JP2003029150A - 光学特性可変光学素子を含む光学系及び光学装置 - Google Patents

光学特性可変光学素子を含む光学系及び光学装置

Info

Publication number
JP2003029150A
JP2003029150A JP2001213284A JP2001213284A JP2003029150A JP 2003029150 A JP2003029150 A JP 2003029150A JP 2001213284 A JP2001213284 A JP 2001213284A JP 2001213284 A JP2001213284 A JP 2001213284A JP 2003029150 A JP2003029150 A JP 2003029150A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
deformable mirror
optical
lens
variable
prism
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2001213284A
Other languages
English (en)
Inventor
Kimihiko Nishioka
公彦 西岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Olympus Optical Co Ltd filed Critical Olympus Optical Co Ltd
Priority to JP2001213284A priority Critical patent/JP2003029150A/ja
Priority to US10/193,757 priority patent/US6791741B2/en
Publication of JP2003029150A publication Critical patent/JP2003029150A/ja
Priority to US10/887,925 priority patent/US7054053B2/en
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B3/00Simple or compound lenses
    • G02B3/12Fluid-filled or evacuated lenses
    • G02B3/14Fluid-filled or evacuated lenses of variable focal length
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B26/00Optical devices or arrangements for the control of light using movable or deformable optical elements
    • G02B26/08Optical devices or arrangements for the control of light using movable or deformable optical elements for controlling the direction of light
    • G02B26/0816Optical devices or arrangements for the control of light using movable or deformable optical elements for controlling the direction of light by means of one or more reflecting elements
    • G02B26/0825Optical devices or arrangements for the control of light using movable or deformable optical elements for controlling the direction of light by means of one or more reflecting elements the reflecting element being a flexible sheet or membrane, e.g. for varying the focus

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Optical Elements Other Than Lenses (AREA)
  • Lenses (AREA)
  • Studio Devices (AREA)
  • Liquid Crystal (AREA)
  • Structure And Mechanism Of Cameras (AREA)
  • Mechanical Light Control Or Optical Switches (AREA)
  • Lens Barrels (AREA)
  • Eyeglasses (AREA)
  • Diffracting Gratings Or Hologram Optical Elements (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 低騒音で、応答時間が短く、小型かつ軽量で
コストダウンに寄与するとともに組立が容易で、収差補
正の容易な光学特性可変光学素子を含む光学系及び光学
装置を提供する。 【解決手段】 可変形状鏡1の光束通過部分101の中
に位置決め用の印102を設けると共に、この可変形状
鏡1を組み込んだ光学装置の枠103にも位置決め用の
印102aを設けて、可変形状鏡1の光束通過部分10
1の中心位置が分かる構成となっている。印102と印
102aの位置関係を目視等で見ながら位置合せを行
う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、可変焦点レンズ、
可変焦点回折光学素子、可変偏角プリズム、可変形状鏡
等の光学特性可変光学素子、及びこれらの光学特性可変
光学素子を含む光学系を備えた、例えば眼鏡、ビデオプ
ロジェクター、デジタルカメラ、テレビカメラ、内視
鏡、望遠鏡、カメラのファインダー等の光学装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来の
レンズは、ガラスを研磨して製造したレンズを用いてお
り、レンズ自体で焦点距離を変化させることができない
ため、例えば、カメラのピント合わせあるいはズーム、
変倍のためにレンズ群を光軸方向に移動させるために、
機械的構造が複雑になっている。そして、レンズ群の一
部を移動させるためにモーター等を用いていたため、消
費電力が大きい、音がうるさい、応答時間が長く、レン
ズの移動に時間がかかる等の欠点があった。また、ブレ
防止を行なう場合でも、レンズをモータ、ソレノイド等
で機械的に移動させるため、消費電力が大きい、機械的
構造が複雑でコストアップにつながる、等の欠点があっ
た。また、可変形状鏡を光学系に組み込む場合には、プ
リズム等の他の光学素子や枠に対して位置決めして固定
し、組立を行って調整するが、組み込み位置が分かりに
くく、組立や調整がむずかしい、等の欠点があった。ま
た、デジタルカメラ等のズーム撮像光学系では、ズーミ
ングを行うとき、反射光の焦点位置により、結像面上の
像位置の変化が大きく、視野方向が変わる、等の欠点が
あった。さらに、高屈折率のプリズムを用いると、収差
の補正が充分にできない、等の欠点があった。
【0003】そこで、本発明はこれらの問題点に鑑み、
消費電力が小さく、音が静かで、応答時間が短く、機械
的構造が簡単でコストダウンに寄与するとともに、可変
形状鏡を容易に組み込むことができ、結像面上の像位置
の変化が小さく、形状誤差等で発生する収差を充分に補
正できる可変焦点レンズ、可変形状鏡、可変プリズム等
の光学特性可変光学素子を含む光学系及び光学装置を提
供することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明による光学装置は、可変形状鏡の光束通過範
囲内あるいは外に位置決め用の印を設け、可変形状鏡を
有する光学装置の枠に位置決め用の印を設けた可変形状
鏡を備えている。
【0005】また、本発明による光学系は、可変形状鏡
の形状の異なる少なくとも2状態における、結像面上の
像位置の変化を小さくするために、可変形状鏡面を表す
方程式の1次以下の項を上記2状態で変化させるように
した可変形状鏡を備えている。
【0006】また、本発明による光学系は、可変形状鏡
の形状誤差で発生する収差を補正するために、回転非対
称な光学面を有する光学素子を備えている。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を用いて説明する。
【0008】本発明に適用可能な可変形状鏡、可変焦点
レンズの構成例について説明する。
【0009】図1は本発明の光学装置の一実施例にかか
る、光学特性可変形状鏡を用いたデジタルカメラのケプ
ラー式ファインダーの概略構成図である。本実施例の構
成は、もちろん、銀塩フィルムカメラにも使うことがで
きる。まず、光学特性可変形状鏡1について説明する。
【0010】光学特性可変形状鏡1は、アルミコーティ
ングされた薄膜(反射面)1aと複数の電極1bからな
る光学特性可変形状鏡(以下、単に可変形状鏡と言
う。)、2は各電極1bにそれぞれ接続された複数の可
変抵抗器、3は可変抵抗器と電源スイッチ4を介して薄
膜1aと電極1b間に接続された電源、5は複数の可変
抵抗器2の抵抗値を制御するための演算装置、6,7及
び8はそれぞれ演算装置5に接続された温度センサー、
湿度センサー及び距離センサーで、これらは図示のよう
に配設されて1つの光学装置を構成している。
【0011】なお、対物レンズ9、接眼レンズ10、及
び、プリズム11、二等辺直角プリズム12、ミラー1
3及び可変形状鏡1の各面は、平面でなくてもよく、球
面、回転対称非球面の他、光軸に対して偏心した球面、
平面、回転対称非球面、あるいは、対称面を有する非球
面、対称面を1つだけ有する非球面、対称面のない非球
面、自由曲面、微分不可能な点又は線を有する面等、い
かなる形状をしていてもよく、さらに、反射面でも屈折
面でも光に何らかの影響を与え得る面ならばよい。以
下、これらの面を総称して拡張曲面という。
【0012】また、図1の薄膜1aは、例えば、P.Rai-
choudhury編、Handbook of Michrolithography, Michro
machining and Michrofabrication, Volume 2:Michroma
chining and Michrofabrication,P495,Fig.8.58, SPIE
PRESS刊やOptics Communication, 140巻(1997年)P187
〜190に記載されているメンブレインミラーのように、
複数の電極1bとの間に電圧が印加されると、静電気力
により薄膜1aが変形してその面形状が変化するように
なっており、これにより、観察者の視度に合わせたピン
ト調整ができるだけでなく、さらに、レンズ10,9及
び/又はプリズム11、二等辺直角プリズム12、ミラ
ー13の温度や湿度変化による変形や屈折率の変化、あ
るいは、レンズ枠の伸縮や変形及び光学素子、枠等の部
品の組立誤差による結像性能の低下が抑制され、常に適
正にピント調整並びにピント調整で生じた収差の補正が
行われ得る。
【0013】本実施例によれば、物体からの光は、対物
レンズ9及びプリズム11の各入射面と射出面で屈折さ
れ、可変形状鏡1で反射され、プリズム11を透過し
て、二等辺直角プリズム12でさらに反射され(図1
中、光路中の+印は、紙面の裏側へ向かって光線が進む
ことを示している。)、ミラー13で反射され、接眼レ
ンズ10を介して眼に入射するようになっている。この
ように、レンズ9、10、プリズム11,12、及び、
可変形状鏡1によって、本実施例の光学装置の観察光学
系を構成しており、これらの各光学素子の面形状と肉厚
を最適化することにより、物体面の収差を最小にするこ
とができるようになっている。
【0014】すなわち、反射面としての薄膜1aの形状
は、結像性能が最適になるように演算装置5からの信号
により各可変抵抗器2の抵抗値を変化させることにより
制御される。すなわち、演算装置5へ、温度センサー
6、湿度センサー7及び距離センサー8から周囲温度及
び湿度並びに物体までの距離に応じた大きさの信号が入
力され、演算装置5は、これらの入力信号に基づき周囲
の温度及び湿度条件と物体までの距離による結像性能の
低下を補償すべく、薄膜1aの形状が決定されるような
電圧を電極1bに印加するように、可変抵抗器2の抵抗
値を決定するための信号を出力する。このように、薄膜
1aは電極1bに印加される電圧すなわち静電気力で変
形させられるため、その形状は状況により非球面を含む
様々な形状をとり、印加される電圧の極性を変えれば凸
面とすることもできる。なお、距離センサー8はこの場
合、固体撮像素子14からの像の信号の高周波成分が略
最大になるように、デジタルカメラの撮像レンズ15を
動かし、その位置から逆に物体距離を算出し、可変形状
鏡を変形させて観察者の眼にピントが合うようにすれば
よい。
【0015】また、薄膜1aをポリイミド等の合成樹脂
で製作すれば、低電圧でも大きな変形が可能であるので
好都合である。なお、プリズム11と可変形状鏡1を一
体的に形成してユニット化することができる。
【0016】また、図示を省略したが、可変形状鏡1の
基板上に固体撮像素子14をリソグラフィープロセスに
より一体的に形成してもよい。
【0017】また、レンズ9,10、プリズム11,1
2及びミラー13は、プラスチックモールド等で形成す
ることにより任意の所望形状の曲面を容易に形成するこ
とができ、製作も簡単である。なお、本実施例の撮像装
置では、レンズ9、10がプリズム11から離れて形成
されているが、レンズ9,10を設けることなく収差を
除去することができるようにプリズム11,12、ミラ
ー13、可変形状鏡1を設計すれば、プリズム11,1
2、可変形状鏡1は1つの光学ブロックとなり、組立が
容易となる。また、レンズ9,10、プリズム11,1
2及びミラー13の一部あるいは全部をガラスで作製す
ることもできる。このように構成すれば、さらに精度の
良い撮像装置が得られる。
【0018】なお、図1の例では、演算装置5、温度セ
ンサー6、湿度センサー7、距離センサー8を設け、温
湿度変化、物体距離の変化等も可変形状鏡1で補償する
ようにしたが、この構成に限定されるものではない。例
えば、演算装置5、温度センサー6、湿度センサー7、
距離センサー8を省略して、観察者の視度変化のみを可
変形状鏡1で補正するようにしてもよい。
【0019】図2は本発明にかかる可変形状鏡1の他の
実施例を示す概略構成図である。本実施例の可変形状鏡
は、薄膜1aと電極1bとの間に圧電素子1cが介装さ
れていて、これらが支持台16上に設けられている。そ
して、圧電素子1cに加わる電圧を各電極1b毎に変え
ることにより、圧電素子1cに部分的に異なる伸縮を生
じさせて、薄膜1aの形状を変えることができるように
なっている。電極1bの形は薄膜1aの変形のさせ方に
応じて選べばよい。例えば、図3に示すように、同心分
割であってもよいし、図4に示すように、矩形分割であ
ってもよく、その他、適宜の形状を選択することができ
る。
【0020】図2中、17は演算装置5に接続された振
れ(ブレ)センサーであって、例えばデジタルカメラの
振れを検知し、振れによる像の乱れを補償するように薄
膜1aを変形させるべく、演算装置5及び可変抵抗器2
を介して電極1bに印加される電圧を変化させる。この
とき、温度センサー6、湿度センサー7及び距離センサ
ー8からの信号も同時に考慮され、ピント(焦点)合わ
せ、温湿度補償等が行われる。この場合、薄膜1aには
圧電素子1cの変形に伴う応力が加わるので、薄膜1a
の厚さはある程度厚めに作られて相応の強度を持たせる
ようにするのがよい。
【0021】図5は本発明にかかる可変形状鏡のさらに
他の実施例を示す概略構成図である。本実施例の可変形
状鏡1は、薄膜1aと電極1bの間に介置される圧電素
子が逆方向の圧電特性を持つ材料で作られた2枚の圧電
素子1c及び1c’で構成されている点で、図2に示さ
れた実施例の可変形状鏡とは異なる。すなわち、圧電素
子1cと1c’が強誘電性結晶で作られているとすれ
ば、結晶軸の向きが互いに逆になるように配置される。
この場合、圧電素子1cと1c’は電圧が印加されると
逆方向に伸縮するので、薄膜1aを変形させる力が図2
に示した実施例の場合よりも強くなり、結果的に鏡表面
の形を大きく変えることができるという利点がある。
【0022】圧電素子1c,1c’に用いる材料として
は、例えばチタン酸バリウム、ロッシエル塩、水晶、電
気石、リン酸二水素カリウム(KDP)、リン酸二水素
アンモニウム(ADP)、ニオブ酸リチウム等の圧電物
質、同物質の多結晶体、同物質の結晶、PbZrO3
PbTiO3の固溶体の圧電セラミックス、二フッ化ポ
リビニール(PVDF)等の有機圧電物質、上記以外の
強誘電体等があり、特に有機圧電物質はヤング率が小さ
く、低電圧でも大きな変形が可能であるので、好まし
い。なお、これらの圧電素子1c,1c’を利用する場
合、厚さを不均一にすれば、上記実施例において薄膜1
aの形状を適切に変形させることも可能である。
【0023】また、圧電素子1c,1c’の材質として
は、ポリウレタン、シリコンゴム、アクリルエラストマ
ー、PZT、PLZT、ポリフッ化ビニリデン(PVD
F)等の高分子圧電体、シアン化ビニリデン共重合体、
ビニリデンフルオライドとトリフルオロエチレンの共重
合体等が用いられる。圧電性を有する有機材料や、圧電
性を有する合成樹脂、圧電性を有するエラストマー等を
用いると可変形状鏡面の大きな変形が実現できてよい。
【0024】図6は本発明にかかる可変形状鏡のさらに
他の実施例を示す概略構成図である。本実施例の可変形
状鏡1は、圧電素子1cが薄膜1aと電極1fとにより
挟持され、薄膜1aと電極1f間に演算装置5により制
御される駆動回路18‘を介して電圧が印加されるよう
になっており、さらにこれとは別に、支持台16上に設
けられた電極1bにも演算装置5により制御される駆動
回路18を介して電圧が印加されるように構成されてい
る。したがって、本実施例では、薄膜1aは電極1fと
の間に印加される電圧と電極1bに印加される電圧によ
る静電気力とにより二重に変形され得、上記実施例に示
した何れのものよりもより多くの変形パターンが可能で
あり、かつ、応答性も速いという利点がある。
【0025】そして、薄膜1a、電極1f間の電圧の符
号を変えれば、可変形状鏡を凸面にも凹面にも変形させ
ることができる。その場合、大きな変形を圧電効果で行
ない、微細な形状変化を静電気力で行ってもよい。ま
た、凸面の変形には圧電効果を主に用い、凹面の変形に
は静電気力を主に用いてもよい。なお、電極1fは電極
1bのように複数の電極から構成されてもよい。この様
子を図6に示した。
【0026】図2、図6の圧電素子1cに電歪材料、例
えば、アクリルエラストマー、シリコンゴム等を用いる
場合には、圧電素子1cを別の基板と電歪材料を貼り合
わせた構造にしてもよい。なお、本願では、圧電効果と
電歪効果、電歪をすべてまとめて圧電効果と述べてい
る。従って、電歪材料も圧電材料に含むものとする。
【0027】図7は本発明にかかる可変形状鏡のさらに
他の実施例を示す概略構成図である。本実施例の可変形
状鏡1は、電磁気力を利用して反射面の形状を変化させ
得るようにしたもので、支持台16の内部底面上には永
久磁石19が、頂面上には窒化シリコン又はポリイミド
等からなる基板1gの周縁部が載置固定されており、基
板1gの表面にはアルミニウム等の金属コートで作られ
た薄膜1aが付設されていて、可変形状鏡1を構成して
いる。基板1gの下面には複数のコイル20が配設され
ており、これらのコイル20はそれぞれ駆動回路18を
介して演算装置5に接続されている。したがって、各セ
ンサー6,7,8,17からの信号によって演算装置5
において求められる光学系の変化に対応した演算装置5
からの出力信号により、各駆動回路18から各コイル2
0にそれぞれ適当な電流が供給されると、永久磁石19
との間に働く電磁気力で各コイル20は反発又は吸着さ
れ、基板1g及び薄膜1aを変形させる。
【0028】この場合、各コイル20はそれぞれ異なる
量の電流を流すようにすることもできる。また、コイル
20は1個でもよいし、永久磁石19を基板1gに付設
しコイル20を支持台16の内部底面側に設けるように
してもよい。また、コイル20はリソグラフィー等の手
法で作るとよく、さらに、コイル20には強磁性体より
なる鉄心を入れるようにしてもよい。
【0029】この場合、薄膜コイル20の巻密度を、図
8に示すように、場所によって変化させることにより、
基板1g及び薄膜1aに所望の変形を与えるようにする
こともできる。また、コイル20は1個でもよいし、ま
た、これらのコイル20には強磁性体よりなる鉄心を挿
入してもよい。
【0030】図9は本発明にかかる可変形状鏡のさらに
他の実施例を示す概略構成図である。本実施例の可変形
状鏡1では、基板1gは鉄等の強磁性体で作られてお
り、反射膜としての薄膜1aはアルミニウム等からなっ
ている。この場合、薄膜コイルを設けなくてもすむか
ら、構造が簡単で、製造コストを低減することができ
る。また、電源スイッチ4を切換え兼電源開閉用スイッ
チに置換すれば、コイル20に流れる電流の方向を変え
ることができ、基板1g及び薄膜1aの形状を自由に変
えることができる。
【0031】図10は本実施例におけるコイル20の配
置を示し、図11はコイル20の他の配置例を示してい
るが、これらの配置は、図7に示した実施例にも適用す
ることができる。なお、図12は、図7に示した実施例
において、コイル20の配置を図11に示したようにし
た場合に適する永久磁石19の配置を示している。すな
わち、図12に示すように、永久磁石19を放射状に配
置すれば、図7に示した実施例に比べて、微妙な変形を
基板1g及び薄膜1aに与えることができる。また、こ
のように電磁気力を用いて基板1g及び薄膜1aを変形
させる場合(図7及び図9の実施例)は、静電気力を用
いた場合よりも低電圧で駆動できるという利点がある。
【0032】以上いくつかの可変形状鏡の実施例を述べ
たが、可変形状鏡の形を変形させるために、図6の例に
示すように、2種類以上の力を用いてもよい。つまり静
電気力、電磁力、圧電効果、磁歪、流体の圧力、電場、
磁場、温度変化、電磁波等のうちから2つ以上を同時に
用いて可変形状鏡を変形させてもよい。このように、2
つ以上の異なる駆動方法を用いて光学特性可変光学素子
を作れば、大きな変形と微細な変形とを同時に実現で
き、精度の良い鏡面が実現できる。
【0033】図13は本発明のさらに他の実施例に係
る、光学装置に適用可能な可変形状鏡を用いた撮像系、
例えば携帯電話のデジタルカメラ、カプセル内視鏡、電
子内視鏡、パソコン用デジタルカメラ、PDA(携帯情
報端末)用デジタルカメラ等に用いられる撮像系の概略
構成図である。本実施例の撮像系は、可変形状鏡1と、
レンズ9と、固体撮像素子14と、制御系21とで一つ
の撮像ユニット22を構成している。本実施例の撮像ユ
ニット22では、レンズ9を通った物体からの光は可変
形状鏡1で集光され、固体撮像素子14の上に結像す
る。可変形状鏡1は、光学特性可変光学素子の一種であ
り、可変焦点ミラーとも呼ばれている。
【0034】本実施例によれば、物体距離が変わっても
可変形状鏡1を変形させることでピント合わせをするこ
とができ、レンズをモータ等で駆動する必要がなく、小
型化、軽量化、低消費電力化の点で優れている。また、
撮像ユニット22は本発明の撮像系としてすべての実施
例で用いることができる。さらに、可変形状鏡1を複数
用いることでズーム、変倍の撮像系、光学系を作ること
ができる。
【0035】図13では、制御系21にコイルを用いた
トランスの昇圧回路を含む制御系の構成例を示してい
る。特に積層型圧電トランスを用いると、小型化できて
よい。昇圧回路は本発明のすべての電気を用いる可変形
状鏡、可変焦点レンズに用いることができるが、特に静
電気力、圧電効果を用いる場合の可変形状鏡、可変焦点
レンズに有用である。
【0036】なお、静電気力、圧電効果を用いた可変形
状鏡、可変焦点レンズなどにおいては、駆動用に高電圧
が必要になる場合がある。その場合には、例えば図13
に示すように、昇圧用のトランス、あるいは圧電トラン
ス等を用いて制御系を構成するとよい。また、反射用の
薄膜1aは、変形しない部分にも設けておくと、可変形
状鏡の形状を干渉計等で測定する場合に、基準面として
使うことができ便利である。
【0037】図14は本発明の可変形状鏡に関する更な
る他の実施例に係るマイクロポンプ23で流体24を出
し入れし、ミラー面を変形させる可変形状鏡1の概略構
成図である。本実施例によれば、ミラー面を大きく変形
させることが可能になるというメリットがある。なお、
図中、32は反射膜、68は液溜である。
【0038】マイクロポンプ23は、例えば、マイクロ
マシンの技術で作られた小型のポンプで、電力で動くよ
うに構成されている。マイクロマシンの技術で作られた
ポンプの例としては、熱変形を利用したもの、圧電材料
を用いたもの、静電気力を用いたものなどがある。
【0039】図15は本発明に適用可能なマイクロポン
プの一実施例を示す概略構成図である。本実施例のマイ
クロポンプ23では、振動板27は静電気力、圧電効果
等の電気力により振動する。図15では静電気力により
振動する例を示しており、図中、28、29は電極であ
る。また、点線は変形した時の振動板27を示してい
る。振動板27の振動に伴い、2つの弁30、31が開
閉し、流体24を右から左へ送るようになっている。
【0040】本実施例のマイクロポンプは、反射膜32
が流体24の量に応じて凹凸に変形することで、可変形
状鏡として機能する。可変形状鏡は流体24で駆動され
ている。流体としては、シリコンオイル、空気、水、ゼ
リー、等の有機物、無機物を用いることができる。
【0041】図16は本発明にかかる可変焦点レンズの
原理的構成を示す図である。この可変焦点レンズ33
は、第1,第2の面としてのレンズ面34a,34bを
有する第1のレンズ34と、第3,第4の面としてのレ
ンズ面35a,35bを有する第2のレンズ35と、こ
れらレンズ間に透明電極36、37を介して設けた高分
子分散液晶層38とを有し、入射光を第1,第2のレン
ズ34,35を経て収束させるものである。透明電極3
6、37は、スイッチ39を介して交流電源40に接続
して、高分子分散液晶層38に交流電界を選択的に印加
するようにする。なお、高分子分散液晶層38は、それ
ぞれ液晶分子41を含む球状、多面体等の任意の形状の
多数の微小な高分子セル42を有して構成し、その体積
は、高分子セル42を構成する高分子および液晶分子4
1がそれぞれ占める体積の和に一致させる。
【0042】ここで、高分子セル42の大きさは、球状
とするとき、その平均の直径を図16に示すようにDと
し、使用する光の波長をλとする場合、例えば、 2nm≦D≦λ/5 …(1) とする。すなわち、液晶分子41の大きさは、2nm程
度以上であるので、平均の直径Dの下限値は、2nm以
上とする。また、Dの上限値は、可変焦点レンズ33の
光軸方向における高分子分散液晶層38の厚さtにも依
存するが、λに比べて大きいと、高分子の屈折率と液晶
分子41の屈折率との差により、高分子セル42の境界
面で光が散乱して高分子分散液晶層38が不透明になっ
てしまうため、後述するように、好ましくはλ/5以下
とする。可変焦点レンズが用いられる光学製品によって
は高精度を要求しない場合もあり、そのときDはλ以下
でよい。なお、高分子分散液晶層38の透明度は、厚さ
tが厚いほど悪くなる。
【0043】また、液晶分子41は、例えば、一軸性の
ネマティック液晶分子を用いる。この液晶分子41の屈
折率楕円体は、図17に示すような形状となり、 nox=noy=no …(2) である。ただし、noは常光線の屈折率を示し、nox
よびnoyは、常光線を含む面内での互いに直交する方向
の屈折率を示す。
【0044】ここで、図16に示すように、スイッチ3
9をオフ、すなわち高分子分散液晶層38に電界を印加
しない状態では、液晶分子41が様々な方向を向いてい
るので、入射光に対する高分子分散液晶層38の屈折率
は高く、屈折力の強いレンズとなる。これに対し、図1
8に示すように、スイッチ39をオンとして高分子分散
液晶層38に交流電界を印加すると、液晶分子41は、
屈折率楕円体の長軸方向が可変焦点レンズ33の光軸と
平行となるように配向するので、屈折率が低くなり、屈
折力の弱いレンズとなる。
【0045】なお、高分子分散液晶層38に印加する電
圧は、例えば、図19に示すように、可変抵抗器2によ
り段階的あるいは連続的に変化させることもできる。こ
のようにすれば、印加電圧が高くなるにつれて、液晶分
子41は、その楕円長軸が徐々に可変焦点レンズ33の
光軸と平行となるように配向するので、屈折力を段階的
あるいは連続的に変えることができる。
【0046】図16に示す状態、すなわち高分子分散液
晶層38に電界を印加しない状態での、液晶分子41の
平均屈折率nLC’は、図17に示すように屈折率楕円体
の長軸方向の屈折率をnzとすると、およそ (nox+noy+nZ)/3≡nLC’ …(3) となる。また、上記(2)式が成り立つときの平均屈折率
LCは、nzを異常光線の屈折率neと表して、 (2no+ne)/3≡nLC …(4) で与えられる。このとき、高分子分散液晶層38の屈折
率nAは、高分子セル42を構成する高分子の屈折率を
Pとし、高分子分散液晶層38の体積に占める液晶分
子41の体積の割合をffとすると、マックスウェル・
ガーネットの法則により、 nA=ff・nLC’+(1−ff)nP …(5) で与えられる。
【0047】したがって、図19に示すように、レンズ
34および35の内側の面、すなわち高分子分散液晶層
38側の面の曲率半径を、それぞれR1およびR2とする
と、可変焦点レンズ33の焦点距離f1は、 1/f1=(nA−1)(1/R1−1/R2) …(6) で与えられる。なお、R1およびR2は、曲率中心が像点
側にあるとき、正とする。また、レンズ34および35
の外側の面による屈折は除いている。つまり、高分子分
散液晶層38のみによるレンズの焦点距離が、(6)式で
与えられる。
【0048】また、常光線の平均屈折率を、 (nox+noy)/2=no’ …(7) とすれば、図18に示す状態、すなわち高分子分散液晶
層38に電界を印加した状態での、高分子分散液晶層3
8の屈折率nBは、 nB=ff・no’+(1−ff)nP …(8) で与えられるので、この場合の高分子分散液晶層38の
みによるレンズの焦点距離f2は、 1/f2=(nB−1)(1/R1−1/R2) …(9) で与えられる。なお、高分子分散液晶層38に、図18
におけるよりも低い電圧を印加する場合の焦点距離は、
(6)式で与えられる焦点距離f1と、(9)式で与えられる
焦点距離f2との間の値となる。
【0049】上記(6)および(9)式から、高分子分散液晶
層38による焦点距離の変化率は、 |(f2−f1)/f2|=|(nB−nA)/(nB−1)| …(10) で与えられる。したがって、この変化率を大きくするに
は、|nB−nA|を大きくすればよい。ここで、 nB−nA=ff(no’−nLC’) …(11) であるから、|no’−nLC’|を大きくすれば、変化
率を大きくすることができる。実用的には、nBが、
1.3〜2程度であるから、 0.01≦|no’−nLC’|≦10 …(12) とすれば、ff=0.5のとき、高分子分散液晶層38
による焦点距離を、0.5%以上変えることができるの
で、効果的な可変焦点レンズを得ることができる。な
お、|no’−nLC’|は、液晶物質の制限から、10
を越えることはできない。
【0050】次に、上記(1)式の上限値の根拠について
説明する。「Solar Energy Materials and Solar Cell
s」31巻,Wilson and Eck,1993, Eleevier Science Publ
ishersB.v.発行の第197 〜214 頁、「Transmission var
iation using scattering/transparent switching film
s 」には、高分子分散液晶の大きさを変化させたときの
透過率τの変化が示されている。そして、かかる文献第
206の図6には、高分子分散液晶の半径をrとし、t=
300μm、ff=0.5、nP =1.45、nLC
1.585、λ=500nmとするとき、透過率τは、
理論値で、r=5nm(D=λ/50、D・t=λ・6
μm(ただし、Dおよびλの単位はnm、以下も同
じ))のときτ≒90%となり、r=25nm(D=λ
/10)のときτ≒50%になることが示されている。
【0051】ここで、例えば、透過率τがtの指数関数
で変化すると仮定して、t=150μmの場合の透過率
τを推定してみると、r=25nm(D=λ/10、D
・t=λ・15μm)のときτ≒71%となる。また、
t=75μmの場合は、同様に、r=25nm(D=λ
/10、D・t=λ・7.5μm)のときτ≒80%と
なる。
【0052】これらの結果から、 D・t≦λ・15μm …(13) であれば、τは70%〜80%以上となり、レンズとし
て十分実用になる。したがって、例えば、t=75μm
の場合は、D≦λ/5で、十分な透過率が得られること
になる。
【0053】また、高分子分散液晶層38の透過率は、
Pの値がnLC’の値に近いほど良くなる。一方、no
とnPとが異なる値になると、高分子分散液晶層38の
透過率は悪くなる。図16の状態と図18の状態とで、
平均して高分子分散液晶層38の透過率が良くなるの
は、 nP=(no’+nLC’)/2 …(14) を満足するときである。
【0054】ここで、可変焦点レンズ33は、レンズと
して使用するものであるから、図16の状態でも、図1
8の状態でも、透過率はほぼ同じで、かつ高い方が良
い。そのためには、高分子セル42を構成する高分子の
材料および液晶分子41の材料に制限があるが、実用的
には、 no’≦nP≦nLC’ …(15) とすればよい。
【0055】上記(14)式を満足すれば、上記(13)式は、
さらに緩和され、 D・t≦λ・60μm …(16) であれば良いことになる。なぜなら、フレネルの反射則
によれば、反射率は屈折率差の2乗に比例するので、高
分子セル42を構成する高分子と液晶分子41との境界
での光の反射、すなわち高分子分散液晶層38の透過率
の減少は、およそ上記の高分子と液晶分子41との屈折
率の差の2乗に比例するからである。
【0056】以上は、no’≒1.45、nLC’≒1.
585の場合であるが、より一般的に定式化すると、 D・t≦λ・15μm・(1.585−1.45)2/(nu−nP2 …(17) であればよい。ただし、(nu−nP2は、(nLC’−
P2と(no’−nP2とのうち、大きい方である。
【0057】また、可変焦点レンズ33の焦点距離変化
を大きくするには、ffの値が大きい方が良いが、ff
=1では、高分子の体積がゼロとなり、高分子セル42
を形成できなくなるので、 0.1≦ff≦0.999 …(18) とする。一方、ffは、小さいほどτは向上するので、
上記(17)式は、好ましくは、 4×10-6〔μm〕2≦D・t≦λ・45μm・(1.585−1.45)2/(nu−nP)2…(19) とする。なお、tの下限値は、図16から明らかなよう
に、t=Dで、Dは、上述したように2nm以上である
ので、D・tの下限値は、(2×10-3μm)2、すな
わち4×10-6〔μm〕2となる。
【0058】なお、物質の光学特性を屈折率で表す近似
が成り立つのは、「岩波科学ライブラリー8 小惑星が
やってくる」向井正著,1994,岩波書店発行の第58頁に
記載されているように、Dが10nm〜5nmより大き
い場合である。また、Dが500λを越えると、光の散
乱は幾何学的となり、高分子セル42を構成する高分子
と液晶分子41との界面での光の散乱がフレネルの反射
式に従って増大するので、Dは、実用的には、 7nm≦D≦500λ …(20) とする。
【0059】図20は、図19に示す可変焦点レンズ3
3を用いたデジタルカメラ用の撮像光学系の構成を示す
ものである。この撮像光学系においては、物体(図示せ
ず)の像を、絞り43、可変焦点レンズ33およびレン
ズ44を介して、例えばCCDよりなる固体撮像素子1
4上に結像させる。なお、図20では、液晶分子の図示
を省略してある。
【0060】かかる撮像光学系によれば、可変抵抗器2
により可変焦点レンズ33の高分子分散液晶層38に印
加する交流電圧を調整して、可変焦点レンズ33の焦点
距離を変えることより、可変焦点レンズ33およびレン
ズ44を光軸方向に移動させることなく、例えば、無限
遠から600mmまでの物体距離に対して、連続的に合
焦させる(ピントを合わせる)ことが可能となる。
【0061】図21は本発明にかかる可変焦点回折光学
素子の一例の構成を示す図である。この可変焦点回折光
学素子45は、平行な第1,第2の面46a,46bを
有する第1の透明基板46と、光の波長オーダーの溝深
さを有する断面鋸歯波状のリング状回折格子を形成した
第3の面47aおよび平坦な第4の面47bを有する第
2の透明基板47とを有し、入射光を第1,第2の透明
基板46、47を経て出射させるものである。第1,第
2の透明基板46、47間には、図16で説明したのと
同様に、透明電極36、37を介して高分子分散液晶層
38を設け、透明電極36、37をスイッチ39を経て
交流電源40に接続して、高分子分散液晶層38に交流
電界を印加するようにする。
【0062】かかる構成において、可変焦点回折光学素
子45に入射する光線は、第3の面47aの格子ピッチ
をpとし、mを整数とすると、 psinθ=mλ …(21) を満たす角度θだけ偏向されて出射される。また、溝深
さをh、透明基板47の屈折率をn47とし、kを整数と
すると、 h(nA−n47)=mλ …(22) h(nB−n47)=kλ …(23) を満たせば、波長λで回折効率が100%となり、フレ
アの発生を防止することができる。
【0063】ここで、上記(22)および(23)式の両辺の差
を求めると、 h(nA−nB)=(m−k)λ …(24) が得られる。したがって、例えば、λ=500nm、n
A=1.55、nB=1.5とすると、 0.05h=(m−k)・500nm となり、m=1,k=0とすると、 h=10000nm=10μm となる。この場合、透明基板47の屈折率n47は、上記
(22)式から、n47=1.5であればよい。また、可変焦
点回折光学素子45の周辺部における格子ピッチpを1
0μmとすると、θ≒2.87°となり、Fナンバーが
10のレンズを得ることができる。
【0064】かかる可変焦点回折光学素子45は、高分
子分散液晶層38への印加電圧のオン・オフで光路長が
変わるので、例えば、レンズ系の光束が平行でない部分
に配置して、ピント調整を行うのに用いたり、レンズ系
全体の焦点距離等を変えるのに用いることができる。
【0065】なお、この実施例において、上記(22)〜(2
4)式は、実用上、 0.7mλ≦h(nA−n47)≦1.4mλ …(25) 0.7kλ≦h(nB−n47)≦1.4kλ …(26) 0.7(m−k)λ≦h(nA−nB)≦1.4(m−k)λ …(27) を満たせば良い。
【0066】また、ツイストネマティック液晶を用いる
可変焦点レンズも本発明に含まれる。図22および図2
3は、この場合の可変焦点眼鏡48の構成を示すもので
あり、可変焦点レンズ33は、レンズ34及び35と、
これらレンズの内面上にそれぞれ透明電極36、37を
介して設けた配向膜49a,49bと、これら配向膜間
に設けたツイストネマティック液晶層50とを有して構
成し、その透明電極36、37を可変抵抗器2を経て交
流電源40に接続して、ツイストネマティック液晶層5
0に交流電界を印加するようにする。
【0067】かかる構成において、ツイストネマティッ
ク液晶層50に印加する電圧を高くすると、液晶分子5
1は、図23に示すようにホメオトロピック配向とな
り、図22に示す印加電圧が低いツイストネマティック
状態の場合に比べて、ツイストネマティック液晶層50
の屈折率は小さくなり、焦点距離が長くなる。
【0068】ここで、図22に示すツイストネマティッ
ク状態における液晶分子51の螺旋ピッチPは、光の波
長λに比べて同じ程度か十分小さくする必要があるの
で、例えば、 2nm≦P≦2λ/3 …(28) とする。なお、この条件の下限値は、液晶分子の大きさ
で決まり、上限値は、入射光が自然光の場合に、図22
の状態でツイストネマティック液晶層50が等方媒質と
して振る舞うために必要な値であり、この上限値の条件
を満たさないと、可変焦点レンズ33は偏光方向によっ
て焦点距離の異なるレンズとなり、これがため二重像が
形成されてぼけた像しか得られなくなる。
【0069】図24(a)(b)は、本発明にかかる可
変偏角プリズムの構成を示すものである。なお、図24
(a)(b)および後述の図25では、液晶分子51の
図示を省略してある。この可変偏角プリズム52は、第
1,第2の面46a,46bを有する入射側の第1の透
明基板46と、第3,第4の面47a,47bを有する
出射側の平行平板状の第2の透明基板47とを有する。
入射側の透明基板46の内面(第2の面)46bは、フ
レネル状に形成し、この透明基板46と出射側の透明基
板47との間に、図16で説明したと同様に、透明電極
36、37を介して高分子分散液晶層38を設ける。透
明電極36、37は、可変抵抗器2を経て交流電源40
に接続し、これにより高分子分散液晶層38に交流電界
を印加して、可変偏角プリズム52を透過する光の偏角
を制御するようにする。
【0070】なお、図24(a)では、透明基板46の内
面46bをフレネル状に形成したが、例えば、図24
(b)に示すように、透明基板46および47の内面を相
対的に傾斜させた傾斜面を有する通常のプリズム状に形
成することもできるし、図21に示した回折格子状に形
成することもできる。回折格子状に形成する場合にも、
上記の(21)〜(27)式を満たせば、上記可変回折光学素子
45,可変焦点眼鏡48と同様のことがいえる。
【0071】かかる構成の可変偏角プリズム52は、例
えば、TVカメラ、デジタルカメラ、フィルムカメラ、
双眼鏡等のブレ防止用として有効に用いることができ
る。この場合、可変偏角プリズム52の屈折方向(偏向
方向)は、上下方向とするのが望ましいが、さらに性能
を向上させるためには、2個の可変偏角プリズム52を
偏向方向を異ならせて、例えば図25に示すように、上
下および左右の直交する方向で屈折角を変えるように配
置するのが望ましい。
【0072】図26は本発明にかかる可変焦点レンズを
用いた可変焦点ミラーを示すものである。なお、図26
では、液晶分子の図示を省略してある。この可変焦点ミ
ラー53は、第1,第2の面46a,46bを有する第
1の透明基板46と、第3,第4の面47a,47bを
有する第2の透明基板47とを有する。第1の透明基板
46は、平板状またはレンズ状に形成して、内面(第2
の面)46bに透明電極36を設け、第2の透明基板4
7は、内面(第3の面)47aを凹面状に形成して、該
凹面上に反射膜54を施し、さらにこの反射膜54上に
透明電極37を設ける。透明電極36、37間には、図
16で説明したと同様に、高分子分散液晶層38を設
け、これら透明電極36、37をスイッチ39および可
変抵抗器2を経て交流電源40に接続して、高分子分散
液晶層38に交流電界を印加するようにする。
【0073】かかる構成によれば、透明基板46側から
入射する光線は、反射膜54により高分子分散液晶層3
8を折り返す光路となるので、高分子分散液晶層38の
作用を2回もたせることができると共に、高分子分散液
晶層38への印加電圧を変えることにより、反射光の焦
点位置を変えることができる。この場合、可変焦点ミラ
ー53に入射した光線は、高分子分散液晶層38を2回
透過するので、高分子分散液晶層38の厚さの2倍をt
とすれば、上記の各式を同様に用いることができる。な
お、透明基板46または47の内面を、図21に示した
ように回折格子状にして、高分子分散液晶層38の厚さ
を薄くすることもできる。このようにすれば、散乱光を
より少なくできる利点がある。
【0074】以上の説明では、液晶の劣化を防止するた
め、電源として交流電源40を用いて、液晶に交流電界
を印加するようにしたが、直流電源を用いて液晶に直流
電界を印加するようにすることもできる。また、液晶分
子の方向を変える方法としては、電圧を変化させること
以外に、液晶にかける電場の周波数、液晶にかける磁場
の強さ・周波数、あるいは液晶の温度等を変化させるこ
とによってもよい。以上に示した実施例において、高分
子分散液晶は液状ではなく固体に近いものもあるので、
その場合はレンズ34,35の一方、透明基板46、レ
ンズ44、レンズ34、35の一方、図24(a)におけ
る透明基板47、図24(b)における透明基板46、4
7の一方はなくてもよい。なお、本願では図26のよう
な、形状の変化しない可変焦点ミラーも、可変形状鏡の
中に含めるものとする。
【0075】図27は本発明である光学装置の更に他の
実施例に係る、可変焦点レンズ55を用いた撮像ユニッ
トの概略構成図である。撮像ユニット22は本発明の撮
像系として用いることができる。本実施例では、レンズ
9と可変焦点レンズ55とで、撮像レンズを構成してい
る。そして、この撮像レンズと固体撮像素子14とで撮
像ユニット22を構成している。可変焦点レンズ55
は、透明部材56と圧電性のある合成樹脂等の柔らかい
透明物質57とで、光を透過する流体あるいはゼリー状
物質58を挟んで構成されている。
【0076】流体あるいはゼリー状物質58としては、
シリコンオイル、弾性ゴム、ゼリー、水等を用いること
ができる。透明物質57の両面には透明電極60が設け
られており、回路59を介して電圧を加えることで、透
明物質57の圧電効果により透明物質57が変形し、可
変焦点レンズ55の焦点距離が変わるようになってい
る。従って、本実施例によれば、物体距離が変わった場
合でも光学系をモーター等で動かすことなくフォーカス
ができ、小型、軽量、消費電力が少ない点で優れてい
る。
【0077】図27中、61は流体をためるシリンダー
である。また、透明物質57の材質としては、ポリウレ
タン、シリコンゴム、アクリルエラストマー、PZT、
PLZT、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等の高分
子圧電体、シアン化ビニリデン共重合体、ビニリデンフ
ルオライドとトリフルオロエチレンの共重合体等が用い
られる。また、圧電性を有する有機材料や、圧電性を有
する合成樹脂、圧電性を有するエラストマー等を用いる
と可変焦点レンズ面の大きな変形が実現できて好まし
い。なお、可変焦点レンズには透明な圧電材料を用いる
とよい。
【0078】可変焦点レンズ55は、シリンダー61を
設けるかわりに、図28に示すように、支援部材62を
設けてシリンダー61を省略した構造にしてもよい。
【0079】支援部材62は、間に透明電極60を挟ん
で、透明物質57の一部の周辺部分を固定している。本
実施例によれば、透明物質57に電圧をかけることによ
って、透明物質57が変形しても、図29に示すよう
に、可変焦点レンズ55全体の体積が変わらないように
変形するため、シリンダー61が不要になる。なお、図
28、29中、64は変形可能部材で、弾性体、アコー
ディオン状の合成樹脂または金属等でできている。
【0080】図27、28に示す実施例では、電圧を逆
に印加すると透明物質57は逆向きに変形するので凹レ
ンズにすることも可能である。なお、透明物質57に電
歪材料、例えば、アクリルエラストマー、シリコンゴム
等を用いる場合は、透明物質57を透明基板と電歪材料
を貼り合わせた構造にするとよい。
【0081】図30は本発明である可変焦点レンズのさ
らに他の実施例に係る、マイクロポンプ63で流体24
を出し入れし、レンズ面を変形させる可変焦点レンズ5
5の概略構成図である。マイクロポンプ63は、例え
ば、マイクロマシンの技術で作られた小型のポンプであ
り、電力で動くように構成されている。流体24は、透
明基板25と、弾性体26との間に挟まれている。図3
0中、65は弾性体26を保護するための透明基板であ
る。この透明基板65は省略することもできる。マイク
ロマシンの技術で作られたポンプの例としては、熱変形
を利用したもの、圧電材料を用いたもの、静電気力を用
いたものなどがある。また、図30に示す可変焦点レン
ズに用いるマイクロポンプ63のように、図15で示し
たようなマイクロポンプ23を2つ用いてもよい。
【0082】なお、静電気力、圧電効果を用いた可変焦
点レンズなどにおいては、駆動用に高電圧が必要になる
場合がある。その場合には、昇圧用のトランス、あるい
は圧電トランス等を用いて制御系を構成するとよい。特
に積層型圧電トランスを用いると小型にできてよい。
【0083】図31は本発明にかかる光学特性可変光学
素子の他の実施例であって圧電材料66を用いた可変焦
点レンズ33の概略構成図である。圧電材料66には、
図27及び図28に示す透明物質57と同様の材料が用
いられており、圧電材料66は、透明で柔らかい基板6
7の上に設けられている。なお、基板67には、合成樹
脂、有機材料を用いるのが望ましい。本実施例において
は、2つの透明電極60を介して電圧を圧電材料66に
加えることで圧電材料66は変形し、図31において凸
レンズとしての作用を持っている。
【0084】なお、基板67の形をあらかじめ凸状に形
成しておき、かつ、2つの透明電極60のうち、少なく
とも一方の電極の大きさを基板67と異ならせておく、
例えば、一方の透明電極60を基板67よりも小さくし
ておくと、電圧を切ったときに、図32に示すように、
2つの透明電極60が対向する所定部分だけが凹状に変
形して凹レンズの作用を持つようになり、可変焦点レン
ズとして動作する。このとき基板67は、流体24の体
積が変化しないように変形するので、液溜68が不要に
なるというメリットがある。
【0085】本実施例では、流体24を保持する基板の
一部分を圧電材料で変形させて、液溜68を不要とした
ところに大きなメリットがある。なお、図30の実施例
にも言えることであるが、透明基板25,65はレンズ
として構成しても、或いは平面で構成してもよい。
【0086】図33は本発明にかかる光学特性可変光学
素子のさらに他の実施例であって圧電材料からなる2枚
の薄板66A,66Bを用いた可変焦点レンズの概略構
成図である。本実施例の可変焦点レンズは、薄板66A
と66Bの材料の方向性を反転させることで、変形量を
大きくし、大きな可変焦点範囲が得られるというメリッ
トがある。なお、図33中、25はレンズ形状の透明基
板である。本実施例においても、本発明の他の実施例と
同様に、紙面の右側の透明電極60は基板67よりも小
さく形成されている。
【0087】なお、図31〜図33の実施例において、
基板67、薄板66,66A,66Bの厚さを不均一に
して、電圧を掛けたときの変形のさせかたをコントロー
ルしてもよい。このようにすれば、レンズの収差補正等
もすることができ、便利である。
【0088】図34は本発明にかかる可変焦点レンズの
さらに他の実施例を示す概略構成図である。本実施例の
可変焦点レンズ33は、例えばシリコンゴムやアクリル
エラストマー等の電歪材料69を用いて構成されてい
る。本実施例の構成によれば、電圧が低いときには、図
34に示すように、凸レンズとして作用し、電圧を上げ
ると、図35に示すように、電歪材料69が上下方向に
伸びて左右方向に縮むので、焦点距離が伸びる。従っ
て、可変焦点レンズとして動作する。本実施例の可変焦
点レンズによれば、大電源を必要としないので消費電力
が小さくて済むというメリットがある。
【0089】図36は本発明にかかる光学特性可変光学
素子のさらに他の実施例であってフォトメカニカル効果
を用いた可変焦点レンズの概略構成図である。本実施例
の可変焦点レンズ70は、透明弾性体71a,71bで
アゾベンゼン72が挟まれており、アゾベンゼン72に
は、透明なスペーサー73を経由して紫外光が照射され
るようになっている。図36中、74a,74bはそれ
ぞれ中心波長がλ1,λ2の例えば紫外LED、紫外半導
体レーザー等の紫外光源である。
【0090】本実施例において、中心波長がλ1の紫外
光が図37(a)に示すトランス型のアゾベンゼンに照射
されると、アゾベンゼン72は、図37(b)に示すシス
型に変化して体積が減少する。このため、可変焦点レン
ズ70の形状はうすくなり、凸レンズ作用が減少する。
一方、中心波長がλ2の紫外光が図37(b)に示すシ
ス型のアゾベンゼン72に照射されると、アゾベンゼン
72はシス型から図37(a)に示すトランス型に変化
して、体積が増加する。このため、可変焦点レンズ70
の形状は厚くなり、凸レンズ作用が増加する。このよう
にして、本実施例の光学素子は可変焦点レンズとして作
用する。また、可変焦点レンズ70では、透明弾性体7
1a,71bの空気との境界面で光が全反射するので外
部に光がもれず、効率がよい。
【0091】図38は本発明にかかる可変形状鏡のさら
に他の実施例を示す概略構成図である。本実施例では、
デジタルカメラに用いられるものとして説明する。な
お、図38中、2は可変抵抗器、5は演算装置、6は温
度センサー、7は湿度センサー、8は距離センサー、1
7はブレセンサーである。
【0092】本実施例の可変形状鏡1は、アクリルエラ
ストマー等の有機材料からなる電歪材料69と間を隔て
て分割電極1bを設け、電歪材料69の上に順に電極7
5、変形可能な基板67を設け、さらにその上に入射光
を反射するアルミニウム等の金属からなる反射膜76を
設けて構成されている。このように構成すると、分割電
極1bを電歪材料69と一体化した場合に比べて、反射
膜76の面形状が滑らかになり、光学的に収差を発生さ
せにくくなるというメリットがある。なお、変形可能な
基板67と電極75の配置は逆でも良い。
【0093】また、図38中、77は光学系の変倍、あ
るいはズームを行なう釦であり、可変形状鏡1は、釦7
7を使用者が押すことで反射膜76の形を変形させて、
変倍あるいは、ズームをすることができるように演算装
置5を介して制御されている。なお、アクリルエラスト
マー等の有機材料からなる電歪材料のかわりに既に述べ
たチタン酸バリウム等の圧電材料を用いてもよい。
【0094】図39は、可変形状鏡、例えば静電気駆動
の可変形状鏡1を用いたデジタルカメラ78の例であ
る。この可変形状鏡1を用いることでレンズを動かすこ
となく、フォーカスが行える。撮像レンズ15は、凹レ
ンズ79,プリズム11、凸レンズ80、80、接合レ
ンズ81、ローパスフィルター(図示せず)、赤外カッ
トフィルター82から成り立っている。また、図39に
おいて、83はCPU(中央演算装置)である。
【0095】固体撮像素子14で撮像した電気信号は電
子回路84で処理され、メモリー85に記憶される。ま
た、固体撮像素子14で撮像した電気信号は、表示装置
86、例えば液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、
テレビモニターなどに表示される。さらに、アンテナ8
7で得た情報を通信装置88で処理して表示装置86に
表示することもできる。
【0096】また、電子回路84の出力である画像情報
等を通信装置88を経由してアンテナ87から発信する
こともできる。ここで、プリズム11は、その屈折率を
11とするとき、 n11≦1.41 …(29) であることが望ましい。なぜなら、θ1、θ2、θ3を図
39に示すプリズム11の角とするならば、θ1=45
°=θ2の時、機械的に撮像レンズ15の設計がしやす
いが、この時プリズム11の斜面から光が抜けて可変形
状鏡1に入射するためには全反射しないことが必要で、
そのためには(29)式を満たす必要がある。
【0097】あるいは、図39でθ1=40°、θ2=4
0°、θ3=100°のとき、プリズム11の斜面で光
線が全反射しないためには、 n11≦1.555 …(30) であればよい。
【0098】(29) 式又は (30) 式を満たす材料として
は、プラスチックなどの低屈折率有機物、合成樹脂のほ
か、コンジュゲートマテリアルを用いてもよい。コンジ
ュゲートマテリアルとは、有機・無機材料とも呼ばれ、
たとえば合成樹脂の中に数nmから数十nmのガラス粒
子を分散させて、ガラスとプラスチックの中間の物性を
持つ材料のことである。コンジュゲートマテリアルでは
低屈折率の材料が得られるメリットがある。なお、コン
ジュゲートマテリアルは高分散低屈折率材料が得られる
ので、光学系全般について凹レンズに用いれば色収差除
去とペッツバール和を小さくすることが同時にでき、像
面彎曲の小さい、色収差の除去された光学系が得られ好
ましい。
【0099】さらに、(29) 式又は(30) 式を満たす材料
としては、 旭ガラス社製サイトップ 屈折率1.34 アクリル(PMMA) 屈折率1.49 溶融石英 屈折率1.46 等がある。また、上記したデジタルカメラ78は、携帯
電話、PDA(携帯情報端末)等に用いることもできる。
【0100】図39に示すプリズム11の2角につい
て、θ1は30°以上、θ2は60°以下で選ぶと、機械
設計がしやすく良い。可変形状鏡1としては本願の他の
実施例の可変形状鏡1を用いてもよい。
【0101】また、図39で面11a,11b,11c
を曲面としてもよい。曲面形状を自由曲面とすれば、収
差補正で有利である。
【0102】図40は、図39の実施例に係るプリズム
11の面11aを凹面としたデジタルカメラの概略構成
図である。図40のように、プリズム11の面11aを
凹面とすれば、図39に示した凹レンズ79を省略する
ことができ、小型化、低コスト化で有利である。
【0103】また、可変形状鏡1として静電駆動可変形
状鏡を用いた場合、可変形状鏡の裏側に駆動用の昇圧ト
ランス89を置くと、全体がコンパクトになり良い。
【0104】図41は、本発明のさらに他の実施例で、
デジタルカメラ、動画記録カメラ、テレビカメラ等に用
いられる電子撮像系90を示す概略構成図であり、図4
2は、図41に示すプリズム91,92の拡大図であ
る。可変形状鏡1と第2の可変形状鏡1’の2つを用い
ることで、機械的にレンズを動かすことなくズーム、フ
ォーカスが実現できる。
【0105】可変形状鏡1’は、例えば電磁気力を用い
るものであるが、本願の他の実施例の可変形状鏡1であ
ってもよい。可変形状鏡1’は、図41に示すように2
つのプリズム91、92と一体化されており、プリズム
92の一つの面に対向配置されている。
【0106】図41において、プリズム91のクサビ角
をθ4、プリズム92のクサビ角をθ5、プリズム92の
図示する角度をθ6とする。また、プリズム91の屈折
率をn91、プリズム92の屈折率をn92、プリズム91
と92との間の媒質93の屈折率をn93とする。なお、
この媒質93は空気でもよく、真空、接着剤、薄いガラ
ス等であってもよい。
【0107】図42に示すように、軸上光線とプリズム
91、媒質93、プリズム92の各面との交点を、A、
B、C、D、E,F,G,Hとする。また、プリズム9
1の2つの面を91a、91b、プリズム92の3つの
面を92a、92b、92cとする。面91a、91
b、92a、92b、92cは曲面としてもよい。特に
自由曲面あるいは非球面、偏心した回転対称面とすれ
ば、収差補正で有利である。
【0108】面91b、92a、92bを平面とする
と、プリズム91,92の加工上容易になり好ましい。
また、プリズム91の面91a、91bを平面とする
と、更に加工が容易となる。
【0109】なお、図41に示す可変形状鏡1‘とプリ
ズム92の間の空間をそのまわりから閉塞部材94で密
封することで、可変形状鏡の表面を保護することができ
る。従って、光学素子に対向して可変形状鏡1’を配置
し、周囲の空間から反射面を遮断することで、可変形状
鏡を保護することができる。
【0110】図42において、点B、D、F、Gに立て
た法線と軸上光線のなす角をそれぞれθb,θd,θf
θgとする。また、91a、92cは曲面で、θ7、θ8
はプリズム内の軸上光線に立てた垂直な線と面91b、
92aのなす角とする。
【0111】まず、図42の点Bで入射光線が全反射し
ないためには sinθ<n93/n91 …(31) であることが必要である。また、点Dで入射光線が可変
形状鏡1側へ抜けるためには sinθ<n7/n92 …(32) であることが必要である。ただし、n7は、可変形状鏡
1‘とプリズム92の面92bとの間の媒質の屈折率で
ある。その媒質としては、空気、真空、水、シリコンオ
イル等が考えられる。
【0112】そして、点Gで入射光線が全反射するため
には、 sinθ>n93/n92 …(33) でなければならない。従って、式(31)〜式(33)を満たす
ように、凸レンズ80,接合レンズ81、赤外カットフ
ィルター82の形状、屈折率を選べば、可変形状鏡1、
1’でフォーカス、変倍、ズーム等が行える電子撮像系
が得られる。
【0113】91a,91b,92a,92b,92c
がいずれも平面であるとき、 θ7 =30° θ5 =45° θ8 =60° n91=1.8 n92=1.8 n93 =1.5 n7=1.0 θ b=30° θd =15° θf =15° θg=60° なお、 70°≦θ7+θ8≦110° …(34) を満たすと、機械設計が容易になり良い。
【0114】図43は、本発明にかかる光学装置の他の
実施例を示す概略構成図である。本実施例の携帯電話用
光学装置95は、三面透過、一面反射のプリズム96
の、一つの透過面に対向して可変形状鏡1を配置してあ
る。可変形状鏡1を用いることで、機械的に光学素子を
動かすことなく、フォーカシングが行える。
【0115】また、4つの光学平面を有するプリズム9
6をはさんで、前群に凹レンズ79、後群に凸レンズ8
0が配置されることで、広角化を達成している。広角と
は、ここでは対角の撮像画角が47°以上のことを指
す。
【0116】図43に示すプリズム96の角度θ9を9
0°とすると、機械設計上便利である。よく用いられる
ペンタプリズムである。また、97はアルミ蒸着等によ
って作られる反射膜である。また、非球面レンズ98を
光学系に用いることにより、より良く収差を補正するこ
とができる。
【0117】図44は、本発明にかかる携帯電話用光学
装置のさらに他の実施例を示す概略構成図である。この
携帯電話用光学装置は、凹面96aを備えたプリズム9
6を有している。凹面である面96aを用いると、図4
3における凹レンズ79を省略できるメリットがある。
【0118】図45に示す実施例は、シュミットプリズ
ム99の全反射しない面に対向して可変形状鏡1を配置
したもので、図39等の側視光学系の例と異なり、直視
の光学系である。可変形状鏡1を用いることによって、
光学素子を動かすことなくフォーカシングが行える。
【0119】シュミットプリズム99を構成する2つの
三角プリズム91、92の間には、絞り43が配置され
ている。可変形状鏡1は三角プリズム91のC面に対向
して配置されてもよい。
【0120】また、図46に示すように、可変形状鏡
1、1‘を三角プリズム91c、92cの各面に対向し
て配置すれば、ズームとフォーカスの両方が可能とな
る。
【0121】更に、図47に示すように、三角プリズム
91の面91a,91b及び91c、三角プリズム92
の面92a,92b及び92cのいずれかを、それぞれ
曲面としてもよく、これにより凹レンズ79、凸レンズ
80等のレンズを省略できるというメリットがある。
【0122】シュミットプリズム99にダハ面を設けな
い場合像は裏像となるが、その場合には、図45に示す
電子回路84で画像処理を行い、像を電気的に反転させ
ればよく、その方がコストを削減できるので好ましい。
【0123】また、図39から図47までの実施例で、
プリズムに用いる曲面は自由曲面とするのが良い。この
ように自由曲面とすることで収差補正が充分にでき、有
利である。さらに、図39から図47の光学系の実施例
は、電子内視鏡、カプセル内視鏡等に用いてもよい。ま
た、各種撮像装置、観察装置等にも用いることができ
る。
【0124】図48(a)(b)は、本発明に係る可変
形状鏡の更に他の実施例である可変形状鏡1の概略構成
図である。有機材料、例えばポリイミドから成る薄膜1
aの上に、例えばアルミコート膜から成る反射膜100
がついている。
【0125】一般に、可変形状鏡を光学系に組み込む場
合に、他の光学素子、例えばプリズムあるいは枠等に対
して位置決めして固定する必要がある。そのためには、
可変形状鏡1の光束通過部分の中心が分かれば、組立、
調整がやり易い。そのために、本発明では、反射膜10
0のうちの光束通過部分101の中に、印102を設け
た(図48(b)参照)。
【0126】印102の形成方法としては、十字形に反
射コートを行わない部分を設けるか、反射コート後にコ
ートを十字形に除去するか、黒い物質を十字形に反射コ
ートの上に蒸着する、等の各種方法がある。なお、印の
形は十字に限らず、円、リング、直線、線分などでも良
く、印の数は1個であっても複数であっても良い。
【0127】軸上光束通過部分の中に含まれる印の面積
の和が、軸上光束通過部分の面積の1/5以下であれ
ば、この印は結像に影響を与えないのでよい。あるい
は、やや低コストの光学系では、印の面積の総和が光束
通過部分101の面積の1/10以下であれば、問題な
く使用できる。
【0128】図48(b)において、103a,103
b及び103cは、可変形状鏡1が取り付けられる枠で
ある。図48(b)に示すように、枠103a,103
b及び103cにも位置決め用の印102a,102
b,102cをつけておくと良い。そうすれば、印10
2と印102a、102b、102cの位置関係を目
視、ルーペ、顕微鏡等で見ながら位置合せをすること
で、正しい設計通りの組立が実現でき、便利である。
【0129】また、印102、102a、102b,1
02cは、組立後に正しく位置決めされているかどうか
の確認にも使用できる。印102a、102b,102
c,の形は線分、十字、円、黒点等を適当に選べばよ
く、これらを枠に成形、切削、印刷、塗装等でつければ
よい。印102a,102b,102cは、可変形状鏡
が取り付けられる枠でなくとも、その近傍の枠或いは部
材に設けてもよい。
【0130】図48(b)に示す印102d,102
e,102f及び102gは、可変形状鏡の光束通過部
分外に設けられた位置決めの印である。印102d,1
02e,102f,102gと印102a,102b,
102cの組合せで可変形状鏡1の位置決めあるいは組
立後のチェックを行ってもよい。この印102d,10
2e,102f,102gの形は印102、印102
a,102b及び102cと同様に選べばよい。
【0131】また、図48(b)において、104は、
可変形状鏡1のうちの面形状が変形する部分の外周を示
す。この外周104の内側に実際に光束が入射する部分
である光束通過部分101がある。
【0132】この場合、光束通過部分101の形状を光
学設計通りに近付けるために、光束通過部分101の面
積S1は外周104内の面積S2に比べて小さくしておく
必要があり、 0.3<S1/S2<0.995 …(35) であればよい。
【0133】(35)式の上限を越えると、可変形状鏡の光
束通過部分101の周辺部の形状が設計値からはずれ、
光学性能が低下する。一方、(35)式の下限を下回ると可
変形状鏡が大きくなりすぎ、コストアップしてしまう。
【0134】より高性能、低コストを狙うには 0.4<S1/S2<0.95 …(36) であればよい。
【0135】図49は本発明のズーム撮像光学系のさら
に他の実施例に係る、可変形状鏡1、1’を有するデジ
タルカメラの概略構成図である。2つの可変形状鏡1,
1’を用いることで光学素子を動かすことなく、ズー
ム、フォーカスが実現でき、さらにこの様子を図示しな
い表示装置に表示することもできる。
【0136】まず、第一の状態(広角)で軸上光線J
は、凹レンズ79、凸レンズ80を通り軸上光線Kとな
り、可変形状鏡1上の点Pで反射し軸上光線L1とな
り、可変形状鏡1‘上の点Qで反射し軸上光線M1とな
って固体撮像素子14に入射する。
【0137】次に、第二の状態(望遠)では可変形状鏡
1の反射面105及び可変形状鏡1’の反射面106が
図49の破線のように変形するため、軸上光線Jは軸上
光線Kとなって可変形状鏡1上の点Rで反射して軸上光
線L2となり、可変形状鏡1’上の点Q‘で反射し軸上
光線M2となって、固体撮像素子14上では距離Sだけ
ずれたところに届く。このため、ズームを行うと視野方
向が変わるという欠点が一般にはある。そこで、本発明
はこの欠点を解決するために、ずれ量Sを0にすること
ができるように構成されている。
【0138】図50はそのための実施例を示している。
即ち、第二の状態(望遠)において、軸上光線Kと可変
形状鏡1の交点をR、軸上光線Mと可変形状鏡1’の交
点をTとするとき、交点Rから交点Tへ光線が進むよう
に反射面105,106の形状を変形させてやれば、ず
れ量Sを0にすることができる。
【0139】実用的には、光学系の焦点距離をfとする
時 |S|<(1/30)|f| …(37) であれば差し支えない。低精度の光学系では |S|<(1/5)|f| …(38) であれば、実用になる。高精度の光学系では |S|<(1/50)|f| …(39) を満たす必要がある。なお、fは長焦点端における焦点
距離と短焦点端における焦点距離の平均を取るものとす
る。
【0140】なお、反射面105,106の形状は自由
曲面とするのが収差補正上有利である。
【0141】そして、図50に示す交点Rで反射した光
線が交点Tに到着するためには、反射面105,106
を表す自由曲面式のX、Yについて1次の項以下が適当
に変化すればよい。なぜなら、1次の項は面の傾きを変
え、0次の項は面の位置を変えるからである。
【0142】2次の項を用いてずれ量Sを小さくしよう
とすると、光学系のパワーが変化してしまうので良くな
い。従って、0次、1次の項、つまり係数をズーミング
とともに変化させるのが良い。
【0143】以上は撮像系の例で述べたが、他のズーム
系、表示光学系、観察光学系、情報処理系等の場合も同
様のことが言える。また、上記図49、図50の説明で
は2つの可変形状鏡の間に光学素子はないが、仮に光学
素子があったとしても同様のことが言える。3つ以上の
可変形状鏡を有する光学系の場合でも考え方は同様であ
る。
【0144】最低2つの可変形状鏡について自由曲面式
の1次以下の項の係数を変化させればずれ量Sを0にす
ることができる。また、可変形状鏡の形状が自由曲面以
外の場合でも、曲面を表す式に0次、1次の項を付加し
て考えれば同様である。
【0145】そして、この1次以下の項を変化させるこ
とで像の位置ずれを押さえる、という考え方は、カメ
ラ、デジタルカメラ、テレビカメラ等でのブレ補正にも
用いることができる。
【0146】この場合、可変形状鏡1,1’及び可変形
状鏡1の個数は、1つ以上あればよい。例えば、図39
の光学系でブレ補正を行うためには、可変形状鏡1の反
射面105の形状を変化させればよい。そして、反射面
105の形状を表す式の1次以下の項を変化させること
で、ブレ補正を実現できるのである。
【0147】なお、図38に示すように、ブレセンサー
17を併用することで、手ブレ、乗物上での撮影時のブ
レを補正することができるが、このブレ補正は、観察装
置、撮像装置、表示装置等の光学装置にも適する。式(3
7)から(39)も、fをブレ補正時の光学系の焦点距離と考
えることでブレ補正に適用できる。
【0148】さらにまた、上記の0次、1次の項で可変
形状鏡変形時の像位置のずれを補正するという考え方
は、図39、図43、図45、図46のように、1個又
は2個以上の可変形状鏡を用いてフォーカシングを行う
場合にも当てはまる。式(37)から式(39)も、fをフォー
カシング時の焦点距離の平均と考えることで像位置のず
れの補正に適用できる。
【0149】次に、この実施例として、可変形状鏡を用
いた光学系の具体例について説明する。図51はこの実
施例に係るY−Z面の断面図である。
【0150】この実施例は式(38)を満たすもので、f=
7.6、S=0.96である。可変形状鏡の座標原点を
表すZの値が広角端と望遠端で異なっており、可変形状
鏡の形状を表す関数の1次以下の項が変化している。
【0151】図51(a)は広角端を、図51(b)は
望遠端の断面をぞれぞれ示しているが、これは4つの自
由曲面の屈折面11a,11b,11c,11dからな
る自由曲面プリズム11を挟んで自由曲面プリズム11
の長手方向の両側で屈折面11b、11cに面して2枚
の自由曲面可変形状鏡1,1’を設け、小型化を達成
し、ズームとピント合せの両方を行う電子撮像系用の光
学系である。なお、図中、107はフィルター等の平行
平面板、108は撮像面(結像面)である。絞りは第1
の可変形状鏡1の面あるいはその近傍に配置されてい
る。可変形状鏡1の反射面の周辺に黒いコーティングを
施すことで絞りを達成することができる。
【0152】2つの可変形状鏡1、1’はズーム時に、
一方可変形状鏡1は平面から凹に、もう一方可変形状鏡
1’は凹から平面へと逆向きに変化する。この2枚の可
変形状鏡1,1’は凸から凹、凹から凸と変化してもも
ちろんよい。逆向きに変化しているからである。
【0153】撮像面108は、自由曲面プリズム11を
挟んで一方の可変形状鏡1’とは自由曲面プリズム11
の長手方向に対して反対側に、もう一方の可変形状鏡1
とは自由曲面プリズムの長手方向に対して同じ側に位置
している。このように配置すると、全体の光学系を小型
にできてよい。
【0154】なお、第1の可変形状鏡1はフォーカス時
にも変形する。この可変形状鏡1は絞り面にあるので、
変形しても画角が変化し難いメリットがある。第2の可
変形状鏡1’はズーム時に変形する。主光線の高さが光
束半径より高いので、フォーカスをあまり変化させるこ
となくズーム(あるいは変倍)を行うことができる。ズ
ーム時には、第1の可変形状鏡1も変形してよい(後述
の数値データ参照)。
【0155】この実施例の数値データは後述するが、F
ナンバーは、広角端で4.6、望遠端で5.8、焦点距
離fTOTは、広角端で5.8mm、望遠端で9.4m
m、撮像画サイズは、3.86×2.9mm、画角は、
広角端で、対角画角が45°、短辺方向画角が28°、
長辺方向画角が36.8°、望遠端で、対角画角が28
°、短辺方向画角が18°、長辺方向画角が23°であ
る。
【0156】この実施例の場合も含めて、本発明の可変
形状鏡は、動作時の少なくとも1つの状態において、可
変形状鏡の少なくとも1つは、下式(40)又は(41)を満た
すことが望ましい。
【0157】 0≦|Px/PTOT|<1000 …(40) 0≦|Pv/PTOT|<1000 …(41) ここで、Pxは可変形状鏡の光軸近傍の主曲率半径の
中、入射面に近い方の主曲率半径の逆数、Pvは可変形
状鏡の光軸近傍の主曲率半径の中、入射面に遠い方の主
曲率半径の逆数(後述の式(a)で自由曲面が表される
場合であって、Y−Z面と平行な対称面が1つだけ存在
する自由曲面の場合には、例えばPx=2C6、Pv=2
4で計算できる。)、PTOT=1/fTOTであり、fTOT
は全系の焦点距離である。
【0158】なぜなら、|Px/PTOT|あるいは|Pv
/PTOT|が式(40)又は(41)の下限の0に近づく程
面形状は平面あるいはシリンドリカル面に近づくので、
面形状の制御がしやすくなり、一方、上限の1000を
越えると、収差の補正及び可変形状鏡の製作が困難にな
ってくるからである。
【0159】より高精度の用途には、式(40)、式(4
1)の代わりに、 0≦|Px/PTOT|<100 …(42) 0≦|Pv/PTOT|<100 …(43) を満たすとよい。
【0160】本発明の光学系に用いられる可変形状鏡
は、この実施例の場合も含めて、動作時の少なくとも1
つの状態において、可変形状鏡の少なくとも1つは、下
記の2つの式(44)、(45)の何れかを満たすことが望まし
い。
【0161】 0.00001≦|ΔPx/PTOT|<1000 …(44) 0.00001≦|ΔPv/PTOT|<1000 …(45) ここで、ΔPx、ΔPvはそれぞれPx、Pvの変化量であ
る。
【0162】両式の|ΔPx/PTOT|、|ΔPv/PTOT
|の値が下限の0.00001を下回ると、可変形状鏡
としての効果が小さくなり、一方、上限の1000を越
えると、収差の補正、可変形状鏡の製作が困難になる。
【0163】さらに高精度を望む場合等には、式(4
4)、式(45)の代わりに、 0.00001<|ΔPx/PTOT|<100 …(46) 0.00001<|ΔPv/PTOT|<100 …(47) を満たすとよい。
【0164】本発明の光学系に用いられる可変形状鏡
は、この実施例の場合も含めて、次の式の少なくとも何
れかをある動作状態で満たしていることが望ましい。
【0165】 0.00001<|Px|<100 (mm-1) …(48) 0.00001<|Pv|<100 (mm-1) …(49) |Px|又は|Pv|がそれぞれの式の上限の100を越
えると、可変形状鏡は小さくなりすぎて製作が困難にな
り、下限の0.00001を下回ると可変形状鏡の効果
がなくなる。
【0166】高精度を望む用途等では、式(48)、式
(49)の代わりに、 0.001<|Px|<100 (mm-1) …(50) 0.001<|Pv|<100 (mm-1) …(51) を満たすとよい。
【0167】また、式(50)、(51)に代わって、 0.005<|Px|<10 (mm-1) …(52) 0.005<|Pv|<10 (mm-1) …(53) を満たせばさらによい。
【0168】本発明の光学系に用いられる可変形状鏡の
少なくとも1つは、この実施例の場合も含めて、ある動
作状態で次の2式の少なくとも一方を満たしていること
が望ましい。
【0169】 0.0001<|ΔPx|<100 (mm-1) …(54) 0.0001<|ΔPv|<100 (mm-1) …(55) |ΔPx|又は|ΔPv|の値が各式の上限の100を越
えると、可変形状鏡の変形量が大きくなりすぎ破損する
おそれがある。一方、下限の0.0001を下回ると、
可変形状鏡としての効果が減る。
【0170】より高精度を望む用途では、(54) 式、 (5
5) 式の代わりに、 0.0005<|ΔPx|<10 (mm-1) …(56) 0.0005<|ΔPv|<10 (mm-1) …(57) を満たすとよい。
【0171】さらに、(56)式、(57)式の代わりに、 0.002<|ΔPx|<10 (mm-1) …(58) 0.002<|ΔPv|<10 (mm-1) …(59) を満たせばさらによい。
【0172】本発明の光学系に用いられる可変形状鏡の
少なくとも1つは、この実施例の場合も含めて、ある動
作状態で次の式を満たしていることが望ましい。 0≦|Px/(Pvcosφ)|<100 …(60) ここで、φは可変形状鏡面への軸上光線の入射角であ
る。
【0173】|Px/(Pvcosφ)|が上限の100
を越えると、非点収差の補正が困難になる。なお、下限
の0に近づくのは、面の形がシリンドリカル面に近づく
ときである。
【0174】より精密な用途では、 (60) 式の代わり
に、 0≦|Px/(Pvcosφ)|<25 …(61) を満たすのがよい。
【0175】なお、(48)式、(61)式でPv=0かつPx
0、つまり、平面の場合は、Px/(Pvcosφ)を1
/cosφで置き換えるものとする。
【0176】また、(48)式、(61)式でPx≠0かつPv
0の場合は、Pvcosφを1で置き換えるものとす
る。
【0177】同様に非点収差を補正する目的で、可変形
状鏡の何れか1つ以上がある動作状態で、 |Pv|≧|Px| …(62) を満たすとよい。
【0178】以上の(40)式〜(62)式は、本発明に係る
実施例に当てはまるものである。
【0179】なお、本発明全体にわたって言えることで
あるが、一般にズーム光学系は変倍光学系の1つであ
る。ただし、ズーム光学系という言葉を変倍光学系と同
義に用いることもある。
【0180】実施例の単位は何れもmmである。
【0181】また、上記実施例における可変形状鏡は、
ズーミング又はフォーカシングに伴い連続的に形状を変
えるが、何箇所かで不連続的にズーミング、フォーカシ
ングを行ってもよい。
【0182】例えば、実施例では、可変形状鏡の周辺部
が他の光学素子に対して固定されていて、中央部が変形
するように設計してある。したがって、可変形状鏡の面
頂域は可変形状鏡の変形と共に変化している。
【0183】また、可変形状鏡を用いた光学系では、あ
る動作状態で次式の何れかを満たすとよい。
【0184】 0≦|Px|≦0.01 (mm-1) …(63) 0≦|Pv|≦0.01 (mm-1) …(64) この2式はその動作状態で一方の曲率が平面に近いこと
を示しており、平面は形状制御が容易で、電力を消費し
難い等の点で優れている。上記2式は本発明に係る実施
例に対して成り立つ。
【0185】以下に、上記実施例の構成パラメータを示
す。以下の表中の“FFS”は自由曲面、“ASS”は
非球面、“RP”は基準面、“HRP”は仮想面、“R
E”は反射面、“DM”は可変形状鏡、“XTR”はX
トーリック面、“ANM”はアナモルフィック面をそれ
ぞれ示す。また、面形状、偏心に関して“WE”、“T
E”はそれぞれ広角端、望遠端を示し、“OD”は物体
距離を示す。
【0186】 面番号 曲率半径 面間隔 偏心 屈折率 アッベ数 物体面 ∞ 1000.00 1 ∞(HRP,RP) 偏心(1) 2 FFS 偏心(2) 1.5254 56.2 3 FFS 偏心(3) 4 FFS(絞り)(DM1) 偏心(4) 5 FFS 偏心(3) 1.5254 56.2 6 FFS 偏心(5) 7 FFS(DM2) 偏心(6) 8 FFS 偏心(5) 1.5254 56.2 9 FFS 偏心(7) 10 ∞ 偏心(8) 1.5163 64.1 11 ∞ 偏心(9) 像面 ∞ 偏心(10) FFS C4 -6.7765×10-26 -6.2321×10-28 -2.2954×10-210 -1.9491×10-211 -3.1101×10-313 -6.5957×10-315 -2.9764×10-2 FFS C4 -7.7519×10-26 -6.0590×10-28 -5.9666×10-310 -2.6208×10-311 -7.4511×10-413 -4.5909×10-415 -4.2617×10-5 FFS WE:∞(平面) TE: C4 -1.7971×10-26 -1.8050×10-28 3.0008×10-510 -1.3132×10-311 -3.4160×10-413 -7.3683×10-415 -3.1388×10-4 FFS C4 -6.8810×10-26 -5.6218×10-28 1.0316×10-310 -4.5924×10-411 -3.0583×10-313 5.7663×10-415 8.8386×10-4 FFS WE: C4 5.1461×10-26 3.7863×10-28 -3.0012×10-310 -6.4390×10-411 1.8790×10-313 2.5101×10-315 6.3665×10-4 TE:∞(平面) FFS C4 -4.1970×10-26 -7.0058×10-28 -1.5784×10-210 -1.6308×10-211 -2.8968×10-313 4.4919×10-315 -1.1667×10-2 偏心(1) X 0.00 Y 0.00 Z 0.00 α 0.00 β 0.00 γ 0.00 偏心(2) X 0.00 Y -0.03 Z 0.33 α 1.73 β 0.00 γ 0.00 偏心(3) X 0.00 Y -0.10 Z 2.94 α 19.43 β 0.00 γ 0.00 偏心(4) WE: X 0.00 Y -0.26 Z 4.08 α 16.93 β 0.00 γ 0.00 TE: X 0.00 Y -0.26 Z 4.12 α 16.93 β 0.00 γ 0.00 偏心(5) X 0.00 Y -3.83 Z 1.02 α 8.48 β 0.00 γ 0.00 偏心(6) WE: x 0.00 Y -4.80 Z -0.22 α 8.00 β 0.00 γ 0.00 TE: X 0.00 Y -4.80 Z 0.20 α 8.00 β 0.00 γ 0.00 偏心(7) X 0.00 Y -4.33 Z 2.61 α -34.51 β 0.00 γ 0.00 偏心(8) X 0.00 Y -6.16 Z 3.17 α -13.93 β 0.00 γ 0.00 偏心(9) X 0.00 Y -6.40 Z 4.14 α -13.93 β 0.00 γ 0.00 偏心(10) X 0.00 Y -6.46 Z 4.39 α -13.93 β 0.00 γ 0.00
【0187】次に、上記実施例の前記条件式(40)〜(62)
の値を示す。dは可変形状鏡の光束通過部分と等面積の
円の直径である。
【0188】 可変形状鏡 1 2 状態 TE−WE TE−WE 光束通過部分の形状 楕円形 正方形 Δ 0.0016 0.0740 (1/5)×d 0.332 0.8 H 0.04 0.042 HJ/HK 0.0952 φ 27 40 Px -0.0361 0.0757 Pv -0.0359 0.1029 ΔPx -0.0361 -0.0757 ΔPv -0.0359 -0.1029 |Px/(Pvcosφ)| 1.1273 0.9604 |Px/PTOT| 0.2094 0.4392 |Pv/PTOT| 0.2085 0.5969 |ΔPx/PTOT| 0.2094 0.4392 |ΔPv/PTOT| 0.2085 0.5969
【0189】図52は本発明のさらに他の実施例に係
る、可変形状鏡1を用いたテレビカメラの概略構成図で
ある。この実施例において、可変形状鏡1はフォーカシ
ングに用いられる。
【0190】今、遠方にピント(焦点)が合っている場
合を考える。ここで、可変形状鏡1の反射面105は設
計値では平面になるべきものであるが、製作誤差等によ
り必ずしも平面になっていない。例えば、楕円開口の可
変形状鏡をリソグラフィー等を用いて作った場合には、
基板の“そり”のために平面にならず、非点収差を持っ
た曲面形状になることが多い。そこで、この実施例で
は、回転非対称な光学面の一例である非回転対称面を有
するレンズ109を用いて、可変形状鏡の持つ形状誤差
を補正して製作誤差で生ずる収差をキャンセルさせるよ
うにしたものである。
【0191】前述のように、可変形状鏡1の反射面10
5が非点収差を持つのであれば、レンズ109の少なく
とも一つの面はアナモルフィック面或いはアナモルフィ
ック面に類似形状の自由曲面とすればよい。
【0192】以上の例で109はレンズであったが、回
転非対称な面を持つミラー、プリズム等と形状誤差のあ
る可変形状鏡を組み合わせてもよい。
【0193】これまでに説明した図39、図40、図4
3、図44、図45、図47、図52の光学系では、可
変形状鏡1を一つ用いることで、光学系のフォーカシン
グを、他の光学素子を機械的に動かすことなく実現した
ものである。しかしながら、これらの光学系で、凸レン
ズ80,接合レンズ81等のいずれか1つ以上の光学素
子を移動することで焦点距離を変化させ、その時生ずる
ピント位置(焦点位置)の変化を可変形状鏡で補正するこ
とでズーミングを行ってもよい。可変形状鏡を用いない
場合に比べ、移動するレンズ群が減り、小型、軽量の光
学系が実現できる。
【0194】例えば、図52の凹レンズ79aを矢印方
向に移動することで焦点距離を変化させ、可変形状鏡1
の反射面105の形を変化させることで、ズームに伴う
ピント移動(焦点距離の移動)を補正すればよい。この
考え方は、図1の観察光学系等にも適用できる。
【0195】最後に、本発明で用いる用語の定義を述べ
ておく。
【0196】ここで、本発明で使用する自由曲面とは以
下の式で定義されるものである。この定義式のZ軸が自
由曲面の軸となる。
【0197】 ここで、上記式の第1項は球面項、第2項は自由曲面項で
ある。
【0198】球面項中、 c:頂点の曲率 k:コーニック定数(円錐定数) r=√(X2+Y2) である。
【0199】自由曲面項は ただし、Cj(jは2以上の整数)は係数である。
【0200】上記自由曲面は、一般的には、X−Z面、
Y−Z面共に対称面を持つことはないが、Xの奇数次項
を全て0にすることによって、Y−Z面と平行な対称面
が1つだけ存在する自由曲面となる。また、Yの奇数次
項を全て0にすることによって、X−Z面と平行な対称
面が1つだけ存在する自由曲面となる。
【0201】また、上記の回転非対称な曲面形状の面で
ある自由曲面の他の定義式として、Zernike多項
式により定義できる。この面の形状は以下の式(b)に
より定義する。その定義式(b)のZ軸がZernik
e多項式の軸となる。回転非対称面の定義は、X−Y面
に対するZの軸の高さの極座標で定義され、AはX−Y
面内のZ軸からの距離、RはZ軸回りの方位角で、Z軸
から測った回転角で表せられる。
【0202】 x=R×cos(A) y=R×sin(A) Z=D2 +D3Rcos(A)+D4Rsin(A) +D52cos(2A)+D6(R2−1)+D72sin(2A) +D83cos(3A)+D9(3R3−2R)cos(A) +D10(3R3−2R)sin(A)+D113sin(3A) +D124cos(4A)+D13(4R4−3R2)cos(2A) +D14(6R4−6R2+1)+D15(4R4−3R2)sin(2A) +D164sin(4A) +D175cos(5A)+D18(5R5−4R3)cos(3A) +D19(10R5−12R3+3R)cos(A) +D20(10R5−12R3+3R)sin(A) +D21(5R5−4R3)sin(3A)+D225sin(5A) +D236cos(6A)+D24(6R6−5R4)cos(4A) +D25(15R6−20R4+6R2)cos(2A) +D26(20R6−30R4+12R2−1) +D27(15R6−20R4+6R2)sin(2A) +D28(6R6−5R4)sin(4A)+D296sin(6A)… …(b) ただし、Dm(mは2以上の整数)は係数である。な
お、X軸方向に対称な光学系として設計するには、
4、D5、D6、D10、D11、D12、D13、D14
20、D21、D22…を利用する。
【0203】上記定義式は、回転非対称な曲面形状の面
の例示のために示したものであり、他のいかなる定義式
に対しても同じ効果が得られることは言うまでもない。
数学的に同値ならば他の定義で曲面形状を表してもよ
い。
【0204】なお、自由曲面の他の定義式の例として、
次の定義式(c)があげられる。
【0205】Z=ΣΣCnmXY 例として、k=7(7次式)を考えると、展開したと
き、以下の式で表せる。
【0206】 Z=C2 +C3Y+C4|X| +C52+C6Y|X|+C72 +C83+C92|X|+C10YX2+C11|X3| +C124+C133|X|+C1422+C15Y|X3|+C164 +C175+C184|X|+C1932+C202|X3| +C21YX4+C22|X5| +C236+C245|X|+C2542+C263|X3| +C2724+C28Y|X5|+C296 +C307+C316|X|+C3252+C334|X3| +C3434+C352|X5|+C36YX6+C37|X7| …(c) また、非球面は、以下の定義式で与えられる回転対称非
球面である。
【0207】 Z=(Y2/R)/[1+{1−(1+K)Y2/R21/2] +AY4+BY6+CY8+DY10+…… …(d) ただし、Zを光の進行方向を正とした光軸(軸上主光
線)とし、Yを光軸と垂直な方向にとる。ここで、Rは
近軸曲率半径、Kは円錐定数、A、B、C、D…はそれ
ぞれ4次、6次、8次、10次の非球面係数である。こ
の定義式のZ軸が回転対称非球面の軸となる。
【0208】また、アナモルフィック面の形状は以下の
式により定義する。面形状の原点を通り、光学面に垂直
な直線がアナモルフィック面の軸となる。
【0209】 Z=(Cx・X2+Cy・Y2)/[1+{1−(1+Kx)Cx2・X2 −(1+Ky)Cy2・Y21/2] +ΣRn{(1−Pn)X2+(1+Pn)Y2(n+1) ここで、例としてn=4(4次項)を考えると、展開し
たとき、以下の式(e)で表すことができる。
【0210】 Z=(Cx・X2+Cy・Y2)/[1+{1−(1+Kx)Cx2・X2 −(1+Ky)Cy2・Y21/2] +R1{(1−P1)X2+(1+P1)Y22 +R2{(1−P2)X2+(1+P2)Y23 +R3{(1−P3)X2+(1+P3)Y24 +R4{(1−P4)X2+(1+P4)Y25 …(e) ただし、Zは面形状の原点に対する接平面からのずれ
量、CxはX軸方向曲率、CyはY軸方向曲率、Kxは
X軸方向円錐係数、KyはY軸方向円錐係数、Rnは非
球面項回転対称成分、Pnは非球面項回転非対称成分で
ある。なお、X軸方向曲率半径Rx、Y軸方向曲率半径
Ryと曲率Cx、Cyとの間には、 Rx=1/Cx、Ry=1/Cy の関係にある。
【0211】また、トーリック面にはXトーリック面と
Yトーリック面があり、それぞれ以下の式により定義す
る。面形状の原点を通り、光学面に垂直な直線がトーリ
ック面の軸となる。Xトーリック面は、 F(X)=Cx・X2/[1+{1−(1+K)Cx2・X21/2] +AX4+BX6+CX8+DX10… Z=F(X)+(1/2)Cy{Y2+Z2−F(X)2} …(f) 次いで、Y方向の曲率中心を通ってX軸の周りで回転す
る。その結果、その面はX−Z面内で非球面になり、Y
−Z面内で円になる。Yトーリック面は、 F(Y)=Cy・Y2/[1+{1−(1+K)Cy2・Y21/2] +AY4+BY6+CY8+DY10… Z=F(Y)+(1/2)Cx{X2+Z2−F(Y)2} …(g) 次いで、X方向の曲率中心を通ってY軸の周りで回転す
る。その結果、その面はY−Z面内で非球面になり、X
−Z面内で円になる。
【0212】ただし、Zは面形状の原点に対する接平面
からのずれ量、CxはX軸方向曲率、CyはY軸方向曲
率、Kは円錐係数、A、B、C、Dは非球面係数であ
る。なお、X軸方向曲率半径Rx、Y軸方向曲率半径R
yと曲率Cx、Cyとの間には、 Rx=1/Cx、Ry=1/Cy の関係にある。
【0213】なお、偏心面については、光学系の基準面
の中心からその面の面頂位置の偏心量(X軸方向、Y軸
方向、Z軸方向をそれぞれX、Y、Z)と、その面の中
心軸(自由曲面については、前記(a)式のZ軸、非球
面については、前記の(d)式のZ軸、アナモルフィッ
ク面については、前記の(e)式のZ軸、トーリック面
については、前記の(f)式又は(g)式のZ軸)のX
軸、Y軸、Z軸それぞれを中心とする傾き角(それぞれ
α、β、γ(°))とが与えられている。その場合、α
とβの正はそれぞれの軸の正方向に対して反時計回り
を、γの正はZ軸の正方向に対して時計回りを意味す
る。なお、面の中心軸のα、β、γの回転のさせ方は、
面の中心軸とそのXYZ直交座標系を、まずX軸の回り
で反時計回りにα回転させ、次に、その回転した面の中
心軸を新たな座標系のY軸の回りで反時計回りにβ回転
させると共に1度回転した座標系もY軸の回りで反時計
回りにβ回転させ、次いで、その2度回転した面の中心
軸を新たな座標系のZ軸の回りで時計回りにγ回転させ
るものである。
【0214】なお、反射面の傾きだけを示す場合も、偏
心量としてその面の中心軸の傾き角が与えられている。
【0215】なお、データの記載されていない自由曲
面、非球面等に関する項は0である。
【0216】本発明に係る光学装置とは、光学系あるい
は光学素子を含む装置のことである。光学装置単体で機
能しなくてもよい。つまり、装置の一部でもよい。
【0217】光学装置には、撮像装置、観察装置、表示
装置、照明装置、信号処理装置等が含まれる。
【0218】撮像装置の例としては、フィルムカメラ、
デジタルカメラ、ロボットの眼、レンズ交換式デジタル
一眼レフカメラ、テレビカメラ、動画記録装置、電子動
画記録装置、カムコーダ、VTRカメラ、電子内視鏡等
がある。デジカメ、カード型デジカメ、テレビカメラ、
VTRカメラ、動画記録カメラなどはいずれも電子撮像
装置の一例である。
【0219】観察装置の例としては、顕微鏡、望遠鏡、
眼鏡、双眼鏡、ルーペ、ファイバースコープ、ファイン
ダー、ビューファインダー等がある。
【0220】表示装置の例としては、液晶ディスプレ
イ、ビューファインダー、ゲームマシン(ソニー社製プ
レイステーション)、ビデオプロジェクター、液晶プロ
ジェクター、頭部装着型画像表示装置(head mo
unted display:HMD)、PDA(携帯
情報端末)、携帯電話等がある。
【0221】照明装置の例としては、カメラのストロ
ボ、自動車のヘッドライト、内視鏡光源、顕微鏡光源等
がある。
【0222】信号処理装置の例としては、携帯電話、パ
ソコン、ゲームマシン、光ディスクの読取・書込装置、
光計算機の演算装置等がある。
【0223】撮像素子は、例えばCCD、撮像管、固体
撮像素子、写真フィルム等を指す。また、平行平面板は
プリズムの1つに含まれるものとする。観察者の変化に
は、視度の変化を含むものとする。被写体の変化には、
被写体となる物体距離の変化、物体の移動、物体の動
き、振動、物体のブレ等を含むものとする。
【0224】光学特性可変光学素子とは、可変焦点レン
ズ、可変形状鏡、面形状の変わる偏光プリズム、頂角可
変プリズム、光偏向作用の変わる可変回折光学素子、つ
まり可変HOE,可変DOE等を含む。
【0225】可変焦点レンズには、焦点距離が変化せ
ず、収差量が変化するような可変レンズも含むものとす
る。可変形状鏡についても同様である。要するに、光学
素子で、光の反射、屈折、回折等の光偏向作用が変化し
うるものを光学特性可変光学素子と呼ぶ。
【0226】情報発信装置とは、携帯電話、固定式の電
話、ゲームマシン、テレビ、ラジカセ、ステレオ等のリ
モコンや、パソコン、パソコンのキーボード、マウス、
タッチパネル等の何らかの情報を入力し、送信すること
ができる装置を指す。撮像装置のついたテレビモニタ
ー、パソコンのモニター、ディスプレイも含むものとす
る。情報発信装置は、信号処理装置の中に含まれる。
【0227】以上説明したように、本発明の光学系は、
特許請求の範囲に記載された発明の他に、次のような特
徴も備えている。
【0228】(1)コンジュゲートマテリアルからなる
光学素子を有する光学系。
【0229】(2)光学素子がプリズムである上記
(1)に記載の光学系。
【0230】(3)光学素子が凹レンズである上記
(1)に記載の光学系。
【0231】(4)光学特性可変形状鏡を備えた上記
(1)乃至(3)のいずれかに記載の光学系。
【0232】(5)光学特性可変形状鏡と撮像素子とを
備えた上記(1)乃至(3)のいずれかに記載の光学装
置。
【0233】(6)光学特性可変形状鏡と表示素子と撮
像素子とを備えた上記(1)乃至(3)のいずれかに記
載の光学装置。
【0234】(7)光学特性可変形状鏡と通信装置と表
示素子と撮像素子とを備えた上記(1)乃至(3)のい
ずれかに記載の光学装置。
【0235】(8)(29)式または(30)式を満たす透明材
料からなるプリズムを備え、そのプリズムの一面に対向
して光学特性可変形状鏡を備えた光学系。
【0236】(9)プリズムがコンジュゲートマテリア
ルから成ることを特徴とする上記(8)に記載の光学
系。
【0237】(10)光学特性可変形状鏡と撮像素子と
を備えた上記(8)又は(9)に記載の光学装置。
【0238】(11)光学特性可変形状鏡と表示素子と
撮像素子とを備えた上記(8)乃至(10)のいずれか
に記載の光学装置。
【0239】(12)光学特性可変形状鏡と通信装置と
表示素子と撮像素子とを備えた上記(8)乃至(11)
のいずれかに記載の光学装置。
【0240】(13)4つの光学面を有するプリズム
の、一面に対向して可変形状鏡を設け、前記プリズムを
はさんで負のパワーを有するレンズを物体側に、正のパ
ワーを有するレンズを像側に有する光学系。
【0241】(14)4つの平面の光学面を有するプリ
ズムの、一面に対向して可変形状鏡を設け、前記プリズ
ムをはさんで負のパワーを有するレンズを物体側に、正
のパワーを有するレンズを像側に有する撮像光学系。
【0242】(15)4つの光学面を有するプリズム
の、一面に対向して可変形状鏡を設け、前記プリズムの
物体側の面に負のパワーの面を設け、かつ正のパワーを
有するレンズを像側に有する撮像光学系。
【0243】(16)非球面を有する上記(13)乃至
(15)のいずれかに記載の撮像光学系。
【0244】(17)表示装置と撮像素子を有する(1
3)乃至(15)のいずれかに記載の光学装置。
【0245】(18)シュミットプリズムを構成する2
つのプリズムの面の少なくとも1つに対向して可変形状
鏡を設けた光学系。
【0246】(19)シュミットプリズムを構成する2
つのプリズムの側面(図45の92a)の少なくとも1
つに対向して可変形状鏡を設けた撮像光学系。
【0247】(20)シュミットプリズムを構成する2
つのプリズムの側面(図45の92a)の少なくとも1
つに対向して可変形状鏡を設け、かつシュミットプリズ
ムのいずれかの面が曲面である撮像光学系。
【0248】(21)可変形状鏡近傍に絞りを有する上
記(18)乃至(20)のいずれかに記載の光学系。
【0249】(22)自由曲面を有する上記(18)乃
至(21)のいずれかに記載の光学系。
【0250】(23)複数の可変形状鏡を有する上記
(18)乃至(22)のいずれかに記載の光学系。
【0251】(24)ダハ面のないシュミットプリズム
と、撮像素子を有し、画像処理で像を反転させる(1
8)乃至(23)のいずれかに記載の撮像装置。
【0252】(25)表示装置を有する(18)乃至
(24)のいずれかに記載の光学装置。
【0253】(26)可変形状鏡の光束通過範囲内に位
置決め用の印を設けたことを特徴とする可変形状鏡。
【0254】(27)位置決め用の印の面積の和が軸上
光束通過部分の面積の1/5以下である上記(13)に
記載の光学系。
【0255】(28)位置決め用の印の面積の和が光束
通過部分の面積の1/10以下である上記(13)に記
載の光学系。
【0256】(29)可変形状鏡を有する光学装置の枠
に位置決め用の印を設けたことを特徴とする可変形状鏡
を備えた光学装置。
【0257】(30)可変形状鏡を有する光学装置の可
変形状鏡が取り付けられる枠あるいはその近傍の部材に
位置決め用の印を複数設けたことを特徴とする可変形状
鏡を備えた光学装置。
【0258】(31)可変形状鏡の光束通過範囲内又は
可変形状鏡の面形状が変化する部分の外周、この外周の
外側に位置決め用の印を設けるか、可変形状鏡が取り付
けられる枠又はその近傍の部材に位置決め用の印を複数
設けたことを特徴とする可変形状鏡を備えた光学装置。
【0259】(32)(35)式又は(36)式を満たす可変形
状鏡。
【0260】(33)(35)式又は(36)式を満たす可変形
状鏡と撮像素子と表示素子とを備えた光学装置。
【0261】(34)複数の可変形状鏡を備えた光学系
において、可変形状鏡の形状の異なる少なくとも2状態
における、結像面上の像位置の変化を小さくするため
に、可変形状鏡面を表す方程式の1次以下の項を上記2
状態で変化させることを特徴とする、複数の可変形状鏡
を備えた光学系。
【0262】(35)複数の可変形状鏡を備えた光学系
において、可変形状鏡の形状の異なる少なくとも2状態
における、光線位置の変化を小さくするために、可変形
状鏡面を表す方程式の1次以下の項を上記2状態で変化
させることを特徴とする、複数の可変形状鏡を備えた光
学系。
【0263】(36)変倍光学系における上記(34)
又は(35)に記載の光学系。
【0264】(37)(37)式乃至(39)式のいずれか一式
を満たす上記(34)乃至(36)のいずれかに記載の
光学系。
【0265】(38)撮像素子と表示素子とを備えた上
記(34)乃至(37)のいずれかに記載の光学装置。
【0266】(39)可変形状鏡を備えた光学系におい
て、可変形状鏡の形状の異なる少なくとも2状態におけ
る、光線位置の変化を小さくするために、可変形状鏡面
を表す方程式の1次以下の項を上記2状態で変化させる
ことを特徴とする、可変形状鏡を備えた光学系。
【0267】(40)ブレ補正光学系に用いた請求項2
又は上記(39)に記載の光学系。
【0268】(41)(37)式乃至(39)式のいずれか一式
を満たす請求項2若しくは上記(39)又は(40)の
いずれかに記載の光学系。
【0269】(42)撮像素子と表示素子とを備えた請
求項2若しくは上記(39)乃至(41)のいずれかに
記載の光学装置。
【0270】(43)ブレ補正センサーを有する上記
(40)に記載の光学系を備えた光学装置。
【0271】(44)可変形状鏡を備えた光学系におい
て可変形状鏡を用いてフォーカシングを行う場合に、可
変形状鏡の形状の異なる少なくとも2状態における、結
像面上の像位置の変化を小さくするために、可変形状鏡
面を表す方程式の1次以下の項を上記2状態で変化させ
ることを特徴とする、可変形状鏡を備えた光学系。
【0272】(45)(37)式乃至(39)式のいずれかを満
たす上記(44)に記載の光学系。
【0273】(46)撮像素子と表示素子とを備えた上
記(44)又は(45)に記載の光学装置。
【0274】(47)リソグラフィーを用いて製作され
た可変形状鏡において、製造上生じた形状誤差で発生す
る収差を補正するために、回転非対称な光学面を有する
光学素子を備えた光学系。
【0275】(48)撮像素子と表示素子とを備えた請
求項3又は上記(47)に記載の光学装置。
【0276】(49)可変形状鏡以外の光学素子を移動
することで変倍を行い、変倍時のピント移動を可変形状
鏡で補正する光学系。
【0277】(50)可変形状鏡以外の光学素子を移動
することで変倍を行い、変倍時のピント移動(焦点距離
の移動)を可変形状鏡で補正する請求項1乃至3又は上
記(1)、(8)、(13)、(18)、(26)、
(29)、(32)、(44)のいずれかに記載の光学
系又は光学装置。
【0278】(51)可変形状鏡以外の光学素子を移動
することで変倍を行い、変倍時のピント移動(焦点距離
の移動)を可変形状鏡で補正する請求項1乃至3又は上
記(1)、(8)、(13)、(18)、(26)、
(29)、(32)、(44)のいずれかに記載の表示
装置と撮像素子を有する光学装置。
【0279】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、可
変形状鏡などの光学特性可変素子を用いることによっ
て、小型、軽量、低騒音、組立容易、収差補正容易等の
諸効果を有する光学装置が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光学装置の一実施例にかかる光学特性
ミラーを用いたデジタルカメラのケプラー式ファインダ
ーの概略構成図である。
【図2】本発明にかかる可変形状鏡1の他の実施例を示
す概略構成図である。
【図3】図2の実施例の可変形状鏡1に用いる電極1b
の一形態を示す説明図である。
【図4】図2の実施例の可変形状鏡1に用いる電極1b
の他の形態を示す説明図である。
【図5】本発明にかかる可変形状鏡1のさらに他の実施
例を示す概略構成図である。
【図6】本発明にかかる可変形状鏡1のさらに他の実施
例を示す概略構成図である。
【図7】本発明にかかる可変形状鏡1のさらに他の実施
例を示す概略構成図である。
【図8】図7の実施例における薄膜コイル20の巻密度
の状態を示す説明図である。
【図9】本発明にかかる可変形状鏡1のさらに他の実施
例を示す概略構成図である。
【図10】図9の実施例におけるコイル20の一配置例
を示す説明図である。
【図11】図9の実施例におけるコイル20の他の配置
例を示す説明図である。
【図12】図7に示した実施例において、コイル20の
配置を図11に示したようにした場合に適する永久磁石
19の配置を示す説明図である。
【図13】本発明のさらに他の実施例に係る、光学装置
に適用可能な可変形状鏡1を用いた撮像系の概略構成図
である。
【図14】本発明のさらに他の実施例に係る、マイクロ
ポンプ23で流体24を出し入れし、レンズ面を変形さ
せる可変形状鏡1の概略構成図である。
【図15】本発明に適用可能なマイクロポンプ23の一
実施例を示す概略構成図である。
【図16】本発明にかかる可変焦点レンズの原理的構成
を示す説明図である。
【図17】一軸性のネマティック液晶分子の屈折率楕円
体を示す説明図である。
【図18】図16に示す高分子分散液晶層に電界を印加
した状態を示す説明図である。
【図19】図16に示す高分子分散液晶層への印加電圧
を可変にする場合の一例の構成を示す説明図である。
【図20】本発明に係る可変焦点レンズを用いたデジタ
ルカメラ用の撮像光学系の一例の構成を示す説明図であ
る。
【図21】本発明にかかる可変焦点回折光学素子の一例
の構成を示す説明図である。
【図22】ツイストネマティック液晶を用いる可変焦点
レンズを有する可変焦点眼鏡の構成を示す説明図であ
る。
【図23】図22に示すツイストネマティック液晶層へ
の印加電圧を高くしたときの液晶分子の配向状態を示す
説明図である。
【図24】本発明にかかる可変偏角プリズムの二つの例
の構成を示す図であり、(a)は透明基板46の内面を
フレネル状に形成した可変偏光プリズムの説明図、
(b)は透明基板46の内面を相対的に傾斜させた傾斜
面を有する可変偏光プリズムの説明図である。
【図25】図24に示す可変偏角プリズムの使用態様を
説明するための図である。
【図26】本発明にかかる可変焦点レンズとしての可変
焦点ミラーの一例の構成を示す図である。
【図27】本発明の光学装置のさらに他の実施例に係
る、可変焦点レンズ55を用いた撮像ユニット22の概
略構成図である。
【図28】図27の実施例におけるシリンダー61を省
略した可変焦点レンズの説明図である。
【図29】図28の可変焦点レンズが変形した状態を示
す説明図である。
【図30】本発明の可変焦点レンズのさらに他の実施例
に係る、マイクロポンプ63で流体24を出し入れし、
レンズ面を変形させる可変焦点レンズ55の概略構成図
である。
【図31】本発明にかかる光学特性可変光学素子の他の
実施例であって圧電材料66を用いた可変焦点レンズ3
3の概略構成図である。
【図32】図31の可変焦点レンズの変形例に係る状態
説明図である。
【図33】本発明にかかる光学特性可変光学素子のさら
に他の実施例であって、圧電材料からなる2枚の薄板6
6A,66Bを用いた可変焦点レンズの概略構成図であ
る。
【図34】本発明にかかる可変焦点レンズのさらに他の
実施例を示す概略構成図である。
【図35】図34の実施例に係る可変焦点レンズの状態
説明図である。
【図36】本発明にかかる光学特性可変光学素子のさら
に他の実施例であってフォトニカル効果を用いた可変焦
点レンズの概略構成図である。
【図37】図36の実施例に係る可変焦点レンズに用い
るアゾベンゼンの構造を示す説明図であり、(a)はトラ
ンス型、(b)はシス型を示している。
【図38】本発明にかかる可変形状鏡のさらに他の実施
例を示す概略構成図である。
【図39】本発明に係る可変形状鏡を用いたデジタルカ
メラの実施例を示す概略構成図である。
【図40】図39の実施例に係るプリズム11‘の他の
実施例で、プリズム11の面11aを凹面としたデジタ
ルカメラの概略構成図である。
【図41】本発明に係るさらに他の実施例で、デジタル
カメラ、動画記録カメラ、テレビカメラ等に用いられる
電子撮像系90を示す概略構成図である。
【図42】図41に示すプリズム91,92の拡大図で
ある。
【図43】本発明にかかる光学装置の他の実施例である
携帯電話用光学装置95を示す概略構成図である。
【図44】本発明にかかる携帯電話用光学装置95のさ
らに他の実施例を示す概略構成図である。
【図45】本発明に係る直視の光学系の実施例であっ
て、シュミットプリズム99の全反射しない面に対向し
て配置した可変形状鏡の概略構成図である。
【図46】図45に示す可変形状鏡を三角プリズムの面
91cに配置した光学系の概略構成図である。
【図47】図45に示す三角プリズムのいずれかの面を
曲面とした光学系の概略構成図である。
【図48】本発明に係る可変形状鏡の更に他の実施例で
ある可変形状鏡1の概略構成図であって、(a)は側面
図、(b)は平面図である。
【図49】本発明のズーム撮像光学系のさらに他の実施
例に係る、可変形状鏡1、1‘を有するデジタルカメラ
の概略構成図である。
【図50】本発明に係るズーム撮像系の第1状態(広
角)における光線の反射軌跡の説明図である。
【図51】本発明の具体的数値を示した実施例に係るY
−Z面の断面図である。
【図52】本発明のさらに他の実施例に係る、可変形状
鏡1を用いたテレビカメラの概略構成図である。
【符号の説明】
1、1‘ 可変形状鏡 1a 薄膜 1b、1f 電極 1c,1c‘ 圧電素子 1g 基板 2 可変抵抗器 3、40 電源 4 電源スイッチ 5 演算装置 6 温度センサー 7 湿度センサー 8 距離センサー 9 対物レンズ 10 接眼レンズ 11、11‘、91,92、96 プリズム 11a,11b,11c,11d 屈折面 12 二等辺直角プリズム 13 ミラー 14 固体撮像素子 15 撮像レンズ 16 支持台 17 ブレセンサー 18 駆動回路 19 永久磁石 20 コイル 21 制御系 22 撮像ユニット 23、63 マイクロポンプ 24、 流体 25、46、47、65 透明基板 26 弾性体 27 振動板 28、29,75 電極 30,31 弁 32、54,76、97、100 反射膜 33、55,70 可変焦点レンズ 34,35,44,109 レンズ 36,37、60 透明電極 38 高分子分散液晶層 39 スイッチ 41、51 液晶分子 42 高分子セル 43 絞り 45 可変焦点回折光学素子 48 可変焦点眼鏡 49a,49b 配向膜 50 ツイストネマティック液晶層 52 可変偏角プリズム 53 可変焦点ミラー 56 透明部材 57 透明物質 58 ゼリー状物質 59 回路 61 シリンダー 62 支援部材 64 変形可能部材 66 圧電材料 66A,66B 薄板 67 基板 68 液溜 69 電歪材料 71a,71b 透明弾性体 72 アゾベンゼン 73 スペーサー 74a,74b 紫外光線 77 釦 78 デジタルカメラ 79,79a 凹レンズ 80 凸レンズ 81 接合レンズ 82 赤外カットフィルター 83 CPU(中央演算装置) 84 電子回路 85 メモリー 86 表示装置 87 アンテナ 88 通信装置 89 駆動用の昇圧トランス 90 電子撮像系 91a,91b プリズム91の面 92a,92b,92c プリスム92の面 93 媒質 94 閉塞部材 95 携帯電話用光学装置 98 非球面レンズ 99 シュミットプリズム 101 光束通過部分 102、102a,102b,102c,102d,1
02e,102f,102g 印 103a,103b,103c 枠 104 外周 105,106 反射面 107 平行平面板 108 撮像面(結像面)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G02B 5/10 G02B 5/10 B 2H087 5/18 5/18 2H088 7/08 7/08 B 2H089 C 2H101 15/00 15/00 5C022 26/00 26/00 G02C 7/06 G02C 7/06 G02F 1/13 505 G02F 1/13 505 1/1334 1/1334 G03B 17/17 G03B 17/17 H04N 5/225 H04N 5/225 B Fターム(参考) 2H006 BD00 2H041 AA11 AB32 AB38 AC06 AC10 AZ05 AZ08 2H042 CA00 CA17 DA02 DA11 DA12 DA21 DD11 DD12 DD13 DE00 2H044 DA02 DB00 DB04 DE01 2H049 AA03 AA04 AA17 AA18 AA43 AA55 AA63 AA65 2H087 KA03 KA06 KA10 KA14 KA15 KA20 LA01 MA00 NA07 PA02 RA27 RA28 RA41 RA43 RA46 SA81 TA01 TA03 TA04 TA06 UA00 UA01 UA09 2H088 EA42 GA02 GA10 2H089 HA04 RA05 TA16 2H101 DD00 DD16 FF00 5C022 AA00 AB21 AC02 AC54

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可変形状鏡の光束通過範囲内あるいは外
    に位置決め用の印を設け、可変形状鏡を有する光学装置
    の枠に位置決め用の印を設けたことを特徴とする可変形
    状鏡を備えた光学装置。
  2. 【請求項2】 可変形状鏡を備えた光学系において、可
    変形状鏡の形状の異なる少なくとも2状態における、結
    像面上の像位置の変化を小さくするために、可変形状鏡
    面を表す方程式の1次以下の項を上記2状態で変化させ
    るようにしたことを特徴とする、可変形状鏡を備えた光
    学系。
  3. 【請求項3】 可変形状鏡の形状誤差で発生する収差を
    補正するために、回転非対称な光学面を有する光学素子
    を備えた光学系。
JP2001213284A 2001-07-13 2001-07-13 光学特性可変光学素子を含む光学系及び光学装置 Withdrawn JP2003029150A (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001213284A JP2003029150A (ja) 2001-07-13 2001-07-13 光学特性可変光学素子を含む光学系及び光学装置
US10/193,757 US6791741B2 (en) 2001-07-13 2002-07-12 Optical apparatus
US10/887,925 US7054053B2 (en) 2001-07-13 2004-07-12 Optical apparatus

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001213284A JP2003029150A (ja) 2001-07-13 2001-07-13 光学特性可変光学素子を含む光学系及び光学装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003029150A true JP2003029150A (ja) 2003-01-29

Family

ID=19048289

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001213284A Withdrawn JP2003029150A (ja) 2001-07-13 2001-07-13 光学特性可変光学素子を含む光学系及び光学装置

Country Status (2)

Country Link
US (2) US6791741B2 (ja)
JP (1) JP2003029150A (ja)

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004309684A (ja) * 2003-04-04 2004-11-04 Olympus Corp 結像光学系及びそれを用いた撮像装置
JP2005266128A (ja) * 2004-03-17 2005-09-29 Olympus Corp 光学系及びそれを備えた光学装置
JP2006079080A (ja) * 2004-09-01 2006-03-23 Barco Nv プリズムアセンブリ
US7131740B2 (en) 2004-03-17 2006-11-07 Olympus Corporation Optical system and optical apparatus provided with the same
JP2007086143A (ja) * 2005-09-20 2007-04-05 Sony Corp 可変焦点レンズおよび可変焦点ミラー
JP2007520731A (ja) * 2003-06-26 2007-07-26 エシロール アンテルナシオナル (コンパニー ジェネラレ ドプテイク) 累進加入レンズの設計方法
US7301703B2 (en) 2004-07-09 2007-11-27 Seiko Epson Corporation Tunable filter and method of manufacturing the same, and sensing device
CN100426039C (zh) * 2003-06-17 2008-10-15 诺基亚有限公司 可调光学系统以及使用并制造其的方法
JP2009503826A (ja) * 2005-07-25 2009-01-29 カール・ツァイス・エスエムティー・アーゲー マイクロリソグラフィ投影露光装置の投影対物レンズ
KR101445683B1 (ko) * 2014-04-29 2014-10-02 오세빈 초점 가변 렌즈
CN109407305A (zh) * 2018-09-27 2019-03-01 中国人民解放军国防科技大学 用于同步辐射光源的压电驱动变形镜及其装配方法
JP2021006927A (ja) * 2013-11-27 2021-01-21 カール ツァイス マイクロスコピー ゲーエムベーハーCarl Zeiss Microscopy Gmbh 光学顕微鏡および顕微鏡使用法

Families Citing this family (45)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7369327B1 (en) * 1998-06-09 2008-05-06 Olympus Corporation Variable optical-property element and optical apparatus including the same
US6747813B2 (en) * 2001-09-17 2004-06-08 Olympus Corporation Optical system and imaging device
JP2003098435A (ja) * 2001-09-21 2003-04-03 Olympus Optical Co Ltd ズーム光学系
US6917460B2 (en) * 2002-11-12 2005-07-12 Olympus Corporation Imaging apparatus and controlling method thereof
US20040150741A1 (en) * 2002-11-15 2004-08-05 Tsuyoshi Togawa Image-pickup apparatus
JP2004247947A (ja) * 2003-02-13 2004-09-02 Olympus Corp 光学装置
US7387394B2 (en) * 2003-04-30 2008-06-17 Topcon Corporation Deformable mirror control device and device for observing retina of eye
JP2005092175A (ja) * 2003-08-08 2005-04-07 Olympus Corp 光学特性可変光学素子
JP3958735B2 (ja) * 2003-10-24 2007-08-15 オリンパス株式会社 被検体内導入装置
US7265477B2 (en) * 2004-01-05 2007-09-04 Chang-Feng Wan Stepping actuator and method of manufacture therefore
US7317580B2 (en) * 2004-03-12 2008-01-08 Konica Minolta Opto, Inc. Zoom lens
DE102004021026B3 (de) * 2004-04-29 2005-09-15 Carl Zeiss Jena Gmbh Optische Anordnung für ein Head-Up-Display
US7136227B2 (en) * 2004-08-06 2006-11-14 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Fresnel zone plate based on elastic materials
JP2006119164A (ja) * 2004-10-19 2006-05-11 Konica Minolta Opto Inc 撮像光学系
US7345816B2 (en) * 2005-01-11 2008-03-18 Olympus Corporation Optical microscope
US7326899B2 (en) * 2005-07-11 2008-02-05 Olympus Corporation Laser scanning microscope and image acquiring method of laser scanning microscope
CN1987348B (zh) * 2005-12-23 2010-04-14 鸿富锦精密工业(深圳)有限公司 偏心检测装置
JP2007249174A (ja) * 2006-02-16 2007-09-27 Olympus Corp 可変形状鏡
US7627236B2 (en) * 2006-02-22 2009-12-01 Nokia Corporation Hydraulic optical focusing-stabilizer
CN101490598B (zh) * 2006-05-12 2010-12-15 视瑞尔技术公司 反射光学系统、跟踪系统和全息投射系统及方法
US7535626B2 (en) * 2006-06-06 2009-05-19 Konica Minolta Opto, Inc. Shape-variable optical element, optical device and image pickup apparatus
JP2009543152A (ja) * 2006-07-13 2009-12-03 コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ ズーム光学系、並びにそれを備えたカメラ及びデバイス
NO326372B1 (no) * 2006-09-21 2008-11-17 Polight As Polymerlinse
WO2008044937A1 (en) * 2006-10-11 2008-04-17 Ignis Display As Design of compact adjustable lens
KR101360545B1 (ko) * 2006-10-11 2014-02-10 포라이트 에이에스 조정 가능한 렌즈의 제조 방법
JP5362587B2 (ja) * 2007-02-12 2013-12-11 ポライト エイエス 焦点距離が可変の可撓性レンズ組立体
US9001187B2 (en) * 2009-05-11 2015-04-07 CapsoVision, Inc. Capsule imaging system having a folded optical axis
US8717413B2 (en) * 2008-05-10 2014-05-06 Capso Vision Inc. Imaging system having a folded optical axis
US8132912B1 (en) * 2008-06-29 2012-03-13 Aoptix Technologies, Inc. Iris imaging system using circular deformable mirror mounted by its circumference
CN106324728B (zh) * 2008-07-11 2018-09-04 珀莱特公司 用于减小紧凑可调光学透镜中的热效应的方法和装置
US8699141B2 (en) 2009-03-13 2014-04-15 Knowles Electronics, Llc Lens assembly apparatus and method
US8659835B2 (en) * 2009-03-13 2014-02-25 Optotune Ag Lens systems and method
WO2013101049A1 (en) * 2011-12-29 2013-07-04 Intel Corporation Systems, methods, and apparatus for enhancing a camera field of view in a vehicle
JP5876345B2 (ja) * 2012-03-23 2016-03-02 スタンレー電気株式会社 光偏向器
US9060674B2 (en) 2012-10-11 2015-06-23 Karl Storz Imaging, Inc. Auto zoom for video camera
JP6149516B2 (ja) * 2013-06-03 2017-06-21 ミツミ電機株式会社 光走査装置、光走査制御装置及び光走査ユニット
KR101784351B1 (ko) * 2013-07-30 2017-10-12 한국전자통신연구원 가변형 광학 소자 및 이를 포함하는 광 기록/재생 장치
US10444491B2 (en) 2014-05-20 2019-10-15 Saikou Optics Incorporated High speed variable focal field lens assembly and related methods
JP6458580B2 (ja) * 2015-03-20 2019-01-30 セイコーエプソン株式会社 プロジェクター
WO2017078652A1 (ru) * 2015-11-06 2017-05-11 Владимир Иванович ГОЛУБЬ Устройство регулирования резкости и трансфокации изображения
FR3057707A1 (fr) * 2016-10-13 2018-04-20 Commissariat A L'energie Atomique Et Aux Energies Alternatives Procede et dispositif de correction des deformations d'une surface et miroir utilisant ledit procede et/ou ledit dispositif
US10334693B2 (en) * 2017-06-26 2019-06-25 Lite-On Technology Corporation Light source module
TWI798391B (zh) * 2019-03-20 2023-04-11 揚明光學股份有限公司 光路調整機構及其製造方法
WO2020251243A1 (ko) * 2019-06-13 2020-12-17 엘지이노텍 주식회사 쉐이퍼 유닛 및 흔들림 보정 장치
CN112666724B (zh) * 2020-12-29 2022-06-17 浙江工业大学 一种解决微棱镜镜片畸变的方法及微棱镜镜片

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5751469A (en) * 1996-02-01 1998-05-12 Lucent Technologies Inc. Method and apparatus for an improved micromechanical modulator
JP2000081573A (ja) 1998-06-30 2000-03-21 Olympus Optical Co Ltd 光学系および撮像装置
US6170956B1 (en) * 1998-10-14 2001-01-09 Gentex Corporation Rearview mirror with display
US6464363B1 (en) * 1999-03-17 2002-10-15 Olympus Optical Co., Ltd. Variable mirror, optical apparatus and decentered optical system which include variable mirror, variable-optical characteristic optical element or combination thereof
US6658208B2 (en) * 2001-01-30 2003-12-02 Olympus Optical Co., Ltd. Focal-length adjusting unit for photographing apparatuses

Cited By (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004309684A (ja) * 2003-04-04 2004-11-04 Olympus Corp 結像光学系及びそれを用いた撮像装置
CN100426039C (zh) * 2003-06-17 2008-10-15 诺基亚有限公司 可调光学系统以及使用并制造其的方法
JP2007520731A (ja) * 2003-06-26 2007-07-26 エシロール アンテルナシオナル (コンパニー ジェネラレ ドプテイク) 累進加入レンズの設計方法
JP4722841B2 (ja) * 2003-06-26 2011-07-13 エシロール アンテルナシオナル (コンパニー ジェネラレ ドプテイク) 累進加入レンズの設計方法
US7131740B2 (en) 2004-03-17 2006-11-07 Olympus Corporation Optical system and optical apparatus provided with the same
JP2005266128A (ja) * 2004-03-17 2005-09-29 Olympus Corp 光学系及びそれを備えた光学装置
US7301703B2 (en) 2004-07-09 2007-11-27 Seiko Epson Corporation Tunable filter and method of manufacturing the same, and sensing device
JP2006079080A (ja) * 2004-09-01 2006-03-23 Barco Nv プリズムアセンブリ
JP2009503826A (ja) * 2005-07-25 2009-01-29 カール・ツァイス・エスエムティー・アーゲー マイクロリソグラフィ投影露光装置の投影対物レンズ
JP2007086143A (ja) * 2005-09-20 2007-04-05 Sony Corp 可変焦点レンズおよび可変焦点ミラー
JP2021006927A (ja) * 2013-11-27 2021-01-21 カール ツァイス マイクロスコピー ゲーエムベーハーCarl Zeiss Microscopy Gmbh 光学顕微鏡および顕微鏡使用法
KR101445683B1 (ko) * 2014-04-29 2014-10-02 오세빈 초점 가변 렌즈
WO2015167101A1 (ko) * 2014-04-29 2015-11-05 오세빈 초점 가변 렌즈
CN109407305A (zh) * 2018-09-27 2019-03-01 中国人民解放军国防科技大学 用于同步辐射光源的压电驱动变形镜及其装配方法
CN109407305B (zh) * 2018-09-27 2021-06-18 中国人民解放军国防科技大学 用于同步辐射光源的压电驱动变形镜及其装配方法

Also Published As

Publication number Publication date
US7054053B2 (en) 2006-05-30
US20050036195A1 (en) 2005-02-17
US6791741B2 (en) 2004-09-14
US20030107789A1 (en) 2003-06-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2003029150A (ja) 光学特性可変光学素子を含む光学系及び光学装置
JP4311905B2 (ja) 光学系
US7269344B2 (en) Optical apparatus
US7031071B2 (en) Optical device
US6961187B2 (en) Imaging device
US7131740B2 (en) Optical system and optical apparatus provided with the same
US20050030438A1 (en) Variable optical-property element
US6801370B2 (en) Imaging optical system
JP2002243918A (ja) 可変焦点レンズ、光学特性可変光学素子及び光学装置
JP2002214662A (ja) 光学装置の振れ補正装置
JP2002228813A (ja) 変位検出機能を備えた可変形状鏡
US6924944B2 (en) Optical system, and optical apparatus
US20080152333A1 (en) Shake compensating device for optical devices
JP2004077921A (ja) ズーム光学系及びそれを用いた撮像装置
JP2002228816A (ja) 可変形状鏡の駆動装置
JP2003107310A (ja) ズームレンズ鏡胴
JP2007108791A (ja) 光学装置
JP2006138950A (ja) 光学特性可変光学素子、その光偏向作用を検出する検出装置及び光学特性可変光学素子を用いた光学装置
JP2002303783A (ja) 撮像装置の焦点調節ユニット
JP2003161874A (ja) 撮像装置
JP2005266128A (ja) 光学系及びそれを備えた光学装置
JP2005084655A (ja) 屈曲光学系用レンズ筐体
JP2006053274A (ja) 光学系及びそれを備えた光学装置
JP2006053275A (ja) 光学系
JP2003270512A (ja) レンズ鏡胴

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20081007