WO2020158237A1 - タイヤ用ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤ - Google Patents

タイヤ用ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤ Download PDF

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    • C08L2205/03Polymer mixtures characterised by other features containing three or more polymers in a blend

Definitions

  • the rubber composition for a tire according to the second invention has a CTAB specific surface area of 100 to 100 parts by mass with respect to 100 parts by mass of a diene rubber containing a styrene-butadiene copolymer rubber having a glass transition temperature (Tg) of -20°C or higher. It is characterized in that 75 to 200 parts by mass of silica of 400 m 2 /g and 5 to 50 parts by mass of a terpene phenol resin having an acid value of 30 mgKOH/g or more and a hydroxyl value of 5 mgKOH/g or more are blended. It is possible to provide a rubber composition for a tire having improved wet grip performance, maintaining or enhancing warm-up performance (wet grip performance at low temperature) and breaking strength, and excellent in wear resistance, and a pneumatic tire using the same. ..
  • the SBR used in the first invention preferably has a styrene content of 30% by mass or more.
  • Tg glass transition temperature
  • a more preferable amount of styrene is 35 to 50% by mass.
  • liquid aromatic vinyl-conjugated diene rubber In the first invention, it is preferable to blend a liquid aromatic vinyl-conjugated diene rubber having a glass transition temperature (Tg) of ⁇ 40° C. or higher. By compounding such a liquid aromatic vinyl-conjugated diene rubber, the glass transition temperature (Tg) of the rubber composition rises, and the dry grip performance can be enhanced. In addition, the liquid aromatic vinyl-conjugated diene rubber is easily compatible with the diene rubber, and the effect thereof is easily exhibited. As the liquid aromatic vinyl-conjugated diene rubber, a liquid styrene-butadiene copolymer (liquid SBR) is preferable from the viewpoint of improving dry grip performance.
  • liquid SBR liquid styrene-butadiene copolymer
  • sulfur-containing silane coupling agent represented by the following formula (100). By blending such a sulfur-containing silane coupling agent, the wet grip performance can be further enhanced.
  • Specific examples of the group represented by the above formula (120) include, for example, * -CH 2 -S 2 -CH 2 - * , * -C 2 H 4 -S 2 -C 2 H 4 - * , * - C 3 H 6 --S 2 --C 3 H 6 -- * , * --C 4 H 8 --S 2 --C 4 H 8 -- * , * --CH 2 --S 4 --CH 2 -- * , * --C 2 H 4- S 4 -C 2 H 4 - * , * -C 3 H 6 -S 4 -C 3 H 6 - * , * -C 4 H 8 -S 4 -C 4 H 8 - * and the like can be mentioned.

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Abstract

本発明では、ドライグリップ性能を向上させ、破断強度を高めて耐摩耗性に優れ、かつ硬度の温度依存性を抑制し得るタイヤ用ゴム組成物を提供するため、スチレン-ブタジエン共重合体ゴムを含むジエン系ゴム100質量部に対し、窒素吸着比表面積(N2SA)が100~500m2/gのカーボンブラックを50~200質量部、および酸価が30mgKOH/g以上かつ水酸基価が5mgKOH/g以上のテルペンフェノール樹脂を5~50質量部配合した。

Description

タイヤ用ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤ
 本発明は、タイヤ用ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤに関するものであり、詳しくは、ドライグリップ性能を向上させ、破断強度を高めて耐摩耗性に優れ、かつ硬度の温度依存性を抑制し得るタイヤ用ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤに関するものである。
 また本発明は、ウェットグリップ性能、とくにウォームアップ性能(低温時のウェットグリップ性能)を向上させ、破断強度を高めて耐摩耗性に優れるタイヤ用ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤに関するものである。
 一般に、競技用の空気入りタイヤに求められる性能は多岐にわたり、特に高速走行時の乾燥路面での操縦安定性(ドライグリップ性能)が優れることに加え、サーキットで高速走行を長時間行ったときのタイヤ性能の変化(摩耗肌や熱ダレ)を抑制することが要求されている。
 そこで、例えばドライグリップ性能を向上させるため、高比表面積のフィラーや高軟化点樹脂の多量配合がなされている。
 しかし、高比表面積のフィラーを多量配合すると、破断強度が低下し、これにより耐摩耗性が悪化してしまう。一方、高軟化点樹脂を多量配合すると、硬度の温度依存性が生じて熱ダレ性能が悪化し、競技におけるタイム低下の原因となる。
 ドライグリップ性能を高める試みとして、例えば下記特許文献1には、ジエン系ゴムに高比表面積のシリカ並びに高Tgと低Tgの樹脂成分を配合したゴム組成物が開示されている。
 しかしながら、当該技術では、耐摩耗性と硬度の温度依存性とを共に改善することは困難である。
 一方、競技用の空気入りタイヤでは、ドライ路面走行用タイヤとウェット路面走行用タイヤとが用意され、走行時の天候および路面の状態に応じそれぞれ最適のタイヤを選択するようにしている。ここでウェット路面走行用の競技用タイヤとしては、高いガラス転移温度を有するポリマー(高Tgポリマー)、高い軟化点を有する樹脂(高軟化点樹脂)および/または高比表面積のフィラーを多量配合し、ウェットグリップ性能を高めている。
 しかし、高Tgポリマーや高軟化点樹脂を多量配合すると、コンパウンドTgが過度に上昇し、ウォームアップ性能(低温時のウェットグリップ性能)が低下するという問題点がある。
 一方、高比表面積のフィラーを多量配合すると、破断強度が低下し、これにより耐摩耗性が悪化してしまう。
 ウェットグリップ性能を高める試みとして、例えば下記特許文献1には、ジエン系ゴムに高比表面積のシリカ並びに高Tgと低Tgの樹脂成分を配合したゴム組成物が開示されている。
 しかしながら、当該技術では、ウェットグリップ性能と耐摩耗性とを共に改善することは困難である。
特開2007-186567公報
 したがって本発明の第1の課題は、ドライグリップ性能を向上させ、破断強度を高めて耐摩耗性に優れ、かつ硬度の温度依存性を抑制し得るタイヤ用ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤを提供することにある。
 また本発明の第2の課題は、ウェットグリップ性能を向上させ、ウォームアップ性能(低温時のウェットグリップ性能)および破断強度を維持または高めて耐摩耗性に優れるタイヤ用ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤを提供することにある。
 本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、スチレン-ブタジエン共重合体ゴムを含むジエン系ゴムに対し、特定の窒素吸着比表面積(NSA)範囲を有するカーボンブラックと、特定の酸価および水酸基価範囲を有するテルペンフェノール樹脂とを特定量でもって配合することにより、上記第1の課題を解決できることを見出し、本発明を完成することができた。
 また本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、特定範囲のガラス転移温度(Tg)を有するスチレン-ブタジエン共重合体ゴムを含むジエン系ゴムに対し、特定のCTAB比表面積範囲を有するシリカと、特定の酸価および水酸基価範囲を有するテルペンフェノール樹脂とを特定量でもって配合することにより、上記第2の課題を解決できることを見出し、本発明を完成することができた。
 上記第1の課題を解決できる本発明の構成は、下記1~3、7~8に示される。なお、上記第1の課題を解決できる本発明の下記構成を、「第1の発明」と呼ぶことがある。
 また、上記第2の課題を解決できる本発明の構成は、下記4~6、7~8に示される。なお、上記第2の課題を解決できる本発明の下記構成を、「第2の発明」と呼ぶことがある。
 1.スチレン-ブタジエン共重合体ゴムを含むジエン系ゴム100質量部に対し、
 窒素吸着比表面積(NSA)が100~500m/gのカーボンブラックを50~200質量部、および
 酸価が30mgKOH/g以上かつ水酸基価が5mgKOH/g以上のテルペンフェノール樹脂を5~50質量部配合してなる
ことを特徴とするタイヤ用ゴム組成物。
 2.前記スチレン-ブタジエン共重合体ゴムのスチレン量が30質量%以上であることを特徴とする前記1に記載のタイヤ用ゴム組成物。
 3.さらにガラス転移温度(Tg)が-40℃以上の液状芳香族ビニル-共役ジエン系ゴムを配合してなることを特徴とする前記1に記載のタイヤ用ゴム組成物。
 4.ガラス転移温度(Tg)が-20℃以上のスチレン-ブタジエン共重合体ゴムを含むジエン系ゴム100質量部に対し、
 CTAB比表面積が100~400m/gのシリカを75~200質量部、および
 酸価が30mgKOH/g以上かつ水酸基価が5mgKOH/g以上のテルペンフェノール樹脂を5~50質量部配合してなる
ことを特徴とするタイヤ用ゴム組成物。
 5.前記スチレン-ブタジエン共重合体ゴムのスチレン量が30質量%以上であることを特徴とする前記4に記載のタイヤ用ゴム組成物。
 6.さらに、下記式(100)で示される硫黄含有シランカップリング剤を、前記シリカに対して2~20質量%配合してなることを特徴とする前記4に記載のタイヤ用ゴム組成物。
(A)a(B)b(C)c(D)d(R1)eSiO(4-2a-b-c-d-e)/2  (100)
(式(100)中、Aはスルフィド基を含有する2価の有機基、Bは炭素数5~10の1価の炭化水素基、Cは加水分解性基、Dはメルカプト基を含有する有機基、R1は炭素数1~4の1価の炭化水素基を表し、0≦a<1、0<b<1、0<c<3、0≦d<1、0≦e<2、かつ0<2a+b+c+d+e<4の関係を満たす。ただし、aおよびdが同時に0になることはない。)
 7.タイヤキャップトレッドに用いられる、前記1または4に記載のタイヤ用ゴム組成物。
 8.前記1または4に記載のタイヤ用ゴム組成物をキャップトレッドに使用した空気入りタイヤ。
 上記第1の発明におけるタイヤ用ゴム組成物は、スチレン-ブタジエン共重合体ゴムを含むジエン系ゴム100質量部に対し、窒素吸着比表面積(NSA)が100~500m/gのカーボンブラックを50~200質量部、および酸価が30mgKOH/g以上かつ水酸基価が5mgKOH/g以上のテルペンフェノール樹脂を5~50質量部配合してなることを特徴としているので、ドライグリップ性能を向上させ、破断強度を高めて耐摩耗性に優れ、かつ硬度の温度依存性を抑制し得るタイヤ用ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤを提供することができる。
 また上記第2の発明におけるタイヤ用ゴム組成物は、ガラス転移温度(Tg)が-20℃以上のスチレン-ブタジエン共重合体ゴムを含むジエン系ゴム100質量部に対し、CTAB比表面積が100~400m/gのシリカを75~200質量部、および酸価が30mgKOH/g以上かつ水酸基価が5mgKOH/g以上のテルペンフェノール樹脂を5~50質量部配合してなることを特徴としているので、ウェットグリップ性能を向上させ、ウォームアップ性能(低温時のウェットグリップ性能)および破断強度を維持または高めて耐摩耗性に優れるタイヤ用ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤを提供することができる。
 以下、本発明をさらに詳細に説明する。
(ジエン系ゴム)
 上記第1の発明で使用されるジエン系ゴムは、スチレン-ブタジエン共重合体ゴム(SBR)を必須成分とする。上記第1の発明で使用されるジエン系ゴム全体を100質量部としたときに、SBRの配合量は、60~100質量部が好ましく、80~100質量部がさらに好ましい。なお上記第1の発明では、SBR以外にも、通常のゴム組成物に配合することができる任意のジエン系ゴムを用いることができ、例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、アクリロニトリル-ブタジエン共重合体ゴム(NBR)、エチレン-プロピレン-ジエンターポリマー(EPDM)等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、その分子量やミクロ構造はとくに制限されず、アミン、アミド、シリル、アルコキシシリル、カルボキシル、ヒドロキシル基等で末端変性されていても、エポキシ化されていてもよい。
 上記第1の発明で使用されるSBRは、スチレン量が30質量%以上であるものが好ましい。このようなスチレン量を満たすことにより、SBRのガラス転移温度(Tg)が高くなり、ドライグリップ性能を高めることができる。さらに好ましい該スチレン量は、35~50質量%である。
 上記第2の発明で使用されるジエン系ゴムは、ガラス転移温度(Tg)が-20℃以上のスチレン-ブタジエン共重合体ゴム(SBR)を必須成分とする。上記第2の発明で使用されるジエン系ゴム全体を100質量部としたときに、Tgが-20℃以上のSBRの配合量は、例えば競技用途である場合は気温、天候等の諸条件を適宜勘案して定めればよいが、100質量部であることができ、15~85質量部が好ましく、25~75質量部がさらに好ましく、30~70質量部がとくに好ましい。なお上記第2の発明では、Tgが-20℃以上のSBR以外にも、通常のゴム組成物に配合することができる任意のジエン系ゴムを用いることができ、例えば、Tgが-20℃未満のSBR、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、アクリロニトリル-ブタジエン共重合体ゴム(NBR)、エチレン-プロピレン-ジエンターポリマー(EPDM)等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、その分子量やミクロ構造はとくに制限されず、アミン、アミド、シリル、アルコキシシリル、カルボキシル、ヒドロキシル基等で末端変性されていても、エポキシ化されていてもよい。
 前記Tgが-20℃以上のSBRにおいて、該Tgは、-18~-8℃がさらに好ましい。
 また上記第2の発明で言うTgは、油展成分(オイル)を含まない状態におけるSBRのガラス転移温度とする。Tgは、示差走査熱量測定(DSC)により20℃/分の昇温速度条件によりサーモグラムを測定し、転移域の中点の温度とする。
 上記第2の発明で使用されるTgが-20℃以上のSBRは、スチレン量が30質量%以上であるものが好ましい。このようなスチレン量を満たすことにより、SBRのガラス転移温度(Tg)が高くなり、ドライグリップ性能を高めることができる。さらに好ましい該スチレン量は、33~50質量%である。
(カーボンブラック)
 上記第1の発明で使用するカーボンブラックは、窒素吸着比表面積(NSA)が100~500m/gであることが必要である。
 カーボンブラックの窒素吸着比表面積(NSA)が100m/g未満であると、ドライグリップ性能が低下し、また破断強度が低下するため耐摩耗性が悪化する。
 またカーボンブラックの窒素吸着比表面積(NSA)が500m/gを超えると、カーボン分散の悪化に伴い、破断強度が低下するため耐摩耗性が悪化する。
 上記第1の発明で使用するカーボンブラックのさらに好ましい窒素吸着比表面積(NSA)は、130~400m/gである。
 なお、カーボンブラックの窒素吸着比表面積(NSA)は、JIS K6217-2に準拠して求めた値である。
(シリカ)
 上記第2の発明で使用するシリカは、CTAB比表面積が100~400m/gであることが必要である。
 シリカのCTAB比表面積が100m/g未満であると、破断強度が低下するため耐摩耗性が悪化する。
 またシリカのCTAB比表面積が400m/gを超えると、粘度が高くなりすぎ、加工が困難になる。
 上記第2の発明で使用するシリカのさらに好ましいCTAB比表面積は、140~350m/gである。
 なお、シリカのCTAB比表面積はJIS  K6217-3に準拠して求めるものとする。
(テルペンフェノール樹脂)
 上記第1の発明および上記第2の発明で使用するテルペンフェノール樹脂は、酸価が30mgKOH/g以上かつ水酸基価が5mgKOH/g以上であることが必要である。酸価が30mgKOH/g未満では、上記第1の発明においてドライグリップ性能並びに硬度の温度依存性を共に改善することができず、上記第2の発明においてウェットグリップ性能並びに耐摩耗性を共に改善することができない。また水酸基価が5mgKOH/g未満では、フェノール量が少なくなり、上記第1の発明および上記第2の発明の効果を奏することができない。
 さらに好ましい酸価は、40~150mgKOH/gである。
 またさらに好ましい水酸基価は、45~120mgKOH/gである。
 テルペンフェノール樹脂は、テルペン化合物とフェノール類とを反応させて得られ、公知であり、上記第1の発明および上記第2の発明では前記酸価および水酸基価の条件を満たす限り、任意のテルペンフェノール樹脂を使用することができる。
 また、上記第1の発明および上記第2の発明で使用するテルペンフェノール樹脂の軟化点は85~180℃が好ましい。
 なお、酸価および水酸基価は、JIS  K  0070:1992に準拠して測定することができる。また軟化点は、JIS  K  6220-1:2001に準拠して測定することができる。
 上記第1の発明および上記第2の発明で使用するテルペンフェノール樹脂は、商業的に入手可能である。例えば荒川化学工業株式会社製タマノル803L(酸価=50mgKOH/g、水酸基価=15mgKOH/g)、タマノル901(酸価=50mgKOH/g、水酸基価=45mgKOH/g)等が挙げられる。
(液状芳香族ビニル-共役ジエン系ゴム)
 上記第1の発明では、ガラス転移温度(Tg)が-40℃以上の液状芳香族ビニル-共役ジエン系ゴムを配合するのが好ましい。このような液状芳香族ビニル-共役ジエン系ゴムを配合することにより、ゴム組成物のガラス転移温度(Tg)が上昇し、ドライグリップ性能を高めることができる。また該液状芳香族ビニル-共役ジエン系ゴムは、ジエン系ゴムとなじみやすく、その効果を発揮し易い。
  液状芳香族ビニル-共役ジエン系ゴムとしては、ドライグリップ性能が向上するという観点から、液状スチレン-ブタジエン共重合体(液状SBR)が好ましい。液状SBRは、重量平均分子量が1000~100000、好ましくは2000~80000のものを使用することができる。なお、本発明で言う重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で分析されるポリスチレン換算の重量平均分子量を意味する。またTgは、示差走査熱量測定(DSC)により20℃/分の昇温速度条件によりサーモグラムを測定し、転移域の中点の温度とする。
  なお、上記第1の発明で使用される液状ゴムは、23℃で液体である。したがって、この温度では固体である前記ジエン系ゴムとは区別される。
 液状芳香族ビニル-共役ジエン系ゴムの配合量は、ジエン系ゴム100質量部に対し、20~80質量部が好ましく、30~70質量部がさらに好ましい。
(硫黄含有シランカップリング剤)
 上記第2の発明では、下記式(100)で示される硫黄含有シランカップリング剤を配合するのが好ましい。このような硫黄含有シランカップリング剤を配合することにより、ウェットグリップ性能をさらに高めることができる。
(A)a(B)b(C)c(D)d(R1)eSiO(4-2a-b-c-d-e)/2  (100)
(式(100)中、Aはスルフィド基を含有する2価の有機基、Bは炭素数5~10の1価の炭化水素基、Cは加水分解性基、Dはメルカプト基を含有する有機基、R1は炭素数1~4の1価の炭化水素基を表し、0≦a<1、0<b<1、0<c<3、0≦d<1、0≦e<2、かつ0<2a+b+c+d+e<4の関係を満たす。ただし、aおよびdが同時に0になることはない。)
 式(100)で表される硫黄含有シランカップリング剤(ポリシロキサン)およびその製造方法は、例えば国際公開WO2014/002750号パンフレットに開示され、公知である。
 上記式(100)中、Aはスルフィド基を含有する2価の有機基を表す。なかでも、下記式(120)で表される基であることが好ましい。
  -(CH2n-Sx-(CH2n   (120)
 上記式(120)中、nは1~10の整数を表し、なかでも、2~4の整数であることが好ましい。
 上記式(120)中、xは1~6の整数を表し、なかでも、2~4の整数であることが好ましい。
 上記式(120)中、*は、結合位置を示す。
 上記式(120)で表される基の具体例としては、例えば、-CH2-S2-CH2-C24-S2-C24-C36-S2-C36-C48-S2-C48-CH2-S4-CH2-C24-S4-C24-C36-S4-C36-C48-S4-C48などが挙げられる。
 上記式(100)中、Bは炭素数5~20の1価の炭化水素基を表し、その具体例としては、例えば、ヘキシル基、オクチル基、デシル基などが挙げられる。Bは炭素数5~10の1価の炭化水素基であることが好ましい。
 上記式(100)中、Cは加水分解性基を表し、その具体例としては、例えば、アルコキシ基、フェノキシ基、カルボキシル基、アルケニルオキシ基などが挙げられる。なかでも、下記式(130)で表される基であることが好ましい。
  -OR2   (130)
 上記式(130)中、R2は炭素数1~20のアルキル基、炭素数6~10のアリール基、炭素数6~10のアラルキル基(アリールアルキル基)または炭素数2~10のアルケニル基を表し、なかでも、炭素数1~5のアルキル基であることが好ましい。上記炭素数1~20のアルキル基の具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、オクタデシル基などが挙げられる。上記炭素数6~10のアリール基の具体例としては、例えば、フェニル基、トリル基などが挙げられる。上記炭素数6~10のアラルキル基の具体例としては、例えば、ベンジル基、フェニルエチル基などが挙げられる。上記炭素数2~10のアルケニル基の具体例としては、例えば、ビニル基、プロぺニル基、ペンテニル基などが挙げられる。
 上記式(130)中、*は、結合位置を示す。
 上記式(100)中、Dはメルカプト基を含有する有機基を表す。なかでも、下記式(140)で表される基であることが好ましい。
  -(CH2m-SH   (140)
 上記式(140)中、mは1~10の整数を表し、なかでも、1~5の整数であることが好ましい。
 上記式(140)中、*は、結合位置を示す。
 上記式(140)で表される基の具体例としては、-CH2SH、-C24SH、-C36SH、-C48SH、-C510SH、-C612SH、-C714SH、-C816SH、-C918SH、-C1020SHが挙げられる。
 上記式(100)中、R1は炭素数1~4の1価の炭化水素基を表す。
 上記式(100)中、0≦a<1、0<b<1、0<c<3、0≦d<1、0≦e<2、かつ0<2a+b+c+d+e<4の関係を満たす。ただし、aおよびdが同時に0になることはない。
 上記式(100)中、aは、上記第2の発明の効果が向上するという理由から、0<a≦0.50であることが好ましい。
 上記式(100)中、bは、上記第2の発明の効果が向上するという理由から、0<bであることが好ましく、0.10≦b≦0.89であることがより好ましい。
 上記式(100)中、cは、上記第2の発明の効果が向上するという理由から、1.2≦c≦2.0であることが好ましい。
 上記式(100)中、dは、上記第2の発明の効果が向上するという理由から、0.1≦d≦0.8であることが好ましい。
 上記ポリシロキサンの重量平均分子量は、上記第2の発明の効果が向上するという理由から、500~2300であるのが好ましく、600~1500であるのがより好ましい。上記第2の発明における上記ポリシロキサンの分子量は、トルエンを溶媒とするゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によりポリスチレン換算で求めたものである。
 上記ポリシロキサンの酢酸/ヨウ化カリウム/ヨウ素酸カリウム添加-チオ硫酸ナトリウム溶液滴定法によるメルカプト当量は、加硫反応性に優れるという観点から、550~700g/molであるのが好ましく、600~650g/molであるのがより好ましい。
 上記ポリシロキサンは、上記第2の発明の効果が向上するという理由から、シロキサン単位(-Si-O-)を2~50個有するものであることが好ましい。
 なお、上記ポリシロキサンの骨格には、ケイ素原子以外の金属(例えば、Sn、Ti、Al)は存在しない。
 上記ポリシロキサンの製造方法は公知であり、例えば国際公開WO2014/002750号パンフレットに開示された方法にしたがって製造することができる。
 なお、上記第2の発明で使用されるシランカップリング剤は前記以外の含硫黄シランカップリング剤も使用できる。例えばビス(3-トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、3-トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド、γ-メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3-オクタノイルチオプロピルトリエトキシシラン等を例示することができる。
 式(100)で示される硫黄含有シランカップリング剤の配合量は、前記シリカに対して2~20質量%が好ましく、7~15質量%がさらに好ましい。
(上記第1の発明のゴム組成物の配合割合)
 上記第1の発明のゴム組成物は、ジエン系ゴム100質量部に対し、窒素吸着比表面積(NSA)が100~500m/gのカーボンブラックを50~200質量部、および酸価が30mgKOH/g以上かつ水酸基価が5mgKOH/g以上のテルペンフェノール樹脂を5~50質量部配合してなることを特徴とする。
 前記カーボンブラックの配合量が50質量部未満であると、発熱が低下し、ドライグリップ性能が悪化し、逆に200質量部を超えると、破断強度が低下し、耐摩耗性が悪化する。
 前記テルペンフェノール樹脂の配合量が5質量部未満であると、配合量が少な過ぎて上記第1の発明の効果を奏することができない。逆に50質量部を超えると、硬度の温度依存性が悪化するとともに、破断強度が低下し、耐摩耗性が悪化する。
 また、上記第1の発明のゴム組成物において、前記カーボンブラックの配合量は、ジエン系ゴム100質量部に対し、70~180質量部であることが好ましい。
 テルペンフェノール樹脂の配合量は、ジエン系ゴム100質量部に対し、10~40質量部であることが好ましい。
(その他成分)
 上記第1の発明におけるゴム組成物には、前記した成分に加えて、加硫又は架橋剤;加硫又は架橋促進剤;酸化亜鉛、シリカ、クレー、タルク、炭酸カルシウムのような各種充填剤;老化防止剤;可塑剤などのゴム組成物に一般的に配合されている各種添加剤を配合することができ、かかる添加剤は一般的な方法で混練して組成物とし、加硫又は架橋するのに使用することができる。これらの添加剤の配合量も、上記第1の発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。なお、上記第1の発明では、シリカを配合しなくてもよい。
(上記第2の発明のゴム組成物の配合割合)
 上記第2の発明のゴム組成物は、ジエン系ゴム100質量部に対し、CTAB比表面積が100~400m/gのシリカを75~200質量部、および酸価が30mgKOH/g以上かつ水酸基価が5mgKOH/g以上のテルペンフェノール樹脂を5~50質量部配合してなることを特徴とする。
 前記シリカの配合量が75質量部未満であると、ウェットグリップ性能が悪化し、逆に200質量部を超えると、破断強度が低下し、耐摩耗性が悪化する。
 前記テルペンフェノール樹脂の配合量が5質量部未満であると、配合量が少な過ぎて上記第2の発明の効果を奏することができない。逆に50質量部を超えると、ウォームアップ性能(低温時のウェットグリップ性能)が低下するとともに、破断強度が低下し、耐摩耗性が悪化する。
 また、上記第2の発明のゴム組成物において、前記シリカの配合量は、ジエン系ゴム100質量部に対し、100~180質量部であることが好ましい。
 テルペンフェノール樹脂の配合量は、ジエン系ゴム100質量部に対し、10~40質量部であることが好ましい。
(その他成分)
 上記第2の発明におけるゴム組成物には、前記した成分に加えて、加硫又は架橋剤;加硫又は架橋促進剤;酸化亜鉛、カーボンブラック、クレー、タルク、炭酸カルシウムのような各種充填剤;老化防止剤;可塑剤などのゴム組成物に一般的に配合されている各種添加剤を配合することができ、かかる添加剤は一般的な方法で混練して組成物とし、加硫又は架橋するのに使用することができる。これらの添加剤の配合量も、上記第2の発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。
 また本発明のゴム組成物は従来の空気入りタイヤの製造方法に従って空気入りタイヤを製造するのに適しており、キャップトレッド、とくに競技用空気入りタイヤのキャップトレッドに適用するのがよい。
 以下、本発明を実施例および比較例によりさらに説明するが、本発明は下記例に制限されるものではない。
標準例1、実施例1~5および比較例1~5
サンプルの調製
 表1に示す配合(質量部)において、加硫促進剤と硫黄を除く成分を1.7リットルの密閉式バンバリーミキサーで5分間混練し、ゴムをミキサー外に放出して室温冷却した。次いで、該ゴムを同ミキサーに再度入れ、加硫促進剤および硫黄を加えてさらに混練し、ゴム組成物を得た。次に得られたゴム組成物を所定の金型中で160℃、20分間プレス加硫して加硫ゴム試験片を得、以下に示す試験法で加硫ゴム試験片の物性を測定した。
 ドライグリップ性能:JIS K6394に基づき、(株)東洋精機製作所製の粘弾性スペクトロメーターを用いて、初期歪=10%、振幅=±2%、周波数=20Hzの条件下でtanδ(100℃)を測定し、この値をもってドライグリップ性能を評価した。結果は、標準例1を100として指数表示した。指数が大きいほど、ドライグリップ性能が良好であることを示す。
  硬度:JIS  K6253に準拠して20℃および100℃にて測定した。結果は、標準例1を100として指数表示した。指数が大きいほど、硬度が高いことを示す。20℃および100℃にて測定した硬度の差が小さいほど、熱ダレ性能に優れることを示す。
 破断強度:JIS K6251に準拠し、引張試験にて破断伸びを100℃で評価した。結果は標準例1の値を100として指数表示した。この指数が大きいほど破断強度に優れ、耐摩耗性にも優れることを示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
*1:SBR1(ZSエラストマー株式会社製Nipol NS460、スチレン量=25質量%、SBR100質量部にオイル成分37.5質量部を添加した油展品)
*2:SBR2(ZSエラストマー株式会社製Nipol NS522、スチレン量=39質量%、SBR100質量部にオイル成分37.5質量部を添加した油展品)
*3:カーボンブラック1(東海カーボン株式会社製シースト9、窒素吸着比表面積(NSA)=142m/g)
*4:カーボンブラック2(キャボットジャパン株式会社製ショウブラックN339、窒素吸着比表面積(NSA)=94m/g)
*5:カーボンブラック3(Columbian Chemicals社製CD2019、窒素吸着比表面積(NSA)=340m/g)
*6:樹脂1(JXエナジー社製ネオポリマー140S、C9樹脂)
*7:樹脂2(ヤスハラケミカル株式会社製YSポリスターT130、フェノール変性テルペン樹脂、酸価=0mgKOH/g、水酸基価=60mgKOH/g)
*8:樹脂3(ヤスハラケミカル株式会社製YSポリスターS145、フェノール変性テルペン樹脂、酸価=0mgKOH/g、水酸基価=100mgKOH/g)
*9:樹脂4(荒川化学工業株式会社製タマノル803L、テルペンフェノール樹脂、酸価=50mgKOH/g、水酸基価=15mgKOH/g)
*10:樹脂5(荒川化学工業株式会社製タマノル901、テルペンフェノール樹脂、酸価=50mgKOH/g、水酸基価=45mgKOH/g)
*11:液状SBR(Cray Valley社製RICON 100、重量平均分子量=6,400、スチレン量=25重量%、ビニル量=70質量%)
*12:オイル(昭和シェル石油株式会社製エキストラクト4号S)
*13:ステアリン酸(日油株式会社製ビーズステアリン酸YR)
*14:酸化亜鉛(正同化学工業株式会社製酸化亜鉛3種)
*15:老化防止剤(Solutia Europe社製Santoflex 6PP)
*16:加硫促進剤1(大内新興化学工業株式会社製ノクセラーCZ-G)
*17:加硫促進剤2(大内新興化学工業株式会社製ノクセラーTOT-N)
*18:硫黄(鶴見化学工業株式会社製金華印油入微粉硫黄)
 表1の結果から、実施例1~5のゴム組成物は、スチレン-ブタジエン共重合体ゴムを含むジエン系ゴムに対し、特定の窒素吸着比表面積(NSA)範囲を有するカーボンブラックと、特定の酸価および水酸基価範囲を有するテルペンフェノール樹脂とを特定量でもって配合したので、標準例1に比べて、ドライグリップ性能が向上し、破断強度が高まり耐摩耗性に優れ、かつ硬度の温度依存性も抑制されていることが分かる。
 これに対し、比較例1はカーボンブラックの窒素吸着比表面積(NSA)が上記第1の発明で規定する下限未満であるので、標準例1に比べてドライグリップ性能および破断強度が悪化している。
 比較例2はカーボンブラックの配合量が上記第1の発明で規定する上限を超えているので、標準例1に比べて破断強度が悪化している。
 比較例3および4は、テルペンフェノール樹脂の酸価が上記第1の発明で規定する下限未満であるので、標準例1に比べて破断強度が悪化している。
 比較例5はテルペンフェノール樹脂の配合量が上記第1の発明で規定する上限を超えているので、標準例1に比べて硬度の温度依存性および破断強度が悪化している。
標準例2、実施例6~10および比較例6~10
サンプルの調製
 表2に示す配合(質量部)において、加硫促進剤と硫黄を除く成分を1.7リットルの密閉式バンバリーミキサーで5分間混練し、ゴムをミキサー外に放出して室温冷却した。次いで、該ゴムを同ミキサーに再度入れ、加硫促進剤および硫黄を加えてさらに混練し、ゴム組成物を得た。次に得られたゴム組成物を所定の金型中で160℃、20分間プレス加硫して加硫ゴム試験片を得、以下に示す試験法で未加硫のゴム組成物および加硫ゴム試験片の物性を測定した。
 ウェットグリップ性能:JIS K6394:2007に準じて、粘弾性スペクトロメーター(東洋精機製作所製)を用い、伸張変形歪率10±2%、振動数20Hz、温度0℃の条件で、tanδ(0℃)を測定した。結果は、標準例2を100として指数表示した。指数が大きいほど、ウェットグリップ性能が良好であることを示す。
 ウォームアップ性能(低温時のウェットグリップ性能):前記未加硫のゴム組成物において、配合されたジエン系ゴム、樹脂成分およびオイル(前記ジエン系ゴムを油展しているオイルを含む)の平均Tgを算出した。なお平均Tgとは、前記各成分のTgの加重平均に基づき算出される値である。結果は、標準例2を100として指数表示した。指数が大きい場合、コンパウンドTgの上昇により、ウォームアップ性能(低温時のウェットグリップ性能)が低下することを示す。
 破断強度:JIS K6251に準拠し、引張試験にて破断伸びを100℃で評価した。結果は標準例2の値を100として指数表示した。この指数が大きいほど破断強度に優れ、耐摩耗性にも優れることを示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000002
*19:SBR1(旭化成社製商品名タフデンE680、スチレン量=36質量%、SBR100質量部にオイル成分37.5質量部を添加した油展品、該オイル成分を除くSBR1のTg=-15℃)
*20:SBR2(ZSエラストマー株式会社製Nipol NS522、スチレン量=39質量%、SBR100質量部にオイル成分37.5質量部を添加した油展品、該オイル成分を除くSBRのTg=-25℃)
*21:シリカ1(Evonik社製Ultrasil 7000GR、CTAB比表面積=160m/g)
*22:シリカ2(Solvay社製Zeosil 1085GR、CTAB比表面積=85m/g)
*23:カーボンブラック(キャボットジャパン株式会社製ショウブラックN339)
*24:樹脂1(JXエナジー社製ネオポリマー140S、C9樹脂)
*25:樹脂2(ヤスハラケミカル株式会社製YSポリスターT160、フェノール変性テルペン樹脂、酸価=0mgKOH/g、水酸基価=60mgKOH/g)
*26:樹脂3(ヤスハラケミカル株式会社製YSポリスターS145、フェノール変性テルペン樹脂、酸価=0mgKOH/g、水酸基価=100mgKOH/g)
*27:樹脂4(荒川化学工業株式会社製タマノル803L、テルペンフェノール樹脂、酸価=50mgKOH/g、水酸基価=15mgKOH/g)
*28:樹脂5(荒川化学工業株式会社製タマノル901、テルペンフェノール樹脂、酸価=50mgKOH/g、水酸基価=45mgKOH/g)
*29:硫黄含有シランカップリング剤1(Evonik Degussa社製Si69、ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド)
*30:硫黄含有シランカップリング剤2(国際公開WO2014/002750号パンフレットに開示された合成例1に従って合成した、上記式(100)を満たす化合物。組成式=(-C36-S4-C36-)0.083(-C8170.667(-OC251.50(-C36SH)0.167SiO0.75、平均分子量=860)
*31:オイル(昭和シェル石油株式会社製エキストラクト4号S)
*32:ステアリン酸(日油株式会社製ビーズステアリン酸YR)
*33:酸化亜鉛(正同化学工業株式会社製酸化亜鉛3種)
*34:老化防止剤(Solutia Europe社製Santoflex 6PP)
*35:加硫促進剤1(大内新興化学工業株式会社製ノクセラーCZ-G)
*36:加硫促進剤2(大内新興化学工業株式会社製ノクセラーTOT-N)
*37:硫黄(鶴見化学工業株式会社製金華印油入微粉硫黄)
 表2の結果から、実施例6~10のゴム組成物は、特定範囲のガラス転移温度(Tg)を有するスチレン-ブタジエン共重合体ゴムを含むジエン系ゴムに対し、特定のCTAB比表面積範囲を有するシリカと、特定の酸価および水酸基価範囲を有するテルペンフェノール樹脂とを特定量でもって配合したので、標準例2に比べて、ウェットグリップ性能、ウォームアップ性能(低温時のウェットグリップ性能)が向上し、かつ破断強度が高まり耐摩耗性に優れていることが分かる。
 これに対し、比較例6はシリカのCTAB比表面積が上記第2の発明で規定する下限未満であるので、標準例2に比べて破断強度が悪化している。
 比較例7はシリカの配合量が上記第2の発明で規定する上限を超えているので、標準例2に比べて破断強度が悪化している。
 比較例8および9は、テルペンフェノール樹脂の酸価が上記第2の発明で規定する下限未満であるので、標準例2に比べてウォームアップ性能(低温時のウェットグリップ性能)および破断強度が悪化している。
 比較例10はテルペンフェノール樹脂の配合量が上記第2の発明で規定する上限を超えているので、標準例2に比べてウォームアップ性能(低温時のウェットグリップ性能)および破断強度が悪化している。

Claims (8)

  1.  スチレン-ブタジエン共重合体ゴムを含むジエン系ゴム100質量部に対し、
     窒素吸着比表面積(NSA)が100~500m/gのカーボンブラックを50~200質量部、および
     酸価が30mgKOH/g以上かつ水酸基価が5mgKOH/g以上のテルペンフェノール樹脂を5~50質量部配合してなる
    ことを特徴とするタイヤ用ゴム組成物。
  2.  前記スチレン-ブタジエン共重合体ゴムのスチレン量が30質量%以上であることを特徴とする請求項1に記載のタイヤ用ゴム組成物。
  3.  さらにガラス転移温度(Tg)が-40℃以上の液状芳香族ビニル-共役ジエン系ゴムを配合してなることを特徴とする請求項1に記載のタイヤ用ゴム組成物。
  4.  ガラス転移温度(Tg)が-20℃以上のスチレン-ブタジエン共重合体ゴムを含むジエン系ゴム100質量部に対し、
     CTAB比表面積が100~400m/gのシリカを75~200質量部、および
     酸価が30mgKOH/g以上かつ水酸基価が5mgKOH/g以上のテルペンフェノール樹脂を5~50質量部配合してなる
    ことを特徴とするタイヤ用ゴム組成物。
  5.  前記スチレン-ブタジエン共重合体ゴムのスチレン量が30質量%以上であることを特徴とする請求項4に記載のタイヤ用ゴム組成物。
  6.  さらに、下記式(100)で示される硫黄含有シランカップリング剤を、前記シリカに対して2~20質量%配合してなることを特徴とする請求項4に記載のタイヤ用ゴム組成物。
    (A)a(B)b(C)c(D)d(R1)eSiO(4-2a-b-c-d-e)/2  (100)
    (式(100)中、Aはスルフィド基を含有する2価の有機基、Bは炭素数5~10の1価の炭化水素基、Cは加水分解性基、Dはメルカプト基を含有する有機基、R1は炭素数1~4の1価の炭化水素基を表し、0≦a<1、0<b<1、0<c<3、0≦d<1、0≦e<2、かつ0<2a+b+c+d+e<4の関係を満たす。ただし、aおよびdが同時に0になることはない。)
  7.  タイヤキャップトレッドに用いられる、請求項1または4に記載のタイヤ用ゴム組成物。
  8.  請求項1または4に記載のタイヤ用ゴム組成物をキャップトレッドに使用した空気入りタイヤ。
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