JP2018105411A - 複列円すいころ軸受 - Google Patents

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Abstract

【課題】内輪と外輪とが分離するのを防止するとともに、簡便な工程で組立てることによって、安価な複列円すいころ軸受を提供する。
【解決手段】外輪12の内周に形成された二列の外側軌道面18,18は、互いに同軸で、それぞれ幅方向中央に向かうにしたがって縮径するテーパ面であり、当該外側軌道面18,18の間に、外側軌道面18の小径側端部の内径寸法より大径の溝底22を備えた逃げ溝20が形成されている。保持器16には、小径環状部40から径方向外方に延在する係止部46が形成されており、係止部46の径方向外方の端部が逃げ溝20にはめ込まれている。
【選択図】図1

Description

本発明は、複列円すいころ軸受の分離防止に関する。
トラックのリアアクスルや鉄鋼用の圧延ロールを支持する転がり軸受では、大きなスラスト荷重を支持するために、図5に示すように、単列の円すいころ軸受を互いに逆向きに組み合わせてユニットにした形式の複列円すいころ軸受100が使用されている(特許文献1参照)。
当該複列円すいころ軸受100では、内周に二列の軌道面を有する外輪102と、外周にそれぞれ一列の軌道面を有する二つの内輪104とを備えている。二つの内輪104は、それぞれ軸方向の両側から組み付けられているが、何らの処置もしない場合には、容易に外輪102から分離してしまう。この場合には、リアアクスルなどに組付けるときに、内輪104と外輪102を同時に保持しながら組付けなければならず、組付け作業が煩雑になるという不都合を生じる。
このため、特許文献1の複列円すいころ軸受100では、二つの内輪104にまたがって,リング106が組み付けられている。リング106は、軸方向断面がコの字状であり、全体としては円周上の1カ所が切断されたC形形状である。二つの内輪104を軸方向に組み合わせた後、内輪104の内周に設けた溝にリング106が嵌め合わされて、二つの内輪104が互いに連結されることによって、内輪104と外輪102とが分離するのを防止している。
特開2016−109162号公報
しかし、特許文献1に記載された構造では、複列円すいころ軸受100の分離を防止するために、外輪102及び内輪104とは別の部材であるリング106を必要とする。このため、部品点数が増加するので、複列円すいころ軸受100のコストが上昇する。また、内輪104には、リング106を挿入するための溝を加工する必要がある。更に、リング106を組付けるための工数が必要となる。このため、コストが更に上昇するという問題がある。
そこで、本発明は、内輪と外輪とが分離するのを防止した複列円すいころ軸受であって、簡便な工程で組立てることによって、安価な複列円すいころ軸受を提供することを目的としている。
本発明は、内周に二列の外側軌道面を有する外輪と、外周に一列の内側軌道面を有し互いに軸方向の逆向きに組み合わされた二つの内輪と、前記外側軌道面と前記内側軌道面との間に転動自在に配置された複数の円すいころと、前記円すいころの小端側に配置された小径環状部と前記円すいころの大端側に配置された大径環状部とこれら二つの環状部を略軸方向に連結する複数の柱部とを有し前記円すいころを保持する保持器と、を備え、二列の前記外側軌道面は、互いに同軸で、それぞれ前記外輪の軸方向両端から幅方向中央に向かうにしたがって縮径するテーパ面であり、前記外輪の内周には、二列の前記外側軌道面の間に、前記外側軌道面の小径側端部の内径寸法より大径の溝底を備えた逃げ溝が形成されており、前記保持器には、前記小径環状部から径方向外方に延在する係止部が形成されており、前記係止部の径方向外方の端部が前記逃げ溝にはめ込まれている。
本発明によると、簡便な工程で組立てることができるので、内輪と外輪とが分離するのを防止できるとともに、安価な複列円すいころ軸受を提供することができる。
本発明の第1実施形態の軸方向断面図である。 第1実施形態の軸方向断面の要部拡大図である。 複列円すいころ軸受の組立工程を説明する説明図である。 図4(a)は、第2実施形態の保持器の正面図であり、図4(b)は、軸方向断面図である。 従来の複列円すいころ軸受の軸方向断面図である。
本発明の一実施形態を図を用いて詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態(第1実施形態)にかかる複列円すいころ軸受10の軸方向断面図である。図2は、複列円すいころ軸受10の軸方向断面の要部拡大図である。
複列円すいころ軸受10では、環状の外輪12と、二つの環状の内輪14とが同軸に組み合わされている。以下の説明では、外輪12及び内輪14の軸線mの方向を軸方向、軸線mに直交する方向を径方向、軸線mの周りを周回する方向を周方向という。
外輪12は、軸受鋼などの高炭素鋼で製作されており、焼入れ硬化処理をしたあと研削加工が施されている。外周は、軸方向に形成された円筒面であり、内周に二列の外側軌道面18,18を有する。各外側軌道面18は、それぞれ外輪12の軸方向両端から幅方向中央に向かうにしたがって縮径するテーパ面である。二つの外側軌道面18の間には、逃げ溝20が形成されている。逃げ溝20は、軸方向に形成された円筒面22(溝底)と、円筒面22の軸方向両端に径方向に形成された側面24,24とで画定される(図2参照)。側面24は、円筒面22と外側軌道面18とをつないでいる。円筒面22の内径寸法Dは、外側軌道面18の小径側端部の内径寸法d1より大きい。すなわち、D>d1である。
二つの内輪14は、互いに同一の形状であって、軸方向に互いに逆向きに組み合わされている。各内輪14は、それぞれ、軸受鋼などの高炭素鋼で製作されており、焼入れ硬化処理をしたあと研削加工が施されている。内周は、軸方向に形成された円筒面であり、外周に一列の内側軌道面26を有する。内側軌道面26は、軸方向に傾斜したテーパ面である。内側軌道面26の小径側の軸方向端部に小つば28が形成され、大径側の軸方向端部に大つば30が形成されている。大つば30は、後述する円すいころ32を軸方向に支持している。小つば28と大つば30の外周は、それぞれ軸方向に形成された円筒面である。
円すいころ32は、円錐台の形状であって、転動面34は、軸線nに対して傾斜したテーパ面である。円すいころ32は、外側軌道面18と内側軌道面26との間に転動自在に組み込まれている。円すいころ32の両端には、それぞれ軸線nに直交する向きに、小端面36と大端面38が形成されている。円すいころ32は、軸受鋼などの高炭素鋼で製作されており、焼入れ硬化処理をしたあと、転動面34及び大端面38に研削加工が施されている。
保持器16は、樹脂製で、環状のかご形保持器である。樹脂材料としては、ガラス繊維で強化されたポリアミド樹脂が好適に使用されるが、その他、 や などを使用することができる。保持器16は、これらの樹脂材料を高温で射出成型することによって製造される。また、SPCCなどの炭素鋼板を使用してもよい。
保持器16は、互いに直径寸法が異なる二つの環状部が、略軸方向に延在する複数の柱部44で互いに連結されている。柱部44は、周方向に等間隔に配置されている。小径の環状部(小径環状部40)と大径の環状部(大径環状部42)、及び、周方向に隣り合う2本の柱部44とで囲まれた空間をポケットという。こうして、保持器16には、周方向に複数のポケットが形成されており、各ポケットには、円すいころ32が一つずつ挿入される。
小径環状部40には、係止部46が一体に形成されている。係止部46は、小径環状部40のポケットから離れた側の端部から、全周にわたって径方向外方に延在している。係止部46の外径寸法d0は、外側軌道面18の小径側の内径寸法d1より大きく、かつ、円筒面22の内径寸法Dより小さい。すなわち、d1<d0<Dである(図2参照)。
係止部46の外周面46bは、外側軌道面18と同じ向きに傾斜している。これによって、後述する内輪組立体Aを外輪12に組付ける工程において、係止部46が外側軌道面18に沿って滑りやすくすることができる。
次に、複列円すいころ軸受10の組立方法について説明する。図3は、複列円すいころ軸受10の組立工程を説明する説明図であって、組立工程のうち、内輪組立体Aを外輪12に組付ける工程を示している。
内輪組立体Aでは、内側軌道面26に沿って周方向に複数の円すいころ32が配置されている。円すいころ32は、保持器16の柱部44によって径方向に保持されるとともに、小つば28及び大つば30によって軸方向に保持されている。こうして、内輪14、円すいころ32及び保持器16が、一体となって組み立てられている。このとき、保持器16は、係止部46が、軸方向の小つば28の側となる向きに組み込まれている。
複列円すいころ軸受10の組立工程では、図3に示すように、内輪組立体Aが、矢印Xの向きに外輪12と同軸に組付けられる。この時、内輪14が軸方向に付勢されている。
係止部46の外径寸法d0が、外側軌道面18の小径側の内径寸法d1より大きいので、係止部46が外側軌道面18と接触する。内輪組立体Aを組付けるときには、円すいころ32の大端面38と大つば30のつば面30aとが接触するとともに、円すいころ32の小端面36が、保持器16の小径環状部40と接触している。こうして、内輪14が、更に軸方向に押し込まれるときには、保持器16が、円すいころ32を介して矢印Xの向きに軸方向に付勢されている。
外側軌道面18は、開口部から矢印Xの向きに進むにしたがって内径寸法が小さくなる向きに傾斜している。このため、内輪14を軸方向に付勢したときには、係止部46には、外側軌道面18から径方向内向きの力が作用する。保持器16が樹脂材料で成形されているので、係止部46は、容易に変位することができる。こうして、係止部46が径方向内方に変位して、外径寸法d0が小さくなる。
第1実施形態では、小径環状部40のポケット側の側面40a(図2参照)と係止部46のポケット側の側面46aとの軸方向の寸法L1が、小径環状部40の側面40aと逃げ溝20の側面24との軸方向の寸法L2より大きく設定されている。このため、円すいころ32が外側軌道面18と接触するより前に、係止部46が、外側軌道面18と側面24とがつながる点P(図3参照)を通過する。
再び、図2を参照する。係止部46が、点Pを通過したときには、外側軌道面18から係止部46に作用する径方向の力が解放される。このとき、保持器16は、保持器16自体の弾性によって元の形状に復元する。このため、係止部46の位置が径方向外方に変位し、逃げ溝20にはめ込まれる。自由状態における係止部46の外径寸法d0は、円筒面22の内径寸法Dより小さいので、係止部46と円筒面22とが接触することがない。
その後、円すいころ32が外側軌道面18と接触するまで、内輪組立体Aが軸方向に更に押し込まれる。このため、内輪組立体Aが外輪12に組付けられた時には、係止部46は、逃げ溝20の側面24から、軸方向に所定寸法離れた位置に組み込まれる。こうして、逃げ溝20にはめ込まれた係止部46は、外輪12と接触することがない。
次に、組立が完了した後、内輪組立体Aに、外輪12から分離する向きの力が作用したときの効果について、図2を参照しつつ説明する。
係止部46のポケット側の側面46a、及び、逃げ溝20の側面24は、いずれも径方向に形成されている。このため、係止部46と逃げ溝20とが接触する接触面には軸方向の圧接力が作用するのみであり、係止部46を径方向に変位させる向きの力が生じない。したがって、係止部46が径方向に変位しないので、係止部46が外側軌道面18の小径側の点Pを乗り越えることがない。したがって、外輪12と内輪組立体Aとが分離するのを防止できる。
こうして、第1実施形態では、内輪14を押し込むだけで、係止部46を逃げ溝20にはめ込むことができるので、簡便な組立工程で内輪組立体Aが外輪12から分離するのを防止することができる。
次に、他方の内輪組立体Bが、内輪組立体Aとは軸方向の反対側から、外輪12に同軸に組付けられる。内輪組立体Bの組立工程は、内輪組立体Aの組立工程と同様であるため説明を省略するが、内輪組立体Bにおいても、内輪組立体Aと同様に簡便な組立工程でありながら、組み付けた後では、外輪12から分離するのを防止することができる。
以上説明したように、第1実施形態の複列円すいころ軸受10では、内輪組立体A,Bに、外輪12から分離しようとする向きの力が作用した場合であっても、保持器16の係止部46が逃げ溝20に係止されているので、内輪組立体A,Bが外輪12から分離することがない。また、複列円すいころ軸受10は、外輪12の軸方向両側から内輪14を押し込むだけで組み立てが完了するので、簡便な工程で組立てることができて、組立効率を高くすることができる。これにより、内輪14と外輪12とが分離するのを防止できるとともに、安価な複列円すいころ軸受10を提供することができる。
なお、軸方向の寸法L1が、軸方向の寸法L2と比較して同等もしくはわずかに小さく設定されている場合(すなわち、L1≦L2である)には、円すいころ32が外側軌道面18と接触した後、保持器16を軸方向に付勢することによって、内輪組立体A,Bを組付けることができる。
この場合には、内輪組立体A,Bが外輪12に組み込まれて、円すいころ32が外側軌道面18と接触した状態で、係止部46と外側軌道面18とが依然として接触している。しかし、保持器16のポケットの軸方向の寸法L8(図3参照)は、円すいころ32の軸線方向の寸法L7よりわずかに大きいので、円すいころ32の大端面38と保持器16の大径環状部42との間にすきまsを有している。このため、保持器16を軸方向に付勢することによって、このすきまsの分だけ保持器16が矢印Xの向きに変位する。こうして、係止部46が、外側軌道面18の点Pを通過して、逃げ溝20にはめ込まれる。
こうして、係止部46が逃げ溝20にはめ込まれたときには、内輪組立体A,Bに、外輪12から分離する向きに力が作用しても、係止部46が外側軌道面18の小径側端部の点Pを越えないので、内輪組立体A,Bが、外輪12から分離することがない。こうして、軸方向の寸法L1が、軸方向の寸法L2と比較して同等もしくは小さく設定されている場合であっても、簡便な工程で組立てることができて、組立効率を高くすることができる。これにより、内輪14と外輪12とが分離するのを防止できるとともに、安価な複列円すいころ軸受10を提供することができる。
本発明の第2実施形態について説明する。図4(a)は、第2実施形態の保持器52の正面図であり、図4(b)は、Z−Zにおける軸方向断面図である。第2実施形態の複列円すいころ軸受(図示を省略)は、第1実施形態の複列円すいころ軸受10と比較して、保持器16の形態が異なっている。その他の形態は、互いに同一であるので、共通する構成については第1実施形態と同一の番号を付して説明する。
第2実施形態の複列円すいころ軸受に組込まれた保持器52は、樹脂製で、環状のかご形保持器である。保持器52は、小径の環状部(小径環状部54)と大径の環状部(大径環状部56)とが複数の柱部44で互いに連結されており、高温で射出成型することによって製造される。樹脂材料は、第1実施形態の保持器52と同様であり、ガラス繊維で強化されたポリアミド樹脂が好適に使用される。
小径環状部54には、円周方向の複数個所に凸部60が形成されている。凸部60は、小径環状部54と一体に形成されており、小径環状部54のポケットから離れた側の端部から径方向外方に延在している。凸部60の外径寸法d3は、外側軌道面18の小径側の内径寸法d1より大きく、かつ、円筒面22の内径寸法Dより小さい(図2参照)。すなわち、d1<d3<Dである。第2実施形態の保持器52では、これらの複数の凸部60によって、外輪12の逃げ溝20と係合する係止部が形成されている。
第2実施形態の複列円すいころ軸受の組立方法は、第1実施形態と同様であり、図3に示すように、一方の内輪組立体Aが、矢印Xの向きに外輪12と同軸に組付けられる。
内輪14を軸方向に押し込むことによって、保持器52が、円すいころ32を介して軸方向に付勢されている。内輪組立体Aを組付けるときには、凸部60の外径寸法d3が、外側軌道面18の小径側の内径寸法d1より大きいので、凸部60と外側軌道面18とが接触する。
第1実施形態では、係止部46が全周にわたって外側軌道面18と接触していたのに対して、第2実施形態では、凸部60の外周のみが外側軌道面18と接触している。このため、外側軌道面18から保持器52に作用する径方向の力は、凸部60にしか作用しない。このため、第1実施形態では、小径環状部40が全周にわたって径方向に変位するのに対して、第2実施形態では、小径環状部54の凸部60が形成されている部分が径方向に変位するに過ぎない。このとき、凸部60と凸部60の間の小径環状部54が径方向外方に変位して応力を緩和できるので、第2実施形態の保持器52では、凸部60が径方向に容易に変位する。このため、凸部60の外径寸法d3を容易に小さくすることができるので、内輪14を、軸方向に容易に押し込むことができる。
こうして、内輪14が軸方向に押し込まれて、凸部60が外側軌道面18の点Pを通過したときには、外側軌道面18から凸部60に作用する径方向の力が解放される。このとき、保持器52は、その弾性によって元の形状に復元する。このため、凸部60の位置が径方向外方に変位し、凸部60の径方向外方の端部が、逃げ溝20にはめ込まれる。自由状態における凸部60の外径寸法d0は、円筒面22の内径寸法Dより小さいので、凸部60と円筒面22とが接触することがない。
第2実施形態においても、小径環状部54のポケット側の側面54aと凸部60のポケット側の側面60aとの軸方向の寸法L4が、小径環状部54の側面54aと逃げ溝20の側面24(図2参照)との軸方向の寸法L2より大きく設定されている。このため、逃げ溝20にはめ込まれた凸部60が、外輪12と接触することがない。
その後、内輪組立体Bが外輪12の他方の開口端から同軸に組付けられる。
組立が完了した後、内輪組立体A,Bに、外輪12から分離する向きの力が作用したときの凸部60の効果は、第1実施形態と同様である。
凸部60の外径寸法d3が、外側軌道面18の小径側の内径寸法d1より大きいので、上記の力が作用したときには、凸部60と逃げ溝20とが接触する。凸部60のポケット側の側面60a、及び、逃げ溝20の側面24は、いずれも径方向に形成されている。このため、凸部60と逃げ溝20とが接触する接触面には軸方向の力が作用するのみであり、凸部60を径方向に変位させる向きの力が生じない。したがって、凸部60が径方向に変位しないので、凸部60が外側軌道面18の小径側の点Pを乗り越えることがなく、外輪12と内輪組立体A,Bとが分離するのを防止できる。
以上の説明によって理解できるように、第2実施形態では、凸部60の外径寸法d3が、外側軌道面18の小径側の内径寸法d1より大きく、少なくとも凸部60の径方向外方の端部が逃げ溝20にはめ込まれていればよい。周方向の凸部60と凸部60の間では、小径環状部54の外径寸法は、凸部60の外径寸法d3より小径であって、内輪組立体A,Bを組付けるときに、外側軌道面18と非接触であればよい。
なお、第2実施形態では、凸部60が周方向の3箇所に形成されているが、これに限定されない。例えば、径方向で対向する2カ所に形成されていてもよいし、4箇所以上に形成されていてもよい。また、内輪組立体A,Bに軸方向に力が作用したときに、小径環状部54に対する荷重が全周にわたって均等となるように、凸部60を周方向に等配に設置することが望ましい。
以上説明したように、第2実施形態の複列円すいころ軸受では、内輪組立体A,Bに、外輪12から分離しようとする向きの力が作用した場合であっても、保持器52の凸部60(係止部)が逃げ溝20に係止されているので、内輪組立体A,Bが外輪12から分離することがない。また、第2実施形態の複列円すいころ軸受は、外輪12の軸方向両側から内輪14を容易に押し込むことができるので、更に簡便な工程で組立てることができて、組立効率を更に高くすることができる。これにより、内輪14と外輪12とが分離するのを防止できるとともに、更に安価な複列円すいころ軸受10を提供することができる。
なお、第2実施形態では、凸部60が、小径環状部54のポケットから離れた側の端部から径方向外方に延在した凸部60で構成されているが、この形態に限定されない。例えば、図示を省略するが、ポケットから離れる向きに軸方向に突出した爪部を形成し、その端部を径方向外方に延在して、係止部が構成されていてもよい。この形態とすることによって、内輪組立体A,Bを外輪12に組付けるときに、爪部が更に容易に径方向内方に変位することができる。
(第1実施形態)10:複列円すいころ軸受、12:外輪、14:内輪、16:保持器、18:外側軌道面、20:逃げ溝、22:円筒面、24:側面、26:内側軌道面、28:小つば、30:大つば、32:円すいころ、34:転動面、36:小端面、38:大端面、40:小径環状部、42:大径環状部、44:柱部、46:係止部、
(第2実施形態)50:複列円すいころ軸受、52:保持器、54:小径環状部、56:大径環状部、60:凸部、
(従来技術)100:複列円すいころ軸受、102:外輪、104:内輪、106:リング

Claims (3)

  1. 内周に二列の外側軌道面を有する外輪と、
    外周に一列の内側軌道面を有し互いに軸方向の逆向きに組み合わされた二つの内輪と、
    前記外側軌道面と前記内側軌道面との間に転動自在に配置された複数の円すいころと、
    前記円すいころの小端側に配置された小径環状部と前記円すいころの大端側に配置された大径環状部とこれら二つの環状部を略軸方向に連結する複数の柱部とを有し前記円すいころを保持する保持器と、を備え、
    二列の前記外側軌道面は、互いに同軸で、それぞれ前記外輪の軸方向両端から幅方向中央に向かうにしたがって縮径するテーパ面であり、
    前記外輪の内周には、二列の前記外側軌道面の間に、前記外側軌道面の小径側端部の内径寸法より大径の溝底を備えた逃げ溝が形成されており、
    前記保持器には、前記小径環状部から径方向外方に延在する係止部が形成されており、前記係止部の径方向外方の端部が前記逃げ溝にはめ込まれている複列円すいころ軸受。
  2. 前記係止部は、小径側の前記小径環状部の周方向の複数個所から径方向外方に延在する凸部を有し、少なくとも前記凸部の径方向外方の端部が前記逃げ溝にはめ込まれている請求項1に記載する複列円すいころ軸受。
  3. 前記保持器が樹脂製であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載する複列円すいころ軸受。
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