WO2024106410A1 - 円すいころ軸受 - Google Patents

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円すいころ軸受(1)は、内外輪(11,12)と、内外輪(11,12)間に介在される複数の円すいころ(15)と、円すいころ(15)を保持する保持器(17)とを備え、保持器(17)が環状に配列された複数個の保持器セグメント(20)を含む。各保持器セグメント(20)は、定められた数の円すいころ(15)を保持するポケットを有する。各保持器セグメント(20)は、軸方向に延びる複数の柱部と、周方向に延びて複数の柱部をそれぞれ連結する一対の連結部とを備える。保持器セグメント(20)の軸方向両端部に、径方向外方に突出し且つ周方向に延びる突起(29)が設けられ、各突起(29)は、外輪軌道面(14)に案内される案内面(29a)を有する。

Description

円すいころ軸受 関連出願
 本出願は、2022年11月17日出願の特願2022-184478の優先権を主張するものであり、その全体を参照により本願の一部をなすものとして引用する。
 本発明は、円すいころ軸受に関し、例えば、風力発電装置の主軸用または産業機械用の特に外径が1mを超える大型の円すいころ軸受に関する。
 円すいころ軸受に用いられるセグメント保持器として、図23に示すような軌道面案内方式のセグメント保持器が提案されている(特許文献1)。このセグメント保持器の案内面50は、図24のようにポケット柱51の先端に設けられている。この案内面50は突起状であり、ころ52が転動する軌道面中央付近に設けられている。
欧州特許第1408248号明細書
 従来のセグメント保持器は、案内面の突起が軌道面の中央付近に設けられているため、円すいころ軸受の運転時に保持器の姿勢が安定しない。
 本発明の目的は、保持器の姿勢を安定化し、振動および騒音を抑制することができる円すいころ軸受を提供することである。
 本発明の円すいころ軸受は、内外輪と、これら内外輪間に介在される複数の円すいころと、これら円すいころを保持する保持器とを備え、この保持器が環状に配列された複数個の保持器セグメントを含む円すいころ軸受であって、
 前記保持器セグメントの軸方向両端部に、径方向外方に突出し且つ周方向に延びる突起が設けられ、前記各突起は、外輪軌道面または外輪内周面に案内される案内面を有する。
 この構成によると、保持器セグメントの軸方向両端部にて、径方向外方に突出し且つ周方向に延びるように設けられた突起の案内面を、外輪軌道面または外輪内周面に案内させる。つまり保持器セグメントの案内面を、外輪軌道面における軸方向中央ではなく外輪の両端側に近接する面で接触させる。これにより、案内面の突起が軌道面の中央付近に設けられている従来保持器よりも保持器の姿勢を安定化し、振動および騒音を抑制することができる。
 前記保持器セグメントは、前記円すいころの転動面側面取り端部から外輪端面までの間に、前記突起の案内面を接触させてもよい。このように突起の案内面を制限することで、保持器が不所望に振れ回ることを抑制し、保持器の姿勢をより確実に安定化することができる。
 前記円すいころの転動面側面取り端部から外輪端面までの長さを、前記円すいころの軸方向長さの3%以上20%以下としてもよい。この場合、保持器の振れ精度を定められた値以下に低減し得る。前記定められた値は、設計等によって任意に定める値であって、例えば、試験およびシミュレーションのいずれか一方または両方等により適切な値を求めて定められる。前記長さが円すいころの軸方向長さの3%未満であると、突起の軸方向長さが制限され突起等に過度の応力が集中するおそれがある。前記長さが円すいころの軸方向長さの20%を超えると、円すいころ軸受の負荷容量等が制限される場合があり円すいころ軸受として汎用性に劣る。
 前記突起の軸方向長さを、前記円すいころの転動面側面取り端部から外輪端面までの長さの30%以上80%以下としてもよい。この場合、円すいころの転動面側面取り端部から外輪端面までの間に突起の案内面を安定して接触させることができる。
 前記突起の案内面はR面であり軸方向と周方向とで異なるR面としてもよい。この場合、外輪軌道面または外輪内周面に接触させるべき突起の案内面を必要量確保することが可能となる。
 前記突起は前記外輪内周面に案内される案内面であり、前記円すいころ軸受の縦断面にて前記案内面を軸受中心軸に対して平行な面としてもよい。
 前記縦断面とは、円すいころ軸受を軸受中心軸を含む平面で切断して見た図である。
 この構成によると、円すいころ軸受の勾配によらず突起の案内面を軸受中心軸に対して平行に一律に加工することができ製造コストの低減を図れる。
 前記保持器セグメントは、軸方向に延びる複数の柱部と、周方向に延びて前記複数の柱部をそれぞれ連結する一対の連結部とを備え、前記複数の柱部と前記一対の連結部とで隣り合う柱部間に前記円すいころを保持するポケットが形成され、前記円すいころを前記保持器セグメントの内径側からポケット内に挿入可能な案内爪が、隣り合う前記柱部の外径側に設けられ、複数個の前記保持器セグメントを連結する連結部材が、前記各保持器セグメントにそれぞれ設けられた係合部に着脱自在に設けられていてもよい。
 この場合、内輪、円すいころおよび保持器を一体化した内輪アッシーの状態で外輪に組む込む際に、内輪アッシーを反転させても、環状に配列された各保持器セグメントが連結部材によって連結されている。このため、各保持器セグメントがばらけることがなく円すいころ軸受の組立てを容易に行うことができる。
 請求の範囲および/または明細書および/または図面に開示された少なくとも2つの構成のどのような組合せも、本発明に含まれる。特に、請求の範囲の各請求項の2つ以上のどのような組合せも、本発明に含まれる。
 本発明は、添付の図面を参考にした以下の好適な実施形態の説明から、より明瞭に理解されるであろう。しかしながら、実施形態および図面は単なる図示および説明のためのものであり、本発明の範囲を定めるために利用されるべきものではない。本発明の範囲は添付の請求の範囲によって定まる。添付図面において、複数の図面における同一の符号は、同一または相当する部分を示す。
本発明の第1の実施形態に係る円すいころ軸受の縦断面図である。 同円すいころ軸受の保持器セグメントに円すいころを挿入した状態を示す断面図である。 同円すいころ軸受の外輪を省略した部分斜視図である。 図1のIVA部の部分拡大図である。 図1のIVB部の部分拡大図である。 本発明の第2の実施形態に係る円すいころ軸受の縦断面図である。 図5のVIA部の部分拡大図である。 図5のVIB部の部分拡大図である。 本発明の第3の実施形態に係る円すいころ軸受の縦断面図である。 同円すいころ軸受に使用する保持器セグメントの斜視図である。 同円すいころ軸受における外輪を外した状態の斜視図である。 同円すいころ軸受における外輪を外した状態の正面図である。 同円すいころ軸受の組立て手順を示す斜視図である。 図11の組立て手順を別角度から見た斜視図である。 内輪の大端面を下にした状態で内輪に円すいころを配置した際における円すいころと内輪の大鍔部との関係を示す模式図である。 同円すいころ軸受の組立て途中の状態を示す斜視図である。 同円すいころ軸受の組立て途中の状態を示す斜視図である。 図15の組立て途中の円すいころ軸受の縦断面図である。 図15の状態から環状治具を外した円すいころ軸受の縦断面図である。 内輪アッシーを反転させて外輪に組込む状態を示す縦断面図である。 内輪アッシーを外輪に組込んだ状態を示す縦断面図である。 内輪軌道面に配置した円すいころの回転状態を示す模式図である。 内輪軌道面に配置した円すいころを回転させたときの内輪の小鍔部の高さと円すいころとの関係を示す模式図である。 本発明の第4の実施形態に係る円すいころ軸受の縦断面図である。 従来のセグメント保持器の斜視図である。 同セグメント保持器の断面図である。
 [第1の実施形態]
 本発明の実施形態に係る円すいころ軸受を図1ないし図4Bと共に説明する。この円すいころ軸受は、例えば、風力発電装置の主軸用または産業機械用の特に外径が1mを超える大型の円すいころ軸受に適用される。
 <円すいころ軸受の概略構成>
 図1のように、円すいころ軸受1は、内外輪11,12と、これら内外輪11,12間に介在される複数の円すいころ15と、これら円すいころ15を保持する保持器17とを備える。内輪11の外周面にテーパ状の軌道面13が設けられ、外輪12の内周面にテーパ状の軌道面(外輪軌道面)14が設けられている。複数の円すいころ15は、軌道面13,14間に転動自在に配置され、各円すいころ15の外周面にテーパ状の転動面が形成されている。保持器17は、複数の円すいころ15を円周方向一定間隔おきに保持する。内輪11の外周面のうち、軌道面13の小径側部分に隣接する部分には小鍔部18が設けられ、軌道面13の大径側部分に隣接する部分には大鍔部19が設けられている。内外輪11,12および円すいころ15は、例えば、軸受鋼またはステンレス鋼等から成る。
 <保持器>
 図2のように、保持器17は、環状に配列された複数個の保持器セグメント20を含む、外輪案内形式の保持器である。各保持器セグメント20を単にセグメント20という場合がある。各保持器セグメント20は、例えば、合成樹脂から成る同一形状であり、同一の金型等により成形される。
 図3のように、各保持器セグメント20は、定められた数の円すいころ15を保持するポケット16を有する。各保持器セグメント20は、軸方向に延びる複数の柱部23と、周方向に延びて複数の柱部23をそれぞれ連結する一対の連結部21,22とを備える。複数の柱部23と一対の連結部21,22とで隣り合う柱部23間に円すいころ15を保持するポケット16が形成される。一対の連結部21,22はそれぞれ円弧形状である。
 図1のように、一対の連結部21,22のうち、円すいころ15の小端面側に配置される一方の連結部21は、他方の連結部22よりも小径側に位置する小径側弧状部21である。他方の連結部22は、小径側弧状部21よりも大径側に位置する大径側弧状部22である。
 図2のように、隣り合う柱部23の外径側には、円すいころ15を保持器セグメント20の内径側からポケット16内に挿入可能な案内爪24が設けられている。案内爪24は、ポケット16に挿入した円すいころ15の外径側への抜け出しを防止する。なお複数個の保持器セグメント20を連結する図示外の連結部材を備えてもよい。
 <保持器姿勢安定手段について>
 図1のように、保持器セグメント20の軸方向両端部には、保持器17の姿勢を安定化する保持器姿勢安定手段である突起29がそれぞれ設けられている。軸方向両端部の突起29は、この例では小径側および大径側弧状部21,22の外周面に設けられている。各突起29は、小径側および大径側弧状部21,22の外周面から径方向外方に突出し且つ周方向に延びる。各突起29は、外輪軌道面14に案内される案内面29aを有する。同図1に示す円すいころ軸受1の縦断面において、案内面29aは、外輪軌道面14に対し所定の径方向すきまを介して対向する略平行な面としている。
 図4Aおよび図4Bのように、保持器セグメント20は、円すいころ15の転動面側面取り端部P1から外輪端面P2までの間に、突起29の案内面29aを接触させる。案内面29aを接触させる転動面側面取り端部P1から外輪端面P2までの長さL1は、円すいころ15の軸方向長さの3%以上20%以下としている。前記長さL1は、図1の縦断面における外輪軌道面14に沿う長さである。図4Aおよび図4Bのように、突起29の軸方向長さL2は、案内面29aを接触させる転動面側面取り端部P1から外輪端面P2までの長さL1の30%以上80%以下としている。突起29の案内面29aはR面であり、同図4Aおよび図4Bで示す軸方向と、図2で示す周方向とで異なるR面としている。例えば、案内面29aのうち、図4Aおよび図4Bで示す軸方向のR面の曲率半径を、図2で示す周方向のR面の曲率半径よりも大きくしている。
 <作用効果>
 以上説明した図1の円すいころ軸受1によると、保持器セグメント20の軸方向両端部にて、径方向外方に突出し且つ周方向に延びるように設けられた突起29の案内面29aを、外輪軌道面14に案内させる。つまり保持器セグメント20の案内面29aを、外輪軌道面14における軸方向中央ではなく外輪12の両端側に近接する面で接触させる。これにより、案内面の突起が軌道面の中央付近に設けられている従来保持器よりも保持器17の姿勢を安定化し、振動および騒音を抑制することができる。
 保持器セグメント20は、図4Aに示す円すいころ15の転動面側面取り端部P1から外輪端面P2までの間に、突起29の案内面29aを接触させる。このように突起29の案内面29aを制限することで、保持器17が不所望に振れ回ることを抑制し、保持器17の姿勢をより確実に安定化することができる。
 円すいころ15の転動面側面取り端部P1から外輪端面P2までの長さL1を、円すいころ15の軸方向長さの3%以上20%以下としている。この場合、保持器17の振れ精度を定められた値以下に低減し得る。前記長さL1が円すいころ15の軸方向長さの3%未満であると、突起29の軸方向長さL2が制限され突起等に過度の応力が集中するおそれがある。長さL1が円すいころ15の軸方向長さの20%を超えると、円すいころ軸受の負荷容量等が制限される場合があり円すいころ軸受として汎用性に劣る。
 突起29の軸方向長さL2を、円すいころ15の転動面側面取り端部P1から外輪端面P2までの長さL1の30%以上80%以下としている。この場合、円すいころ15の転動面側面取り端部P1から外輪端面P2までの間に突起29の案内面29aを安定して接触させることができる。突起29の案内面29aはR面であり軸方向と周方向とで異なるR面としている。この場合、外輪軌道面14に接触させるべき突起29の案内面29aを必要量確保することが可能となる。
 <他の実施形態について>
 以下の説明においては、各実施形態で先行して説明している事項に対応している部分には同一の参照符号を付し、重複する説明を略する。構成の一部のみを説明している場合、構成の他の部分は、特に記載のない限り先行して説明している実施形態と同様とする。同一の構成は同一の作用効果を奏する。各実施形態で具体的に説明している部分の組合せばかりではなく、特に組合せに支障が生じなければ、実施形態同士を部分的に組合せることも可能である。
 [第2の実施形態:軸受中心軸に対し平行な案内面]
 図5のように、保持器セグメント20の各突起29は、外輪内周面に案内される案内面である。前記外輪内周面は、大径側および小径側の円筒面部分14A,14Bを含む。図6Aのように、大径側の円筒面部分14Aは、外輪軌道面14の大径側部分に段差Dsを隔てて繋がる円筒面形状である。図6Bのように、小径側の円筒面部分14Bは、外輪軌道面14の小径側部分に滑らかに繋がる円筒面形状である。これら大径側および小径側の円筒面部分14A,14Bは、例えば、外輪軌道面14と略同様の表面粗さに機械加工される。図5の円すいころ軸受の縦面図において、各突起29の案内面29aを軸受中心軸C1に対して平行な面としている。この構成によると、円すいころ軸受1の勾配によらず突起29の案内面29aを軸受中心軸C1に対して平行に一律に加工することができ製造コストの低減を図れる。その他前述の実施形態と同様の作用効果を奏する。
 [第3の実施形態:連結部材]
 図7のように、本実施形態では、複数個の保持器セグメント20を連結する後述の連結部材25が、各保持器セグメント20にそれぞれ設けられた係合部27に着脱自在に設けられている。
 本実施形態では、図8のように、柱部23を1つのセグメント20に6つ設け、隣り合う柱部23間に円すいころ15(図7)を収納する5つのポケット16を設けている。各ポケット16を形成する隣り合う柱部23の対向面の外径側には、ポケット16に挿入した円すいころ15(図7)の外径側への抜け出しを防止する案内爪24を設けている。
 セグメント20を環状に並べて形成される保持器17(図7)は、外輪案内方式である。柱部23の軸方向両端部つまり軸方向の両端外面には、円弧状の案内突起(突起)29を設けている。案内突起29は、両端の柱部29を含む任意の柱部23のみに設けてもよい。
 セグメント20は、小径側弧状部21と大径側弧状部22の端面部同士が突き合わされた状態で環状に配置される。
 セグメント20の大径側弧状部22の大径側側面の両端側には、突出部26が軸方向に突出するように設けられている。突出部26は、連結部材25を係合する係合部27を有する。図7のように、環状に配置した各セグメント20の大径側に配置される連結部材25が、係合部27に着脱自在に設けられる。図8のように、大径側弧状部22の両端側にある突出部26は、隣接するセグメント20間の突出部26同士の接触を避けるように設けることが好ましい。
 <環状治具について>
 図16に示すように、環状治具31は、内輪11の小径側の端面に当接するリング部31aと、リング部31aの軸方向の端部から外径側に向かって突設されたL字形の係合部31bとを有する。環状に配置した各セグメント20の大径側を連結部材25で連結する際に、リング部31aを内輪11の小径側の端面に当接させた状態で、係合部31bをセグメント20のウィング部28に嵌めるようにしている。
 <連結部材等>
 図9のように、各セグメント20の大径側に巻き回される連結部材25は、ターンバックル等の締結部材30によって結束される。締結部材30がターンバックルで構成される場合、ターンバックルは、雌ねじが形成された胴部を有し、この胴部に締結部材30の端部に設けた雄ねじ部をねじ込むことにより、連結部材25の端部相互を連結することができる。前記胴部の回転により、連結部材25に張力を与えることができ、締め付け方向と逆方向に胴部を回転させることにより、連結部材25の両端の結束を解除し得る。連結部材25の端部相互の連結は、連結部材25の端部に締結部を設けて連結部材25同士を巻き付け、または結束バンドを用いて連結するようにしてもよい。
 連結部材25としては、ワイヤーまたはベルトを使用し得る。連結部材25としてワイヤーを使用する場合、締結部材30としては、着脱可能なフックまたはターンバックルを使用し得る。ターンバックルは、着脱可能であり、締め付け力が緩まず、締め付け力が調整可能であるため、最も好ましい。連結部材25としてベルトを使用する場合、締結部材30としては、着脱可能なバックルを使用すると、締め付け力が緩まないので好ましい。
 図8のセグメント20は、樹脂製または鋼製である。セグメント20を形成する樹脂としては、炭素繊維を配合したポリエーテルエーテルケトンまたはガラス繊維を配合したポリエーテルエーテルケトンを使用し得る。
 <セグメントを使用した円すいころ軸受の組立てについて>
 図7の外輪12に円すいころ等を組込む前に、図9および図10に示すように、内輪11、円すいころ15および保持器17を一体化した内輪アッシーを組立てる。
 内輪アッシーを組立てるには、まず、図11および図12に示すように、内輪11の大端面を下にした状態で、内輪11の軌道面13に円すいころ15を並べる。
 内輪11の大端面を下にした状態で、円すいころ15を軌道面13上に配置していくと、円すいころ15が自重により内輪11から脱落する可能性がある。円すいころ15の内輪11からの脱落を防止するために、内輪11の中心軸から大鍔部19の先端までの距離を、内輪11の中心軸から円すいころ15の重心までの距離よりも大きくしており、大鍔部19の径Jは次式を満足する。
   (J/2)-HCOSI>y1
 すなわち図13に示すように、内輪11の大端面を下にして軌道面13に円すいころ15を配置した状態で、大鍔部19の円すいころ15と接触する側面が内輪11の中心軸C2に対して直交する直線に対する角度をI、大鍔部19の先端の面取り幅をH、内輪11の中心軸C2から円すいころ15の重心CGまでの距離をy1、大鍔部19の径をJとしたとき、上記の式を満たせば、円すいころ15の脱落を防止し得る。図13において、Dは円すいころ15の大端面の径、Gは円すいころ15の小端面の径、Fは円すいころ15の長さ、Eは中心軸から軌道面13の大鍔部19側の端部までの距離を示している。
 円すいころ15を内輪11の軌道面13上に並べた後、図14に示すように、各セグメント20を順次外径側から被せると、各セグメント20の内径側から円すいころ15がポケット16(図11)内に挿入される。
 この後、図15および図16に示すように、環状に配列されたセグメント20の小径側側面に突出するウィング部28に環状治具31を嵌め、大径側側面に突出する突出部26の係合部27に連結部材25を通す。さらにセグメント20の外径側に巻き回した連結部材25の端部相互を締結部材30によって結束する。この締結部材30によって連結部材25を締め付けて、環状に配置した複数のセグメント20を一体化する。
 締結部材30は、大径側弧状部22の大径側の側面両端側に突出する突出部26の間に位置し、両端側の突出部26の間が締結部材30の収容部になっている。
 連結部材25は、周方向に連続する一本でもよいが、周方向に複数に分割され、分割された各連結部材25の端部相互をそれぞれ締結部材30により連結するようにしてもよい。連結部材25を複数の分割する場合、締結部材30は、円周状に等分に配置することが好ましい。
 環状に配置されたセグメント20の外周に連結部材25を巻き回し、連結部材25を締結部材30で締め付けると、環状に配置されたセグメント20の小径側が開こうとする。前記小径側の開きを抑制するために、連結部材25を締め付ける際には、環状に配置されたセグメント20の小径側のウィング部28に環状治具31を嵌めている。
 環状治具31は、図16に示すように、環状に配置されたセグメント20の小径側弧状部21のウィング部28に軸方向から被せられ、内輪アッシーを組立てた後に、中心軸に沿って移動させることによって取外せるようになっている(図17)。
 次に、内輪アッシーの外輪12への組込みは、図18に示すように、内輪アッシーの小径側を下に向けた反転状態にして行う。
 この内輪アッシーを外輪12へ組込む際に、内輪アッシーを、小径側を下に向けた反転状態にしても環状に配置されたセグメント20は外周側が連結部材25によって連結されているので、セグメント20がばらけることはない。
 各セグメント20のポケット16内に挿入された円すいころ15も、ポケット16を形成する柱部23の外径側に設けた案内爪24(図8)によってポケット16から抜け出さない。
 内輪アッシーを組立てる際に使用した環状治具31(図16)は、外輪12へ組込む際には取り除くようにする。
 環状治具31(図16)を取り除いた状態で、内輪アッシーを、小径側を下に向けた反転状態にしても、連結部材25によって連結された各セグメント20は、各セグメント20のポケット16に挿入保持された円すいころ15が、内輪11の軌道面13の軸方向両側に位置する大鍔部19と小鍔部18との間に挟まり、円すいころ15が内輪11の小鍔部18に引っ掛かっているため、各セグメント20の脱落が防止される。
 各セグメント20の脱落を防止する内輪11の小鍔部18の高さは、次の条件を満たしている。
 内輪11の大鍔部19と小鍔部18との間に嵌められた円すいころ15が回転する場合、円すいころ15の大端面が大鍔部19に接していないときは、図20の模式図に示すように、円すいころ15は点Aを中心に回転する。円すいころ15の大端面が大鍔部19に接しているときは、円すいころ15は点Bを中心に回転すると考えられる。
 円すいころ15の大端面が大鍔部19に接し、点Bを中心に回転する場合、図21の模式図に示すように、内輪11の小鍔部18の径Mが十分に大きければ、円すいころ15の小径側の端面が、小鍔部18の側面の点Cに接触する。このため、円すいころ15の回転が抑制され、円すいころ15が内輪11の小鍔部18に引っ掛かる。
 円すいころ15が引っ掛かる小鍔部18の側面の点Cは、円すいころ15が回転したときの円すいころ15の小端面角部の軌跡を描いたスプライン曲線SCと小鍔部18の側面との交点であり、このとき、内輪11の小鍔部18の径Mは、次の条件を満たしている。
 (M/2)-KcosL>y3
 ここで、内輪11の小鍔部18の径をM、内輪11の小鍔部18の点C側の側面が内輪11の中心軸C2に対して直交する直線に対する角度をL、小鍔部18の先端の面取り幅をK、円すいころ15を内輪11の大鍔部19の先端のB点を中心にして回転させた際に、小鍔部18の側面と円すいころ15の小径側の端面とが接触する接触点Cから中心軸C2までの距離をy3としている。
 以上のように、内輪アッシーの小径側が下に向くように反転させて外輪12に組込むことにより、図19に示すように、円すいころ軸受1を組立てることができる。
 円すいころ軸受1の組立てが完了すると、円すいころ軸受1を装置に組込んだ後に、各セグメント20の外周を締め付けている連結部材25を取り外しておくことができる。円すいころ軸受1の組立て完了後は、締結部材30(図9)を緩めて取外しても各セグメント20はばらけることがないからである。
 第3の実施形態では、小径側弧状部21の小径側側面に、小径側に突き出すウィング部28を設け、環状に配置した各セグメント20の大径側を連結部材25で結束する際に、環状に配置した各セグメント20の小径側のウィング部28に環状治具31を嵌めるようにしている。
 [第4の実施形態]
 図22に示す第4の実施形態のように、小径側弧状部21の小径側側面に、小径側係合部32を設け、小径側係合部32に、環状に配置した各セグメントの小径側に巻き回される連結部材33を通す。さらにこの連結部材33の端部相互を図示外の締結部材により着脱可能に結束するようにして、環状治具31を使用しないようにしてもよい。
 樹脂製の保持器セグメントは、金型等により成形されるが、機械加工または3Dプリンタにより成形することも可能である。
 各実施形態の円すいころ軸受は、外径が1m以下の円すいころ軸受に適用することも可能である。各実施形態の円すいころ軸受を風力発電装置または産業機械の用途以外に適用してもよい。
 各実施形態の円すいころ軸受を複列の円すいころ軸受に適用してもよい。
 以上のとおり、図面を参照しながら好適な実施形態を説明したが、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、種々の追加、変更、削除が可能である。したがって、そのようなものも本発明の範囲内に含まれる。
 1…円すいころ軸受
 11…内輪
 12…外輪
 14…外輪軌道面
 14A,14B…大径側および小径側の円筒面部分(外輪内周面)
 15…円すいころ
 16…ポケット
 17…保持器
 20…保持器セグメント
 21,22…連結部
 23…柱部
 24…案内爪
 25…連結部材
 27…係合部
 29…突起
 29a…案内面

Claims (7)

  1.  内外輪と、これら内外輪間に介在される複数の円すいころと、これら円すいころを保持する保持器とを備え、この保持器が環状に配列された複数個の保持器セグメントを含む円すいころ軸受であって、
     前記保持器セグメントの軸方向両端部に、径方向外方に突出し且つ周方向に延びる突起が設けられ、前記各突起は、外輪軌道面または外輪内周面に案内される案内面を有する円すいころ軸受。
  2.  請求項1に記載の円すいころ軸受において、前記保持器セグメントは、前記円すいころの転動面側面取り端部から外輪端面までの間に、前記突起の案内面を接触させる円すいころ軸受。
  3.  請求項2に記載の円すいころ軸受において、前記円すいころの転動面側面取り端部から外輪端面までの長さを、前記円すいころの軸方向長さの3%以上20%以下とした円すいころ軸受。
  4.  請求項2または請求項3に記載の円すいころ軸受において、前記突起の軸方向長さを、前記円すいころの転動面側面取り端部から外輪端面までの長さの30%以上80%以下とした円すいころ軸受。
  5.  請求項1または請求項2に記載の円すいころ軸受において、前記突起の案内面はR面であり軸方向と周方向とで異なるR面とした円すいころ軸受。
  6.  請求項1または請求項2に記載の円すいころ軸受において、前記突起は前記外輪内周面に案内される案内面であり、前記円すいころ軸受の縦断面にて前記案内面を軸受中心軸に対して平行な面とした円すいころ軸受。
  7.  請求項1または請求項2に記載の円すいころ軸受において、前記保持器セグメントは、軸方向に延びる複数の柱部と、周方向に延びて前記複数の柱部をそれぞれ連結する一対の連結部とを備え、前記複数の柱部と前記一対の連結部とで隣り合う柱部間に前記円すいころを保持するポケットが形成され、前記円すいころを前記保持器セグメントの内径側からポケット内に挿入可能な案内爪が、隣り合う前記柱部の外径側に設けられ、複数個の前記保持器セグメントを連結する連結部材が、前記各保持器セグメントにそれぞれ設けられた係合部に着脱自在に設けられている円すいころ軸受。
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