JP2002228813A - 変位検出機能を備えた可変形状鏡 - Google Patents

変位検出機能を備えた可変形状鏡

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隆之 井出
Shinji Kaneko
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Abstract

(57)【要約】 【課題】反射面の形状を高精度に制御することを可能に
するため反射面の変位を検出することが可能な可変形状
鏡を提供すること。 【解決手段】静電引力によって変形する反射面と上部電
極6を有する可撓性薄膜8と、該可撓性薄膜8に対向し
て配置された制御電極2とを備えた可変形状鏡の、前記
上部電極6と前記制御電極2との間の静電容量を検出し
て、前記反射面の変位を算出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、静電引力によって
変形する反射面と上部電極を有する可撓性薄膜と、該可
撓性薄膜に対向して配置された制御電極とを備えてい
て、該制御電極に印加する電圧を制御することにより前
記反射面を適宜変形させることが出来るように構成した
可変形状鏡の反射面の変位検出機構に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の可変形状鏡は、特開平2−10
1402号公報等に開示されており、半導体製造技術を
利用した所謂MEMS(Micro Electro-Mechanical System)
技術を適用することにより、低コスト,高精度且つ超小
型に製作することが出来るため、光ピックアップ等のマ
イクロオプティックスに適用される微小な光学系や小型
の携帯機器などへの応用が期待されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
静電引力により形状を変化させる可変形状鏡において
は、その変化量は両電極間に働く静電引力と可撓性薄膜
の張力との釣り合いで決まるが、最適な形状に変化させ
るためには、高電圧(通常のICデバイス等に比較して高
電圧であるという意味)を広範囲に亘って安定に制御す
る必要がある。特にこのような可変形状鏡を超小型の器
機に適用する場合、電源としては電池などのように低容
量低電圧のものしかない場合が多く、このような低容量
低電圧源から高電圧源を作るのは圧電トランスなどの電
圧変換素子の小型化に伴い容易に実現することは出来る
ものの、このような昇圧方法で高電圧を広範囲に亘って
安定且つ高精度に制御することは、非常に困難である。
【0004】本発明は、従来技術の有するこのような問
題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするとこ
ろは、可変形状鏡の反射面の変位を検出してこれをフィ
ードバックすることにより、可変形状鏡の形状を高精度
に制御することを可能にする可変形状鏡を提供すること
にある。
【0005】
【課題を解決すための手段】上記目的を達成するため、
本発明による変位検出機能を備えた可変形状鏡は、静電
引力によって変形する反射面と上部電極を有する可撓性
薄膜と、該可撓性薄膜に対向して配置された制御電極と
静電容量検出電極を備えた可変形状鏡において、前記上
部電極と前記静電容量検出電極との間の静電容量から前
記反射面の変位を算出し得るように構成したことを特徴
としている。この構成により、非接触で変位が検出でき
るため可変形状鏡に影響を与えることがなく、しかも他
に検出機構を設けることなく変位量を検出することが出
来る。本発明による変位検出機能を備えた可変形状鏡
は、前記制御電極と前記静電容量検出電極とを兼用した
ことを特徴としている。この構成により、可変形状鏡の
構造上何の変更を加えることなしに変位検出を行うこと
が出来る。また、本発明による変位検出機能を備えた可
変形状鏡は、前記制御電極と前記静電容量検出電極と
を、同一層に別々に形成したことを特徴としている。こ
の構成により、制御電極の形状に関係なく変位検出電極
部の変位をピンポイントで検出することが出来る。ま
た、本発明による変位検出機能を備えた可変形状鏡は、
前記制御電極と前記静電容量検出電極とを、異なる層に
別々に形成したことを特徴としている。この構成によ
り、可変反射鏡を変形させる定電圧と変位を検出する高
周波電源とを別にすることが出来る。また、本発明によ
る変位検出機能を備えた可変形状鏡は、前記反射面を変
形させる定電圧に、前記反射面の共振周波数よりも遥に
高い周波数を有する前記静電容量を検出するための高周
波電圧を重畳すると共に、前記上部電極の接地側に抵抗
を接続して、該抵抗を介して流れる電流の位相と振幅か
ら前記反射面の変位量を検出し得るようにしたことを特
徴としている。この構成により、電圧印加電極と静電容
量検出電極を兼用させることが出来る。また、本発明に
よる変位検出機能を備えた可変形状鏡は、前記の静電容
量検出電極に前記反射面の共振周波数よりも遥に高い周
波数の高周波電圧を印加すると共に、前記上部電極の接
地側に抵抗を接続して、該抵抗を介して流れる電流の位
相と振幅から前記反射面の変位量を検出し得るようにし
たことを特徴としている。この構成により、高電圧制御
回路と高周波電源を分離することが出来る。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図示
した実施例に基づき説明する。図1は本発明に係る可変
形状鏡の第1実施例と静電容量検出回路を含む電子回路
部を備えた、反射面兼上部電極を含む上部基板と電圧制
御回路及び高周波重畳回路を含む電子回路部を備えた、
静電容量検出電極を兼ねた制御電極を含む下部基板とを
離間させて示した斜視図、図2は図1のII-IIに沿う断
面図、図3は上記電子回路部に備えられた電圧制御回
路、高周波重畳回路及び静電容量検出回路と上部電極及
び制御電極との相互の接続関係を略示したブロック図、
図4は電圧制御回路の一例を示す配線図、図5は本発明
に係る高周波重畳回路及び静電容量検出回路の上記一実
施例の等価回路図である。
【0007】図1及び図2において、1は制御電極2と
電子回路部3と複数の外部リード電極4と絶縁膜1´を
備えた下部基板、5は外部リード電極7と電子回路部1
0を備え、反射面兼上部電極6を含む可撓性薄膜8と該
薄膜8を図2に示す如く支持する上部基板である。図3
において、9は高電圧源9aとリファレンス電圧9bと
を備えていて制御電極2に印加される定電圧10aを制
御する電圧制御回路、10は定電圧10aと高周波電源
10bとを備えていて定電圧10aに静電容量を検出す
る高周波を重畳する高周波重畳回路、6Aは制御電極2
と上部電極6との間の静電容量の変化を検出する静電容
量検出回路である。なお、上記下部基板、上部基板、電
圧制御回路、高周波重畳回路及び静電容量検出回路は何
れも周知の半導体製造技術を利用して製作され、電圧制
御回路及び高周波重畳回路は同技術を用いて電子回路部
3にまとめて下部基板1と一体に製作され、静電容量検
出回路は同技術を用いて電子回路部10に上部基板5と
一体に製作され得る。
【0008】図4において、9Aは高電圧源9aに接続さ
れていて負荷抵抗R2及びR3に流れる制御電流Isを制御す
る制御素子、9Bは制御素子9Aの駆動電流Idを制御する
駆動素子、9Cは+端子9cに印加されるリファレンス電
圧Vrefと−端子に印加される出力電圧Voutを負荷抵抗R2
及びR3で分圧して得られるモニター電圧Vmとを入力とし
て駆動素子9Bの駆動量を制御する差動増幅器である。
図5において、10は高周波重畳回路の等価回路であ
る。また、6bは+電極が接地され−電極が抵抗R4を介
して上部電極6に接続された差動増幅器である。これら
抵抗R4、R5および増幅器6bにより電流−電圧変換がな
され、静電容量検出出力端6aからは電圧が出力され
る。
【0009】次に、上記装置の作用を説明する。図1及
び2を参照して、高電圧源9aは100ボルト程度の定
電圧源であり、リファレンス電圧(Vref)9bは5ボル
ト程度の可変電圧であって、これらの電圧は外部リード
電極4に印加され、電圧制御回路9へ供給される。そし
て、この電圧制御回路9からリファレンス電圧Vrefに対
応して制御された高電圧10aに高周波電源10bが重
畳され制御電極2に印加され、上部電極6との間に生じ
る静電引力により反射面の形状が変化する。また、リフ
ァレンス電圧Vrefを変えることにより上部電極及び反射
面6の変形量(変位量)を制御することが出来る。ま
た、高周波を上部電極及び反射面の機械的共振周波数よ
りも遥かに高い周波数にすることで重畳された高周波は
変形量(変位量)に対して何ら影響を与えない。
【0010】この場合、制御電極2と上部電極6はコン
デンサと等価になり、これら両電極間には、高周波重畳
回路10により高電圧10aに反射面の機械的共振周波
数よりも遥に高い周波数の高周波電源10bが重畳され
印加されているため電流が流れる。また、上部電極6は
抵抗R4を通して接地されているのと等価になる。つま
り、制御電極2と上部電極6からなるコンデンサと抵抗
R4の直列回路となるので、コンデンサの静電容量が変化
すると抵抗R4を流れる電流の振幅および位相が変化す
る。換言すると、この電流の振幅変化や位相変化から制
御電極2と上部電極6との間の静電容量を知ることが出
来る。この静電容量は制御電極2と上部電極6との間の
距離に反比例するので、結局は両電極間の距離即ち反射
面の変位を検出できる結果となる。従って、静電容量検
出回路6Aの静電容量検出出力6aで検出された静電容
量の変化量から反射面6の変形量(変位量)を算出する
ことができ、延いては変形した反射面6の形状を常時モ
ニターすることが可能となる。
【0011】この実施例によれば、非接触状態で反射面
単体の変位を検出することが出来るので、反射面の形状
に何らの影響も及ぼさないという利点がある。また、反
射面側に付加的な構成をとる必要がないので、反射面に
歪みなどを生じさせる心配はない。更に、レーザ変位計
やインピーダンス変調型の検出器等他の検出器を用いる
必要がなく、廉価に製作することが出来る。また、変位
を反射像等から検出する場合は反射像を取得しそれを解
析するために他に検出機構を設けなければならないが、
本発明実施例によれば、可変形状鏡単体で検出すること
ができる。
【0012】また、この実施例によれば、制御電極と静
電容量(変位)検出電極とが兼用されているから、可変
形状鏡の構造を変更することなく検出を行うことがで
き、更に、反射面を変形させるための定電圧に静電容量
を検出するための高周波電圧を重畳させ、上部電極兼反
射面側で抵抗を通して電流をモニターし、且つ電流の位
相及び振幅により上部電極と制御電極との間の静電容量
即ち反射面の変位を検出するようにしているから、装置
全体を簡素に構成することが出来る。
【0013】図6乃至図8は本発明の第2実施例を示し
ており、図6(a)は下部基板の平面図、図6(b)は図
6(a)のVI-VI線断面図、図7は定電圧と高周波電源を
一体に構成した場合の各要素の接続を示す等価回路図、
図8は定電圧と高周波電源を別体に構成した場合の各要
素の接続を示す等価回路図である。図において、上記実
施例と実質上同一の構成要素には同一符号を付し、それ
らについての説明は省略されている。
【0014】この実施例は、図示の如く下部基板1上に
絶縁膜1´を介して制御電極2と静電容量検出電極2´
とが別々に同一層に形成されていて、定電圧10aと高
周波電源10bとが一体に構成されている(図7)か、
定電圧10aと高周波電源10bとが別体に構成されてい
る(図8)点で、第1実施例と異なる。作用は、第1実
施例の場合と同様であるので、説明を省略する。この実
施例によれば、静電容量検出電極2´を1つのみ形成す
ることで制御電極2の形状に関係なく静電容量検出電極
2´位置の変位をピンポイントで検出することが出来
る。また、静電容量検出電極2´を複数形成し、順次高
周波を印加することで複数の位置の変位をピンポイント
で検出することが出来るという利点がある。また、図8
のように高電圧と高周波電源を別々に構成することで、
高周波重畳回路を省略することができ、より簡単な構成
となる。
【0015】図9及び図10は本発明の第3実施例を示
しており、図9(a)は下部基板の平面図、図9(b)は
図9(a)のIX-IX線断面図、図10は各要素の接続を示
す等価回路図である。図9及び図10において、既述の
実施例と実質上同一の構成要素には同一符号を付し、そ
れらについての説明は省略されている。
【0016】この実施例は、図9(b)に示す如く下部
基板1上に絶縁膜1´を介して制御電極2と静電容量検
出電極2´とが別々に違う層に形成されていて、定電圧
10aと高周波電源10bとが別に構成されて並列に接続
されている(図10)点で、既述の何れの実施例とも異
なる。この実施例では、可変形状鏡を構成する制御電極
に抵抗を介して高電圧が印加されているため、静電容量
検出電極2´に高周波電圧が印加されると制御電極の電
位が変化する。この変化が上部電極を通して静電容量検
出回路で電流変化としてモニターされる。この電流の位
相及び振幅により静電容量即ち反射面の変位が検出され
る。この実施例によれば、反射面を変形させるための定
電圧と静電容量を検出するための高周波電源を別に構成
しているので、高電圧の制御回路と静電容量検出回路と
を分離することができるため、高周波重畳回路を省略す
ることができ、より簡単な構成となり、回路配置の自由
度が増すという利点がある。
【0017】次に、本発明に係る反射面の検出装置を適
用し得る可変形状鏡の各種構成例について説明する。
【0018】図11は本発明を適用し得る可変形状鏡の
他の例を用いたデジタルカメラのケプラー式ファインダ
ーの概略構成図である。もちろん、この可変形状鏡は銀
塩フィルムカメラにも使える。まず、この可変形状鏡1
1について説明する。
【0019】可変形状鏡11は、アルミコーティングさ
れた薄膜(反射面)11aと複数の電極11bからなる
光学特性可変形状鏡(以下、単に可変形状鏡と言う)で
あり、12は各電極11bにそれぞれ接続された複数の
可変抵抗器、13は可変抵抗器14と電源スイッチ15
を介して薄膜11aと電極11b間に接続された電源、
16は複数の可変抵抗器12の抵抗値を制御するための
演算装置、17,18及び19はそれぞれ演算装置16
に接続された温度センサー、湿度センサー及び距離セン
サーで、これらは図示のように配設されて1つの光学装
置を構成している。
【0020】なお、対物レンズ20、接眼レンズ21、
プリズム22、二等辺直角プリズム23、ミラー24及
び可変形状鏡11の各面は、平面でなくてもよく、球
面、回転対称非球面の他、光軸に対して偏心した球面、
平面、回転対称非球面、あるいは、対称面を有する非球
面、対称面を1つだけ有する非球面、対称面のない非球
面、自由曲面、微分不可能な点又は線を有する面等、い
かなる形状をしていてもよく、さらに、反射面でも屈折
面でも光に何らかの影響を与え得る面ならばよい。以
下、これらの面を総称して拡張曲面という。
【0021】また、薄膜11aは、例えば、P.Rai-chou
dhury編、Handbook ofMichrolithography, Michromachi
ning and Michrofabrication,Volume 2:Michromachinin
g and Michrofabrication,P495,Fig.8.58, SPIE PRESS
刊やOptics Communication, 140巻(1997年)P187〜190
に記載されているメンブレインミラーのように、複数の
電極11bとの間に電圧が印加されると、静電気力によ
り薄膜11aが変形してその面形状が変化するようにな
っており、これにより、観察者の視度に合わせたピント
調整ができるだけでなく、さらに、レンズ21,20及
び/又はプリズム22、二等辺直角プリズム23、ミラ
ー24の温度や湿度変化による変形や屈折率の変化、あ
るいは、レンズ枠の伸縮や変形及び光学素子、枠等の部
品の組立誤差による結像性能の低下が抑制され、常に適
正にピント調整並びにピント調整で生じた収差の補正が
行われ得る。なお、電極11bの形は、例えば図13,
14に示すように、薄膜11aの変形のさせ方に応じて
選べばよい。
【0022】本例によれば、物体からの光は、対物レン
ズ20及びプリズム22の各入射面と射出面で屈折さ
れ、可変形状鏡11で反射され、プリズム22を透過し
て、二等辺直角プリズム23でさらに反射され(図11
中、光路中の+印は、紙面の裏側へ向かって光線が進む
ことを示している)、ミラー24で反射され、接眼レン
ズ21を介して眼に入射するようになっている。このよ
うに、レンズ21,20、プリズム22,23、及び可
変形状鏡11によって、本例の光学装置の観察光学系を
構成しており、これらの各光学素子の面形状と肉厚を最
適化することにより、物体面の収差を最小にすることが
できるようになっている。
【0023】すなわち、反射面としての薄膜11aの形
状は、結像性能が最適になるように演算装置16からの
信号により各可変抵抗器14の抵抗値を変化させること
により制御される。すなわち、演算装置16へ、温度セ
ンサー17、湿度センサー18及び距離サンサー19か
ら周囲温度及び湿度並びに物体までの距離に応じた大き
さの信号が入力され、演算装置16は、これらの入力信
号に基づき周囲の温度及び湿度条件と物体までの距離に
よる結像性能の低下を補償すべく、薄膜11aの形状が
決定されるような電圧を電極11bに印加するように、
可変抵抗器14の抵抗値を決定するための信号を出力す
る。このように、薄膜11aは電極11bに印加される
電圧すなわち静電気力で変形させられるため、その形状
は状況により非球面を含む様々な形状をとり、印加され
る電圧の極性を変えれば凸面とすることもできる。な
お、距離センサー19はなくてもよく、その場合、固体
撮像素子25からの像の信号の高周波成分が略最大にな
るように、デジタルカメラの撮像レンズ26を動かし、
その位置から逆に物体距離を算出し、可変形状鏡を変形
させて観察者の眼にピントが合うようにすればよい。
【0024】また、薄膜11aをポリイミド等の合成樹
脂で製作すれば、低電圧でも大きな変形が可能であるの
で好都合である。なお、プリズム22と可変形状鏡11
を一体的に形成してユニット化することができる。
【0025】また、図示を省略したが、可変形状鏡11
の基板上に固体撮像素子25をリソグラフィープロセス
により一体的に形成してもよい。
【0026】また、レンズ21,20、プリズム22,
23、ミラー24は、プラスチックモールド等で形成す
ることにより任意の所望形状の曲面を容易に形成するこ
とができ、製作も簡単である。なお、本例の撮像装置で
は、レンズ21,20がプリズム22から離れて形成さ
れているが、レンズ21,20を設けることなく収差を
除去することができるようにプリズム22,23、ミラ
ー24、可変形状鏡11を設計すれば、プリズム22,
23、可変形状鏡11は1つの光学ブロックとなり、組
立が容易となる。また、レンズ21,20、プリズム2
2,23、ミラー24の一部あるいは全部をガラスで作
製してもよく、このように構成すれば、さらに精度の良
い撮像装置が得られる。
【0027】なお、図11の例では、演算装置16、温
度センサー17、湿度センサー18、距離センサー19
を設け、温湿度変化、物体距離の変化等も可変形状鏡1
1で補償するようにしたが、そうではなくてもよい。つ
まり、演算装置16、温度センサー17、湿度センサー
18、距離センサー19を省き、観察者の視度変化のみ
を可変形状鏡11で補正するようにしてもよい。
【0028】次に、可変形状鏡11の別の構成について
述べる。
【0029】図12は本発明を適用し得る可変形状鏡1
1の他の例を示しており、この例では、薄膜11aと電
極11bとの間に圧電素子11cが介装されていて、こ
れらが支持台27上に設けられている。そして、圧電素
子11cに加わる電圧を各電極11b毎に変えることに
より、圧電素子11cに部分的に異なる伸縮を生じさせ
て、薄膜11aの形状を変えることができるようになっ
ている。電極11bの形は、図13に示すように、同心
分割であってもよいし、図14に示すように、矩形分割
であってもよく、その他、適宜の形のものを選択するこ
とができる。図12中、28は演算装置16に接続され
た振れ(ブレ)センサーであって、例えばデジタルカメ
ラの振れを検知し、振れによる像の乱れを補償するよう
に薄膜11aを変形させるべく、演算装置16及び可変
抵抗器12を介して電極11bに印加される電圧を変化
させる。このとき、温度センサー17、湿度センサー1
8及び距離センサー19からの信号も同時に考慮され、
ピント合わせ、温湿度補償等が行われる。この場合、薄
膜11aには圧電素子11cの変形に伴う応力が加わる
ので、薄膜11aの厚さはある程度厚めに作られて相応
の強度を持たせるようにするのが良い。
【0030】図15は本発明を適用し得る可変形状鏡1
1の更に他の実施例を示している。この例は、薄膜11
aと電極11bの間に介置される圧電素子が逆方向の圧
電特性を持つ材料で作られた2枚の圧電素子11c及び
11c’で構成されている点で、図12に示された例と
は異なる。すなわち、圧電素子11cと11c’が強誘
電性結晶で作られているとすれば、結晶軸の向きが互い
に逆になるように配置される。この場合、圧電素子11
cと11c’は電圧が印加されると逆方向に伸縮するの
で、薄膜11aを変形させる力が図12に示した例の場
合よりも強くなり、結果的にミラー表面の形を大きく変
えることができるという利点がある。
【0031】圧電素子11c,11c’に用いる材料と
しては、例えばチタン酸バリウム、ロッシエル塩、水
晶、電気石、リン酸二水素カリウム(KDP)、リン酸
二水素アンモニウム(ADP)、ニオブ酸リチウム等の
圧電物質、同物質の多結晶体、同物質の結晶、PbZr
3とPbTiO3の固溶体の圧電セラミックス、二フッ
化ポリビニール(PVDF)等の有機圧電物質、上記以
外の強誘電体等があり、特に有機圧電物質はヤング率が
小さく、低電圧でも大きな変形が可能であるので、好ま
しい。なお、これらの圧電素子を利用する場合、厚さを
不均一にすれば、上記の例において薄膜11aの形状を
適切に変形させることも可能である。
【0032】また、圧電素子11c,11c’の材質と
しては、ポリウレタン、シリコンゴム、アクリルエラス
トマー、PZT、PLZT、ポリフッ化ビニリデン(P
VDF)等の高分子圧電体、シアン化ビニリデン共重合
体、ビニリデンフルオライドとトリフルオロエチレンの
共重合体等が用いられる。圧電性を有する有機材料や、
圧電性を有する合成樹脂、圧電性を有するエラストマー
等を用いると可変形状鏡面の大きな変形が実現できてよ
い。
【0033】なお、図12、16の圧電素子11cに電
歪材料、例えば、アクリルエラストマー、シリコンゴム
等を用いる場合には、図12に破線で示すように、圧電
素子11cを別の基板11c−1と電歪材料11c−2
を貼り合わせた構造にしてもよい。
【0034】図16は本発明を適用し得る可変形状鏡1
1の更に他の例を示している。この例では、圧電素子1
1cが薄膜11aと電極11dとにより挟持され、薄膜
11aと電極11d間に演算装置16により制御される
駆動回路29を介して電圧が印加されるようになってお
り、さらにこれとは別に、支持台27上に設けられた電
極11bにも演算装置16により制御される駆動回路2
9を介して電圧が印加されるように構成されている。し
たがって、この例では、薄膜11aは電極11dとの間
に印加される電圧と電極11bに印加される電圧による
静電気力とにより二重に変形され得、上記の例に示した
何れのものよりもより多くの変形パターンが可能であ
り、かつ、応答性も速いという利点がある。
【0035】そして、薄膜11a、電極11d間の電圧
の符号を変えれば、可変形状鏡を凸面にも凹面にも変形
させることができる。その場合、大きな変形を圧電効果
で行ない、微細な形状変化を静電気力で行なうようにし
てもよい。また、凸面の変形には圧電効果を主に用い、
凹面の変形には静電気力を主に用いるようにしてもよ
い。なお、電極11dは電極11bのように複数の電極
から構成されてもよい。この様子を図16に示した。な
お、ここでは、圧電効果と電歪効果、電歪をすべてまと
めて圧電効果と述べている。従って、電歪材料も圧電材
料に含むものとする。
【0036】図17は本発明を適用し得る可変形状鏡1
1の更に他の例を示している。この例は、電磁気力を利
用して反射面の形状を変化させ得るようにしたもので、
支持台27の内部底面上には永久磁石30が、頂面上に
は窒化シリコン又はポリイミド等からなる基板11eの
周縁部が載置固定されており、基板11eの表面にはア
ルミニウム等の金属コートで作られた薄膜11aが付設
されていて、可変形状鏡11を構成している。基板11
eの下面には複数のコイル31が配設されており、これ
らのコイル31はそれぞれ駆動回路32を介して演算装
置16に接続されている。したがって、各センサー1
7,18,19,28からの信号によって演算装置16
において求められる光学系の変化に対応した演算装置1
6からの出力信号により、各駆動回路32から各コイル
31にそれぞれ適当な電流が供給されると、永久磁石3
0との間に働く電磁気力で各コイル31は反発又は吸着
され、基板11e及び薄膜11aを変形させる。
【0037】この場合、各コイル31はそれぞれ異なる
量の電流を流すようにすることもできる。また、コイル
31は1個でもよいし、永久磁石30を基板11eに付
設しコイル31を支持台27の内部底面側に設けるよう
にしても良い。また、コイル31はリソグラフィー等の
手法で作るとよく、さらに、コイル31には強磁性体よ
りなる鉄心を入れるようにしてもよい。
【0038】この場合、薄膜コイル31の巻密度を、図
18に示すように、場所によって変化させることによ
り、基板11e及び薄膜11aに所望の変形を与えるよ
うにすることもできる。また、コイル31は1個でも良
いし、また、これらのコイル31には強磁性体よりなる
鉄心を挿入しても良い。
【0039】図19は本発明を適用し得る可変形状鏡1
1の更に他の例を示している。この例では、基板11e
は鉄等の強磁性体で作られており、反射膜としての薄膜
11aはアルミニウム等からなっている。この場合、薄
膜コイルを設けなくても済むから、構造が簡単で、製造
コストを低減することが出来る。また、電源スイッチ1
5を切換え兼電源開閉用スイッチに置換すれば、コイル
31に流れる電流の方向を変えることができ、基板11
e及び薄膜11aの形状を自由に変えることができる。
図20はこの実施例におけるコイル31の配置を示し、
図21はコイル31の他の配置例を示しているが、これ
らの配置は、図17に示した実施例にも適用することが
できる。なお、図22は、図17に示した例において、
コイル31の配置を図21に示したようにした場合に適
する永久磁石30の配置を示している。すなわち、図2
2に示すように、永久磁石30を放射状に配置すれば、
図17に示した例に比べて、微妙な変形を基板11e及
び薄膜11aに与えることができる。また、このように
電磁気力を用いて基板11e及び薄膜11aを変形させ
る場合(図11及び図19の例)は、静電気力を用いた
場合よりも低電圧で駆動できるという利点がある。
【0040】以上いくつかの可変形状鏡の例を述べた
が、反射面の形を変形させるのに、図16の例に示すよ
うに、2種類以上の力を用いるようにしてもよい。つま
り静電気力、電磁力、圧電効果、磁歪、流体の圧力、電
場、磁場、温度変化、電磁波等のうちから2つ以上を同
時に用いて可変形状鏡の反射面を変形させても良い。つ
まり2つ以上の異なる駆動方法を用いて光学特性可変光
学素子を作れば、大きな変形と微細な変形とを同時に実
現でき、精度の良い鏡面が実現できる。
【0041】図23は、本発明を適用し得る可変形状鏡
11の更に他の例を用いた撮像系、例えば携帯電話のデ
ジタルカメラ、カプセル内視鏡、電子内視鏡、パソコン
用デジタルカメラ、PDA用デジタルカメラ等に用いら
れる撮像系の概略構成を示している。この撮像系は、可
変形状鏡11と、レンズ20と、固体撮像素子25と、
制御系32とで一つの撮像ユニット33を構成してい
る。この撮像ユニット33では、レンズ20を通った物
体からの光は可変形状鏡11で集光され、固体撮像素子
25の上に結像する。可変形状鏡11は、光学特性可変
光学素子の一種であり、可変焦点ミラーとも呼ばれてい
る。
【0042】この例によれば、物体距離が変わっても可
変形状鏡11を変形させることでピント合わせをするこ
とができ、レンズをモータ等で駆動する必要がなく、小
型化、軽量化、低消費電力化の点で優れている。また、
この撮像ユニット33は撮像系としてすべての例で用い
ることができる。また、可変形状鏡11を複数用いるこ
とでズーム、変倍の撮像系、光学系を作ることができ
る。なお、図23では、制御系32にコイルを用いたト
ランスの昇圧回路を含む制御系の構成例を示している。
特に積層型圧電トランスを用いると、小型化できてよ
い。昇圧回路は全ての電気を用いる可変形状鏡、可変焦
点レンズに用いることができるが、特に静電気力、圧電
効果を用いる場合の可変形状鏡、可変焦点レンズに有用
である。
【0043】図24は本発明を適用し得る可変形状鏡の
更に他の例に係る、マイクロポンプ34で流体35を出
し入れし、レンズ面を変形させる可変形状鏡36の概略
構成図である。この例によれば、レンズ面を大きく変形
させることが可能になるというメリットがある。マイク
ロポンプ34は、例えば、マイクロマシンの技術で作ら
れた小型のポンプで、電力で動くように構成されてい
る。流体35は、反射膜37と基板との間に挟まれてい
る。38は液溜である。マイクロマシンの技術で作られ
たポンプの例としては、熱変形を利用したもの、圧電材
料を用いたもの、静電気力を用いたものなどがある。
【0044】図25はマイクロポンプ34の一構成例を
示す概略図である。このマイクロポンプ43では、振動
板39は静電気力、圧電効果等の電気力により振動す
る。図25では静電気力により振動する例を示してお
り、図中、40,41は電極である。また、点線は変形
した時の振動板39を示している。振動板39の振動に
伴い、2つの弁42,43が開閉し、流体35を右から
左へ送るようになっている。
【0045】本例の可変形状鏡36では、反射膜37が
流体35の量に応じて凹凸に変形することで、可変形状
鏡として機能する。可変形状鏡36は流体35により駆
動される。流体としては、シリコンオイル、空気、水、
ゼリー、等の有機物、無機物を用いることができる。
【0046】なお、静電気力、圧電効果を用いた可変形
状鏡、可変焦点レンズなどにおいては、駆動用に高電圧
が必要になる場合がある。その場合には、例えば図24
に示すように、昇圧用のトランス、あるいは圧電トラン
ス等を用いて制御系を構成するとよい。また、反射用の
薄膜11aは、変形しない部分にも設けておくと、可変
形状鏡の形状を干渉計等で測定する場合に、基準面とし
て使うことができ便利である。
【0047】次に、本発明を適用し得る可変焦点レンズ
について説明する。図26は本発明を適用し得る可変焦
点レンズの原理的構成を示す図である。この可変焦点レ
ンズ44は、第1,第2の面としてのレンズ面45a,
45bを有する第1のレンズ45と、第3,第4の面と
してのレンズ面46a,46bを有する第2のレンズ4
6と、これらレンズ間に透明電極47,48を介して設
けた高分子分散液晶層49とを有し、入射光を第1,第
2のレンズ45,46を経て収束させるものである。透
明電極47,48は、スイッチ50を介して交流電源5
1に接続して、高分子分散液晶層49に交流電界を選択
的に印加するようにする。なお、高分子分散液晶層49
は、それぞれ液晶分子52を含む球状、多面体等の任意
の形状の多数の微小な高分子セル53を有して構成さ
れ、その体積は、高分子セル53を構成する高分子およ
び液晶分子52がそれぞれ占める体積の和に一致させて
ある。
【0048】ここで、高分子セル53の大きさは、例え
ば球状とする場合、その平均の直径Dを、使用する光の
波長をλとするとき、例えば、 2nm≦D≦λ/5 …(1) とする。すなわち、液晶分子52の大きさは、2nm程
度以上であるので、平均の直径Dの下限値は、2nm以
上とする。また、平均の直径Dの上限値は、可変焦点レ
ンズ44の光軸方向における高分子分散液晶層49の厚
さtにも依存するが、波長λに比べて大きいと、高分子
の屈折率と液晶分子52の屈折率との差により、高分子
セル53の境界面で光が散乱して高分子分散液晶層49
が不透明になってしまうため、後述するように、好まし
くはλ/5以下とする。可変焦点レンズが用いられる光
学製品によっては高精度を要求しない場合もあり、その
とき平均の直径Dは波長λ以下でよい。なお、高分子分
散液晶層49の透明度は、厚さtが厚いほど悪くなる。
【0049】また、液晶分子52としては、例えば、一
軸性のネマティック液晶分子を用いる。この液晶分子5
2の屈折率楕円体は、図27に示すような形状となり、 nox=noy=no …(2) である。ただし、noは常光線の屈折率、noxおよびn
oyは、常光線を含む面内での互いに直交する方向の屈折
率である。
【0050】ここで、図26に示すように、スイッチ5
0をオフ、すなわち高分子分散液晶層49に電界を印加
しない状態では、液晶分子52が様々な方向を向いてい
るので、入射光に対する高分子分散液晶層49の屈折率
は高く、屈折力の強いレンズとなる。これに対し、図2
8に示すように、スイッチ50をオンとして高分子分散
液晶層49に交流電界を印加すると、液晶分子52は、
屈折率楕円体の長軸方向が可変焦点レンズ44の光軸と
平行となるように配向するので、屈折率が低くなり、屈
折力の弱いレンズとなる。
【0051】なお、高分子分散液晶層49に印加する電
圧は、例えば、図29に示すように、可変抵抗器54に
より段階的あるいは連続的に変化させることもできる。
このようにすれば、印加電圧が高くなるにつれて、液晶
分子52は、その楕円長軸が徐々に可変焦点レンズ44
の光軸と平行となるように配向するので、屈折力を段階
的あるいは連続的に変えることができる。
【0052】ここで、図26に示す状態、すなわち高分
子分散液晶層49に電界を印加しない状態での、液晶分
子52の平均屈折率nLC’は、図27に示すように屈折
率楕円体の長軸方向の屈折率をnzとすると、およそ (nox+noy+nZ)/3≡nLC’ …(3) となる。また、上記(2)式が成り立つときの平均屈折率
LCは、nzを異常光線の屈折率neと表して、 (2no+ne)/3≡nLC …(4) で与えられる。このとき、高分子分散液晶層49の屈折
率nAは、高分子セル53を構成する高分子の屈折率を
Pとし、高分子分散液晶層49の体積に占める液晶分
子52の体積の割合をffとすると、マックスウェル・
ガーネットの法則により、 nA=ff・nLC’+(1−ff)nP …(5) で与えられる。
【0053】したがって、図29に示すように、レンズ
45および46の内側の面、すなわち高分子分散液晶層
49側の面の曲率半径を、それぞれR1およびR2とする
と、可変焦点レンズ44の焦点距離f1は、 1/f1=(nA−1)(1/R1−1/R2) …(6) で与えられる。なお、R1およびR2は、曲率中心が像点
側にあるとき、正とする。また、レンズ45および46
の外側の面による屈折は除いている。つまり、高分子分
散液晶層49のみによるレンズの焦点距離が、(6)式で
与えられる。
【0054】また、常光線の平均屈折率を、 (nox+noy)/2=no’ …(7) とすれば、図28に示す状態、すなわち高分子分散液晶
層49に電界を印加した状態での、高分子分散液晶層4
9の屈折率nBは、 nB=ff・no’+(1−ff)nP …(8) で与えられるので、この場合の高分子分散液晶層49の
みによるレンズの焦点距離f2は、 1/f2=(nB−1)(1/R1−1/R2) …(9) で与えられる。なお、高分子分散液晶層49に、図28
におけるよりも低い電圧を印加する場合の焦点距離は、
(6)式で与えられる焦点距離f1と、(9)式で与えられる
焦点距離f2との間の値となる。
【0055】上記(6)および(9)式から、高分子分散液晶
層49による焦点距離の変化率は、 |(f2−f1)/f2|=|(nB−nA)/(nB−1)| …(10) で与えられる。したがって、この変化率を大きくするに
は、|nB−nA|を大きくすればよい。ここで、 nB−nA=ff(no’−nLC’) …(11) であるから、|no’−nLC’|を大きくすれば、変化
率を大きくすることができる。実用的には、nBが、
1.3〜2程度であるから、 0.01≦|no’−nLC’|≦10 …(12) とすれば、ff=0.5のとき、高分子分散液晶層49
による焦点距離を、0.5%以上変えることができるの
で、効果的な可変焦点レンズを得ることができる。な
お、|no’−nLC’|は、液晶物質の制限から、10
を越えることはできない。
【0056】次に、上記(1)式の上限値の根拠について
説明する。「Solar Energy Materials and Solar Cell
s」31巻,Wilson and Eck,1993, Eleevier Science Publ
ishersB.v.発行の第197 〜214 頁、「Transmission var
iation using scattering/transparent switching film
s 」には、高分子分散液晶の大きさを変化させたときの
透過率τの変化が示されている。そして、かかる文献の
第206 頁、図6には、高分子分散液晶の半径をrとし、
t=300μm、ff=0.5、nP =1.45、nLC
=1.585、λ=500nmとするとき、透過率τ
は、理論値で、r=5nm(D=λ/50、D・t=λ
・6μm(ただし、Dおよびλの単位はnm、以下も同
じ))のときτ≒90%となり、r=25nm(D=λ
/10)のときτ≒50%になることが示されている。
【0057】ここで、例えば、t=150μmの場合を
推定してみると、透過率τがtの指数関数で変化すると
仮定して、t=150μmの場合の透過率τを推定して
みると、r=25nm(D=λ/10、D・t=λ・1
5μm)のときτ≒71%となる。また、t=75μm
の場合は、同様に、r=25nm(D=λ/10、D・
t=λ・7.5μm)のときτ≒80%となる。
【0058】これらの結果から、 D・t≦λ・15μm …(13) であれば、τは70%〜80%以上となり、レンズとし
て十分実用になる。したがって、例えば、t=75μm
の場合は、D≦λ/5で、十分な透過率が得られること
になる。
【0059】また、高分子分散液晶層49の透過率は、
Pの値がnLC’の値に近いほど良くなる。一方、no
とnPとが異なる値になると、高分子分散液晶層49の
透過率は悪くなる。図26の状態と図28の状態とで、
平均して高分子分散液晶層49の透過率が良くなるの
は、 nP=(no’+nLC’)/2 …(14) を満足するときである。
【0060】ここで、可変焦点レンズ44は、レンズと
して使用するものであるから、図26の状態でも、図2
8の状態でも、透過率はほぼ同じで、かつ高い方が良
い。そのためには、高分子セル53を構成する高分子の
材料および液晶分子52の材料に制限があるが、実用的
には、 no’≦nP≦nLC’ …(15) とすればよい。
【0061】上記(14)式を満足すれば、上記(13)式は、
さらに緩和され、 D・t≦λ・60μm …(16) であれば良いことになる。なぜなら、フレネルの反射則
によれば、反射率は屈折率差の2乗に比例するので、高
分子セル53を構成する高分子と液晶分子52との境界
での光の反射、すなわち高分子分散液晶層49の透過率
の減少は、およそ上記の高分子と液晶分子52との屈折
率の差の2乗に比例するからである。
【0062】以上は、no’≒1.45、nLC’≒1.
585の場合であったが、より一般的に定式化すると、 D・t≦λ・15μm・(1.585−1.45)2/(nu−nP2 …(17) であればよい。ただし、(nu−nP2は、(nLC’−
P2と(no’−nP2とのうち、大きい方である。
【0063】また、可変焦点レンズ44の焦点距離変化
を大きくするには、ffの値が大きい方が良いが、ff
=1では、高分子の体積がゼロとなり、高分子セル53
を形成できなくなるので、 0.1≦ff≦0.999 …(18) とする。一方、ffは、小さいほどτは向上するので、
上記(17)式は、好ましくは、 4×10-6〔μm〕2≦D・t≦λ・45μm・(1.585−1.45)2/(nu−nP)2…(19) とする。なお、tの下限値は、図26から明らかなよう
に、t=Dで、Dは、上述したように2nm以上である
ので、D・tの下限値は、(2×10-3μm)2、すな
わち4×10-6〔μm〕2となる。
【0064】なお、物質の光学特性を屈折率で表す近似
が成り立つのは、「岩波科学ライブラリー8 小惑星が
やってくる」向井正著,1994,岩波書店発行の第58頁に
記載されているように、Dが10nm〜5nmより大き
い場合である。また、Dが500λを越えると、光の散
乱は幾何学的となり、高分子セル518を構成する高分
子と液晶分子517との界面での光の散乱がフレネルの
反射式に従って増大するので、Dは、実用的には、 7nm≦D≦500λ …(20) とする。
【0065】図30は、図29に示す可変焦点レンズ4
4を用いるデジタルカメラ用の撮像光学系の構成を示す
ものである。この撮像光学系においては、物体(図示せ
ず)の像を、絞り55、可変焦点レンズ44およびレン
ズ56を介して、例えばCCDよりなる固体撮像素子5
7上に結像させる。なお、図30では、液晶分子の図示
を省略してある。
【0066】かかる撮像光学系によれば、可変抵抗器5
4により可変焦点レンズ44の高分子分散液晶層49に
印加する交流電圧を調整して、可変焦点レンズ44の焦
点距離を変えることより、可変焦点レンズ44およびレ
ンズ56を光軸方向に移動させることなく、例えば、無
限遠から600mmまでの物体距離に対して、連続的に
合焦させることが可能となる。
【0067】図31は本発明を適用し得る可変焦点回折
光学素子の一例の構成を示す図である。この可変焦点回
折光学素子58は、平行な第1,第2の面59a,59
bを有する第1の透明基板59と、光の波長オーダーの
溝深さを有する断面鋸歯波状のリング状回折格子を形成
した第3の面60aおよび平坦な第4の面60bを有す
る第2の透明基板60とを有し、入射光を第1,第2の
透明基板59,60を経て出射させるものである。第
1,第2の透明基板59,60間には、図26で説明し
たのと同様に、透明電極47,48を介して高分子分散
液晶層49を設け、透明電極47,48をスイッチ50
を経て交流電源51に接続して、高分子分散液晶層49
に交流電界を印加するようにする。
【0068】かかる構成において、可変焦点回折光学素
子58に入射する光線は、第3の面60aの格子ピッチ
をpとし、mを整数とすると、 psinθ=mλ …(21) を満たす角度θだけ偏向されて出射される。また、溝深
さをh、透明基板60の屈折率をn60とし、kを整数と
すると、 h(nA−n60)=mλ …(22) h(nB−n60)=kλ …(23) を満たせば、波長λで回折効率が100%となり、フレ
アの発生を防止することができる。
【0069】ここで、上記(22)および(23)式の両辺の差
を求めると、 h(nA−nB)=(m−k)λ …(24) が得られる。したがって、例えば、λ=500nm、n
A=1.55、nB=1.5とすると、 0.05h=(m−k)・500nm となり、m=1,k=0とすると、 h=10000nm=10μm となる。この場合、透明基板60の屈折率n60は、上記
(22)式から、n60=1.5であればよい。また、可変焦
点回折光学素子58の周辺部における格子ピッチpを1
0μmとすると、θ≒2.87°となり、Fナンバーが
10のレンズを得ることができる。
【0070】かかる、可変焦点回折光学素子58は、高
分子分散液晶層49への印加電圧のオン・オフで光路長
が変わるので、例えば、レンズ系の光束が平行でない部
分に配置して、ピント調整を行うのに用いたり、レンズ
系全体の焦点距離等を変えるのに用いることができる。
【0071】なお、この実施形態において、上記(22)〜
(24)式は、実用上、 0.7mλ≦h(nA−n33)≦1.4mλ …(25) 0.7kλ≦h(nB−n33)≦1.4kλ …(26) 0.7(m−k)λ≦h(nA−nB)≦1.4(m−k)λ …(27) を満たせば良い。
【0072】また、ツイストネマティック液晶を用いる
可変焦点レンズもある。図32および図33は、この場
合の可変焦点眼鏡61の構成を示すものであり、可変焦
点レンズ62は、レンズ63および64と、これらレン
ズの内面上にそれぞれ透明電極65,66を介して設け
た配向膜67,68と、これら配向膜間に設けたツイス
トネマティック液晶層69とを有して構成し、その透明
電極65,66を可変抵抗器54を経て交流電源51に
接続して、ツイストネマティック液晶層69に交流電界
を印加するようにする。
【0073】かかる構成において、ツイストネマティッ
ク液晶層69に印加する電圧を高くすると、液晶分子7
0は、図32に示すようにホメオトロピック配向とな
り、図33に示す印加電圧が低いツイストネマティック
状態の場合に比べて、ツイストネマティック液晶層69
の屈折率は小さくなり、焦点距離が長くなる。
【0074】ここで、図32に示すツイストネマティッ
ク状態における液晶分子70の螺旋ピッチPは、光の波
長λに比べて同じ程度か十分小さくする必要があるの
で、例えば、 2nm≦P≦2λ/3 …(28) とする。なお、この条件の下限値は、液晶分子の大きさ
で決まり、上限値は、入射光が自然光の場合に、図33
の状態でツイストネマティック液晶層69が等方媒質と
して振る舞うために必要な値であり、この上限値の条件
を満たさないと、可変焦点レンズ62は偏光方向によっ
て焦点距離の異なるレンズとなり、これがため二重像が
形成されてぼけた像しか得られなくなる。
【0075】図34(A)は、本発明を適用し得る可変偏角
プリズムの構成を示すものである。この可変偏角プリズ
ム71は、第1,第2の面72a,72bを有する入射
側の第1の透明基板72と、第3,第4の面73a,7
3bを有する出射側の平行平板状の第2の透明基板73
とを有する。入射側の透明基板72の内面(第2の面)
72bはフレネル状に形成し、この透明基板72と出射
側の透明基板73との間に、図26で説明したのと同様
に、透明電極47,48を介して高分子分散液晶層49
を設ける。透明電極47,48は、可変抵抗器54を経
て交流電源51に接続され、これにより高分子分散液晶
層49に交流電界を印加して、可変偏角プリズム71を
透過する光の偏角を制御するようにする。なお、図34
(A)では、透明基板72の内面722bをフレネル状に
形成したが、例えば、図34(B)に示すように、透明基
板72および73の内面を相対的に傾斜させた傾斜面を
有する通常のプリズム状に形成することもできるし、あ
るいは図35に示した回折格子状に形成することもでき
る。回折格子状に形成する場合には、上記の(21)〜(27)
式が同様にあてはまる。
【0076】かかる構成の可変偏角プリズム71は、例
えば、TVカメラ、デジタルカメラ、フィルムカメラ、
双眼鏡等のブレ防止用として有効に用いることができ
る。この場合、可変偏角プリズム71の屈折方向(偏向
方向)は、上下方向とするのが望ましいが、さらに性能
を向上させるためには、2個の可変偏角プリズム71を
偏向方向を異ならせて、例えば図35に示すように、上
下および左右の直交する方向で屈折角を変えるように配
置するのが望ましい。なお、図34および図35では、
液晶分子の図示を省略してある。
【0077】図36は本発明を適用し得る可変焦点レン
ズとしての可変焦点ミラーを示すものである。この可変
焦点ミラー74は、第1,第2の面75a,75bを有
する第1の透明基板75と、第3,第4の面76a,7
6bを有する第2の透明基板76とを有する。第1の透
明基板75は、平板状またはレンズ状に形成して、内面
(第2の面)75bに透明電極47を設け、第2の透明
基板76は、内面(第3の面)76aを凹面状に形成し
て、該凹面上に反射膜77を施し、さらにこの反射膜7
7上に透明電極48を設ける。透明電極47,48間に
は、図26で説明したのと同様に、高分子分散液晶層4
9を設け、これら透明電極47,48をスイッチ50お
よび可変抵抗器54を経て交流電源51に接続して、高
分子分散液晶層49に交流電界を印加するようにする。
なお、図36では、液晶分子の図示を省略してある。
【0078】かかる構成によれば、透明基板75側から
入射する光線は、反射膜77により高分子分散液晶層4
9を折り返す光路となるので、高分子分散液晶層49の
作用を2回もたせることができると共に、高分子分散液
晶層49への印加電圧を変えることにより、反射光の焦
点位置を変えることができる。この場合、可変焦点ミラ
ー74に入射した光線は、高分子分散液晶層49を2回
透過するので、高分子分散液晶層49の厚さの2倍をt
とすれば、上記の各式を同様に用いることができる。な
お、透明基板75または76の内面を、図34に示した
ように回折格子状にして、高分子分散液晶層49の厚さ
を薄くすることもできる。このようにすれば、散乱光を
より少なくできる利点がある。
【0079】なお、以上の説明では、液晶の劣化を防止
するため、電源として交流電源51を用いて、液晶に交
流電界を印加するようにしたが、直流電源を用いて液晶
に直流電界を印加するようにすることもできる。また、
液晶分子の方向を変える方法としては、電圧を変化させ
ること以外に、液晶にかける電場の周波数、液晶にかけ
る磁場の強さ・周波数、あるいは液晶の温度等を変化さ
せることによってもよい。以上に示した実施形態におい
て、高分子分散液晶は液状ではなく固体に近いものもあ
るので、その場合はレンズ45,46の一方、透明基板
59、レンズ60、レンズ63,64の一方、図34
(A)における透明基板73、図34(B)における透明基板
72,73の一方、透明基板75,76の一方はなくて
もよい。
【0080】図37は本発明を適用し得る更に他の例に
係る、可変焦点レンズ78を用いた撮像ユニット79の
概略構成図である。本例では、レンズ80と可変焦点レ
ンズ78とで、撮像レンズを構成している。そして、こ
の撮像レンズと固体撮像素子57とで撮像ユニット79
を構成している。可変焦点レンズ78は、透明部材81
と圧電性のある合成樹脂等の柔らかい透明物質82と
で、光を透過する流体あるいはゼリー状物質83を挟ん
で構成されている。
【0081】流体あるいはゼリー状物質83としては、
シリコンオイル、弾性ゴム、ゼリー、水等を用いること
ができる。透明物質82の両面には透明電極84が設け
られており、回路85を介して電圧を加えることで、透
明物質82の圧電効果により透明物質82が変形し、可
変焦点レンズ78の焦点距離が変わるようになってい
る。従って、本実施例によれば、物体距離が変わった場
合でも光学系をモーター等で動かすことなくフォーカス
ができ、小型、軽量、消費電力が少ない点で優れてい
る。
【0082】なお、図37中、86は流体をためるシリ
ンダーである。また、透明物質82の材質としては、ポ
リウレタン、シリコンゴム、アクリルエラストマー、P
ZT、PLZT、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等
の高分子圧電体、シアン化ビニリデン共重合体、ビニリ
デンフルオライドとトリフルオロエチレンの共重合体等
が用いられる。圧電性を有する有機材料や、圧電性を有
する合成樹脂、圧電性を有するエラストマー等を用いる
と可変焦点レンズ面の大きな変形が実現できてよい。可
変焦点レンズには透明な圧電材料を用いるとよい。
【0083】なお、図37の例で、可変焦点レンズ78
は、シリンンダー86を設けるかわりに、図38に示す
ように、支援部材87を設けてシリンダー86を省略し
た構造にしてもよい。支援部材87は、間に透明電極8
4を挟んで、透明物質82の一部の周辺部分を固定して
いる。本例によれば、透明物質82に電圧をかけること
によって、透明物質82が変形しても、図39に示すよ
うに、可変焦点レンズ78全体の体積が変わらないよう
に変形するため、シリンダー86が不要になる。なお、
図38、39中、88は変形可能な部材で、弾性体、ア
コーディオン状の合成樹脂または金属等でできている。
【0084】図37、図38に示す例では、電圧を逆に
印加すると透明物質82は逆向きに変形するので凹レン
ズにすることも可能である。なお、透明物質82に電歪
材料、例えば、アクリルエラストマー、シリコンゴム等
を用いる場合は、透明物質82を透明基板と電歪材料を
貼り合わせた構造にするとよい。
【0085】図40は本発明を適用し得る可変焦点レン
ズの更に他の例に係る、マイクロポンプ89で流体90
を出し入れし、レンズ面を変形させる可変焦点レンズ7
8の概略構成図である。マイクロポンプ89は、例え
ば、マイクロマシンの技術で作られた小型のポンプで、
電力で動くように構成されている。流体90は、透明基
板91と、弾性体92との間に挟まれている。図40
中、93は弾性体92を保護するための透明基板で、設
けなくてもよい。マイクロマシンの技術で作られたポン
プの例としては、熱変形を利用したもの、圧電材料を用
いたもの、静電気力を用いたものなどがある。
【0086】そして、図24で示したようなマイクロポ
ンプ34を、例えば、図40に示す可変焦点レンズ78
に用いるマイクロポンプ89のように、2つ用いればよ
い。
【0087】なお、静電気力、圧電効果を用いた可変焦
点レンズなどにおいては、駆動用に高電圧が必要になる
場合がある。その場合には、昇圧用のトランス、あるい
は圧電トランス等を用いて制御系を構成するとよい。特
に積層型圧電トランスを用いると小型にできてよい。
【0088】図41は本発明を適用し得る光学特性可変
光学素子の他の例であって圧電材料94を用いた可変焦
点レンズ78の概略構成図である。圧電材料94には透
明物質82と同様の材料が用いられており、圧電材料9
4は、透明で柔らかい基板95の上に設けられている。
なお、この基板95には、合成樹脂、有機材料を用いる
のが望ましい。本例においては、2つの透明電極84を
介して電圧を圧電材料94に加えることで圧電材料94
は変形し、図41において凸レンズとしての作用を持っ
ている。
【0089】なお、基板95の形をあらかじめ凸状に形
成しておき、かつ、2つの透明電極84のうち、少なく
とも一方の電極の大きさを基板95と異ならせておく、
例えば、一方の透明電極84を基板95よりも小さくし
ておくと、電圧を切ったときに、図42に示すように、
2つの透明電極84が対向する所定部分だけが凹状に変
形して凹レンズの作用を持つようになり、可変焦点レン
ズとして動作する。このとき基板95は、流体90の体
積が変化しないように変形するので、液溜38が不要に
なるというメリットがある。
【0090】本例では、流体90を保持する基板の一部
分を圧電材料で変形させて、液溜38を不要としたとこ
ろに大きなメリットがある。なお、図41の例にも言え
ることであるが、透明基板91,93はレンズとして構
成しても、或いは平面で構成してもよい。
【0091】図43は本発明を適用し得る光学特性可変
光学素子の更に他の例であって圧電材料からなる2枚の
薄板94A,94Bを用いた可変焦点レンズの概略構成
図である。本例の可変焦点レンズは、薄板94Aと94
Bの材料の方向性を反転させることで、変形量を大きく
し、大きな可変焦点範囲が得られるというメリットがあ
る。なお、図43中、96はレンズ形状の透明基板であ
る。本例においても、紙面の右側の透明電極84は基板
95よりも小さく形成されている。
【0092】なお、図41〜図43に示された例におい
て、基板95、薄板94,94A,94Bの厚さを不均
一にして、電圧を掛けたときの変形のさせかたをコント
ロールしてもよい。そのようにすれば、レンズの収差補
正等もすることができ、便利である。
【0093】図44は本発明を適用し得る可変焦点レン
ズの更に他の実施例を示す概略構成図である。本実施例
の可変焦点レンズ78は、例えばシリコンゴムやアクリ
ルエラストマー等の電歪材料97を用いて構成されてい
る。本実施例の構成によれば、電圧が低いときには、図
44に示すように、凸レンズとして作用し、電圧を上げ
ると、図45に示すように、電歪材料97が上下方向に
伸びて左右方向に縮むので、焦点距離が伸びる。従っ
て、可変焦点レンズとして動作する。本例の可変焦点レ
ンズによれば、大電源を必要としないので消費電力が小
さくて済むというメリットがある。
【0094】図46は本発明を適用し得る光学特性可変
光学素子のさらに他の例であってフォトニカル効果を用
いた可変焦点レンズの概略構成図である。本例の可変焦
点レンズ78は、透明弾性体98,99でアゾベンゼン
100が挟まれており、アゾベンゼン100には、透明
なスペーサー101を経由して紫外光が照射されるよう
になっている。図46中、102,103はそれぞれ中
心波長がλ1,λ2の例えば紫外LED、紫外半導体レー
ザー等の紫外光源である。
【0095】本例において、中心波長がλ1の紫外光が
図47(A)に示すトランス型のアゾベンゼンに照射され
ると、アゾベンゼン210は、図47(B)に示すシス型
に変化して体積が減少する。このため、可変焦点レンズ
78の形状は薄くなり、凸レンズ作用が減少する。一
方、中心波長がλ2の紫外光がシス型のアゾベンゼン1
00に照射されると、アゾベンゼン100はシス型から
トランス型に変化して、体積が増加する。このため、可
変焦点レンズ78の形状は厚くなり、凸レンズ作用が増
加する。このようにして、本例の光学素子は可変焦点レ
ンズとして作用する。また、可変焦点レンズ78では、
透明弾性体98,99の空気との境界面で紫外光が全反
射するので外部に光がもれず、効率がよい。
【0096】以上述べた各例の可変焦点レンズにおいて
は、透明電極84等は複数に分割されていてもよい。そ
して、分割された透明電極のそれぞれに異なる電圧を加
えることによって、光学装置のピント合わせ、ズーム、
変倍のみならず、振れ補正、製造誤差による光学性能の
低下の補償、収差の補正等が可能になる。
【0097】次に、本発明を適用し得る可変焦点レンズ
に用いる透明電極の分割例を図48〜51を用いて説明
する。図48の例は、透明電極84を同心状に分割した
例を示している。周辺部にいくほど輪帯の幅が狭くなっ
ている。これは収差を補正しやすくするためである。
【0098】図49の例は、輪帯をさらに分割したもの
で、電極の境界線が3つずつ一点に集まるように分けて
ある部分を含んでいる。このようにすると、圧電材料9
4の形状が滑らかに変化するので収差の少ないレンズが
得られる。
【0099】図50の例は、透明電極84を6角形に分
割したもので、上記と同様の理由により電極の境界線が
3つずつ一点で集まるように分けてある部分を含んでい
る。
【0100】なお、図48、49の例においてそれぞれ
分割された一つ一つの電極84A、84B、84C……
は、ほぼ同じ面積にした方が収差補正上有利である。こ
のため、分割された電極のうち最も面積の大きい電極と
最も面積の小さい電極との面積比は100:1以内に抑
えるのがよい。また、電極分割の配列は、図48、4
9、50の例のように、対称の中心の電極84Aを包む
ようにすると円形レンズの場合、特に収差補正上有利と
なる。また、一点に集まる透明電極の境界線が相互にな
す角が90°よりも大きくなるようにしてもよい。ま
た、図51の例に示すように、電極の分割は格子状にし
てもよい。このような分割形態にすれば、簡単に製作で
きるというメリットがある。
【0101】また、光学系の収差或いは振れを充分に補
正するには、透明分割電極84A、84B,84Cの個数
は多い方が良く、2次収差を補正するためには最低7個
の分割電極、3次収差を補正するためには最低9個の分
割電極、4次収差を補正するためには最低13個の分割
電極、5次収差を補正するためには最低16個の分割電
極、7次収差を補正するためには最低25個の分割電極
が必要となる。なお、2次収差とは、ティルト、非点収
差、コマ収差のx方向,y方向の2方向の成分である。
ただし、低コストの商品では最低でも3つの分割電極が
あれば、大きな収差又は大きな振れは補正できる。
【0102】最後に、本発明で用いる用語の定義を述べ
ておく。
【0103】光学装置とは、光学系あるいは光学素子を
含む装置のことである。光学装置単体で機能しなくても
よい。つまり、装置の一部でもよい。
【0104】光学装置には、撮像装置、観察装置、表示
装置、照明装置、信号処理装置等が含まれる。
【0105】撮像装置の例としては、フィルムカメラ、
デジタルカメラ、ロボットの眼、レンズ交換式デジタル
一眼レフカメラ、テレビカメラ、動画記録装置、電子動
画記録装置、カムコーダ、VTRカメラ、電子内視鏡等
がある。デジカメ、カード型デジカメ、テレビカメラ、
VTRカメラ、動画記録カメラなどはいずれも電子撮像
装置の一例である。
【0106】観察装置の例としては、顕微鏡、望遠鏡、
眼鏡、双眼鏡、ルーペ、ファイバースコープ、ファイン
ダー、ビューファインダー等がある。
【0107】表示装置の例としては、液晶ディスプレ
イ、ビューファインダー、ゲームマシン(ソニー社製プ
レイステーション)、ビデオプロジェクター、液晶プロ
ジェクター、頭部装着型画像表示装置(head mo
unted display:HMD)、PDA(携帯
情報端末)、携帯電話等がある。
【0108】照明装置の例としては、カメラのストロ
ボ、自動車のヘッドライト、内視鏡光源、顕微鏡光源等
がある。
【0109】信号処理装置の例としては、携帯電話、パ
ソコン、ゲームマシン、光ディスクの読取・書込装置、
光計算機の演算装置等がある。
【0110】撮像素子は、例えばCCD、撮像管、固体
撮像素子、写真フィルム等を指す。また、平行平面板は
プリズムの1つに含まれるものとする。観察者の変化に
は、視度の変化を含むものとする。被写体の変化には、
被写体となる物体距離の変化、物体の移動、物体の動
き、振動、物体のぶれ等を含むものとする。
【0111】拡張曲面の定義は以下の通りである。球
面、平面、回転対称非球面のほか、光軸に対して偏心し
た球面、平面、回転対称非球面、あるいは対称面を有す
る非球面、対称面を1つだけ有する非球面、対称面のな
い非球面、自由曲面、微分不可能な点、線を有する面
等、いかなる形をしていても良い。反射面でも、屈折面
でも、光になんらかの影響を与えうる面ならば良い。上
述の各例では、これらを総称して拡張曲面と呼ぶことに
する。
【0112】光学特性可変光学素子とは、可変焦点レン
ズ、可変形状鏡、面形状の変わる偏光プリズム、頂角可
変プリズム、光偏向作用の変わる可変回折光学素子、つ
まり可変HOE,可変DOE等を含む。
【0113】可変焦点レンズには、焦点距離が変化せ
ず、収差量が変化するような可変レンズも含むものとす
る。可変形状鏡についても同様である。要するに、光学
素子で、光の反射、屈折、回折等の光偏向作用が変化し
うるものを光学特性可変光学素子と呼ぶ。
【0114】情報発信装置とは、携帯電話、固定式の電
話、ゲームマシン、テレビ、ラジカセ、ステレオ等のリ
モコンや、パソコン、パソコンのキーボード、マウス、
タッチパネル等の何らかの情報を入力し、送信すること
ができる装置を指す。撮像装置のついたテレビモニタ
ー、パソコンのモニター、デイスプレも含むものとす
る。情報発信装置は、信号処理装置の中に含まれる。
【0115】
【発明の効果】上述の如く本発明によれば、可変形状鏡
の電極間の静電容量から反射面の変位を精度良く検出す
ることができ、これをフィードバックすることにより可
変形状鏡の形状を高精度に制御することの可能な可変形
状鏡装置を提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明に係る可変形状鏡の第1実施例と
静電容量検出回路を含む電子回路部を備えた、反射面兼
上部電極を含む上部基板と電圧制御回路及び高周波重畳
回路を含む電子回路部を備えた、静電容量検出電極を兼
ねた制御電極を含む下部基板とを離間させて示した斜視
図である。
【図2】図1のII-IIに沿う断面図である。
【図3】電子回路部に備えられた電圧制御回路と高周波
重畳回路及び静電容量検出回路と上部電極及び制御電極
との相互の接続関係を略示したブロック図である。
【図4】電圧制御回路の一例を示す配線図である。
【図5】本発明に係る高周波重畳回路と静電容量検出回
路の上記一実施例の等価回路図である。
【図6】本発明の第2実施例を示しており、図6(a)
は下部基板の平面図、図6(b)は図6(a)のVI-VI線
断面図である。
【図7】第2実施例において定電圧と高周波電源を一体
に構成した場合の各要素の接続を示す等価回路図であ
る。
【図8】第2実施例において定電圧源と高周波電源を別
体に構成した場合の各要素の接続を示す等価回路図であ
る。
【図9】本発明の第3実施例を示しており、図9(a)
は下部基板の平面図、図9(b)は図9(a)のIX-IX線
断面図である。
【図10】第3実施例における各要素の接続を示す等価
回路図である。
【図11】本発明を適用し得る光学特性ミラーを用いた
デジタルカメラのケプラー式ファインダーの概略構成図
である。
【図12】本発明を適用し得る可変形状鏡の他の例を示
す概略構成図である。
【図13】図12に示した可変形状鏡に用いる電極の一
形態を示す説明図である。
【図14】図12に示した可変形状鏡に用いる電極の他
の形態を示す説明図である。
【図15】本発明を適用し得る可変形状鏡の更に他の例
を示す概略構成図である。
【図16】本発明を適用し得る可変形状鏡の更に他の例
を示す概略構成図である。
【図17】本発明を適用し得る可変形状鏡の更に他の例
を示す概略構成図である。
【図18】図17に示した可変形状鏡における薄膜コイ
ルの巻密度の状態を示す説明図である。
【図19】本発明を適用し得る可変形状鏡の更に他の例
を示す概略構成図である。
【図20】図19に示した可変形状鏡におけるコイルの
一配置例を示す説明図である。
【図21】図19に示した可変形状鏡におけるコイルの
他の配置例を示す説明図である。
【図22】図19に示した例において、コイルの配置を
図21に示したようにした場合に適する永久磁石の配置
を示す説明図である。
【図23】本発明を適用し得る可変形状鏡を用いた撮像
系、例えば携帯電話のデジタルカメラ、カプセル内視
鏡、電子内視鏡、パソコン用デジタルカメラ、PDA用
デジタルカメラ等に用いられる撮像系の概略構成図であ
る。
【図24】本発明を適用し得る可変形状鏡の更に他の例
に係る、マイクロポンプで流体を出し入れし、レンズ面
を変形させる可変形状鏡の概略構成図である。
【図25】図24に示したマイクロポンプの一具体例を
示す概略構成図である。
【図26】本発明を適用し得る可変焦点レンズの一例の
原理的構成を示す図である。
【図27】一軸性のネマティック液晶分子の屈折率楕円
体を示す図である。
【図28】図26に示す高分子分散液晶層に電界を印加
した状態を示す図である。
【図29】図26に示す高分子分散液晶層への印加電圧
を可変にする場合の一例の構成を示す図である。
【図30】本発明を適用し得る可変焦点レンズを用いる
デジタルカメラ用の撮像光学系の一例の構成を示す図で
ある。
【図31】本発明を適用し得る可変焦点回折光学素子の
一例の構成を示す図である。
【図32】本発明を適用し得るツイストネマティック液
晶を用いた可変焦点レンズを有する可変焦点眼鏡の構成
を示す図である。
【図33】図32に示すツイストネマティック液晶層へ
の印加電圧を高くした時の液晶分子の配向状態を示す図
である。
【図34】本発明を適用し得る可変偏角プリズムの二つ
の例の構成を示す図である。
【図35】図34に示す可変偏角プリズムの使用状態を
説明するための図である。
【図36】本発明を適用し得る可変焦点レンズとしての
可変焦点ミラーの一例の構成を示す図である。
【図37】本発明を適用し得る更に他の例に係る、可変
焦点レンズを用いた撮像ユニットの概略構成図である。
【図38】図37に示した例における可変焦点レンズの
変形例を示す説明図である。
【図39】図38に示した可変焦点レンズが変形した状
態を示す説明図である。
【図40】本発明を適用し得る可変焦点レンズの更に他
の例に係る、マイクロポンプで流体を出し入れし、レン
ズ面を変形させる可変焦点レンズの概略構成図である。
【図41】本発明を適用し得る光学特性可変光学素子の
他の例であって圧電材料を用いた可変焦点レンズの概略
構成図である。
【図42】図41の変形例に係る可変焦点レンズの状態
説明図である。
【図43】本発明を適用し得る光学特性可変光学素子の
更に他の例であって圧電材料からなる2枚の薄板を用い
た可変焦点レンズの概略構成図である。
【図44】本発明を適用し得る可変焦点レンズの更に他
の例を示す概略構成図である。
【図45】図44に示した例に係る可変焦点レンズの状
態説明図である。
【図46】本発明を適用し得る光学特性可変光学素子の
更に他の例であって、フォトニカル効果を用いた可変焦
点レンズの概略構成図である。
【図47】図46に示した可変焦点レンズに用いるアゾ
ベンゼンの構造を示す説明図であり、(A)はトランス
型、(B)はシス型を示している。
【図48】本発明を適用し得る可変焦点レンズに用いる
透明電極の一分割例を示す説明図である。
【図49】本発明を適用し得る可変焦点レンズに用いる
透明電極の他の分割例を示す説明図である。
【図50】本発明を適用し得る可変焦点レンズに用いる
透明電極のさらに他の分割例を示す説明図である。
【図51】本発明を適用し得る可変焦点レンズに用いる
透明電極のさらに他の分割例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 圧電制御基板 1´ 絶縁層 2 圧電制御電極 2´ 静電容量検出電極 3 電圧制御回路 4,7 外部リード電極 5 上部基板 6 反射面兼上部電極 6A 静電容量検出回路 6a 静電容量検出出力端 8 可撓性薄膜 9 電圧制御回路 9a 高圧電源 9b 駆動電源 9c リファレンス電圧源 10 変位量検出回路 10a 定電圧 10b 高周波電源 11 可変形状鏡 11a 薄膜(反射面) 11b,40,41 電極 11c 圧電素子 12,14 可変抵抗器 13 電源 15 電源スイッチ 16 演算装置 17 温度センサー 18 湿度センサー 19 距離センサー 20 対物レンズ 21 接眼レンズ 22,23 プリズム 24 ミラー 25,57 固体撮像素子 26 撮像レンズ 27 支持台 28 振れセンサー 29,32 駆動回路 30 永久磁石 31 コイル 33,79 撮像ユニット 34 マイクロポンプ 35,90 流体 36 可変形状鏡 37 反射膜 38 液溜 39 振動板 42,43 弁 44,62,78 可変焦点レンズ 45,46,56,63,64,80 レンズ 45a,45b,46a,46b レンズ面 47,48,65,66,84 透明電極 49 高分子分散液晶層 50 スイッチ 51 交流電源 52,70 液晶分子 53 高分子セル 54 可変抵抗器 55 絞り 58 可変焦点回折光学素子 59,60,72,73,75,76,91,93 透
明基板 61 可変焦点眼鏡 67,68 配向膜 69 ツイストネマテイック液晶層 71 可変偏角プリズム 74 可変焦点ミラー 77 反射膜 81 透明部材 82 透明物質 83 流体又はゼリー状物質 85 回路 86 シリンダー 87 支援部材 88 変形可能な部材 89 マイクロポンプ 92 弾性体 94 圧電材料 94A,94B 薄板 95 透明で柔らかい基板 96 レンズ形状の透明基板 97 電歪材料 98,99 透明弾性体 100 アドベンゼン 101 スペーサー 102,103 紫外光源

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】静電引力によって変形する反射面と上部電
    極を有する可撓性薄膜と、該可撓性薄膜に対向して配置
    された制御電極と静電容量検出電極を備えた可変形状鏡
    において、前記上部電極と前記静電容量検出電極との間
    の静電容量から前記反射面の変位を算出し得るように構
    成したことを特徴とする変位検出機能を備えた可変形状
    鏡。
  2. 【請求項2】前記制御電極と前記静電容量検出電極とを
    兼用したことを特徴とする請求項1に記載の変位検出機
    能を備えた可変形状鏡。
  3. 【請求項3】前記制御電極と前記静電容量検出電極と
    を、同一層に別々に形成したことを特徴とする請求項1
    に記載の変位検出機能を備えた可変形状鏡。
  4. 【請求項4】前記制御電極と前記静電容量検出電極と
    を、異なる層に別々に形成したことを特徴とする請求項
    1に記載の変位検出機能を備えた可変形状鏡。
  5. 【請求項5】前記反射面を変形させる定電圧に、前記反
    射面の機械的共振周波数よりも遥に高い周波数を有する
    前記静電容量を検出するための高周波電圧を重畳すると
    共に、前記上部電極の接地側に抵抗を接続して、該抵抗
    を介して流れる電流の位相と振幅から前記反射面の変位
    量を検出し得るようにしたことを特徴とする請求項1乃
    至4の何れかに記載の変位検出機能を備えた可変形状
    鏡。
  6. 【請求項6】前記の静電容量検出電極に前記反射面の機
    械的共振周波数よりも遥に高い周波数の高周波電圧を印
    加すると共に、前記上部電極の接地側に抵抗を接続し
    て、該抵抗を介して流れる電流の位相と振幅から前記反
    射面の変位量を検出し得るようにしたことを特徴とする
    請求項1又は3又は4に記載の変位検出機能を備えた可
    変形状鏡。
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