性層4は、強磁性層4より酸化または
窒化しやすい金属の酸化膜または窒化膜からなる金属化
合物層5を介して、軟磁性層6と積層されている。これ
ら各構成要素によって、本発明の第1の磁気素子として
の強磁性トンネル接合素子1が構成されている。
【0023】第1および第2の強磁性層2、4は、例え
ば外部磁界により軟磁性層6が付与された強磁性層4の
スピンの方向のみを変化させることが可能とされてお
り、これによりスピン依存性トンネル効果が発現する。
【0024】すなわち、強磁性トンネル接合素子1の積
層方向にセンス電流を流して、第1および第2の強磁性
層2、4間にトンネル電流を流す。第1および第2の強
磁性層2、4のスピンが同じ方向を向いている状態にお
いて、強磁性トンネル接合素子1の抵抗(膜面垂直方向
へのトンネル電流の抵抗)は最小となり、この状態から
第2の強磁性層4のスピン方向を外部磁界などにより反
転させることによって、強磁性トンネル接合素子1の抵
抗は最大となる。この際、第1の強磁性層2のスピンは
外部磁界に対して実質的に固定されているようにする。
このようなトンネル電流を含むセンス電流の電圧を測定
することによって、信号磁界などの外部磁界を検出する
ことができる。
【0025】第1および第2の強磁性層2、4のうち、
一方の強磁性層4のスピンの方向のみを変化させるため
には、例えば強磁性体の保磁力の差を利用してもよい
し、また後に詳述するように、他方の強磁性層4を反強
磁性膜などのバイアス磁界印加膜と積層して磁化を固定
するようにしてもよい。また、強磁性層2、4は膜面方
向に一軸異方性を有することが好ましく、その厚さは 1
〜 100nm程度であることが好ましい。
【0026】強磁性層2、4の構成材料には種々の磁性
材料を使用することができ、強磁性層を硬磁性層(ピン
層)とする場合には、磁気異方性の大きいCo、Co合
金、Co−Pt合金、Fe−Pt合金、遷移金属−希土
類合金などを用いることが好ましい。強磁性層を軟磁性
層(フリー層)として用いる場合には、基本的に磁性材
料に制限はなく、パーマロイに代表されるFe−Ni合
金、強磁性を示すFe、Co、Niおよびそれらを含む
合金、スピン分極率の大きいマグネタイト、CrO2
RXMnO3-y (Rは希土類金属、XはCa、Baおよ
びSrから選ばれる少なくとも 1種の元素、 yは 0に近
い値)などの酸化物系磁性材料、NiMnSb、PtM
nSbなどのホイスラー合金などを使用することができ
る。ただし、反強磁性膜などを用いて強磁性層の磁化を
固着する場合、強磁性層の構成材料は特に限定されるも
のではない。
【0027】なお、上述したような磁性材料には、A
g、Cu、Au、Ta、B、C、O、N、Si、Pd、
Pt、Zr、Ir、W、Mo、Nb、Al、Mg、V、
Mn、Cr、Ca、Liなどの非磁性元素か多少含まれ
ていても、強磁性が失われないかぎり特に問題はない。
【0028】誘電体層3の構成材料には各種公知の材料
を使用することができ、例えばAl2 3 、SiO2
MgO、AlN、Bi2 3 、MgF2 、CaF2 など
の誘電体材料を使用することができる。なお、上記した
酸化膜、窒化膜、フッ化膜などでは、それぞれの元素の
欠損が一般的に存在するが、そのような誘電体膜であっ
ても何等問題はない。誘電体層3の厚さはトンネル電流
を流し得る厚さ、例えば上述したように10nm以下程度と
することが好ましい。
【0029】原子拡散バリヤなどとして機能する金属化
合物層5は、上述したような強磁性層4の構成材料より
酸化または窒化しやすい金属の酸化膜または窒化膜から
なるものである。ここで、強磁性層4の構成材料より酸
化または窒化しやすい金属とは、例えば室温から 300℃
程度の温度領域において、酸化物または窒化物の標準生
成自由エネルギーがCoやNiに代表される強磁性層4
の構成材料より小さい元素である。このような金属化合
物層5の構成元素としては、例えばAl、Si、Mg、
Ti、Ta、V、Mn、Cr、Zn、Ca、Li、希土
類元素なとが挙げられる。
【0030】このような金属元素の酸化物または窒化物
からなる金属化合物層5の厚さは数原子層程度、具体的
には 1nm以下とすることが好ましい。金属化合物層5の
厚さが 1nmを超えて厚くなると、強磁性トンネル接合素
子1の基本構成要素としての強磁性層4と軟磁性層6と
の間の磁気的な結合が切れてしまうおそれがあり、強磁
性層4の軟磁気特性の改善効果が得られなくなる。
【0031】強磁性層4の軟磁気特性を改善する軟磁性
層6には、種々の軟磁性材料を使用することができ、例
えばNi−Fe合金、Fe、Ni−FeにMoなどの元
素を添加した材料、Co−Fe−BやCo−Zr−Nb
のようなアモルファス磁性材料などを使用することがで
きる。このような軟磁性層6の付与は、特にCoやCo
合金で強磁性層4を構成する場合に効果的である。
【0032】そして、この実施形態の強磁性トンネル接
合素子1においては、上述したような軟磁性層6を、強
磁性層4の構成材料より酸化または窒化しやすい金属の
酸化膜または窒化膜からなる金属化合物層5を介して、
強磁性層4に付与しているため、まず初期アニールや製
造プロセスなどによる磁気抵抗変化率の劣化の度合いを
抑制することができる。
【0033】さらに、実使用時の装置温度の上昇や電流
による発熱などが生じた場合においても、金属の酸化膜
または窒化膜からなる金属化合物層5により強磁性層4
が酸化もしくは窒化することが抑制できるため、磁気抵
抗効果特性の感度の劣化を防ぐことが可能となる。従っ
て、各種熱処理や使用時の温度上昇に対する強磁性トン
ネル接合素子1の特性の安定化を図ることができ、強磁
性トンネル接合素子1の実用性を大幅に高めることが可
能となる。
【0034】次に、本発明の第2の磁気素子の実施形態
について述べる。
【0035】図2は本発明の第2の磁気素子の一実施形
態の要部構造を模式的に示す断面図である。図2に示す
磁気素子10は、第1の金属層11/誘電体層12/強
磁性層13/誘電体層14/第2の金属層15からなる
積層膜を基本構成要素として有している。このような積
層膜において、第1の金属層11は強磁性体からなる。
一方、第2の金属層15は強磁性体および非磁性体のい
ずれであってもよい。
【0036】そして、第1および第2の金属層11、1
5のうち、少なくとも強磁性体からなる第1の金属層1
1は、この強磁性金属層11より酸化または窒化しやす
い金属の酸化膜または窒化膜からなる金属化合物層16
を介して、軟磁性層17と積層されている。図2は第2
の金属層15も強磁性体で構成し、この強磁性金属層1
5にもそれより酸化または窒化しやすい金属の酸化膜ま
たは窒化膜からなる金属化合物層16を介して、軟磁性
層17を積層した状態を示している。これら各構成要素
によって、本発明の第2の磁気素子としての多重強磁性
トンネル接合素子10が構成されている。
【0037】なお、強磁性金属層11や強磁性層13
(第2の金属層15を強磁性体で構成する場合を含む)
は、前述した第1の磁気素子の実施形態で示したような
各種の磁性材料で構成することができ、その他の条件に
ついても前述した実施形態と同様とすることが好まし
い。誘電体層12、14についても同様である。また、
強磁性金属層より酸化または窒化しやすい金属の酸化膜
または窒化膜からなる金属化合物層16の構成材料や厚
さ、軟磁性層17の構成材料などについても前述した通
りである。
【0038】第2の金属層15を強磁性体で構成する場
合、第1の金属層11と第2の金属層15とは必ずしも
同じ材料で構成する必要はない。また、これら強磁性層
は単層構造に限らず、非磁性層を介して配置した 2つの
強磁性層を有し、これら強磁性層の磁化を互いに反平行
となるように結合させた積層膜で構成することもでき
る。このような反平行に結合させた積層膜によれば、強
磁性層から磁束が外部に漏れることを防ぐことができ
る。
【0039】このような多重強磁性トンネル接合素子1
0において、強磁性層13は 2つの薄い誘電体層12、
14、すなわち 2つのトンネル層によって挟まれてお
り、各誘電体層12、14を介して第1の金属層(強磁
性体)11と強磁性層13との間および強磁性層13と
第2の金属層(強磁性体または非磁性金属)15との間
にそれぞれトンネル電流が流れるように構成されてい
る。すなわち、誘電体層12、14を介して、第1の金
属層11、強磁性層13および第2の金属層15の間
に、 2重の強磁性トンネル接合が形成されている。
【0040】このような積層膜において、強磁性層13
が十分に薄い場合には量子効果により強磁性層13に離
散準位が形成される。そして、強磁性体からなる第1の
金属層11と第2の金属層15との間に適当な電圧を印
加し、強磁性層13に形成された離散準位を制御(シフ
ト)することによって、スピン依存トンネル効果を生じ
させることができる。この際に、化合物層16を介して
軟磁性層17を付与した強磁性金属層11のスピンの方
向を変化させることによって、スピン依存トンネル効
果、さらにはスピン依存共鳴トンネル効果に基づく非常
に大きなMR変化率を得ることができる。また、多重強
磁性トンネル接合は、誘電体層に実効的に印加される電
圧も小さくなるため、電圧依存性によるMR変化率の減
少も小さくなるという効果も存在する。
【0041】強磁性金属層11のスピンの方向のみを変
化させるためには、前述した実施形態と同様に、強磁性
体の保磁力の差などを利用することができる。強磁性層
13の厚さは、上述したように量子効果によりスピンに
依存した離散的なエネルギー準位が形成されるような厚
さ、具体的には10nm以下程度とする。より好ましくは5n
m以下である。第1および第2の金属層11、15の厚
さは特に限定されるものではなく、例えば 0.1〜 100mm
程度とすることが好ましい。
【0042】なお、離散準位を形成する強磁性層13は
1層に限られるものではなく、強磁性層13を複数層と
すると共に、これら複数の強磁性層を誘電体層と交互に
積層配置して、 3重以上の多重強磁性トンネル接合を有
する構成とすることもできる。すなわち、軟磁性層17
/金属化合物層16/強磁性金属層11/誘電体層12
/(強磁性層13/誘電体層14)N /金属層15構造
の積層膜(N≧ 1:積層数)を使用することができる。
【0043】この実施形態の多重強磁性トンネル接合素
子10においても、強磁性金属層11にその構成材料よ
り酸化または窒化しやすい金属の酸化膜または窒化膜か
らなる金属化合物層16を介して軟磁性層17を付与し
ているため、初期アニールや製造プロセスなどによる磁
気抵抗変化率の劣化の度合いを抑制することができ、さ
らに実使用時の装置温度の上昇や通電発熱などに伴う強
磁性金属層11の酸化や窒化を抑制することができるた
め、磁気抵抗効果特性の感度の劣化を防ぐことが可能と
なる。従って、各種熱処理や使用時の温度上昇に対する
多重強磁性トンネル接合素子10の特性の安定化を図る
ことができ、多重強磁性トンネル接合素子10の実用性
を大幅に高めることが可能となる。
【0044】次に、本発明の第3の磁気素子の実施形態
について述べる。
【0045】図3は本発明の第3の磁気素子の一実施形
態の要部構造を模式的に示す断面図である。図3に示す
磁気素子20は、第1の金属層(強磁性体)11/誘電
体層12/誘電体21で分断された強磁性微粒子22を
有する強磁性グラニュラー層23/誘電体層14/第2
の金属層(強磁性体または非磁性金属)15からなる積
層膜を基本構成要素として有している。
【0046】そして、第1および第2の金属層11、1
5のうち、少なくとも強磁性体からなる第1の金属層1
1は、この強磁性金属層11より酸化または窒化しやす
い金属の酸化膜または窒化膜からなる金属化合物層16
を介して、軟磁性層17と積層されている。これら各構
成要素によって、本発明の第3の磁気素子としてのグラ
ニュラータイプの多重強磁性トンネル接合素子20が構
成されている。
【0047】なお、強磁性金属層11(第2の金属層1
5を強磁性体で構成する場合を含む)は、前述した実施
形態で示したような各種の磁性材料で構成することがで
き、その他の条件についても前述した実施形態と同様と
することが好ましい。誘電体層12、14についても同
様である。また、強磁性金属層より酸化または窒化しや
すい金属の酸化膜または窒化膜からなる金属化合物層1
6の構成材料や厚さ、軟磁性層17の構成材料などにつ
いても前述した通りである。
【0048】強磁性グラニュラー層23は、誘電体21
中に強磁性微粒子22を分散配置したものである。この
強磁性グラニュラー層23のスピンは超常磁性を示さ
ず、有限の保磁力を持つ強磁性体であり、理想的にはそ
のスピンは一方向に揃っていることが望ましい。強磁性
グラニュラー層23は多少ばらつきがあってもよく、誘
電体12、14で分断されていればよい。
【0049】強磁性微粒子22には種々の強磁性材料を
使用することができる。例えば、強磁性グラニュラー層
23を磁化固定層とする場合には、磁気異方性の大きい
Co、Co−Pt合金、Fe−Pt合金、遷移金属−希
土類合金などを用いることが好ましい。ただし、強磁性
グラニュラー層23を反強磁性膜などと積層したり、強
磁性グラニュラー層23の両端部に一対の硬磁性膜を隣
接配置し、この硬磁性膜からバイアス磁界を印加してス
ピンを固定する場合には、特に強磁性微粒子22の構成
材料は限定されるものではなく、前述したような各種の
磁性材料を使用することができる。
【0050】強磁性グラニュラー層23における強磁性
微粒子22の粒径は、超常磁性が発現せず、強磁性が維
持される大きさ、例えば数nm以上とする必要がある。た
だし、あまり強磁性微粒子22が大きいと粒子間隔が増
大するため、強磁性微粒子22の粒径は 5〜10nm程度と
することが好ましい。また、強磁性グラニュラー層23
中の強磁性微粒子22は、それら微粒子間でトンネル電
流が流れるように分散されている必要があり、粒子間隔
は 3nm以下程度とすることが好ましい。
【0051】マトリックスを構成する誘電体21として
は、Al2 3 、SiO2 、MgO、AlN、B
2 3 、MgF2 、CaF2 、SrTiO3 などの種々
の誘電体材料を使用することができ、このような誘電体
膜中に上記したような強磁性微粒子22を分散させるこ
とで強磁性グラニュラー層23が得られる。なお、上記
した酸化膜、窒化膜、フッ化膜などでは、それぞれの元
素の欠損が一般的に存在するが、そのような誘電体膜で
あっても何等問題はない。
【0052】強磁性グラニュラー層23は、膜面内に一
軸磁気異方性を有することが望ましい。これによって、
急峻な磁化反転を起こすことができると共に、磁化状態
を安定して保持することができる。これらは特に磁気記
憶装置に適用する場合に有効である。強磁性グラニュラ
ー層23の膜厚は特に制限されるものではないが、作製
上 100nm以下とすることが好ましい。
【0053】上述したような第1の金属層(強磁性体)
11と強磁性グラニュラー層23、および強磁性グラニ
ュラー層23と第2の金属層15との間には、それぞれ
トンネル電流が流れるように構成されている。すなわ
ち、誘電体層12、14を介して、第1の金属層11、
強磁性グラニュラー層23および第2の金属層15の間
に、 2重の多重強磁性トンネル接合が形成されている。
【0054】この実施形態のグラニュラータイプの多重
強磁性トンネル接合素子20においても、強磁性金属層
11にその構成材料より酸化または窒化しやすい金属の
酸化膜または窒化膜からなる金属化合物層16を介して
軟磁性層17を付与しているため、初期アニールや製造
プロセスなどによる磁気抵抗変化率の劣化の度合いを抑
制することができ、さらに実使用時の装置温度の上昇や
通電発熱などに伴う強磁性金属層11の酸化や窒化を抑
制することができるため、磁気抵抗効果特性の感度の劣
化を防ぐことが可能となる。従って、各種熱処理や使用
時の温度上昇に対する多重強磁性トンネル接合素子20
の特性の安定化を図ることができ、多重強磁性トンネル
接合素子20の実用性を大幅に高めることが可能とな
る。
【0055】さらに、本発明の第3の磁気素子におい
て、強磁性グラニュラー層23は 1層に限られるもので
はなく、例えば図4に示すように、複数の強磁性グラニ
ュラー層23a、23bと誘電体層12、14a、14
bとを交互に積層配置して、 3重以上の多重強磁性トン
ネル接合を有する構成とすることもできる。すなわち、
軟磁性層17/金属化合物層16/第1の金属層11/
誘電体層12/(強磁性グラニュラー層23/誘電体層
14)N /第2の金属層15構造の積層膜(N≧1:積
層数)を使用することができる。
【0056】図5は基板面に沿って電流を流すプラーナ
ー型の素子であり、強磁性グラニュラー層23a、23
bと誘電体層14a、14b、14cとを交互に積層し
た積層膜上に、第1の金属層(強磁性体)11と第2の
金属層(強磁性体または非磁性金属)15とが分離され
た状態で配置されており、さらに各金属層11、15上
に金属化合物層16を介して軟磁性層17が形成されて
いる。図中24は基板である。このようなプラーナー型
磁気素子は微細加工技術を用いて容易に作製することが
できる。
【0057】次に、本発明の第4の磁気素子の実施形態
について述べる。
【0058】図4は本発明の第4の磁気素子の一実施形
態の要部構造を模式的に示す断面図である。図4に示す
磁気素子30は、第1の強磁性金属層31/非磁性金属
層32/第2の強磁性金属層33からなる積層膜を基本
構成要素として有しており、さらに第1の強磁性金属層
31はそれより酸化または窒化しやすい金属の酸化膜ま
たは窒化膜からなる金属化合物層34を介して、軟磁性
層35と積層されている。これら各構成要素によって、
本発明の第4の磁気素子としてのスピンバルブ型磁気抵
抗効果素子(SV型GMR素子)30が構成されてい
る。
【0059】第1および第2の強磁性金属層31、33
は、例えば外部磁界により軟磁性層35が付与された強
磁性金属層(フリー層)31のスピンの方向のみを変化
させることが可能とされており、これにより巨大磁気抵
抗効果が発現する。
【0060】すなわち、第1および第2の強磁性金属層
31、33のスピンが同じ方向を向いている状態におい
て、積層膜の抵抗は最小となり、この状態から第1の強
磁性金属層31のスピン方向を外部磁界などにより反転
させることによって、積層膜の抵抗は最大となる。この
際、第2の強磁性金属層33のスピンは外部磁界に対し
て実質的に固定されているようにする(ピン層)。この
ような積層膜に対して膜面方向にセンス電流を流し、そ
の電圧を測定することによって、信号磁界などの外部磁
界を検出することができる。
【0061】第1の強磁性金属層31のスピンの方向の
みを変化させるためには、前述した実施形態と同様に、
強磁性体の保磁力の差などを利用したり、あるいは第2
の強磁性金属層33を反強磁性膜と積層して磁化を固着
するなどの方法を適用することができる。
【0062】強磁性金属層31、33には、各種の磁性
金属材料を使用することができ、例えばFe−Ni合
金、Co−Fe合金、さらには強磁性を示すFe、C
o、Niおよびそれらを含む合金などの磁性金属材料が
使用される。強磁性金属層31、33の厚さは 0.1〜 1
00nm程度とすることが好ましい。また、非磁性金属層3
2には、Cu、Au、Agおよびこれらを含む合金や積
層膜など、種々の非磁性金属材料を使用することができ
る。非磁性金属層32の厚さは 0.6〜10nm程度とするこ
とが好ましい。
【0063】なお、強磁性金属層31より酸化または窒
化しやすい金属の酸化膜または窒化膜からなる金属化合
物層34の構成材料や厚さ、軟磁性層35の構成材料な
どについては、前述した実施形態と同様とすることが好
ましい。
【0064】この実施形態のSV型GMR素子30にお
いても、第1の強磁性金属層31にその構成材料より酸
化または窒化しやすい金属の酸化膜または窒化膜からな
る金属化合物層34を介して軟磁性層35を付与してい
るため、初期アニールや製造プロセスなどによる磁気抵
抗変化率の劣化の度合いを抑制することができ、さらに
実使用時の装置温度の上昇や通電発熱などに伴う強磁性
金属層31の酸化や窒化を抑制することができるため、
磁気抵抗効果特性の感度の劣化を防ぐことが可能とな
る。従って、各種熱処理や使用時の温度上昇に対するS
V型GMR素子30の特性の安定化を図ることができ、
SV型GMR素子30の実用性を大幅に高めることが可
能となる。
【0065】さらに、本発明の第4の磁気素子は、例え
ば図7に示すようなデュアルエレメントタイプの構造を
採用することもできる。すなわち、強磁性金属層(ピン
層)33/非磁性金属層32/強磁性金属層(フリー
層)31/金属化合物層34/軟磁性層35/金属化合
物層34/強磁性金属層(フリー層)31/非磁性金属
層32/強磁性金属層(ピン層)33構造などを使用す
ることができる。上述した各実施形態の磁気素子による
外部磁界の検出機能は、従来のMR素子と同様に、磁気
抵抗効果型の磁気ヘッドに磁界センサなどの磁気センサ
に適用することができる。図8〜図11は本発明の磁気
素子を磁気ヘッドとして使用する場合の膜構造例を示す
断面図である。
【0066】図8および図9は、SV型GMR素子30
の第2の強磁性金属層33と接して反強磁性膜41を配
置し、この反強磁性膜41からバイアス磁界を印加する
ことによって、強磁性金属層33のスピンを一方向に固
着した構造を示している。
【0067】同様に、本発明の第1、第2および第3の
磁気素子においても、図10および図11に示すよう
に、反強磁性膜41を使用して強磁性層42のスピンを
固着することができる。反強磁性膜41には、FeM
n、PtMn、PtCrMn、NiMn、IrMn、C
oO、NiO、Fe2 3 などの各種の反強磁性材料を
使用することができる。ここで、強磁性層42は図1に
おける強磁性層2、図2における強磁性金属層13、図
3における強磁性グラニュラー層23、さらにはそれら
と誘電体との積層膜などであり、スピンが固着されたピ
ン層である。
【0068】図8〜図11に示す各磁気ヘッド用膜構造
において、各層の磁気特性(軟磁性および硬磁性)を組
合せることで良好な磁気ヘッドを構成することができ
る。上述したような組合せにおいて、磁場中成膜、磁場
中熱処理により隣り合う磁性層のスピンを略直交させる
ことによって、HDDの記録媒体からの漏れ磁束に対し
て良好な線形応答性が得られる。このような構造はいか
なる磁気ヘッド構造においても使用することができる。
【0069】また、磁気抵抗効果型へッドとして用いる
本発明の磁気素子に反強磁性膜41を付与する場合、ピ
ン止めしたい強磁性層に直接反強磁性膜41を付与しな
くともよく、例えば図12や図13に示すように、強い
反強磁性結合を有する多層膜43、またはフェリ磁性多
層膜44を介して、ピン止めしたい強磁性層に反強磁性
膜41を付与してもよい。特に、フェリ磁性多層膜44
/反強磁性層41(例えば、強磁性体/希土類/強磁性
体/反強磁性体)構造で強磁性層のスピンを固定するこ
とによって、一方向異方性がピン層に付与される。これ
ら強磁性体はhcp構造であることが望ましく、Co−
Pt、Fe−Pt、Co−Pd、Fe−Pd、または希
土類−遷移金属強磁性合金などを用いるとより強い一方
向異方性が得られる。なお、図12および図13におい
て、45は前述した各実施形態で示した磁気素子を構成
する積層膜である。
【0070】次に、本発明の磁気素子を磁気記憶素子に
適用する場合の素子構造について説明する。図14〜図
18は本発明の磁気素子を磁気記憶素子として使用する
場合の膜構造例を示す断面図である。すなわち、 1つの
強磁性層を記録層とすると共に、他の強磁性層をスピン
固定層とし、センス電流で記録層の磁化方向を判定する
ことにより、記録層に書き込まれたデータを読み取るこ
とができる。
【0071】図14および図15は破壊読出しを想定し
た場合の磁気記憶素子の素子構造である。この場合に
は、強磁性層42に接して反強磁性膜41を配置し、こ
の反強磁性膜41からバイアス磁界を印加することによ
って、強磁性層42のスピンを一方向に固着している。
強磁性層42は図1における強磁性層2、図2における
強磁性金属層13、図3における強磁性グラニュラー層
23、さらにはそれらと誘電体との積層膜などである。
そして、金属化合物層16を介して軟磁性層17が付与
された強磁性層11はフリー層とされており、これら軟
磁性層17と強磁性層11との積層膜を記録および読み
出し層として機能させる。
【0072】また、図16、図17および図18は非破
壊読出しを想定した場合の磁気記憶素子の素子構造であ
り、軟磁性層と硬磁性層とを適当に組合せることによっ
て、読み出し層および書き込み層を設け、電流磁界で軟
磁性層の磁化を反転させることにより、書き込み層の情
報を非破壊で読み出すことができる。図16〜図18に
おいては、軟磁性層17と強磁性層11との積層膜が読
み出し層であり、高保磁力として強磁性層42や強磁性
金属層15が記録層となる。
【0073】この際、記録層となる高保磁力の強磁性層
に対しても、それより酸化または窒化しやすい金属の酸
化膜または窒化膜を介して軟磁性層を付与することによ
って、非破壊読み出しの際の書き込み磁場を適当な大き
さに調整することができ、熱安定性に優れたMRAM素
子を提供することができる。
【0074】そして、図19に示すように、上述したよ
うな本発明の磁気素子51をトランジスタ52、書き込
みライン53、読み出しライン54、ビットライン55
などと共にセル状に基板上に微細加工することによっ
て、磁気記録装置を作製することができる。
【0075】上述したような本発明の磁気素子は、各種
スパッタ法、蒸着法、分子線エピタキシャル法などの通
常の薄膜形成装置を用いて作製することができ、磁気抵
抗効果型へッド、磁界センサー、磁気記憶素子などに適
用することができる。磁気素子を作製する基板に特に制
限はなく、Si、SiO2 、Al2 3 、スピネル、M
gO、AlNなどを使用することができる。
【0076】また、各実施形態で示した構成要素の他
に、例えばAu、Ag、Cuおよびそれらの合金、T
a、アモルファス合金、各種酸化物や窒化物からなる下
地層や保護層を適用することができる。特に、電流を膜
面内に流すスピンバルブ膜において、巨大磁気抵抗効果
に寄与する非磁性層が金属層の場合、Au、Ag、Cu
およびそれらの合金、Al2 3 、SiO2 、NiO、
CoOなどの保護膜または下地膜を適用し、これらと金
属化合物層とで磁気素子を挟むように構成することによ
って、スペキュラー反射が起き、磁気抵抗変化率を高め
ることができる。
【0077】
【実施例】次に、本発明の磁気素子の具体的な実施例に
ついて述べる。
【0078】実施例1 スパッタ装置およびメタルマスクを用いて、SiO2
板およびAl2 3 基板上にNi80Fe20を30nm積層し
た後にAl(0.8nm)を成膜し、純酸素をチャンバに導入
してAlを酸化した。次いで、Co9 Fe(2nm)を成膜
した後、Al(1nm)を成膜してプラズマ酸化した後、そ
の上にCo9 Fe(10nm)/Ir20Mn80(14nm)を形成
した。各層の成膜はNi80Fe20、Co9 Fe、Ir−
Mn、Alをターゲットとし、Arガス圧 1×10-3Torr
でスパッタを行った。
【0079】その結果、Ni80Fe20/AlOx /Co
9 Fe/Al2 3 /Co9 Fe/IrMn構造の80μ
m 2 角のトンネル接合を作製した。その後、試料を 300
℃にて磁場中熱処理を行い、IrMnのブロッキング温
度直上で90度磁場の方向を変え、そのまま室温へ温度を
下げて磁化を略直交させた。
【0080】このトンネル接合を 270℃で長時間アニー
ルを行い、磁気抵抗効果曲線の熱安定性を調べた。その
結果を図20に示す。図20に示すように、磁気抵抗効
果特性は、約Hk =8Oe という小さな磁場で急峻に磁気
抵抗が変化し、さらに磁気抵抗変化率およびHk 共に熱
に対して安定した特性を示し、磁気抵抗効果型ヘッド、
磁界センサ、磁気記憶素子として良好な特性を示した。
【0081】また、トンネル接合の誘電体層がSi
2 、AlN、MgO、Bi2 3 、MgF2 、CaF
2 のときも同様の傾向を示し、トンネル接合の誘電体
層、磁性層の種類、反強磁性膜の種類に依存せず同様の
結果を示した。さらに、Ni−FeとCo9 Feとの間
に設けたCo−Feよりも酸化しやすい金属は、Co−
Feよりも酸化しやすい元素であればよく、Si、M
g、Ti、V、Mn、Cr、Zn、Ca、Li、Gdな
どを使用した場合においても、同様の熱安定性が得られ
た。他の膜構成の例およびその耐熱性を表1に示す。
【0082】
【表1】 比較例1〜3 スパッタ装置およびメタルマスクを用いて、SiO2
板およびAl2 3 基板上にNi80Fe20を30nm積層
し、その上にCu(0.8nm)を成膜した膜、または何も成
膜しない状態のNi−Fe下地のみの状態の膜におい
て、純酸素をチャンバに導入し、CuおよびNi−Fe
を酸化したもの、またNi80Fe20を30nm積層した後、
酸素などを何も導入しなかったものの 3種類を作製し
た。
【0083】次いで、それらの上にCo9 Fe(2nm)を
成膜し、さらにAl(1nm)を成膜してプラズマ酸化した
後、その上にCo9 Fe(10nm)/Ir20Mn80(14nm)を
作製した。各層の成膜はNi80Fe20、Co9 Fe、C
u、Al、Ir20Mn80をターゲットとし、Arガス圧
1×10-3Torrでスパッタを行った。
【0084】その結果、Ni80Fe20/CuOx /Co
9 Fe/Al2 3 /Co9 Fe/IrMn(比較例
1)、Ni80Fe20/Ni−Fe−Ox /Co9 Fe/
Al23 /Co9 Fe/IrMn(比較例2)、Ni
80Fe20/Co9 Fe/Al23 /Co9 Fe/Ir
Mn(比較例3)の各構造の80μm 2 角のトンネル接合
を作製した。
【0085】その後、試料を 300℃にて磁場中熱処理を
行い、IrMnのブロッキング温度直上で90度磁場の方
向を変えてそのまま室温へ温度を下げ、磁化を略直交さ
せた。上記トンネル接合を 270℃で長時間アニールを行
い、磁気抵抗効果曲線の熱安定性を調べた。それら結果
を図21〜図23に示す。これらの図に示すように、磁
気抵抗効果特性は熱に対して安定した特性を示さず、磁
気抵抗効果型へッド、磁界センサ、磁気記憶素子として
信頼性のある素子を提供できない。
【0086】実施例2 スパッタ装置およびメタルマスクを用いて、SiO2
板およびAl2 3 基板上にFeを20nm積層し、その上
にSiを 0.5nm成膜して純酸素をチャンバに導入した。
次いで、Co8 Fe2 (2nm)を成膜し、その上にAlを
1nm成膜してプラズマ酸化した後、Co−Fe−Ptを
2nm成膜した後、再びAlを 1nm成膜してプラズマ酸化
した。その上にCo9 Feを 2nm作製した後、Pt−M
nを20nm成膜した。各層の成膜はFe、Co8 Fe2
Co5 Fe3 Pt2 、Al、Si、PtMn9 をターゲ
ットとし、Arガス圧 1×10-3Torrでスパッタを行っ
た。
【0087】その結果、Fe/SiOx /Co8 Fe2
/Al2 3 Co−Fe−Pt/Al2 3 /Co9
e/Pt−Mn構造の50μm 2 角の 2重トンネル接合を
作製した。その後、試料を 250℃にて磁場中熱処理する
ことによって、一軸異方性を付与した。
【0088】上記トンネル接合を 270℃にて長時間アニ
ールを行って、磁気抵抗効果曲線の熱安定性を調べた。
その結果を図24に示す。図24に示すように、低磁場
での磁気抵抗効果特性は約Hk =7Oe という小さな磁場
で急峻に磁気抵抗が変化し、磁気抵抗変化率およびHk
共に熱に対して安定した特性を示し、磁気抵抗効果型へ
ッド、磁界センサ、磁気記憶素子として良好な特性を示
した。
【0089】また、トンネル接合の誘電体層がSi
2 、AlN、MgO、Bi2 3 、MgF2 、CaF
2 のときも同様の傾向を示し、トンネル接合の誘電体
層、磁性層の種類、反強磁性膜の種類に依存せず同様の
結果を示した。FeとCo8 Fe2との間に設けたCo
−Feよりも酸化しやすい金属は、Co−Feよりも酸
化しやすい元素であればよく、Al、Mg、Ti、V、
Mn、Cr、Zn、Ca、Li、Gdなどを用いたとき
も同様の熱安定性が得られた。
【0090】実施例3 スパッタ装置を用いて、SiO2 基板およびAl2 3
基板上にNi80Fe20を 7nm積層した後、Al(0.7nm)
を成膜し、純酸素をチャンバに導入してAlを酸化し
た。次いで、CoまたはCo9 Fe(1.5nm)を成膜した
後にCuを成膜し、その上にCo(3nm)/Ir20Mn80
(14nm)またはCo9 Fe(3nm)/Ir20Mn80(14nm)
を作製した。各層の成膜はNi80Fe20、Co9 Fe、
Cu、Alをターゲットとし、Arガス圧 1×10-3Torr
でスパッタを行った。
【0091】その結果、Ni80Fe20/AlOx /Co
9 Fe/Cu/Co9 Fe/IrMn、Ni80Fe20
AlOx /Co/Cu/Co/IrMn構造の巨大磁気
抵抗効果素子を作製した。その後、試料を 300℃にて磁
場中熱処理し、IrMnのブロッキング温度直上て90度
磁場の方向を変え、そのまま室温へ温度を下げて、磁化
を略直交させた。
【0092】上記巨大磁気抵抗効果素子(スピンバルブ
膜)を 270℃で長時間アニールを行い、磁気抵抗効果曲
線の熱安定性を調べた。その結果を図25に示す。図2
5に示すように、磁気抵抗効果特性は約Hk =6Oe とい
う小さな磁場で急峻に磁気抵抗が変化し、磁気抵抗変化
率およびHk 共に熱に対して安定した特性を示し、磁気
抵抗効果型へッド、磁界センサ、磁気記憶素子として良
好な特性を示した。
【0093】巨大磁気抵抗効果素子(スピンバルブ膜)
の非磁性金属層がAg、Au、Cu−Au、Cu−A
g、Cu−Niのときも同様の傾向を示し、巨大磁気抵
抗効果素子(スピンバルブ膜)の非磁性金属層、磁性層
の種類、反強磁性膜の種類に依存せず同様の結果を示し
た。また、Ni−FeとCo9 FeまたはCoとの間に
設けたCo−FeやCoよりも酸化しやすい金属は、C
o−FeやCoよりも酸化しやすい元素であればよく、
Si、Mg、Ti、V、Mn、Cr、Zn、Ca、L
i、Gdなどを用いたときも同様の熱安定性が得られ
た。他の膜構成の例およびその耐熱性を表2に示す。
【0094】
【表2】 比較例4〜6 スパッタ装置を用いて、SiO2 およびAl2 3 基板
上にNi80Fe20を 7nm積層した後、Cu(0.7nm)を成
膜した膜、または何も成膜しない状態のNi−Fe下地
のみの状態の膜において、純酸素をチャンバに導入して
CuおよびNi−Feを酸化したもの、またNi80Fe
20を 7nm積層した後に酸素などを何も導入しなかったも
のの 3種類を作製した。次いで、その上にCo9 Fe
(1.5nm)およびCuを成膜した後、その上にCo9 Fe
(3nm)/Ir20Mn80(14nm)を作製した。各層の成膜は
Ni80Fe20、Co9 Fe、Cu、Al、Ir20Mn80
をターゲットとし、Arガス圧 1×10-3Torrでスパッタ
を行った。
【0095】その結果、Ni80Fe20/CuOx /Co
9 Fe/Al2 3 /Co9 Fe/IrMn(比較例
4)、Ni80Fe20/Ni−Fe−Ox /Co9 Fe/
Al23 /Co9 Fe/IrMn(比較例5)、Ni
80Fe20/Co9 Fe/Al23 /Co9 Fe/Ir
Mn(比較例6)の各構造の巨大磁気抵抗効果素子(ス
ピンバルブ膜)を作製した。その後、試料を 300℃にて
磁場中熱処理し、IrMnのブロッキング温度直上で90
度磁場の方向を変え、そのまま室温へ温度を下げて、磁
化を略直行させた。
【0096】上記スピンバルブ膜を 270℃で長時間アニ
ールを行い、磁気抵抗効果曲線の熱安定性を調べた。そ
の結果を図26〜図28に示す。これらの図に示すよう
に、磁気抵抗効果特性は熱に対して安定した特性を示さ
ず、磁気抵抗効果型ヘッド、磁界センサ、磁気記憶素子
として信頼性のある素子を提供できないことが分かっ
た。
【0097】実施例4 スパッタ装置およびメタルマスクを用いて、熱酸化Si
基板上にNi−Feを40nm積層した後、AlNを 1nm成
膜し、その上にCo8 Pt2 膜を 5nm成膜した。次い
で、Co8 Pt2 とSiO2 をターゲットとして、Co
8 Pt2 とSiO2 の体積比が約 1:1になるように同時
スパッタを行った。その際、基板バイアスとして400Wを
かけながら成膜を行うと、(Co8 Pt2 −SiO2
ラニュラー/SiO2 )の層状積層膜(11nm)が作製され
た。その上にSiO2 を約 1nm成膜した後、Co9 Fe
を30nm成膜した。その際のArガス圧は 1×10-3Torrと
してスパッタを行った。
【0098】その結果、Ni−Fe/AlNx /Co8
Pt2 /SiO2 /(Co8 Pt2−SiO2 グラニュ
ラー/SiO2 )/Co9 構造の50μm 2 角の強磁性グ
ラニュラー層を介したトンネル接合を作製した。その
後、試料を 300℃にて磁場中熱処理して一軸異方性を付
与した。カー効果測定の結果、保磁力が大きいCo8
2 −SiO2 グラニュラー層と保磁力が比較的小さい
Ni−Fe/AlN/Co8 Pt2 、Co9 Fe層のヒ
ステリシス曲線の足し合わせである保磁力差が存在する
2段のヒステリシス曲線が観測された。
【0099】上記トンネル接合を 270℃で長時間アニー
ルを行い、磁気抵抗効果曲線の熱安定性を調べた。その
結果を図29に示す。図29に示すように、低磁場での
磁気抵抗効果特性は約 4Oe という小さな磁場で急峻に
磁気抵抗が変化し、磁気抵抗変化率および飽和磁場共に
熱に対して安定した特性を示し、磁気抵抗効果型へッ
ド、磁界センサ、磁気記憶素子として良好な特性を示し
た。
【0100】トンネル接合の誘電体層がAl2 3 、A
lN、MgO、Bi2 3 、MgF2 、CaF2 のとき
も同様の傾向を示し、トンネル接合の誘電体層、磁性層
の種類、反強磁性膜の種類に依存せず同様の結果を示し
た。また、Ni−FeとCo−Ptとの間に設けたCo
−Ptよりも酸化しやすい金属は、Co−Feよりも窒
化しやすい元素であればよく、Si、Mg、Ti、V、
Mn、Cr、Zn、Ca、Li、Gdなどを用いたとき
も同様の熱安定性が得られた。他の膜構成の例およびそ
の耐熱性を表3に示す。
【0101】
【表3】 比較例7 スパッタ装置およびメタルマスクを用いて、熱酸化Si
基板上にNi80Fe20を40nm積層した後、その上にCo
8 Pt2 (5nm)を成膜し、その上にCo8 Pt2 とSi
2 をターゲットとして、Co8 Pt2 とSiO2 の体
積比が約 1:1になるように同時スパッタを行った。その
際、基板バイアス400Wをかけながら成膜を行うと、(C
8 Pt2 −SiO2 グラニュラー/SiO2 )の層状
積層膜が作製された。その上に、SiO2 を約 1nm成膜
した後に、Co9 Feを30nm成膜した。その際のガス圧
は 1×10-3Torrでスパッタを行った。
【0102】その結果、Ni−Fc/Co8 Pt2 /S
iO2 /(Co8 Pt2 −SiO2グラニュラー/Si
2 )/Co9 Fe構造の50μm 2 角の強磁性グラニュ
ラー層を介したトンネル接合を作製した。その後、試料
を 300℃にて磁場中熱処理して一軸異方性を付与した。
【0103】上記トンネル接合を 270℃で長時間アニー
ルを行い、磁気抵抗効果曲線の熱安定性を調べた。その
結果を図30に示す。図30に示すように、磁気抵抗効
果特性は熱に対して安定した特性を示さず、磁気抵抗効
果型へッド、磁界センサ、磁気記憶素子として信頼性の
ある素子を提供できないことが分かった。
【0104】実施例5 スパッタ装置、メタルマスクとリフトオフによる微細パ
ターンを用いて、熱酸化Si基板上に図5に構造を示し
た磁気素子を作製した例を示す。まず、Co8Pt2
SiO2 をターゲットとして、Co8 Pt2 とSiO2
の体積比が 1:1になるように同時スパッタを行った。そ
の際、基板にメタルマスクをかぶせ、バイアス400Wをか
けなから成膜を行い、 100μm 2 角のSiO2 /(Co
8 Pt2−SiO2 グラニュラー/SiO2 )の 2積層
構造膜(約27nm)を作製した。その際のArガス圧は 1
×10-3Torrとしてスパッタを行った。
【0105】その上に、Crマスク露光器を用いてレジ
ストをパタ−ニングした後、上部磁性層であるCo8
2 (3nm)/AlOx (0.5nm)/Ni8 Fe2 (10nm)を
成膜し、リフトオフにより20μm 2 角パターンを作製し
た。その結果、図5の構造の接合を作製した。その後、
試料を 300℃にて磁場中熱処理して一軸異方性を付与し
た。
【0106】上記トンネル接合を 270℃で長時間アニー
ルを行い、磁気抵抗効果曲線の熱安定性を調べた。その
結果を図31に示す。図31に示すように、低磁場での
磁気抵抗効果特性は約 3Oe という小さな磁場で急峻に
磁気抵抗が変化し、磁気抵抗変化率および飽和磁場共に
熱に対して安定した特性を示し、磁気抵抗効果型へッ
ド、磁界センサ、磁気記憶素子として良好な特性を示し
た。
【0107】トンネル接合の誘電体層がAl2 3 、A
lN、MgO、Bi2 3 、MgF2 、CaF2 のとき
も同様の傾向を示し、トンネル接合の誘電体層、磁性層
の種類、反強磁性膜の種類に依存せず同様の結果を示し
た。また、Ni−FeとCo−Ptとの間に設けたCo
−Ptよりも酸化しやすい金属は、Co−Feよりも窒
化しやすい元素であればよく、Si、Mg、Ti、V、
Mn、Cr、Zn、Ca、Li、Gdなどを用いたとき
も同様の熱安定性が得られた。
【0108】実施例6 スパッタ装置およびメタルマスクを用いて、SiO2
板およびAl2 3 基板上にNi80Fe20を15nm積層し
た後、Mg(0.8nm)を成膜し、純酸素をチャンバに導入
してMgを酸化した。次いで、CoFe(2nm)を成膜し
た後、Al(1nm)を成膜してプラズマ酸化した後、その
上にFePt(10nm)/Mg(0.7nm)/Ni80Fe20(2n
m)を作製した多層膜、FePt(10nm)を作製した多層
膜の 2種類の磁気素子を作製した。Ni80Fe20、Co
Fe、Al、Mg、Fe80Pt20をターゲットとし、A
rガス圧 1×10-3Torrでスパッタを行った。
【0109】その結果、Ni80Fe20/MgOx /Co
Fe/Al2 3 /FePt/MgOx /Ni80Fe20
構造、およびNi80Fe20/MgOx /CoFe/Al
2 3 /FePt構造の 2種類の80μm 2 角のトンネル
接合を作製した。その後、試料を 300℃にて磁場中熱処
理して一軸異方性を付与した。
【0110】図32(a)、(b)に示したように、M
gOx /Ni80Fe20を高保磁力の強磁性層(ハード
層)に付与すると、ハード層としての強磁性層の飽和磁
場が小さくなり、材料を変えることなく、Ni80Fe20
などのソフト磁性層の膜厚とハード層の膜厚比を調整す
るだけで、飽和磁場を適当な値に設計できることが分か
った。
【0111】上記Ni80Fe20/MgOx /CoFe/
Al2 3 /FePt/MgOx /Ni80Fe20構造の
トンネル接合を 270℃で長時間アニールを行い、磁気抵
抗効果曲線の熱安定性を調べた。その結果を図32
(c)に示す。図32(c)に示すように、低磁場の磁
気抵抗効果特性は約Hk =3Oe という小さな磁場で急峻
に磁気抵抗が変化し、磁気抵抗変化率および飽和磁場共
に熱に対して安定した特性を示し、磁気抵抗効果型へッ
ド、磁界センサ、磁気記憶素子として良好な特性を示し
た。
【0112】トンネル接合の誘電体層がSiO2 、Al
N、MgO、Bi2 3 、MgF2、CaF2 のときも
同様の傾向を示し、トンネル接合の誘電体層、磁性層の
種類、反強磁性膜の種類に依存せず同様の結果を示し
た。また、Ni−FeとCoFeまたはFe−Ptとの
間に設けたCo−FeまたはFe−Ptよりも酸化しや
すい金属は、Co−FeまたはFe−Ptよりも酸化し
やすい元素であればよく、Si、Al、Ti、V、M
n、Cr、Zn、Ca、Li、希土類元素などを用いた
ときも同様の熱安定性が得られた。
【0113】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の磁気素子
によれば、GMR膜を構成する強磁性層の軟磁気特性を
向上させた上で、各種熱処理や使用時における温度上昇
などに伴う磁気抵抗効果特性や感度の劣化を抑制するこ
とができ、熱安定性を大幅に向上させることが可能とな
る。従って、このような磁気素子を用いた磁気抵抗効果
型へッド、磁界センサ、磁気記憶素子などの実用性を高
めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の磁気素子の一実施形態の要部
構造を模式的に示す断面図である。
【図2】 本発明の第2の磁気素子の一実施形態の要部
構造を模式的に示す断面図である。
【図3】 本発明の第3の磁気素子の第1の実施形態の
要部構造を模式的に示す断面図である。
【図4】 本発明の第3の磁気素子の第2の実施形態の
要部構造を模式的に示す断面図である。
【図5】 本発明の第3の磁気素子の第3の実施形態の
要部構造を模式的に示す断面図である。
【図6】 本発明の第4の磁気素子の第1の実施形態の
要部構造を模式的に示す断面図である。
【図7】 本発明の第4の磁気素子の第2の実施形態の
要部構造を模式的に示す断面図である。
【図8】 本発明の第4の磁気素子を磁気ヘッドに適用
する場合の膜構造の一例を示す断面図である。
【図9】 本発明の第4の磁気素子を磁気ヘッドに適用
する場合の膜構造の他の例を示す断面図である。
【図10】 本発明の第1、第2および第3の磁気素子
を磁気ヘッドに適用する場合の膜構造の一例を示す断面
図である。
【図11】 本発明の第1、第2および第3の磁気素子
を磁気ヘッドに適用する場合の膜構造の他の例を示す断
面図である。
【図12】 本発明の磁気素子を磁気ヘッドに適用する
場合の膜構造の例を示す断面図である。
【図13】 本発明の磁気素子を磁気ヘッドに適用する
場合の膜構造の他の例を示す断面図である。
【図14】 本発明の磁気素子を磁気記憶素子に適用す
る場合の膜構造の一例を示す断面図である。
【図15】 本発明の磁気素子を磁気記憶素子に適用す
る場合の膜構造の他の例を示す断面図である。
【図16】 本発明の磁気素子を磁気記憶素子に適用す
る場合の膜構造のさらに他の例を示す断面図である。
【図17】 本発明の磁気素子を磁気記憶素子に適用す
る場合の膜構造のさらに他の例を示す断面図である。
【図18】 本発明の磁気素子を磁気記憶素子に適用す
る場合の膜構造のさらに他の例を示す断面図である。
【図19】 本発明の磁気素子を磁気記憶素子とした使
用したセル構造の一例を示す図である。
【図20】 本発明の実施例1の磁気素子の熱処理前後
における磁気抵抗効果曲線を示す図である。
【図21】 比較例1の磁気素子の熱処理前後における
磁気抵抗効果曲線を示す図である。
【図22】 比較例2の磁気素子の熱処理前後における
磁気抵抗効果曲線を示す図である。
【図23】 比較例3の磁気素子の熱処理前後における
磁気抵抗効果曲線を示す図である。
【図24】 本発明の実施例2の磁気素子の熱処理前後
における磁気抵抗効果曲線を示す図である。
【図25】 本発明の実施例3の磁気素子の熱処理前後
における磁気抵抗効果曲線を示す図である。
【図26】 比較例4の磁気素子の熱処理前後における
磁気抵抗効果曲線を示す図である。
【図27】 比較例5の磁気素子の熱処理前後における
磁気抵抗効果曲線を示す図である。
【図28】 比較例6の磁気素子の熱処理前後における
磁気抵抗効果曲線を示す図である。
【図29】 本発明の実施例4の磁気素子の熱処理前後
における磁気抵抗効果曲線を示す図である。
【図30】 比較例7の磁気素子の熱処理前後における
磁気抵抗効果曲線を示す図である。
【図31】 本発明の実施例5の磁気素子の熱処理前後
における磁気抵抗効果曲線を示す図である。
【図32】 本発明の実施例6による磁気素子の磁気抵
抗効果曲線を示す図である。
【符号の説明】
1……強磁性トンネル接合素子 2、4、11、13、31、33……強磁性層 3、12、14……誘電体層 5、16、34……金属化合物層 6、17、35……軟磁性層 10……多重強磁性トンネル接合素子 20……グラニュラータイプの多重強磁性トンネル接合
素子 23……強磁性グラニュラー層 30……スピンバルブ型磁気抵抗効果素子 32……非磁性層

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも 2層の強磁性層と、前記強磁
    性層間に介在され、かつ前記強磁性層間にトンネル電流
    を流し得る厚さを有する誘電体層とを具備する磁気素子
    において、 前記強磁性層のうち少なくとも 1層には、前記強磁性層
    より酸化または窒化しやすい金属の酸化膜または窒化膜
    を介して軟磁性層が付与されていることを特徴とした磁
    気素子。
  2. 【請求項2】 少なくとも 1層の強磁性層と、前記強磁
    性層を挟持するように配置された誘電体層と、前記誘電
    体層を介して前記強磁性層と積層され、少なくとも一方
    が強磁性体からなる第1および第2の金属層とを具備す
    る磁気素子において、 前記第1および第2の金属層のうち、前記強磁性体から
    なる金属層には、前記強磁性金属層より酸化または窒化
    しやすい金属の酸化膜または窒化膜を介して軟磁性層が
    付与されていることを特徴とした磁気素子。
  3. 【請求項3】 誘電体で分断された強磁性微粒子を有す
    る少なくとも 1層の強磁性グラニュラー層と、前記強磁
    性グラニュラー層を挟持するように配置された誘電体層
    と、前記誘電体層を介して前記強磁性グラニュラー層と
    積層され、少なくとも一方が強磁性体からなる第1およ
    び第2の金属層とを具備する磁気素子において、 前記第1および第2の金属層のうち、前記強磁性体から
    なる金属層には、前記強磁性金属層より酸化または窒化
    しやすい金属の酸化膜または窒化膜を介して軟磁性層が
    付与されていることを特徴とした磁気素子。
  4. 【請求項4】 少なくとも 2層の強磁性層と、前記強磁
    性層間に介在された非磁性層とを具備する磁気素子にお
    いて、 前記強磁性層のうち少なくとも 1層には、前記強磁性層
    より酸化または窒化しやすい金属の酸化膜または窒化膜
    を介して軟磁性層が付与されていることを特徴とした磁
    気素子。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし請求項4のいずれか1項
    記載の磁気素子において、 前記金属の酸化膜または窒化膜を介して前記軟磁性層が
    付与された前記強磁性層のスピンの方向を変化させるこ
    とにより磁気抵抗効果を発現させることを特徴とする磁
    気素子。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし請求項4のいずれか1項
    記載の磁気素子において、 前記金属の酸化膜または窒化膜は 1nm以下の厚さを有
    し、かつ前記金属はAl、Si、Mg、Ti、Ta、
    V、Mn、Cr、Zn、Ca、Liおよび希土類元素か
    ら選ばれる少なくとも 1種からなることを特徴とする磁
    気素子。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし請求項6のいずれか1項
    記載の磁気素子と、 前記磁気素子にセンス電流を供給する電極とを具備する
    ことを特徴とする磁気センサ。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし請求項6のいずれか1項
    記載の磁気素子と、 前記磁気素子に電流磁界を印加する電極とを具備するこ
    とを特徴とする磁気記憶装置。
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