JP2007108791A - 光学装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 消費電力が小さく、音が静かで、応答時間が短く、機械的構造が簡単でコストダウンに寄与する光学装置を提供すること。
【解決手段】 光学特性可変素子と、該光学特性可変素子を駆動する駆動回路と、撮像素子と、画像処理手段を備えた光学装置において、光学系のFナンバーの増加と共に、より強いエンハンスを掛ける。
【選択図】 図6

Description

本発明は、可変焦点レンズ,可変焦点回折光学素子,可変偏角プリズム,可変焦点ミラー等の光学特性可変光学素子及びこれらの光学特性可変光学素子を含む光学系を備えた、例えば、眼鏡,ビデオプロジェクター,デジタルカメラ,テレビカメラ,内視鏡,望遠鏡,カメラのファインダー,光学情報処理装置等の光学装置に関する。
従来、レンズはガラスを研磨して製造され、レンズ自体では焦点距離を変化させることが出来ないため、例えば、カメラのピント合わせやズーミングや変倍は、複雑な機械的機構を介してレンズ群を光軸方向に移動させることにより行われている。このような光学装置に用いられる光学特性可変光学素子としては、特許文献1、特許文献2及び特許文献3に記載されているようなものが知られている。
特開2000−267010号公報 特開2000−298237号公報 特開2001−201622号公報
そして、レンズ群の一部を移動させるのにモーター等を用いる場合は、消費電力が大きく、音がうるさく、応答時間が長く、レンズの移動に時間がかかる等の欠点があった。
また、ブレ防止を行う場合でも、レンズをモーターやソレノイド等で機械的に移動させるため、消費電力が大きく、機械的構造が複雑で製作コストが高くつく等の欠点があった。
本発明は、従来技術の有するこれらの問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、消費電力が小さく、音が静かで、応答時間が短く、機械的構造が簡単でコストダウンに寄与する、可変焦点レンズ,可変形状ミラー,可変プリズム等の光学特性可変光学素子及びこれらの光学素子を含む光学系を備えた光学装置を提供することにある。
上記の目的を達成するため、本発明による光学装置は、光学特性可変素子と、該光学特性可変素子を駆動する駆動回路と、撮像素子と、画像処理手段を備えた光学装置において、光学系のFナンバーの増加と共に、より強いエンハンスを掛けたことを特徴としている。
また、本発明による光学装置は、光学特性可変素子と、該光学特性可変素子を駆動する駆動回路と、撮像素子と、画像処理手段を備えた光学装置において、光学系のズーム状態が広角から望遠になるにつれて、より強いエンハンスを掛けたことを特徴としている。
また、本発明による光学装置は、光学特性可変素子と、該光学特性可変素子を駆動する駆動回路と、撮像素子と、画像処理手段を備えた光学装置において、物体距離が近距離の場合に、より強いエンハンスを掛けたことを特徴としている。
また、本発明による光学装置は、光学特性可変素子と、該光学特性可変素子を駆動する駆動回路と、撮像素子と、画像処理手段を備えた光学装置において、光学特性可変素子の形状に対応したエンハンスを掛けたことを特徴としている。
また、本発明による光学装置は、光学特性可変素子と、該光学特性可変素子を駆動する駆動回路と、撮像素子と、画像処理手段を備えた光学装置において、光学特性可変素子の駆動情報から該光学特性可変素子の形状を推定して、該光学特性可変素子の形状に対応したエンハンスを掛けたことを特徴としている。
また、本発明による光学装置は、光学特性可変素子と、該光学特性可変素子を駆動する駆動回路と、撮像素子と、画像処理手段を備えた光学装置において、光学系の対称性にあわせて、画像の部分毎に異なるエンハンスを掛けたことを特徴としている。
また、本発明による撮像装置は、光学特性可変素子と、撮像素子を備えた撮像装置において、シェーディングを画像処理で補正するようにしたことを特徴としている。
また、本発明による撮像装置は、光学特性可変素子と、撮像素子と、偏心光学系を備えた撮像装置において、シェーディングを画像処理で補正するようにしたことを特徴としている。
また、本発明による撮像装置は、光学特性可変素子と、偏心した撮像素子または撮像系が偏心した光学素子を備えた撮像装置において、シェーディングを画像処理で補正するようにしたことを特徴としている。
また、本発明による撮像装置は、光学特性可変素子と、撮像素子と、ズーム光学系を備えた撮像装置において、シェーディングを画像処理で補正するようにしたことを特徴としている。
また、本発明による撮像装置は、光学特性可変素子と、撮像素子を備えた撮像装置において、像の歪曲収差を画像処理で補正するようにしたことを特徴としている。
また、本発明による撮像装置は、複数の光学特性可変素子と、撮像素子を備えた撮像装置において、像の歪曲収差を画像処理で補正するようにしたことを特徴としている。
また、本発明による撮像装置は、複数の光学特性可変素子と、撮像素子を備えたズーム光学系を有する撮像装置において、像の歪曲収差を画像処理で補正するようにしたことを特徴としている。
また、本発明による撮像装置は、複数の光学特性可変素子と、撮像素子と、自由曲面プリズムを備えたズーム光学系を有する撮像装置において、像の歪曲収差を画像処理で補正するようにしたことを特徴としている。
上述の如く本発明によれば、消費電力が小さく、音が静かで、応答時間が短く、機械的構造が簡単でコストダウンに寄与し得る、各種光学装置を提供することが出来る。
以下、本発明の実施の形態を図示した実施例に基づき説明する。図1は電子撮像装置として構成された本発明による光学装置の一実施例の概略構成図である。図中、1はレンズ枠、2はレンズ枠1に結合された保持枠、3は保持枠2に取付けられた凹レンズ、4は保持枠2に反射面が凹レンズ3の光軸に対して実質上45度の角度をなすように取付けられた後述する形状可変ミラー、5は絞り、6は保持枠2に形状可変ミラー4で反射された光束の光軸上に取付けられた凸レンズ、7はレンズ枠1に凸レンズ6の光軸上を移動可能に取付けられた変倍レンズ、8はレンズ枠1に取付けられた非球面の結像レンズ、9は撮像面9aが結像レンズ8の焦点位置に来るようにレンズ枠1に取付けられた撮像素子、10は変培レンズ7の移動量を検出するエンコーダーである。
形状可変ミラー4は、例えば、図示の如く、アルミコーティング等で作られた薄膜状の反射面4aと、これを一体に支持する変形可能な基板4bと、基板4bと一体の変形可能な電極4cと、電極4cの背面側に間隔を置いて配置された複数の電極4dからなっている。
反射面4aを構成する薄膜は、例えば、P.Rai-choudhury編のhandbook of Michrolithography,Michromachining and Michrofabrication,Volume 2:Michro-machining and Michrofabrication, P495, Fig.8.58, SPIE PRESS刊やOptics Communication,140巻(1997年)P187〜190に記載されているメンブレンミラーのように、複数の電極4dと電極4cとの間に電圧が印加されると、静電気力により薄膜が変形してその面形状が変化するようになっており、これにより、観察者の視度に合わせたピント調整が出来るだけでなく、更に、レンズ3,6〜8の温度や温度変化による変形や屈折率の変化、或いは、レンズ枠の伸縮や変形及び光学素子や枠等の部品の組立誤差による結像性能の低下が抑制され、常に適性にピント調整並びにピント調整で生じた収差の補正が行われ得る。
なお、電極4dの形は、例えば図2,3に示すように、反射面4aの変形のさせ方に応じて選べば良い。
この形状可変ミラー4は、リソグラフィーを用いて作ると加工精度が良く、良品質のものが得られ易い。また、基板4bは、ポリイミド等の合成樹脂で製作すれば、低電圧でも大きな変形が可能であるので好都合である。
再び図1において、11は形状可変ミラー4の変形を制御するための駆動回路、12は演算装置、13はLUT、14は撮像素子9からの画像信号を処理するための電子回路、15は記憶装置、16はTVモニター、17は温度センサー、18は湿度センサー、19はカバーレンズ3の前方の所定位置に置かれたテスト用物体としての解像力チャートである。
本実施例によれば、物体からの光は、レンズ3より入射し、形状可変ミラー4で反射され、レンズ6,変倍レンズ7及び結像レンズ8を通過して、撮像素子9の撮像面9a上に結像し、電子回路14を介してTVモニター16により物体像が観察される。そして、モーター又は手動で変倍レンズ7を動かすことにより変倍が行われる。この場合、形状可変ミラー4により、物体距離の変動に伴うピント合わせと、変倍時のピント移動が補償され、モニター画面上では常に鮮明な物体像を見ることが出来る。
即ち、反射面4aの形状は、レンズ3,6,7及び8から成るレンズ系の結像性能が最適になるように、演算装置12からの信号に基づき、駆動回路11により制御される。即ち、演算装置12へは、温度センサー17及び湿度センサー18から周囲温度及び湿度に応じた大きさの信号が入力され、演算装置12は、これらの入力信号に基づき周囲の温度及び湿度条件による結像性能の低下を補償すべく、反射面4aの形状が決定されるような電圧を駆動回路11を介して電極4dに印加する。このように、反射面4aは電極4dに印加される電圧即ち静電気力で変形させられるため、その形状は状況により非球面を含む様々な形状をとる。
上記説明では、形状可変ミラー4を駆動するのに電圧を用いたが、駆動方式によっては、電圧の代わりに電流や流体等を用いても良く、本願では、これらを駆動源と呼び、その値を駆動情報と呼ぶことにする。また、結像レンズ8は、ガラス,プラスチック,ゴム,合成樹脂または有機無機のハイブリッド材料等の何れで作られても良い。また、レンズ枠1は合成樹脂で作られても良いし、金属で出来ていても良い。
上記実施例による光学装置は、例えば、TVカメラ,デジタルカメラ,カムコーダ,監視用カメラ,ロボットの眼等に用いられるが、以下、装置組立後の調整方法について説明する。
装置組立後、先ず、変倍レンズ7を予め定めた基準位置に持って行く。この位置は、精度の良い調整が出来ることから、変倍レンズ7の倍率の絶対値が「1」になるように選ぶと良い。また、撮像素子9は、形状可変ミラー4に解像力チャート19までの距離(物体距離)に応じた電圧を与えた上で、解像力チャート19を撮影しながら、撮像素子9を光軸(Z軸)方向に前後させ、チャート像のピント或いはコントラストが最も良くなる位置を見出して、その位置に固定する。
次に、再度解像力チャート19を撮影して、そのチャート像のピントまたはコントラストが最大になるように、形状可変ミラー4に印加する電圧を微調整し、その値をE2−PROM等の記憶装置に書き込み、LUT13として用いても良い。このようにすれば、更に精度の良いピント調整を行うことができ、そして、このLUT13の値を参照しつつ撮影を行えば、常に鮮明な物体像を観察することが出来る。この調整作業を、解像力チャート19までの距離を何種類か変えて行えば、更に良いピント調整を行うことが出来る。また、解像力チャート19を何種類か用意して、同様なピント調整を行うようにしても良い。
また、形状可変ミラー4に印加する電圧を微調整するのに、予め定めたLUT13の中から最もピントが良くなる値を選択するようにして、そのLUT13の番地を記憶させて置き、その番地を参照しつつ撮影を行うようにしても良い。
図4及び5は、そのLUT13の例を示している。図4はズーム状態と物体距離を二つに軸にもつLUTの例であり、図5は物体距離だけを軸にもつLUTの例である。
以上述べた調整方法は、単焦点レンズのピント調整にも用いることが出来る。
次に、上記とは異なる別の調整方法について説明する。この方法では、解像力チャート19を基準の距離に固定して置き、変倍レンズ7をZ方向へ動かして変倍を行い、形状可変ミラー4で物体距離が変化した時のフォーカス,ズーミングに伴うピント移動を補正する場合を考える。
先ず、設計上変倍レンズ7の倍率の絶対値が1になる状態へ変倍レンズ7を移動させる。形状可変ミラー4は、その状態での駆動情報で駆動させる。次に、撮像素子9をZ方向へ動かして、解像力チャート19のピントが最良になるように或いはコントラストが略最大になるように、撮像素子9を位置決めする。
次に、変倍レンズ7を広角端,望遠端へ動かし、形状可変ミラー4は夫々の状態に対応する駆動情報で駆動し、その時のピント移動量を調べる。ピント移動量を調べるのには、撮像素子9を前後させて夫々の状態での最良のピントになる撮像素子の位置を調べれば良い。
そして、広角端,望遠端でのピント移動量が、設計上想定される移動量に近づくように、変倍レンズ7を駆動するときの原点をZ方向へ僅かに動かす。この動き量をΔZとすると、ΔZはあらゆるズーム状態に対する変倍レンズ7の位置の補正量となる。
このように変倍レンズ7の位置を調整した後で、ズーム状態と物体距離の組合せ毎に解像力チャート19のピント或いはコントラストが略最良になるように、形状可変ミラー4の駆動情報を最適化し、それらをLUT13に書き込んで置く。そして、実際の撮像をLUT13に従って行えば良い。或いは、最適な駆動情報をLUT13に書き込む代わりに、予め算出してあるLUT13の中から夫々の状態に対応した最適なLUTの値を選び出し、その番地をROM等に記憶させておいても良い。
ズーム状態及び物体距離が分かっている時の撮影にはROMを経由してLUTを参照することになる。マニュアルフォーカスによる撮影が、そのような場合の例である。
そして撮影が行われる際のズーム状態が既知であっても、物体距離が未知である場合には、LUT13を参照しつつ形状可変ミラー4を駆動させて撮影し、その中から物体像のコントラストが最良になるLUTの値を選んで撮影を行えば良い。オートフォーカスの撮影時がこれに対応する。
以上述べた一群ズームに対する調整方法は、以下に述べる光学補正型ズーム光学系にも適用することが出来る。
図6はこの型のズーム光学系の一例を示している。この例では、絞り5と固定レンズ20を挟んで、レンズ6と変倍レンズ7とが一体的に動かされるように構成されている。即ち、レンズ6と変倍レンズ7とは同一のレンズ枠に保持されていて、このレンズ枠が、演算装置12で制御される駆動回路21により駆動されるステッピングモーター22により、移動せしめられるようになっている。
以上は、本発明を撮像装置としての光学装置に適用した場合について記述したが、これに限らず、形状可変ミラーを用いた観察装置,表示装置,光通信装置及び光情報処理装置等の各種光学装置にも、本発明は適用できる。
例えば、図7に示すファインダーの場合、温湿度の変化或いは製作誤差に伴う視度のズレは、可変形状ミラー駆動用のLUT13を物体距離方向にずらして読み出すことにより、補正可能である。図5は、LUTのこの例を示している。なお、図7において、物体からの光は、対物レンズ23及びプリズム24の各入射面と射出面で屈折され、形状可変ミラー4で反射され、プリズム24を透過して二等辺直角プリズム25で更に反射され(図示された光路中、+印は紙面の裏側へ向かって光が進むことを示している)、ミラー26で反射され、接眼レンズ27を介して眼に入射するようになっている。
以上の説明では、総て可変形状ミラー4を用いた例について述べてきたが、これらの補正方法,調整方法及び制御方法は、後述する可変焦点レンズ等の光学特性可変光学素子にも全く同様に適用できる。
なお、ここで用いるLUTとしては、記憶装置内の数表でも良いし、幾つかの引数を持った関数でも良く、引数に対して値が読めれば良い。
次に、再び図6を参照して電子撮像系のMTFについて説明する。ズーミングと共に、変倍レンズ7のためのFナンバーは変化する。殆どの場合、広角端よりも望遠端のFナンバーの方が暗くなる。ところが、Fナンバーが暗くなると、光の回折現象によりMTFが低下してしまう。この影響は、撮像素子9の1画素の寸法が4μm以下の場合に、特に目立ってくる。そこで、本発明では、Fナンバーの低下と共に画像に掛けるエンハンス量を強くすることで、MTFの低下を補正するようにしている。この実施例の場合には、撮装素子9で得た画像情報は、電子回路14でデジタル化され、画像処理機能を有する演算装置12でエンハンス処理される。
この時駆動回路21から得たズームレンズの状態の情報から、演算装置12でFナンバーが計算され、Fナンバーに応じた最適なエンハンスが掛けられる。エンハンスを掛けるには、例えば、図8に示すようなフィルターと画像のコンボリューションを取れば良い。図中、Px,Pyは撮像素子9の1ピクセルの寸法である。
より強いエンハンスを掛けるのであれば、例えば、図9に示すようなフィルターとのコンボリューションを取れば良い。
光学系のMTFはFナンバーによっても変化するが、可変形状ミラー4を含めた光学系の収差によっても変化する。特に、反射面4aの平面からの変形量が大きい場合、一般にMTFは低下し易い。そこで、反射面4aの形状に応じてエンハンスの掛け方を加減すれば、良い画像が得られる。可変形状ミラー4の変形量は、駆動情報から知ることが出来るので、例えば、参照しているLUTを調べれば良い。静電式の可変形状ミラーの場合、変形量は近距離で大きくなる場合が多い。従って、物体が近距離の場合には、エンハンスを強く掛けると良い。また、反射面4aの形状によっては、画像の中心部でMTFの値が大きく異なる場合もある。その場合は、画像の場所毎に異なるエンハンスを掛けると良い。
図10は、撮像素子9をZ軸方向から見た場合の形状を示しているが、この場合、光学系はY−Z平面について対称であるから、エンハンスもY軸について対称に掛ければ良い。即ち、エンハンスは光学系の対称性に合わせて掛ければ良いのである。
次に、図1または6に示すような、動くレンズ群或いは光学素子群を有する光学系における光学素子群の駆動方法の一例について説明する。図11は、静電気力で動くモーター28を用いた例で、固定された枠29の内面には複数の電極29aが、可動のレンズ枠30の外面には複数の電極30aが夫々列設されている。電極29aと30aは、図示のように常態では位相がずれるように配置されていて、これらに異符号の電圧が印加された時、静電引力でレンズ枠30は矢印方向(左方)へ引っ張られるようになっている。そして、電極29aと30aに印加される電圧の符号を、レンズ枠30の移動と共に変えていくことにより、レンズ枠30を駆動することが出来る。
モーター28の駆動には高電圧のDC電源31が必要であるが、これは形状可変ミラー4の駆動電源及びストロボ32の駆動電源と兼用することが出来る。33はモーター28の駆動用制御回路、34は可変形状ミラー4の駆動用制御回路、35はストロボ32の駆動用制御回路である。実際上、可変形状ミラー4,モーター28及びストロボ32の駆動には、数十〜数百ボルトのDC電源を必要とするので、兼用できればコスト,寸法及び重量の点で有利である。
モーター28を用いない場合でも、可変形状ミラー4とストロボ32用の駆動電源を共通にすれば、上記と同様の利点が得られる。
図12は、静電気力で駆動されるモーターの別の例を示している。図中、36は部分スリット36aを穿設し中央部にレンズ37を固定した電極を兼ねる板ばね、38は板ばね36と平行に近接配置されていてレンズ37と整合した開口の周りに区分された電極38a,38b,38cを配置してなる絶縁板であって、板ばね36と電極38a,38b,38cとの間には、互いに異なる直流電圧が印加されている。従って、静電気力により両電極は引き合い、レンズ37を動かすことが出来る。効果は、図11に示した例と同様である。
次に、図6に示した光学装置を例にとって、シェーディングの電気的補正について説明する。図6に示した如きズーム光学系では、撮像素子9に入射する光線の角度θ(図13参照)がズーム状態によって変化する。この角度θは、物体距離によっても変化する場合があるし、可変形状ミラー4の変形量が大きい(5μm以上)場合にも変化する。このため、撮像素子9の受像面9aのうち特に周辺部での感度が低下する、即ち、シェーディングがズーム状態によって変化するという不都合を生ずる。
そこで、シェーディングの変化の対策としては、撮像素子9で撮影した画像に演算装置12で明るさの補正処理を行えば良い。殆どの場合、撮像素子9による画像の周辺部は暗くなることが多いので、周辺部ほどゲインを上げれば良い。このようなシェーディングは、ズーム光学系に限らず単焦点光学系で行っても良いことはいうまでもない。
また、図6に示した光学装置は、形状可変ミラー4がへこむと軸対称光学系ではなくなり、偏心収差が発生する。この偏心収差を補正するためは、例えば、レンズ3をZ方向に多少(0.02〜1mm)移動させるか、或いは、レンズ3をX軸回りに多少(3分〜5度)回転させるか、或いは、撮像素子9をX軸回りに多少(0.5〜8°)回転させる等の調整を行えば良いが、何れにせよ光軸に対して非対称なシェーディングが発生する。この場合にも、演算装置12により、撮像素子9で撮影した画像に対してシェーディングの補正を行えば良い。この場合、シェーディングはY軸について対称になるので、Y軸について対称,X軸については非対称な補正を行えば良い。
以上、シェーディングを画像処理で行う例について説明したが、電子回路等でアナログ的に補正を行っても良い。この方法は、補正に要する時間が短いので、動画にも用いられ得る。
図14は、二つの可変形状ミラー4A,4Bを用いたズーム撮像装置の例である。図中、39は撮像装置の外装壁40の内側に摺動可能に取付けられていて平板部分39aを有する接写用補助レンズ、41は自由曲面プリズム、42は液晶表示素子である。
この例では、望遠状態の時は、撮像素子4Aのパワーが強くて撮像素子4Bのパワーが弱く、広角状態の時は、撮像素子4Aのパワーが弱くて撮像素子4Bのパワーが強くなる。ここでは、パワーは正負の符号も考慮するものとする。
このために、ズーム状態が変化すると、歪曲収差が変化してしまう欠点がある。そこで、この例では、演算装置12による画像処理で歪曲収差を補正している。
図15は、方眼のチャートを図14に示した撮像装置で撮影した場合の像を示したもので、その形状は破線で示されている。ここでは、樽型と台形の歪曲収差が発生している。これを、演算装置12で画像処理することにより、図15に実線で示すような形に直せば良いわけである。このような画像処理による歪曲の補正は、本願の他の実施例にも適用することが出来る。
なお、接写用補助レンズ39は、可変形状ミラー4A,4Bの変形量が小さい場合に、近点にピントを合わせるのに用いると良い。即ち、通常の撮影時には、これを摺動させて光路外に移動させ、接写時には、図示のように光路内に戻して撮影すれば良い。また、通常撮影時にレンズ3を保護する目的で、平板部分39aを光路内にもって来るようにすれば、なお良い。この例は、本願の他の実施例にも適用できることは云うまでもない。
図16は、本願実施例に用いられる形状可変ミラー4の他の例を示している。この種の形状可変ミラーにおいては、駆動電圧は低い方が駆動回路の設計が楽でコストも下がるので良い。そのために、この例では、電極4cを多数の穴4c’のあいたメッシュ状にして、反射面4a及び基板4bを含めた変形する膜の剛性を低くしてある。図17は、電極4cを電極4d側から見た場合の形状である。
このように、膜の剛性を低くするためには、光の反射に使わない膜の構成要素をメッシュ状にしておけば良い。従って、基板4bをメッシュ状にしても良い。なお、電極4cには貫通した穴でなくて窪みを設けるようにしても良い。要するに、厚さの薄い部分を作っておけば、剛性を下げることは出来る。また、電極4cは、例えば、チタン等の金属で作ると、リソグラフィーで加工でき便利である。また、電極4cを有機導電体や有機半導体で作れば、更に剛性が下げられるので良い。その場合、基板4bと電極4cを一つの部材で兼用しても良く、加工が簡略化できるので好都合である。また、基板4bはポリイミド等の合成樹脂で作ると、剛性が低くて良い。
上記の各実施例において、レンズ3,6,7,8,20,23,27,37及び39、プリズム24,25及び41、ミラー26は、プラスチックモールド等で形成することにより、任意の所望形状の曲面を容易に形成することができ、製作も簡単である。また、これらの一部或いは全部をガラスで製作しても良く、これにより更に精度の良い撮像装置が得られる。また、形状可変ミラー4の反射面4aの形状は、収差補正が容易であることから、自由曲面にするのが良い。
本発明で使用する自由曲面とは以下の式で定義されるものである。この定義式のZ軸が自由曲面の軸となる。
M
Z=cr2/[1+√{1−(1+k)c22}]+Σ Cjmn
j=2
ここで、上記式の第1項は球面項、第2項は自由曲面項である。
球面項中、
c:頂点の曲率
k:コーニック定数(円錐定数)
r=√(X2+Y2
である。
自由曲面項は
M
Σ Cjmn
j=2
=C2X+C3Y+C42+C5XY+C62+C73+C82
+C9XY2+C103+C114+C123Y+C1322
+C14XY3+C154+C165+C174Y+C1832
+C1923+C20XY4+C215+C226+C235
+C2442+C2533+C2624+C27XY5+C286
+C297+C306Y+C3152+C3243+C3334
+C3425+C35XY6+C367……
ただし、Cj(jは2以上の整数)は係数である。
上記自由曲面は、一般的には、X−Z面、Y−Z面共に対称面を持つことはないが、Xの奇数次項を全て0にすることによって、Y−Z面と平行な対称面が1つだけ存在する自由曲面となる。また、Yの奇数次項を全て0にすることによって、X−Z面と平行な対称面が1つだけ存在する自由曲面となる。
図18は、形状可変ミラー4の他の実施例を示す概略構成図である。本実施例の形状可変ミラー4は、反射面4aと電極4dとの間に圧電素子4eが介装されていて、これらが支持台上に設けられている。そして、圧電素子4eに加わる電圧を各電極4d毎に変えることにより、圧電素子4eに部分的に異なる伸縮を生じさせて、反射面4aの形状を変えることができるようになっている。電極4dの形状は反射面4aの変形のさせ方に応じて選べばよい。これは、例えば、図2に示したように、同心分割であってもよいし、図3に示すように、矩形分割であってもよく、その他、適宜の形状を選択することができる。
図18中、43は演算装置12に接続された振れセンサーであって、例えばデジタルカメラの振れを検知し、振れによる像の乱れを補償するように反射面4aを変形させるべく、演算装置12及び可変抵抗器44を介して電極4dに印加される電圧を変化させる。このとき、温度センサー17、湿度センサー18及び距離センサー45からの信号も同時に考慮され、ピント(焦点)合わせ、温湿度補償等が行われる。この場合、反射面4aには圧電素子4eの変形に伴う応力が加わるので、反射面4aの厚さはある程度厚めに作られて相応の強度を持たせるようにするのがよい。
図19は形状可変ミラー4の更に他の実施例を示す概略構成図である。本実施例の形状可変ミラー4は、反射面4aと電極4dの間に介置される圧電素子が逆方向の圧電特性を持つ材料で作られた2枚の圧電素子4e及び4e’で構成されている点で、図18に示された形状可変ミラーとは異なる。即ち、圧電素子4eと4e’が強誘電性結晶で作られているとすれば、結晶軸の向きが互いに逆になるように配置されている。この場合、圧電素子4eと4e’は電圧が印加されると逆方向に伸縮するので、反射面4eを変形させる力が図18に示した実施例の場合よりも強くなり、結果的にミラー表面の形を大きく変えることができるという利点がある。
圧電素子4e,4e’に用いる材料としては、例えばチタン酸バリウム、ロッシエル塩、水晶、電気石、リン酸二水素カリウム(KDP)、リン酸二水素アンモニウム(ADP)、ニオブ酸リチウム等の圧電物質、同物質の多結晶体、同物質の結晶、PbZrO3とPbTiO3の固溶体の圧電セラミックス、二フッ化ポリビニール(PVDF)等の有機圧電物質、上記以外の強誘電体等があり、特に有機圧電物質はヤング率が小さく、低電圧でも大きな変形が可能であるので、好ましい。なお、これらの圧電素子4e,4e’を利用する場合、厚さを不均一にすれば、上記実施例において反射面4aの形状を適切に変形させることも可能である。
また、圧電素子4e,4e’の材質としては、ポリウレタン、シリコンゴム、アクリルエラストマー、PZT、PLZT、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等の高分子圧電体、シアン化ビニリデン共重合体、ビニリデンフルオライドとトリフルオロエチレンの共重合体等が用いられる。
圧電性を有する有機材料や、圧電性を有する合成樹脂、圧電性を有するエラストマー等を用いるとミラー面の大きな変形が実現できてよい。
図20は形状可変ミラーの更に他の実施例を示す概略構成図である。本実施例の形状可変ミラー4は、圧電素子4eが反射面4aと電極4fとにより挟持され、反射面4aと電極4f間に演算装置12により制御される駆動回路11を介して電圧が印加されるようになっており、さらにこれとは別に、支持台上に設けられた電極4dにも演算装置12により制御される駆動回路11を介して電圧が印加されるように構成されている。したがって、本実施例では、反射面4aは電極4fとの間に印加される電圧と電極4dに印加される電圧による静電気力とにより二重に変形され得、上記実施例に示した何れのものよりもより多くの変形パターンが可能であり、かつ、応答性も速いという利点がある。
そして、反射面4a、電極4f間の電圧の符号を変えれば、形状可変ミラー4を凸面にも凹面にも変形させることができる。その場合、大きな変形を圧電効果で行い、微細な形状変化を静電気力で行うようにしても良い。また、凸面の変形には圧電効果を主に用い、凹面の変形には静電気力を主に用いるようにしても良い。なお、電極4fは電極4dのように複数の電極から構成されても良い。この様子を図19に示した。
図18、図20の圧電素子4eに電歪材料、例えば、アクリルエラストマー、シリコンゴム等を用いる場合には、圧電素子4eを図18に示すように別の基板4e−1と電歪材料4e−2を貼り合わせた構造にしてもよい。なお、本願では、圧電効果と電歪効果、電歪をすべてまとめて圧電効果と述べている。従って、電歪材料も圧電材料に含まれるものとする。
図21は、形状可変ミラーの更に他の実施例を示す概略構成図である。本実施例の形状可変ミラー4は、電磁気力を利用して反射面4aの形状を変化させ得るようにしたもので、支持台の内部底面上には永久磁石46が、頂面上には窒化シリコン又はポリイミド等からなる基板4bの周縁部4b’が載置固定されており、基板4bの表面にはアルミニウム等の金属コートで作られた反射面4aが付設されていている。基板4gの下面には薄膜状の複数のコイル47が配設されており、これらのコイル47はそれぞれ駆動回路11を介して演算装置12に接続されている。従って、各センサー17,18,43,45からの信号によって演算装置12において求められる光学系の変化に対応した演算装置12からの出力信号により、各駆動回路11から各コイル47にそれぞれ適当な電流が供給されると、永久磁石46との間に働く電磁気力で各コイル47は反発又は吸着され、基板4b及び反射面4aを変形させる。
この場合、各コイル47はそれぞれ異なる量の電流を流すようにすることも出来る。また、コイル47は1個でもよいし、永久磁石46を基板4bに付設しコイル47を支持台の内部底面側に設けるようにしても良い。また、コイル47はリソグラフィー等の手法で作ると良く、更に、コイル47には強磁性体よりなる鉄心を入れるようにしても良い。
この場合、コイル47の巻密度を、図22に示すように、場所によって変化させることにより、基板4b及び反射面4aに所望の変形を与えるようにすることも出来る。また、コイル47は1個でもよいし、また、これらのコイル47には強磁性体よりなる鉄心を挿入しても良い。
図23は形状可変ミラー4の更に他の実施例を示す概略構成図である。本実施例の形状可変ミラー4では、基板4bは鉄等の強磁性体で作られており、膜状の反射面4aはアルミニウム等からなっている。この場合、薄膜状のコイル47を設けなくても済むから、構造が簡単で、製造コストを低減することが出来る。また、電源スイッチ48を切換え兼電源開閉用スイッチに置換すれば、コイル47に流れる電流の方向を変えることができ、基板4b及び反射面4aの形状を自由に変えることができる。
図24は本実施例におけるコイル47の配置を示し、図25はコイル47の他の配置例を示しているが、これらの配置は、図21に示した実施例にも適用することが出来る。なお、図25は、図21に示した実施例において、コイル47の配置を図26に示したようにした場合に適する永久磁石46の配置を示している。即ち、図25に示すように、永久磁石46を放射状に配置すれば、図21に示した実施例に比べて、微妙な変形を基板4b及び反射面4aに与えることが出来る。また、このように電磁気力を用いて基板4b及び反射面4aを変形させる場合(図21及び図23の実施例)は、静電気力を用いた場合よりも低電圧で駆動できるという利点がある。
以上いくつかの形状可変ミラー4の実施例を述べたが、形状可変ミラー4の形を変形させるために、図20の実施例に示すように、2種類以上の力を用いても良い。つまり静電気力、電磁力、圧電効果、磁歪、流体の圧力、電場、磁場、温度変化、電磁波等の内から2つ以上を同時に用いて形状可変ミラー4を変形させてもよい。このように、2つ以上の異なる駆動方法を用いて光学特性可変光学素子を作れば、大きな変形と微細な変形とを同時に実現でき、精度の良い反射面が実現できる。
図27は、本発明の更に他の実施例に係る、光学装置に適用可能な形状可変ミラーを用いた撮像系、例えば携帯電話のデジタルカメラ、カプセル内視鏡、電子内視鏡、パソコン用デジタルカメラ、PDA(携帯情報端末)用デジタルカメラ等に用いられ得る撮像系の概略構成図である。本実施例の撮像系は、形状可変ミラー4と、レンズ48と、固体撮像素子9と、制御系49とで一つの撮像ユニット50を構成している。本実施例の撮像ユニット50では、レンズ48を通った物体からの光は形状可変ミラー4で集光され、固体撮像素子9の上に結像する。この場合、形状可変ミラー4は、光学特性可変光学素子として機能し、可変焦点ミラーとも呼ばれる。
本実施例によれば、物体距離が変わっても形状可変ミラー4を変形させることでピント合わせをすることができ、レンズをモーター等で駆動する必要がなく、小型化、軽量化、低消費電力化の点で優れている。また、撮像ユニット50は本発明の撮像系として全ての実施例で用いることができる。さらに、形状可変ミラー4を複数用いることでズーム、変倍の撮像系、光学系を作ることができる。
図27では、制御系49にコイルを用いたトランスの昇圧回路を含む制御系の構成例を示している。特に積層型圧電トランスを用いると、小型化できてよい。昇圧回路は、本発明のすべての電気を用いる形状可変ミラー、可変焦点レンズに用いることが出来るが、特に静電気力、圧電効果を用いる場合の形状可変ミラー、可変焦点レンズに有用である。
なお、形状可変ミラー4でピント合わせを行うためには、例えば、固体撮像素子9に物体像を結像させ、形状可変ミラー4の焦点距離を変化させつつ物体像の高周波成分が最大になる状態を見つければ良い。高周波成分を検出するには、例えば、固体撮像素子9にマイクロコンピュータを含む処理装置を接続し、その中で高周波成分を検出するようにすれば良い。
図28は、本発明の形状可変ミラーに関する更に他の実施例に係るマイクロポンプ51で流体52を出し入れし、反射面53aを変形させる形状可変ミラー53の概略構成図である。本実施例によれば、反射面53aを大きく変形させることが可能になるというメリットがある。なお、図中、54は液溜である。
マイクロポンプ51は、例えば、マイクロマシンの技術で作られた小型のポンプで、電力で動くように構成されている。
マイクロマシンの技術で作られたポンプの例としては、熱変形を利用したもの、圧電材料を用いたもの、静電気力を用いたもの等がある。
図29は、本発明に適用可能なマイクロポンプの一実施例を示す概略構成図である。本実施例のマイクロポンプ55では、振動板56は静電気力、圧電効果等の電気力により振動する。図29では静電気力により振動する例を示しており、図中、57,58は電極である。また、点線は変形した時の振動板56を示している。振動板56の振動に伴い、二つの弁59,60が開閉し、流体52を右から左へ送るようになっている。
本実施例の形状可変ミラー53では、反射面53aが流体52の量に応じて凹凸に変形することで、形状可変ミラーとして機能する。形状可変ミラー53は流体52で駆動されている。流体としては、シリコンオイル、空気、水、ゼリー、等の有機物、無機物を用いることができる。
なお、静電気力、圧電効果を用いた形状可変ミラー、可変焦点レンズ等において駆動用に高電圧が必要になる場合がある。その場合には、例えば図27に示したように、昇圧用のトランス或いは圧電トランス等を用いて制御系を構成すると良い。
また、反射用の薄膜は、変形しない部分にも設けておくと、形状可変ミラーの形状を干渉計等で測定する場合に、基準面として使うことができ便利である。
図30は、本発明にかかる可変焦点レンズの原理的構成を示す図である。この可変焦点レンズ61は、第1,第2の面としてのレンズ面62a,62bを有する第1のレンズ62と、第3,第4の面としてのレンズ面63a,63bを有する第2のレンズ63と、これらレンズ間に透明電極64、65を介して設けた高分子分散液晶層66とを有し、入射光を第1,第2のレンズ62,63を経て収束させるものである。透明電極64,65は、スイッチ67を介して交流電源68に接続して、高分子分散液晶層66に交流電界を選択的に印加するようにする。なお、高分子分散液晶層66は、それぞれ液晶分子70を含む球状,多面体等の任意の形状の多数の微小な高分子セル71の集合体から成り、その体積は、高分子セル71を構成する高分子および液晶分子70がそれぞれ占める体積の和に一致させる。
ここで、高分子セル71の大きさは、球状とする場合、その平均の直径をD、使用する光の波長をλとするとき、例えば、
2nm≦D≦λ/5 ・・・(1)
とする。即ち、液晶分子70の大きさは、2nm程度以上であるので、平均の直径Dの下限値は、2nm以上とする。また、Dの上限値は、可変焦点レンズ61の光軸方向における高分子分散液晶層66の厚さtにも依存するが、λに比べて大きいと、高分子の屈折率と液晶分子70の屈折率との差により、高分子セル71の境界面で光が散乱して高分子分散液晶層66が不透明になってしまうため、後述するように、好ましくはλ/5以下とする。可変焦点レンズ61が用いられる光学製品によっては高精度を要求しない場合もあり、そのときDはλ以下でよい。なお、高分子分散液晶層66の透明度は、厚さtが厚いほど悪くなる。
また、液晶分子70は、例えば、一軸性のネマティック液晶分子を用いる。この液晶分子70の屈折率楕円体は、図31に示すような形状となり、
ox=noy=no ・・・(2)
である。ただし、noは常光線の屈折率を示し、noxおよびnoyは、常光線を含む面内での互いに直交する方向の屈折率を示す。
ここで、図30に示すように、スイッチ69をオフ、すなわち高分子分散液晶層66に電界を印加しない状態では、液晶分子70が様々な方向を向いているので、入射光に対する高分子分散液晶層66の屈折率は高く、屈折力の強いレンズとなる。これに対し、図32に示すように、スイッチ67をオンとして高分子分散液晶層66に交流電界を印加すると、液晶分子70は、屈折率楕円体の長軸方向が可変焦点レンズ61の光軸と平行となるように配向するので、屈折率が低くなり、屈折力の弱いレンズとなる。
なお、高分子分散液晶層66に印加する電圧は、例えば、図33に示すように、可変抵抗器69により段階的あるいは連続的に変化させることもできる。このようにすれば、印加電圧が高くなるにつれて、液晶分子70は、その楕円長軸が徐々に可変焦点レンズ61の光軸と平行となるように配向するので、屈折力を段階的あるいは連続的に変えることができる。
ここで、図30に示す状態、すなわち高分子分散液晶層66に電界を印加しない状態での、液晶分子70の平均屈折率nLC’は、図31に示すように屈折率楕円体の長軸方向の屈折率をnzとすると、およそ
(nox+noy+nZ)/3≡nLC’ ・・・(3)
となる。また、上記(2)式が成り立つときの平均屈折率nLCは、nzを異常光線の屈折率neと表して、
(2no+ne)/3≡nLC ・・・(4)
で与えられる。このとき、高分子分散液晶層66の屈折率nAは、高分子セル71を構成する高分子の屈折率をnPとし、高分子分散液晶層66の体積に占める液晶分子70の体積の割合をffとすると、マックスウェル・ガーネットの法則により、
A=ff・nLC’+(1−ff)nP ・・・(5)
で与えられる。
したがって、図33に示すように、レンズ62および63の内側の面、すなわち高分子分散液晶層66側の面の曲率半径を、それぞれR1およびR2とすると、可変焦点レンズ61の焦点距離f1は、
1/f1=(nA−1)(1/R1−1/R2) ・・・(6)
で与えられる。なお、R1およびR2は、曲率中心が像点側にあるとき、正とする。また、レンズ62および63の外側の面による屈折は除いている。つまり、高分子分散液晶層66のみによるレンズの焦点距離が、(6)式で与えられる。
また、常光線の平均屈折率を、
(nox+noy)/2=no’ ・・・(7)
とすれば、図32に示す状態、すなわち高分子分散液晶層66に電界を印加した状態での、高分子分散液晶層66の屈折率nBは、
B=ff・no’+(1−ff)nP ・・・(8)
で与えられるので、この場合の高分子分散液晶層66のみによるレンズの焦点距離f2は、
1/f2=(nB−1)(1/R1−1/R2) ・・・(9)
で与えられる。なお、高分子分散液晶層66に、図32におけるよりも低い電圧を印加する場合の焦点距離は、(6)式で与えられる焦点距離f1と、(9)式で与えられる焦点距離f2との間の値となる。
上記(6)および(9)式から、高分子分散液晶層66による焦点距離の変化率は、
|(f2−f1)/f2|=|(nB−nA)/(nB−1)| ・・・(10)
で与えられる。従って、この変化率を大きくするには、|nB−nA|を大きくすればよい。ここで、
B−nA=ff(no’−nLC’) ・・・(11)
であるから、|no’−nLC’|を大きくすれば、変化率を大きくすることができる。実用的には、nBが、1.3〜2程度であるから、
0.01≦|no’−nLC’|≦10 ・・・(12)
とすれば、ff=0.5のとき、高分子分散液晶層66による焦点距離を、0.5%以上変えることができるので、効果的な可変焦点レンズを得ることができる。なお、|no’−nLC’|は、液晶物質の制限から、10を越えることはできない。
次に、上記(1)式の上限値の根拠について説明する。「Solar Energy Materials and Solar Cells」31巻,Wilson and Eck,1993, Eleevier Science Publishers B.v.発行の第197 〜214 頁、「Transmission variation using scattering/transparent switching films 」には、高分子分散液晶の大きさを変化させたときの透過率τの変化が示されている。そして、かかる文献第206の図6には、高分子分散液晶の半径をrとし、t=300μm、ff=0.5、nP =1.45、nLC=1.585、λ=500nmとするとき、透過率τは、理論値で、r=5nm(D=λ/50、D・t=λ・6μm(ただし、Dおよびλの単位はnm、以下も同じ))のときτ≒90%となり、r=25nm(D=λ/10)のときτ≒50%になることが示されている。
ここで、例えば、透過率τがtの指数関数で変化すると仮定して、t=150μmの場合の透過率τを推定してみると、r=25nm(D=λ/10、D・t=λ・15μm)のときτ≒71%となる。また、t=75μmの場合は、同様に、r=25nm(D=λ/10、D・t=λ・7.5μm)のときτ≒80%となる。
これらの結果から、
D・t≦λ・15μm ・・・(13)
であれば、τは70%〜80%以上となり、レンズとして十分実用になる。従って、例えば、t=75μmの場合は、D≦λ/5で、十分な透過率が得られることになる。
また、高分子分散液晶層66の透過率は、nPの値がnLC’の値に近いほど良くなる。一方、no’とnPとが異なる値になると、高分子分散液晶層66の透過率は悪くなる。図30の状態と図32の状態とで、平均して高分子分散液晶層66の透過率が良くなるのは、
P=(no’+nLC’)/2 ・・・(14)
を満足するときである。
ここで、可変焦点レンズ61は、レンズとして使用するものであるから、図30の状態でも、図32の状態でも、透過率はほぼ同じで、かつ高い方が良い。そのためには、高分子セル71を構成する高分子の材料および液晶分子70の材料に制限があるが、実用的には、
o’≦nP≦nLC’ ・・・(15)
とすればよい。
上記(14)式を満足すれば、上記(13)式は、さらに緩和され、
D・t≦λ・60μm ・・・(16)
であれば良いことになる。なぜなら、フレネルの反射則によれば、反射率は屈折率差の2乗に比例するので、高分子セル71を構成する高分子と液晶分子70との境界での光の反射、すなわち高分子分散液晶層66の透過率の減少は、およそ上記の高分子と液晶分子70との屈折率の差の2乗に比例するからである。
以上は、no’≒1.45、nLC’≒1.585の場合であるが、より一般的に定式化すると、
D・t≦λ・15μm・(1.585−1.45)2/(nu−nP2 ・・・(17)
であればよい。但し、(nu−nP2は、(nLC’−nP2と(no’−nP2とのうち、大きい方である。
また、可変焦点レンズ61の焦点距離変化を大きくするには、ffの値が大きい方が良いが、ff=1では、高分子の体積がゼロとなり、高分子セル71を形成できなくなるので、
0.1≦ff≦0.999 ・・・(18)
とする。一方、ffは、小さいほどτは向上するので、上記(17)式は、好ましくは、
4×10-6〔μm〕2≦D・t
≦λ・45μm・(1.585−1.45)2/(nu−np2
・・・(19)
とする。なお、tの下限値は、図30から明らかなように、t=Dで、Dは、上述したように2nm以上であるので、D・tの下限値は、(2×10-3μm)2、すなわち4×10-6〔μm〕2となる。
なお、物質の光学特性を屈折率で表す近似が成り立つのは、「岩波科学ライブラリー8 小惑星がやってくる」向井正著,1994,岩波書店発行の第58頁に記載されているように、Dが10nm〜5nmより大きい場合である。また、Dが500λを越えると、光の散乱は幾何学的となり、高分子セル71を構成する高分子と液晶分子70との界面での光の散乱がフレネルの反射式に従って増大するので、Dは、実用的には、
7nm≦D≦500λ ・・・(20)
とする。
図34は、図33に示す可変焦点レンズ61を用いたデジタルカメラ用の撮像光学系の構成を示すものである。この撮像光学系においては、物体(図示せず)の像を、絞り5、可変焦点レンズ61及びレンズ48を介して、例えばCCDよりなる固体撮像素子9上に結像させる。なお、図34では、液晶分子の図示を省略してある。
かかる撮像光学系によれば、可変抵抗器69により可変焦点レンズ61の高分子分散液晶層66に印加する交流電圧を調整して、可変焦点レンズ61の焦点距離を変えることより、可変焦点レンズ61及びレンズ48を光軸方向に移動させることなく、例えば、無限遠から600mmまでの物体距離に対して、連続的に合焦させる(ピントを合わせる)ことが可能となる。
図35は本発明にかかる可変焦点回折光学素子の一例の構成を示す図である。この可変焦点回折光学素子72は、平行な第1,第2の面73a,73bを有する第1の透明基板73と、光の波長オーダーの溝深さを有する断面鋸歯波状のリング状回折格子を形成した第3の面74aおよび平坦な第4の面74bを有する第2の透明基板74とを有し、入射光を第1,第2の透明基板73,74を経て出射させるものである。第1,第2の透明基板73、74間には、図30で説明したのと同様に、透明電極64,65を介して高分子分散液晶層66を設け、透明電極64、65をスイッチ67を経て交流電源68に接続して、高分子分散液晶層66に交流電界を印加するようにする。
かかる構成において、可変焦点回折光学素子72に入射する光線は、第3の面74aの格子ピッチをpとし、mを整数とすると、
psinθ=mλ ・・・(21)
を満たす角度θだけ偏向されて出射される。また、溝深さをh、透明基板74の屈折率をn74とし、kを整数とすると、
h(nA−n74)=mλ ・・・(22)
h(nB−n74)=kλ ・・・(23)
を満たせば、波長λで回折効率が100%となり、フレアの発生を防止することができる。
ここで、上記(22)および(23)式の両辺の差を求めると、
h(nA−nB)=(m−k)λ ・・・(24)
が得られる。したがって、例えば、λ=500nm、nA=1.55、nB=1.5とすると、
0.05h=(m−k)・500nm
となり、m=1,k=0とすると、
h=10000nm=10μm
となる。この場合、透明基板74の屈折率n74は、上記(22)式から、n74=1.5であればよい。また、可変焦点回折光学素子72の周辺部における格子ピッチpを10μmとすると、θ≒2.87°となり、Fナンバーが10のレンズを得ることができる。
かかる可変焦点回折光学素子72は、高分子分散液晶層66への印加電圧のオン・オフで光路長が変わるので、例えば、レンズ系の光束が平行でない部分に配置して、ピント調整を行うのに用いたり、レンズ系全体の焦点距離等を変えるのに用いることができる。
なお、この実施例において、上記((22)〜(24))式は、実用上、
0.7mλ≦h(nA−n74)≦1.4mλ ・・・(25)
0.7kλ≦h(nB−n74)≦1.4kλ ・・・(26)
0.7(m−k)λ≦h(nA−nB)≦1.4(m−k)λ ・・・(27)
を満たせば良い。
また、ツイストネマティック液晶を用いる可変焦点レンズも本発明に含まれる。図36および図37は、この場合の可変焦点眼鏡75の構成を示すものであり、可変焦点レンズ76は、レンズ77及び78と、これらレンズの内面上にそれぞれ透明電極64,65を介して設けた配向膜79,80と、これら配向膜間に設けたツイストネマティック液晶層81とから構成され、その透明電極64,65を可変抵抗器69を介して交流電源68に接続して、ツイストネマティック液晶層81に交流電界を印加するようにする。
かかる構成において、ツイストネマティック液晶層81に印加する電圧を高くすると、液晶分子82は、図37に示すようにホメオトロピック配向となり、図36に示す印加電圧が低いツイストネマティック状態の場合に比べて、ツイストネマティック液晶層81の屈折率は小さくなり、焦点距離が長くなる。
ここで、図36に示すツイストネマティック状態における液晶分子82の螺旋ピッチPは、光の波長λに比べて同じ程度か十分小さくする必要があるので、例えば、
2nm≦P≦2λ/3 ・・・(28)
とする。なお、この条件の下限値は、液晶分子の大きさで決まり、上限値は、入射光が自然光の場合に、図36の状態でツイストネマティック液晶層81が等方媒質として振る舞うために必要な値であり、この上限値の条件を満たさないと、可変焦点レンズ76は偏光方向によって焦点距離の異なるレンズとなり、これがため二重像が形成されてぼけた像しか得られなくなる。
図38(a)は、本発明にかかる可変偏角プリズムの構成を示すものである。この可変偏角プリズム83は、第1,第2の面84a,84bを有する入射側の第1の透明基板84と、第3,第4の面85a,85bを有する出射側の平行平板状の第2の透明基板85とを有する。入射側の透明基板84の内面(第2の面)84bは、フレネル状に形成し、この透明基板84と出射側の透明基板85との間に、図30で説明したのと同様に、透明電極64,65を介して高分子分散液晶層66を設ける。透明電極64,65は、可変抵抗器69を介して交流電源69に接続され、これにより高分子分散液晶層66に交流電界を印加して、可変偏角プリズム83を透過する光の偏角を制御するようにする。
なお、図38(a)では、透明基板84の内面84bをフレネル状に形成したが、例えば、図38(b)に示すように、透明基板84及び85の内面を相対的に傾斜させた傾斜面を有する通常のプリズム状に形成することも出来るし、図35に示した回折格子状に形成することも出来る。回折格子状に形成する場合には、上記の(21)〜(27)式が同様にあてはまる。
かかる構成の可変偏角プリズム83は、例えば、TVカメラ、デジタルカメラ、フィルムカメラ、双眼鏡等のブレ防止用として有効に用いることができる。この場合、可変偏角プリズム83の屈折方向(偏向方向)は、上下方向とするのが望ましいが、更に性能を向上させるためには、2個の可変偏角プリズム83を偏向方向を異ならせて、例えば図39に示すように、上下および左右の直交する方向で屈折角を変えるように配置するのが望ましい。なお、図38及び図39では、液晶分子の図示を省略してある。
図40は本発明に係る可変焦点レンズを用いた可変焦点ミラーを示すものである。この可変焦点ミラー86は、第1,第2の面87a,87bを有する第1の透明基板87と、第3,第4の面88a,88bを有する第2の透明基板88とを有する。第1の透明基板87は、平板状またはレンズ状に形成して、内面(第2の面)87bに透明電極64を設け、第2の透明基板88は、内面(第3の面)88aを凹面状に形成して、該凹面上に反射膜89を施し、更にこの反射膜89上に透明電極65を設ける。透明電極64,65間には、図30で説明したのと同様に、高分子分散液晶層66を設け、これら透明電極64,65をスイッチ67及び可変抵抗器69を介して交流電源68に接続して、高分子分散液晶層66に交流電界を印加するようにする。なお、図40でも液晶分子の図示を省略してある。
かかる構成によれば、透明基板87側から入射する光線は、反射膜89により高分子分散液晶層66を折り返す光路となるので、高分子分散液晶層66の作用を2回もたせることができると共に、高分子分散液晶層66への印加電圧を変えることにより、反射光の焦点位置を変えることができる。この場合、可変焦点ミラー86に入射した光線は、高分子分散液晶層66を2回透過するので、高分子分散液晶層66の厚さの2倍をtとすれば、上記の各式を同様に用いることができる。なお、透明基板87または88の内面を、図35に示したように回折格子状にして、高分子分散液晶層66の厚さを薄くすることも出来る。このようにすれば、散乱光をより少なくできる利点がある。
以上の説明では、液晶の劣化を防止するため、電源として交流電源68を用いて、液晶に交流電界を印加するようにしたが、直流電源を用いて液晶に直流電界を印加するようにすることも出来る。また、液晶分子の方向を変える方法としては、電圧を変化させること以外に、液晶にかける電場の周波数、液晶にかける磁場の強さ・周波数、或いは液晶の温度等を変化させることによっても良い。以上に示した実施例において、高分子分散液晶は液状ではなく固体に近いものもあるので、その場合はレンズ62,63の一方、透明基板73、レンズ74、レンズ77,78の一方、図38(a)における透明基板85、図38(b)における透明基板84,85の一方はなくてもよい。
以上、図30から図40で述べたような、媒質の屈折率が変化することで、光学素子の焦点距離等が変化するタイプの光学素子のメリットは、形状が変化しないため、機械設計が容易であり、機械的構造が簡単になる、等である。
図41は本発明の光学装置の更に他の実施例に係る、可変焦点レンズ90を用いた撮像ユニットの概略構成図である。この撮像ユニットは本発明の撮像系として用いることができる。
本実施例では、レンズ48と可変焦点レンズ90とで、撮像レンズを構成している。そして、この撮像レンズと固体撮像素子9とで撮像ユニットを構成している。可変焦点レンズ90は、透明部材91と圧電性のある合成樹脂等の柔らかい透明物質92とで、光を透過する流体あるいはゼリー状物質93を挟んで構成されている。
流体あるいはゼリー状物質93としては、シリコンオイル、弾性ゴム、ゼリー、水等を用いることができる。透明物質92の両面には透明電極64,65が設けられており、直流電源94により電圧を加えることで、透明物質92の圧電効果により透明物質92が変形し、可変焦点レンズ90の焦点距離が変わるようになっている。
従って、本実施例によれば、物体距離が変わった場合でも光学系をモーター等で動かすことなくフォーカスができ、小型、軽量、消費電力が少ない点で優れている。
図41中、95は流体をためるシリンダーである。また、透明物質92の材質としては、ポリウレタン、シリコンゴム、アクリルエラストマー、PZT、PLZT、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等の高分子圧電体、シアン化ビニリデン共重合体、ビニリデンフルオライドとトリフルオロエチレンの共重合体等が用いられる。
また、圧電性を有する有機材料や、圧電性を有する合成樹脂、圧電性を有するエラストマー等を用いると可変焦点レンズ面の大きな変形が実現できて好ましい。なお、可変焦点レンズ90には透明な圧電材料を用いると良い。
なお、図41の例で、可変焦点レンズ90は、シリンダー95を設けるかわりに、図42に示すように、抑止部材96を設けてシリンダー95を省略した構造にしても良い。
抑止部材96は、間に透明電極64を挟んで、透明物質92の一部の周辺部分を固定している。本実施例によれば、透明物質92に電圧をかけることによって、透明物質92が変形しても、図43に示すように、可変焦点レンズ90全体の体積が変わらないように変形するため、シリンダー95が不要になる。なお、図42及び43中、97は変形可能部材で、弾性体,アコーディオン状の合成樹脂または金属等でできている。
図41及び42に示す実施例では、電圧を逆に印加すると透明物質92は逆向きに変形するので凹レンズにすることも可能である。
なお、透明物質92に電歪材料、例えば、アクリルエラストマー、シリコンゴム等を用いる場合は、透明物質92を透明基板と電歪材料を貼り合わせた構造にするとよい。
図44は本発明の可変焦点レンズの更に他の実施例に係る、マイクロポンプ51で流体52を出し入れし、レンズ面を変形させる可変焦点レンズ98の概略構成図である。
マイクロポンプ51は、例えば、マイクロマシンの技術で作られた小型のポンプであり、電力で動くように構成されている。流体52は、透明基板99と、弾性体100との間に挟まれている。図44中、101は弾性体100を保護するための透明基板で、設けなくても良い。
マイクロマシンの技術で作られたポンプの例としては、熱変形を利用したもの、圧電材料を用いたもの、静電気力を用いたものなどがある。
そして、図29に示したようなマイクロポンプ55を、例えば、図44に示した可変焦点レンズに用いるマイクロポンプ51のように、2つ用いるようにしてもよい。
なお、静電気力、圧電効果を用いた可変焦点レンズ等においては、駆動用に高電圧が必要になる場合がある。その場合には、昇圧用のトランス、或いは圧電トランス等を用いて制御系を構成するとよい。
特に積層型圧電トランスを用いると小型にできてよい。
図45は本発明にかかる光学特性可変光学素子の他の実施例であって、圧電材料102を用いた可変焦点レンズ103の概略構成図である。
圧電材料102には、透明物質92と同様の材料が用いられており、圧電材料102は、透明で柔らかい基板104の上に設けられている。なお、この基板104には、合成樹脂や有機材料を用いるのが望ましい。
本実施例においては、2つの透明電極64,65を介して電圧を圧電材料102に加えることで圧電材料102は変形し、図45において凸レンズとしての作用を持っている。
なお、基板104の形をあらかじめ凸状に形成しておき、且つ、2つの透明電極64,65のうち、少なくとも一方の電極の大きさを基板104と異ならせておく、例えば、一方の透明電極65を基板104よりも小さくしておくと、電圧を切ったときに、図46に示すように、2つの透明電極64,65が対向する所定部分だけが凹状に変形して凹レンズの作用を持つようになり、可変焦点レンズとして動作する。
このとき基板104は、流体52の体積が変化しないように変形するので、液溜54(図28参照)が不要になるというメリットがある。
本実施例では、流体52を保持する基板の一部分を圧電材料で変形させて、液溜54を不要としたところに大きなメリットがある。
なお、図44の実施例にも言えることであるが、透明基板64,65はレンズとして構成しても、或いは平面で構成しても良い。
図47は、本発明にかかる光学特性可変光学素子の更に他の実施例であって、圧電材料からなる2枚の薄板102A,102Bを用いた可変焦点レンズの概略構成図である。
本実施例の可変焦点レンズは、薄板102Aと102Bの材料の方向性を反転させることで、変形量を大きくし、大きな可変焦点範囲が得られるというメリットがある。
なお、図47中、105はレンズ形状の透明基板である。
本実施例においても、本発明の他の実施例と同様に、右側の透明電極65は基板104よりも小さく形成されている。
なお、図45〜図47の実施例において、基板104、薄板102,102A,102Bの厚さを不均一にして、電圧を掛けたときの変形のさせかたをコントロールするようにしてもよい。
このようにすれば、レンズの収差補正等もすることができ、便利である。
図48は本発明にかかる可変焦点レンズの更に他の実施例を示す概略構成図である。
本実施例の可変焦点レンズ106は、例えばシリコンゴムやアクリルエラストマー等の電歪材料107を用いて構成されている。
本実施例の構成によれば、電圧が低いときには、図46に示すように、凸レンズとして作用し、電圧を上げると、図47に示すように、電歪材料107が上下方向に伸びて左右方向に縮むので、焦点距離が伸びる。従って、可変焦点レンズとして動作する。
本実施例の可変焦点レンズ106によれば、大電源を必要としないので消費電力が小さくて済むというメリットがある。
以上述べた図41〜図49の可変焦点レンズに共通して言えるのは、レンズとして作用する媒質の形状が変化することで、可変焦点を実現していることである。屈折率が変化する可変焦点レンズに比べて、焦点距離変化の範囲が自由に選べ、大きさが自由に選べる等のメリットがある。
図50は、本発明にかかる光学特性可変光学素子の更に他の実施例であって、フォトメカニカル効果を用いた可変焦点レンズの概略構成図である。
本実施例の可変焦点レンズ108は、透明弾性体109,110でアゾベンゼン111を挟むことにより構成されており、アゾベンゼン111には、透明なスペーサー112を介して、紫外光源113,114から紫外光が夫々照射されるようになっている。
紫外光源113,114は、それぞれ中心波長がλ1,λ2の例えば紫外LED、紫外半導体レーザー等である。
本実施例において、中心波長がλ1の紫外光が図51(a)に示すトランス型のアゾベンゼンに照射されると、アゾベンゼン111は、図51(b)に示すシス型に変化して体積が減少する。このため、可変焦点レンズ108の形状は薄くなり、凸レンズ作用が減少する。
一方、中心波長がλ2の紫外光が図51(b)に示すシス型のアゾベンゼン111に照射されると、アゾベンゼン111はシス型から図51(a)に示すトランス型に変化して、体積が増加する。このため、可変焦点レンズ108の形状は厚くなり、凸レンズ作用が増加する。
このようにして、本実施例の光学素子は可変焦点レンズとして作用する。
また、可変焦点レンズ108では、透明弾性体109,110の空気との境界面で光が全反射するので外部に光がもれず、効率がよい。
図52は、本発明にかかる形状可変ミラーの更に他の実施例を示す概略構成図である。本実施例では、デジタルカメラに用いられるものとして説明する。なお、図中、115は、光学系の変倍或いはズームを行うための操作釦である。
本実施例の形状可変ミラー4は、アクリルエラストマー等の有機材料からなる電歪材料4hと間を隔てて分割電極4dを設け、電歪材料hの上に順に電極4c、変形可能な基板4bを設け、更にその上に入射光を反射するアルミニウム等の金属からなる反射面4aを設けて構成されている。
このように構成すると、分割電極4dを電歪材料4hと一体化した場合に比べて、反射面4aの面形状が滑らかになり、光学的に収差を発生させにくくなるというメリットがある。
なお、変形可能な基板4bと電極4cの配置は逆でも良い。
形状可変ミラー4は、操作釦115を押すことにより反射面4aの形を変形させて、変倍あるいはズーミングを行うことが出来るように演算装置12を介して制御される。
なお、アクリルエラストマー等の有機材料からなる電歪材料のかわりに既に述べたチタン酸バリウム等の圧電材料を用いてもよい。
なお、本願の形状可変ミラーに共通して言えることであるが、反射面4aの変形する部分を反射面に垂直な方向から見た時の形は、軸上光線の入射面の方向に長い形状、例えば楕円、多角形等にするのが良い。何故なら、図27の例のように、形状可変ミラーは斜入射で用いることが多いが、このとき発生する収差を抑えるためには、反射面の形状は回転楕円面,回転放物面,回転双曲面に近い形が良く、そのように形状可変ミラーを変形させるためには、反射面の変形する部分を反射面に垂直な方向から見たときの形を、軸上光線の入射面の方向に長い形状にしておくのが良いからである。
なお、本願発明においては、撮像素子、表示素子、観察光学系の視野枠等を統合して画像素子と呼ぶこととし、また、光学装置は、光学系或いは光学素子を含む装置及びその一部を意味し、撮像装置、観察装置、表示装置、照明装置、信号処理装置等を含むものとする。
撮像装置の例としては、フィルムカメラ、デジタルカメラ、ロボットの眼、レンズ交換式デジタル一眼レフカメラ、テレビカメラ、動画記録装置、電子動画記録装置、カムコーダ、VTRカメラ、電子内視鏡等がある。デジカメ、カード型デジカメ、テレビカメラ、VTRカメラ、動画記録カメラ等は、何れも電子撮像装置の一例である。
観察装置の例としては、顕微鏡、望遠鏡、眼鏡、双眼鏡、ルーペ、ファイバースコープ、ファインダー、ビュファインダー等がある。
表示装置の例としては、液晶ディスプレイ、ビュファインダー、ゲームマシン(ソニー社製プレイステーション)、ビデオプロジェクター、液晶プロジェクター、HMD(頭部装着型画像表示装置)、PDA(携帯情報端末)、携帯電話等が或る。
照明装置の例としては、カメラのストロボ、自動車のヘッドライト、内視鏡光源、顕微鏡光源等がある。
信号処理装置の例としては、携帯電話、パソコン、ゲームマシン、光ディスクの読取・書込装置、光計算機の演算装置等がある。
撮像素子は、例えば、CCD、撮像管、固体撮像素子、写真フィルムとを指す。また、光学特性可変光学素子とは、可変焦点レンズ、可変ミラー、形状可変ミラー、面形状の変化する偏光プリズム、頂角可変プリズム、面形状の変化しない可変ミラー、光偏向作用の変わる可変回折光学素子、つまり可変HOE,可変DOE等を含む。
可変焦点レンズには、焦点距離が変化せずに収差量が変化するような可変レンズも含むものとする。形状可変ミラーについても同様とする。要するに、光学素子で、光の反射、屈折、回折等の光偏向作用が変化し得るものを光学特性可変光学素子と呼ぶ。また、上記説明では、可変ミラーを用いた発明について主に述べたが、可変ミラーを通常のミラーで置き換えてもメリットがある場合には、そのような発明も本願に含まれる。
以上説明したように、本発明の光学装置は、特許請求の範囲に記載された特徴の他に下記のような特徴も備えている。
(1)一つのレンズ群或いは一体化されたレンズ群によって変倍を行う光学系と、形状可変ミラーと、該形状可変ミラーを駆動する駆動回路と、画像素子を備えた光学装置において、距離の分かった所定の物体を設け、その距離に応じた駆動情報を前記形状可変ミラーに加えて、前記物体の像を撮影し、その像のコントラストが実質上最大となる位置に前記画像素子を調整し固定し、ズーム状態を変化させてピント移動を調べ、設計状態でのピント移動との差が実質上最小になるようにレンズ群の移動原点を微調整し、再度距離の分かった所定の物体を撮影し、そのコントラストが実質上最大になるように形状可変ミラーに加わる駆動情報を変化させ、その時の駆動情報を記憶装置に記憶させ、記憶させた値で前記形状可変ミラーを制御することを特徴とする、形状可変ミラーを備えた光学装置の製造方法、または、制御方法、または、該製造方法によって作られた光学装置。
(2)一つのレンズ群或いは一体化されたレンズ群によって変倍を行う光学系と、形状可変ミラーと、該形状可変ミラーを駆動する駆動回路と、画像素子を備えた光学装置において、距離の分かった所定の物体を設け、その距離に応じた駆動情報を前記形状可変ミラーに加えて、前記物体の像を撮影し、その像のコントラストが実質上最大となる位置に前記画像素子を調整し固定し、ズーム状態を変化させてピント移動を調べ、設計状態でのピント移動との差が実質上最小になるようにレンズ群の移動原点を微調整し、再度距離の分かった所定の物体を撮影し、そのコントラストが実質上最大になるように形状可変ミラーを駆動するLUTの中から駆動情報を選択し、その時の駆動情報を記憶装置に記憶させ、記憶させた値で前記形状可変ミラーを制御することを特徴とする、形状可変ミラーを備えた光学装置の製造方法、または、制御方法、または、該製造方法によって作られた光学装置。
(3)一つのレンズ群或いは一体化されたレンズ群によって変倍を行う光学系と、形状可変ミラーと、該形状可変ミラーを駆動する駆動回路と、画像素子を備えた光学装置において、距離の分かった所定の物体を設け、その距離に応じた駆動情報を前記形状可変ミラーに加えて、前記物体の像を撮影し、その像のコントラストが実質上最大となる位置に前記画像素子を調整し固定し、ズーム状態を変化させてピント移動を調べ、設計状態でのピント移動との差が実質上最小になるようにレンズ群の移動原点を微調整するようにしたことを特徴とする、形状可変ミラーを備えた光学装置の製造方法、または、制御方法、または、該製造方法によって作られた光学装置。
(4)一つのレンズ群或いは一体化されたレンズ群によって変倍を行う光学系と、可変焦点レンズと、該可変焦点レンズを駆動する駆動回路と、画像素子を備えた光学装置において、距離の分かった所定の物体を設け、その距離に応じた駆動情報を前記可変焦点レンズに加え、前記物体の像を撮影し、その像のコントラストが実質上最大となるように前記画像素子の位置を調整して固定するようにしたことを特徴とする光学装置の製造方法、または、制御方法、または、該製造方法によって作られた光学装置。
(5)上記(4)に記載の調整を行った後、ズーム状態を変化させてピント移動を調べ、設計状態でのピント移動との差が実質上最小になるようにレンズ群の移動原点を微調整し、再度距離の分かった所定の物体を撮影し、そのコントラストが実質上最大になるように可変焦点レンズに加わる駆動情報を変化させ、その時の駆動情報を記憶装置に記憶させ、記憶させた値で前記可変焦点レンズを制御するようにしたことを特徴とする、光学装置の製造方法、または、制御方法、または、該製造方法によって作られた光学装置。
(6)上記(4)に記載の調整を行った後、ズーム状態を変化させてピント移動を調べ、設計状態でのピント移動との差が実質上最小になるようにレンズ群の移動原点を微調整し、再度距離の分かった所定の物体を撮影し、そのコントラストが実質上最大になるように可変焦点レンズを駆動するLUTの中から駆動情報を選択し、その時の駆動情報を記憶装置に記憶させ、記憶させた値で前記可変焦点レンズを制御するようにしたことを特徴とする、可変焦点レンズを備えた光学装置の製造方法、または、制御方法、または、該製造方法によって作られた光学装置。
(7)上記(4)に記載の調整を行った後、ズーム状態を変化させてピント移動を調べ、設計状態でのピント移動との差が実質上最小になるようにレンズ群の移動原点を微調整するようにしたことを特徴とする、可変焦点レンズを備えた光学装置の製造方法、または、制御方法、または、該製造方法によって作られた光学装置。
(8)一つのレンズ群或いは一体化されたレンズ群によって変倍を行う光学系と、光学特性可変素子と、該光学特性可変素子を駆動する駆動回路と、画像素子を備えた光学装置において、距離の分かった所定の物体を設け、その距離に応じた駆動情報を前記光学特性可変素子に加え、前記物体の像を撮影し、その像のコントラストが実質上最大となるように前記画像素子の位置を調整して固定するようにしたことを特徴とする光学装置の製造方法、または、制御方法、または、該製造方法によって作られた光学装置。
(9)上記(8)に記載の調整を行った後、ズーム状態を変化させてピント移動を調べ、設計状態でのピント移動との差が実質上最小になるようにレンズ群の移動原点を微調整し、再度距離の分かった所定の物体を撮影し、そのコントラストが実質上最大になるように光学特性可変素子に加わる駆動情報を変化させ、その時の駆動情報を記憶装置に記憶させ、記憶させた値で前記光学特性可変素子を制御するようにしたことを特徴とする、光学装置の製造方法、または、制御方法、または、該製造方法によって作られた光学装置。
(10)上記(8)に記載の調整を行った後、ズーム状態を変化させてピント移動を調べ、設計状態でのピント移動との差が実質上最小になるようにレンズ群の移動原点を微調整し、再度距離の分かった所定の物体を撮影し、そのコントラストが実質上最大になるように光学特性可変素子を駆動するLUTの中から駆動情報を選択し、その時の駆動情報を記憶装置に記憶させ、記憶させた値で前記光学特性可変素子を制御するようにしたことを特徴とする、光学特性可変素子を備えた光学装置の製造方法、または、制御方法、または、該製造方法によって作られた光学装置。
(11)上記(8)に記載の調整を行った後、ズーム状態を変化させてピント移動を調べ、設計状態でのピント移動との差が実質上最小になるようにレンズ群の移動原点を微調整するようにしたことを特徴とする、光学特性可変素子を備えた光学装置の製造方法、または、制御方法、または、該製造方法によって作られた光学装置。
(12)形状可変ミラーと、該形状可変ミラーを駆動する駆動回路と、撮像素子と、画像処理手段を備えた光学装置において、前記光学系のFナンバーの増加と共に、より強いエンハンスを掛けたことを特徴とする光学装置。
(13)形状可変ミラーと、該形状可変ミラーを駆動する駆動回路と、撮像素子と、画像処理手段を備えた光学装置において、光学系のズーム状態が広角から望遠になるにつれて、より強いエンハンスを掛けたことを特徴とする光学装置。
(14)形状可変ミラーと、該形状可変ミラーを駆動する駆動回路と、撮像素子と、画像処理手段を備えた光学装置において、物体距離が近距離の場合に、より強いエンハンスを掛けたことを特徴とする光学装置。
(15)形状可変ミラーと、該形状可変ミラーを駆動する駆動回路と、撮像素子と、画像処理手段を備えた光学装置において、形状可変ミラーの形状に対応したエンハンスを掛けたことを特徴とする光学装置。
(16)形状可変ミラーと、該形状可変ミラーを駆動する駆動回路と、撮像素子と、画像処理手段を備えた光学装置において、形状可変ミラーの駆動情報から該形状可変ミラーの形状を推定して、該形状可変ミラーの形状に対応したエンハンスを掛けたことを特徴とする光学装置。
(17)形状可変ミラーと、該形状可変ミラーを駆動する駆動回路と、撮像素子と、画像処理手段を備えた光学装置において、光学系の対称性にあわせて、画像の部分毎に異なるエンハンスを掛けたことを特徴とする光学装置。
(18)移動する光学素子または光学素子群の駆動に、静電気で駆動されるモータを用い、形状可変ミラーとストロボを備えた撮像装置。
(19)移動する光学素子または光学素子群の駆動に、静電気で駆動されるモータを用い、且つ形状可変ミラーまたはストロボを備え、前記モータと、前記形状可変ミラーまたはストロボとが共通の電源を利用するようにしたことを特徴とする撮像装置。
(20)形状可変ミラーと、撮像素子を備えた撮像装置において、シェーディングを画像処理で補正するようにしたことを特徴とする撮像装置。
(21)形状可変ミラーと、撮像素子と、偏心光学系を備えた撮像装置において、シェーディングを画像処理で補正するようにしたことを特徴とする撮像装置。
(22)形状可変ミラーと、偏心した撮像素子または撮像系が偏心した光学素子を備えた撮像装置において、シェーディングを画像処理で補正するようにしたことを特徴とする撮像装置。
(23)形状可変ミラーと、撮像素子と、ズーム光学系を備えた撮像装置において、シェーディングを画像処理で補正するようにしたことを特徴とする撮像装置。
(24)形状可変ミラーと、撮像素子を備えた撮像装置において、像の歪曲収差を画像処理で補正するようにしたことを特徴とする撮像装置。
(25)複数の形状可変ミラーと、撮像素子を備えた撮像装置において、像の歪曲収差を画像処理で補正するようにしたことを特徴とする撮像装置。
(26)複数の形状可変ミラーと、撮像素子を備えたズーム光学系を有する撮像装置において、像の歪曲収差を画像処理で補正するようにしたことを特徴とする撮像装置。
(27)複数の形状可変ミラーと、撮像素子と、自由曲面プリズムを備えたズーム光学系を有する撮像装置において、像の歪曲収差を画像処理で補正するようにしたことを特徴とする撮像装置。
(28)形状可変ミラーと、撮像素子を備えた撮像装置において、接写用のレンズと撮像光学系保護用カバーを、撮像光学系前方に挿脱可能に配置したことを特徴とする撮像装置。
(29)光を反射する反射面と基板から成る変形可能の膜を備えた形状可変ミラーにおいて、前記反射面以外の基板部分を剛性を下げるためにメッシュ状にしたことを特徴とする形状可変ミラー。
(30)光を反射する反射面と基板から成る変形可能の膜を備えた形状可変ミラーにおいて、電極となる変形する基板部分を剛性を下げるためにメッシュ状にしたことを特徴とする形状可変ミラー。
(31)前記電極となる変形する基板部分が金属で出来ていることを特徴とする上記(30)に記載の形状可変ミラー。
(32)前記電極となる変形する基板部分が有機導電体あるいは有機半導体で出来ていることを特徴とする上記(30)に記載の形状可変ミラー。
(33)上記(1)乃至(32)のうちの、(1)〜(3)、(12)〜(32)において、形状可変ミラーを可変ミラーで置き換えたもの。
(34)上記(1)乃至(32)のうちの、(1)〜(3)、(12)〜(32)において、形状可変ミラーをミラーで置き換えたもの。
本発明による光学装置の一実施例の概略構成図である。 図1の実施例の形状可変ミラーに用いる電極の一形態を示す説明図である。 図1の実施例の形状可変ミラーに用いる電極の他の形態を示す説明図である。 図1の実施例に用いるLUT13の一例を示す説明図である。 図1の実施例に用いるLUT13の他の例を示す説明図である。 本発明による光学装置の他の実施例の概略構成図である。 本発明による光学装置の更に他の実施例の概略構成図である。 エンハンスを掛けるためのフィルターと画像のコンボリューションの一例を示す説明図である。 エンハンスを掛けるためのフィルターと画像のコンボリューションの他の例を示す説明図である。 撮像素子をZ軸方向から見た場合の形状を示す図である。 本発明による光学装置の更に他の実施例の概略構成図である。 本発明による光学装置の更に他の実施例の概略構成図である。 撮像素子に入射する光線の角度がズーム状態によって変化することを示す説明図である。 本発明による光学装置の更に他の実施例の概略構成図である。 方眼のチャートを図14に示した撮像装置で撮影した場合の像の歪みを示す説明図である。 形状可変ミラーの他の実施例の概略構成図である。 図16に示した形状可変ミラーの電極の形状を示す説明図である。 形状可変ミラーの更に他の実施例の概略構成図である。 形状可変ミラーの更に他の実施例の概略構成図である。 形状可変ミラーの更に他の実施例の概略構成図である。 形状可変ミラーの更に他の実施例の概略構成図である。 図21の実施例における薄膜コイルの巻密度の状態を示す説明図である。 形状可変ミラーの更に他の実施例の概略構成図である。 図23の実施例におけるコイルの一配置例を示す説明図である。 図23の実施例におけるコイルの他の配置例を示す説明図である。 図21の実施例においてコイルの配置を図25に示したようにした場合に適する永久磁石の配置を示す説明図である。 本発明による光学装置の更に他の実施例の概略構成図である。 形状可変ミラーの更に他の実施例の概略構成図である。 図28に示した実施例に適用可能なマイクロポンプの一例の概略構成図である。 本発明に係る可変焦点レンズの原理的構成を示す図である。 一軸性のネマティック液晶分子の屈折率楕円体を示す図である。 図30に示した高分子分散液晶層に電圧を印加した状態を示す図である。 図30に示した高分子分散液晶層への印加電圧を可変にした場合の一例を示す図である。 本発明による光学装置の更に他の実施例の概略構成図である。 本発明による光学装置の更に他の実施例の概略構成図である。 本発明による光学装置の更に他の実施例の概略構成図である。 図36に示した実施例において液晶層への印加電圧を高くした時の液晶分子の配向状態を示す図である。 本発明に係る可変偏角プリズムの二つの例の構成を示す図である。 図38に示した可変偏角プリズムの使用状態を説明するための図である。 本発明に係る可変焦点ミラーの一例の構成を示す図である。 本発明による光学装置の更に他の実施例の概略構成図である。 図41に示した実施例における可変焦点レンズの変形例を示す図である。 図42の可変焦点レンズが変形した状態を示す図である。 本発明に係る可変焦点レンズの更に他の実施例の概略構成図である。 本発明に係る可変焦点レンズの更に他の実施例の概略構成図である。 図45に示した可変焦点レンズの状態説明図である。 本発明に係る可変焦点レンズの更に他の実施例の概略構成図である。 本発明に係る可変焦点レンズの更に他の実施例の概略構成図である。 図48に示した可変焦点レンズの状態説明図である。 本発明に係る可変焦点レンズの更に他の実施例の概略構成図である。 図50に示した可変焦点レンズに用いるアゾベンゼンの構造を示す説明図で、(a)はトランス型、(b)はシス型を示している。 本発明に係る形状可変ミラーの更に他の実施例の概略構成図である。
符号の説明
1,30 レンズ枠
2 保持枠
3,6,8,20,23,37,61,63 レンズ
4,4A,4B,53 形状可変ミラー
4a,53a 反射面
4b,4g 基板
4c,4d,4f,57,58,29a,29b,30a,38a,38b,38c
電極
4e,4e’ 圧電素子
4e−1,4e−2,4h 電歪材料
5 絞り
7 変倍レンズ
9 撮像素子
10 エンコーダー
11,21 駆動回路
12 演算装置
13 LUT
14 電子回路
15 記憶装置
16 TVモニター
17 温度センサー
18 湿度センサー
19 解像力チャート
22,28 モーター
24,25,41 プリズム
26 ミラー
27 接眼レンズ
29 枠
31 電源
32 ストロボ
33,34,35 駆動用制御回路
36 板ばね
36a スリット
38 絶縁板
39 接写用補助レンズ
39a 平板部分
40 外装壁
42 液晶表示素子
43 振れセンサー
44 可変抵抗器
45 距離センサー
46 永久磁石
47 コイル
49 制御系
50 撮像ユニット
51,55 マイクロポンプ
52 流体
54 液溜
56 振動板
59,60 弁
61,76,90,98,103,106,108 可変焦点レンズ
62a,62b,63a,63b レンズ面
64,65,73,74,84,85,87,88,90,101,104,
105 透明電極
66 高分子分散液晶層
67 スイッチ
68 交流電源
69 可変抵抗器
70 液晶分子
71 高分子セル
72 可変焦点回折光学素子
75 可変焦点眼鏡
79,80 配向膜
81 液晶層
82 液晶分子
83 可変偏角プリズム
86 可変焦点ミラー
89 反射膜
91 透明部材
92 透明物質
93 ゼリー状物質
94 直流電源
95 シリンダー
96 抑止部材
97 変形可能部材
100 弾性体
102,107 圧電材料
102A,102B 薄板
109,110 透明弾性体
111 アゾベンゼン
112 透明スペーサー
113,114 紫外光源
115 操作釦

Claims (14)

  1. 光学特性可変素子と、該光学特性可変素子を駆動する駆動回路と、撮像素子と、画像処理手段を備えた光学装置において、
    光学系のFナンバーの増加と共に、より強いエンハンスを掛けたことを特徴とする光学装置。
  2. 光学特性可変素子と、該光学特性可変素子を駆動する駆動回路と、撮像素子と、画像処理手段を備えた光学装置において、
    光学系のズーム状態が広角から望遠になるにつれて、より強いエンハンスを掛けたことを特徴とする光学装置。
  3. 光学特性可変素子と、該光学特性可変素子を駆動する駆動回路と、撮像素子と、画像処理手段を備えた光学装置において、
    物体距離が近距離の場合に、より強いエンハンスを掛けたことを特徴とする光学装置。
  4. 光学特性可変素子と、該光学特性可変素子を駆動する駆動回路と、撮像素子と、画像処理手段を備えた光学装置において、
    光学特性可変素子の形状に対応したエンハンスを掛けたことを特徴とする光学装置。
  5. 光学特性可変素子と、該光学特性可変素子を駆動する駆動回路と、撮像素子と、画像処理手段を備えた光学装置において、
    光学特性可変素子の駆動情報から該光学特性可変素子の形状を推定して、該光学特性可変素子の形状に対応したエンハンスを掛けたことを特徴とする光学装置。
  6. 光学特性可変素子と、該光学特性可変素子を駆動する駆動回路と、撮像素子と、画像処理手段を備えた光学装置において、
    光学系の対称性にあわせて、画像の部分毎に異なるエンハンスを掛けたことを特徴とする光学装置。
  7. 光学特性可変素子と、撮像素子を備えた撮像装置において、
    シェーディングを画像処理で補正するようにしたことを特徴とする撮像装置。
  8. 光学特性可変素子と、撮像素子と、偏心光学系を備えた撮像装置において、
    シェーディングを画像処理で補正するようにしたことを特徴とする撮像装置。
  9. 光学特性可変素子と、偏心した撮像素子または撮像系が偏心した光学素子を備えた撮像装置において、
    シェーディングを画像処理で補正するようにしたことを特徴とする撮像装置。
  10. 光学特性可変素子と、撮像素子と、ズーム光学系を備えた撮像装置において、
    シェーディングを画像処理で補正するようにしたことを特徴とする撮像装置。
  11. 光学特性可変素子と、撮像素子を備えた撮像装置において、
    像の歪曲収差を画像処理で補正するようにしたことを特徴とする撮像装置。
  12. 複数の光学特性可変素子と、撮像素子を備えた撮像装置において、
    像の歪曲収差を画像処理で補正するようにしたことを特徴とする撮像装置。
  13. 複数の光学特性可変素子と、撮像素子を備えたズーム光学系を有する撮像装置において、
    像の歪曲収差を画像処理で補正するようにしたことを特徴とする撮像装置。
  14. 複数の光学特性可変素子と、撮像素子と、自由曲面プリズムを備えたズーム光学系を有する撮像装置において、
    像の歪曲収差を画像処理で補正するようにしたことを特徴とする撮像装置。
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