WO2022070617A1 - 無機基板とポリアミック酸硬化物の積層体 - Google Patents

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Abstract

250℃で加熱後に、無機基板から容易に剥離可能なポリアミック酸の熱硬化物とガラスの積層体を得ること。 無機基板とポリアミック酸の熱硬化物との積層体であって、前記ポリアミック酸の重量平均分子量が30,000以上であり、前記積層体を250℃で加熱した後の前記無機基板と前記ポリアミック酸の熱硬化物層との剥離強度が0.3N/cm以下であることを特徴とする積層体。

Description

無機基板とポリアミック酸硬化物の積層体
 本発明は、無機基板上にポリイミド系樹脂等の高耐熱フィルムが形成された積層体およびフレキシブルデバイスの製造方法に関するものである。本発明の積層体は、例えばフレキシブル基板の表面に電子素子を形成したフレキシブルデバイスおよびフレキシブル配線板を製造する際に有用である。
 従来、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、有機ELディスプレイ(OLED)等のフラットパネルディスプレイ(FPD)および電子ペーパー等の電子デバイスの分野では、主としてガラス基板等の無機材料からなる基板(無機基板)上に電子素子を形成したものが用いられている。しかしながら、無機基板は剛直であり、しなやかさに欠けるため、フレキシブルになりにくいという問題がある。
 そこで、フレキシブル性を有しかつ耐熱性を有するポリイミド等の有機高分子材料を基板として用いる方法が提案されている。すなわち、フレキシブル性を有する高耐熱フィルムを、キャリアとして使用する無機基板上に積層し、この高耐熱フィルムを電子素子形成のための基板または配線基板として利用する技術が実用化されている。ここで、例えば、無機基板として光透過性に優れたガラス基板を用いると、電子素子を形成する際および配線基板作成の際の検査工程が容易となる上、既存のガラス基板上に電子素子を形成するフレキシブルデバイス生産用の設備がそのまま転用できるという利点を有する。
 このような高耐熱フィルムからなるフレキシブル基板層が積層された無機基板においては、無機基板をキャリア用の基板として利用するので、高耐熱フィルムの表面に電子素子を形成後、最後に高耐熱フィルムを無機基板から剥離して分離する必要がある。従い、電子素子を形成後は良好な剥離性が要求される。
 無機基板に強固に密着している高耐熱フィルムの無機基板からの剥離を工業的に行う方法として、例えば、ガラス基板に接したポリイミド系樹脂等高耐熱フィルムの界面にレーザー光を照射する方法(特許文献1)、ガラス基板に接したポリイミドフィルムの界面をジュール熱で加熱する方法(特許文献2)、誘導加熱する方法(特許文献3)、キセノンランプからのフラッシュ光を照射する方法(特許文献4)等により、剥離を行う方法が提案されている。しかしながら、これらの方法は、その工程が複雑で長時間を要し、設備が高価なため高コストであるという問題点があった。
 また、無機基板上にポリイミド前駆体の溶液(ポリアミック酸)を流延し、熱イミド化して積層体を得る方法(特許文献5)があるが、この方法では無機基板とポリイミドフィルムの密着が強固であり、機械的に剥離を行うことが難しい。一方、シランカップリング剤を用いて比較的弱い力でポリイミドフィルムを無機基板に接着する方法(特許文献6)でも無機基板とポリイミドフィルムの剥離強度は1N/cm以上と強く、表面に形成されたデバイスを傷付けることなく無機基板からポリイミドフィルムを機械剥離することは困難であった。
特表2007-512568号公報 特開2012-189974号公報 特開2014-86451号公報 特開2014-120664号公報 特開昭64-774号公報 特許第5531781号公報
 そこで、本発明は前記課題を解決するものであって、無機基板とポリアミック酸の熱硬化物の積層体(以下、単に積層体ともいう。)から前記ポリアミック酸の熱硬化物を機械的に剥離可能である積層体の提供を目的とする。
 本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意研究した結果、重量平均分子量が一定の値以上のポリアミック酸を用いることで無機基板から前記ポリアミック酸の熱硬化物を容易に剥離することができ、前記課題が解決されることを見出し、本発明の完成に至った。
 すなわち、本発明は以下の構成を含むものである。
[1]無機基板とポリアミック酸の熱硬化物との積層体であって、前記ポリアミック酸の重量平均分子量が30,000以上であり、前記積層体を250℃で加熱した後の前記無機基板と前記ポリアミック酸の熱硬化物層との剥離強度が0.3N/cm以下であることを特徴とする積層体。
[2]前記ポリアミック酸の熱硬化物のCTEが50ppm/K以下である[1]に記載の積層体。
[3]前記ポリアミック酸の熱硬化物がポリイミドであることを特徴とする[1]または[2]に記載の積層体。
[4]前記ポリアミック酸の熱硬化物が無色透明ポリイミドであることを特徴とする[1]~[3]のいずれかに記載の積層体。
[5]前記無機基板と前記ポリアミック酸の熱硬化物層の間にシランカップリング剤縮合層を有することを特徴とする[1]~[4]のいずれかに記載の積層体。
[6]前記シランカップリング剤縮合層の厚みが0.1nm~200nmであることを特徴とする[5]に記載の積層体。
[7]前記ポリアミック酸の重量平均分子量が60,000以上である[1]~[6]のいずれかに記載の積層体。
 本発明はさらに以下の構成を含むことができる。
[8]
 前記ポリアミック酸の熱硬化物が式1の構造、式2の構造および式3の構造からなる群より選ばれた1種以上の構造を含有する[1]~[7]に記載の積層体。
 本発明の積層体および積層体の製造方法においては、ポリアミック酸の熱硬化物からなるフィルムは無機基板から機械的に容易に剥離できる。また、前記ポリアミック酸の分子量が十分に高いため、たとえば前記無機基板に前記ポリアミック酸を塗工し、その上に別のフィルムを貼り合わせる場合には低濃度まで希釈が可能で、前記無機基板表面に非常に薄いポリアミック酸の層を形成することが可能である。そのため、前記フィルムとポリアミック酸の熱硬化物の間線熱膨張係数の差があっても反りが生じにくいという優れた特性を有する。
本発明の一実施の形態にかかるシランカップリング剤塗布装置の一例を示す概略図である。
 以下、本発明の実施形態について説明する。
<ポリアミック酸>
 本発明におけるポリアミック酸は公知の製造方法により製造可能である。すなわち、原料である1種または2種以上のテトラカルボン酸無水成分、および1種または2種以上のジアミン成分を使用し、有機溶媒中で重合してポリアミック酸溶液を得る。ポリアミック酸を合成するための好ましい溶媒は、アミド系溶媒すなわちN,N-ジメチルアセトアミド、N-メチル-2-ピロリドンなどであり、N,N-ジメチルアセトアミドが特に好ましく用いられる。反応装置には、反応温度を制御するための温度調整装置を備えていることが好ましく、反応温度としては0℃以上80℃以下が好ましく、さらに15℃以上60℃以下であることが重合の逆反応であるポリアミック酸の加水分解を抑制し、しかもポリアミック酸の粘度が上昇しやすいことから好ましい。
 ポリアミック酸を構成するジアミン類としては、特に制限はなく、ポリイミド合成に通常用いられる芳香族ジアミン類、脂肪族ジアミン類、脂環式ジアミン類等を用いることができる。耐熱性の観点からは、芳香族ジアミン類が好ましい。ジアミン類は、単独で用いてもよいし二種以上を併用してもよい。
 ジアミン類としては特に限定はなく、例えばオキシジアニリン(ビス(4-アミノフェニル)エーテル)、パラフェニレンジアミン(1,4-フェニレンジアミン)等が挙げられる。
 ポリアミック酸を構成するテトラカルボン酸類としては、ポリイミド合成に通常用いられる芳香族テトラカルボン酸類(その酸無水物を含む)、脂肪族テトラカルボン酸類(その酸無水物を含む)、脂環族テトラカルボン酸類(その酸無水物を含む)を用いることができる。これらが酸無水物である場合、分子内に無水物構造は1個であってもよいし2個であってもよいが、好ましくは2個の無水物構造を有するもの(二無水物)がよい。テトラカルボン酸類は単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。
 テトラカルボン酸としては、特に限定はなく、例えばピロリメット酸二無水物、3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。
 ポリアミック酸の熱硬化物はポリイミドであることが好ましく、無色透明ポリイミドであることがより好ましい。
 本発明におけるポリアミック酸の熱硬化物の一例である無色透明ポリイミドについて説明する。以下煩雑さを避けるために、単に透明ポリイミドとも記す。透明ポリイミドの透明性としては、全光線透過率が75%以上のものであることが好ましい。より好ましくは80%以上であり、さらに好ましくは85%以上であり、より一層好ましくは87%以上であり、特に好ましくは88%以上である。前記透明ポリイミドの全光線透過率の上限は特に制限されないが、フレキシブル電子デバイスとして用いるためには98%以下であることが好ましく、より好ましくは97%以下である。本発明における無色透明ポリイミドとは、全光線透過率75%以上のポリイミドが好ましい。
 本発明における無色透明性の高いポリイミドを得るための芳香族テトラカルボン酸類としては、4,4’-(2,2-ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸、4,4’-オキシジフタル酸、ビス(1,3-ジオキソ-1,3-ジヒドロ-2-ベンゾフラン-5-カルボン酸)1,4-フェニレン、ビス(1,3-ジオキソ-1,3-ジヒドロ-2-ベンゾフラン-5-イル)ベンゼン-1,4-ジカルボキシレート、4,4’-[4,4’-(3-オキソ-1,3-ジヒドロ-2-ベンゾフラン-1,1-ジイル)ビス(ベンゼン-1,4-ジイルオキシ)]ジベンゼン-1、2-ジカルボン酸、3,3’,4,4’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸、4,4’-[(3-オキソ-1,3-ジヒドロ-2-ベンゾフラン-1,1-ジイル)ビス(トルエン-2,5-ジイルオキシ)]ジベンゼン-1、2-ジカルボン酸、4,4’-[(3-オキソ-1,3-ジヒドロ-2-ベンゾフラン-1,1-ジイル)ビス(1,4-キシレン-2,5-ジイルオキシ)]ジベンゼン-1、2-ジカルボン酸、4,4’-[4,4’-(3-オキソ-1,3-ジヒドロ-2-ベンゾフラン-1,1-ジイル)ビス(4-イソプロピル―トルエン-2,5-ジイルオキシ)]ジベンゼン-1、2-ジカルボン酸、4,4’-[4,4’-(3-オキソ-1,3-ジヒドロ-2-ベンゾフラン-1,1-ジイル)ビス(ナフタレン-1,4-ジイルオキシ)]ジベンゼン-1、2-ジカルボン酸、4,4’-[4,4’-(3H-2,1-ベンズオキサチオール-1,1-ジオキシド-3,3-ジイル)ビス(ベンゼン-1,4-ジイルオキシ)]ジベンゼン-1、2-ジカルボン酸、4,4’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸、4,4’-[(3H-2,1-ベンズオキサチオール-1,1-ジオキシド-3,3-ジイル)ビス(トルエン-2,5-ジイルオキシ)]ジベンゼン-1、2-ジカルボン酸、4,4’-[(3H-2,1-ベンズオキサチオール-1,1-ジオキシド-3,3-ジイル)ビス(1,4-キシレン-2,5-ジイルオキシ)]ジベンゼン-1、2-ジカルボン酸、4,4’-[4,4’-(3H-2,1-ベンズオキサチオール-1,1-ジオキシド-3,3-ジイル)ビス(4-イソプロピル―トルエン-2,5-ジイルオキシ)]ジベンゼン-1、2-ジカルボン酸、4,4’-[4,4’-(3H-2,1-ベンズオキサチオール-1,1-ジオキシド-3,3-ジイル)ビス(ナフタレン-1,4-ジイルオキシ)]ジベンゼン-1、2-ジカルボン酸、3,3’,4,4’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸、3,3’,4,4’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸、3,3’,4,4’-ジフェニルスルホンテトラカルボン酸、3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸、2,3,3’,4’-ビフェニルテトラカルボン酸、ピロメリット酸、4,4’-[スピロ(キサンテン-9,9’-フルオレン)-2,6-ジイルビス(オキシカルボニル)]ジフタル酸、4,4’-[スピロ(キサンテン-9,9’-フルオレン)-3,6-ジイルビス(オキシカルボニル)]ジフタル酸、などのテトラカルボン酸及びこれらの酸無水物が挙げられる。これらの中でも、2個の酸無水物構造を有する二無水物が好適であり、特に、4,4’-(2,2-ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸二無水物、4,4’-オキシジフタル酸二無水物が好ましい。なお、芳香族テトラカルボン酸類は単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。芳香族テトラカルボン酸類の共重合量は、耐熱性を重視する場合には、例えば、全テトラカルボン酸類の50質量%以上が好ましく、より好ましくは60質量%以上であり、さらに好ましくは70質量%以上であり、なおさらに好ましくは80質量%以上であり、特に好ましくは90質量%以上であり、100質量%であっても差し支えない。
 脂環式テトラカルボン酸類としては、1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸、1,2,3,4-シクロペンタンテトラカルボン酸、1,2,3,4-シクロヘキサンテトラカルボン酸、1,2,4,5-シクロヘキサンテトラカルボン酸、3,3’,4,4’-ビシクロヘキシルテトラカルボン酸、ビシクロ[2,2、1]ヘプタン-2,3,5,6-テトラカルボン酸、ビシクロ[2,2,2]オクタン-2,3,5,6-テトラカルボン酸、ビシクロ[2,2,2]オクト-7-エン-2,3,5,6-テトラカルボン酸、テトラヒドロアントラセン-2,3,6,7-テトラカルボン酸、テトラデカヒドロ-1,4:5,8:9,10-トリメタノアントラセン-2,3,6,7-テトラカルボン酸、デカヒドロナフタレン-2,3,6,7-テトラカルボン酸、デカヒドロ-1,4:5,8-ジメタノナフタレン-2,3,6,7-テトラカルボン酸、デカヒドロ-1,4-エタノ-5,8-メタノナフタレン-2,3,6,7-テトラカルボン酸、ノルボルナン-2-スピロ-α-シクロペンタノン-α’-スピロ-2’’-ノルボルナン-5,5’’,6,6’’-テトラカルボン酸(別名「ノルボルナン-2-スピロ-2’-シクロペンタノン-5’-スピロ-2’’-ノルボルナン-5,5’’,6,6’’-テトラカルボン酸」)、メチルノルボルナン-2-スピロ-α-シクロペンタノン-α’-スピロ-2’’-(メチルノルボルナン)-5,5’’,6,6’’-テトラカルボン酸、ノルボルナン-2-スピロ-α-シクロヘキサノン-α’-スピロ-2’’-ノルボルナン-5,5’’,6,6’’-テトラカルボン酸(別名「ノルボルナン-2-スピロ-2’-シクロヘキサノン-6’-スピロ-2’’-ノルボルナン-5,5’’,6,6’’-テトラカルボン酸」)、メチルノルボルナン-2-スピロ-α-シクロヘキサノン-α’-スピロ-2’’-(メチルノルボルナン)-5,5’’,6,6’’-テトラカルボン酸、ノルボルナン-2-スピロ-α-シクロプロパノン-α’-スピロ-2’’-ノルボルナン-5,5’’,6,6’’-テトラカルボン酸、ノルボルナン-2-スピロ-α-シクロブタノン-α’-スピロ-2’’-ノルボルナン-5,5’’,6,6’’-テトラカルボン酸、ノルボルナン-2-スピロ-α-シクロヘプタノン-α’-スピロ-2’’-ノルボルナン-5,5’’,6,6’’-テトラカルボン酸、ノルボルナン-2-スピロ-α-シクロオクタノン-α’-スピロ-2’’-ノルボルナン-5,5’’,6,6’’-テトラカルボン酸、ノルボルナン-2-スピロ-α-シクロノナノン-α’-スピロ-2’’-ノルボルナン-5,5’’,6,6’’-テトラカルボン酸、ノルボルナン-2-スピロ-α-シクロデカノン-α’-スピロ-2’’-ノルボルナン-5,5’’,6,6’’-テトラカルボン酸、ノルボルナン-2-スピロ-α-シクロウンデカノン-α’-スピロ-2’’-ノルボルナン-5,5’’,6,6’’-テトラカルボン酸、ノルボルナン-2-スピロ-α-シクロドデカノン-α’-スピロ-2’’-ノルボルナン-5,5’’,6,6’’-テトラカルボン酸、ノルボルナン-2-スピロ-α-シクロトリデカノン-α’-スピロ-2’’-ノルボルナン-5,5’’,6,6’’-テトラカルボン酸、ノルボルナン-2-スピロ-α-シクロテトラデカノン-α’-スピロ-2’’-ノルボルナン-5,5’’,6,6’’-テトラカルボン酸、ノルボルナン-2-スピロ-α-シクロペンタデカノン-α’-スピロ-2’’-ノルボルナン-5,5’’,6,6’’-テトラカルボン酸、ノルボルナン-2-スピロ-α-(メチルシクロペンタノン)-α’-スピロ-2’’-ノルボルナン-5,5’’,6,6’’-テトラカルボン酸、ノルボルナン-2-スピロ-α-(メチルシクロヘキサノン)-α’-スピロ-2’’-ノルボルナン-5,5’’,6,6’’-テトラカルボン酸、などのテトラカルボン酸及びこれらの酸無水物が挙げられる。また、式1の構造で表される酸無水物基含有のダブルデッカー型シルセスキオキサン誘導体なども挙げられる。これらの中でも、2個の酸無水物構造を有する二無水物が好適であり、特に、1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4-シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5-シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物が好ましく、1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5-シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物がより好ましく、1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸二無水物がさらに好ましい。なお、これらは単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。脂環式テトラカルボン酸類の共重合量は、透明性を重視する場合には、例えば、全テトラカルボン酸類の50質量%以上が好ましく、より好ましくは60質量%以上であり、さらに好ましくは70質量%以上であり、なおさらに好ましくは80質量%以上であり、特に好ましくは90質量%以上であり、100質量%であっても差し支えない。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000001
 トリカルボン酸類としては、トリメリット酸、1,2,5-ナフタレントリカルボン酸、ジフェニルエーテル-3,3’,4’-トリカルボン酸、ジフェニルスルホン-3,3’,4’-トリカルボン酸などの芳香族トリカルボン酸、或いはヘキサヒドロトリメリット酸などの上記芳香族トリカルボン酸の水素添加物、エチレングリコールビストリメリテート、プロピレングリコールビストリメリテート、1,4-ブタンジオールビストリメリテート、ポリエチレングリコールビストリメリテートなどのアルキレングリコールビストリメリテート、及びこれらの一無水物、エステル化物が挙げられる。これらの中でも、1個の酸無水物構造を有する一無水物が好適であり、特に、トリメリット酸無水物、ヘキサヒドロトリメリット酸無水物が好ましい。尚、これらは単独で使用してもよいし複数を組み合わせて使用してもよい。
 ジカルボン酸類としては、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、4、4’-オキシジベンゼンカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸、或いは1,6-シクロヘキサンジカルボン酸などの上記芳香族ジカルボン酸の水素添加物、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ヘプタン二酸、オクタン二酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカ二酸、ドデカン二酸、2-メチルコハク酸、及びこれらの酸塩化物或いはエステル化物などが挙げられる。これらの中で芳香族ジカルボン酸及びその水素添加物が好適であり、特に、テレフタル酸、1,6-シクロヘキサンジカルボン酸、4、4’-オキシジベンゼンカルボン酸が好ましい。尚、ジカルボン酸類は単独で使用してもよいし複数を組み合わせて使用してもよい。
 本発明における無色透明性の高いポリイミドを得るためのジアミン類或いはイソシアネート類としては、特に制限はなく、ポリイミド合成、ポリアミドイミド合成、ポリアミド合成に通常用いられる芳香族ジアミン類、脂肪族ジアミン類、脂環式ジアミン類、芳香族ジイソシアネート類、脂肪族ジイソシアネート類、脂環式ジイソシアネート類等を用いることができる。耐熱性の観点からは、芳香族ジアミン類が好ましく、透明性の観点からは脂環式ジアミン類が好ましい。また、ベンゾオキサゾール構造を有する芳香族ジアミン類を用いると、高い耐熱性とともに、高弾性率、低熱収縮性、低線膨張係数を発現させることが可能になる。ジアミン類及びイソシアネート類は、単独で用いてもよいし二種以上を併用してもよい。
 芳香族ジアミン類としては、例えば、2,2’-ジメチル-4,4’-ジアミノビフェニル、1,4-ビス[2-(4-アミノフェニル)-2-プロピル]ベンゼン、1,4-ビス(4-アミノ-2-トリフルオロメチルフェノキシ)ベンゼン、2,2’-ジトリフルオロメチル-4,4’-ジアミノビフェニル、4,4’-ビス(4-アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’-ビス(3-アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、2,2-ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2-ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン、m-フェニレンジアミン、o-フェニレンジアミン、p-フェニレンジアミン、m-アミノベンジルアミン、p-アミノベンジルアミン、4-アミノ-N-(4-アミノフェニル)ベンズアミド、3,3’-ジアミノジフェニルエーテル、3,4’-ジアミノジフェニルエーテル、4,4’-ジアミノジフェニルエーテル、2,2’-トリフルオロメチル-4,4’-ジアミノジフェニルエーテル、3,3’-ジアミノジフェニルスルフィド、3,4’-ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’-ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’-ジアミノジフェニルスルホキシド、3,4’-ジアミノジフェニルスルホキシド、4,4’-ジアミノジフェニルスルホキシド、3,3’-ジアミノジフェニルスルホン、3,4’-ジアミノジフェニルスルホン、4,4’-ジアミノジフェニルスルホン、3,3’-ジアミノベンゾフェノン、3,4’-ジアミノベンゾフェノン、4,4’-ジアミノベンゾフェノン、3,3’-ジアミノジフェニルメタン、3,4’-ジアミノジフェニルメタン、4,4’-ジアミノジフェニルメタン、ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]メタン、1,1-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,1-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,3-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,1-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、1,3-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、1,4-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、2,3-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、2-[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]-2-[4-(4-アミノフェノキシ)-3-メチルフェニル]プロパン、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)-3-メチルフェニル]プロパン、2-[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]-2-[4-(4-アミノフェノキシ)-3,5-ジメチルフェニル]プロパン、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)-3,5-ジメチルフェニル]プロパン、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン、1,4-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’-ビス(4-アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]スルホキシド、ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、1,3-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,3-ビス[4-(3-アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,4-ビス[4-(3-アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、4,4’-ビス[(3-アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,1-ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,3-ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、3,4’-ジアミノジフェニルスルフィド、2,2-ビス[3-(3-アミノフェノキシ)フェニル]-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン、ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]メタン、1,1-ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,2-ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]エタン、ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]スルホキシド、4,4’-ビス[3-(4-アミノフェノキシ)ベンゾイル]ジフェニルエーテル、4,4’-ビス[3-(3-アミノフェノキシ)ベンゾイル]ジフェニルエーテル、4,4’-ビス[4-(4-アミノ-α,α-ジメチルベンジル)フェノキシ]ベンゾフェノン、4,4’-ビス[4-(4-アミノ-α,α-ジメチルベンジル)フェノキシ]ジフェニルスルホン、ビス[4-{4-(4-アミノフェノキシ)フェノキシ}フェニル]スルホン、1,4-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェノキシ-α,α-ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェノキシ-α,α-ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3-ビス[4-(4-アミノ-6-トリフルオロメチルフェノキシ)-α,α-ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3-ビス[4-(4-アミノ-6-フルオロフェノキシ)-α,α-ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3-ビス[4-(4-アミノ-6-メチルフェノキシ)-α,α-ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3-ビス[4-(4-アミノ-6-シアノフェノキシ)-α,α-ジメチルベンジル]ベンゼン、3,3’-ジアミノ-4,4’-ジフェノキシベンゾフェノン、4,4’-ジアミノ-5,5’-ジフェノキシベンゾフェノン、3,4’-ジアミノ-4,5’-ジフェノキシベンゾフェノン、3,3’-ジアミノ-4-フェノキシベンゾフェノン、4,4’-ジアミノ-5-フェノキシベンゾフェノン、3,4’-ジアミノ-4-フェノキシベンゾフェノン、3,4’-ジアミノ-5’-フェノキシベンゾフェノン、3,3’-ジアミノ-4,4’-ジビフェノキシベンゾフェノン、4,4’-ジアミノ-5,5’-ジビフェノキシベンゾフェノン、3,4’-ジアミノ-4,5’-ジビフェノキシベンゾフェノン、3,3’-ジアミノ-4-ビフェノキシベンゾフェノン、4,4’-ジアミノ-5-ビフェノキシベンゾフェノン、3,4’-ジアミノ-4-ビフェノキシベンゾフェノン、3,4’-ジアミノ-5’-ビフェノキシベンゾフェノン、1,3-ビス(3-アミノ-4-フェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,4-ビス(3-アミノ-4-フェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,3-ビス(4-アミノ-5-フェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,4-ビス(4-アミノ-5-フェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,3-ビス(3-アミノ-4-ビフェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,4-ビス(3-アミノ-4-ビフェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,3-ビス(4-アミノ-5-ビフェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,4-ビス(4-アミノ-5-ビフェノキシベンゾイル)ベンゼン、2,6-ビス[4-(4-アミノ-α,α-ジメチルベンジル)フェノキシ]ベンゾニトリル、4,4’-[9H-フルオレン-9,9-ジイル]ビスアニリン(別名「9,9-ビス(4-アミノフェニル)フルオレン」)、スピロ(キサンテン-9,9’-フルオレン)-2,6-ジイルビス(オキシカルボニル)]ビスアニリン、4,4’-[スピロ(キサンテン-9,9’-フルオレン)-2,6-ジイルビス(オキシカルボニル)]ビスアニリン、4,4’-[スピロ(キサンテン-9,9’-フルオレン)-3,6-ジイルビス(オキシカルボニル)]ビスアニリン、式2の構造で表されるアミノ基含有のダブルデッカー型シルセスキオキサン誘導体等が挙げられる。また、上記芳香族ジアミンの芳香環上の水素原子の一部もしくは全てが、ハロゲン原子、炭素数1~3のアルキル基もしくはアルコキシル基、またはシアノ基で置換されても良く、さらに前記炭素数1~3のアルキル基もしくはアルコキシル基の水素原子の一部もしくは全部がハロゲン原子で置換されても良い。また、前記ベンゾオキサゾール構造を有する芳香族ジアミン類としては、特に限定はなく、例えば、5-アミノ-2-(p-アミノフェニル)ベンゾオキサゾール、6-アミノ-2-(p-アミノフェニル)ベンゾオキサゾール、5-アミノ-2-(m-アミノフェニル)ベンゾオキサゾール、6-アミノ-2-(m-アミノフェニル)ベンゾオキサゾール、2,2’-p-フェニレンビス(5-アミノベンゾオキサゾール)、2,2’-p-フェニレンビス(6-アミノベンゾオキサゾール)、1-(5-アミノベンゾオキサゾロ)-4-(6-アミノベンゾオキサゾロ)ベンゼン、2,6-(4,4’-ジアミノジフェニル)ベンゾ[1,2-d:5,4-d’]ビスオキサゾール、2,6-(4,4’-ジアミノジフェニル)ベンゾ[1,2-d:4,5-d’]ビスオキサゾール、2,6-(3,4’-ジアミノジフェニル)ベンゾ[1,2-d:5,4-d’]ビスオキサゾール、2,6-(3,4’-ジアミノジフェニル)ベンゾ[1,2-d:4,5-d’]ビスオキサゾール、2,6-(3,3’-ジアミノジフェニル)ベンゾ[1,2-d:5,4-d’]ビスオキサゾール、2,6-(3,3’-ジアミノジフェニル)ベンゾ[1,2-d:4,5-d’]ビスオキサゾール等が挙げられる。これらの中で、特に、2,2’-ジトリフルオロメチル-4,4’-ジアミノビフェニル、4-アミノ-N-(4-アミノフェニル)ベンズアミド、4,4’-ジアミノジフェニルスルホン、3,3’-ジアミノベンゾフェノンが好ましい。尚、芳香族ジアミン類は単独で使用してもよいし複数を組み合わせて使用してもよい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000002
 脂環式ジアミン類としては、例えば、1,4-ジアミノシクロヘキサン、1,4-ジアミノ-2-メチルシクロヘキサン、1,4-ジアミノ-2-エチルシクロヘキサン、1,4-ジアミノ-2-n-プロピルシクロヘキサン、1,4-ジアミノ-2-イソプロピルシクロヘキサン、1,4-ジアミノ-2-n-ブチルシクロヘキサン、1,4-ジアミノ-2-イソブチルシクロヘキサン、1,4-ジアミノ-2-sec-ブチルシクロヘキサン、1,4-ジアミノ-2-tert-ブチルシクロヘキサン、4,4’-メチレンビス(2,6-ジメチルシクロヘキシルアミン)等が挙げられる。これらの中で、特に、1,4-ジアミノシクロヘキサン、1,4-ジアミノ-2-メチルシクロヘキサンが好ましく、1,4-ジアミノシクロヘキサンがより好ましい。尚、脂環式ジアミン類は単独で使用してもよいし複数を組み合わせて使用してもよい。
 ジイソシアネート類としては、例えば、ジフェニルメタン-2,4’-ジイソシアネート、3,2’-または3,3’-または4,2’-または4,3’-または5,2’-または5,3’-または6,2’-または6,3’-ジメチルジフェニルメタン-2,4’-ジイソシアネート、3,2’-または3,3’-または4,2’-または4,3’-または5,2’-または5,3’-または6,2’-または6,3’-ジエチルジフェニルメタン-2,4’-ジイソシアネート、3,2’-または3,3’-または4,2’-または4,3’-または5,2’-または5,3’-または6,2’-または6,3’-ジメトキシジフェニルメタン-2,4’-ジイソシアネート、ジフェニルメタン-4,4’-ジイソシアネート、ジフェニルメタン-3,3’-ジイソシアネート、ジフェニルメタン-3,4’-ジイソシアネート、ジフェニルエーテル-4,4’ -ジイソシアネート、ベンゾフェノン-4,4’-ジイソシアネート、ジフェニルスルホン-4,4’-ジイソシアネート、トリレン-2,4-ジイソシアネート、トリレン-2,6-ジイソシアネート、m-キシリレンジイソシアネート、p-キシリレンジイソシアネート、ナフタレン-2,6-ジイソシアネート、4,4’-(2,2ビス(4-フェノキシフェニル)プロパン)ジイソシアネート、3,3’-または2,2’-ジメチルビフェニル-4,4’-ジイソシアネート、3,3’-または2,2’-ジエチルビフェニル-4,4’-ジイソシアネート、3,3’-ジメトキシビフェニル-4,4’-ジイソシアネート、3,3’-ジエトキシビフェニル-4,4’-ジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネート類、及びこれらのいずれかを水素添加したジイソシアネート(例えば、イソホロンジイソシアネート、1,4-シクロヘキサンジイソシアネート、1,3-シクロヘキサンジイソシアネート、4,4’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート)などが挙げられる。これらの中では、低吸湿性、寸法安定性、価格及び重合性の点からジフェニルメタン-4,4’-ジイソシアネート、トリレン-2,4-ジイソシアネート、トリレン-2,6-ジイソシアネート、3,3’-ジメチルビフェニル-4,4’-ジイソシアネートやナフタレン-2,6-ジイソシアネート、4,4’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、1,4-シクロヘキサンジイソシアネートが好ましい。尚、ジイソシアネート類は単独で使用してもよいし複数を組み合わせて使用してもよい。
<ポリアミック酸の熱硬化物>
 本発明のポリアミック酸の熱硬化物は、前記ポリアミック酸を加熱して硬化したものである。ポリアミック酸の熱硬化物の層(以下、ポリアミック酸の熱硬化物層または、ポリアミック酸の熱硬化物フィルムともいう。)は、単層構成であっても構わないし、2層以上の複層(積層)構成であっても構わない。ポリアミック酸の熱硬化物層が複層構成の場合、それぞれのポリアミック酸の熱硬化物層は同一の組成であっても構わないし、異なる組成であっても構わない。ポリアミック酸の熱硬化物が単層構造の場合は、ポリアミック酸の熱硬化物(融点、ガラス転移温度、黄色度指数、全光線透過率、ヘイズ、CTE等)はポリアミック酸の熱硬化物全体の値を指す。ポリアミック酸の熱硬化物が複層構造を有する場合は、ポリアミック酸の熱硬化物の物性は無機基板に接している層単層のみの値を指す。そのため、無機基板に接していない層(無機基板に接する層以外の全層)の物性は制限されない。
 ポリアミック酸の熱硬化物の30℃から250℃の間の平均の線膨張係数(CTE)は、50ppm/K以下であることが好ましい。より好ましくは45ppm/K以下であり、さらに好ましくは40ppm/K以下であり、よりさらに好ましくは30ppm/K以下であり、特に好ましくは20ppm/K以下である。また-5ppm/K以上であることが好ましく、より好ましくは-3ppm/K以上であり、さらに好ましくは1ppm/K以上である。CTEが前記範囲であると、一般的な支持体(無機基板)との線膨張係数の差を小さく保つことができ、熱を加えるプロセスに供してもポリアミック酸の熱硬化物と無機基板とが剥がれるあるいは、支持体ごと反ることを回避できる。ここにCTEとは温度に対して可逆的な伸縮を表すファクターである。なお、前記ポリアミック酸の熱硬化物のCTEとは、ポリアミック酸の塗工方向(MD方向)のCTE及び幅方向(TD方向)のCTEの平均値を指す。前記ポリアミック酸の熱硬化物のCTEの測定方法は、実施例に記載の方法による
 前記ポリアミック酸の熱硬化物が、透明ポリイミドである場合、その黄色度指数(以下、「イエローインデックス」または「YI」ともいう。)は10以下が好ましく、より好ましくは7以下であり、さらに好ましくは5以下であり、より一層好ましくは3以下である。前記透明ポリイミドの黄色度指数の下限は特に制限されないが、フレキシブル電子デバイスとして用いるためには0.1以上であることが好ましく、より好ましくは0.2以上であり、さらに好ましくは0.3以上である。
 本発明におけるポリアミック酸の熱硬化物の波長400nmにおける光線透過率は70%以上が好ましく、より好ましくは72%以上であり、さらに好ましくは75%以上であり、より一層好ましくは80%以上である。前記透明ポリアミック酸の熱硬化物の波長400nmの光線透過率の上限は特に制限されないが、フレキシブル電子デバイスとして用いるためには99%以下であることが好ましく、より好ましくは98%以下であり、さらに好ましくは97%以下である。
 本発明におけるポリアミック酸の熱硬化物のヘイズは1.0以下が好ましく、より好ましくは0.8以下であり、さらに好ましくは0.5以下であり、より一層好ましくは0.3以下である。下限は特に限定されないが、工業的には、0.01以上であれば問題なく、0.05以上であっても差し支えない。
 ポリアミック酸の熱硬化物は、好ましくは融点が250℃以上であり、より好ましくは300℃以上であり、さらに好ましくは400℃以上である。また、ガラス転移温度が200℃以上であることが好ましく、より好ましくは320℃以上であり、さらに好ましくは380℃以上のである。本明細書において、融点、及び、ガラス転移温度は、示差熱分析(DSC)により求めるものである。なお、融点が500℃を超える場合には、該当温度にて加熱した際の熱変形挙動を目視観察することで融点に達しているか否かを判断して良い。ポリアミック酸の熱硬化物が複層構造を有する場合は、ポリアミック酸の熱硬化物の物性は無機基板に接している層単層のみの値を指す。そのため、無機基板に接していない層(無機基板に接する層以外の全層)の物性は制限されない。無機基板に接している層の物性を測定する場合、無機基板に接している層のみを単離することが好ましい。当該層の単離方法は特に限定されず、例えば、複層構成のフィルムから無機基板に接している層のみをカッター等で削り出しても良いし、無機基板に接していない層のみが溶解する溶剤に溶解させて、除去しても良い。また、無機基板に接している層のみの単離が困難な場合は、無機基板上に物性を測定したい層のみを塗工、焼成して得られる単独組成の層を評価しても良い。
 ポリアミック酸の熱硬化物が2層以上の積層構成を有する場合、前記無機基板と接触するポリアミック酸の熱硬化物層は、下記式3、下記式4および下記式5からなる群より選ばれた1種以上の構造を有するポリイミドを含有することが好ましい。ポリアミック酸の熱硬化物層のうち、下記式3、下記式4および式5からなる群から選ばれた1種以上の構造を有するポリイミドの合計量が70質量%以上であることが好ましく、より好ましくは80質量%以上であり、さらに好ましくは90質量%以上であり、特に好ましくは95質量%以上であり、100質量%であっても差し支えない。式3、式4および式5からなる群から選ばれた1種以上の構造を有するポリイミドを前記範囲内で含有することで、ポリアミック酸の熱硬化物が優れたCTEを発現することができる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000003
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000004
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000005
 本発明におけるポリアミック酸の熱硬化物層の厚さは5μm以上が好ましく、より好ましくは8μm以上であり、さらに好ましくは15μm以上であり、より一層好ましくは20μm以上である。前記ポリアミック酸の熱硬化物層の厚さの上限は特に制限されないが、フレキシブル電子デバイスとして用いるためには200μm以下であることが好ましく、より好ましくは150μm以下であり、さらに好ましくは90μm以下である。薄すぎるとデバイス形成後のハンドリングが困難となることがあり、厚すぎるとフレキシブル性が損なわれることがある。
 前記ポリアミック酸の熱硬化物層の厚さ斑は、20%以下であることが好ましく、より好ましくは12%以下であり、さらに好ましくは7%以下であり、特に好ましくは4%以下である。厚さ斑が20%を超えると、狭小部へ適用し難くなる傾向がある。なお、ポリアミック酸の熱硬化物層の厚さ斑は、例えばポリアミック酸の熱硬化物層を無機基板から剥離後、ポリアミック酸の熱硬化物の位置を作為に10点程度抽出して、接触式の膜厚計にてポリアミック酸の熱硬化物厚を測定し、下記式に基づき求めることができる。
 ポリアミック酸の熱硬化物の厚さ斑(%)
 =100×(最大厚-最小厚)÷平均厚
 ポリアミック酸の熱硬化物には、必要に応じてイミド化触媒、無機微粒子等を含有しても良い。前記イミド化触媒、無機微粒子等は前記ポリアミック酸溶液に、必要に応じて加えておくことが好ましい。
 イミド化触媒としては、3級アミンを用いることが好ましい。3級アミンとしては複素環式の3 級アミンが更に好ましい。複素環式の3級アミンの好ましい具体例としては、ピリジン、2,5-ジエチルピリジン、ピコリン、キノリン、イソキノリンなどを挙げることができる。イミド化剤の使用量は、ポリアミック酸(ポリイミド前駆体)の反応部位に対して0.01~2.00当量、特に0.02~1.20当量であることが好ましい。イミド化触媒が0.01当量より少ない場合は、触媒の効果が十分に得られないため、好ましくない。2.00当量より多い場合は、反応に関与しない触媒の割合が増えるため、費用の面で好ましくない。
 無機微粒子としては、微粒子状の二酸化ケイ素(シリカ)粉末、酸化アルミニウム粉末等の無機酸化物粉末、及び微粒子状の炭酸カルシウム粉末、リン酸カルシウム粉末等の無機塩粉末を挙げることができる。本発明の分野ではこれらの無機微粒子の粗大な粒が次工程以降での欠陥の原因となる可能性があるため、これらの無機微粒子は、均一に分散されることが好ましい。
 本発明において、特にポリアミック酸の熱硬化物は2層以上積層構成(複層構造)であることが好ましい。物性の異なる材料(樹脂)を2層構成とすることで、さまざまな特性を併せ持つ積層体を作製することもできる。さらに、厚さ方向に対称構造に積層(例えば、透明硬化物層A/透明高耐硬化物層B/透明硬化物層A)させることで、ポリアミック酸の熱硬化物全体のCTEのバランスが良好となり、反りの発生しにくい積層体とすることができる。また、いずれか一層を紫外や赤外に吸収を持つ層とすることで、分光特性に特徴を持たせることや、屈折率の異なる層によって光の入射出射を制御することなどが考えられる。
 得られるポリアミック酸の熱硬化物(例えば、ポリイミド)の機械強度、剥離強度にポリアミック酸の分子量が影響することから、ポリアミック酸の平均分子量は、GPCのPEG(ポリエチレングリコール)換算で測定した際に重量平均分子量が30,000以上であることが必要である。好ましくは50,000以上であり、より好ましくは80,000以上であり、さらに好ましくは100,000以上である。ポリアミック酸の重量平均分子量が30,000以上であれば、ポリアミック酸溶液中の分子末端を適度に減らすことができ、無機基板(特にガラス基板)との過度な結合反応を抑えて、無機基板と強固に密着することを抑えることができる。また、ポリアミック酸の熱硬化物が脆くなることを抑え、デバイス付きでのハンドリングが良好となる。ポリアミック酸の重量平均分子量の上限は特に規定されないが、重合反応のしやすさなどから実質的に1,000,000以下であることが好ましく、より好ましくは500,000以下である。
<無機基板>
 前記無機基板としては無機物からなる基板として用いることのできる板状のものであればよく、例えば、ガラス板、セラミック板、半導体ウエハ、金属等を主体としているもの、および、これらガラス板、セラミック板、半導体ウエハ、金属の複合体として、これらを積層したもの、これらが分散されているもの、これらの繊維が含有されているものなどが挙げられる。
 前記ガラス板としては、石英ガラス、高ケイ酸ガラス(96%シリカ)、ソーダ石灰ガラス、鉛ガラス、アルミノホウケイ酸ガラス、ホウケイ酸ガラス(パイレックス(登録商標))、ホウケイ酸ガラス(無アルカリ)、ホウケイ酸ガラス(マイクロシート)、アルミノケイ酸塩ガラス等が含まれる。これらの中でも、線膨張係数が5ppm/K以下のものが望ましく、市販品であれば、液晶用ガラスであるコーニング社製の「コーニング(登録商標)7059」や「コーニング(登録商標)1737」、「EAGLE」、旭硝子社製の「AN100」、日本電気硝子社製の「OA10、OA11G」、SCHOTT社製の「AF32」などが望ましい。
 前記半導体ウエハとしては、特に限定されないが、シリコンウエハ、ゲルマニウム、シリコン-ゲルマニウム、ガリウム-ヒ素、アルミニウム―ガリウム―インジウム、窒素-リン-ヒ素-アンチモン、SiC、InP(インジウム燐)、InGaAs、GaInNAs、LT、LN、ZnO(酸化亜鉛)やCdTe(カドミウムテルル)、ZnSe(セレン化亜鉛)などのウエハが挙げられる。なかでも、好ましく用いられるウエハはシリコンウエハであり、特に好ましくは8インチ以上のサイズの鏡面研磨シリコンウエハである。
 前記金属としては、W、Mo、Pt、Fe、Ni、Auといった単一元素金属や、インコネル、モネル、ニモニック、炭素銅、Fe-Ni系インバー合金、スーパーインバー合金、といった合金等が含まれる。また、これら金属に、他の金属層、セラミック層を付加してなる多層金属板も含まれる。この場合、付加層との全体の線膨張係数(CTE)が低ければ、主金属層にCu、Alなども用いられる。付加金属層として使用される金属としては、ポリアミック酸の熱硬化物との密着性を強固にするもの、拡散がないこと、耐薬品性や耐熱性が良いこと等の特性を有するものであれば限定されるものではないが、Cr、Ni、TiN、Mo含有Cuなどが好適な例として挙げられる。
 本発明におけるセラミック板としては、Al、Mullite、ALN、SiC、結晶化ガラス、Cordierite、Spodumene、Pb―BSG+CaZrO+Al、Crystallized glass+Al3、Crystallized Ca―BSG、BSG+Quartz、BSG+Al、Pb―BSG+Al、Glass―ceramic、ゼロデュア材などの基盤用セラミックスが含まれる。
 前記無機基板の厚さは特に制限されないが、取り扱い性の観点より10mm以下の厚さが好ましく、3mm以下がより好ましく、1.3mm以下がさらに好ましい。厚さの下限については特に制限されないが、好ましくは0.07mm以上、より好ましくは0.15mm以上、さらに好ましくは0.3mm以上である。薄すぎると破損しやすくハンドリングが困難となる。また厚すぎると重くなりハンドリングが困難となる。
 無機基板の濡れ性、接着性を改善する目的で表面処理を行っても良い。用いる表面処理剤としてはシランカップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、チタネート計カップリング剤などのカップリング剤を用いることができる。特に、シランカップリング剤を用いた場合に優れた特性を得ることができる。
<シランカップリング剤(SCA)>
 積層体において、ポリアミック酸の熱硬化物層と無機基板との間にシランカップリング剤の層(シランカップリング剤縮合層ともいう)を有することが好ましい。本発明において、シランカップリング剤とは、Si(ケイ素)の成分を10質量%以上含有する化合物をいう。シランカップリング剤層を用いることでポリアミック酸の熱硬化物層と無機基板との中間層を薄くできるので加熱中の脱ガス成分が少なく、ウェットプロセスにおいても溶出しにくく、仮に溶出が起きても微量にとどまるという効果が出る。シランカップリング剤は、耐熱性が向上するため酸化ケイ素成分を多く含むもの好ましく、特に400℃程度の温度での耐熱性を有するものであることが好ましい。シランカップリング剤層の厚さは200nm以下(0.2μm以下)であることが好ましい。フレキシブル電子デバイスとして使用する範囲としては、100nm以下(0.1μm以下)が好ましく、より望ましくは50nm以下であり、更に望ましくは10nmである。通常に作製すると、0.10μm以下程度となる。また、極力シランカップリング剤が少ないことを望むプロセスでは、5nm以下でも使用可能である。0.1nm未満では、剥離強度が低下或は、部分的に付かない部分が出るおそれがあるため、0.1nm以上であることが好ましく、0.5nm以上であることがより望ましい。
 本発明におけるシランカップリング剤は、特に限定されるものではないが、アミノ基或はエポキシ基を持ったものが、好ましい。シランカップリング剤の具体例としては、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3―トリエトキシシリルーN-(1,3-ジメチルーブチリデン)プロピルアミン、2-(3,4-エポキシシクロへキシル)エチルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシランビニルトリクロルシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、p-スチリルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3-アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-(ビニルベンジル)-2-アミノエチル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩、3-ウレイドプロピルトリエトキシシラン、3-クロロプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、3-イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、トリス-(3- トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート、クロロメチルフェネチルトリメトキシシラン、クロロメチルトリメトキシシランなどが挙げられる。このうち好ましいものとしては、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3―トリエトキシシリルーN-(1,3-ジメチルーブチリデン)プロピルアミン、2-(3,4-エポキシシクロへキシル)エチルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、アミノフェニルトリメトキシシラン、アミノフェネチルトリメトキシシラン、アミノフェニルアミノメチルフェネチルトリメトキシシランなどが挙げられる。プロセスで耐熱性を要求する場合、Siとアミノ基などの間を芳香族でつないだものが望ましい。
<積層体の製造方法>
 無機基板とポリアミック酸の熱硬化物との積層体は、前述したポリアミック酸溶液を無機基板上に流延し、熱イミド化(熱硬化)することで製造することができる。
 ポリアミック酸溶液の流延方法としては、公知の方法を用いることができる。例えば、グラビアコート法、スピンコート法、シルクスクリーン法、ディップコート法、バーコート法、ナイフコート法、ロールコート法、ダイコート法等の公知の流延方法を挙げることができる。
ポリアミック酸溶液としては、前述した重合溶液をそのまま用いても良いが、必要に応じて溶媒を除去あるいは加えても良い。ポリアミック酸溶液に用いることができる溶媒としては、N,N-ジメチルホルムアミドN,N-ジメチルアセトアミド、N-メチル-2-ピロリドンの他に、例えば、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホリド、アセトニトリル、アセトン、テトラヒドロフランが挙げられる。また、補助溶媒として、キシレン、トルエン、ベンゼン、ジエチレングリコールエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、1,2-ビス-(2-メトキシエトキシ)エタンビス(2-メトキシエチル)エーテル、ブチルセロソルブ、ブチルセロソルブアセテート、プロピレングリコールメチルエーテル、及び、プロピレングリコールメチルエーテルアセテートを併用してもかまわない。
 本発明のポリアミック酸は、300℃以上450℃以下で熱イミド化(熱硬化)することが好ましい。すなわち、本発明のポリアミック酸の熱硬化物は、前記ポリアミック酸を300~450℃で熱イミド化(熱硬化)させたものであることが好ましい。
 熱イミド化は、脱水閉環剤等を作用させずに加熱だけでイミド化反応を進行させる方法である。このときの加熱温度、及び、加熱時間は適宜決めることができ、例えば、以下のようにすれば良い。先ず、溶媒を揮発させるため、温度90~200℃で3~120分加熱する。加熱雰囲気は空気下、減圧下、又は窒素等の不活性ガス中で行うことができる。また、加熱装置としては、熱風オーブン、赤外オーブン、真空オーブン、ホットプレート等の公知の装置を用いることができる。次に、さらにイミド化を進めるため、温度200~450℃ で3~240分加熱する。この時の加熱条件は低温から徐々に高温にするのが好ましい。また、最高温度は300~450℃の範囲が好ましい。最高温度が300℃より低いと、熱イミド化が進行しにくくなり、得られたポリイミドフィルムの力学特性が悪化するため、好ましくない。最高温度が450℃より高いと、ポリイミドの熱劣化が進行し、特性が悪化するため好ましくない。また、ポリアミック酸の種類や厚み、無機基板の種類や表面状態、及び加熱時に加熱条件、加熱方法によっては、加熱処理の際に無機基板よりフィルムが自然に剥離する場合がある。自然剥離が起こると、優れた特性を有する積層体を得ることが困難になるため、好ましくない。一般に、フィルムの厚みが厚いほど自然剥離は起こりやすくなるため、厚みごとに前述の条件を調整することが好ましい。また、自然剥離を抑制するために、複数回に分けてポリアミック酸溶液の流延と熱イミド化の作業を行っても良い。
 ポリアミック酸の熱硬化物に含まれる溶媒の含有量は、1質量%以下であることが好ましく、より好ましくは0.5質量%以下であり、さらに好ましくは0.1質量%以下である。溶媒の含有量は少ない方が好ましいため、下限は特に限定されないが、工業的には0.01質量%以上であれば良く、0.05質量%以上であっても差し支えない。
 本発明における無機基板へのポリアミック酸溶液の塗工は、異なる複数のポリアミック酸溶液を逐次、あるいは同時に複層塗工しても良い。ここでいう異なる複数のポリアミック酸溶液とは、具体的には組成を異にするポリアミック酸溶液、イミド化率を異にするポリアミック酸溶液、添加した無機粒子や添加剤の種類、量を異にするポリアミック酸溶液を指す。無機基板に直接接するポリアミック酸溶液以外は熱イミド化が完結したポリイミド溶液であっても良い。
 無機基板への複数のポリアミック酸溶液の塗工は、例えば2層ダイコーターなどを用いて行うことができる。複層ダイコーターの使用や、逐次塗工により無機基板と2層以上の複層構造を有するポリアミック酸の熱硬化物の積層体を得ることができる。
 本発明における無機基板へのポリアミック酸溶液の塗工は、1層目を無機基板に塗工した後、温度100~200℃で3~120分加熱することで溶媒を揮発させ、その上から2層目のポリアミック酸溶液を塗工しても良い。
 本発明における無機基板とポリアミック酸の熱硬化物の積層体は、無機基板上にポリアミック酸溶液を塗工した後、加熱前にポリイミドフィルムを貼り合わせてから加熱を行い、最終的に無機基板とポリイミドの積層体としても良い。
 本発明における無機基板とポリアミック酸の熱硬化物の積層体を得るためには、別の支持体上に予め単層あるいは複層で塗工したポリアミック酸溶液を加熱し、自己支持性のあるフィルムとした上で無機基板と貼り合わせ、これを加熱することでも得ることができる。
 本発明における無機基板とポリアミック酸の熱硬化物の積層体は、予め単層あるいは複層のフィルム状にしたポリアミック酸の熱硬化物を無機基板に貼り合わせることでも得ることができる。単層あるいは複層のポリアミック酸の熱硬化物フィルムは、金属ベルトや樹脂フィルムといった支持体上にポリアミック酸溶液を塗工、乾燥させ、自己支持性を有するフィルムとしたのち、熱イミド化を行うことで得ることができる。支持体上へのポリアミック酸溶液の塗工は同時複層塗工でも良いし、1層目を塗工、乾燥させ、その上にポリアミック酸溶液を塗工、乾燥、イミド化を行っても良い。ポリアミック酸溶液を3層以上に積層する場合も同様に、同時、あるいは逐次で塗工、加熱を繰り返すことで複層フィルムを得ることができる。
 本発明の積層体は、例えば、以下の手順でも作製することができる。あらかじめ無機基板の少なくとも一面をシランカップリング剤処理し、シランカップリング剤処理された面と、フィルム状にしたポリアミック酸の熱硬化物とを重ね合わせ、両者を加圧によって積層する積層体を得ることができる。また、あらかじめフィルム状にしたポリアミック酸の熱硬化物の少なくとも一面をシランカップリング剤処理し、シランカップリング剤処理された面と、無機基板とを重ね合わせ、両者を加圧によって積層しても積層体を得ることができる。加圧方法としては、大気中での通常のプレス或はラミネートあるいは真空中でのプレス或はラミネートが挙げられるが、全面の安定した剥離強度を得る為には、大きなサイズの積層体(例えば、200mm超)では大気中でのラミネートが望ましい。これに対して200mm以下程度の小サイズの積層体であれば真空中でのプレスが好ましい。真空度は通常の油回転ポンプによる真空で充分であり、10Torr以下程度あれば充分である。好ましい圧力としては、1MPaから20MPaであり、更に好ましくは3MPaから10MPaである。圧力が高いと、基板を破損するおそれがあり、圧力が低いと、密着しない部分が出る場合がある。好ましい温度としては90℃から300℃、更に好ましくは100℃から250℃で温度が高いと、ポリアミック酸の熱硬化物にダメージを与え、温度が低いと、密着力が弱いことがある。
 積層体の形状は、特に限定されず、正方形であっても長方形であっても差し支えない。好ましくは長方形であり、長辺の長さが300mm以上であることが好ましく、より好ましくは500mm以上であり、さらに好ましくは1000mm以上である。上限は特に限定されないが、工業的には20000mm以下であれば十分であり、10000mm以下でも差し支えない。
 <接着剤>
 本発明の無機基板とポリアミック酸の熱硬化物の間には実質的に接着剤層が介在しないことが好ましい。ここで本発明でいう接着剤層とはSi(ケイ素)の成分を質量比で10%未満(10質量%未満)のものをさす。また、実質的に使用しない(介在しない)とは、無機基板とポリアミック酸の熱硬化物の間に介在する接着剤層の厚さが、0.4μm以下であることが好ましく、より好ましくは0.3μm以下であり、さらに好ましくは0.2μm以下であり、特に好ましくは0.1μm以下であり、最も好ましくは0μmである。
 本発明の積層体は、積層体作製後、250℃で60分間加熱した後の前記無機基板と前記ポリアミック酸の熱硬化物層との90°剥離強度が0.3N/cm以下であることが必要である。これにより、ポリアミック酸の熱硬化物層上にデバイスを形成した後、当該ポリアミック酸の熱硬化物層と無機基板との剥離が非常に容易となる。そのため、大量生産が可能なデバイス連結体を製造することができ、フレキシブル電子デバイスの製造が容易となる。前記剥離強度は、0.25N/cm以下であることが好ましく、より好ましくは0.2N/cm以下であり、さらに好ましくは0.15N/cm以下であり、特に好ましくは0.1N/cm以下である。また、0.01N/cm以上であることが好ましい。ポリアミック酸の熱硬化物層上にデバイスを形成する際に積層体が剥離しなくなることから、より好ましくは0.02N/cm以上であり、さらに好ましくは0.03N/cm以上であり、特に好ましくは0.05N/cm以上である。
 以下、本発明に関し実施例を用いて詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
〔製造例1(ポリイミド溶液1の製造)〕
 窒素導入管、ディーン・スターク管及び還流管、温度計、攪拌棒を備えた反応容器に、窒素ガスを導入しながら、19.86質量部の4,4’-ジアミノジフェニルスルホン(4,4’-DDS)、4.97質量部の3,3’-ジアミノジフェニルスルホン(3,3’-DDS)、80質量部のN,N-ジメチルアセトアミド(DMAc)を加えた。続いて31.02質量部の4,4’-オキシジフタル酸無二水物(ODPA)、24質量部のGBL、13質量部のトルエンを室温で加えた後、内温160℃まで昇温し、160℃で1時間加熱還流を行い、イミド化を行った。イミド化完了後、180℃まで昇温し、トルエンを抜き出しながら反応を続けた。12時間反応後、オイルバスを外して室温に戻し、固形分が20質量%濃度となるようにDMAcを加え、還元粘度0.70dl/gのポリイミド溶液1を得た。
〔製造例2(ポリアミック酸溶液1の製造)〕
 窒素導入管、還流管、攪拌棒を備えた反応容器内を窒素置換した後、22.73質量部の4,4’-ジアミノベンズアニリド(DABAN)、201.1質量部のN,N-ジメチルアセトアミド(DMAc)と滑剤としてコロイダルシリカをジメチルアセトアミドに分散してなる分散体(日産化学工業製「スノーテックス(登録商標)DMAC-ST-ZL」)とをシリカ(滑剤)がポリアミック酸溶液中のポリマー固形分総量にて0.4質量%)になるように加え完全に溶解させ、次いで、24.57質量部の1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸無二水物(CBDA)を固体のまま分割添加した後、室温で24時間攪拌した。その後、173.1質量部のDMAcを加え希釈し、固形分(NV)13質量%、還元粘度3.1dl/gのポリアミック酸溶液1を得た。以下の条件で重量平均分子量(Mw)を測定したところ、Mwは100,000であった。
<分子量測定条件>
 本発明における重量平均分子量(Mw)は、TOSOH HLC-8420GPCを用い、下記条件で測定した。
 カラム:TSKgel SuperAWM-Hx2
 カラム温度:40℃
 溶離液:DMAc/LiBr(30mmol/L臭化リチウムを含むDMAc)
 流速:0.3mL/min
 注入量:10μL
 検出器:RI
 標準試料:PEG(ポリエチレングリコール)
〔製造例3(ポリアミック酸溶液2の製造)〕
 窒素導入管、還流管、攪拌棒を備えた反応容器内を窒素置換した後、22.73質量部の4,4’-ジアミノベンズアニリド(DABAN)、201.1質量部のN,N-ジメチルアセトアミド(DMAc)と滑剤としてコロイダルシリカをジメチルアセトアミドに分散してなる分散体(日産化学工業製「スノーテックス(登録商標)DMAC-ST-ZL」)とをシリカ(滑剤)がポリアミック酸溶液中のポリマー固形分総量にて0.4質量%)になるように加え完全に溶解させ、次いで、22.73質量部の1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸無二水物(CBDA)を固体のまま分割添加した後、室温で24時間攪拌した。その後、173.1質量部のDMAcを加え希釈し、固形分(NV)12質量%、還元粘度8.1dl/gのポリアミック酸溶液2を得た。製造例2と同様にMwを測定したところ、550,000であった。
〔製造例4(ポリアミック酸溶液3の製造)〕
 窒素導入管、還流管、攪拌棒を備えた反応容器内を窒素置換した後、22.73質量部の4,4’-ジアミノベンズアニリド(DABAN)、201.1質量部のN,N-ジメチルアセトアミド(DMAc)と滑剤としてコロイダルシリカをジメチルアセトアミドに分散してなる分散体(日産化学工業製「スノーテックス(登録商標)DMAC-ST-ZL」)とをシリカ(滑剤)がポリアミック酸溶液中のポリマー固形分総量にて0.4質量%)になるように加え完全に溶解させ、次いで、23.08質量部の1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸無二水物(CBDA)を固体のまま分割添加した後、室温で24時間攪拌した。その後、173.1質量部のDMAcを加え希釈し、固形分(NV)12質量%、還元粘度5.3dl/gのポリアミック酸溶液3を得た。製造例2と同様にMwを測定したところ、360,000であった
〔製造例5(ポリアミック酸溶液4の製造)〕
 窒素導入管、還流管、攪拌棒を備えた反応容器内を窒素置換した後、22.73質量部の4,4’-ジアミノベンズアニリド(DABAN)、201.1質量部のN,N-ジメチルアセトアミド(DMAc)と滑剤としてコロイダルシリカをジメチルアセトアミドに分散してなる分散体(日産化学工業製「スノーテックス(登録商標)DMAC-ST-ZL」)とをシリカ(滑剤)がポリアミック酸溶液中のポリマー固形分総量にて0.4質量%)になるように加え完全に溶解させ、次いで、27.32質量部の1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸無二水物(CBDA)を固体のまま分割添加した後、室温で24時間攪拌した。その後、173.1質量部のDMAcを加え希釈し、固形分(NV)13質量%、還元粘度2.1dl/gのポリアミック酸溶液4を得た。製造例2と同様にMwを測定したところ、28,000であった
〔製造例6(ポリアミック酸溶液5の製造)〕
 窒素導入管、還流管、攪拌棒を備えた反応容器内を窒素置換した後、22.73質量部の4,4’-ジアミノベンズアニリド(DABAN)、201.1質量部のN,N-ジメチルアセトアミド(DMAc)と滑剤としてコロイダルシリカをジメチルアセトアミドに分散してなる分散体(日産化学工業製「スノーテックス(登録商標)DMAC-ST-ZL」)とをシリカ(滑剤)がポリアミック酸溶液中のポリマー固形分総量にて0.4質量%)になるように加え完全に溶解させ、次いで、29.10質量部の1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸無二水物(CBDA)を固体のまま分割添加した後、室温で24時間攪拌した。その後、173.1質量部のDMAcを加え希釈し、固形分(NV)14質量%、還元粘度1.3dl/gのポリアミック酸溶液5を得た。製造例2と同様にMwを測定したところ、10,000であった
〔製造例7(ポリアミック酸溶液6の製造)〕
 窒素導入管、還流管、攪拌棒を備えた反応容器内を窒素置換した後、22.02質量部の2,2’-ジトリフルオロメチル-4,4’-ジアミノビフェニル(TFMB)、252.1質量部のN,N-ジメチルアセトアミド(DMAc)と滑剤としてコロイダルシリカをジメチルアセトアミドに分散してなる分散体(日産化学工業製「スノーテックス(登録商標)DMAC-ST-ZL」)とをシリカ(滑剤)がポリアミック酸溶液中のポリマー固形分総量にて0.4質量%)になるように加え完全に溶解させ、次いで、22.02質量部の1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸無二水物(CBDA)を固体のまま分割添加した後、室温で24時間攪拌した。その後、165.7質量部のDMAcを加え希釈し、固形分(NV)11質量%、還元粘度4.1dl/gのポリアミック酸溶液6を得た。製造例2と同様にMwを測定したところ、210,000であった
〔製造例8(ポリアミック酸溶液7の製造)〕
 窒素導入管、還流管、攪拌棒を備えた反応容器内を窒素置換した後、22.0質量部の2,2’-ジトリフルオロメチル-4,4’-ジアミノビフェニル(TFMB)、252.1質量部のN,N-ジメチルアセトアミド(DMAc)と滑剤としてコロイダルシリカをジメチルアセトアミドに分散してなる分散体(日産化学工業製「スノーテックス(登録商標)DMAC-ST-ZL」)とをシリカ(滑剤)がポリアミック酸溶液中のポリマー固形分総量にて0.4質量%)になるように加え完全に溶解させ、次いで、22.0質量部の3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸ニ無水物(BPDA)を固体のまま分割添加した後、室温で24時間攪拌した。その後、165.7質量部のDMAcを加え希釈し、固形分(NV)11質量%、還元粘度3.5dl/gのポリアミック酸溶液7を得た。製造例2と同様にMwを測定したところ、70,000であった
〔製造例9(ポリイミドフィルムF1の作製)〕
 製造例3で得たポリアミック酸溶液2を、ポリエチレンテレフタレート製フィルムA4100(東洋紡株式会社製の支持体)の無滑材面上にコンマコーターを用いて最終膜厚が0.3μmとなるよう調整してコーティングした。ポリエチレンテレフタレート製フィルムA04100は、熱風炉内に通過して、巻き取られてゆき、この時に100℃にて10分間乾燥した。これを巻き取ったのちにコンマコーター側にセットしなおして続いて製造例1で得たポリイミド溶液1をポリアミック酸溶液2の乾燥物上に最終膜厚が25μmとなるよう塗布した。これを100℃にて10分間乾燥した。乾燥後に自己支持性を得たポリアミック酸フィルムを支持体から剥離し、ピンを配置したピンシートを有するピンテンターに通し、フィルム端部をピンに差し込むことにより把持し、フィルムが破断しないように、かつ不必要なたるみが生じないようにピンシート間隔を調整して搬送し、200℃で3分、250℃で3分、300℃で6分の条件で加熱し、イミド化反応を進行させた。その後、2分間で室温にまで冷却し、フィルムの両端の平面性が悪い部分をスリッターにて切り落とし、ロール状に巻き上げ、幅450mmのポリイミドフィルムF1を500m得た。
〔製造例10(ポリイミドフィルムF2の作製)〕
 製造例3で得たポリアミック酸溶液2を、製造例8で得たポリアミック酸溶液7に変更したこと以外は、製造例9のポリイミドフィルムF1作製時と同じ操作とし、ポリイミドフィルムF2を得た。
<ポリアミック酸の熱硬化物の線膨張係数(CTE)>
 ポリアミック酸溶液1~7をバーコーターにて乾燥厚みが25μmになるように無アルカリガラス上に塗工し、熱風オーブン内で120℃にて1時間乾燥し、次いで150℃にて30分間乾燥した。このガラスとポリアミック酸の積層体をさらに5℃/分で徐々に350℃まで昇温し、さらに10分加熱して熱イミド化することでポリイミドフィルムとガラスの積層体を得た。ガラスからポリイミドフィルムを剥離し、塗工方向(MD方向)および幅方向(TD方向)において、下記条件にて伸縮率を測定し、30℃~32℃、32℃~34℃のように2℃の間隔での伸縮率/温度を測定し、この測定を200℃まで行い、全測定値の平均値をCTEとして算出した。
 ポリイミドフィルムF1、F2については、流れ方向(MD方向)および幅方向(TD方向)において測定を行った。結果を表1、2に示す。
  機器名    ; MACサイエンス社製TMA4000S
  試料長さ   ; 20mm
  試料幅    ; 2mm
  昇温開始温度 ; 25℃
  昇温終了温度 ; 300℃
  昇温速度   ; 10℃/min
  雰囲気    ; アルゴン
<全光線透過率>
 HAZEMETER(NDH5000、日本電色社製)を用いてフィルムの全光線透過率(TT)を測定した。光源としてはD65ランプを使用した。尚、同様の測定を3回行い、その算術平均値を採用した。
<イエローインデックス(YI)>
 カラーメーター(ZE6000、日本電色社製)およびC2光源を使用して、ASTM D1925に準じてフィルムの三刺激値XYZ値を測定し、下記式により黄色度指数(YI)を算出した。尚、同様の測定を3回行い、その算術平均値を採用した。
 YI=100×(1.28X-1.06Z)/Y
<ヘイズ>
 HAZEMETER(NDH5000、日本電色社製)を用いてフィルムのヘイズを測定した。光源としてはD65ランプを使用した。尚、同様の測定を3回行い、その算術平均値を採用した。
(実施例1)
 ポリアミック酸溶液1を両辺150mm、厚さ0.7mmの正方形の無アルカリガラス(コーニング社製 イーグル2000)上にバーコーターで乾燥厚みが10μmになるように流延し、熱風オーブン内で110℃にて1時間乾燥した。こうして得られたガラスとポリアミック酸溶液の乾燥物の積層体をさらに5℃/minで徐々に330℃まで昇温し、さらに10min間加熱してイミド化することで、厚み約10μmのポリアミック酸の熱硬化物と無アルカリガラス板の積層体を得た。
(実施例2)
 ポリアミック酸溶液1をポリアミック酸溶液2に変更した以外は実施例1と同様にしてポリアミック酸の熱硬化物と無アルカリガラス板の積層体を得た。
(実施例3)
 ポリアミック酸溶液1をポリアミック酸溶液6に変更した以外は実施例1と同様にしてポリアミック酸の熱硬化物と無アルカリガラス板の積層体を得た。
(実施例4)
ポリアミック酸溶液7を両辺150mm、厚さ0.7mmの正方形の無アルカリガラス(コーニング社製 イーグル2000)上にバーコーターで乾燥厚みが10μmになるように流延し、熱風オーブン内で90℃にて1時間乾燥した。こうして得られたガラスとポリアミック酸溶液の乾燥物の積層体をさらに5℃/minで徐々に300℃まで昇温し、さらに10min間加熱してイミド化することで、厚み約10μmのポリアミック酸の熱硬化物と無アルカリガラス板の積層体を得た。
(実施例5)
 無アルカリガラス板のポリアミック酸溶液塗布を行う面にシランカップリング剤(KBM-903、信越シリコーン製)を塗布した以外は実施例4と同様にしてポリアミック酸の熱硬化物と無アルカリガラス板の積層体を得た。
(実施例6)
 ポリアミック酸溶液3およびポリイミド溶液1を両辺150mm、厚さ0.7mmの正方形の無アルカリガラス(コーニング社製 イーグル2000)上に卓上ダイコーター(ブルーオーシャンテクノロジー株式会社製)で乾燥厚みがそれぞれ3μm、10μmになるように流延し、熱風オーブン内で110℃にて1時間乾燥した。塗工はガラス板、ポリアミック酸溶液3、ポリイミド溶液1の順に積層されるように実施した。こうして得られたガラスとポリアミック酸溶液の乾燥物の積層体をさらに5℃/minで徐々に330℃まで昇温し、さらに10min間加熱してイミド化することで、厚み約13μmのポリアミック酸の熱硬化物と無アルカリガラス板の積層体を得た。
(実施例7)
 ポリアミック酸溶液3をポリアミック酸溶液6に変更した以外は実施例6と同様にしてポリアミック酸の熱硬化物と無アルカリガラス板の積層体を得た。
(実施例8)
 ポリアミック酸溶液7およびポリイミド溶液1を両辺150mm、厚さ0.7mmの正方形の無アルカリガラス(コーニング社製 イーグル2000)上に卓上ダイコーター(ブルーオーシャンテクノロジー株式会社製)で乾燥厚みがそれぞれ3μm、10μmになるように流延し、熱風オーブン内で90℃にて1時間乾燥した。塗工はガラス板、ポリアミック酸溶液3、ポリイミド溶液1の順に積層されるように実施した。こうして得られたガラスとポリアミック酸溶液の乾燥物の積層体をさらに5℃/minで徐々に300℃まで昇温し、さらに10min間加熱してイミド化することで、厚み約13μmのポリアミック酸の熱硬化物と無アルカリガラス板の積層体を得た。
(実施例9)
製造例9で得られたフィルムF1を用いた。シランカップリング剤をガラス板に塗布し、そこにフィルムF1のポリアミック酸溶液2の層をガラス板側に接するようにラミネート、加熱することでガラスとの積層体を得た。ガラス基板へのシランカップリング剤の塗布方法は、図1に示す装置を用いて行った。図1は、ガラス基板にシランカップリング剤を塗布する装置の模式図である。ガラス基板1(100mm×100mmサイズに切断した、厚さ0.7mmのOA11Gガラス(NEG社製))を使用した。なおガラス基板1は、純水洗浄、乾燥後にUV/O3照射器(LANテクニカル製SKR1102N-03)で1分間照射してドライ洗浄したものを用いた。容量1Lの薬液タンクの中に3-アミノプロピルトリメトキシシラン(シランカップリング剤 信越化学KBM903)150gを入れて、この外側の湯煎を43℃と温めた。そして出てくる蒸気をクリーンドライエアとともにチャンバーに送った。ガス流量は25L/min、基板温度は24℃とした。クリーンドライエアの温度は23℃、湿度は1.2%RHであった。排気は負圧の排気口に接続したため、チャンバーは10Pa程度の負圧となっていることを差圧計によって確認している。
 次に、前記シランカップリング剤層上に、フィルムF1(70mm×70mmサイズ)を貼り合わせ、積層体を得た。貼り合わせには、MCK社製ラミネーターを用い、貼合条件は、圧縮空気の圧力:0.6MPa、温度:22℃、湿度:55%RH、ラミネート速度:50mm/secとした。このF1/ガラス積層体を110℃にて10min加熱し、ポリアミック酸の熱硬化物フィルムF1とガラス板の積層体を得た。
(実施例10)
 使用するフィルムをF1からフィルムF2に変更したこと以外は実施例9と同じようにして積層体を得た。なお、フィルムF2のポリアミック酸溶液7の層をガラス板側に接するように積層した。
(比較例1)
ポリアミック酸溶液1をポリアミック酸溶液4に変更した以外は実施例1と同様にしてポリアミック酸の熱硬化物と無アルカリガラス板の積層体を得た。
(比較例2)
ポリアミック酸溶液1をポリアミック酸溶液5に変更した以外は実施例1と同様にしてポリアミック酸の熱硬化物と無アルカリガラス板の積層体を得た。得られたポリアミック酸の硬化物は脆く、ガラスからの剥離は困難であった。
〔製造例11(ポリアミック酸溶液8の製造)〕
 窒素導入管、還流管、攪拌棒を備えた反応容器内を窒素置換した後、320質量部の2,2’-ジトリフルオロメチル-4,4’-ジアミノビフェニル(TFMB)、1,500質量部のN,N-ジメチルアセトアミドと滑剤としてコロイダルシリカをジメチルアセトアミドに分散してなる分散体(日産化学工業製「スノーテックス(登録商標)DMAC-ST-ZL」)とをシリカ(滑剤)がポリアミック酸溶液中のポリマー固形分総量にて0.4質量%)になるように加え完全に溶解させ、次いで、980質量部の1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸二無水物(CBDA)、103質量部の3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA),47質量部の4,4’-オキシジフタル酸(ODPA)を固体のまま分割添加した後、室温で24時間攪拌した。その後、1,717質量部のDMAcを加え希釈し、固形分(NV)15質量%、還元粘度4.8dl/gのポリアミック酸溶液8を得た。製造例2と同様にMwを測定したところ、Mwは480,000であった。
〔製造例12(ポリアミック酸溶液9の製造)〕
 式1の構造で表される酸無水物基含有のダブルデッカー型シルセスキオキサン誘導体(AASQ1)を日本材料技研(株)製より入手した。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000006
 次に、窒素導入管,温度計,攪拌棒を備えた反応容器内を窒素置換した後、490質量部の,2’-ジトリフルオロメチル-4,4’-ジアミノビフェニル(TFMB)、5,340質量部のN-メチル-2-ピロリドンと滑剤としてコロイダルシリカをジメチルアセトアミドに分散してなる分散体(日産化学工業製「スノーテックス(登録商標)DMAC-ST-ZL」)とをシリカ(滑剤)がポリアミック酸溶液中のポリマー固形分総量にて0.4質量%)になるように加え完全に溶解させ、次いで、327質量部のピロメリット酸二無水物(PMDA)、45質量部のAASQ1を固体のまま分割添加した後、室温で24時間攪拌し、固形分(NV)14質量%、還元粘度1.5dl/gのポリアミック酸溶液9を得た。製造例2と同様にMwを測定したところ、Mwは100,000であった。
〔製造例13(ポリアミック酸溶液10の製造)〕
 式2の構造で表されるアミノ基含有のダブルデッカー型シルセスキオキサン誘導体(AMSQ1)を、特開2006-052146号公報に記載された方法で製造した。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000007
 次に、窒素導入管,温度計,攪拌棒を備えた反応容器内を窒素置換した後、471質量部の,2’-ジトリフルオロメチル-4,4’-ジアミノビフェニル(TFMB),40質量部のAMSQ1、6880質量部のN-メチル-2-ピロリドンと滑剤としてコロイダルシリカをジメチルアセトアミドに分散してなる分散体(日産化学工業製「スノーテックス(登録商標)DMAC-ST-ZL」)とをシリカ(滑剤)がポリアミック酸溶液中のポリマー固形分総量にて0.4質量%)になるように加え完全に溶解させ、次いで、326質量部のピロメリット酸二無水物(PMDA)を固体のまま分割添加した後、室温で24時間攪拌し、固形分(NV)11質量%、還元粘度3.5dl/gのポリアミック酸溶液10を得た。製造例2と同様にMwを測定したところ、Mwは300,000であった。
〔製造例14(ポリイミドフィルムF3の作製)〕
 製造例3で得たポリアミック酸溶液2を、ポリエチレンテレフタレート製フィルムA4100(東洋紡株式会社製の支持体)の無滑材面上にコンマコーターを用いて最終膜厚が0.3μmとなるよう調整してコーティングした。ポリエチレンテレフタレート製フィルムA04100は、熱風炉内に通過して、巻き取られてゆき、この時に100℃にて10分間乾燥した。これを巻き取ったのちにコンマコーター側にセットしなおして続いて製造例11で得たポリアミック溶液8をポリアミック酸溶液2の乾燥物上に最終膜厚が25μmとなるよう塗布した。これを90℃にて15分間乾燥した。乾燥後に自己支持性を得たポリアミック酸フィルムを支持体から剥離し、ピンを配置したピンシートを有するピンテンターに通し、フィルム端部をピンに差し込むことにより把持し、フィルムが破断しないように、かつ不必要なたるみが生じないようにピンシート間隔を調整して搬送し、200℃で3分、250℃で3分、300℃で3分、350℃で3分の条件で加熱し、イミド化反応を進行させた。その後、2分間で室温にまで冷却し、フィルムの両端の平面性が悪い部分をスリッターにて切り落とし、ロール状に巻き上げ、幅450mmのポリイミドフィルムF3を500m得た。
〔製造例15(ポリイミドフィルムF4の作製)〕
 製造例12で得たポリアミック酸溶液9を、ポリエチレンテレフタレート製フィルムA4100(東洋紡株式会社製の支持体)の無滑材面上にコンマコーターを用いて最終膜厚が25μmとなるよう調整してコーティングした。ポリエチレンテレフタレート製フィルムA04100は、熱風炉内に通過して、巻き取られてゆき、この時に90℃にて15分間乾燥した。乾燥後に自己支持性を得たポリアミック酸フィルムを支持体から剥離し、ピンを配置したピンシートを有するピンテンターに通し、フィルム端部をピンに差し込むことにより把持し、フィルムが破断しないように、かつ不必要なたるみが生じないようにピンシート間隔を調整して搬送し、200℃で3分、250℃で3分、300℃で3分、350℃で3分の条件で加熱し、イミド化反応を進行させた。その後、2分間で室温にまで冷却し、フィルムの両端の平面性が悪い部分をスリッターにて切り落とし、ロール状に巻き上げ、幅450mmのポリイミドフィルムF4を500m得た。
〔製造例16(ポリイミドフィルムF5の作製)〕
 製造例13で得たポリアミック酸溶液10を、ポリエチレンテレフタレート製フィルムA4100(東洋紡株式会社製の支持体)の無滑材面上にコンマコーターを用いて最終膜厚が25μmとなるよう調整してコーティングした。ポリエチレンテレフタレート製フィルムA04100は、熱風炉内に通過して、巻き取られてゆき、この時に90℃にて15分間乾燥した。乾燥後に自己支持性を得たポリアミック酸フィルムを支持体から剥離し、ピンを配置したピンシートを有するピンテンターに通し、フィルム端部をピンに差し込むことにより把持し、フィルムが破断しないように、かつ不必要なたるみが生じないようにピンシート間隔を調整して搬送し、250℃で3分、300℃で3分、350℃で3分、400℃で3分の条件で加熱し、イミド化反応を進行させた。その後、2分間で室温にまで冷却し、フィルムの両端の平面性が悪い部分をスリッターにて切り落とし、ロール状に巻き上げ、幅450mmのポリイミドフィルムF5を500m得た。
(実施例11)
 ポリアミック酸溶液8を両辺150mm、厚さ0.7mmの正方形の無アルカリガラス(コーニング社製 イーグル2000)上にバーコーターで乾燥厚みが10μmになるように流延し、熱風オーブン内で110℃にて1時間乾燥した。こうして得られたガラスとポリアミック酸溶液の乾燥物の積層体をさらに5℃/minで徐々に350℃まで昇温し、さらに10min間加熱してイミド化することで、厚み約10μmのポリアミック酸の熱硬化物と無アルカリガラス板の積層体を得た。
(実施例12)
 ポリアミック酸溶液8をポリアミック酸溶液9に変更した以外は実施例11と同様にしてポリアミック酸の熱硬化物と無アルカリガラス板の積層体を得た。
(実施例13)
 ポリアミック酸溶液10を両辺150mm、厚さ0.7mmの正方形の無アルカリガラス(コーニング社製 イーグル2000)上にバーコーターで乾燥厚みが10μmになるように流延し、熱風オーブン内で110℃にて1時間乾燥した。こうして得られたガラスとポリアミック酸溶液の乾燥物の積層体をさらに5℃/minで徐々に400℃まで昇温し、さらに10min間加熱してイミド化することで、厚み約10μmのポリアミック酸の熱硬化物と無アルカリガラス板の積層体を得た。
(実施例14)
 無アルカリガラス板のポリアミック酸溶液塗布を行う面にシランカップリング剤(KBM-903、信越シリコーン製)を塗布した以外は実施例13と同様にしてポリアミック酸の熱硬化物と無アルカリガラス板の積層体を得た。
(実施例15)
 ポリアミック酸溶液3およびポリアミック酸溶液8を両辺150mm、厚さ0.7mmの正方形の無アルカリガラス(コーニング社製 イーグル2000)上に卓上ダイコーター(ブルーオーシャンテクノロジー株式会社製)で乾燥厚みがそれぞれ3μm、10μmになるように流延し、熱風オーブン内で90℃にて1時間乾燥した。塗工はガラス板、ポリアミック酸溶液3、ポリアミック酸溶液8の順に積層されるように実施した。こうして得られたガラスとポリアミック酸溶液の乾燥物の積層体をさらに5℃/minで徐々に350℃まで昇温し、さらに10min間加熱してイミド化することで、厚み約13μmのポリアミック酸の熱硬化物と無アルカリガラス板の積層体を得た。
(実施例16)
 使用するフィルムをF1からフィルムF3に変更したこと以外は実施例9と同じようにして積層体を得た。なお、フィルムF3のポリアミック酸溶液3の層をガラス板側に接するように積層した。
(実施例17)
 製造例15で得られたフィルムF4を用いた。シランカップリング剤をガラス板に塗布し、そこにフィルムF4をラミネート、加熱することでガラスとの積層体を得た。ガラス基板へのシランカップリング剤の塗布方法は、図1に示す装置を用いて行った。図1は、ガラス基板にシランカップリング剤を塗布する装置の模式図である。ガラス基板1(100mm×100mmサイズに切断した、厚さ0.7mmのOA11Gガラス(NEG社製))を使用した。なおガラス基板1は、純水洗浄、乾燥後にUV/O3照射器(LANテクニカル製SKR1102N-03)で1分間照射してドライ洗浄したものを用いた。容量1Lの薬液タンクの中に3-アミノプロピルトリメトキシシラン(シランカップリング剤 信越化学KBM903)150gを入れて、この外側の湯煎を43℃と温めた。そして出てくる蒸気をクリーンドライエアとともにチャンバーに送った。ガス流量は25L/min、基板温度は24℃とした。クリーンドライエアの温度は23℃、湿度は1.2%RHであった。排気は負圧の排気口に接続したため、チャンバーは10Pa程度の負圧となっていることを差圧計によって確認している。
 次に、前記シランカップリング剤層上に、フィルムF4(70mm×70mmサイズ)を貼り合わせ、積層体を得た。貼り合わせには、MCK社製ラミネーターを用い、貼合条件は、圧縮空気の圧力:0.6MPa、温度:22℃、湿度:55%RH、ラミネート速度:50mm/secとした。このF4/ガラス積層体を110℃にて10min加熱し、ポリアミック酸の熱硬化物フィルムF4とガラス板の積層体を得た。
(実施例18)
 使用するフィルムをF4からフィルムF5に変更したこと以外は実施例17と同じようにして積層体を得た。
<90°剥離強度の測定>
 上記積層体の作製で得られた積層体を、窒素囲気下、250℃60分間熱処理した。その後、ガラス基板とポリイミドフィルムとの間の90°剥離強度を測定した。結果を表1、2に示す。
 90°剥離強度の測定条件は、下記の通りである。
 無機基板に対してフィルムを90°の角度で引き剥がす。
 5回測定を行い、平均値を測定値とする。
測定装置    ; 島津製作所社製 オートグラフAG-IS
測定温度    ; 室温(25℃)
剥離速度    ; 100mm/min 
雰囲気     ; 大気
測定サンプル幅 ; 2.5cm
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000008
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000009
 1  フローメーター
 2  ガス導入口
 3  薬液タンク(シランカップリング剤槽)
 4  温水槽(湯煎)
 5  ヒーター
 6  処理室(チャンバー)
 7  基材
 8  排気口
 

 

Claims (7)

  1.  無機基板とポリアミック酸の熱硬化物との積層体であって、前記ポリアミック酸の重量平均分子量が30,000以上であり、前記積層体を250℃で加熱した後の前記無機基板と前記ポリアミック酸の熱硬化物層との剥離強度が0.3N/cm以下であることを特徴とする積層体。
  2.  前記ポリアミック酸の熱硬化物のCTEが50ppm/K以下である請求項1に記載の積層体。
  3.  前記ポリアミック酸の熱硬化物がポリイミドであることを特徴とする請求項1または2に記載の積層体。
  4.  前記ポリアミック酸の熱硬化物が無色透明ポリイミドであることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の積層体。
  5.  前記無機基板と前記ポリアミック酸の熱硬化物層の間にシランカップリング剤縮合層を有することを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の積層体。
  6.  前記シランカップリング剤縮合層の厚みが0.1nm~200nmであることを特徴とする請求項5に記載の積層体。
  7.  前記ポリアミック酸の重量平均分子量が60,000以上である請求項1~6のいずれかに記載の積層体。

     
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