WO2023195062A1 - ブッシュ部品、および冷媒分配装置 - Google Patents

Abstract

本開示に係るブッシュ部品は、弾性ブッシュと、ホルダと、を備え、ホルダは、四角枠状のホルダ本体部と、貫通穴の周縁部に第１側から引っ掛かるフランジ部と、貫通穴の周縁部に第２側から引っ掛かる爪部と、ホルダ本体部の内縁にヒンジ部を介して繋がる一対の保持部と、を有し、ホルダ本体部は、四角枠状の外壁部を有し、弾性ブッシュは、弾性板部と、弾性板部から第２側に突出し、外壁部の内側に挿入される四角枠状の第１弾性枠部と、第１弾性枠部の内側面に形成された一対の第１突起部と、を有し、弾性板部には、配線穴が形成可能であり、一対の保持部は、ホルダ本体部の一対の第１枠辺部にそれぞれ繋がり、一対の第１突起部は、第１弾性枠部の一対の第２枠辺部にそれぞれ形成され、一対の保持部のそれぞれは、一対の保持部がヒンジ部を介して第１側に折り曲げられた保持状態において第１突起部と弾性板部との間に位置可能な係止部を有する。

Description

ブッシュ部品、および冷媒分配装置

　本開示は、ブッシュ部品、および冷媒分配装置に関する。

　取付壁部に形成された貫通穴に取り付けられ、配線が通されるブッシュ部品が知られている。例えば、特許文献１には、四角形状のコードブッシュ（ブッシュ部品）が記載されている。

特開平４－９９３９７号公報

　上記のようなブッシュ部品に通される配線が引っ張られると、ブッシュ部品にも配線を引っ張る方向の力が加えられる。この場合、ブッシュ部品が四角形状であると、ブッシュ部品に加えられた力が、四角形状のブッシュ部品の角部などに集中的に掛かる場合などがある。そのため、取付壁部に形成された貫通穴からブッシュ部品の一部が外れる恐れがあった。ブッシュ部品の一部が外れると、ブッシュ部品の別の一部に加えられる力が大きくなり、ブッシュ部品の当該別の一部も外れやすくなる。このようにしてブッシュ部品の一部が順次外れていき、ブッシュ部品全体が貫通穴から外れる恐れがあった。

　本開示は、上記事情に鑑みて、外れることを抑制できる構造を有するブッシュ部品、およびそのようなブッシュ部品を備える冷媒分配装置を提供することを目的の一つとする。

　本開示に係るブッシュ部品の一つの態様は、取付壁部を第１方向に貫通する四角形状の貫通穴に取り付けられるブッシュ部品であって、弾性体製の弾性ブッシュと、前記弾性ブッシュを保持するホルダと、を備え、前記ホルダは、前記貫通穴に通される四角枠状のホルダ本体部と、前記ホルダ本体部から突出し、前記貫通穴の周縁部に前記第１方向における第１側から引っ掛かるフランジ部と、前記ホルダ本体部から突出し、前記貫通穴の周縁部に前記第１方向における前記第１側と逆側の第２側から引っ掛かる爪部と、前記ホルダ本体部の内縁にヒンジ部を介して繋がる一対の保持部と、を有し、前記ホルダ本体部は、四角枠状の外壁部を有し、前記弾性ブッシュは、前記貫通穴を前記第１側から覆う弾性板部と、前記弾性板部から前記第２側に突出し、前記外壁部の内側に挿入される四角枠状の第１弾性枠部と、前記第１弾性枠部の内側面に形成された一対の第１突起部と、を有し、前記弾性板部のうち前記第１方向に見て前記第１弾性枠部の内側に位置する部分には、前記貫通穴を通る配線が通される配線穴が形成可能であり、前記一対の保持部は、前記ホルダ本体部のうち前記第１方向と直交する第２方向に対向して配置された一対の第１枠辺部にそれぞれ繋がり、前記一対の第１突起部は、前記第１弾性枠部のうち前記第２方向に対向して配置された一対の第２枠辺部にそれぞれ形成され、かつ、前記弾性板部から前記第２側に離れて配置され、前記一対の保持部のそれぞれは、前記一対の保持部が前記ヒンジ部を介して前記第１側に折り曲げられた保持状態において前記第１突起部と前記弾性板部との間に位置可能な係止部を有する。

　本開示に係る冷媒分配装置の一つの態様は、空気調和機に備えられ、室外機から複数の室内機へ冷媒を分配する冷媒分配装置であって、前記室外機から延びる冷媒配管が接続される第１冷媒配管と、前記第１冷媒配管に接続され、前記複数の室内機から延びる冷媒配管がそれぞれ接続される複数の第２冷媒配管と、貫通穴が形成された取付壁部を有し、前記第１冷媒配管の少なくとも一部、および前記複数の第２冷媒配管の少なくとも一部を内部に収容するケースと、前記貫通穴に取り付けられた上記のブッシュ部品と、を備える。

　本開示によれば、冷媒分配装置などにおいて、ブッシュ部品が貫通穴から外れることを抑制できる。

実施の形態における冷媒分配装置が備えられた空気調和機を模式的に示す概略構成図である。 実施の形態における冷媒分配装置を示す部分分解斜視図である。 実施の形態における取付壁部とブッシュ部品とを示す斜視図である。 実施の形態における取付壁部とブッシュ部品とを示す分解斜視図である。 実施の形態におけるブッシュ部品を示す斜視図である。 実施の形態におけるブッシュ部品を示す分解斜視図である。 実施の形態におけるブッシュ部品を示す分解斜視図であって、図６とは異なる角度からブッシュ部品を見た図である。 実施の形態におけるブッシュ部品を後側から見た図である。 実施の形態におけるブッシュ部品を示す断面図であって、図８におけるIX－IX断面図である。 実施の形態におけるブッシュ部品を示す断面図であって、図９におけるX－X断面図である。 実施の形態におけるブッシュ部品のホルダを示す斜視図である。

　以下、図面を参照しながら、本開示の実施の形態について説明する。なお、本開示の範囲は、以下の実施の形態に限定されず、本開示の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。また、以下の図面においては、各構成をわかりやすくするために、各構造における縮尺および数などを、実際の構造における縮尺および数などと異ならせる場合がある。

　図１は、本開示の実施の形態における冷媒分配装置３０が備えられた空気調和機１００を模式的に示す概略構成図である。図１に示すように、空気調和機１００は、室外機１０と、複数の室内機２０と、冷媒分配装置３０と、を備える。複数の室内機２０は、部屋Ｒの内部に配置されている。室外機１０は、部屋Ｒの外部に配置されている。複数の室内機２０は、冷媒分配装置３０を介して、１つの室外機１０に接続されている。なお、図１では、複数の室内機２０が１つの部屋Ｒの内部に配置された状態を示しているが、これに限られない。複数の室内機２０は、それぞれ異なる部屋Ｒの内部に配置されていてもよい。

　冷媒分配装置３０は、１つの室外機１０に対して、複数の室内機２０を接続可能である。冷媒分配装置３０には、室外機１０から延びる２本の冷媒配管１１ａ，１１ｂと、複数の室内機２０のそれぞれから２本ずつ延びる冷媒配管２１ａ，２１ｂと、が接続されている。冷媒分配装置３０は、例えば、部屋Ｒの天井裏などに配置される。

　冷媒分配装置３０は、室外機１０から複数の室内機２０へ冷媒を分配する装置である。冷媒としては、例えば、地球温暖化係数（ＧＷＰ：Ｇｌｏｂａｌ　Ｗａｒｍｉｎｇ　Ｐｏｔｅｎｔｉａｌ）が低いフッ素系冷媒、または炭化水素系冷媒などが挙げられる。冷媒は、室外機１０から延びる冷媒配管１１ａ，１１ｂの一方から冷媒分配装置３０へと流れ、冷媒分配装置３０から複数の室内機２０のそれぞれに分岐して流れる。冷媒分配装置３０から各室内機２０に流れる冷媒は、冷媒配管２１ａ，２１ｂの一方を通って室内機２０へと流れ、冷媒配管２１ａ，２１ｂの他方を通って冷媒分配装置３０に戻る。冷媒分配装置３０に戻った冷媒は、冷媒配管１１ａ，１１ｂの他方を通って室外機１０へと戻る。このようにして、冷媒分配装置３０を介して、室外機１０と複数の室内機２０との間を冷媒が循環する。

　図２は、冷媒分配装置３０を示す部分分解斜視図である。図２には、Ｄ１軸、Ｄ２軸、およびＤ３軸を示し、各軸に沿った方向を規定して、冷媒分配装置３０の各部について説明を行う。Ｄ１軸に沿った方向を“奥行方向Ｄ１”と呼ぶ。Ｄ２軸に沿った方向を“幅方向Ｄ２”と呼ぶ。Ｄ３軸に沿った方向を“高さ方向Ｄ３”と呼ぶ。奥行方向Ｄ１と幅方向Ｄ２と高さ方向Ｄ３とは、互いに直交する方向である。奥行方向Ｄ１のうちＤ１軸の矢印が向く側（＋Ｄ１側）を“奥行方向一方側”と呼び、奥行方向Ｄ１のうちＤ１軸の矢印が向く側と逆側（－Ｄ１側）を“奥行方向他方側”と呼ぶ。幅方向Ｄ２のうちＤ２軸の矢印が向く側（＋Ｄ２側）を“幅方向一方側”と呼び、幅方向Ｄ２のうちＤ２軸の矢印が向く側と逆側（－Ｄ２側）を“幅方向他方側”と呼ぶ。高さ方向Ｄ３のうちＤ３軸の矢印が向く側（＋Ｄ３側）を“高さ方向一方側”と呼び、高さ方向Ｄ３のうちＤ３軸の矢印が向く側と逆側（－Ｄ３側）を“高さ方向他方側”と呼ぶ。

　なお、奥行方向Ｄ１、幅方向Ｄ２、および高さ方向Ｄ３は、単に冷媒分配装置３０の各部の相対位置関係を説明するための名称であり、冷媒分配装置３０が配置される姿勢などを限定しない。

　図２に示すように、本実施の形態において冷媒分配装置３０は、高さ方向Ｄ３に扁平な略直方体状である。冷媒分配装置３０は、例えば、図２に示す姿勢で天井スラブなどに固定される。冷媒分配装置３０は、ケース３１と、第１冷媒配管６１と、複数の第２冷媒配管６２と、制御部３２と、ブッシュ部品４０と、を備える。

　ケース３１は、高さ方向Ｄ３に扁平な略直方体箱状である。ケース３１は、例えば、複数の板金部材が組み合わされて構成されている。ケース３１は、第１冷媒配管６１の一部、複数の第２冷媒配管６２の一部、および制御部３２を内部に収容している。ケース３１は、奥行方向他方側（－Ｄ１側）に開口している。ケース３１は、着脱可能な制御部カバー３１ｂを有する。図２では、制御部カバー３１ｂが取り外された状態を示している。制御部カバー３１ｂは、ケース３１を構成する壁部のうち奥行方向一方側（＋Ｄ１側）に位置する壁部を構成する部分と、ケース３１を構成する壁部のうち高さ方向他方側（－Ｄ３側）に位置する壁部の一部を構成する部分と、を有する。

　ケース３１は、取付壁部３１ａを有する。本実施の形態において取付壁部３１ａは、ケース３１を構成する壁部のうち幅方向他方側（－Ｄ２側）に位置する壁部における奥行方向一方側（＋Ｄ１側）の部分である。取付壁部３１ａは、矩形板状である。取付壁部３１ａの板面は、幅方向Ｄ２を向いている。より詳細には、取付壁部３１ａの板面は、幅方向Ｄ２と直交している。

　図３は、取付壁部３１ａとブッシュ部品４０とを示す斜視図である。図４は、取付壁部３１ａとブッシュ部品４０とを示す分解斜視図である。図３および図４に示すように、取付壁部３１ａには、貫通穴３１ｃが形成されている。貫通穴３１ｃは、取付壁部３１ａを幅方向Ｄ２に貫通している。貫通穴３１ｃは、四角形状の穴である。より詳細には、本実施の形態において貫通穴３１ｃは、角丸の正方形状の穴である。貫通穴３１ｃは、取付壁部３１ａに複数形成されている。本実施の形態において貫通穴３１ｃは、取付壁部３１ａに４つ形成されている。

　なお、本開示において“四角形状”とは、厳密な四角形状に加えて、略四角形状も含む。“略四角形状”とは、４つの角の少なくとも１つが面取りされた四角形状を含む。“略四角形状”とは、４つの角の少なくとも１つが丸面取りされた四角形状であってもよいし、４つの角の少なくとも１つが角面取りされた四角形状であってもよい。本実施の形態において貫通穴３１ｃは、４つの角が丸面取りされた四角形状である。

　図２に示す第１冷媒配管６１は、室外機１０から延びる冷媒配管１１ａ，１１ｂが接続される配管である。第１冷媒配管６１は、幅方向Ｄ２に延びている。本実施の形態において第１冷媒配管６１は、第１冷媒配管６１ａと第１冷媒配管６１ｂとの２つ設けられている。第１冷媒配管６１ａはガス管であり、第１冷媒配管６１ｂは液管である。第１冷媒配管６１ａ内には、例えば、ガス状の冷媒が流れる。第１冷媒配管６１ｂ内には、例えば、気液二相状態の冷媒が流れる。第１冷媒配管６１ａの内径は、第１冷媒配管６１ｂの内径よりも大きい。２つの第１冷媒配管６１ａ，６１ｂは、奥行方向Ｄ１に並んで配置されている。

　第１冷媒配管６１ａは、第１接続部６１ｃと、第２接続部６１ｅと、を有する。第１冷媒配管６１ｂは、第１接続部６１ｄと、第２接続部６１ｆと、を有する。第１接続部６１ｃ，６１ｄは、室外機１０から延びる冷媒配管１１ａ，１１ｂをケース３１の幅方向一方側（＋Ｄ２側）から接続可能な部分である。第２接続部６１ｅ，６１ｆは、室外機１０から延びる冷媒配管１１ａ，１１ｂをケース３１の幅方向他方側（－Ｄ２側）から接続可能な部分である。

　図１および図２では、第２接続部６１ｅに冷媒配管１１ａが接続され、第２接続部６１ｆに冷媒配管１１ｂが接続された場合を示している。第１接続部６１ｃ，６１ｄと第２接続部６１ｅ，６１ｆとの一方の接続部に室外機１０から延びる冷媒配管１１ａ，１１ｂが接続された状態において、第１接続部６１ｃ，６１ｄと第２接続部６１ｅ，６１ｆとの他方の接続部は、塞がれた状態となっている。つまり、図１および図２の例では、第１接続部６１ｃ，６１ｄは、塞がれた状態となっている。

　第１接続部６１ｃ，６１ｄは、ケース３１の幅方向一方側（＋Ｄ２側）の壁部に形成された穴を介して、ケース３１から幅方向一方側に突出している。第２接続部６１ｅ，６１ｆは、ケース３１の幅方向他方側（－Ｄ２側）の壁部に形成された穴を介して、ケース３１から幅方向他方側に突出している。第２接続部６１ｅ，６１ｆは、ケース３１の幅方向他方側の壁部のうち取付壁部３１ａよりも奥行方向他方側（－Ｄ１側）に位置する部分から幅方向他方側に突出している。

　複数の第２冷媒配管６２は、複数の室外機１０から延びる冷媒配管２１ａ，２１ｂがそれぞれ接続される配管である。第２冷媒配管６２は、奥行方向Ｄ１に延びている。複数の第２冷媒配管６２は、一対の第２冷媒配管６２ａ，６２ｂを複数対含む。第２冷媒配管６２ａはガス管であり、第２冷媒配管６２ｂは液管である。第２冷媒配管６２ａ内には、例えば、ガス状の冷媒が流れる。第２冷媒配管６２ｂ内には、例えば、気液二相状態の冷媒が流れる。第２冷媒配管６２ａの内径は、第２冷媒配管６２ｂの内径よりも大きい。第２冷媒配管６２ａ，６２ｂは、ケース３１の奥行方向他方側（－Ｄ１側）の開口を介してケース３１よりも奥行方向他方側に突出している。

　図１に示すように、各一対の第２冷媒配管６２ａ，６２ｂには、各室内機２０から延びる一対の冷媒配管２１ａ，２１ｂがそれぞれ接続されている。各第２冷媒配管６２ａには、各冷媒配管２１ａが接続されている。各第２冷媒配管６２ｂには、各冷媒配管２１ｂが接続されている。複数の第２冷媒配管６２ａは、第１冷媒配管６１ａに接続されている。複数の第２冷媒配管６２ｂは、第１冷媒配管６１ｂに接続されている。

　図２に示すように、制御部３２は、ケース３１の内部のうち奥行方向一方側（＋Ｄ１側）の部分に収容されている。制御部３２は、例えば、複数の電子部品が取り付けられた制御基板を有する。制御部３２は、図示しない複数の電磁弁を制御する。複数の電磁弁は、液管である複数の第２冷媒配管６２ｂにそれぞれ設けられている。各電磁弁は、各第２冷媒配管６２ｂの内部を開閉することが可能である。複数の電磁弁は、例えば、リニア膨張弁（ＬＥＶ：Ｌｉｎｅａｒ　Ｅｘｐａｎｓｉｏｎ　Ｖａｌｖｅ）である。各電磁弁によって、各第２冷媒配管６２ｂ内を流れる冷媒の圧力を下げることができる。制御部３２は、各電磁弁の開度を制御することで、各室内機２０へと流れる冷媒の量を調整する。

　次に、ブッシュ部品４０について詳細に説明する。以下、ブッシュ部品４０の説明においては、図２から図１１にＸ軸、Ｙ軸、およびＺ軸を示し、各軸に沿った方向を規定して、ブッシュ部品４０について説明を行う。Ｘ軸に沿った方向を“前後方向Ｘ”と呼ぶ。Ｙ軸に沿った方向を“左右方向Ｙ”と呼ぶ。Ｚ軸に沿った方向を“上下方向Ｚ”と呼ぶ。前後方向Ｘと左右方向Ｙと上下方向Ｚとは、互いに直交する方向である。前後方向ＸのうちＸ軸の矢印が向く側（＋Ｘ側）を“前側”と呼び、前後方向ＸのうちＸ軸の矢印が向く側と逆側（－Ｘ側）を“後側”と呼ぶ。左右方向ＹのうちＹ軸の矢印が向く側（＋Ｙ側）を“右側”と呼び、左右方向ＹのうちＹ軸の矢印が向く側と逆側（－Ｙ側）を“左側”と呼ぶ。上下方向ＺのうちＺ軸の矢印が向く側（＋Ｚ側）を“上側”と呼び、上下方向ＺのうちＺ軸の矢印が向く側と逆側（－Ｚ側）を“下側”と呼ぶ。

　また、図５から図１１には、前後方向Ｘに見た場合におけるブッシュ部品４０の中心を通る中心線Ｃを示す。中心線Ｃは、ブッシュ部品４０の上下方向Ｚの中心かつブッシュ部品４０の左右方向Ｙの中心を通り前後方向Ｘに延びる仮想線である。以下の説明においては、左右方向Ｙにおいて、中心線Ｃに近い側を“左右方向Ｙの内側”と呼び、中心線Ｃから遠い側を“左右方向Ｙの外側”と呼ぶ。また、上下方向Ｚにおいて、中心線Ｃに近い側を“上下方向Ｚの内側”と呼び、中心線Ｃから遠い側を“上下方向Ｚの外側”と呼ぶ。

　なお、本実施の形態において、前後方向Ｘは図２における幅方向Ｄ２であり、左右方向Ｙは図２における奥行方向Ｄ１であり、上下方向Ｚは図２における高さ方向Ｄ３である。前側（＋Ｘ側）は幅方向他方側（－Ｄ２側）であり、後側（－Ｘ側）は幅方向一方側（＋Ｄ２側）である。右側（＋Ｙ側）は奥行方向一方側（＋Ｄ１側）であり、左側（－Ｙ側）は奥行方向他方側（－Ｄ１側）である。上側（＋Ｚ側）は高さ方向一方側（＋Ｄ３側）であり、下側（－Ｚ側）は高さ方向他方側（－Ｄ３側）である。

　また、本実施の形態において、前後方向Ｘは“第１方向”に相当し、左右方向Ｙは“第２方向”に相当し、上下方向Ｚは“第３方向”に相当する。前側（＋Ｘ側）は第１方向における“第１側”に相当し、後側（－Ｘ側）は第１方向における第１側と逆側の“第２側”に相当する。前後方向Ｘ、左右方向Ｙ、および上下方向Ｚは、単にブッシュ部品４０の各部の相対位置関係を説明するための名称であり、ブッシュ部品４０が配置される姿勢などを限定しない。

　また、図２に示す奥行方向Ｄ１、幅方向Ｄ２、および高さ方向Ｄ３と、図２から図１１に示す前後方向Ｘ、左右方向Ｙ、および上下方向Ｚとの対応関係は、特に限定されず、上述した対応関係以外の対応関係であってもよい。

　図３に示すように、ブッシュ部品４０は、複数設けられている。複数のブッシュ部品４０は、取付壁部３１ａを前後方向Ｘに貫通する複数の貫通穴３１ｃにそれぞれ取り付けられている。本実施の形態においてブッシュ部品４０は、４つ設けられている。

　図５は、ブッシュ部品４０を示す斜視図である。図６は、ブッシュ部品４０を示す分解斜視図である。図７は、ブッシュ部品４０を示す分解斜視図であって、図６とは異なる角度からブッシュ部品４０を見た図である。図８は、ブッシュ部品４０を後側（－Ｘ側）から見た図である。図９は、ブッシュ部品４０を示す断面図であって、図８におけるIX－IX断面図である。図１０は、ブッシュ部品４０を示す断面図であって、図９におけるX－X断面図である。図１１は、ブッシュ部品４０の後述するホルダ４１を示す斜視図である。

　図５から図７に示すように、ブッシュ部品４０は、ホルダ４１と、弾性ブッシュ４２と、を備える。ホルダ４１と弾性ブッシュ４２とは、互いに連結されている。ホルダ４１は、弾性ブッシュ４２を保持する。ホルダ４１は、弾性ブッシュ４２の後側（－Ｘ側）に位置する。本実施の形態においてホルダ４１は、樹脂製である。ホルダ４１は、例えば、射出成形などの金型成形によって一体に成形されている。弾性ブッシュ４２は、弾性体製である。本実施の形態において弾性ブッシュ４２は、ゴム製である。弾性ブッシュ４２の縦弾性係数は、ホルダ４１の縦弾性係数よりも小さい。弾性ブッシュ４２は、例えば、射出成形などの金型成形によって一体に成形されている。

　図６に示すように、弾性ブッシュ４２は、弾性板部４２ａと、第１弾性枠部４２ｂと、第２弾性枠部４２ｃと、一対の第１突起部４２ｄ，４２ｅと、を有する。弾性板部４２ａは、板面が前後方向Ｘを向く板状である。弾性板部４２ａの板面は、前後方向Ｘと直交している。弾性板部４２ａは、前後方向Ｘに見て、左右方向Ｙに延びる一対の辺と上下方向Ｚに延びる一対の辺とを有する四角形状である。本実施の形態において弾性板部４２ａは、前後方向Ｘに見て、角丸の正方形状である。図２に示すように、弾性板部４２ａは、取付壁部３１ａに形成された貫通穴３１ｃを前側（＋Ｘ側）から覆う部分である。弾性板部４２ａの前側の面は、ケース３１の外部に露出している。弾性板部４２ａの板厚は、比較的薄い。

　弾性板部４２ａのうち前後方向Ｘに見て第１弾性枠部４２ｂの内側に位置する部分には、例えば切り込みを入れることなどによって、配線穴４２ｇが形成可能となっている。図８に示すように、本実施の形態では、弾性板部４２ａのうち前後方向Ｘに見て後述するホルダ本体部４１ｔの内側に位置する部分に、４つの配線穴４２ｇが形成可能となっている。４つの配線穴４２ｇは、左右方向Ｙに並ぶ２つの配線穴４２ｇと、当該２つの配線穴４２ｇのそれぞれの下側に並ぶ２つの配線穴４２ｇと、を含む。配線穴４２ｇは、例えば、弾性板部４２ａに十字の切り込みが形成されることにより形成される。図８では、配線穴４２ｇを模式的に円形状で示している。配線穴４２ｇには、貫通穴３１ｃを通る配線７０が通される。

　配線７０は、室外機１０から延びてケース３１内の制御部３２に接続される配線と、複数の室内機２０から延びてケース３１内の制御部３２に接続される配線と、を含む。室外機１０から延びてケース３１内の制御部３２に接続される配線と、室外機１０から延びてケース３１内の制御部３２に接続される配線とは、それぞれ電源線および通信線を含む。配線７０は、例えば、１つの配線穴４２ｇに１本のみ通されてもよいし、複数本束ねられて通されてもよい。配線穴４２ｇの内縁部は、弾性変形して配線７０の外面に密着する。そのため、配線穴４２ｇを介して、ケース３１の内部に水などの異物が侵入することを抑制できる。

　なお、弾性板部４２ａには、冷媒分配装置３０を設置する際に、冷媒分配装置３０を設置する作業者によって、配線７０の数に応じて適宜、配線穴４２ｇが形成される。上述したように、本実施の形態において１つの弾性板部４２ａには４つの配線穴４２ｇを形成可能であるが、配線７０の総数によっては、１つの弾性板部４２ａに１つ以上、３つ以下の配線穴４２ｇのみが形成されてもよいし、弾性板部４２ａに配線穴４２ｇが形成されないブッシュ部品４０があってもよい。

　図６に示すように、第１弾性枠部４２ｂは、弾性板部４２ａから後側（－Ｘ側）に突出している。第１弾性枠部４２ｂは、四角枠状である。より詳細には、第１弾性枠部４２ｂは、角丸の正方形枠状である。第１弾性枠部４２ｂは、後述するホルダ本体部４１ｔにおける外壁部４１ｂの内側に挿入される。第１弾性枠部４２ｂは、弾性板部４２ａの外周縁部から内側に離れて配置されている。つまり、前後方向Ｘに見て、弾性板部４２ａの外周縁部は、第１弾性枠部４２ｂよりも外側に位置する。

　なお、本開示において“四角枠状”とは、枠の外縁が、上述した本開示における“四角形状”となっていればよく、枠の内縁はどのような形状であってもよい。本開示において“四角枠状”とは、厳密な四角枠状に加えて、略四角枠状も含む。“略四角枠状”とは、４つの角の少なくとも１つが面取りされた四角枠状を含む。“略四角枠状”とは、４つの角の少なくとも１つが丸面取りされた四角枠状であってもよいし、４つの角の少なくとも１つが角面取りされた四角枠状であってもよい。本実施の形態において第１弾性枠部４２ｂは、４つの角が丸面取りされた四角枠状である。

　第１弾性枠部４２ｂは、上下方向Ｚに延びる一対の縦枠辺部４２ｈと、左右方向Ｙに延びる一対の横枠辺部４２ｉと、を有する。一対の縦枠辺部４２ｈは、左右方向Ｙに互いに間隔を空けて配置されている。一対の横枠辺部４２ｉは、上下方向Ｚに互いに間隔を空けて配置されている。一対の縦枠辺部４２ｈの上端部同士は、一対の横枠辺部４２ｉのうち上側に位置する横枠辺部４２ｉによって互いに繋げられている。一対の縦枠辺部４２ｈの下端部同士は、一対の横枠辺部４２ｉのうち下側に位置する横枠辺部４２ｉによって互いに繋げられている。

　一対の縦枠辺部４２ｈは、上下方向Ｚに延びる略長方形板状である。一対の縦枠辺部４２ｈの板面は、左右方向Ｙを向いている。一対の横枠辺部４２ｉは、左右方向Ｙに延びる略長方形板状である。一対の横枠辺部４２ｉの板面は、上下方向Ｚを向いている。なお、本実施の形態において、一対の縦枠辺部４２ｈは、第１弾性枠部４２ｂのうち左右方向Ｙに対向して配置された“一対の第２枠辺部”に相当する。

　第２弾性枠部４２ｃは、弾性板部４２ａの外周縁部から後側（－Ｘ側）に突出している。第２弾性枠部４２ｃは、第１弾性枠部４２ｂを囲む四角枠状である。本実施の形態において第２弾性枠部４２ｃは、４つの角が丸面取りされた四角枠状である。より詳細には、第２弾性枠部４２ｃは、角丸の正方形枠状である。前後方向Ｘに見て、第２弾性枠部４２ｃは、第１弾性枠部４２ｂの外側に離れて配置されている。第２弾性枠部４２ｃの後側の端部は、第１弾性枠部４２ｂの後側の端部よりも前側（＋Ｘ側）に位置する。第２弾性枠部４２ｃを構成する各枠辺部の幅は、第１弾性枠部４２ｂを構成する各枠辺部の幅よりも大きい。

　なお、“枠部を構成する各枠辺部の幅”とは、枠部が開口する方向に見て、枠部を構成する各枠辺部が延びる方向と直交する方向における各枠辺部の寸法である。例えば、第１弾性枠部４２ｂを構成する縦枠辺部４２ｈの幅とは、第１弾性枠部４２ｂを前後方向Ｘに見た際に、縦枠辺部４２ｈが延びる上下方向Ｚと直交する左右方向Ｙにおける縦枠辺部４２ｈの寸法である。

　図９および図１０に示すように、第２弾性枠部４２ｃの後側（－Ｘ側）の面は、取付壁部３１ａの前側（＋Ｘ側）の面３１ｅに接触する。取付壁部３１ａの前側の面３１ｅは、ケース３１の外面である。なお、第２弾性枠部４２ｃの後側の面と取付壁部３１ａの前側の面３１ｅとの間には、僅かに隙間が設けられてもよい。

　図６に示すように、第１弾性枠部４２ｂと第２弾性枠部４２ｃとの間には、四角枠状の第２溝部４２ｆが形成されている。本実施の形態において第２溝部４２ｆは、４つの角が丸面取りされた四角枠状である。より詳細には、第２溝部４２ｆは、角丸の正方形枠状である。第２溝部４２ｆは、弾性板部４２ａと第１弾性枠部４２ｂと第２弾性枠部４２ｃとによって囲まれて形成されている。第２溝部４２ｆは、後側（－Ｘ側）に開口している。第２溝部４２ｆの溝底面は、弾性板部４２ａの後側の面の一部である。

　一対の第１突起部４２ｄ，４２ｅは、第１弾性枠部４２ｂの内側面に形成されている。一対の第１突起部４２ｄ，４２ｅは、第１弾性枠部４２ｂのうち左右方向Ｙに対向して配置された一対の縦枠辺部４２ｈにおける上下方向Ｚの中央部にそれぞれ形成されている。第１突起部４２ｄは、左側（－Ｙ側）の縦枠辺部４２ｈに形成されている。第１突起部４２ｅは、右側（＋Ｙ側）の縦枠辺部４２ｈに形成されている。

　一対の第１突起部４２ｄ，４２ｅは、各縦枠辺部４２ｈの後側（－Ｘ側）の部分に形成されている。一対の第１突起部４２ｄ，４２ｅは、各縦枠辺部４２ｈから左右方向Ｙの内側に突出している。一対の第１突起部４２ｄ，４２ｅは、左右方向Ｙに間隔を空けて対向して配置されている。一対の第１突起部４２ｄ，４２ｅは、上下方向Ｚに延びる略直方体状である。一対の第１突起部４２ｄ，４２ｅは、弾性板部４２ａから後側に離れて配置されている。一対の第１突起部４２ｄ，４２ｅの後側の端面は、前後方向Ｘにおいて、第１弾性枠部４２ｂの後側の端部と同じ位置に配置されている。

　ホルダ４１は、ホルダ本体部４１ｔと、フランジ部４１ｃと、一対の爪部４３，４４と、一対の保持部４５，４６と、を有する。ホルダ本体部４１ｔは、四角枠状である。本実施の形態においてホルダ本体部４１ｔは、４つの角が丸面取りされた四角枠状である。より詳細には、ホルダ本体部４１ｔは、角丸の正方形枠状である。ホルダ本体部４１ｔの内側は、前後方向Ｘの両側に開口している。

　ホルダ本体部４１ｔは、上下方向Ｚに延びる一対の縦枠辺部４１ｕと、左右方向Ｙに延びる一対の横枠辺部４１ｖと、を有する。一対の縦枠辺部４１ｕは、左右方向Ｙに互いに間隔を空けて配置されている。一対の横枠辺部４１ｖは、上下方向Ｚに互いに間隔を空けて配置されている。一対の縦枠辺部４１ｕの上端部同士は、一対の横枠辺部４１ｖのうち上側に位置する横枠辺部４１ｖによって互いに繋げられている。一対の縦枠辺部４１ｕの下端部同士は、一対の横枠辺部４１ｖのうち下側に位置する横枠辺部４１ｖによって互いに繋げられている。

　本実施の形態において、一対の縦枠辺部４１ｕは、ホルダ本体部４１ｔのうち前後方向Ｘと直交する左右方向Ｙに対向して配置された“一対の第１枠辺部”に相当する。本実施の形態において、一対の横枠辺部４１ｖは、ホルダ本体部４１ｔのうち前後方向Ｘおよび左右方向Ｙの両方と直交する上下方向Ｚに対向して配置された“一対の第３枠辺部”に相当する。

　図７に示すように、ホルダ本体部４１ｔは、後壁部４１ａと、外壁部４１ｂと、内壁部４１ｄ，４１ｅと、を有する。図６に示すように、後壁部４１ａは、前後方向Ｘに見て、四角枠状である。後壁部４１ａは、板面が前後方向Ｘを向く板状である。後壁部４１ａの板面は、前後方向Ｘと直交している。

　外壁部４１ｂは、後壁部４１ａの外縁部から前側（＋Ｘ側）に突出している。図７に示すように、外壁部４１ｂは、前側に開口する四角枠状である。本実施の形態において外壁部４１ｂは、４つの角が丸面取りされた四角枠状である。より詳細には、外壁部４１ｂは、角丸の正方形枠状である。外壁部４１ｂは、上下方向Ｚに延びる一対の縦枠辺部と、左右方向Ｙに延びる一対の横枠辺部と、を有する。外壁部４１ｂにおける縦枠辺部は、板面が左右方向Ｙを向き上下方向Ｚに延びる略長方形板状である。外壁部４１ｂにおける横枠辺部は、板面が上下方向Ｚを向き左右方向Ｙに延びる略長方形板状である。外壁部４１ｂのうち上側に位置する横枠辺部における左右方向Ｙの中央部と、外壁部４１ｂのうち下側に位置する横枠辺部における左右方向Ｙの中央部とには、各横枠辺部を上下方向Ｚに貫通する穴部４１ｒが形成されている。

　内壁部４１ｄ，４１ｅは、後壁部４１ａの内縁部から前側（＋Ｘ側）に突出している。内壁部４１ｄは、後壁部４１ａの内縁部のうち上側に位置する部分から前側に突出している。内壁部４１ｅは、後壁部４１ａの内縁部のうち下側に位置する部分から前側に突出している。内壁部４１ｄと内壁部４１ｅとは、上下方向Ｚに間隔を空けて互いに対向している。内壁部４１ｄは、内壁部４１ｅの上側に離れて位置する。内壁部４１ｄと内壁部４１ｅとは、中心線Ｃを挟んで上下方向Ｚに対称に配置されている。

　内壁部４１ｄは、本体壁部４１ｆと、一対の屈曲壁部４１ｇ，４１ｈと、を有する。本体壁部４１ｆは、左右方向Ｙに延びている。本体壁部４１ｆは、板面が上下方向Ｚを向く略長方形板状である。本体壁部４１ｆは、外壁部４１ｂのうち上側の壁部、すなわち上側の横枠辺部の下側に間隔を空けて配置されている。本体壁部４１ｆの左右方向Ｙの中央部には、本体壁部４１ｆを上下方向Ｚに貫通する穴部４１ｓが形成されている。内壁部４１ｄの穴部４１ｓは、外壁部４１ｂの上側の横枠辺部に形成された穴部４１ｒの下側に間隔を空けて対向して配置されている。

　一対の屈曲壁部４１ｇ，４１ｈは、本体壁部４１ｆの左右方向Ｙの両端部のそれぞれから下側に突出している。屈曲壁部４１ｇは、本体壁部４１ｆの左側（－Ｙ側）の端部から下側に突出している。屈曲壁部４１ｈは、本体壁部４１ｆの右側（＋Ｙ側）の端部から下側に突出している。一対の屈曲壁部４１ｇ，４１ｈは、板面が左右方向Ｙを向く板状である。

　屈曲壁部４１ｇの下側部分は、被係合部４１ｉである。被係合部４１ｉの板厚は、屈曲壁部４１ｇの上側部分の板厚よりも小さい。屈曲壁部４１ｈの下側部分は、被係合部４１ｊである。被係合部４１ｊの板厚は、屈曲壁部４１ｈの上側部分の板厚よりも小さい。一対の被係合部４１ｉ，４１ｊは、下側に突出している。一対の被係合部４１ｉ，４１ｊの下端部は、中心線Ｃよりも上側に位置する。

　内壁部４１ｅの形状は、内壁部４１ｄに対して、上下方向Ｚに反転している点を除いて同様である。内壁部４１ｅの本体壁部における左右方向Ｙの中央部にも、穴部４１ｓが形成されている。内壁部４１ｅの穴部４１ｓは、外壁部４１ｂの下側の横枠辺部に形成された穴部４１ｒの上側に間隔を空けて対向して配置されている。

　内壁部４１ｅは、内壁部４１ｄと同様に、一対の被係合部４１ｋ，４１ｍを有する。被係合部４１ｋは、被係合部４１ｉの下側に間隔を空けて対向して配置されている。被係合部４１ｍは、被係合部４１ｊの下側に間隔を空けて対向して配置されている。一対の被係合部４１ｋ，４１ｍは、上側に突出している。一対の被係合部４１ｋ，４１ｍは、中心線Ｃよりも下側に位置する。

　本実施の形態において、ホルダ本体部４１ｔにおける一対の縦枠辺部４１ｕのうち左側（－Ｙ側）に位置する縦枠辺部４１ｕは、四角枠状の後壁部４１ａのうち左側に位置する縦枠辺部と、四角枠状の外壁部４１ｂのうち左側に位置する縦枠辺部と、内壁部４１ｄの左側の屈曲壁部４１ｇと、内壁部４１ｅの左側の屈曲壁部と、によって構成されている。一対の縦枠辺部４１ｕのうち右側（＋Ｙ側）に位置する縦枠辺部４１ｕは、後壁部４１ａのうち右側に位置する縦枠辺部と、外壁部４１ｂのうち右側に位置する縦枠辺部と、内壁部４１ｄの右側の屈曲壁部４１ｈと、内壁部４１ｅの右側の屈曲壁部と、によって構成されている。

　ホルダ本体部４１ｔにおける一対の横枠辺部４１ｖのうち上側に位置する横枠辺部４１ｖは、後壁部４１ａのうち上側に位置する横枠辺部と、外壁部４１ｂのうち上側に位置する横枠辺部と、内壁部４１ｄの本体壁部４１ｆと、によって構成されている。一対の横枠辺部４１ｖのうち下側に位置する横枠辺部４１ｖは、後壁部４１ａのうち下側に位置する横枠辺部と、外壁部４１ｂのうち下側に位置する横枠辺部と、内壁部４１ｅの本体壁部と、によって構成されている。

　図９および図１０に示すように、ホルダ本体部４１ｔは、取付壁部３１ａに形成された貫通穴３１ｃに通されている。ホルダ本体部４１ｔは、前側（＋Ｘ側）から貫通穴３１ｃに通され、ケース３１に内部に挿入されている。ホルダ本体部４１ｔは、取付壁部３１ａの後側（－Ｘ側）の面３１ｄよりも後側に突出している。取付壁部３１ａの後側の面３１ｄは、ケース３１の内面の一部である。

　図７に示すように、ホルダ本体部４１ｔには、第１溝部４１ｐが形成されている。第１溝部４１ｐは、四角枠状のホルダ本体部４１ｔに沿って四角枠状に延びる溝である。第１溝部４１ｐは、前側（＋Ｘ側）に開口している。第１溝部４１ｐは、外壁部４１ｂと内壁部４１ｄ，４１ｅとの間に形成されている。第１溝部４１ｐは、外壁部４１ｂと内壁部４１ｄ，４１ｅと後壁部４１ａとによって囲まれて形成されている。第１溝部４１ｐの溝底面は、後壁部４１ａの前側の面である。図９に示すように、第１溝部４１ｐには、弾性ブッシュ４２の第１弾性枠部４２ｂが前側から挿入される。

　図７に示すように、一対の縦枠辺部４１ｕには、四角枠状のホルダ本体部４１ｔの内部と第１溝部４１ｐの内部とを繋ぐ一対の開口部４８ａ，４８ｂがそれぞれ形成されている。開口部４８ａは、左側（－Ｙ側）の縦枠辺部４１ｕに形成されている。開口部４８ａは、内壁部４１ｄの被係合部４１ｉと内壁部４１ｅの被係合部４１ｋとの上下方向Ｚの間に形成されている。開口部４８ｂは、右側（＋Ｙ側）の縦枠辺部４１ｕに形成されている。開口部４８ｂは、内壁部４１ｄの被係合部４１ｊと内壁部４１ｅの被係合部４１ｍとの上下方向Ｚの間に形成されている。開口部４８ａ，４８ｂは、左右方向Ｙの内側に開口してホルダ本体部４１ｔの内部に繋がっている。開口部４８ａ，４８ｂは、左右方向Ｙの外側に開口して第１溝部４１ｐの内部に繋がっている。開口部４８ａ，４８ｂは、上下方向Ｚに長い略長方形状である。開口部４８ａ，４８ｂは、前側（＋Ｘ側）に開口している。

　図６に示すように、一対の縦枠辺部４１ｕには、一対の第２突起部４７ａ，４７ｂがそれぞれ形成されている。第２突起部４７ａは、左側（－Ｙ側）の縦枠辺部４１ｕに形成されている。第２突起部４７ｂは、右側（＋Ｙ側）の縦枠辺部４１ｕに形成されている。一対の第２突起部４７ａ，４７ｂは、一対の縦枠辺部４１ｕのそれぞれから左右方向Ｙの内側に突出している。本実施の形態において一対の第２突起部４７ａ，４７ｂは、後壁部４１ａの内縁に形成されている。一対の第２突起部４７ａ，４７ｂは、中心線Ｃを挟んで左右方向Ｙに対向して配置されている。一対の第２突起部４７ａ，４７ｂは、上下方向Ｚに延びる細長の略直方体状である。

　図７に示すように、フランジ部４１ｃは、ホルダ本体部４１ｔから突出している。より詳細には、フランジ部４１ｃは、ホルダ本体部４１ｔから、中心線Ｃを中心とする径方向の外側に突出している。フランジ部４１ｃは、外壁部４１ｂの外側面における前側（＋Ｘ側）の端部に形成されている。フランジ部４１ｃは、ホルダ本体部４１ｔを囲む四角枠状である。本実施の形態においてフランジ部４１ｃは、４つの角が丸面取りされた四角枠状である。より詳細には、フランジ部４１ｃは、角丸の正方形枠状である。フランジ部４１ｃは、外壁部４１ｂの前側の端部に沿って配置されている。

　図９および図１０に示すように、フランジ部４１ｃは、取付壁部３１ａに形成された貫通穴３１ｃの周縁部の前側（＋Ｘ側）に対向して配置されている。これにより、フランジ部４１ｃは、貫通穴３１ｃの周縁部に前後方向Ｘにおける前側から引っ掛かる。本実施の形態において四角枠状のフランジ部４１ｃは、四角形状の貫通穴３１ｃの周縁部の全周に前側から引っ掛かる。図９および図１０の例では、フランジ部４１ｃの後側（－Ｘ側）の面は、取付壁部３１ａの前側の面３１ｅに接触している。フランジ部４１ｃは、弾性ブッシュ４２の第２溝部４２ｆ内に挿入されている。本実施の形態においてフランジ部４１ｃは、第２溝部４２ｆ内に嵌め込まれている。

　図９に示すように、一対の爪部４３，４４は、ホルダ本体部４１ｔから上下方向Ｚに突出している。一対の爪部４３，４４は、一対の横枠辺部４１ｖにそれぞれ形成されている。爪部４３は、上側の横枠辺部４１ｖに形成されている。爪部４４は、下側の横枠辺部４１ｖに形成されている。爪部４３，４４は、各横枠辺部４１ｖから上下方向Ｚの外側に突出している。爪部４３と爪部４４とは、中心線Ｃを挟んで上下方向Ｚに対称に配置されている点を除いて、互いに同様の形状である。

　図５に示すように、爪部４３は、外壁部４１ｂのうち上側の横枠辺部に形成された穴部４１ｒの内縁に繋がっている。爪部４３は、穴部４１ｒの内縁のうち後側（－Ｘ側）の縁部から前側（＋Ｘ側）に延びる基部４３ａと、基部４３ａの前端部から上側に突出する爪本体部４３ｂと、を有する。爪本体部４３ｂは、ホルダ本体部４１ｔよりも上側に突出している。図９に示すように、爪本体部４３ｂは、貫通穴３１ｃの周縁部における上側部分の後側に対向して配置されている。これにより、爪部４３は、貫通穴３１ｃの周縁部に前後方向Ｘにおける前側と逆側の後側（－Ｘ側）から引っ掛かる。爪本体部４３ｂの前側の面は、前後方向Ｘと直交する平坦面である。爪本体部４３ｂの後側の面は、上側に向かうに従って前側に位置する傾斜面である。爪本体部４３ｂは、フランジ部４１ｃとの前後方向Ｘの間で、貫通穴３１ｃの周縁部を挟んでいる。爪本体部４３ｂの上端部は、フランジ部４１ｃよりも上側に突出している。

　爪部４４は、外壁部４１ｂのうち下側の横枠辺部に形成された穴部４１ｒの内縁に繋がっている。爪部４４は、穴部４１ｒの内縁のうち後側（－Ｘ側）の縁部から前側（＋Ｘ側）に延びる基部４４ａと、基部４４ａの前端部から下側に突出する爪本体部４４ｂと、を有する。爪本体部４４ｂは、貫通穴３１ｃの周縁部における下側部分の後側に対向して配置されている。これにより、爪部４４は、貫通穴３１ｃの周縁部に後側から引っ掛かる。

　図９の例では、一対の爪部４３，４４の各爪本体部４３ｂ，４４ｂが貫通穴３１ｃの周縁部と隙間を介して対向しているが、これに限られない。各爪本体部４３ｂ，４４ｂは、貫通穴３１ｃの周縁部と接触していてもよい。図９の例では、ブッシュ部品４０が前側（＋Ｘ側）に移動しようとすると、一対の爪部４３，４４の各爪本体部４３ｂ，４４ｂが貫通穴３１ｃの周縁部に接触して引っ掛かるため、ブッシュ部品４０が前側に移動することが抑制される。なお、図９の例では、各爪本体部４３ｂ，４４ｂが貫通穴３１ｃの周縁部に接触すると、フランジ部４１ｃは、貫通穴３１ｃの周縁部から前側に離れた状態となる。

　一対の爪部４３，４４は、上下方向Ｚに弾性変形可能である。より詳細には、一対の爪部４３，４４は、各基部４３ａ，４３ｂのうち穴部４１ｒの内縁に繋がる後端部を支点として上下方向Ｚの内側に弾性変形可能である。ブッシュ部品４０が貫通穴３１ｃに取り付けられる際、一対の爪部４３，４４は、ホルダ本体部４１ｔの内部側、すなわち上下方向Ｚの内側に弾性変形して貫通穴３１ｃを通過し、貫通穴３１ｃを通過し終わると復元変形する。これにより、一対の爪部４３，４４は、貫通穴３１ｃの周縁部の後側（－Ｘ側）に対向して配置される。

　図６に示すように、一対の保持部４５，４６は、ホルダ本体部４１ｔの内縁にヒンジ部４５ｄ，４６ｄを介して繋がっている。ヒンジ部４５ｄ，４６ｄは、他の部分に比べて薄肉に形成された部分である。ヒンジ部４５ｄ，４６ｄは、弾性変形可能である。一対の保持部４５，４６は、ヒンジ部４５ｄ，４６ｄが弾性変形することで、ヒンジ部４５ｄ，４６ｄを通り上下方向Ｚに延びる軸回りに回動可能となっている。一対の保持部４５，４６は、図６に示す状態から前側（＋Ｘ側）に折り曲げられることで、弾性ブッシュ４２をホルダ４１に保持させることができる。

　図６および図７においては、一対の保持部４５，４６が折り曲げられていない状態を示している。図３から図５、および図８から図１１においては、一対の保持部４５，４６が折り曲げられ、ホルダ４１に弾性ブッシュ４２が保持された状態を示している。なお、図１１では、弾性ブッシュ４２の図示を省略している。

　以下の説明においては、図６および図７に示す一対の保持部４５，４６の状態、すなわち一対の保持部４５，４６が折り曲げられていない状態を“非保持状態”と呼ぶ。また、図３から図５、および図８から図１１に示す一対の保持部４５，４６の状態、すなわち一対の保持部４５，４６が折り曲げられてホルダ４１に弾性ブッシュ４２が保持された状態を“保持状態”と呼ぶ。

　図６に示すように、一対の保持部４５，４６は、一対の縦枠辺部４１ｕにそれぞれ繋がっている。保持部４５は、左側（－Ｙ側）の縦枠辺部４１ｕのうち後壁部４１ａの内縁に繋がっている。保持部４６は、右側（＋Ｙ側）の縦枠辺部４１ｕのうち後壁部４１ａの内縁に繋がっている。保持部４５と保持部４６とは、左右方向Ｙに間隔を空けて対向して配置されている。一対の保持部４５，４６は、非保持状態において、一対の縦枠辺部４１ｕのそれぞれから左右方向Ｙの内側に突出している。保持部４５と保持部４６とは、中心線Ｃを挟んで左右方向Ｙに対称に配置されている。図１１に示すように、保持状態において保持部４５は、開口部４８ａ内に位置する。保持状態において保持部４６は、開口部４８ｂ内に位置する。本実施の形態において各保持部４５，４６は、保持状態において、各開口部４８ａ，４８ｂにそれぞれ嵌め込まれている。

　保持部４５は、一対の腕部４５ａ，４５ｂと、係止部４５ｃと、係合突起４５ｅ，４５ｆと、を有する。図６に示すように、一対の腕部４５ａ，４５ｂは、それぞれヒンジ部４５ｄを介して縦枠辺部４１ｕに繋がっている。一対の腕部４５ａ，４５ｂは、後壁部４１ａの内縁のうち第２突起部４７ａを上下方向Ｚに挟んだ位置にそれぞれヒンジ部４５ｄを介して連結されている。一対の腕部４５ａ，４５ｂは、非保持状態において、縦枠辺部４１ｕから左右方向Ｙの内側に突出している。図１１に示すように、一対の腕部４５ａ，４５ｂは、保持状態において、前後方向Ｘに延びる姿勢とされ、第２突起部４７ａを上下方向Ｚに挟んで配置されている。

　係止部４５ｃは、上下方向Ｚに延びている。係止部４５ｃは、上下方向Ｚに長い細長の略直方体状である。係止部４５ｃは、一対の腕部４５ａ，４５ｂの先端部同士を繋いでいる。一対の腕部４５ａ，４５ｂの先端部は、非保持状態においては一対の腕部４５ａ，４５ｂのうち左右方向Ｙの内側の端部であり、保持状態においては一対の腕部４５ａ，４５ｂのうち前側（＋Ｘ側）の端部である。図５に示すように、係止部４５ｃは、保持部４５がヒンジ部４５ｄを介して前側（＋Ｘ側）に折り曲げられた保持状態において第１突起部４２ｄと弾性板部４２ａとの前後方向Ｘの間に位置可能である。

　図１０に示すように、保持状態において、例えば、係止部４５ｃと第１突起部４２ｄとの前後方向Ｘの間、および係止部４５ｃと弾性板部４２ａとの前後方向Ｘの間には、僅かな隙間が設けられている。なお、係止部４５ｃは、保持状態において、第１突起部４２ｄと弾性板部４２ａとの少なくとも一方に接触していてもよい。

　係止部４５ｃは、保持状態において、外壁部４１ｂとの左右方向Ｙの間で第１弾性枠部４２ｂの縦枠辺部４２ｈを挟んでいる。保持状態において、係止部４５ｃと縦枠辺部４２ｈとの間には、僅かな隙間が設けられている。なお、係止部４５ｃは、縦枠辺部４２ｈと接触していてもよい。

　係止部４５ｃは、保持状態において、第２突起部４７ａとの前後方向Ｘの間で第１突起部４２ｄを挟んでいる。言い換えれば、第２突起部４７ａは、保持状態において、係止部４５ｃとの前後方向Ｘの間で第１突起部４２ｄを挟んでいる。第１突起部４２ｄと第２突起部４７ａとの間には、僅かな隙間が設けられている。なお、第１突起部４２ｄと第２突起部４７ａとは互いに接触していてもよい。

　図６に示すように、一対の係合突起４５ｅ，４５ｆは、係止部４５ｃの上下方向Ｚの両端部から上下方向Ｚの外側に突出している。係合突起４５ｅは、係止部４５ｃの上端部から上側に突出している。係合突起４５ｆは、係止部４５ｃの下端部から下側に突出している。一対の係合突起４５ｅ，４５ｆは、略長方形板状である。図１１に示すように、一対の係合突起４５ｅ，４５ｆの板面は、保持状態において、左右方向Ｙを向いている。

　一対の係合突起４５ｅ，４５ｆは、保持状態において第１溝部４１ｐの内部から開口部４８ａの縁部に引っ掛かる。これにより、一対の係合突起４５ｅ，４５ｆは、保持状態においてホルダ本体部４１ｔに引っ掛かる。本実施の形態では、一対の係合突起４５ｅ，４５ｆは、保持状態において、一対の被係合部４１ｉ，４１ｋに対してそれぞれ左右方向Ｙの外側（－Ｙ側）から引っ掛かる。保持状態において一対の係合突起４５ｅ，４５ｆが一対の被係合部４１ｉ，４１ｋに引っ掛かることにより、折り曲げられた保持状態の保持部４５が、折り曲げられていない非保持状態に戻ることが抑制される。

　保持部４６は、左右方向Ｙに対称である点を除いて保持部４５と同様の構成である。図６に示すように、保持部４６は、保持部４５と同様に、ヒンジ部４６ｄを介してホルダ本体部４１ｔの内縁に繋がる一対の腕部４６ａ，４６ｂと、係止部４６ｃと、一対の係合突起４６ｅ，４６ｆと、を有する。図１０に示すように、係止部４６ｃは、保持状態において第１突起部４２ｅと弾性板部４２ａとの前後方向Ｘの間に位置する。図１１に示すように、一対の係合突起４６ｅ，４６ｆは、保持状態において第１溝部４１ｐの内部から開口部４８ｂの縁部に引っ掛かる。本実施の形態では、一対の係合突起４６ｅ，４６ｆは、保持状態において、一対の被係合部４１ｊ，４１ｍに対してそれぞれ左右方向Ｙの外側（＋Ｙ側）から引っ掛かる。保持状態において一対の係合突起４６ｅ，４６ｆが一対の被係合部４１ｊ，４１ｍに引っ掛かることにより、折り曲げられた保持状態の保持部４６が、折り曲げられていない非保持状態に戻ることが抑制される。

　ブッシュ部品４０を組み立てる作業者は、ホルダ４１に対して弾性ブッシュ４２を前側（＋Ｘ側）から近づけ、ホルダ４１に形成された第１溝部４１ｐ内に弾性ブッシュ４２の第１弾性枠部４２ｂを挿入するとともに、ホルダ４１のフランジ部４１ｃを弾性ブッシュ４２に形成された第２溝部４２ｆ内に挿入する。作業者は、フランジ部４１ｃが第２溝部４２ｆの溝底面に接触して第２溝部４２ｆ内に嵌め込まれるまで弾性ブッシュ４２をホルダ４１に近づける。

　次に、作業者は、一対の保持部４５，４６を前側（＋Ｘ側）に折り曲げて、各開口部４８ａ，４８ｂに嵌め込む。このとき、作業者は、一対の保持部４５，４６の各係合突起４５ｅ，４５ｆ，４６ｅ，４６ｆを各開口部４８ａ，４８ｂを介して第１溝部４１ｐ内に押し込んで、各係合突起４５ｅ，４５ｆ，４６ｅ，４６ｆを各被係合部４１ｉ，４１ｋ，４１ｊ，４１ｍにそれぞれ係合させる。この際、各係合突起４５ｅ，４５ｆ，４６ｅ，４６ｆおよび各被係合部４１ｉ，４１ｋ，４１ｊ，４１ｍの少なくとも一方が弾性変形することで、各係合突起４５ｅ，４５ｆ，４６ｅ，４６ｆが第１溝部４１ｐ内に押し込まれる。これにより、一対の保持部４５，４６のそれぞれが折り曲げられた保持状態が維持される。保持状態においては、一対の保持部４５，４６の係止部４５ｃ，４６ｃが第１突起部４２ｄ，４２ｅと弾性板部４２ａとの間に位置するため、弾性ブッシュ４２がホルダ４１に対して前側に引っ張られても、第１突起部４２ｄ，４２ｅが係止部４５ｃ，４６ｃに引っ掛かる。これにより、弾性ブッシュ４２がホルダ４１から前側に外れることが抑制される。

　ブッシュ部品４０を取付壁部３１ａの貫通穴３１ｃに取り付ける作業者は、貫通穴３１ｃに前側（＋Ｘ側）からブッシュ部品４０を近づけ、ホルダ４１を貫通穴３１ｃ内に挿入する。このとき、一対の爪部４３，４４における爪本体部４３ｂ，４４ｂの後側の傾斜面が貫通穴３１ｃの周縁部に接触することで、爪部４３，４４が上下方向Ｚの内側に弾性変形させられる。これにより、一対の爪部４３，４４を貫通穴３１ｃに通過させることができる。作業者は、一対の爪部４３，４４が貫通穴３１ｃを通過してケース３１の内部において復元変形するまでホルダ４１を貫通穴３１ｃ内に挿入する。一対の爪部４３，４４がケース３１の内部で復元変形し、一対の爪部４３，４４が貫通穴３１ｃの周縁部にケース３１の内部から引っ掛かる位置に配置されることで、ブッシュ部品４０が貫通穴３１ｃに取り付けられる。

　本実施の形態によれば、一対の保持部４５，４６は、ホルダ本体部４１ｔのうち前後方向Ｘと直交する左右方向Ｙに対向して配置された一対の縦枠辺部４１ｕにそれぞれ繋がっている。一対の第１突起部４２ｄ，４２ｅは、第１弾性枠部４２ｂのうち左右方向Ｙに対向して配置された一対の縦枠辺部４２ｈにそれぞれ形成され、かつ、弾性板部４２ａから後側（－Ｘ側）に離れて配置されている。一対の保持部４５，４６のそれぞれは、一対の保持部４５，４６がヒンジ部４５ｄ，４６ｄを介して前側（＋Ｘ側）に折り曲げられた保持状態において第１突起部４２ｄ，４２ｅと弾性板部４２ａとの間に位置可能な係止部４５ｃ，４６ｃを有する。そのため、上述したように、一対の保持部４５，４６を折り曲げて各係止部４５ｃ，４６ｃを第１突起部４２ｄ，４２ｅと弾性板部４２ａとの間にそれぞれ位置させることで、係止部４５ｃ，４６ｃと第１突起部４２ｄ，４２ｅとを前後方向Ｘに互いに引っ掛けることができる。これにより、ホルダ４１に対して弾性ブッシュ４２が前後方向Ｘに外れることを好適に抑制できる。

　また、ホルダ４１はフランジ部４１ｃと爪部４３，４４とがそれぞれ前後方向Ｘの逆側から貫通穴３１ｃの周縁部に引っ掛かるため、ホルダ４１が貫通穴３１ｃから前後方向Ｘに外れることが抑制されている。そのため、弾性ブッシュ４２に形成された配線穴４２ｇに通された配線７０が例えば前側（＋Ｘ側）に引っ張られることで弾性ブッシュ４２が前側に引っ張られても、弾性ブッシュ４２がホルダ４１から外れることを抑制できるとともに、弾性ブッシュ４２がホルダ４１ごと貫通穴３１ｃから外れることも抑制できる。したがって、ブッシュ部品４０を前後方向Ｘに見て四角形状としても、ブッシュ部品４０が貫通穴３１ｃから外れることを好適に抑制できる。

　例えば、前後方向Ｘに見てブッシュ部品が円形状であれば、ブッシュ部品に対して配線から加えられる力をブッシュ部品の全周で均等に分散させて受けやすい。そのため、ブッシュ部品を弾性ブッシュのみからなる構成としてもブッシュ部品は貫通穴から外れにくい。しかしながら、ブッシュ部品を前後方向Ｘに見て円形状とすると、ブッシュ部品を前後方向Ｘに見て四角形状とする場合に比べて、配線穴を形成できる領域が小さくなりやすく、ブッシュ部品に通される配線の数が少なくなりやすい。これに対して、本実施の形態によれば、ブッシュ部品４０を前後方向Ｘに見て四角形状とすることで配線穴４２ｇを形成できる領域を大きくしてブッシュ部品４０に通せる配線７０の数を多くしつつ、ブッシュ部品４０が貫通穴３１ｃから外れることを好適に抑制できる。

　また、例えば、従来のブッシュ部品のようにゴム製の弾性ブッシュからなるブッシュ部品を前後方向Ｘに見て四角形状とする場合、貫通穴内に当該弾性ブッシュを弾性変形させながら直接嵌め込むこととなる。この場合、当該弾性ブッシュに４つの角部があるために、当該弾性ブッシュを貫通穴内に嵌め込みにくい問題がある。また、当該弾性ブッシュを嵌め込みにくいため、当該弾性ブッシュの一部が正しく貫通穴内に嵌め込まれない恐れがあり、当該正しく嵌め込まれていない部分から当該弾性ブッシュが外れやすい場合があった。

　これに対して、本実施の形態によれば、弾性ブッシュ４２を弾性変形させることなくホルダ４１を貫通穴３１ｃ内に挿入することで、フランジ部４１ｃと爪部４３，４４とによってブッシュ部品４０を貫通穴３１ｃに取り付けられる構造とした。そのため、ブッシュ部品４０を前後方向Ｘから見て四角形状としても、ブッシュ部品４０を貫通穴３１ｃに容易に取り付けることができる。また、ブッシュ部品４０の一部が正しく貫通穴３１ｃに対して取り付けられなくなることを抑制でき、ブッシュ部品４０が貫通穴３１ｃから外れることをより好適に抑制できる。

　また、例えば、従来の弾性ブッシュからなるブッシュ部品を、接着剤を用いて貫通穴に強固に固定することも考えられる。しかしながら、この場合、接着剤が劣化することで当該ブッシュ部品が貫通穴から外れる恐れもある。これに対して、本実施の形態では、接着剤を用いることなく、上述したようにして、ブッシュ部品４０を安定して貫通穴３１ｃに取り付けることができるため、ブッシュ部品４０が外れることをより好適に抑制できる。

　また、本実施の形態によれば、ホルダ本体部４１ｔには、第１弾性枠部４２ｂが挿入される第１溝部４１ｐが形成されている。そのため、ホルダ４１に対して弾性ブッシュ４２をより安定して保持させやすい。

　また、本実施の形態によれば、一対の縦枠辺部４１ｕには、ホルダ本体部４１ｔの内部と第１溝部４１ｐの内部とを繋ぐ一対の開口部４８ａ，４８ｂがそれぞれ形成されている。一対の保持部４５，４６のそれぞれは、保持状態においてホルダ本体部４１ｔに引っ掛かる係合突起４５ｅ，４５ｆ，４６ｅ，４６ｆを有する。そのため、保持状態において折り曲げられた一対の保持部４５，４６が元に戻ることを抑制できる。これにより、ホルダ４１に対して弾性ブッシュ４２が好適に取り付けられた状態を好適に維持しやすい。具体的に本実施の形態では、係合突起４５ｅ，４５ｆ，４６ｅ，４６ｆは、第１溝部４１ｐの内部から開口部４８ａ，４８ｂの縁部に引っ掛かる。そのため、一対の保持部４５，４６を折り曲げた際に係合突起４５ｅ，４５ｆ，４６ｅ，４６ｆを開口部４８ａ，４８ｂ内に押し込むことで、容易かつ好適に係合突起４５ｅ，４５ｆ，４６ｅ，４６ｆをホルダ本体部４１ｔに引っ掛けることができる。

　また、本実施の形態によれば、一対の保持部４５，４６のそれぞれは、それぞれヒンジ部４５ｄ，４６ｄを介してホルダ本体部４１ｔに繋がる一対の腕部４５ａ，４５ｂ，４６ａ，４６ｂを有する。係止部４５ｃ，４６ｃは、一対の腕部４５ａ，４５ｂ，４６ａ，４６ｂの先端部同士を繋いでいる。そのため、係止部４５ｃ，４６ｃをホルダ本体部４１ｔに対して安定して連結することができる。また、一対の腕部４５ａ，４５ｂ，４６ａ，４６ｂによって第１突起部４２ｄ，４２ｅをそれぞれ上下方向Ｚに挟むことができる。そのため、第１突起部４２ｄ，４２ｅを各一対の腕部４５ａ，４５ｂ，４６ａ，４６ｂに上下方向Ｚに引っ掛けることができる。これにより、弾性ブッシュ４２がホルダ４１に対して上下方向Ｚに相対移動することを好適に抑制できる。

　また、本実施の形態によれば、一対の縦枠辺部４１ｕには、保持状態において係止部４５ｃ，４６ｃとの前後方向Ｘの間で第１突起部４２ｄ，４２ｅを挟む一対の第２突起部４７ａ，４７ｂがそれぞれ形成されている。そのため、弾性ブッシュ４２がホルダ４１に対して前後方向Ｘに相対移動することをより好適に抑制できる。

　また、本実施の形態によれば、前後方向Ｘに見て、弾性板部４２ａの外周縁部は、第１弾性枠部４２ｂよりも外側に位置する。弾性ブッシュ４２は、弾性板部４２ａの外周縁部から後側（－Ｘ側）に突出し第１弾性枠部４２ｂを囲む四角枠状の第２弾性枠部４２ｃを有する。フランジ部４１ｃは、ホルダ本体部４１ｔを囲む四角枠状であり、第１弾性枠部４２ｂと第２弾性枠部４２ｃとの間に形成された四角枠状の第２溝部４２ｆ内に挿入される。そのため、ホルダ４１に対して弾性ブッシュ４２をより安定して保持させることができる。

　また、本実施の形態によれば、爪部４３，４４は、ホルダ本体部４１ｔのうち前後方向Ｘおよび左右方向Ｙの両方と直交する上下方向Ｚに対向して配置された一対の横枠辺部４１ｖにそれぞれ形成され、上下方向Ｚに弾性変形可能である。そのため、一対の爪部４３，４４によって、ホルダ４１が貫通穴３１ｃから外れることをより好適に抑制できる。また、一対の保持部４５，４６が形成された一対の縦枠辺部４１ｕとは異なる一対の横枠辺部４１ｖに爪部４３，４４が設けられることで、弾性ブッシュ４２が引っ張られた際に受ける力を、中心線Ｃ回りの周方向において好適に分散して受けやすい。これにより、ブッシュ部品４０が貫通穴３１ｃから外れることをより好適に抑制できる。また、一対の爪部４３，４４が上下方向Ｚに弾性変形可能であるため、上述したように、ホルダ４１を貫通穴３１ｃに挿入するだけで、一対の爪部４３，４４を弾性変形させて貫通穴３１ｃに通すことができる。これにより、一対の爪部４３，４４を、貫通穴３１ｃの周縁部に容易に後側から引っ掛からせることができる。したがって、ブッシュ部品４０を貫通穴３１ｃに取り付ける作業を容易にできる。

　また、本実施の形態によれば、弾性ブッシュ４２は、ゴム製であり、ホルダ４１は、樹脂製である。そのため、弾性ブッシュ４２を比較的弾性変形しやすくでき、弾性ブッシュ４２に形成された配線穴４２ｇの内縁を配線７０に密着させやすい。これにより、配線穴４２ｇの内縁と配線７０との間を好適にシールしやすい。また、ホルダ４１の剛性を弾性ブッシュ４２の剛性に比べて大きくしやすく、ホルダ４１によって弾性ブッシュ４２をより好適に保持しやすい。

　また、本実施の形態によれば、ブッシュ部品４０が冷媒分配装置３０に備えられるため、冷媒分配装置３０の制御部３２に繋がる配線７０をブッシュ部品４０に通してケース３１の外部に引き出しつつ、ブッシュ部品４０によってケース３１内に水などの異物が侵入することを抑制できる。また、上述したように本実施の形態ではブッシュ部品４０が外れることを抑制できるため、冷媒分配装置３０の設置作業中などにブッシュ部品４０が外れることを抑制できる。したがって、冷媒分配装置３０の設置作業を容易にできる。

　以上に本開示における実施の形態について説明したが、本開示は上述した各実施の形態の構成のみに限定されず、以下の構成および方法を採用することもできる。

　ホルダにおける一対の保持部は、係止部を有するならば、どのような構成であってもよい。ホルダ本体部には、第１溝部が形成されなくてもよい。ホルダにおけるフランジ部および爪部は、それぞれどのような形状であってもよい。フランジ部は、枠状でなくてもよく、互いに離れた位置に複数設けられてもよい。爪部は、１つのみ設けられてもよいし、３つ以上設けられてもよい。フランジ部と爪部とは、第１方向（前後方向Ｘ）において互いに重ならない位置に配置されてもよい。ホルダを構成する材料は、特に限定されない。ホルダは、金属製であってもよい。

　弾性ブッシュは、第１弾性枠部が四角枠状であれば、弾性板部が円板状などであってもよい。弾性ブッシュは、第２弾性枠部を有しなくてもよい。弾性板部に形成される配線穴の数は、特に限定されない。弾性板部には、５つ以上の配線穴が形成されてもよい。弾性ブッシュを構成する材料は、弾性体であれば、特に限定されない。

　本開示のブッシュ部品は、どのような機器に備えられてもよく、冷媒分配装置以外の機器に備えられてもよい。本開示のブッシュ部品を備える冷媒分配装置は、どのような場所に設置されてもよい。冷媒分配装置は、部屋の床に設置されてもよいし、壁に掛けられた状態で設置されてもよい。冷媒分配装置に接続可能な室内機の数は、２つ以上であれば、特に限定されない。冷媒分配装置のケースの内部には、第１冷媒配管の全体が収容されてもよいし、第２冷媒配管の全体が収容されてもよい。

　以上、本明細書において説明した各構成および各方法は、相互に矛盾しない範囲内において、適宜組み合わせることができる。

　１０…室外機、１１ａ，１１ｂ，２１ａ，２１ｂ…冷媒配管、２０…室内機、３０…冷媒分配装置、３１…ケース、３１ａ…取付壁部、３１ｃ…貫通穴、４０…ブッシュ部品、４１…ホルダ、４１ｂ…外壁部、４１ｃ…フランジ部、４１ｐ…第１溝部、４１ｔ…ホルダ本体部、４１ｕ…縦枠辺部（第１枠辺部）、４１ｖ…横枠辺部（第３枠辺部）、４２…弾性ブッシュ、４２ａ…弾性板部、４２ｂ…第１弾性枠部、４２ｃ…第２弾性枠部、４２ｄ，４２ｅ…第１突起部、４２ｆ…第２溝部、４２ｇ…配線穴、４２ｈ…縦枠辺部（第２枠辺部）、４３，４４…爪部、４５，４６…保持部、４５ａ，４５ｂ，４６ａ，４６ｂ…腕部、４５ｃ，４６ｃ…係止部、４５ｄ，４６ｄ…ヒンジ部、４５ｅ，４５ｆ，４６ｅ，４６ｆ…係合突起、４７ａ，４７ｂ…第２突起部、４８ａ，４８ｂ…開口部、６１，６１ａ，６１ｂ…第１冷媒配管、６２，６２ａ，６２ｂ…第２冷媒配管、７０…配線、１００…空気調和機、Ｘ…前後方向（第１方向）、Ｙ…左右方向（第２方向）、Ｚ…上下方向（第３方向）

Claims (10)

1. 　取付壁部を第１方向に貫通する四角形状の貫通穴に取り付けられるブッシュ部品であって、
   　弾性体製の弾性ブッシュと、
   　前記弾性ブッシュを保持するホルダと、
   　を備え、
   　前記ホルダは、
   　　前記貫通穴に通される四角枠状のホルダ本体部と、
   　　前記ホルダ本体部から突出し、前記貫通穴の周縁部に前記第１方向における第１側から引っ掛かるフランジ部と、
   　　前記ホルダ本体部から突出し、前記貫通穴の周縁部に前記第１方向における前記第１側と逆側の第２側から引っ掛かる爪部と、
   　　前記ホルダ本体部の内縁にヒンジ部を介して繋がる一対の保持部と、
   　を有し、
   　前記ホルダ本体部は、四角枠状の外壁部を有し、
   　前記弾性ブッシュは、
   　　前記貫通穴を前記第１側から覆う弾性板部と、
   　　前記弾性板部から前記第２側に突出し、前記外壁部の内側に挿入される四角枠状の第１弾性枠部と、
   　　前記第１弾性枠部の内側面に形成された一対の第１突起部と、
   　を有し、
   　前記弾性板部のうち前記第１方向に見て前記第１弾性枠部の内側に位置する部分には、前記貫通穴を通る配線が通される配線穴が形成可能であり、
   　前記一対の保持部は、前記ホルダ本体部のうち前記第１方向と直交する第２方向に対向して配置された一対の第１枠辺部にそれぞれ繋がり、
   　前記一対の第１突起部は、前記第１弾性枠部のうち前記第２方向に対向して配置された一対の第２枠辺部にそれぞれ形成され、かつ、前記弾性板部から前記第２側に離れて配置され、
   　前記一対の保持部のそれぞれは、前記一対の保持部が前記ヒンジ部を介して前記第１側に折り曲げられた保持状態において前記第１突起部と前記弾性板部との間に位置可能な係止部を有する、ブッシュ部品。
2. 　前記ホルダ本体部には、前記第１弾性枠部が挿入される第１溝部が形成されている、請求項１に記載のブッシュ部品。
3. 　前記一対の第１枠辺部には、前記ホルダ本体部の内部と前記第１溝部の内部とを繋ぐ一対の開口部がそれぞれ形成され、
   　前記一対の保持部のそれぞれは、前記保持状態において前記第１溝部の内部から前記開口部の縁部に引っ掛かる係合突起を有する、請求項２に記載のブッシュ部品。
4. 　前記一対の保持部のそれぞれは、前記保持状態において前記ホルダ本体部に引っ掛かる係合突起を有する、請求項１または２に記載のブッシュ部品。
5. 　前記一対の保持部のそれぞれは、それぞれ前記ヒンジ部を介して前記ホルダ本体部に繋がる一対の腕部を有し、
   　前記係止部は、前記一対の腕部の先端部同士を繋いでいる、請求項１から４のいずれか一項に記載のブッシュ部品。
6. 　前記一対の第１枠辺部には、前記保持状態において前記係止部との前記第１方向の間で前記第１突起部を挟む一対の第２突起部がそれぞれ形成されている、請求項１から５のいずれか一項に記載のブッシュ部品。
7. 　前記第１方向に見て、前記弾性板部の外周縁部は、前記第１弾性枠部よりも外側に位置し、
   　前記弾性ブッシュは、前記弾性板部の外周縁部から前記第２側に突出し前記第１弾性枠部を囲む四角枠状の第２弾性枠部を有し、
   　前記フランジ部は、前記ホルダ本体部を囲む四角枠状であり、前記第１弾性枠部と前記第２弾性枠部との間に形成された四角枠状の第２溝部内に挿入される、請求項１から６のいずれか一項に記載のブッシュ部品。
8. 　前記爪部は、前記ホルダ本体部のうち前記第１方向および前記第２方向の両方と直交する第３方向に対向して配置された一対の第３枠辺部にそれぞれ形成され、前記第３方向に弾性変形可能である、請求項１から７のいずれか一項に記載のブッシュ部品。
9. 　前記弾性ブッシュは、ゴム製であり、
   　前記ホルダは、樹脂製である、請求項１から８のいずれか一項に記載のブッシュ部品。
10. 　空気調和機に備えられ、室外機から複数の室内機へ冷媒を分配する冷媒分配装置であって、
    　前記室外機から延びる冷媒配管が接続される第１冷媒配管と、
    　前記第１冷媒配管に接続され、前記複数の室内機から延びる冷媒配管がそれぞれ接続される複数の第２冷媒配管と、
    　貫通穴が形成された取付壁部を有し、前記第１冷媒配管の少なくとも一部、および前記複数の第２冷媒配管の少なくとも一部を内部に収容するケースと、
    　前記貫通穴に取り付けられた請求項１から９のいずれか一項に記載のブッシュ部品と、
    　を備える、冷媒分配装置。

Images