JP2016056236A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Shigeki Otsubo
茂幹 大坪
隆行 永瀬
Takayuki Nagase
隆行 永瀬
郭葵 中島
Hiroki Nakajima
郭葵 中島
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Abstract

【課題】ウェットグリップ性能、ドライグリップ性能及び耐摩耗性がバランス良く改善された空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】ゴム成分と、無溶剤型アクリル樹脂と、素練り促進剤、熱可塑性アクリル酸エステル系ポリマー及びテルペンフェノール樹脂からなる群より選択される少なくとも1種とを含有し、前記ゴム成分100質量部に対して、前記無溶剤型アクリル樹脂の含有量が1〜100質量部であるゴム組成物を用いて作製したトレッドを有する空気入りタイヤに関する。
【選択図】なし

Description

本発明は、ゴム組成物を用いて作製したトレッドを有する空気入りタイヤに関する。
高性能ウェットタイヤに用いられるトレッドゴムには、良好なウェットグリップ性能が強く求められており、トレッドゴム組成物にシリカを配合する方法が広く使われてきた。
ウェットグリップ性能を向上させる他の方法として、トレッドゴム組成物において、低軟化点樹脂や液状ポリマー等の配合量を増量する方法や、耐寒性可塑剤を配合する方法が検討されている。
また、更なるウェットグリップ性能の向上のために、水酸化アルミニウムを配合する方法も検討されている。しかし、これらの方法では、路面がドライアップした場合のグリップ性能(本発明において、「ドライグリップ性能」と言う。)や耐摩耗性が悪くなる傾向にあり、ウェットグリップ性能、ドライグリップ性能及び耐摩耗性をバランス良く改善する技術の開発が求められている。
特開2000−159935号公報
本発明は、前記課題を解決し、ウェットグリップ性能、ドライグリップ性能及び耐摩耗性がバランス良く改善された空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明は、ゴム成分と、無溶剤型アクリル樹脂と、素練り促進剤、熱可塑性アクリル酸エステル系ポリマー及びテルペンフェノール樹脂からなる群より選択される少なくとも1種とを含有し、前記ゴム成分100質量部に対して、前記無溶剤型アクリル樹脂の含有量が1〜100質量部であるゴム組成物を用いて作製したトレッドを有する空気入りタイヤに関する。
前記無溶剤型アクリル樹脂のガラス転移点(Tg)が、−80〜20℃であることが好ましい。
前記無溶剤型アクリル樹脂の重量平均分子量(Mw)が、1000〜20000であることが好ましい。
前記無溶剤型アクリル樹脂が、無溶剤型オールアクリル樹脂であることが好ましい。
前記ゴム成分100質量部に対して、前記素練り促進剤の含有量が0.5〜10質量部であることが好ましい。
前記素練り促進剤が、芳香族メルカプタン系、芳香族ジスルフィド系、及び芳香族メルカプタン金属塩系からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
前記ゴム成分100質量部に対して、前記熱可塑性アクリル酸エステル系ポリマーの含有量が1〜60質量部であることが好ましい。
前記熱可塑性アクリル酸エステル系ポリマーのガラス転移点(Tg)が、−60〜20℃であることが好ましい。
前記熱可塑性アクリル酸エステル系ポリマーの重量平均分子量(Mw)が、100000〜1200000であることが好ましい。
前記熱可塑性アクリル酸エステル系ポリマーが、懸濁重合で製造されたものであることが好ましい。
前記ゴム成分100質量部に対して、前記テルペンフェノール樹脂の含有量が10〜50質量部であることが好ましい。
前記無溶剤型アクリル樹脂の含有量が、前記テルペンフェノール樹脂の含有量以下の量であることが好ましい。
前記テルペンフェノール樹脂の酸価が、10〜300mgKOH/gであることが好ましい。
前記テルペンフェノール樹脂の軟化点が、50〜150℃であることが好ましい。
前記ゴム組成物が、カーボンブラックと、シリカと、下記式で表され、平均一次粒子径が10μm以下である無機化合物とを含有し、前記ゴム成分100質量部に対して、前記カーボンブラックの含有量が10〜50質量部、前記シリカの含有量が30〜100質量部、前記無機化合物の含有量が5〜30質量部であることが好ましい。
kM・xSiO・zH
(式中、MはAl、Mg、Ti及びCaからなる群より選ばれた少なくとも1つの金属、該金属の酸化物又は水酸化物であり、kは1〜5の整数、xは0〜10の整数、yは2〜5の整数、zは0〜10の整数である。)
前記無機化合物が水酸化アルミニウムであることが好ましい。
前記空気入りタイヤが高性能タイヤであることが好ましい。
前記空気入りタイヤが高性能ウェットタイヤであることが好ましい。
本発明によれば、ゴム成分と、所定量の無溶剤型アクリル樹脂と、素練り促進剤、熱可塑性アクリル酸エステル系ポリマー及びテルペンフェノール樹脂からなる群より選択される少なくとも1種とを含むゴム組成物を用いて作製したトレッドを有する空気入りタイヤであるので、ウェットグリップ性能、ドライグリップ性能及び耐摩耗性がバランス良く改善されている。
本発明の空気入りタイヤは、ゴム成分と、所定量の無溶剤型アクリル樹脂と、素練り促進剤、熱可塑性アクリル酸エステル系ポリマー及びテルペンフェノール樹脂からなる群より選択される少なくとも1種とを含むゴム組成物を用いて作製したトレッドを有する。
従来から、グリップ性能の改善のために樹脂が配合されてきたが、従来配合されていた樹脂では、樹脂の配合により粘弾性特性が改善される結果、グリップ性能が改善されているものと推測される。すなわち、グリップ性能の改善は、配合した樹脂の軟化点に依存するものと推測される。そのため、ウェット路面とドライ路面のように、ゴム温度が大きく変化する条件でのグリップを同時に発揮することは困難であった。
一方、本発明が鋭意検討した結果、無溶剤型アクリル樹脂を配合することにより、この粘弾性特性の改善によるグリップ性能の改善に加えて、トレッドゴムの路面への粘着性を付与できることによってもグリップ性能を改善できるため、ウェット路面とドライアップ路面でのグリップ性能を同時に改善することが可能であったが、耐摩耗性については未だ改善の余地があった。
本発明では、無溶剤型アクリル樹脂と共に、更に素練り促進剤、熱可塑性アクリル酸エステル系ポリマー及びテルペンフェノール樹脂からなる群より選択される少なくとも1種を用いることにより、無溶剤型アクリル樹脂を単独で用いた場合に比べ、ウェットグリップ性能、ドライグリップ性能及び耐摩耗性をよりバランス良く改善することができる。なお、本明細書では、単にグリップ性能と記載した場合は、ウェットグリップ性能、ドライグリップ性能の両方を意味する。
本発明で使用できるゴム成分としては、例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、スチレンイソプレンブタジエンゴム(SIBR)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、ブチルゴム(IIR)等のジエン系ゴムが挙げられる。ゴム成分は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、グリップ性能及び耐摩耗性がバランスよく得られるという理由からNR、BR、SBRが好ましく、SBRがより好ましい。
SBRとしては、特に限定されず、例えば、乳化重合スチレンブタジエンゴム(E−SBR)、溶液重合スチレンブタジエンゴム(S−SBR)等を使用できる。なかでも、本発明の効果が良好に得られるという点から、S−SBRが好ましい。
SBRのスチレン含有量は、好ましくは20質量%以上、より好ましくは25質量%以上、更に好ましくは30質量%以上、特に好ましくは35質量%以上である。20質量%未満であると、充分なウェットグリップ性能が得られない傾向がある。また、上記スチレン含有量は、好ましくは60質量%以下、より好ましくは50質量%以下である。60質量%を超えると、耐摩耗性が低下するだけでなく、温度依存性が増大し、温度変化に対する性能変化が大きくなってしまう傾向がある。なお、本発明において、SBRのスチレン含有量は、H−NMR測定により算出される。
SBRを配合する場合、ゴム成分100質量%中のSBRの含有量は、好ましくは10質量%以上、より好ましくは60質量%以上、更に好ましくは80質量%以上、特に好ましくは90質量%以上、最も好ましくは100質量%である。10質量%未満であると、十分な耐熱性が得られない傾向がある。ここで、ゴム成分の量、SBRの量は、それぞれの固形分の量を意味する。
本発明に係るゴム組成物は、無溶剤型アクリル樹脂を含有する。これにより、良好な耐摩耗性を維持しつつ、ウェットグリップ性能やドライグリップ性能を向上できる。
本発明において、無溶剤型アクリル樹脂は、副原料となる重合開始剤、連鎖移動剤、有機溶媒などを極力使用せずに、高温連続重合法(高温連続塊重合法)(米国特許第4,414,370号明細書、特開昭59−6207号公報、特公平5−58005号公報、特開平1−313522号公報、米国特許第5,010,166号明細書、東亜合成研究年報TREND2000第3号p42−45等に記載の方法)により合成された(メタ)アクリル系樹脂(重合体)である。なお、本発明において、(メタ)アクリルは、メタクリル及びアクリルを意味する。
上記(メタ)アクリル系樹脂は、その製法に起因して、実質的に副原料となる重合開始剤、連鎖移動剤、有機溶媒などを含まない。また、上記(メタ)アクリル系樹脂は、連続重合により得られるため、組成分布や分子量分布が比較的狭い。上記(メタ)アクリル系樹脂のこのような性質により、本発明の効果が好適に得られるものと推測される。
上記(メタ)アクリル系樹脂を構成するモノマー成分としては、例えば、(メタ)アクリル酸や、(メタ)アクリル酸エステル(アルキルエステル、アリールエステル、アラルキルエステルなど)、(メタ)アクリルアミド、及び(メタ)アクリルアミド誘導体などの(メタ)アクリル酸誘導体が挙げられる。なお、(メタ)アクリル酸は、アクリル酸及びメタクリル酸の総称である。
また、上記(メタ)アクリル系樹脂を構成するモノマー成分として、(メタ)アクリル酸や(メタ)アクリル酸誘導体と共に、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルナフタレン、ジビニルベンゼン、トリビニルベンゼン、ジビニルナフタレンなどの芳香族ビニルを使用してもよい。
無溶剤型アクリル樹脂は、(メタ)アクリル成分のみで構成される樹脂(オールアクリル樹脂(無溶剤型オールアクリル樹脂))であっても、(メタ)アクリル成分以外の成分をも構成要素とする樹脂(例えば、(メタ)アクリル成分と共にスチレンに由来する成分を構成要素とするスチレンアクリル樹脂(無溶剤型スチレンアクリル樹脂))であっても良いが、本発明の効果がより好適に得られるという理由から、オールアクリル樹脂(無溶剤型オールアクリル樹脂)であることが好ましい。
また、無溶剤型アクリル樹脂は、水酸基、カルボキシル基、シラノール基等を有していてよいが、ウェットグリップ性能、ドライグリップ性能、耐摩耗性等をより好適に向上する観点から、官能基を有さないことが好ましい。
無溶剤型アクリル樹脂の市販品としては、特に限定されないが、例えば東亞合成(株)製のARUFONシリーズ(UP−1000、UP−1010、UP−1020、UP−1021、UP−1061、UP−1070、UP−1080、UP−1110、UP−1170、UH−2032、UH−2041、UH−2170、UC3900、UCX−3510)等が挙げられる。
無溶剤型アクリル樹脂のガラス転移点(Tg)(℃/DSC)は、好ましくは−80℃以上、より好ましくは−70℃以上である。また、該Tgは、好ましくは20℃以下、より好ましくは0℃以下、更に好ましくは−20℃以下、特に好ましくは−40℃以下、ウェットグリップ性能、ドライグリップ性能、耐摩耗性等を向上する観点から、最も好ましくは−55℃以下である。−80℃未満であると、ウェットグリップ性能の向上効果は得られるものの、ドライグリップ性能、耐摩耗性が良好に得られないおそれがあり、20℃を超えると、ドライグリップ性能の向上効果は得られるものの、ウェットグリップ性能、耐摩耗性が良好に得られないおそれがある。
なお、本発明において、無溶剤型アクリル樹脂のガラス転移点は、JIS−K7121に従い、昇温速度10℃/分の条件で示差走査熱量測定(DSC)を行なって測定される値である。
無溶剤型アクリル樹脂が官能基を有する場合、無溶剤型アクリル樹脂の酸価は、好ましくは15mgKOH/g以上、より好ましくは40mgKOH/g以上、更に好ましくは70mgKOH/g以上であり、特に好ましくは100mgKOH/g以上である。また、該酸価は、好ましくは250mgKOH/g以下、より好ましくは200mgKOH/g以下、更に好ましくは150mgKOH/g以下である。15mgKOH/g未満であると、ドライグリップ性能が良好に得られないおそれがあり、250mgKOH/gを超えると、ジエン系ゴム成分との相溶性が悪くなり、十分な破壊特性が得られず、耐摩耗性が著しく悪化するおそれがある。
なお、本発明において、無溶剤型アクリル樹脂の酸価とは、無溶剤型アクリル樹脂1g中に含まれる酸を中和するのに要する水酸化カリウムの量をミリグラム数で表したものであり、電位差滴定法(JIS K 0070:1992)により測定した値である。
無溶剤型アクリル樹脂の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは1000以上、より好ましくは2000以上、ウェットグリップ性能、ドライグリップ性能、耐摩耗性を向上する観点からは、更に好ましくは4000以上、特に好ましくは7000以上である。また、該Mwは、好ましくは20000以下、より好ましくは15000以下、更に好ましくは10000以下である。1000未満であると、ドライグリップ性能が良好に得られないおそれがあり、20000を超えると、ゴム成分との混合が十分にはならず、破壊強度の低下を生じるおそれがある。
なお、本発明において、無溶剤型アクリル樹脂のMwは、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定したポリスチレン換算値である。
上述のように、無溶剤型アクリル樹脂は、実質的に副原料となる重合開始剤、連鎖移動剤、有機溶媒などを含まないために、純度が高い。無溶剤型アクリル樹脂の純度(該樹脂中に含まれる樹脂の割合)は、好ましくは95質量%以上、より好ましくは97質量%以上である。
無溶剤型アクリル樹脂の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、1質量部以上、好ましくは5質量部以上である。また、該含有量は、100質量部以下、好ましくは70質量部以下、より好ましくは50質量部以下、更に好ましくは30質量部以下である。1質量部未満であると、十分な粘着効果が得られず、ウェットグリップ性能及びドライグリップ性能の向上が共に得られず、100質量部を超えると、十分な破壊特性が得られず、耐摩耗性が著しく悪化する。
本発明に係るゴム組成物は、素練り促進剤、熱可塑性アクリル酸エステル系ポリマー及びテルペンフェノール樹脂からなる群より選択される少なくとも1種を含有する。
本発明にかかるゴム組成物が無溶剤型アクリル樹脂と共に素練り促進剤を含有する場合、素練り促進剤によって、無溶剤型アクリル樹脂をゴム成分にグラフト化することができ、無溶剤型アクリル樹脂を配合したことにより得られる良好なグリップ性能を更に改善し、耐摩耗性も改善できる結果、ウェットグリップ性能、ドライグリップ性能及び耐摩耗性を同時に高次元に向上できる。
素練り促進剤とは、通常、素練り時間を短縮する目的で、ゴムの素練り工程において加えられる薬剤をいい、しゃく解剤又はペプタイザーともいう。本発明では、本発明の効果が良好に得られるという観点から、素練り促進剤は、ゴム成分、無溶剤型アクリル樹脂と共に混練されることが好ましい。
素練り促進剤としては、例えば、芳香族メルカプタン系、芳香族ジスルフィド系、芳香族メルカプタン金属塩系等の従来タイヤ用ゴム組成物で使用されてきたものを好適に使用できる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、無溶剤型アクリル樹脂のグラフト化を促進させる力が強いという点から、芳香族ジスルフィド系、芳香族メルカプタン金属塩系が好ましく、グラフト化を促進させる力が幅広い温度で変わらないという点から、芳香族ジスルフィド系がより好ましい。
芳香族メルカプタン系としては、例えば、キシレンチオール、ペンタクロロチオフェノール、β−ナフチルメルカプタン、p−t−ブチルチオフェノール、t−ブチル−o−チオクレゾール、o−ベンズアミドチオフェノール等が挙げられる。芳香族ジスルフィド系としては、例えば、o,o’−ジベンズアミドジフェニルジスルフィド、ビス(2,4−ジメチルフェニル)ジスルフィド等が挙げられる。芳香族メルカプタン金属塩系としては、上記芳香族メルカプタン系の金属塩(亜鉛塩等)が挙げられる。なかでも、耐摩耗性を向上する観点から、o,o’−ジベンズアミドジフェニルジスルフィドが好ましく、ウェットグリップ性能を向上する観点から、o,o’−ジベンズアミドジフェニルジスルフィドとステアリン酸との混合物がより好ましい。
素練り促進剤の市販品としては、特に限定されないが、例えば、大内新興化学工業(株)製のノクタイザーSS(o,o’−ジベンズアミドジフェニルジスルフィド)、SZ(o−ベンズアミドチオフェノールの亜鉛塩)、SD(o,o’−ジベンズアミドジフェニルジスルフィドとステアリン酸等の添加物との混合物)、SM、SX、SK、SZK等が挙げられる。
素練り促進剤の融点は、好ましくは40℃以上、より好ましくは45℃以上である。また、該融点は、好ましくは160℃以下、より好ましくは150℃以下であり、ウェットグリップ性能、耐摩耗性を向上する観点から、更に好ましくは100℃以下、特に好ましくは70℃以下である。40℃未満であると、環境温度が高い場合にブロッキングが生じる恐れがあり、160℃を超えると、ゴム練り中に溶解せずに無溶剤型アクリル樹脂のゴム成分へのグラフト化を促進しない恐れがある。
なお、本発明において、素練り促進剤の融点は、JIS−K6220の目視法に従って測定される値である。
素練り促進剤を配合する場合、素練り促進剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1質量部以上である。また、該含有量は、好ましくは10質量部以下、より好ましくは5質量部以下である。0.5質量部未満であると、十分なグラフト化効果が得られず、耐摩耗性の向上及びグリップ性能の向上が共に得られず、10質量部を超えると、ゴム成分の素練りが著しく進行することで、十分な破壊特性が得られず、耐摩耗性が悪化する恐れがある。
本発明に係るゴム組成物が、無溶剤型アクリル樹脂と共に熱可塑性アクリル酸エステル系ポリマーを含有する場合、熱可塑性アクリル酸エステル系ポリマーによって、更にドライアップ路面での粘着性を付与でき、ドライグリップ性能の大幅な改善が可能となる。また、熱可塑性アクリル酸エステル系ポリマーが有する高い分子量によって、トレッドゴムの破壊特性を改善することにより、耐摩耗性の改善も可能となる結果、ウェットグリップ性能、ドライグリップ性能及び耐摩耗性を高次元で両立できる。
本発明において、熱可塑性アクリル酸エステル系ポリマーは、懸濁重合で製造されたものである。
上記熱可塑性アクリル酸エステル系ポリマーは、懸濁重合で製造されるため、他の重合法で製造された場合よりも、低分子量成分及び残存モノマーが少なく、分子量分布がよりシャープなものを得ることができ、これによりゴム組成物の破壊特性、耐摩耗性を向上させることができる。
熱可塑性アクリル酸エステル系ポリマーを構成する成分としては、アクリル酸ブチル、アクリル酸エチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル等のアクリル酸エステル(アルキルエステル、アリールエステル、アラルキルエステルなど)が挙げられる。アクリル酸エステル以外にも、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸誘導体、アクリロニトリル、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルナフタレン、ジビニルベンゼン、トリビニルベンゼン、ジビニルナフタレン等が含まれていてもよい。
熱可塑性アクリル酸エステル系ポリマーは、本発明の効果がより好適に得られるという理由からアクリル酸ブチル成分が主成分として構成されているものが好ましい。
また熱可塑性アクリル酸エステル系ポリマーは、水酸基、カルボキシル基、シラノール基等を有していてもよく、なかでも水酸基を有することが好ましい。
熱可塑性アクリル酸エステル系ポリマーの市販品としては、特に限定されないが、例えば根上工業(株)製のパラクロンシリーズ(SN−50、AS−3000E、ME−2000、W−116.3、W−248E、W−197C、パンロン2012)等が挙げられる。
熱可塑性アクリル酸エステル系ポリマーのガラス転移点(Tg)(℃/DSC)は、好ましくは−60℃以上、より好ましくは−50℃以上、ドライグリップ性能を向上する観点から、更に好ましくは−40℃以上である。また、該Tgは、好ましくは20℃以下、より好ましくは0℃以下、更に好ましくは−20℃以下、特に好ましくは−30℃以下、ウェットグリップ性能を向上する観点から、最も好ましくは−40℃以下である。該Tgが−60℃未満であると、初期グリップ性能の向上効果は得られるものの、走行中の安定したグリップ性能が得られない恐れがあり、20℃を超えると、走行中の安定したグリップ性能の向上効果は得られるものの、初期グリップ性能の改善が十分に得られない恐れがある。
なお、本発明において、熱可塑性アクリル酸エステル系ポリマーのTgは、JIS−K7121に従い、昇温速度10℃/分の条件で示差走査熱量測定(DSC)を行なって測定される値である。
熱可塑性アクリル酸エステル系ポリマーの重量平均分子量(Mw)は、好ましくは100000以上、より好ましくは400000以上、ウェットグリップ性能を向上する観点から、更に好ましくは750000以上である。また、該Mwは、好ましくは1200000以下、より好ましくは1000000以下、ドライグリップ性能を向上する観点から、更に好ましくは700000以下である。該Mwが100000未満であると、十分な破壊強度を確保できず、耐摩耗性の改善が得られないおそれがあり、1200000を超えると、初期グリップ性能の改善が十分に得られないおそれがある。
なお、本発明において、熱可塑性アクリル酸エステル系ポリマーのMwは、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定したポリスチレン換算値である。
熱可塑性アクリル酸エステル系ポリマーを配合する場合、該熱可塑性アクリル酸エステル系ポリマーの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは5質量部以上、更に好ましくは10質量部以上である。また、該含有量は、好ましくは60質量部以下、より好ましくは50質量部以下、更に好ましくは30質量部以下である。該含有量が1質量部未満であると、十分な粘着効果が得られず、ドライグリップ性能の向上が得られないおそれがあり、60質量部を超えると、破壊特性の悪化が生じ耐摩耗性の大きな低下を生じるおそれがある。
本発明に係るゴム組成物が、無溶剤型アクリル樹脂と共にテルペンフェノール樹脂を含有する場合、テルペンフェノール樹脂によって、無溶剤型アクリル樹脂の一部を改質し、ゴム成分との相溶性を向上させることにより、無溶剤型アクリル樹脂を配合したことにより得られる良好なグリップ性能を更に改善し、耐摩耗性も改善できる結果、耐摩耗性、ウェットグリップ性能及びドライグリップ性能をバランス良く向上させることができる。
本発明においてテルペンフェノール樹脂は、テルペン化合物と、フェノール系化合物との共重合体である。テルペン化合物は、一般に、イソプレン(C)の重合体で、モノテルペン(C1016)、セスキテルペン(C1524)、ジテルペン(C2032)などに分類されるテルペンを基本骨格とする化合物であり、例えば、α−ピネン、β−ピネン、ジペンテン、リモネン、ミルセン、アロオシメン、オシメン、α−フェランドレン、α−テルピネン、γ−テルピネン、テルピノレン、1,8−シネオール、1,4−シネオール、α−テルピネオール、β−テルピネオール、γ−テルピネオール、カンフェン、トリシクレン、サビネン、パラメンタジエン類、カレン類などが挙げられる。これらは、一般に植物の葉、茎、根等から得られる植物精油に含まれるテルペン化合物を主モノマーとして重合された化合物を指す。フェノール系化合物としては、例えば、フェノール、ビスフェノールA、クレゾール、キシレノール等が挙げられる。
テルペンフェノール樹脂の市販品としては、特に限定されないが、ヤスハラケミカル(株)製のYSポリスター2000、YSポリスターU、YSポリスターT、YSポリスターS、YSポリスターS、荒川化学工業(株)製のタマノル803L、901、住友ベークライト(株)製のスミライトレジンPR12603、PR51732等が挙げられる。
テルペンフェノール樹脂の酸価は、好ましくは10mgKOH/g以上、より好ましくは35mgKOH/g以上、更に好ましくは60mgKOH/g以上である。また、該酸価は、好ましくは300mgKOH/g以下、より好ましくは250mgKOH/g以下、更に好ましくは200mgKOH/g以下、特に好ましくは150mgKOH/g以下、最も好ましくは90mgKOH/g以下である。10mgKOH/g未満では十分な無溶剤型アクリル樹脂の改質効果及び良好なウェットグリップ性能が得られないおそれがあり、300mgKOH/gを超えると、ゴム成分との相溶性が悪くなり十分な破壊特性が得られず、耐摩耗性が著しく悪化するおそれがある。
なお、本発明において、テルペンフェノール樹脂の酸価とは、テルペンフェノール樹脂1g中に含まれる酸を中和するのに要する水酸化カリウムの量をミリグラム数で表したものであり、電位差滴定法(JIS K 0070:1992)により測定した値である。
テルペンフェノール樹脂の軟化点は、好ましくは50℃以上、より好ましくは70℃以上であり、ドライグリップ性能、耐摩耗性を向上する観点からは、更に好ましくは90℃以上である。また、該軟化点は、好ましくは150℃以下、より好ましくは130℃以下、更に好ましくは110℃以下、ウェットグリップ性能を向上する観点からは、特に好ましくは90℃以下である。50℃未満では十分なウェットグリップ性能を得ることが出来ないおそれがある。また、150℃を超えると、ドライグリップ性能を得ることが出来るものの、ウェットグリップ性能が著しく低下するおそれがある。
なお、本発明において、テルペンフェノール樹脂の軟化点は、JIS K 6220−1:2001に規定される軟化点を環球式軟化点測定装置で測定し、球が降下した温度である。
テルペンフェノール樹脂を配合する場合、該テルペンフェノール樹脂の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは10質量部以上、より好ましくは15質量部以上である。また、該含有量は、好ましくは50質量部以下、より好ましくは45質量部以下、更に好ましくは40質量部以下、特に好ましくは35質量部以下である。10質量部未満であると、十分な改質効果が得られず、ウェットグリップ性能及びドライグリップ性能の向上が共に得られず、50質量部を超えると、十分な破壊特性が得られず、耐摩耗性が著しく悪化するおそれがある。
無溶剤型アクリル樹脂の含有量(ゴム成分100質量部に対する含有量(質量部))は、テルペンフェノール樹脂の含有量(ゴム成分100質量部に対する含有量(質量部))以下の量であることが好ましく、テルペンフェノール樹脂の含有量の3/4以下の量であることがより好ましい。これにより、本発明の効果をより良好に得られる。
本発明では、無溶剤型アクリル樹脂と、素練り促進剤、熱可塑性アクリル酸エステル系ポリマー及びテルペンフェノール樹脂からなる群より選択される少なくとも1種と共に、クマロン系樹脂、芳香族系石油樹脂、芳香族ビニル重合体(α−メチルスチレン及び/又はスチレンを重合して得られる樹脂)など、従来タイヤ用ゴム組成物で慣用される樹脂(以下においては、他の樹脂ともいう)も使用できる。なかでも、本発明の効果がより良好に得られるという観点から、クマロン系樹脂を好適に使用できる。
クマロン系樹脂としては、クマロンを構成成分とする樹脂であれば特に限定されないが、例えば、クマロン樹脂、クマロンインデン樹脂等が挙げられる。なかでも、クマロンインデン樹脂が好ましい。
上記他の樹脂の軟化点は、好ましくは60℃以上、より好ましくは70℃以上である。また、該軟化点は、好ましくは120℃以下、より好ましくは110℃以下である。60℃未満であると、ドライグリップ性能が低下するおそれがあり、120℃を超えると、ウェットグリップ性能が低下するおそれがある。
なお、本発明において、上記他の樹脂の軟化点は、JIS K 6220−1:2001に規定される軟化点を環球式軟化点測定装置で測定し、球が降下した温度である。
上記他の樹脂を配合する場合、上記他の樹脂の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは10〜50質量部以下、より好ましくは15〜40質量部である。上記他の樹脂の含有量が上記範囲内であると、ウェットグリップ性能、ドライグリップ性能をより高次元に改善できる。
本発明では、ウェットグリップ性能、ドライグリップ性能などの観点から、軟化剤を配合することが好ましい。軟化剤としては特に限定されないが、耐寒性可塑剤、オイル、液状ジエン系重合体などが挙げられる。
耐寒性可塑剤としては、アジピン酸ジブチル(DBA)、アジピン酸ジイソブチル(DIBA)、アジピン酸ジオクチル(DOA)、アゼライン酸ジ2−エチルヘキシル(DOZ)、セバシン酸ジブチル(DBS)、アジピン酸ジイソノニル(DINA)、フタル酸ジエチル(DEP)、フタル酸ジオクチル(DOP)、フタル酸ジウンデシル(DUP)、フタル酸ジブチル(DBP)、セバシン酸ジオクチル(DOS)、リン酸トリブチル(TBP)、リン酸トリオクチル(TOP)、リン酸トリエチル(TEP)、リン酸トリメチル(TMP)、チミジントリリン酸(TTP)、リン酸トリクレシル(TCP)、リン酸トリキシレニル(TXP)等のエステル系可塑剤(エステル基を有する可塑剤)が挙げられ、低温時における可塑効果と耐摩耗性のバランスから、TOPが好ましい。
耐寒性可塑剤の凝固点は、好ましくは−100℃以上、より好ましくは−80℃以上である。また、該凝固点は、好ましくは0℃以下、より好ましくは−20℃以下、更に好ましくは−50℃以下である。−100℃未満であると、ウェットグリップ性能の向上は得られるものの、ドライグリップ性能が得られないおそれがあり、0℃を超えると、ドライグリップ性能の向上は得られるものの、ウェットグリップ性能が得られないおそれがある。
なお、本発明において、耐寒性可塑剤の凝固点は、下記方法で測定された値である。
試料(可塑剤)をアルミニウムセルの中に密閉し、当該アルミニウムセルを示差走査熱量測定器((株)島津製作所製、DSC−60A)のサンプルホルダーに挿入した後、当該サンプルホルダーを窒素雰囲気下10℃/分で150℃まで加熱しながら吸熱ピークを観察し、得られた吸熱ピークを凝固点とした。
耐寒性可塑剤を配合する場合、耐寒性可塑剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、5質量部以上が好ましく、7質量部以上がより好ましく、10質量部以上が更に好ましい。また、該含有量は、50質量部以下が好ましく、40質量部以下がより好ましく、30質量部以下が更に好ましく、20質量部以下が特に好ましい。5質量部未満であると、低温時における可塑効果が十分に発揮されず、ウェットグリップ性能が低下し、50質量部を超えると、耐摩耗性が著しく低下する。
オイルとしては、例えば、パラフィン系、アロマ系、ナフテン系プロセスオイルなどのプロセスオイルが挙げられる。
オイルを配合する場合、オイルの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは20質量部以上、より好ましくは40質量部以上である。また、該含有量は、好ましくは80質量部以下、より好ましくは60質量部以下である。20質量部未満では、添加による効果が得られないおそれがあり、80質量部を超えると、耐摩耗性が悪化する傾向がある。なお、本明細書において、オイルの含有量には、油展ゴムに含まれるオイル量も含まれる。
液状ジエン系重合体は、常温(25℃)で液体状態のジエン系重合体である。
液状ジエン系重合体は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)が、1.0×10〜2.0×10であることが好ましく、3.0×10〜1.5×10であることがより好ましい。1.0×10未満では、耐摩耗性、破壊特性が低下し、十分な耐久性が確保できないおそれがある。一方、2.0×10を超えると、重合溶液の粘度が高くなり過ぎ生産性が悪化するおそれがある。なお、本発明において、液状ジエン系重合体のMwは、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定したポリスチレン換算値である。
液状ジエン系重合体としては、液状スチレンブタジエン共重合体(液状SBR)、液状ブタジエン重合体(液状BR)、液状イソプレン重合体(液状IR)、液状スチレンイソプレン共重合体(液状SIR)などが挙げられる。なかでも、耐摩耗性とドライグリップ性能がバランスよく得られるという理由から、液状SBRが好ましい。
液状ジエン系重合体を配合する場合、液状ジエン系重合体の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは20質量部以上、より好ましくは30質量部以上、更に好ましくは50質量部以上である。また、該含有量は、好ましくは120質量部以下、より好ましくは80質量部以下である。20質量部未満では、十分なウェットグリップ性能が得られない傾向があり、120質量部を超えると、耐摩耗性が悪化する傾向がある。
無溶剤型アクリル樹脂、熱可塑性アクリル酸エステル系ポリマー、テルペンフェノール樹脂、上記他の樹脂(特に、クマロン系樹脂)、耐寒性可塑剤、オイル、及び液状ジエン系重合体の合計含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは50〜250質量部、より好ましくは100〜200質量部、更に好ましくは120〜180質量部である。上記含有量が上記範囲内であると、本発明の効果がより好適に得られる。
本発明では、ウェットグリップ性能や耐摩耗性の観点から、シリカを配合することが好ましい。シリカとしては、例えば、乾式法シリカ(無水シリカ)、湿式法シリカ(含水シリカ)などが挙げられる。なかでも、シラノール基が多いという理由から、湿式法シリカが好ましい。
シリカのセチルトリメチルアンモニウムブロマイド吸着比表面積(CTAB)は、良好なウェットグリップ性能、耐摩耗性、耐久性が得られるという理由から、100〜300m/gであることが好ましい。また、シリカのジブチルフタレート吸油量(DBP)は、同様の理由により、150〜300mL/100gであることが好ましい。なお、シリカのセチルトリメチルアンモニウムブロマイド吸着比表面積はASTM D3765−80に、ジブチルフタレート吸油量はJIS K 6221 6.1.2項A法に記載の方法に準じて測定される値である。
シリカを配合する場合、シリカの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは30質量部以上、より好ましくは40質量部以上、更に好ましくは60質量部以上である。30質量部未満であると、十分なウェットグリップ性能の改善効果が得られない傾向がある。該含有量は、好ましくは100質量部以下、より好ましくは80質量部以下である。100質量部を超えると、十分な加工性、耐摩耗性および耐久性が得られないおそれがある。
本発明では、ウェットグリップ性能の点ではシリカや後述の無機化合物には及ばないものの、耐久性や混練性が良好で本発明の効果が十分に得られるという観点から、カーボンブラックを配合してもよい。本発明では、カーボンブラックの配合により、加工性を飛躍的に改善する。カーボンブラックとしては、例えば、オイルファーネス法により製造されたカーボンブラックなどが挙げられ、2種類以上のコロイダル特性の異なるものを併用してもよい。具体的にはGPF、HAF、ISAF、SAFなどが挙げられるが、なかでも、SAFが好適である。
カーボンブラックのチッ素吸着比表面積(NSA)は、100m/g以上が好ましく、105m/g以上がより好ましく、110m/g以上が更に好ましく、130m/g以上が特に好ましい。100m/g未満では、ウェットグリップ性能が低下する傾向がある。該NSAは、600m/g以下が好ましく、250m/g以下がより好ましく、180m/g以下が更に好ましい。600m/gを超えると、良好な分散が得られにくく、耐摩耗性が低下する傾向がある。なお、カーボンブラックのチッ素吸着比表面積は、JIS K 6217−2:2001に準拠して求められる。
カーボンブラックのジブチルフタレート(DBP)吸油量は、50ml/100g以上が好ましく、100ml/100g以上がより好ましい。50ml/100g未満では、十分な耐摩耗性が得られないおそれがある。また、カーボンブラックのDBPは、250ml/100g以下が好ましく、200ml/100g以下がより好ましく、135ml/100g以下が更に好ましい。250ml/100gを超えると、ウェットグリップ性能が低下するおそれがある。なお、カーボンブラックのDBPは、JIS K6217−4:2001に準拠して測定される。
カーボンブラックを配合する場合、その含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは10質量部以上、より好ましくは15質量部以上である。10質量部未満では良好な加工性、十分な耐摩耗性、ウェットグリップ性能が得られないおそれがある。該含有量は、好ましくは50質量部以下、より好ましくは35質量部以下である。50質量部を超えると、未加硫時の加工性改良幅が小さく、また、ウェットグリップ性能への寄与も小さくなる傾向にある。
本発明では、ウェットグリップ性能を向上し、本発明の効果が良好に得られるという点から、下記式で表される無機化合物を配合することが好ましい。
kM・xSiO・zH
(式中、MはAl、Mg、Ti及びCaからなる群より選ばれた少なくとも1つの金属、該金属の酸化物又は水酸化物であり、kは1〜5の整数(好ましくは1)、xは0〜10の整数(好ましくは0)、yは2〜5の整数、zは0〜10の整数(好ましくは0)である。)
上記式で表される無機化合物としては、アルミナ、アルミナ水和物、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、タルク、チタン白、チタン黒、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、酸化アルミニウムマグネシウム、クレー、パイロフィライト、ベントナイト、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウムカルシウム、ケイ酸マグネシウムなどがあげられる。これらの無機化合物は単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。なかでも、本発明の効果がより好適に得られるという理由から、式において、Mが、Al、Mg、Ti及びCaからなる群より選ばれた少なくとも1つの金属の水酸化物であることが好ましく、Mが、Alの水酸化物(水酸化アルミニウム)であることがより好ましい。
上記無機化合物の平均一次粒子径は、好ましくは0.5μm以上、より好ましくは0.8μm以上である。0.5μm未満では、上記無機化合物の分散が困難となり、耐摩耗性が悪化する傾向がある。また、該平均一次粒子径は、好ましくは10μm以下、より好ましくは5μm以下である。10μmを超えると、上記無機化合物が破壊核となり、耐摩耗性が悪化する傾向がある。
なお、本発明において、上記無機化合物の平均一次粒子径は、数平均粒子径であり、透過型電子顕微鏡により測定される。
上記無機化合物を配合する場合、上記無機化合物の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは5質量部以上、より好ましくは10質量部以上である。5質量部未満では、ウェットグリップ性能の改善効果が小さいおそれがある。また、該合計含有量は、好ましくは30質量部以下、より好ましくは25質量部以下である。30質量部を超えると、分散不良が発生し、耐摩耗性が悪化するおそれがある。
カーボンブラック、シリカ及び上記無機化合物の合計含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは60質量部以上、より好ましくは90質量部以上である。また、該合計含有量は、好ましくは170質量部以下、より好ましくは140質量部以下である。該合計含有量が上記範囲内であると、本発明の効果がより好適に得られる。
なお、本発明のゴム組成物にシリカを配合する場合、シリカと共にシランカップリング剤を併用することが好ましい。シランカップリング剤としては特に限定されず、例えば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ポリスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)ポリスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)ポリスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)ポリスルフィド、ビス(4−トリエトキシシリルブチル)ポリスルフィド、ビス(4−トリメトキシシリルブチル)ポリスルフィド等があげられる。なかでも、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ポリスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)ポリスルフィドが好ましく、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィドがより好ましい。
シランカップリング剤を配合する場合、シランカップリング剤の含有量は、シリカ100質量部に対して、好ましくは5質量部以上、より好ましくは7質量部以上である。5質量部未満では、耐摩耗性が低下する傾向がある。また、該シランカップリング剤の含有量は、好ましくは20質量部以下、より好ましくは15質量部以下である。20質量部を超えると、コストの増加に見合った改善効果が得られない傾向がある。
本発明のゴム組成物には、前記成分以外にも、タイヤ工業において一般的に用いられている配合剤、例えば、ワックス、酸化亜鉛、老化防止剤、硫黄等の加硫剤、加硫促進剤等の材料を適宜配合してもよい。
本発明で使用される酸化亜鉛としては、特に限定されず、タイヤなどのゴム分野で使用されているものなどが挙げられる。ここで、酸化亜鉛のなかでは、微粒子酸化亜鉛を好適に使用できる。具体的には、平均一次粒子径200nm以下の酸化亜鉛を使用することが好ましく、より好ましくは120nm以下である。該平均一次粒子径の下限は特に限定されないが、好ましくは20nm以上、より好ましくは30nm以上である。なお、酸化亜鉛の平均一次粒子径は、窒素吸着によるBET法により測定した比表面積から換算された平均粒子径(平均一次粒子径)を表す。
酸化亜鉛を配合する場合、酸化亜鉛の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.5〜10質量部以下、より好ましくは1〜5質量部である。酸化亜鉛の含有量が上記範囲内であると、本発明の効果がより好適に得られる。
加硫促進剤としては、スルフェンアミド系、チアゾール系、チウラム系、グアニジン系加硫促進剤などが挙げられ、なかでも、本発明では、チアゾール系、チウラム系加硫促進剤を好適に使用できる。
チアゾール系加硫促進剤としては、例えば、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾチアゾールのシクロヘキシルアミン塩、ジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィド(DM)などが挙げられ、なかでも、DMが好ましい。チウラム系加硫促進剤としては、テトラメチルチウラムジスルフィド(TMTD)、テトラベンジルチウラムジスルフィド(TBzTD)、テトラキス(2−エチルヘキシル)チウラムジスルフィド(TOT−N)などが挙げられ、なかでも、TOT−Nが好ましい。
加硫促進剤を配合する場合、加硫促進剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは3質量部以上であり、また、好ましくは15質量部以下、より好ましくは10質量部以下である。1質量部未満では、十分な加硫速度が得られず、良好なウェットグリップ性能、耐摩耗性が得られない傾向があり、15質量部を超えると、ブルーミングを起こし、ウェットグリップ性能、耐摩耗性が低下するおそれがある。
本発明のゴム組成物は、一般的な方法で製造される。すなわち、バンバリーミキサーやニーダー、オープンロールなどで前記各成分を混練りし、その後加硫する方法等により製造できる。
本発明に係るゴム組成物は、空気入りタイヤのトレッドとして好適に用いられる。
本発明の空気入りタイヤは、上記ゴム組成物を用いて通常の方法により製造される。すなわち、ゴム成分と、無溶剤型アクリル樹脂と、素練り促進剤、熱可塑性アクリル酸エステル系ポリマー及びテルペンフェノール樹脂からなる群より選択される少なくとも1種と、必要に応じて上記各種配合剤とを配合したゴム組成物を、未加硫の段階でトレッド等の各タイヤ部材の形状に合わせて押し出し加工し、他のタイヤ部材とともに、タイヤ成型機上にて通常の方法で成形することにより、未加硫タイヤを形成する。この未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧することで、本発明の空気入りタイヤが得られる。
本発明の空気入りタイヤは、乗用車用タイヤ、トラック・バス用タイヤ、二輪車用タイヤ、高性能タイヤとして好適に用いられ、なかでも高性能タイヤに好適に使用でき、特に高性能ウェットタイヤとして好適に使用できる。なお、本明細書における高性能タイヤとは、グリップ性能に特に優れたタイヤであり、競技車両に使用する競技用タイヤをも含む概念である。また、本明細書において、ウェットタイヤとは、ウェットグリップ性能に特に優れたタイヤを意味する。
以下、実施例及び比較例で使用した各種薬品について、まとめて説明する。
SBR:旭化成(株)製のタフデン4850(S−SBR、スチレン含有量:40質量%、ゴム固形分100質量部に対してオイル分50質量部含有)
カーボンブラック:東海カーボン(株)製のシースト9(SAF、NSA:142m/g、DBP吸油量:115ml/100g)
シリカ:東ソー・シリカ(株)製のニプシルVN3(CTAB:168m/g、DBP吸油量:183ml/100g)
水酸化アルミニウム:昭和電工(株)製のハイジライト H−43(平均一次粒子径:1μm)
シランカップリング剤:デグサ社製のSi69(ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド)
耐寒性可塑剤:大八化学工業(株)製のTOP(リン酸トリオクチル、凝固点:−70℃)
液状ジエン系重合体:(株)クラレ製のL−SBR−820(液状SBR、Mw:8500)
クマロン樹脂:日塗化学(株)製のクマロンG−90(クマロンインデン樹脂、軟化点:90℃)
無溶剤型アクリル樹脂1:東亞合成(株)製の無溶剤型アクリルポリマーUH−2041(無溶剤型アクリル樹脂(無溶剤型オールアクリル樹脂)、水酸基を有する樹脂、純度:97質量%以上、Tg:−50℃、酸価(OH価):120mgKOH/g、Mw:2500)
無溶剤型アクリル樹脂2:東亞合成(株)製の無溶剤型アクリルポリマーUP−1170(無溶剤型アクリル樹脂(無溶剤型オールアクリル樹脂)、官能基を有さない樹脂、純度:98質量%以上、Tg:−57℃、Mw:8000)
素練り促進剤1:大内新興化学工業(株)製のノクタイザーSS(o,o’−ジベンズアミドジフェニルジスルフィド、融点:136℃)
素練り促進剤2:大内新興化学工業(株)製のノクタイザーSD(o,o’−ジベンズアミドジフェニルジスルフィドとステアリン酸等の添加物との混合物、融点:54℃)
熱可塑性ポリマー1:根上工業(株)製のSN−50(熱可塑性アクリル酸エステル系ポリマー、アクリル酸ブチルを主成分として懸濁重合法で製造され、水酸基を有するポリマー、Tg:−43℃、Mw:800000)
熱可塑性ポリマー2:根上工業(株)製のAS−3000E(熱可塑性アクリル酸エステル系ポリマー、アクリル酸ブチルを主成分として懸濁重合法で製造され、水酸基を有するポリマー、Tg:−36℃、Mw:650000)
テルペンフェノール樹脂1:ヤスハラケミカル(株)製のYSポリスターT80(酸価(OH価):70、軟化点:80℃)
テルペンフェノール樹脂2:ヤスハラケミカル(株)製のYSポリスターT100(酸価(OH価):70、軟化点:100℃)
酸化亜鉛:ハクスイテック(株)製のジンコックスーパーF−1(平均1次粒子径:100nm)
ワックス:大内新興化学工業(株)製のサンノックN
老化防止剤:住友化学(株)製のアンチゲン6C(N−フェニル−N’−(1,3−ジメチルブチル)−p−フェニレンジアミン)
耐熱老化防止剤:住友化学(株)製のアンチゲンRD(ポリ(2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン))
ステアリン酸:日油(株)製のステアリン酸「椿」
硫黄:軽井沢硫黄(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤TOT−N:大内新興化学工業(株)製のノクセラーTOT−N(テトラキス(2−エチルヘキシル)チウラムジスルフィド)
加硫促進剤DM:大内新興化学工業(株)製のノクセラーDM(ジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィド)
<実施例及び比較例>
表1〜3に示す配合処方に従い、神戸製鋼(株)製16Lバンバリーを用いて硫黄及び加硫促進剤以外の配合材料を混練りした。得られた混練り物に硫黄及び加硫促進剤を添加し、オープンロールを用いて練り込み、未加硫ゴム組成物を得た。得られた未加硫ゴム組成物をトレッドの形状に成形し、タイヤ成形機上で他のタイヤ部材とともに貼り合わせ、150℃の条件下で30分間加硫し、試験用タイヤ(タイヤサイズ:215/45R17)を得た。
上記製造で得た試験用タイヤについて、以下の評価を行った。結果を表1〜3に示す。なお、以下の評価において、表1〜3の基準比較例を、それぞれ比較例1−1、比較例2−1、比較例3−1とした。
(ウェットグリップ性能)
上記試験用タイヤを排気量2000ccの国産FR車に装着し、ウェットアスファルト路面のテストコースにて10周の実車走行を行った。その際のベストラップ時のコントロールの安定性をテストドライバーが評価し、基準比較例を100として指数表示をした(ウェットグリップ性能指数)。数値が大きいほどウェット路面におけるグリップ性能(ウェットグリップ性能)が高いことを示す。
(ドライグリップ性能)
上記試験用タイヤを排気量2000ccの国産FR車に装着し、ドライアスファルト路面のテストコースにて10周の実車走行を行った。その際のベストラップ時のコントロールの安定性をテストドライバーが評価し、基準比較例を100として指数表示をした(ドライグリップ性能指数)。数値が大きいほどドライ路面におけるグリップ性能(ドライグリップ性能)が高いことを示す。
(耐摩耗性)
上記試験用タイヤを排気量2000ccの国産FR車に装着し、ウェットアスファルト路面のテストコースにて実車走行を行った。実車走行後のタイヤトレッドゴムの残溝量を計測し(新品時15mm)、基準比較例の残溝量を100として指数表示した(耐摩耗性指数)。数値が大きいほど、耐摩耗性が高いことを示す。
Figure 2016056236
Figure 2016056236
Figure 2016056236
表1〜3より、無溶剤型アクリル樹脂と、素練り促進剤、熱可塑性アクリル酸エステル系ポリマー及びテルペンフェノール樹脂からなる群より選択される少なくとも1種とを配合した実施例では、ウェットグリップ性能、ドライグリップ性能及び耐摩耗性をバランス良く改善できることが明らかとなった。

Claims (18)

  1. ゴム成分と、無溶剤型アクリル樹脂と、素練り促進剤、熱可塑性アクリル酸エステル系ポリマー及びテルペンフェノール樹脂からなる群より選択される少なくとも1種とを含有し、
    前記ゴム成分100質量部に対して、前記無溶剤型アクリル樹脂の含有量が1〜100質量部であるゴム組成物を用いて作製したトレッドを有する空気入りタイヤ。
  2. 前記無溶剤型アクリル樹脂のガラス転移点(Tg)が、−80〜20℃である請求項1記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記無溶剤型アクリル樹脂の重量平均分子量(Mw)が、1000〜20000である請求項1又は2記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記無溶剤型アクリル樹脂が、無溶剤型オールアクリル樹脂である請求項1〜3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記ゴム成分100質量部に対して、前記素練り促進剤の含有量が0.5〜10質量部である請求項1〜4のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記素練り促進剤が、芳香族メルカプタン系、芳香族ジスルフィド系、及び芳香族メルカプタン金属塩系からなる群より選択される少なくとも1種である請求項1〜5のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  7. 前記ゴム成分100質量部に対して、前記熱可塑性アクリル酸エステル系ポリマーの含有量が1〜60質量部である請求項1〜6のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  8. 前記熱可塑性アクリル酸エステル系ポリマーのガラス転移点(Tg)が、−60〜20℃である請求項1〜7のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  9. 前記熱可塑性アクリル酸エステル系ポリマーの重量平均分子量(Mw)が、100000〜1200000である請求項1〜8のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  10. 前記熱可塑性アクリル酸エステル系ポリマーが、懸濁重合で製造されたものである請求項1〜9のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  11. 前記ゴム成分100質量部に対して、前記テルペンフェノール樹脂の含有量が10〜50質量部である請求項1〜10のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  12. 前記無溶剤型アクリル樹脂の含有量が、前記テルペンフェノール樹脂の含有量以下の量である請求項1〜11のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  13. 前記テルペンフェノール樹脂の酸価が、10〜300mgKOH/gである請求項1〜12のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  14. 前記テルペンフェノール樹脂の軟化点が、50〜150℃である請求項1〜13のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  15. 前記ゴム組成物が、カーボンブラックと、シリカと、下記式で表され、平均一次粒子径が10μm以下である無機化合物とを含有し、
    前記ゴム成分100質量部に対して、前記カーボンブラックの含有量が10〜50質量部、前記シリカの含有量が30〜100質量部、前記無機化合物の含有量が5〜30質量部である請求項1〜14のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
    kM・xSiO・zH
    (式中、MはAl、Mg、Ti及びCaからなる群より選ばれた少なくとも1つの金属、該金属の酸化物又は水酸化物であり、kは1〜5の整数、xは0〜10の整数、yは2〜5の整数、zは0〜10の整数である。)
  16. 前記無機化合物が水酸化アルミニウムである請求項1〜15のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  17. 高性能タイヤである請求項1〜16のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  18. 高性能ウェットタイヤである請求項1〜17のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
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