JPH09122421A - 空気用フィルターおよびその応用機器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 空気用フィルターを樹脂にて一体成形し、安
価で製造コストが低減できる空気用フィルターを提供す
ることを目的とする。 【解決手段】 空気用フィルター８は、着脱手段を設け
た取付台１と、複数の連結板４と、中央にフィルター５
を取付けたフィルター枠６とを、薄肉成形による屈曲部
７を介して連結し樹脂一体成形した構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、空気調和機等に使
用する空気用フィルターおよびその応用機器に関する。

【０００２】

【従来の技術】図７から図１１に従来の空気用フィルタ
ーおよびその応用機器の構造を示しており、図に示すよ
うに、フィルター本体１０１は、粗面１０２と密面１０
３を有する不織布フィルター１０４を樹脂にて一体成形
したフィルター枠１０５とこのフィルター枠１０５の端
面を上下可動につなぐ薄肉形状の連結部１０６を有し複
数個の孔Ａ１０７を設けた仕切り板Ａ１０８とで一体成
形された部品Ａ１０９と複数個の孔Ｂ１１０を有した固
定板１１１から成り、この固定板１１１は、表面に直交
する位置に、複数個の孔Ｃ１１３を有した保持板１１４
で一体成形された部品Ｂ１１５とで構成されており、部
品Ａ１０９の仕切り板Ａ１０８の孔Ａ１０７と部品Ｂ１
１５の保持板１１４の孔Ｃ１１３とでねじ１１６により
固定することで形成され、この固定板１１１の裏面に取
手１１２を有していた。

【０００３】また、空気調和機１１７に開口１１８を設
けることによりフィルター本体１０１を収納し、開口１
１８の左右に複数に設けられた孔Ｄ１１９とフィルター
本体１０１の保持板１１４に設けられた複数の孔Ｃ１１
３と複数のつまみ状ねじ１２０により空気調和機１１７
の本体に保持されていた。

【０００４】また、フィルター本体１０１の収納部１２
１は空気調和機１１７に使用のケーシング１２２にテー
パー部１２３を設け形成し、ケーシング１２２の側面１
２４には、フィルター本体１０１の角部１２５を支持す
る三角状パッキン１２６を設けフィルター本体１０１を
保持していた。

【０００５】上記構成において、部品Ａ１０９と部品Ｂ
１１５により形成されたフィルター本体１０１は、空気
調和機１１７に収納でき、空気中の塵埃を除去すること
となる。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】このような従来の空気
用フィルターおよびその応用機器では、フィルター本体
１０１が部品Ａ１０９に設けられた仕切り板Ａ１０８の
孔Ｂ１１０と部品Ｂ１１５に設けられた保持板１１４の
孔Ｃ１１３とでねじ１１６によって固定し形成されてい
るため、２つの部品を組立てなければならず、製造工程
が煩雑で、樹脂成形品へのねじ止めによりクラックや割
れが生じるといった問題があった。

【０００７】また、フィルター本体１０１の部品Ａ１０
９には、粗面１０２と密面１０３を有した不織布フィル
ター１０４を設けており、空気調和機１１７にフィルタ
ー本体１０１を使用する場合、空気の流れ等によりフィ
ルター本体１０１の粗面１０２方向と密面１０３方向の
規制が生じ、粗面１０２方向、密面１０３方向のどちら
でも取り付け可能な空気調和機１１７では、逆付けされ
てしまう恐れがあった。

【０００８】また、フィルター本体１０１は、空気調和
機１１７とフィルター本体１０１のそれぞれに設けられ
た孔Ｄ１１９と孔Ｃ１１３により、つまみ状ねじ１２０
で固定されており、組立ておよびフィルター本体１０１
のメンテナンスの際、手間がかかるという問題があっ
た。

【０００９】また、空気調和機１１７のケーシング１２
２に設けた収納部１２１にフィルター本体１０１を挿入
する際、ケーシング１２２のテーパー部１２３がフィル
ター本体１０１の部品Ａ１０９の面に沿っていないた
め、フィルター本体１０１を収納するのが困難であり、
また、収納部１２１にはフィルター本体１０１の部品Ａ
１０９を固定するものがなく、部品Ａ１０９自身が収納
部１２１の中で躍ってしまうという問題があった。

【００１０】また、ケーシング１２２の側面１２４に設
けられた三角状パッキン１２６は、フィルター本体１０
１の角部１２５を支持しフィルター本体１０１を保持す
るものであるが、通過抵抗とならないよう三角状パッキ
ン１２６はフィルター本体１０１の大きさに対して小さ
くなっており、そのためフィルター本体１０１挿入時フ
ィルター本体１０１の角部１２５を三角状パッキン１２
６の傾斜面１２９に保持しにくく、フィルター本体１０
１をケーシング１２２の収納部１２１に収納するのが困
難であった。

【００１１】本発明は上記課題を解決するもので、着脱
手段を設けた取付台と、複数の連結板と、中央にフィル
ターを取付けたフィルター枠とを、薄肉成形による屈曲
部を介して連結した樹脂一体成形の空気用フィルターを
提供することにより、挿入ミスのないスムーズな着脱を
し、製造コストを低減することを目的とする。

【００１２】

【課題を解決するための手段】本発明の空気用フィルタ
ーにおいては、着脱手段を設けた取付台と、複数の連結
板と、中央にフィルターを取付けたフィルター枠とを、
薄肉成形による屈曲部を介して連結し、樹脂一体成形と
したものである。この本発明によれば、挿入ミスのない
スムーズな着脱をし、製造コストを低減できる空気用フ
ィルターが得られる。

【００１３】

【発明の実施の形態】本発明の請求項１に記載の発明
は、着脱手段を設けた取付台と、複数の連結板と、中央
にフィルターを取付けたフィルター枠とを、薄肉成形に
よる屈曲部を介して連結した樹脂一体成形の空気用フィ
ルターとしたものであり、製造コストを低減することが
できる。

【００１４】本発明の請求項２に記載の発明は、取付台
と、取付台に隣接する第一の連結板の相互につめ部と孔
部による係合手段を有したものであり、組み立て作業を
簡単にすることができる。

【００１５】本発明の請求項３に記載の発明は、取付台
の両端の少なくとも片側に、弾性変形構造を有する係止
部を設け着脱手段としたものであり、空気用フィルター
の着脱を簡単かつ確実にできる。

【００１６】本発明の請求項４に記載の発明は、粗面と
密面の方向性を備えたフィルターを取付けたフィルター
枠に切欠き部を形成した請求項１〜３記載の空気用フィ
ルターと、前記空気用フィルターの被装着体である空気
調和機等の内部に切欠き部に対応する突出部を備え、逆
取付防止の構成としたものであり、空気用フィルターの
着脱をまちがいなく行うことができる。

【００１７】本発明の請求項５に記載の発明は、空気用
フィルター挿入時にフィルター枠の先端の摺動当接部分
に、挿入方向に沿った傾斜面によるフィルターガイドを
形成したものであり、空気用フィルターの着脱をスムー
ズにすることができる。

【００１８】本発明の請求項６に記載の発明は、傾斜面
の奥へ行くに従って狭くなるテーパー状間隙を形成する
凸部を傾斜面に隣接した側面に設けたものであり、空気
用フィルターの着脱をスムーズかつ確実にすることがで
きる。

【００１９】以下、本発明の実施の形態について、図１
から図６を用いて説明する。 （実施の形態１）図１は一体成形の空気用フィルターを
示し、図１において取付台１は、着脱手段を有するつめ
形状の引掛け部２が表面の両端部に形成され、裏面には
取手３が設けられている。この取付台１に隣合う端面に
は、複数の連結板４が設けられている。

【００２０】また、連結板４の隣合う端面には、中央に
不織布のフィルター５を取付けたフィルター枠６が設け
られている。

【００２１】上記構成により、取付台１と、複数の連結
板４と、フィルター枠６とは、薄肉成形による屈曲部７
を介して連結し、樹脂一体成形の空気用フィルター８を
構成しており、製造コストを低減することができる。

【００２２】（実施の形態２）図２は取付台および連結
板につめ部と孔部を設けた空気用フィルターを示し、図
２において空気用フィルター８は、取付台１と取付台１
に隣接する第一の連結板４の表面に、引掛け形状のつめ
部９と貫通あるいは凹状の孔部１０とを相互に一体成形
することで、つめ部９と孔部１０により係合手段を有し
ている。

【００２３】上記構成により、工場での組立て作業を容
易にすることができる。 （実施の形態３）図３は取付台に係止部を設けた空調用
フィルターと空気用フィルターの被装着体である空気調
和機を示し、図３において取付台１の両端の少なくとも
片側の表面に、相互につめ形状の引掛け部２とＵ字状の
弾性変形構造を有する係止部１１を、取付台１に一体成
形し着脱手段を設けた空気用フィルター８を構成してい
る。

【００２４】例えば、前記空気用フィルター８を空気調
和機１２に使用する場合、前記引掛け部２と前記係止部
１１は、空気調和機１２に設けられた空気用フィルター
８の挿入口１３の両端に設けた角孔１４にそれぞれ差し
込まれ、引掛け部２に設けたつめＡ１５と係止部１１に
設けたつめＢ１６で角孔１４の先端部に引掛けることに
より、空気調和機１２に空気用フィルターを装着でき
る。

【００２５】上記構成により、空気調和機１２への空気
用フィルター８の装着を容易にし、空気用フィルター８
を空気調和機１２よりはずす時も、係止部１１を角孔１
４の手前方向１７に押すことで簡単に取りはずすことが
できる。

【００２６】なお、着脱手段として弾性変形構造を有す
る係止部１１による場合を説明したが、弾性変形構造と
しては、ゴムあるいはバネ等を用いても同等の効果が得
られる。

【００２７】また、実施の形態１から３までに使用され
る合成樹脂の材料としては、ポリプロピレン、ポリエチ
レン、ポリアミド等の薄肉形状によるヒンジ特性が現出
するものが好ましい。

【００２８】（実施の形態４）図４はフィルター枠に切
欠き部を設けた空気用フィルターが突出部を設けた空気
調和機に装着された状態を示し、図４において空気用フ
ィルター８は中央に粗面１８と密面１９を有し、方向性
を備えたフィルター５を取付けたフィルター枠６の切欠
き部２０を設けた構成となっている。

【００２９】また、空気用フィルター８の被装着体であ
る空気調和機１２の内部には、前記フィルター枠６の切
欠き部２０を対応する突出部２１を備えている。

【００３０】上記構成により、空気調和機１２の空気の
流れ等により、フィルター５の粗面１８と密面１９の方
向性が生じた場合、フィルター枠６の切欠き部２０が空
気調和機１２の突出部２１と対応しているため、空気用
フィルター８を空気調和機１２に挿入する際、方向性が
必然的に規制されるため逆付け防止となる。

【００３１】（実施の形態５）図５はフィルターガイド
を設けた空気調和機内部と空気調和機に空気用フィルタ
ーが装着された状態を示し、図５において、空気調和機
１２には空気用フィルター８を収納する収納部２２に、
傾斜面によるフィルターガイド２３を形成し構成してい
る。

【００３２】上記構成により、フィルターガイド２３は
空気用フィルター８挿入時に、フィルター枠６の先端の
摺動当接部分２４が、挿入方向に沿って空気用フィルタ
ー８を導くように形成されているため、空気用フィルタ
ー８の着脱をスムーズにすることができる。

【００３３】（実施の形態６）図６は側面に凸部を設け
た空気調和機内部と空気調和機に空気用フィルターが装
着された状態を示し、図６において空気調和機１２は、
前記フィルターガイド２３の傾斜面２５に隣接した側面
２６に断熱材を貼付けて凸部２７を形成し構成してい
る。

【００３４】この凸部２７は、傾斜面２５の奥に行くに
従って狭くなるテーパー状間隙を形成しているため、空
気用フィルター８の傾斜面２５と凸部２７の間には三角
状の通路が形成される。

【００３５】この通路により、空気用フィルター８の着
脱がスムーズに導かれ確実に固定することができる。

【００３６】なお、凸部２７の形状は、空気調和機１２
の側面に一体成形されたものを用いても同様の効果が得
られる。

【００３７】

【発明の効果】以上のように本発明によれば、挿入ミス
のないスムーズな着脱が行え、しかも製造コストを低減
できる空気用フィルターを提供できるという有利な効果
が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１実施の形態による空気用フィルタ
ーの構成を示す斜視図

【図２】（ａ）同第２実施の形態による空気用フィルタ
ーのつめ部と孔部の構成を示す斜視図 （ｂ）同空気用フィルターの組立図

【図３】（ａ）同第３実施の形態による空気用フィルタ
ーの係止部の構成を示す斜視図 （ｂ）同空気用フィルターおよびその応用機器の空気調
和機との関係を示す斜視図 （ｃ）同空気用フィルターを空気調和機へ装着した状態
を示す断面図 （ｄ）同空気用フィルターと空気調和機の挿入口付近の
構成を示す斜視図

【図４】（ａ）同第４実施の形態による空気用フィルタ
ーの切欠き部と空気調和機の突出部の構成を示す断面図 （ｂ）同空気用フィルターと空気調和機の挿入口付近の
構成を示す斜視図

【図５】（ａ）同第５実施の形態による空気調和機のフ
ィルターガイド構成を示す斜視図 （ｂ）同空気調和機と空気用フィルターの組込み状態を
示す断面図 （ｃ）同空気調和機と空気用フィルターの組込み状態を
示す斜視図

【図６】（ａ）同第６実施の形態による空気調和機の凸
部の構成を示す斜視図 （ｂ）同空気調和機と空気用フィルターの組込み状態を
示す断面図

【図７】（ａ）従来のフィルターの構成状態を示す斜視
図 （ｂ）同フィルターの完成品の斜視図

【図８】同フィルターと空気調和機の組込み状態を示す
斜視図

【図９】（ａ）同フィルターと空気調和機の装着状態を
示す断面図 （ｂ）同フィルターと空気調和機の斜視図

【図１０】（ａ）従来のケーシングの構成状態を示す斜
視図 （ｂ）同ケーシングとフィルターの組込み状態を示す断
面図

【図１１】（ａ）同ケーシングの構成状態を示す斜視図 （ｂ）同ケーシングとフィルターの組込み状態を示す断
面図

【符号の説明】

１ 取付台 ４ 連結板 ５ フィルター ６ フィルター枠 ７ 屈曲部 ８ 空気用フィルター ９ つめ部 １０ 孔部 １１ 係止部 １２ 空気調和機 １８ 粗面 １９ 密面 ２０ 切欠き部 ２１ 突出部 ２３ フィルターガイド ２４ 摺動当接部分 ２５ 傾斜面 ２６ 側面 ２７ 凸部

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 着脱手段を設けた取付台と、複数の連結
   板と、中央にフィルターを取付けたフィルター枠とを、
   薄肉成形による屈曲部を介して連結した樹脂一体成形の
   空気用フィルター。
2. 【請求項２】 取付台と、取付台に隣接する第一の連結
   板の相互につめ部と孔部による係合手段を有する請求項
   １記載の空気用フィルター。
3. 【請求項３】 取付台の両端の少なくとも片側に、弾性
   変形構造を有する係止部を設け着脱手段とした請求項１
   記載の空気用フィルター。
4. 【請求項４】 粗面と密面の方向性を備えたフィルター
   を取付けたフィルター枠に切欠き部を形成した請求項１
   〜３記載の空気用フィルターと、前記空気用フィルター
   の被装着体である空気調和機等の内部に切欠き部に対応
   する突出部を備え、逆取付防止の構成とした空気用フィ
   ルターの応用機器。
5. 【請求項５】 空気用フィルター挿入時にフィルター枠
   の先端の摺動当接部分に、挿入方向に沿った傾斜面によ
   るフィルターガイドを形成した請求項１〜３記載の空気
   用フィルターの応用機器。
6. 【請求項６】 傾斜面の奥へ行くに従って狭くなるテー
   パー状間隙を形成する凸部を前記傾斜面に隣接した側面
   に設けた請求項４記載の空気用フィルターの応用機器。