JP2018538445A - ケイ酸塩鉱物からのリチウムの回収 - Google Patents

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Abstract

リチウム含有ケイ酸塩鉱物からリチウムを回収する方法、およびシステムが開示される。本方法、およびシステムは、ケイ酸塩鉱物を硝酸と混合する工程を含む。本方法、およびシステムは、混合物を、ケイ酸塩鉱物中のリチウム分がケイ酸塩鉱物から硝酸リチウムとして浸出するような条件を有する浸出処理に供する工程も含む。硝酸は、水性、気体、または気体前駆体の形態であり得る。

Description

硬岩鉱物、ならびに粘土、および雲母鉱物が例として挙げられる、リチウムを含むケイ酸塩に富む鉱物からリチウム分を回収するための方法、システム、および装置が開示される。本方法、システム、および装置は、特にリチウム電池製造において需要のある物質である、純粋なリチウム化合物(特に、酸化リチウム、水酸化リチウム、および炭酸リチウム)ならびに金属リチウムへの、これらのリチウム分の転換にも関する。
リチウムは、地殻全体に広く存在し、その平均濃度は、おおよそ百万分の20部である。この濃度は、鉄、およびアルミニウムより大幅に少ないものの、コバルトなどの他の有価金属の濃度に匹敵し、さらにリチウムは、貴金属の金および白金よりはるかに豊富である。さらなる探鉱により、世界のリチウム資源評価は増大しているが、今後数年から数十年の間にリチウムの利用が大幅に成長すると見込まれる用途、とりわけ電池にとって、これらの資源が十分であるかについての懸念が、依然として存在する。
現在でも、リチウム電池によって、電池重量単位当たり少なくとも150ワット時毎キログラム(Wh/kg)、好ましくは250Wh/kgの、大量の電力の有効な貯蔵が可能となっており、長期的にはおそらく1,500Wh/kgが見込まれる。このような貯蔵量は、これまで石油燃料によって完全に占められていた道路輸送市場への電力の進出を可能にし、風、および太陽光といった本質的に間欠的な再生可能エネルギー源を利用する発電システムの開発と配備を加速させるであろう。
海水からのリチウムの回収は、その濃度が非常に低い(百万分の0.2重量部未満)ため、海水中の総量が、金属で2000億トンを超え、予測されるあらゆる需要を大いに上回るにもかかわらず、依然として極めて高価である可能性が高い。
リチウム電池の作製に必要なリチウム、およびリチウム化合物の実用的な供給元は、現在、アルゼンチン、ボリビア、およびチリに広がる「リチウムトライアングル」と呼ばれる南米の塩水湖(塩湖)からの塩水が大部分を占める。しかし、これらの塩湖からの供給の安全保障は、ソブリンリスク問題、環境面の課題、および経済的に回収可能なリチウムがこれらの塩湖に一体どれくらい含有されているかという疑念によって脅かされる。
リチウムは、特定の硬岩ケイ酸塩鉱物からも回収される。しかし、第一にリチウムトライアングルの塩湖中に豊富なリチウムが存在すると認識されていたため、第二に現行の硬岩リチウム原鉱の精錬処理(第二次世界大戦前からほとんど変わっていない)は、費用が高く、複雑で、有害であり、かつ環境面の課題が多いため、最近まで硬岩のリチウム鉱物鉱床の探鉱に対する関心はほとんどなかった。
著しく優れた方法の恩恵により、急速に拡大する世界の硬岩リチウム資源を、電池製造の便益となるまで開発することができ、電池のためのリチウム供給が長期的に確保され、他の方法と比較した費用全体の低減化が満たされることがより確実とされる。
本明細書において背景または先行技術を参照することは、そのような技術が当業者の通常の、および/または一般的な知識の一部を形成することを認めるものではない。そのような参照は、本明細書に記載される方法およびシステムを限定することを決して意図するものではない。
ペグマタイトとして知られる結晶質岩群中に頻繁に見られ得るような、リチウム含有ケイ酸塩鉱物からリチウムを回収するための改善された方法が、ここに開示される。リチウム含有ケイ酸塩鉱物として、硬岩鉱物リシア輝石(LiAlSi)、ならびに/または硬岩鉱物の葉長石LiAlSi10、およびユークリプタイトLiAlSiOが例として挙げられるが、これらに限定されない、さまざまなあらゆる他のリチウム含有ケイ酸塩鉱物、ならびにアンブリゴナイト(Li,Na)AlPO(F,OH)、レピドライトK(Li,Al,Rb)(Al,Si)10(F,OH)、およびチンワルダイトKLiFeAl(AlSi)O10(OH,F)が例として挙げられる、雲母族に属する鉱物を挙げることができる。リチウムは、ヘクトライトNa0.3(Mg,Li)Si10(OH)が例として挙げられる、そのような鉱物の部分的な風化の結果得られる特定の粘土中、および新しく発見された(2006)ホウケイ酸ナトリウム−リチウム鉱物のジャダライトLiNaSiB(OH)中にも存在し得る。
この明細書を通して、鉱物「リシア輝石」へのあらゆる全ての言及は、上記に挙げられるものを含め、硬岩、および粘土の両方の、全てのリチウム含有金属ケイ酸塩鉱物を含むよう理解されるべきである。
広義には、リチウム含有ケイ酸塩鉱物からリチウムを回収するための方法がここに開示される。
方法は、ケイ酸塩を硝酸と混合する工程を含む。方法は、混合物を、ケイ酸塩鉱物中のリチウム分がケイ酸塩鉱物から硝酸リチウムとして浸出するような条件を有する浸出処理に供する工程も含む。
通常、硝酸を用いる浸出は、水相で起きる。しかし、本発明者は、ケイ酸塩鉱物中のリチウム分は、窒素酸化物、特に一酸化窒素(NO)、および二酸化窒素(NO)(まとめてNOxと表される)、酸素(空気中を含む)、ならびに水蒸気と共に蒸気形態の硝酸を使用し、硝酸塩へ効果的に転換され得ることを発見し、実際には硝酸の前駆体である、そのような気体と蒸気の混合物は、前処理されたリチウム含有ケイ酸塩鉱物と接触すると、硝酸と同様に働き得る。したがって、この明細書の文脈において、これらの異なる様相は、硝酸の一形態であると考えられ得る。したがって、この明細書を通して、「硝酸」へのあらゆる全ての言及は、気相の硝酸前駆体、気相の硝酸、および水相の硝酸を含むよう解釈されるべきである。
浸出剤としての硝酸の使用は、この酸によって抽出されるリチウム分の、酸化リチウム(リチア)への簡便で経済的な転換を独自に可能にする。リチアは、
水酸化物(無水形態のLiOH、または一水和物LiOH・HO)、
炭酸(LiCO)(リチウムの計量は、当業界において、通常炭酸リチウム当量、またはLCEで表される)、および
リチウム電池の次世代設計、および合金化の目的(例えば、航空宇宙産業、および軽量と同時に高い強度と耐熱性が特に評価される他の用途において利益を見出しているリチウム−アルミニウム合金の製造)のために需要が高まっている形態である、金属元素としてのリチウム
を含む、純粋で市場性の高いリチウム化合物を製造するための理想的な出発点である。
浸出剤としての硝酸の使用により、硫酸、および炭酸ナトリウム(ソーダ灰)といった高価で有害な化学物質を調達し、消費する必要性を回避することもできる。方法は、硫酸ナトリウム、または方沸石(アナルサイム)といった不要な副生成物の生成を防ぐこともできる。この理由は、蒸解処理で一旦消費された硝酸は、ほぼ全てが回収、および再利用され得る、すなわち、硝酸の使用は、「閉ざされた」処理を可能にするためである。さらに方法は、最低限の処理ステップを伴ってもよい。さらに方法は、例えば温室効果ガスの二酸化炭素の排出が制限的であるなど、環境を損なわない方法であり得る。
一実施形態において、ケイ酸塩鉱物の前処理は、焼成による処理といった熱処理を含んでもよく、ここで固体の温度は、相転移を起こす、例えば天然のαリシア輝石がより活性なβ形態へ転換するのに十分な温度まで上げられ得る。
他の実施形態において、前処理は、強い機械的せん断を生じる、鉱物の強力な(例えばIsamill(商標)といった攪拌ミル中での)粉砕によってもたらされ得るような非熱的な処理であってもよい。これは、ケイ酸塩鉱物粒子内に分散するリチウムイオンに浸出剤を有効に接近させるほど十分微細に、粒子を分割することができる。
実施形態において、ケイ酸塩鉱物が焼成によって前処理される場合、ケイ酸塩鉱物は、その後必要に応じて(例えば、ローラミル中で)粉砕され、次いで、硝酸と混合される前に、結果として得られる高温気体流から(例えば、サイクロン中で)分離され得る。
実施形態において、浸出処理の一部として、ケイ酸塩鉱物と硝酸の混合物を、蒸解処理に供してもよい。蒸解処理は、1つ以上の段階を使用し得る蒸解反応器中で行われ得、また、ケイ酸塩鉱物中のリチウム分が可溶性の硝酸リチウムへ転換されるような条件下で行われ得る。蒸解処理条件は、可溶化され、それ故にケイ酸塩鉱物から浸出される非リチウム分(すなわち、ケイ酸塩鉱物中に存在し得る非リチウム分)の量を最小限に抑えるよう制御され得る(例えば、アルミニウム、鉄、ならびにニッケル、クロム、マンガン、およびコバルトが例として挙げられる他の遷移金属、アルカリ土類金属のカルシウム、およびマグネシウム、ならびにリン酸イオンといった非リチウム分)。浸出する場合であっても、これら、および他の非リチウム分の一部は、水相から分離(例えば、析出)させることができる。
望ましい蒸解反応は:
LiAlSi+HNO→LiNO+LiAlSi(OH) 1)
リシア輝石 硝酸 硝酸リチウム 葉ろう石
と表すことができる。
一実施形態において、浸出(例えば、蒸解)処理条件は、リチウム分の浸出、およびそれらの硝酸リチウムへの転換を促進するために、浸出処理の圧力、および温度を上昇させる工程を含んでもよい。例えば、ケイ酸塩鉱物と硝酸は、高温(例えば、約170℃)、および高圧(例えば、約15バールの圧力)で、例えばオートクレーブといった蒸解反応器内で反応させられ得る。例えば、加圧下で、そのような反応器内、約170℃の温度で、1時間以内に、(β)リシア輝石焼成試料中の95%のリチウムを抽出することが可能であることが示されている。
他の実施形態において、ケイ酸塩鉱物と硝酸を、高温(例えば、約100℃〜120℃)だが、大気圧で反応させてもよい。そのような反応は、蒸解反応器内で行われてもよいが、この場合、圧力容器内で行われない。
実施形態において、ケイ酸塩鉱物からリチウムを確実に最大限まで抽出するため、蒸解処理条件は、ケイ酸塩鉱物を、化学量論を超える硝酸と反応させる工程を含んでもよい。前述のアルミニウム、鉄、他の遷移金属、およびアルカリ土類金属(カルシウム、およびマグネシウム)、ならびにリン酸イオンが例として挙げられる、リチウムに富むケイ酸塩鉱物中に存在する金属不純物、および陰イオン不純物の抽出を最小限に抑えると同時に、ケイ酸塩鉱物からリチウム分を最大限まで抽出することを補助するため、蒸解の期間、および硝酸の濃度は、独立して制御され得る。
実施形態において、蒸解処理の完了が認められた後に残存する過剰な硝酸(液体形態の場合)、および水は、乾燥段階で留去され得る。乾燥段階は、最初に別の混合容器/段階において開始され得る蒸解処理を継続する役割も果たす。
乾燥段階は、中空フライトスクリューコンベア(例えば、Therma−Flite Holo−Scru(商標)、Bepex Thermascrew(商標)、またはMetso Holo−Flite(商標))を使用してもよい。蒸解処理に中空フライトスクリュー反応器を用いる利点は、融解塩、好ましくは、いくつかのアルカリ金属亜硝酸塩も含んでもよいアルカリ金属(リチウム、ナトリウム、およびカリウム)硝酸塩の混合物が、(混合物の組成に依存して)融解状態、または液体状態を維持する温度で中空フライトを循環され得ることである。これらの温度は、(混合物の組成に依存して)約100℃未満から約500℃を超えるまでの範囲で変動し得る。特に、そのような溶融塩熱媒体の混合物は、以下で説明されるように、本方法全体の副生成物となり得る。そのような溶融塩熱媒体の混合物は、特に集光型太陽熱発電(CSP)プラントにおいて、熱エネルギーを貯蔵、および輸送するための媒体として使用する需要があり得る。
一実施形態において、乾燥段階に使用される反応器は、窒素酸化物、および硝酸蒸気の放出を防ぐために、全閉形であってもよく、(大気圧に対し)微陰圧下で操作されてもよい。
他の実施形態において、乾燥段階に使用される反応器は、高圧、例えば約10バールから約15バールで操作されてもよい。これは、上流の(先の)蒸解処理が行われた可能性のある圧力と一致し得る。
以下に記載されるように、乾燥段階において、硝酸、および水蒸気、ならびにNOxガスは、硝酸の再生に使用するためにそれらのあらゆる過剰量が回収され得ると同時に、内部循環され得る。これに関し、実施形態において、硝酸溶液は、専用の硝酸生成プラント内で生成されてもよく、その酸は、次いで浸出処理で(すなわち、追加の焼成リシア輝石、または他のリチウムに富む鉱物ケイ酸塩を蒸解するために)再利用されてもよい。
上記で記載されるように、処理され、浸出の準備が整ったケイ酸塩鉱物中のリチウム分は、蒸気(前駆体)形態の硝酸を、NOx、(例えば、空気中の)酸素、および水蒸気と共に使用して、硝酸塩へ効率的に転換され得る。したがって、実施形態において、蒸解処理条件は、そのような気相−固相条件を優先するよう制御され得る。この実施形態において、蒸解反応器内の圧力は、おおよそ大気圧に設定され得るが、温度は、ケイ酸塩鉱物と接触する全ての反応物が気相、または蒸気相であるよう、あらゆる液相(硝酸、水)の沸点を上回る水準、例えば約170℃から約200℃に設定され得る。
実施形態において、そのような前駆体気体の供給源は、以下に説明されるように、その中で硝酸リチウム結晶が酸化リチウム(固体)、ならびに窒素酸化物(NOx)および酸素(いずれも気体)へ熱分解する反応器である、後に続く反応器を方法中に含んでもよい。この実施形態において、これらの気体の一部、または全ては、硝酸プラントを迂回し、その代わりに直接蒸解反応器へ送られてもよい。
この場合の蒸解反応は:
2LiAlSi+2NO+HO+1.5O→2LiNO+2LiAlSi(OH) 1a)
と表すことができる。
前述の中空フライトスクリューコンベア形態の、大気圧で操作されても、高圧で操作されても、アルカリ金属硝酸塩の(多少のアルカリ金属亜硝酸塩を含むかもしれない)混合物をその中空コンベアフライトを通して循環させる能力を有する蒸解反応器は、前述のさまざまな蒸解処理の実施形態を可能にすることができる。
実施形態において、例えば約400℃の温度における鉱物焼成段階に由来する部分的に冷却された固体は、中空フライト反応器の入口へ直接搬送されてもよい。上記で記載されるように大気圧、または高圧で操作され得るこの反応器内に入ると、液体および/または蒸気としての硝酸、窒素酸化物(NOx)、酸素、ならびに水蒸気(特にこれらは、硝酸リチウム分解処理の副生成物である)の混合物は、多少の空気(追加の酸素の供給源)と共に、反応器内で高温のままのケイ酸塩鉱物固体と接触させられ得る。そこで、それらは、ケイ酸塩鉱物と反応し、後にリチウム分を硝酸リチウム、およびおそらく多少の亜硝酸リチウムへ転換し得る。これらの反応は、発熱反応であり、したがって中空フライトを通して循環する融解硝酸塩/亜硝酸塩混合物は、冷却経路の役割を果たし、蒸解する固体塊の温度を通常約200℃未満の温度に保つために、反応の過剰な熱を除去する。その結果、循環する融解塩混合物は、加熱される。
実施形態において、融解塩混合物は、焼成炉からの高温の、焼成された、例えば活性化(β)リシア輝石などを冷却する過程で400℃付近までさらに加熱され得る。蒸解反応器内の固体(焼成鉱物)の総留置時間は、使用される温度、および圧力、ならびに反応器の設計に依存し、数分から数時間、またはそれより長時間の範囲で変動し得る。
実施形態において、蒸解処理の実質的な終点で、硝酸浸出剤と焼成リシア輝石の間のさらなる反応も停止され得る。この停止をもたらすため、それぞれがここに記載される方法全体の個別の実施形態を表し得る、多くの代替の工程/段階を使用してもよい。
実施形態において、主要な蒸解反応の停止は、中和のみによって達成され得る。例えば蒸解反応の生成物に水を添加することなどによって、水相浸出溶液(すなわち、蒸解反応器の生成物のスラリー化に使用される溶液)を作製する際、この水は、すなわち残余の遊離(未反応の過剰な)硝酸の存在により、強酸性の水相となる。この実施形態において、水相浸出溶液は、この水相のpHを、中和処理の間中性からややアルカリ性に確実に維持するのに十分に適切なアルカリを含有することができる。この実施形態において、適切なアルカリは、ここに記載される方法全体の過程で生成する、1つ以上のアルカリ性リチウム化合物(例えば、水酸化リチウムまたは炭酸リチウム:それぞれLiOHおよびLiCOの1つ以上)であってもよい。
水酸化リチウムによってこの残余の酸を早期に中和することの有益な成果として、遊離する過剰な硝酸を追加の硝酸リチウムへ転換することだけでなく、アルミニウム、鉄、および他の遷移金属、ならびにアルカリ土類金属のあらゆる硝酸塩をそれらの不溶性の酸化物、または水酸化物形態へ転換することを挙げることができる。驚くべきことに本発明者は、例えばそのような中性から弱アルカリ性のpHの水相条件を維持するためのアルカリとして水酸化リチウムを使用する場合、溶液に溶け込んでいるアルミニウム、および遷移金属分が(不溶性の酸化物、または水酸化物として)析出されるだけでなく、溶液に溶け込んでいるマグネシウム分も不溶性の水酸化マグネシウムとして析出されることを発見した。実施形態において、水相に存在するカルシウム分も、炭酸リチウムといったアルカリ金属炭酸塩を適切な量で添加することによって、不溶性の炭酸カルシウム(方解石、またはアラレ石)として析出され得る。添加されるリチウム陽イオンも、追加の硝酸リチウムを形成することができることが望ましい。
中和反応を実施するための適切な設備は、単純な蓋付タンク(1つのみでも、または順次作動するタンクが2つ以上存在してもよい)を含み得る。各タンクは、あらゆる不溶性固体の懸濁状態を維持するために、攪拌機、および/または他の手段、例えば空気散布システムが取り付けられ得る。混合時間の延長(例えば、数時間)が必要とされる場合もある。これは、第一に、反応、例えば特にアルミニウムの硝酸塩が加水分解して水酸化アルミニウムを形成する反応は、結果として得られる水酸化アルミニウム粒子が離散しており、結晶質(ゲル状でなく)であり、かつ好ましい沈降特性、ろ過特性、および洗浄特性を有するよう、時間をかけて行うことが最良であるためである。これによって、このような粒子を、通常の固液分離設備、およびシステムで処理し、除去することが可能になる。
実施形態において、中和タンクを通過するスラリーに、制御下で空気を散布し、分散させてもよい。空気中の酸素は、蒸解処理中に形成されるあらゆる亜硝酸イオンを、硝酸イオンへ転換(酸化)することができ、これによって、硝酸リチウムのさらなる精製を目的とする下流の処理を促進することもできる。
(蒸解反応器へ液体形態で供給される硝酸を用いて蒸解を行う場合といった)他の実施形態において、水酸化リチウム、および任意選択的に炭酸リチウムといったアルカリ性中間体を用いて全ての残留硝酸を中和することのみに依拠する代わりに、浸出処理は、非化学的手段によって実質的に停止され得、過剰な硝酸の大部分が回収される。この実施形態において、蒸解処理の生成物は、実質的に固体塊のままで蒸解反応器を出ると同時に、かつアルカリ水溶液を用いてそれをスラリー化するあらゆる試みの前に、存在するあらゆる遊離水と共に過剰な硝酸を蒸気として含み得る揮発性物質を留去するよう最初に加熱され得る。
この実施形態において、蒸解反応器からの乾燥固体塊は、次いで、さらに約200℃に達する温度、すなわちアルミニウム、鉄、および他の遷移金属の硝酸塩を、それらの各々の不溶性酸化物または水酸化物まで分解するのに十分な温度まで加熱され得る。この加熱は、捕捉され、輸送されて、乾燥段階で生成される硝酸蒸気および水蒸気と結合する、さらなる窒素酸化物(NOx)、および酸素を放出することもできる。
この実施形態において、この加熱は、蒸解反応器の下流区域で行われ得、結果として得られる蒸気は、蒸解反応器の上流区域へ直接再循環される。これにより、蒸解反応器に供給される焼成ケイ酸塩鉱物(または、そうでなければ蒸解反応器へ供給される硝酸)と混合する必要がある硝酸の量を、(液体形態であっても、蒸気形態であっても)これらの蒸気が硝酸と同様に機能することができる程度まで低減することができる。すなわち、これらの再循環される蒸気は、ケイ酸塩鉱物中のリチウム分を、可溶性の硝酸リチウム(および、例えば多少の亜硝酸塩)へ転換することができる。この実施形態において、アルミニウムおよび遷移金属の硝酸塩の分解に由来する、残余の硝酸および窒素酸化物の大部分は、それらを蒸発させることによって除去されるが、残余の固体は、固体のスラリー化に使用される水溶液が、例えば水酸化リチウム、および/または炭酸リチウムによって(例えば、再循環される下流の生成物の一部によって)アルカリ性とされるのに十分な酸形成材料を依然として含有し得ることが認められる。しかし、過剰の酸形成揮発性物質が熱処理によって除去される範囲で、この目的のために再循環する必要のある水酸化リチウム、および/または炭酸リチウムの量は低減され得、したがって、追加の量の硝酸リチウムが後の処理ステップへ移動する。
この実施形態において、蒸解処理からの固体中に(すなわち、可溶性硝酸塩として)存在し得るアルミニウムイオン、鉄イオン、および遷移金属イオン、ならびにマグネシウムイオン、およびカルシウムイオンを、不溶性生成物(水酸化物、および炭酸塩)へ転換することによって、これらの不溶性生成物は、浸出段階の後に残存する残留固体物質を単に増加させる。したがって、これらの物質は、他の不溶性物質と共に水相から容易に分離され得る。対照的に、リチウム分は、後の段階において(例えばアルカリ性)水溶液に容易に抽出され得るよう、可溶性形態のままであり得る。
したがって、焼成ケイ酸塩鉱物は、硝酸、酸素、水蒸気、および窒素酸化物と、完全に気相中で反応することができるが、(上記に要約されるものが例として挙げられるが、必ずしもそれらに限定されない)他の実施形態において、特定の条件、および状況の下で、適宜異なる停止手段が使用されてもよい。
方法のさまざまな実施形態において、アルミニウム、鉄、および他の遷移金属の硝酸塩の分解に由来する窒素酸化物、ならびに多少の酸素と共に、過剰な硝酸、および水蒸気は、硝酸の再生(例えば、専用の硝酸生成プラントで硝酸溶液を生成することができ、当該酸は、次いで本方法において再利用され得る)において使用することを目的として回収され得る。
方法のさまざまな実施形態において、前述の段階の生成物は、高温の、硝酸リチウム濃縮水溶液であり得る。この溶液は、アルカリ金属であるナトリウムおよびカリウムの硝酸塩も少量含有してもよい。この溶液は、含有されるリチウム分を、水酸化リチウム、炭酸リチウム、および金属リチウムが例として挙げられる所望の化合物へ転換する過程でさらに処理され得る。2つの代替的な実施形態が使用され得る。
第一のそのような実施形態において、全ての硝酸リチウム濃縮溶液は、最終的に約750℃ほどの温度まで、一連の操作の中で次第に加熱され得る。この加熱を達成するために、プラントおよび設備の単一の機器を使用しても、プラントおよび設備の一連の機器を使用しても、硝酸リチウム溶液は、3つの変化を起こす。第一に、硝酸リチウム溶液は、水の留去と共に蒸発乾固する。第二に、約260℃を上回るまでのさらなる加熱により、硝酸リチウムの固体結晶塊は、融解し、流動性の液体となる。第三に、600℃を上回るまでこの液体を加熱することで、硝酸リチウムは、酸化リチウム(リチア)に分解し、窒素酸化物(NOx)、および多少の酸素を排出する。
第一、および第二の加熱段階(すなわち、約260℃を上回るまで、通常400℃付近まで)は、さまざまな任意の市販される設備機器内で、例えば、絶縁された蓋付タンク、または固体の懸濁状態を維持するための攪拌器がそれぞれに取り付けられた一連の類似のタンク内で行われ得る。そのようなタンクは、全体で、溶解硝酸リチウムの実質的な蓄えを、(例えば、少なくとも1時間の留置時間)400℃付近に制御される温度で保持し得る。タンクの内容物は、下記に説明される硝酸リチウム精製処理の生成物であり得る融解塩混合物であって、アルカリ金属であるリチウム、ナトリウム、およびカリウムの硝酸および亜硝酸を含む融解塩混合物がそれを通して(例えば専用のポンプ、および相互に連結する配管などによって)循環する被覆、またはパイプによって連続して加熱されることで、この温度に維持され得る。次に、融解塩混合物は、ケイ酸塩鉱物焼成炉から出る高温燃焼気体中を、硝酸リチウム焙焼炉から生じる高温プロセスガス由来の、硝酸リチウム焙焼炉からの他の高温燃焼気体中を、実施形態に依存し、蒸解反応器中を(同様の循環パイプ、および相互に連結する追加の配管を通して)循環することで加熱され得る。この加熱段階において、供給中に含有される残余の水は、(前、および後の加熱段階に由来する水蒸気、および他の揮発性物質と合流するよう誘導され得る)水蒸気としてフラッシュオフされ得る。あらゆる不溶性固体の懸濁状態は、タンクに形成される攪拌器(空気散布システムであってもよい)によって維持され得る。
第二のそのような実施形態において、方法は、第一の結晶化段階をさらに含み得る。この段階において、浸出(およびあらゆる追加の下流における精製)後の硝酸リチウムの濃縮溶液は、さらに濃縮され、その後結晶化されてより高純度の結晶性硝酸リチウムLiNOを形成し得る。第一の結晶化段階は、蒸発装置/結晶化装置を使用してもよい。
第一の結晶化段階の結果として得られる結晶化LiNO(結晶化に通ずる人からは「第一ストライク」と称されることが多い)は、通常スラリー形態であり、固体の硝酸リチウム結晶は、遠心分離によって水相から分離され得る。その後、結晶性LiNOから分離された溶液は、硝酸リチウム結晶が「第二ストライク」として得られ得る第二の結晶化段階へ送られ得る。
第二ストライクの結晶化から結果として得られる、結晶が豊富なスラリーは、基本的には主要な硝酸リチウム結晶を分離する遠心分離機の複製であり得る、専用のろ過型遠心分離機へ送られ得る。この第二の遠心分離機は、例えば第二ストライク結晶化装置から結果として得られる、結晶が豊富なスラリーを攪拌貯蔵タンク内に保持することなどによって間欠的に操作され得る。その純度に依存し、分離された結晶塊は、最初の硝酸リチウム結晶化装置に供給する供給タンクへ戻され得、当該供給タンクで再び溶かされ、再結晶化されて主流の硝酸リチウム結晶生成物と合流する。しかし、十分に純度が高い場合、第二ストライクの結晶化由来の硝酸リチウムは、最初の結晶化装置の生成物(第一ストライク)と単に合流する。実施形態において、第二ストライクの結晶化段階の処理が繰り返され得る、さらなる第三の結晶化段階が実施され得る。さまざま実施形態において、連続して動作する複数の結晶化段階を含有する結晶化システムが使用されてもよい。
第二ストライクの結晶スラリー(または、存在する場合は、第三ストライクの結晶スラリー)の遠心分離から回収される、その時点でナトリウムおよびカリウム分が相対的に富化された液体は、適切な量の可溶性炭酸塩と共に処理され得る。一実施形態において、炭酸ナトリウム(すなわち、ソーダ灰)と炭酸カリウムの混合物が、適切な量で使用され得る。当業者に知られるように、ソーダ灰(または炭酸カリウム)は、追加の硝酸ナトリウム/カリウムを溶液中に残し、難溶性炭酸リチウムとしてリチウム分を析出させる。
実施形態において、第二ストライク結晶化装置からの濃縮された液体は、60℃を超える、好ましくは80℃を超える温度に保持され得、温度の上昇に伴い水溶液への溶解度が低下する炭酸リチウムの析出を最大限まで増やす。
リチウム分を純粋なリチウム化合物(特に、酸化リチウム、水酸化リチウム、および炭酸リチウム)、ならびに金属リチウムへ転換するための処理段階のさらなる実施形態が、以下の詳細な説明において、非限定的にさらに詳細に記載される。
リチウム含有ケイ酸塩鉱物からリチウムを回収するためのシステムもここに開示される。システムは、ケイ酸塩鉱物と硝酸の混合物が、ケイ酸塩鉱物中のリチウム分がケイ酸塩鉱物から硝酸リチウムとして浸出するような条件に供される浸出反応器を含む。
システムは、上記に記載され、以下にさらに詳細に説明されるようなさまざまな処理装置をさらに含むことができる。
以下、例示でしかない下記の図面を参照し、方法、およびシステムの実施形態を説明する。
リチウム含有ケイ酸塩鉱物から、水酸化リチウム、炭酸リチウム、および金属リチウムとしてリチウムを回収するための方法、およびシステムの概念図である。 関与し得る主要な単位動作を示す、一般化された方法のブロック図である。 方法、およびシステムの、より具体的な実施形態を説明する模式的なフロー図を表す図である。 方法、およびシステムの、より具体的な実施形態を説明する模式的なフロー図を表す図である。
以下の詳細な説明において、詳細な説明の一部を構成する添付の図が参照される。詳細な説明に説明され、図面に図示され、特許請求の範囲に規定される説明のための実施形態は、限定することを意図しない。提示される主題の趣旨、または範囲を逸脱することなく、他の実施形態が用いられ得、他の変更が行われ得る。ここに包括的に記載され、かつ図面で説明される本開示の態様は、多様な異なる構成に変更され、置換され、組み合わされ、分割され、および設計され得、それらの全てが本開示で検討されることは、容易に理解されるだろう。
以下の説明は、再生可能な硝酸浸出法を使用し、リチウム含有ケイ酸塩鉱物(例えば、リシア輝石、または他のリチウムに富む金属ケイ酸塩原鉱)から酸化リチウム(リチア)を生成するための方法、およびシステムの実施形態を開示する。重要なリチア中間体から、各種割合で水酸化リチウム、炭酸リチウム、および金属リチウムを生成することができる。方法、およびシステムは、方法全体の各所で生じる煙道気体から二酸化炭素を捕捉することもできる。
図1は、単純なブロック図形式で示される、リチウム含有ケイ酸塩鉱物から水酸化リチウム、炭酸リチウム、および金属リチウムとしてリチウムを回収するための方法、およびシステムの概念図である。方法全体は、以下の最大で6つであり得る「ブロック」に分けられる:
1.例えばリシア輝石の硝酸中での蒸解、および純粋な硝酸リチウムの生成、
2.酸化リチウムおよび窒素酸化物への硝酸リチウムの分解、
3.硝酸リチウムの分解、および他の単位動作からの窒素酸化物(NOx)に富む排気の回収、ならびに段階1で再利用することを目的とする硝酸へのそれらの転換、
4.水酸化リチウムへの酸化リチウムの転換、
5.炭酸リチウムへの、酸化リチウム、および/または水酸化リチウムの転換、
6.金属リチウムへの酸化リチウムの転換。
以下の説明は、6つの各ブロックに要約される結果を達成するために必要とされる操作を遂行するさまざまな具体的方法を示す。
1.例えばリシア輝石の硝酸中での蒸解、および純粋な硝酸リチウムの生成
このブロックは、以下の単位動作を包含する:
i.リシア輝石、および他の硬岩形態の場合、通常焼成(デクレピテーションと称されることが多い)を伴う、リチウム含有鉱物濃縮物の前処理。これは、相転移(すなわち、高密度(比重約3.2)の不浸透性(そのため非常に不活性な)天然鉱物(例えば、αリシア輝石)の、より空隙が多く、脆く、浸透性の高い相(例えば、βリシア輝石、比重約2.4)への転換)を起こすのに必要とされる温度まで鉱物を加熱することを伴う。必要とされる典型的な温度は、約1,000℃である。
ii.部分的な冷却、および焼成鉱物(例えば、βリシア輝石)の大きさの可能な限りのさらなる縮小。
iii.焼成された、例えばβリシア輝石中のリチウム分を可溶性硝酸リチウムへ転換するための、部分的に冷却された、例えばβリシア輝石の、硝酸、または(実施形態において)硝酸の前駆体である蒸気および気体との反応(蒸解)。
iv.蒸解処理の生成物中の他の物質を過剰な遊離酸が攻撃する傾向を最小限に抑えるような、蒸解処理の生成物のスラリー化。
v.(ivで得られる硝酸リチウムに富む水相の純度を考慮し、必要に応じて)硝酸によって同様に可溶化された他の元素およびイオンを硝酸塩へ転換し、それらを不溶性固体として析出させることによる、焼成された、例えばリシア輝石中の、(硝酸)蒸解処理の間不溶性のままであったリチウム分と共に除去されることになる当該他の元素およびイオンの除去。この工程の間、存在する亜硝酸イオンは、スラリーに酸素を(好ましくは、空気の形態で)散布することによって硝酸イオンに酸化され得る。
vi.よく知られる固液分離技術(例えば、ろ過)による、リチウムに富む可溶性の水相の、iv.およびv.で行われる溶液精製ステップで形成される析出物を含む蒸解処理の不溶性残渣からの分離、および不溶性固体残渣(例えば、ろ過ケーク)の洗浄。
vii.純粋な硝酸リチウム(viからの溶液を蒸発乾固した中程度の純度の生成物として、または硝酸リチウムを蒸発させた後に結晶化し、硝酸リチウム結晶を(例えば、遠心分離機によって)分離し、処理を繰り返して追加の硝酸リチウム結晶を(例えば、多重効用結晶化装置で)生成し、アルカリ金属硝酸塩(すなわち、ナトリウム、およびカリウムの硝酸塩を伴うリチウムの硝酸塩)の濃縮溶液を残すことによって高純度生成物を得るかのいずれか)の生成。
viii.遠心分離のろ液/分離液をアルカリ金属炭酸塩(例えば、炭酸ナトリウム、または炭酸カリウム)で処理し、次いで炭酸リチウム析出物をろ過、および洗浄することによる、ろ液/分離液残渣中に残るリチウム分の一部の回収。この析出物の純度は、販売用に適合し得る。硝酸リチウム、硝酸ナトリウム、および硝酸カリウムの混合物である残渣は、融解塩エネルギー貯蔵システムを使用する集光型太陽熱発電(CSP)所の運営者に特に販売され得る。
iからviiiの各作業は、専門業者から市販される、さまざまな適切なプラント、および設備を用い、さまざまな条件下で行われ得る。可能性のある多くの方法が以下の説明に要約される。説明される種々の方法は、網羅的ではなく、所望の結果を達成するために、他の方法、すなわち主題のさらなる変更が当業者によって採択され得る。
2.酸化リチウム、および窒素酸化物への硝酸リチウムの分解
溶液から分離される結晶化固体硝酸リチウムは、例えば、硝酸リチウムを固体酸化リチウム(リチア、LiO)に分解させる温度、すなわち約600℃を上回る温度まで加熱することによる熱処理に供され得る。この熱分解の間、窒素酸化物に加え多少の酸素を含む気体/蒸気流が発生し得る。この流れは、硝酸生成プラントへ送られ、本方法で使用するための硝酸を生成する。他の実施形態において、この流れの一部、または全ては、蒸解反応器へ直接戻されてもよい。これらの高温における分解反応は、以下:
4LiNO→2LiO+4NO+3O 2)
硝酸リチウム リチア 一酸化窒素 酸素
のように表され得る。
熱処理は、焙焼炉を使用することができるが、焙焼炉の内容物(硝酸リチウム、および硝酸リチウムの分解から形成される酸化リチウム)が、有意な量の水蒸気、または二酸化炭素のいずれか(いずれも、分解処理が実施される高温においても、酸化リチウムと反応し、水蒸気の場合は水酸化リチウム、二酸化炭素の場合は炭酸リチウムを形成することができる)に曝露されないことが重要である。
実施形態において、焙焼炉は、(例えば、被覆された)間接加熱回転炉であり得る。これに関し、内容物は、回転炉を通過する際に、例えば空気中の天然ガスの燃焼(被覆を通る高温燃焼気体)によって外部加熱される。この燃焼熱は、炉壁の伝導によって炉を通過する内容物を加熱する。
実施形態において、炉壁は、耐熱ステンレス鋼、例えば310系、もしくは他のニッケルに富むステンレス鋼製、または主成分がニッケルの合金(インコネル系に属するものを含む)製でもあり得る。この実施形態において、天然ガス、その燃焼のために供給される空気も、燃焼生成物、主として窒素、多少の酸素、二酸化炭素、および水蒸気も、いかなる時も炉を通過する硝酸リチウム、および酸化リチウム内容物と接触しない。実施形態において、温度が約700℃を超える可能性が高い高温の煙道気体は、アルカリ金属硝酸塩(に加えて多少の亜硝酸塩)の混合物からなる融解塩が循環する管と対向する適切な対流熱交換器を通過することによって冷却される。このようにして、排気は、約200℃未満まで冷却され得る。
取り組むべき問題は、硝酸リチウム供給中に存在する活性窒素が、全て窒素酸化物NOへ転換されるとは限らず、一部は、窒素ガスNを含む窒素の不活性な形態へ転換され得、同時に多少の亜酸化窒素NOの形成も起こり得ることである。酸化窒素の代わりにこれらの2種の気体が生じる限り、システム全体からの活性窒素(すなわち、簡便に転換して硝酸に戻り得る窒素、または蒸解処理にも直接使用され得る窒素)の損失が存在する。結果として生じる活性窒素の損失に加え、方法全体の他の部分で生じ得る活性窒素の他の損失は、補うことができる。
これらの損失を補い得る2つの実施形態が、本方法で想定される。
一方の実施形態において、オストワルト法による硝酸製造の当業者によく知られる設備を使用し、白金−ロジウムのマトリクス、またはメッシュといった適切な触媒の存在下、過剰の空気中で適切な量の無水アンモニアを燃焼させることができる。そのような適切な触媒の存在下における、空気中のアンモニアの燃焼は、以下の式:
4NH+5O→4NO+6HO 3)
に従って、(窒素ガスではなく)追加の窒素酸化物を生成するという利点を有する。
この反応は、二酸化炭素を生成しないが、水蒸気を生成する。しかし、必要とされる窒素の補給量は少量であり、硝酸の生成に多少の水蒸気が必要とされるため、この水蒸気は、炉内を通過する気体全体の許容可能な構成物質である。この反応3)の燃焼生成物は、分解炉を通過する固体と直接接触することができることが示唆される。
電気料金が低い場合に適する、他方の実施形態において、活性窒素は、100年以上前に発明され、Birkeland−Eyde法として知られる方法を利用することによって補われ、ここで空気は、約2000℃付近か、さらにそれを超える温度まで空気が加熱され得る電気アーク中を通過する。そのような温度で、空気中の酸素および窒素の一部は、以下の式:
+O→2NO 4)
に従って化合し得る。
反応は、可逆的であるため、急速加熱された後の気体を、可能な限り急速にフラッシュ冷却することが重要である。実施形態において、電気アークからの高温の気体は、(約700℃を超える温度であるにもかかわらず)はるかに冷たい空気、ならびに焙焼炉を循環する他の気体および蒸気によって速やかに急冷され得る。
いずれの実施形態においても、生成気体の熱含量は、装入される、炉を通過する材料を加熱するために、有効に、かつ直接的に使用することができ、それによって、そうでなければ必要な熱エネルギーを供給するために必要とされる天然ガスの一部を節約する。ここで、硝酸リチウムの分解が非常に吸熱的であることに留意すべきである。
3.窒素酸化物(NOx)に富む排気の回収、および硝酸への転換
2に記載される実施形態のいずれにおいても、反応2)および3)、または2)および4)の右辺に現れる窒素酸化物の一部、または全ては、蒸解反応器へ直接送られ得る。焼成された、例えばリシア輝石中のリチウム分の可溶性硝酸リチウムへの転換において、窒素酸化物が単独(多少の水蒸気、および大気中の酸素と共に)で有効でない範囲で、窒素酸化物は、硝酸生成プラントへ送られ得、硝酸生成プラントにおいて窒素酸化物は、方法全体において硝酸が再循環される際に必然的に生じる硝酸の損失が、全てではなくても部分的に補われる点まで、追加の硝酸の生成に寄与することができる。ここで、大気中の酸素および窒素を化合させるために電気エネルギーが必要とされ得るため、硝酸リチウム分解処理のエネルギー源となるアンモニアの燃焼は、ケイ酸塩鉱物の浸出に使用するための硝酸の生成を増大させ得ることがわかる。
実施形態において、硝酸プラントは、下記の反応:
2NO+O→2NO 5)
3NO+HO→2HNO+NO 6)
が起こる、従来のオストワルト法プラントの形態、または少なくともオストワルト法プラントの区域であって、より高級の窒素酸化物、特に二酸化窒素への一酸化炭素の転換、およびそれに続く吸収塔を伴う区域の形態をとり得る。
反応6)で生成されるNOは、次いで(空気由来の)余剰の酸素と、最初の反応の通りに反応する。
この時点で、方法全体の唯一の生成物は、純粋な酸化リチウム(リチア)であり、純粋な酸化リチウムは、関与する主要な化学物質である硝酸の調達を必要としないような方法で生成され、(閉ざされた方法において避けられない)損失は、少量のアンモニアを含む空気中の触媒燃焼か、または空気の電気アーク加熱のいずれかによって酸素と窒素を化合することで、その場で補われる。
図1の次のブロック、すなわち4、5、および6の番号が付されるブロックは、それぞれ、商業的に有用な生成物である水酸化リチウム、炭酸リチウム、および金属リチウムへの酸化リチウムの転換に特化される、方法全体の段階を表す。しかし、ハロゲン化(フッ化、塩化、臭化、ヨウ化)リチウムを含む、他の多くの有用なリチウム化合物も、当業者によく知られる方法で、酸化リチウムから生成され得ると理解されるべきである。
4.酸化リチウムの水酸化リチウムへの転換
リチアを水酸化リチウムへ転換するために、方法は、消化段階をさらに含む。この段階において、制御された量の、典型的には純水(例えば、蒸留水、または脱塩水など)が、ブロック2の段階で生成される酸化リチウム(LiO)に添加され得る。添加される量は、LiOを水酸化リチウム(LiOH)へ転換し、かつ全てのLiOHを溶液中に溶解させるのに十分な量であり得る。
この実施形態において、消化段階から結果として得られる溶液(すなわち、ほぼ飽和した溶液中にLiOHを含む溶液)を、結晶化段階に供してもよい。この段階において、水酸化リチウム溶液は、熱蒸発によって濃縮され、結晶化されて純粋な結晶性水酸化リチウム一水和物(LiOH・HO)を形成し得る。これは、方法の生成物の1つを形成することができる。
実施形態において、LiOH・HO結晶は、例えば遠心分離などによって溶液から分離され得る。分離された結晶化LiOH・HOは、必要に応じてさらに処理され得る。このさらなる処理は、(a)結晶を乾燥させ、任意選択的にそれを特定の粒径まで粉砕することを含むことができる。さらなる処理は、(b)乾燥した結晶を減圧条件下で、少なくとも180℃の温度までさらに加熱することも含むことができる。これは、結晶水を放出させ、それによって方法の生成物である無水水酸化リチウムを生成する。留去された水蒸気は、回収、および濃縮され、方法全体の他の場所で使用するための、追加の純粋なプロセス水を生成することができる。
実施形態において、水酸化リチウム一水和物の濃縮、および結晶化、ならびに(必要に応じて)結晶化水酸化リチウム一水和物の脱水、および結晶水の除去のための加熱媒体は、上記、および以下の説明の通りに生成されるような融解した硝酸リチウム、および他のアルカリ金属硝酸塩であり得る。
実施形態において、結晶性LiOH・HOから分離される水酸化リチウム水溶液は、溶液の第一の部分が、ケイ酸塩鉱物と硝酸の反応の停止(すなわち、蒸解段階で消費されなかった残余の硝酸の中和)に使用されるためにブロック1の段階へ再循環され得るよう分けられる。前述されるように、これは、ケイ酸塩鉱物と硝酸の反応を停止する。このような再循環は、蒸解反応器の生成物中に含有される過剰な硝酸が、直接中和されるか、または大部分の揮発性物質(硝酸および水を含む)が留去される点まで最初に加熱される予備加熱ステップが行われたか否かにかかわらず行われる。前述のように、この中和ステップの前に遊離硝酸の大部分が留去される場合、再循環される水酸化リチウムの量は、実質的に少なくなり得る。
5.酸化/水酸化リチウムの炭酸リチウムへの転換
酸化/水酸化リチウムの炭酸リチウムへ転換において、第二の部分は、分離された水酸化リチウム溶液から分割され、二酸化炭素と反応させられ得る。実施形態において、水酸化リチウム溶液の、この第二の部分は、ブロック1の段階中、すなわちリチウム含有ケイ酸塩鉱物の前処理(例えば、焼成)中に、かつ鉱物と硝酸を接触させる前に生成する煙道気体から二酸化炭素を除去するために使用され得る。加えて、または代替的に、水酸化リチウム溶液の第二の部分は、硝酸リチウムの分解に使用される天然ガス燃焼間接炉の煙道気体から二酸化炭素を除去するために使用され得る。
この実施形態において、水酸化リチウム溶液を使用して煙道気体から二酸化炭素を除去することで、炭酸リチウムに富む流れを生じさせることができる。この流れの一部は、固体形態、特に微結晶としての炭酸リチウムであり得る。固体炭酸リチウムは、方法全体の炭酸リチウム生成物として流れから分離され得る。例えば、固体形態の炭酸リチウムは、分級され得、より粗大な分画は、(例えば、液体サイクロンを使用して)濃縮され、次いで、例えば、ソリッドボウルデカンタ型の遠心分離機、または回転式真空ドラムフィルタ、もしくは真空水平ベルトフィルタを使用して分離される。分級され、分離された固体炭酸リチウムのより粗大な分画は、洗浄、および乾燥後、方法全体の所望の炭酸リチウム生成物を形成することができる。より微細な分画は、煙道、その他の気体からの二酸化炭素の除去において再利用するために再循環され得る。
したがって、ここに開示される方法全体は、水酸化リチウム−炭酸リチウム系も利用する。水酸化リチウムは、水に適度に溶解し、結果として得られる溶液は、二酸化炭素に対し高い親和性を有する。水酸化リチウムは、二酸化炭素と反応し、炭酸リチウムを形成することができる。一方で、炭酸リチウムは、水に難溶性である。したがって、比較的濃縮された水酸化リチウム溶液を二酸化炭素含有気体流に接触させると、形成される炭酸リチウムは、一般的な条件下でその溶解度を超え、結晶として溶液から析出する。この反応が起こり得る条件として、準安定な重炭酸リチウム塩が形成し得る温度を上回る系内の温度、すなわち60℃を上回る溶液温度が挙げられる。したがって、煙道気体洗浄装置は、通常この溶液温度を超える温度で操作される。
6.酸化リチウムの金属リチウムへの転換
有利に、本方法で特異的に直接生成される酸化リチウムは、例えば炭素熱還元処理などによって、簡便に金属リチウム転換され得る。本発明者は、炭素熱還元によって酸化マグネシウムから金属マグネシウムを生成するために開発された設備、およびシステムが、金属リチウムの生成に適用され得ることを有意に認識した。これは、金属リチウムの生成を目的として存在する既存の方法が非常に複雑で、高額であり、高純度の無水の塩化リチウム、および塩化カリウムからなる、温度が約450℃付近の融解混合物の電気分解に依拠する限り、そのこと自体が重要であり、非常に有益な技術革新である可能性がある。そのような既存の方法に対する主要な供給材料(すなわち、高純度の無水塩化リチウム)の製造も、複雑な処理を伴う。
炭素熱還元処理は、多くの重要な金属、特に鉄、および鋼、さらにはマンガン、ケイ素鉄、純ケイ素、および(間接的に)金属マグネシウムの生成の基本である。金属チタン製造における(金属マグネシウムを還元剤として使用する)クロール法が例として挙げられる。
上記のように、本発明者は、当初は直接炭素熱還元処理による金属マグネシウムの製造のために開発された技術を適用することによって、酸化リチウムが金属リチウムへ直接還元され得ることを有意に認識した。そのような例の1つは、米国特許第9,090,954号に記載される。米国特許第9,090,954号は、酸化マグネシウムと何らかの形態の炭素(例えば、グラファイト、石油コークス、または石炭由来のコークス)の混合物をブリケットに成形し、次にブリケットを、(誘導加熱、またはアーク加熱のいずれかを使用してもよい)炉内で約2,000℃に近づき得る温度まで電気的に加熱する方法を開示する。これにより、以下の式:
MgO+C→Mg+CO 7)
に従って酸化マグネシウムが金属マグネシウムに還元され、炭素が一酸化炭素に酸化される可逆反応が開始される。
(右辺から左辺へ進む)逆反応を防ぐため、高温蒸気(マグネシウム蒸気、および一酸化炭素)は、先細末広ノズルを介して超音速で膨張させることによって、フラッシュ冷却され、それによって、気体の膨張による、有意な逆反応がほとんど起こり得ないほど急速な冷却が達成される。米国特許第9,090,954号に記載される方法は、いかなる不純物も凝縮、およびノズルの露出表面上に付着することができず、ノズル性能の低下、さらには閉塞の原因となり得ないよう、確実にノズルを十分高温に維持するための設備を規定する。
(方法全体で本質的に生成される)純粋な酸化リチウムと共に、原則的に鉱物質を欠く炭素形態(例えば、特定の等級の石油コークス、または元来灰分レベルの低いコールもしくはその灰含有量が最初に化学的に除去されたコール(超洗浄炭)由来のコークス)のみを用いることによって、本方法は、先の技術、例えば、米国特許第4,147,534号、および米国特許第4,200,264号に記載されるような手順を含む、ホリ(Hori)の手順を用いることができる。これらの方法は、米国特許第9,090,954号と類似の装置を利用するが、十分に加熱されたノズルを確実に維持するための機構を含まない。
しかし、米国特許第4,147,534号、および米国特許第4,200,264号の手段による金属リチウムの炭素熱製造において、本発明者は、十分に凝縮できない鉱物質がノズルを通過し、凝縮してその露出表面に付着する傾向があるはずであるため、ノズル性能が低下するリスクを最小限に抑えるべきであることに注目する。都合のよいことに、金属リチウムは、ノズルの出口における一般的な条件を含む、広範な温度範囲にわたって液体状態を維持する。これは、一酸化炭素気体流からの金属リチウムの急速な分離を促進する。実施形態において、この急速な分離は、1つ以上のサイクロン分離機を使用することによって起こり得る。実施形態において、直接炭素熱処理によって生成される一酸化炭素気体自体は、リチウム含有ケイ酸塩鉱物の焼成(すなわち、ブロック1の段階)に使用される天然ガスの部分的な代用としての使用を含む、燃料として使用され得る。
以下、図2、図3A、および図3Bを参照し、ここに開示される方法、およびシステムを、より具体的に、しかし非限定的に、さらに詳細に説明する。しかし、要約部に記載されるように、方法の個々の単位動作は、そこで検証された代替の実施形態(ある態様を他に適用することができるか、または組み合わせてもよいなどといった点で、これらは、相互排他的であると解釈されない変形例である)を適用することによって変化し得ると理解されるべきである。
しかし、まずは、本方法、およびシステムの一般化された(すなわち、方法の変形例のほとんどを対象とする)実施形態を示す、図2のブロック図を参照し、本方法、およびシステムが下記の段階を含むことが理解される。
前処理段階10(図2)
図2において参照番号10で示されるこの段階において、ケイ酸塩鉱物は、前処理され、処理された(例えば、活性化)ケイ酸塩鉱物を生成する。
例えば、前処理段階は、α(アルファ)型の鉱物(例えば、αリシア輝石)からβ(ベータ)型の鉱物(例えば、βリシア輝石)へ転換するために使用され得る。前処理段階は、通常熱的前処理ステップを含むが、非熱的(例えば、機械的)前処理ステップのみを含むこともできる。
前処理段階が、熱的前処理を含む場合、ケイ酸塩鉱物を熱処理するステップは、ケイ酸塩鉱物の熱相転移、および/またはケイ酸塩鉱物の揮発性物質分画の除去をもたらすことができる。熱処理ステップは、焼成炉といった第一の反応器内で行われ得る。
熱的前処理ステップは、焼成を含み、これは、通常、空気、または酸素の存在中で、しかしケイ酸塩鉱物を構成するあらゆる成分の融点未満の温度で行われる。焼成は、回転炉、流動層焼成炉、フラッシュ焼成炉、可搬型焼成炉、または鉱物材料の高温処理における当業者に一般的によく知られる他の適切な装置といった、さまざまな焼成炉内で行われ得る。
熱的前処理段階は、ケイ酸塩鉱物の温度を、常温を上回るまで十分に上昇させるよう操作される。例えば、熱的前処理段階は、ケイ酸塩鉱物の温度を、少なくとも約1000℃、または1100℃まで上昇させ得る。熱処理ステップの最大温度は、当業者に理解されるように、浸出に対する抵抗性を固体に付与する、固体のガラス化の危険性がない温度に限定される。例えば、αリシア輝石から、より活性なβ形態への「デクレピテーション」が生じるために、1,050℃付近の焼成温度が必要とされる。
熱処理されると、ケイ酸塩鉱物は、より活性な(例えば、β)形態となる。より活性な形態は、したがって、水の存在の有無を問わず、例えば、酸形成気体を含む酸による攻撃などの化学攻撃に対する感受性がより高い。
熱処理ステップは、1つの選択肢として、熱処理の後に続く、追加の非熱的処理ステップを含むことができる。例えば、これは、微粉砕、または超微粉砕を伴い得る。追加の微粉砕は、ローラミル内で行われ得、ケイ酸塩鉱物を特定の形態にする。処理されたケイ酸塩鉱物の特定の性質は、その後の反応に、より大きな表面積を与え得る。粉砕後の粒子の大きさは、約300、200、100、または70ミクロン未満であるか、またはそれよりも微細であり得る。最適なサイズ分布は、個別に決定され得る。
混合および蒸解段階12(図2)
図2において参照番号12で示されるこの段階において、前処理されたケイ酸塩鉱物(図1のβリシア輝石)は、鉱酸、この場合は硝酸(図2の「硝酸」)と混合される。硝酸は、オンサイト硝酸生成プラントによって生成され得る(図1の段階22)。混合段階12は、タンク(例えば、連続攪拌されるもの)、もしくはインライン混合器、または高度に濃縮された形態の硝酸が使用される場合により適する混練機を含むことができる。混合段階12において、ケイ酸塩鉱物は、硝酸を含有する水相に混合される/硝酸を含有する水相とスラリー化される。結果として得られる混合物(mixture)/混合物(blend)は、溶液、スラリー、またはペーストの形態をとり得る。
例えば、焼成βリシア輝石固体は、硝酸プラントからの濃縮硝酸(少なくとも50%、またはより良好には68%、および90%まで濃縮された酸、すなわち「赤煙」硝酸)とスラリー化され、適切な形態の、例えば約60〜70重量%の不溶性固体(すなわち、βリシア輝石の固体)を含有するペーストを得る。添加される硝酸の量は、リシア輝石中の全てのリチウムを硝酸リチウムへ転換するのに十分な量(化学量論量)であり、さらに化学量論量の25%、または75%を過剰分とすることができる。
実施形態において、焼成炉からの高温の焼成リシア輝石生成物は、その顕熱の一部を、焼成炉内で必要とされる高い温度(約1,050℃付近)を達成する手段としての燃料(好ましくは天然ガス)の燃焼を補助するための空気へ伝達することによって、部分的に冷却される。部分的に冷却された焼成リシア輝石(これは、特に上記で説明される気固相反応が用いられる場合、約200℃と同等に低いか、または約400℃と同程度の温度であり得る)に含まれる顕熱は、硝酸とリシア輝石の混合物を、蒸解工程を開始させるための所望の初期温度まで加熱する役割を果たす。
蒸解を加圧下で行うか否かに依存し、混合段階12後のペーストの圧力は、容積式ポンプ(例えば、適切に構成されるPutzmeister(商標)、または同等の油圧ピストンポンプ)によって蒸解/浸出反応器の作動圧力まで高められ得る。
前処理されたケイ酸塩鉱物と硝酸の混合物(「スラリー/ペースト」)は、次いで蒸解反応に供される。反応条件は、混合物が速やかに反応し、例えば硝酸リチウム、多少の水、および鉱物固体残渣を含む固相を生成するよう調整される。
以下により詳細に説明されるように、処理されたケイ酸塩鉱物が硝酸と反応する反応器は、(単一、もしくは連続式オートクレーブといった)連続圧力容器、またはタンク、もしくは塔(例えば、垂直ホッパー、もしくはサイロ反応器)といった非圧力容器の形態をとり得る蒸解装置を含むことができる。反応器は、1つ以上のパイプライン、または1つ、もしくは一連の、攪拌される蓋付の非圧力容器もしくは圧力容器、または単一の圧力容器内に収容される、相互に連結され、攪拌される多数の区画などの形態をとることもできる。
特定の課題を目的とする、この範囲から選択される具体的な反応器の構成は、リチウムに富む金属ケイ酸塩原鉱の特性に依存し得る。反応器の好ましい形態は、中空フライト反応器、例えばTherma−Flite(商標)などであり、ここでペーストは、フライトを通して適切な伝熱媒体を循環させるようフライトが中空の、1つ以上の内部スクリューコンベアによって搬送される。実施形態において、伝熱媒体は、融解アルカリ金属(ナトリウム、カリウム、およびリチウム)硝酸塩の混合物であり、各種量のアルカリ金属(ナトリウム、カリウム、およびリチウム)亜硝酸塩を含有してもよい。そのような混合物は、非常に幅広い、通常約100℃未満から500℃を上回る温度範囲にわたって、安定した融解状態を維持することができる。実施形態において、以下に説明される方法の通常の副生成物であるこれらの融解塩混合物は、伝熱媒体として使用される。中空フライト反応器は、硝酸とリシア輝石のペーストを、加熱、または冷却させ、反応器を通るペーストの経路全体にわたって厳密な温度管理を可能にする。リシア輝石(または他のリチウムに富むケイ酸塩金属)中のリチウム分の可溶性硝酸リチウム(および場合により多少の亜硝酸塩)への転換を伴う反応は、発熱反応であり、操作される反応器において、中空フライトを通して循環する融解アルカリ金属塩が、冷却、または温度制御機能をもたらす可能性が高いことを意味する。
上記に記載されるように、反応は、常圧/大気圧で進むことができる。または、反応は、少なくとも5バール、場合により約10バール、さらには約15バールに高められた圧力で実施され得る。反応は、浸出される個別のリチウムに富むケイ酸塩原鉱に適するよう、約120℃、場合により約160℃、さらには約200℃と同等に高い温度といった、通常100℃を上回る高温を使用する。
停止および固体分離段階14(図2)
停止および分離段階14において、「Liに富むスラリー」(図2)中の硝酸と残余の鉱物固体の反応は停止され、固体残渣が分離される。これは、非リチウム分の水相への浸出を最小限に抑える機能を果たす。ケイ酸塩鉱物中に存在する非リチウム分は、アルミニウム、鉄、ニッケル、クロム、マンガン、コバルト、カルシウム、マグネシウム、ナトリウム、カリウム、およびリン酸イオンを含み得る。しかし、停止副段階における条件を調整することで、あらゆる非リチウム分は、水相から分離され(例えば、析出されるなど)、固体残渣へ戻され(すなわち、尾鉱として方法から除去され)得る。
停止
一実施形態において、スラリーは、(例えば、水酸化リチウム、および炭酸リチウムが例として挙げられる、方法/システムの最終生成物の一部を適切に使用することによって)中和され得る。生成物流に添加される中和溶液の量は、pH条件を弱アルカリ性(すなわち、pH8からpH11の間)にするよう制御される。これにより、速やかに全ての酸浸出活性が停止される。
停止副段階において、再循環されるべき水酸化リチウム、および/または炭酸リチウムの量を最小限に抑えるため、リチウムに富む原鉱中のリチウム分の硝酸リチウムへの転換で消費される量に対し過剰な硝酸の大部分は、最初に除去され得る。実施形態において、この除去は、スラリーを加熱し、実質的に乾燥させることによって起こる。実施形態において、この加熱は、蒸解反応器の中空フライトを通して融解アルカリ金属硝酸塩の混合物を循環させることによって、蒸解反応器中で達成される。加熱により結果として得られる乾燥ケークは、再スラリー化され、次いで中和され得る。
蒸解反応物ケークの加熱、および/またはケークをスラリー化する過程でケーク内に形成された遊離酸の中和は、これらの作用が遊離硝酸を中和するか、そうでなければ除去するため、非リチウム分の浸出を停止する機能を果たす。
硝酸は、組成が硝酸68%および水32%の、水との共沸混合物を形成することが知られる。したがって、停止副段階で硝酸が加熱されると、混合物は、大気圧下、約120℃で沸点に達し(すなわち蒸留され)、気相を形成する。この蒸留された気相は、蒸解反応器の閉鎖空間全体に自然に分散し、蒸解反応器内で凝縮するか、そうでなければ反応器の供給端により近い未反応のリシア輝石と接触する。そこで、それは、硝酸として反応し得、それによって、リシア輝石中のリチウムの可溶性硝酸リチウムへの総転換率を上昇させる。残余の硝酸蒸気は、回収され、硝酸生成プラントへ送られ得る(図2の段階22)。蒸解反応器で使用される圧力がより高い(例えば、5〜15バール)場合、これらの気相が形成される温度は、大気圧のみが印加される場合に必要とされる温度より高くなる(すなわち、高圧条件下で溶液の沸点が上昇する法則に従う)と理解される。
蒸解工程の生成物であるケークの加熱は、第一に、過剰な硝酸および水の大部分を、蒸発により気相を形成させることによって除去するのに十分な温度に、次いで、第二に、金属ケイ酸塩原鉱中の不純物として存在するアルミニウム、鉄、および他の卑金属のあらゆる硝酸塩を分解するのに十分な温度に達するまで、段階的に起こる。過剰な硝酸および水が気相として留去されると同時に、液体硝酸の大部分が固体硝酸リチウムへ転換されるため、加熱により、比較的乾燥したケークが生じ得る。
停止副段階における中和は、連続攪拌槽反応器、または一連のそのような反応器といった中和容器内で起こり得る。中和容器において、スラリーは、過剰な硝酸の中和が完了するまで進行するのに十分な時間が与えられ得る。中和容器は、微細化された気泡をスラリー内容物中に散布または別様に分散するための設備も組み込み得る。固体粒子の懸濁状態の維持を補助するだけでなく、空気中の酸素は、あらゆる存在する亜硝酸イオンの硝酸イオンへの酸化を促進する。これは、続く結晶化段階でリチウムを硝酸として最大限回収するために望ましい。
生成物流(これらの生成物の不純物を含む中間体の形態であってもよい)から適切な量取り出された水酸化リチウム、および炭酸リチウムを使用する実施形態において、アルミニウム、および他の卑金属分(特に、鉄)が溶液から不溶性酸化物として析出するだけでなく、炭酸リチウムの添加によって溶液中に存在するカルシウムイオンが不溶性炭酸カルシウム(方解石、またはアラレ石)として析出すると同時に、水酸化リチウムの添加によって存在する水酸化物イオンは、溶液中に存在するマグネシウム分の不溶性水酸化マグネシウムとしての析出を促進する。このようにして、水相における陽イオンの大部分を占めるリチウムイオンに加えて不純物として少量のナトリウムイオンおよびカリウムイオンのみを残し、水相は、アルミニウムイオン、卑金属イオン、マグネシウムイオンおよびカルシウムイオン、ならびにリン酸イオンをほぼ完全に含まないはずである。
固体分離
固体分離副段階において、主に濃縮硝酸リチウム溶液からなる水相中の硝酸リチウムは、スラリーから分離され、ここで固体は、処理後の鉱物の不溶性残渣(先の段落で説明される実施形態に従って析出した陽イオンに加え、主にシリカ分、およびアルミナ分)からなる。次いで硝酸リチウムは、段階16(下記)の蒸発/結晶化処理において、例えば結晶性LiNOとして溶液から回収され得る。
停止副段階の後(すなわち、中和、または乾燥後)、固体分離副段階によって、貧弱となった(リチウム分を欠く)不溶性鉱物残渣からリチウムに富む水相が精製溶液として分離され得る。固体分離副段階は、分離装置を使用してスラリーから不溶性固体を分離し、これらの残渣を洗浄してその中に残留するあらゆる可溶性分を回収し、その後、安全で、永続的に置かれてもよく、またはそれらの特性を高く評価する第三者に(必要に応じてさらに処理された後に)販売されてもよい、固体形態の貧弱な尾鉱を生成する。
固体除去は、連続式向流デカンテーション(CCD)処理と、それに続くろ過によって、またはろ過(ろ過ケークの洗浄を含む)単独によって、洗浄されたろ過ケークを生成する。1つ以上のCCD濃縮機、またはフィルタ(例えば、プレートフレーム型フィルタ、または回転式真空ドラムフィルタなど)を使用してもよい。
固体分離副段階において、蒸解段階12、および後続の停止、および精製操作が全て高圧下で行われる場合、ケーク洗浄装置が取り付けられたプレートフレーム型フィルタプレスが用いられてもよく、フィルタへ向かう供給流の圧力は、蒸解段階の作動圧力に近接することができ、そのため、複雑な減圧装置によってこの流れの圧力を低減する必要がない。大気圧において、ケーク洗浄装置を備える回転式真空ドラムフィルタ、およびケーク洗浄装置を備える水平ベルトフィルタといったフィルタが使用され得る。不溶性固体材料を除去するために最終的に選択される配置は、例えば自由脱水であるか否かなど、存在する固体の特性に依存する。洗浄されたフィルタケークは、シリカおよびアルミナに加え、最初の精鉱の組成に依存して特定の他の不溶性物質を主に含有するが、他のケイ酸塩鉱物、鉄原鉱分(主に針鉄鉱)、マグネサイト、石灰石(方解石、およびアラレ石)、およびイルメナイトを含有する可能性がある安定な残渣を形成することができる。
これらの固体残渣は、それらの潜在的な固有の特性の一部を高く評価し得る第三者への販路を良好に見出し得る。例えば、尾鉱残渣の構造は、空隙を有する、ミクロ、およびナノ多孔性の構造特性の前駆体βリシア輝石と共に、リチウムイオンが実質的に水素イオンに置換され、式AlSi(OH)を有する鉱物、すなわち部分的に水和したケイ酸アルミニウム(鉱物葉ろう石)を生じる鉱物で主に構成される。そのような鉱物は、ゼオライト系に属し、水処理、廃棄物処理、農業用および動物飼料用サプリメント、ならびに多くの産業における触媒としての適用を含む広い適用範囲で幅広く使用される。1つの利点は、高い収率でそのような鉱物が得られ得ることであり、開示される方法、およびシステムに基づき、リチウム精錬所の資金繰りに積極的な貢献を果たす可能性がある。これらの残渣の他の用途は、ポルトランドセメント製造用の原料が例として挙げられる。なお、存在する酸化鉄、またはアルミナの水和酸化物の量は、そのような処理の当業者に知られる方法を用いてそれらを分離、および選鉱するに値するほど十分であり得る。
除去された不溶性物質を用いて、可溶性リチウム陽イオンは、任意の他の可溶性陽イオン、および主として硝酸である可溶性陰イオンと共に、さらなる反応のための精製溶液として回収され得る。当該溶液は、精製液、または貴液と称することができる。
硝酸リチウム生成段階16(図2)
この段階において、中間体硝酸リチウム生成物が生成される。実施形態において、硝酸リチウムは、蒸発および結晶化副段階において、高純度の結晶性固体として生成され得る。この副段階において、精製硝酸リチウム溶液は、蒸発によってさらに濃縮され、硝酸リチウム結晶を生成する。実施形態において、この副段階は、機械的な蒸気再圧縮機構を含むことができ、ここで真空ポンプは、水相が沸騰し始めるまでの間、容器内容物にかかる圧力を下げる。水蒸気は、真空ポンプによって圧縮され、容器内のカランドリアの殻側に断熱加熱蒸気として戻される。高純度の凝縮水は、方法の別の場所で再利用するために回収される。硝酸リチウムは、水に対する溶解性が高く、その溶解度は、温度上昇に伴い急激に上昇する。したがって、蒸発器/結晶化晶析装置は、内容物がさらに徐冷される(例えば、スパイラル式などの熱交換器内で、冷却水といった冷却剤流体によって順に冷却されるか、フィン−ファン冷却器によって、または気化冷却塔によって順に冷却される)区域であって、追加の硝酸リチウムが溶液から結晶化し、高密度の結晶スラリーを形成する区域を含む。
この高密度の結晶スラリーは、次いで、結晶化装置のスラリーからの硝酸リチウム結晶を分離、および脱水するための、ならびにほとんど固体を含まない硝酸リチウム溶液を結晶化装置系へ戻すための装置へ送られる。そのような装置は、ソリッドボウルデカンタ型、スクリーンボウルデカンタ型、円錐形スクリーン型、または押し出しスクリーン型といった遠心分離機を含むことができる。硝酸リチウムの濃縮溶液であるろ液が蒸発器/結晶化装置第二段階(図示せず)へ戻されると同時に、脱水された結晶塊は、次の段階(酸化リチウム生成)へ搬送される。硝酸リチウム結晶の「第二ストライク」が得られ、その第一ストライクに加えられ得る(ただし、それらの純度に依存する)。
この第二ストライクの結晶化からの残留液(ろ液/遠心分離液)の組成に依存し、硝酸リチウム結晶の第三ストライクも存在し得る。硝酸リチウム結晶の生成を最大限まで高め、最終ろ液/遠心分離液中のリチウム分の損失を最小限に抑えることが目的である。実施形態において、第二ストライク、または第三ストライク(存在する場合)由来の結晶の純度が、第一ストライク由来の結晶と混合するのに不十分である場合、または最終的な硝酸リチウムの純度を損なわないようそれらの一部のみが添加され得る場合、これらの後続のストライク由来の結晶の一部、または全ては、結晶化副段階へ供給される前に、固液分離段階から生成される硝酸リチウム濃縮溶液へ再循環され得る。明確化を目的として、この複雑さは図2に図示されないが、「硝酸リチウムの結晶化」副段階は、これらの特徴の一部、または全てを含み得ることが理解されるべきである。
蒸発/結晶化副段階は、硝酸リチウム結晶を脱水するために使用される分離装置によって生成されるろ液の、第二ストライク(または、実施形態において、第三ストライク結晶化)からの副流(ブリード流)、または全流を処理するための装置も含み得る。この処理装置は、まとめてナトリウムイオンおよびカリウムイオン(これらの濃度は、この処理装置を用いてこれらの金属を適宜除去しない限り上昇し続ける)が濃縮された溶液を、残余のリチウムイオンと共に残すことができる。この濃縮溶液は、次いで、1つ以上の可溶性アルカリ金属炭酸塩、好ましくは炭酸ナトリウム、および/または炭酸カリウムを添加することによって処理され得る。いずれの場合においても、可溶性炭酸塩の添加は、残存するリチウム分の大部分を、難溶性炭酸リチウムとして析出させ、難溶性炭酸リチウムは、次いでろ過、および洗浄によって除去され、例えば図2の停止および分離段階14などへ再循環される。依然として多少の残留リチウムイオンを含有する、残存する溶液であるアルカリ金属硝酸塩の混合物は、残留水を蒸発させることによって脱水され得、中空フライト蒸解反応器のフライトを用いる処理を含む、先に説明される処理における伝熱媒体としての使用に適するアルカリ金属硝酸塩の混合物を残す。または、混合物は、例えば、太陽熱発電所における太陽エネルギー貯蔵に用いて直接的な日射が存在しない中で発電を進行させるなど、他の場所で顧客を見出し得る。
酸化リチウム生成、段階18(図2)
図2において参照番号18で示されるこの段階において、硝酸リチウム生成段階16からの硝酸リチウムは、酸化リチウムへ転換される。そのような転換の間、生成される排気(一酸化窒素、二酸化窒素、および酸素を含む)は、回収され、追加の硝酸を生成するために使用、すなわち、硝酸生成プラント(図2の段階22)へ輸送される。先に概要が説明される実施形態において、これらの気体の一部、または全ては、蒸解反応器へ最初に送られ、蒸解反応器で、それらは、リシア輝石からリチウム分を浸出する浸出剤として、硝酸と同様に働き得る。これらの要求に対して過剰な蒸気は、図2の硝酸プラント22へ送られる。
より具体的には、段階16の分離装置からの脱水された硝酸リチウム結晶は、攪拌および加熱容器(例えば、蓋付の、断熱/被覆タンク)へ送られ、ここで硝酸リチウム結晶は、タンク内の、より高温の融解塩内容物へ添加されることで、加熱される。タンク内容物は、硝酸リチウム結晶を融解するのに十分な温度(少なくとも約260℃まで、通常約400℃まで)に維持される。融解硝酸リチウムがタンクに入ると同時に、硝酸リチウム結晶が急速に融解し、タンク内容物を増加させるよう、タンクは、融解硝酸リチウムで部分的に満たされる。タンク内容物の温度は、タンク周囲の被覆を通して、次いで対流式加熱器の管を通して、アルカリ金属硝酸塩混合物を連続的に循環させることによって維持され得る。これらの管は、例えば前処理段階10の焼成炉から出る高温の煙道気体(すなわち、焼成炉を出る煙道気体は、約800℃〜900℃の温度であり得る)によって、ならびに/または硝酸リチウム分解反応器18から出る煙道気体、およびそれとは別の蒸気によって、順に加熱され得る。
硝酸リチウムの予備加熱、および融解は、続く硝酸リチウム分解反応器への硝酸リチウムの供給に有用であり、硝酸リチウム分解反応器で、硝酸リチウムは、次いで良好に分解され、酸化リチウムを形成することができる。
融解硝酸リチウム塩タンクの内容物は、硝酸リチウム分解反応器へ移され、ここで融解硝酸リチウムは、先に説明された理由のために、好ましくは間接的に、さらに加熱され、例えば空気中における天然ガス、または炭素含有燃料を含む他の適切な無公害燃料の燃焼によって生じ得る高温気体流は、硝酸リチウムと接触しない。分解により、固体酸化リチウム(LiO−リチア)が生成する。
活性窒素の必然的な損失を補うために用いられるステップの結果として、これは、順に硝酸を再構成するために使用される、硝酸として、硝酸リチウムとして、および窒素酸化物としてプラントを循環するため、追加の熱が分解反応器に直接加えられ得る。2つのそのような実施形態:上記反応3)、および4)に従う、無水気体アンモニアの空気中における触媒燃焼、および電気アーク中における非常に高い温度への空気の加熱の概要は、先に説明される。
分解反応器は、最低で約600℃、好ましくは約650℃、および約750℃と同程度の温度で操作される。これらの温度において、硝酸リチウムは、分解して酸化リチウムを形成し、酸化リチウムは、反応器の環境において、ペレットを炉内に自然に形成する。
反応器は、硝酸イオンの分解に由来する多少の酸素と共に二酸化窒素、および一酸化窒素を含む窒素酸化物の気体流を排出する。この気体流は、アンモニアの燃焼(または空気の電気アーク加熱)に由来する多少の水蒸気、ならびに追加の一酸化窒素、および他の窒素酸化物も含有する。酸化リチウムの分解反応器が間接加熱炉である実施形態において、この実施形態が活性窒素の損失を補うために用いられる場合、アンモニアに由来するもの以外の燃焼生成物は、排気に混入しない。
水酸化リチウム生成段階20(図2)
図2において参照番号20で示されるこの段階において、分解反応器からの酸化リチウムの一部、または全て(酸化リチウムの他の用途に依存する)は、適量の水を添加し、混合することによって、最初に水酸化リチウムへ転換される。これは、消化容器(例えば、連続攪拌タンク)中で行われ、水酸化リチウムの濃縮溶液を生成することができる。
消化容器からの水酸化リチウムの濃縮溶液は、次いで第二の蒸発装置/結晶化装置(機械的蒸気再圧縮型の装置も例に挙げられる)へ送られる。ここで、溶液は、水酸化リチウムが溶液から結晶化され、結晶性水酸化リチウム一水和物を形成するよう、さらに濃縮される。(結晶化装置部へ入る水酸化リチウム全体の一部として)生成される水酸化リチウム一水和物結晶の量は、必要に応じて、例えば水酸化リチウム形態のリチウム化合物に対する顧客の需要を満たすよう、制御され得る。蒸発装置/結晶化装置から結果として得られる結晶性水酸化リチウム一水和物のスラリーは、次いで分離、および脱水され、水溶液として残存する残余の水酸化リチウムから高純度の水酸化リチウム一水和物結晶を生成する。分離脱水装置は、ソリッドボウル、もしくはスクリーンボウルデカンタ型、または連続円錐形スクリーン型遠心分離機といった遠心分離機を含むことができ、または分離脱水装置は、押し出し、もしくは振動スクリーン型遠心分離機を含んでもよい。
明確化を目的として図2に図示されないが、水酸化リチウム生成段階20は、生成された水酸化リチウム一水和物結晶から結晶水を乾燥、および放出させ、特定の市場仕様を満たす純粋な無水水酸化リチウム生成物を生成するための装置をさらに含むことができる。乾燥装置は、全閉形の中空フライトスクリューコンベアを含むことができ、ここで高温の融解アルカリ金属硝酸塩混合物は、中空フライトを通して循環され得る。窒素ガスの流れは、閉ざされた循環路の配置中を、中空フライトスクリューコンベアの空隙空間を通して循環し、それによって水酸化リチウム一水和物結晶は、結晶水を放出するのに十分な、160℃を超える温度(例えば、約180℃)まで最終的に加熱される。結果として得られる純粋な無水水酸化リチウムは、その後粉砕され、方法/システムの製品として包装され得る。
水酸化リチウム結晶化段階20は、水酸化リチウム一水和物の結晶が除去された後に残存する水酸化リチウム飽和溶液(すなわち、ろ液/遠心分離の遠心分離液)を回収、および保持するための装置をさらに含むことができる。ろ液/遠心分離液は、蓋付タンクに回収される水酸化リチウムの飽和水溶液を含む。少量の水(および他の液体流)が添加され、溶液から水酸化リチウムが結晶化するおそれがないようタンク内容物を希釈する。
この溶液は、その後、第一の場合において、再循環される適当量が停止および分離段階14へ搬送され(例えば、別個のポンプを使用してタンクから送り出され)、停止副段階における蒸解/浸出の生成物中のあらゆる残存する/余分な/過剰な硝酸のpHを中和させ、原料水溶液中に存在するマグネシウムイオンを不溶性水酸化マグネシウムとして析出させる。第二の場合において、溶液の他の一部は、当該溶液が、煙道、その他気体中に含有される二酸化炭素を、二酸化炭素を難溶性炭酸リチウムへ転換することによって、吸収/捕捉するために使用される、煙道気体洗浄装置(または図2の除去段階24)へ搬送され得る。
硝酸生成段階22(図2)
図2において参照番号22で示されるこの段階において、硝酸リチウムの分解に由来する排気は、「硝酸プラント」へ送られる。焙焼区域(図2の番号12)(中空フライトコンベヤ)で留去される過剰な硝酸および水蒸気は、硝酸プラントへも送られ得る。硝酸プラントは、従来のオストワルト法硝酸プラントで使用されるような、1つ、または一連の吸収塔の形態をとり得る。
硝酸プラント(その操作は、オストワルト法による硝酸の商業生産を経験する者によく知られる)において、排気、および蒸留された蒸気は、連続冷却される硝酸水溶液の循環流に吸収され、蒸解/浸出反応器への再循環に適する、追加の硝酸を生成する。これは、蒸解/浸出反応器における使用に適する硝酸濃縮溶液(好ましくは、酸が少なくとも60%)を生成する。(硝酸リチウム分解副段階で)空気中におけるアンモニアの触媒燃焼から形成される窒素酸化物は、生成される硝酸の総量を増加させ、このように、例えば尾鉱の不完全な洗浄、または硝酸プラントにおける窒素酸化物の硝酸への不完全な転換による方法全体からの硝酸の損失は、補われ得る。
洗浄装置段階24(図2)
図2において参照番号24で示されるこの段階において、二酸化炭素を含むろ過された煙道気体は、水酸化リチウム生成段階20で生成される濃縮水酸化リチウム溶液の残余で洗浄される。煙道気体は、主として、ケイ酸塩鉱物の熱処理中に、間接燃焼硝酸リチウム分解炉(当該炉は、不純物のより少ない煙道気体を生じる)内で燃焼される天然ガスから生成されるが、二酸化炭素は、外部からも供給される。循環溶液は、これらの煙道、その他気体中に含有される二酸化炭素を、難溶性炭酸リチウムへ転換することによって吸収/捕捉する。
煙道気体洗浄装置は、大部分が空の部屋である形態(例えば、塔)をとり得、当該空の部屋を、濃縮水酸化リチウム溶液が、スプレー列を介して、比較的速い体積速度で循環、および分散する。水酸化リチウムは、煙道気体中に存在する二酸化炭素と反応し、本処理において、炭酸リチウムへ転換される。炭酸リチウムは難溶性であるため、その大部分は、溶液から析出し、循環する洗浄媒体を、水酸化リチウムに富む水相中の炭酸リチウムスラリーへ転換する。
炭酸リチウム生成段階26(図2)
図2において参照番号26で示されるこの段階において、析出した炭酸リチウム結晶は、煙道気体洗浄装置を循環する水酸化リチウムに富むスラリー中に継続して形成する、析出した炭酸リチウム結晶部分を除去するよう分級される。
実施形態において、水酸化リチウムに富む水相中の炭酸リチウムスラリーは、液体サイクロン、または液体サイクロン列へ注入される。液体サイクロンスピゴット生成物(アンダーフロー流)は、大きさがより粗大な炭酸リチウム結晶分画の高密度スラリーで構成され、これは、例えばソリッドボウルデカンタ型遠心分離機内、または回転式真空ドラムフィルタ装置内で、それらの会合溶液からさらに分離され得る(すなわち、脱水、および洗浄されてそれらの会合溶液を含まない)。
より微細な炭酸リチウム結晶が懸濁された状態で含まれる液体サイクロン列からの液相(水酸化リチウム溶液)の残余(オーバーフロー流)は、大きさがより粗大な炭酸リチウムの高密度スラリーから(すなわち、脱水、および洗浄の結果として)分離された溶液と共に、洗浄装置段階24の煙道気体洗浄装置へ再循環される。
液体サイクロンのスピゴットの有効径を変化させ、スピゴット流とオーバーフロー流の間の容積の分流が必要に応じて調整可能になるよう、制御手段が、液体サイクロンに取り付けられる。
炭酸リチウム乾燥段階26(図2)
同様に図2において参照番号26で示されるこの段階において、分離された、大きさがより粗大な炭酸リチウム結晶分画は、次いで乾燥され、方法/システムの適切な(例えば、純粋な)炭酸リチウム製品として包装される。
金属リチウム生成段階28、および30(図2)
図2は、酸化リチウムからの金属リチウムの製造に適切な2つの副段階を図示する。さらに、酸化リチウムがそのような簡便な方法で生成されることが、この方法/システムに固有な特徴である。
1つの実施形態(副段階28)において、酸化リチウムは、化学量論を超える粉末コークスであって、超低灰分(0.5%未満の不活性固体)石炭から形成され、ブリケット、またはペレットに、好ましくは結合剤を用いることなく(バインダレスブリケット)成形される、粉末コークスと混合される。ブリケットは、必要に応じて内張耐火容器(副段階28)へ供給され、ここで内容物は、炭素電極とブリケット塊またはペレット塊の間に生じるアークの形態の電気エネルギー、もしくは誘導加熱による電気エネルギーのいずれか、またはそれらの方法の組み合わせによる電気エネルギーによって2,000℃ほどの温度まで加熱され得る。これらの条件下で、ブリケット/ペレット中の炭素は、酸化リチウムを、一般的な条件下において蒸気の形態で生成される金属リチウムに還元する。次に、炭素は、上記反応7)に従って、気体の一酸化炭素に酸化される。
気相のリチウムと一酸化炭素の混合物は、次いで先細末広ノズルを通して他の容器(副段階30)へ送られ、当該容器は、実施形態において、1つ以上のサイクロン分離機を含む。この容器の内部圧力は、還元炉の圧力未満に実質的に維持される。ノズルを通過する際の圧力の急落は、気相の混合物を超音速まで加速させ、ミリ秒単位で膨張が起き、金属リチウムの凝縮温度を十分下回る温度であって、逆反応(すなわち、一酸化炭素の炭素への還元、および金属リチウムの酸化リチウムへの酸化)が起きる危険性がある温度を下回る温度まで混合物を衝撃冷却する。金属リチウムが液体状態を維持するため、約300℃から約400℃の範囲内の温度が望ましい。金属リチウムは、サイクロン分離機(2段以上のサイクロン分離機が直列で操作されてもよい)の壁に集められ、アンダーフローとしてサイクロンのスピゴットへ流れ、それによって一酸化炭素からのリチウムの分離を達成する。実施形態において、実質的にリチウムを含まない一酸化炭素は、ケイ酸塩鉱物前処理副段階(図2の段階10)における燃料として使用され得、必要とされる天然ガスを部分的に相殺する。一酸化炭素気体流中に存在する微量の金属リチウムは、一酸化炭素が燃焼すると、酸化リチウムへ、次いで炭酸塩へ即座に転換される。
図2に図示される方法、およびシステム全体は、良好な工学的実務にふさわしい、特にサービスおよび設備の提供、廃熱の効果的な利用、節水、ならびにあらゆる廃棄物流の最小化を目的とする他の単位動作を含むことができる。
方法およびシステムの実施形態(図3A、および図3B)
可能性のある実施の例として、図3A、および図3Bは、リチウム含有ケイ酸塩鉱物からリチウムを回収するための方法、およびシステムの具体的な実施形態を模式的に図示する。
図3Aにおいて、αリシア輝石は、平均して10重量パーセントの水を含有するろ過ケークとして、より反応性の高いβ形態へのαリシア輝石の「デクレピテーション」に必要とされる1,050℃付近の内部温度で操作される、天然ガス燃焼回転炉1の形態の第一の反応器へ供給される。高すぎる温度は、固体をガラス化し、硝酸による浸出に対する抵抗性を固体に付与する危険性をもたらす。
回転炉を通る高温気体、および固体の対向流によって部分的に冷却された、焼成炉1からのβリシア輝石生成物の大部分は、エアスウェプト乾燥粉砕ミル2、例えば石炭、および他の比較的軟らかい岩、例えば石灰岩を粉砕(微粉化)するために一般的に使用されるようなローラミル、またはテーブルミルへ送られる。
高温の燃焼気体は、焼成炉1からの焼成βリシア輝石生成物の残余を含有する。これらの気体は、1つ以上の対流式融解塩加熱器3へ送られ、アルカリ金属(リチウム、ナトリウム、およびカリウム)硝酸塩の混合物を、約400℃の温度まで加熱する。融解アルカリ金属硝酸塩の流れは、加熱器3における伝熱媒体として使用される。以下に説明されるように、融解硝酸リチウムは、プラント全体にわたるさまざまな場所で使用され得る。図3Aに図示されないが、依然として高温の気体は、その後廃熱ボイラへ通すことによってさらに冷却され、方法の別の場所で使用するための高圧流であって、(実施形態において)発電のための高圧流を生じる。その結果、焼成炉1からの高熱の燃焼気体は、対流式融解塩加熱器3内で最初に部分的に冷却され、焼成炉1における燃焼空気として用いるための大気空気へ、そのさらなる顕熱の一部が伝達される第一空気加熱器5内で、さらに冷却される。
第一空気加熱器5からの冷却された燃焼気体は、ろ布フィルタ工程6を通過することによって、それらが負担する煙塵(大きさがより微細な焼成βリシア輝石の分画)が除かれる。工程6で除去された焼成βリシア輝石固体は、空気圧で(空気を担体として用いて)輸送され、焼成炉1からの焼成βリシア輝石の主流に合流し、その後粉砕ミル2へ移動する。空気予熱器5からの加熱空気を用い、粉砕された焼成βリシア輝石固体は、固体を運ぶために使用される空気から固体が分離される粉塵サイクロン列8へ移動する。この加熱された空気は、燃焼給気として使用するために焼成炉1へ管を通して搬送される。
圧縮された粉塵サイクロン列8のアンダーフローである焼成βリシア輝石固体は、混練式混合器9へ移動し、硝酸プラント7(図3B)からの濃縮硝酸と混合され、不溶性固体(焼成βリシア輝石)を60重量%以上含有する「乾燥ペースト」を形成する。添加される硝酸の量は、リシア輝石中の全てのリチウムを硝酸リチウムへ転換するために必要とされる量(化学量論量)を上回る。この実施形態において、硝酸と焼成リシア輝石の間の反応は、高圧で行われる。他の実施形態は、大気圧を用いてもよい。
ペーストは、次いで、高圧下で操作可能な、中空フライト反応器の形態をとる、全閉形の蒸解反応器11へ移動する。圧力は、容積式ポンプ10、例えば適切に構成されるPutzmeister(商標)(またはその均等物)油圧ピストンポンプ(実施形態において、インラインパグ混合器9、およびポンプ10が単一の構成単位に組み合わされる)によって達成される。粉塵サイクロン8からの依然として高温の焼成固体は、その熱をペーストへ伝達し、ペーストを反応器10の作動温度まで加熱する。反応器10において、高圧の一般的な条件下、例えば約10バール、および約170〜200℃の温度で、ケイ酸塩鉱物原鉱中のリチウム分は、以下の反応に従って浸出される。
2LiAlSi+2HNO→2LiNO+2LiAlSi(OH)
βリシア輝石 硝酸 硝酸リチウム 葉ろう石
融解アルカリ金属硝酸塩/亜硝酸塩の混合物は、中空フライトを通して循環し、その温度は、蒸解するペーストを適切な温度に維持するよう調整される。実施において、上記の反応は発熱反応であるため、融解塩混合物は、反応器のフライトを通過する過程で加熱される。
蒸解反応器11を通過する際、硝酸が硝酸リチウムへ転換されるにつれ、ペーストは、ケークになるまでさらに乾燥し、あらゆる未反応の硝酸に加え、あらゆる水分は、蒸気として留去される。このようにして、過剰な遊離酸の大部分は、ケークから除去され、したがってアルミニウム、および他の卑金属(例えば、第二鉄、ニッケル、コバルト、およびその他)の不純物の浸出が継続される傾向は、完全に停止しないまでも、大幅に遅くなる。蒸解反応器11からの硝酸に富む蒸気は、管を通して硝酸プラント7(図3Bに図示される)へ搬送される。当該蒸気は、硝酸プラント7に入るとすぐに、(実施形態において)酸化リチウム分解反応器18から硝酸プラントへ送られる気体を混合し、部分的に冷却する機能も果たす排出装置を通して、大気圧まで膨張することができる。
加圧されている蒸解反応器11からの乾燥生成物は、ロックホッパ配列(図3Aに図示せず)へ入り、その圧力が大気圧まで下げられる。完全に閉鎖されたままの状態で、固体は、水酸化リチウム、および炭酸リチウム(いずれも方法の後半に製造される生成物)を適量含有する水溶液と共にスラリーを形成している。図3Aに図示される実施形態において、固体は、浸出タンク12と称される、直列に並ぶ3つの蓋付タンクの1つ目においてスラリー化される。添加される水の量は、全ての可溶性種、特に硝酸リチウムを溶液に溶かすのに十分な量であり、容易にポンプ輸送が可能なスラリーを生じる。強アルカリ性である、この水溶液中に存在する水酸化リチウムは、浸出されやすいリシア輝石中のリチウム分が、一般的な条件下で反応(1)に従って硝酸リチウムへ転換され、過剰な硝酸が留去された後に残存する、あらゆる過剰な硝酸を中和するために使用される。したがって、中和反応は:
HNO+LiOH→LiNO+H
と表され得る。
この反応の生成物は、主たる蒸解反応から生じる硝酸リチウムに合流する、追加の硝酸リチウムであることがわかる。
この過剰の酸が中和されないか、またはそうでなくても除去されない場合、当該酸は、乏しくなったリシア輝石を攻撃し続ける傾向を有し、より多量のアルミニウム、ケイ素、および任意の卑金属(クロム、マンガン、鉄、コバルト、およびニッケルが例として挙げられるが、それらに限定されない遷移金属のいずれか)、ならびにアルカリ土類金属(特にマグネシウム、およびカルシウム)を浸出させて可溶性塩へ転換し、したがって水相の溶液へ出現させる可能性がある。添加される水酸化リチウムの量は、pH値を弱アルカリ性、すなわち8から11の間の値のpHへ上昇させるのに十分な量である。浸出タンク12において、蒸解反応器11からの固体塊中に存在する溶解性の高い硝酸リチウムは、水へ溶け、水と硝酸リチウムは混合され、主に硝酸リチウムからなる濃縮溶液、および貧固体から構成されるスラリーを形成する。
添加される水中に存在する水酸化リチウムは、マグネシウム分(マグネシウム分は、硝酸マグネシウムとして存在する)を、一般的な条件下で原則的に水に不溶である水酸化マグネシウムとして析出させることによって溶液から除去する機能も果たす。さらに、蒸解反応器11からの固体のスラリー化に使用される水溶液中に存在する多少の炭酸リチウムに由来する炭酸イオンを含む、溶液中に存在する炭酸イオンは、カルシウム分(カルシウム分は、硝酸カルシウムとして存在する)を、一般的な条件下で原則的に水に不溶である炭酸カルシウムとして析出させることによって溶液から除去する機能を果たす。各浸出タンクに空気を散布するための設備が、同様に図3Aに模式的に図示される。この空気は、水相に存在するあらゆる亜硝酸イオンを硝酸イオンへ酸化させる機能を主に果たし、その後の硝酸リチウム精製処理:
例えば、2LiNO+O→2LiNO
を単純化し、その効率をより高めるステップとなる。
浸出タンク12の内容物は、固液分離段階へポンプによって送られる。図3Aに模式的に図示されるように、これは、回転ドラム真空フィルタ15の形態をとるが、同様に水平ベルト真空フィルタを用いることもできる。ろ過段階は、ろ過ケークの固体濃度を約85重量%まで高め、(全ての可溶性リチウム分を含む)本質的に全ての可溶性物質は、高温洗浄水によってろ過ケークから洗浄される。したがって、ろ液は、リシア輝石原鉱濃縮物から浸出して可溶性硝酸リチウムとなったリチウム分を、本質的に全て含有する。ろ過ケークは、可溶性形態のリチウムを本質的に含まず、最低でも長期保存のために安全に置かれ得る(すなわち、尾鉱)。ケークは、ポルトランドセメントを製造するための原材料としても使用され得るが、アルミナ分、およびシリカ分の大部分が、多くの産業においてそのゼオライト様特性が高く評価される水和ケイ酸アルミニウム葉ろう石鉱物として存在し得る限り、より魅力的なケークの市場が見出される可能性がある。
ろ液(ろ液は、貴液とも称される)は、硝酸リチウム結晶化装置13へ(例えば、明確化のために図3Aに図示されないポンプ、配管、および貯蔵タンクなどによって)輸送される。図3Aに図示される実施形態において、この結晶化装置13は、機械的蒸気再圧縮の原理に基づき、大気圧より低い圧力で蒸発が起き、加熱カランドリア(明確化のために図3Aに図示されない蒸発容器の内部部分)で再利用するための蒸気が再圧縮される。カランドリア内で凝縮する水蒸気は、凝縮され、特に尾鉱ろ過部15で形成されるろ過ケーク内のリチウム分を回収するための、純粋なプロセス水として方法の別の場所で再利用するために回収される。結晶化装置13の主な生成物は、硝酸リチウム飽和溶液中の硝酸リチウム結晶のスラリーであり、おそらく少量の不純物も溶液中に含まれる。操作中、このスラリーは、結晶化装置13を循環する。このスラリーの一部は、この循環する主流から取り出され、ソリッドボウルデカンタ型、またはスクリーンボウルデカンタ型、または連続円錐形スクリーン型、または押し出し、もしくは振動スクリーン型の遠心分離機といった遠心分離機14へ送られる。結晶スラリーが取り出され、遠心脱水機へ供給される際の質量流速は、(遠心分離機14からのケークとしての)結晶生成の質量速度が、晶析装置13に新しい硝酸リチウム溶液が供給される速度と一致するよう設定される。
硝酸リチウム結晶化装置13を特徴付ける単位動作に含有される、プラント、および装備の追加の機器は、明確化を目的として図3Aに図示されない。例えば、第二、さらには第三の結晶化装置の操作(各操作に結晶の遠心脱水機を用いる)が存在してもよく、ここで、遠心分離機14によってその内容物の硝酸リチウム結晶(「第一ストライク」結晶)が取り除かれた溶液は、さらなる濃縮、および追加の硝酸リチウムの結晶化(第二、および場合により第三ストライクの生成)、ならびに関連する遠心分離によって形成された結晶の分離を受け、結晶性硝酸リチウムとして除去されたリチウム分のほとんどを有している溶液残渣を残す。第二、および第三ストライクで得られる硝酸リチウム結晶の純度は、第一ストライクよりも低いと予想される。純度の仕様を下回る場合、これらは、尾鉱ろ過部15からの貴液へ添加されることによって再循環される。しかし、全ての蒸発装置/結晶化装置の操作に由来する結晶スラリー生成物から分離される混合結晶塊の純度は、最終生成物の品質が仕様を満たすことを保証するのに十分であると予想される。
その結果、液体残渣における他の可溶性塩、特にナトリウムイオン、およびカリウムイオンの濃度は、硝酸リチウム結晶化装置13の第一、第二、および(存在する場合)第三の蒸発装置/結晶化装置の操作を経過するに従って上昇し続ける。アルカリ金属硝酸塩の濃縮溶液残渣中の追加のリチウム分を回収する、さらなる処理を行うことは、当然であり得る。例えば、炭酸ナトリウム(ソーダ灰)、および/または炭酸カリウムは、リチウム残渣の大部分を難溶性炭酸リチウムとして析出させるための溶液として添加され得る。炭酸ナトリウムの添加に伴う反応は:
2LiNO+NaCO→LiCO+2NaNO
である。
析出物の炭酸リチウムは、真空ろ過と高温水を用いる洗浄といった従来の固液分離処理によって除去され得る。その品質、および純度に依存し、この炭酸リチウムは、最終生成物の炭酸リチウムへ添加され得るか、または蒸解反応器11へ再循環され得る。硝酸ナトリウム(または、炭酸ナトリウムの代わりに炭酸カリウムが使用される場合、硝酸カリウム)は、貧溶液中に既に存在する硝酸ナトリウム(および/または硝酸カリウム)を単に増加させる。結果として得られる溶液残渣は、硝酸リチウム、硝酸ナトリウム、および硝酸カリウムの混合物であり、後者の割合は、リチウム分を析出させるために選択される炭酸カリウム、および炭酸ナトリウムの割合を単に選定することによって調整され得る。蒸発乾固され、混合物の融点を越えるまで加熱されると、この混合物は、貯蔵(例えば、化学電池)を伴う太陽熱発電所の運営者に特に高く評価され得る。この混合物は、蒸解反応器11、および先に説明される各所における伝熱媒体として方法/システムで使用され得る。
LiNO遠心脱水機14(図3A)からの脱水された硝酸リチウム結晶塊は、融解硝酸リチウム保持タンク16(図3B)へ搬送される。このタンクの内容物は、先に説明されるように生成された融解硝酸塩混合物の一部を、保持タンク16を囲む被覆を通して循環させることによって400℃付近に維持される。そのような温度において、塩は、無色透明の、流動性の高い液体である。保持タンク16へ入り、その後溶解硝酸リチウムとなる硝酸リチウム結晶は、すぐに融解し、融解硝酸リチウムの質量を増加させる。
融解硝酸リチウムは、必要に応じて酸化リチウム焙焼炉18へ輸送され、ここで結晶は、600℃を超える温度まで、理想的には約750℃まで急速に加熱される。図3Bに図示される実施形態において、この焙焼炉は、間接加熱回転炉の形態をとる。天然ガスは、310系といった耐熱ステンレス鋼製の炉殻の外部で燃焼する。炉内で転動する固体(固体の大部分は酸化リチウムである)に噴霧されるか、そうでなければ分散される融解硝酸リチウムは、固体と接触するとすぐに急速に加熱され、本方法において、以下の反応:
4LiNO→2LiO+4NO+O
に従い、分解して二酸化窒素および酸素の放出を伴い酸化リチウムを形成する。
図3Bにおいて、白金−ロジウム触媒を備える燃焼器17中で燃焼する、無水アンモニアと空気の混合物が示され、燃焼生成物、すなわち水蒸気、一酸化窒素、および酸素を消費した空気は、すぐに硝酸リチウムの分解に由来する一酸化窒素および酸素と混合される。空気中のアンモニアの触媒燃焼反応は:
4NH+5O→4NO+6H
と表され得る。
燃焼に用いるアンモニアの量は、この閉ざされた方法の通常の操作を通して、硝酸、および他の形態の活性窒素が損失された結果、補う必要のある活性窒素の量に依存する。
一酸化窒素は、(例えば、図3Aに図示される冷却器を通して)冷却されると、燃焼気体中に存在する遊離酸素と化合して二酸化窒素を形成する。
2NO+O→2NO
二酸化窒素は、反応(5)に従う硝酸リチウムの分解で形成された二酸化窒素、ならびに水および遊離酸素、ならびに乾燥機11からの排気と共に硝酸プラントへ送られ、硝酸プラントにおいて、これらは全て化合されて硝酸を形成し、形成された一酸化窒素は、その後先の反応のように二酸化窒素へ酸化される。
O+3NO→2HNO+NO
硝酸プラント7は、オストワルト法によるアンモニアを原料とする硝酸プラントの設計、および施行を経験する会社から供給される。しかし、反応(6)と同じ方法で窒素酸化物を形成するアンモニアの触媒燃焼に必要とされるインフラの大部分は、(より縮小された形態、すなわち小型燃焼器17におけるアンモニアの燃焼のみを目的とする場合は別として)必要とされない。
硝酸プラント7は、冷却された硝酸と水の混合物がそれを通して連続循環するシーブトレイ、またはバブルキャップがそれぞれに取り付けられた、直列に配置される1つ以上のカラムから構成される。これは、二酸化窒素、および酸素を急速に吸収し、定常状態の条件下で酸の濃度が例えば約60%以上(好ましい生成物は、少なくとも68%の硝酸である)の濃度であり得る、追加の硝酸を形成する。硝酸プラント7は、プラント内で生成される比較的希薄な硝酸が、2つの流れ:濃縮酸(公称で68%の硝酸)流、および含有される硝酸が、含まれていたとしても少量である水性流であって、プラントの別の場所でプロセス水として使用され得る水性流に分けられる、独立する蒸留カラム(明確化を目的として図3Bに図示されず)も含むことができる。酸は、適切な速度で取り出され、必要に応じてそこから酸が蒸解反応器11へポンプで送り出される貯蔵タンク(図3Bに図示せず)へ輸送される。
酸化リチウム焙焼炉18で形成される酸化リチウム(リチア)ペレットは、燃焼空気の一部(すなわち、炉の上流区域における天然ガスの燃焼を促進するために使用される空気)が、最初に炉自身の外殻を通り、それによって内部を通過する固体を冷却するよう調整することによって、炉の区域内で部分的に冷却される。部分的に冷却された純粋な酸化リチウム(リチア)の小粒は、次いで酸化リチウム消化装置19内で急冷される。この点に関し、容積が制御された蒸留水が(例えば、蒸発装置/結晶化装置13からの凝縮物を含む)消化装置19に添加され、酸化リチウムは、すぐに水酸化リチウムへ転換される。
LiO+HO→2LiOH
この処理は、非常に発熱的であり、そのため容器は、循環冷却水を使用して連続的に冷却され得る(図3Bに図示せず)。消化装置19へ添加される水の量は、所望される量の酸化リチウムを溶解させ、その全てを反応(9)に従って水酸化物へ転換し、この水酸化リチウムを全て溶液に溶かしてほぼ飽和した水酸化リチウム溶液を形成させるのに十分な量である。
このほぼ飽和した水酸化リチウム溶液は、次いで、図3Bに図示される実施形態において、同様に機械的蒸気再圧縮型のものが模式的に示される、水酸化リチウム結晶化装置20へ輸送される。ここで、水蒸気の一部は、沸騰により取り除かれ、飽和状態となった水酸化リチウム溶液中に懸濁した状態の水酸化リチウム一水和物LiOH・HO結晶を一部形成させる。沸騰によって取り除かれる水の量は、生成する水酸化リチウム一水和物結晶の量が、個別に取り決められた要求を満たす必要のある水酸化リチウムの量と一致するよう慎重に管理される。このスラリーは、適切な割合で晶析装置20から取り出され、遠心分離機21へ送られる。図3Bの実施形態において、遠心分離機は、連続円錐形スクリーン型であるが、ソリッドボウルデカンタ型、もしくはスクリーンボウルデカンタ型、または押し出し、もしくは振動スクリーン型であってもよい。
遠心分離機によって生成された固体結晶性ケークは、(明確化を目的として図3Bに図示されない設備によって)さらに処理され得る。遠心分離機によって生成された固体結晶ケークは、最初に乾燥させられ、次いで発送用に包装され得る。または、遠心分離機によって生成した固体結晶ケークは、結晶水を放出させるために、当業者に知られる方法を用いてさらに加熱される。例えば、減圧条件を用い、少なくとも160℃の温度まで加熱することによって、結晶水を放出させ、水和リチウムの無水化生成物を生成する。留去される水蒸気は、回収、および凝縮され、方法全体の別の場所で使用するための、追加の純粋なプロセス水を生成し得る。
水酸化リチウムの飽和水溶液である、遠心分離機の遠心分離液/ろ液は、別の蓋付タンク22に回収され、タンク22において、少量のプロセス水に加え、同様にタンク22に入る他の液体流が添加され、溶液からの水酸化リチウムの結晶化が進行する危険性がないよう溶液を希釈する。水酸化リチウム水溶液は、このタンク22から別個のポンプを用いて、以下のように:
・乾燥機11からの生成物流中に残存するあらゆる過剰な硝酸を中和する(すなわち、浸出タンク12内のpH値を8から11の間まで上げる)のに十分な量を、浸出タンク12(図3A)へ、
・残余を、ポンプ23を用いて、煙道気体中に含有される二酸化炭素を吸着するために当該残余が使用され、それによって当該残余が炭酸リチウムへ転換される煙道気体洗浄装置30へ
送られる。
洗浄装置30を循環する相対的に濃縮された水酸化リチウム溶液と、煙道気体に含有される二酸化炭素の間の反応は:
2LiOH+CO→LiCO+H
と表され得る。
循環するスラリー(循環は、ポンプ23によって維持される)の温度は、重炭酸リチウムを確実に形成させないために、60℃を上回る温度、好ましくは80℃を上回る温度に維持される。炭酸リチウムは、水酸化リチウムよりもはるかに溶解性が低く、そのため反応(10)に従って形成される炭酸リチウムの大部分は、純粋な炭酸リチウム結晶として溶液から析出する。これらは、水酸化リチウム溶液中の炭酸リチウム(それに加えて、多少の炭酸リチウムも溶液中に含まれる)からなるスラリーの構成成分として洗浄装置30を通して循環する。そのような循環の間、炭酸リチウム結晶は、大型化する傾向にある。スラリーは、循環しながら分級装置(より大きな結晶を分級して取り出し、それをスピゴット生成物として高密度スラリーに濃縮する液体サイクロンとして図3Bに模式的に示されるLiCO結晶分級機24)を通過する。大部分を占める溶液、およびより微細な炭酸リチウム結晶を含むスラリーの残余は、受容タンク22を介して洗浄装置30へ戻される。
スピゴット生成物は、実施形態において、ソリッドボウルデカンタ型遠心分離機(または図3Bに示される実施形態において、真空ドラムフィルタ)である、LiCO結晶脱水装置25へ移動する。純粋な炭酸リチウム生成物の固体ケークは、乾燥、粉砕後に、顧客への販売条件に従う要件の通りに包装される。
酸化リチウムの残余は、金属リチウムへ転換され得る。この方法が、炭素熱還元処理に必須の前駆体である酸化リチウムを簡便に生成する事実とは別に、使用される特定の技術は、他所(例えば、米国特許第9,090,954号、または潜在的に米国特許第4,147,534号、および米国特許第4,200,264号)に開示されるプラント、および処理を伴う。
さらなる変形例
元の(α)形態であっても、活性化された(β)形態であっても、リシア輝石の特性は、上記の方法、およびシステムの変形例が適切であり得る範囲で変化し得ると理解されるべきである。良好な工業的実務を踏まえて、特にサービスおよび実用性の提供、効率的な廃熱の利用、節水、および全ての廃棄物流の最小化を目的として、他の単位操作が、方法全体に含まれ得る。
以下に続く特許請求の範囲、および先の明細書において、明確な言葉、または必然的な含蓄によって文脈上別段の要求がある場合を除き、「含む(comprise)」という語、および「含む(comprises)」、または「含んでいる(comprising)」といった変形は、包括的な意味で、すなわち記載される特徴の存在を規定するが、さらなる特徴の存在または追加を除外しないよう使用される。

Claims (28)

  1. リチウム含有ケイ酸塩鉱物からリチウムを回収する方法であって、
    前記ケイ酸塩鉱物を硝酸と混合する工程、
    混合物を、前記ケイ酸塩鉱物中のリチウム分が前記ケイ酸塩鉱物から硝酸リチウムとして浸出するような条件を有する浸出処理に供する工程
    を含むことを特徴とする方法。
  2. 請求項1に記載の方法であって、前記浸出処理条件は、前記ケイ酸塩鉱物からリチウム分が硝酸リチウムとして浸出することを促進するが、前記ケイ酸塩鉱物中の非リチウム分が前記ケイ酸塩鉱物からほとんど浸出されないような、高温および/または高圧の浸出処理を含むことを特徴とする方法。
  3. 請求項1または2に記載の方法であって、前記浸出処理条件は、化学量論を超える硝酸中で、制御された期間、前記ケイ酸塩鉱物を反応させる工程を含み、前記制御された期間は、
    (i)残留遊離硝酸を中和すること、および/または
    (ii)過剰な硝酸を水と共に蒸気として蒸留するように、浸出による生成物を加熱すること
    によって停止されることを特徴とする方法。
  4. 請求項3に記載の方法であって、(i)において、前記残留遊離硝酸は、リチウムを回収する前記方法の一部として生成されるアルカリ性リチウム化合物の一部を再循環することによって中和され、再循環される前記アルカリ性リチウム化合物は、LiO、LiOH、およびLiCOの1つ以上を含むことを特徴とする方法。
  5. 請求項3または4に記載の方法であって、(i)において、前記浸出処理から得られる浸出生成物塊は、前記浸出生成物塊中の固体が、硝酸リチウムを含む溶液から分離される固液分離段階へ送られ、前記固体は、尾鉱として前記方法から分離されることを特徴とする方法。
  6. 請求項3に記載の方法であって、(ii)において、前記過剰な硝酸および水蒸気は、乾燥段階において蒸気として留去され、留去された硝酸および水蒸気は、前記浸出処理における再利用および/または硝酸の再生のために回収されることを特徴とする方法。
  7. 請求項3から6のいずれか1項に記載の方法であって、前記浸出処理によって生成される硝酸リチウム溶液が、濃縮され、結晶化して比較的純粋な結晶性LiNOを形成する結晶化段階をさらに含むことを特徴とする方法。
  8. 請求項7に記載の方法であって、前記結晶化LiNOは、例えば遠心分離などによって溶液から分離され、分離された前記結晶性LiNOを、LiOへの前記LiNOの分解を起こす温度で、窒素酸化物を含む気体流が生成するような熱分解処理に供することを特徴とする方法。
  9. 請求項8に記載の方法であって、前記熱分解処理は、例えば過剰な空気中でアンモニアを触媒燃焼することなどによる、前記LiNOの間接加熱を含み、前記気体流は、前記浸出処理における再利用および/または硝酸の再生のために回収されることを特徴とする方法。
  10. 請求項8または9に記載の方法であって、前記LiOは、
    (a)前記LiOをLiOHへ転換し、前記LiOHを溶液に溶かすよう、消化段階において水を用いて消化され、
    (b)例えば炭素熱還元処理などによって、金属リチウムへ転換される
    ことを特徴とする方法。
  11. 請求項10に記載の方法であって、(a)からのLiOH溶液は、前記LiOH溶液が濃縮され、結晶化して結晶性水酸化リチウム一水和物LiOH・HOを形成する、さらなる結晶化段階に供され、前記結晶化LiOH・HOは、次いで、例えば遠心分離などによって溶液から分離されることを特徴とする方法。
  12. 請求項11に記載の方法であって、前記結晶性水酸化リチウム一水和物から分離される前記水酸化リチウム水溶液は、
    − 前記ケイ酸塩鉱物と前記硝酸の前記反応の停止に使用するために前記浸出処理へ再循環され、前記水酸化リチウム溶液が、残留、または残存する遊離硝酸を中和すること
    − 方法の排気に由来する二酸化炭素を除去し、それによって炭酸リチウムに富む流れを生成し、この流れの一部が、固体形態の炭酸リチウムを含むこと
    の1つ、または両方を目的として使用されることを特徴とする方法。
  13. 請求項12に記載の方法であって、前記固体形態の炭酸リチウムは、分離、および分級され、それによってより粗大な分画は、前記方法の炭酸リチウム生成物を形成し、より微細な分画は、二酸化炭素を除去する流れと共に再循環されることを特徴とする方法。
  14. 請求項1から13のいずれか1項に記載の方法であって、前記ケイ酸塩鉱物は、その中の前記リチウム分を活性化するよう、前記ケイ酸塩鉱物を前記硝酸溶液と混合する前に前処理され、前記前処理は、焼成、もしくは焙燃などの熱処理、または粉砕、もしくは微粉砕などの機械的処理を含むことを特徴とする方法。
  15. リチウム含有ケイ酸塩鉱物からリチウムを回収するシステムであって、前記ケイ酸塩鉱物と硝酸の混合物が、前記ケイ酸塩鉱物中のリチウム分が前記ケイ酸塩鉱物から硝酸リチウムとして浸出するような条件に供される浸出反応器を含むことを特徴とするシステム。
  16. 請求項15に記載のシステムであって、前記浸出反応器は、
    (i)浸出のための前記条件が、高温および高圧を含む、オートクレーブなどの圧力容器、または
    (ii)浸出のための前記条件が、高温であるが大気圧であることを含む、中空フライトスクリューコンベアなどの蒸解反応器
    を含むことを特徴とするシステム。
  17. 請求項16に記載のシステムであって、前記浸出容器から生じる硝酸リチウムの水相が、再循環されるアルカリ性リチウム化合物を含む生成物を用いて中和される中和容器をさらに含むことを特徴とするシステム。
  18. 請求項17に記載のシステムであって、前記浸出反応器からの固体が前記硝酸リチウムの水相から分離されるろ過装置などの固液分離段階をさらに含み、前記固体は、方法の尾鉱として分離されることを特徴とするシステム。
  19. 請求項18に記載のシステムであって、前記硝酸リチウム溶液が濃縮され、結晶化して結晶性LiNOを形成する結晶化装置をさらに含むことを特徴とするシステム。
  20. 請求項19に記載のシステムであって、前記結晶性LiNOが融解状態まで加熱される加熱保持容器をさらに含むことを特徴とするシステム。
  21. 請求項20に記載のシステムであって、焙焼炉などの熱処理部をさらに含み、前記熱処理部は、融解LiNOを固体LiOに分解させる温度で作動するよう構成されることを特徴とするシステム。
  22. 請求項21に記載のシステムであって、固体LiOと炭素源の混合物が加熱される炭素熱還元炉をさらに含み、結果として得られる金属リチウムが凝縮される先細末広ノズルなどのフラッシュ冷却装置がそれに続くことを特徴とするシステム。
  23. 請求項15から22のいずれか1項に記載のシステムであって、硝酸プラントをさらに含み、窒素酸化物および/または硝酸蒸気を含有する気体流が、前記硝酸プラントへ送られ、前記浸出反応器で使用するための硝酸を生成することを特徴とするシステム。
  24. 請求項19に記載のシステムであって、水を用いる前記結晶性LiNOの消化によって生成される水酸化リチウム溶液を用いてシステム煙道気体が洗浄される除去容器をさらに含み、前記除去容器は、炭酸リチウムに富む流れを形成するよう構成されることを特徴とするシステム。
  25. リチウム含有ケイ酸塩鉱物から金属リチウムを生成する方法であって、
    前記ケイ酸塩鉱物を、リチウム分が前記ケイ酸塩鉱物から抽出される酸浸出に供する工程、
    抽出された前記リチウム分を、酸化リチウムへ転換するよう熱処理する工程、
    前記酸化リチウムを、前記酸化リチウムが炭素源と混合される還元段階に供する工程を含み、
    前記還元段階は、前記酸化リチウムを金属リチウムに還元させ、前記炭素源を気体形態に酸化させるのに十分な温度で操作されることを特徴とする方法。
  26. 請求項25に記載の方法であって、前記還元段階の直後に、蒸気としての前記金属リチウム、および気体酸化炭素は、液体金属リチウムを形成するよう急速に冷却されることを特徴とする方法。
  27. 請求項26に記載の方法であって、前記金属リチウム蒸気、および前記気体酸化炭素は、例えば先細末広ノズルを通した超音速膨張などの膨張によって急速に冷却されることを特徴とする方法。
  28. 請求項26または27に記載の方法であって、前記液体金属リチウムと前記気体酸化炭素の混合物は、例えば前記混合物をサイクロン分離機に通すことなどによって互いに分離されることを特徴とする方法。
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