JP6377309B1 - 炭化珪素半導体装置、電力変換装置、炭化珪素半導体装置の製造方法、および電力変換装置の製造方法 - Google Patents

炭化珪素半導体装置、電力変換装置、炭化珪素半導体装置の製造方法、および電力変換装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

ドリフト層(2)は、炭化珪素からなり、第1導電型を有している。トレンチ底部保護層(7)は、ゲートトレンチ(6)の底部に設けられており、第2導電型を有している。空乏化抑制層(8)は、ゲートトレンチ(6)の側面とドリフト層(2)との間に設けられており、ボディ領域(5)の下部からゲートトレンチ(6)の底部よりも深い位置にまで延びており、第1導電型を有しており、ドリフト層(2)が有する第1導電型の不純物濃度に比して高い第1導電型の不純物濃度を有している。空乏化抑制層(8)が有する第1導電型の不純物濃度は、ゲートトレンチ(6)の側面から離れるに連れて低下している。

Description

この発明は、炭化珪素半導体装置、電力変換装置、炭化珪素半導体装置の製造方法、および電力変換装置の製造方法に関するものであり、特に、トレンチゲートを有する炭化珪素半導体装置と、炭化珪素半導体装置を有する電力変換装置と、トレンチゲートを有する炭化珪素半導体装置の製造方法と、炭化珪素半導体装置を有する電力変換装置の製造方法とに関するものである。
パワーエレクトロニクス機器において、モータ等の負荷への電力供給を制御するスイッチング素子として、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)およびMOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field Effect Transistor)が広く使用されている。電力用半導体装置としてのMOSFETとしては、特に、縦型MOSFETが広く用いられている。縦型MOSFETのひとつに、トレンチゲート型MOSFETがある。トレンチゲート型MOSFETは、半導体ウエハ表面に形成されたトレンチの側面をチャネルとして利用する。これによりチャネル幅密度の向上が可能となるので、デバイスの性能を向上させることができる。
上述したような電力用半導体装置の半導体材料として、近年、ワイドバンドギャップ半導体である炭化珪素(SiC)が適用され始めている。炭化珪素は高い絶縁破壊電界を有しているので、半導体装置の耐圧を高めることができる。よって半導体装置を、より高電圧を用いる用途に適用することができる。ただしその場合、スイッチング素子としての半導体装置がオフ状態となると、半導体装置には高い電圧が印加される。その結果、高電界に耐え得る炭化珪素からなる半導体領域が破壊に至らなくても、高電界が印加されることによってゲート絶縁膜が破壊に至る可能性が高くなる。特にトレンチゲート型においては、半導体層の上面と基板との間の距離がトレンチの底部において近くなる。さらに、トレンチの底部の端は、角形状を有しているため、電界が集中しやすい。以上から、トレンチの底部上におけるゲート絶縁膜の信頼性の悪化が懸念される。
トレンチの底部に印加される電界を緩和するために、国際公開第2012/077617号(特許文献1)に開示されているように、ドリフト層が有する導電型とは逆の導電型を有する不純物層を、トレンチの底部を覆うように形成した構造が提案されている。具体的には、n型ドリフト層にトレンチゲート構造が設けられ、この構造の底面にp型の保護層が形成さる。この保護層は、ドレイン電極とソース電極との間に高バイアスが印加された際の電界からトレンチの底部を保護する。これにより、トレンチの底部付近に形成されているゲート絶縁膜に印加される電界強度を低く保つことができる。
このように保護層によってトレンチ底部を保護することで、信頼性を向上させることができる。一方でこの場合、隣り合うトレンチ間に、p型保護層およびp型ベース領域から伸びる空乏層に起因して、JFET(Junction FET)領域が形成される。MOSFETの導通時に、ドレイン電流はこれらp型領域に挟まれたJFET領域を流れる。非導通にはこれらp型領域から空乏層が大きく伸びるが、導通時であっても、空乏層が保護層からドリフト層内へ、ある程度は広がる。その結果、導通時の電流経路が狭まる。言い換えれば、JFET抵抗が生じる。これにより半導体装置のオン抵抗が増大してしまう。
そのため、特開2015−072999号公報(特許文献2)に開示されるように、n型のドリフト層の上にドリフト層が有する不純物濃度よりも高い不純物濃度を有するn型の電流分散層を形成した構造が提案されている。電流分散層を形成することで、保護層からの空乏層の伸びを抑えることができる。よって電流経路が広がる。その結果、JFET抵抗を低減することが可能となる。一方、高い不純物濃度を有する電流分散層を設けることによって、電界強度がより高くなる。それに起因して耐圧が低下することが懸念される。例えば、オフ時にゲート絶縁膜に印加される電界強度が高まることに起因しての、ゲート絶縁膜の破壊が懸念される。上記特開2015−072999号公報に開示されているように、耐圧の低下をより確実に防ぐために、トレンチ間にp型層を形成する方法がある。この場合、トレンチの底部のp型保護層に加えて、トレンチ間のp型層からも空乏層が伸びる。これによって、より平面的にオフ時の電界を支えることができる。よって耐圧の低下をより確実に防ぐことが可能となる。
しかしながら、トレンチ間のp型層から伸びる空乏層は、MOSFETのオン時にも影響を与える。具体的には、JFET領域の面積が増加することによって、電流経路の狭窄がより大きくなる。その結果、n型電流分散層によるオン抵抗低減の効果が十分に得られなくなってしまう。
国際公開第2012/077617号 特開2015−072999号公報
ところで、トレンチゲート型半導体装置においては、オン電流は、トレンチ側面を沿って流れ、そしてトレンチ下部でトレンチ側面から拡散する。このため、オン抵抗を低減するための電流分散層は、特にトレンチ周辺に配置されることが望ましい。しかしながら、特開2015−072999号公報に係るトレンチゲート型炭化珪素半導体装置では、隣り合うトレンチの間においてn型電流分散層が全体的に形成されている。このため、ドリフト層内の電界が大きく増加し、その結果、オフ時の耐圧が不必要に大きく低下する恐れがある。
本発明は以上のような課題を解決するためになされたものであり、その目的は、オン抵抗を低減しつつ耐圧の低下を抑制することができる炭化珪素半導体装置と、それを用いた電力変換装置とを提供することである。
本発明の炭化珪素半導体装置は、ドリフト層と、ボディ領域と、ソース領域と、ゲート絶縁膜と、ゲート電極と、ソース電極と、トレンチ底部保護層と、空乏化抑制層とを有している。ドリフト層は、炭化珪素からなり、第1導電型を有している。ボディ領域は、ドリフト層上に設けられており、第1導電型と異なる第2導電型を有している。ソース領域は、ボディ領域上に設けられており、第1導電型を有している。ゲート絶縁膜は、ボディ領域よりも深い位置にまで達する少なくとも1つのゲートトレンチ内に設けられており、ボディ領域およびソース領域に向かい合っている。ゲート電極は、ゲートトレンチ内に設けられており、ゲート絶縁膜を介してボディ領域に向かい合っている。ソース電極は、ソース領域と電気的に接続されている。トレンチ底部保護層は、ゲートトレンチの底部に接して設けられており、ボディ領域より高い不純物濃度で第2導電型を有している。空乏化抑制層は、ゲートトレンチの側面とドリフト層との間に設けられており、トレンチ底部保護層の側面に接しており、ボディ領域の下部からゲートトレンチの底部よりも深い位置にまで延びており、第1導電型を有しており、ドリフト層が有する第1導電型の不純物濃度に比して高い第1導電型の不純物濃度を有している。空乏化抑制層が有する第1導電型の不純物濃度は、ゲートトレンチの側面から離れるに連れて低下している。
本発明の電力変換装置は、主変換回路と、駆動回路と、制御回路とを有している。主変換回路は、上記炭化珪素半導体装置を有しており、入力される電力を変換して出力する。駆動回路は、炭化珪素半導体装置を駆動する駆動信号を炭化珪素半導体装置に出力する。制御回路は、駆動回路を制御する制御信号を駆動回路に出力する。
本発明の炭化珪素半導体装置の製造方法は、以下の工程を有している。炭化珪素からなり第1導電型を有するドリフト層と、ドリフト層上に配置され第1導電型と異なる第2導電型を有するボディ領域と、ボディ領域上に配置され第1導電型を有するソース領域と、を含む半導体層が形成される。半導体層に、ボディ領域よりも深い位置にまで達する少なくとも1つのゲートトレンチが形成される。ゲートトレンチの底部に接しボディ領域より高い不純物濃度で第2導電型を有するトレンチ底部保護層が形成される。ボディ領域の下部からゲートトレンチの底部よりも深い位置にまで延び、トレンチ底部保護層の側面に接し、第1導電型を有し、ドリフト層が有する第1導電型の不純物濃度に比して高い第1導電型の不純物濃度を有する空乏化抑制層が、ゲートトレンチの側面へのイオン注入によってゲートトレンチの側面とドリフト層との間に形成される。ゲートトレンチ内に、ボディ領域およびソース領域に向かい合うゲート絶縁膜が形成される。ゲートトレンチ内に、ゲート絶縁膜を介してボディ領域に向かい合うゲート電極が形成される。ソース領域と電気的に接続されたソース電極が形成される。

本発明の電力変換装置の製造方法は、以下の工程を有している。上記炭化珪素半導体装置の製造方法によって炭化珪素半導体装置が製造される。炭化珪素半導体装置を有し入力される電力を変換して出力する主変換回路と、炭化珪素半導体装置を駆動する駆動信号を炭化珪素半導体装置に出力する駆動回路と、駆動回路を制御する制御信号を駆動回路に出力する制御回路と、が形成される。
本発明の炭化珪素半導体装置によれば、第2導電型を有する領域からの空乏層の伸びが空乏化抑制層によって抑制される。これにより、炭化珪素半導体装置のオン抵抗を低減する効果が得られる。さらに、空乏化抑制層が有する第1導電型の不純物濃度が、ゲートトレンチの側面から離れるに連れて低下している。これにより、上記効果を得つつ、空乏化抑制層に起因してのドリフト層内の電界の増加を抑制することができる。よって、耐圧の低下を抑制することができる。以上から、オン抵抗を低減しつつ、耐圧の低下を抑制することができる。
本発明の電力変換装置によれば、主変換回路は炭化珪素半導体装置を有している。この炭化珪素半導体装置において、第2導電型を有する領域からの空乏層の伸びが空乏化抑制層によって抑制される。これにより、炭化珪素半導体装置のオン抵抗を低減する効果が得られる。さらに、空乏化抑制層が有する第1導電型の不純物濃度が、ゲートトレンチの側面から離れるに連れて低下している。これにより、上記効果を得つつ、空乏化抑制層に起因してのドリフト層内の電界の増加を抑制することができる。よって、耐圧の低下を抑制することができる。以上から、オン抵抗を低減しつつ、耐圧の低下を抑制することができる。よって、電力損失を低減しつつ、電力変換装置の信頼性を高めることができる。
本発明の炭化珪素半導体装置の製造方法によれば、第2導電型を有する領域からの空乏層の伸びを抑制する空乏化抑制層が形成される。これにより、炭化珪素半導体装置のオン抵抗を低減する効果が得られる。さらに、空乏化抑制層がゲートトレンチの側面へのイオン注入によって形成される。これにより、空乏化抑制層が有する第1導電型の不純物濃度へ、ゲートトレンチの側面から離れるに連れて低下するような濃度分布を、容易に付与することができる。これにより、上述したオン抵抗低減の効果を得つつ、空乏化抑制層に起因してのドリフト層内の電界の増加を抑制することができる。よって、耐圧の低下を抑制することができる。以上から、オン抵抗を低減しつつ、耐圧の低下を抑制することができる。
本発明の電力変換装置の製造方法によれば、炭化珪素半導体装置を有する主変換回路が形成される。この炭化珪素半導体装置の製造方法において、第2導電型を有する領域からの空乏層の伸びを抑制する空乏化抑制層が形成される。これにより、炭化珪素半導体装置のオン抵抗を低減する効果が得られる。さらに、空乏化抑制層がゲートトレンチの側面へのイオン注入によって形成される。これにより、空乏化抑制層が有する第1導電型の不純物濃度へ、ゲートトレンチの側面から離れるに連れて低下するような濃度分布を、容易に付与することができる。これにより、上述したオン抵抗低減の効果を得つつ、空乏化抑制層に起因してのドリフト層内の電界の増加を抑制することができる。よって、耐圧の低下を抑制することができる。以上から、オン抵抗を低減しつつ、耐圧の低下を抑制することができる。よって、電力損失を低減しつつ、電力変換装置の信頼性を高めることができる。
この発明の目的、特徴、局面、および利点は、以下の詳細な説明と添付図面とによって、より明白となる。
本発明の実施の形態1による炭化珪素半導体装置の構成を概略的に示す図であり、図2の線I−Iに沿う部分断面図である。 図1の線II−IIに沿う部分断面図であり、平面視におけるゲートトレンチおよび空乏化抑制層のパターンレイアウトに対応する図である。 図1のゲートトレンチ近傍の部分拡大図であり、空乏化抑制層の第1導電型の不純物の濃度分布をグラデーションによって模式的に示す図である。 図3の軸Xに沿った実効不純物濃度の対数値をシミュレーション結果に基づいて示すグラフ図である。 図3の軸Xに沿った実効不純物濃度の対数値をシミュレーション結果に基づいて示すグラフ図である。 図1の炭化珪素半導体装置の製造方法の第1工程を概略的に示す部分断面図である。 図1の炭化珪素半導体装置の製造方法の第2工程を概略的に示す部分断面図である。 図1の炭化珪素半導体装置の製造方法の第3工程を概略的に示す部分断面図である。 図1の炭化珪素半導体装置の製造方法の第4工程を概略的に示す部分断面図である。 図1の炭化珪素半導体装置の製造方法の第5工程を概略的に示す部分断面図である。 図1の炭化珪素半導体装置の製造方法の第6工程を概略的に示す部分断面図である。 比較例の炭化珪素半導体装置のオン状態における空乏層の伸びを模式的に示す部分断面図である。 実施例の炭化珪素半導体装置のオン状態における空乏層の伸びを模式的に示す部分断面図である。 比較例および実施例の各々についての、セルピッチとオン抵抗との間の関係をシミュレーション結果に基づいて示すグラフ図である。 比較例および実施例の各々についての、セルピッチと耐圧との間の関係をシミュレーション結果に基づいて示すグラフ図である。 図2の第1変形例を示す部分断面図である。 図2の第2変形例を示す部分断面図である。 本発明の実施の形態2による炭化珪素半導体装置の構成を概略的に示す部分断面図である。 図18の炭化珪素半導体装置の製造方法の一工程を概略的に示す部分断面図である。 本発明の実施の形態3による炭化珪素半導体装置の構成を概略的に示す図であり、図21の線XX−XXに沿う部分断面図である。 図20の線XXI−XXIに沿う部分断面図であり、平面視におけるトレンチ底部保護層および空乏化抑制層のパターンレイアウトに対応する図である。 図21の変形例を示す、平面視におけるトレンチ底部保護層および空乏化抑制層のパターンレイアウトに対応する図である。 図20の炭化珪素半導体装置の製造方法の一工程を概略的に示す部分断面図である。 本発明の実施の形態4による炭化珪素半導体装置の構成を概略的に示す図であり、図25の線XXIV−XXIVに沿う部分断面図である。 図24の線XXV−XXVに沿う部分断面図であり、平面視におけるゲートトレンチおよび空乏化抑制層のパターンレイアウトに対応する図である。 図25の変形例を示す部分断面図である。 本発明の実施の形態5による炭化珪素半導体装置の構成を概略的に示す図であり、図28の線XXVII−XXVIIに沿う部分断面図である。 図27の線XXVIII−XXVIIIに沿う部分断面図であり、平面視におけるゲートトレンチとコンタクトトレンチと空乏化抑制層とのパターンレイアウトに対応する図である。 本発明の実施の形態6による炭化珪素半導体装置の構成を概略的に示す図であり、平面視におけるゲートトレンチと空乏化抑制層とのパターンレイアウトに対応する図であり、図30の線XXIX−XXIXに沿う部分断面図である。 図29の線XXX−XXXに沿う部分断面図である。 本発明の実施の形態7による炭化珪素半導体装置の構成を概略的に示す部分断面図である。 本発明の実施の形態8による電力変換装置が適用された電力変換システムの構成を概略的に示すブロック図である。
以下に、本発明に係る実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は以下の記述に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。また、以下に示す図面においては、理解の容易のため、各部材の縮尺が実際とは異なる場合がある。各図面間においても同様である。
<実施の形態1>
(構成)
図1は、本発明の実施の形態1によるMOSFET71(炭化珪素半導体装置)の構成を概略的に示す図であり、図2の線I−Iに沿う部分断面図である。図2は、図1の線II−IIに沿う部分断面図であり、平面視におけるゲートトレンチ6および空乏化抑制層8のパターンレイアウトに対応する図である。図1の断面は、平面視におけるゲートトレンチ6の延在方向(図2における横方向)に対して垂直な面であり、図1において、横方向がゲートトレンチ6の幅方向に対応し、縦方向がゲートトレンチ6の深さ方向に対応している。図1の断面視において、MOSFET71には複数のゲートトレンチ6が設けられている。
MOSFET71(炭化珪素半導体装置)は、基板1と、炭化珪素層20(半導体層)と、ゲート絶縁膜9と、ゲート電極10と、層間絶縁膜16と、ソース電極11と、ドレイン電極12とを有している。炭化珪素層20は、ドリフト層2と、ソース領域3と、ボディコンタクト領域4と、ボディ領域5と、トレンチ底部保護層7と、空乏化抑制層8とを有している。
基板1は、n型(第1導電型)を有する炭化珪素基板である。ドレイン電極12は基板1の下面上に設けられている。本実施の形態においては、ドレイン電極12は基板1の下面にオーミックに接続されている。
炭化珪素層20は、基板1の上面上に設けられている。具体的には、炭化珪素層20は、単結晶構造を有する基板1上にエピタキシャルに成長させられている。炭化珪素層20は、基板1に面する下面と、この下面と反対の上面とを有している。炭化珪素層20の上面上にはゲートトレンチ6が設けられている。ゲートトレンチ6は、側面および底部を有している。ゲートトレンチ6の底部は面をなしており、よって以下においてこの底部を底面と称することもある。炭化珪素層20の厚み方向(図1における縦方向)に対してゲートトレンチ6の側面は、典型的には実質的に平行であるが、傾いていてもよい。
ドリフト層2は炭化珪素からなる。ドリフト層2はn型を有している。ドリフト層2は、基板1が有するドナー濃度(第1導電型の不純物濃度、ここではn型の不純物濃度)に比して低いドナー濃度を有している。
ボディ領域5は、ドリフト層2上に設けられており、本実施の形態においてはドリフト層2上に直接設けられている。ボディ領域5はp型(第1導電型と異なる第2導電型)を有している。
ソース領域3はボディ領域5上に設けられている。ソース領域は、n型を有しており、ドリフト層2が有するドナー濃度に比して高いドナー濃度を有している。ソース領域3はドリフト層2からボディ領域5によって隔てられている。ボディコンタクト領域4はボディ領域5上に設けられている。ボディコンタクト領域4は、p型を有しており、ボディ領域5が有するアクセプタ濃度(第2導電型の不純物濃度、ここではp型の不純物濃度)に比して高いアクセプタ濃度を有している。
炭化珪素層20は、ソース領域3およびボディコンタクト領域4を含む上面を有している。層間絶縁膜16は炭化珪素層20の上面上に設けられている。層間絶縁膜16はソースコンタクトホールを有している。ソース電極11は、層間絶縁膜16が設けられた炭化珪素層20の上面上に配置されている。ソース電極11は、層間絶縁膜16のソースコンタクトホールを介して、ソース領域3およびボディコンタクト領域4と電気的に接続されており、具体的にはオーミックに接続されている。
ゲートトレンチ6は、ボディ領域を貫通し、ボディ領域5よりも深い位置にまで達している。ゲートトレンチ6の側面はボディ領域5およびソース領域3に向かい合っている。
ゲート絶縁膜9は、ゲートトレンチ6内に設けられており、ボディ領域5およびソース領域3に向かい合っている。ゲート電極10は、ゲートトレンチ6内に設けられており、ゲート絶縁膜9を介してボディ領域5に向かい合っている。
トレンチ底部保護層7はp型を有している。トレンチ底部保護層7は、ゲートトレンチ6の底部に設けられており、ゲートトレンチ6の底部に接している。トレンチ底部保護層7はゲートトレンチ6の底面の少なくとも一部に設けられていればよい。トレンチ底部保護層7は、図1に示されているようにゲートトレンチ6の底面全体に設けられていてもよく、それによりゲート絶縁膜9に印加される電界をより一層低減することができる。トレンチ底部保護層7は、ゲートトレンチ6の底面が有する幅よりも広い幅を有していてもよく、ゲートトレンチ6の底面と側面とによって形成される角部を覆っていてもよい。
空乏化抑制層8は、ゲートトレンチ6の側面とドリフト層2とに接しており、ゲートトレンチ6の側面とドリフト層2との間に設けられている。また空乏化抑制層8は、ボディ領域5の下部に接しており、ボディ領域5の下部から、ゲートトレンチ6の底部よりも深い位置にまで延びている。また空乏化抑制層8は、トレンチ底部保護層7の側面に接している。
空乏化抑制層8はn型を有している。空乏化抑制層8が有するドナー濃度は、ドリフト層2が有するドナー濃度に比して高い。また空乏化抑制層8が有するドナー濃度は、MOSFET71のオン時に、互いに隣り合うトレンチ底部保護層7から伸びる空乏層が重なり合わないよう、十分に高い必要がある。またMOSFET71へ高バイアス電圧が印加されたときにゲートトレンチ6の底部に過度に高い電界が印加されないようにするため、空乏化抑制層8が有するドナー濃度は過度に高くない必要がある。これらの点に鑑みて、空乏化抑制層8のドナー濃度は、ドリフト層のドナー濃度の2倍から10倍程度であることが望ましく、具体的には1×1015cm−3〜1×1018cm−3の範囲であることが望ましい。
MOSFET71へ高バイアス電圧が印加されたときであってもゲートトレンチ6底部に過度に高い電界が印加されないようにするため、空乏化抑制層8の幅は過度に大きくない必要がある。例えば、空乏化抑制層8の幅は、セルピッチの5%〜40%の範囲であることが望ましい。オン時においてトレンチ底部保護層7から平面方向に伸びる空乏層を抑制し、かつオフ時においてこの空乏層がドリフト層2内へ十分に伸びることで耐圧が維持されるように、空乏化抑制層8の深さが選択される必要がある。そのため、空乏化抑制層8は、トレンチ底部保護層7の側面と、深さ方向において0.1μm〜1μmの範囲で接していることが望ましい。なお、本明細書においてセルピッチは、隣り合うゲートトレンチ6の中心間の距離に相当する。
図1において、ゲートトレンチ6は、互いに隣り合う1対のゲートトレンチ6(例えば、図1における右側および中央のゲートトレンチ6)を含む。ドリフト層2は、1対のゲートトレンチ6の一方に設けられた空乏化抑制層8の側面から、1対のゲートトレンチ6の他方に設けられた空乏化抑制層8の側面まで延びる部分を有している。言い換えれば、1対のゲートトレンチ6の一方に設けられた空乏化抑制層8の側面と、1対のゲートトレンチ6の他方に設けられた空乏化抑制層8の側面との間には、空乏化抑制層8以外のn型の部分が配置されており、具体的にはドリフト層2が配置されている。
図3は、図1のゲートトレンチ6近傍の部分拡大図であり、空乏化抑制層8のドナーの濃度分布を、グラデーションによって模式的に示す図である。空乏化抑制層8が有するドナー濃度は、一様である必要はない。本実施の形態では、炭化珪素層20表面から同一の深さにおけるゲートトレンチ6底面と平行な方向(図3における横方向)において、空乏化抑制層8が有するドナー濃度は、ゲートトレンチ6の側面から離れるに連れて低下している。ここで、上記「空乏化抑制層8が有するドナー濃度は、ゲートトレンチ6の側面から離れるに連れて不純物濃度が低くなる」という特徴は、図4を参照して後述するように、不純物濃度が一定となる領域を含むことを許容するものであり、少なくとも、ゲートトレンチ6側面からの距離とドナー濃度との関係を示す濃度プロファイルが、単調減少となる領域を含むことを意味する。言い換えれば、空乏化抑制層8が最小のドナー濃度を有する位置は、空乏化抑制層8が最大のドナー濃度を有する位置を基準として、最も隣接するゲートトレンチ6の側面とは反対側に位置している。
上記のように濃度が低下する分布は、空乏化抑制層8が、段階的に低い不純物濃度を有する多層構造で構成されることによって得られてもよい。あるいは、当該分布は、空乏化抑制層8の不純物濃度が連続的に低下することによって得られてもよい。
なお図3においては、空乏化抑制層8の不純物濃度が深さ方向において均一であるように示されているが、空乏化抑制層8の不純物濃度は深さ方向において同一である必要はない。
図4および図5のそれぞれは、図3の軸Xおよび軸Xに沿った実効不純物濃度の対数値をシミュレーション結果に基づいて示すグラフ図である。ここで「実効不純物濃度」とは、ドナー濃度Nとアクセプタ濃度Nとの差分の絶対値である。図中、実効不純物濃度の分布について、実線がシミュレーション結果を示しおり、破線矢印が模式的な分布を示している。なお、実線の細かな変動はシミュレーションにおける計算上の誤差であり、不純物添加工程における設計上の濃度分布としては、例えば、破線矢印に示された分布が用いられてよい。
図4を参照して、グラフの上方には、軸X上の各領域が、ドリフト層2、空乏化抑制層8、ゲート絶縁膜9およびゲート電極10のいずれに対応しているかが示されている。軸Xに沿った位置には、実質的にアクセプタ不純物が添加されておらず、よって、縦軸の実効不純物濃度は実質的にドナー不純物濃度に対応している。図示されているように、空乏化抑制層8におけるドナー濃度の値は、ほぼ濃度一定の領域(図中、横方向の破線矢印参照)を部分的に有してもよいが、全体の傾向として、ゲートトレンチ6の側面から離れるにつれて低下している(図中、斜め方向の破線矢印参照)。
図5を参照して、グラフの上方には、軸X上の各領域が、ドリフト層2、空乏化抑制層8およびトレンチ底部保護層7のいずれに対応しているかが示されている。軸Xに沿った位置において、トレンチ底部保護層7およびその近傍の部分にはアクセプタ不純物が添加されており、トレンチ底部保護層7と空乏化抑制層8との境界で導電型が反転するので、この境界近傍で実効不純物濃度の急激な落ち込みがみられる。それ以外の部分においては、実質的にアクセプタ不純物が添加されておらず、よって、縦軸の実効不純物濃度は実質的にドナー不純物濃度に対応している。空乏化抑制層8におけるドナー濃度の値は、ほぼ濃度一定の領域を部分的に有してもよいが、全体の傾向として、ゲートトレンチ6の側面から離れるにつれて低下している(図中、斜め方向の破線矢印参照)。
なお、図2を参照して、本実施の形態においては、MOSFET71のセル構造はストライプ状である。すなわち、ゲートトレンチ6がストライプ状に設けられている。またトレンチ底部保護層7(図1)のパターンレイアウトも、その幅は異なるとしても、ゲートトレンチ6と同様のパターンレイアウトであってよい。またゲートトレンチ6を挟むように、空乏化抑制層8がストライプ状に設けられている。またソース領域3(図1)のパターンレイアウトも、その幅は異なるとしても、空乏化抑制層8と同様のパターンレイアウトであってよい。
(製造方法)
図6〜図11のそれぞれは、MOSFET71(図1)の製造方法の一例における第1〜第6工程を概略的に示す部分断面図である。これらの断面図の視野は、図1の視野に対応している。以下、これらの図を参照しつつ、製造方法について説明する。なお説明の中で例として挙げる材料は、同等の機能を有する材料に適宜変更可能である。
図6を参照して、基板1上にn型の炭化珪素層20がエピタキシャル成長によって形成される。炭化珪素層20(ドリフト層2)のドナー濃度は1×1014cm−3〜1×1017cm−3とされる。なお炭化珪素層20の一部は、そのままドリフト層2(図1)となる。
図7を参照して、炭化珪素層20の上面部分に、ソース領域3、ボディコンタクト領域4、およびボディ領域5が、イオン注入またはエピタキシャル成長を用いて形成される。これらを形成する順序は任意である。ソース領域3のドナー濃度は1×1018cm−3〜1×1020cm−3とされ、ボディコンタクト領域4のアクセプタ濃度は1×1019cm−3〜1×1021cm−3とされる。ボディ領域5のアクセプタ濃度は1×1014cm−3〜1×1018cm−3の範囲とされることが好ましく、その濃度および厚みは均一でなくてもよい。炭化珪素層20のうちボディ領域5よりも下方の部分がドリフト層2となる。以上のように、ドリフト層2とボディ領域5とソース領域3とボディコンタクト領域4とを含む炭化珪素層20が形成される。
図8を参照して、炭化珪素層20上に、ソース領域3およびボディ領域5を貫通するゲートトレンチ6がエッチングにより形成される。具体的には、まず炭化珪素層20上に、1μm〜2μm厚のシリコン酸化膜15が堆積される。次に、フォトリソグラフィ技術および反応性イオンエッチング処理を用いて、シリコン酸化膜15がパターニングされる。パターニングされたシリコン酸化膜15をエッチングマスクとして用いた反応性イオンエッチングによって、ゲートトレンチ6が形成される。ゲートトレンチ6の深さは、ボディ領域5の深さ以上であり、1.0μm〜6.0μmとされる。
図9を参照して、ゲートトレンチ6の底部に、p型を有するトレンチ底部保護層7が形成される。具体的には、図中破線で示すように、シリコン酸化膜15を注入マスクとして用いて、アクセプタのイオン注入が行われる。このイオン注入に用いられるイオンビームの方向は、炭化珪素層20の厚み方向(すなわちゲートトレンチ6の深さ方向)に実質的に平行であってよい。なお、注入マスクとしてシリコン酸化膜15以外のものが形成されてもよい。またトレンチ底部保護層7は、イオン注入に代わって、エピタキシャル成長によって形成されてもよい。具体的には、トレンチ底部保護層7の厚みに対応してゲートトレンチ6がより深く形成された後、ゲートトレンチ6内におけるエピタキシャル成長によってトレンチ底部保護層7が形成されてもよい。あるいは、ゲートトレンチ6を形成する前にあらかじめトレンチ底部保護層7が形成されてもよい。その場合は、炭化珪素層20がトレンチ底部保護層7上においてエッチングされることによってゲートトレンチ6が形成される。好ましくは、トレンチ底部保護層7のアクセプタ濃度は1×1017cm−3〜5×1019cm−3の範囲とされ、厚さは0.1μm〜2.0μmの範囲とされる。トレンチ底部保護層7は深さ方向に濃度分布を有してもよい。またトレンチ底部保護層7は、互いに厚みが異なる部分を有してもよい。トレンチ底部保護層7は、ゲートトレンチ6の底部の角を覆ってもよく、あるいは、ゲートトレンチ6の底部のみに接して角には接しなくてもよい。
図10および図11のそれぞれを参照して、空乏化抑制層8が、ゲートトレンチ6の右側面および左側面へのイオン注入によって、ゲートトレンチ6の側面とドリフト層2との間に形成される。このイオン注入は、空乏化抑制層8が有するドナー濃度が、ゲートトレンチ6の側面から離れるに連れて低下するように行われる。このような濃度分布は、イオン注入のエネルギーを調整することによって容易に得られる。以下、この工程について詳述する。
図示されているように、空乏化抑制層8を形成する工程は、炭化珪素層20の厚み方向(図中、縦方向)に対して斜めのイオンビーム(図中、破線矢印)を照射する工程を含む。具体的には、イオンビームが上方から照射される場合、ゲートトレンチ6の側面が、ある程度上方に向くように。基板1が傾けられる。これにより、イオンビームがゲートトレンチ6の側面上に到達することができる。よってゲートトレンチ6の側面に不純物を注入することができる。
このとき、ゲートトレンチ6の底部の角にまで不純物が注入されるように、すなわち、ゲートトレンチ6の側面からだけでなくゲートトレンチ6の底面の一部からも炭化珪素層20中へ不純物が注入されるように、基板1の傾斜角度が選択されることが望ましい。これにより、トレンチ底部保護層7の側面のより深い位置にまで空乏化抑制層8を形成することが可能となる。具体的には、図10に示された断面視において、注入マスクの側壁をも含むゲートトレンチ6の側壁の上端(図10における点PA)と、この側壁に対向する側壁の下端(図10における点PB)とを結ぶ直線に沿った角度を中心に、±15度の範囲の傾斜角度でイオン注入が行われることが望ましい。
上記傾斜角度は一定である必要はなく、ある側面に対して、異なる複数の角度でイオン注入が複数回行われてもよい。好ましくは、空乏化抑制層8を形成する工程は、ゲートトレンチ6の側面のうちゲートトレンチ6の底部から離れた領域のみがイオンビームにさらされるような第1イオンビーム角度(図10の破線矢印よりも浅い角度)でイオンビームを照射する工程と、ゲートトレンチ6の底部および側面を含む領域がイオンビームにさらされるような第2イオンビーム角度(図10の破線矢印よりも深い角度)でイオンビームを照射する工程とを含む。より好ましくは、イオンビームにゲートトレンチ6の側面と底部との境界がさらされかつゲートトレンチ6の底部がさらされないようなイオンビーム角度、すなわち図10の破線矢印の角度、を第3イオンビーム角度とすると、第1イオンビーム角度および第2イオンビーム角度の各々と第3イオンビーム角度との差異が15度以内とされる。
ここで、図10および図11においては、空乏化抑制層8の形状は、模式的に示されている。上述したように、いわゆる斜め注入によって空乏化抑制層8が形成される場合、厳密にいえば、空乏化抑制層8の底面および側面のそれぞれは、ゲートトレンチ6の底面および側面と平行にはならない。
なお、イオン注入の際に、基板1は、上述したように傾斜させされるだけでなく、基板1の面内方向において回転させられてもよい。上述した、空乏化抑制層8を形成するための不純物注入において、ゲートトレンチ6のボディ領域5に隣接する側面、および、ゲートトレンチ6のトレンチ底部保護層7に隣接する底面からも不純物が注入されてよい。すなわち、ボディ領域5およびトレンチ底部保護層7と重複する領域にドナーが一部注入されてもよい。ただし、このような重複する領域に注入されるドナー不純物の注入量は、導電型の反転が生じない程度に抑制される。
イオン注入後、シリコン酸化膜15が除去される。なお、シリコン酸化膜15が除去された後に、再度のイオン注入が行われてもよい。あるいは、空乏化抑制層8を形成するための最初のイオン注入前にシリコン酸化膜15が除去されてもよい。MOSFET71の活性領域にのみイオン注入が行われるように、フォトリソグラフィを用いて、活性領域のみ開口したパターンを有する注入マスクが形成されてもよい。さらに、空乏化抑制層8の形成はトレンチ底部保護層7の形成よりも前に行われてもよい。
続いて、上記の工程でイオン注入によって添加された不純物が活性化させられる。具体的には、熱処理装置を用いたアニールが行われる。このアニールは、アルゴン(Ar)ガスなどの不活性ガス雰囲気中または真空中で、1300℃〜1900℃、30秒〜1時間の条件で行われる。
再び図1を参照して、ゲートトレンチ6内に、ゲート絶縁膜9およびゲート電極10が形成される。具体的には、まず、ゲート絶縁膜9およびゲート電極10が全面に形成される。その後、パターニングまたはエッチバックを用いることで、ゲートトレンチ6内のみにゲート絶縁膜9とゲート電極10とが残存させられる。
なお、図1においては、ゲート電極10の底部にあたる位置のゲート絶縁膜9の膜厚(図中、縦方向の寸法)と、ゲート電極10の側部にあたる位置のゲート絶縁膜9の膜厚(図中、横方向の寸法)とが同程度とされているが、ゲート電極10の底部にあたる位置のゲート絶縁膜9の膜厚の方が、ゲート電極10の側部にあたる位置のゲート絶縁膜9の膜厚よりも大きくされてもよい。ゲート絶縁膜9のうち、MOSFET71のスイッチング動作、すなわちゲート電極10によるチャネル領域への電界印加の制御、に直接関与するのは、ゲート電極10の側部にあたる部分のみであり、ゲート電極10の底部にあたる部分は直接関与しない。よって、ゲート絶縁膜9のうちゲート電極10の底部にあたる部分の膜厚は、MOSFET71のしきい値電圧に直接影響を及ぼさず、よって必要に応じて大きくされ得る。前述のとおりゲートトレンチ6底部は、電界集中に起因しての絶縁破壊が起こりやすい。上記のように、ゲート絶縁膜9のうちゲート電極10の底部にあたる部分の膜厚を選択的に大きくすることによって、ゲート絶縁膜9の絶縁破壊の発生をより抑制することができる。
続いて、上記のようにゲート絶縁膜9およびゲート電極10が設けられた炭化珪素層20の全面上に、層間絶縁膜16が形成される。次に、層間絶縁膜16をパターニングすることで、ソース領域3およびボディコンタクト領域4に達するソースコンタクトホールが形成される。
続いて、ソース領域3の上部とボディコンタクト領域4の上部とに接するようにソース電極11が形成される。ソース電極11はソース領域3およびボディコンタクト領域4とオーミック接触している必要がある。それに適した形成方法として、例えば、まず、ソースコンタクトホールを含む層間絶縁膜16の全面上に、Niを主成分とする金属膜が成膜される。次に、600℃〜1100℃の熱処理で金属膜を炭化珪素層20と反応させることによって、オーミック電極となるシリサイド膜が形成される。その後、層間絶縁膜16上に残留した未反応の金属膜がウェットエッチングで除去される。その後に、再度熱処理が行われてもよい。この熱処理が先の熱処理よりも高温で行われることで、より低いコンタクト抵抗を有するオーミック接触が形成される。さらに、Al合金等の電極材が堆積されることで、層間絶縁膜16上およびソースコンタクトホール上にソース電極11が形成される。
最後に、基板1の裏面上にAl合金等を用いてドレイン電極12が形成される。これにより、図1に示すようなセル構造を有するMOSFET71が作製される。
(比較例)
図12および図13のそれぞれは、比較例のMOSFET70および本実施の形態のMOSFET71のオン状態における空乏層DLの伸びを模式的に示す部分断面図である。比較例のMOSFET70は、空乏化抑制層8(図13)を有していない。
図12を参照して、比較例のMOSFET70においては、トレンチ底部保護層7から伸びる空乏層DLの影響で、隣り合うトレンチ底部保護層7間にJFET領域が形成される。これによりオン電流経路が狭窄されることによって、JFET抵抗が生じる。
図13を参照して、本実施の形態のMOSFET71においても、上述した狭窄が、ある程度は生じる。しかしながら、ドリフト層2のドナー濃度よりも高いドナー濃度を有する空乏化抑制層8が設けられていることによって、空乏層DLの伸びが抑制されている。これによりオン電流経路の狭窄が緩和されることによって、JFET抵抗が低減される。また、このようにオン電流経路が拡大することで、より小さいセルピッチが用いられても、JFET抵抗の増加の影響を受けにくくなる。これによりチャネル幅密度を増加させることができる。これによって、オン抵抗をより低減することができる。また、セルピッチの縮小によってトレンチ底部保護層7間の距離が小さくなることで、ゲートトレンチ6底部に加わる電界を緩和することができる。これによって、耐圧と、ゲート絶縁膜9の信頼性とが向上する。
(シミュレーション結果)
図14は、上述した比較例(円形でのプロット)と、本実施の形態の実施例(三角形でのプロット)との各々についての、セルピッチとオン抵抗との間の関係をシミュレーション結果に基づいて示すグラフ図である。比較例よりも実施例の方が、より低いオン抵抗を有している。この理由は、上述したように、空乏化抑制層8がJFET領域の広がりを抑制しているからと考えられる。またセルピッチが値「4」から値「3」程度へ縮小されることで、オン抵抗を低減する効果が一層高められていることがわかる。また、セルピッチが値「2.5」へさらに縮小されても、オン抵抗の増大が避けられている。
図15は、上記比較例(円形でのプロット)および上記実施例(三角形でのプロット)の各々についての、セルピッチと耐圧との間の関係をシミュレーション結果に基づいて示すグラフ図である。この結果から、ある程度のセルピッチ(例えば、値「3」程度以上)を確保しておけば、耐圧が空乏化抑制層8の有無にほとんど依存していないことがわかる。上述したオン抵抗のシミュレーション結果と合わせて考えれば、耐圧低下が発生しない範囲でセルピッチを短縮することで、チャネル幅密度を高め、かつ、ゲートトレンチ6底部への電界を緩和することができる。よって、実施例によれば、同じ耐圧を有する比較例に比して、より低いオン抵抗が得られる。これにより、耐圧とオン抵抗とのトレードオフが改善される。
一方、図15からわかるように、空乏化抑制層8の間にドリフト層2を介在させたとしてもセルピッチが短過ぎると(例えば、値「2.5」)、空乏化抑制層8を設けることによる耐圧低下が生じてしまう。仮に空乏化抑制層8がゲートトレンチ6間の一部だけでなく全体に形成されていたとすると、耐圧がより一層低下するであろうことは容易に推定される。本実施の形態では、空乏化抑制層8の間にドリフト層2を介在させるとともに、空乏化抑制層8のドナー濃度がゲートトレンチ6から離れるに連れて低下しているため、炭化珪素層20内部の電界増加を抑制しつつ、トレンチ底部保護層7からの空乏層の伸びを抑制することができる。その結果、耐圧低下を抑制しつつオン抵抗低減を実現することができる。
なお、本実施の形態では、p型のトレンチ底部保護層7がゲートトレンチ6の底部に設けられているが、隣り合うゲートトレンチ6間においてさらにp型保護層が設けられる構成は用いられていない。しかしながら、必要に応じてそのような構成が用いられてもよい。かかる構成においても、ゲートトレンチ6間の中央部分に設けるp型保護層と空乏化抑制層8との間にはドリフト層2が介在することが望ましい。これにより、空乏化抑制層8を設けることで生じる電界増加を抑制することができる。ただしこの場合は、上記p型保護層からの空乏層によってオン電流経路が狭窄されることを考慮してセルピッチを設定する必要がある。このため、セルピッチ縮小という観点からは、上記p型保護層を有しない構成である本実施の形態の構成の方が、より望ましい。
以上のように、空乏化抑制層8を設けることによって、オン抵抗を低減することができる。また、空乏化抑制層8をゲートトレンチ6間の中央から離れて配置することで、オフ時の電界が緩和され、よって耐圧が向上する。さらに、セルピッチの縮小が可能となり、チャネル幅密度の増加とゲートトレンチ6底部の電界緩和とが可能になる。これらの効果で、オン抵抗を低減し、かつ耐圧を向上させることができる。すなわち、MOSFETのオン特性およびオフ特性間のトレードオフを改善することができる。
(効果のまとめ)
本実施の形態1のMOSFET71によれば、p型を有する領域からの空乏層の延びが空乏化抑制層8によって抑制される。これにより、MOSFET71のオン抵抗を低減する効果が得られる。さらに、空乏化抑制層8が有するドナー濃度が、ゲートトレンチ6の側面から離れるに連れて低下している。これにより、上記効果を得つつ、空乏化抑制層8に起因してのドリフト層2内の電界の増加を抑制することができる。よって、耐圧の低下を抑制することができる。以上から、オン抵抗を低減しつつ、耐圧の低下を抑制することができる。
ドリフト層2は、互いに隣り合う1対のゲートトレンチ6の一方に設けられた空乏化抑制層8の側面から、1対のゲートトレンチ6の他方に設けられた空乏化抑制層8の側面まで延びる部分を有している。これにより、上記側面間にドリフト層2の不純物濃度よりも高い不純物濃度を有するn型の領域が存在する場合に比して、炭化珪素層20内の電界がより緩和される。よって、耐圧の低下をより抑制することができる。また、上記側面間にp型の領域が存在する場合(例えば、前述した特開2015−072999号公報の技術の場合)と異なり、当該領域から延びる空乏層に起因してオン電流経路が狭窄されてしまうことが避けられる。よって、オン抵抗をより低減することができる。
上記のように空乏層の伸びが抑制されることにより、JFET抵抗を大きく増加させずにゲートトレンチ6を高密度に形成することができる。これによりチャネル幅密度を増加させることができるので、オン抵抗をより低減させることが可能となる。加えて、ゲートトレンチ6間距離の短縮により、ゲートトレンチ6底部でゲート絶縁膜9に印加される電界強度が緩和されるので、耐圧がより向上する。以上から、オン抵抗と耐圧とのトレードオフを改善することができ、デバイス性能を向上させることが可能となる。
本実施の形態1の製造方法によれば、p型を有する領域からの空乏層の延びを抑制する空乏化抑制層8が形成される。これにより、MOSFET71のオン抵抗を低減する効果が得られる。さらに、空乏化抑制層8がゲートトレンチ6の側面へのイオン注入によって形成される。これにより、空乏化抑制層8が有するドナー濃度へ、ゲートトレンチ6の側面から離れるに連れて低下するような濃度分布を、容易に付与することができる。これにより、上述したオン抵抗低減の効果を得つつ、空乏化抑制層8に起因してのドリフト層2内の電界の増加を抑制することができる。よって、耐圧の低下を抑制することができる。以上から、オン抵抗を低減しつつ、耐圧の低下を抑制することができる。
空乏化抑制層8を形成する工程は、炭化珪素層20の厚み方向に対して斜めのイオンビームを照射する工程を含む。これにより、イオンビームをゲートトレンチ6の側面へ十分に到達させることができる。
好ましくは、空乏化抑制層8を形成する工程は、ゲートトレンチ6の側面のうちゲートトレンチ6の底部から離れた領域のみがイオンビームにさらされるような第1イオンビーム角度(図10の破線矢印よりも浅い角度)でイオンビームを照射する工程と、ゲートトレンチ6の底部および側面を含む領域がイオンビームにさらされるような第2イオンビーム角度(図10の破線矢印よりも深い角度)でイオンビームを照射する工程とを含む。より好ましくは、イオンビームにゲートトレンチ6の側面と底部との境界がさらされかつゲートトレンチ6の底部がさらされないようなイオンビーム角度、すなわち図10の破線矢印の角度、を第3イオンビーム角度とすると、第1イオンビーム角度および第2イオンビーム角度の各々と第3イオンビーム角度との差異が15度以内とされる。これにより、ゲートトレンチ6の底部にドナーが過度に注入されることが避けられる。よって、ゲートトレンチ6の底部に配置されp型を有するトレンチ底部保護層7の実効的な不純物濃度が過度に低下することが避けられる。
(変形例)
上記説明においては、図2に示されているように、セル構造がストライプ状である。しかしながら、セル構造はストライプ状に限定されるものではない。
図16は、図2の第1変形例を示す部分断面図である。本変形例においてはセル構造が格子状である。なお本例も、図1と同様の断面視に対応する構造を有しており、当該断面視においては複数のゲートトレンチ6が存在する。なお図16においてはセルが縦方向および横方向に整列されているが、必ずしも整列されていなくてもよい。またセルの形状は、正方形に限定されず、長方形などの他の四角形であってもよく、四角形以外の多角形であってもよい。また多角形の角が曲率を有していてもよい。
図17は、図2の第2変形例を示す部分断面図である。本変形例においては、空乏化抑制層8が島状に配置されている。このような配置は、フォトリソグラフィによるパターニングを用いることで形成され得る。
これらの変形例において、トレンチ底部保護層7(図1)のパターンレイアウトも、その幅は異なるとしても、ゲートトレンチ6と同様のパターンレイアウトであってよい。またゲートトレンチ6を挟むように、空乏化抑制層8が設けられている。またソース領域3(図1)のパターンレイアウトも、その幅は異なるとしても、空乏化抑制層8と同様のパターンレイアウトであってよい。
(付記)
上記においてはMOSFETについて説明したが、炭化珪素半導体装置はMOSFETに限定されるものではない。
例えば、炭化珪素半導体装置はIGBTであってもよい。上記MOSFET71においてはドリフト層2と基板1(バッファ層)とが同じ導電型を有しているが、基板1の導電型をドリフト層2の導電型と異なるものとすればIGBTが得られる。具体的には、図1の構成において、基板1の導電型をn型ではなくp型に変更すれば、IGBTの構成が得られる。その場合、MOSFET71のソース領域3およびソース電極11のそれぞれはIGBTのエミッタ領域およびエミッタ電極に対応し、MOSFET71のドレイン電極12はコレクタ電極に対応することになる。また、IGBTを得る方法は、上述したものに限定されるものではない。例えば、n型基板上にn型半導体層が形成され、このn型半導体層上にp型コレクタ層が形成され、その後、n型基板が除去されてもよい。これにより、n型半導体層とp型コレクタ層との積層構造が得られる。その後、この積層体に対して本実施の形態と類似の工程を施すことによってIGBTが得られる。
ゲート絶縁膜として酸化膜以外の膜を用いることもできる。よって炭化珪素半導体装置はMOSFET以外のMISFET(Metal-Insulator-Semiconductor Field Effect Transistor)であってもよい。
また上記においては第1導電型としてn型が用いられかつ第2導電型としてp型が用いられる場合について説明したが、これらの導電型が入れ替えられてもよい。その場合、上記説明における「ドナー」および「アクセプタ」の文言は、互いに読み替えられる。
なお上記付記の内容は、以下に記載されている他の実施の形態の各々にも該当する。
<実施の形態2>
図18は、本発明の実施の形態2によるMOSFET72(炭化珪素半導体装置)の構成を概略的に示す部分断面図である。MOSFET72においては、炭化珪素層20が高不純物濃度領域19を有している。高不純物濃度領域19は、深さ方向においてボディ領域5と空乏化抑制層8との間に配置され、ドリフト層2に接している。高不純物濃度領域19は、n型を有し、ドリフト層2が有するドナー濃度に比して高いドナー濃度を有している。高不純物濃度領域19のドナー濃度は、1×1015cm−3〜1×1019cm−3とされる。本実施の形態のように高不純物濃度領域19が設けられる場合においても、実施の形態1と同様に空乏化抑制層8間にドリフト層2が介在するように、高不純物濃度領域19は空乏化抑制層8よりも浅く形成されている。
高不純物濃度領域19のドナー濃度は、空乏化抑制層8と異なり、炭化珪素層20表面から同一の深さにおけるゲートトレンチ6底面と平行な方向(図18における横方向)において、実質的に均一であってよい。高不純物濃度領域19は上記方向において空乏化抑制層8間に形成されている。
なお、高不純物濃度領域19のパターンレイアウトは、セル構造に対応して、ストライプ状または島状とされ得る。変形例として、ゲートトレンチ6間の中央部分に高不純物濃度領域19が形成されない構成が用いられてもよい。
図19は、MOSFET72の製造方法の一工程を概略的に示す部分断面図である。本図に示される工程が図7(実施の形態1)に示される工程に代わり行われることで、MOSFET72が得られる。
なお、上記以外の構成については、上述した実施の形態1の構成またはその変形例とほぼ同じであるため、同一または対応する要素について同一の符号を付し、その説明を繰り返さない。
本実施の形態2によれば、高不純物濃度領域19が設けられることによって、ボディ領域5からの空乏層の延びが抑制される。これにより、オン抵抗をより低減することができる。また高不純物濃度領域19は、電流を拡散させる作用も有している。この作用によって、オン抵抗がより低減される。
なお、比較例のMOSFET70(図12)に高不純物濃度領域19を付加しただけでは、耐圧の低下への影響が大きく、耐圧の向上とオン抵抗の低減との両立が難しい。本実施の形態のように空乏化抑制層8と組み合わされることによって、上記両立が可能となる。
<実施の形態3>
図20は、本発明の実施の形態3によるMOSFET73(炭化珪素半導体装置)の構成を概略的に示す図であり、図21の線XX−XXに沿う部分断面図である。図21は、図20の線XXI−XXIに沿う部分断面図であり、平面視におけるトレンチ底部保護層7および空乏化抑制層8のパターンレイアウトに対応する図である。MOSFET73においては、ゲートトレンチ6の底部は、トレンチ底部保護層7が設けられた保護部分63と、トレンチ底部保護層7が設けられていない非保護部分64とを有している。
図21に示されているように、本実施の形態においては、ストライプ状に配置されかつ各々が長手方向(図中、横方向)に延在する複数のゲートトレンチ6が設けられている。長手方向に直交する一の断面視、すなわち図20、において、複数のゲートトレンチ6の複数の底部には、保護部分63と非保護部分64とが周期的に設けられている。例えば、図20に示されているように、保護部分63と非保護部分64との各々が、ゲートトレンチ6の周期の2倍の周期で設けられている。言い換えれば、保護部分63および非保護部分64が交互に設けられている。ゲートトレンチ6の側面は、保護部分63から延びかつ空乏化抑制層8が設けられた部分と、非保護部分64から延びかつ空乏化抑制層8が設けられた部分とを有している。
図22は、図21の変形例を示す、平面視におけるトレンチ底部保護層7および空乏化抑制層8のパターンレイアウトに対応する図である。本変形例においては、長手方向に直交する一の断面視(図22における線CSa−CSaに沿う断面視)において、複数のゲートトレンチ6の複数の底部のすべてに保護部分63が設けられている。また、長手方向に直交する他の断面視(図22における線CSb−CSbに沿う断面視)において、複数のゲートトレンチ6の複数の底部のすべてに非保護部分64が設けられている。言い換えれば、線CSb−CSbに沿う断面視においては、複数のゲートトレンチ6の複数の底部のいずれにも保護部分63が設けられていない。
MOSFET73の製造方法においては、まず、実施の形態1における図6〜図8の工程と同様の工程が行われる。次に、シリコン酸化膜15が除去される。図23を参照して、次に、注入マスク15Pが形成される。注入マスク15Pは、保護部分63を露出しかつ非保護部分64を覆うパターンレイアウトを有している。次に、注入マスク15Pを用いたイオン注入によってトレンチ底部保護層7が形成される。次に、注入マスク15Pが除去される。その後、実施の形態1における図10以降の工程と同様の工程が行われることによって、MOSFET73が得られる。
なお、上記以外の構成については、上述した実施の形態1もしくは2の構成またはその変形例とほぼ同じであるため、同一または対応する要素について同一の符号を付し、その説明を繰り返さない。
本実施の形態3によれば、トレンチ底部保護層7が設けられていないために元来JFET抵抗が低い領域においても、空乏化抑制層8が設けられることによって、JFET抵抗がさらに低減される。これによりオン抵抗をより低減することができる。
<実施の形態4>
(構成)
図24は、本発明の実施の形態4によるMOSFET74(炭化珪素半導体装置)の構成を概略的に示す図であり、図25の線XXIV−XXIVに沿う部分断面図である。図25は、図24の線XXV−XXVに沿う部分断面図であり、平面視におけるゲートトレンチおよび空乏化抑制層のパターンレイアウトに対応する図である。MOSFET74においては、ゲートトレンチ6の側面は、第1側面部分61と、第1側面部分61が有する面方位と異なる面方位を有する第2側面部分62とを有している。ここで「異なる面方位」とは、結晶学的に等価でない面方位のことをいう。特に、図24において具体的に示された例においては、第1側面部分61および第2側面部分は互いに向き合っている。空乏化抑制層8のうち第1側面部分61に設けられた部分の幅d1と、空乏化抑制層8のうち第2側面部分62に設けられた部分の幅d2とは、互いに異なっている。
上記のような構造は、空乏化抑制層8のうち第1側面部分61に設けられる部分の形成時と、空乏化抑制層8のうち第2側面部分62に設けられる部分の形成時とで、イオン注入時のエネルギーおよび注入量の少なくとも一方を変化させることによって得られる。その他の方法として、面方位に応じて注入深さが相異する効果であるチャネリング効果を利用してもよい。
なお、上記以外の構成については、上述した実施の形態1〜3の構成またはその変形例とほぼ同じであるため、同一または対応する要素について同一の符号を付し、その説明を繰り返さない。
(効果)
本実施の形態4によれば、ゲートトレンチ6の側面の面方位の相異に起因してのチャネル特性のばらつきを、空乏化抑制層8の幅の調整によって抑制することができる。よって、オン抵抗と耐圧とのトレードオフをより改善することができる。この、チャネル特性のばらつき抑制について、以下に、より具体的に説明する。
炭化珪素単結晶基板である基板1の上面には、オフ角が付与される場合が多い。その場合、ゲートトレンチ6の、互いに向かい合う第1側面部分61と第2側面部分62とは、たとえ互いに平行であっても、異なる面方位を有する。またオフ角が付与されない場合であっても、ゲートトレンチ6の構成によっては、側壁に、異なる面方位を有する部分が設けられる。面方位が異なれば、その電子移動度も、通常、異なる。例えば、第1側面部分61の電子移動度が相対的に低く、第2側面部分62の電子移動度が相対的に高いとする。この場合、それらを用いて単純にチャネル構造が形成されると(すなわち、図1のように左右対称にチャネル構造が形成されると)、電流密度に相違が生じてしまう。具体的には、第2側面部分62の方に電流が偏りやすくなる。このことは、低いオン抵抗と高い耐圧とを有するMOSFETを得るためには好ましくない。
本実施の形態によれば、空乏化抑制層8が第1側面部分61および第2側面部分62のそれぞれに幅d1および幅d2で設けられ、幅d1が幅d2よりも大きくされる。これにより、第1側面部分61近傍において、低抵抗領域の幅がより広くなることによって、ドリフト抵抗が小さくなる。すなわち、電子移動度の低さが補われる。よって、ゲートトレンチ6の側面の面方位の相異に起因してのチャネル特性のばらつきを抑制することができる。
(変形例)
上記においては幅d1>幅d2>0の場合について説明したが、幅d1>幅d2=0とされてもよい。すなわち、空乏化抑制層8が、第1側面部分61には設けられかつ第2側面部分62には設けられなくてもよい。すなわち、空乏化抑制層8が第1側面部分61にのみ設けられてもよい。このような構成は、第1側面部分61での電子移動度が第2側面部分62での電子移動度よりも小さい場合、または、第1側面部分61がチャネルとして用いられかつ第2側面部分62がチャネルとして用いられない場合に、特に有効である。なおこのような構成においても、互いに隣り合う1対のゲートトレンチ6の一方に設けられた空乏化抑制層8と、他方に設けられた空乏化抑制層8の側面との間には、ドリフト層2が介在することになる。
上記MOSFET74においては、セル構造をなすストライプ形状の延在方向に垂直な一方向(図25における縦方向)において空乏化抑制層8の幅d1および幅d2が互いに相違させられているが、空乏化抑制層8の幅が2以上の方向で変化させられてもよい。例えば、図26に示されるように、セル構造をなす格子形状の延在方向に垂直な2方向(図中、縦方向および横方向)において空乏化抑制層8の幅が変化させられてもよい。
また上記においては空乏化抑制層8の幅が変化させられているが、空乏化抑制層8について、幅、ドナー濃度および深さなどに関する構成の少なくともいずれかが変化させられてもよい。例えば、空乏化抑制層8のうち第1側面部分61に設けられた部分のドナーピーク濃度(第1導電型の不純物ピーク濃度)と、空乏化抑制層8のうち第2側面部分62に設けられた部分のドナーピーク濃度とが、互いに異なるものとされてもよい。あるいは、空乏化抑制層8のうち第1側面部分61に設けられた部分のドナー濃度の深さ方向における分布と、空乏化抑制層8のうち第2側面部分62に設けられた部分のドナー濃度の深さ方向における分布とが、互いに異なるものとされてもよい。あるいは、空乏化抑制層8のうち第1側面部分61に設けられた部分の幅の深さ方向における分布と、空乏化抑制層8のうち第2側面部分62に設けられた部分の幅の深さ方向における分布とが、互いに異なるものとされてもよい。
<実施の形態5>
(構成)
図27は、本発明の実施の形態5によるMOSFET75(炭化珪素半導体装置)の構成を概略的に示す図であり、図28の線XXV−XXVに沿う部分断面図である。図28は、図27の線XXVIII−XXVIIIに沿う部分断面図であり、平面視におけるゲートトレンチ6とコンタクトトレンチ60と空乏化抑制層8とのパターンレイアウトに対応する図である。
MOSFET75においては、炭化珪素層20に、トレンチ底部保護層7に達するコンタクトトレンチ60が設けられている。ソース電極11は、コンタクトトレンチ60を通ってトレンチ底部保護層7にオーミック接触している。
空乏化抑制層8は、コンタクトトレンチ60の側面とドリフト層2との間に設けられた部分を有している。この部分は、図27に示されているように、ボディ領域5の下部から、コンタクトトレンチ60の底部よりも深い位置にまで延びている。コンタクトトレンチ60の側面は、図28に示されているように、第1側面部分66と、第1側面部分66が有する面方位と異なる面方位を有する第2側面部分67とを有していてよい。第1側面部分66には空乏化抑制層8が設けられており、第2側面部分67には空乏化抑制層8が設けられていない。
コンタクトトレンチ60の側面の一部または全部には、ゲートトレンチ6の側面と同様、ゲート絶縁膜9とゲート電極10とが配置されている。これにより、コンタクトトレンチ60の側面の少なくとも一部をチャネルとして用いることができる。コンタクトトレンチ60内において、ゲート電極10とソース電極11とは、層間絶縁膜16によって隔てられている。層間絶縁膜16は保護層コンタクトホール18を有しており、それを通ってソース電極11はトレンチ底部保護層7へつながっている。よってMOSFET75は平面視において、ゲート電極10が設けられた素子領域31と、保護層コンタクトホール18が設けられた保護層コンタクト領域32とを有している。
なお、上記以外の構成については、上述した実施の形態1〜4の構成またはその変形例とほぼ同じであるため、同一または対応する要素について同一の符号を付し、その説明を繰り返さない。
(効果)
本実施の形態5によれば、ソース電極11がトレンチ底部保護層7にオーミック接触している。これにより、トレンチ底部保護層7の電位が、ソース電極11の電位へ固定されることによって安定化される。よってMOSFET75のスイッチング速度を向上させることができる。すなわち、高速スイッチング時においても、トレンチ底部保護層7によって耐圧を高める効果が十分に得られる。さらに、上記接触を得るために設けられたコンタクトトレンチ60の底部の電界強度が、トレンチ底部保護層7によって低減される。これにより、ゲートトレンチ6だけでなく、コンタクトトレンチ60に起因しての耐圧の低下も抑制することができる。
空乏化抑制層8は、コンタクトトレンチ60の側面とドリフト層2との間に設けられた部分を有しており、この部分は、ボディ領域5の下部から、コンタクトトレンチ60の底部よりも深い位置にまで延びている。これにより、コンタクトトレンチ60の底部近傍におけるトレンチ底部保護層7からの空乏層の延びが、空乏化抑制層8によって抑制される。よって、コンタクトトレンチ60近傍でのJFET抵抗が低減される。よってMOSFET75のオン抵抗をより低減することができる。
コンタクトトレンチ60の側面は、空乏化抑制層8が設けられた第1側面部分66と、第1側面部分が有する面方位と異なる面方位を有しかつ空乏化抑制層8が設けられていない第2側面部分67とを含んでよい。これにより、面方位の特性に応じて、空乏化抑制層8がコンタクトトレンチ60の側面の一部にのみ設けられる。よって、空乏化抑制層8によってオン抵抗を効果的に低減しつつ、空乏化抑制層8が配置されない箇所の近傍では空乏化抑制層8に起因しての電界強度の増大を避けることができる。また、前述した実施の形態5の場合と類似の理由によって、コンタクトトレンチ60の側面の面方位の相異に起因してのチャネル特性のばらつきを抑制することができる。
特に、コンタクトトレンチ60の側面の第2側面部分67の面方位が、ゲートトレンチ6の側面のいずれの面方位とも異なる場合、第2側面部分67に起因しての耐圧低下を防止することに、特別な配慮が必要となり得る。上述したように第2側面部分67に空乏化抑制層8を配置しないことによって、そのような耐圧低下を避けることができる。
なおゲートトレンチ6の配置は、図28に示されているようなストライプ状の配置に限定されるものではなく、例えば、図16と同様の格子状の配置が用いられてもよい。
<実施の形態6>
(構成)
図29は、本発明の実施の形態6によるMOSFET76(炭化珪素半導体装置)の構成を概略的に示す図であり、平面視におけるゲートトレンチ6と空乏化抑制層8とのパターンレイアウトに対応する図であり、図30の線XXIX−XXIX沿う部分断面図である。図30は、図29の線XXX−XXXに沿う部分断面図である。
本実施の形態においては、ストライプ状に配置され、各々が長手方向(図29における横方向)に延在する複数のゲートトレンチ6が設けられている。また、長手方向に交差する方向に延在し、ゲートトレンチ6の深さと等しい深さを有する、少なくとも1つの交差トレンチ65が設けられている。好ましくは、交差トレンチ65は、長手方向に直交する方向に延在している。交差トレンチ65は、ボディ領域5(図30)よりも深い位置にまで達している。
ゲート絶縁膜9は、ゲートトレンチ6内だけでなく、交差トレンチ65内に設けられた部分を含む。ゲート絶縁膜9は、ゲートトレンチ6内だけでなく交差トレンチ65内においても、ボディ領域5およびソース領域3に向かい合っている。ゲート電極10は、交差トレンチ65内に設けられた部分を含む。これにより、交差トレンチ65の側面をチャネルとして用いることができる。
トレンチ底部保護層7は、交差トレンチ65の底部に設けられた部分を含む。
交差トレンチ65の側面には、空乏化抑制層8が設けられていてもよく、設けられていなくてもよい。言い換えれば、交差トレンチ65の側面は、ボディ領域5の下方において、空乏化抑制層8が設けられていない部分を含んでよい。その場合、図30に示されているように、交差トレンチ65の側面は、ボディ領域5の下方において、ドリフト層2が設けられた部分を含み得る。
なお、上記以外の構成については、上述した実施の形態1〜5の構成またはその変形例とほぼ同じであるため、同一または対応する要素について同一の符号を付し、その説明を繰り返さない。
(効果)
上述した実施の形態1〜4の構成またはその変形例においては、ゲート電極10のうちゲートトレンチ6の内部に埋め込まれた部分は、ゲートトレンチ6に沿って長手方向に延在しており、長手方向に直交する方向に隣接するゲートトレンチ6同士は互いに接続されていない。これに対して本実施の形態6によれば、これらが、ゲート電極10のうち交差トレンチ65の内部に埋め込まれた部分によって、互いに接続されている。これにより、MOSFET76のゲート電極10はネットワーク状に配置される。よって、MOSFETの内部ゲート抵抗を低減することができる。
また、交差トレンチ65の側面の少なくとも一部に、空乏化抑制層8が設けられていない部分を設けることによって、MOSFET内における電流分布のアンバランスを抑制することができる。この点について、以下に説明する。
トレンチの延在方向の相違によって、交差トレンチ65の側面は、ゲートトレンチ6の側面が有する面方位と異なる面方位を有している。このため、ゲートトレンチ6の側面によって形成されるチャネルと、交差トレンチ65の側面によって形成されるチャネルとは、面方位の相違に起因して、異なる電気特性を有している。このことは、スイッチングの際に、MOSFET内における電流のアンバランスを引き起こし得る。交差トレンチ65の側面のうち空乏化抑制層8が設けられていない部分の近傍では、チャネルが、より高い電気抵抗を有する。これにより、交差トレンチ65の側面上のチャネルを実効的に動作させないようにすることができる。よって、上述した電流アンバランスを抑制することができる。
またボディ領域5の下方において、交差トレンチ65の側面は、上述したように、空乏化抑制層8が設けられていない部分を含んでよい。これにより、空乏化抑制層8を形成するためのイオン注入工程において、ボディ領域5の下方における交差トレンチ65の側面全体にイオン注入を行う必要がない。よって、イオン注入の回数を減らすことができる。
<実施の形態7>
図31は、本発明の実施の形態7によるMOSFET76(炭化珪素半導体装置)の構成を概略的に示す部分断面図である。MOSFET76は、ゲートトレンチ6が設けられた素子領域31と、素子領域31の外側に配置された外周領域33とを有している。なお素子領域31の構成は、実施の形態1〜4またはその変形例と同様である。また実施の形態5と同様に保護層コンタクト領域32(図27)が付加されてもよい。
外周領域33には外周トレンチ68が設けられている。外周トレンチ68の側面と、外周トレンチ68の側面に向かい合うゲートトレンチ6の側面との少なくともいずれかには、空乏化抑制層8が設けられていない。図31に例示された構成においては、それらのいずれにも空乏化抑制層8が設けられていない。特に、外周トレンチ68の側面には空乏化抑制層8が設けられないことが好ましい。
本実施の形態7によれば、外周トレンチ68の側面と、外周トレンチ68の側面に向かい合うゲートトレンチ6の側面との少なくともいずれかには、空乏化抑制層8が設けられていない。外周領域33はオン時の電流経路としてあまり用いられないので、空乏化抑制層8が設けられなくても、オン抵抗への影響は小さい。一方で、外周領域33において、空乏化抑制層8に起因した電界の増加を抑制することができる。よって、オン抵抗への大きな悪影響なしに、耐圧をより高めることができる。
特に、外周トレンチ68の側面は、電流経路として用いられないので、空乏化抑制層8が設けられることによる利点はない。よって、トレンチ底部の電界強度の増加を抑えるために、外周トレンチ68の側面には空乏化抑制層8が設けられないことが好ましい。
なお実施の形態1〜6では、ワイドバンドギャップ半導体の1つである炭化珪素を用いて形成された半導体装置(炭化珪素半導体装置)について説明したが、これらの実施の形態は、例えば、窒化ガリウム(GaN)系材料、ダイヤモンドなど、他のワイドバンドギャップ半導体を用いた半導体装置(ワイドバンドギャップ半導体装置)に対しても適用可能である。
<実施の形態8>
本実施の形態8は、上述した実施の形態1〜6またはその変形例にかかる炭化珪素半導体装置が電力変換装置に適用されたものである。本発明は特定の電力変換装置に限定されるものではないが、本実施の形態8として、三相のインバータへの適用について、以下に説明する。
図32は、本発明の実施の形態8による電力変換装置200が適用された電力変換システムの構成を概略的に示すブロック図である。
電力変換装置200は、電源100と負荷300との間に接続された三相のインバータであり、電源100から供給された直流電力を交流電力に変換し、負荷300に交流電力を供給する。電力変換装置200は、主変換回路201と、駆動回路202と、制御回路203とを有している。主変換回路201は、スイッチング素子として上記炭化珪素半導体装置を有しており、入力される直流電力を交流電力に変換してそれを出力する。駆動回路202は、スイッチング素子としての炭化珪素半導体装置の各々を駆動する駆動信号を炭化珪素半導体装置に出力する。制御回路203は、駆動回路202を制御する制御信号を駆動回路202に出力する。
電源100は、直流電源であり、電力変換装置200に直流電力を供給する。電源100は種々のもので構成することが可能であり、例えば、直流系統、太陽電池、蓄電池で構成することができるし、交流系統に接続された整流回路またはAC/DCコンバータで構成することとしてもよい。また、電源100を、直流系統から出力される直流電力を所定の電力に変換するDC/DCコンバータによって構成することとしてもよい。
負荷300は、電力変換装置200から供給された交流電力によって駆動される三相の電動機である。なお、負荷300は特定の用途に限られるものではなく、各種電気機器に搭載された電動機であり、例えば、ハイブリッド自動車、電気自動車、鉄道車両、エレベーター、または、空調機器向けの電動機として用いられる。
以下、電力変換装置200の詳細を説明する。主変換回路201は、スイッチング素子および還流ダイオードを備えている(図示せず)。スイッチング素子がスイッチングすることによって、主変換回路201は、電源100から供給される直流電力を交流電力に変換し、それを負荷300に供給する。主変換回路201の具体的な回路構成は種々のものがあるが、本実施の形態にかかる主変換回路201は2レベルの三相フルブリッジ回路であり、6つのスイッチング素子と、それぞれのスイッチング素子に逆並列された6つの還流ダイオードとから構成することができる。6つのスイッチング素子は2つのスイッチング素子ごとに直列接続され上下アームを構成し、各上下アームはフルブリッジ回路の各相(U相、V相、W相)を構成する。そして、各上下アームの出力端子、すなわち主変換回路201の3つの出力端子は、負荷300に接続される。
駆動回路202は、主変換回路201のスイッチング素子を駆動する駆動信号を生成し、主変換回路201のスイッチング素子の制御電極に供給する。具体的には、駆動回路202は、後述する制御回路203からの制御信号に従い、スイッチング素子をオン状態にする駆動信号と、スイッチング素子をオフ状態にする駆動信号とを各スイッチング素子の制御電極に出力する。スイッチング素子をオン状態に維持する場合、駆動信号はスイッチング素子のしきい値電圧以上の電圧信号(オン信号)であり、スイッチング素子をオフ状態に維持する場合、駆動信号はスイッチング素子のしきい値電圧以下の電圧信号(オフ信号)となる。
制御回路203は、負荷300に所望の電力が供給されるよう主変換回路201のスイッチング素子を制御する。具体的には、制御回路203は、負荷300に供給すべき電力に基づいて、主変換回路201の各スイッチング素子がオン状態となるべき時間(オン時間)を算出する。例えば、出力すべき電圧に応じてスイッチング素子のオン時間を変調するPWM制御によって主変換回路201を制御することができる。そして、各時点において、オン状態となるべきスイッチング素子にはオン信号が出力され、オフ状態となるべきスイッチング素子にはオフ信号が出力されるよう、制御回路203は駆動回路202に制御指令(制御信号)を出力する。駆動回路202は、この制御信号に従い、各スイッチング素子の制御電極にオン信号またはオフ信号を駆動信号として出力する。
電力変換装置200の製造方法は、次の工程を有している。前述した実施の形態1〜6またはその変形例において説明された炭化珪素半導体装置の製造方法によって、炭化珪素半導体装置が製造される。この炭化珪素半導体装置を有する主変換回路201と、駆動回路202と、制御回路203とが形成される。
本実施の形態8の電力変換装置200によれば、主変換回路201は、スイッチング素子として、実施の形態1〜6またはその変形例の炭化珪素半導体装置を有している。これにより、スイッチング素子のオン抵抗を低減しつつ、その耐圧の低下を抑制することができる。よって、電力損失を低減しつつ、電力変換装置200の信頼性を高めることができる。
本実施の形態では、2レベルの三相インバータへの適用を例に説明したが、本発明は、これに限られるものではなく、種々の電力変換装置に適用することができる。本実施の形態では、電力変換装置が2レベルの電力変換装置であるが、3レベルなどのマルチレベルの電力変換装置であっても構わない。また単相負荷に電力を供給する場合には、単相のインバータに本発明を適用しても構わない。また、直流負荷等に電力を供給する場合には、DC/DCコンバータまたはAC/DCコンバータに本発明を適用することも可能である。
また、本発明が適用された電力変換装置は、上述した負荷が電動機の場合に限定されるものではなく、例えば、放電加工機、レーザー加工機、誘導加熱調理器および非接触器給電システムのいずれかの電源装置として用いることもでき、さらには太陽光発電システムまたは蓄電システム等のパワーコンディショナーとして用いることも可能である。
なお、本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略したりすることが可能である。この発明は詳細に説明されたが、上記した説明は、すべての局面において、例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。
1 基板、2 ドリフト層、3 ソース領域、4 ボディコンタクト領域、5 ボディ領域、6 ゲートトレンチ、7 トレンチ底部保護層、8 空乏化抑制層、9 ゲート絶縁膜、10 ゲート電極、11 ソース電極、12 ドレイン電極、15 シリコン酸化膜、15P 注入マスク、16 層間絶縁膜、18 保護層コンタクトホール、19 高不純物濃度領域、20 炭化珪素層(半導体層)、31 素子領域、32 保護層コンタクト領域、33 外周領域、60 コンタクトトレンチ、61,66 第1側面部分、62,67 第2側面部分、63 保護部分、64 非保護部分、65 交差トレンチ、68 外周トレンチ、71〜77 MOSFET(炭化珪素半導体装置)、100 電源、200 電力変換装置、201 主変換回路、202 駆動回路、203 制御回路、300 負荷。

Claims (23)

  1. 炭化珪素からなり、第1導電型を有するドリフト層(2)と、
    前記ドリフト層(2)上に設けられ、前記第1導電型と異なる第2導電型を有するボディ領域(5)と、
    前記ボディ領域(5)上に設けられ、前記第1導電型を有するソース領域(3)と、
    前記ボディ領域(5)よりも深い位置にまで達する少なくとも1つのゲートトレンチ(6)内に設けられ、前記ボディ領域(5)および前記ソース領域(3)に向かい合うゲート絶縁膜(9)と、
    前記ゲートトレンチ(6)内に設けられ、前記ゲート絶縁膜(9)を介して前記ボディ領域(5)に向かい合うゲート電極(10)と、
    前記ソース領域(3)と電気的に接続されたソース電極(11)と、
    前記ゲートトレンチ(6)の底部に接して設けられ、前記ボディ領域(5)より高い不純物濃度で前記第2導電型を有するトレンチ底部保護層(7)と、
    前記ゲートトレンチ(6)の側面と前記ドリフト層(2)との間に設けられ、前記トレンチ底部保護層(7)の側面に接し、前記ボディ領域(5)の下部から前記ゲートトレンチ(6)の底部よりも深い位置にまで延び、前記第1導電型を有し、前記ドリフト層(2)が有する前記第1導電型の不純物濃度に比して高い前記第1導電型の不純物濃度を有する空乏化抑制層(8)と、
    を備え、前記空乏化抑制層(8)が有する前記第1導電型の不純物濃度は、前記ゲートトレンチ(6)の側面から離れるに連れて低下している、炭化珪素半導体装置(71〜77)。
  2. 深さ方向において前記ボディ領域(5)と前記空乏化抑制層(8)との間に配置され、前記ドリフト層(2)に接し、前記第1導電型を有し、前記ドリフト層(2)が有する前記第1導電型の不純物濃度に比して高い前記第1導電型の不純物濃度を有する高不純物濃度領域(19)をさらに備える、請求項1に記載の炭化珪素半導体装置(72)。
  3. 断面視において前記少なくとも1つのゲートトレンチ(6)は複数のゲートトレンチ(6)であり、前記複数のゲートトレンチ(6)は、互いに隣り合う1対のゲートトレンチ(6)を含み、
    前記ドリフト層(2)は、前記1対のゲートトレンチ(6)の一方に設けられた前記空乏化抑制層(8)の側面から、前記1対のゲートトレンチ(6)の他方に設けられた前記空乏化抑制層(8)の側面まで延びる部分を有している、請求項1または2に記載の炭化珪素半導体装置(71〜77)。
  4. 前記ゲートトレンチ(6)の底部は、前記トレンチ底部保護層(7)が設けられた保護部分(63)と、前記トレンチ底部保護層(7)が設けられていない非保護部分(64)とを有しており、
    前記ゲートトレンチ(6)の側面は、前記保護部分(63)から延びかつ前記空乏化抑制層(8)が設けられた部分と、前記非保護部分(64)から延びかつ前記空乏化抑制層(8)が設けられた部分とを有している、請求項1から3のいずれか1項に記載の炭化珪素半導体装置(73)。
  5. 前記少なくとも1つのゲートトレンチ(6)は、ストライプ状に配置されかつ各々が長手方向に延在する複数のゲートトレンチ(6)であり、
    前記長手方向に直交する一の断面視において、前記複数のゲートトレンチ(6)の複数の底部には、前記保護部分(63)と前記非保護部分(64)とが周期的に設けられている、
    請求項4に記載の炭化珪素半導体装置(73)。
  6. 前記少なくとも1つのゲートトレンチ(6)は、ストライプ状に配置されかつ各々が長手方向に延在する複数のゲートトレンチ(6)であり、
    前記長手方向に直交する一の断面視において、前記複数のゲートトレンチ(6)の複数の底部のすべてに前記保護部分(63)が設けられており、
    前記長手方向に直交する他の断面視において、前記複数のゲートトレンチ(6)の複数の底部のすべてに前記非保護部分(64)が設けられている、
    請求項4に記載の炭化珪素半導体装置(73)。
  7. 前記ゲートトレンチ(6)の側面は、第1側面部分(61)と、前記第1側面部分(61)が有する面方位と異なる面方位を有する第2側面部分(62)とを有しており、
    前記空乏化抑制層(8)のうち前記第1側面部分(61)に設けられた部分の前記第1導電型の不純物ピーク濃度と、前記空乏化抑制層(8)のうち前記第2側面部分(62)に設けられた部分の前記第1導電型の不純物ピーク濃度とは、互いに異なっている、請求項1から6のいずれか1項に記載の炭化珪素半導体装置(74)。
  8. 前記ゲートトレンチ(6)の側面は、第1側面部分(61)と、前記第1側面部分(61)が有する面方位と異なる面方位を有する第2側面部分(62)とを有しており、
    前記空乏化抑制層(8)のうち前記第1側面部分(61)に設けられた部分の幅(d1)と、前記空乏化抑制層(8)のうち前記第2側面部分(62)に設けられた部分の幅(d2)とは、互いに異なっている、請求項1から7のいずれか1項に記載の炭化珪素半導体装置(74)。
  9. 前記ゲートトレンチ(6)の側面は、第1側面部分(61)と、前記第1側面部分(61)が有する面方位と異なる面方位を有する第2側面部分(62)とを有しており、
    前記空乏化抑制層(8)のうち前記第1側面部分(61)に設けられた部分の前記第1導電型の不純物濃度の深さ方向における分布と、前記空乏化抑制層(8)のうち前記第2側面部分(62)に設けられた部分の前記第1導電型の不純物濃度の深さ方向における分布とは、互いに異なっている、請求項1から8のいずれか1項に記載の炭化珪素半導体装置(74)。
  10. 前記ゲートトレンチ(6)の側面は、第1側面部分(61)と、前記第1側面部分(61)が有する面方位と異なる面方位を有する第2側面部分(62)とを有しており、
    前記空乏化抑制層(8)のうち前記第1側面部分(61)に設けられた部分の幅の深さ方向における分布と、前記空乏化抑制層(8)のうち前記第2側面部分(62)に設けられた部分の幅の深さ方向における分布とは、互いに異なっている、請求項1から9のいずれか1項に記載の炭化珪素半導体装置(74)。
  11. 前記ソース電極(11)は、前記トレンチ底部保護層(7)に達するコンタクトトレンチ(60)を通って前記トレンチ底部保護層(7)にオーミック接触している、請求項1から10のいずれか1項に記載の炭化珪素半導体装置(75)。
  12. 前記空乏化抑制層(8)は、前記コンタクトトレンチ(60)の側面と前記ドリフト層(2)との間に設けられ前記ボディ領域(5)の下部から前記コンタクトトレンチ(60)の底部よりも深い位置にまで延びる部分を有している、請求項11に記載の炭化珪素半導体装置(75)。
  13. 前記コンタクトトレンチ(60)の側面は、前記空乏化抑制層(8)が設けられた第1側面部分(66)と、前記第1側面部分(66)が有する面方位と異なる面方位を有しかつ前記空乏化抑制層(8)が設けられていない第2側面部分(67)とを含む、請求項12に記載の炭化珪素半導体装置(75)。
  14. 前記少なくとも1つのゲートトレンチ(6)は、ストライプ状に配置されかつ各々が長手方向に延在する複数のゲートトレンチ(6)であり、
    前記ゲート絶縁膜(9)は、前記長手方向に交差する方向に延在し前記ゲートトレンチ(6)の深さと等しい深さを有する少なくとも1つの交差トレンチ(65)内に設けられた部分を含み、
    前記ゲート電極(10)は、前記交差トレンチ(65)内に設けられた部分を含み、
    前記トレンチ底部保護層(7)は、前記交差トレンチ(65)の底部に設けられた部分を含む、
    請求項1から13のいずれか1項に記載の炭化珪素半導体装置(76)。
  15. 前記交差トレンチ(65)の側面は、前記ゲートトレンチ(6)の側面が有する面方位と異なる面方位を有しており、
    前記交差トレンチ(65)の側面は、前記空乏化抑制層(8)が設けられていない部分を含む、請求項14に記載の炭化珪素半導体装置(76)。
  16. 前記炭化珪素半導体装置は、前記ゲートトレンチ(6)が設けられた素子領域(31)と、前記素子領域(31)の外側に配置された外周領域(33)とを有しており、
    前記外周領域(33)に設けられた外周トレンチ(68)の側面と、前記外周トレンチ(68)の側面に向かい合う前記ゲートトレンチ(6)の側面と、の少なくともいずれかには、前記空乏化抑制層(8)が設けられていない、請求項1から15のいずれか1項に記載の炭化珪素半導体装置(77)。
  17. 請求項1から請求項16のいずれか1項に記載の炭化珪素半導体装置(71〜77)を有し、入力される電力を変換して出力する主変換回路(201)と、
    前記炭化珪素半導体装置を駆動する駆動信号を前記炭化珪素半導体装置に出力する駆動回路(202)と、
    前記駆動回路(202)を制御する制御信号を前記駆動回路(202)に出力する制御回路(203)と、
    を備えた、電力変換装置(200)。
  18. 炭化珪素からなり第1導電型を有するドリフト層(2)と、前記ドリフト層(2)上に配置され前記第1導電型と異なる第2導電型を有するボディ領域(5)と、前記ボディ領域(5)上に配置され前記第1導電型を有するソース領域(3)と、を含む半導体層を形成する工程と、
    前記半導体層に、前記ボディ領域(5)よりも深い位置にまで達する少なくとも1つのゲートトレンチ(6)を形成する工程と、
    前記ゲートトレンチ(6)の底部に接し前記ボディ領域(5)より高い不純物濃度で前記第2導電型を有するトレンチ底部保護層(7)を形成する工程と、
    前記ボディ領域(5)の下部から前記ゲートトレンチ(6)の底部よりも深い位置にまで延び、前記トレンチ底部保護層(7)の側面に接し、前記第1導電型を有し、前記ドリフト層(2)が有する前記第1導電型の不純物濃度に比して高い前記第1導電型の不純物濃度を有する空乏化抑制層(8)を、前記ゲートトレンチ(6)の側面へのイオン注入によって前記ゲートトレンチ(6)の側面と前記ドリフト層(2)との間に形成する工程と、
    前記ゲートトレンチ(6)内に、前記ボディ領域(5)および前記ソース領域(3)に向かい合うゲート絶縁膜(9)を形成する工程と、
    前記ゲートトレンチ(6)内に、前記ゲート絶縁膜(9)を介して前記ボディ領域(5)に向かい合うゲート電極(10)を形成する工程と、
    前記ソース領域(3)と電気的に接続されたソース電極(11)を形成する工程と、
    を備える、炭化珪素半導体装置(71〜77)の製造方法。
  19. 前記空乏化抑制層(8)を形成する工程において、前記イオン注入は、前記空乏化抑制層(8)が有する前記第1導電型の不純物濃度が、前記ゲートトレンチ(6)の側面から離れるに連れて低下するように行われる、請求項18に記載の炭化珪素半導体装置(71〜77)の製造方法。
  20. 前記空乏化抑制層(8)を形成する工程は、前記半導体層の厚み方向に対して斜めのイオンビームを照射する工程を含む、請求項18または19に記載の炭化珪素半導体装置(71〜77)の製造方法。
  21. 前記空乏化抑制層(8)を形成する工程は、前記ゲートトレンチ(6)の幅方向および深さ方向の両方を含む断面視において、前記ゲートトレンチ(6)の側面のうち前記ゲートトレンチ(6)の底部から離れた領域が前記イオンビームにさらされるような第1イオンビーム角度で前記イオンビームを照射する工程と、前記ゲートトレンチ(6)の底部および側面を含む領域が前記イオンビームにさらされるような第2イオンビーム角度で前記イオンビームを照射する工程とを含む、請求項20に記載の炭化珪素半導体装置(71〜77)の製造方法。
  22. 前記ゲートトレンチ(6)の幅方向および深さ方向の両方を含む断面視において、イオンビームに前記ゲートトレンチ(6)の側面と底部との境界がさらされかつ前記ゲートトレンチ(6)の底部がさらされないようなイオンビーム角度を第3イオンビーム角度とすると、前記第1イオンビーム角度および前記第2イオンビーム角度の各々と前記第3イオンビーム角度との差異は15度以内である、請求項21に記載の炭化珪素半導体装置(71〜77)の製造方法。
  23. 請求項18から請求項22のいずれか1項に記載の炭化珪素半導体装置(71〜77)の製造方法によって炭化珪素半導体装置(71〜77)を製造する工程と、
    前記炭化珪素半導体装置(71〜77)を有し入力される電力を変換して出力する主変換回路(201)と、前記炭化珪素半導体装置(71〜77)を駆動する駆動信号を前記炭化珪素半導体装置(71〜77)に出力する駆動回路(202)と、前記駆動回路(202)を制御する制御信号を前記駆動回路(202)に出力する制御回路(203)と、を形成する工程と、
    を備える、電力変換装置(200)の製造方法。
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