JP2003107355A - 撮像光学系 - Google Patents

撮像光学系

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JP2003107355A
JP2003107355A JP2001296879A JP2001296879A JP2003107355A JP 2003107355 A JP2003107355 A JP 2003107355A JP 2001296879 A JP2001296879 A JP 2001296879A JP 2001296879 A JP2001296879 A JP 2001296879A JP 2003107355 A JP2003107355 A JP 2003107355A
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optical system
mirror
image pickup
lens
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JP2001296879A
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Mitsujiro Konno
光次郎 金野
Kentaro Sekiyama
健太郎 関山
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Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
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    • G02B3/14Fluid-filled or evacuated lenses of variable focal length

Abstract

(57)【要約】 【課題】内視鏡、監視用カメラ、小型のデジタルカメラ
等、小型の光学系において、外径が細く小型であるにも
かかわらず、ピント合わせ可能な撮像光学系を提供す
る。 【解決手段】物体側から順に、第一レンズである凹レン
ズ2と、可変形状ミラー3と、明るさ絞り4と、複数の
レンズからなる凸レンズ群5と、可変ミラー6を備えて
いる。次の条件式を満たす可変ミラー3,6を用いて、
フォーカスを行うようにしている。 60° < 2ω < 175° ただし、ωは光学系に入射する光線の水平半画角であ
る。可変ミラー3,6は、ある状態で自由曲面形状にな
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、可変焦点レンズ、
可変焦点回折光学素子、可変偏角プリズム、可変焦点ミ
ラー等の光学特性可変光学素子、及びこれらの光学特性
可変光学素子を含む光学系を備えた、例えば眼鏡、ビデ
オプロジェクター、デジタルカメラ、テレビカメラ、内
視鏡、望遠鏡、カメラのファインダー等の光学装置に用
いる撮像光学系に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来の
レンズは、ガラスを研磨して製造したレンズを用いてお
り、レンズ自体で焦点距離を変化させることができない
ため、例えば、カメラのピント合わせあるいはズーム、
変倍のためにレンズ群を光軸方向に移動させるために、
機械的構造が複雑になっている。そして、レンズ群の一
部を移動させるためにモーター等を用いていたため、消
費電力が大きい、音がうるさい、応答時間が長く、レン
ズの移動に時間がかかる等の欠点があった。また、ブレ
防止を行なう場合でも、レンズをモータ、ソレノイド等
で機械的に移動させるため、消費電力が大きい、機械的
構造が複雑でコストアップにつながる、等の欠点があっ
た。
【0003】また、撮像系のひとつに内視鏡があるが、
内視鏡は、体内に挿入して使用するため、撮像光学系は
より細いことが求められている。このために、ピント合
わせを行う機構を内視鏡に含めるのは、非常に困難であ
り、従来の内視鏡の光学系は、ほとんど固定焦点であっ
た。
【0004】本発明は、従来技術のこのような問題点に
鑑みてなされたものであり、内視鏡、監視用カメラ、デ
ジタルカメラ等の光学系において、外径が細く小型であ
るにもかかわらず、ピント合わせ可能な撮像光学系を提
供することを目的とする。また、本発明は、上記光学系
以外にも、ロボットの目、撮像機能付き携帯電話、ドア
スコープ用カメラ、車載カメラ、などにももちろん利用
できる。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明による撮像光学系は、可変ミラーを用いて、
次の条件式を満たすフォーカスを行うようにしたことを
特徴とする。 50° < 2ω < 175° ただし、ωは光学系に入射する光線の水平半画角であ
る。
【0006】また、本発明による撮像光学系は、複数枚
の可変ミラーを用いて、フォーカスを行うようにしたこ
とを特徴とする。
【0007】また、本発明による撮像光学系は、フォー
カスを行う際に、少なくとも一つの可変ミラーが、ある
状態で自由曲面形状になるようにしたことを特徴とす
る。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の撮像光学系に用いる可変
ミラーは、例えば、形状可変ミラーのように、表面形状
を凸面、平面、凹面に自由に変化させることで、光学パ
ワー、又は収差等光学特性を自由に変化させることがで
きるミラーである。これによって、撮像系の物体距離が
変化した場合でも、可変ミラーの形状を変化させるだけ
でピントを合わせることができる。このとき、可変ミラ
ーの形状は、回転対称な曲面でもよいが、収差補正をよ
り良く行うためには、回転非対称な自由曲面であること
が望ましい。
【0009】本発明で使用する自由曲面とは以下の式
(1)で定義されるものである。この定義式のZ軸が自由
曲面の軸となる。 …(1) ここで、式(1)の第1項は球面項、第2項は自由曲面項
である。
【0010】球面項中、 c:頂点の曲率 k:コーニック定数(円錐定数) r=√(X2 +Y2 ) N:2以上の自然数 である。
【0011】自由曲面項は、 ただし、Cj (jは2以上の整数)は係数である。
【0012】上記自由曲面は、一般的には、X−Z面、
Y−Z面共に対称面を持つことはないが、Xの奇数次項
を全て0にすることによって、Y−Z面と平行な対称面
が1つだけ存在する自由曲面となる。また、Yの奇数次
項を全て0にすることによって、X−Z面と平行な対称
面が1つだけ存在する自由曲面となる。
【0013】また、上記の回転非対称な曲面形状の面で
ある自由曲面の他の定義式として、Zernike多項
式により定義できる。この面の形状は次の式(2)により
定義する。その定義式(2)のZ軸がZernike多項
式の軸となる。回転非対称面の定義は、X−Y面に対す
るZの軸の高さの極座標で定義され、AはX−Y面内の
Z軸からの距離、RはZ軸回りの方位角で、Z軸から測
った回転角で表せられる。
【0014】 x=R×cos(A) y=R×sin(A) Z=D2 +D3 Rcos(A)+D4 Rsin(A) +D52 cos(2A)+D6 (R2 −1)+D72 sin(2A) +D83 cos(3A)+D9 (3R3 −2R)cos(A)+D10(3R3 −2R)s in(A)+D113 sin(3A) +D124cos(4A)+D13(4R4 −3R2 )cos(2A) +D14(6R4 −6R2 +1)+D15(4R4 −3R2 )sin(2A) +D164 sin(4A) +D175 cos(5A) +D18(5R5 −4R3 )cos(3A) +D19(10R5 −12R3 +3R)cos(A) +D20(10R5 −12R3 +3R)sin(A) +D21(5R5 −4R3 )sin(3A) +D225 sin(5A) +D236cos(6A)+D24(6R6 −5R4 )cos(4A) +D25(15R6 −20R4 +6R2 )cos(2A) +D26(20R6 −30R4 +12R2 −1) +D27(15R6 −20R4 +6R2 )sin(2A) +D28(6R6 −5R4 )sin(4A) +D296sin(6A) …(2) ただし、Dm(mは2以上の整数)は係数である。な
お、X軸方向に対称な光学系として設計するには、D
4 ,D5 ,D6 、D10,D11,D12,D13,D14
20,D21,D22…を利用する。
【0015】上記定義式は、回転非対称な曲面形状の面
の例示のために示したものであり、他のいかなる定義式
に対しても同じ効果が得られることは言うまでもない。
数学的に同値ならば他の定義で曲面形状を表してもよ
い。
【0016】本発明においては、(1)式の中のxの奇数時
の項を全て0とすることで、y-z面と平行な対称面を持
つ自由曲面としている。
【0017】また、本発明の撮像光学系は、次の条件式
のいずれかを満たすように構成すると、小型、高性能の
フォーカス可能な撮像光学系が得られるので、より好ま
しい。
【0018】光学系の凹レンズ群の焦点距離をf_n、
レンズ全系の焦点距離をf_totとしたとき、次の条
件式(3) 0.01 < |f_n|/f_tot < 100 …(3) を満たすようにするのが望ましい。
【0019】条件式(3)を満たすように、凹レンズ群の
焦点距離を選ぶと、撮像光学系の画角を広角にすること
ができる。|f_n|/f_tot が、下限を下回る
と、ペッツバール和がマイナスに行き過ぎ、像面湾曲収
差の補正が、著しく困難になる。一方、|f_n|/f_
tot が上限を上回ると、最終レンズ面から固体撮像
素子までの距離を大きく取ることができなくなるので、
可変ミラーを光学系に配置することが困難になるか、あ
るいは、撮像光学系の画角を広角にすることが困難にな
る。
【0020】さらに、次の条件式(4) 0.1 < |f_n|/f_tot < 10 …(4) を満たすようにすれば、凸レンズ群と合わせて収差の補
正が容易になるので、より好ましい。
【0021】さらにまた、次の条件式(5) 0.1 < |f_n|/f_tot < 3 …(5) を満たすようにするのがより一層好ましい。
【0022】また、凸レンズ群の焦点距離をf_pとし
たとき、次の条件式(6) 0.01 < |f_p|/f_tot < 100 …(6) を満たすようにするのが望ましい。
【0023】条件式(6)を満たすように、凸レンズ群の
焦点距離を選ぶと、可変ミラーを配置するスペースを保
ち、且つ、レンズ系の全長を短くすることができる。
【0024】さらに、次の条件式(7) 0.1 < |f_p|/f_tot < 10 …(7) を満たすようにすれば、収差の補正が容易になるので、
より好ましい。
【0025】さらにまた、次の条件式(8) 0.1 < |f_p|/f_tot < 3 …(8) を満たすようにするのが、より一層好ましい。
【0026】また、光学系の最終レンズ面から撮像面ま
での距離をSk、レンズ全系の焦点距離をf_totと
したとき、次の条件式(9) 0.01 < Sk/f_tot < 100 …(9) を満たすようにするのが望ましい。ここで、光学系の最
終レンズ面とは、赤外カットフィルタやローパスフィル
タを除いた、光学系の凸レンズ群の最終レンズ面のこと
を指す。
【0027】条件式(9)を満たすように、光学系の最終
レンズ面から撮像面までの距離を選ぶと、レンズ系の全
長を極端に長くすることなく、収差を適正な範囲で補正
することができる。
【0028】さらに、条件式(10) 0.1 < Sk/f_tot < 10 …(10) を満たすようにするのが、より好ましい。
【0029】さらにまた、条件式(11) 0.5 < Sk/f_tot < 8 …(11) を満たすようにするのが、より一層好ましい。
【0030】また、光学系に入射する光線の水平半画角
をωとしたときに、次の条件式(12) 50° < 2ω < 175° …(12) を満たすようにするのが望ましい。
【0031】条件式(12)を満たすように入射光線の画角
を取ると、広い画角が必要な光学製品に適した光学系に
なる。
【0032】さらに、次の条件式(13) 75° < 2ω < 170° …(13) を満たすようにするのが、収差補正の点でより好まし
い。
【0033】さらにまた、次の条件式(14) 85° < 2ω < 160° …(14) を満たすようにするのが、収差補正の点でより一層好ま
しい。
【0034】また、可変ミラーの形状を表した上記式
(1)の自由曲面の係数C4とC6とが異符号になる状態を
含んでいても良い。そのように係数C4とC6をとると、
子午方向の収差と球欠方向の収差をそれぞれ適正に抑
え、且つ、ミラー面の変形量を小さくすることができ
る。
【0035】また、自由曲面の係数C4が、物体距離が
異なる2状態において異なる符号になる状態を含むよう
にしても良い。そのように係数C4をとれば、異なる2
状態において係数C4が同符号の場合よりも、物体距離
が変化したときのミラー面の変形量を小さく抑えること
ができる。
【0036】同様の理由で、自由曲面の係数C6が、物
体距離が異なる2状態において異なる符号になる状態を
含むようにしても良い。
【0037】また、光学系の中のいずれかの可変ミラー
において、物体距離が近点では可変ミラーの収束作用が
強くなり、物体距離が遠点では、可変ミラーの収束作用
が弱くなることが望ましい。
【0038】また、可変ミラーの形状を表した上記式
(1)の自由曲面の係数C8とC10とが、少なくともある状
態で次の条件式(15) 0.01 < C10/C8 < 100 …(15) を満たすようにするのが望ましい。条件式(15)を満たす
と、ミラーの変形量をあまり大きくすることなく、光学
系の像位置による像面の違いを適正な範囲内で抑えるこ
とができる。
【0039】さらに、少なくともある状態で次の条件式
(16) 0.1 < C10/C8 < 10 …(16) を満たすようにすれば、他の収差とのバランスを取るこ
とができるので、より好ましい。
【0040】また、可変ミラーの形状を表した上記式
(1)の自由曲面の係数C11とC13とが、少なくともある
状態で次の条件式(17) 0.01 < |C13/C11| < 100 …(17) を満たすようにするのが望ましい。条件式(17)を満たす
ようにすれば、ミラーの変形量をあまり大きくすること
なく、光学系の子午面外の物体位置に対する結像の収差
を適正な範囲内で抑えることができる。
【0041】さらに、少なくともある状態で次の条件式
(18) 0.1 < |C13/C11| < 10 …(18) を満たすようにすれば、ミラー面の変形を無理なく行う
ことができるので、より好ましい。
【0042】また、可変ミラーの形状を表した上記式
(1)の自由曲面の係数C11とC15とが、少なくともある
状態で次の条件式(19) 0.01 < |C15/C11| < 100 …(19) を満たすようにするのが望ましい。条件式(19)を満たす
ようにすれば、ミラーの変形量をあまり大きくすること
なく、視野周辺の像面湾曲の高次の収差補正を行うこと
ができる。
【0043】さらに、少なくともある状態で次の条件式
(20) 0.1 < |C15/C11| < 10 …(20) を満たすようにすれば、視野中心部との収差のバランス
が取れるので、より好ましい。
【0044】また、少なくともいずれかの可変ミラーに
ついて、次の条件式(21)を満たすようにするのが好まし
い。 0 < md/f_tot < 1 …(21) ただし、mdは可変ミラーのミラー面の最大変形量、f
_totはレンズ全系の焦点距離である。条件式(21)を
満たすように、可変ミラーのミラー面の最大変形量を選
ぶと、ミラーの変形量をあまり大きくすることなく、光
学系の収差を適正な範囲で補正することができるので望
ましい。また条件式(21)のかわりに条件式(21B) 0.00003<md/f_tot<0.1 …(21B) を満たすようにすれば可変ミラーの制御が容易になり、
良い。また、少なくとも一つの状態において、係数
8、C10又はC17のいずれか1つ以上が0でないよう
にすれば、可変ミラーの反射面の形状がy方向について
非対称になり、yz平面内における物点の位置によって
変わる収差を補正することができてよい。
【0045】以下に、本発明の実施例について図面を用
いて説明する。第1実施例 図1は本発明の第1実施例にかかる撮像光学系の構成を
示す光軸に沿う断面図である。第1実施例の撮像光学系
1は、物体側から順に、第一レンズである凹レンズ2
と、可変形状ミラー3と、明るさ絞り4と、複数のレン
ズからなる凸レンズ群5と、可変ミラー6と、赤外カッ
トフィルタ(又はローパスフィルタ)7と、固体撮像素
子とで、2枚の形状可変ミラーを用いた側視タイプの内
視鏡撮像系として構成されている。なお、図1中、8は
固体撮像素子の撮像面である。なお、本願の実施例で
は、撮像面の形は円形を想定しているが、長方形でもよ
い。あるいは正方形、8角形等の多角形でもよい。
【0046】第1実施例の撮像光学系1では、内視鏡撮
像系対物レンズの第一レンズである凹レンズ2を通った
物体からの光線は、可変ミラー3で反射され、明るさ絞
り4を通過する。その後、凸レンズ群5を通過し、可変
ミラー6で再び反射され、赤外カットフィルタ(又はロ
ーパスフィルタ)7を通過して、固体撮像素子の撮像面
8に到達する。なお、第1実施例の撮像光学系1では、
焦点距離が2.073mm、Fナンバーが8.294、像高が対角2.6
22mm、水平画角が96.1°となっている。また、第1実施
例の撮像光学系1は、可変ミラー3,6を変化させるこ
とによって、物点距離を遠点20mm(ポジション1)か
ら、標準的距離16mm(ポジション2)を経て、近点12.5
mm(ポジション3)まで焦点合わせをすることが可能な
光学系となっている。
【0047】そして、第1実施例の撮像光学系1では、
光学系の中に可変ミラーを2枚用いたので、可変ミラー
1枚だけでピントを合わせる構成に比べて、ミラーの変
形量を少なくすることができるというメリットがある。
【0048】なお、図1に示す撮像光学系1は、物体か
らの光線の光軸と、固体撮像素子に入射する光線の光軸
がほぼ平行(±5度のズレの範囲内)となるように構成
されている。ただし、図2に示すように、それぞれの光
軸が交差、またはねじれの位置にあるように構成して
も、もちろんよい。また、凹レンズ2は、複数のレンズ
からなる凹レンズ群であってもよい。また、撮像レンズ
系1は、レトロフォーカス系を成している。このため、
可変ミラー6を入れるスペースを確保することができ、
また、画角が大きく、内視鏡光学系に適している。
【0049】次に第1実施例の撮像光学系の数値データ
を示す。数値データ中、“DM”は変形した可変ミラー
のことを指す。また、面形状に関して、“WE”、“S
T”、“TE”はそれぞれ近点、標準的距離、遠点を示
す。また、“So”は物点距離を示す。
【0050】また、偏心面については、光学系の基準面
の中心からその面の面頂位置の偏心量(X軸方向、Y軸
方向、Z軸方向をそれぞれX、Y、Z)と、その面の中
心軸(自由曲面については、前記(1)式のZ軸)を中心
とする傾き角(それぞれα、β、γ(°))とが与えら
れている。その場合、αとβとγの正はそれぞれの軸の
正方向に対して反時計回りを意味する。偏心の順序は、
X、Y、Z方向の偏心が行われた後、α、β、γの順で
座標系を回転させる。
【0051】また、偏心には、ローカル座標系の偏心と
定義座標系の偏心の2つがある。ローカル座標系とは、
入力された面番号の面の座標系を指し、定義座標系と
は、入力された面番号を除く、それ以降の面番号の面の
座標系を指す。例えば、ミラーの場合、反射面の座標が
ローカル座標で定義され、それ以降の面の座標が定義座
標系で定義される。反射面と次の面との面間隔は、定義
座標系のZ軸に沿った方向になる。
【0052】また、反射面の傾きだけを示す場合も、偏
心量としてその面の中心軸の傾き角が与えられている。
【0053】また、データの記載されていない自由曲
面、非球面等に関する項は0である。屈折率について
は、d線(波長587.56nm)に対するものを表記
してある。長さの単位はmmである。なお、上記数値デ
ータに関する説明は、本発明の各実施例の数値データに
共通である。
【0054】また、第1実施例の撮像光学系の遠点、標
準的距離、近点ごとの各波長域における横収差を表す収
差図を図3〜5にそれぞれ示す。図3〜5中、(a)はX
方向画角がゼロ、Y方向画角がゼロを通る主光線のY方
向の横収差、(b)はX方向画角がゼロ、Y正方向最大画
角を通る主光線のY方向の横収差、(c)はX方向画角が
ゼロ、Y負方向最大画角を通る主光線のY方向の横収差
を示している。なお、上記収差図の説明は、本発明の各
実施例の収差図に共通である。
【0055】数値データ1 面番号 曲率半径 面間隔 偏心 屈折率 アッベ数 物体面 ∞ So 1 ∞ 0.3937 1.51633 64.14 2 1.3153 1.8828 3 DM[1] 1.0000 偏心[1] 4(絞り) ∞ 0.2920 5 13.6792 1.2723 1.88300 40.76 6 -2.2509 0.0304 7 ∞ 1.4092 1.51633 64.14 8 -1.8589 0.4670 1.84666 23.78 9 -14.9921 1.5000 10 ∞ 1.0000 11 DM[2] 1.7010 偏心[2] 12 ∞ 0.4000 1.52287 59.89 13 ∞ 0.0200 像面 ∞
【0056】 So(物点距離) TE: 20mm ST: 16mm WE: 12.5mm
【0057】 DM[1] TE:∞(平面) ST: C4 =-3.9188×10-46 =-6.4980×10-58 =-1.8020×10-410=-7.8153×10-511= 8.8017×10-413= 4.8960×10-415= 3.6086×10-517=-2.7871×10-419= 1.6046×10-421= 1.4923×10-5 WE: C4 =-1.0670×10-36 = 1.1925×10-48 =-4.7956×10-410=-6.0019×10-511= 7.2051×10-413= 5.1951×10-415= 7.5004×10-517= 4.4991×10-419= 1.5006l×10-421= 1.0002×10-6
【0058】 DM[2] TE:∞(平面) ST: C4 =-1.3997×10-36 = 1.5964×10-48 = 6.7961×10-410= 3.0490×10-411=-2.8015×10-413= 8.2000×10-415= 7.0791×10-517=-7.4937×10-519=-9.5272×10-521=-6.0029×10-6 WE: C4 =-1.3082×10-36 =-4.8475×10-48 = 5.5170×10-410= 4.4972×10-411= 1.4950×10-413= 9.8272×10-415= 1.8013×10-417= 2.9935×10-519=-9.5086×10-521=-1.1000×10-5
【0059】 偏心[1]ローカル座標系 X= 0.00 Y= 0.00 Z= 0.00 α= 45.00 β= 0.00 γ= 0.00定義座標系 X= 0.00 Y= 0.00 Z= 0.00 α= -90.00 β= 0.00 γ= 0.00 偏心[2]ローカル座標系 X= 0.00 Y= 0.00 Z= 0.00 α= -45.00 β= 0.00 γ= 0.00定義座標系 X= 0.00 Y= 0.00 Z= 0.00 α= 90.00 β= 0.00 γ= 0.00
【0060】 条件式のパラメータ f_tot(レンズ全系の焦点距離)=2.0728mm f_n(凹レンズ群の焦点距離)=-2.5474mm f_p(凸レンズ群の焦点距離)=2.7025mm |f_n|/f_tot=1.229 f_p/f_tot=1.3038 IH(像高)=1.311mm 2ω(画角)=96.1° Sk(最終レンズ面から撮像面までの距離)=3.621mm Sk/f_tot=1.74691 md(可変ミラーの最大変化量) DM[1]:0.18μm DM[2]:0.68μm C10/C8: DM[1]:0.722 DM[2]:0.722 |C13/C11|: DM[1]:1.352 DM[2]:1.353 |C15/C11|: DM[1]:0.058 DM[2]:0.059 md/f_tot: DM[1]:8.68×10-5 DM[2]:3.28×10-4
【0061】第2実施例 図6は本発明の第2実施例にかかる撮像光学系の構成を
示す光軸に沿う断面図である。第2実施例の撮像光学系
11は、物体側から順に、第一レンズである凹レンズ1
2と、複数のレンズからなる凸レンズ群13と、赤外カ
ットフィルタ15と、可変ミラー16と、ローパスフィ
ルタ17と、固体撮像素子とで、1枚の可変ミラーを用
いた内視鏡撮像系として構成されている。凸レンズ群1
3は、複数のレンズの中に明るさ絞り14を備えてい
る。なお、図6中、18は固体撮像素子の撮像面であ
る。
【0062】第2実施例の撮像光学系11では、内視鏡
撮像系対物レンズの第一凹レンズである凹レンズ12を
通った物体からの光線は、凸レンズ群13に入射する。
その後、光線は凸レンズ群13の中にある明るさ絞り1
4を経て、凸レンズ群13を通過し、赤外カットフィル
タ15を通過して、可変ミラー16で反射される。その
後、ローパスフィルタ17を通過して、固体撮像素子の
撮像面18に到達する。なお、第2実施例の撮像光学系
11では、焦点距離が1.643mm、Fナンバーが15.547、
像高が対角2.392mm、水平画角が131.44°となってい
る。また、第2実施例の撮像光学系11は、可変ミラー
16を変化させることによって、物点距離を遠点12mm
(ポジション1)から、標準的距離10mm(ポジション
2)を経て、近点8mm(ポジション3)まで焦点合わせ
をすることが可能な光学系となっている。
【0063】なお、図6に示す撮像光学系11は、物体
からの光線の光軸と、固体撮像素子に入射する光線の光
軸がほぼ垂直となるように構成されている。また、撮像
光学系11は、レトロフォーカス系を成している。この
ため、可変ミラー16を入れるスペースを確保すること
ができ、また、画角が大きく、内視鏡光学系に適してい
る。
【0064】次に第2実施例の撮像光学系の数値データ
を示す。また、第2実施例の撮像光学系の遠点、標準的
距離、近点ごとの各波長域における横収差を表す収差図
を図7〜9にそれぞれ示す。
【0065】数値データ2 面番号 曲率半径 面間隔 偏心 屈折率 アッベ数 物体面 ∞ So 1 ∞ 0.4600 1.88300 40.78 2 0.6420 0.7500 3 -5.6794 1.5000 1.77250 49.60 4 -1.3686 0.1000 5(絞り) ∞ 0 6 ∞ 0.4000 1.52287 59.89 7 ∞ 0.6100 8 ∞ 0.6200 1.51400 75.00 9 ∞ 0.1600 10 16.2257 1.3000 1.69680 55.53 11 -1.5000 0.2800 1.84666 23.78 12 -4.8481 0.1000 13 ∞ 0.4000 1.52287 59.89 14 ∞ 0.8400 15 DM[1] 2.7265 偏心[1] 16 ∞ 0.5000 1.52287 59.89 17 ∞ 0.3170 像面 ∞
【0066】 So(物点距離) TE: 12mm ST: 10mm WE: 8mm
【0067】 DM[1] TE:∞(平面) ST: C4 =-1.2381×10-36 =-2.0348×10-58 = 3.0988×10-410= 1.1004×10-411= 1.7972×10-313= 7.8328×10-415= 1.4013×10-417=-1.8034×10-419=-1.7992×10-421=-5.9821×10-5 WE: C4 = 7.7065×10-46 = 3.1842×10-38 = 9.3999×10-410= 3.1041×10-411= 2.1970×10-313= 8.8400×10-415= 9.7118×10-517=-3.6064×10-419=-1.8013×10-421=-4.4861×10-5
【0068】 偏心[1]ローカル座標系 X= 0.00 Y= 0.007 Z= 0.007 α= -45.00 β= 0.00 γ= 0.00定義座標系 X= 0.00 Y= 0.00 Z= 0.00 α= 90.00 β= 0.00 γ= 0.00
【0069】 条件式のパラメータ f_tot(レンズ全系の焦点距離)=1.6433mm f_n(凹レンズ群の焦点距離)=-0.7271mm f_p(凸レンズ群の焦点距離)=2.0308mm |f_n|/f_tot=0.4425 f_p/f_tot=1.2358 IH(像高)=1.196mm 2ω(画角)=131.44° Sk(最終レンズ面から撮像面までの距離)=4.8835mm Sk/f_tot=2.97176 md(可変ミラーの最大変化量): 10.4μm C10/C8: 0.33 |C13/C11|: 0.402 |C15/C11|: 0.044 md/f_tot: 6.33×10-3
【0070】第3実施例 図10は本発明による撮像光学系の第3実施例を示す光
軸に沿う断面図である。第3実施例の撮像光学系21
は、第一レンズを含む凹レンズ群22と、可変ミラー2
3と、明るさ絞り24と、可変ミラー25と、複数のレ
ンズからなる凸レンズ群26と、赤外カットフィルタ2
7と、ローパスフィルタ28と、固体撮像素子とで、2
枚の可変ミラーを用いた内視鏡撮像系として構成されて
いる。なお、図10中、29は固体撮像素子の撮像面で
ある。
【0071】第3実施例の撮像光学系21では、内視鏡
撮像系対物レンズの凹レンズ群22を通った物体からの
光線は、可変ミラー23で反射され、明るさ絞り24を
通過する。その後、2つ目の可変ミラー24で反射さ
れ、凸レンズ群26を通過し、さらに、赤外カットフィ
ルタ27、ローパスフィルタ28を通過して、固体撮像
素子の撮像面29に到達する。なお、第3実施例の撮像
光学系21では、焦点距離が1.888mm、Fナンバーが10.
213、像高が対角2.268mm、水平画角が110.96°となって
いる。また、第3実施例の撮像光学系21では、可変ミ
ラー23,25を変化させることによって、物点距離を
遠点12mm(ポジション1)から、標準的距離8mm(ポジ
ション2)を経て、近点2mm(ポジション3)まで焦点
合わせをすることが可能な光学系となっている。
【0072】なお、図10に示す撮像光学系21は、物
体からの光線の光軸と、固体撮像素子に入射する光線の
光軸がほぼ平行(±5度のズレの範囲内)となるように
構成されている。また、2枚の可変ミラー23,25
は、明るさ絞り24を挟んで、ほぼ平行(±5度のズレ
の範囲内)に対向配置されている。
【0073】次に第3実施例の撮像光学系の数値データ
を示す。また、第3実施例の撮像光学系の遠点、標準的
距離、近点ごとの各波長域における横収差を表す収差図
を図11〜13にそれぞれ示す。
【0074】数値データ3 面番号 曲率半径 面間隔 偏心 屈折率 アッベ数 物体面 ∞ So 1 ∞ 0.4092 1.51633 64.14 2 0.7817 0.7444 3 8.6070 0.4677 1.88300 40.76 4 ∞ 0.4264 5 DM[1] 0.5000 偏心[1] 6(絞り) ∞ 0.5500 7 DM[2] 0.7823 偏心[2] 8 ∞ 0.5087 1.88300 40.76 9 -5.1200 0.1457 1 10 9.2630 1.3375 1.88300 40.76 11 -9.2841 1.1182 12 ∞ 0.4766 1.51633 64.14 13 ∞ 0.5693 1.52287 59.89 14 ∞ 3.9128 像面 ∞
【0075】 So(物点距離) TE: 12mm ST: 8mm WE: 2mm
【0076】 DM[1] TE: C4 = 6.0003×10-46 = 6.0081×10-48 = 1.2005×10-310= 2.0054×10-411=-3.2172×10-313=-8.0318×10-415= 6.9821×10-417= 3.0020×10-419= 2.0016×10-421=-1.9996×10-4 ST:∞(平面) WE: C4 =-6.2994×10-36 =-3.0007×10-38 =-1.8006×10-310=-1.2997×10-311=-1.7007×10-313= 2.2997×10-315= 9.8977×10-517=-1.4973×10-419=-3.9821×10-421=-9.9506×10-5
【0077】 DM[2] TE: C4 = 6.0007×10-46 = 6.0055×10-48 = 1.1996×10-310= 1.9992×10-411=-3.1969×10-313=-7.9963×10-415= 7.0035×10-417= 3.0006×10-419= 2.0000×10-421=-1.9999×10-4 ST:∞(平面) WE: C4 =-6.3027×10-36 =-3.0008×10-38 =-1.7996×10-310=-1.3001×10-311=-1.7003×10-313= 2.3002×10-315= 1.0031×10-417=-1.4993×10-419=-4.0151×10-421=-1.0020×10-4
【0078】 偏心[1]ローカル座標系 X= 0.00 Y= 0.00 Z= 0.00 α= 45.00 β= 0.00 γ= 0.00定義座標系 X= 0.00 Y= 0.00 Z= 0.00 α= -90.00 β= 0.00 γ= 0.00 偏心[2]ローカル座標系 X= 0.00 Y= 0.00 Z= 0.00 α= -45.00 β= 0.00 γ= 0.00定義座標系 X= 0.00 Y= 0.00 Z= 0.00 α= 90.00 β= 0.00 γ= 0.00
【0079】 条件式のパラメータ f_tot(レンズ全系の焦点距離)=1.8884mm f_n(凹レンズ群の焦点距離)=-1.9704mm f_p(凸レンズ群の焦点距離)=2.9396mm |f_n|/f_tot=1.0434 f_p/f_tot=1.5567 IH(像高)=1.134mm 2ω(画角)=110.96° Sk(最終レンズ面から撮像面までの距離)=6.0769mm Sk/f_tot=3.21801 md(可変ミラーの最大変化量):DM[1]:1.38μm DM[2]:2.03μm C10/C8: DM[1]:0.125 DM[2]:0.815 |C13/C11|: DM[1]:0.721 DM[2]:6.573 |C15/C11|: DM[1]:1.041 DM[2]:1.205 md/f_tot: DM[1]:7.31×10-4 DM[2]:1.08×10-3
【0080】なお、以上の実施例では、可変ミラーの周
辺部が固定としたが、必ずしも固定する必要はなく、周
辺部が変動しても良い。 また、可変ミラーを構成する膜の材料としてポリイミド
を用いている。内視鏡に特有の消毒にも耐えられる材料
なので、より好ましい。
【0081】なお、可変ミラーとしては、静電駆動型、
電磁駆動型等いずれのタイプの可変ミラーを用いても良
い。また、上記した3つの光学設計の実施例で、幾何学
的寸法を係数倍したものも、本発明に含まれるものとす
る。また、これまでに述べた実施例では面形状の変化す
る可変ミラーを用いたが、面形状の変化しないで焦点な
どの光学特性が変化する可変ミラーを用いても良い。撮
像素子の撮像エリアの形が長方形の場合、その短辺の方
向が、yz平面にほぼ平行となるように配置すると軸外
収差の補正で有利である。さらには、本発明の撮像光学
系は、可変ミラーの代わりに可変焦点レンズを用いて構
成しても、可変ミラーを用いた場合と同様の効果を得る
ことができる。
【0082】次に、本発明の撮像光学系に適用可能な可
変ミラー、可変焦点レンズの構成例について説明する。
【0083】図14は本発明の撮像光学系に用いる可変
ミラーとして光学特性可変ミラーを用いたデジタルカメ
ラのケプラー式ファインダーの概略構成図である。本実
施例の構成は、もちろん、銀塩フィルムカメラにも使う
ことができる。まず、光学特性可変形状鏡409につい
て説明する。
【0084】光学特性可変形状鏡409は、アルミコー
ティングされた薄膜(反射面)409aと複数の電極4
09bからなる光学特性可変形状鏡(以下、単に可変形
状鏡と言う。)であり、411は各電極409bにそれ
ぞれ接続された複数の可変抵抗器、412は可変抵抗器
411と電源スイッチ413を介して薄膜409aと電
極409b間に接続された電源、414は複数の可変抵
抗器411の抵抗値を制御するための演算装置、41
5,416及び417はそれぞれ演算装置414に接続
された温度センサー、湿度センサー及び距離センサー
で、これらは図示のように配設されて1つの光学装置を
構成している。
【0085】なお、対物レンズ902、接眼レンズ90
1、及び、プリズム404、二等辺直角プリズム40
5、ミラー406及び可変形状鏡の各面は、平面でなく
てもよく、球面、回転対称非球面の他、光軸に対して偏
心した球面、平面、回転対称非球面、あるいは、対称面
を有する非球面、対称面を1つだけ有する非球面、対称
面のない非球面、自由曲面、微分不可能な点又は線を有
する面等、いかなる形状をしていてもよく、さらに、反
射面でも屈折面でも光に何らかの影響を与え得る面なら
ばよい。以下、これらの面を総称して拡張曲面という。
【0086】また、薄膜409aは、例えば、P.Rai-ch
oudhury編、Handbook of Michrolithography, Michroma
chining and Michrofabrication, Volume 2:Michromach
ining and Michrofabrication,P495,Fig.8.58, SPIE PR
ESS刊やOptics Communication, 140巻(1997年)P187〜
190に記載されているメンブレインミラーのように、複
数の電極409bとの間に電圧が印加されると、静電気
力により薄膜409aが変形してその面形状が変化する
ようになっており、これにより、観察者の視度に合わせ
たピント調整ができるだけでなく、さらに、レンズ90
1,902及び/又はプリズム404、二等辺直角プリ
ズム405、ミラー406の温度や湿度変化による変形
や屈折率の変化、あるいは、レンズ枠の伸縮や変形及び
光学素子、枠等の部品の組立誤差による結像性能の低下
が抑制され、常に適正にピント調整並びにピント調整で
生じた収差の補正が行われ得る。なお、電極409bの
形は、例えば図16、17に示すように、薄膜409a
の変形のさせ方に応じて選べばよい。
【0087】本実施例によれば、物体からの光は、対物
レンズ902及びプリズム404の各入射面と射出面で
屈折され、可変形状鏡409で反射され、プリズム40
4を透過して、二等辺直角プリズム405でさらに反射
され(図14中、光路中の+印は、紙面の裏側へ向かっ
て光線が進むことを示している。)、ミラー406で反
射され、接眼レンズ901を介して眼に入射するように
なっている。このように、レンズ901,902、プリ
ズム404,405、及び、可変形状鏡409によっ
て、本実施例の光学装置の観察光学系を構成しており、
これらの各光学素子の面形状と肉厚を最適化することに
より、物体面の収差を最小にすることができるようにな
っている。
【0088】すなわち、反射面としての薄膜409aの
形状は、結像性能が最適になるように演算装置414か
らの信号により各可変抵抗器411の抵抗値を変化させ
ることにより制御される。すなわち、演算装置414
へ、温度センサー415、湿度センサー416及び距離
サンサー417から周囲温度及び湿度並びに物体までの
距離に応じた大きさの信号が入力され、演算装置414
は、これらの入力信号に基づき周囲の温度及び湿度条件
と物体までの距離による結像性能の低下を補償すべく、
薄膜409aの形状が決定されるような電圧を電極40
9bに印加するように、可変抵抗器411の抵抗値を決
定するための信号を出力する。このように、薄膜409
aは電極409bに印加される電圧すなわち静電気力で
変形させられるため、その形状は状況により非球面を含
む様々な形状をとり、印加される電圧の極性を変えれば
凸面とすることもできる。なお、距離センサー417は
なくてもよく、その場合、固体撮像素子408からの像
の信号の高周波成分が略最大になるように、デジタルカ
メラの撮像レンズ403を動かし、その位置から逆に物
体距離を算出し、可変形状鏡を変形させて観察者の眼に
ピントが合うようにすればよい。
【0089】また、薄膜409aをポリイミド等の合成
樹脂で製作すれば、低電圧でも大きな変形が可能である
ので好都合である。なお、プリズム404と可変形状鏡
409を一体的に形成してユニット化することができ
る。
【0090】また、図示を省略したが、可変形状鏡40
9の基板上に固体撮像素子408をリソグラフィープロ
セスにより一体的に形成してもよい。
【0091】また、レンズ901,902、プリズム4
04,405、ミラー406は、プラスチックモールド
等で形成することにより任意の所望形状の曲面を容易に
形成することができ、製作も簡単である。なお、本実施
例の撮像装置では、レンズ901,902がプリズム4
04から離れて形成されているが、レンズ901,90
2を設けることなく収差を除去することができるように
プリズム404,405、ミラー406、可変形状鏡4
09を設計すれば、プリズム404,405、可変形状
鏡409は1つの光学ブロックとなり、組立が容易とな
る。また、レンズ901,902、プリズム404,4
05、ミラー406の一部あるいは全部をガラスで作製
してもよく、このように構成すれば、さらに精度の良い
撮像装置が得られる。
【0092】なお、図14の例では、演算装置414、
温度センサー415、湿度センサー416、距離センサ
ー417を設け、温湿度変化、物体距離の変化等も可変
形状鏡409で補償するようにしたが、そうではなくて
もよい。つまり、演算装置414、温度センサー41
5、湿度センサー416、距離センサー417を省き、
観察者の視度変化のみを可変形状鏡409で補正するよ
うにしてもよい。
【0093】図15は本発明にかかる可変ミラーとして
用いる可変形状鏡409の他の実施例を示す概略構成図
である。本実施例の可変形状鏡は、薄膜409aと電極
409bとの間に圧電素子409cが介装されていて、
これらが支持台423上に設けられている。そして、圧
電素子409cに加わる電圧を各電極409b毎に変え
ることにより、圧電素子409cに部分的に異なる伸縮
を生じさせて、薄膜409aの形状を変えることができ
るようになっている。電極409bの形は、図16に示
すように、同心分割であってもよいし、図17に示すよ
うに、矩形分割であってもよく、その他、適宜の形のも
のを選択することができる。図15中、424は演算装
置414に接続された振れ(ブレ)センサーであって、
例えばデジタルカメラの振れを検知し、振れによる像の
乱れを補償するように薄膜409aを変形させるべく、
演算装置414及び可変抵抗器411を介して電極40
9bに印加される電圧を変化させる。このとき、温度セ
ンサー415、湿度センサー416及び距離センサー4
17からの信号も同時に考慮され、ピント合わせ、温湿
度補償等が行われる。この場合、薄膜409aには圧電
素子409cの変形に伴う応力が加わるので、薄膜40
9aの厚さはある程度厚めに作られて相応の強度を持た
せるようにするのがよい。
【0094】図18は本発明にかかる可変ミラーとして
用いる可変形状鏡409のさらに他の実施例を示す概略
構成図である。本実施例の可変形状鏡は、薄膜409a
と電極409bの間に介置される圧電素子が逆方向の圧
電特性を持つ材料で作られた2枚の圧電素子409c及
び409c’で構成されている点で、図15に示された
実施例の可変形状鏡とは異なる。すなわち、圧電素子4
09cと409c’が強誘電性結晶で作られているとす
れば、結晶軸の向きが互いに逆になるように配置され
る。この場合、圧電素子409cと409c’は電圧が
印加されると逆方向に伸縮するので、薄膜409aを変
形させる力が図15に示した実施例の場合よりも強くな
り、結果的にミラー表面の形を大きく変えることができ
るという利点がある。
【0095】圧電素子409c,409c’に用いる材
料としては、例えばチタン酸バリウム、ロッシエル塩、
水晶、電気石、リン酸二水素カリウム(KDP)、リン
酸二水素アンモニウム(ADP)、ニオブ酸リチウム等
の圧電物質、同物質の多結晶体、同物質の結晶、PbZ
rO3とPbTiO3の固溶体の圧電セラミックス、二フ
ッ化ポリビニール(PVDF)等の有機圧電物質、上記
以外の強誘電体等があり、特に有機圧電物質はヤング率
が小さく、低電圧でも大きな変形が可能であるので、好
ましい。なお、これらの圧電素子を利用する場合、厚さ
を不均一にすれば、上記実施例において薄膜409aの
形状を適切に変形させることも可能である。
【0096】また、圧電素子409c,409c’の材
質としては、ポリウレタン、シリコンゴム、アクリルエ
ラストマー、PZT、PLZT、ポリフッ化ビニリデン
(PVDF)等の高分子圧電体、シアン化ビニリデン共
重合体、ビニリデンフルオライドとトリフルオロエチレ
ンの共重合体等が用いられる。圧電性を有する有機材料
や、圧電性を有する合成樹脂、圧電性を有するエラスト
マー等を用いると可変形状鏡面の大きな変形が実現でき
てよい。
【0097】なお、図15、19の圧電素子409cに
電歪材料、例えば、アクリルエラストマー、シリコンゴ
ム等を用いる場合には、圧電素子409cを別の基板4
09c−1と電歪材料409c−2を貼り合わせた構造
にしてもよい。
【0098】図19は本発明にかかる可変ミラーとして
用いる可変形状鏡409のさらに他の実施例を示す概略
構成図である。本実施例の可変形状鏡は、圧電素子40
9cが薄膜409aと電極409dとにより挟持され、
薄膜409aと電極409d間に演算装置414により
制御される駆動回路425を介して電圧が印加されるよ
うになっており、さらにこれとは別に、支持台423上
に設けられた電極409bにも演算装置414により制
御される駆動回路425を介して電圧が印加されるよう
に構成されている。したがって、本実施例では、薄膜4
09aは電極409dとの間に印加される電圧と電極4
09bに印加される電圧による静電気力とにより二重に
変形され得、上記実施例に示した何れのものよりもより
多くの変形パターンが可能であり、かつ、応答性も速い
という利点がある。
【0099】そして、薄膜409a、電極409d間の
電圧の符号を変えれば、可変形状鏡を凸面にも凹面にも
変形させることができる。その場合、大きな変形を圧電
効果で行ない、微細な形状変化を静電気力で行なっても
よい。また、凸面の変形には圧電効果を主に用い、凹面
の変形には静電気力を主に用いてもよい。なお、電極4
09dは電極409bのように複数の電極から構成され
てもよい。この様子を図19に示した。なお、本願で
は、圧電効果と電歪効果、電歪をすべてまとめて圧電効
果と述べている。従って、電歪材料も圧電材料に含むも
のとする。
【0100】図20は本発明にかかる可変ミラーとして
用いる可変形状鏡409のさらに他の実施例を示す概略
構成図である。本実施例の可変形状鏡は、電磁気力を利
用して反射面の形状を変化させ得るようにしたもので、
支持台423の内部底面上には永久磁石426が、頂面
上には窒化シリコン又はポリイミド等からなる基板40
9eの周縁部が載置固定されており、基板409eの表
面にはアルミニウム等の金属コートで作られた薄膜40
9aが付設されていて、可変形状鏡409を構成してい
る。基板409eの下面には複数のコイル427が配設
されており、これらのコイル427はそれぞれ駆動回路
428を介して演算装置414に接続されている。した
がって、各センサー415,416,417,424か
らの信号によって演算装置414において求められる光
学系の変化に対応した演算装置414からの出力信号に
より、各駆動回路428から各コイル427にそれぞれ
適当な電流が供給されると、永久磁石426との間に働
く電磁気力で各コイル427は反発又は吸着され、基板
409e及び薄膜409aを変形させる。
【0101】この場合、各コイル427はそれぞれ異な
る量の電流を流すようにすることもできる。また、コイ
ル427は1個でもよいし、永久磁石426を基板40
9eに付設しコイル427を支持台423の内部底面側
に設けるようにしてもよい。また、コイル427はリソ
グラフィー等の手法で作るとよく、さらに、コイル42
7には強磁性体よりなる鉄心を入れるようにしてもよ
い。
【0102】この場合、薄膜コイル427の巻密度を、
図21に示すように、場所によって変化させることによ
り、基板409e及び薄膜409aに所望の変形を与え
るようにすることもできる。また、コイル427は1個
でもよいし、また、これらのコイル427には強磁性体
よりなる鉄心を挿入してもよい。
【0103】図22は本発明にかかる可変ミラーとして
用いる可変形状鏡409のさらに他の実施例を示す概略
構成図である。本実施例の可変形状鏡では、基板409
eは鉄等の強磁性体で作られており、反射膜としての薄
膜409aはアルミニウム等からなっている。この場
合、薄膜コイルを設けなくてもすむから、構造が簡単
で、製造コストを低減することができる。また、電源ス
イッチ413を切換え兼電源開閉用スイッチに置換すれ
ば、コイル427に流れる電流の方向を変えることがで
き、基板409e及び薄膜409aの形状を自由に変え
ることができる。図23は本実施例におけるコイル42
7の配置を示し、図24はコイル427の他の配置例を
示しているが、これらの配置は、図20に示した実施例
にも適用することができる。なお、図25は、図20に
示した実施例において、コイル427の配置を図24に
示したようにした場合に適する永久磁石426の配置を
示している。すなわち、図25に示すように、永久磁石
426を放射状に配置すれば、図20に示した実施例に
比べて、微妙な変形を基板409e及び薄膜409aに
与えることができる。また、このように電磁気力を用い
て基板409e及び薄膜409aを変形させる場合(図
20及び図22の実施例)は、静電気力を用いた場合よ
りも低電圧で駆動できるという利点がある。
【0104】以上いくつかの可変形状鏡の実施例を述べ
たが、ミラーの形を変形させるのに、図19の例に示す
ように、2種類以上の力を用いてもよい。つまり静電気
力、電磁力、圧電効果、磁歪、流体の圧力、電場、磁
場、温度変化、電磁波等のうちから2つ以上を同時に用
いて可変形状鏡を変形させてもよい。つまり2つ以上の
異なる駆動方法を用いて光学特性可変光学素子を作れ
ば、大きな変形と微細な変形とを同時に実現でき、精度
の良い鏡面が実現できる。
【0105】図26は本発明のさらに他の実施例に係
る、光学装置に適用可能な可変ミラーとして可変形状鏡
409を用いた撮像系、例えば携帯電話のデジタルカメ
ラ、カプセル内視鏡、電子内視鏡、パソコン用デジタル
カメラ、PDA用デジタルカメラ等に用いられる撮像系
の概略構成図である。本実施例の撮像系は、可変形状鏡
409と、レンズ902と、固体撮像素子408と、制
御系103とで一つの撮像ユニット104を構成してい
る。本実施例の撮像ユニット104では、レンズ102
を通った物体からの光は可変形状鏡409で集光され、
固体撮像素子408の上に結像する。可変形状鏡409
は、光学特性可変光学素子の一種であり、可変焦点ミラ
ーとも呼ばれている。
【0106】本実施例によれば、物体距離が変わっても
可変形状鏡409を変形させることでピント合わせをす
ることができ、レンズをモータ等で駆動する必要がな
く、小型化、軽量化、低消費電力化の点で優れている。
また、撮像ユニット104は本発明の撮像系としてすべ
ての実施例で用いることができる。また、可変形状鏡4
09を複数用いることでズーム、変倍の撮像系、光学系
を作ることができる。なお、図26では、制御系103
にコイルを用いたトランスの昇圧回路を含む制御系の構
成例を示している。特に積層型圧電トランスを用いる
と、小型化できてよい。昇圧回路は本発明のすべての電
気を用いる可変形状鏡、可変焦点レンズに用いることが
できるが、特に静電気力、圧電効果を用いる場合の可変
形状鏡、可変焦点レンズに有用である。
【0107】図27は本発明の可変形状鏡のさらに他の
実施例に係る、マイクロポンプ180で流体161を出
し入れし、ミラー面を変形させる可変ミラーとして用い
る可変形状鏡188の概略構成図である。本実施例によ
れば、ミラー面を大きく変形させることが可能になると
いうメリットがある。マイクロポンプ180は、例え
ば、マイクロマシンの技術で作られた小型のポンプで、
電力で動くように構成されている。マイクロマシンの技
術で作られたポンプの例としては、熱変形を利用したも
の、圧電材料を用いたもの、静電気力を用いたものなど
がある。
【0108】図28は本発明の撮像光学系に用いる可変
ミラーに適用可能なマイクロポンプの一実施例を示す概
略構成図である。本実施例のマイクロポンプ180で
は、振動板181は静電気力、圧電効果等の電気力によ
り振動する。図28では静電気力により振動する例を示
しており、図28中、182,183は電極である。ま
た、点線は変形した時の振動板181を示している。振
動板181の振動に伴い、2つの弁184,185が開
閉し、流体161を右から左へ送るようになっている。
【0109】本実施例の可変形状鏡188では、反射膜
189が流体161の量に応じて凹凸に変形すること
で、可変形状鏡として機能する。可変形状鏡188は流
体161で駆動されている。流体としては、シリコンオ
イル、空気、水、ゼリー、等の有機物、無機物を用いる
ことができる。
【0110】なお、静電気力、圧電効果を用いた可変形
状鏡、可変焦点レンズなどにおいては、駆動用に高電圧
が必要になる場合がある。その場合には、例えば図26
に示すように、昇圧用のトランス、あるいは圧電トラン
ス等を用いて制御系を構成するとよい。また、反射用の
薄膜409aは、変形しない部分にも設けておくと、可
変形状鏡の形状を干渉計等で測定する場合に、基準面と
して使うことができ便利である。
【0111】図29は本発明にかかる撮像光学系に用い
る可変焦点レンズの原理的構成を示す図である。この可
変焦点レンズ511は、第1,第2の面としてのレンズ
面508a,508bを有する第1のレンズ512a
と、第3,第4の面としてのレンズ面509a,509
bを有する第2のレンズ512bと、これらレンズ間に
透明電極513a,513bを介して設けた高分子分散
液晶層514とを有し、入射光を第1,第2のレンズ5
12a,512bを経て収束させるものである。透明電
極513a,513bは、スイッチ515を介して交流
電源516に接続して、高分子分散液晶層514に交流
電界を選択的に印加するようにする。なお、高分子分散
液晶層514は、それぞれ液晶分子517を含む球状、
多面体等の任意の形状の多数の微小な高分子セル518
を有して構成し、その体積は、高分子セル518を構成
する高分子および液晶分子517がそれぞれ占める体積
の和に一致させる。
【0112】ここで、高分子セル518の大きさは、例
えば球状とする場合、その平均の直径Dを、使用する光
の波長をλとするとき、例えば、 2nm≦D≦λ/5 …(22) とする。すなわち、液晶分子517の大きさは、2nm
程度以上であるので、平均の直径Dの下限値は、2nm
以上とする。また、Dの上限値は、可変焦点レンズ51
1の光軸方向における高分子分散液晶層514の厚さt
にも依存するが、λに比べて大きいと、高分子の屈折率
と液晶分子517の屈折率との差により、高分子セル5
18の境界面で光が散乱して高分子分散液晶層514が
不透明になってしまうため、後述するように、好ましく
はλ/5以下とする。可変焦点レンズが用いられる光学
製品によっては高精度を要求しない場合もあり、そのと
きDはλ以下でよい。なお、高分子分散液晶層514の
透明度は、厚さtが厚いほど悪くなる。
【0113】また、液晶分子517は、例えば、一軸性
のネマティック液晶分子を用いる。この液晶分子517
の屈折率楕円体は、図30に示すような形状となり、 nox=noy=no …(23) である。ただし、noは常光線の屈折率を示し、nox
よびnoyは、常光線を含む面内での互いに直交する方向
の屈折率を示す。
【0114】ここで、図29に示すように、スイッチ5
15をオフ、すなわち高分子分散液晶層514に電界を
印加しない状態では、液晶分子517が様々な方向を向
いているので、入射光に対する高分子分散液晶層514
の屈折率は高く、屈折力の強いレンズとなる。これに対
し、図31に示すように、スイッチ515をオンとして
高分子分散液晶層514に交流電界を印加すると、液晶
分子517は、屈折率楕円体の長軸方向が可変焦点レン
ズ511の光軸と平行となるように配向するので、屈折
率が低くなり、屈折力の弱いレンズとなる。
【0115】なお、高分子分散液晶層514に印加する
電圧は、例えば、図32に示すように、可変抵抗器51
9により段階的あるいは連続的に変化させることもでき
る。このようにすれば、印加電圧が高くなるにつれて、
液晶分子517は、その楕円長軸が徐々に可変焦点レン
ズ511の光軸と平行となるように配向するので、屈折
力を段階的あるいは連続的に変えることができる。
【0116】ここで、図29に示す状態、すなわち高分
子分散液晶層514に電界を印加しない状態での、液晶
分子517の平均屈折率nLC’は、図30に示すように
屈折率楕円体の長軸方向の屈折率をnzとすると、およ
そ (nox+noy+nZ)/3≡nLC’ …(24) となる。また、上記(23)式が成り立つときの平均屈折率
LCは、nzを異常光線の屈折率neと表して、 (2no+ne)/3≡nLC …(25) で与えられる。このとき、高分子分散液晶層514の屈
折率nAは、高分子セル518を構成する高分子の屈折
率をnPとし、高分子分散液晶層514の体積に占める
液晶分子517の体積の割合をffとすると、マックス
ウェル・ガーネットの法則により、 nA=ff・nLC’+(1−ff)nP …(26) で与えられる。
【0117】したがって、図32に示すように、レンズ
512aおよび512bの内側の面、すなわち高分子分
散液晶層514側の面の曲率半径を、それぞれR1およ
びR2とすると、可変焦点レンズ511の焦点距離f
1は、 1/f1=(nA−1)(1/R1−1/R2) …(27) で与えられる。なお、R1およびR2は、曲率中心が像点
側にあるとき、正とする。また、レンズ512aおよび
512bの外側の面による屈折は除いている。つまり、
高分子分散液晶層514のみによるレンズの焦点距離
が、(27)式で与えられる。
【0118】また、常光線の平均屈折率を、 (nox+noy)/2=no’ …(28) とすれば、図31に示す状態、すなわち高分子分散液晶
層514に電界を印加した状態での、高分子分散液晶層
514の屈折率nBは、 nB=ff・no’+(1−ff)nP …(29) で与えられるので、この場合の高分子分散液晶層514
のみによるレンズの焦点距離f2は、 1/f2=(nB−1)(1/R1−1/R2) …(30) で与えられる。なお、高分子分散液晶層514に、図3
1におけるよりも低い電圧を印加する場合の焦点距離
は、(27)式で与えられる焦点距離f1と、(30)式で与え
られる焦点距離f2との間の値となる。
【0119】上記(27)および(30)式から、高分子分散液
晶層514による焦点距離の変化率は、 |(f2−f1)/f2|=|(nB−nA)/(nB−1)| …(31) で与えられる。したがって、この変化率を大きくするに
は、|nB−nA|を大きくすればよい。ここで、 nB−nA=ff(no’−nLC’) …(32) であるから、|no’−nLC’|を大きくすれば、変化
率を大きくすることができる。実用的には、nBが、
1.3〜2程度であるから、 0.01≦|no’−nLC’|≦10 …(33) とすれば、ff=0.5のとき、高分子分散液晶層51
4による焦点距離を、0.5%以上変えることができる
ので、効果的な可変焦点レンズを得ることができる。な
お、|no’−nLC’|は、液晶物質の制限から、10
を越えることはできない。
【0120】次に、上記(22)式の上限値の根拠について
説明する。「Solar Energy Materials and Solar Cell
s」31巻,Wilson and Eck,1993, Eleevier Science Publ
ishers B.v.発行の第197 〜214 頁、「Transmission va
riation using scattering/transparent switching fil
ms 」には、高分子分散液晶の大きさを変化させたとき
の透過率τの変化が示されている。そして、かかる文献
の第206 頁、図6には、高分子分散液晶の半径をrと
し、t=300μm、ff=0.5、nP =1.45、
LC=1.585、λ=500nmとするとき、透過率
τは、理論値で、r=5nm(D=λ/50、D・t=
λ・6μm(ただし、Dおよびλの単位はnm、以下も
同じ))のときτ≒90%となり、r=25nm(D=
λ/10)のときτ≒50%になることが示されてい
る。
【0121】ここで、例えば、t=150μmの場合を
推定してみると、透過率τがtの指数関数で変化すると
仮定して、t=150μmの場合の透過率τを推定して
みると、r=25nm(D=λ/10、D・t=λ・1
5μm)のときτ≒71%となる。また、t=75μm
の場合は、同様に、r=25nm(D=λ/10、D・
t=λ・7.5μm)のときτ≒80%となる。
【0122】これらの結果から、 D・t≦λ・15μm …(34) であれば、τは70%〜80%以上となり、レンズとし
て十分実用になる。したがって、例えば、t=75μm
の場合は、D≦λ/5で、十分な透過率が得られること
になる。
【0123】また、高分子分散液晶層514の透過率
は、nPの値がnLC’の値に近いほど良くなる。一方、
o’とnPとが異なる値になると、高分子分散液晶層5
14の透過率は悪くなる。図29の状態と図31の状態
とで、平均して高分子分散液晶層514の透過率が良く
なるのは、 nP=(no’+nLC’)/2 …(35) を満足するときである。
【0124】ここで、可変焦点レンズ511は、レンズ
として使用するものであるから、図29の状態でも、図
31の状態でも、透過率はほぼ同じで、かつ高い方が良
い。そのためには、高分子セル518を構成する高分子
の材料および液晶分子517の材料に制限があるが、実
用的には、 no’≦nP≦nLC’ …(36) とすればよい。
【0125】上記(35)式を満足すれば、上記(34)式は、
さらに緩和され、 D・t≦λ・60μm …(37) であれば良いことになる。なぜなら、フレネルの反射則
によれば、反射率は屈折率差の2乗に比例するので、高
分子セル518を構成する高分子と液晶分子517との
境界での光の反射、すなわち高分子分散液晶層514の
透過率の減少は、およそ上記の高分子と液晶分子517
との屈折率の差の2乗に比例するからである。
【0126】以上は、no’≒1.45、nLC’≒1.
585の場合であったが、より一般的に定式化すると、 D・t≦λ・15μm・(1.585−1.45)2/(nu−nP2 …(38) であればよい。ただし、(nu−nP2は、(nLC’−
P2と(no’−nP2とのうち、大きい方である。
【0127】また、可変焦点レンズ511の焦点距離変
化を大きくするには、ffの値が大きい方が良いが、f
f=1では、高分子の体積がゼロとなり、高分子セル5
18を形成できなくなるので、 0.1≦ff≦0.999 …(39) とする。一方、ffは、小さいほどτは向上するので、
上記(38)式は、好ましくは、 4×10-6〔μm〕2≦D・t≦λ・45μm・(1.585−1.45)2/(nu−nP)2…(40) とする。なお、tの下限値は、図29から明らかなよう
に、t=Dで、Dは、上述したように2nm以上である
ので、D・tの下限値は、(2×10-3μm)2、すな
わち4×10-6〔μm〕2となる。
【0128】なお、物質の光学特性を屈折率で表す近似
が成り立つのは、「岩波科学ライブラリー8 小惑星が
やってくる」向井正著,1994,岩波書店発行の第58頁に
記載されているように、Dが10nm〜5nmより大き
い場合である。また、Dが500λを越えると、光の散
乱は幾何学的となり、高分子セル518を構成する高分
子と液晶分子517との界面での光の散乱がフレネルの
反射式に従って増大するので、Dは、実用的には、 7nm≦D≦500λ …(41) とする。
【0129】図33は図32に示す可変焦点レンズ51
1を用いたデジタルカメラ用の撮像光学系の構成を示す
ものである。この撮像光学系においては、物体(図示せ
ず)の像を、絞り521、可変焦点レンズ511および
レンズ522を介して、例えばCCDよりなる固体撮像
素子523上に結像させる。なお、図33では、液晶分
子の図示を省略してある。
【0130】かかる撮像光学系によれば、可変抵抗器5
19により可変焦点レンズ511の高分子分散液晶層5
14に印加する交流電圧を調整して、可変焦点レンズ5
11の焦点距離を変えることより、可変焦点レンズ51
1およびレンズ522を光軸方向に移動させることな
く、例えば、無限遠から600mmまでの物体距離に対
して、連続的に合焦させることが可能となる。
【0131】図34は本発明にかかる撮像光学系に適用
可能な可変焦点回折光学素子の一例の構成を示す図であ
る。この可変焦点回折光学素子531は、平行な第1,
第2の面532a,532bを有する第1の透明基板5
32と、光の波長オーダーの溝深さを有する断面鋸歯波
状のリング状回折格子を形成した第3の面533aおよ
び平坦な第4の面533bを有する第2の透明基板53
3とを有し、入射光を第1,第2の透明基板532,5
33を経て出射させるものである。第1,第2の透明基
板532,533間には、図29で説明したと同様に、
透明電極513a,513bを介して高分子分散液晶層
514を設け、透明電極513a,513bをスイッチ
515を経て交流電源516に接続して、高分子分散液
晶層514に交流電界を印加するようにする。
【0132】かかる構成において、可変焦点回折光学素
子531に入射する光線は、第3の面533aの格子ピ
ッチをpとし、mを整数とすると、 psinθ=mλ …(42) を満たす角度θだけ偏向されて出射される。また、溝深
さをh、透明基板33の屈折率をn33とし、kを整数と
すると、 h(nA−n33)=mλ …(43) h(nB−n33)=kλ …(44) を満たせば、波長λで回折効率が100%となり、フレ
アの発生を防止することができる。
【0133】ここで、上記(43)および(44)式の両辺の差
を求めると、 h(nA−nB)=(m−k)λ …(45) が得られる。したがって、例えば、λ=500nm、n
A=1.55、nB=1.5とすると、 0.05h=(m−k)・500nm となり、m=1,k=0とすると、 h=10000nm=10μm となる。この場合、透明基板533の屈折率n33は、上
記(43)式から、n33=1.5であればよい。また、可変
焦点回折光学素子531の周辺部における格子ピッチp
を10μmとすると、θ≒2.87°となり、Fナンバ
ーが10のレンズを得ることができる。
【0134】かかる可変焦点回折光学素子531は、高
分子分散液晶層514への印加電圧のオン・オフで光路
長が変わるので、例えば、レンズ系の光束が平行でない
部分に配置して、ピント調整を行うのに用いたり、レン
ズ系全体の焦点距離等を変えるのに用いることができ
る。
【0135】なお、この実施形態において、上記(43)〜
(45)式は、実用上、 0.7mλ≦h(nA−n33)≦1.4mλ …(46) 0.7kλ≦h(nB−n33)≦1.4kλ …(47) 0.7(m−k)λ≦h(nA−nB)≦1.4(m−k)λ …(48) を満たせば良い。
【0136】また、ツイストネマティック液晶を用いる
可変焦点レンズもある。図35および図36は、この場
合の可変焦点眼鏡550の構成を示すものであり、可変
焦点レンズ551は、レンズ552および553と、こ
れらレンズの内面上にそれぞれ透明電極513a,51
3bを介して設けた配向膜539a,539bと、これ
ら配向膜間に設けたツイストネマティック液晶層554
とを有して構成し、その透明電極513a,513bを
可変抵抗器519を経て交流電源516に接続して、ツ
イストネマティック液晶層554に交流電界を印加する
ようにする。
【0137】かかる構成において、ツイストネマティッ
ク液晶層554に印加する電圧を高くすると、液晶分子
555は、図36に示すようにホメオトロピック配向と
なり、図35に示す印加電圧が低いツイストネマティッ
ク状態の場合に比べて、ツイストネマティック液晶層5
54の屈折率は小さくなり、焦点距離が長くなる。
【0138】ここで、図35に示すツイストネマティッ
ク状態における液晶分子555の螺旋ピッチPは、光の
波長λに比べて同じ程度か十分小さくする必要があるの
で、例えば、 2nm≦P≦2λ/3 …(49) とする。なお、この条件の下限値は、液晶分子の大きさ
で決まり、上限値は、入射光が自然光の場合に、図35
の状態でツイストネマティック液晶層554が等方媒質
として振る舞うために必要な値であり、この上限値の条
件を満たさないと、可変焦点レンズ551は偏光方向に
よって焦点距離の異なるレンズとなり、これがため二重
像が形成されてぼけた像しか得られなくなる。
【0139】図37(a)は、本発明にかかる撮像光学系
に適用可能な可変偏角プリズムの構成を示すものであ
る。この可変偏角プリズム561は、第1,第2の面5
62a,562bを有する入射側の第1の透明基板56
2と、第3,第4の面563a,563bを有する出射
側の平行平板状の第2の透明基板563とを有する。入
射側の透明基板562の内面(第2の面)562bは、
フレネル状に形成し、この透明基板562と出射側の透
明基板563との間に、図29で説明したと同様に、透
明電極513a,513bを介して高分子分散液晶層5
14を設ける。透明電極513a,513bは、可変抵
抗器519を経て交流電源516に接続し、これにより
高分子分散液晶層514に交流電界を印加して、可変偏
角プリズム561を透過する光の偏角を制御するように
する。なお、図37(a)では、透明基板562の内面5
62bをフレネル状に形成したが、例えば、図37(b)
に示すように、透明基板562および563の内面を相
対的に傾斜させた傾斜面を有する通常のプリズム状に形
成することもできるし、あるいは図34に示した回折格
子状に形成することもできる。回折格子状に形成する場
合には、上記の(42)〜(48)式が同様にあてはまる。
【0140】かかる構成の可変偏角プリズム561は、
例えば、TVカメラ、デジタルカメラ、フィルムカメ
ラ、双眼鏡等のブレ防止用として有効に用いることがで
きる。この場合、可変偏角プリズム561の屈折方向
(偏向方向)は、上下方向とするのが望ましいが、さら
に性能を向上させるためには、2個の可変偏角プリズム
561を偏向方向を異ならせて、例えば図38に示すよ
うに、上下および左右の直交する方向で屈折角を変える
ように配置するのが望ましい。なお、図37および図3
8では、液晶分子の図示を省略してある。
【0141】図39は本発明にかかる撮像光学系に用い
る可変焦点レンズを応用した可変焦点ミラーを示すもの
である。この可変焦点ミラー565は、第1,第2の面
566a,566bを有する第1の透明基板566と、
第3,第4の面567a,567bを有する第2の透明
基板567とを有する。第1の透明基板566は、平板
状またはレンズ状に形成して、内面(第2の面)566
bに透明電極513aを設け、第2の透明基板567
は、内面(第3の面)567aを凹面状に形成して、該
凹面上に反射膜568を施し、さらにこの反射膜568
上に透明電極513bを設ける。透明電極513a,5
13b間には、図29で説明したと同様に、高分子分散
液晶層514を設け、これら透明電極513a,513
bをスイッチ515および可変抵抗器519を経て交流
電源516に接続して、高分子分散液晶層514に交流
電界を印加するようにする。なお、図39では、液晶分
子の図示を省略してある。
【0142】かかる構成によれば、透明基板566側か
ら入射する光線は、反射膜568により高分子分散液晶
層514を折り返す光路となるので、高分子分散液晶層
514の作用を2回もたせることができると共に、高分
子分散液晶層514への印加電圧を変えることにより、
反射光の焦点位置を変えることができる。この場合、可
変焦点ミラー565に入射した光線は、高分子分散液晶
層514を2回透過するので、高分子分散液晶層514
の厚さの2倍をtとすれば、上記の各式を同様に用いる
ことができる。なお、透明基板566または567の内
面を、図34に示したように回折格子状にして、高分子
分散液晶層514の厚さを薄くすることもできる。この
ようにすれば、散乱光をより少なくできる利点がある。
【0143】なお、以上の説明では、液晶の劣化を防止
するため、電源として交流電源516を用いて、液晶に
交流電界を印加するようにしたが、直流電源を用いて液
晶に直流電界を印加するようにすることもできる。ま
た、液晶分子の方向を変える方法としては、電圧を変化
させること以外に、液晶にかける電場の周波数、液晶に
かける磁場の強さ・周波数、あるいは液晶の温度等を変
化させることによってもよい。以上に示した実施形態に
おいて、高分子分散液晶は液状ではなく固体に近いもの
もあるので、その場合はレンズ512a,512bの一
方、透明基板532、レンズ538、レンズ552,5
53の一方、図37(a)における透明基板563、図3
7(b)における透明基板562,563の一方、透明基
板566,567の一方はなくてもよい。なお、本願で
は図39のような、形状の変化しない可変焦点ミラー
も、可変形状鏡の中に含めるものとする。
【0144】図40は本発明の撮像光学系に用いる可変
焦点レンズのさらに他の実施例に係る、可変焦点レンズ
140を用いた撮像ユニット141の概略構成図であ
る。撮像ユニット141は本発明の撮像系として用いる
ことができる。本実施例では、レンズ102と可変焦点
レンズ140とで、撮像レンズを構成している。そし
て、この撮像レンズと固体撮像素子408とで撮像ユニ
ット141を構成している。可変焦点レンズ140は、
透明部材142と圧電性のある合成樹脂等の柔らかい透
明物質143とで、光を透過する流体あるいはゼリー状
物質144を挟んで構成されている。
【0145】流体あるいはゼリー状物質144として
は、シリコンオイル、弾性ゴム、ゼリー、水等を用いる
ことができる。透明物質143の両面には透明電極14
5が設けられており、回路103’を介して電圧を加え
ることで、透明物質143の圧電効果により透明物質1
43が変形し、可変焦点レンズ140の焦点距離が変わ
るようになっている。従って、本実施例によれば、物体
距離が変わった場合でも光学系をモーター等で動かすこ
となくフォーカスができ、小型、軽量、消費電力が少な
い点で優れている。
【0146】なお、図40中、145は透明電極、14
6は流体をためるシリンダーである。また、透明物質1
43の材質としては、ポリウレタン、シリコンゴム、ア
クリルエラストマー、PZT、PLZT、ポリフッ化ビ
ニリデン(PVDF)等の高分子圧電体、シアン化ビニ
リデン共重合体、ビニリデンフルオライドとトリフルオ
ロエチレンの共重合体等が用いられる。圧電性を有する
有機材料や、圧電性を有する合成樹脂、圧電性を有する
エラストマー等を用いると可変焦点レンズ面の大きな変
形が実現できてよい。可変焦点レンズには透明な圧電材
料を用いるとよい。
【0147】なお、図40の例で、可変焦点レンズ14
0は、シリンンダー146を設けるかわりに、図41に
示すように、支援部材147を設けてシリンダー146
を省略した構造にしてもよい。支援部材147は、間に
透明電極145を挟んで、透明物質143の一部の周辺
部分を固定している。本実施例によれば、透明物質14
3に電圧をかけることによって、透明物質143が変形
しても、図42に示すように、可変焦点レンズ140全
体の体積が変わらないように変形するため、シリンダー
146が不要になる。なお、図41、42中、148は
変形可能な部材で、弾性体、アコーディオン状の合成樹
脂または金属等でできている。
【0148】図40、41に示す実施例では、電圧を逆
に印加すると透明物質143は逆向きに変形するので凹
レンズにすることも可能である。なお、透明物質143
に電歪材料、例えば、アクリルエラストマー、シリコン
ゴム等を用いる場合は、透明物質143を透明基板と電
歪材料を貼り合わせた構造にするとよい。
【0149】図43は本発明の撮像光学系に用いる可変
焦点レンズのさらに他の実施例に係る、マイクロポンプ
160で流体161を出し入れし、レンズ面を変形させ
る可変焦点レンズ167の概略構成図である。マイクロ
ポンプ160は、例えば、マイクロマシンの技術で作ら
れた小型のポンプで、電力で動くように構成されてい
る。流体161は、透明基板163と、弾性体164と
の間に挟まれている。図43中、165は弾性体164
を保護するための透明基板で、設けなくてもよい。マイ
クロマシンの技術で作られたポンプの例としては、熱変
形を利用したもの、圧電材料を用いたもの、静電気力を
用いたものなどがある。
【0150】そして、図28で示したようなマイクロポ
ンプ180を、例えば、図43に示す可変焦点レンズに
用いるマイクロポンプ160のように、2つ用いればよ
い。
【0151】なお、静電気力、圧電効果を用いた可変焦
点レンズなどにおいては、駆動用に高電圧が必要になる
場合がある。その場合には、昇圧用のトランス、あるい
は圧電トランス等を用いて制御系を構成するとよい。特
に積層型圧電トランスを用いると小型にできてよい。
【0152】図44は本発明にかかる撮像光学系に適用
可能な光学特性可変光学素子の他の実施例であって圧電
材料200を用いた可変焦点レンズ201の概略構成図
である。圧電材料200には透明物質143と同様の材
料が用いられており、圧電材料200は、透明で柔らか
い基板202の上に設けられている。なお、基板202
には、合成樹脂、有機材料を用いるのが望ましい。本実
施例においては、2つの透明電極59を介して電圧を圧
電材料200に加えることで圧電材料200は変形し、
図44において凸レンズとしての作用を持っている。
【0153】なお、基板202の形をあらかじめ凸状に
形成しておき、かつ、2つの透明電極59のうち、少な
くとも一方の電極の大きさを基板202と異ならせてお
く、例えば、一方の透明電極59を基板202よりも小
さくしておくと、電圧を切ったときに、図45に示すよ
うに、2つの透明電極59が対向する所定部分だけが凹
状に変形して凹レンズの作用を持つようになり、可変焦
点レンズとして動作する。このとき基板202は、流体
161の体積が変化しないように変形するので、液溜1
68が不要になるというメリットがある。
【0154】本実施例では、流体161を保持する基板
の一部分を圧電材料で変形させて、液溜168を不要と
したところに大きなメリットがある。なお、図43の実
施例にも言えることであるが、透明基板163,165
はレンズとして構成しても、或いは平面で構成してもよ
い。
【0155】図46は本発明にかかる撮像光学系に適用
可能な光学特性可変光学素子のさらに他の実施例であっ
て圧電材料からなる2枚の薄板200A,200Bを用
いた可変焦点レンズの概略構成図である。本実施例の可
変焦点レンズは、薄板200Aと200Bの材料の方向
性を反転させることで、変形量を大きくし、大きな可変
焦点範囲が得られるというメリットがある。なお、図4
6中、204はレンズ形状の透明基板である。本実施例
においても、紙面の右側の透明電極59は基板202よ
りも小さく形成されている。
【0156】なお、図44〜図46の実施例において、
基板202、薄板200,200A,200Bの厚さを
不均一にして、電圧を掛けたときの変形のさせかたをコ
ントロールしてもよい。そのようにすれば、レンズの収
差補正等もすることができ、便利である。
【0157】図47は本発明にかかる撮像光学系に用い
る可変焦点レンズのさらに他の実施例を示す概略構成図
である。本実施例の可変焦点レンズ207は、例えばシ
リコンゴムやアクリルエラストマー等の電歪材料206
を用いて構成されている。本実施例の構成によれば、電
圧が低いときには、図47に示すように、凸レンズとし
て作用し、電圧を上げると、図48に示すように、電歪
材料206が上下方向に伸びて左右方向に縮むので、焦
点距離が伸びる。従って、可変焦点レンズとして動作す
る。本実施例の可変焦点レンズによれば、大電源を必要
としないので消費電力が小さくて済むというメリットが
ある。
【0158】図49は本発明にかかる撮像光学系に適用
可能な光学特性可変光学素子のさらに他の実施例であっ
てフォトメカニカル効果を用いた可変焦点レンズの概略
構成図である。本実施例の可変焦点レンズ214は、透
明弾性体208,209でアゾベンゼン210が挟まれ
ており、アゾベンゼン210には、透明なスペーサー2
11を経由して光が照射されるようになっている。図4
9中、212,213はそれぞれ中心波長がλ1,λ2
例えばLED、半導体レーザー等の光源である。
【0159】本実施例において、中心波長がλ1の光が
図50(a)に示すトランス型のアゾベンゼンに照射され
ると、アゾベンゼン210は、図50(b)に示すシス型
に変化して体積が減少する。このため、可変焦点レンズ
214の形状はうすくなり、凸レンズ作用が減少する。
一方、中心波長がλ2の光がシス型のアゾベンゼン21
0に照射されると、アゾベンゼン210はシス型からト
ランス型に変化して、体積が増加する。このため、可変
焦点レンズ214の形状は厚くなり、凸レンズ作用が増
加する。このようにして、本実施例の光学素子214は
可変焦点レンズとして作用する。また、可変焦点レンズ
214では、透明弾性体208,209の空気との境界
面で光が全反射するので外部に光がもれず、効率がよ
い。なお、レンズとして利用する光の波長は可視光に限
らず赤外光等でもよい。また、アゾベンゼン210とし
ては、アゾベンゼンと他の液体の混合物を用いてもよ
い。
【0160】図51は本発明にかかる撮像光学系に可変
ミラーとして用いる可変形状鏡のさらに他の実施例を示
す概略構成図である。本実施例では、デジタルカメラに
用いられるものとして説明する。なお、図51中、41
1は可変抵抗器、414は演算装置、415は温度セン
サー、416は湿度センサー、417は距離センサー、
424は振れセンサーである。本実施例の可変形状鏡4
5は、アクリルエラストマー等の有機材料からなる電歪
材料453と間を隔てて分割電極409bを設け、電歪
材料453の上に順に電極452、変形可能な基板45
1を設け、さらにその上に入射光を反射するアルミニウ
ム等の金属からなる反射膜450を設けて構成されてい
る。このように構成すると、分割電極409bを電歪材
料453と一体化した場合に比べて、反射膜450の面
形状が滑らかになり、光学的に収差を発生させにくくな
るというメリットがある。なお、変形可能な基板451
と電極452の配置は逆でも良い。また、図51中、4
49は光学系の変倍、あるいはズームを行なう釦であ
り、可変形状鏡45は、釦449を使用者が押すことで
反射膜450の形を変形させて、変倍あるいは、ズーム
をすることができるように演算装置414を介して制御
されている。なお、アクリルエラストマー等の有機材料
からなる電歪材料のかわりに既に述べたチタン酸バリウ
ム等の圧電材料を用いてもよい。
【0161】最後に、本発明で用いる用語の定義を述べ
ておく。
【0162】光学装置とは、光学系あるいは光学素子を
含む装置のことである。光学装置単体で機能しなくても
よい。つまり、装置の一部でもよい。
【0163】光学装置には、撮像装置、観察装置、表示
装置、照明装置、信号処理装置等が含まれる。
【0164】撮像装置の例としては、フィルムカメラ、
デジタルカメラ、ロボットの眼、レンズ交換式デジタル
一眼レフカメラ、テレビカメラ、動画記録装置、電子動
画記録装置、カムコーダ、VTRカメラ、電子内視鏡等
がある。デジカメ、カード型デジカメ、テレビカメラ、
VTRカメラ、動画記録カメラなどはいずれも電子撮像
装置の一例である。
【0165】観察装置の例としては、顕微鏡、望遠鏡、
眼鏡、双眼鏡、ルーペ、ファイバースコープ、ファイン
ダー、ビューファインダー等がある。
【0166】表示装置の例としては、液晶ディスプレ
イ、ビューファインダー、ゲームマシン(ソニー社製プ
レイステーション)、ビデオプロジェクター、液晶プロ
ジェクター、頭部装着型画像表示装置(head mo
unted display:HMD)、PDA(携帯
情報端末)、携帯電話等がある。
【0167】照明装置の例としては、カメラのストロ
ボ、自動車のヘッドライト、内視鏡光源、顕微鏡光源等
がある。
【0168】信号処理装置の例としては、携帯電話、パ
ソコン、ゲームマシン、光ディスクの読取・書込装置、
光計算機の演算装置等がある。
【0169】撮像素子は、例えばCCD、撮像管、固体
撮像素子、写真フィルム等を指す。また、平行平面板は
プリズムの1つに含まれるものとする。観察者の変化に
は、視度の変化を含むものとする。被写体の変化には、
被写体となる物体距離の変化、物体の移動、物体の動
き、振動、物体のぶれ等を含むものとする。
【0170】拡張曲面の定義は以下の通りである。球
面、平面、回転対称非球面のほか、光軸に対して偏心し
た球面、平面、回転対称非球面、あるいは対称面を有す
る非球面、対称面を1つだけ有する非球面、対称面のな
い非球面、自由曲面、微分不可能な点、線を有する面
等、いかなる形をしていても良い。反射面でも、屈折面
でも、光になんらかの影響を与えうる面ならば良い。本
発明では、これらを総称して拡張曲面と呼ぶことにす
る。
【0171】光学特性可変光学素子とは、可変焦点レン
ズ、可変形状鏡、面形状の変わる偏光プリズム、頂角可
変プリズム、光偏向作用の変わる可変回折光学素子、つ
まり可変HOE,可変DOE等を含む。
【0172】可変焦点レンズには、焦点距離が変化せ
ず、収差量が変化するような可変レンズも含むものとす
る。可変形状鏡についても同様である。要するに、光学
素子で、光の反射、屈折、回折等の光偏向作用が変化し
うるものを光学特性可変光学素子と呼ぶ。
【0173】情報発信装置とは、携帯電話、固定式の電
話、ゲームマシン、テレビ、ラジカセ、ステレオ等のリ
モコンや、パソコン、パソコンのキーボード、マウス、
タッチパネル等の何らかの情報を入力し、送信すること
ができる装置を指す。撮像装置のついたテレビモニタ
ー、パソコンのモニター、ディスプレイも含むものとす
る。情報発信装置は、信号処理装置の中に含まれる。
【0174】以上説明したように、本発明の撮像光学系
は、特許請求の範囲に記載された発明の他に、次に示す
ような特徴も備えている。
【0175】(1)光学系がレトロフォーカスタイプで
あることを特徴とする請求項1に記載の撮像光学系。
【0176】(2)次の条件式の少なくともいずれか一
つを満たすことを特徴とする請求項1に記載の撮像光学
系。 0.01 < |f_n|/f_tot < 100 0.01 < |f_p|/f_tot < 100 0.01 < Sk/f_tot < 100 ただし、f_nは光学系の凹レンズ群の焦点距離、f_t
otはレンズ全系の焦点距離、f_pは凸レンズ群の焦点
距離、Skは光学系の最終レンズ面から撮像面までの距
離である。
【0177】(3)次の条件式の少なくともいずれか一
つを満たすことを特徴とする請求項2に記載の撮像光学
系。 0.01 < |f_n|/f_tot < 100 0.01 < |f_p|/f_tot < 100 0.01 < Sk/f_tot < 100 ただし、f_nは光学系の凹レンズ群の焦点距離、f_t
otはレンズ全系の焦点距離、f_pは凸レンズ群の焦点
距離、Skは光学系の最終レンズ面から撮像面までの距
離である。
【0178】(4)可変ミラーを有し、光学系の構成
が、物体側から順に、凹レンズ群、明るさ絞り、凸レン
ズ群とを備えてなり、明るさ絞りが凹レンズ群、又は凸
レンズ群の中に設けられていることを特徴とする撮像光
学系。
【0179】(5)可変ミラーを有し、前記可変ミラー
への軸上光線の入射角が40度以上50度以内となるよ
うにしたことを特徴とする撮像光学系。
【0180】(6)回転対称な光学素子を複数有し、絞
りをはさんで2つの可変ミラーをほぼ平行(±5度のズ
レの範囲内)に配置したことを特徴とする撮像光学系。
【0181】(7)凹レンズと凸レンズとを有し、絞り
をはさんで2つの可変ミラーをほぼ平行(±5度のズレ
の範囲内)に対向配置したことを特徴とする撮像光学
系。
【0182】(8)可変ミラーを有すると共に、凹レン
ズと凸レンズとを有し、物体から撮像光学系への軸上入
射光線と撮像面への軸上入射光線が、ほぼ平行(±5度
のズレの範囲内)になるようにしたことを特徴とする撮
像光学系。
【0183】(9)可変ミラーを有すると共に、凹レン
ズと凸レンズとを有し、物体から撮像光学系への軸上入
射光線と撮像面への軸上入射光線のなす角が、ほぼ90
度(±5度のズレの範囲内)になるようにしたことを特
徴とする撮像光学系。
【0184】(10)凹レンズと凸レンズとを有するレ
トロフォーカス型レンズ系の後方に可変ミラーを配置し
て、フォーカスを行うようにしたことを特徴とする撮像
光学系。
【0185】(11)凹レンズと凸レンズとを有する、
絞りを含むレトロフォーカス型レンズ系の後方で撮像素
子の前方に可変ミラーを配置して、フォーカスを行うよ
うにしたことを特徴とする撮像光学系。
【0186】(12)凹レンズと凸レンズとを有する絞
りを含むレトロフォーカス型レンズ系の後方で、撮像素
子の直前に可変ミラーを配置して、フォーカスを行うよ
うにしたことを特徴とする撮像光学系。
【0187】(13)接合レンズを有する上記(5)〜
(12)のいずれかに記載の撮像光学系。
【0188】(14)絞りの後方に接合レンズを有する
上記(5)〜(12)のいずれかに記載の撮像光学系。
【0189】(15)少なくとも一つの可変ミラーを有
し、少なくともいずれかの可変ミラーのミラー面の変形
形状が、自由曲面を定義する式の係数C4とC6とが異符
号になる状態を含む自由曲面となることを特徴とする撮
像光学系。
【0190】(16)少なくとも一つの可変ミラーを有
し、少なくともいずれかの可変ミラーのミラー面の変形
形状が、自由曲面を定義する式の係数C4が異なる符号
になる2状態を含む自由曲面となることを特徴とする撮
像光学系。
【0191】(17)少なくとも一つの可変ミラーを有
し、少なくともいずれかの可変ミラーのミラー面の変形
形状が、自由曲面を定義する式の係数C6が異なる符号
になる2状態を含む自由曲面となることを特徴とする撮
像光学系。
【0192】(18)少なくとも一つの可変ミラーを有
し、少なくともいずれかの可変ミラーについて、物体距
離が近点では可変ミラーの収束作用が強くなり、物体距
離が遠点では可変ミラーの収束作用が弱くなることを特
徴とする撮像光学系。
【0193】(19)少なくとも一つの可変ミラーを有
し、少なくともいずれかの可変ミラーのミラー面の変形
形状が、少なくとも一つの状態で、自由曲面を定義する
式の係数C8及びC10が次の条件式を満たす自由曲面と
なることを特徴とする撮像光学系。 0.01 < C10/C8 < 100
【0194】(20)少なくとも一つの可変ミラーを有
し、少なくともいずれかの可変ミラーのミラー面の変形
形状が、少なくとも一つの状態で、自由曲面を定義する
式の係数C8及びC10が次の条件式を満たす自由曲面と
なることを特徴とする撮像光学系。 0.1 < C10/C8 < 10
【0195】(21)少なくとも一つの可変ミラーを有
し、少なくともいずれかの可変ミラーのミラー面の変形
形状が、少なくとも一つの状態で、自由曲面を定義する
式の係数C8とC10とが同符号である自由曲面となるこ
とを特徴とする撮像光学系。
【0196】(22)少なくとも一つの可変ミラーを有
し、少なくともいずれかの可変ミラーのミラー面の変形
形状が、少なくとも一つの状態で、自由曲面を定義する
式の係数C11及びC13が次の条件式を満たす自由曲面と
なることを特徴とする撮像光学系。 0.01 < |C13/C11| < 100
【0197】(23)少なくとも一つの可変ミラーを有
し、少なくともいずれかの可変ミラーのミラー面の変形
形状が、少なくとも一つの状態で、自由曲面を定義する
式の係数C11及びC13が次の条件式を満たす自由曲面と
なることを特徴とする撮像光学系。 0.1 < |C13/C11| < 10
【0198】(24)少なくとも一つの可変ミラーを有
し、少なくともいずれかの可変ミラーのミラー面の変形
形状が、少なくとも一つの状態で、自由曲面を定義する
式の係数C11及びC15が次の条件式を満たす自由曲面と
なることを特徴とする撮像光学系。 0.01 < |C15/C11| < 100
【0199】(25)少なくとも一つの可変ミラーを有
し、少なくともいずれかの可変ミラーのミラー面の変形
形状が、少なくとも一つの状態で、自由曲面を定義する
式の係数C11及びC15が次の条件式を満たす自由曲面と
なることを特徴とする撮像光学系。 0 < |C15/C11| < 1
【0200】(26)少なくとも一つの可変ミラーを有
し、少なくともいずれかの可変ミラーについて、次の条
件式を満たすことを特徴とする撮像光学系。 0 < md/f_tot < 1 ただし、mdは可変ミラーのミラー面の最大変形量、f
_totはレンズ全系の焦点距離である。
【0201】(27)次の条件式の少なくともいずれか
1つを満たすことを特徴とする上記(5)〜(26)の
いずれかに記載の撮像光学系。 0.01 < |f_n|/f_tot < 100 0.1 < |f_n|/f_tot < 10 0.1 < |f_n|/f_tot < 3 0.01 < |f_p|/f_tot < 100 0.1 < |f_p|/f_tot < 10 0.1 < |f_p|/f_tot < 3 0.01 < Sk/f_tot < 100 0.1 < Sk/f_tot < 10 0.5 < Sk/f_tot < 8 ただし、f_nは光学系の凹レンズ群の焦点距離、f_t
otはレンズ全系の焦点距離、f_pは凸レンズ群の焦点
距離、Skは光学系の最終レンズ面から撮像面までの距
離である。
【0202】(28)可変ミラーを用いて、次の条件式
を満たすフォーカスを行うようにしたことを特徴とする
上記(1)又は(2)に記載の撮像光学系。 75° < 2ω < 170° ただし、ωは光学系に入射する光線の水平半画角であ
る。
【0203】(29)可変ミラーを用いて、次の条件式
を満たすフォーカスを行うようにしたことを特徴とする
上記(1)又は(2)に記載の撮像光学系。 85° < 2ω < 160° ただし、ωは光学系に入射する光線の水平半画角であ
る。
【0204】(30)回転対称なレンズを有し、可変ミ
ラーを用いてフォーカスを行う撮像光学系。
【0205】(31)可変ミラーを用いて、次の条件式
を満たすフォーカスを行うようにしたことを特徴とする
撮像光学系。 50° < 2ω < 175°) ただし、ωは光学系に入射する光線の水平半画角であ
る。
【0206】(32)少なくとも一つの可変ミラーを有
し、少なくともいずれかの可変ミラーが、ある状態で次
の条件式を満たすことを特徴とする上記(30)又は
(31)に記載の撮像光学系。 0.00003 < md/f_tot < 0.1 ただし、mdは可変ミラーのミラー面の最大変形量、f
_totはレンズ全系の焦点距離である。
【0207】(33)少なくとも一つの状態で、自由曲
面を定義する式の係数C8、C10、C1 7のいずれか1つ以
上が0でないことを特徴とする上記(30)又は(3
1)に記載の撮像光学系。
【0208】(34)複数枚の可変ミラーを用いて、フ
ォーカスを行う上記(30)又は(31)に記載の撮像
光学系。
【0209】(35)フォーカスを行う際に、少なくと
も一つの可変ミラーが、少なくともある状態で自由曲面
形状になることを特徴とする上記(30)又は(31)
に記載の撮像光学系。
【0210】(36)可変ミラーを有し、光学系の構成
が、光線の入射する側から順に、凹レンズ群、明るさ絞
り、凸レンズ群からなり、明るさ絞りが凹レンズ群、又
は凸レンズ群の中に設けられていることを特徴とする、
可変ミラーを用いてフォーカスを行う上記(30)又は
(31)に記載の撮像光学系。
【0211】(37)可変ミラーへの軸上光線の入射角
がある状態で40度以上50度以内であることを特徴と
する上記(30)又は(31)に記載の可変ミラーを有
する撮像光学系。
【0212】(38)絞りをはさんで2つの可変ミラー
をほぼ平行(±5度以内)に配置したことを特徴とする
可変ミラーを有する撮像光学系。
【0213】(39)回転対称な光学素子を複数有し、
絞りをはさんで2つの可変ミラーをほぼ平行(±5度以
内)に配置したことを特徴とする可変ミラーを有する撮
像光学系。
【0214】(40)絞りをはさんで2つの可変ミラー
をほぼ平行(±5度以内)に配置したことを特徴とする
上記(30)又は(31)に記載の可変ミラーを有する
撮像光学系。
【0215】(41)凹レンズと凸レンズとを有し、絞
りをはさんで2つの可変ミラーをほぼ平行(±5度以
内)に対向配置したことを特徴とする上記(30)又は
(31)に記載の可変ミラーを有する撮像光学系。
【0216】(42)凹レンズと凸レンズとを有し、物
体から撮像光学系への軸上入射光線と撮像面への軸上入
射光線が、ある状態でほぼ平行(±5度以内)であるこ
とを特徴とする上記(30)又は(31)に記載の可変
ミラーを有する撮像光学系。
【0217】(43)凹レンズと凸レンズとを有し、物
体から撮像光学系への軸上入射光線と撮像面への軸上入
射光線のなす角が、ある状態でほぼ90度(±5度以
内)であることを特徴とする上記(30)又は(31)
に記載の可変ミラーを有する撮像光学系。
【0218】(44)凹レンズと凸レンズとを有するレ
トロフォーカス型レンズ系の後方に可変ミラーを配置
し、フォーカスを行う可変ミラーを有する上記(30)
又は(31)に記載の撮像光学系。
【0219】(45)凹レンズと凸レンズとを有する絞
りを含むレトロフォーカス型レンズ系の後方で、撮像素
子の前方に可変ミラーを配置し、フォーカスを行う可変
ミラーを有する撮像光学系。
【0220】(46)凹レンズと凸レンズとを有する絞
りを含むレトロフォーカス型レンズ系の後方で、撮像素
子の直前に可変ミラーを配置し、フォーカスを行う可変
ミラーを有する上記(30)又は(31)に記載の撮像
光学系。
【0221】(47)接合レンズを有する上記(30)
〜(46)のいずれかに記載の撮像光学系。
【0222】(48)絞りの後方に接合レンズを有する
上記(30)〜(46)のいずれかに記載の撮像光学
系。
【0223】(49)少なくとも一つの可変ミラーを有
し、少なくともいずれかの可変ミラーのミラー面の変形
形状が、ある状態で、自由曲面を定義する式の係数C4
とC6とが異符号になる状態を含む自由曲面となること
を特徴とする上記(30)又は(31)に記載の撮像光
学系。
【0224】(50)少なくとも一つの可変ミラーを有
し、少なくともいずれかの可変ミラーのミラー面の変形
形状が、ある状態で、自由曲面を定義する式の係数C4
が異なる符号になる2状態を含む自由曲面となることを
特徴とする上記(30)又は(31)に記載の撮像光学
系。
【0225】(51)少なくとも一つの可変ミラーを有
し、少なくともいずれかの可変ミラーのミラー面の変形
形状が、ある状態で、自由曲面を定義する式の係数C6
が異なる符号になる2状態を含む自由曲面となることを
特徴とする上記(30)又は(31)に記載の撮像光学
系。
【0226】(52)少なくとも一つの可変ミラーを有
し、少なくともいずれかの可変ミラーについて、物体距
離が近点では可変ミラーの収束作用が強くなり、物体距
離が遠点では可変ミラーの収束作用が弱くなることを特
徴とする上記(30)又は(31)に記載の撮像光学
系。
【0227】(53)少なくとも一つの可変ミラーを有
し、少なくともいずれかの可変ミラーのミラー面の変形
形状が、ある状態で、自由曲面を定義する式の係数C8
及びC1 0が次の条件式を満たす自由曲面となることを特
徴とする上記(30)又は(31)に記載の撮像光学
系。 0.01 < C10/C8 < 100
【0228】(54)少なくとも一つの可変ミラーを有
し、少なくともいずれかの可変ミラーのミラー面の変形
形状が、ある状態で、自由曲面を定義する式の係数C8
とC10とが同符号である自由曲面となることを特徴とす
る上記(30)又は(31)に記載の撮像光学系。
【0229】(55)少なくとも一つの可変ミラーを有
し、少なくともいずれかの可変ミラーのミラー面の変形
形状が、ある状態で、自由曲面を定義する式の係数C11
及びC 15が次の条件式を満たす自由曲面となることを特
徴とする上記(30)又は(31)に記載の撮像光学
系。 0.01 < |C15/C11| < 100
【0230】(56)少なくとも一つの可変ミラーを有
し、少なくともいずれかの可変ミラーのミラー面の変形
形状が、ある状態で、自由曲面を定義する式の係数C11
及びC 13が次の条件式を満たす自由曲面となることを特
徴とする上記(30)又は(31)に記載の撮像光学
系。 0.01 < |C13/C11| < 100
【0231】(57)少なくとも一つの可変ミラーを有
し、少なくともいずれかの可変ミラーがある状態で次の
条件式を満たすことを特徴とする上記(30)又は(3
1)に記載の撮像光学系。 0 < md/f_tot < 1 ただし、mdは可変ミラーのミラー面の最大変形量、f
_totはレンズ全系の焦点距離である。
【0232】(58)用いられている可変ミラーの駆動
方式が静電駆動方式、電磁駆動方式、圧電効果、流体駆
動のいずれかである可変ミラーを有する上記(30)又
は(31)に記載の撮像光学系。
【0233】(59)ある状態で、次の条件式の少なく
ともいずれか1つを満たすことを特徴とする請求項1〜
3、上記(1)〜(58)のいずれかに記載の撮像光学
系。 0.01 < |f_n|/f_tot < 100 0.1 < |f_n|/f_tot < 10 0.1 < |f_n|/f_tot < 3 0.01 < |f_p|/f_tot < 100 0.1 < |f_p|/f_tot < 10 0.1 < |f_p|/f_tot < 3 0.01 < Sk/f_tot < 100 0.1 < Sk/f_tot < 10 0.5 < Sk/f_tot < 8 50° < 2ω < 175° 75° < 2ω < 170° 85° < 2ω < 160° 0.01 < C10/C8 < 100 0.1 < C10/C8 < 10 0.01 < |C13/C11| < 100 0.1 < |C13/C11| < 10 0.01 < |C15/C11| < 100 0.1 < |C15/C11| < 10 0 < md/f_tot < 1 0.00003<md/f_tot<0.1 ただし、f_nは光学系の凹レンズ群の焦点距離、f_t
otはレンズ全系の焦点距離、f_pは凸レンズ群の焦
点距離、Skは光学系の最終レンズ面から撮像面までの
距離、ωは光学系に入射する光線の水平半画角、C8
10、C11、C1 3、C15は可変ミラーの面形状を表わす
自由曲面を定義する式の係数、mdは可変ミラーのミラ
ー面の最大変形量である。
【0234】(60)ある状態で、次の条件式の少なく
ともいずれか2つを満たすことを特徴とする請求項1〜
3、上記(1)〜(58)のいずれかに記載の撮像光学
系。 0.01 < |f_n|/f_tot < 100 0.1 < |f_n|/f_tot < 10 0.1 < |f_n|/f_tot < 3 0.01 < |f_p|/f_tot < 100 0.1 < |f_p|/f_tot < 10 0.1 < |f_p|/f_tot < 3 0.01 < Sk/f_tot < 100 0.1 < Sk/f_tot < 10 0.5 < Sk/f_tot < 8 50° < 2ω < 175° 75° < 2ω < 170° 85° < 2ω < 160° 0.01 < C10/C8 < 100 0.1 < C10/C8 < 10 0.01 < |C13/C11| < 100 0.1 < |C13/C11| < 10 0.01 < |C15/C11| < 100 0.1 < |C15/C11| < 10 0 < md/f_tot < 1 0.00003<md/f_tot<0.1 ただし、f_nは光学系の凹レンズ群の焦点距離、f_t
otはレンズ全系の焦点距離、f_pは凸レンズ群の焦
点距離、Skは光学系の最終レンズ面から撮像面までの
距離、ωは光学系に入射する光線の水平半画角、C8
10、C11、C1 3、C15は可変ミラーの面形状を表わす
自由曲面を定義する式の係数、mdは可変ミラーのミラ
ー面の最大変形量である。
【0235】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
外径が細く小型でありながらにして、ピント合わせを行
うことが可能な撮像光学系を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例にかかる撮像光学系の構成
を示す光軸に沿う断面図である。
【図2】本発明の第1実施例にかかる撮像光学系の変形
例の構成を示す光軸に沿う断面図である。
【図3】第1実施例の撮像光学系の遠点の各波長域にお
ける横収差を表す収差図であり、 (a)はX方向画角がゼ
ロ、Y方向画角がゼロを通る主光線のY方向の横収差、
(b)はX方向画角がゼロ、Y正方向最大画角を通る主光
線のY方向の横収差、(c)はX方向画角がゼロ、Y負方
向最大画角を通る主光線のY方向の横収差を示してい
る。
【図4】第1実施例の撮像光学系の標準的距離の各波長
域における横収差を表す収差図であり、(a)はX方向画
角がゼロ、Y方向画角がゼロを通る主光線のY方向の横
収差、(b)はX方向画角がゼロ、Y正方向最大画角を通
る主光線のY方向の横収差、(c)はX方向画角がゼロ、
Y負方向最大画角を通る主光線のY方向の横収差を示し
ている。
【図5】第1実施例の撮像光学系の近点の各波長域にお
ける横収差を表す収差図であり、(a)はX方向画角がゼ
ロ、Y方向画角がゼロを通る主光線のY方向の横収差、
(b)はX方向画角がゼロ、Y正方向最大画角を通る主光
線のY方向の横収差、(c)はX方向画角がゼロ、Y負方
向最大画角を通る主光線のY方向の横収差を示してい
る。
【図6】本発明の第2実施例にかかる撮像光学系の構成
を示す光軸に沿う断面図である。
【図7】第2実施例の撮像光学系の遠点の各波長域にお
ける横収差を表す収差図であり、 (a)はX方向画角がゼ
ロ、Y方向画角がゼロを通る主光線のY方向の横収差、
(b)はX方向画角がゼロ、Y正方向最大画角を通る主光
線のY方向の横収差、(c)はX方向画角がゼロ、Y負方
向最大画角を通る主光線のY方向の横収差を示してい
る。
【図8】第2実施例の撮像光学系の標準的距離の各波長
域における横収差を表す収差図であり、(a)はX方向画
角がゼロ、Y方向画角がゼロを通る主光線のY方向の横
収差、(b)はX方向画角がゼロ、Y正方向最大画角を通
る主光線のY方向の横収差、(c)はX方向画角がゼロ、
Y負方向最大画角を通る主光線のY方向の横収差を示し
ている。
【図9】第2実施例の撮像光学系の近点の各波長域にお
ける横収差を表す収差図であり、(a)はX方向画角がゼ
ロ、Y方向画角がゼロを通る主光線のY方向の横収差、
(b)はX方向画角がゼロ、Y正方向最大画角を通る主光
線のY方向の横収差、(c)はX方向画角がゼロ、Y負方
向最大画角を通る主光線のY方向の横収差を示してい
る。
【図10】本発明の第3実施例にかかる撮像光学系の構
成を示す光軸に沿う断面図である。
【図11】第3実施例の撮像光学系の遠点の各波長域に
おける横収差を表す収差図であり、 (a)はX方向画角が
ゼロ、Y方向画角がゼロを通る主光線のY方向の横収
差、(b)はX方向画角がゼロ、Y正方向最大画角を通る
主光線のY方向の横収差、(c)はX方向画角がゼロ、Y
負方向最大画角を通る主光線のY方向の横収差を示して
いる。
【図12】第3実施例の撮像光学系の標準的距離の各波
長域における横収差を表す収差図であり、(a)はX方向
画角がゼロ、Y方向画角がゼロを通る主光線のY方向の
横収差、(b)はX方向画角がゼロ、Y正方向最大画角を
通る主光線のY方向の横収差、(c)はX方向画角がゼ
ロ、Y負方向最大画角を通る主光線のY方向の横収差を
示している。
【図13】第3実施例の撮像光学系の近点の各波長域に
おける横収差を表す収差図であり、(a)はX方向画角が
ゼロ、Y方向画角がゼロを通る主光線のY方向の横収
差、(b)はX方向画角がゼロ、Y正方向最大画角を通る
主光線のY方向の横収差、(c)はX方向画角がゼロ、Y
負方向最大画角を通る主光線のY方向の横収差を示して
いる。
【図14】本発明の撮像光学系に用いる可変ミラーとし
て光学特性可変ミラーを用いたデジタルカメラのケプラ
ー式ファインダーの概略構成図である。
【図15】本発明にかかる可変ミラーとして用いる可変
形状鏡409の他の実施例を示す概略構成図である。
【図16】図15の実施例の可変形状鏡に用いる電極の
一形態を示す説明図である。
【図17】図15の実施例の可変形状鏡に用いる電極の
他の形態を示す説明図である。
【図18】本発明にかかる可変ミラーとして用いる可変
形状鏡409のさらに他の実施例を示す概略構成図であ
る。
【図19】本発明にかかる可変ミラーとして用いる可変
形状鏡409のさらに他の実施例を示す概略構成図であ
る。
【図20】本発明にかかる可変ミラーとして用いる可変
形状鏡409のさらに他の実施例を示す概略構成図であ
る。
【図21】図20の実施例における薄膜コイル427の
巻密度の状態を示す説明図である。
【図22】本発明にかかる可変ミラーとして用いる可変
形状鏡409のさらに他の実施例を示す概略構成図であ
る。
【図23】図22の実施例におけるコイル427の一配
置例を示す説明図である。
【図24】図22の実施例におけるコイル427の他の
配置例を示す説明図である。
【図25】図20に示した実施例において、コイル42
7の配置を図24に示したようにした場合に適する永久
磁石426の配置を示す説明図である。
【図26】本発明のさらに他の実施例に係る、光学装置
に適用可能な可変ミラーとして可変形状鏡409を用い
た撮像系、例えば携帯電話のデジタルカメラ、カプセル
内視鏡、電子内視鏡、パソコン用デジタルカメラ、PD
A用デジタルカメラ等に用いられる撮像系の概略構成図
である。
【図27】本発明の可変形状鏡のさらに他の実施例に係
る、マイクロポンプ180で流体161を出し入れし、
ミラー面を変形させる可変ミラーとして用いる可変形状
鏡188の概略構成図である。
【図28】本発明の撮像光学系に用いる可変ミラーに適
用可能なマイクロポンプの一実施例を示す概略構成図で
ある。
【図29】本発明にかかる撮像光学系に用いる可変焦点
レンズの原理的構成を示す図である。
【図30】一軸性のネマティック液晶分子の屈折率楕円
体を示す図である。
【図31】図27に示す高分子分散液晶層に電界を印加
状態を示す図である。
【図32】図29に示す高分子分散液晶層への印加電圧
を可変にする場合の一例の構成を示す図である。
【図33】図32に示す可変焦点レンズ511を用いた
デジタルカメラ用の撮像光学系の構成を示す図である。
【図34】本発明にかかる撮像光学系に適用可能な可変
焦点回折光学素子の一例の構成を示す図である。
【図35】ツイストネマティック液晶を用いる可変焦点
レンズを有する可変焦点眼鏡の構成を示す図である。
【図36】図35に示すツイストネマティック液晶層へ
の印加電圧を高くしたときの液晶分子の配向状態を示す
図である。
【図37】本発明にかかる撮像光学系に適用可能な可変
偏角プリズムの二つの例の構成を示す図である。
【図38】図37に示す可変偏角プリズムの使用態様を
説明するための図である。
【図39】本発明にかかる撮像光学系に用いる可変焦点
レンズを応用した可変焦点ミラーを示す図である。
【図40】本発明の撮像光学系に用いる可変焦点レンズ
のさらに他の実施例に係る、可変焦点レンズ140を用
いた撮像ユニット141の概略構成図である。
【図41】図40の実施例における可変焦点レンズの変
形例を示す説明図である。
【図42】図41の可変焦点レンズが変形した状態を示
す説明図である。
【図43】本発明の撮像光学系に用いる可変焦点レンズ
のさらに他の実施例に係る、マイクロポンプ160で流
体161を出し入れし、レンズ面を変形させる可変焦点
レンズ162の概略構成図である。
【図44】本発明にかかる撮像光学系に適用可能な光学
特性可変光学素子の他の実施例であって圧電材料200
を用いた可変焦点レンズ201の概略構成図である。
【図45】図44の変形例に係る可変焦点レンズの状態
説明図である。
【図46】本発明にかかる撮像光学系に適用可能な光学
特性可変光学素子のさらに他の実施例であって圧電材料
からなる2枚の薄板200A,200Bを用いた可変焦
点レンズの概略構成図である。
【図47】本発明にかかる撮像光学系に用いる可変焦点
レンズのさらに他の実施例を示す概略構成図である。
【図48】図47の実施例に係る可変焦点レンズの状態
説明図である。
【図49】本発明にかかる撮像光学系に適用可能な光学
特性可変光学素子のさらに他の実施例であってフォトメ
カニカル効果を用いた可変焦点レンズの概略構成図であ
る。
【図50】図49の実施例に係る可変焦点レンズに用い
るアゾベンゼンの構造を示す説明図であり、(a)はトラ
ンス型、(b)はシス型を示している。
【図51】本発明にかかる撮像光学系に可変ミラーとし
て用いる可変形状鏡のさらに他の実施例を示す概略構成
図である。
【符号の説明】
1,11,21 撮像光学系 2,12 凹レンズ 3,6,16,23,25 可変ミラー 4,14,24 明るさ絞り 5,13,26 凸レンズ群 7 赤外カットフィルタ(又はロ
ーパスフィルタ) 8,18,29 固体撮像素子の撮像面 15,27 赤外カットフィルタ 17,28 ローパスフィルタ 45,188 可変形状鏡 140,167,201,207,214,511,5
51可変焦点レンズ 161 流体 163,165,204,532,533,562,5
63,566,567透明基板 59,145,513a,513b 透明電極 102,512a,512b,522,552,553
レンズ 103 制御系 103’ 回路 104,141 撮像ユニット 142 透明部材 143 圧電性のある透明物質 144 流体あるいはゼリー状物質 146 シリンダー 147 支援部材 148 変形可能な部材 160,180 マイクロポンプ 164 弾性体 168 液溜 181 振動板 182,183,409b,409d,452
電極 184,185 弁 189,450 反射膜 200 圧電材料 200A,200B 薄板 202 透明で柔らかい基板 206,409c−2 電歪材料 208,209 透明弾性体 210 アゾベンゼン 211 スペーサー 212,213 光源 403 撮像レンズ 404 プリズム 405 二等辺直角プリズム 406 ミラー 408,523 固体撮像素子 409 光学特性可変形状鏡 409a 薄膜 409c,409c’ 圧電素子 409c−1,409e 基板 411 可変抵抗器 412 電源 413 電源スイッチ 414 演算装置 415 温度センサー 416 湿度センサー 417 距離センサー 423 支持台 424 振れセンサー 425,428 駆動回路 426 永久磁石 427 コイル 449 釦 451 変形可能な基板 453 電歪材料 508a,532a,562a,566a 第
1の面 508b,532b,562b,566b 第
2の面 509a,533a,563a,567a 第
3の面 509b,533b,563b,567b 第
4の面 514 高分子分散液晶層 515 スイッチ 516 交流電源 517 液晶分子 518 高分子セル 519 可変抵抗器 521 絞り 531 可変焦点回折光学素子 539a,539b 配向膜 550 可変焦点眼鏡 554 ツイストネマティック液晶層 555 液晶分子 561 可変偏角プリズム 565 可変焦点ミラー 568 反射膜 901 接眼レンズ 902 対物レンズ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G02B 7/08 G02B 7/08 A 2H049 B 2H051 C 2H087 7/182 13/18 4C061 7/198 23/26 A 5C022 7/28 H04N 5/225 D 13/18 G02B 7/18 B 23/26 Z G03B 13/36 7/11 N H04N 5/225 G03B 3/00 A Fターム(参考) 2H011 AA03 CA11 CA21 2H040 BA05 CA22 2H042 DA02 DA20 DD11 DD13 DE00 2H043 BB05 BC01 CA10 CB01 CD04 CE00 2H044 DA01 DB00 DC02 DD00 2H049 AA04 AA18 AA43 AA55 AA61 2H051 AA00 DB01 FA01 GB01 2H087 KA02 KA03 KA14 MA00 RA06 RA46 TA01 TA03 TA04 TA06 TA08 UA09 4C061 CC06 FF40 FF47 LL02 NN01 PP13 5C022 AB21 AC54 AC69

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可変ミラーを用いて、次の条件式を満た
    すフォーカスを行うようにしたことを特徴とする撮像光
    学系。 50° < 2ω < 175° ただし、ωは光学系に入射する光線の水平半画角であ
    る。
  2. 【請求項2】 複数枚の可変ミラーを用いて、フォーカ
    スを行うようにしたことを特徴とする撮像光学系。
  3. 【請求項3】 フォーカスを行う際に、少なくとも一つ
    の可変ミラーが、ある状態で自由曲面形状になるように
    したことを特徴とする撮像光学系。
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