JP6992359B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、空気入りタイヤに関する。
トレッド用ゴム組成物には、耐チャンキング性能、グリップ性能、耐摩耗性能等の性能が要求され、これらの性能の確保のために従来から様々な工夫がなされている。例えば、スチレンブタジエンゴムと天然ゴムのブレンド比率を適宜変更し、耐チャンキング性能等を向上する技術が提案されている。
しかしながら、ブレンドゴムの天然ゴムの配合比率を高めたゴム組成物は、グリップ性能を犠牲にする傾向があるため、この性能と耐チャンキング性能の両立は難しい。特許文献1には、スチレンブタジエンゴムに熱硬化性樹脂を配合し、耐チャンキング性などを改善したゴム組成物が開示されているが、耐チャンキング性能、グリップ性能(特に高温グリップ性能)を改善するという点について未だ改善の余地を残している。
特開2007-161900号公報
本発明は、前記課題を解決し、耐チャンキング性能、高温グリップ性能をバランスよく改善した空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明は、ゴム成分と、熱硬化性フェノール系樹脂と、クマロン系樹脂とを含み、前記ゴム成分100質量部に対する前記熱硬化性フェノール系樹脂の含有量が1.0~15.0質量部、前記クマロン系樹脂の含有量が2.0~30.0質量部で、かつ前記熱硬化性フェノール系樹脂/前記クマロン系樹脂(質量比)が0.20~0.80であるゴム組成物をトレッドに用いた空気入りタイヤに関する。
前記ゴム成分100質量部に対して、脂肪酸アミドを1.0~10.0質量部含むことが好ましい。
前記ゴム成分は、イソプレン系ゴム及びスチレンブタジエンゴムを含むことが好ましい。
窒素吸着比表面積120m/g以上の微粒子カーボンブラックを含むことが好ましい。
本発明によれば、ゴム成分と、熱硬化性フェノール系樹脂と、クマロン系樹脂とを所定割合で含むゴム組成物をトレッドに用いた空気入りタイヤであるので、耐チャンキング性能、高温グリップ性能をバランスよく改善できる。
本発明の空気入りタイヤは、ゴム成分と、熱硬化性フェノール系樹脂と、クマロン系樹脂とを所定割合で含むゴム組成物をトレッドに用いたものである。熱硬化性フェノール系樹脂と、クマロン系樹脂とを所定割合で併用しているため、耐チャンキング性能、高温(30~70℃)のグリップ性能の性能バランスが顕著に(相乗的に)改善される。このような作用効果が得られる理由は必ずしも明らかではないが、以下のように推察される。
ゴム成分及び熱硬化性フェノール系樹脂により耐チャンキング性能が高められると同時に、該ゴム成分、熱硬化性フェノール系樹脂に相溶しにくいクマロン系樹脂を更に配合することで、高温(30~70℃)でのグリップ性能も高い配合にすることが可能になったものと推察される。
更に、クマロン系樹脂がゴム成分及び熱硬化性フェノール系樹脂と非相溶であることにより、クマロン系樹脂の粘度の影響が大きくなり、金属への接着性が高くなるという新たな課題が生じるが、更に脂肪酸アミドを配合することで、耐チャンキング性能及び高温グリップ性能を悪化させることなく、金属への接着性が抑制され、良好な加工性(生産性)も得られるものと推察される。
(トレッド用ゴム組成物)
以下、トレッドに用いるゴム組成物について説明する。
ゴム成分としては特に限定されず、イソプレン系ゴム、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、ブチルゴム(IIR)、スチレン-イソプレン-ブタジエン共重合ゴム(SIBR)等のジエン系ゴムが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、耐チャンキング性能、高温グリップ性能の性能バランスの観点から、イソプレン系ゴム、SBR、BRが好ましく、イソプレン系ゴム、SBRがより好ましい。
イソプレン系ゴムとしては、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、改質NR、変性NR、変性IR等が挙げられる。NRは、SIR20、RSS♯3、TSR20等、IRは、IR2200等、タイヤ工業で一般的なものを使用できる。改質NRは、脱タンパク質天然ゴム(DPNR)、高純度天然ゴム(UPNR)等、変性NRは、エポキシ化天然ゴム(ENR)、水素添加天然ゴム(HNR)、グラフト化天然ゴム等、変性IRは、エポキシ化イソプレンゴム、水素添加イソプレンゴム、グラフト化イソプレンゴム等、が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記ゴム成分100質量%中のイソプレン系ゴムの含有量は、好ましくは10質量%以上、より好ましくは30質量%以上、更に好ましくは50質量%以上である。該含有量は、好ましくは90質量%以下、より好ましくは80質量%以下、更に好ましくは75質量%以下である。上記範囲内であると、耐チャンキング性能、高温グリップ性能の性能バランスが顕著に改善される。
SBRとしては特に限定されず、例えば、乳化重合スチレンブタジエンゴム(E-SBR)、溶液重合スチレンブタジエンゴム(S-SBR)等を使用できる。SBRは、非変性SBR、変性SBRのいずれでもよい。市販品としては、住友化学(株)、JSR(株)、旭化成(株)、日本ゼオン(株)等により製造・販売されている製品等を使用できる。
ゴム成分100質量%中のSBRの含有量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは15質量%以上、更に好ましくは25質量%である。上記含有量は、好ましくは60質量%以下、より好ましくは50質量%以下、更に好ましくは45質量%以下である。上記範囲内であると、耐チャンキング性能、高温グリップ性能の性能バランスが顕著に改善される。
SBRのスチレン量は、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上である。下限以上にすることで、良好な高温グリップ性能が得られる傾向がある。上記スチレン量は、好ましくは50質量%以下、より好ましくは45質量%以下である。上限以下にすることで、発熱が小さくなり、良好な低燃費性が得られる傾向がある。
なお、スチレン量は、H-NMR測定により算出される。
SBRのビニル量は、好ましくは25質量%以上、より好ましくは30質量%以上である。下限以上にすることで、良好なウェットグリップ性能が得られる傾向がある。上記ビニル量は、好ましくは65質量%以下、より好ましくは60質量%以下である。上限以下にすることで、良好な耐摩耗性が得られる傾向がある。
なお、本明細書において、ビニル量(1,2-結合ブタジエン単位量)は、赤外吸収スペクトル分析法によって測定できる。
SBRの重量平均分子量Mwは、好ましくは15万以上、より好ましくは30万以上である。下限以上にすることで、良好な低燃費性が得られる傾向がある。該Mwは、好ましくは150万以下、より好ましくは120万以下、更に好ましくは100万以下である。上限以下にすることで、良好な加工性が得られる傾向がある。
なお、Mw、Mnは、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)(東ソー(株)製GPC-8000シリーズ、検出器:示差屈折計、カラム:東ソー(株)製のTSKGEL SUPERMALTPORE HZ-M)による測定値を基に標準ポリスチレン換算値として測定できる。
変性SBRとしては、シリカ等の充填剤と相互作用する官能基を有するSBRであればよく、例えば、SBRの少なくとも一方の末端を、上記官能基を有する化合物(変性剤)で変性された末端変性SBR(末端に上記官能基を有する末端変性SBR)や、主鎖に上記官能基を有する主鎖変性SBRや、主鎖及び末端に上記官能基を有する主鎖末端変性SBR(例えば、主鎖に上記官能基を有し、少なくとも一方の末端を上記変性剤で変性された主鎖末端変性SBR)や、分子中に2個以上のエポキシ基を有する多官能化合物により変性(カップリング)され、水酸基やエポキシ基が導入された末端変性SBR等が挙げられる。
上記官能基としては、例えば、アミノ基、アミド基、シリル基、アルコキシシリル基、イソシアネート基、イミノ基、イミダゾール基、ウレア基、エーテル基、カルボニル基、オキシカルボニル基、メルカプト基、スルフィド基、ジスルフィド基、スルホニル基、スルフィニル基、チオカルボニル基、アンモニウム基、イミド基、ヒドラゾ基、アゾ基、ジアゾ基、カルボキシル基、ニトリル基、ピリジル基、アルコキシ基、水酸基、オキシ基、エポキシ基等が挙げられる。なお、これらの官能基は、置換基を有していてもよい。なかでも、アミノ基(好ましくはアミノ基が有する水素原子が炭素数1~6のアルキル基に置換されたアミノ基)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1~6のアルコキシ基)、アルコキシシリル基(好ましくは炭素数1~6のアルコキシシリル基)が好ましい。
変性SBRとして、特に下記式で表される化合物(変性剤)により変性されたSBRが好適である。
Figure 0006992359000001
(式中、R、R及びRは、同一又は異なって、アルキル基、アルコキシ基、シリルオキシ基、アセタール基、カルボキシル基(-COOH)、メルカプト基(-SH)又はこれらの誘導体を表す。R及びRは、同一又は異なって、水素原子又はアルキル基を表す。R及びRは結合して窒素原子と共に環構造を形成してもよい。nは整数を表す。)
上記式で表される化合物(変性剤)により変性された変性SBRとしては、なかでも、溶液重合のスチレンブタジエンゴム(S-SBR)の重合末端(活性末端)を上記式で表される化合物により変性されたSBR(特開2010-111753号公報に記載の変性SBR等)が好適に用いられる。
、R及びRとしてはアルコキシ基が好適である(好ましくは炭素数1~8、より好ましくは炭素数1~4のアルコキシ基)。R及びRとしてはアルキル基(好ましくは炭素数1~3のアルキル基)が好適である。nは、好ましくは1~5、より好ましくは2~4、更に好ましくは3である。また、R及びRが結合して窒素原子と共に環構造を形成する場合、4~8員環であることが好ましい。なお、アルコキシ基には、シクロアルコキシ基(シクロヘキシルオキシ基等)、アリールオキシ基(フェノキシ基、ベンジルオキシ基等)も含まれる。
上記変性剤の具体例としては、2-ジメチルアミノエチルトリメトキシシラン、3-ジメチルアミノプロピルトリメトキシシラン、2-ジメチルアミノエチルトリエトキシシラン、3-ジメチルアミノプロピルトリエトキシシラン、2-ジエチルアミノエチルトリメトキシシラン、3-ジエチルアミノプロピルトリメトキシシラン、2-ジエチルアミノエチルトリエトキシシラン、3-ジエチルアミノプロピルトリエトキシシランなどが挙げられる。なかでも、3-ジメチルアミノプロピルトリメトキシシラン、3-ジメチルアミノプロピルトリエトキシシラン、3-ジエチルアミノプロピルトリメトキシシランが好ましい。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
変性SBRとしては、以下の化合物(変性剤)により変性された変性SBRも好適に使用できる。変性剤としては、例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールエタントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル等の多価アルコールのポリグリシジルエーテル;ジグリシジル化ビスフェノールA等の2個以上のフェノール基を有する芳香族化合物のポリグリシジルエーテル;1,4-ジグリシジルベンゼン、1,3,5-トリグリシジルベンゼン、ポリエポキシ化液状ポリブタジエン等のポリエポキシ化合物;4,4’-ジグリシジル-ジフェニルメチルアミン、4,4’-ジグリシジル-ジベンジルメチルアミン等のエポキシ基含有3級アミン;ジグリシジルアニリン、N,N’-ジグリシジル-4-グリシジルオキシアニリン、ジグリシジルオルソトルイジン、テトラグリシジルメタキシレンジアミン、テトラグリシジルアミノジフェニルメタン、テトラグリシジル-p-フェニレンジアミン、ジグリシジルアミノメチルシクロヘキサン、テトラグリシジル-1,3-ビスアミノメチルシクロヘキサン等のジグリシジルアミノ化合物;
ビス-(1-メチルプロピル)カルバミン酸クロリド、4-モルホリンカルボニルクロリド、1-ピロリジンカルボニルクロリド、N,N-ジメチルカルバミド酸クロリド、N,N-ジエチルカルバミド酸クロリド等のアミノ基含有酸クロリド;1,3-ビス-(グリシジルオキシプロピル)-テトラメチルジシロキサン、(3-グリシジルオキシプロピル)-ペンタメチルジシロキサン等のエポキシ基含有シラン化合物;
(トリメチルシリル)[3-(トリメトキシシリル)プロピル]スルフィド、(トリメチルシリル)[3-(トリエトキシシリル)プロピル]スルフィド、(トリメチルシリル)[3-(トリプロポキシシリル)プロピル]スルフィド、(トリメチルシリル)[3-(トリブトキシシリル)プロピル]スルフィド、(トリメチルシリル)[3-(メチルジメトキシシリル)プロピル]スルフィド、(トリメチルシリル)[3-(メチルジエトキシシリル)プロピル]スルフィド、(トリメチルシリル)[3-(メチルジプロポキシシリル)プロピル]スルフィド、(トリメチルシリル)[3-(メチルジブトキシシリル)プロピル]スルフィド等のスルフィド基含有シラン化合物;
エチレンイミン、プロピレンイミン等のN-置換アジリジン化合物;メチルトリエトキシシラン等のアルコキシシラン;4-N,N-ジメチルアミノベンゾフェノン、4-N,N-ジ-t-ブチルアミノベンゾフェノン、4-N,N-ジフェニルアミノベンゾフェノン、4,4’-ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’-ビス(ジフェニルアミノ)ベンゾフェノン、N,N,N’,N’-ビス-(テトラエチルアミノ)ベンゾフェノン等のアミノ基及び/又は置換アミノ基を有する(チオ)ベンゾフェノン化合物;4-N,N-ジメチルアミノベンズアルデヒド、4-N,N-ジフェニルアミノベンズアルデヒド、4-N,N-ジビニルアミノベンズアルデヒド等のアミノ基及び/又は置換アミノ基を有するベンズアルデヒド化合物;N-メチル-2-ピロリドン、N-ビニル-2-ピロリドン、N-フェニル-2-ピロリドン、N-t-ブチル-2-ピロリドン、N-メチル-5-メチル-2-ピロリドン等のN-置換ピロリドンN-メチル-2-ピペリドン、N-ビニル-2-ピペリドン、N-フェニル-2-ピペリドン等のN-置換ピペリドン;N-メチル-ε-カプロラクタム、N-フェニル-ε-カプロラクタム、N-メチル-ω-ラウリロラクタム、N-ビニル-ω-ラウリロラクタム、N-メチル-β-プロピオラクタム、N-フェニル-β-プロピオラクタム等のN-置換ラクタム類;の他、
N,N-ビス-(2,3-エポキシプロポキシ)-アニリン、4,4-メチレン-ビス-(N,N-グリシジルアニリン)、トリス-(2,3-エポキシプロピル)-1,3,5-トリアジン-2,4,6-トリオン類、N,N-ジエチルアセトアミド、N-メチルマレイミド、N,N-ジエチル尿素、1,3-ジメチルエチレン尿素、1,3-ジビニルエチレン尿素、1,3-ジエチル-2-イミダゾリジノン、1-メチル-3-エチル-2-イミダゾリジノン、4-N,N-ジメチルアミノアセトフェン、4-N,N-ジエチルアミノアセトフェノン、1,3-ビス(ジフェニルアミノ)-2-プロパノン、1,7-ビス(メチルエチルアミノ)-4-ヘプタノン等を挙げることができる。なかでも、アルコキシシランにより変性された変性SBRが好ましい。
なお、上記化合物(変性剤)による変性は公知の方法で実施可能である。
BRとしては特に限定されず、非変性BR、変性BRのいずれも使用可能である。例えば、高シス含量のBR、1,2-シンジオタクチックポリブタジエン結晶を含有するBR(SPB含有BR)、希土類元素系触媒を用いて合成されたブタジエンゴム(希土類系BR)、スズ化合物により変性されたスズ変性ブタジエンゴム(スズ変性BR)等、タイヤ工業において一般的なものが挙げられる。変性BRとしては、前記変性SBRと同様の変性剤で変性したBRも使用可能である。BRは、市販品としては、宇部興産(株)、JSR(株)、旭化成(株)、日本ゼオン(株)等の製品を使用できる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
BRを含有する場合、ゴム成分100質量%中のBRの含有量は、好ましくは1~20量%、より好ましくは1~10質量%である。
BRのシス含量は、好ましくは95質量%以上、より好ましくは97質量%以上である。
なお、シス含量は、赤外吸収スペクトル分析法によって測定できる。
熱硬化性フェノール系樹脂としては、フェノール樹脂、変性フェノール樹脂、クレゾール樹脂、変性クレゾール樹脂などが挙げられ、なかでも、フェノール樹脂、変性フェノール樹脂が好ましい。フェノール樹脂は、フェノールなどのフェノール類と、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、フルフラールなどのアルデヒド類とを酸又はアルカリ触媒で縮合反応させることにより得られるものである。変性フェノール樹脂は、カシューオイル、トールオイル、アマニ油、各種動植物油、不飽和脂肪酸、ロジン、アルキルベンゼン樹脂、アニリン、メラミンなどの化合物を用いて変性したフェノール樹脂である。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
熱硬化性フェノール系樹脂として、硬化反応により充分な硬度が得られることで硬い複合球体が形成される点、又は大きな複合球体が形成される点から、変性フェノール樹脂がより好ましく、カシューオイル変性フェノール樹脂、ロジン変性フェノール樹脂が更に好ましい。
カシューオイル変性フェノール樹脂としては、下記式(1)で示されるものを好適に使用できる。
Figure 0006992359000002
(式中、pは、1~9の整数である。)
pは、反応性が良く、分散性が向上する点で、5~6が好ましい。
熱硬化性フェノール系樹脂の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、1.0質量部以上、好ましくは2.0質量部以上、更に好ましくは3.0質量部以上である。下限以上にすることで、良好な耐チャンキング性能が得られる傾向がある。該含有量は、15.0質量部以下、好ましくは10.0質量部以下、更に好ましくは8.5質量部以下である。上限以下にすることで、耐チャンキング性能、高温グリップ性能の性能バランスが改善される傾向がある。
前記ゴム組成物は、熱硬化性フェノール系樹脂の硬化作用を有する硬化剤を更に含んでもよい。上記硬化剤としては、上記硬化作用を有するものであれば特に限定されず、例えば、ヘキサメチレンテトラミン(HMT)、ヘキサメトキシメチロールメラミン(HMMM)、ヘキサメトキシメチロールパンタメチルエーテル(HMMPME)、メラミン、メチロールメラミンなどが挙げられる。なかでも、フェノール系樹脂の硬度を上昇させる作用に優れるという点から、HMT、HMMM、HMMPMEが好ましい。
硬化剤の含有量は、熱硬化性フェノール系樹脂100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは0.3質量部以上である。下限以上にすることで、充分な硬化を実現できる傾向がある。該含有量は、好ましくは3.0質量部以下、より好ましくは1.0質量部以下である。上限以下にすることで、硬化が均一になり、また、押出し時のスコーチも抑制できる傾向がある。
クマロン系樹脂としては、クマロンを構成成分とする樹脂であれば特に限定されず、例えば、クマロン樹脂、クマロンインデン樹脂等が挙げられる。なかでも、高温グリップ性能を高め、前記性能バランスが顕著に改善される観点から、クマロンインデン樹脂が好ましい。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
クマロン系樹脂の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、2.0質量部以上、好ましくは4.0質量部以上、更に好ましくは6.0質量部以上である。下限以上にすることで、良好な高温グリップ性能が得られる傾向がある。該含有量は、30.0質量部以下、好ましくは25.0質量部以下、更に好ましくは20.0質量部以下である。上限以下にすることで、耐チャンキング性能、高温グリップ性能の性能バランスが改善される傾向がある。
クマロン系樹脂の軟化点は、好ましくは60℃以上、より好ましくは70℃以上である。下限以上にすることで、走行中に良好な高温グリップ性能が得られる傾向がある。該軟化点は、好ましくは150℃以下、より好ましくは130℃以下、更に好ましくは125℃以下である。上限以下にすることで、良好な初期グリップ性能が得られる傾向がある。
なお、軟化点は、JIS K 6220-1:2001に規定される軟化点を環球式軟化点測定装置で測定し、球が降下した温度である。
熱硬化性フェノール系樹脂とクマロン系樹脂の配合比率、すなわち、熱硬化性フェノール系樹脂/クマロン系樹脂(質量比)は、耐チャンキング性能、高温グリップ性能の性能バランスの観点から、0.20~0.80、好ましくは0.25~0.75、より好ましくは0.30~0.70である。
前記ゴム組成物には、クマロン系樹脂以外に、常温(25℃)で固体状態の他の樹脂を配合してもよい。他の樹脂としては、タイヤ工業で汎用されているものであれば特に限定されず、スチレン系樹脂、テルペン系樹脂、p-t-ブチルフェノールアセチレン樹脂、アクリル系樹脂等が挙げられる。
スチレン系樹脂は、スチレン系単量体を構成モノマーとして用いたポリマーであり、スチレン系単量体を主成分(50質量%以上)として重合させたポリマー等が挙げられる。具体的には、スチレン系単量体(スチレン、o-メチルスチレン、m-メチルスチレン、p-メチルスチレン、α-メチルスチレン、p-メトキシスチレン、p-tert-ブチルスチレン、p-フェニルスチレン、o-クロロスチレン、m-クロロスチレン、p-クロロスチレン等)をそれぞれ単独で重合した単独重合体、2種以上のスチレン系単量体を共重合した共重合体の他、スチレン系単量体及びこれと共重合し得る他の単量体のコポリマーも挙げられる。
前記他の単量体としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのアクリロニトリル類、アクリル類、メタクリル酸などの不飽和カルボン酸類、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチルなどの不飽和カルボン酸エステル類、クロロプレン、ブタジエンイソプレンなどのジエン類、1-ブテン、1-ペンテンのようなオレフィン類;無水マレイン酸等のα,β-不飽和カルボン酸又はその酸無水物;等が例示できる。
なかでも、前記性能バランスの観点から、α-メチルスチレン系樹脂(α-メチルスチレン単独重合体、α-メチルスチレンとスチレンとの共重合体等)が好ましい。
スチレン系樹脂の軟化点は、30℃以上が好ましく、60℃以上がより好ましく、80℃以上が更に好ましい。30℃以上であると、所望のウェットグリップ性能が得られる傾向がある。また、上記軟化点は、160℃以下が好ましく、130℃以下がより好ましく、100℃以下が更に好ましい。160℃以下であると、樹脂の分散性が良好となり、ウェットグリップ性能、低燃費性が改善する傾向がある。
テルペン系樹脂としては、ポリテルペン、テルペンフェノール、芳香族変性テルペン樹脂などが挙げられる。ポリテルペンは、テルペン化合物を重合して得られる樹脂及びそれらの水素添加物である。テルペン化合物は、(Cの組成で表される炭化水素及びその含酸素誘導体で、モノテルペン(C1016)、セスキテルペン(C1524)、ジテルペン(C2032)などに分類されるテルペンを基本骨格とする化合物であり、例えば、α-ピネン、β-ピネン、ジペンテン、リモネン、ミルセン、アロオシメン、オシメン、α-フェランドレン、α-テルピネン、γ-テルピネン、テルピノレン、1,8-シネオール、1,4-シネオール、α-テルピネオール、β-テルピネオール、γ-テルピネオールなどが挙げられる。
ポリテルペンとしては、上述したテルペン化合物を原料とするα-ピネン樹脂、β-ピネン樹脂、リモネン樹脂、ジペンテン樹脂、β-ピネン/リモネン樹脂などのテルペン樹脂の他、該テルペン樹脂に水素添加処理した水素添加テルペン樹脂も挙げられる。テルペンフェノールとしては、上記テルペン化合物とフェノール系化合物とを共重合した樹脂、及び該樹脂に水素添加処理した樹脂が挙げられ、具体的には、上記テルペン化合物、フェノール系化合物及びホルマリンを縮合させた樹脂が挙げられる。なお、フェノール系化合物としては、例えば、フェノール、ビスフェノールA、クレゾール、キシレノールなどが挙げられる。芳香族変性テルペン樹脂としては、テルペン樹脂を芳香族化合物で変性して得られる樹脂、及び該樹脂に水素添加処理した樹脂が挙げられる。なお、芳香族化合物としては、芳香環を有する化合物であれば特に限定されないが、例えば、フェノール、アルキルフェノール、アルコキシフェノール、不飽和炭化水素基含有フェノールなどのフェノール化合物;ナフトール、アルキルナフトール、アルコキシナフトール、不飽和炭化水素基含有ナフトールなどのナフトール化合物;スチレン、アルキルスチレン、アルコキシスチレン、不飽和炭化水素基含有スチレンなどのスチレン誘導体;クマロン、インデンなどが挙げられる。
p-t-ブチルフェノールアセチレン樹脂としては、p-t-ブチルフェノールとアセチレンとを縮合反応させて得られる樹脂が挙げられる。
アクリル系樹脂としては特に限定されないが、不純物が少なく、分子量分布がシャープな樹脂が得られるという点から、無溶剤型アクリル系樹脂を好適に使用できる。
無溶剤型アクリル樹脂は、副原料となる重合開始剤、連鎖移動剤、有機溶媒などを極力使用せずに、高温連続重合法(高温連続塊重合法)(米国特許第4,414,370号明細書、特開昭59-6207号公報、特公平5-58005号公報、特開平1-313522号公報、米国特許第5,010,166号明細書、東亜合成研究年報TREND2000第3号p42-45等に記載の方法)により合成された(メタ)アクリル系樹脂(重合体)が挙げられる。
上記アクリル系樹脂は、実質的に副原料となる重合開始剤、連鎖移動剤、有機溶媒などを含まないことが好ましい。また、上記アクリル系樹脂は、連続重合により得られる組成分布や分子量分布が比較的狭いものが好ましい。
上述のように、上記アクリル系樹脂としては、実質的に副原料となる重合開始剤、連鎖移動剤、有機溶媒などを含まないもの、すなわち、純度が高いものが好ましい。上記アクリル系樹脂の純度(該樹脂中に含まれる樹脂の割合)は、好ましくは95質量%以上、より好ましくは97質量%以上である。
上記アクリル系樹脂を構成するモノマー成分としては、例えば、(メタ)アクリル酸や、(メタ)アクリル酸エステル(アルキルエステル、アリールエステル、アラルキルエステルなど)、(メタ)アクリルアミド、及び(メタ)アクリルアミド誘導体などの(メタ)アクリル酸誘導体が挙げられる。
また、上記アクリル系樹脂を構成するモノマー成分として、(メタ)アクリル酸や(メタ)アクリル酸誘導体と共に、スチレン、α-メチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルナフタレン、ジビニルベンゼン、トリビニルベンゼン、ジビニルナフタレンなどの芳香族ビニルを使用してもよい。
上記アクリル系樹脂は、(メタ)アクリル成分のみで構成される樹脂であっても、(メタ)アクリル成分以外の成分をも構成要素とする樹脂であっても良い。
また、上記アクリル系樹脂は、水酸基、カルボキシル基、シラノール基等を有していてよい。
前記ゴム組成物において、樹脂(常温(25℃)で固体状態の樹脂)の合計含有量は、前記性能バランスの観点から、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1~50質量部、より好ましくは3~30質量部、更に好ましくは7~25質量部である。
なお、樹脂の市販品としては、例えば、丸善石油化学(株)、住友ベークライト(株)、ヤスハラケミカル(株)、東ソー(株)、Rutgers Chemicals社、BASF社、アリゾナケミカル社、日塗化学(株)、(株)日本触媒、JXエネルギー(株)、荒川化学工業(株)、田岡化学工業(株)等の製品を使用できる。
前記ゴム組成物は、前記性能バランス、金属接着抑制性の観点から、脂肪酸アミドを含むことが好ましい。
脂肪酸アミドとしては、飽和脂肪酸アミドでも不飽和脂肪酸アミドでもよい。飽和脂肪酸アミドとしては、N-(1-オキソオクタデシル)サルコシン、ステアリン酸アミド、ベヘニン酸アミド等が挙げられる。不飽和脂肪酸アミドとしては、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド等が挙げられる。脂肪酸アミドを構成する脂肪酸は、炭素数が6~28が好ましく、10~25がより好ましく、炭素数14~20が更に好ましい。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
脂肪酸アミドの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1.0質量部以上、より好ましくは1.5質量部以上、更に好ましくは2.0質量部以上である。下限以上にすることで、良好な金属接着抑制性が得られる傾向がある。該含有量は、好ましくは10.0質量部以下、より好ましくは8.0質量部以下、更に好ましくは6.0質量部以下である。上限以下にすることで、良好な前記性能バランス、金属接着抑制性が得られる傾向がある。
前記ゴム組成物では、前記性能バランス、金属接着抑制性の観点から、前記脂肪酸アミドに加え、更に脂肪酸金属塩を含む混合物も好適に使用可能である。
脂肪酸金属塩を構成する脂肪酸としては、特に限定されないが、飽和又は不飽和脂肪酸(好ましくは炭素数6~28(より好ましくは炭素数10~25、更に好ましくは炭素数14~20)の飽和又は不飽和脂肪酸)が挙げられ、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、ネルボン酸等が挙げられる。これらは1種または2種以上を混合して用いることができる。なかでも、飽和脂肪酸が好ましく、炭素数14~20の飽和脂肪酸がより好ましい。
脂肪酸金属塩を構成する金属としては、カリウム、ナトリウム等のアルカリ金属、マグネシウム、カルシウム、バリウム等のアルカリ土類金属、亜鉛、ニッケル、モリブデン等が挙げられる。
前記混合物の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1.0質量部以上、より好ましくは1.5質量部以上、更に好ましくは2.0質量部以上である。下限以上にすることで、良好な金属接着抑制性が得られる傾向がある。該含有量は、好ましくは10.0質量部以下、より好ましくは8.0質量部以下、更に好ましくは6.0質量部以下である。上限以下にすることで、良好な前記性能バランス、金属接着抑制性が得られる傾向がある。
前記ゴム組成物には、前記性能バランスの点から、補強用充填剤を配合することが好ましい。補強用充填剤としては、カーボンブラック、シリカ、タルク、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、硫酸マグネシウム、チタン白、チタン黒、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、酸化アルミニウムマグネシウム、クレー、パイロフィライト、ベントナイト、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウムカルシウム、ケイ酸マグネシウム、炭化ケイ素、ジルコニウム、酸化ジルコニウム、セルロースナノファイバー等、の無機充填剤、有機充填剤が挙げられる。なかでも、カーボンブラック、シリカが好ましい。
カーボンブラックとしては、特に限定されないが、N134、N110、N220、N234、N219、N339、N330、N326、N351、N550、N762等が挙げられる。市販品としては、旭カーボン(株)、キャボットジャパン(株)、東海カーボン(株)、三菱化学(株)、ライオン(株)、新日化カーボン(株)、コロンビアカーボン社等の製品を使用できる。
前記ゴム組成物は、カーボンブラックとして、窒素吸着比表面積(NSA)が120m/g以上の微粒子カーボンブラックを配合することが好ましい。該NSAは、より好ましくは150m/g以上、更に好ましくは160m/g以上である。下限以上にすることで、良好な高温グリップ性能が得られる傾向がある。該NSAは、好ましくは300m/g以下、より好ましくは200m/g以下である。上限以下にすることで、良好なカーボンブラック分散性が得られる傾向がある。
なお、カーボンブラックのNSAは、JIS K 6217-2:2001に準拠して測定できる。
微粒子カーボンブラックの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは30質量部以上、より好ましくは40質量部以上、更に好ましくは50質量部以上である。下限以上にすることで、良好な高温グリップ性能が得られる傾向がある。該含有量は、好ましくは120質量部以下、より好ましくは90質量部以下、更に好ましくは80質量部以下である。上限以下にすることで、良好なカーボンブラック分散性が得られる傾向がある。
前記ゴム組成物は、微粒子カーボンブラックの他、他のカーボンブラックを配合することが好ましい。他のカーボンブラックのNSAは、好ましくは60m/g以上、より好ましくは80m/g以上、更に好ましくは100m/g以上である。下限以上にすることで、良好な高温グリップ性能が得られる傾向がある。該NSAは、好ましくは120m/g未満、より好ましくは117m/g以下、更に好ましくは115m/g以下である。上限以下にすることで、良好なカーボンブラック分散性が得られる傾向がある。
他のカーボンブラックの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは10質量部以上、より好ましくは25質量部以上、更に好ましくは30質量部以上である。下限以上にすることで、良好な高温グリップ性能が得られる傾向がある。該含有量は、好ましくは70質量部以下、より好ましくは60質量部以下、更に好ましくは50質量部以下である。上限以下にすることで、良好なカーボンブラック分散性が得られる傾向がある。
微粒子カーボンブラックと他のカーボンブラックの配合比率、すなわち、微粒子カーボンブラック/他のカーボンブラック(質量比)は、耐チャンキング性能、高温グリップ性能の性能バランスの観点から、好ましくは30/70~90/10、より好ましくは40/60~80/20、更に好ましくは50/50~70/30である。
シリカとしては、例えば、乾式法シリカ(無水シリカ)、湿式法シリカ(含水シリカ)などが挙げられる。なかでも、シラノール基が多いという理由から、湿式法シリカが好ましい。市販品としては、例えば、デグッサ社、ローディア社、東ソー・シリカ(株)、ソルベイジャパン(株)、(株)トクヤマ等の製品を使用できる。
シリカを含む場合、その含有量は、ゴム成分100質量部に対して、1~30質量部が好ましく、2~10質量部がより好ましい。
シリカの窒素吸着比表面積(NSA)は、好ましくは50m/g以上、より好ましくは80m/g以上、更に好ましくは150m/g以上である。該NSAは、好ましくは280m/g以下、より好ましくは240m/g以下である。
なお、シリカのNSAは、ASTM D3037-93に準じてBET法で測定される値である。
前記ゴム組成物がシリカを含む場合、シランカップリング剤を含むことが好ましい。
シランカップリング剤としては、ゴム工業において、従来からシリカと併用される任意のシランカップリング剤が挙げられる。具体的には、ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2-トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(4-トリエトキシシリルブチル)テトラスルフィド、ビス(3-トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2-トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(2-トリエトキシシリルエチル)トリスルフィド、ビス(4-トリメトキシシリルブチル)トリスルフィド、ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2-トリエトキシシリルエチル)ジスルフィド、ビス(4-トリエトキシシリルブチル)ジスルフィド、ビス(3-トリメトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2-トリメトキシシリルエチル)ジスルフィド、ビス(4-トリメトキシシリルブチル)ジスルフィド、3-トリメトキシシリルプロピル-N,N-ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2-トリエトキシシリルエチル-N,N-ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3-トリエトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、などのスルフィド系、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、2-メルカプトエチルトリエトキシシラン、Momentive社製のNXT、NXT-Zなどのメルカプト系、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシランなどのビニル系、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノ系、γ-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、などのグリシドキシ系、3-ニトロプロピルトリメトキシシラン、3-ニトロプロピルトリエトキシシランなどのニトロ系、3-クロロプロピルトリメトキシシラン、3-クロロプロピルトリエトキシシランなどのクロロ系などが挙げられる。市販品としては、デグッサ社、Momentive社、信越シリコーン(株)、東京化成工業(株)、アヅマックス(株)、東レ・ダウコーニング(株)等の製品が挙げられる。
シランカップリング剤の含有量は、シリカ100質量部に対して、3質量部以上が好ましく、5質量部以上がより好ましい。上記含有量は、20質量部以下が好ましく、15質量部以下がより好ましい。
前記ゴム組成物には、軟化剤として液状ジエン系重合体を配合してもよい。
液状ジエン系重合体は、常温(25℃)で液体状態のジエン系重合体である。液状ジエン系重合体は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)が、1.0×10~2.0×10であることが好ましく、3.0×10~1.5×10であることがより好ましい。液状ジエン系重合体としては、液状スチレンブタジエン共重合体(液状SBR)、液状ブタジエン重合体(液状BR)、液状イソプレン重合体(液状IR)、液状スチレンイソプレン共重合体(液状SIR)などが挙げられる。
前記ゴム組成物において、液状ジエン系重合体の含有量は、前記性能バランスの観点から、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1~50質量部、より好ましくは5~30質量部、更に好ましくは10~30質量部である。
前記ゴム組成物には、軟化剤としてオイルを配合してもよい。
オイルとしては、例えば、プロセスオイル、植物油脂、又はその混合物が挙げられる。プロセスオイルとしては、例えば、パラフィン系プロセスオイル、アロマ系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイルなどを用いることができる。植物油脂としては、ひまし油、綿実油、あまに油、なたね油、大豆油、パーム油、やし油、落花生湯、ロジン、パインオイル、パインタール、トール油、コーン油、こめ油、べに花油、ごま油、オリーブ油、ひまわり油、パーム核油、椿油、ホホバ油、マカデミアナッツ油、桐油等が挙げられる。なかでも、ナフテン系プロセスオイル等のプロセスオイルが好ましい。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
オイルの含有量は、前記性能バランスの観点から、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1~50質量部、より好ましくは1~30質量部、更に好ましくは1~20質量部である。
なお、オイルの含有量には、ゴム(油展ゴム)に含まれるオイルの量も含まれる。
軟化剤の合計含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは3質量部以上、より好ましくは5質量部以上、更に好ましくは10質量部以上である。該合計含有量は、好ましくは60質量部以下、より好ましくは40質量部以下、更に好ましくは30質量部以下である。上記範囲内とすることにより、前記性能バランスが顕著に改善される。
なお、軟化剤の市販品として、例えば、出光興産(株)、三共油化工業(株)、(株)ジャパンエナジー、オリソイ社、H&R社、豊国製油(株)、昭和シェル石油(株)、富士興産(株)等の製品を使用できる。
前記ゴム組成物には、耐クラック性、耐オゾン性等の観点から、ワックスを配合することが好ましい。
ワックスとしては特に限定されず、石油系ワックス、天然系ワックスなどが挙げられ、また、複数のワックスを精製又は化学処理した合成ワックスも使用可能である。これらのワックスは、単独で使用しても、2種類以上を併用してもよい。
石油系ワックスとしては、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等が挙げられる。天然系ワックスとしては、石油外資源由来のワックスであれば特に限定されず、例えば、キャンデリラワックス、カルナバワックス、木ろう、ライスワックス、ホホバろうなどの植物系ワックス;ミツロウ、ラノリン、鯨ろうなどの動物系ワックス;オゾケライト、セレシン、ペトロラクタムなどの鉱物系ワックス;及びこれらの精製物などが挙げられる。市販品としては、例えば、大内新興化学工業(株)、日本精蝋(株)、精工化学(株)等の製品を使用できる。
ワックスの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.3質量部以上、より好ましくは0.5質量部以上である。下限以上にすることで、充分な耐オゾン性が得られる傾向がある。該含有量は、好ましくは6.0質量部以下、より好ましくは4.0質量部以下である。上限以下にすることで、耐オゾン性、コストのバランスが良好になる傾向がある。
前記ゴム組成物は、耐クラック性、耐オゾン性等の観点から、老化防止剤を含有することが好ましい。
老化防止剤としては特に限定されないが、フェニル-α-ナフチルアミン等のナフチルアミン系老化防止剤;オクチル化ジフェニルアミン、4,4′-ビス(α,α′-ジメチルベンジル)ジフェニルアミン等のジフェニルアミン系老化防止剤;N-イソプロピル-N′-フェニル-p-フェニレンジアミン、N-(1,3-ジメチルブチル)-N′-フェニル-p-フェニレンジアミン、N,N′-ジ-2-ナフチル-p-フェニレンジアミン等のp-フェニレンジアミン系老化防止剤;2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリンの重合物等のキノリン系老化防止剤;2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノール、スチレン化フェノール等のモノフェノール系老化防止剤;テトラキス-[メチレン-3-(3′,5′-ジ-t-ブチル-4′-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン等のビス、トリス、ポリフェノール系老化防止剤などが挙げられる。なかでも、p-フェニレンジアミン系老化防止剤、キノリン系老化防止剤が好ましく、N-(1,3-ジメチルブチル)-N′-フェニル-p-フェニレンジアミン、2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリンの重合物がより好ましい。市販品としては、例えば、精工化学(株)、住友化学(株)、大内新興化学工業(株)、フレクシス社等の製品を使用できる。
老化防止剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1.5質量部以上、更に好ましくは2.0質量部以上である。下限以上にすることで、充分な耐オゾン性が得られる傾向がある。該含有量は、好ましくは7.0質量部以下、より好ましくは4.0質量部以下である。上限以下にすることで、良好なタイヤの外観が得られる傾向がある。
前記ゴム組成物は、ステアリン酸を含むことが好ましい。ステアリン酸の含有量は、前記性能バランスの観点から、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.5~10質量部以上、より好ましくは0.5~5質量部である。
なお、ステアリン酸としては、従来公知のものを使用でき、例えば、日油(株)、NOF社、花王(株)、和光純薬工業(株)、千葉脂肪酸(株)等の製品を使用できる。
前記ゴム組成物は、酸化亜鉛を含むことが好ましい。酸化亜鉛の含有量は、前記性能バランスの観点から、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.5~10質量部、より好ましくは1~5質量部である。
なお、酸化亜鉛としては、従来公知のものを使用でき、例えば、三井金属鉱業(株)、東邦亜鉛(株)、ハクスイテック(株)、正同化学工業(株)、堺化学工業(株)等の製品を使用できる。
前記ゴム組成物には、ポリマー鎖に適度な架橋鎖を形成し、良好な前記性能バランスを付与するという点で、硫黄を配合することが好ましい。
硫黄の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは0.5質量部以上、更に好ましくは0.8質量部以上である。該含有量は、好ましくは6.0質量部以下、より好ましくは4.0質量部以下、更に好ましくは3.0質量部以下である。上記範囲内にすることで、本発明の効果が充分に得られる傾向がある。
硫黄としては、ゴム工業において一般的に用いられる粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、不溶性硫黄、高分散性硫黄、可溶性硫黄などが挙げられる。市販品としては、鶴見化学工業(株)、軽井沢硫黄(株)、四国化成工業(株)、フレクシス社、日本乾溜工業(株)、細井化学工業(株)等の製品を使用できる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記ゴム組成物は、加硫促進剤を含むことが好ましい。
加硫促進剤の含有量は特に制限はなく、要望する加硫速度や架橋密度に合わせて自由に決定すれば良いが、ゴム成分100質量部に対して、通常、0.3~10質量部、好ましくは0.5~7質量部である。
加硫促進剤の種類は特に制限はなく、通常用いられているものを使用可能である。加硫促進剤としては、加硫促進剤としては、2-メルカプトベンゾチアゾール、ジ-2-ベンゾチアゾリルジスルフィド、N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアジルスルフェンアミド等のチアゾール系加硫促進剤;テトラメチルチウラムジスルフィド(TMTD)、テトラベンジルチウラムジスルフィド(TBzTD)、テトラキス(2-エチルヘキシル)チウラムジスルフィド(TOT-N)等のチウラム系加硫促進剤;N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N-t-ブチル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N-オキシエチレン-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N-オキシエチレン-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N,N’-ジイソプロピル-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド等のスルフェンアミド系加硫促進剤;ジフェニルグアニジン、ジオルトトリルグアニジン、オルトトリルビグアニジン等のグアニジン系加硫促進剤を挙げることができる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、前記性能バランスの観点から、スルフェンアミド系加硫促進剤、グアニジン系加硫促進剤が好ましい。
前記ゴム組成物には、前記成分以外にも、タイヤ工業において一般的に用いられている配合剤、例えば、離型剤等の材料を適宜配合してもよい。
前記ゴム組成物の製造方法としては、公知の方法を用いることができ、例えば、前記各成分をオープンロール、バンバリーミキサーなどのゴム混練装置を用いて混練し、その後加硫する方法などにより製造できる。
混練条件としては、加硫剤及び加硫促進剤以外の添加剤を混練するベース練り工程では、混練温度は、通常50~200℃、好ましくは80~190℃であり、混練時間は、通常30秒~30分、好ましくは1分~30分である。加硫剤、加硫促進剤を混練する仕上げ練り工程では、混練温度は、通常100℃以下、好ましくは室温~80℃である。また、加硫剤、加硫促進剤を混練した組成物は、通常、プレス加硫などの加硫処理が施される。加硫温度としては、通常120~200℃、好ましくは140~180℃である。
(空気入りタイヤ)
本発明の空気入りタイヤは、上記ゴム組成物を用いて通常の方法で製造できる。
すなわち、前記成分を配合したゴム組成物を、未加硫の段階でトレッドの形状にあわせて押出し加工し、他のタイヤ部材とともに、タイヤ成型機上にて通常の方法で成形することにより、未加硫タイヤを形成できる。この未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧することによりタイヤが得られる。
本発明の空気入りタイヤは、例えば、乗用車用タイヤ、トラック・バス用タイヤ、二輪車用タイヤ、高性能タイヤ(競技用タイヤ等)として使用できる。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
実施例及び比較例で使用した各種薬品について、まとめて説明する。
NR:TSR
SBR:旭化成(株)製のタフデン4850(スチレン量40質量%、ビニル量47質量%、Mw0.8万、ゴム固形分100質量部に対してオイル分50質量部含有)
微粒子カーボンブラック1:NSA195m/g
カーボンブラック2:三菱化学(株)製のダイヤブラックN220(NSA114m/g)
プロセスオイル:三共油化工業(株)製のA/Oミックス
熱硬化性フェノール系樹脂1:住友ベークライト社製のPR-12686(上記式(1)で表されるカシューオイル変性フェノール樹脂、軟化点100℃)
熱硬化性フェノール系樹脂2:住友ベークライト社製のPR-50731(ストレート(非変性)フェノール系樹脂、軟化点122℃)
熱硬化性フェノール系樹脂3:住友ベークライト社製のPR-13349(トールオイル変性フェノール系樹脂)
クマロン系樹脂1:日塗化学(株)製のニットレジン クマロン V-120(クマロンインデン樹脂、軟化点120℃)
クマロン系樹脂2:日塗化学(株)製のG-90(クマロン樹脂、軟化点90℃)
クマロン系樹脂3:日塗化学(株)製のG-100N(クマロン樹脂、軟化点100℃)
脂肪酸アミド1:performanceadditives社製ULTRA-LUBE 160(Structure of fatty acid soaps and amides)
脂肪酸アミド2:日油(株)製のアルフロー
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の酸化亜鉛
ステアリン酸:日油(株)製のつばき
老化防止剤:住友化学(株)製のアンチゲン6C
ワックス:大内新興化学工業(株)製のサンノックN
硫黄:粉末硫黄(軽井沢硫黄社製)
加硫促進剤NS:大内新興化学工業(株)製のノクセラーNS(N-tert-ブチル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)
硬化剤HMT:大内新興化学工業(株)製のノクセラーH(ヘキサメチレンテトラミン)
〔実施例及び比較例〕
<ゴム組成物の製造>
表1に示す配合処方にしたがって、神戸製鋼(株)製1.7Lバンバリーを用いて、硫黄及び加硫促進剤以外の材料を混練りし、混練り物を得た後、得られた混練り物に硫黄及び加硫促進剤を添加し、オープンロールを用いて練り込み、未加硫ゴム組成物を得た。得られた未加硫ゴム組成物を150℃で30分間プレス加硫することにより、加硫ゴム組成物を得た。
<タイヤの製造>
得られた未加硫ゴム組成物をトレッドの形状に成形し、タイヤ成型機上で他のタイヤ部材とともに貼り合わせ、150℃の条件下で30分間プレス加硫し、試験用タイヤ(トヨタ自動車ランドクルーザー用タイヤ(タイヤサイズ:PSR275/70R60 114S))を得た。
<評価方法>
作製した加硫ゴム組成物、試験用タイヤについて、以下の評価を行い、結果を表1に示した。
(耐チャンキング性能)
JIS K6251:2010に基づいて、得られた加硫ゴム組成物からダンベル状3号形試験片を作製し、引張試験を実施して破断強度TB(MPa)、破断時伸びEB(%)を測定し、TB×EB/2(MPa・%)を破壊特性とした。基準比較例の破壊特性を100として指数表示した。指数が大きいほど、耐チャンキング性能に優れることを示す。
(高温グリップ性能)
上記試験用タイヤを排気量2000ccの国産FR車に装着し、ドライアスファルト路面のテストコース(気温40℃/路面温度58℃)にて10周の実車走行を行った。操舵時のコントロールの安定性をテストドライバーが評価し、基準比較例を100として指数表示をした。数値が大きいほど高温路面でのグリップ性能が高いことを示す。
(金属接着抑制性)
60℃でのカレンダーロールでの作業性(150℃でバンバリーミキサーから排出された練りゴムをロールに通して引き裂かれるか)を評価した。基準比較例を100として指数で表した。指数が大きいほど、金属への接着が抑制され、金属接着抑制性が優れることを示す。
Figure 0006992359000003
熱硬化性フェノール系樹脂及びクマロン系樹脂を所定配合で併用した実施例のゴム組成物では、耐チャンキング性能、高温グリップ性能の性能バランスが顕著に優れており、該併用により、該性能バランスが相乗的に改善された。また、脂肪酸アミドを添加することで、耐チャンキング性能、高温グリップ性能を維持しつつ、金属接着抑制性も改善されることが明らかとなった。

Claims (3)

  1. ゴム成分と、熱硬化性フェノール系樹脂と、クマロン系樹脂とを含み、
    前記ゴム成分がイソプレン系ゴム及びスチレンブタジエンゴムを含み、
    前記ゴム成分100質量%中の前記スチレンブタジエンゴムの含有量が45質量%以下であり、
    前記ゴム成分100質量部に対する前記熱硬化性フェノール系樹脂の含有量が1.0~15.0質量部、前記クマロン系樹脂の含有量が2.0~30.0質量部で、かつ
    前記熱硬化性フェノール系樹脂/前記クマロン系樹脂(質量比)が0.20~0.80であるゴム組成物をトレッドに用いた空気入りタイヤ。
  2. 前記ゴム成分100質量部に対して、脂肪酸アミドを1.0~10.0質量部含む請求項1記載の空気入りタイヤ。
  3. 窒素吸着比表面積120m/g以上の微粒子カーボンブラックを含む請求項1又は2記載の空気入りタイヤ。
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