WO2024024073A1 - 半導体装置、電力変換装置および半導体装置の製造方法 - Google Patents

半導体装置、電力変換装置および半導体装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

半導体装置は、ゲート電極(8)が埋め込まれた複数のゲートトレンチ(6)の下方に形成された第2導電型の第1ピラー領域(13)と、隣り合う第1ピラー領域(13)の間に形成され、ドリフト層(2)よりも不純物のピーク濃度が高い第1導電型の第2ピラー領域(14)と、を備える。第2ピラー領域(14)は、高濃度領域(14a)と、第2ピラー領域(14)の少なくとも片方の側部に設けられ高濃度領域(14a)よりも不純物のピーク濃度が低い低濃度領域(14b)とから構成される。

Description

半導体装置、電力変換装置および半導体装置の製造方法
 本開示は、半導体装置に関し、特に、トレンチゲート型の半導体装置に関する。
 パワーエレクトロニクス機器では、電気モータ等の負荷を駆動するために電力供給の実行と停止とを切り替える必要がある。そのため、シリコンを用いたIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)またはMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)等のスイッチング素子が使用される。
 電力用半導体装置としての使用が想定されるスイッチングデバイスには、縦型構造のMOSFETやIGBTが採用されることが多く、それぞれ「縦型MOSFET」、「縦型IGBT」と呼ばれる。また、縦型MOSFETおよび縦型IGBTには、ゲート構造によってプレーナゲート型とトレンチゲート型とがある。
 第1導電型(例えばn型)のドリフト層の活性領域にゲート電極が埋め込まれたトレンチ(以下「ゲートトレンチ」という)を有するトレンチゲート型MOSFETでは、その構造上、オフ時にゲートトレンチ底面のゲート絶縁膜に高電界がかかり、ゲートトレンチ底面でゲート絶縁膜が破壊する恐れがある。
 この問題を解決するための技術として、例えば特許文献1には、ゲートトレンチ底面を覆うように第2導電型(例えばp型)の電界緩和領域である「トレンチ底部保護層」を設けることで、ゲートトレンチ底面のゲート絶縁膜にかかる電界を緩和する技術が開示されている。さらに、特許文献1では、ゲートトレンチの側面に第1導電型の電流拡散層である「空乏化抑制層」を設けることで、トレンチ底部保護層によってゲートトレンチ間のオン電流の経路が狭窄されることを防止し、オン時の導通損失を低減させている。特許文献1の空乏化抑制層は、傾斜イオン注入によってゲートトレンチの側面にドナーとなる第1導電型の不純物を注入することで形成される。
特許第6377309号公報
 上述したトレンチ底部保護層と空乏化抑制層とをドリフト層の深くにまで伸ばし、それらをセミスーパージャンクション構造のp型ピラー領域およびn型ピラー領域として利用すると、トレンチゲート型MOSFETの低抵抗化および高耐圧化を図ることができる。なお、セミスーパージャンクション構造とは、p型ピラー領域およびn型ピラー領域が半導体層の途中の深さまで形成されたスーパージャンクション構造のことをいう。
 しかし、空乏化抑制層としてのn型ピラー領域を傾斜イオン注入によってゲートトレンチの浅い位置に形成する場合、ゲートトレンチの幅や深さにばらつきがあると、トレンチ底部保護層としてのp型ピラー領域に多くのドナー(n型のドーパント)が注入されてしまう。そうなると、p型ピラー領域とn型ピラー領域のチャージバランスがとり辛くなり、半導体装置の耐圧特性にばらつきが生じるため、セミスーパージャンクション構造による低抵抗化および高耐圧化の効果が十分に得られなくなる。
 本開示は以上のような課題を解決するためになされたものであり、セミスーパージャンクション構造を有する半導体装置において、ゲートトレンチの下の第1ピラー領域に第2ピラー領域のドーパントが注入されることを抑制することを目的とする。
 本開示に係る半導体装置は、半導体層と、前記半導体層に形成された第1導電型のドリフト層と、前記半導体層の表層部に形成された第2導電型のウェル領域と、前記ウェル領域の表層部に形成された第1導電型のソース領域と、前記ウェル領域および前記ソース領域に電気的に接続されたソース電極と、前記ソース領域および前記ウェル領域を貫通し、ゲート絶縁膜を介してゲート電極が埋め込まれた複数のゲートトレンチと、複数の前記ゲートトレンチの下方に形成された第2導電型の第1ピラー領域と、隣り合う前記第1ピラー領域の間に形成され、前記ドリフト層よりも不純物のピーク濃度が高い第1導電型の第2ピラー領域と、を備え、前記第2ピラー領域は、高濃度領域と、前記第2ピラー領域の少なくとも片方の側部に設けられ前記高濃度領域よりも不純物のピーク濃度が低い低濃度領域とから構成される。
 本開示に係る半導体装置によれば、ゲートトレンチの下の第1ピラー領域に第2ピラー領域のドーパントが注入されることを抑制することができる。よって第1ピラー領域と第2ピラー領域とのチャージバランスが崩れることを防止でき、セミスーパージャンクション構造による低抵抗化および高耐圧化に寄与できる。
 本開示の目的、特徴、態様、および利点は、以下の詳細な説明と添付図面とによって、より明白となる。
実施の形態1に係る半導体装置の構造を模式的に表す断面図である。 実施の形態1の変形例に係る半導体装置の構造を模式的に表す断面図である。 実施の形態1の変形例に係る半導体装置の構造を模式的に表す断面図である。 実施の形態1の変形例に係る半導体装置の構造を模式的に表す断面図である。 実施の形態1の変形例に係る半導体装置の構造を模式的に表す断面図である。 実施の形態1に係る半導体装置の製造方法を模式的に表す断面図である。 実施の形態1に係る半導体装置の製造方法を模式的に表す断面図である。 実施の形態1に係る半導体装置の製造方法を模式的に表す断面図である。 実施の形態2に係る半導体装置の構造を模式的に表す平面図である。 図9のA1-A2線に沿った断面図である。 図9のB1-B2線に沿った断面図である。 図9のC1-C2線に沿った断面図である。 実施の形態3に係る半導体装置の構造を模式的に表す断面図である。 実施の形態4に係る半導体装置の構造を模式的に表す平面図である。 図14のA1-A2線に沿った断面図である。 図14のB1-B2線に沿った断面図である。 図14のC1-C2線に沿った断面図である。 実施の形態5に係る電力変換システムの構成を示すブロック図である。
 以下、図面を参照しながら本開示に係る技術の実施の形態について説明する。なお、図面は模式的に示されたものであり、異なる図面にそれぞれ示されている構成要素のサイズおよび位置の相互関係は、必ずしも正確に記載されたものではなく、適宜変更され得る。また、異なる図面においても、互いに同一または対応する構成要素には同じ符号を付しており、それらについて重複する説明は省略する場合がある。また、説明における「上」、「下」、「側」、「底」、「表」または「裏」など、位置または方向を意味する用語は、理解を容易にするため便宜上用いられており、実使用時の位置または方向を表しているとは限らない。
 また、以下の実施の形態では、第1導電型をn型、第2導電型をp型としているが、それとは逆に、第1導電型をp型、第2導電型をn型としてもよい。
 <実施の形態1>
 図1は、実施の形態1に係る半導体装置の構造を模式的に表す断面図である。実施の形態1では、半導体装置の例として、縦型のトレンチゲート型炭化珪素MOSFETを示す。実施の形態1に係る半導体装置は、MOSFETセル(活性ユニットセル)が並べて形成された活性領域と、活性領域の外側の終端領域とを有するが、図1は活性領域の構成を示している。
 実施の形態1に係る半導体装置は、4Hのポリタイプを有する炭化珪素からなるn型(第1導電型)の半導体基板1を用いて形成されている。半導体基板1の上には、炭化珪素からなる半導体層20が形成されている。半導体基板1の上面は、[11-20]軸方向へ傾斜するオフ角θを有する(0001)面としている。オフ角θは10°以下であればよい。半導体層20には、半導体基板1よりも不純物のピーク濃度が低いn型のドリフト層2が形成されている。
 活性領域において、半導体層20の表層部には、p型(第2導電型)のウェル領域3が形成されている。ウェル領域3の表層部には、n型のソース領域4と、ウェル領域3よりも不純物のピーク濃度が高いp型のウェルコンタクト領域5とが、それぞれ選択的(すなわち部分的)に形成されている。ウェルコンタクト領域5は、ソース領域4に接するように設けられ、後述するソース電極10とウェル領域3とを電気的に接続させる。
 また、半導体層20には、ソース領域4およびウェル領域3を貫通するようにゲートトレンチ6が形成されている。ゲートトレンチ6の側面および底面にはゲート絶縁膜7が形成されている。ゲート絶縁膜7の上に、ゲート電極8が、ゲートトレンチ6に埋め込まれるように形成されている。ゲート電極8の上面は、半導体層20の表面よりも深い位置にある。すなわち、ゲート電極8の上面は、ゲートトレンチ6の上端よりも深い位置にある。ゲートトレンチ6内の上部には、ゲート電極8を覆うように層間絶縁膜9が形成されている。
 本実施の形態では、ゲートトレンチ6はソース領域4を貫通しているため、半導体層20におけるゲートトレンチ6の縁の部分はソース領域4となる。しかし、ゲートトレンチ6の上端部には、ゲート電極8は形成されておらず、その部分のゲート絶縁膜7は層間絶縁膜9で覆われている。そのため、ゲートトレンチ6の縁の部分では、ソース領域4とゲート電極8とが対向していない。
 半導体層20上には、ソース電極10が形成されている。ソース電極10は、ソース領域4およびウェル領域3と電気的に接続される。本実施の形態では、ソース領域4およびウェルコンタクト領域5の表面にはシリサイド層15が形成されており、ソース電極10の底面にはバリアメタル16が設けられている。よって、ソース電極10は、シリサイド層15およびバリアメタル16を介して、ソース領域4およびウェルコンタクト領域5に接続される。さらに、半導体基板1の下面には、半導体基板1と電気的に接続されたドレイン電極11が形成されている。
 半導体層20におけるゲートトレンチ6の底部には、p型のトレンチ底部保護層12が形成されている。トレンチ底部保護層12は、ソース電極10と電気的に接続されている。トレンチ底部保護層12は、MOSFETのオフ時にゲートトレンチ6の底面および側面に印加される電界を緩和するように機能する。トレンチ底部保護層12は、ゲートトレンチ6に接していることが望ましい。
 半導体層20は、p型の第1ピラー領域であるp型ピラー領域13とn型の第2ピラー領域であるn型ピラー領域14とが交互に配置されてなるセミスーパージャンクション構造を有している。p型ピラー領域13は、トレンチ底部保護層12の下方に形成されており、n型ピラー領域14は、隣り合うp型ピラー領域13の間に形成されている。
 本実施の形態では、n型ピラー領域14が、高濃度領域である高濃度n型ピラー領域14aと、低濃度領域である低濃度n型ピラー領域14bとから構成される(図示の便宜を図るため、各図の高濃度n型ピラー領域14aには砂目パターンでハッチングしている)。高濃度n型ピラー領域14aの不純物のピーク濃度は、低濃度n型ピラー領域14bの不純物のピーク濃度よりも高い。低濃度n型ピラー領域14bは、n型ピラー領域14の側部(すなわち、p型ピラー領域13に接する部分)の少なくとも一部に配設される。以下、n型ピラー領域14の側部を「高濃度n型ピラー領域14aの側部」ということもある。
 n型ピラー領域14は2つのp型ピラー領域13に挟まれるため、n型ピラー領域14には側部が2つある。低濃度n型ピラー領域14bは、n型ピラー領域14の2つの側部の少なくとも片方に形成される。すなわち、高濃度n型ピラー領域14aは、高濃度n型ピラー領域14aの片方の側部にだけ設けられてもよい。
 また、図1では、低濃度n型ピラー領域14bの上部の幅と底部の幅とが同じであるが、例えば図2のように、低濃度n型ピラー領域14bの底部の幅が上部の幅よりも広くなるように、低濃度n型ピラー領域14bの上面または側面が傾斜していてもよい。
 詳細は後述するが、図1および図2に示した高濃度n型ピラー領域14aおよび低濃度n型ピラー領域14bの構造は、ゲートトレンチ6の両側の側面に対して傾斜イオン注入、すなわち半導体層20の深さ方向に対して傾斜した方向からのイオン注入を行うことで形成される。
 ただし、高濃度n型ピラー領域14aおよび低濃度n型ピラー領域14bからなるn型ピラー領域14は、ゲートトレンチ6の片側の側面に対する傾斜イオン注入だけでも形成可能である。その場合、図3、図4または図5に示すように、n型ピラー領域14の底が傾斜して、n型ピラー領域14の深さは左右非対称になる。図3は、傾斜イオン注入において、注入面となるゲートトレンチ6の側面から、その隣のゲートトレンチ6との間の中間の位置に高濃度の不純物を注入して低濃度n型ピラー領域14bを形成した例である。図4は、傾斜イオン注入の注入面であるゲートトレンチ6の側面から深い位置(隣のゲートトレンチ6の下のトレンチ底部保護層12およびp型ピラー領域13の近傍)に高濃度の不純物を注入して低濃度n型ピラー領域14bを形成した例である。図5は、傾斜イオン注入の注入面であるゲートトレンチ6の側面から浅い位置(当該ゲートトレンチ6の下のトレンチ底部保護層12およびp型ピラー領域13の近傍)に高濃度の不純物を注入して低濃度n型ピラー領域14bを形成した例である。
 半導体層20の上面からの深さ方向における、p型ピラー領域13とn型ピラー領域14との位置関係について、隣接するp型ピラー領域13間の電流狭窄を避けるためには、高濃度n型ピラー領域14aもしくは低濃度n型ピラー領域14bの下端は、p型ピラー領域13の下端と同じ深さか、それよりもさらに深い位置にあるのが望ましい。
 また、p型ピラー領域13とn型ピラー領域14は、ゲートトレンチ6の底の位置を基準にして、隣り合うゲートトレンチ6間の距離よりも深い位置まで、あるいは、隣り合うp型ピラー領域13間の距離よりも深い位置まで、形成されることが望ましい。つまり、ゲートトレンチ6の底からp型ピラー領域13の下端までの深さ、ならびに、ゲートトレンチ6の底からn型ピラー領域14の下端までの深さは、隣り合うゲートトレンチ6間の距離、あるいは、隣り合うp型ピラー領域13間の距離よりも長いことが望ましい。
 以下、図1に示した実施の形態1に係る半導体装置の製造方法について説明する。
 まず、4Hのポリタイプを有するn型の半導体基板1の表面に、比較的高抵抗なn型(n型)の炭化珪素からなる半導体層20をエピタキシャル成長させる。このとき、半導体層20は、1×1014[cm-3]以上1×1017[cm-3]以下のn型の不純物濃度を有するように形成されればよい。
 次に、反応性イオンエッチング(RIE:Reactive Ion Etching)により、半導体層20にアライメントマークを形成する。このアライメントマークは、ゲートトレンチ6と同時に形成してもよい。
 その後、アライメントマークを基準にして、半導体層20の表層部に、p型のウェル領域3と比較的低抵抗なn型(n型)のソース領域4とをイオン注入によって形成する。イオン注入でソース領域4を選択的に形成するための注入マスクとしては、例えばレジストマスクなどを用いることができる。
 ソース領域4は、5×1018[cm-3]以上5×1020[cm-3]以下のn型の不純物濃度を有し、ウェル領域3は1×1016[cm-3]以上3×1019[cm-3]以下のp型の不純物濃度を有するように形成されればよい。なお、ソース領域4をウェル領域3の表層部に形成するために、ソース領域4のn型不純物濃度は、ウェル領域3のp型不純物濃度より高くなるように設定される。このとき、半導体層20においてウェル領域3およびソース領域4が形成されていないn型の領域がドリフト層2として残る。
 ウェル領域3の不純物濃度は、深さ方向に一定であってもよいし、一定でなくてもよい。例えば、ウェル領域3の表面部分で濃度が低くなるような分布であってもよいし、深い部分にピークを有するような分布であってもよい。
 次に、p型のウェルコンタクト領域5をイオン注入によって形成する。このとき、ウェルコンタクト領域5は、1×1019[cm-3]以上1×1022[cm-3]以下のp型の不純物濃度を有するように形成されればよい。
 次に、半導体層20上に、ゲートトレンチ6の形成領域が開口されたパターンのエッチングマスク18(図6参照)を形成し、当該エッチングマスク18を用いたRIEにより、半導体層20に、ウェル領域3を貫通してドリフト層2に達するゲートトレンチ6を形成する。
 次に、図6のように、エッチングマスク18を注入マスクとして用いるイオン注入により、ゲートトレンチ6の底面にp型のトレンチ底部保護層12およびp型ピラー領域13を形成する。このとき、トレンチ底部保護層12は、1×1017[cm-3]以上1×1020[cm-3]以下のp型の不純物濃度を有するように形成されればよく、p型ピラー領域13は、1×1016[cm-3]以上1×1018[cm-3]以下のp型の不純物濃度を有するように形成されればよい。
 エッチングマスク18を除去した後、傾斜イオン注入によって、ゲートトレンチ6の間のメサ状の半導体層20の下に、高濃度n型ピラー領域14aおよび低濃度n型ピラー領域14bからなるn型ピラー領域14を形成する。具体的には、まず図7のように、傾斜イオン注入によって、ゲートトレンチ6の一方の側面にn型の不純物を注入することで、メサ状の半導体層20の下に低濃度n型ピラー領域14bを形成する。さらに図8のように、傾斜イオン注入によって、ゲートトレンチ6のもう一方の側面にもn型の不純物を注入することで、メサ状の半導体層20の下に低濃度n型ピラー領域14bを形成する。この2回の傾斜イオン注入によって不純物が重ねて注入された領域に、高濃度n型ピラー領域14aが形成される。
 高濃度n型ピラー領域14aおよび低濃度n型ピラー領域14bを形成するための傾斜イオン注入においては、各ゲートトレンチ6の側面から、その隣のゲートトレンチ6の下のトレンチ底部保護層12およびp型ピラー領域13の近傍にまでn型の不純物を注入することが重要である。
 また、当該傾斜イオン注入では、ゲートトレンチ6の下面はメサ状の半導体層20の陰となるため、ゲートトレンチ6の下面にn型の不純物が注入されることが抑制される。ゲートトレンチ6の下のトレンチ底部保護層12およびp型ピラー領域13にドナーが注入されることが抑制され、安定したチャージバランスを実現できる。構造的な特徴としては、p型ピラー領域13に含まれるn型の不純物の濃度は、低濃度n型ピラー領域14bに含まれるn型の不純物の濃度よりも低いものとなる。
 高濃度n型ピラー領域14aは1×1015[cm-3]以上5×1018[cm-3]以下のn型の不純物濃度を有するように形成されればよく、低濃度n型ピラー領域14bは5×1014[cm-3]以上1×1018[cm-3]以下のn型の不純物濃度を有するように形成されればよい。
 その後、1500℃以上2200℃以下の温度範囲で、0.5分以上60分以下の時間、注入されたイオンを活性化するためのアニールを行う。
 さらに、熱酸化法または化学気相成長(CVD:Chemical Vapor Deposition)法などによって、半導体層20の表面に絶縁膜を形成し、当該絶縁膜をウェットエッチングまたはドライエッチングでパターニングすることで、終端領域を保護するためのフィールド絶縁膜(不図示)を形成する。
 次に、熱酸化法またはCVD法などによって、ゲートトレンチ6の内部を含む半導体層20の表面にゲート絶縁膜7を形成する。
 次に、ゲート絶縁膜7が形成された半導体層20の全面に、ゲート電極8の材料である不純物がドープされたポリシリコンなどを、CVD法などにより形成する。このときゲートトレンチ6の内部をポリシリコンで充満させる。ポリシリコンをCVD法で形成する場合、ゲートトレンチ6内では、ゲートトレンチ6の底面から上方向だけでなく横方向にもポリシリコンが成長するため、比較的容易にポリシリコンでゲートトレンチ6を充満させることができる。
 次に、半導体層20の表面上のポリシリコンをエッチバックにより除去する。このとき、ゲートトレンチ6内に埋められたポリシリコンは除去されずに残り、ゲート電極8となる。なお、半導体層20の表面上のポリシリコンを完全に除去する場合、少なからずオーバーエッチが必要となるため、ゲートトレンチ6内のゲート電極8の上面は、ゲートトレンチ6の上端部よりも深い位置になる。
 次に、終端領域およびゲート電極8を覆うように層間絶縁膜9を形成し、ドライエッチングなどによりソース領域4およびウェルコンタクト領域5を層間絶縁膜9から露出させる。そして、ウェルコンタクト領域5およびn型のソース領域4の上部に、シリサイド層15を形成する。さらに、層間絶縁膜9に、ゲート電極8に達するゲートコンタクトホール(不図示)をドライエッチングまたはウェットエッチングなどにより形成する。
 その後、半導体層20の上にソース電極10を形成する。また、ゲートコンタクトホールを通してゲート絶縁膜7に接続するゲートパッドあるいはゲートパッドへの接続用の配線を形成する。
 最後に、半導体基板1の下面にドレイン電極11を形成することで、図1に示した構造の半導体装置が完成する。
 以下、実施の形態1に係る半導体装置が奏する効果について説明する。
 まず、トレンチ底部保護層12の効果について述べる。ゲートトレンチ6の下方にトレンチ底部保護層12を設けることにより、MOSFETがオフ状態の時にゲート絶縁膜7に印加される電界を大幅に緩和させることができる。
 次に、p型ピラー領域13およびn型ピラー領域14(高濃度n型ピラー領域14a、低濃度n型ピラー領域14b)の効果について述べる。ドリフト層2の深くまでp型ピラー領域13およびn型ピラー領域14を設け、p型ピラー領域13とn型ピラー領域14とのチャージバランスをとりながらそれらの不純物濃度をドリフト層2よりも大きくすることにより、スーパージャンクション効果が得られる。すなわち、半導体装置のオフ時においては、p型ピラー領域13とn型ピラー領域14との間で横方向に空乏層が伸長し、p型ピラー領域13およびn型ピラー領域14の領域にドリフト層2よりも大きい電界を分担させることができるため、半導体装置の高耐圧化に寄与できる。また、半導体装置のオン時においては、ドリフト層2よりも低抵抗なn型ピラー領域14が電流経路になるため、半導体装置の低オン抵抗化に寄与できる。
 ここで、n型ピラー領域14が、高濃度n型ピラー領域14aと低濃度n型ピラー領域14bとで構成されることによる効果について述べる。上述のスーパージャンクション効果において、高濃度n型ピラー領域14aはオン時において、より低抵抗な電流経路として機能し、低濃度n型ピラー領域14bはオフ時において、より空乏層を伸張しやすくして高耐圧な領域として機能する。
 また、高濃度n型ピラー領域14aおよび低濃度n型ピラー領域14bの形成方法がもたらす効果について述べる。高濃度n型ピラー領域14aおよび低濃度n型ピラー領域14bを傾斜イオン注入で形成すると、ゲートトレンチ6の下面はメサ状の半導体層20の陰となるため、ゲートトレンチ6の下面にn型の不純物が注入されることが抑制される。よって、ゲートトレンチ6の下のトレンチ底部保護層12およびp型ピラー領域13にドナーが注入されることが抑制され、安定したチャージバランスを実現できる。
 より高いスーパージャンクション効果を得るためには、p型ピラー領域13とn型ピラー領域14が、ゲートトレンチ6の底の位置を基準にして、隣り合うゲートトレンチ6間の距離よりも深い位置まで、あるいは、隣り合うp型ピラー領域13間の距離よりも深い位置まで形成されることが望ましい。
 半導体装置の活性領域内に形成されるセル構造は、任意の構造でよく、例えば、平面視で一続きのストライプ形状でもよいし、ゲートトレンチ6に架橋を形成する形で部分的に格子状やT字状になっていてもよい。他にも、部分的に多角形または波型などであってもよい。
 また、ゲートトレンチ6の側面の結晶方位はどのような結晶面であってもよい。すなわち、(11-20)面や(-1120)面、(1-100)面や(-1100)面などいずれでもよく、限定されることはない。
 また、実施の形態1では、半導体基板1の表面が、[11-20]軸方向へ傾斜するオフ角θを有する(0001)面であるものとしたが、[11-20]軸方向へ傾斜するオフ角θを有する(000-1)面としても、同様の構造を備えるトレンチゲート型MOSFETを作製することができ、実施の形態1の効果が得られる。その他、(1-100)面や(03-38)面でもよいことは言うまでもない。
 また、半導体装置はMOSFETに限られない。例えば、図1の構造に対し、半導体基板1の導電型をp型にする、あるいは、半導体基板1を除去してドリフト層2の下面にp型の不純物領域を形成すれば、IGBTの構成となる。この場合、ソース領域4がIGBTのエミッタ領域に相当し、ドレイン電極11がIGBTのコレクタ電極に相当する。半導体装置がIGBTであっても、MOSFETの場合と同様の効果が得られる。
 実施の形態1では、半導体装置を構成する半導体材料として炭化珪素(SiC)が用いられた例を示したが、その他の半導体材料が用いられてもよい。半導体材料としては、例えば、シリコン(Si)や、ワイドバンドギャップ材料が挙げられる。ワイドバンドギャップ材料としては、SiCの他、Ga、GaN(Gallium Nitride)やダイヤモンドなどがある。
 ワイドバンドギャップ材料を用いた半導体装置は、特に、高温、高耐圧での用途が期待されている。高温下では絶縁膜の信頼性が低下しやすいため、実施の形態1を適用する効果は大きい。また、半導体装置が高耐圧化されると、絶縁膜に印加される電圧も大きくなるため、実施の形態1を適用する効果は大きくなる。
 また、炭化珪素半導体装置では、ゲート絶縁膜7とドリフト層2との間のMOS界面に発生する電子トラップがSiに比べて多いことが知られており、MOS界面およびゲート絶縁膜7の信頼性がシリコン(Si)半導体装置に比べて低い。そのため、ゲート絶縁膜7に印加される電界を低減できる実施の形態1を適用する効果は大きい。
 なお、実施の形態1においては、n型の不純物としては窒素、リンなどが想定され、p型の不純物としてはアルミニウム、ボロンなどが想定される。
 <実施の形態2>
 図9は、実施の形態2に係る半導体装置としてのトレンチゲート型MOSFETの構造を模式的に示す平面図である。また、図10は、図9のA1-A2線に沿った断面図であり、図11は、図9のB1-B2線に沿った断面図であり、図12は、図9のC1-C2線に沿った断面図である。
 実施の形態2では、図10のように、ゲートトレンチ6の側壁の一部にp型の側壁ウェル領域17が形成されている。側壁ウェル領域17は、トレンチ底部保護層12またはp型ピラー領域13と、ウェル領域3あるいはウェルコンタクト領域5とを電気的に接続する役割を担う。
 なお、図9においては、側壁ウェル領域17の配置をより分かりやすく示すために一部の構成の図示を省略している。図10~図12では、活性領域においてゲートトレンチ6を断面に含む位置のユニットセルの周期構造の断面が示されている。
 図11のように、図9のB1-B2線に沿った断面では、側壁ウェル領域17は形成されていないが、ウェルコンタクト領域5は形成されている。図12のように、図9のC1-C2線に沿った断面では、側壁ウェル領域17もウェルコンタクト領域5も形成されておらず、ウェル領域3が半導体層20の表面に達している。このように、実施の形態2に係る半導体装置は、側壁ウェル領域17はないがウェルコンタクト領域5がある断面の部分や、側壁ウェル領域17もウェルコンタクト領域5もない断面の部分を有していてもよい。
 また、半導体装置の活性領域の1つの断面に、図10~図12に示した断面構造のセルの2つ以上が混在していてもよい。すなわち、図10~図12に示した断面構造はそれぞれ局所的なものであってもよい。また、図10~図12に示した断面構造のそれぞれが配置される割合に制約はなく、自由に設計することができる。
 p型の側壁ウェル領域17の製造方法について説明する。側壁ウェル領域17は、ゲートトレンチ6を形成した後に、傾斜イオン注入などによってp型の不純物をゲートトレンチ6の側壁に注入することで形成できる。側壁ウェル領域17は、トレンチ底部保護層12と同時に形成してもよいし、別々に形成してもよい。側壁ウェル領域17は1×1017[cm-3]以上1×1022[cm-3]以下のp型の不純物濃度を有するように形成されればよい。
 側壁ウェル領域17が奏する効果について説明する。側壁ウェル領域17は、トレンチ底部保護層12およびp型ピラー領域13を、ウェル領域3またはウェルコンタクト領域5に電気的に接続させる。その結果、MOSFETのスイッチング動作時に、トレンチ底部保護層12およびp型ピラー領域13とn型ピラー領域14およびドリフト層2との間に形成されるpn接合を充放電するための電流経路が確保され、スイッチング損失を低減することができる。側壁ウェル領域17は、ゲートトレンチ6の側壁の一部にのみ形成されるため、チャネル密度の大幅な低下は招かず、結果、オン抵抗を低減することができる。
 ゲートトレンチ6をオフ角方向に平行なストライプ状にし、側壁ウェル領域17が形成されない側壁を持つゲートトレンチ6を形成してもよい。その場合、均一なチャネル特性の反転チャネルが形成されるため、特定のチャネル面への電流集中や閾値電圧の不安定性を招くことはなく、動作安定性の高いデバイスが実現できる。
 実施の形態2では、図9および図10のように、ゲートトレンチ6の片側の側壁にだけ側壁ウェル領域17を設けた例を示したが、ゲートトレンチ6の両側の側壁に側壁ウェル領域17を設けてもよく、側壁ウェル領域17の形成位置に制約はない。ただし、側壁ウェル領域17の間隔が狭すぎるとチャネル密度の低下を招くおそれがあるため、隣り合う側壁ウェル領域17同士の間隔は、隣り合うゲートトレンチ6同士の間隔と同じかそれ以上であることが好ましい。
 <実施の形態3>
 図13は、実施の形態3に係る半導体装置としてのトレンチゲート型MOSFETの構造を模式的に示す平面図である。実施の形態3に係る半導体装置においては、トレンチ底部保護層12が省略されており、p型ピラー領域13がゲートトレンチ6の底に接するように形成されている。よって、実施の形態3では、p型ピラー領域13が、ゲートトレンチ6の底面および側面に印加される電界を緩和するトレンチ底部保護層12の役割を担うことになる。
 実施の形態3によれば、トレンチ底部保護層12の形成を省略できるため、製造工程が簡略化され、半導体装置の製造コストを抑えることができる。また、トレンチ底部保護層12の代わりに、p型ピラー領域13がゲートトレンチ6の底面および側面に印加される電界を緩和することができるため、実施の形態1と同様の効果が得られる。
 <実施の形態4>
 図14は、実施の形態4の半導体装置としてのトレンチゲート型MOSFETの構造を模式的に示す平面図である。また、図15は、図14のA1-A2線に沿った断面図であり、図16は、図14のB1-B2線に沿った断面図であり、図17は、図14のC1-C2線に沿った断面図である。
 実施の形態4では、図14のように、ウェルコンタクト領域5がゲートトレンチ6と直交するライン状に形成されている。つまり、ウェルコンタクト領域5は、隣り合うゲートトレンチ6の両方に接するように、その間のメサ状の半導体層20を横切るように延在している。
 また、実施の形態4では、実施の形態2の技術を適用し、ゲートトレンチ6の一部の側壁に側壁ウェル領域17を設けている。側壁ウェル領域17は、トレンチ底部保護層12またはp型ピラー領域13と、ウェル領域3あるいはウェルコンタクト領域5とを電気的に接続する役割を担う。
 図15のように、図14のA1-A2線に沿った断面では、側壁ウェル領域17がウェルコンタクト領域5に接するように形成されている。図16のように、図14のB1-B2線に沿った断面では、側壁ウェル領域17は形成されていないが、ウェルコンタクト領域5は形成されている。図17のように、図9のC1-C2線に沿った断面では、側壁ウェル領域17もウェルコンタクト領域5も形成されておらず、ウェル領域3が半導体層20の表面に達している。
 例えば、実施の形態2で示した図9の平面図のように、ウェルコンタクト領域5が島状である場合、写真製版工程での位置合わせにずれが生じると、ゲートトレンチ6に対するウェルコンタクト領域5の位置がずれ、チャネル特性にばらつきが生じるおそれがある。
 それに対し、実施の形態4では、ウェルコンタクト領域5がゲートトレンチ6と直交するライン状であるため、写真製版工程での位置合わせにずれが生じても、ゲートトレンチ6に対するウェルコンタクト領域5の位置に影響しないので、チャネル特性にばらつきが生じることが防止される。
 また、側壁ウェル領域17が、トレンチ底部保護層12およびp型ピラー領域13をウェルコンタクト領域5に電気的に接続させるため、MOSFETのスイッチング動作時に、トレンチ底部保護層12およびp型ピラー領域13とn型ピラー領域14およびドリフト層2との間に形成されるpn接合を充放電するための電流経路が確保され、スイッチング損失を低減することができる。
 <実施の形態5>
 図18は、実施の形態5に係る電力変換装置を適用した電力変換システムの構成を示すブロック図である。図18に示す電力変換システムは、電源100、電力変換装置200および負荷300で構成される。電源100は、直流電源であり、電力変換装置200に直流電力を供給する。電源100は種々のもので構成することが可能であり、例えば、直流系統、太陽電池、蓄電池で構成することができるし、交流系統に接続された整流回路およびAC/DCコンバータで構成することとしてもよい。また、電源100を、直流系統から出力される直流電力を所定の電力に変換するDC/DCコンバータによって構成することとしてもよい。
 電力変換装置200は、電源100と負荷300の間に接続された三相のインバータであり、電源100から供給された直流電力を交流電力に変換し、負荷300に交流電力を供給する。電力変換装置200は、図18に示すように、直流電力を交流電力に変換して出力する主変換回路201と、主変換回路201の各スイッチング素子を駆動する駆動信号を出力する駆動回路202と、駆動回路202を制御する制御信号を駆動回路202に出力する制御回路203とを備えている。
 負荷300は、電力変換装置200から供給された交流電力によって駆動される三相の電動機である。なお、負荷300は特定の用途に限られるものではなく、各種電気機器に搭載された電動機であり、例えば、ハイブリッド自動車、電気自動車、鉄道車両、エレベーター、若しくは、空調機器向けの電動機として用いられる。
 以下、電力変換装置200の詳細を説明する。主変換回路201は、スイッチング素子と還流ダイオードを備えており(図示せず)、スイッチング素子がスイッチングすることによって、電源100から供給される直流電力を交流電力に変換し、負荷300に供給する。主変換回路201の具体的な回路構成は種々のものがあるが、本実施の形態に係る主変換回路201は、2レベルの三相フルブリッジ回路であり、6つのスイッチング素子とそれぞれのスイッチング素子に逆並列された6つの還流ダイオードで構成することができる。主変換回路201の各スイッチング素子には、上述した実施の形態1~4およびそれらの変形例のいずれかに係る半導体装置を適用する。6つのスイッチング素子は2つのスイッチング素子ごとに直列接続され上下アームを構成し、各上下アームはフルブリッジ回路の各相(U相、V相、W相)を構成する。そして、各上下アームの出力端子、すなわち主変換回路201の3つの出力端子は、負荷300に接続される。
 駆動回路202は、主変換回路201のスイッチング素子を駆動する駆動信号を生成し、主変換回路201のスイッチング素子の制御電極に供給する。具体的には、後述する制御回路203からの制御信号に従い、スイッチング素子をオン状態にする駆動信号とスイッチング素子をオフ状態にする駆動信号とを各スイッチング素子の制御電極に出力する。スイッチング素子をオン状態に維持する場合、駆動信号はスイッチング素子の閾値電圧以上の電圧信号(オン信号)であり、スイッチング素子をオフ状態に維持する場合、駆動信号はスイッチング素子の閾値電圧未満の電圧信号(オフ信号)となる。
 制御回路203は、負荷300に所望の電力が供給されるよう主変換回路201のスイッチング素子を制御する。具体的には、負荷300に供給すべき電力に基づいて主変換回路201の各スイッチング素子がオン状態となるべき時間(オン時間)を算出する。例えば、出力すべき電圧に応じてスイッチング素子のオン時間を変調するPWM制御によって主変換回路201を制御することができる。そして、各時点においてオン状態となるべきスイッチング素子にはオン信号を、オフ状態となるべきスイッチング素子にはオフ信号が出力されるよう、駆動回路202に制御指令(制御信号)を出力する。駆動回路202は、この制御信号に従い、各スイッチング素子の制御電極にオン信号またはオフ信号を駆動信号として出力する。
 本実施の形態に係る電力変換装置では、主変換回路201のスイッチング素子として実施の形態1~4に係る半導体装置を適用するため、低損失な電力変換装置を実現することができる。
 本実施の形態では、2レベルの三相インバータに実施の形態1~4に係る半導体装置を適用する例を説明したが、これに限られるものではなく、種々の電力変換装置に適用することができる。本実施の形態では、2レベルの電力変換装置としたが、3レベルまたはマルチレベルの電力変換装置であっても構わないし、単相負荷に電力を供給する場合には単相のインバータに適用しても構わない。また、直流負荷等に電力を供給する場合にはDC/DCコンバータやAC/DCコンバータに適用することも可能である。
 また、実施の形態1~4に係る半導体装置を適用した電力変換装置は、上述した負荷が電動機の場合に限定されるものではなく、例えば、放電加工機、レーザー加工機、または誘導加熱調理器、非接触給電システムの電源装置として用いることもでき、さらには太陽光発電システムや蓄電システム等のパワーコンディショナーとして用いることも可能である。
 なお、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略したりすることが可能である。
 上記した説明は、すべての態様において、例示であって、例示されていない無数の変形例が想定され得るものと解される。
 1 半導体基板、2 ドリフト層、3 ウェル領域、4 ソース領域、5 ウェルコンタクト領域、6 ゲートトレンチ、7 ゲート絶縁膜、8 ゲート電極、9 層間絶縁膜、10 ソース電極、11 ドレイン電極、12 トレンチ底部保護層、13 p型ピラー領域、14 n型ピラー領域、14a 高濃度n型ピラー領域、14b 低濃度n型ピラー領域、15 シリサイド層、16 バリアメタル、17 側壁ウェル領域、18 エッチングマスク、20 半導体層、100 電源、200 電力変換装置、201 主変換回路、202 駆動回路、203 制御回路、300 負荷。

Claims (15)

  1.  半導体層と、
     前記半導体層に形成された第1導電型のドリフト層と、
     前記半導体層の表層部に形成された第2導電型のウェル領域と、
     前記ウェル領域の表層部に形成された第1導電型のソース領域と、
     前記ウェル領域および前記ソース領域に電気的に接続されたソース電極と、
     前記ソース領域および前記ウェル領域を貫通し、ゲート絶縁膜を介してゲート電極が埋め込まれた複数のゲートトレンチと、
     複数の前記ゲートトレンチの下方に形成された第2導電型の第1ピラー領域と、
     隣り合う前記第1ピラー領域の間に形成され、前記ドリフト層よりも不純物のピーク濃度が高い第1導電型の第2ピラー領域と、
    を備え、
     前記第2ピラー領域は、高濃度領域と、前記第2ピラー領域の少なくとも片方の側部に設けられ前記高濃度領域よりも不純物のピーク濃度が低い低濃度領域とから構成される、
    半導体装置。
  2.  前記ゲートトレンチの底部に形成され、前記第1ピラー領域よりも不純物のピーク濃度が高い第2導電型のトレンチ底部保護層をさらに備え、
     前記第1ピラー領域は、前記トレンチ底部保護層の下方に形成されている、
    請求項1に記載の半導体装置。
  3.  前記低濃度領域は、前記第2ピラー領域の両側の側部に設けられている、
    請求項1または請求項2に記載の半導体装置。
  4.  前記第1ピラー領域に含まれる第1導電型の不純物の濃度は、前記低濃度領域に含まれる第1導電型の不純物の濃度よりも低い、
    請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の半導体装置。
  5.  前記低濃度領域の下端は、前記第1ピラー領域の下端よりも前記半導体層の表面から深い位置にある、
    請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の半導体装置。
  6.  前記ゲートトレンチの底から前記第1ピラー領域の下端までの深さは、隣り合う前記ゲートトレンチ間の距離よりも長い、
    請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の半導体装置。
  7.  前記ゲートトレンチの底から前記第1ピラー領域の下端までの深さは、隣り合う前記第1ピラー領域間の距離よりも長い、
    請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の半導体装置。
  8.  前記ウェル領域の表層部に前記ソース領域と接するように形成され、前記ウェル領域よりも不純物のピーク濃度が高い第2導電型のウェルコンタクト領域をさらに備える、
    請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の半導体装置。
  9.  前記ウェルコンタクト領域は、前記ゲートトレンチと直交するライン状に形成されている、
    請求項8に記載の半導体装置。
  10.  前記ゲートトレンチの側壁の一部に形成され、前記トレンチ底部保護層および前記第1ピラー領域と前記ソース電極とを電気的に接続するための第2導電型の側壁ウェル領域をさらに備える、
    請求項2に記載の半導体装置。
  11.  隣り合う前記側壁ウェル領域の間隔は、隣り合う前記ゲートトレンチの間隔以上である、
    請求項10に記載の半導体装置。
  12.  前記ウェル領域の表層部に前記ソース領域と接するように形成され、前記ウェル領域よりも不純物のピーク濃度が高い第2導電型のウェルコンタクト領域をさらに備え、
     前記側壁ウェル領域は、前記ウェルコンタクト領域と接している、
    請求項10または請求項11に記載の半導体装置。
  13.  前記ウェルコンタクト領域は、前記ゲートトレンチと直交するライン状に形成されている、
    請求項12に記載の半導体装置。
  14.  請求項1から請求項13のいずれか1項に記載の半導体装置を有し、入力される電力を変換して出力する主変換回路と、
     前記半導体装置を駆動する駆動信号を前記半導体装置に出力する駆動回路と、
     前記駆動回路を制御する制御信号を前記駆動回路に出力する制御回路と、
    を備えた電力変換装置。
  15.  第1導電型のドリフト層を含む半導体層を形成する工程と、
     前記半導体層の表層部に第2導電型のウェル領域を形成する工程と、
     前記ウェル領域の表層部に第1導電型のソース領域を形成する工程と、
     前記ソース領域および前記ウェル領域を貫通する複数のゲートトレンチを形成する工程と、
     複数の前記ゲートトレンチの下方に第2導電型の第1ピラー領域を形成する工程と、
     隣り合う前記第1ピラー領域の間に、前記ドリフト層よりも不純物のピーク濃度が高い第1導電型の第2ピラー領域を形成する工程と、
     複数の前記ゲートトレンチ内にゲート絶縁膜を介してゲート電極を形成する工程と、
     前記ウェル領域および前記ソース領域に電気的に接続されたソース電極を形成する工程と、
    を備え、
     前記第2ピラー領域は、高濃度領域と、前記第2ピラー領域の少なくとも片方の側部に設けられ前記高濃度領域よりも不純物のピーク濃度が低い低濃度領域とから構成され、
     前記高濃度領域および前記低濃度領域の形成は、前記半導体層の深さ方向に対して傾斜した確度からのイオン注入により、複数の前記ゲートトレンチの側面に第1導電型の不純物を注入することによって行われる、
    半導体装置の製造方法。
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