JP3203075U - 複列転がり軸受 - Google Patents

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Abstract

【課題】内輪間座及び外輪間座が脱落することを防止して、運搬性や取り付けの簡便性を高めることが可能な、複列転がり軸受を提供する【解決手段】複列転がり軸受1は、単列の円錐ころ軸受10を内輪間座20及び外輪間座30を介して二列背面組合せてなり、一対の内輪40,40及び内輪間座20は、内輪連結部材80のフランジ部82が互いに隣接する内輪間座20及び内輪40の内側環状溝22,45に嵌合することによって一体に連結されている。【選択図】図1

Description

本考案は、複列転がり軸受に関し、より詳細には、単列転がり軸受を内輪間座及び外輪間座を介して二列組み合わせてなる複列転がり軸受に関する。
従来、複列転がり軸受としては、図7に示すように、隣接する一対の単列転がり軸受101を組合せてなる複列転がり軸受100が知られている(例えば、特許文献1参照。)。当該複列転がり軸受100は、内輪102の外径面の軸方向両側端部に環状溝103を設け、単列転がり軸受101が互いに隣接する側の環状溝103に、合成樹脂製の連結環104に設けた2つの係合部105をそれぞれ係合させ、一対の単列転がり軸受101を一体に連結した複列転がり軸受100が知られている。
また、一般に複列転がり軸受においては、軸受の組立幅、スキマ、予圧を調整するため、隣接する一対の単列転がり軸受の間に間座を介在させている。例えば、図8に示すように、特許文献2に記載の圧延機用複列円すいころ軸受装置200では、第1,第2外輪部材203,204の対向する背面203d,204d間に、締結部材としての間座213が介装されている。間座213は外周部215が大径の断面T形とされ、当該外周部215が上記第1および第2外輪部材203,204の背面203d,204d外周部に形成した各段部216,217に嵌合させられている。また、図9に示すように、間座213は、円周上で二分割された間座片213a,213bを、ボルト219にて一体とされることによって構成されている。この間座213の一体化によって、第1および第2外輪部材203,204が軸方向に連結され、複列円すい軌道207,208を有する外輪202を構成している。
また、図10に示すように、特許文献3に記載の走行減速機スプロケット用軸受機構300においては、軸方向に背面合わせで配列された複列の円錐ころ軸受301の2つの外輪302は、その間に一点鎖線で区分した間座302aと一体に形成され、2つの内輪303の間には別体の間座部材303aが設けられている。また、円錐ころ軸受301は、筒部312に螺着されたナット304の締め付けによって、筒部312の基端側の段差312aに押し当てられて固定されている。
特開2001−140868号公報 特開平8−184313号公報 特開2006−234053号公報
ところで、単列転がり軸受を内輪間座及び外輪間座を介して二列組合せてなる複列転がり軸受においては、運搬の利便性や、取り付けの簡便性のため、何れの構成要素も落下しないように一体化して構成することが望まれている。
しかしながら、特許文献2記載の圧延機用複列円すいころ軸受装置200では、第1外輪部材203、第2外輪部材204、及び間座213に複雑な加工を加える必要があるため、簡便性に欠けたものであるとともに、内輪201が複列の軌道面205,206を有する一体型であるため、組幅が広く加工費が高くなってしまう虞があった。
また、特許文献3記載の走行減速機スプロケット用軸受機構300においては、一対の円錐ころ軸受301を、2つの内輪303の間に設けられた間座部材303aを介したナット304の締め付けによって固定されており、走行減速機スプロケット用軸受機構300自体がその構成要素同士によって一体となるように連結されている訳ではない。したがって、ナット304の締結力を解放した場合、内輪303と間座部材303aとが分離して脱落してしまう虞がある。
本考案は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、内輪間座及び外輪間座が脱落することを防止して、運搬性や取り付けの簡便性を高めることが可能な、複列転がり軸受を提供することにある。
本考案の上記目的は、下記の構成により達成される。
(1) 内輪と、外輪と、前記内輪及び前記外輪の間に転動自在に配設された複数の転動体と、を備える単列転がり軸受を、内輪間座及び外輪間座を介して二列背面組合せてなる複列転がり軸受であって、
一対の前記内輪及び前記内輪間座は、一対の内輪連結部材によって一体に連結され、
一対の前記内輪の内周面の前記内輪間座に隣接する側の端部と、前記内輪間座の内周面の軸方向両側端部と、にはそれぞれ内側環状溝が設けられ、
前記内輪連結部材は、円環状に形成された円環部と、該円環部の軸方向両側端部から径方向外側に延出する一対のフランジ部と、を有し、
前記フランジ部が、互いに隣接する前記内輪間座及び前記内輪の前記内側環状溝に、嵌合することによって、一対の前記内輪及び前記内輪間座は一体に連結されることを特徴とする複列転がり軸受。
(2) 一対の前記外輪及び前記外輪間座は、少なくとも一方の前記外輪の外周面の前記外輪間座に隣接する側の端部に設けられた小径段部に、前記外輪間座の軸方向外側端部に設けられた突出部を嵌合することによって一体に連結されることを特徴とする(1)に記載の複列転がり軸受。
(3) 一対の前記外輪及び前記外輪間座は、一対の外輪連結部材によって一体に連結されており、
一対の前記外輪の外周面の前記外輪間座に隣接する側の端部と、前記外輪間座の外周面の軸方向両側端部と、にはそれぞれ外側環状溝が設けられ、
前記外輪連結部材は、円環状に形成された円環部と、該円環部の軸方向両側端部から径方向内側に延出する一対のフランジ部と、を有し、
前記フランジ部が、互いに隣接する前記外輪間座及び前記外輪の前記外側環状溝に、嵌合することによって、一対の前記外輪及び前記外輪間座は一体に連結されることを特徴とする(1)に記載の複列転がり軸受。
(4) 内輪と、外輪と、前記内輪及び前記外輪の間に転動自在に配設された複数の転動体と、を備える単列転がり軸受を、内輪間座及び外輪間座を介して二列正面組合せてなる複列転がり軸受であって、
一対の前記外輪及び前記外輪間座は、一対の外輪連結部材によって一体に連結され、
一対の前記外輪の外周面の前記外輪間座に隣接する側の端部と、前記外輪間座の外周面の軸方向両側端部と、にはそれぞれ外側環状溝が設けられ、
前記外輪連結部材は、円環状に形成された円環部と、該円環部の軸方向両側端部から径方向内側に延出する一対のフランジ部と、を有し、
前記フランジ部が、互いに隣接する前記外輪間座及び前記外輪の前記外側環状溝に、嵌合することによって、一対の前記外輪及び前記外輪間座は一体に連結されることを特徴とする複列転がり軸受。
(5) 一対の前記内輪及び前記内輪間座は、少なくとも一方の前記内輪の内周面の前記内輪間座に隣接する側の端部に設けられた大径段部に、前記内輪間座の軸方向外側端部に設けられた突出部を嵌合することによって一体に連結されることを特徴とする(4)に記載の複列転がり軸受。
(6) 一対の前記内輪及び前記内輪間座は、一対の内輪連結部材によって一体に連結されており、
一対の前記内輪の内周面の前記内輪間座に隣接する側の端部と、前記内輪間座の内周面の軸方向両側端部と、にはそれぞれ内側環状溝が設けられ、
前記内輪連結部材は、円環状に形成された円環部と、該円環部の軸方向両側端部から径方向外側に延出する一対のフランジ部と、を有し、
前記フランジ部が、互いに隣接する前記内輪間座及び前記内輪の前記内側環状溝に、嵌合することによって、一対の前記内輪及び前記内輪間座は一体に連結されることを特徴とする(4)に記載の複列転がり軸受。
本考案の複列転がり軸受によれば、単列転がり軸受を内輪間座及び外輪間座を介して二列背面組合せてなり、一対の内輪及び内輪間座は、一対の内輪連結部材によって一体に連結されている。したがって、内輪間座は、一対の内輪と一体となって脱落が防止されるとともに、外輪間座は、背面組合せされた単列転がり軸受の外輪の間に挟まれるので脱落が防止される。このように、内輪間座及び外輪間座が脱落することがないため、複列転がり軸受の運搬や取り付けが非常に簡便となる。また、本考案の複列転がり軸受は、単列転がり軸受を内輪間座及び外輪間座を介して二列組合せてなるため、外輪一体型又は内輪一体型の複列転がり軸受に比べて、軸受の組立幅、スキマ、予圧を調整することが可能であるとともに、加工コストを抑えることが可能である。
また、本考案の複列転がり軸受によれば、単列転がり軸受を内輪間座及び外輪間座を介して二列正面組合せてなり、一対の外輪及び外輪間座は、一対の外輪連結部材によって一体に連結されている。したがって、外輪間座は、一対の外輪と一体となって脱落が防止されるとともに、内輪間座は、正面組合せされた単列転がり軸受の内輪の間に挟まれるので脱落が防止される。このように、内輪間座及び外輪間座が脱落することがないため、複列転がり軸受の運搬や取り付けが非常に簡便となる。
本考案の第1実施形態に係る複列転がり軸受の一部縦断面図である。 本考案の第2実施形態に係る複列転がり軸受の一部縦断面図である。 本考案の第3実施形態に係る複列転がり軸受の一部縦断面図である。 本考案の第4実施形態に係る複列転がり軸受の一部縦断面図である。 本考案の第5実施形態に係る複列転がり軸受の一部縦断面図である。 本考案の第6実施形態に係る複列転がり軸受の一部縦断面図である。 従来の複列転がり軸受の一部縦断面図である。 従来の圧延機用複列円すいころ軸受装置の一部縦断面図である。 図8における間座のIX−IX断面図である。 従来の走行減速機スプロケット用軸受機構の一部縦断面図である。
以下、本考案に係る複列転がり軸受の各実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1には、本考案の第1実施形態に係る複列転がり軸受1が示されている。複列転がり軸受1は、一対の単列の円錐ころ軸受10,10を、円環状の内輪間座20及び外輪間座30を介して二列背面組み合わせて構成されている。
各円錐ころ軸受10は、外周面に単列の内輪軌道面41を有する内輪40と、内周面に単列の外輪軌道面51を有する外輪50と、内輪軌道面41と外輪軌道面51との間に転動自在に配設される複数の転動体である円錐ころ60と、複数の円錐ころ60を転動自在に保持する保持器70と、を備える。
一対の内輪40,40は、内輪間座20の軸方向両側面21,21に当接して挟むように配置されており、内輪間座20に隣接する側(以後、軸方向中央側と呼ぶ。)の側面42,42の径方向幅は、内輪間座20の軸方向両側面21,21の径方向幅と略同一になるように形成されている。
また、一対の内輪40,40及び内輪間座20は、一対の円環状の内輪連結部材80,80によって一体に連結されている。具体的に説明すると、内輪連結部材80は、軸方向に延びる円環部81と、円環部81の軸方向両側から外周側に延出する一対のフランジ部82,82と、を有している。また、内輪40の内周面の軸方向中央側端部と、内輪間座20の内周面の軸方向両側端部と、にはそれぞれ略同一形状の内側環状溝45,22が、外周側に向かって凹設されている。そして、内輪連結部材80の一対のフランジ部82,82が、内輪40及び内輪間座20の内側環状溝45,22に嵌合することによって、一対の内輪40,40及び内輪間座20は一体に連結される。
また、各内輪40の外周面には、テーパ状の内輪軌道面41が形成され、軸方向中央側端部外周面には小径鍔部43が、軸方向外側端部外周面には大径鍔部44が、それぞれ内輪軌道面41を軸方向両側から挟む状態で形成されている。また、一対の内輪40,40は、内輪軌道面41,41の外径が軸方向中央側に向かうほど小さくなるように小径鍔部43,43同士を対向させた状態で配置されている。
一対の外輪50,50は、外輪間座30を軸方向両側から挟むように配置されており、その内周面に形成されたテーパ状の外輪軌道面51,51の内径が軸方向中央に向かうほど小さくなるように形成されている。このように、複列転がり軸受1は、一対の円錐ころ軸受10,10を、内輪間座20及び外輪間座30を介して背面組合せすることによって構成される。
また、外輪50の外周面の軸方向中央側端部には小径段部52が凹設されている。また、外輪間座30は、一対の外輪50,50間の軸方向幅と略同一の軸方向幅を有する円環状の環状部31と、環状部31の軸方向両側面の外周側端部から軸方向両側に延びる一対の突出部32,32と、を有している。そして、外輪間座30の一対の突出部32,32を、一対の外輪50,50の小径段部52,52にインロー嵌合させることによって、一対の外輪50,50及び外輪間座30は一体に連結される。
以上説明したように、本実施形態の複列転がり軸受1は、単列の円錐ころ軸受10を内輪間座20及び外輪間座30を介して二列背面組合せてなり、一対の内輪40,40及び内輪間座20は、内輪連結部材80の一対のフランジ部82,82が互いに隣接する内輪間座20及び内輪40の内側環状溝22,45に嵌合することによって一体に連結されている。したがって、内輪間座20は、一対の内輪40,40と一体となって脱落が防止されるとともに、外輪間座30は、背面組合せされた単列の転がり軸受10,10の外輪50,50の間に挟まれるので脱落が防止される。このように、内輪間座20及び外輪間座30が脱落することがないため、複列転がり軸受1の運搬や取り付けが非常に簡便となる。また、本考案の複列転がり軸受1は、単列の転がり軸受10を内輪間座20及び外輪間座30を介して二列組合せてなるため、外輪一体型又は内輪一体型の複列転がり軸受に比べて、軸受の組立幅、スキマ、予圧を調整することが可能であるとともに、加工コストを抑えることが可能である。
また、一対の外輪50,50及び外輪間座30は、外輪間座30の一対の突出部32,32を一対の外輪50,50の小径段部52,52に嵌合させることによって一体に連結される。したがって、一対の外輪50,50及び外輪間座30の連結力を増すことが可能となる。
(第2実施形態)
次に、本考案の第2実施形態に係る複列転がり軸受について、図2を参照して説明する。本実施形態の複列転がり軸受1Aは、第1実施形態の複列転がり軸受1と基本的構成を同一とするので、同一又は相当部分には同一符号を付すことによりその説明を省略又は簡略化する。
本実施形態の外輪間座30は、一対の外輪50,50間の軸方向幅と略同一の軸方向幅を有する円環状の環状部31と、環状部31の軸方向両側面の全面から軸方向両側に延びる一対の突出部32,32と、を有しており、断面略矩形状に形成されている。
そして、外輪間座30の一対の突出部32,32を、一対の外輪50,50の小径段部52,52にインロー嵌合させることによって、一対の外輪50,50及び外輪間座30は一体に連結される。
以上説明したような本実施形態の複列転がり軸受1Aによっても、第1実施形態に係る複列転がり軸受1と同様の効果を奏することが可能である。
(第3実施形態)
次に、本考案の第3実施形態に係る複列転がり軸受について、図3を参照して説明する。本実施形態の複列転がり軸受1Bは、第1実施形態の複列転がり軸受1と基本的構成を同一とするので、同一又は相当部分には同一符号を付すことによりその説明を省略又は簡略化する。
本実施形態の外輪間座30は、環状部31の一方の軸方向外側面の外周側端部から軸方向外側に延びる突出部32を有する。そして、外輪間座30は、環状部31の他方の軸方向外側面を外輪50の軸方向中央側面に当接させるとともに、突出部32を外輪50の小径段部52にインロー嵌合させることによって、一対の外輪50,50を連結する。
以上説明したように、本実施形態の複列転がり軸受1Bによれば、外輪間座30の環状部31の軸方向外側面を外輪50の軸方向中央側面に当接させるようにしているため、当該当接部分にてスキマの設定を容易に行うことが可能となる。
(第4実施形態)
次に、本考案の第4実施形態に係る複列転がり軸受について、図4を参照して説明する。本実施形態の複列転がり軸受1Cは、第1実施形態の複列転がり軸受1と基本的構成を同一とするので、同一又は相当部分には同一符号を付すことによりその説明を省略又は簡略化する。
本実施形態の複列転がり軸受1Cにおいて、一対の外輪50,50及び外輪間座30は、一対の円環状の外輪連結部材90,90によって一体に連結されている。より具体的に説明すると、外輪連結部材90は、軸方向に延びる円環部91と、円環部91の軸方向両側から内周側に延出する一対のフランジ部92,92と、を有している。また、外輪50の外周面の軸方向中央側端部と、外輪間座30の外周面の軸方向両側端部と、にはそれぞれ略同一形状の外側環状溝55,33が内周側に向かって凹設されている。そして、外輪連結部材90の一対のフランジ部92,92が、外輪50及び外輪間座30の外側環状溝55,33に嵌合することによって、一対の外輪50,50及び外輪間座30は一体に連結される。
以上説明したように、本実施形態の複列転がり軸受1Cによれば、一対の外輪50,50及び外輪間座30は、一対の円環状の外輪連結部材90,90によって強固に連結されるので、軸受自体の自重が大きいものであっても確実に連結されて、外輪間座30や外輪50の脱落を防止することが可能となる。
(第5実施形態)
次に、本考案の第5実施形態に係る複列転がり軸受について、図5を参照して説明する。本実施形態の複列転がり軸受1Dは、第1実施形態の複列転がり軸受1と基本的構成を同一とするが、一対の単列の円錐ころ軸受10,10を二列正面組み合わせて構成されている点で相違する。したがって、第1実施形態の複列転がり軸受1と同一又は相当部分には同一符号を付すことによりその説明を省略又は簡略化し、相違部分について詳述する。
各内輪40の外周面には、テーパ状の内輪軌道面41が形成され、軸方向中央側端部外周面には大径鍔部44が、軸方向外側端部外周面には小径鍔部43が、それぞれ内輪軌道面41を軸方向両側から挟む状態で形成されている。また、一対の内輪40,40は、内輪軌道面41,41の外径が軸方向中央側に向かうほど大きくなるように大径鍔部44,44同士を対向させた状態で配置されている。
一対の外輪50,50は、外輪間座30を軸方向両側から挟むように配置されており、その内周面に形成されたテーパ状の外輪軌道面51,51の内径が軸方向中央に向かうほど大きくなるように形成されている。このように、複列転がり軸受1は、一対の円錐ころ軸受10,10を、内輪間座20及び外輪間座30を介して正面組合せすることによって構成される。
また、内輪40の内周面の軸方向中央側端部には大径段部46が凹設されている。また、内輪間座20は、一対の内輪40,40間の軸方向幅と略同一の軸方向幅を有する円環状の環状部23と、環状部23の軸方向両側面の内周側端部から軸方向両側に延びる一対の突出部24,24と、を有している。そして、内輪間座20の一対の突出部24,24を、一対の内輪40,40の大径段部46,46にインロー嵌合させることによって、一対の内輪40,40及び内輪間座20は一体に連結される。
また、一対の外輪50,50及び外輪間座30は、一対の円環状の外輪連結部材90,90によって一体に連結されている。これら一対の外輪50,50及び外輪間座30の構成は、第4実施形態の複列転がり軸受1C(図4参照。)におけるそれらの構成と実質的に同様であるので、図面に同様の符号を付すことにより、説明を省略する。
以上説明したように、本実施形態の複列転がり軸受1Dによれば、単列の円錐ころ軸受10を内輪間座20及び外輪間座30を介して二列正面組合せてなり、一対の外輪50,50及び外輪間座30は、一対の外輪連結部材90によって一体に連結されている。したがって、外輪間座30は、一対の外輪50,50と一体となって脱落が防止されるとともに、内輪間座20は、正面組合せされた円錐ころ軸受10,10の内輪40,40の間に挟まれるので脱落が防止される。このように、内輪間座20及び外輪間座30が脱落することがないため、複列転がり軸受の運搬や取り付けが非常に簡便となる。
また、一対の内輪40,40及び内輪間座20は、内輪間座20の一対の突出部24,24を一対の内輪40,40の大径段部46,46に嵌合させることによって一体に連結される。したがって、一対の内輪40,40及び内輪間座20の連結力を増すことが可能となる。
(第6実施形態)
次に、本考案の第6実施形態に係る複列転がり軸受について、図6を参照して説明する。本実施形態の複列転がり軸受1Eは、第5実施形態の複列転がり軸受1Dと基本的構成を同一とするので、同一又は相当部分には同一符号を付すことによりその説明を省略又は簡略化する。
本実施形態の内輪間座20は、環状部23の一方の軸方向外側面の内周側端部から軸方向外側に延びる突出部24を有する。そして、内輪間座20は、環状部23の他方の軸方向外側面を内輪40の軸方向中央側面に当接させるとともに、突出部24を内輪40の大径段部46にインロー嵌合させることによって、一対の外輪50,50を連結する。
以上説明したように、本実施形態の複列転がり軸受1Eによれば、外輪間座30の環状部31の軸方向外側面を外輪50の軸方向中央側面に当接させるようにしているため、当該当接部分にてスキマの設定を容易に行うことが可能となる。
なお、本考案は、前述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良などが可能である。
例えば、複列転がり軸受を構成する一対の単列転がり軸受としては、正面組合せ又は背面組合せ可能である限り、軸受の種類は限定されず、アンギュラ玉軸受等であってもよい。
また、第5,第6実施形態の複列転がり軸受1D,1Eのように、一対の単列の円錐ころ軸受10,10を二列正面組み合わせて構成される複列転がり軸受において、一対の内輪40,40及び内輪間座20を、一対の内輪連結部材80,80(図1〜4参照。)によって一体に連結し、より一層の締結力の向上を図っても良い。
1,1A,1B,1C,1D,1E 複列転がり軸受
10 円錐ころ軸受(単列転がり軸受)
20 内輪間座
21 軸方向両側面
22 内側環状溝
23 環状部
24 突出部
30 外輪間座
31 環状部
32 突出部
33 外側環状溝
40 内輪
41 内輪軌道面
42 軸方向中央側の側面
43 小径鍔部
44 大径鍔部
45 内側環状溝
46 大径段部
50 外輪
51 外輪軌道面
52 小径段部
55 外側環状溝
60 円錐ころ(転動体)
70 保持器
80 内輪連結部材
81 円環部
82 フランジ部
90 外輪連結部材
91 円環部
92 フランジ部

Claims (6)

  1. 内輪と、外輪と、前記内輪及び前記外輪の間に転動自在に配設された複数の転動体と、を備える単列転がり軸受を、内輪間座及び外輪間座を介して二列背面組合せてなる複列転がり軸受であって、
    一対の前記内輪及び前記内輪間座は、一対の内輪連結部材によって一体に連結され、
    一対の前記内輪の内周面の前記内輪間座に隣接する側の端部と、前記内輪間座の内周面の軸方向両側端部と、にはそれぞれ内側環状溝が設けられ、
    前記内輪連結部材は、円環状に形成された円環部と、該円環部の軸方向両側端部から径方向外側に延出する一対のフランジ部と、を有し、
    前記フランジ部が、互いに隣接する前記内輪間座及び前記内輪の前記内側環状溝に、嵌合することによって、一対の前記内輪及び前記内輪間座は一体に連結されることを特徴とする複列転がり軸受。
  2. 一対の前記外輪及び前記外輪間座は、少なくとも一方の前記外輪の外周面の前記外輪間座に隣接する側の端部に設けられた小径段部に、前記外輪間座の軸方向外側端部に設けられた突出部を嵌合することによって一体に連結されることを特徴とする請求項1に記載の複列転がり軸受。
  3. 一対の前記外輪及び前記外輪間座は、一対の外輪連結部材によって一体に連結されており、
    一対の前記外輪の外周面の前記外輪間座に隣接する側の端部と、前記外輪間座の外周面の軸方向両側端部と、にはそれぞれ外側環状溝が設けられ、
    前記外輪連結部材は、円環状に形成された円環部と、該円環部の軸方向両側端部から径方向内側に延出する一対のフランジ部と、を有し、
    前記フランジ部が、互いに隣接する前記外輪間座及び前記外輪の前記外側環状溝に、嵌合することによって、一対の前記外輪及び前記外輪間座は一体に連結されることを特徴とする請求項1に記載の複列転がり軸受。
  4. 内輪と、外輪と、前記内輪及び前記外輪の間に転動自在に配設された複数の転動体と、を備える単列転がり軸受を、内輪間座及び外輪間座を介して二列正面組合せてなる複列転がり軸受であって、
    一対の前記外輪及び前記外輪間座は、一対の外輪連結部材によって一体に連結され、
    一対の前記外輪の外周面の前記外輪間座に隣接する側の端部と、前記外輪間座の外周面の軸方向両側端部と、にはそれぞれ外側環状溝が設けられ、
    前記外輪連結部材は、円環状に形成された円環部と、該円環部の軸方向両側端部から径方向内側に延出する一対のフランジ部と、を有し、
    前記フランジ部が、互いに隣接する前記外輪間座及び前記外輪の前記外側環状溝に、嵌合することによって、一対の前記外輪及び前記外輪間座は一体に連結されることを特徴とする複列転がり軸受。
  5. 一対の前記内輪及び前記内輪間座は、少なくとも一方の前記内輪の内周面の前記内輪間座に隣接する側の端部に設けられた大径段部に、前記内輪間座の軸方向外側端部に設けられた突出部を嵌合することによって一体に連結されることを特徴とする請求項4に記載の複列転がり軸受。
  6. 一対の前記内輪及び前記内輪間座は、一対の内輪連結部材によって一体に連結されており、
    一対の前記内輪の内周面の前記内輪間座に隣接する側の端部と、前記内輪間座の内周面の軸方向両側端部と、にはそれぞれ内側環状溝が設けられ、
    前記内輪連結部材は、円環状に形成された円環部と、該円環部の軸方向両側端部から径方向外側に延出する一対のフランジ部と、を有し、
    前記フランジ部が、互いに隣接する前記内輪間座及び前記内輪の前記内側環状溝に、嵌合することによって、一対の前記内輪及び前記内輪間座は一体に連結されることを特徴とする請求項4に記載の複列転がり軸受。
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