WO2023021899A1 - 透明高耐熱積層フィルム - Google Patents

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桂也 ▲徳▼田
洋行 涌井
哲雄 奥山
誠 中村
治美 米虫
伝一朗 水口
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東洋紡株式会社
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Abstract

フレキシブルデバイスの基板として使用するのに十分平滑な表面を有するとともに、ハンドリング性が良く、かつ反りを抑制した透明高耐熱積層フィルムを提供すること。 (a)層と、(b)層を有し、 前記(a)層と前記(b)層の界面に混じり合い層を有し、 前記混じり合い層の厚さが3μm以上であることを特徴する透明高耐熱積層フィルム。(a)層:ポリイミド組成物を含有する層、(b)層:ポリイミド組成物を含有し、且つ、無機フィラーの含有量が(a)層よりも多い層

Description

透明高耐熱積層フィルム
 本発明は、透明高耐熱積層フィルムに関する。
 近年、半導体素子、MEMS素子、ディスプレイ素子など機能素子の軽量化、小型・薄型化、フレキシビリティ化を目的として、高分子フィルム上にこれらの素子を形成する技術開発が活発に行われている。すなわち、情報通信機器(放送機器、移動体無線、携帯通信機器等)、レーダーや高速情報処理装置などといった電子部品の基材の材料としては、従来、耐熱性を有し且つ情報通信機器の信号帯域の高周波数化(GHz帯に達する)にも対応し得るセラミックが用いられていたが、セラミックはフレキシブルではなく薄型化もしにくいので、適用可能な分野が限定されるという欠点があったため、最近は高分子フィルムが基板として用いられている。フレキシブル基板としての高分子フィルムについては、例えば特許文献1および2のような検討例が報告されている。
 フレキシブル電子デバイスを製造するための基板材料としてポリイミド、芳香族ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレート等の高分子フィルムの使用が検討されている。このような高分子フィルムは長尺のロール状で製造されるため、一般にはフレキシブルデバイスの製造においてもロール・ツー・ロール方式による製造ラインが理想的であると受け止められている。
 一方で、従来の、ディスプレイデバイス、センサーアレイ、タッチスクリーン、プリント配線基板などの電子デバイスの多くは、ガラス基板、半導体ウエハ、あるいはガラス繊維補強エポキシ基板などの硬質なリジッド基板が使われており、製造装置についても、このようなリジッドな基板を使用することを前提に構成されている。そこで、既存インフラを利用して機能素子を高分子フィルム状に形成するために、高分子フィルムを例えばガラス板、セラミック板、シリコンウエハ、金属板などの無機物からなるリジッドな支持体に貼り合わせ、その上に所望の素子を形成した後に支持体から剥離するというプロセスが用いられている。
 ところで、高分子フィルムと無機物からなる支持体とを貼り合わせた積層体に所望の機能素子を形成するプロセスにおいては、該積層体は高温に曝されることが多い。例えば、ポリシリコンや酸化物半導体などの機能素子の形成においては200℃~600℃程度の温度域での工程が必要である。また、水素化アモルファスシリコン薄膜の作製においては200~300℃程度の温度がフィルムに加わる場合あり、さらにアモルファスシリコンを加熱、脱水素化して低温ポリシリコンとするためには450℃~600℃程度の加熱が必要になる場合がある。したがって、積層体を構成する高分子フィルムには耐熱性が求められるが、現実問題としてかかる高温域にて実用に耐える高分子フィルムは限られている。
特開2011-74384号公報 国際公開第2012/118020号パンフレット
 こうした用途では、耐熱フィルムの機能素子を形成する面に極めて高い平滑性(数μmの凹凸がないこと)が求められる。一方で、平滑性の良いフィルムはロール形状に巻き取る際の滑り性が悪く、ハンドリング性を確保するのが難しい。耐熱フィルムの滑り性を良くする手法として、シリカ粒子などからなる滑剤を添加する方法が挙げられるが、滑剤添加に伴い耐熱フィルム表面の平滑性が損なわれる問題があった。この問題を解決する手法として、滑剤を含む層と含まない層の2層積層フィルムを作製し、滑剤を含まない層を機能素子を形成する面として使用する方法が挙げられる。しかしながら、滑剤添加による微妙な表裏物性差により積層フィルムに反りが生じるという問題があった。
 本発明は、上記説明した問題点に鑑みてなされたものである。すなわち本発明は、フレキシブルデバイスの基板として使用するのに十分平滑な表面を有するとともに、ハンドリング性が良く、かつ反りを抑制した積層フィルムを提供することを目的としている。
 本発明者らは、透明高耐熱積層フィルムの反り抑制について鋭意検討を行った。その結果、滑剤量に差がある層を積層させた透明高耐熱積層フィルムにおいて、層間の混じり合い層の厚さが3μm以上であれば反りを700μm以下に抑制できることを見出し、この知見に基づいて本発明を成すに至った。
すなわち、本発明は以下の通りである。
[1] (a)層と、(b)層を有し、
 前記(a)層と前記(b)層の界面に混じり合い層を有し、
 前記混じり合い層の厚さが3μm以上であることを特徴する透明高耐熱積層フィルム。
(a)層:ポリイミド組成物を含有する層
(b)層:ポリイミド組成物を含有し、且つ、無機フィラーの含有量が(a)層よりも多い層
[2] 前記(a)層の無機フィラーの含有量が0.03質量%未満であることを特徴とする[1]に記載の透明高耐熱積層フィルム。
[3] 前記(b)層の無機フィラーの含有量が0.03質量%以上であることを特徴とする[1]または[2]に記載の透明高耐熱積層フィルム。
[4] 前記透明高耐熱積層フィルムの厚さが5μm以上200μm以下であることを特徴とする[1]~[3]のいずれかに記載の透明高耐熱積層フィルム。
[5] 前記透明高耐熱積層フィルムを構成する前記(a)層、および前記(b)層を含むすべての層がポリイミド組成物を含有することを特徴とする[1]~[4]のいずれかに記載の透明高耐熱積層フィルム。
[6] 前記透明高耐熱積層フィルムが前記(a)層、前記混じり合い層および前記(b)層のみから成ることを特徴とする[1]~[5]のいずれかに記載の透明高耐熱積層フィルム。
[7] [1]~[6]のいずれかに記載の透明高耐熱積層フィルムと無機基板の実質的に接着剤を用いない積層体であって、300℃加熱後の無機基板と透明高耐熱積層フィルムの剥離強度が0.3N/cm以下であることを特徴とする積層体。
[8] [7]に記載の積層体の透明高耐熱積層フィルム上に電子デバイスを形成し、次いで無機基板から剥離する電子デバイス付きフィルムの製造方法。
 本発明によれば、透明高耐熱積層フィルムのハンドリング性が良いため、ロール・ツー・ロール工程を用いた表面平滑フィルムの提供が容易である。また、得られる透明高耐熱積層フィルムは反りが抑制されており、表面へのデバイス形成後にデバイスに応力がかかりにくい。
本特許に係るシランカップリング剤塗布方法を説明するための模式図である。
 以下、本発明の実施形態について説明する。
 <透明高耐熱積層フィルム>
 本明細書において、透明高耐熱積層フィルムとは、好ましくは融点が250℃以上であり、より好ましくは300℃以上であり、さらに好ましくは400℃以上のフィルムである。また、ガラス転移温度が200℃以上であることが好ましく、より好ましくは320℃以上であり、さらに好ましくは350℃以上の高分子によって作られているフィルムである。以下、煩雑さを避けるために単に高分子フィルムとも称する。本明細書において、融点、及び、ガラス転移温度は、示差熱分析(DSC)により求めるものである。なお、融点が500℃を超える場合には、該当温度にて加熱した際の熱変形挙動を目視観察することで融点に達しているか否かを判断して良い。
 また、透明性としては、全光線透過率が75%以上のものであることが好ましい。より好ましくは80%以上であり、さらに好ましくは85%以上であり、より一層好ましくは87%以上であり、特に好ましくは88%以上である。前記透明高耐熱積層フィルムの全光線透過率の上限は特に制限されないが、電子デバイス付きフィルム(以下、フレキシブル電子デバイスともいう。)として用いるためには98%以下であることが好ましく、より好ましくは97%以下である。
 前記透明高耐熱積層フィルム(以下、単に高分子フィルムとも称する)としては、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、フッ素化ポリイミドといったポリイミド系樹脂(例えば、芳香族ポリイミド樹脂、脂環族ポリイミド樹脂);ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン-2,6-ナフタレートといった共重合ポリエステル(例えば、全芳香族ポリエステル、半芳香族ポリエステル);ポリメチルメタクリレートに代表される共重合(メタ)アクリレート;ポリカーボネート;ポリアミド;ポリスルフォン;ポリエーテルスルフォン;ポリエーテルケトン;酢酸セルロース;硝酸セルロース;芳香族ポリアミド;ポリ塩化ビニル;ポリフェノール;ポリアリレート;ポリアセタール;変性ポリフェニレンエーテル;ポリフェニレンスルフィド;ポリフェニレンオキシド;ポリスチレン;ポリベンゾオキサゾール;ポリベンゾチアゾール;ポリベンゾイミダゾール;環状ポリオレフィン;液晶ポリマー等のフィルムを例示できる。またこれらを、ガラスフィラー、ガラス繊維などで補強したものが例示できる。
 ただし、前記高分子フィルムは、250℃以上の熱処理を伴うプロセスに用いられることが前提であるため、例示された高分子フィルムの中から実際に適用できる物は限られる。前記高分子フィルムのなかでも好ましくは、所謂スーパーエンジニアリングプラスチックを用いたフィルムであり、より具体的には、芳香族ポリイミドフィルム、脂環族ポリイミドフィルム、芳香族アミドフィルム、芳香族アミドイミドフィルム、アミドイミドフィルム、芳香族ベンゾオキサゾールフィルム、芳香族ベンゾチアゾールフィルム、芳香族ベンゾイミダゾールフィルム、環状ポリオレフィン、液晶ポリマー、等が挙げられる。
 以下に前記高分子フィルムの一例であるポリイミド系樹脂フィルム(ポリイミドフィルムと称する場合もある)についての詳細を説明する。一般にポリイミド系樹脂フィルムは、溶媒中でジアミン類とテトラカルボン酸類とを反応させて得られるポリアミド酸(ポリイミド前駆体)溶液を、ポリイミドフィルム作製用支持体に塗布、乾燥してグリーンフィルム(以下では「前駆体フィルム」または「ポリアミド酸フィルム」ともいう)とし、さらにポリイミドフィルム作製用支持体上で、あるいは該支持体から剥がした状態でグリーンフィルムを高温熱処理して脱水閉環反応を行わせることによって得られる。ここで、グリーンフィルムとは、溶媒を含有し、自己支持性を有するポリアミド酸のフィルムである。グリーンフィルムの溶媒含有量は、自己支持性を有していれば特に限定されないが、1質量%以上であることが好ましく、より好ましくは5質量%以上であり、さらに好ましくは10質量%以上であり、よりさらに好ましくは20質量%以上であり、特に好ましくは30質量%以上である。また、80質量%以下であることが好ましく、より好ましくは70質量%以下であり、さらに好ましくは60質量%以下であり、特に好ましくは50質量%以下である。
 ポリアミド酸(ポリイミド前駆体)溶液の塗布は、例えば、スピンコート、ドクターブレード、アプリケーター、コンマコーター、スクリーン印刷法、スリットコート、リバースコート、ディップコート、カーテンコート、スリットダイコート等従来公知の溶液の塗布手段を適宜用いることができる。ポリアミド酸溶液を塗布してフィルムを作る方法では材料選択の幅が広いため、易剥離に好ましい材料を見つけるためには検討しやすい反面、イミド化反応の制御の必要がある。これに対して、イミド化反応を伴わないフィルム製膜では、製膜がしやすい利点があるため、適宜使い分けることが必要となる。
 本発明におけるポリイミドフィルムは、主鎖にイミド結合を有する高分子のフィルムであり、好ましくはポリイミドフィルム、ポリアミドイミドフィルムであり、より好ましくはポリイミドフィルムである。また、ポリアミドフィルムも好ましい。
 一般的に、ポリイミドフィルムは、前述の通り、溶媒中でジアミン類とテトラカルボン酸類を反応させて得られるポリアミド酸(ポリイミド前駆体)溶液を、ポリイミドフィルム作製用支持体に塗布、乾燥してグリーンフィルムとなし、さらにポリイミドフィルム作製用支持体上で、若しくは該支持体から剥がした状態でグリーンフィルムを高温熱処理して脱水閉環反応を行わせることで得られる。また、別の方法として、溶媒中でジアミン類とテトラカルボン酸類との脱水閉環反応により得られるポリイミド溶液をポリイミドフィルム作製用支持体に塗布、乾燥して、例えば1~50質量%の溶媒を含むポリイミドフィルムとなし、さらにポリイミドフィルム作製用支持体上で、若しくは該支持体から剥がした状態で1~50質量%の溶媒を含むポリイミドフィルムを高温処理して乾燥させることでも得られる。
 また、一般的に、ポリアミドイミドフィルムは、溶媒中でジイソシアネート類とトリカルボン類とを反応させて得られるポリアミドイミド溶液を、ポリアミドイミドフィルム作製用支持体に塗布、乾燥して、例えば1~50質量%の溶媒を含むポリアミドイミドフィルムとなし、さらにポリアミドイミド作製用支持体上で、若しくは該支持体から剥がした状態で1~50質量%の溶媒を含むポリアミドイミドフィルムを高温処理して乾燥させることで得られる。
 また、一般的に、ポリアミドフィルムは、溶媒中でジアミン類とジカルボン酸類とを反応させて得られるポリアミド溶液をポリアミドフィルム作製用支持体に塗布、乾燥して例えば1~50質量%の溶媒を含むポリアミドフィルムとなし、さらにポリアミド作製用支持体上で、若しくは該支持体から剥がした状態で1~50質量%の溶媒を含むポリアミドフィルムを高温処理して乾燥させることで得られる。
 前記テトラカルボン酸類、トリカルボン酸類、ジカルボン酸類としては、ポリイミド合成、ポリアミドイミド合成、ポリアミド合成に通常用いられる芳香族テトラカルボン酸類(その酸無水物を含む)、脂肪族テトラカルボン酸類(その酸無水物を含む)、脂環式テトラカルボン酸類(その酸無水物を含む)、芳香族トリカルボン酸類(その酸無水物を含む)、脂肪族トリカルボン酸類(その酸無水物を含む)、脂環式トリカルボン酸類(その酸無水物を含む)、芳香族ジカルボン類、脂肪族ジカルボン酸類、脂環式ジカルボン酸類等を用いることができる。中でも、芳香族テトラカルボン酸無水物類、脂肪族テトラカルボン酸無水物類が好ましく、耐熱性の観点からは芳香族テトラカルボン酸無水物類がより好ましく、光透過性の観点からは脂環式テトラカルボン酸類がより好ましい。テトラカルボン酸類が酸無水物である場合、分子内に無水物構造は1個であってもよいし2個であってもよいが、好ましくは2個の無水物構造を有するもの(二無水物)がよい。テトラカルボン酸類、トリカルボン酸類、ジカルボン酸類は単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。
 本発明における無色透明性の高いポリイミドを得るための芳香族テトラカルボン酸類としては、4,4’-(2,2-ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸、4,4’-オキシジフタル酸、ビス(1,3-ジオキソ-1,3-ジヒドロ-2-ベンゾフラン-5-カルボン酸)1,4-フェニレン、ビス(1,3-ジオキソ-1,3-ジヒドロ-2-ベンゾフラン-5-イル)ベンゼン-1,4-ジカルボキシレート、4,4’-[4,4’-(3-オキソ-1,3-ジヒドロ-2-ベンゾフラン-1,1-ジイル)ビス(ベンゼン-1,4-ジイルオキシ)]ジベンゼン-1、2-ジカルボン酸、3,3’,4,4’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸、4,4’-[(3-オキソ-1,3-ジヒドロ-2-ベンゾフラン-1,1-ジイル)ビス(トルエン-2,5-ジイルオキシ)]ジベンゼン-1、2-ジカルボン酸、4,4’-[(3-オキソ-1,3-ジヒドロ-2-ベンゾフラン-1,1-ジイル)ビス(1,4-キシレン-2,5-ジイルオキシ)]ジベンゼン-1、2-ジカルボン酸、4,4’-[4,4’-(3-オキソ-1,3-ジヒドロ-2-ベンゾフラン-1,1-ジイル)ビス(4-イソプロピル―トルエン-2,5-ジイルオキシ)]ジベンゼン-1、2-ジカルボン酸、4,4’-[4,4’-(3-オキソ-1,3-ジヒドロ-2-ベンゾフラン-1,1-ジイル)ビス(ナフタレン-1,4-ジイルオキシ)]ジベンゼン-1、2-ジカルボン酸、4,4’-[4,4’-(3H-2,1-ベンズオキサチオール-1,1-ジオキシド-3,3-ジイル)ビス(ベンゼン-1,4-ジイルオキシ)]ジベンゼン-1、2-ジカルボン酸、4,4’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸、4,4’-[(3H-2,1-ベンズオキサチオール-1,1-ジオキシド-3,3-ジイル)ビス(トルエン-2,5-ジイルオキシ)]ジベンゼン-1、2-ジカルボン酸、4,4’-[(3H-2,1-ベンズオキサチオール-1,1-ジオキシド-3,3-ジイル)ビス(1,4-キシレン-2,5-ジイルオキシ)]ジベンゼン-1、2-ジカルボン酸、4,4’-[4,4’-(3H-2,1-ベンズオキサチオール-1,1-ジオキシド-3,3-ジイル)ビス(4-イソプロピル―トルエン-2,5-ジイルオキシ)]ジベンゼン-1、2-ジカルボン酸、4,4’-[4,4’-(3H-2,1-ベンズオキサチオール-1,1-ジオキシド-3,3-ジイル)ビス(ナフタレン-1,4-ジイルオキシ)]ジベンゼン-1、2-ジカルボン酸、3,3’,4,4’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸、3,3’,4,4’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸、3,3’,4,4’-ジフェニルスルホンテトラカルボン酸、3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸、2,3,3’,4’-ビフェニルテトラカルボン酸、2,2’,3,3’-ビフェニルテトラカルボン酸、2,2’-ジフェノキシ-4,4’,5,5’-ビフェニルテトラカルボン酸、ピロメリット酸、4,4’-[スピロ(キサンテン-9,9’-フルオレン)-2,6-ジイルビス(オキシカルボニル)]ジフタル酸、4,4’-[スピロ(キサンテン-9,9’-フルオレン)-3,6-ジイルビス(オキシカルボニル)]ジフタル酸、などのテトラカルボン酸及びこれらの酸無水物が挙げられる。これらの中でも、2個の酸無水物構造を有する二無水物が好適であり、特に、4,4’-(2,2-ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸二無水物、4,4’-オキシジフタル酸二無水物が好ましい。なお、芳香族テトラカルボン酸類は単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。芳香族テトラカルボン酸類の共重合量は、耐熱性を重視する場合には、例えば、全テトラカルボン酸類の50質量%以上が好ましく、より好ましくは60質量%以上であり、さらに好ましくは70質量%以上であり、なおさらに好ましくは80質量%以上である。
 脂環式テトラカルボン酸類としては、1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸、1,2,3,4-シクロペンタンテトラカルボン酸、1,2,3,4-シクロヘキサンテトラカルボン酸、1,2,4,5-シクロヘキサンテトラカルボン酸、3,3’,4,4’-ビシクロヘキシルテトラカルボン酸、ビシクロ[2,2、1]ヘプタン-2,3,5,6-テトラカルボン酸、ビシクロ[2,2,2]オクタン-2,3,5,6-テトラカルボン酸、ビシクロ[2,2,2]オクト-7-エン-2,3,5,6-テトラカルボン酸、テトラヒドロアントラセン-2,3,6,7-テトラカルボン酸、テトラデカヒドロ-1,4:5,8:9,10-トリメタノアントラセン-2,3,6,7-テトラカルボン酸、デカヒドロナフタレン-2,3,6,7-テトラカルボン酸、デカヒドロ-1,4:5,8-ジメタノナフタレン-2,3,6,7-テトラカルボン酸、デカヒドロ-1,4-エタノ-5,8-メタノナフタレン-2,3,6,7-テトラカルボン酸、ノルボルナン-2-スピロ-α-シクロペンタノン-α’-スピロ-2’’-ノルボルナン-5,5’’,6,6’’-テトラカルボン酸(別名「ノルボルナン-2-スピロ-2’-シクロペンタノン-5’-スピロ-2’’-ノルボルナン-5,5’’,6,6’’-テトラカルボン酸」)、メチルノルボルナン-2-スピロ-α-シクロペンタノン-α’-スピロ-2’’-(メチルノルボルナン)-5,5’’,6,6’’-テトラカルボン酸、ノルボルナン-2-スピロ-α-シクロヘキサノン-α’-スピロ-2’’-ノルボルナン-5,5’’,6,6’’-テトラカルボン酸(別名「ノルボルナン-2-スピロ-2’-シクロヘキサノン-6’-スピロ-2’’-ノルボルナン-5,5’’,6,6’’-テトラカルボン酸」)、メチルノルボルナン-2-スピロ-α-シクロヘキサノン-α’-スピロ-2’’-(メチルノルボルナン)-5,5’’,6,6’’-テトラカルボン酸、ノルボルナン-2-スピロ-α-シクロプロパノン-α’-スピロ-2’’-ノルボルナン-5,5’’,6,6’’-テトラカルボン酸、ノルボルナン-2-スピロ-α-シクロブタノン-α’-スピロ-2’’-ノルボルナン-5,5’’,6,6’’-テトラカルボン酸、ノルボルナン-2-スピロ-α-シクロヘプタノン-α’-スピロ-2’’-ノルボルナン-5,5’’,6,6’’-テトラカルボン酸、ノルボルナン-2-スピロ-α-シクロオクタノン-α’-スピロ-2’’-ノルボルナン-5,5’’,6,6’’-テトラカルボン酸、ノルボルナン-2-スピロ-α-シクロノナノン-α’-スピロ-2’’-ノルボルナン-5,5’’,6,6’’-テトラカルボン酸、ノルボルナン-2-スピロ-α-シクロデカノン-α’-スピロ-2’’-ノルボルナン-5,5’’,6,6’’-テトラカルボン酸、ノルボルナン-2-スピロ-α-シクロウンデカノン-α’-スピロ-2’’-ノルボルナン-5,5’’,6,6’’-テトラカルボン酸、ノルボルナン-2-スピロ-α-シクロドデカノン-α’-スピロ-2’’-ノルボルナン-5,5’’,6,6’’-テトラカルボン酸、ノルボルナン-2-スピロ-α-シクロトリデカノン-α’-スピロ-2’’-ノルボルナン-5,5’’,6,6’’-テトラカルボン酸、ノルボルナン-2-スピロ-α-シクロテトラデカノン-α’-スピロ-2’’-ノルボルナン-5,5’’,6,6’’-テトラカルボン酸、ノルボルナン-2-スピロ-α-シクロペンタデカノン-α’-スピロ-2’’-ノルボルナン-5,5’’,6,6’’-テトラカルボン酸、ノルボルナン-2-スピロ-α-(メチルシクロペンタノン)-α’-スピロ-2’’-ノルボルナン-5,5’’,6,6’’-テトラカルボン酸、ノルボルナン-2-スピロ-α-(メチルシクロヘキサノン)-α’-スピロ-2’’-ノルボルナン-5,5’’,6,6’’-テトラカルボン酸、などのテトラカルボン酸及びこれらの酸無水物が挙げられる。また、式(1)の構造で表される酸無水物基含有のダブルデッカー型シルセスキオキサン誘導体なども挙げられる。これらの中でも、2個の酸無水物構造を有する二無水物が好適であり、特に、1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4-シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5-シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物が好ましく、1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5-シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物がより好ましく、1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸二無水物がさらに好ましい。なお、これらは単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。脂環式テトラカルボン酸類の共重合量は、透明性を重視する場合には、例えば、全テトラカルボン酸類の50質量%以上が好ましく、より好ましくは60質量%以上であり、さらに好ましくは70質量%以上であり、なおさらに好ましくは80質量%以上である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000001
 トリカルボン酸類としては、トリメリット酸、1,2,5-ナフタレントリカルボン酸、ジフェニルエーテル-3,3’,4’-トリカルボン酸、ジフェニルスルホン-3,3’,4’-トリカルボン酸などの芳香族トリカルボン酸、或いはヘキサヒドロトリメリット酸などの上記芳香族トリカルボン酸の水素添加物、エチレングリコールビストリメリテート、プロピレングリコールビストリメリテート、1,4-ブタンジオールビストリメリテート、ポリエチレングリコールビストリメリテートなどのアルキレングリコールビストリメリテート、及びこれらの一無水物、エステル化物が挙げられる。これらの中でも、1個の酸無水物構造を有する一無水物が好適であり、特に、トリメリット酸無水物、ヘキサヒドロトリメリット酸無水物が好ましい。尚、これらは単独で使用してもよいし複数を組み合わせて使用してもよい。
 ジカルボン酸類としては、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、4、4’-オキシジベンゼンカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸、或いは1,6-シクロヘキサンジカルボン酸などの上記芳香族ジカルボン酸の水素添加物、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ヘプタン二酸、オクタン二酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカ二酸、ドデカン二酸、2-メチルコハク酸、及びこれらの酸塩化物或いはエステル化物などが挙げられる。これらの中で芳香族ジカルボン酸及びその水素添加物が好適であり、特に、テレフタル酸、1,6-シクロヘキサンジカルボン酸、4、4’-オキシジベンゼンカルボン酸が好ましい。尚、ジカルボン酸類は単独で使用してもよいし複数を組み合わせて使用してもよい。
 本発明における無色透明性の高いポリイミドを得るためのジアミン類或いはイソシアネート類としては、特に制限はなく、ポリイミド合成、ポリアミドイミド合成、ポリアミド合成に通常用いられる芳香族ジアミン類、脂肪族ジアミン類、脂環式ジアミン類、芳香族ジイソシアネート類、脂肪族ジイソシアネート類、脂環式ジイソシアネート類等を用いることができる。耐熱性の観点からは、芳香族ジアミン類が好ましく、透明性の観点からは脂環式ジアミン類が好ましい。また、ベンゾオキサゾール構造を有する芳香族ジアミン類を用いると、高い耐熱性とともに、高弾性率、低熱収縮性、低線膨張係数を発現させることが可能になる。ジアミン類及びイソシアネート類は、単独で用いてもよいし二種以上を併用してもよい。
 芳香族ジアミン類としては、例えば、2,2’-ジメチル-4,4’-ジアミノビフェニル、1,4-ビス[2-(4-アミノフェニル)-2-プロピル]ベンゼン、1,4-ビス(4-アミノ-2-トリフルオロメチルフェノキシ)ベンゼン、2,2’-ジトリフルオロメチル-4,4’-ジアミノビフェニル、4,4’-ビス(4-アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’-ビス(3-アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、2,2-ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2-ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン、m-フェニレンジアミン、o-フェニレンジアミン、p-フェニレンジアミン、m-アミノベンジルアミン、p-アミノベンジルアミン、4-アミノ-N-(4-アミノフェニル)ベンズアミド、3,3’-ジアミノジフェニルエーテル、3,4’-ジアミノジフェニルエーテル、4,4’-ジアミノジフェニルエーテル、2,2’-トリフルオロメチル-4,4’-ジアミノジフェニルエーテル、3,3’-ジアミノジフェニルスルフィド、3,4’-ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’-ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’-ジアミノジフェニルスルホキシド、3,4’-ジアミノジフェニルスルホキシド、4,4’-ジアミノジフェニルスルホキシド、3,3’-ジアミノジフェニルスルホン、3,4’-ジアミノジフェニルスルホン、4,4’-ジアミノジフェニルスルホン、3,3’-ジアミノベンゾフェノン、3,4’-ジアミノベンゾフェノン、4,4’-ジアミノベンゾフェノン、3,3’-ジアミノジフェニルメタン、3,4’-ジアミノジフェニルメタン、4,4’-ジアミノジフェニルメタン、ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]メタン、1,1-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,1-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,3-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,1-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、1,3-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、1,4-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、2,3-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、2-[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]-2-[4-(4-アミノフェノキシ)-3-メチルフェニル]プロパン、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)-3-メチルフェニル]プロパン、2-[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]-2-[4-(4-アミノフェノキシ)-3,5-ジメチルフェニル]プロパン、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)-3,5-ジメチルフェニル]プロパン、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン、1,4-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’-ビス(4-アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]スルホキシド、ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、1,3-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,3-ビス[4-(3-アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,4-ビス[4-(3-アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、4,4’-ビス[(3-アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,1-ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,3-ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、3,4’-ジアミノジフェニルスルフィド、2,2-ビス[3-(3-アミノフェノキシ)フェニル]-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン、ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]メタン、1,1-ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,2-ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]エタン、ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]スルホキシド、4,4’-ビス[3-(4-アミノフェノキシ)ベンゾイル]ジフェニルエーテル、4,4’-ビス[3-(3-アミノフェノキシ)ベンゾイル]ジフェニルエーテル、4,4’-ビス[4-(4-アミノ-α,α-ジメチルベンジル)フェノキシ]ベンゾフェノン、4,4’-ビス[4-(4-アミノ-α,α-ジメチルベンジル)フェノキシ]ジフェニルスルホン、ビス[4-{4-(4-アミノフェノキシ)フェノキシ}フェニル]スルホン、1,4-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェノキシ-α,α-ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェノキシ-α,α-ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3-ビス[4-(4-アミノ-6-トリフルオロメチルフェノキシ)-α,α-ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3-ビス[4-(4-アミノ-6-フルオロフェノキシ)-α,α-ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3-ビス[4-(4-アミノ-6-メチルフェノキシ)-α,α-ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3-ビス[4-(4-アミノ-6-シアノフェノキシ)-α,α-ジメチルベンジル]ベンゼン、3,3’-ジアミノ-4,4’-ジフェノキシベンゾフェノン、4,4’-ジアミノ-5,5’-ジフェノキシベンゾフェノン、3,4’-ジアミノ-4,5’-ジフェノキシベンゾフェノン、3,3’-ジアミノ-4-フェノキシベンゾフェノン、4,4’-ジアミノ-5-フェノキシベンゾフェノン、3,4’-ジアミノ-4-フェノキシベンゾフェノン、3,4’-ジアミノ-5’-フェノキシベンゾフェノン、3,3’-ジアミノ-4,4’-ジビフェノキシベンゾフェノン、4,4’-ジアミノ-5,5’-ジビフェノキシベンゾフェノン、3,4’-ジアミノ-4,5’-ジビフェノキシベンゾフェノン、3,3’-ジアミノ-4-ビフェノキシベンゾフェノン、4,4’-ジアミノ-5-ビフェノキシベンゾフェノン、3,4’-ジアミノ-4-ビフェノキシベンゾフェノン、3,4’-ジアミノ-5’-ビフェノキシベンゾフェノン、1,3-ビス(3-アミノ-4-フェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,4-ビス(3-アミノ-4-フェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,3-ビス(4-アミノ-5-フェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,4-ビス(4-アミノ-5-フェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,3-ビス(3-アミノ-4-ビフェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,4-ビス(3-アミノ-4-ビフェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,3-ビス(4-アミノ-5-ビフェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,4-ビス(4-アミノ-5-ビフェノキシベンゾイル)ベンゼン、2,6-ビス[4-(4-アミノ-α,α-ジメチルベンジル)フェノキシ]ベンゾニトリル、4,4’-[9H-フルオレン-9,9-ジイル]ビスアニリン(別名「9,9-ビス(4-アミノフェニル)フルオレン」)、スピロ(キサンテン-9,9’-フルオレン)-2,6-ジイルビス(オキシカルボニル)]ビスアニリン、4,4’-[スピロ(キサンテン-9,9’-フルオレン)-2,6-ジイルビス(オキシカルボニル)]ビスアニリン、4,4’-[スピロ(キサンテン-9,9’-フルオレン)-3,6-ジイルビス(オキシカルボニル)]ビスアニリン、9,10-ビス(4-アミノフェニル)アデニン、2,4-ビス(4-アミノフェニル)シクロブタン-1,3-ジカルボン酸ジメチル、式(2)の構造で表されるアミノ基含有のダブルデッカー型シルセスキオキサン誘導体等が挙げられる。また、上記芳香族ジアミンの芳香環上の水素原子の一部もしくは全てが、ハロゲン原子、炭素数1~3のアルキル基もしくはアルコキシル基、またはシアノ基で置換されても良く、さらに前記炭素数1~3のアルキル基もしくはアルコキシル基の水素原子の一部もしくは全部がハロゲン原子で置換されても良い。また、前記ベンゾオキサゾール構造を有する芳香族ジアミン類としては、特に限定はなく、例えば、5-アミノ-2-(p-アミノフェニル)ベンゾオキサゾール、6-アミノ-2-(p-アミノフェニル)ベンゾオキサゾール、5-アミノ-2-(m-アミノフェニル)ベンゾオキサゾール、6-アミノ-2-(m-アミノフェニル)ベンゾオキサゾール、2,2’-p-フェニレンビス(5-アミノベンゾオキサゾール)、2,2’-p-フェニレンビス(6-アミノベンゾオキサゾール)、1-(5-アミノベンゾオキサゾロ)-4-(6-アミノベンゾオキサゾロ)ベンゼン、2,6-(4,4’-ジアミノジフェニル)ベンゾ[1,2-d:5,4-d’]ビスオキサゾール、2,6-(4,4’-ジアミノジフェニル)ベンゾ[1,2-d:4,5-d’]ビスオキサゾール、2,6-(3,4’-ジアミノジフェニル)ベンゾ[1,2-d:5,4-d’]ビスオキサゾール、2,6-(3,4’-ジアミノジフェニル)ベンゾ[1,2-d:4,5-d’]ビスオキサゾール、2,6-(3,3’-ジアミノジフェニル)ベンゾ[1,2-d:5,4-d’]ビスオキサゾール、2,6-(3,3’-ジアミノジフェニル)ベンゾ[1,2-d:4,5-d’]ビスオキサゾール等が挙げられる。これらの中で、特に、2,2’-ジトリフルオロメチル-4,4’-ジアミノビフェニル、4-アミノ-N-(4-アミノフェニル)ベンズアミド、4,4’-ジアミノジフェニルスルホン、3,3’-ジアミノベンゾフェノンが好ましい。尚、芳香族ジアミン類は単独で使用してもよいし複数を組み合わせて使用してもよい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000002
 脂環式ジアミン類としては、例えば、1,4-ジアミノシクロヘキサン、1,4-ジアミノ-2-メチルシクロヘキサン、1,4-ジアミノ-2-エチルシクロヘキサン、1,4-ジアミノ-2-n-プロピルシクロヘキサン、1,4-ジアミノ-2-イソプロピルシクロヘキサン、1,4-ジアミノ-2-n-ブチルシクロヘキサン、1,4-ジアミノ-2-イソブチルシクロヘキサン、1,4-ジアミノ-2-sec-ブチルシクロヘキサン、1,4-ジアミノ-2-tert-ブチルシクロヘキサン、4,4’-メチレンビス(2,6-ジメチルシクロヘキシルアミン)等が挙げられる。これらの中で、特に、1,4-ジアミノシクロヘキサン、1,4-ジアミノ-2-メチルシクロヘキサンが好ましく、1,4-ジアミノシクロヘキサンがより好ましい。尚、脂環式ジアミン類は単独で使用してもよいし複数を組み合わせて使用してもよい。
 ジイソシアネート類としては、例えば、ジフェニルメタン-2,4’-ジイソシアネート、3,2’-または3,3’-または4,2’-または4,3’-または5,2’-または5,3’-または6,2’-または6,3’-ジメチルジフェニルメタン-2,4’-ジイソシアネート、3,2’-または3,3’-または4,2’-または4,3’-または5,2’-または5,3’-または6,2’-または6,3’-ジエチルジフェニルメタン-2,4’-ジイソシアネート、3,2’-または3,3’-または4,2’-または4,3’-または5,2’-または5,3’-または6,2’-または6,3’-ジメトキシジフェニルメタン-2,4’-ジイソシアネート、ジフェニルメタン-4,4’-ジイソシアネート、ジフェニルメタン-3,3’-ジイソシアネート、ジフェニルメタン-3,4’-ジイソシアネート、ジフェニルエーテル-4,4’ -ジイソシアネート、ベンゾフェノン-4,4’-ジイソシアネート、ジフェニルスルホン-4,4’-ジイソシアネート、トリレン-2,4-ジイソシアネート、トリレン-2,6-ジイソシアネート、m-キシリレンジイソシアネート、p-キシリレンジイソシアネート、ナフタレン-2,6-ジイソシアネート、4,4’-(2,2ビス(4-フェノキシフェニル)プロパン)ジイソシアネート、3,3’-または2,2’-ジメチルビフェニル-4,4’-ジイソシアネート、3,3’-または2,2’-ジエチルビフェニル-4,4’-ジイソシアネート、3,3’-ジメトキシビフェニル-4,4’-ジイソシアネート、3,3’-ジエトキシビフェニル-4,4’-ジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネート類、及びこれらのいずれかを水素添加したジイソシアネート(例えば、イソホロンジイソシアネート、1,4-シクロヘキサンジイソシアネート、1,3-シクロヘキサンジイソシアネート、4,4’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート)などが挙げられる。これらの中では、低吸湿性、寸法安定性、価格及び重合性の点からジフェニルメタン-4,4’-ジイソシアネート、トリレン-2,4-ジイソシアネート、トリレン-2,6-ジイソシアネート、3,3’-ジメチルビフェニル-4,4’-ジイソシアネートやナフタレン-2,6-ジイソシアネート、4,4’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、1,4-シクロヘキサンジイソシアネートが好ましい。尚、ジイソシアネート類は単独で使用してもよいし複数を組み合わせて使用してもよい。
 本発明の透明高耐熱積層フィルムは、(a)層と、(b)層を有する。すなわち、少なくとも(a)層と(b)層の2つの層が積層されたフィルムである。(a)層はポリイミド組成物を含有する層であり、(b)層はポリイミド組成物を含有し、且つ、無機フィラーの含有量が(a)層よりも多い層である。(a)層の無機フィラー含有量は特に限定されないが、0.03質量%未満であることが好ましく、0.02質量%未満であることがより好ましく、更に好ましくは0.01質量%未満であり、0質量%であっても構わない。(a)層の無機フィラーの含有量が0質量%である場合、(a)層は前記ポリイミドのみから構成される層であっても構わない。(b)層の無機フィラーの含有量は(a)層よりも多ければ特に限定されないが、0.03質量%以上であることが好ましく、より好ましくは0.05質量%以上であり、さらに好ましくは0.08質量%以上であり、ことさらに好ましくは0.1質量%以上である。上限は特に限定されないが、3質量%以下であることが好ましく、より好ましくは1質量%以下であり、さらに好ましくは0.5質量%以下である。(a)層および(b)層の無機フィラーの含有量を上記範囲で調整することで、透明高耐熱積層フィルムの透明性を損ねることなく、透明高耐熱積層フィルム表面の滑り性を高く保つことができる。
 透明高耐熱積層フィルムにおいて、機能素子を形成する面(前記(a)層)とは反対側の面(前記(b)層)により多くの無機フィラーを添加する、または(b)層にのみ無機フィラーを添加することによって(a)層表面の平滑性を確保しつつ、長尺ロールとしてシワなく巻き取ることが可能な長尺透明高耐熱積層フィルムを得ることができる。
 無機フィラーとしては、シリカ、カーボン、セラミック等が挙げられ、中でもシリカであることが好ましい。これら無機フィラーを単独で使用しても良いし、2種類以上を併用してもよい。無機フィラーを添加することで、透明高耐熱積層フィルム表面に突起が付与され、これによって透明高耐熱積層フィルム表面の滑り性が高くなる。また、無機フィラーを添加することで、透明高耐熱積層フィルムのCTE及びRthを低く抑えることもできる。無機フィラーの平均粒子径は1nm以上であることが好ましく、より好ましくは5nm以上であり、さらに好ましくは10nm以上であり、特に好ましくは30nm以上である。また、1μm以下であることが好ましく、より好ましくは500nm以下であり、さらに好ましくは100nm以下である。
 透明高耐熱積層フィルムにおける無機フィラーを添加する方法としては、特に限定されないが、前述のポリアミド酸(ポリイミド前駆体)溶液、ポリイミド溶液、ポリアミドイミド溶液、ポリアミド溶液を作製する際、或いは作製した後に、粉体で添加する方法、無機フィラー/溶媒の形態(スラリー)で添加する方法などが挙げられ、中でも特に、スラリーで添加する方法が好ましい。スラリーとしては特に限定されないが、平均粒子径10nmのシリカが20質量%の濃度でN,N-ジメチルアセトアミド(DMAC)に分散されたスラリー(例えば、日産化学工業製「スノーテックス(登録商標)DMAC-ST」や、平均粒子径80nmのシリカが20質量%の濃度でN,N-ジメチルアセトアミド(DMAC)に分散されたスラリー(例えば、日産化学工業製「スノーテックス(登録商標)DMAC-ST-ZL」)などが挙げられる。
 本発明の透明高耐熱積層フィルムは、前記(a)層および(b)層のみからの2層構成であっても構わないし、3層以上の積層構成であっても構わない。また、透明高耐熱積層フィルムを構成する(a)層および(b)層を含むすべての層がポリイミド組成物を含有することが好ましい。なお、本明細書では、透明高耐熱積層フィルムの物性(黄色度指数、全光線透過率、ヘイズ等)は、特に断りのない限り、透明高耐熱積層フィルム全体の値をいう。
 本発明における透明高耐熱積層フィルムの黄色度指数(以下、「イエローインデックス」または「YI」ともいう。)は10以下が好ましく、より好ましくは7以下であり、さらに好ましくは5以下であり、より一層好ましくは3以下である。前記透明高耐熱積層フィルムの黄色度指数の下限は特に制限されないが、フレキシブル電子デバイスとして用いるためには0.1以上であることが好ましく、より好ましくは0.2以上であり、さらに好ましくは0.3以上である。
 本発明における透明高耐熱積層フィルムの波長400nmにおける光線透過率は70%以上が好ましく、より好ましくは72%以上であり、さらに好ましくは75%以上であり、より一層好ましくは80%以上である。前記透明高耐熱フィルムの波長400nmの光線透過率の上限は特に制限されないが、フレキシブル電子デバイスとして用いるためには99%以下であることが好ましく、より好ましくは98%以下であり、さらに好ましくは97%以下である。
 本発明における透明高耐熱積層フィルムの全光線透過率は75%以上が好ましく、より好ましくは85%以上であり、さらに好ましくは87%以上であり、より一層好ましくは88%以上である。前記透明高耐熱積層フィルムの全光線透過率の上限は特に制限されないが、フレキシブル電子デバイスとして用いるためには98%以下であることが好ましく、より好ましくは97%以下である。
 本発明における透明高耐熱積層フィルムのヘイズは2.0以下が好ましく、より好ましくは1.5以下であり、さらに好ましくは1.0以下であり、ことさらに好ましくは0.8以下であり、なおさらに好ましくは0.5以下であり、より一層好ましくは0.3以下である。
 本発明における透明高耐熱積層フィルムの厚さ方向位相差(Rth)は500nm以下が好ましく、より好ましくは300nm以下であり、さらに好ましくは200nm以下であり、より一層好ましくは100nm以下である。前記透明高耐熱積層フィルムのRthの下限は特に制限されないが、フレキシブル電子デバイスとして用いるためには0.1nm以上であることが好ましく、より好ましくは0.5nm以上である。
 本発明における透明高耐熱積層フィルムの厚さは5μm以上が好ましく、より好ましくは8μm以上であり、さらに好ましくは15μm以上であり、より一層好ましくは20μm以上である。前記透明高耐熱積層フィルムの厚さの上限は特に制限されないが、フレキシブル電子デバイスとして用いるためには200μm以下であることが好ましく、より好ましくは150μm以下であり、さらに好ましくは90μm以下である。薄すぎるとフィルム作製、搬送が困難であり、厚すぎるとロール搬送などが困難となる場合がある。
 なお、本発明の線膨張係数(CTE)を示す無色透明性の高いポリイミドフィルムは、ポリイミドフィルムの成膜過程において、延伸を行うことでも実現することができる。かかる延伸操作は、ポリイミド溶液をポリイミドフィルム作製用支持体に塗布、乾燥して1~50質量%の溶媒を含むポリイミドフィルムとなし、さらにポリイミドフィルム作製用支持体上で、もしくは該支持体から剥がした状態で1~50質量%の溶媒を含むポリイミドフィルムを高温処理して乾燥させる過程において、MD方向に1.5倍から4.0倍に、TD方向に1.4倍から3.0倍に延伸することによって実現できる。この際にポリイミドフィルム作製用支持体に未延伸の熱可塑性高分子フィルムを用い、熱可塑性高分子フィルムとポリイミドフィルムを同時に延伸した後に熱可塑性高分子フィルムから延伸後のポリイミドフィルムを剥離することにより、特にMD方向の延伸時にポリイミドフィルムに入る傷を防止することができ、より高品位な無色透明性の高いポリイミドフィルムを得ることができる。
 前記透明高耐熱積層フィルムの30℃から300℃の間の平均の線膨張係数(CTE)は、50ppm/K以下であることが好ましい。より好ましくは45ppm/K以下であり、さらに好ましくは40ppm/K以下であり、ことさらに好ましくは30ppm/K以下であり、特に好ましくは20ppm/K以下である。また-5ppm/K以上であることが好ましく、より好ましくは-3ppm/K以上であり、さらに好ましくは1ppm/K以上である。CTEが前記範囲であると、一般的な支持体(無機基板)との線膨張係数の差を小さく保つことができ、熱を加えるプロセスに供しても透明高耐熱積層フィルムと無機基板とが剥がれるあるいは、支持体ごと反ることを回避できる。ここにCTEとは温度に対して可逆的な伸縮を表すファクターである。なお、前記透明高耐熱積層フィルムのCTEとは、透明高耐熱積層フィルムの流れ方向(MD方向)のCTE及び幅方向(TD方向)のCTEの平均値を指す。前記透明高耐熱積層フィルムのCTEの測定方法は、実施例に記載の方法による。
 本発明の透明高耐熱積層フィルムは、前記(a)層と(b)層の積層界面に混じり合い層を有し、前記混じり合い層の厚さが3μm以上である。透明高耐熱積層フィルムにおいて、各層単独のCTEの差が異なると反りの原因となるが、(a)層と(b)層の界面に十分な混じり合い層があると、混じり合い層がない場合に対し反りを抑制することができる。混じり合い層の厚さは5μm以上であることが好ましく、さらに6μm以上であることが好ましい。混じり合い層が3μm以上であると、透明高耐熱積層フィルムの反りを700μm以下に抑えることができる。混じり合い層の上限は(a)層の1層分の厚みと(b)層の1層分の厚みの和より少なく、尚且つ、(a)層表面側の平滑性及び(b)層表面側の滑り性を損ねなければ特に限定されないが、(a)層の1層分の厚みと(b)層の1層分の厚みの和の90%以下であること好ましく、80%以下であることがより好ましく、70%以下であることが更に好ましい。混じり合い層とは、(a)層に含まれる化学組成と(b)層に含まれる化学組成が傾斜をもって変化する遷移層をいう。前記混じり合い層の厚さが一定でない場合は、混じり合い層が最も厚い(大きい)箇所の値とする。
 厚さ3μm以上の混じり合い層を形成する手段としては、前記(a)層と(b)層との2層を同時あるいは遂次に塗布(以下、「同時・逐次塗布」ともいう。)し溶液同士の拡散をさせながら、溶液製膜で一体化したフィルムを作製する方法が挙げられる。この場合、溶液同士を拡散させるために、同時・逐次塗布後に一定時間空けてから加熱(乾燥)することが望ましいが、その時間としては30秒以上が好ましく、60秒以上がより好ましく、90秒以上がさらに好ましく、120秒以上がことさらに好ましい。一方、第一の層を加熱(乾燥)したのちに次の層(第二の層)を作製(塗布)すると、加熱工程が途中段階であっても、完了後であっても、混じり合い層は、同時・遂次塗布した場合に比べて、少なくなる。しかし、途中まで加熱(乾燥)した場合でも、例えば、第二の層に溶剤を多く含んだ溶液を塗布したまま、溶剤の拡散する時間を待つと、同時・遂次塗布した場合よりは混じり合い層が少ない場合が多いが、混じり合い自体は促進される。また、途中まで加熱(乾燥)した場合でも、例えば、第二の層上に溶剤を塗布して、溶剤の拡散を促進すると、同時・遂次塗布した場合よりは混じり合い層は少ない場合が多いが、混じり合い自体は促進される。
 また、前記(a)層と(b)層の組み合わせとして一方をポリアミック酸溶液、もう一方を可溶性ポリイミドからなるポリイミドとしても良い。(a)層と(b)層を共に可溶性ポリイミドとした場合であっても、同時あるいは逐次塗工により混じり合い層を生じさせることは可能であるが、片方の層をポリアミック酸とした方が混じり合い層が厚くなるため、反り抑制の観点からは好ましい。さらに、(a)層と(b)層をともにポリアミック酸溶液から成るポリイミドとすることで混じり合いが促進されるため、より好ましい。
 物性の異なる材料(樹脂)を2層以上の構成のフィルムとすることで、さまざまな特性を併せ持つフィルムを作製することもできるまた、いずれか一層を紫外や赤外に吸収を持つ層とすることで、分光特性に特徴を持たせることや、屈折率の異なる層によって光の入射出射を制御することなどが考えられる。
 前記透明高耐熱積層フィルムの30℃から500℃の間の熱収縮率は、±0.9%であることが好ましく、さらに好ましくは±0.6%である。熱収縮率は温度に対して非可逆的な伸縮を表すファクターである。
 前記透明高耐熱積層フィルムの引張破断強度は、60MPa以上が好ましく、より好ましくは120MPa以上であり、さらに好ましくは240MPa以上である。引張破断強度の上限は特に制限されないが、事実上1000MPa程度未満である。前記引張破断強度が60MPa以上であると、無機基板から剥離する際に前記透明高耐熱積層フィルムが破断してしまうことを防止することができる。なお、前記透明高耐熱積層フィルムの引張破断強度とは、透明高耐熱積層フィルムの流れ方向(MD方向)の引張破断強度及び幅方向(TD方向)の引張破断強度の平均値を指す。前記透明高耐熱積層フィルムの引張破断強度の測定方法は、実施例に記載の方法による。なおキャスティングアプリケーターを用いてガラス基板上に塗布してから作製した場合にもキャスティングアプリケーター塗布に平行方向と垂直方向の直交する2方向をそれぞれ(MD方向)、(TD方向)とした。以下引張破断伸度、引張弾性率も同様である。
 前記透明高耐熱積層フィルムの引張破断伸度は、1%以上が好ましく、より好ましくは5%以上であり、さらに好ましくは20%以上である。前記引張破断伸度が、1%以上であると、取り扱い性に優れる。なお、前記透明高耐熱積層フィルムの引張破断伸度とは、透明高耐熱積層フィルムの流れ方向(MD方向)の引張破断伸度及び幅方向(TD方向)の引張破断伸度の平均値を指す。前記透明高耐熱積層フィルムの引張破断伸度の測定方法は、実施例に記載の方法による。
 前記透明高耐熱積層フィルムの引張弾性率は、2GPa以上が好ましく、より好ましくは3GPa以上であり、さらに好ましくは4GPa以上である。前記引張弾性率が、3GPa以上であると、無機基板から剥離する際の前記透明高耐熱積層フィルムの伸び変形が少なく、取り扱い性に優れる。前記引張弾性率は、20GPa以下が好ましく、より好ましくは12GPa以下であり、さらに好ましくは10GPa以下である。前記引張弾性率が、20GPa以下であると、前記透明高耐熱積層フィルムをフレキシブルなフィルムとして使用できる。なお、前記透明高耐熱積層フィルムの引張弾性率とは、透明高耐熱積層フィルム層の流れ方向(MD方向)の引張弾性率及び幅方向(TD方向)の引張弾性率の平均値を指す。前記透明高耐熱積層フィルムの引張弾性率の測定方法は、実施例に記載の方法による。
 前記透明高耐熱積層フィルムの厚さ斑は、20%以下であることが好ましく、より好ましくは12%以下であり、さらに好ましくは7%以下であり、特に好ましくは4%以下である。厚さ斑が20%を超えると、狭小部へ適用し難くなる傾向がある。なお、透明高耐熱積層フィルムの厚さ斑は、例えば接触式の膜厚計にて被測定フィルムから無作為に10点程度の位置を抽出してフィルム厚を測定し、下記式に基づき求めることができる。
 フィルムの厚さ斑(%)
 =100×(最大フィルム厚-最小フィルム厚)÷平均フィルム厚
 前記透明高耐熱積層フィルムは、その製造時において幅が300mm以上、長さが10m以上の長尺透明高耐熱積層フィルムとして巻き取られた形態で得られるものが好ましく、巻取りコアに巻き取られたロール状透明高耐熱積層フィルムの形態のものがより好ましい。前記透明高耐熱積層フィルムがロール状に巻かれていると、ロール状に巻かれた透明高耐熱積層フィルムという形態での輸送が容易となる。
 2層以上の層構成のフィルムを作製する手段として、2層以上同時吐出可能なTダイによる同時塗工、1層塗布したのちに次の層を塗布する逐次塗工、1層塗布したのちに乾燥を進めてから次の層を塗工する方法、1層のフィルム化を終えてから次の層を塗工する方法、あるいは熱可塑性の層を入れることによる、加熱ラミネートでの多層化など様々な方法が考えられるが、本特許では、混じり合い層を3μm以上とするため、2層以上同時吐出可能なTダイによる同時塗工、1層塗布したのちに次の層を塗布する逐次塗工が特に好ましい。
 前記(a)層の厚さは1μm以上が好ましい。より好ましくは3μm以上、更に好ましくは5μm以上、ことさらに好ましくは10μm以上である。また、透明高耐熱積層フィルム全体の薄膜化の観点から、30μm以下であることが好ましく、より好ましくは28μm以下である。なお、(a)層の厚さには、混じり合い層の厚さは含まないものとする。また、(a)層の厚さが一定でない場合は、(a)層との界面に存在する混じり合い層の厚さが最も厚い(大きい)箇所の値とする。つまり、(a)層の厚さが最も薄い(小さい)値とする。
 前記(b)層の厚さは0.1μm以上が好ましく、より好ましくは0.4μm以上である。また、透明高耐熱積層フィルム全体の薄膜化の観点から、5μm以下であることが好ましく、より好ましくは2μm以下であり、さらに好ましくは1μm以下である。なお、(b)層の厚さには、混じり合い層の厚さは含まないものとする。また、(b)層の厚さが一定でない場合は、(b)層との界面に存在する混じり合い層の厚さが最も厚い(大きい)箇所の値とする。具体的には、前記(a)層および混じり合い層の厚さを測定した箇所での厚さを(b)層の厚さとする。すなわち、(a)層および(b)層から構成される透明高耐熱積層フィルム全体のフィルム厚さは、(a)層、(b)層および混じり合い層の厚さの合計値である。
透明高耐熱積層フィルムの反りは700μm以下であることが好ましい。より好ましくは600μm以下である。透明高耐熱積層フィルムの反りを700μm以下に抑えることで、透明高耐熱積層フィルムと無機基板の積層体において、透明高耐熱積層フィルム上にデバイスを形成し、無機基板から剥離した際にデバイスにフィルム反りによる応力が加わることを抑制できる。透明高耐熱積層フィルムの反りの測定方法は実施例に記載の方法による。
<無機基板>
 前記無機基板としては無機物からなる基板として用いることのできる板状のものであればよく、例えば、ガラス板、セラミック板、半導体ウエハ、金属等を主体としているもの、および、これらガラス板、セラミック板、半導体ウエハ、金属の複合体として、これらを積層したもの、これらが分散されているもの、これらの繊維が含有されているものなどが挙げられる。
 前記ガラス板としては、石英ガラス、高ケイ酸ガラス(96%シリカ)、ソーダ石灰ガラス、鉛ガラス、アルミノホウケイ酸ガラス、ホウケイ酸ガラス(パイレックス(登録商標))、ホウケイ酸ガラス(無アルカリ)、ホウケイ酸ガラス(マイクロシート)、アルミノケイ酸塩ガラス等が含まれる。これらの中でも、線膨張係数が5ppm/K以下のものが望ましく、市販品であれば、液晶用ガラスであるコーニング社製の「コーニング(登録商標)7059」や「コーニング(登録商標)1737」、「EAGLE」、旭硝子社製の「AN100」、日本電気硝子社製の「OA10、OA11G」、SCHOTT社製の「AF32」などが望ましい。
 前記半導体ウエハとしては、特に限定されないが、シリコンウエハ、ゲルマニウム、シリコン-ゲルマニウム、ガリウム-ヒ素、アルミニウム-ガリウム-インジウム、窒素-リン-ヒ素-アンチモン、SiC、InP(インジウム燐)、InGaAs、GaInNAs、LT、LN、ZnO(酸化亜鉛)やCdTe(カドミウムテルル)、ZnSe(セレン化亜鉛)などのウエハが挙げられる。なかでも、好ましく用いられるウエハはシリコンウエハであり、特に好ましくは8インチ以上のサイズの鏡面研磨シリコンウエハである。
 前記金属としては、W、Mo、Pt、Fe、Ni、Auといった単一元素金属や、インコネル、モネル、ニモニック、炭素銅、Fe-Ni系インバー合金、スーパーインバー合金、といった合金等が含まれる。また、これら金属に、他の金属層、セラミック層を付加してなる多層金属板も含まれる。この場合、付加層との全体の線膨張係数(CTE)が低ければ、主金属層にCu、Alなども用いられる。付加金属層として使用される金属としては、高耐熱フィルムとの密着性を強固にするもの、拡散がないこと、耐薬品性や耐熱性が良いこと等の特性を有するものであれば限定されるものではないが、Cr、Ni、TiN、Mo含有Cuなどが好適な例として挙げられる。
 本発明におけるセラミック板としては、Al、Mullite、AlN、SiC、結晶化ガラス、Cordierite、Spodumene、Pb-BSG+CaZrO3+Al2O3、Crystallized glass+Al2O3、 Crystallized Ca-BSG, BSG+Quartz、BSG+ Quartz,  BSG+ Al2O3、 Pb-BSG+Al2O3、 Glass-ceramic、ゼロデュア材などの基板用セラミックスが含まれる。
 前記無機基板の平面部分は、充分に平坦である事が望ましい。具体的には、表面粗さのP-V値が50nm以下、より好ましくは20nm以下、さらに好ましくは5nm以下である。これより粗いと、透明高耐熱積層フィルムと無機基板との剥離強度が不充分となる場合がある。
 前記無機基板の厚さは特に制限されないが、取り扱い性の観点より10mm以下の厚さが好ましく、3mm以下がより好ましく、1.3mm以下がさらに好ましい。厚さの下限については特に制限されないが、好ましくは0.07mm以上、より好ましくは0.15mm以上、さらに好ましくは0.3mm以上である。薄すぎると破損しやすくハンドリングが困難となる。また厚すぎると重くなりハンドリングが困難となる。
 <積層体>
 本発明の積層体は、前記透明高耐熱積層フィルムと前記無機基板とを接着剤を実質的に使わないで積層したものである。デバイスの形成には平滑な表面が必要であることから、無機基板との積層面は(b)層側であることが好ましい。また、積層体の厚み方向において、両端部が無機基板となる構成(例えば、無機基板/透明高耐熱積層フィルム/無機基板)であっても差し支えない。この場合、両端部における透明高耐熱積層フィルムと無機基板は実質的に接着剤を使用しない。
 積層体の形状は、特に限定されず、正方形であっても長方形であっても差し支えない。好ましくは長方形であり、長辺の長さが300mm以上であることが好ましく、より好ましくは500mm以上であり、さらに好ましくは1000mm以上である。上限は特に限定されないが、工業的に使用されている、サイズ、材質の基板を置き換えられることが望ましい。20000mm以下であれば十分であり、10000mm以下でも差し支えない。
 <接着剤>
 本発明の無機基板と透明高耐熱積層フィルムの間には実質的に接着剤層が介在しない。ここで本発明でいう接着剤層とはSi(ケイ素)の成分を質量比で10%未満(10質量%未満)のものをさす。また、実質的に使用しない(介在しない)とは、無機基板と透明高耐熱積層フィルムの間に介在する接着剤層の厚さが、0.4μm以下であることが好ましく、より好ましくは0.1μm以下であり、さらに好ましくは0.05μm以下であり、特に好ましくは0.03μm以下であり、最も好ましくは0μmである。
 <シランカップリング剤(SCA)>
 積層体において、透明高耐熱積層フィルムと無機基板との間にシランカップリング剤の層を有することが好ましい。本発明において、シランカップリング剤とは、Si(ケイ素)の成分を10質量%以上含有する化合物をいう。さらに構造中にアルコキシ基を有するものであることが好ましい。また、メチル基が入っていないことが望ましい。シランカップリング剤層を用いることで透明高耐熱積層フィルムと無機基板との中間層を薄くできるので加熱中の脱ガス成分が少なく、ウェットプロセスにおいても溶出しにくく、仮に溶出が起きても微量にとどまるという効果が出る。シランカップリング剤は、耐熱性が向上するため酸化ケイ素成分を多く含むもの好ましく、特に400℃程度の温度での耐熱性を有するものであることが好ましい。シランカップリング剤層の厚さは0.2μm未満であることが好ましい。フレキシブル電子デバイスとして使用する範囲としては、100nm以下(0.1μm以下)が好ましく、より望ましくは50nm以下であり、更に望ましくは10nmである。通常に作製すると、0.10μm以下程度となる。また、極力シランカップリング剤が少ないことを望むプロセスでは、5nm以下でも使用可能である。1nm以下では、剥離強度が低下或は、部分的に付かない部分が出るおそれがあるため、1nm以上であることが望ましい。
 本発明におけるシランカップリング剤は、特に限定されるものではないが、アミノ基或はエポキシ基を持ったものが、好ましい。シランカップリング剤の具体例としては、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3―トリエトキシシリルーN-(1,3-ジメチルーブチリデン)プロピルアミン、2-(3,4-エポキシシクロへキシル)エチルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシランビニルトリクロルシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、p-スチリルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3-アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-(ビニルベンジル)-2-アミノエチル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩、3-ウレイドプロピルトリエトキシシラン、3-クロロプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、3-イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、トリス-(3- トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート、クロロメチルフェネチルトリメトキシシラン、クロロメチルトリメトキシシランなどが挙げられる。このうち好ましいものとしては、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3―トリエトキシシリルーN-(1,3-ジメチルーブチリデン)プロピルアミン、2-(3,4-エポキシシクロへキシル)エチルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、アミノフェニルトリメトキシシラン、アミノフェネチルトリメトキシシラン、アミノフェニルアミノメチルフェネチルトリメトキシシランなどが挙げられる。プロセスで耐熱性を要求する場合、Siとアミノ基などの間を芳香族でつないだものが望ましい。
 積層体における、透明高耐熱積層フィルムと前記無機基板との300℃加熱後の剥離強度は0.3N/cm以下であることが好ましい。これにより、透明高耐熱積層フィルム上にデバイスを形成した後、当該透明高耐熱積層フィルムと無機基板との剥離が非常に容易となる。そのため、大量生産が可能なデバイス連結体を製造することができ、フレキシブル電子デバイスの製造が容易となる。前記剥離強度は、0.25N/cm以下であることが好ましく、より好ましくは0.2N/cm以下であり、さらに好ましくは0.15N/cm以下であり、特に好ましくは0.12N/cm以下である。また、0.03N/cm以上であることが好ましい。透明高耐熱積層フィルム上にデバイスを形成する際に積層体が剥離しなくなることから、より好ましくは0.06N/cm以上であり、さらに好ましくは0.08N/cm以上であり、特に好ましくは0.1N/cm以上である。前記剥離強度は、透明高耐熱積層フィルムと前記無機基板を貼り合わせた後、窒素雰囲気下で300℃1時間熱処理した後の積層体における透明高耐熱積層フィルムと無機基板の剥離強度である。
 本発明の積層体は、例えば、以下の手順で作製することができる。あらかじめ無機基板の少なくとも一面をシランカップリング剤処理し、シランカップリング剤処理された面と、透明高耐熱フィルムとを重ね合わせ、両者を加圧によって積層する積層体を得ることができる。また、あらかじめ透明高耐熱積層フィルムの少なくとも一面をシランカップリング剤処理し、シランカップリング剤処理された面と、無機基板とを重ね合わせ、両者を加圧によって積層しても積層体を得ることができる。また、透明高耐熱積層フィルムの(b)層表面を無機基板に重ね合わせることが好ましい。加圧方法としては、大気中での通常のプレス或はラミネートあるいは真空中でのプレス或はラミネートが挙げられるが、全面の安定した剥離強度を得る為には、大きなサイズの積層体(例えば、200mm超)では大気中でのラミネートが望ましい。これに対して200mm以下程度の小サイズの積層体であれば真空中でのプレスが好ましい。真空度は通常の油回転ポンプによる真空で充分であり、10Torr以下程度あれば充分である。好ましい圧力としては、1MPaから20MPaであり、更に好ましくは3MPaから10MPaである。圧力が高いと、基板を破損するおそれがあり、圧力が低いと、密着しない部分が出る場合がある。好ましい温度としては90℃から300℃、更に好ましくは100℃から250℃で温度が高いと、フィルムにダメージを与え、温度が低いと、密着力が弱いことがある。
<電子デバイス付きフィルム(フレキシブル電子デバイス)の作製>
 前記積層体を用いると、既存の電子デバイス製造用の設備、プロセスを用いてフレキシブル電子デバイスを容易に作製することができる。具体的には、積層体の透明高耐熱積層フィルム上に電子デバイスを形成し、積層体から透明高耐熱積層フィルムごと剥離することで、フレキシブル電子デバイスを作製することができる。
 本明細書において電子デバイスとは、電気配線を担う片面、両面、あるいは多層構造を有する配線基板、トランジスタ、ダイオードなどの能動素子や、抵抗、キャパシタ、インダクタなどの受動デバイスを含む電子回路、他、圧力、温度、光、湿度などをセンシングするセンサー素子、バイオセンサー素子、発光素子、液晶表示、電気泳動表示、自発光表示などの画像表示素子、無線、有線による通信素子、演算素子、記憶素子、MEMS素子、太陽電池、薄膜トランジスタなどをいう。
 また、この配線基板の中にポリイミドを貫通する電極である、インターポーザ―機能も含まれる。概略貫通させることにより、のちに無機基板を剥がしたのちに貫通電極を作製する工程は大幅に省略される。貫通孔の作製には既知の手法を使えばよい。例えば概略貫通に、UVナノレーザーにより貫通孔が穿かれる。次いで、たとえば両面プリント配線板のスルーホール、ないしは多層プリント配線板におけるヴィアホールに用いられる定法を応用することにより前記貫通孔に導電性の金属が満たされ、加えて必要に応じた金属による配線パターンが形成される、といった手法がある。概略貫通では上記のように貫通電極をあけたのちに無機基板に貼り合わせる事もあり得る。無機基板と透明高耐熱積層フィルムを貼り合わせたのちに貫通電極を作製する場合もあり得る。透明高耐熱積層フィルムを貫通させてそこを金属化することもあり得るが、透明高耐熱積層フィルムの片側から孔を開け反対側の表面に貫通しない状態でそこを金属化することもあり得る。
 本明細書におけるフレキシブル電子デバイスの製造方法では、上述した方法で作製された積層体の透明高耐熱積層フィルム上にデバイスを形成した後、該透明高耐熱積層フィルムを前記無機基板から剥離する。
<デバイス付き透明高耐熱積層フィルムの無機基板からの剥離>
 デバイス付きの透明高耐熱積層フィルムを無機基板から剥離する方法としては、特に制限されないが、ピンセットなどで端から捲る方法、透明高耐熱積層フィルムに切り込みを入れ、切り込み部分の1辺に粘着テープを貼着させた後にそのテープ部分から捲る方法、透明高耐熱積層フィルムの切り込み部分の1辺を真空吸着した後にその部分から捲る方法等が採用できる。なお、剥離の際に、透明高耐熱積層フィルムの切り込み部分に曲率が小さい曲がりが生じると、その部分のデバイスに応力が加わることになりデバイスを破壊するおそれがあるため、極力曲率の大きな状態で剥がすことが望ましい。例えば、曲率の大きなロールに巻き取りながら捲るか、あるいは曲率の大きなロールが剥離部分に位置するような構成の機械を使って捲ることが望ましい。
 前記透明高耐熱積層フィルムに切り込みを入れる方法としては、刃物などの切削具によって透明高耐熱積層フィルムを切断する方法や、レーザーと積層体を相対的にスキャンさせることにより透明高耐熱積層フィルムを切断する方法、ウォータージェットと積層体を相対的にスキャンさせることにより透明高耐熱積層フィルムを切断する方法、半導体チップのダイシング装置により若干ガラス層まで切り込みつつ透明高耐熱積層フィルムを切断する方法などがあるが、特に方法は限定されるものではない。例えば、上述した方法を採用するにあたり、切削具に超音波を重畳させたり、往復動作や上下動作などを付け加えて切削性能を向上させる等の手法を適宜採用することもできる。
 また、剥離する部分に予め別の補強基材を貼りつけて、補強基材ごと剥離する方法も有用である。剥離するフレキシブル電子デバイスが、表示デバイスのバックプレーンである場合、あらかじめ表示デバイスのフロントプレーンを貼りつけて、無機基板上で一体化した後に両者を同時に剥がし、フレキシブルな表示デバイスを得ることも可能である。
 以下、本発明に関し実施例を用いて詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
〔製造例1(ポリイミド溶液1(PI-1)の製造)〕
 窒素導入管、ディーン・スターク管及び還流管、温度計、攪拌棒を備えた反応容器に、窒素ガスを導入しながら、19.86質量部の4,4’-ジアミノジフェニルスルホン(4,4’-DDS)、4.97質量部の3,3’-ジアミノジフェニルスルホン(3,3’-DDS)、80質量部のN,N-ジメチルアセトアミド(DMAc)を加えた。続いて31.02質量部の4,4’-オキシジフタル酸無二水物(ODPA)、24質量部のGBL、13質量部のトルエンを室温で加えた後、内温160℃まで昇温し、160℃で1時間加熱還流を行い、イミド化を行った。イミド化完了後、180℃まで昇温し、トルエンを抜き出しながら反応を続けた。12時間反応後、オイルバスを外して室温に戻し、固形分が20質量%濃度となるようにDMAcを加え、還元粘度0.70dl/gのポリイミド溶液1を得た。
〔製造例2(ポリアミド酸溶液1(PAA-1)の製造)〕
窒素導入管、還流管、攪拌棒を備えた反応容器内を窒素置換した後、33.36質量部の2,2’-ジトリフルオロメチル-4,4’-ジアミノビフェニル(TFMB)、336.31質量部のN-メチル-2-ピロリドン(NMP)と滑剤としてコロイダルシリカをジメチルアセトアミドに分散してなる分散体(日産化学工業製「スノーテックス(登録商標)DMAC-ST-ZL」)とをシリカ(滑剤)がポリアミド酸溶液中のポリマー固形分総量にて0.3質量%)になるように加え完全に溶解させ、次いで、9.81質量部の1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸無二水物(CBDA)、11.34質量部の3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸(BPDA)、4.85質量部の4,4’-オキシジフタル酸無二水物(ODPA)をそれぞれ固体のまま分割添加した後、室温で24時間攪拌した。その後、固形分15質量%、還元粘度3.50dl/gのポリアミド酸溶液1(TFMB//CBDA/BPDA/ODPAのモル比=1.000//0.480/0.370/0.150)を得た。
〔製造例3(ポリアミド酸溶液2(PAA-2)の製造)〕
窒素導入管、還流管、攪拌棒を備えた反応容器内を窒素置換した後、33.36質量部の2,2’-ジトリフルオロメチル-4,4’-ジアミノビフェニル(TFMB)に336.31質量部のN-メチル-2-ピロリドン(NMP)を加え完全に溶解させ、次いで、9.81質量部の1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸無二水物(CBDA)、11.34質量部の3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸(BPDA)、4.85質量部の4,4’-オキシジフタル酸無二水物(ODPA)をそれぞれ固体のまま分割添加した後、室温で24時間攪拌した。その後、固形分15質量%、還元粘度3.50dl/gのポリアミド酸溶液2(TFMB//CBDA/BPDA/ODPAのモル比=1.000//0.480/0.370/0.150)を得た。
〔製造例4(ポリアミド酸溶液3(PAA-3)の製造)〕
 窒素導入管、還流管、攪拌棒を備えた反応容器内を窒素置換した後、22.0質量部の2,2’-ジトリフルオロメチル-4,4’-ジアミノビフェニル(TFMB)、252.1質量部のN,N-ジメチルアセトアミド(DMAc)と滑剤としてコロイダルシリカをジメチルアセトアミドに分散してなる分散体(日産化学工業製「スノーテックス(登録商標)DMAC-ST-ZL」)とをシリカ(滑剤)がポリアミック酸溶液中のポリマー固形分総量にて0.3質量%)になるように加え完全に溶解させ、次いで、22.0質量部の3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)を固体のまま分割添加した後、室温で24時間攪拌した。その後、165.7質量部のDMAcを加え希釈し、固形分(NV)11質量%、還元粘度3.5dl/gのポリアミド酸溶液3を得た(TFMB/BPDAのモル比=0.920/1.000)。
〔製造例5(ポリアミド酸溶液4(PAA-4)の製造)〕
 窒素導入管、還流管、攪拌棒を備えた反応容器内を窒素置換した後、22.0質量部の2,2’-ジトリフルオロメチル-4,4’-ジアミノビフェニル(TFMB)に、252.1質量部のN,N-ジメチルアセトアミド(DMAc)を加え完全に溶解させ、次いで、22.0質量部の3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)を固体のまま分割添加した後、室温で24時間攪拌した。その後、165.7質量部のDMAcを加え希釈し、固形分(NV)11質量%、還元粘度3.5dl/gのポリアド酸溶液4を得た(TFMB/BPDAのモル比=0.920/1.000)。
〔製造例6(ポリアミド酸溶液5(PAA-5)の製造)〕
 窒素導入管、還流管、攪拌棒を備えた反応容器内を窒素置換した後、22.73質量部の4,4’-ジアミノベンズアニリド(DABAN)、201.1質量部のN,N-ジメチルアセトアミド(DMAc)と滑剤としてコロイダルシリカをジメチルアセトアミドに分散してなる分散体(日産化学工業製「スノーテックス(登録商標)DMAC-ST-ZL」)とをシリカ(滑剤)がポリアミド酸溶液中のポリマー固形分総量にて0.5質量%)になるように加え完全に溶解させ、次いで、19.32質量部の1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸無二水物(CBDA)を固体のまま分割添加した後、室温で24時間攪拌した。その後、173.1質量部のDMAcを加え希釈し、NV(固形分)10質量%、還元粘度3.10dl/gのポリアミド酸溶液5を得た(DABAN/CBDAのモル比=1.000/0.985)。
〔製造例7(ポリアミド酸溶液6(PAA-6)の製造)〕
 窒素導入管、還流管、攪拌棒を備えた反応容器内を窒素置換した後、22.73質量部の4,4’-ジアミノベンズアニリド(DABAN)に201.1質量部のN,N-ジメチルアセトアミド(DMAc)を加え完全に溶解させ、次いで、19.32質量部の1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸無二水物(CBDA)を固体のまま分割添加した後、室温で24時間攪拌した。その後、173.1質量部のDMAcを加え希釈し、NV(固形分)10質量%、還元粘度3.10dl/gのポリアミド酸溶液6を得た(DABAN/CBDAのモル比=1.000/0.985)。
〔製造例8(ポリアミド酸溶液7(PAA-7)の製造)〕
 式(1)の構造で表される酸無水物基含有のダブルデッカー型シルセスキオキサン誘導体(AASQ1)を日本材料技研(株)製より入手した。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000003
 次に、窒素導入管、還流管、攪拌棒を備えた反応容器内を窒素置換した後、490.2質量部の2,2’-ジトリフルオロメチル-4,4’-ジアミノビフェニル(TFMB)、5340質量部のN-メチル-2-ピロリドン(NMP)と滑剤としてコロイダルシリカをジメチルアセトアミドに分散してなる分散体(日産化学工業製「スノーテックス(登録商標)DMAC-ST-ZL」)とをシリカ(滑剤)がポリアミド酸溶液中のポリマー固形分総量にて0.3質量%になるように加え完全に溶解させ、次いで、327.2質量部のピロメリット酸二無水物(PMDA)、45.4質量部のAASQ1をそれぞれ固体のまま分割添加した後、室温で24時間攪拌した。その後、固形分14質量%、還元粘度1.46dl/gのポリアミド酸溶液7(TFMB//PMDA/AASQ1のモル比=1.000//0.980/0.020)を得た。
〔製造例9(ポリアミド酸溶液8(PAA-8)の製造)〕
 窒素導入管、還流管、攪拌棒を備えた反応容器内を窒素置換した後、490.2質量部の2,2’-ジトリフルオロメチル-4,4’-ジアミノビフェニル(TFMB)、5340質量部のN-メチル-2-ピロリドン(NMP)を加えて完全に溶解させ、次いで、327.2質量部のピロメリット酸二無水物(PMDA)、45.4質量部のAASQ1をそれぞれ固体のまま分割添加した後、室温で24時間攪拌した。その後、固形分14質量%、還元粘度1.46dl/gのポリアミド酸溶液8(TFMB//PMDA/AASQ1のモル比=1.000//0.980/0.020)を得た。
〔製造例10(ポリアミド酸溶液9(PAA-9)の製造)〕
 式(2)の構造で表されるアミノ基含有のダブルデッカー型シルセスキオキサン誘導体(AMSQ1)を、特開2006-265243号公報に記載された方法で製造した。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000004
 次に、窒素導入管、還流管、攪拌棒を備えた反応容器内を窒素置換した後、470.8質量部の2,2’-ジトリフルオロメチル-4,4’-ジアミノビフェニル(TFMB)、39.9質量部のAMSQ1、6880質量部のN-メチル-2-ピロリドン(NMP)と滑剤としてコロイダルシリカをジメチルアセトアミドに分散してなる分散体(日産化学工業製「スノーテックス(登録商標)DMAC-ST-ZL」)とをシリカ(滑剤)がポリアミド酸溶液中のポリマー固形分総量にて0.3質量%になるように加え完全に溶解させ、次いで、325.6質量部のピロメリット酸二無水物(PMDA)を固体のまま分割添加した後、室温で24時間攪拌した。その後、固形分11質量%、還元粘度3.50dl/gのポリアミド酸溶液7(TFMB/AMSQ1//PMDAのモル比=0.980/0.020//1.000)を得た。
〔製造例11(ポリアミド酸溶液10(PAA-10)の製造)〕
 窒素導入管、還流管、攪拌棒を備えた反応容器内を窒素置換した後、470.8質量部の2,2’-ジトリフルオロメチル-4,4’-ジアミノビフェニル(TFMB)、39.9質量部のAMSQ1、6880質量部のN-メチル-2-ピロリドン(NMP)を加え完全に溶解させ、次いで、325.6質量部のピロメリット酸二無水物(PMDA)を固体のまま分割添加した後、室温で24時間攪拌した。その後、固形分11質量%、還元粘度3.50dl/gのポリアミド酸溶液7(TFMB/AMSQ1//PMDAのモル比=0.980/0.020//1.000)を得た。
〔製造例12(ポリアミド酸溶液11(PAA-11)の製造)〕
 窒素導入管、還流管、攪拌棒を備えた反応容器内を窒素置換した後、470.8質量部の2,2’-ジトリフルオロメチル-4,4’-ジアミノビフェニル(TFMB)、6766質量部のN-メチル-2-ピロリドン(NMP)と滑剤としてコロイダルシリカをジメチルアセトアミドに分散してなる分散体(日産化学工業製「スノーテックス(登録商標)DMAC-ST-ZL」)とをシリカ(滑剤)がポリアミド酸溶液中のポリマー固形分総量にて0.3質量%になるように加え完全に溶解させ、次いで、192.4質量部のピロメリット酸二無水物(PMDA)、173.0質量部の3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)を固体のまま分割添加した後、室温で24時間攪拌した。その後、固形分11質量%、還元粘度3.50dl/gのポリアミド酸溶液11(TFMB//PMDA/BPDAのモル比=1.000//0.600/0.400)を得た。
〔製造例13(ポリアミド酸溶液12(PAA-12)の製造)〕
 窒素導入管、還流管、攪拌棒を備えた反応容器内を窒素置換した後、470.8質量部の2,2’-ジトリフルオロメチル-4,4’-ジアミノビフェニル(TFMB)、39.9質量部のAMSQ1、6766質量部のN-メチル-2-ピロリドン(NMP)を加え完全に溶解させ、次いで、192.4質量部のピロメリット酸二無水物(PMDA)、173.0質量部の3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)を固体のまま分割添加した後、室温で24時間攪拌した。その後、固形分11質量%、還元粘度3.50dl/gのポリアミド酸溶液12(TFMB//PMDA/BPDAのモル比=1.000//0.600/0.400)を得た。
〔実施例1〕(ポリイミドフィルムA1の作製)
 製造例2で得たポリアミド酸溶液1(PAA-1)を、コンマコーターを用いてポリエチレンテレフタレート製フィルムA4100(東洋紡株式会社製)の無滑材面上に最終膜厚が1.5μmとなるよう塗布し、続いて製造例3で得たポリアミド酸溶液2(PAA-2)をポリアミド酸溶液1(PAA-1)の上に最終膜厚が22μmとなるようダイコーターによって塗布した。これを60秒後に熱風炉に導入し、110℃にて10分間乾燥した。乾燥後に自己支持性を得たポリアミド酸フィルムを支持体としてきたA4100フィルムから剥離し、ピンを配置したピンシートを有するピンテンターに通し、フィルム端部をピンに差し込むことにより把持し、フィルムが破断しないように、かつ不必要なたるみが生じないようにピンシート間隔を調整して搬送し、200℃で3分、250℃で3分、300℃で3分、400℃で3分の条件で加熱し、イミド化反応を進行させた。その後、2分間で室温にまで冷却し、フィルムの両端の平面性が悪い部分をスリッターにて切り落とし、ロール状に巻き上げ、幅450mmのポリイミドフィルムA1を500m得た。
〔実施例2〕(ポリイミドフィルムA2の作製)
 製造例2で得たポリアミド酸溶液1(PAA-1)を、コンマコーターを用いてポリエチレンテレフタレート製フィルムA4100(東洋紡株式会社製)の無滑材面上に最終膜厚が1.5μmとなるよう塗布し、続いて製造例1で得たポリイミド溶液1(PI-1)をポリアミド酸溶液1(PAA-1)の上に最終膜厚が22μmとなるようダイコーターによって塗布した。これを60秒後に熱風炉に導入し、110℃にて10分間乾燥した。乾燥後に自己支持性を得たポリアミド酸/ポリイミドフィルムを支持体としてきたA4100フィルムから剥離し、ピンを配置したピンシートを有するピンテンターに通し、フィルム端部をピンに差し込むことにより把持し、フィルムが破断しないように、かつ不必要なたるみが生じないようにピンシート間隔を調整して搬送し、200℃で3分、250℃で3分、300℃で6分の条件で加熱し、イミド化反応を進行させた。その後、2分間で室温にまで冷却し、フィルムの両端の平面性が悪い部分をスリッターにて切り落とし、ロール状に巻き上げ、幅450mmのポリイミドフィルムA2を500m得た。
〔実施例3〕(ポリイミドフィルムA3の作製)
 製造例6で得たポリアミド酸溶液5(PAA-5)を、コンマコーターを用いてポリエチレンテレフタレート製フィルムA4100(東洋紡株式会社製)の無滑材面上に最終膜厚が1.5μmとなるよう塗布し、続いて製造例1で得たポリイミド溶液1(PI-1)をポリアミド酸溶液5(PAA-5)の上に最終膜厚が22μmとなるようダイコーターによって塗布した。これを60秒後に熱風炉に導入し、110℃にて10分間乾燥した。乾燥後に自己支持性を得たポリアミド酸/ポリイミドフィルムを支持体としてきたA4100フィルムから剥離し、ピンを配置したピンシートを有するピンテンターに通し、フィルム端部をピンに差し込むことにより把持し、フィルムが破断しないように、かつ不必要なたるみが生じないようにピンシート間隔を調整して搬送し、200℃で3分、250℃で3分、300℃で3分、375℃で3分の条件で加熱し、イミド化反応を進行させた。その後、2分間で室温にまで冷却し、フィルムの両端の平面性が悪い部分をスリッターにて切り落とし、ロール状に巻き上げ、幅450mmのポリイミドフィルムA3を500m得た。
〔実施例4〕(ポリイミドフィルムA4の作製)
 ポリイミド溶液1(PI-1)をポリアミド酸溶液2(PAA-2)に変更した以外は実施例3と同様にしてポリイミドフィルムA4を得た。
〔実施例5〕(ポリイミドフィルムA5の作製)
 ポリアミド酸溶液1(PAA-1)をポリアミド酸溶液5(PAA-5)に、ポリイミド溶液1(PI-1)をポリアミド酸溶液4(PAA-4)に変更した以外は実施例2と同様にしてポリイミドフィルムA5を得た。
〔実施例6〕(ポリイミドフィルムA6の作製)
 ポリアミド酸溶液1(PAA-1)をポリアミド酸溶液3(PAA-3)に、ポリイミド溶液1(PI-1)をポリアミド酸溶液4(PAA-4)に変更した以外は実施例2と同様にしてポリイミドフィルムA6を得た。
〔実施例7〕(ポリイミドフィルムA7の作製)
 ポリアミド酸溶液5(PAA-5)をポリアミド酸溶液7(PAA-7)に、ポリイミド溶液1(PI-1)をポリアミド酸溶液8(PAA-8)に変更した以外は実施例3と同様にしてポリイミドフィルムA7を得た。
〔実施例8〕(ポリイミドフィルムA8の作製)
 ポリアミド酸溶液1(PAA-1)をポリアミド酸溶液9(PAA-9)に、ポリアミド酸溶液2(PAA-2)をポリアミド酸溶液10(PAA-10)に変更した以外は実施例1と同様にしてポリイミドフィルムA8を得た。
[実施例9](ポリイミドフィルムA14の作製)
 ポリアミド酸溶液1(PAA-1)をポリアミド酸溶液11(PAA-11)に、ポリアミド酸溶液2(PAA-2)をポリアミド酸溶液12(PAA-12)に、加熱の条件を200℃で15分、250℃で15分、300℃で15分、400℃で15分に変更した以外は実施例1と同様にしてポリイミドフィルムA14を得た。
〔比較例1〕(ポリイミドフィルムA9の作製)
 製造例7で得たポリアミド酸溶液6(PAA-6)を、コンマコーターを用いてポリエチレンテレフタレート製フィルムA4100(東洋紡株式会社製)の無滑材面上に最終膜厚が3μmとなるよう塗布した。ポリエチレンテレフタレート製フィルムA4100は、熱風炉内に通過して、巻き取られてゆき、この時に100℃にて10分間乾燥した。これを巻き取ったのちにコンマコーター側にセットしなおして、製造例3で得たポリアミド酸溶液2(PAA-2)をポリアミド酸溶液6(PAA-6)の乾燥物上に最終膜厚が20μmとなるよう塗布した。これを100℃にて10分間乾燥した。乾燥後に自己支持性を得たポリアミド酸フィルムを支持体から剥離し、ピンを配置したピンシートを有するピンテンターに通し、フィルム端部をピンに差し込むことにより把持し、フィルムが破断しないように、かつ不必要なたるみが生じないようにピンシート間隔を調整して搬送し、200℃で3分、250℃で3分、300℃で3分、370℃で3分の条件で加熱し、イミド化反応を進行させた。その後、2分間で室温にまで冷却し、フィルムの両端の平面性が悪い部分をスリッターにて切り落とし、ロール状に巻き上げ、幅450mmのポリイミドフィルムA9を30m得た。フィルムは得られたものの、ロール状に巻き上げた際にシワが発生した。
〔比較例2〕(ポリイミドフィルムA10の作製)
 製造例7で得たポリアミド酸溶液6(PAA-6)を、コンマコーターを用いてポリエチレンテレフタレート製フィルムA4100(東洋紡株式会社製)の無滑材面上に最終膜厚が3μmとなるよう塗布した。ポリエチレンテレフタレート製フィルムA4100は、熱風炉内に通過して、巻き取られてゆき、この時に100℃にて10分間乾燥した。これを巻き取ったのちにコンマコーター側にセットしなおして、製造例1で得たポリイミド溶液1(PI-1)をポリアミド酸溶液6(PAA-6)の乾燥物上に最終膜厚が20μmとなるよう塗布した。これを100℃にて10分間乾燥した。乾燥後に自己支持性を得たポリアミド酸/ポリイミドフィルムを支持体から剥離し、ピンを配置したピンシートを有するピンテンターに通し、フィルム端部をピンに差し込むことにより把持し、フィルムが破断しないように、かつ不必要なたるみが生じないようにピンシート間隔を調整して搬送し、200℃で3分、250℃で3分、300℃で6分の条件で加熱し、イミド化反応を進行させた。その後、2分間で室温にまで冷却し、フィルムの両端の平面性が悪い部分をスリッターにて切り落とし、ロール状に巻き上げ、幅450mmのポリイミドフィルムA10を20m得た。フィルムは得られたものの、ロール状に巻き上げた際にシワが発生した。
〔比較例3〕(ポリイミドフィルムA11の作製)
 ポリアミド酸溶液6(PAA-6)の代わりにポリアミド酸溶液5(PAA-5)を用いた以外は比較例1と同様にしてポリイミドフィルムA11を300m得た。
〔比較例4〕(ポリイミドフィルムA12の作製)
 製造例4で得たポリアミド酸溶液3(PAA-3)を、コンマコーターを用いてポリエチレンテレフタレート製フィルムA4100(東洋紡株式会社製)の無滑材面上に最終膜厚が1.5μmとなるよう塗布した。ポリエチレンテレフタレート製フィルムA4100は、熱風炉内に通過して、巻き取られてゆき、この時に100℃にて10分間乾燥した。これを巻き取ったのちにコンマコーター側にセットしなおして、製造例3で得たポリアミド酸溶液1(PAA-1)をポリアミド酸溶液3(PAA-3)の乾燥物上に最終膜厚が20μmとなるよう塗布した。これを100℃にて10分間乾燥した。乾燥後に自己支持性を得たポリアミド酸フィルムを支持体から剥離し、ピンを配置したピンシートを有するピンテンターに通し、フィルム端部をピンに差し込むことにより把持し、フィルムが破断しないように、かつ不必要なたるみが生じないようにピンシート間隔を調整して搬送し、200℃で3分、250℃で3分、300℃で3分、400℃で3分の条件で加熱し、イミド化反応を進行させた。その後、2分間で室温にまで冷却し、フィルムの両端の平面性が悪い部分をスリッターにて切り落とし、ロール状に巻き上げ、幅450mmのポリイミドフィルムA12を200m得た。
〔比較例5〕(ポリイミドフィルムA13の作製)
 ポリアミド酸溶液1(PAA-1)の代わりにポリアミド酸溶液4(PAA-4)、ポリイミド溶液1(PI-1)の代わりにポリアミド酸溶液2(PAA-2)を用いた以外は実施例2と同様にして幅450mmのポリイミドフィルムA13を20m得た。フィルムは得られたものの、ロール状に巻き上げた際にシワが発生した。
<透明高耐熱積層フィルム(ポリイミドフィルム)の厚さ測定>
 ポリイミドフィルムA1~A11の厚さを、マイクロメーター(ファインリューフ社製、ミリトロン1245D)を用いて測定した。結果を表1に示す。
<透明高耐熱積層フィルム(ポリイミドフィルム)の引張弾性率、引張破断強度、及び、引張破断伸度>
 ポリイミドフィルムA1~A14を、流れ方向(MD方向)および幅方向(TD方向)にそれぞれ100mm×10mmの短冊状に切り出したものを試験片とした。引張試験機(島津製作所製、オートグラフ(R) 機種名AG-5000A)を用い、引張速度50mm/分、チャック間距離40mmの条件で、MD方向、TD方向それぞれについて、引張弾性率、引張破断強度及び引張破断伸度を測定した。
<透明高耐熱積層フィルム(ポリイミドフィルム)の線膨張係数(CTE)>
 ポリイミドフィルムA1~A14を、流れ方向(MD方向)および幅方向(TD方向)において、下記条件にて伸縮率を測定し、30℃~45℃、45℃~60℃のように15℃の間隔での伸縮率/温度を測定し、この測定を300℃まで行い、全測定値の平均値をCTEとして算出した。
  機器名    ; MACサイエンス社製TMA4000S
  試料長さ   ; 20mm
  試料幅    ; 2mm
  昇温開始温度 ; 25℃
  昇温終了温度 ; 300℃
  昇温速度   ; 5℃/min
  雰囲気    ; アルゴン
<透明高耐熱積層フィルム(ポリイミドフィルム)の厚さ方向位相差(Rth)>
 ポリイミドフィルムA1~A14のX軸方向の屈折率nxとY軸方向の屈折率nyと、Z軸方向の屈折率nzとを、大塚電子社製光学材料検査装置(型式RETS-100)にて、室温(20~25℃)、波長550nmの光で測定した。光軸を検出して、進相遅相補正をかけたうえで、リターデーション測定方法は回転検光子法により測定した。ここでX軸、Y軸は、フィルムの面方向で最も屈折率が大きい方向の屈折率(nx)、フィルムの面方向でNx方向の垂直方向の屈折率(ny)を示す。そして、X軸方向の屈折率nx、Y軸方向の屈折率ny、およびZ軸方向の屈折率nzとフィルムの厚さ(d)から、以下の式に基づき、Rthを算出した。
 Rth(nm)=|[nz-(nx+ny)/2]×d|
<透明高耐熱積層フィルム(ポリイミドフィルム)の熱収縮>
 前記のポリイミドフィルムの線膨張係数(CTE)の測定時に300℃昇温後に80℃まで降温して、最初の昇温中の100℃の時の長さと降温中の100℃の時の長さの比の百分率を熱収縮率として算出した。
<混じり合い層の測定>
 混じり合い層は、SAICAS DN―20S型(ダイプラ・ウィンテス社)によってポリイミドフィルムの斜め切削面を作製する。次いでこの斜め切削面を顕微IR Cary 620 FTIR(Agilent社)によって、ゲルマニウム結晶(入射角30°)を用いた顕微ATR法で測定した。これによって、測定した結果は表1に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000005
<透明高耐熱積層フィルム(ポリイミドフィルム)の反り測定>
 30cm×30cmに切り出したポリイミドフィルムA1~A14を23℃50%の環境で1日以上調湿した後、定盤の上で反りの測定を実施した。フィルム4隅の定盤からの浮きを測定した。4隅の反りの平均値をそれぞれのフィルムの反り量とした。
<無機基板との積層体の作製>
 ガラス基板へのシランカップリング剤の塗布方法は、図1に示す実験装置を用いて行った。図1は、ガラス基板にシランカップリング剤を塗布する実験装置の模式図である。ガラス基板は100mm×100mmサイズに切断した、厚さ0.7mmのOA11Gガラス(NEG社製)を使用した。なおガラス基板は、純水洗浄、乾燥後にUV/O3照射器(LANテクニカル製SKR1102N-03)で1分間照射してドライ洗浄したものを用いた。容量1Lの薬液タンクの中に3-アミノプロピルトリメトキシシラン(シランカップリング剤 信越化学KBM903)150gを入れて、この外側の湯煎を41℃と温めた。そして出てくる蒸気をクリーンドライエアとともにチャンバーに送った。ガス流量は25L/min、基板温度は23℃とした。クリーンドライエアの温度は23℃、湿度は1.2%RHであった。排気は負圧の排気口に接続したため、チャンバーは2Pa程度の負圧となっていることを差圧計によって確認している。シランカップリング剤塗布時間は4分間とした。
 次に、前記シランカップリング剤層上に、ポリイミドフィルム(A1~A14、70mm×70mmサイズ)を貼り合わせ、積層体を得た。この時貼り合わせ面は(b)層側の面である。貼り合わせには、MCK社製ラミネーターを用い、貼合条件は、圧縮空気の圧力:0.6MPa、温度:22℃、湿度:55%RH、ラミネート速度:50mm/secとした。
<300℃1時間加熱した後の90°剥離強度の測定>
 上記積層体の作製で得られた積層体を、大気雰囲気下、100℃10分熱処理した(前処理)。さらに、窒素雰囲気下で300℃1時間加熱した。その後、無機基板とポリイミドフィルムとの間の90°剥離強度を測定した。結果を表1に示す。
90°初期剥離強度の測定条件は、下記の通りである。
 無機基板に対してフィルムを90°の角度で引き剥がす。
 5回測定を行い、平均値を測定値とする。
 測定装置    ; 島津製作所社製 オートグラフAG-IS
 測定温度    ; 室温(25℃)
 剥離速度    ; 100mm/min 
 雰囲気     ; 大気
 測定サンプル幅 ; 2.5cm
<透明高耐熱積層フィルム(ポリイミドフィルム)のヘイズ>
 HAZEMETER(NDH5000、日本電色社製)を用いてポリイミドフィルムのヘイズを測定した。光源としてはD65ランプを使用した。尚、同様の測定を3回行い、その算術平均値を採用した。
<透明高耐熱積層フィルム(ポリイミドフィルム)の全光線透過率>
 HAZEMETER(NDH5000、日本電色社製)を用いてポリイミドフィルムの全光線透過率(TT)を測定した。光源としてはD65ランプを使用した。尚、同様の測定を3回行い、その算術平均値を採用した。
<透明高耐熱積層フィルム(ポリイミドフィルム)の色>
 イエローインデックスを測定した。カラーメーター(ZE6000、日本電色社製)およびC2光源を使用して、ASTM D1925に準じてポリイミドフィルムの三刺激値XYZ値を測定し、下記式により黄色度指数(YI)を算出した。尚、同様の測定を3回行い、その算術平均値を採用した。
 YI=100×(1.28X-1.06Z)/Y
 1  フローメーター
 2  ガス導入口
 3  薬液タンク(シランカップリング剤槽)
 4  温水槽(湯煎)
 5  ヒーター
 6  処理室(チャンバー)
 7  基材
 8  排気口

Claims (8)

  1.  (a)層と、(b)層を有し、
     前記(a)層と前記(b)層の界面に混じり合い層を有し、
     前記混じり合い層の厚さが3μm以上であることを特徴する透明高耐熱積層フィルム。
    (a)層:ポリイミド組成物を含有する層
    (b)層:ポリイミド組成物を含有し、且つ、無機フィラーの含有量が(a)層よりも多い層
  2.  前記(a)層の無機フィラーの含有量が0.03質量%未満であることを特徴とする請求項1に記載の透明高耐熱積層フィルム。
  3.  前記(b)層の無機フィラーの含有量が0.03質量%以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の透明高耐熱積層フィルム。
  4.  前記透明高耐熱積層フィルムの厚さが5μm以上200μm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の透明高耐熱積層フィルム。
  5.  前記透明高耐熱積層フィルムを構成する前記(a)層、および前記(b)層を含むすべての層がポリイミド組成物を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の透明高耐熱積層フィルム。
  6.  前記透明高耐熱積層フィルムが前記(a)層、前記混じり合い層および前記(b)層のみから成ることを特徴とする請求項1または2に記載の透明高耐熱積層フィルム。
  7.  請求項1または2に記載の透明高耐熱積層フィルムと無機基板の実質的に接着剤を用いない積層体であって、300℃加熱後の無機基板と透明高耐熱積層フィルムの剥離強度が0.3N/cm以下であることを特徴とする積層体。
  8.  請求項7に記載の積層体の透明高耐熱積層フィルム上に電子デバイスを形成し、次いで無機基板から剥離する電子デバイス付きフィルムの製造方法。
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