JP2002243918A - 可変焦点レンズ、光学特性可変光学素子及び光学装置 - Google Patents

可変焦点レンズ、光学特性可変光学素子及び光学装置

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JP2002243918A
JP2002243918A JP2001037454A JP2001037454A JP2002243918A JP 2002243918 A JP2002243918 A JP 2002243918A JP 2001037454 A JP2001037454 A JP 2001037454A JP 2001037454 A JP2001037454 A JP 2001037454A JP 2002243918 A JP2002243918 A JP 2002243918A
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variable
lens
transparent
deformable mirror
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JP2001037454A
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Kimihiko Nishioka
公彦 西岡
Hisahiro Nakao
寿宏 中尾
Shinji Kaneko
新二 金子
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Olympus Optical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】消費電力が小さく、音が静かで、応答時間が短
く、機械的構造が簡単でコストダウンに寄与する可変焦
点レンズ、可変形状鏡、可変プリズム等の光学特性可変
光学素子及びこれらの光学特性可変光学素子を含む光学
系を備えた光学装置を提供する。 【解決手段】可変焦点レンズ50は、透明でやわらかい
基板202、複数の分割された透明電極54、圧電材料
200、分割されていない透明電極透明電極59よりな
る変形膜と、レンズ状の透明基板53とで流体52をは
さむ構造となっている。圧電材料200の両面には、複
数の分割された透明電極54、分割されていない透明電
極59が設けられており、電圧を加えることで、圧電材
料200の圧電効果により圧電材料200が変形し、可
変焦点レンズ50の焦点距離が変わる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、可変焦点レンズ、
可変焦点回折光学素子、可変偏角プリズム、可変焦点ミ
ラー等の光学特性可変光学素子、及びこれらの光学特性
可変光学素子を含む光学系を備えた、例えば眼鏡、ビデ
オプロジェクター、デジタルカメラ、テレビカメラ、内
視鏡、望遠鏡、カメラのファインダー等の光学装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来の
レンズは、ガラスを研磨して製造したレンズを用いてお
り、レンズ自体で焦点距離を変化させることができない
ため、例えば、カメラのピント合わせあるいはズーム、
変倍のためにレンズ群を光軸方向に移動させるために、
機械的構造が複雑になっている。そして、レンズ群の一
部を移動させるためにモーター、等を用いていたため、
消費電力が大きい、音がうるさい、応答時間が長く、レ
ンズの移動に時間がかかる等の欠点があった。また、ブ
レ防止を行なう場合でも、レンズをモータ、ソレノイド
等で機械的に移動させるため、消費電力が大きい、機械
的構造が複雑でコストアップにつながる、等の欠点があ
った。
【0003】そこで、本発明はこれらの問題点に鑑み、
消費電力が小さく、音が静かで、応答時間が短く、機械
的構造が簡単でコストダウンに寄与する可変焦点レン
ズ、可変形状鏡、可変プリズム等の光学特性可変光学素
子及びこれらの光学特性可変光学素子を含む光学系を備
えた光学装置を提供することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明による可変焦点レンズは、圧電材料を用いて
構成され、かつ、複数に分割された透明電極を有してい
る。
【0005】また、本発明による光学特性可変光学素子
は、光学面近傍に配置された永久磁石またはコイルと、
光学面と一体化された透明な電流を流すことが可能な部
材とを有し、電磁力により面形状を変化させるように構
成されている。
【0006】また、本発明による光学装置は、同一構成
でもって複数の光学装置に共通に用いることが可能な光
学特性可変光学素子を備えている。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を用いて説明する。
【0008】本発明に適用可能な可変形状鏡、可変焦点
レンズの構成例について説明する。
【0009】図1は本発明の光学装置の一実施例にかか
る、光学特性可変ミラーを用いたデジタルカメラのケプ
ラー式ファインダーの概略構成図である。本実施例の構
成は、もちろん、銀塩フィルムカメラにも使うことがで
きる。まず、光学特性可変形状鏡409について説明す
る。
【0010】光学特性可変形状鏡409は、アルミコー
ティングされた薄膜(反射面)409aと複数の電極4
09bからなる光学特性可変形状鏡(以下、単に可変形
状鏡と言う。)であり、411は各電極409bにそれ
ぞれ接続された複数の可変抵抗器、412は可変抵抗器
411と電源スイッチ413を介して薄膜409aと電
極409b間に接続された電源、414は複数の可変抵
抗器411の抵抗値を制御するための演算装置、41
5,416及び417はそれぞれ演算装置414に接続
された温度センサー、湿度センサー及び距離センサー
で、これらは図示のように配設されて1つの光学装置を
構成している。
【0011】なお、対物レンズ902、接眼レンズ90
1、及び、プリズム404、二等辺直角プリズム40
5、ミラー406及び可変形状鏡の各面は、平面でなく
てもよく、球面、回転対称非球面の他、光軸に対して偏
心した球面、平面、回転対称非球面、あるいは、対称面
を有する非球面、対称面を1つだけ有する非球面、対称
面のない非球面、自由曲面、微分不可能な点又は線を有
する面等、いかなる形状をしていてもよく、さらに、反
射面でも屈折面でも光に何らかの影響を与え得る面なら
ばよい。以下、これらの面を総称して拡張曲面という。
【0012】また、薄膜409aは、例えば、P.Rai-ch
oudhury編、Handbook of Michrolithography, Michroma
chining and Michrofabrication, Volume 2:Michromach
ining and Michrofabrication,P495,Fig.8.58, SPIE PR
ESS刊やOptics Communication, 140巻(1997年)P187〜
190に記載されているメンブレインミラーのように、複
数の電極409bとの間に電圧が印加されると、静電気
力により薄膜409aが変形してその面形状が変化する
ようになっており、これにより、観察者の視度に合わせ
たピント調整ができるだけでなく、さらに、レンズ90
1,902及び/又はプリズム404、二等辺直角プリ
ズム405、ミラー406の温度や湿度変化による変形
や屈折率の変化、あるいは、レンズ枠の伸縮や変形及び
光学素子、枠等の部品の組立誤差による結像性能の低下
が抑制され、常に適正にピント調整並びにピント調整で
生じた収差の補正が行われ得る。なお、電極409bの
形は、例えば図3、4に示すように、薄膜409aの変
形のさせ方に応じて選べばよい。
【0013】本実施例によれば、物体からの光は、対物
レンズ902及びプリズム404の各入射面と射出面で
屈折され、可変形状鏡409で反射され、プリズム40
4を透過して、二等辺直角プリズム405でさらに反射
され(図1中、光路中の+印は、紙面の裏側へ向かって
光線が進むことを示している。)、ミラー406で反射
され、接眼レンズ901を介して眼に入射するようにな
っている。このように、レンズ901,902、プリズ
ム404,405、及び、可変形状鏡409によって、
本実施例の光学装置の観察光学系を構成しており、これ
らの各光学素子の面形状と肉厚を最適化することによ
り、物体面の収差を最小にすることができるようになっ
ている。
【0014】すなわち、反射面としての薄膜409aの
形状は、結像性能が最適になるように演算装置414か
らの信号により各可変抵抗器411の抵抗値を変化させ
ることにより制御される。すなわち、演算装置414
へ、温度センサー415、湿度センサー416及び距離
サンサー417から周囲温度及び湿度並びに物体までの
距離に応じた大きさの信号が入力され、演算装置414
は、これらの入力信号に基づき周囲の温度及び湿度条件
と物体までの距離による結像性能の低下を補償すべく、
薄膜409aの形状が決定されるような電圧を電極40
9bに印加するように、可変抵抗器411の抵抗値を決
定するための信号を出力する。このように、薄膜409
aは電極409bに印加される電圧すなわち静電気力で
変形させられるため、その形状は状況により非球面を含
む様々な形状をとり、印加される電圧の極性を変えれば
凸面とすることもできる。なお、距離センサー417は
なくてもよく、その場合、固体撮像素子408からの像
の信号の高周波成分が略最大になるように、デジタルカ
メラの撮像レンズ403を動かし、その位置から逆に物
体距離を算出し、可変形状鏡を変形させて観察者の眼に
ピントが合うようにすればよい。
【0015】また、薄膜409aをポリイミド等の合成
樹脂で製作すれば、低電圧でも大きな変形が可能である
ので好都合である。なお、プリズム404と可変形状鏡
409を一体的に形成してユニット化することができ
る。
【0016】また、図示を省略したが、可変形状鏡40
9の基板上に固体撮像素子408をリソグラフィープロ
セスにより一体的に形成してもよい。
【0017】また、レンズ901,902、プリズム4
04,405、ミラー406は、プラスチックモールド
等で形成することにより任意の所望形状の曲面を用意に
形成することができ、製作も簡単である。なお、本実施
例の撮像装置では、レンズ901,902がプリズム4
04から離れて形成されているが、レンズ901,90
2を設けることなく収差を除去することができるように
プリズム404,405、ミラー406、可変形状鏡4
09を設計すれば、プリズム404,405、可変形状
鏡409は1つの光学ブロックとなり、組立が容易とな
る。また、レンズ901,902、プリズム404,4
05、ミラー406の一部あるいは全部をガラスで作製
してもよく、このように構成すれば、さらに精度の良い
撮像装置が得られる。
【0018】なお、図1の例では、演算装置414、温
度センサー415、湿度センサー416、距離センサー
417を設け、温湿度変化、物体距離の変化等も可変形
状鏡409で補償するようにしたが、そうではなくても
よい。つまり、演算装置414、温度センサー415、
湿度センサー416、距離センサー417を省き、観察
者の視度変化のみを可変形状鏡409で補正するように
してもよい。
【0019】図2は本発明にかかる可変形状鏡409の
他の実施例を示す概略構成図である。本実施例の可変形
状鏡は、薄膜409aと電極409bとの間に圧電素子
409cが介装されていて、これらが支持台423上に
設けられている。そして、圧電素子409cに加わる電
圧を各電極409b毎に変えることにより、圧電素子4
09cに部分的に異なる伸縮を生じさせて、薄膜409
aの形状を変えることができるようになっている。電極
409bの形は、図3に示すように、同心分割であって
もよいし、図4に示すように、矩形分割であってもよ
く、その他、適宜の形のものを選択することができる。
図2中、424は演算装置414に接続された振れ(ブ
レ)センサーであって、例えばデジタルカメラの振れを
検知し、振れによる像の乱れを補償するように薄膜40
9aを変形させるべく、演算装置414及び可変抵抗器
411を介して電極409bに印加される電圧を変化さ
せる。このとき、温度センサー415、湿度センサー4
16及び距離センサー417からの信号も同時に考慮さ
れ、ピント合わせ、温湿度補償等が行われる。この場
合、薄膜409aには圧電素子409cの変形に伴う応
力が加わるので、薄膜409aの厚さはある程度厚めに
作られて相応の強度を持たせるようにするのがよい。
【0020】図5は本発明にかかる可変形状鏡409の
さらに他の実施例を示す概略構成図である。本実施例の
可変形状鏡は、薄膜409aと電極409bの間に介置
される圧電素子が逆方向の圧電特性を持つ材料で作られ
た2枚の圧電素子409c及び409c’で構成されて
いる点で、図2に示された実施例の可変形状鏡とは異な
る。すなわち、圧電素子409cと409c’が強誘電
性結晶で作られているとすれば、結晶軸の向きが互いに
逆になるように配置される。この場合、圧電素子409
cと409c’は電圧が印加されると逆方向に伸縮する
ので、薄膜409aを変形させる力が図2に示した実施
例の場合よりも強くなり、結果的にミラー表面の形を大
きく変えることができるという利点がある。
【0021】圧電素子409c,409c’に用いる材
料としては、例えばチタン酸バリウム、ロッシエル塩、
水晶、電気石、リン酸二水素カリウム(KDP)、リン
酸二水素アンモニウム(ADP)、ニオブ酸リチウム等
の圧電物質、同物質の多結晶体、同物質の結晶、PbZ
rO3とPbTiO3の固溶体の圧電セラミックス、二フ
ッ化ポリビニール(PVDF)等の有機圧電物質、上記
以外の強誘電体等があり、特に有機圧電物質はヤング率
が小さく、低電圧でも大きな変形が可能であるので、好
ましい。なお、これらの圧電素子を利用する場合、厚さ
を不均一にすれば、上記実施例において薄膜409aの
形状を適切に変形させることも可能である。
【0022】また、圧電素子409c,409c’の材
質としては、ポリウレタン、シリコンゴム、アクリルエ
ラストマー、PZT、PLZT、ポリフッ化ビニリデン
(PVDF)等の高分子圧電体、シアン化ビニリデン共
重合体、ビニリデンフルオライドとトリフルオロエチレ
ンの共重合体等が用いられる。圧電性を有する有機材料
や、圧電性を有する合成樹脂、圧電性を有するエラスト
マー等を用いると可変形状鏡面の大きな変形が実現でき
てよい。
【0023】なお、図2、6の圧電素子409cに電歪
材料、例えば、アクリルエラストマー、シリコンゴム等
を用いる場合には、圧電素子409cを別の基板409
c−1と電歪材料409c−2を貼り合わせた構造にし
てもよい。
【0024】図6は本発明にかかる可変形状鏡409の
さらに他の実施例を示す概略構成図である。本実施例の
可変形状鏡は、圧電素子409cが薄膜409aと電極
409dとにより挟持され、薄膜409aと電極409
d間に演算装置414により制御される駆動回路425
を介して電圧が印加されるようになっており、さらにこ
れとは別に、支持台423上に設けられた電極409b
にも演算装置414により制御される駆動回路425を
介して電圧が印加されるように構成されている。したが
って、本実施例では、薄膜409aは電極409dとの
間に印加される電圧と電極409bに印加される電圧に
よる静電気力とにより二重に変形され得、上記実施例に
示した何れのものよりもより多くの変形パターンが可能
であり、かつ、応答性も速いという利点がある。
【0025】そして、薄膜409a、電極409d間の
電圧の符号を変えれば、可変形状鏡を凸面にも凹面にも
変形させることができる。その場合、大きな変形を圧電
効果で行ない、微細な形状変化を静電気力で行なっても
よい。また、凸面の変形には圧電効果を主に用い、凹面
の変形には静電気力を主に用いてもよい。なお、電極4
09dは電極409bのように複数の電極から構成され
てもよい。この様子を図6に示した。なお、本願では、
圧電効果と電歪効果、電歪をすべてまとめて圧電効果と
述べている。従って、電歪材料も圧電材料に含むものと
する。
【0026】図7は本発明にかかる可変形状鏡409の
さらに他の実施例を示す概略構成図である。本実施例の
可変形状鏡は、電磁気力を利用して反射面の形状を変化
させ得るようにしたもので、支持台423の内部底面上
には永久磁石426が、頂面上には窒化シリコン又はポ
リイミド等からなる基板409eの周縁部が載置固定さ
れており、基板409eの表面にはアルミニウム等の金
属コートで作られた薄膜409aが付設されていて、可
変形状鏡409を構成している。基板409eの下面に
は複数のコイル427が配設されており、これらのコイ
ル427はそれぞれ駆動回路428を介して演算装置4
14に接続されている。したがって、各センサー41
5,416,417,424からの信号によって演算装
置414において求められる光学系の変化に対応した演
算装置414からの出力信号により、各駆動回路428
から各コイル427にそれぞれ適当な電流が供給される
と、永久磁石426との間に働く電磁気力で各コイル4
27は反発又は吸着され、基板409e及び薄膜409
aを変形させる。
【0027】この場合、各コイル427はそれぞれ異な
る量の電流を流すようにすることもできる。また、コイ
ル427は1個でもよいし、永久磁石426を基板40
9eに付設しコイル427を支持台423の内部底面側
に設けるようにしてもよい。また、コイル427はリソ
グラフィー等の手法で作るとよく、さらに、コイル42
7には強磁性体よりなる鉄心を入れるようにしてもよ
い。
【0028】この場合、薄膜コイル427の巻密度を、
図8に示すように、場所によって変化させることによ
り、基板409e及び薄膜409aに所望の変形を与え
るようにすることもできる。また、コイル427は1個
でもよいし、また、これらのコイル427には強磁性体
よりなる鉄心を挿入してもよい。
【0029】図9は本発明にかかる可変形状鏡409の
さらに他の実施例を示す概略構成図である。本実施例の
可変形状鏡では、基板409eは鉄等の強磁性体で作ら
れており、反射膜としての薄膜409aはアルミニウム
等からなっている。この場合、薄膜コイルを設けなくて
もすむから、構造が簡単で、製造コストを低減すること
ができる。また、電源スイッチ413を切換え兼電源開
閉用スイッチに置換すれば、コイル427に流れる電流
の方向を変えることができ、基板409e及び薄膜40
9aの形状を自由に変えることができる。図10は本実
施例におけるコイル427の配置を示し、図11はコイ
ル427の他の配置例を示しているが、これらの配置
は、図7に示した実施例にも適用することができる。な
お、図12は、図7に示した実施例において、コイル4
27の配置を図11に示したようにした場合に適する永
久磁石426の配置を示している。すなわち、図12に
示すように、永久磁石426を放射状に配置すれば、図
7に示した実施例に比べて、微妙な変形を基板409e
及び薄膜409aに与えることができる。また、このよ
うに電磁気力を用いて基板409e及び薄膜409aを
変形させる場合(図7及び図9の実施例)は、静電気力
を用いた場合よりも低電圧で駆動できるという利点があ
る。
【0030】以上いくつかの可変形状鏡の実施例を述べ
たが、ミラーの形を変形させるのに、図6の例に示すよ
うに、2種類以上の力を用いてもよい。つまり静電気
力、電磁力、圧電効果、磁歪、流体の圧力、電場、磁
場、温度変化、電磁波等のうちから2つ以上を同時に用
いて可変形状鏡を変形させてもよい。つまり2つ以上の
異なる駆動方法を用いて光学特性可変光学素子を作れ
ば、大きな変形と微細な変形とを同時に実現でき、精度
の良い鏡面が実現できる。
【0031】図13は本発明のさらに他の実施例に係
る、光学装置に適用可能な可変形状鏡409を用いた撮
像系、例えば携帯電話のデジタルカメラ、カプセル内視
鏡、電子内視鏡、パソコン用デジタルカメラ、PDA用
デジタルカメラ等に用いられる撮像系の概略構成図であ
る。本実施例の撮像系は、可変形状鏡409と、レンズ
902と、固体撮像素子408と、制御系103とで一
つの撮像ユニット104を構成している。本実施例の撮
像ユニット104では、レンズ102を通った物体から
の光は可変形状鏡409で集光され、固体撮像素子40
8の上に結像する。可変形状鏡409は、光学特性可変
光学素子の一種であり、可変焦点ミラーとも呼ばれてい
る。
【0032】本実施例によれば、物体距離が変わっても
可変形状鏡409を変形させることでピント合わせをす
ることができ、レンズをモータ等で駆動する必要がな
く、小型化、軽量化、低消費電力化の点で優れている。
また、撮像ユニット104は本発明の撮像系としてすべ
ての実施例で用いることができる。また、可変形状鏡4
09を複数用いることでズーム、変倍の撮像系、光学系
を作ることができる。なお、図13では、制御系103
にコイルを用いたトランスの昇圧回路を含む制御系の構
成例を示している。特に積層型圧電トランスを用いる
と、小型化できてよい。昇圧回路は本発明のすべての電
気を用いる可変形状鏡、可変焦点レンズに用いることが
できるが、特に静電気力、圧電効果を用いる場合の可変
形状鏡、可変焦点レンズに有用である。
【0033】図14は本発明の可変形状鏡のさらに他の
実施例に係る、マイクロポンプ180で流体161を出
し入れし、レンズ面を変形させる可変形状鏡188の概
略構成図である。本実施例によれば、レンズ面を大きく
変形させることが可能になるというメリットがある。マ
イクロポンプ180は、例えば、マイクロマシンの技術
で作られた小型のポンプで、電力で動くように構成され
ている。流体161は、透明基板163と、弾性体16
4との間に挟まれている。マイクロマシンの技術で作ら
れたポンプの例としては、熱変形を利用したもの、圧電
材料を用いたもの、静電気力を用いたものなどがある。
【0034】図15は本発明に適用可能なマイクロポン
プの一実施例を示す概略構成図である。本実施例のマイ
クロポンプ180では、振動板181は静電気力、圧電
効果等の電気力により振動する。図15では静電気力に
より振動する例を示しており、図15中、182,18
3は電極である。また、点線は変形した時の振動板18
1を示している。振動板181の振動に伴い、2つの弁
184,185が開閉し、流体161を右から左へ送る
ようになっている。
【0035】本実施例の可変形状鏡188では、反射膜
189が流体161の量に応じて凹凸に変形すること
で、可変形状鏡として機能する。可変形状鏡188は流
体161で駆動されている。流体としては、シリコンオ
イル、空気、水、ゼリー、等の有機物、無機物を用いる
ことができる。
【0036】なお、静電気力、圧電効果を用いた可変形
状鏡、可変焦点レンズなどにおいては、駆動用に高電圧
が必要になる場合がある。その場合には、例えば図13
に示すように、昇圧用のトランス、あるいは圧電トラン
ス等を用いて制御系を構成するとよい。また、反射用の
薄膜409aは、変形しない部分にも設けておくと、可
変形状鏡の形状を干渉計等で測定する場合に、基準面と
して使うことができ便利である。
【0037】図16は本発明にかかる可変焦点レンズの
原理的構成を示す図である。この可変焦点レンズ511
は、第1,第2の面としてのレンズ面508a,508
bを有する第1のレンズ512aと、第3,第4の面と
してのレンズ面509a,509bを有する第2のレン
ズ512bと、これらレンズ間に透明電極513a,5
13bを介して設けた高分子分散液晶層514とを有
し、入射光を第1,第2のレンズ512a,512bを
経て収束させるものである。透明電極513a,513
bは、スイッチ515を介して交流電源516に接続し
て、高分子分散液晶層514に交流電界を選択的に印加
するようにする。なお、高分子分散液晶層514は、そ
れぞれ液晶分子517を含む球状、多面体等の任意の形
状の多数の微小な高分子セル518を有して構成し、そ
の体積は、高分子セル518を構成する高分子および液
晶分子517がそれぞれ占める体積の和に一致させる。
【0038】ここで、高分子セル518の大きさは、例
えば球状とする場合、その平均の直径Dを、使用する光
の波長をλとするとき、例えば、 2nm≦D≦λ/5 …(1) とする。すなわち、液晶分子517の大きさは、2nm
程度以上であるので、平均の直径Dの下限値は、2nm
以上とする。また、Dの上限値は、可変焦点レンズ51
1の光軸方向における高分子分散液晶層514の厚さt
にも依存するが、λに比べて大きいと、高分子の屈折率
と液晶分子517の屈折率との差により、高分子セル5
18の境界面で光が散乱して高分子分散液晶層514が
不透明になってしまうため、後述するように、好ましく
はλ/5以下とする。可変焦点レンズが用いられる光学
製品によっては高精度を要求しない場合もあり、そのと
きDはλ以下でよい。なお、高分子分散液晶層514の
透明度は、厚さtが厚いほど悪くなる。
【0039】また、液晶分子517は、例えば、一軸性
のネマティック液晶分子を用いる。この液晶分子517
の屈折率楕円体は、図17に示すような形状となり、 nox=noy=no …(2) である。ただし、noは常光線の屈折率を示し、nox
よびnoyは、常光線を含む面内での互いに直交する方向
の屈折率を示す。
【0040】ここで、図16に示すように、スイッチ5
15をオフ、すなわち高分子分散液晶層514に電界を
印加しない状態では、液晶分子517が様々な方向を向
いているので、入射光に対する高分子分散液晶層514
の屈折率は高く、屈折力の強いレンズとなる。これに対
し、図18に示すように、スイッチ515をオンとして
高分子分散液晶層514に交流電界を印加すると、液晶
分子517は、屈折率楕円体の長軸方向が可変焦点レン
ズ511の光軸と平行となるように配向するので、屈折
率が低くなり、屈折力の弱いレンズとなる。
【0041】なお、高分子分散液晶層514に印加する
電圧は、例えば、図19に示すように、可変抵抗器51
9により段階的あるいは連続的に変化させることもでき
る。このようにすれば、印加電圧が高くなるにつれて、
液晶分子517は、その楕円長軸が徐々に可変焦点レン
ズ511の光軸と平行となるように配向するので、屈折
力を段階的あるいは連続的に変えることができる。
【0042】ここで、図16に示す状態、すなわち高分
子分散液晶層514に電界を印加しない状態での、液晶
分子517の平均屈折率nLC’は、図17に示すように
屈折率楕円体の長軸方向の屈折率をnzとすると、およ
そ (nox+noy+nZ)/3≡nLC’ …(3) となる。また、上記(2)式が成り立つときの平均屈折率
LCは、nzを異常光線の屈折率neと表して、 (2no+ne)/3≡nLC …(4) で与えられる。このとき、高分子分散液晶層514の屈
折率nAは、高分子セル518を構成する高分子の屈折
率をnPとし、高分子分散液晶層514の体積に占める
液晶分子517の体積の割合をffとすると、マックス
ウェル・ガーネットの法則により、 nA=ff・nLC’+(1−ff)nP …(5) で与えられる。
【0043】したがって、図19に示すように、レンズ
512aおよび512bの内側の面、すなわち高分子分
散液晶層514側の面の曲率半径を、それぞれR1およ
びR2とすると、可変焦点レンズ511の焦点距離f
1は、 1/f1=(nA−1)(1/R1−1/R2) …(6) で与えられる。なお、R1およびR2は、曲率中心が像点
側にあるとき、正とする。また、レンズ512aおよび
512bの外側の面による屈折は除いている。つまり、
高分子分散液晶層514のみによるレンズの焦点距離
が、(6)式で与えられる。
【0044】また、常光線の平均屈折率を、 (nox+noy)/2=no’ …(7) とすれば、図18に示す状態、すなわち高分子分散液晶
層514に電界を印加した状態での、高分子分散液晶層
514の屈折率nBは、 nB=ff・no’+(1−ff)nP …(8) で与えられるので、この場合の高分子分散液晶層514
のみによるレンズの焦点距離f2は、 1/f2=(nB−1)(1/R1−1/R2) …(9) で与えられる。なお、高分子分散液晶層514に、図1
8におけるよりも低い電圧を印加する場合の焦点距離
は、(6)式で与えられる焦点距離f1と、(9)式で与えら
れる焦点距離f2との間の値となる。
【0045】上記(6)および(9)式から、高分子分散液晶
層514による焦点距離の変化率は、 |(f2−f1)/f2|=|(nB−nA)/(nB−1)| …(10) で与えられる。したがって、この変化率を大きくするに
は、|nB−nA|を大きくすればよい。ここで、 nB−nA=ff(no’−nLC’) …(11) であるから、|no’−nLC’|を大きくすれば、変化
率を大きくすることができる。実用的には、nBが、
1.3〜2程度であるから、 0.01≦|no’−nLC’|≦10 …(12) とすれば、ff=0.5のとき、高分子分散液晶層51
4による焦点距離を、0.5%以上変えることができる
ので、効果的な可変焦点レンズを得ることができる。な
お、|no’−nLC’|は、液晶物質の制限から、10
を越えることはできない。
【0046】次に、上記(1)式の上限値の根拠について
説明する。「Solar Energy Materials and Solar Cell
s」31巻,Wilson and Eck,1993, Eleevier Science Publ
ishersB.v.発行の第197 〜214 頁、「Transmission var
iation using scattering/transparent switching film
s 」には、高分子分散液晶の大きさを変化させたときの
透過率τの変化が示されている。そして、かかる文献の
第206 頁、図6には、高分子分散液晶の半径をrとし、
t=300μm、ff=0.5、nP =1.45、nLC
=1.585、λ=500nmとするとき、透過率τ
は、理論値で、r=5nm(D=λ/50、D・t=λ
・6μm(ただし、Dおよびλの単位はnm、以下も同
じ))のときτ≒90%となり、r=25nm(D=λ
/10)のときτ≒50%になることが示されている。
【0047】ここで、例えば、t=150μmの場合を
推定してみると、透過率τがtの指数関数で変化すると
仮定して、t=150μmの場合の透過率τを推定して
みると、r=25nm(D=λ/10、D・t=λ・1
5μm)のときτ≒71%となる。また、t=75μm
の場合は、同様に、r=25nm(D=λ/10、D・
t=λ・7.5μm)のときτ≒80%となる。
【0048】これらの結果から、 D・t≦λ・15μm …(13) であれば、τは70%〜80%以上となり、レンズとし
て十分実用になる。したがって、例えば、t=75μm
の場合は、D≦λ/5で、十分な透過率が得られること
になる。
【0049】また、高分子分散液晶層514の透過率
は、nPの値がnLC’の値に近いほど良くなる。一方、
o’とnPとが異なる値になると、高分子分散液晶層5
14の透過率は悪くなる。図16の状態と図18の状態
とで、平均して高分子分散液晶層514の透過率が良く
なるのは、 nP=(no’+nLC’)/2 …(14) を満足するときである。
【0050】ここで、可変焦点レンズ511は、レンズ
として使用するものであるから、図16の状態でも、図
18の状態でも、透過率はほぼ同じで、かつ高い方が良
い。そのためには、高分子セル518を構成する高分子
の材料および液晶分子517の材料に制限があるが、実
用的には、 no’≦nP≦nLC’ …(15) とすればよい。
【0051】上記(14)式を満足すれば、上記(13)式は、
さらに緩和され、 D・t≦λ・60μm …(16) であれば良いことになる。なぜなら、フレネルの反射則
によれば、反射率は屈折率差の2乗に比例するので、高
分子セル518を構成する高分子と液晶分子517との
境界での光の反射、すなわち高分子分散液晶層514の
透過率の減少は、およそ上記の高分子と液晶分子517
との屈折率の差の2乗に比例するからである。
【0052】以上は、no’≒1.45、nLC’≒1.
585の場合であったが、より一般的に定式化すると、 D・t≦λ・15μm・(1.585−1.45)2/(nu−nP2 …(17) であればよい。ただし、(nu−nP2は、(nLC’−
P2と(no’−nP2とのうち、大きい方である。
【0053】また、可変焦点レンズ511の焦点距離変
化を大きくするには、ffの値が大きい方が良いが、f
f=1では、高分子の体積がゼロとなり、高分子セル5
18を形成できなくなるので、 0.1≦ff≦0.999 …(18) とする。一方、ffは、小さいほどτは向上するので、
上記(17)式は、好ましくは、 4×10-6〔μm〕2≦D・t≦λ・45μm・(1.585−1.45)2/(nu−nP)2…(19) とする。なお、tの下限値は、図16から明らかなよう
に、t=Dで、Dは、上述したように2nm以上である
ので、D・tの下限値は、(2×10-3μm)2、すな
わち4×10-6〔μm〕2となる。
【0054】なお、物質の光学特性を屈折率で表す近似
が成り立つのは、「岩波科学ライブラリー8 小惑星が
やってくる」向井正著,1994,岩波書店発行の第58頁に
記載されているように、Dが10nm〜5nmより大き
い場合である。また、Dが500λを越えると、光の散
乱は幾何学的となり、高分子セル518を構成する高分
子と液晶分子517との界面での光の散乱がフレネルの
反射式に従って増大するので、Dは、実用的には、 7nm≦D≦500λ …(20) とする。
【0055】図20は、図19に示す可変焦点レンズ5
11を用いたデジタルカメラ用の撮像光学系の構成を示
すものである。この撮像光学系においては、物体(図示
せず)の像を、絞り521、可変焦点レンズ511およ
びレンズ522を介して、例えばCCDよりなる固体撮
像素子523上に結像させる。なお、図20では、液晶
分子の図示を省略してある。
【0056】かかる撮像光学系によれば、可変抵抗器5
19により可変焦点レンズ511の高分子分散液晶層5
14に印加する交流電圧を調整して、可変焦点レンズ5
11の焦点距離を変えることより、可変焦点レンズ51
1およびレンズ522を光軸方向に移動させることな
く、例えば、無限遠から600mmまでの物体距離に対
して、連続的に合焦させることが可能となる。
【0057】図21は本発明にかかる可変焦点回折光学
素子の一例の構成を示す図である。この可変焦点回折光
学素子531は、平行な第1,第2の面532a,53
2bを有する第1の透明基板532と、光の波長オーダ
ーの溝深さを有する断面鋸歯波状のリング状回折格子を
形成した第3の面533aおよび平坦な第4の面533
bを有する第2の透明基板533とを有し、入射光を第
1,第2の透明基板532,533を経て出射させるも
のである。第1,第2の透明基板532,533間に
は、図16で説明したと同様に、透明電極513a,5
13bを介して高分子分散液晶層514を設け、透明電
極513a,513bをスイッチ515を経て交流電源
516に接続して、高分子分散液晶層514に交流電界
を印加するようにする。
【0058】かかる構成において、可変焦点回折光学素
子531に入射する光線は、第3の面533aの格子ピ
ッチをpとし、mを整数とすると、 psinθ=mλ …(21) を満たす角度θだけ偏向されて出射される。また、溝深
さをh、透明基板33の屈折率をn33とし、kを整数と
すると、 h(nA−n33)=mλ …(22) h(nB−n33)=kλ …(23) を満たせば、波長λで回折効率が100%となり、フレ
アの発生を防止することができる。
【0059】ここで、上記(22)および(23)式の両辺の差
を求めると、 h(nA−nB)=(m−k)λ …(24) が得られる。したがって、例えば、λ=500nm、n
A=1.55、nB=1.5とすると、 0.05h=(m−k)・500nm となり、m=1,k=0とすると、 h=10000nm=10μm となる。この場合、透明基板533の屈折率n33は、上
記(22)式から、n33=1.5であればよい。また、可変
焦点回折光学素子531の周辺部における格子ピッチp
を10μmとすると、θ≒2.87°となり、Fナンバ
ーが10のレンズを得ることができる。
【0060】かかる可変焦点回折光学素子531は、高
分子分散液晶層514への印加電圧のオン・オフで光路
長が変わるので、例えば、レンズ系の光束が平行でない
部分に配置して、ピント調整を行うのに用いたり、レン
ズ系全体の焦点距離等を変えるのに用いることができ
る。
【0061】なお、この実施形態において、上記(22)〜
(24)式は、実用上、 0.7mλ≦h(nA−n33)≦1.4mλ …(25) 0.7kλ≦h(nB−n33)≦1.4kλ …(26) 0.7(m−k)λ≦h(nA−nB)≦1.4(m−k)λ …(27) を満たせば良い。
【0062】また、ツイストネマティック液晶を用いる
可変焦点レンズもある。図22および図23は、この場
合の可変焦点眼鏡550の構成を示すものであり、可変
焦点レンズ551は、レンズ552および553と、こ
れらレンズの内面上にそれぞれ透明電極513a,51
3bを介して設けた配向膜539a,539bと、これ
ら配向膜間に設けたツイストネマティック液晶層554
とを有して構成し、その透明電極513a,513bを
可変抵抗器519を経て交流電源516に接続して、ツ
イストネマティック液晶層554に交流電界を印加する
ようにする。
【0063】かかる構成において、ツイストネマティッ
ク液晶層554に印加する電圧を高くすると、液晶分子
555は、図23に示すようにホメオトロピック配向と
なり、図22に示す印加電圧が低いツイストネマティッ
ク状態の場合に比べて、ツイストネマティック液晶層5
54の屈折率は小さくなり、焦点距離が長くなる。
【0064】ここで、図22に示すツイストネマティッ
ク状態における液晶分子555の螺旋ピッチPは、光の
波長λに比べて同じ程度か十分小さくする必要があるの
で、例えば、 2nm≦P≦2λ/3 …(28) とする。なお、この条件の下限値は、液晶分子の大きさ
で決まり、上限値は、入射光が自然光の場合に、図22
の状態でツイストネマティック液晶層554が等方媒質
として振る舞うために必要な値であり、この上限値の条
件を満たさないと、可変焦点レンズ551は偏光方向に
よって焦点距離の異なるレンズとなり、これがため二重
像が形成されてぼけた像しか得られなくなる。
【0065】図24(a)は、本発明にかかる可変偏角プ
リズムの構成を示すものである。この可変偏角プリズム
561は、第1,第2の面562a,562bを有する
入射側の第1の透明基板562と、第3,第4の面56
3a,563bを有する出射側の平行平板状の第2の透
明基板563とを有する。入射側の透明基板562の内
面(第2の面)562bは、フレネル状に形成し、この
透明基板562と出射側の透明基板563との間に、図
16で説明したと同様に、透明電極513a,513b
を介して高分子分散液晶層514を設ける。透明電極5
13a,513bは、可変抵抗器519を経て交流電源
516に接続し、これにより高分子分散液晶層514に
交流電界を印加して、可変偏角プリズム561を透過す
る光の偏角を制御するようにする。なお、図24(a)で
は、透明基板562の内面562bをフレネル状に形成
したが、例えば、図24(b)に示すように、透明基板5
62および563の内面を相対的に傾斜させた傾斜面を
有する通常のプリズム状に形成することもできるし、あ
るいは図21に示した回折格子状に形成することもでき
る。回折格子状に形成する場合には、上記の(21)〜(27)
式が同様にあてはまる。
【0066】かかる構成の可変偏角プリズム561は、
例えば、TVカメラ、デジタルカメラ、フィルムカメ
ラ、双眼鏡等のブレ防止用として有効に用いることがで
きる。この場合、可変偏角プリズム561の屈折方向
(偏向方向)は、上下方向とするのが望ましいが、さら
に性能を向上させるためには、2個の可変偏角プリズム
561を偏向方向を異ならせて、例えば図25に示すよ
うに、上下および左右の直交する方向で屈折角を変える
ように配置するのが望ましい。なお、図24および図2
5では、液晶分子の図示を省略してある。
【0067】図26は本発明にかかる可変焦点レンズを
用いた可変焦点ミラーを示すものである。この可変焦点
ミラー565は、第1,第2の面566a,566bを
有する第1の透明基板566と、第3,第4の面567
a,567bを有する第2の透明基板567とを有す
る。第1の透明基板566は、平板状またはレンズ状に
形成して、内面(第2の面)566bに透明電極513
aを設け、第2の透明基板567は、内面(第3の面)
567aを凹面状に形成して、該凹面上に反射膜568
を施し、さらにこの反射膜568上に透明電極513b
を設ける。透明電極513a,513b間には、図16
で説明したと同様に、高分子分散液晶層514を設け、
これら透明電極513a,513bをスイッチ515お
よび可変抵抗器519を経て交流電源516に接続し
て、高分子分散液晶層514に交流電界を印加するよう
にする。なお、図26では、液晶分子の図示を省略して
ある。
【0068】かかる構成によれば、透明基板566側か
ら入射する光線は、反射膜568により高分子分散液晶
層514を折り返す光路となるので、高分子分散液晶層
514の作用を2回もたせることができると共に、高分
子分散液晶層514への印加電圧を変えることにより、
反射光の焦点位置を変えることができる。この場合、可
変焦点ミラー565に入射した光線は、高分子分散液晶
層514を2回透過するので、高分子分散液晶層514
の厚さの2倍をtとすれば、上記の各式を同様に用いる
ことができる。なお、透明基板566または567の内
面を、図21に示したように回折格子状にして、高分子
分散液晶層514の厚さを薄くすることもできる。この
ようにすれば、散乱光をより少なくできる利点がある。
【0069】なお、以上の説明では、液晶の劣化を防止
するため、電源として交流電源516を用いて、液晶に
交流電界を印加するようにしたが、直流電源を用いて液
晶に直流電界を印加するようにすることもできる。ま
た、液晶分子の方向を変える方法としては、電圧を変化
させること以外に、液晶にかける電場の周波数、液晶に
かける磁場の強さ・周波数、あるいは液晶の温度等を変
化させることによってもよい。以上に示した実施形態に
おいて、高分子分散液晶は液状ではなく固体に近いもの
もあるので、その場合はレンズ512a,512bの一
方、透明基板532、レンズ538、レンズ552,5
53の一方、図24(a)における透明基板563、図2
4(b)における透明基板562,563の一方、透明基
板566,567の一方はなくてもよい。なお、本願で
は図26のような、形状の変化しない可変焦点ミラー
も、可変形状鏡の中に含めるものとする。
【0070】図27は本発明の光学装置のさらに他の実
施例に係る、可変焦点レンズ140を用いた撮像ユニッ
ト141の概略構成図である。撮像ユニット141は本
発明の撮像系として用いることができる。本実施例で
は、レンズ102と可変焦点レンズ140とで、撮像レ
ンズを構成している。そして、この撮像レンズと固体撮
像素子408とで撮像ユニット141を構成している。
可変焦点レンズ140は、透明部材142と圧電性のあ
る合成樹脂等の柔らかい透明物質143とで、光を透過
する流体あるいはゼリー状物質144を挟んで構成され
ている。
【0071】流体あるいはゼリー状物質144として
は、シリコンオイル、弾性ゴム、ゼリー、水等を用いる
ことができる。透明物質143の両面には透明電極14
5が設けられており、回路103’を介して電圧を加え
ることで、透明物質143の圧電効果により透明物質1
43が変形し、可変焦点レンズ140の焦点距離が変わ
るようになっている。従って、本実施例によれば、物体
距離が変わった場合でも光学系をモーター等で動かすこ
となくフォーカスができ、小型、軽量、消費電力が少な
い点で優れている。
【0072】なお、図27中、145は透明電極、14
6は流体をためるシリンダーである。また、透明物質1
43の材質としては、ポリウレタン、シリコンゴム、ア
クリルエラストマー、PZT、PLZT、ポリフッ化ビ
ニリデン(PVDF)等の高分子圧電体、シアン化ビニ
リデン共重合体、ビニリデンフルオライドとトリフルオ
ロエチレンの共重合体等が用いられる。圧電性を有する
有機材料や、圧電性を有する合成樹脂、圧電性を有する
エラストマー等を用いると可変焦点レンズ面の大きな変
形が実現できてよい。可変焦点レンズには透明な圧電材
料を用いるとよい。
【0073】なお、図27の例で、可変焦点レンズ14
0は、シリンンダー146を設けるかわりに、図28に
示すように、支援部材147を設けてシリンダー146
を省略した構造にしてもよい。支援部材147は、間に
透明電極145を挟んで、透明物質143の一部の周辺
部分を固定している。本実施例によれば、透明物質14
3に電圧をかけることによって、透明物質143が変形
しても、図29に示すように、可変焦点レンズ140全
体の体積が変わらないように変形するため、シリンダー
146が不要になる。なお、図28、29中、148は
変形可能な部材で、弾性体、アコーディオン状の合成樹
脂または金属等でできている。
【0074】図27、28に示す実施例では、電圧を逆
に印加すると透明物質143は逆向きに変形するので凹
レンズにすることも可能である。なお、透明物質143
に電歪材料、例えば、アクリルエラストマー、シリコン
ゴム等を用いる場合は、透明物質143を透明基板と電
歪材料を貼り合わせた構造にするとよい。
【0075】図30は本発明の可変焦点レンズのさらに
他の実施例に係る、マイクロポンプ160で流体161
を出し入れし、レンズ面を変形させる可変焦点レンズ1
62の概略構成図である。マイクロポンプ160は、例
えば、マイクロマシンの技術で作られた小型のポンプ
で、電力で動くように構成されている。流体161は、
透明基板163と、弾性体164との間に挟まれてい
る。図30中、165は弾性体164を保護するための
透明基板で、設けなくてもよい。マイクロマシンの技術
で作られたポンプの例としては、熱変形を利用したも
の、圧電材料を用いたもの、静電気力を用いたものなど
がある。
【0076】そして、図15で示したようなマイクロポ
ンプ180を、例えば、図30に示す可変焦点レンズに
用いるマイクロポンプ160のように、2つ用いればよ
い。
【0077】なお、静電気力、圧電効果を用いた可変焦
点レンズなどにおいては、駆動用に高電圧が必要になる
場合がある。その場合には、昇圧用のトランス、あるい
は圧電トランス等を用いて制御系を構成するとよい。特
に積層型圧電トランスを用いると小型にできてよい。
【0078】図31は本発明にかかる光学特性可変光学
素子の他の実施例であって圧電材料200を用いた可変
焦点レンズ201の概略構成図である。圧電材料200
には透明物質143と同様の材料が用いられており、圧
電材料200は、透明で柔らかい基板202の上に設け
られている。なお、基板202には、合成樹脂、有機材
料を用いるのが望ましい。本実施例においては、2つの
透明電極59を介して電圧を圧電材料200に加えるこ
とで圧電材料200は変形し、図31において凸レンズ
としての作用を持っている。
【0079】なお、基板202の形をあらかじめ凸状に
形成しておき、かつ、2つの透明電極59のうち、少な
くとも一方の電極の大きさを基板202と異ならせてお
く、例えば、一方の透明電極59を基板202よりも小
さくしておくと、電圧を切ったときに、図32に示すよ
うに、2つの透明電極59が対向する所定部分だけが凹
状に変形して凹レンズの作用を持つようになり、可変焦
点レンズとして動作する。このとき基板202は、流体
161の体積が変化しないように変形するので、液溜1
68が不要になるというメリットがある。
【0080】本実施例では、流体161を保持する基板
の一部分を圧電材料で変形させて、液溜168を不要と
したところに大きなメリットがある。なお、図30の実
施例にも言えることであるが、透明基板163,165
はレンズとして構成しても、或いは平面で構成してもよ
い。
【0081】図33は本発明にかかる光学特性可変光学
素子のさらに他の実施例であって圧電材料からなる2枚
の薄板200A,200Bを用いた可変焦点レンズの概
略構成図である。本実施例の可変焦点レンズは、薄板2
00Aと200Bの材料の方向性を反転させることで、
変形量を大きくし、大きな可変焦点範囲が得られるとい
うメリットがある。なお、図33中、204はレンズ形
状の透明基板である。本実施例においても、紙面の右側
の透明電極59は基板202よりも小さく形成されてい
る。
【0082】なお、図31〜図33の実施例において、
基板202、薄板200,200A,200Bの厚さを
不均一にして、電圧を掛けたときの変形のさせかたをコ
ントロールしてもよい。そのようにすれば、レンズの収
差補正等もすることができ、便利である。
【0083】図34は本発明にかかる可変焦点レンズの
さらに他の実施例を示す概略構成図である。本実施例の
可変焦点レンズ207は、例えばシリコンゴムやアクリ
ルエラストマー等の電歪材料206を用いて構成されて
いる。本実施例の構成によれば、電圧が低いときには、
図34に示すように、凸レンズとして作用し、電圧を上
げると、図35に示すように、電歪材料206が上下方
向に伸びて左右方向に縮むので、焦点距離が伸びる。従
って、可変焦点レンズとして動作する。本実施例の可変
焦点レンズによれば、大電源を必要としないので消費電
力が小さくて済むというメリットがある。
【0084】図36は本発明にかかる光学特性可変光学
素子のさらに他の実施例であってフォトメカニカル効果
を用いた可変焦点レンズの概略構成図である。本実施例
の可変焦点レンズ214は、透明弾性体208,209
でアゾベンゼン210が挟まれており、アゾベンゼン2
10には、透明なスペーサー211を経由して光が照射
されるようになっている。図36中、212,213は
それぞれ中心波長がλ1,λ2の例えばLED、半導体レ
ーザー等の光源である。
【0085】本実施例において、中心波長がλ1の光が
図37(a)に示すトランス型のアゾベンゼンに照射され
ると、アゾベンゼン210は、図37(b)に示すシス型
に変化して体積が減少する。このため、可変焦点レンズ
214の形状はうすくなり、凸レンズ作用が減少する。
一方、中心波長がλ2の光がシス型のアゾベンゼン21
0に照射されると、アゾベンゼン210はシス型からト
ランス型に変化して、体積が増加する。このため、可変
焦点レンズ214の形状は厚くなり、凸レンズ作用が増
加する。このようにして、本実施例の光学素子214は
可変焦点レンズとして作用する。また、可変焦点レンズ
214では、透明弾性体208,209の空気との境界
面で光が全反射するので外部に光がもれず、効率がよ
い。なお、レンズとして利用する光の波長は可視光に限
らず赤外光等でもよい。また、アゾベンゼン210とし
ては、アゾベンゼンと他の液体の混合物を用いてもよ
い。
【0086】図38は本発明にかかる可変形状鏡のさら
に他の実施例を示す概略構成図である。本実施例では、
デジタルカメラに用いられるものとして説明する。な
お、図38中、411は可変抵抗器、414は演算装
置、415は温度センサー、416は湿度センサー、4
17は距離センサー、424は振れセンサーである。本
実施例の可変形状鏡45は、アクリルエラストマー等の
有機材料からなる電歪材料453と間を隔てて分割電極
409bを設け、電歪材料453の上に順に電極45
2、変形可能な基板451を設け、さらにその上に入射
光を反射するアルミニウム等の金属からなる反射膜45
0を設けて構成されている。このように構成すると、分
割電極409bを電歪材料453と一体化した場合に比
べて、反射膜450の面形状が滑らかになり、光学的に
収差を発生させにくくなるというメリットがある。な
お、変形可能な基板451と電極452の配置は逆でも
良い。また、図38中、449は光学系の変倍、あるい
はズームを行なう釦であり、可変形状鏡45は、釦44
9を使用者が押すことで反射膜450の形を変形させ
て、変倍あるいは、ズームをすることができるように演
算装置414を介して制御されている。なお、アクリル
エラストマー等の有機材料からなる電歪材料のかわりに
既に述べたチタン酸バリウム等の圧電材料を用いてもよ
い。
【0087】図39は本発明の可変形状鏡のさらに他の
実施例にかかる静電気力で駆動される可変形状鏡の概略
構成図である。図39に示す可変形状鏡47に加わる電
圧あるいは流れる電流が0の場合、変形可能な基板45
1を自然に放置した状態での形状(例えば平面形状)に
あわせて反射膜450の形状が決まるように設計されて
いるが、実際には、変形可能な基板451を固定してい
る枠472のゆがみなどのために反射膜450は必ずし
も変形可能な基板451を自然に放置した状態での形状
(平面形状)と同じ形状にはならない。あるいは変形可
能な基板451をあらかじめモールド等を用いて成形し
電圧又は電流が0の場合に所定の曲面形状となるように
した場合でも、製作誤差等のため必ずしも設計通りの形
状にはならない。
【0088】そこで、本実施例の可変形状鏡は、この問
題を解決するために、可変形状鏡の使用中には常に電圧
を印加し又は電流を流して、形状規制力を加え、反射膜
450の形状が設計値に近づくよう補正を行なうように
構成されている。具体的には、メモリー473に、電圧
又は電流が0の時の形状を補正する為の情報を記憶させ
ておくとよい。なお、無駄な電力消費をさけるため光学
装置の非使用時には電圧又は電流を0にしておく。ま
た、反射膜450の形状を測定するために電極474
A,B,C,Dと反射膜450との間の静電容量を測定
する回路475を設けてもよい。また、本実施例では、
反射膜450は電極を兼ねている。このような形状制御
方法は本発明の他の実施例の可変形状鏡、可変焦点レン
ズ、可変形状プリズム等にも適用可能である。
【0089】なお、本実施例では、電極474A,B,
C,Dは同一平面上に配置されていない。反射膜450
の変形時に電圧又は電流を調整して形状制御を容易にす
るためである。特に、電極474A、Dのように可変形
状鏡周辺部の電極との間の距離をそれ以外の電極に比べ
て狭くしておくとよい。可変形状鏡周辺部は枠472に
近いため基板451が変形しにくいからである。本実施
例のこのような電極配置のさせ方は本発明の他の実施例
の可変形状鏡、可変焦点レンズ、可変プリズム等にも適
用可能である。
【0090】図40は本発明の光学特性可変光学素子の
さらに他の実施例にかかる圧電材料200を用いた可変
焦点レンズ50の概略構成図である。なお、圧電材料2
00には電歪材料も含むものとする。また、圧電材料2
00の材質としては、ポリウレタン、シリコンゴム、ア
クリルエラストマー、PZT、PLZT、ポリフッ化ビ
ニリデン(PVDF)等の高分子圧電体、シアン化ビニ
リデン共重合体、ビニリデンフルオライドとトリフルオ
ロエチレンの共重合体等が用いられる。圧電性を有す有
機材料、圧電性を有す合成樹脂、圧電性を示すエラスト
マー等を用いると可変焦点レンズ面の大きな変形が実現
できてよい。そして、可変焦点レンズには透明な圧電材
料を用いるとよい。
【0091】本実施例の可変焦点レンズ50は、透明で
やわらかい基板202、複数の分割された透明電極5
4、圧電材料200、分割されていない透明電極透明電
極59よりなる変形膜と、レンズ状の透明基板53とで
流体52をはさむ構造となっている。
【0092】圧電材料200は、透明でやわらかい基板
202の上に設けられている。透明でやわらかい基板2
02には、合成樹脂、有機材料を用いるのが望ましい。
流体502としては、例えばシリコンオイル、弾体ゴ
ム、ゼリー、水、等を用いることができる。圧電材料2
00の両面には、複数の分割された透明電極54、分割
されていない透明電極59が設けられており、電圧を加
えることで、圧電材料200の圧電効果により圧電材料
200が変形し、可変焦点レンズ50の焦点距離が変わ
る。従って、本実施例の光学特性可変光学素子は、テレ
ビカメラ等に用いた場合において、物体距離が変わった
場合でも光学系をモーター等で動かすことなくフォーカ
スができ、小型、計量、消費電力が少ない点で優れてい
る。
【0093】本実施例においては、透明電極59を介し
て電圧を圧電材料200に加えることで圧電材料200
は変形し図40において凸レンズとしての作用を有して
いる。透明でやわらかい基板202の形をあらかじめ凸
状に形成しておき、かつ透明電極54又は透明電極59
のうち少なくとも一方の大きさを透明でやわらかい基板
202と異ならせておく、つまり、例えば図40に示す
ように、透明電極59を透明でやわらかい基板202よ
りも小さくしておくと、電圧を切ったとき、あるいは下
げたときに、図41に示すように、透明電極59のある
部分だけが凹状に形を変えて、凹レンズ作用を持つよう
になり、可変焦点レンズとして動作する。このとき透明
でやわらかい基板202は、流体52の体積が変化しな
いように変形するので、液溜めが不要になるというメリ
ットがある。
【0094】本実施例では、流体52を保持する基板2
02の一部分を圧電材料で変形させることで、簡単な構
造でもって可変焦点レンズを実現できるところに大きな
メリットがある。そして複数の分割された透明電極54
に異なる電圧を加えることで、基板202を様々な形状
に変形できるというメリットがある。なお、本発明の他
の実施例の透明基板にも言えることであるが、透明基板
53の裏面は非球面としても、あるいは、平面でもよ
い。また、変形膜56は図40において左から透明電極
54、透明でやわらかい基板202、圧電材料200、
透明電極59の順に重ねて構成してもよい。また透明電
極54と透明電極59とは配置を入れ替えてもよい。さ
らに透明電極59も透明電極54と同様に分割電極とし
て構成してもよい。
【0095】そして、本実施例によれば、温度センサー
415、湿度センサー416、距離センサー417、振
れセンサー424、釦449からの信号に基づき透明電
極54の電極のそれぞれに異なる電圧を加えることで、
可変焦点レンズ50が焦点距離を変化させたり、収差を
変化させたり、プリズム作用を変化させたりすることが
でき、各種光学装置のフォーカス、ズーム、温湿度補
正、製作誤差の補正、ブレの補正等ができる。
【0096】なお、以上述べたその他の各実施例の可変
焦点レンズにおいても、透明電極145,59,508
a,509a,513a,513b等を複数に分割し、
分割された透明電極のそれぞれに異なる電圧を加えるこ
とによって、光学装置のピント合わせ、ズーム、変倍の
みならず、振れ補正、製造誤差による光学性能の低下の
補償、収差の補正等が可能になるようにしてもよい。
【0097】次に、本発明にかかる可変焦点レンズに用
いる透明電極の分割例として図40、41に示す実施例
における透明電極54の分割例を図42〜45を用いて
説明する。図42の例は、透明電極54を同心状に分割
した例を示している。本分割例では、分割された透明電
極54は、周辺部にいくほど輪帯の幅が狭くなってい
る。これは収差を補正しやすくするためである。
【0098】図43の例は、輪帯をさらに分割したもの
で、電極の境界線が3つずつ一点に集まるように分けて
ある部分を含んでいる。このようにすると、圧電材料2
00の形状が滑らかに変化するので収差の少ないレンズ
が得られる。
【0099】図44の例は、透明電極54を6角形に分
割したもので、上記と同様の理由により電極の境界線が
3つずつ一点で集まるように分けてある部分を含んでい
る。この場合、一点に集まる透明電極の境界線の相互の
なす角は90°より大きい。なお、後述する図46、4
7(d)のように電極の境界線が1点で交叉するようにし
てもよい。このようにすると設計・製作が多少容易にな
るというメリットがある。
【0100】なお、図42〜44の例において、それぞ
れ分割された一つ一つの透明電極54A、54B、54
C……は、ほぼ同じ面積にした方が収差補正上有利であ
る。このため、分割された電極のうち最も面積の大きい
電極と最も面積の小さい電極との面積比は100:1以
内に抑えるのがよい。また、電極分割の配列は、図4
2、43、44の例のように、N回対称軸を有するよう
にすると良い。Nは自然数あるいは無限大である。その
ようにすると円形レンズの場合、特に収差補正上有利で
ある。また、図42、43、44の例では、ほぼ同じ面
積にする為に分割された各電極の形状は等しくなってい
ないという特徴がある。または、図45の例に示すよう
に、電極の分割は格子状にしてもよい。このような分割
形態にすれば、簡単に製作できるというメリットがあ
る。
【0101】図46は眼鏡用レンズの場合で、透明な分
割電極55A、55B、55C、……が上、下、非対称
に、中心線に対しては左右対称に並べられている。つま
り、図46の例の分割電極は、対称な面を一つ有して配
列されている。眼鏡の上側部分は主に遠距離を見るのに
対し、下側部分は主に近距離を見るため下側部分の変形
量が大きい方がよいので、このように配列してある。な
お、分割電極の配列は左右非対称としてもよい。つまり
対称な面、線、N回対称軸のいずれも含まないようにし
てもよい。なぜなら、眼鏡レンズの外形は、図46に示
すように、対称な線又は面又はN回対称軸のいずれをも
を含まないからである。そして、これらの分割電極の形
状及び配列は可変焦点レンズに限られたものではなく、
本発明で述べられている可変形状鏡の分割電極にも適用
できる。可変形状鏡の分割電極に適用した場合には、可
変形状鏡の面形状が、滑らかになる、変形自在になると
いう効果がある。
【0102】図47(a)〜47(d)は、図48、49等の
光学装置に用いられる可変形状鏡の電極の分割例を示す
説明図である。図47(a)〜47(d)の例では、分割電極
の配列は、左右対称であり、つまり対称な面を一つ有す
る電極の配列となっている。そして、この対称な面は、
可変形状鏡における軸上光線の入射面にほぼ一致させる
のが良い。なお、本願では、電極にはコイル、薄膜コイ
ル、透明な薄膜コイルも含むものとする。図47(a)〜
47(d)に示すように、可変形状鏡の電極を含む部分の
外形は、略楕円あるいは一方向に長い角の丸い多角形、
あるいは、楕円に近い形の多角形、競技場のトラック
形、卵形等にするのが良い。これは、図48、49に示
すように、軸上光線が入射面に対して斜めに入射するよ
うにして用いる場合が多いからである。また、可変形状
鏡の電極を含む領域の長手方向は、軸上光線が入射する
入射面と略平行にするのが良い。なお、可変形状鏡に限
らず、軸上光線が入射面に対して斜めに入射するように
して用いる可変焦点レンズにおいても、図47(a)〜4
7(d)に示すような電極配置は適用できる。また、本発
明の光学特性可変光学素子において一方の側の電極の数
は一つ、つまり分割されていなくてもよい。
【0103】図48は本発明にかかる可変形状鏡48を
用いた携帯電話61用のデジタルカメラ62の例を示す
概略構成図である。本実施例のデジタルカメラ62は、
手に携帯電話61を持って、液晶表示装置63をファイ
ンダーとして見ながら撮影する時、見やすいように、斜
め下向きの方向を向くように構成されている。図48
中、64は自由曲面プリズムで、可変形状鏡48の前方
には板状のフレア絞り65が配置されている。なお、フ
レア絞り65は明るさ絞りを兼ねてもよい。本実施例の
ように、自由曲面プリズム64を用いて折り曲げられた
光路が交叉するようにすると、光学系全体を小さくする
ことができてよい。
【0104】図49は図48と同一構成の可変形状鏡4
8を用いたVTRカメラ68の一実施例である。本実施
例のVTRカメラ68は、自由曲面プリズム69と可変
形状鏡48を用いて、光路を軸上光線67に対して90
°より小さい角度で1回、90°より大きい角度で1回
曲げ、光路が交叉することなく撮像素子408に導くよ
うにコンパクトに構成されている。このように図48の
例と同一構成の可変形状鏡48を複数の撮像装置に利用
可能なのは、図42〜46、47(a)〜(d)、あるいは図
3、図4に示す形状及び配列、あるいはその他の格子
状、方眼状のいずれの配列であっても、多くの分割電極
を可変形状鏡48の分割電極409bとして配置し、そ
れぞれの分割電極に電圧を掛けることで、それぞれの光
学装置ごとに求められている可変形状鏡の形状になるよ
うにすることができるからである。従って、同一構成の
可変形状鏡を用いても、光学装置ごとに最適の駆動方
法、つまり同一、あるいは異なる駆動方法を選べばよい
のである。同一構成の可変形状鏡を複数の光学装置に用
いれば、製造コストを低減出来る。
【0105】一般に光学装置に対して、光学系の収差或
いは振れを充分に補正する等のために、最適な可変形状
鏡あるいは可変焦点レンズの光偏向作用を得るために
は、分割電極409bの個数は多い方が良く、2次収差
を補正するためには最低7個、3次収差を補正するため
には最低9個、4次収差を補正するためには最低13
個、5次収差を補正するためには最低16個、7次収差
を補正するためには最低25個、9次収差を補正するた
めには最低36個の分割電極が必要となる。なお、2次
収差とはティルト、非点収差、コマ収差のx方向,y方
向の2方向の成分である。ただし、低コストの商品では
最低でも3つの分割電極があれば、大きな収差又は大き
な振れは補正できる。
【0106】一方、電極数が多すぎても駆動回路が複雑
になりコストがアップするので、分割電極の数μは、高
精度の光学性能を要求する光学装置では、 300≦μ≦10000 …(29) やや高精度の光学性能を要求する光学装置では、 101≦μ≦300 …(30) 高〜中程度の光学性能を要求する光学装置では、 38≦μ≦100 …(31) 中程度の光学性能を要求する光学装置では、 32≦μ≦37 …(32) 中〜低程度の光学性能を要求する光学装置では、 22≦μ≦31 …(33) 低程度の光学性能を要求する光学装置では、 15≦μ≦21 …(34) さらに低程度の光学性能を要求する光学装置では、 11≦μ≦14 …(35) 低コストの光学装置では、 5≦μ≦10 …(36) さらに低コストの光学装置では、 1≦μ≦4 …(37) であればよい。上記各式は、それぞれ各次数の収差を除
去するのに対応させている。また、上記各式における条
件設定にブレの補正を含めてももちろん良い。なお、上
記各式中には、電極数μに多少の余裕をもたせた式もあ
る。ただし式(37)については焦点距離又は若干の収差又
はブレを補正するに止めてある。
【0107】以上のように一つあるいは複数の電極を備
えた同一構成の光学特性可変素子を、複数の光学装置に
共通に用いることは、可変形状鏡に限られたものではな
く、例えば図40に一例として示した可変焦点レンズに
も適用できることは言うまでもなく、式(29)〜(37)は可
変焦点レンズにも可変形状鏡と同様に適用可能である。
また、一つあるいは複数の電極を備えた同一構成の光学
特性可変素子を、複数の光学装置に共通に用いない場合
にも、式(29)〜(37)は適用可能である。なお、各光学装
置に最適な駆動方法を実現するには、メモリー473に
駆動の為のパラメータを記憶させておくのが良い。
【0108】ところで、可変焦点レンズあるいは屈折力
可変プリズムなどの光学特性可変光学素子に透明な分割
電極を設けた場合、分割電極を設けた部分と設けない部
分との境界の光の散乱によるフレア、及び透過率の違い
が生じて困ることが多い。これを解決したのが図50に
示す実施例である。本実施例の光学特性可変光学素子で
は、分割された透明電極54どうしの間の部分を透明電
極54と屈折率及び光透過率のほぼ等しい透明な絶縁物
質57で埋めてある。絶縁物質57の屈折率をNsと
し、透明電極54の屈折率をNgとする。この場合、次
式(38) |Ns−Ng|<0.2 …(38) を満たすことが望ましい。また、高精度の用途では、次
式(39) |Ns−Ng|<0.1 …(39) を満たすことが望ましい。なお、絶縁物質57は流体5
2で代用してもよい。
【0109】透明電極54の利用光に対する透過率をT
g、絶縁物質57の利用光に対する透過率をTs、とす
ると(100%の透過率であればTg=Ts=1.0で
ある。)、次式(40) |Tg−Ts|<0.3 …(40) を満たすことが望ましい。また、高精度の用途では、次
式(41) |Tg−Ts|<0.1 …(41) を満たすことが望ましい。
【0110】図51は本発明のさらに別の一実施例で電
磁力を用いた可変焦点レンズの概略構成図である。本実
施例の可変焦点レンズ71では、円筒形の枠72が、鉄
等の強磁性体でできており、周囲に巻かれたコイル73
に電流を流すことにより電磁石となるように構成されて
いる。透明基板53と透明で柔らかい基板202との間
は、流体52で充たされており、透明で柔らかい基板2
02の表面には分割された透明電極からなる透明なコイ
ル74が形成されている。
【0111】図51の実施例における分割された透明電
極からなる透明なコイル74の形状及び配置の一例を図
52に示す。図52の例では、分割された各コイル74
A〜Cのそれぞれに異なる電流を流すことによって透明
で柔らかい基板202を変形させて可変焦点レンズとし
て機能するように構成されている。周囲に巻かれたコイ
ル73あるいは分割された透明電極からなる透明なコイ
ル74に流す電流の極性を反転させれば凹レンズにも凸
レンズにもなる。なお、コイル74の形状は、図53に
示すような、らせん状でもよい。あるいは、図54の7
4’A〜74’C…に示すように、小さならせん状のコ
イルを透明で柔らかい基板202の表面に分布させてよ
い。なお、らせんの形は、円に限らず多角形等でもよ
い。本実施例のコイル74を用いた可変焦点レンズは、
本発明の他の光学特性可変素子と同様に各種光学装置の
フォーカス、ズーム、ブレ補正、温度や湿度の補正等に
用いることができる。
【0112】図55は本発明のさらに別の一実施例で、
図51の実施例の可変焦点レンズ71における円筒形の
枠72と周囲に巻かれたコイル73のかわりに、リング
状の永久磁石75を用いた可変焦点レンズ76の概略構
成図である。なお、流体52は透明な物体に限るもので
はなく、透明な変形可能な物体であればどのようなもの
でもよい。
【0113】なお、図51、55の実施例のいずれにお
いても、分割された透明電極からなる透明なコイル74
に加える電流を適宜選択することで、面形状にプリズム
作用を持たせて頂角可変のプリズムとして動作させても
良い。また、分割された透明電極からなる透明なコイル
74、74’は透明で電流を流すころができる導電性を
有する部材であればどのようなものでもよい。図55
中、77は流体溜めで、透明で柔らかい基板202の変
形で生じた流体52の過不足を補うものである。なお、
透明で柔らかい基板202の変形のさせ方や、流体52
の材質によっては流体溜め77は無くてもよい。
【0114】次に、本発明にかかる可変形状鏡の変形部
分の形状について述べる。例えば、図48、49に示す
ように、光学装置内における軸上光線の可変形状鏡への
入射角をθとする。また、可変形状鏡を反射面の側から
見た図56(a),(b)に示すように、可変形状鏡78,7
9の変形部分80,81の短手方向の長さをX、長手方
向の長さをYとする。可変形状鏡78,79の変形部分
80,81は、図示のように略楕円形、卵形、あるいは
楕円形に近い形の多角形、競技場のトラック形、角の丸
い多角形とするのが良い。なぜなら、可変形状鏡の反射
面に対して光束は斜めに入射するので、可変形状鏡の光
束入射部分の形状は、一般に軸上光線の入射面に対し平
行な一方向に向かって細長くなるからである。あるい
は、固体撮像素子が長方形であるので、その長手方向に
対応する方向にも光束をのばすためである。
【0115】図57は固体撮像素子の撮像エリア82を
撮像エリア82側から見た図である。図57において、
撮像エリアにおける辺のうち、可変形状鏡への軸上光線
入射面(例えば、図48、49の実施例の場合、可変形
状鏡への入射光線と可変形状鏡からの出射光線とを含む
平面)に対し平行な辺の長さ、あるいは可変形状鏡への
軸上光線入射面とのなす角が小さい方の辺の長さをP、
もう一方の辺の長さをQとする。(なお、図48、49
の実施例において、もう一方の辺の長さQは紙面に対し
て垂直になっている。)このときXとYの関係はおよそ
次式(42)のようになる。 Y≒(X/cosθ)・(P/Q) …(42)
【0116】実用的には、光束の一部が可変形状鏡でけ
られてもよい。逆に、変形部分は、光束入射範囲よりも
余裕を見て大きくすることもあり、また、明るさ絞りか
ら可変形状鏡までの距離等にもよるので、次式(43) 1/2(X/cosθ)・(P/Q)≦Y≦2(X/cosθ)・(P/Q) …(43) を満たせばよい。
【0117】そして式(43)の関係は、変形部分と対向し
て設置されているので、分割された電極を含む部分の外
形についても成り立つ。この場合のX、Yの定義は、図
47(a),(b),(c)に示す通りである。式(43)は当然可
変形状鏡の光束通過部分の形状についても成り立つ。式
(43)は可変形状鏡に限られたものでなく、可変焦点レン
ズ、屈折力可変プリズムについても成り立つ。
【0118】図58は本発明の光学装置のさらに他の実
施例にかかる可変形状鏡83,84を用いた電子内視鏡
85の概略構成図である。図58中、66はレンズ、8
7は絞り、88はプリズム、89はレンズ群、90は電
子回路、91はTVモニター、92は対物光学系、40
8は固体撮像素子である。本実施例の電子内視鏡85で
は、可変形状鏡83,84、プリズム88を介して複数
個の反射面を設け、各反射面で軸上光線を90°より大
きい角度で折り曲げることで、物体からの入射光線と固
体撮像素子への入射光線とがほぼ平行になるようにして
ある。可変形状鏡83,84は、同一構成の可変形状鏡
を用いてもよい。そして、本実施例の電子内視鏡85で
は、可変形状鏡83,84を同時に変形させて電子内視
鏡85の物体距離の変化に伴うピントのズレを補正する
ようになっている。このとき、可変形状鏡83,84の
反射面が平面の状態においては、対物光学系92が実質
的に共軸系となるため収差の補正は容易であるが、可変
形状鏡83の反射面が凸面あるいは凹面に変形すると光
軸上でも偏心収差が発生する。
【0119】そこで、本実施例では絞り87の前後に可
変形状鏡を設けて、ピント合わせと共に光軸上の偏心収
差をキャンセルするようにしている。なお、可変形状鏡
83,84の反射面の形状は、自由曲面形状にした方が
収差補正上有利である。また、本実施例では、ピント合
わせ以外に、可変形状鏡83,84をそれらの反射面の
凹凸が逆になるよう変形させる等の方法でズーム、変倍
を行なうことも可能である。
【0120】図59は本発明の光学装置のさらに他の実
施例にかかる可変焦点レンズ93を用いた乱視も補正可
能な可変焦点眼鏡94の概略構成図である。本実施例の
可変焦点眼鏡94は、可変焦点レンズ93に、図42〜
46に示したような、分割された透明電極を設け、透明
電極のそれぞれに適当な電圧を印加、又は電流を流すこ
とで、シリンドリカルレンズの効果を可変焦点レンズ9
3に持たせて、眼鏡使用者が乱視の場合、補正できるよ
うに構成されている。なお、眼鏡は光学装置の一つであ
る。もちろん、本実施例では、眼鏡使用者が乱視である
と同時に老眼であっても、物体距離に応じて可変焦点レ
ンズ93のレンズ作用を変化させることで、常にピント
の合った画像を見ることができる。
【0121】具体的には、フレーム95等に設けられた
左眼のレンズの光学特性を補正するためのメモリー9
6、右眼のレンズの光学特性を補正するためのメモリー
97に、乱視のための補正情報、視度補正、物体距離補
正のための補正情報を記憶させておき、メモリー96,
97に記憶させた補正情報を参照しながら可変焦点レン
ズ93に電圧を印加し、又は電流を流すように制御手段
が備えられている。そして、メモリー96,97に記憶
させる補正情報を使用者ごとに変更すれば、同一構成の
可変焦点レンズ93を異なる使用者の眼鏡に用いること
ができる。もちろん、メモリー96,97に記憶させる
夫々の補正情報を左眼、右眼に合わせて別個に記憶させ
てば、同一構成の可変焦点レンズ93を左右の眼鏡レン
ズに共通に用いることができる。なお、可変焦点レンズ
93としては、本願の実施例で述べた各種の可変焦点レ
ンズを用いることができる。
【0122】最後に、本発明で用いる用語の定義を述べ
ておく。
【0123】光学装置とは、光学系あるいは光学素子を
含む装置のことである。光学装置単体で機能しなくても
よい。つまり、装置の一部でもよい。
【0124】光学装置には、撮像装置、観察装置、表示
装置、照明装置、信号処理装置等が含まれる。
【0125】撮像装置の例としては、フィルムカメラ、
デジタルカメラ、ロボットの眼、レンズ交換式デジタル
一眼レフカメラ、テレビカメラ、動画記録装置、電子動
画記録装置、カムコーダ、VTRカメラ、電子内視鏡等
がある。デジカメ、カード型デジカメ、テレビカメラ、
VTRカメラ、動画記録カメラなどはいずれも電子撮像
装置の一例である。
【0126】観察装置の例としては、顕微鏡、望遠鏡、
眼鏡、双眼鏡、ルーペ、ファイバースコープ、ファイン
ダー、ビューファインダー等がある。
【0127】表示装置の例としては、液晶ディスプレ
イ、ビューファインダー、ゲームマシン(ソニー社製プ
レイステーション)、ビデオプロジェクター、液晶プロ
ジェクター、頭部装着型画像表示装置(head mo
unted display:HMD)、PDA(携帯
情報端末)、携帯電話等がある。
【0128】照明装置の例としては、カメラのストロ
ボ、自動車のヘッドライト、内視鏡光源、顕微鏡光源等
がある。
【0129】信号処理装置の例としては、携帯電話、パ
ソコン、ゲームマシン、光ディスクの読取・書込装置、
光計算機の演算装置等がある。
【0130】撮像素子は、例えばCCD、撮像管、固体
撮像素子、写真フィルム等を指す。また、平行平面板は
プリズムの1つに含まれるものとする。観察者の変化に
は、視度の変化を含むものとする。被写体の変化には、
被写体となる物体距離の変化、物体の移動、物体の動
き、振動、物体のぶれ等を含むものとする。
【0131】拡張曲面の定義は以下の通りである。球
面、平面、回転対称非球面のほか、光軸に対して偏心し
た球面、平面、回転対称非球面、あるいは対称面を有す
る非球面、対称面を1つだけ有する非球面、対称面のな
い非球面、自由曲面、微分不可能な点、線を有する面
等、いかなる形をしていても良い。反射面でも、屈折面
でも、光になんらかの影響を与えうる面ならば良い。本
発明では、これらを総称して拡張曲面と呼ぶことにす
る。
【0132】光学特性可変光学素子とは、可変焦点レン
ズ、可変形状鏡、面形状の変わる偏光プリズム、頂角可
変プリズム、光偏向作用の変わる可変回折光学素子、つ
まり可変HOE,可変DOE等を含む。
【0133】可変焦点レンズには、焦点距離が変化せ
ず、収差量が変化するような可変レンズも含むものとす
る。可変形状鏡についても同様である。要するに、光学
素子で、光の反射、屈折、回折等の光偏向作用が変化し
うるものを光学特性可変光学素子と呼ぶ。
【0134】情報発信装置とは、携帯電話、固定式の電
話、ゲームマシン、テレビ、ラジカセ、ステレオ等のリ
モコンや、パソコン、パソコンのキーボード、マウス、
タッチパネル等の何らかの情報を入力し、送信すること
ができる装置を指す。撮像装置のついたテレビモニタ
ー、パソコンのモニター、ディスプレイも含むものとす
る。情報発信装置は、信号処理装置の中に含まれる。
【0135】以上説明したように、本発明の光学装置
は、特許請求の範囲に記載された発明の他に、次に示す
ような特徴も備えている。
【0136】(1)圧電材料を用いた可変形状鏡。
【0137】(2)圧電材料に対して間を隔てて設けら
れた分割電極を有する上記(1)に記載の可変形状鏡。
【0138】(3)電歪材料を用い、電歪材料に対して
間を隔てて設けられた分割電極を有する上記(1)に記
載の可変形状鏡。
【0139】(4)反射膜、基板、電極、圧電材料を積
層し、圧電材料に対して間を隔てて設けられた分割電極
を有する上記(1)に記載の可変形状鏡。
【0140】(5)光学特性可変光学素子の使用状態
で、変形可能な光学面に常に規制力を加えていることを
特徴とする形状の変化する光学特性可変光学素子。
【0141】(6)形状補正の為のメモリーを有する上
記(5)に記載の光学特性可変光学素子。
【0142】(7)形状測定の為の手段を有する上記
(5)に記載の光学特性可変光学素子。
【0143】(8)上記(5)〜(7)のいずれかに記
載の光学特性可変光学素子である可変形状鏡。
【0144】(9)上記(5)〜(7)のいずれかに記
載の光学特性可変光学素子である可変焦点レンズ。
【0145】(10)圧電材料を用いた可変焦点レン
ズ。
【0146】(11)液溜めを有しない請求項1に記載
の可変焦点レンズ。
【0147】(12)変形可能な透明膜と透明電極と圧
電材料からなる変形可能な膜と、透明流体と透明基板か
らなる請求項1に記載の可変焦点レンズ。
【0148】(13)有機圧電材料を用いた請求項1、
上記(10)〜(12)のいずれかに記載の可変焦点レ
ンズ。
【0149】(14)動作のために電力を必要とする光
学特性可変光学素子。
【0150】(15)複数に分割された電極を有する上
記(14)に記載の光学特性可変光学素子。
【0151】(16)次の式(29)〜(37)のいずれかを満
たす上記(15)に記載の光学特性可変光学素子。 300≦μ≦10000 …(29) 101≦μ≦300 …(30) 38≦μ≦100 …(31) 32≦μ≦37 …(32) 22≦μ≦31 …(33) 15≦μ≦21 …(34) 11≦μ≦14 …(35) 5≦μ≦10 …(36) 1≦μ≦4 …(37) 但し、μは分割電極の数である。
【0152】(17)透明電極が、輪帯状に形成されて
いる上記(15)に記載の光学特性可変光学素子。
【0153】(18)透明電極の境界線が、1点で3つ
集まる形を含む上記(15)に記載の光学特性可変光学
素子。
【0154】(19)1点で3つ集まる透明電極の境界
線が、相互のなす角が90°より大きい部分を含むこと
を特徴とする上記(15)に記載の光学特性可変光学素
子。
【0155】(20)電極配列が対称な線または面を1
つ以上含む上記(15)に記載の光学特性可変光学素
子。
【0156】(21)電極配列が対称な線または面を1
つだけ含む上記(15)に記載の光学特性可変光学素
子。
【0157】(22)電極配列が対称な面、対称な線、
N回対称軸のいずれも含むまない上記(15)に記載の
光学特性可変光学素子。但し、Nは自然数または無限大
である。
【0158】(23)電極配列がN回対称軸を含む上記
(15)に記載の光学特性可変光学素子。但し、Nは自
然数または無限大である。
【0159】(24)上記(14)〜(23)のいずれ
かに記載の光学特性可変光学素子である可変焦点レン
ズ。
【0160】(25)上記(14)〜(23)のいずれ
かに記載の光学特性可変光学素子である可変形状鏡。
【0161】(26)電極を含む部分の形状が略楕円、
楕円に近い多角形、あるいは1方向に長い角の丸い多角
形、あるいは競技場のトラック形、あるいは卵形で上記
(14)〜(22)のいずれかに記載の光学特性可変光
学素子。
【0162】(27)電極を含む部分の形状が略楕円、
楕円に近い多角形、あるいは1方向に長い角の丸い多
形、あるいは競技場のトラック形、あるいは卵形で、か
つ長手方向が軸上光線の入射面にほぼ平行である上記
(14)〜(22)のいずれかに記載の光学特性可変光
学素子。
【0163】(28)光束通過部分の外形部が次式(43)
を満たす動作のために電力を必要とする光学特性可変光
学素子。 1/2(X/cosθ)・(P/Q)≦Y≦2(X/cosθ)・(P/Q) …(43) 但し、Xは光学特性可変光学素子の変形部分の短手方向
の長さ、Yは光学特性可変光学素子の変形部分の長手方
向の長さ、Pは撮像エリアにおける辺のうち、可変形状
鏡への軸上光線入射面に対し平行な辺の長さ、あるいは
可変形状鏡への軸上光線入射面とのなす角が小さい方の
辺の長さ、Qはもう一方の辺の長さである。
【0164】(29)上記(14)〜(22)のいずれ
かに記載の光束通過部分の外形状が次式(43)を満たす動
作のために電力を必要とする光学特性可変光学素子。 1/2(X/cosθ)・(P/Q)≦Y≦2(X/cosθ)・(P/Q) …(43) 但し、Xは光学特性可変光学素子の変形部分の短手方向
の長さ、Yは光学特性可変光学素子の変形部分の長手方
向の長さ、Pは撮像エリアにおける辺のうち、可変形状
鏡への軸上光線入射面に対し平行な辺の長さ、あるいは
可変形状鏡への軸上光線入射面とのなす角が小さい方の
辺の長さ、Qはもう一方の辺の長さである。
【0165】(30)形状変形部分の外形が次式(43)を
満たす動作のために電力を必要とする光学特性可変素
子。 1/2(X/cosθ)・(P/Q)≦Y≦2(X/cosθ)・(P/Q) …(43) 但し、Xは光学特性可変光学素子の変形部分の短手方向
の長さ、Yは光学特性可変光学素子の変形部分の長手方
向の長さ、Pは撮像エリアにおける辺のうち、可変形状
鏡への軸上光線入射面に対し平行な辺の長さ、あるいは
可変形状鏡への軸上光線入射面とのなす角が小さい方の
辺の長さ、Qはもう一方の辺の長さである。
【0166】(31)上記(14)〜(22)のいずれ
かに記載の形状変形部分の外形が次式(43)を満たす動作
のために電力を必要とする光学特性可変素子。 1/2(X/cosθ)・(P/Q)≦Y≦2(X/cosθ)・(P/Q) …(43) 但し、Xは光学特性可変光学素子の変形部分の短手方向
の長さ、Yは光学特性可変光学素子の変形部分の長手方
向の長さ、Pは撮像エリアにおける辺のうち、可変形状
鏡への軸上光線入射面に対し平行な辺の長さ、あるいは
可変形状鏡への軸上光線入射面とのなす角が小さい方の
辺の長さ、Qはもう一方の辺の長さである。
【0167】(32)電極を含む部分の外形が次式(43)
を満たす動作のために電力を必要とする光学特性可変素
子。 1/2(X/cosθ)・(P/Q)≦Y≦2(X/cosθ)・(P/Q) …(43) 但し、Xは光学特性可変光学素子の変形部分の短手方向
の長さ、Yは光学特性可変光学素子の変形部分の長手方
向の長さ、Pは撮像エリアにおける辺のうち、可変形状
鏡への軸上光線入射面に対し平行な辺の長さ、あるいは
可変形状鏡への軸上光線入射面とのなす角が小さい方の
辺の長さ、Qはもう一方の辺の長さである。
【0168】(33)上記(14)〜(22)のいずれ
かに記載の電極を含む部分の外形が次式(43)を満たす動
作のために電力を必要とする光学特性可変素子。 1/2(X/cosθ)・(P/Q)≦Y≦2(X/cosθ)・(P/Q) …(43) 但し、Xは光学特性可変光学素子の変形部分の短手方向
の長さ、Yは光学特性可変光学素子の変形部分の長手方
向の長さ、Pは撮像エリアにおける辺のうち、可変形状
鏡への軸上光線入射面に対し平行な辺の長さ、あるいは
可変形状鏡への軸上光線入射面とのなす角が小さい方の
辺の長さ、Qはもう一方の辺の長さである。
【0169】(34)上記(28)〜(33)のいずれ
かに記載の光学特性可変光学素子である可変形状鏡。
【0170】(35)光学面近傍に配置された永久磁石
または電磁石と、変形可能な光学面と一体化された透明
な電流を流すことが可能な部材と、透明基板と前記変形
可能な光学面の間に透明な変形可能な物体とを有し、電
磁力により面形状を変化させる光学特性可変光学素子。
【0171】(36)光学面近傍に配置された永久磁石
またはコイルと、光学面と一体化された透明な電流を流
すことが可能な部材とを有し、電磁力により面形状を変
化させる可変焦点レンズ。
【0172】(37)光学面近傍に配置された永久磁石
または電磁石と、変形可能な光学面と一体化された透明
な電流を流すことが可能な部材と、透明基板と前記変形
可能な光学面の間に透明な変形可能な物体とを有し、電
磁力により面形状を変化させる可変焦点レンズ。
【0173】(38)請求項3又は上記(35)に記載
の可変プリズム。
【0174】(39)分割された透明電極の間に透明な
絶縁物質を有する、光を透過する光学特性可変光学素
子。
【0175】(40)次式(38)〜(41)を満たす上記(3
9)に記載の光学特性可変光学素子。 |Ns−Ng|<0.2 …(38) |Ns−Ng|<0.1 …(39) |Tg−Ts|<0.3 …(40) |Tg−Ts|<0.1 …(41) 但し、Nsは透明な絶縁物質の屈折率、Ngは透明電極
の屈折率、Tgは透明電極の利用光に対する透過率、T
sは透明な絶縁物質の利用光に対する透過率である。
【0176】(41)同一構成でもって複数の光学装置
に共通に用いることが可能な複数の電極を備えた光学特
性可変光学素子を備えたことを特徴とする光学装置。
【0177】(42)同一構成でもって複数の光学装置
に共通に用いることが可能であって、それぞれの光学装
置に応じて最適に駆動する光学特性可変光学素子を備え
たことを特徴とする光学装置。
【0178】(43)同一構成でもって複数の光学装置
に共通に用いることが可能であって、それぞれの光学装
置に応じて最適に駆動する複数の電極を備えた光学特性
可変光学素子を備えたことを特徴とする光学装置。
【0179】(44)光学特性可変光学素子が可変形状
鏡である請求項3、上記(41)〜(43)のいずれか
に記載の光学装置。
【0180】(45)光学特性可変光学素子が可変焦点
レンズである請求項3、上記(41)〜(43)のいず
れかに記載の光学装置。
【0181】(46)次の式(29)〜(37)のいずれかを満
たす請求項3、上記(41)〜(43)のいずれかに記
載の光学装置。 300≦μ≦10000 …(29) 101≦μ≦300 …(30) 38≦μ≦100 …(31) 32≦μ≦37 …(32) 22≦μ≦31 …(33) 15≦μ≦21 …(34) 11≦μ≦14 …(35) 5≦μ≦10 …(36) 1≦μ≦4 …(37) 但し、μは分割電極の数である。
【0182】(47)光学装置が眼鏡である請求項3、
上記(41)〜(43)のいずれかに記載の光学装置。
【0183】(48)乱視を補正する可変焦点レンズを
有する可変焦点眼鏡。
【0184】(49)可変焦点レンズにより乱視を補正
する、可変焦点レンズを有する可変焦点眼鏡。
【0185】(50)面形状の変化する可変焦点レンズ
により乱視を補正する、可変焦点レンズを有する可変焦
点眼鏡。
【0186】(51)複数の透明な分割電極を有する上
記(48)〜(50)のいずれかに記載の可変焦点眼
鏡。
【0187】(52)共通の可変焦点レンズを異なる使
用者の眼鏡で共通に用いた可変焦点眼鏡。
【0188】(53)共通の可変焦点レンズを左右の眼
鏡レンズに共通に用いた可変焦点眼鏡。
【0189】(54)可変焦点レンズ駆動用のメモリー
を有する可変焦点眼鏡。
【0190】(55)請求項1、2、上記(1)〜(4
0)のいずれかに記載の光学素子を備えた、光学装置ま
たは可変焦点眼鏡。
【0191】(56)請求項1、2、上記(1)〜(4
0)のいずれかに記載の光学素子を備えた、上記(4
6)〜(54)のいずれかに記載の可変焦点眼鏡または
光学装置。
【0192】(57)自由曲面プリズムを備え、折り曲
げられた光軸が交叉することを特徴とする可変形状鏡を
備えた光学装置。
【0193】(58)自由曲面プリズムを備え、軸上光
線を90°未満の角度で少なくとも1回、90°を超え
る角度で少なくとも1回折り曲げることを特徴とする可
変形状鏡を備えた光学装置。
【0194】(59)自由曲面プリズムを備え、軸上光
線を90°未満の角度で少なくとも1回、90°を超え
る角度で少なくとも1回折り曲げ、かつ軸上光線が交叉
しないことを特徴とする可変形状鏡を備えた光学装置。
【0195】(60)携帯電話の長手方向に対して、撮
影光学系の光軸が傾斜していることを特徴とする電子撮
像装置を備えた携帯電話。
【0196】(61)光学特性可変光学素子を備えた上
記(60)に記載の携帯電話。
【0197】(62)上記(57)〜(59)に記載の
携帯電話。
【0198】(63)可変形状鏡を2枚以上用いてフォ
ーカスを行う光学装置。
【0199】(64)斜入射の可変形状鏡を2枚以上用
いて前記可変形状鏡を同時に変形させてフォーカスを行
う光学装置。
【0200】(65)上記(63)又は(64)に記載
の光学装置である撮像装置。
【0201】(66)同一の可変形状鏡を2枚用いた上
記(63)に記載の光学装置。
【0202】(67)観察方向と、撮像素子の法線とが
ほぼ平行な上記(63)〜(66)のいずれかに記載の
光学装置である撮像装置。
【0203】
【発明の効果】本発明の可変形状鏡、可変焦点レンズ、
可変プリズム等及びこれらの光学特性可変光学素子を含
む光学系を備えた光学装置によれば、消費電力が小さ
く、音が静かで、応答時間が短くなり、機械的構造が簡
単でコストダウンにも寄与できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光学装置の一実施例にかかる光学特性
ミラーを用いたデジタルカメラのケプラー式ファインダ
ーの概略構成図である。
【図2】本発明にかかる可変形状鏡409の他の実施例
を示す概略構成図である。
【図3】図2の実施例の可変形状鏡に用いる電極の一形
態を示す説明図である。
【図4】図2の実施例の可変形状鏡に用いる電極の他の
形態を示す説明図である。
【図5】本発明にかかる可変形状鏡409のさらに他の
実施例を示す概略構成図である。
【図6】本発明にかかる可変形状鏡409のさらに他の
実施例を示す概略構成図である。
【図7】本発明にかかる可変形状鏡409のさらに他の
実施例を示す概略構成図である。
【図8】図7の実施例における薄膜コイル427の巻密
度の状態を示す説明図である。
【図9】本発明にかかる可変形状鏡409のさらに他の
実施例を示す概略構成図である。
【図10】図9の実施例におけるコイル427の一配置
例を示す説明図である。
【図11】図9の実施例におけるコイル427の他の配
置例を示す説明図である。
【図12】図7に示した実施例において、コイル427
の配置を図11に示したようにした場合に適する永久磁
石426の配置を示す説明図である。
【図13】本発明のさらに他の実施例に係る、光学装置
に適用可能な可変形状鏡409を用いた撮像系、例えば
携帯電話のデジタルカメラ、カプセル内視鏡、電子内視
鏡、パソコン用デジタルカメラ、PDA用デジタルカメ
ラ等に用いられる撮像系の概略構成図である。
【図14】本発明の可変形状鏡のさらに他の実施例に係
る、マイクロポンプ180で流体161を出し入れし、
レンズ面を変形させる可変形状鏡188の概略構成図で
ある。
【図15】本発明に適用可能なマイクロポンプの一実施
例を示す概略構成図である。
【図16】本発明にかかる可変焦点レンズの原理的構成
を示す図である。
【図17】一軸性のネマティック液晶分子の屈折率楕円
体を示す図である。
【図18】図16に示す高分子分散液晶層に電界を印加
状態を示す図である。
【図19】図16に示す高分子分散液晶層への印加電圧
を可変にする場合の一例の構成を示す図である。
【図20】本発明にかかる可変焦点レンズを用いたデジ
タルカメラ用の撮像光学系の一例の構成を示す図であ
る。
【図21】本発明にかかる可変焦点回折光学素子の一例
の構成を示す図である。
【図22】ツイストネマティック液晶を用いる可変焦点
レンズを有する可変焦点眼鏡の構成を示す図である。
【図23】図22に示すツイストネマティック液晶層へ
の印加電圧を高くしたときの液晶分子の配向状態を示す
図である。
【図24】本発明にかかる可変偏角プリズムの二つの例
の構成を示す図である。
【図25】図24に示す可変偏角プリズムの使用態様を
説明するための図である。
【図26】本発明にかかる可変焦点レンズとしての可変
焦点ミラーの一例の構成を示す図である。
【図27】本発明の光学装置のさらに他の実施例に係
る、可変焦点レンズ140を用いた撮像ユニット141
の概略構成図である。
【図28】図27の実施例における可変焦点レンズの変
形例を示す説明図である。
【図29】図28の可変焦点レンズが変形した状態を示
す説明図である。
【図30】本発明の可変焦点レンズのさらに他の実施例
に係る、マイクロポンプ160で流体161を出し入れ
し、レンズ面を変形させる可変焦点レンズ162の概略
構成図である。
【図31】本発明にかかる光学特性可変光学素子の他の
実施例であって圧電材料200を用いた可変焦点レンズ
201の概略構成図である。
【図32】図31の変形例に係る可変焦点レンズの状態
説明図である。
【図33】本発明にかかる光学特性可変光学素子のさら
に他の実施例であって圧電材料からなる2枚の薄板20
0A,200Bを用いた可変焦点レンズの概略構成図で
ある。
【図34】本発明にかかる可変焦点レンズのさらに他の
実施例を示す概略構成図である。
【図35】図34の実施例に係る可変焦点レンズの状態
説明図である。
【図36】本発明にかかる光学特性可変光学素子のさら
に他の実施例であってフォトニカル効果を用いた可変焦
点レンズの概略構成図である。
【図37】図36の実施例に係る可変焦点レンズに用い
るアゾベンゼンの構造を示す説明図であり、(a)はトラ
ンス型、(b)はシス型を示している。
【図38】本発明にかかる可変形状鏡のさらに他の実施
例を示す概略構成図である。
【図39】本発明にかかる可変形状鏡のさらに他の実施
例にかかる静電気力で駆動される可変形状鏡の概略構成
図である。
【図40】本発明の光学特性可変光学素子のさらに他の
実施例にかかる圧電材料200を用いた可変焦点レンズ
50の概略構成図である。
【図41】図40の可変焦点レンズが変形した状態を示
す説明図である。
【図42】本発明にかかる可変焦点レンズに用いる透明
電極の一分割例を示す説明図である。
【図43】本発明にかかる可変焦点レンズに用いる透明
電極の他の分割例を示す説明図である。
【図44】本発明にかかる可変焦点レンズに用いる透明
電極のさらに他の分割例を示す説明図である。
【図45】本発明の光学装置に適用可能な可変焦点レン
ズに用いる透明電極のさらに他の分割例を示す説明図で
ある。
【図46】本発明の光学装置に適用可能な可変焦点レン
ズに用いる透明電極のさらに他の分割例を示す説明図で
ある。
【図47】図48、49等の光学装置に用いられる可変
形状鏡の電極の分割例を示す説明図である。
【図48】可変形状鏡48を用いた携帯電話61用のデ
ジタルカメラ62の例を示す概略構成図である。
【図49】図48と同一構成の可変形状鏡48を用いた
VTRカメラ68の例である。
【図50】本発明にかかる光学特性可変光学素子のさら
に他の実施例を示す概略構成図である。
【図51】本発明のさらに別の一実施例で電磁力を用い
た可変焦点レンズの概略構成図である。
【図52】分割された透明電極からなる透明なコイル7
4の形状の一例を示す概略構成図である。
【図53】分割された透明電極からなる透明なコイル7
4の形状の他の例を示す概略構成図である。
【図54】図52の例における分割された透明電極から
なる透明なコイル74の形状のその他の例及び配置例を
示す説明図である。
【図55】本発明のさらに別の一実施例で、図51の実
施例の可変焦点レンズ71における円筒形の枠72、周
囲に巻かれたコイル73のかわりにリング状の永久磁石
75を用いた可変焦点レンズ76の概略構成図である。
【図56】本発明にかかる可変形状鏡を反射面の側から
見た説明図である。
【図57】固体撮像素子の撮像エリア82を撮像エリア
82側から見た図である。
【図58】本発明の光学装置のさらに他の実施例にかか
る可変形状鏡83,84を用いた電子内視鏡85の概略
構成図である。
【図59】本発明の光学装置のさらに他の実施例にかか
る可変焦点レンズ93を用いた乱視も補正できる可変焦
点眼鏡94の概略構成図である。
【符号の説明】
45,47,48,78,79,83,84,188
可変形状鏡 50,71,76,93,140,162,201,2
07,214,511,527 可変焦点レンズ 52,161 流体 53,163,165,204,532,533,56
2,563,566,567 透明基板 54,59,145,513a,513b,600
透明電極 54A,54B,54C,55A,55B,55C,5
4D分割された一つ一つの透明電極 56 変形膜 57 透明な絶縁物質 61 携帯電話 62 デジタルカメラ 63 液晶表示装置 64,69 自由曲面プリズム 65 フレア絞り 66,102,512a,512b,522,537,
538レンズ 67 軸上光線 68 VTRカメラ 72 枠 73 周囲に巻かれたコイル 74,74A,74B,74C,74’A,74’B,
74’C分割された透明電極からなる透明なコイル 75,426 永久磁石 77 流体溜め 80,81 可変形状鏡の変形部分 82 固体撮像素子の撮像エリア 85 電子内視鏡 87 絞り 88,404 プリズム 89 レンズ群 90 電子回路 91 TVモニター 92 対物光学系 94,535 可変焦点眼鏡 95 フレーム 96,97,473 メモリー 103 制御系 103’ 回路 104,141 撮像ユニット 142 透明部材 143 圧電性のある透明物質 144 流体あるいはゼリー状物質 146 シリンダー 147 支援部材 148 変形可能な部材 160,180 マイクロポンプ 164 弾性体 168 液溜 181 振動板 182,183,409b,409d,452
電極 184,185 弁 189,450 反射膜 200 圧電材料 200A,200B 薄板 202 透明で柔らかい基板 206,409c−2 電歪材料 208,209 透明弾性体 210 アゾベンゼン 211 スペーサー 212,213 光源 403 撮像レンズ 405 二等辺直角プリズム 406 ミラー 408,523,529 固体撮像素子 409 光学特性可変形状鏡 409a 薄膜 409c,409c’ 圧電素子 409c−1,409e 基板 411 可変抵抗器 412 電源 413 電源スイッチ 414 演算装置 415 温度センサー 416 湿度センサー 417 距離センサー 423 支持台 424 振れセンサー 425,428 駆動回路 427 コイル 449 釦 451 変形可能な基板 453 電歪材料 508a,532a,562a,566a 第
1の面 508b,532b,562b,566b 第
2の面 509a,533a,563a,567a 第
3の面 509b,533b,563b,567b 第
4の面 514 高分子分散液晶層 515 スイッチ 516 交流電源 517 液晶分子 518 高分子セル 519 可変抵抗器 521,526 絞り 525 前方レンズ 528 後方レンズ 531 可変焦点回折光学素子 535a フレーム 536 可変焦点回折光学素子 539a,539b 配向膜 545 物体 546 測距センサ 561 可変偏角プリズム 565 可変焦点ミラー 568 反射膜 901 接眼レンズ 902 対物レンズ
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G02B 17/08 G02B 26/00 2H087 25/00 G02C 7/06 2H088 26/00 G02F 1/13 505 G02C 7/06 G03B 5/00 L G02F 1/13 505 G02B 7/11 Z G03B 5/00 7/18 (72)発明者 金子 新二 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内 Fターム(参考) 2H006 BD03 2H041 AA02 AA07 AB38 AC05 AC08 2H042 DD13 2H043 BB03 CB01 2H051 FA07 FA09 2H087 LA11 TA01 TA03 TA04 2H088 EA42 MA10 MA16 MA20

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数に分割された透明電極を有する、圧
    電材料を用いた可変焦点レンズ。
  2. 【請求項2】 光学面近傍に配置された永久磁石または
    コイルと、光学面と一体化された透明な電流を流すこと
    が可能な部材とを有し、電磁力により面形状を変化させ
    る光学特性可変光学素子。
  3. 【請求項3】 同一構成でもって複数の光学装置に共通
    に用いることが可能な光学特性可変光学素子を備えたこ
    とを特徴とする光学装置。
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