JP2006072266A - 光学特性可変光学素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】消費電力が小さく、音が静かで、応答時間が短く、機械的構造が簡単でコストダウンに寄与する光学特性可変光学素子と、該光学特性可変光学素子を含む光学系を備えた光学装置とを提供する。
【解決手段】光学特性可変光学素子は、規則正しく配列した格子の間に屈折率可変物質を配置して成る材料で作られている。
【選択図】図1

Description

本発明は、可変ミラー、可変焦点レンズ、可変焦点回折光学素子、可変偏角プリズム等の光学特性可変光学素子、及びこれらの光学特性可変光学素子を含む光学系を備えた、例えば、デジタルカメラ、テレビカメラ、内視鏡、眼鏡、コンタクトレンズ、眼内レンズ、人工視覚、ビデオプロジェクター、望遠鏡、カメラのファインダー、携帯電話の撮像装置(携帯電話のデジタルカメラ、携帯電話のテレビカメラ)、光情報処理装置、光インターコネクション装置等の各種光学装置に関するものである。
従来のレンズは、ガラスを研磨して製造されたり、プラスチックを成形して製造されたりしており、何れもレンズ自体で焦点距離を変化させることは出来ない。そのため、例えば、カメラのピント合わせ或いはズームや変倍のためには、レンズ群を構成してその内の一部あるいは全体を光軸方向へ移動させるようにしている。 また、近年、液晶とフォトニック結晶を用いた可変ホログラムの提案(例えば、特許文献1参照)、コステリック液晶を用いた可変焦点レンズの眼鏡、コンタクトレンズ及び眼内レンズへの応用やケーブルの無い可変焦点レンズの提案(例えば、特許文献2参照)、液晶とフォトニック結晶を組合せた光スイッチの提案(例えば、特許文献3参照)、電磁波によってエネルギーを供給する可変焦点眼鏡の提案(例えば、特許文献4参照)、液晶を用いた眼内レンズの提案(参考文献1)等が行なわれている。
特開2001−209037号公報 欧州特許出願公開第693188号明細書 米国特許第6064506号明細書 特開2002−214545号公報 「OPTICS EXPRESS P810-P817 7th Apr.2003 Vol.11 No. 7」(Gleb Vdovin et al.)
ところで、従来の如くカメラのピント合わせ或いはズームや変倍のためにレンズ群の一部を光軸方向へ移動させる場合には、機械的構造が複雑になるばかりか、モーター等を用いるため消費電力が大きい、音がうるさい、応答時間が長くレンズの移動に時間がかかる、寸法が大きい等の欠点があった。
また、ブレ防止を行なう場合でも、レンズをモーター、ソレノイド等で機械的に移動させるため、消費電力が大きい、機械的構造が複雑でコストアップにつがる等の欠点があった。
また、特許文献1にはレンズについての記述はなく、特許文献2にはコレステリック液晶以外の他の液晶については言及がなく、特許文献3には可変焦点の光学素子については開示がなく、特許文献4には可変焦点眼鏡以外の眼科機械については何らの開示もなされていない。
また、参考文献1では、眼内レンズは開示されているものの、レンズの光量が半分以下になってしまう。
本発明は、上記の如き従来技術の問題点及び実情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、消費電力が小さく、音が静かで、応答時間が短く、機械的構造が簡単でコストダウンに寄与する、可変ミラー、可変焦点レンズ、可変プリズム等の光学特性可変光学素子と、該光学特性可変光学素子を含む光学系を備えた光学装置とを提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明による光学特性可変光学素子は、配列した仕切り、あるいは規則正しく配列した格子の間に屈折率可変物質を配置して成る材料で作られていることを特徴としている。
また、本発明による光学特性可変光学素子は、電気または電磁波によって駆動されるように構成されている。
また、本発明による光学特性可変光学素子は、表面が屈折率可変物質以外の材料で覆われていることを特徴としている。
本発明によれば、明るく、小型の光学特性可変光学素子及びそれを用いた小型、軽量の光学装置、観察装置、撮像装置、可変焦点眼鏡、可変焦点コンタクトレンズ、眼内レンズ、人工視覚等を実現することができる。
以下、本発明の実施の形態を図示した各種実施例に基づき説明する。
図1は本発明に係る光学特性可変光学素子の一実施例の基本構成を示している。この光学特性可変光学素子は、フォトニック結晶格子301の間に液晶分子302を含ませたものの表面をレンズ状に形成してなる、可変焦点レンズ303として構成されている。この可変焦点レンズ303の光軸OはZ軸に平行である。
二つの光学面304、305は曲面となっており、この光学面304、305に透明電極306、307が設けられている。光学面304,305は、例えば薄いプラスチック膜で形成されていて、液晶分子302が外部に漏れるのを防いでいる。透明電極306,307には、交流電源309から交流電圧が印加されるようになっており、図1は電圧が印加されていない状態を示している。
液晶分子302としては、例えば、正の誘電異方性を持つ一軸性のネマチック液晶を利用することができる。この液晶分子302の屈折率楕円体は、図2に示すような形状となり、
n0x=n0Y=n0 (1)
である。ただし、n0は常光線の屈折率を示し、n0x及びn0Yは常光線を含む面内での互いに直交する方向の屈折率を示す。図2のz軸の方向を液晶分子302のz軸と呼ぶことにする。
この可変焦点レンズ303は、スイッチ308がオフの状態では液晶分子302がフォトニック結晶格子301にそって配向するため、液晶分子302のz軸が図1のx-y平面に平行になっている。このため液晶分子302は入射光に対して屈折率の高い状態となり、可変焦点レンズ303は強い凸レンズとして機能する。
次に、スイッチ308をオンにすると、図3に示すように液晶分子302は、そのz軸を図3のz軸と平行になるように向ける。このため、液晶分子302は入射光に対して屈折率の低い状態となり、可変焦点レンズ303は凸レンズとしての作用が弱まる。
可変焦点レンズ303はこのように機能するので、可変抵抗器310の抵抗値を変化させれば、その焦点距離を連続的に変えることができる。
なお、309は交流電源、310' は固定抵抗であり、ここでは、入射光は図1のz軸にほぼ平行に入射すものとして説明した。
フォトニック結晶格子301は、本願では、「規則正しく配列した格子」とも呼ぶことにする。フォトニック結晶格子301のx, y, z方向の繰り返しの周期をそれぞれSx, Sy, Szとし、使用する光の波長をλとすると、可変焦点レンズ303が入射光を散乱させないためには、
2nm < Sx <λ (2)
2nm < Sy <λ (3)
2nm < Sz <λ (4)
の少なくとも1つ以上を充たすことが望ましい。Sx, Sy, Szの値が上記式(2)〜(4)の上限を上回ると、可変焦点レンズ303による入射光の散乱が強くなり、フレアの多いレンズとなってしまう。逆に、下限を下回ると、格子の隙間に液晶分子302が入らなくなってしまう。液晶分子302の大きさは、約2nmであるからである。
また、上記式(2)〜(4)の代わりに
5nm < Sx <λ/3 (5)
5nm < Sy <λ/3 (6)
5nm < Sz <λ/3 (7)
の少なくとも1つ以上を満たすと、光の散乱が減るのでなお良い。また、上記式(5)〜(7)の下限は、液晶分子が格子に入り易くなるのでなお良い。
さらに、上記式(5)〜(7)の代わりに
5nm < Sx <λ/10 (8)
5nm < Sy <λ/10 (9)
5nm < Sz <λ/10 (10)
の少なくと1つ以上を満たすようにすれば、さらに光の散乱が減って良い。
Sx, Sy, Szの典型的な値は数10nmから約100nmであり、通常のフォトニック液晶に比べて半分から数分の1以下である。この点で、本願発明に係るフォトニック液晶は、これまで知られているフォトニック液晶とは異なる。
また、スイッチ308がオフのとき、液晶分子のz軸をx- y平面に平行に向けるために、
Ayz / Sx < 2Axy / Sz (11)
Axz / Sy < 2Axy / Sz (12)
の少なくとも一方を満たすことが望ましい。
但し、Axyはフォトニック結晶格子301のz軸方向の1周期をx-y平面へ投影したときの影の面積の和、Ayzはフォトニック結晶格子301のz軸方向の1周期をy-z平面へ投影したときの影の面積の和、Axzはフォトニック結晶格子301のz軸方向の1周期をx-z平面へ投影したときの影の面積の和である。
上記式(11)または(12)を満たさないと、液晶分子302のz軸は図1のz軸方向に対し傾斜するようになり、可変焦点レンズ303の焦点距離の変化量が小さくなってしまう。
なお、実用的には、可変焦点レンズ303の焦点距離の変化は多少小さくなっても利用できる用途はあるので、上記式(11),(12)に代わり、
Ayz / Sx < 10Axy / Sz (13)
Axz / Sy < 10Axy / Sz (14)
の少なくとも一方を満たせば良い。
特に、可変焦点レンズ303の焦点距離の変化を大きくしたい場合には、
Ayz / Sx < Axy /3Sz (15)
Axz / Sy < Axy /3Sz (16)
の少なくとも一方を満たせば良い。
なお、フォトニック結晶格子301は規則正しく配列していなくても良く、ランダムな格子または仕切りであっても良い。その場合でも上記式(1)〜(16)は適用できる。Sx、Sy、Sz、Axy、Axz、Ayzとしては、平均的な値を採用すれば良い。
なお、液晶分子302の代わりに他の屈折率可変物質を用いても可変焦点レンズは実現できる。屈折率可変物質としては、液晶の他にチタン酸バリウム,ニオブ酸リチウム, 水晶, KDP(リン酸二水素カリウム), ADP(リン酸二水素アンモニウム), BSO(Bi12SiO20), LiTaO3 等の電気光学効果を有する物質が利用可能である。この他磁気光学効果を有する物質を利用しても良い。
また、電圧のオン,オフで可変焦点レンズ303を駆動するのではなく、駆動光を可変焦点レンズ303に照射することで駆動するようにすることもできる。そのような場合には、液晶分子302の代わりに光によって屈折率の変化する物質、例えば、フォトリフラクティブ効果を有する物質を用いれば良い。フォトリフラクティブ効果を有する物質としては、チタン酸バリウム, ニオブ酸リチウム, BSO, BTO,GaAs, InP, GaP , SBN, PLZT, 有機色素(エリトロシンB)を含有するPVA(ポリビニールアルコール)等がある。
ジアリールエテンのようなフォトクロミック分子、フォトクロミック材料も異なる波長の光の照射により屈折率が変化するので、光駆動型の可変焦点レンズや 可変焦点ミラーの材料として利用可能である。低分子ネマチック液晶もフォトリフラクティブ効果を持つので利用可能である。ケイ皮酸エルテルやクマリンのような光配向性の分子も利用可能である。なお、ジアリールエテン、あるいはある種の液晶は、異なる波長の光の照射により体積が変化するので、後述の図47に示す可変焦点レンズ214のアゾベンゼン210の代わりに用いても良い。
光としては、可視光のほか、赤外光, 紫外光, 電波等、電磁波全般を用いても良い。光駆動の可変焦点レンズの例は、後述の実施例で説明する。
図4は、フォトニック結晶格子301の具体的構造の一例を示している。この例では、結晶格子は、平行な角材を等間隔に配置した層を交互に直交させ、且つ積み上げる位置をSx / 2 或いはSy / 2 ずらして積み上げた形状をしている。そして、角材の隙間には液晶分子302が入っている。
図5は、フォトニック結晶格子301の具体的構造の他の例を示している。この例では、角柱形状の孔が平行に並んで一つの層を作り、その層が交互に90°の角度で交叉しつつ重なった構造となっている。孔の中には液晶分子302が入っている。
図4及び図5は、何れも電圧オフ時の液晶分子の配列方向を示しており、何れの場合も、液晶分子302は、各層の孔或いは角材の長手方向に沿って配向している。フォトニック結晶格子301は、このようにz軸方向から見たとき、液晶分子302を互いに交叉するように配列させる役目を持っている。もし、z軸方向から見たとき、互いに交叉せずに一方向に揃っているならば、入射光の偏光方向によって屈折率が異なるため、2重焦点レンズとなり、ボケた像しか得られない。
図4及び図5では、何れも、各層は交互に直交しているが、これに限らず各層を順にx°ずつz軸の周りに回転させて積み重ねるようにしても良い。即ち、
0 < x < 360 (17)
である。
また、各層は螺旋状に積み重ねられても良い。図4及び図5に示した例では、x=90である。
入射光に対して液晶分子302を含むフォトニック結晶格子301が、ほぼ等方媒質として振舞うためには、
2nm < Sz < 600λ・x・(2π/360) (18)
を満たすことが望ましい。Szの値が上記式(18)の上限を上回ると、液晶分子302を含む結晶格子301は、旋光性を有したり、異方性が強くなって、レンズとして好ましくない。Szの値の下限は、液晶分子302の大きさを下回ることができないことから、決まっている。
Szの値が、
5nm < Sz < 200λ・x・(2π/360) (19)
なる条件を満たせばなお良い。
また、
5nm < Sz < 50λ・x・(2π/360) (20)
なる条件を満たせばさらに良い。
フォトニック結晶格子301の材料としては、ガラス, 石英(SiO2)等の無機物、合成樹脂, アクリル, スチレン等の有機物を用いることができる。ここで、結晶格子301の屈折率をnRとする。光の散乱を減らすためには、屈折率可変物質との屈折率差は小さい方が良い。屈折率可変物質の屈折率楕円体が、図2に示すようであるとする。nox, noy, nz のうち最大のものをnmax, 最小のものをnmin とすれば、
nmin ≦ nR ≦nmax (21)
を満たすと、光の散乱が減るので良い。実用的には、
nmin−0.3 ≦ nR ≦nmax+0.8 (22)
でも許容できる場合があり、可変焦点レンズ303の用途によっては、
nmin−0.5 ≦ nR ≦nmax+2 (23)
を満たせば良いこともある。高精度の用途では、
| nmin − nR | ≦ 0.2 (24)
または、
| nmax − nR | ≦ 0.2 (25)
の少なくとも一方を満たすと良い。
フォトニック結晶格子301と結晶分子302とを合わせたものは、一つの光学材料と考えることができる。この光学材料の体積のうちで液晶分子302の占める体積の割合をfv とした場合、
0.01 ≦ fv ≦ 0.999 (26)
を満たすと良い。fvの値は大きい程その光学材料の屈折率変化が大きいので良いが、上記式(26)の上限を上回るとフォトニック結晶格子301の占める体積が小さくなりすぎ、格子を形成できなくなる。また、fvの値が上記式(26)の下限を下回るとその光学材料の屈折率変化が小さくなり、可変焦点レンズとしての効果が出にくくなる。
0.1 ≦ fv ≦ 0.95 (27)
とすればなお良く、
0.3 ≦ fv ≦ 0.85 (28)
とすれば更に良い。
図6は、フォトニック結晶格子301と液晶分子302とからなる可変屈折率の光学材料311を用いた可変焦点ミラー312の例である。透明基板313と凹面鏡314との間に可変屈折率の光学材料311が設けられている。315は金属コートで作られた反射膜で、電圧オフの状態で強い凹面鏡となり、電圧オンの状態で弱い凹面鏡となるように作用する。上記式(1)〜(28)は、図1及び図3に示した可変焦点レンズの例と同様に適用できる。
可変焦点レンズ, 可変焦点ミラー, 可変偏角プリズム等を総称して、光学特性可変光学素子と呼ぶことにする。
図7は、液晶分子302とフォトニック結晶格子301を用いた本発明による可変焦点レンズの他の例である。この可変焦点レンズ316は、2枚の透明基板からなるレンズ320と321との間に、フォトニック結晶格子301と液晶分子302が挟まれて構成されている。317は直流電源、322はシール部材である。
この例は、図1に示した例に比べてフォトニック結晶格子301と液晶分子302の両面が厚い透明基板からなるレンズ320と321で保護されているので、耐久性に富むというメリットがある。レンズ320,321の表面形状は、平面でも非球面でも自由曲面形状でも良い。
図8は、光駆動の可変焦点レンズ325を用いた本発明による可変焦点眼鏡の一例である。光駆動の可変焦点レンズ325は、図1に示した可変焦点レンズ303と同様にフォトニック結晶格子301と屈折率可変物質とを材料とするレンズであるが、光源327からの光によって駆動される。光源327は、波長λ1とλ2の2つの光が出るようになっており、波長λ1の光を照射すると材料の屈折率が上がり、波長λ2の光を照射すると材料の屈折率が下がるので、可変焦点レンズとして作用する。光源327は、紐328で首または肩や衣服に装着すると便利である。光源327としては、非可視光の半導体レーザ或いはLED等を用いると観察の邪魔にならず便利である。波長λ1、λ2の値は、例えば100nm以上、100μm以下とすれば良い。
可変焦点眼鏡326には、光駆動の可変焦点レンズ325の代わりに図1に示した可変焦点レンズ303, 図3に示した可変焦点レンズ316等他の構造の可変焦点レンズも用いることができるのは勿論である。
また、図9に示すように光によって屈折率の変化する物質390で可変焦点レンズ352Bを作っても良い。この場合、フォトニック結晶格子301は必要としない。光によって屈折率の変化する物質390としては、ジアリールエテン, フォトリフラクティブ効果を有する物質, フォトクロミック材料等がある。光によって屈折率の変化する物質390が固体の場合、レンズ320, 321及び筒391は無くても良い。光源327としては、複数の波長或いは複数の波長域の光を用いると、光駆動の可変焦点レンズ325Bが駆動し易くて良い。
なお、フォトニック結晶格子301と液晶分子302の代りに、光によって屈折率の変化する物質390を用いて可変焦点ミラー312のような可変ミラーを、後述の図35の高分子分散液晶層514の代りに光によって屈折率の変化する物質390を用いて561のような可変偏角プリズムを作ることもできる。また、光によって屈折率の変化する物質390を用いて光学面が自由曲面の形状をした後述の図11の1001のような可変偏向作用のプリズムを作ることもできる。すなわち光によって屈折率の変化する物質390で光学特性可変光学素子を作ることができるのである。
また、図10或いは後述の図47に示すように光駆動の可変焦点レンズ900、可変焦点レンズ214等に光を送るのに光ファイバー399や透明なスペーサー211等の導光部材を用いても良い。このように光ファイバー399等の導光部材を用いれば、エネルギーのロスが少なく効率が良い。光源327としては、LEDや半導体レーザー等を用いれば、小型で消費電力も少なくて良い。光ファイバーによる駆動は、可変焦点ミラー, 可変偏角プリズム, 光偏向作用が可変の自由曲面プリズム等の光学特性可変光学素子にも用いることができる。図11は、自由曲面プリズム1001を用いた撮像装置の例で、光を当てることにより自由曲面プリズム1001の屈折力を変えて、フォーカスを行なうことができる。図10において901は集光レンズ、図11において撮像素子408はCCDである。
光ファイバー399からの駆動用の光は、光学特性可変光学素子を作る材料, 部材の屈折率を変えるのにも(光駆動の可変焦点レンズ325, 352Bの例)、形状を変えるのにも(後述の可変焦点レンズ214の例)用いることができる。
図12は、図10に示した可変焦点レンズ900を用いた可変焦点眼鏡902の1例である。
次に、上記発明の光学装置に用いる光学系に適用可能な例えば形状の変わる形状可変ミラーや形状の変わらない可変焦点ミラーのような可変ミラー、可変焦点レンズ等、光学特性可変光学素子の構成例について説明する。
図13は、本発明の光学装置に用いる光学系に適用可能な光学特性可変光学素子として可変ミラーの一構成例を示す概略図である。
図13の構成例では、可変ミラー409は、変形する基板409jの上に形成されたアルミコーティング等で作られた薄膜(反射面)409aと、基板409jの下側に設けられた電極409kとの3層構造の周辺部が輪帯状の支持台423に支持されるとともに、電極409kとは間隔を設けて支持台423に取付けられた複数の電極409bと、各電極409bにそれぞれ接続されて駆動回路として機能する複数の可変抵抗器411aと、可変抵抗器411bと電源スイッチ413を介して電極409kと電極409b間に接続された電源412と、複数の可変抵抗器411aの抵抗値を制御するための演算装置414とで構成されており、演算装置414には、さらに温度センサー415、湿度センサー416及び距離センサー417が接続されて、これらは図示のように1つの光学装置の一部を構成している。なお、変形する基板409jは、薄膜でもよいし、板状でもよい。
可変ミラー409の反射面は、演算装置414による制御により、平面でなくてもよく、球面、回転対称非球面の他、光軸に対して偏心した球面、平面、回転対称非球面、あるいは、対称面を有する非球面、対称面を1つだけ有する非球面、対称面のない非球面、自由曲面、微分不可能な点又は線を有する面等、いかなる形状にも制御される。以下、これらの面を総称して拡張曲面という。薄膜409aで形成される反射面により光線は矢印のように反射される。
前記薄膜409aは、例えば、P.Rai-choudhury編、Handbook of Michrolithography, Michromachining and Michrofabrication, Volume 2:Michromachining and Michrofabrication,P495,Fig.8.58, SPIE PRESS刊やOptics Communication, 140巻(1997年)P187〜190に記載されているメンブレインミラーのように、複数の電極409bと電極409kの間に電圧が印加されると、静電気力により薄膜409aが変形してその面形状が変化するようになっている。
なお、電極409bの形は、例えば図14, 図15に示すように、薄膜409aの変形のさせ方に応じて、同心分割、矩形分割にして、選べばよい。
上記のように、反射面としての薄膜409aの形状は、結像性能が最適になるように演算装置414からの信号により各可変抵抗器411aの抵抗値を変化させることにより制御される。すなわち、演算装置414へ、温度センサー415、湿度センサー416及び距離サンサー417から周囲温度及び湿度並びに物体までの距離に応じた大きさの信号が入力され、演算装置414は、これらの入力信号に基づき周囲の温度及び湿度条件と物体までの距離、あるいは電子ズームのための不図示の画像処理装置からの指令に基づき、薄膜409aの形状が決定されるような電圧を電極409bに印加するように、各変抵抗器411aの抵抗値を決定するための信号を出力する。このように、薄膜409aは電極409bに印加される電圧すなわち静電気力で変形させられ、その形状は状況により非球面を含む様々な拡張曲面の形状をとる。なお、距離センサー417はなくてもよく、その場合、例えば不図示の固体撮像素子からの像の信号の高周波成分が略最大になるように物体距離を算出し、可変ミラー409を変形させるようにすればよい。可変ミラー409はリソグラフィーを用いて作ると加工精度がよく、良い品質のものが得られやすく、良い。
また、変形する基板409jをポリイミドあるいは商品名サイトップ(旭硝子(株)製)等の合成樹脂で製作すれば、低電圧でも大きな変形が可能であるので好都合である。
図13の構成例では変形する基板409jを挟んで反射面としての薄膜409aと変形する電極409kを別に設けて一体化しているので、製造法がいくつか選べるメリットがある。また反射面としての薄膜409aを導電性の薄膜としてもよい。このようにすると、変形する電極409kを兼ねることができ、両者が1つになるので、構造が簡単になるメリットがある。
可変ミラーの反射面の形状は自由曲面にするのが良い。なぜなら収差補正が容易にでき、有利だからである。
また、図13の構成例では、演算装置414、温度センサー415、湿度センサー416、距離センサー417を設け、温湿度変化、物体距離の変化等も可変ミラー409で補償するようにしたが、そうではなくてもよい。つまり、温度センサー415、湿度センサー416、距離センサー417を省いても良い。
図16は可変ミラー409の他の構成例を示す概略図である。
本構成例の可変ミラーは、反射面としての薄膜409aと電極409bとの間に圧電素子409cが介装されていて、これらが支持台423上に設けられている。そして、圧電素子409cに加わる電圧を各電極409b毎に変えることにより、圧電素子409cに部分的に異なる伸縮を生じさせて、薄膜409aの形状を変えることができるようになっている。電極409bの形は、図14に示すように、同心分割であってもよいし、図15に示すように、矩形分割であってもよく、その他、適宜の形のものを選択することができる。図16中、424は演算装置414に接続された振れ(ブレ)センサーであって、例えばこの構成例の光学装置をデジタルカメラに用いる場合には、デジタルカメラの振れを検知し、振れによる像の乱れを補償するように薄膜409aを変形させるべく、演算装置414及び可変抵抗器を内蔵した駆動回路411を介して電極409bに印加される電圧を変化させる。このとき、温度センサー415、湿度センサー416及び距離センサー417からの信号も同時に考慮され、ピント合わせ、温湿度補償等が行われる。この場合、薄膜409aには圧電素子409cの変形に伴う応力が加わるので、薄膜409aの厚さはある程度厚めに作られて相応の強度を持たせるようにするのがよい。
なお、駆動回路411は、電極409bの数に対応して複数配置する構成に限らず、1つの駆動回路でもって複数の電極409bを制御する構成にしてもよい。
図17は可変ミラー409のさらに他の構成例を示す概略構成図である。
本構成例の可変ミラーは、薄膜409aと電極409bの間に介置される圧電素子が逆方向の圧電特性を持つ材料で作られた2枚の圧電素子409c及び409c’で構成されている。すなわち、圧電素子409cと409c’が強誘電性結晶で作られ、結晶軸の向きが互いに逆になるように配置される。この場合、圧電素子409cと409c’は電圧が印加されると逆方向に伸縮するので、薄膜409aを変形させる力が、図16に示した1層構造の場合よりも強くなり、結果的にミラー表面の形を大きく変えることができるという利点がある。
圧電素子409c,409c’に用いる材料としては、例えばチタン酸バリウム、ロッシエル塩、水晶、電気石、リン酸二水素カリウム(KDP)、リン酸二水素アンモニウム(ADP)、ニオブ酸リチウム等の圧電物質、同物質の多結晶体、同物質の結晶、PbZrO3とPbTiO3の固溶体の圧電セラミックス、二フッ化ポリビニール(PVDF)等の有機圧電物質、上記以外の強誘電体等があり、特に有機圧電物質はヤング率が小さく、低電圧でも大きな変形が可能であるので、好ましい。なお、これらの圧電素子を利用する場合、厚さを不均一にすれば、上記構成例において薄膜409aの形状を適切に変形させることも可能である。
また、圧電素子409c,409c’の材料としては、ポリウレタン、シリコンゴム、アクリルエラストマー、PZT、PLZT、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等の高分子圧電体、シアン化ビニリデン共重合体、ビニリデンフルオライドとトリフルオロエチレンの共重合体等が用いられる。
圧電性を有する有機材料や、圧電性を有する合成樹脂、圧電性を有するエラストマー等を用いると可変ミラー面の大きな変形が実現できてよい。
なお、図16, 図17に示す圧電素子409cに、例えば、アクリルエラストマー、シリコンゴム等の電歪材料を用いる場合には、1層構造の圧電素子409cを別の基板409c−1と電歪材料409c−2とを貼り合わせた2層構造にしてもよい。
図18は可変ミラー409のさらに他の構成例を示す概略図である。
本構成例の可変ミラーは、圧電素子409cが薄膜409aと電極409dとにより挟持され、薄膜409aと電極409dとの間に演算装置414により制御される駆動回路425aを介して電圧が印加されるようになっており、さらにこれとは別に、支持台423上に設けられた電極409bにも演算装置414により制御される駆動回路425bを介して電圧が印加されるように構成されている。したがって、本構成例では、薄膜409aは電極409dとの間に印加される電圧と電極409bに印加される電圧による静電気力とにより二重に変形され得、上記実施例に示した何れのものよりもより多くの変形パターンが可能であり、かつ、応答性も速いという利点がある。
そして、薄膜409a、電極409d間の電圧の符号を変えれば、可変ミラーを凸面にも凹面にも変形させることができる。その場合、大きな変形を圧電効果で行ない、微細な形状変化を静電気力で行なってもよい。また、凸面の変形には圧電効果を主に用い、凹面の変形には静電気力を主に用いてもよい。なお、電極409dは電極409bのように複数の電極から構成されてもよい。この様子を図18に示した。なお、本願では、圧電効果と電歪効果、電歪をすべてまとめて圧電効果と述べている。従って、電歪材料も圧電材料に含むものとする。
図19は可変ミラー409のさらに他の構成例を示す概略図である。
本構成例の可変ミラーは、電磁気力を利用して反射面の形状を変化させ得るようにしたもので、支持台423の内部底面上には永久磁石426が、頂面上には窒化シリコン又はポリイミド等からなる基板409eの周縁部が載置固定されており、基板409eの表面にはアルミニウム等の金属コートで作られた薄膜409aが付設されていて、可変ミラー409を構成している。基板409eの下面には複数のコイル427が配設されており、これらのコイル427はそれぞれ駆動回路428を介して演算装置414に接続されている。したがって、各センサー415,416,417,424およびその他からの信号によって演算装置414において求められる光学系の変化に対応した演算装置414からの出力信号により、各駆動回路428から各コイル427にそれぞれ適当な電流が供給されると、永久磁石426との間に働く電磁気力で各コイル427は反発又は吸引または吸着され、基板409e及び反射面として機能する薄膜409aを変形させる。
この場合、各コイル427はそれぞれ異なる量の電流を流すようにすることもできる。また、コイル427は1個でもよいし、永久磁石426を基板409eに付設しコイル427を支持台423の内部底面側に設けるようにしてもよい。また、コイル427はリソグラフィー等の手法で作るとよく、さらに、コイル427には強磁性体よりなる鉄心を入れるようにしてもよい。
この場合、薄膜コイルで形成されたコイル427の巻密度を、図20に示すように、場所によって変化させたコイル428’とすることにより、基板409e及び薄膜409aに所望の変形を与えるようにすることもできる。また、コイル427は1個でもよいし、また、これらのコイル427には強磁性体よりなる鉄心を挿入してもよい。
図21は可変ミラー409のさらに他の構成例を示す概略図である。
本構成例の可変ミラーでは、基板409eは鉄等の強磁性体で作られており、反射膜としての薄膜409aはアルミニウム等からなっている。この場合、薄膜409a側にコイルを設けなくても、磁力によって薄膜409aを変形させることができるから、構造が簡単で、製造コストを低減することができる。また、電源スイッチ413を、各コイル427の電流の流れる方向を切換え可能にする切換え兼用の電源開閉用スイッチで置換すれば、コイル427に流れる電流の方向を変えることができ、基板409e及び薄膜409aの形状を自由に変えることができる。図22は本構成例におけるコイル427の一配置例を示し、図23はコイル427の他の配置例を示しているが、これらの配置は、図19に示した構成例にも適用することができる。なお、図24はコイル427の配置を図23に示したように放射状とした場合に適する永久磁石426の一配置例を示している。図24に示すように、棒状の永久磁石426を放射状に配置すれば、図19に示した構成例に比べて、微妙な変形を基板409e及び薄膜409aに与えることができる。また、このように電磁気力を用いて基板409e及び薄膜409aを変形させる場合(図19及び図21の構成例)は、静電気力を用いた場合よりも低電圧で駆動できるという利点がある。
以上いくつかの可変ミラーの構成例を述べたが、薄膜409aで変形されるミラーの形を変形させるのに、図18の構成例に示すように、2種類以上の力を用いてもよい。つまり静電気力、電磁力、圧電効果、磁歪、流体の圧力、電場、磁場、温度変化、電磁波等のうちから2つ以上を同時に用いて反射面を形成する薄膜を変形させてもよい。つまり2つ以上の異なる駆動方法を用いて光学特性可変光学素子を作れば、大きな変形と微細な変形とを同時に実現でき、精度の良い鏡面が実現できる。
図25は本発明のさらに他の実施例に係る、光学装置に適用可能な可変ミラー409を用いた撮像系、例えば携帯電話のデジタルカメラ、カプセル内視鏡、電子内視鏡、パソコン用デジタルカメラ、PDA用デジタルカメラ等に用いられる撮像系の概略構成図である。
本実施例の撮像系は、可変ミラー409と、レンズ902と、撮像素子408と、制御系103とで一つの撮像ユニット104を構成している。本実施例の撮像ユニット104では、レンズ102を通った物体からの光は可変ミラー409で集光され、撮像素子408の上に結像する。可変ミラー409は、光学特性可変光学素子の一種であり、可変焦点ミラーとも呼ばれている。本実施例の撮像素子408は例えばCCDやX-Yアドレス型(MOS型)の固体撮像素子である。
本実施例によれば、物体距離が変わっても可変ミラー409を変形させることでピント合わせをすることができ、レンズをモータ等で駆動する必要がなく、小型化、軽量化、低消費電力化の点で優れている。また、撮像ユニット104は本発明の撮像系としてすべての実施例で用いることができる。また、可変ミラー409を複数用いることでズーム、変倍の撮像系、光学系を作ることができる。
なお、図25では、制御系103にコイルを用いたトランスの昇圧回路を含む制御系の構成例を示している。特に積層型圧電トランスを用いると、小型化できてよい。昇圧回路は電気を用いる可変ミラー、可変焦点レンズに用いることができるが、特に静電気力、圧電効果を用いる場合の可変ミラー、可変焦点レンズに有用である。なお可変ミラー409でピント合わせを行うためには、たとえば撮像素子408に物体像を結像させ可変ミラー409の焦点距離を変化させつつ物体像の高周波成分が最大になる状態を見つければよい。高周波成分を検出するには、たとえば撮像素子408にマイクロコンピュータ等を含む処理装置を接続し、その中で高周波成分を検出すればよい。
なお、レンズ902を後述の可変焦点レンズで置き換えても良く、同様に上記の効果が得られる。この場合、可変ミラー409は通常のミラーでも良い。また、レンズ902と可変焦点レンズを併用しても良い。
図26は可変ミラーのさらに他の構成例を示し、マイクロポンプ180で流体161を出し入れし、支持台189aの上部に張った膜で形成されるミラー面を変形させる可変ミラー188の概略図である。本実施例によれば、ミラー面を大きく変形させることが可能になるというメリットがある。図中、168は支持台189a内の流体161の量を、マイクロポンプ180とともに制御する制御装置であり、この制御装置168とマイクロポンプ180は、膜189の変形を制御するので、実施の形態の駆動回路に相当する構成となる。
マイクロポンプ180は、例えば、マイクロマシンの技術で作られた小型のポンプで、電力で動くように構成されている。
マイクロマシンの技術で作られたポンプの例としては、熱変形を利用したもの、圧電材料を用いたもの、静電気力を用いたものなどがある。
図27は図26に示したマイクロポンプ180の構成例を示す概略図である。本構成例のマイクロポンプ180では、振動板181は静電気力、圧電効果等の電気力により振動する。図27では静電気力により振動する例を示しており、図27中、182,183は電極である。また、点線は変形した時の振動板181を示している。振動板181の振動に伴い、2つの弁184,185が開閉し、流体161を右から左へ送るようになっている。
図26で示した可変ミラー188では、反射面を構成する膜189が流体161の量に応じて凹凸に変形することで、可変ミラーとして機能する。流体としては、シリコンオイル、空気、水、ゼリー、等の有機物、無機物を用いることができる。
なお、静電気力、圧電効果を用いた可変ミラー、可変焦点レンズなどにおいては、駆動用に高電圧が必要になる場合がある。その場合には、例えば図25に示すように、昇圧用のトランス、あるいは圧電トランス等を用いて制御系を構成するとよい。
また、反射面を形成する薄膜409a又は膜189は、支持台423あるいは支持台189aなどの輪帯状部分の上部などの変形しない部分に設けておくと、可変ミラーの反射面の形状を干渉計等で測定する場合に、基準面として使うことができ便利である。
図28は各実施の形態で述べた本発明の光学装置に適用可能な光学系を構成するレンズ、あるいはレンズ群の一部を、可変焦点レンズに置き換えて構成することにより、前記レンズあるいはレンズ群を光軸方向にズーミングしなくて済む構成とする可変焦点レンズの原理的構成を示す図である。この可変焦点レンズ511は、第1,第2の面としてのレンズ面508a,508bを有する第1のレンズ512aと、第3,第4の面としてのレンズ面509a,509bを有する第2のレンズ512bと、これらレンズ間に透明電極513a,513bを介して設けた高分子分散液晶層514とで構成される第3のレンズ512cとを有し、入射光を第1,第3,第2のレンズ512a,512c,512bを経て収束させるものである。透明電極513a,513bは、スイッチ515を介して交流電源516に接続して、高分子分散液晶層514に交流電圧を選択的に印加するようにする。なお、高分子分散液晶層514は、それぞれ液晶分子517を含む球状、多面体等の任意の形状の多数の微小な高分子セル518を有して構成し、その体積は、高分子セル518を構成する高分子および液晶分子517がそれぞれ占める体積の和に一致させる。
ここで、高分子セル518の大きさは、例えば球状とする場合、その平均の直径Dを、使用する光の波長をλとするとき、例えば、
2nm≦D≦λ/5 (29)
とする。すなわち、液晶分子517の大きさは、2nm程度以上であるので、平均の直径Dの下限値は、2nm以上とする。また、Dの上限値は、可変焦点レンズ511の光軸方向における高分子分散液晶層514の厚さtにも依存するが、λに比べて大きいと、高分子の屈折率と液晶分子517の屈折率との差により、高分子セル518の境界面で光が散乱して高分子分散液晶層514が不透明になってしまうため、後述するように、好ましくはλ/5以下とする。可変焦点レンズが用いられる光学製品によっては高精度を要求しない場合もあり、そのときDはλ以下でよい。なお、高分子分散液晶層514の透明度は、厚さtが厚いほど悪くなる。
また、液晶分子517は、例えば、一軸性のネマティック液晶分子を用いる。この液晶分子517の屈折率楕円体は、図2に示すような形状となり、
ox=noy=no (30)
である。ただし、noは常光線の屈折率を示し、noxおよびnoyは、常光線を含む面内での互いに直交する方向の屈折率を示す。
ここで、図28に示すように、スイッチ515をオフ、すなわち高分子分散液晶層514に電界を印加しない状態では、液晶分子517が様々な方向を向いているので、入射光に対する高分子分散液晶層514の屈折率は高く、屈折力の強いレンズとなる。これに対し、図29に示すように、スイッチ515をオンとして高分子分散液晶層514に交流電圧を印加すると、液晶分子517は、屈折率楕円体の長軸方向が可変焦点レンズ511の光軸と平行となるように配向するので、屈折率が低くなり、屈折力の弱いレンズとなる。
なお、高分子分散液晶層514に印加する電圧は、例えば、図30に示すように、可変抵抗器519を用いることにより段階的あるいは連続的に変化させることもできる。このようにすれば、印加電圧が高くなるにつれて、液晶分子517は、その楕円長軸が徐々に可変焦点レンズ511の光軸と平行となるように配向するので、屈折力を段階的あるいは連続的に変えることができる。
ここで、図28に示す状態、すなわち高分子分散液晶層514に電圧を印加しない状態での、液晶分子517の平均屈折率nLC’は、図2に示すように、屈折率楕円体の長軸方向の屈折率をnzとすると、およそ
(nox+noy+nZ)/3≡nLC’ (31)
となる。また、上記式(30)が成り立つときの平均屈折率nLCは、nzを異常光線の屈折率neと表して、
(2no+ne)/3≡nLC (32)
で与えられる。このとき、高分子分散液晶層514の屈折率nAは、高分子セル518を構成する高分子の屈折率をnPとし、高分子分散液晶層514の体積に占める液晶分子517の体積の割合をffとすると、マックスウェル・ガーネットの法則により、
A=ff・nLC’+(1−ff)nP (33)
で与えられる。
したがって、図30に示すように、レンズ512aおよび512bの内側の面、すなわち高分子分散液晶層514側の面の曲率半径を、それぞれR1およびR2とすると、高分子分散液晶層で構成される第3のレンズ512cの焦点距離f1は、
1/f1=(nA−1)(1/R1−1/R2) (34)
で与えられる。なお、R1およびR2は、曲率中心が像点側にあるとき、正とする。また、レンズ512aおよび512bの外側の面による屈折は除いている。つまり、高分子分散液晶層514のみによるレンズ512cの焦点距離が、上記式(34)で与えられる。
また、常光線の平均屈折率を、
(nox+noy)/2=no’ (35)
とすれば、図29に示す状態、すなわち高分子分散液晶層514に電圧を印加した状態での、高分子分散液晶層514の屈折率nBは、
B=ff・no’+(1−ff)nP (36)
で与えられるので、この場合の高分子分散液晶層514のみによるレンズ512cの焦点距離f2は、
1/f2=(nB−1)(1/R1−1/R2) (37)
で与えられる。なお、高分子分散液晶層514に、図29に示す状態における電圧よりも低い電圧を印加する場合の焦点距離は、上記式(34)で与えられる焦点距離f1と、上記式(37)で与えられる焦点距離f2との間の値となる。
上記式(34)および式(37)から、高分子分散液晶層514による焦点距離の変化率は、
|(f2−f1)/f2|=|(nB−nA)/(nA−1)| (38)
で与えられる。したがって、この変化率を大きくするには、|nB−nA|を大きくすればよい。ここで、
B−nA=ff(no’−nLC’) (39)
であるから、|no’−nLC’|を大きくすれば、変化率を大きくすることができる。実用的には、nBが、1.3〜2程度であるから、
0.01≦|no’−nLC’|≦10 (40)
とすれば、ff=0.5のとき、高分子分散液晶層514による焦点距離を、0.5%以上変えることができるので、効果的な可変焦点レンズを得ることができる。なお、|no’−nLC’|は、液晶物質の制限から、10を越えることはできない。
次に、上記式(29)の上限値の根拠について説明する。「Solar Energy Materials and Solar Cells」31巻,Wilson and Eck,1993, Eleevier Science Publishers B.v.発行の第197 〜214 頁、「Transmission variation using scattering/transparent switching films 」には、高分子分散液晶の大きさを変化させたときの透過率τの変化が示されている。そして、かかる文献の第206頁、図6には、高分子分散液晶の半径をrとし、t=300μm、ff=0.5、nP =1.45、nLC=1.585、λ=500nmとするとき、透過率τは、理論値で、r=5nm(D=λ/50、D・t=λ・6μm(ただし、Dおよびλの単位はnm、以下も同じ))のときτ≒90%となり、r=25nm(D=λ/10)のときτ≒50%になることが示されている。
ここで、例えば、t=150μmの場合を推定してみると、透過率τがtの指数関数で変化すると仮定して、t=150μmの場合の透過率τを推定してみると、r=25nm(D=λ/10、D・t=λ・15μm)のときτ≒71%となる。また、t=75μmの場合は、同様に、r=25nm(D=λ/10、D・t=λ・7.5μm)のときτ≒80%となる。
これらの結果から、
D・t≦λ・15μm (41)
であれば、透過率τは70%〜80%以上となり、レンズとして十分実用になる。したがって、例えば、t=75μmの場合は、D≦λ/5で、十分な透過率が得られることになる。
また、高分子分散液晶層514の透過率は、nPの値がnLC’の値に近いほど良くなる。一方、no’とnPとが異なる値になると、高分子分散液晶層514の透過率は悪くなる。図28に示した状態と図29に示した状態とで、平均して高分子分散液晶層514の透過率が良くなるのは、
P=(no’+nLC’)/2 (42)
を満足するときである。
ここで、可変焦点レンズ511は、レンズとして使用するものであるから、図28の状態でも、図29の状態でも、透過率はほぼ同じで、かつ高い方が良い。そのためには、高分子セル518を構成する高分子の材料および液晶分子517の材料に制限があるが、実用的には、
o’≦nP≦nLC’ (43)
とすればよい。
上記式(42)を満足すれば、上記式(41)は、さらに緩和され、
D・t≦λ・60μm (44)
であれば良いことになる。なぜなら、フレネルの反射則によれば、反射率は屈折率差の2乗に比例するので、高分子セル518を構成する高分子と液晶分子517との境界での光の反射、すなわち高分子分散液晶層514の透過率の減少は、およそ上記の高分子と液晶分子517との屈折率の差の2乗に比例するからである。
以上は、no’≒1.45、nLC’≒1.585の場合であったが、より一般的に定式化すると、
D・t≦λ・15μm・(1.585−1.45)2/(nu−nP2 (45)
であればよい。ただし、(nu−nP2は、(nLC’−nP2と(no’−nP2とのうち、大きい方である。
また、可変焦点レンズ511の焦点距離変化を大きくするには、ffの値が大きい方が良いが、ff=1では、高分子の体積がゼロとなり、高分子セル518を形成できなくなるので、
0.1≦ff≦0.999 (46)
とする。一方、ffは、小さいほど透過率τは向上するので、上記式(45)は、好ましくは、
4×10-6〔μm〕2≦D・t≦λ・45μm・(1.585−1.45)2/(nu−nP)2 (47)
とする。なお、tの下限値は、図28から明らかなように、t=Dで、Dは、上述したように2nm以上であるので、D・tの下限値は、(2×10-3μm)2、すなわち4×10-6〔μm〕2となる。
なお、物質の光学特性を屈折率で表す近似が成り立つのは、「岩波科学ライブラリー8 小惑星がやってくる」向井正著,1994,岩波書店発行の第58頁に記載されているように、Dが10nm〜5nmより大きい場合である。また、Dが500λを越えると、光の散乱は幾何学的となり、高分子セル518を構成する高分子と液晶分子517との界面での光の散乱がフレネルの反射式に従って増大するので、Dは、実用的には、
7nm≦D≦500λ (48)
とする。
図31は、図30に示す可変焦点レンズ511を、本発明の実施の形態にかかる光学装置の中で、明るさ絞り521と撮像素子との間に用いた撮像光学系、例えば一例として、デジタルカメラ用の撮像光学系に用いた例を示す図である。この撮像光学系においては、物体(図示せず)の像を、絞り521、可変焦点レンズ511およびレンズ522を介して、例えばCCDよりなる固体撮像素子523上に結像させる。なお、図31では、液晶分子の図示を省略してある。
このように構成された撮像光学系によれば、可変抵抗器519により可変焦点レンズ511の高分子分散液晶層514に印加する交流電圧を調整して、可変焦点レンズ511の焦点距離を変えることより、可変焦点レンズ511およびレンズ522を光軸方向に移動させることなく、例えば、無限遠から600mmまでの物体距離に対して、連続的に合焦させることが可能となる。
図32は図30に示した可変焦点レンズと同様に、本発明の実施の形態にかかる光学装置の中で、撮像光学系の焦点距離を可変にするように用いられる可変焦点回折光学素子の一構成例を示す図である。
本構成例の可変焦点回折光学素子531は、平行な第1,第2の面532a,532bを有する第1の透明基板532と、光の波長オーダーの溝深さを有する断面鋸歯波状のリング状回折格子を形成した第3の面533aおよび平坦な第4の面533bを有する第2の透明基板533とを有し、入射光を第1,第2の透明基板532,533を経て出射させるものである。第1,第2の透明基板532,533間には、図28に示した構成例において説明したのと同様に、透明電極513a,513bを介して高分子分散液晶層514を設け、透明電極513a,513bをスイッチ515を経て交流電源516に接続して、高分子分散液晶層514に交流電圧を印加するようにする。
このような構成において、可変焦点回折光学素子531に入射する光線は、第3の面533aの格子ピッチをpとし、mを整数とすると、
psinθ=mλ (49)
を満たす角度θだけ偏向されて出射される。また、溝深さをh、透明基板33の屈折率をn33とし、kを整数とすると、
h(nA−n33)=mλ (50)
h(nB−n33)=kλ (51)
を満たせば、波長λで回折効率が100%となり、フレアの発生を防止することができる。
ここで、上記式(50)および式(51)の両辺の差を求めると、
h(nA−nB)=(m−k)λ (52)
が得られる。したがって、例えば、λ=500nm、nA=1.55、nB=1.5とすると、
0.05h=(m−k)・500nm
となり、m=1,k=0とすると、
h=10000nm=10μm
となる。この場合、透明基板533の屈折率n33は、上記式(50)から、n33=1.5であればよい。また、可変焦点回折光学素子531の周辺部における格子ピッチpを10μmとすると、θ≒2.87°となり、Fナンバーが10のレンズを得ることができる。
このように構成された可変焦点回折光学素子531は、高分子分散液晶層514への印加電圧のオン・オフで光路長が変わるので、例えば、ピント調整を行うのに用いたり、レンズ系全体の焦点距離等を変えるのに用いることができる。
なお、この実施例において、上記式(50)〜(52)は、実用上、
0.7mλ≦h(nA−n33)≦1.4mλ (53)
0.7kλ≦h(nB−n33)≦1.4kλ (54)
0.7(m−k)λ≦h(nA−nB)≦1.4(m−k)λ (55)
を満たせば良い。
また、ツイストネマティック液晶を用いる可変焦点レンズもある。図33および図34は、この場合の可変焦点眼鏡550の構成を示す図である。可変焦点レンズ551は、レンズ552および553と、これらレンズの内面上にそれぞれ透明電極513a,513bを介して設けた配向膜539a,539bと、これら配向膜間に設けたツイストネマティック液晶層554とを有して構成されており、その透明電極513a,513bを可変抵抗器519を経て交流電源516に接続して、ツイストネマティック液晶層554に交流電圧を印加するようにして構成されている。
このような構成において、ツイストネマティック液晶層554に印加する電圧を高くすると、液晶分子555は、図34に示すように、ホメオトロピック配向となり、図33に示す印加電圧が低いツイストネマティック状態の場合に比べて、ツイストネマティック液晶層554の屈折率は小さくなり、焦点距離が長くなる。
ここで、図33に示すツイストネマティック状態における液晶分子555の螺旋ピッチPは、光の波長λに比べて同じ程度か十分小さくする必要があるので、例えば、
2nm≦P≦2λ/3 (56)
とする。なお、この条件式の下限値は、液晶分子の大きさで決まり、上限値は、入射光が自然光の場合に、図33の状態でツイストネマティック液晶層554が等方媒質として振る舞うために必要な値である。また、この条件式の上限値を満たさないと、可変焦点レンズ551は偏光方向によって焦点距離の異なるレンズとなり、そのために二重像が形成されてぼけた像しか得られなくなる。但し、それほど高精度を要求しない場合には式(56)の上限値は3λとして良い。
さらに精度を要求しない用途では上限値を5λとして良い。
図35(a)は本発明の実施の形態にかかる光学装置に用いる光学系に配置可能な可変偏角プリズムの一構成例を示す図である。この可変偏角プリズム561は、第1,第2の面562a,562bを有する入射側の第1の透明基板562と、第3,第4の面563a,563bを有する出射側の平行平板状の第2の透明基板563とを有する。入射側の透明基板562の内面(第2の面)562bは、フレネル状に形成し、この透明基板562と出射側の透明基板563との間に、図28に示した構成例において説明したのと同様に、透明電極513a,513bを介して高分子分散液晶層514を設ける。透明電極513a,513bは、可変抵抗器519を経て交流電源516に接続し、これにより高分子分散液晶層514に交流電圧を印加して、可変偏角プリズム561を透過する光の偏角を制御するようにする。なお、図35(a)に示す構成例では、透明基板562の内面(第2の面)562bをフレネル状に形成したが、例えば、図35(b)に示すように、透明基板562および563の内面を相対的に傾斜させた傾斜面を有する通常のプリズム状に形成することもでき、あるいは図32に示した構成例のような回折格子状に形成することもできる。回折格子状に形成する場合には、上記の(49)式〜(55)式が同様にあてはまる。
このように構成された可変偏角プリズム561は、例えば、TVカメラ、デジタルカメラ、フィルムカメラ、双眼鏡等の光学系の中に用いることによりブレ防止用として有効に用いることができる。この場合、可変偏角プリズム561の屈折方向(偏向方向)は、上下方向とするのが望ましいが、さらに性能を向上させるためには、2個の可変偏角プリズム561を偏向方向を異ならせて、例えば図36に示すように、上下および左右の直交する方向で屈折角を変えるように配置するのが望ましい。なお、図35および図36に示す構成例では、液晶分子の図示を省略してある。
図37は本発明の実施の形態にかかる光学装置の光学系の中で、可変ミラー409の替わりに用いる可変焦点ミラー、すなわち、可変焦点レンズの一方のレンズ面に反射膜を設けて形成した可変焦点ミラーの構成例を示す図である。
本構成例の可変焦点ミラー565は、第1,第2の面566a,566bを有する第1の透明基板566と、第3,第4の面567a,567bを有する第2の透明基板567とを有する。第1の透明基板566は、平板状またはレンズ状に形成して、内面(第2の面)566bに透明電極513aを設け、第2の透明基板567は、内面(第3の面)567aを凹面状に形成して、該凹面上に反射膜568を施し、さらにこの反射膜568上に透明電極513bを設ける。透明電極513a,513b間には、図28に示した構成例において説明したのと同様に、高分子分散液晶層514を設け、これら透明電極513a,513bをスイッチ515および可変抵抗器519を経て交流電源516に接続して、高分子分散液晶層514に交流電圧を印加するようにする。なお、図37では、液晶分子の図示を省略してある。
このような構成によれば、透明基板566側から入射する光線は、反射膜568により高分子分散液晶層514を折り返す光路となるので、高分子分散液晶層514の作用を2回もたせることができると共に、高分子分散液晶層514への印加電圧を変えることにより、反射光の焦点位置を変えることができる。この場合、可変焦点ミラー565に入射した光線は、高分子分散液晶層514を2回透過するので、高分子分散液晶層514の厚さの2倍をtとすれば、上記の各式を同様に用いることができる。なお、透明基板566または567の内面を、図32に示した構成例のような回折格子状にして、高分子分散液晶層514の厚さを薄くすることもできる。このようにすれば、散乱光をより少なくできる利点がある。
なお、以上の説明では、液晶の劣化を防止するため、電源として交流電源516を用いて、液晶に交流電圧を印加するようにしたが、直流電源を用いて液晶に直流電圧を印加するようにすることもできる。また、液晶分子の方向を変える方法としては、電圧を変化させること以外に、液晶にかける電場の周波数、液晶にかける磁場の強さ・周波数、あるいは液晶の温度等を変化させることによってもよい。以上説明した高分子分散液晶は、液状ではなく固体に近いものもあるので、その場合はレンズ512a,512bの一方、透明基板532、レンズ538、レンズ552,553の一方、図35(a)の構成例における透明基板563、図35(b)の構成例における透明基板562,563の一方、透明基板566,567の一方はなくてもよい。
以上、図28から図37の構成例で述べたような、媒質の屈折率が変化することで光学素子の焦点距離等が変化するタイプの光学素子は、形状が変化しないため機械設計が容易である、機械的構造が簡単になる等のメリットがある。
図38は、可変焦点レンズ140を、本発明の実施の形態にかかる光学装置の中で、撮像素子408の前方に用いた撮像光学系の一構成例を示す図である。撮像光学系は撮像ユニット141として用いることができる。
本構成例では、レンズ102と可変焦点レンズ140とで、撮像レンズを構成している。そして、この撮像レンズと撮像素子408とで撮像ユニット141を構成している。可変焦点レンズ140は、透明部材142と一対の電極145との間に密閉された圧電性のある合成樹脂等の柔らかい透明物質143とで、光を透過する流体あるいはゼリー状物質144を挟んで構成されている。
流体あるいはゼリー状物質144としては、シリコンオイル、弾性ゴム、ゼリー、水等を用いることができる。透明物質143の両面には透明電極145が設けられており、回路103’を介して電圧を加えることで、透明物質143の圧電効果により透明物質143が変形し、可変焦点レンズ140の焦点距離が変わるようになっている。
従って、本構成例によれば、物体距離が変わった場合でも光学系をモーター等で動かすことなくフォーカスができ、小型、軽量、消費電力が少ない点で優れている。
なお、図38中、145は透明電極、146は流体をためるシリンダーである。また、透明物質143の材質としては、ポリウレタン、シリコンゴム、アクリルエラストマー、PZT、PLZT、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等の高分子圧電体、シアン化ビニリデン共重合体、ビニリデンフルオライドとトリフルオロエチレンの共重合体、導電性高分子、イオン導電性高分子、電場応答性高分子、誘電エラストマー等が用いられる。
圧電性を有する有機材料や、圧電性を有する合成樹脂、圧電性を有するエラストマー等を用いると可変焦点レンズ面の大きな変形が実現できてよい。
可変焦点レンズには透明な圧電材料を用いるとよい。
なお、図38の構成例において、可変焦点レンズ140は、シリンンダー146を設けるかわりに、図39に示すように、透明部材142に対して平行な位置にリング状の支援部材147を設け、透明部材142と支援部材147との距離を維持した状態にしてシリンダー146を省略した構造にしてもよい。
図39の構成例では、支援部材147と透明部材142との間には、一対の電極145間に密閉された透明物質143と、外周側が変形可能な部材148で覆われた流体あるいはゼリー状物質144とが介挿されており、透明物質143に電圧をかけることによって、透明物質143が変形しても、図40に示すように、可変焦点レンズ140全体の体積が変わらないように変形するため、シリンダー146が不要になる。なお、図39, 図40中、148は外周側が変形可能な部材で、弾性体、アコーディオン状の合成樹脂または金属等でできている。
図38, 図39に示す構成例では、電圧を逆に印加すると透明物質143は逆向きに変形するので凹レンズにすることも可能である。
なお、透明物質143に電歪材料、例えば、アクリルエラストマー、シリコンゴム等を用いる場合は、透明物質143を透明基板と電歪材料を貼り合わせた構造にするとよい。
図41は本発明の実施の形態にかかる光学装置の撮像光学系の中に挿入可能な可変焦点レンズのさらに他の構成例に係る、マイクロポンプ160で流体161を出し入れし、レンズ面を変形させる可変焦点レンズ162の概略図である。
マイクロポンプ160は、例えば、マイクロマシンの技術で作られた小型のポンプで、電力で動くように構成されている。流体161は、透明基板163と、弾性体164との間に挟まれている。図41中、165は弾性体164を保護するための透明基板で、設けなくてもよい。
マイクロマシンの技術で作られたポンプの例としては、熱変形を利用したもの、圧電材料を用いたもの、静電気力を用いたものなどがある。
そして、図27で示したようなマイクロポンプ180を、例えば、図41に示す可変焦点レンズ162に用いるマイクロポンプ160のように、2つ用いればよい。
なお、静電気力、圧電効果を用いた可変焦点レンズなどにおいては、駆動用に高電圧が必要になる場合がある。その場合には、昇圧用のトランス、あるいは圧電トランス等を用いて制御系を構成するとよい。
特に積層型圧電トランスを用いると小型化できてよい。
図42は本発明の実施の形態にかかる光学装置の光学系に適用可能な光学特性
可変光学素子の他の構成例であって、圧電材料200を用いた可変焦点レンズ201の概略構成図である。
圧電材料200には透明物質143と同様の材料が用いられており、圧電材料200は、透明で柔らかい基板202の上に設けられている。なお、基板202には、合成樹脂、有機材料を用いるのが望ましい。
本構成例においては、2つの透明電極59を介して電圧を圧電材料200に加えることで圧電材料200は変形し、図42に示す状態においては凸レンズとしての作用を持っている。
なお、基板202の形をあらかじめ凸状に形成しておき、かつ、2つの透明電極59のうち、少なくとも一方の電極の大きさを基板202と異ならせておく、例えば、一方の透明電極59を基板202よりも小さくしておくと、電圧をオフにしたとき、図43に示すように、2つの透明電極59が対向する所定部分だけが凹状に変形して凹レンズの作用を持つようになり、可変焦点レンズとして動作する。
このとき基板202は、流体161の体積が変化しないように変形するので、液溜168が不要になるというメリットがある。
本構成例では、流体161を保持する基板の一部分を圧電材料で変形させて、液溜168を不要としたところに大きなメリットがある。
なお、図41に示した構成例にも言えることであるが、透明基板163,165はレンズとして構成しても、或いは平面で構成してもよい。
図44は本発明の実施の形態にかかる光学装置の光学系に適用可能な光学特性可変光学素子のさらに他の構成例であって圧電材料からなる2枚の薄板200A,200Bを用いた可変焦点レンズの概略構成図である。
本構成例の可変焦点レンズによれば、薄板200Aと200Bの材料の方向性を反転させることで、変形量を大きくし、大きな可変焦点範囲が得られるというメリットがある。
なお、図44中、204はレンズ形状の透明基板である。
本構成例においても、紙面の右側の透明電極59は基板202よりも小さく形成されている。
なお、図42〜図44の構成例において、基板202、圧電材料200,薄板200A,200Bの厚さを不均一にして、電圧を掛けたときの変形のさせかたをコントロールしてもよい。
そのようにすれば、レンズの収差補正等もすることができ、便利である。
図45は、本発明の実施の形態にかかる光学装置の光学系に適用可能な可変焦点レンズのさらに他の構成例を示す概略構成図である。
本構成例の可変焦点レンズ207は、例えばシリコンゴムやアクリルエラストマー等の電歪材料206を用いて構成されている。
このように構成された可変焦点レンズ207は、電圧が低いときには、図45に示すように、凸レンズとして作用し、電圧を上げると、図46に示すように、電歪材料206が上下方向に伸びて左右方向に縮むので、焦点距離が伸びる。従って、可変焦点レンズとして動作する。
従って、本構成例の可変焦点レンズによれば、大電源を必要としないので消費電力が小さくて済むというメリットがある。
以上述べた図38〜図46に示した可変焦点レンズに共通して言えるのは、レンズとして作用する媒質の形状が変化することで、可変焦点を実現していることである。屈折率が変化する可変焦点レンズに比べて、焦点距離変化の範囲が自由に選べる、大きさが自由に選べる、等のメリットがある。
図47は本発明の実施の形態にかかる光学装置の光学系に適用可能な光学特性可変光学素子のさらに他の構成例であってフォトメカニカル効果を用いた可変焦点レンズの概略構成図である。
本構成例の可変焦点レンズ214は、透明弾性体208,209でアゾベンゼン210が挟まれており、アゾベンゼン210には、透明なスペーサー211を経由して光が照射されるようになっている。
図47中、212,213はそれぞれ中心波長がλ1,λ2の例えばLED、半導体レーザー等の光源である。
本構成例において、中心波長がλ1の光が図48(a)に示すトランス型のアゾベンゼンに照射されると、アゾベンゼン210は、図48(b)に示すシス型に変化して体積が減少する。このため、可変焦点レンズ214の形状は薄くなり、凸レンズ作用が減少する。
一方、中心波長がλ2の光がシス型のアゾベンゼン210に照射されると、アゾベンゼン210はシス型からトランス型に変化して、体積が増加する。このため、可変焦点レンズ214の形状は厚くなり、凸レンズ作用が増大する。
このようにして、本構成例の光学素子214は可変焦点レンズとして作用する。例えばλ1=300nm、λ2=480nmである。この場合、λ1は紫外光、λ2は可視光である。
また、可変焦点レンズ214では、透明弾性体208,209の空気との境界面で光が全反射するので外部に光がもれず、効率がよい。
なお、可変焦点レンズ214でアゾベンゼン210を光を透過する流体で置き換え、透明弾性体208,209をフォトメカニカル効果を有する物質で作っても、可変焦点レンズができる。
図49は本発明の実施の形態にかかる光学装置の光学系に適用可能な可変ミラーのさらに他の構成例を示す概略構成図である。本構成例では、デジタルカメラの撮像光学系に用いられるものとして説明する。なお、図49中、411は可変抵抗器を内蔵した駆動回路、414は演算装置、415は温度センサー、416は湿度センサー、417は距離センサー、424は振れセンサーである。
本構成例の可変ミラー45は、支持台423で外周側が支持されたアクリルエラストマー等の有機材料からなる電歪材料453と間を隔てて分割電極409bを設け、電歪材料453の上に順に電極452、変形可能な基板451を設け、さらにその上に入射光を反射するアルミニウム等の金属の薄膜からなる反射膜450を設けた4層構造として構成されている。
このように構成すると、分割電極409bを電歪材料453と一体化した場合に比べて、反射膜450の面形状が滑らかになり、光学的に収差を発生させにくくなるというメリットがある。
なお、変形可能な基板451と電極452の配置は逆でも良い。
また、図49中、449は光学系の変倍、あるいはズームを行なう釦であり、可変ミラー45は、変倍或いはズーミング用釦449を使用者が押すことで反射膜450の形を変形させて、変倍あるいは、ズームをすることができるように演算装置414を介して制御されている。
なお、アクリルエラストマー等の有機材料からなる電歪材料のかわりに既に述べたチタン酸バリウム等の圧電材料を用いてもよい。
なお、本発明の光学装置に適用可能な可変ミラーに共通して云えることであるが、反射面の変形する部分を反射面に垂直な方向から見た時の形は、軸上光線の入射面の方向に長い形状、たとえば楕円、卵形、多角形、等にするのが良い。
なぜなら、図25に示した構成例のように、可変ミラーは斜入射で用いる場合が多いが、このとき発生する収差を抑えるためには、反射面の形状は回転楕円面、回転放物面、回転双曲面に近い形が良く、そのように可変ミラーを変形させる為には、反射面の変形する部分を反射面に垂直な方向から見た時の形を、軸上光線の入射面の方向に長い形状にしておくのが良いからである。
図50(a)、(b)は本発明の実施の形態にかかる光学装置の光学系に適用可能な
電磁駆動型の可変ミラーの構造を示した図である。
図50(b)は反射膜の反対側から見た図であり、変形部材にコイル(電極)が設けられて駆動回路から電流を流すことで永久磁石の磁場とで電磁力を生じ、ミラー形状が変化するようになっている。
コイルは薄膜コイル等を用いると製作が容易で、かつ、剛性を下げられるのでミラーが変形し易くて良い。
なお、図28、 図32、 図35、 図37等において説明した高分子分散液晶514の代わりに高分子安定化液晶を用いても良く、その場合でも、同様の可変焦点レンズ等の光学特性可変光学素子を得ることができる。
また、図35(a)及び(b)に示した可変偏角プリズム561において、高分子分散液晶層514の代わりに、フォトニック結晶格子301に液晶分子302を含ませてなる層、或いは光によって屈折率の変化する物質390を用いても、同様の可変偏角プリズムを得ることができる。
また、図47に示した可変焦点レンズ214において、アゾベンゼン210の代わりに、アゾベンゼン+液晶+グリセリン微粒子の混合物を用いても、同様の効果が得られる。
また、図45に示した可変焦点レンズ207の電歪材料206として、電気をかけると伸縮するある種の液晶を用いることもできる。
次に、以上述べた本発明による可変焦点レンズ及び可変焦点ミラーの利用例について説明する。
その1つは眼科機械であって、可変焦点眼鏡への応用である。これは図8を参照して既に説明された。図51は、可変焦点コンタクトレンズ370としての応用例である。ここでは既述の可変焦点レンズ303を用いた場合が示されている。この例では、見ている物体距離に応じて電圧を変えることで、任意の距離にピントを合わせることができる。
可変焦点レンズ303の代わりに、光駆動の可変焦点レンズ325、 325B(図8)や可変焦点レンズ214(図47)を用いても良く、その場合はレンズにつながる配線が無いので、製造が簡単である。
また、可変焦点レンズ303の代わりに、可変焦点レンズ316(図7)、 511(図30)、 可変焦点回折光学素子531(図32)、 可変焦点レンズ551(図34)、 162(図41)、 201(図42)及び207(図45)等を用いても勿論よい。
可変焦点レンズとして光学面の変形しないタイプ、つまり、303、 316、 325、 325B、 511、 531及び551等を用いれば、使用時の違和感がなく、また、角膜との密着性が良くてよい。
一方、光学面の形状の変化する可変焦点レンズの場合、材質の制限が少ないので、製造し易いというメリットがある。
図52は、可変焦点眼内レンズ372を設けた人の眼の概略図である。白内症等で水晶体を摘出した人は、従来、固定焦点レンズを代わりに埋め込んでいたが、物体距離が変わるとピントがボケる欠点があった。可変焦点眼内レンズ372を埋め込めば、物体距離が変わってもピントを合わせることができ、常にボケない像を見ることができる。
可変焦点眼内レンズ372として、光駆動の可変焦点レンズ325(図8)、 325B(図9)や可変焦点レンズ214(図47)を用いると、光駆動あるいは電磁波駆動であるためレンズにつながる配線がなく、しかも製造が容易で良い。勿論、他のタイプの可変焦点レンズ303(図1)、 316(図7)、 511(図28)、 531(図32)、 551(図34)、 162(図41)、 201(図42)または207(図45)等を用いても良いことは云うまでもない。
光学面の形状が変化しない可変焦点レンズ303、 316、 325、 325B、 511、 531または551等を用いれば、人体の中でレンズの形が変わらないので、人体への侵襲が少なくて良い。
一方、光学面の形状が変化する可変焦点レンズの場合、材質の制限が少ないので、製造し易いというメリットがある。
図53には、可変焦点眼内レンズ372の詳細が示されている。
図54は、可変焦点眼内レンズ372を用いた人工視覚の例を示している。網膜や水晶体の損傷等により視力を失った人に人工視覚380を用いることで、視力を回復することができる。即ち、可変焦点眼内レンズ372によって撮像素子381上に結像した画像は、電子回路382によって視神経を刺激する電気信号に変換され、それによって見ることができるようになる。可変焦点眼内レンズ372の焦点距離は、駆動回路383で制御される。即ち、電子回路382で得た画像信号の高周波成分が最大になるように可変焦点眼内レンズ372の焦点距離を駆動回路383で調整してやれば、常にピントの合った像が見られる。このような方式を、コントラスト方式のオートフォーカスと呼ぶ。
駆動回路383は、電気による駆動であっても良いし、電磁波による駆動であっても良い。また、駆動回路383は、体内にあっても体外のあっても良く、後者の場合は、無線で電子回路382と情報をやり取りするようにしても良い。
また、図31に示した撮像装置も人工視覚に用いることができる。
なお、可変焦点眼内レンズ372の代りに通常のレンズを機械的に結像面に対して前後させてピント合わせを行っても良い。この場合でも、コントラスト方式のオートフォーカスを用いることができる。
可変焦点眼内レンズ372としては、光駆動の可変焦点レンズ325(図8)、 325B(図9)や、 可変焦点レンズ214(図47)のほか162(図41)、 201(図42)、 207(図45)、 303(図1)、 316(図7)、 511(図28)、 可変焦点回折光学素子531(図32)または可変焦点レンズ551(図34)等を用いることができる。
また、可変焦点眼内レンズ372として、図6、 図13、 図16〜図19、 図21、 図37、 図49等に示す形状可変ミラーや可変焦点ミラー(これらを可変ミラーとも呼ぶ)を用いても良い。
図55は、可変ミラー385を用いた人工視覚の例を示している。この場合、眼内レンズ387は固定焦点で良い。眼内レンズ387と可変ミラー385で結像された物体像は、撮像素子381上に投影され、物体が見える。
可変ミラーとして、面形状の変化しない可変焦点ミラー564(図37)や312(図6)を選べば、人体に対する悪影響が少なくて良い。
一方、光学面の形状が変化する可変焦点レンズの場合、材質の制限が少ないので、製造し易いというメリットがある。
図56は、電磁波或いは電磁誘導で駆動エネルギーを供給する可変焦点レンズ396を用いた人工視覚の例を示している。この場合、エネルギーはコントローラー397の送信コイル392から電磁波の形で送り出されて、受信コイル393で受信され、駆動回路394を経てレンズ部395が駆動されて、ピントの合った物体像を見ることができる。
レンズ部395としては、各種可変焦点レンズ303(図1)、316(図7)、325(図8)、325B(図9)、511(図25)、531(図29)、551(図31)、201(図39)、162(図41)、214(図44)、207(図45)等を用いることができる。可変焦点レンズ162を用いる場合、駆動用のポンプも可変焦点レンズ396の周辺部に相当する部位に内蔵すると良い。
なお、可変焦点レンズ396は、眼内レンズ, 人工視覚,コンタクトレンズ等眼科機器のほか携帯電話の撮像光学系, 腕時計に組み込まれたデジタルカメラの撮像光学系等、小型の光学装置に用いるとケーブルが無いので便利である。
なお、本願で示した可変焦点レンズ、光学特性可変光学素子は、偏光板が不要であるメリットを有する。さらに、光量が多く、明るい特徴を有する。
最後に、本発明で用いる用語の定義を述べておく。
光学装置とは、光学系あるいは光学素子を含む装置のことである。光学装置単体で機能しなくてもよい。つまり、装置の一部でもよい。
光学装置には、撮像装置、観察装置、表示装置、照明装置、信号処理装置、光情報処理装置等が含まれる。
撮像装置の例としては、フィルムカメラ、デジタルカメラ、PDA用デジタルカメラ、ロボットの眼、レンズ交換式デジタル一眼レフカメラ、テレビカメラ、動画記録装置、電子動画記録装置、カムコーダ、VTRカメラ、携帯電話のデジタルカメラ、携帯電話のテレビカメラ、電子内視鏡、カプセル内視鏡、車載カメラ、人工衛星のカメラ、惑星探査機のカメラ、宇宙探査機のカメラ、監視装置のカメラ、各種センサーの眼、録音装置のデジタルカメラ、人工視覚、レーザ走査型顕微鏡等がある。デジカメ、カード型デジカメ、テレビカメラ、VTRカメラ、動画記録カメラ、携帯電話のデジタルカメラ、携帯電話のテレビカメラ、車載カメラ、人工衛星のカメラ、惑星探査機のカメラ、宇宙探査機のカメラ、監視装置のカメラ、各種センサーの眼、録音装置のデジタルカメラなどはいずれも電子撮像装置の一例である。
観察装置の例としては、顕微鏡、望遠鏡、眼鏡、双眼鏡、ルーペ、ファイバースコープ、ファインダー、ビューファインダー、コンタクトレンズ、眼内レンズ、人工視覚等がある。
表示装置の例としては、液晶ディスプレイ、ビューファインダー、ゲームマシン、ビデオプロジェクター、液晶プロジェクター、頭部装着型画像表示装置(head mounted display:HMD)、PDA(携帯情報端末)、携帯電話、人工視覚等がある。
照明装置の例としては、カメラのストロボ、自動車のヘッドライト、内視鏡光源、顕微鏡光源等がある。
信号処理装置の例としては、携帯電話、パソコン、ゲームマシン、光ディスクの読取・書込装置、光計算機の演算装置、光インターコネクション装置、光情報処理装置、PDA等がある。
情報発信装置とは、携帯電話、固定式の電話、ゲームマシン、テレビ、ラジカセ、ステレオ等のリモコンや、パソコン、パソコンのキーボード、マウス、タッチパネル等の何らかの情報を入力し、送信することができる装置を指す。
撮像装置のついたテレビモニター、パソコンのモニター、ディスプレイも含むものとする。
情報発信装置は、信号処理装置の中に含まれる。
撮像素子は、例えばCCD、撮像管、固体撮像素子、写真フィルム等を指す。また、平行平面板はプリズムの1つに含まれるものとする。観察者の変化には、視度の変化を含むものとする。被写体の変化には、被写体となる物体距離の変化、物体の移動、物体の動き、振動、物体のぶれ等を含むものとする。
拡張曲面の定義は以下の通りである。
球面、平面、回転対称非球面のほか、光軸に対して偏心した球面、平面、回転対称非球面、あるいは対称面を有する非球面、対称面を1つだけ有する非球面、対称面のない非球面、自由曲面、微分不可能な点、線を有する面等、いかなる形をしていても良い。反射面でも、屈折面でも、光になんらかの影響を与えうる面ならば良い。
本発明では、これらを総称して拡張曲面と呼ぶことにする。
光学特性可変光学素子とは、可変焦点レンズ、可変ミラー、面形状の変わる偏向プリズム、頂角可変プリズム、光偏向作用の変わる可変回折光学素子、つまり可変HOE,可変DOE等を含む。
可変焦点レンズには、焦点距離が変化せず、収差量が変化するような可変レンズも含むものとする。可変ミラーには、可変焦点ミラー、焦点距離が変化せず、収差量が変化するようなミラー、可変焦点レンズに反射面を設けたミラー、形状の変わらない可変焦点ミラー、形状の変わる形状可変ミラー等を含むものとする。
要するに、光学素子で、光の反射、屈折、回折等の光偏向作用が変化しうるものを光学特性可変光学素子と呼ぶ。
以上説明したように、本発明の光学特性可変光学素子は、特許請求の範囲に記載された特徴の他に、下記の如き特徴も有している。
(1)駆動用のエネルギーを電磁波または電磁誘導で供給することを特徴とする請求項2に記載の光学特性可変光学素子。
(2)駆動用の電磁波が非可視光である請求項3に記載の光学特性可変光学素子。
(3)駆動用の光が導光部材で伝送される請求項3に記載の光学特性可変光学素子。
(4)下記条件式の少なくとも1つを満たす請求項1乃至4の何れかに記載の光学特性可変光学素子。
2nm < Sx <λ
2nm < Sy <λ
2nm < Sz <λ
但し、Sx, Sy, Szはそれぞれフォトニック結晶格子のx, y, z方向の繰り返しの周期、λは使用する光の波長である。
(5)下記条件式の少なくとも1つを満たす請求項1乃至4の何れかに記載の光学特性可変光学素子。
Ayz / Sx < 10Axy / Sz
Axz / Sy < 10Axy / Sz
但し、Sx, Sy, Szはそれぞれフォトニック結晶格子のx, y, z方向の繰り返しの周期、Axyは結晶格子のz軸方向の1周期をx-y平面へ投影したときの影の面積の和、Ayzは結晶格子のz軸方向の1周期をy-z平面へ投影したときの影の面積の和、Axzは結晶格子のz軸方向の1周期をx-z平面へ投影したときの影の面積の和である。
(6)下記条件式を満たす請求項1乃至4の何れかに記載の光学特性可変光学素子。
2nm < Sz < 600λ・x・(2π/360)
但し、Szは前記結晶格子のz軸方向の繰り返しの周期、λは使用する光の波長、xは前記z軸の周りの回転角度である。
(7)下記条件式を満たす請求項1乃至4の何れかに記載の光学特性可変光学素子。
0.01 ≦ fv ≦ 0.999
但し、fv は結晶格子と液晶分子を合わせた光学材料の体積のうちで液晶分子の占める体積の割合である。
(8)下記条件式を満たす請求項1乃至4の何れかに記載の光学特性可変光学素子。
nmin−0.3 ≦ nR ≦nmax+0.8
但し、nRは結晶格子の屈折率、nmin及びnmaxは液晶分子の屈折率楕円体の常光線を含む面内での互いに直交する方向の屈折率の最小値及び最大値である。
(9)下記条件式の何れかを満たす請求項1乃至4の何れかに記載の光学特性可変光学素子。
| nmin − nR | ≦ 0.2
| nmax − nR | ≦ 0.2
但し、nRは結晶格子の屈折率、nmin及びnmaxは液晶分子の屈折率楕円体の常光線を含む面内での互いに直交する方向の屈折率の最小値及び最大値である。
(10)可変焦点レンズである請求項1乃至4の何れか又は上記(1)乃至(7)の何れかに記載の光学特性可変光学素子。
(11)可変焦点ミラーである請求項1乃至4の何れか又は上記(1)乃至(7)の何れかに記載の光学特性可変光学素子。
(12)請求項1乃至4の何れか又は上記(1)乃至(11)の何れかに記載の光学特性可変光学素子を用いた光学装置。
(13)請求項1乃至4の何れか又は上記(1)乃至(11)の何れかに記載の光学特性可変光学素子を用いた観察装置。
(14)請求項1乃至4の何れか又は上記(1)乃至(11)の何れかに記載の光学特性可変光学素子を用いた撮像装置。
(15)上記(10)に記載の可変焦点レンズを用いた可変焦点眼鏡。
(16)上記(10)に記載の可変焦点レンズを用いた可変焦点コンタクトレンズ。
(17)上記(10)に記載の可変焦点レンズを用いた眼内レンズ。
(18)上記(10)に記載の可変焦点レンズを用いた人工視覚。
(19)光学特性を変化させる駆動用の光が、導光部材により伝送されることを特徴とする光学特性可変光学素子。
(20)構成材料の屈折率が、光あるいは電磁波により変化せしめられることを特徴とする光学特性可変光学素子。
(21)光あるいは電磁波により駆動される可変焦点レンズを用いた可変焦点眼鏡。
(22)可変焦点レンズを用いた可変焦点コンタクトレンズ。
(23)可変焦点レンズを用いた眼内レンズ。
(24)光学特性可変光学素子を用いた人工視覚。
(25)構成材料の屈折率が光で変化することを特徴とする上記(19)に記載の光学特性可変光学素子。
(26)構成部材の形状が光で変化することを特徴とする上記(19)に記載の光学特性可変光学素子。
(27)可変焦点レンズである上記(19)または(20)に記載の光学特性可変光学素子。
(28)可変焦点ミラーである上記(19)または(20)に記載の光学特性可変光学素子。
(29)可変偏角プリズムである上記(20)に記載の光学特性可変光学素子。
(30)複数の波長あるいは複数の波長域の光で駆動される上記(20)に記載の光学特性可変光学素子。
(31)駆動用の光が導光部材で伝送される上記(20)に記載の光学特性可変光学素子。
(32)駆動用のエネルギーを電磁波あるいは電磁誘導で供給することを特徴とする上記(20)に記載の光学特性可変光学素子。
(33)可変焦点レンズの屈折率が変化することを特徴とする上記(21)に記載の可変焦点眼鏡。
(34)導光部材で駆動用の光が伝送される上記(21)に記載の可変焦点眼鏡。
(35)可変焦点レンズの駆動用エネルギーを電磁波あるいは電磁誘導で供給することを特徴とする上記(21)に記載の可変焦点眼鏡。
(36)可変焦点レンズが、高分子分散液晶、高分子安定化液晶あるいはツイストネマチック液晶を用いた面形状の変化しない可変焦点レンズである上記(22)に記載の可変焦点コンタクトレンズ。
(37)可変焦点レンズが、面形状の変化する可変焦点レンズである上記(22)に記載の可変焦点コンタクトレンズ。
(38)可変焦点レンズが、光あるいは電磁波で駆動される上記(22)に記載の可変焦点コンタクトレンズ。
(39)可変焦点レンズの屈折率が変化することを特徴とする上記(22)に記載の可変焦点コンタクトレンズ。
(40)可変焦点レンズがレンズに繋がる配線を有していない上記(22)に記載の可変焦点コンタクトレンズ。
(41)可変焦点レンズの駆動用の光が導光部材で伝送される上記(22)に記載の可変焦点コンタクトレンズ。
(42)可変焦点レンズの駆動用のエネルギーを電磁波あるいは電磁誘導で供給することを特徴とする上記(22)に記載の可変焦点コンタクトレンズ。
(43)可変焦点レンズが、高分子分散液晶、高分子安定化液晶あるいはツイストネマチック液晶を用いた面形状の変化しない可変焦点レンズである上記(23)に記載の眼内レンズ。
(44)可変焦点レンズが、面形状の変化する可変焦点レンズである上記(23)に眼内レンズ。
(45)可変焦点レンズが、光あるいは電磁波で駆動される上記(23)に記載の眼内レンズ。
(46)可変焦点レンズの屈折率が変化することを特徴とする上記(23)に記載の眼内レンズ。
(47)可変焦点レンズの駆動用の光が導光部材で伝送される上記(23)に記載の眼内レンズ。
(48)可変焦点レンズがレンズに繋がる配線を有していない上記(23)に記載の眼内レンズ。
(49)可変焦点レンズの駆動用のエネルギーを電磁波あるいは電磁誘導で供給することを特徴とする上記(23)に記載の眼内レンズ。
(50)可変焦点レンズを用いた人工視覚。
(51)可変ミラーを用いた人工視覚。
(52)コントラスト方式でオートフォーカスを行う人工視覚。
(53)光学特性可変光学素子の面形状が変化しない上記(24)に記載の人工視覚。
(54)光学特性可変光学素子の面形状が変化する上記(24)に記載の人工視覚。
(55)光学特性可変光学素子が、光あるいは電磁波で駆動される可変焦点レンズである上記(24)に記載の人工視覚。
(56)屈折率が変化することを特徴とする上記(55)に記載の人工視覚。
(57)可変焦点レンズの駆動用の光が導光部材で伝送される上記(55)に記載の人工視覚。
(58)光学特性可変光学素子がケーブルを有しない上記(24)に記載の人工視覚。
(59)光学特性可変光学素子の駆動用のエネルギーを電磁波あるいは電磁誘導で供給することを特徴とする上記(24)に記載の人工視覚。
(60)コントラスト方式でオートフォーカスを行なう上記(24)に記載の人工視覚。
(61)光学特性可変光学素子が偏光板を有しないことを特徴とする上記(19)または(20)に記載の光学特性可変光学素子。
(62)可変焦点レンズが偏光板を有しないことを特徴とする上記(21)に記載の可変焦点眼鏡。
(63)可変焦点レンズが偏光板を有しないことを特徴とする上記(22)に記載の可変焦点コンタクトレンズ。
(64)可変焦点レンズが偏光板を有しないことを特徴とする上記(23)に記載の眼内レンズ。
(65)光学特性可変光学素子が偏光板を有しないことを特徴とする上記(24)に記載の人工視覚。
(66)形状が変化する可変焦点レンズを備えた上記(39)、(40)または(42)の何れか一つに記載の可変焦点コンタクトレンズ。
(67)形状が変化する可変焦点レンズを備えた上記(48)または(49)に記載の眼内レンズ。
本発明に係る可変焦点レンズの一実施例の電圧を印加しないときの状態を示す概略構成図である。 一軸性のネマティック液晶分子の屈折率楕円体を示す図である。 図1の可変焦点レンズに電圧を印加したときの状態を示す概略構成図である。 図1の可変焦点レンズにおける結晶格子の具体的構造の一例を示す斜視図である。 図1の可変焦点レンズにおける結晶格子の具体的構造の他の例を示す斜視図である。 本発明に係る可変ミラーの一実施例の電圧を印加しないときの状態を示す概略構成図である。 本発明に係る可変焦点レンズの他の実施例の電圧を印加しないときの状態を示す概略構成図である。 本発明に係る可変焦点レンズを用いた眼鏡の一実施例の斜視図である。 本発明に係る可変焦点レンズ装置の他の実施例の概略構成図である。 本発明に係る可変焦点レンズ装置の更に他の実施例の概略構成図である。 自由曲面プリズムを用いた本発明に係る撮像装置の一実施例の概略構成図である。 本発明に係る可変焦点レンズを用いた眼鏡の他の実施例の斜視図である。 本発明の光学装置に用いる光学系に適用可能な光学特性可変光学素子として可変ミラーの一構成例を示す概略図である。 図13の可変ミラーに用いる電極の一形態を示す説明図である。 図13の可変ミラーに用いる電極の他の形態を示す説明図である。 可変ミラーの他の構成例を示す概略図である。 可変ミラーの更に他の構成例を示す概略図である。 可変ミラーの更に他の構成例を示す概略図である。 可変ミラーの更に他の構成例を示す概略図である。 図19の構成例における薄膜コイルの巻密度の状態を示す説明図である。 可変ミラーの更に他の構成例を示す概略図である。 図21の構成例におけるコイルの一配置例を示す説明図である。 図21の構成例におけるコイルの他の配置例を示す説明図である。 図19に示した構成例において、コイルの配置を図23に示した構成例のようにした場合に好適な永久磁石の配置を示す説明図である。 本発明の光学装置の光学系に適用可能な形状可変ミラーの概略構成図である。 マイクロポンプで流体を出し入れして反射面を変形させる形状可変ミラーの概略構成図である。 マイクロポンプの一構成例を示す概略構成図である。 本発明の光学装置の光学系に適用可能な可変焦点レンズの原理的構成を示す図である。 図28に示す高分子分散液晶層に電界を印加した状態を示す図である。 図28に示す高分子分散液晶層への印加電圧を可変にした場合の一構成例を示す図である。 本発明の光学装置に可変焦点レンズを用いたデジタルカメラ用の撮像光学系の一構成例を示す図である。 本発明の光学装置の光学系に適用可能な可変焦点回折光学素子の一構成例を示す図である。 ツイストネマティック液晶を用いる可変焦点レンズを有する可変焦点眼鏡の構成例を示す図である。 図33に示すツイストネマティック液晶層への印加電圧を高くしたときの液晶分子の配向状態を示す図である。 本発明の光学装置の光学系に適用可能な可変偏角プリズムの二つの構成例を示す図である。 図35に示す可変偏角プリズムの使用態様を説明するための図である。 本発明の光学装置の光学系に適用可能な可変焦点レンズとして機能できる可変焦点ミラーの一構成例を示す図である。 本発明の光学装置の光学系に他の構成例の可変焦点レンズを用いた撮像光学系の概略構成図である。 図38の構成例における可変焦点レンズの変形例を示す説明図である。 図39の可変焦点レンズが変形した状態を示す説明図である。 本発明の光学装置の光学系に適用可能な可変焦点レンズのさらに他の構成例に係る、マイクロポンプで流体を出し入れし、レンズ面を変形させる可変焦点レンズの概略図である。 本発明の光学装置の光学系に適用可能な光学特性可変光学素子の他の構成例であって圧電材料を用いた可変焦点レンズの概略図である。 図42の変形例に係る可変焦点レンズの状態説明図である。 本発明の光学装置の光学系に適用可能な光学特性可変光学素子のさらに他の構成例であって圧電材料からなる2枚の薄板を用いた可変焦点レンズの概略図である。 本発明の光学装置の光学系に適用可能な可変焦点レンズのさらに他の構成例を示す概略図である。 図45の構成例に係る可変焦点レンズの状態説明図である。 本発明の光学装置の光学系に適用可能な光学特性可変光学素子のさらに他の構成例であってフォトニカル効果を用いた可変焦点レンズの概略図である。 図47の構成例に係る可変焦点レンズに用いるアゾベンゼンの構造を示す説明図であり、(a)はトランス型、(b)はシス型を示している。 本発明の光学装置の光学系に適用可能な可変ミラーのさらに他の構成例を示す概略図である。 本発明の実施の形態にかかる光学装置の光学系に適用可能な電磁駆動型の可変ミラーの構造を示した図であり、(a)は側面図、(b)は反射膜の反対側から見た図である。 本発明に係る光学特性可変光学素子をコンタクトレンズとして使用した人間の眼の概略図である。 本発明の係る光学特性可変光学素子を可変焦点眼内レンズとして使用した1例を示す人間の眼の概略図である。 図52に示した眼内レンズの斜視図である。 本発明の係る光学特性可変光学素子を可変焦点眼内レンズとして使用した他の例を示す人間の眼の概略図である。 固定焦点レンズと本発明の係る可変焦点ミラーとを眼内に組み込んだ人間の眼の概略図である。 本発明に係る光学特性可変光学素子の他の例をコンタクトレンズとして使用した場合の概略図である。
符号の説明
45 可変ミラー
59 透明電極
102 レンズ
103 制御系
104,141 撮像ユニット
140 可変焦点レンズ
142 透明部材
143 透明物質
144 流体あるいはゼリー状物質
145 電極
146 シリンダー
147 支援部材
148 外周側が変形可能な部材
160 マイクロポンプ
161 流体
162 可変焦点レンズ
163 透明基板
164 弾性体
165 透明基板
168 制御装置(液溜)
180 マイクロポンプ
181 振動板
182,183 電極
184,185 弁
188 可変ミラー
189 膜
189a 支持台
200 圧電材料
200A,200B 薄板
201 可変焦点レンズ
202 基板
206 電歪材料
207 可変焦点レンズ
208,209 透明弾性体
210 アゾベンゼン
211 透明なスペーサー
212,213 光源
214 可変焦点レンズ
301 フォトニック結晶格子
302 液晶分子
303 可変焦点レンズ
304,305 光学面
306, 307 透明電極
308 スイッチ
309 交流電源
310 可変抵抗器
310' 固定抵抗
311 可変屈折率の光学材料
312 可変焦点ミラー
313 透明基板
314 凹面鏡
315 反射膜
316 可変焦点レンズ
317 直流電源
320,321 レンズ
322 シール部材
325,325B 光駆動の可変焦点レンズ
326 可変焦点眼鏡
327 光源
328 紐
329 フレーム
390 光によって屈折率の変化する物質
408 撮像素子
409 可変ミラー
409a 薄膜
409b,409d,409k 電極
409c,409c’ 圧電素子
409c−1,409e,409j 基板
409c−2 電歪材料
411 駆動回路
411a,411b 可変抵抗器
412 電源
413 電源スイッチ
414 演算装置
415 温度センサー
416 湿度センサー
417 距離センサー
423 支持台
424 振れセンサー
425a,425b,428 駆動回路
426 永久磁石
427,428’ コイル
449 変倍或いはズーミング用釦
450 反射膜
451 変形可能な基板
452 電極
453 電歪材料
508a,532a,562a,566a 第1の面
508b,532b,562b,566b 第2の面
509a,533a,563a,567a 第3の面
509b,533b,563b,567b 第4の面
511,551 可変焦点レンズ
512a,512b,522,552,553 レンズ
513a,513b 透明電極
514 高分子分散液晶層
515 スイッチ
516 交流電源
517 液晶分子
518 高分子セル
519 可変抵抗器
521 絞り
523 固体撮像素子
531 可変焦点回折光学素子
532,533,562,563,566,567 透明基板
539a,539b 配向膜
550 可変焦点眼鏡
554 ツイストネマティック液晶層
555 液晶分子
561 可変偏角プリズム
565 可変焦点ミラー
568 反射膜












Claims (4)

  1. 配列した仕切り、あるいは規則正しく配列した格子の間に屈折率可変物質を配置して成る材料で作られた光学特性可変光学素子。
  2. 電気によって駆動される請求項1に記載の光学特性可変光学素子。
  3. 光または電磁波によって駆動される請求項1に記載の光学特性可変光学素子。
  4. 表面を屈折率可変物質以外の材料で覆ったことを特徴とする請求項1に記載の光学特性可変光学素子。

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