JPH10101849A - タイヤトレッド用ゴム組成物 - Google Patents

タイヤトレッド用ゴム組成物

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JPH10101849A
JPH10101849A JP8281706A JP28170696A JPH10101849A JP H10101849 A JPH10101849 A JP H10101849A JP 8281706 A JP8281706 A JP 8281706A JP 28170696 A JP28170696 A JP 28170696A JP H10101849 A JPH10101849 A JP H10101849A
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JP
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carbon black
rubber
weight
aromatic hydrocarbon
petroleum
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JP8281706A
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English (en)
Inventor
Kaoru Saito
薫 斉藤
Hideyuki Sakai
秀之 酒井
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Toyo Tire Corp
Original Assignee
Toyo Tire and Rubber Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐摩耗性、耐ブローアウト性を維持しつつ、
グリップ性、更には総合的走行性能を向上する。 【解決手段】 スチレン含有量が25〜45wt%のス
チレン−ブタジエンゴム、窒素吸着比表面積(N2
A)が140m2/g以上のカーボンブラック、アロマ
オイル、及び100℃のときの動粘度が20〜50cs
tである石油系芳香族炭化水素樹脂を含む湿式法カーボ
ンブラックマスターバッチであり、前記スチレン−ブタ
ジエンゴム中のゴム成分100重量部に対して、前記カ
ーボンブラックを少なくとも70重量部、前記アロマオ
イルと石油系芳香族炭化水素樹脂の合計を少なくとも6
0重量部配合し、かつ前記アロマオイルと石油系芳香族
炭化水素樹脂の重量比がアロマオイル/石油系芳香族炭
化水素樹脂=1〜3である湿式法カーボンブラックマス
ターバッチを含むゴム組成物であって、該ゴム組成物中
に前記湿式法カーボンブラックマスターバッチがゴム分
として少なくとも50重量部配合され、更にエチレン−
酢酸ビニル共重合体(EVA)を含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、タイヤトレッド用
ゴム組成物に関し、更に詳しくは、耐摩耗性、耐ブロー
アウト性を損なうことなく、グリップ性能および総合的
走行性能を同時に向上することができる、競技用タイヤ
として好適なタイヤトレッド用ゴム組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のゴム組成物の場合、高グ
リップ性能を得るために、スチレン含量及びビニル含量
が高く、かつガラス転移点(Tg)が高いスチレン−ブ
タジエンゴム(SBR)を使用してきた。また、その
他、カーボン量やオイル量の高配合、微粒子カーボンの
使用、またはこれらの組み合わせが提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
このタイヤトレッド用ゴム組成物では、いずれもグリッ
プ性能は向上するが、次の点で問題があった。すなわ
ち、スチレン含量及びビニル含量が高く、かつガラス転
移点(Tg)が高いスチレン−ブタジエンゴム(SB
R)を用いたゴム組成物の場合、耐摩耗性が低下する問
題があった。またカーボン量やオイル量の高配合や、微
粒子カーボンを使用したゴム組成物の場合、カーボンの
分散に悪影響を与えるとともに、ゴム成分との補強効果
が損なわれ、同じく耐摩耗性の低下を引き起こす問題点
があった。また、競技用タイヤとしてより一層のグリッ
プ性能の向上を試みると、ゴム自体の発熱が大きすぎ、
高熱によりブローアウトしてゴムがスポンジ状になりグ
リップ性能が低下する。従って、従来の競技用タイヤ
は、グリップ性能の一層の向上には限界があった。ま
た、高温でトレッドゴムも軟化するためラップタイムが
それ以上あがらないので、総合的走行性能の面で、競技
用として必ずしも好適なタイヤトレッド用ゴム組成物と
はいえなかった。
【0004】この発明の課題は、耐摩耗性、耐ブローア
ウト性などの他物性を損なうことなく、グリップ性能及
び総合的走行性能を向上することができるタイヤトレッ
ド用ゴム組成物を提供する点にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
鋭意検討した結果、特定の動粘度を持つ石油系芳香族炭
化水素樹脂と、窒素吸着比表面積(N2SA)が少なく
とも140m2/gのカーボンブラックをあらかじめ分
散させた湿式法スチレン−ブタジエンカーボンブラック
マスターバッチを特定量配合することで、耐摩耗性、耐
ブローアウト性を維持しつつ、グリップ性、更には総合
的走行性能を向上させることができることを見出した。
【0006】すなわち、本請求項1の発明は、スチレン
含有量が25〜45wt%のスチレン−ブタジエンゴ
ム、窒素吸着比表面積(N2SA)が140m2/g以上
のカーボンブラック、アロマオイル、及び100℃のと
きの動粘度が20〜50cstである石油系芳香族炭化
水素樹脂を含む湿式法カーボンブラックマスターバッチ
であり、前記スチレン−ブタジエンゴム中のゴム成分1
00重量部に対して、前記カーボンブラックを少なくと
も70重量部、前記アロマオイルと石油系芳香族炭化水
素樹脂の合計を少なくとも60重量部配合し、かつ前記
アロマオイルと石油系芳香族炭化水素樹脂の重量比がア
ロマオイル/石油系芳香族炭化水素樹脂=1〜3である
湿式法カーボンブラックマスターバッチを含むゴム組成
物であって、該ゴム組成物中に前記湿式法カーボンブラ
ックマスターバッチがゴム分として少なくとも50重量
部配合され、更にエチレン−酢酸ビニル共重合体(EV
A)を含むことを特徴とするタイヤトレッド用ゴム組成
物である。
【0007】カーボンブラックマスターバッチ中のスチ
レン−ブタジエンゴムにおいてスチレン含有量が25w
t%未満のときはグリップ性能が不足し、45wt%を
越えるときは耐ブローアウト性が劣る。また、カーボン
ブラックの窒素吸着比表面積(N2SA )が140m2
/g 未満のとき、および当該カーボンブラックの配合
量が70重量部未満のときは、いずれもグリップ性能お
よび耐摩耗性が低下する。また、カーボンブラックの窒
素吸着比表面積(N2SA )が220 m2/gを超える
と、カーボンブラックの粒径が小さくなりすぎ、カーボ
ブラックの分散性が悪化し、発熱が大きくなり、好まし
くない。また、上記カーボンブラックの配合量が150
重量部を越えるときも、上記カーボンブラックの分散性
が低下し、発熱し易く、ブローアウトし易い。従って、
上記カーボンブラックの窒素吸着比表面積(N2SA )
は140m2/g以上、好ましくは140〜220m2
gが適切である。また、上記カーボンブラックの配合量
は、上記マスターバッチ中のゴム成分100重量部に対
して少なくとも70重量部、好ましくは70〜150重
量部である。
【0008】本発明では、耐摩耗性が良好であるがゴム
中では分散困難な小粒径のカーボンブラックを、ゴム組
成物中で分散性を高めるため、あらかじめゴムとアロマ
オイルとともに混合する湿式法カーボンブラックマスタ
ーバッチを用いている。しかし湿式法カーボンブラック
マスターバッチを採用する場合でも、上記の通り、一定
のカーボンブラックを特定量用いることが重要である。
またさらに、カーボンブラックマスターバッチ中にあら
かじめ配合する特定の動粘度をもつ石油系芳香族炭化水
素樹脂をアロマオイルとの配合比で特定量使用すること
が本発明では重要な要素となる。
【0009】すなわち、カーボンブラックマスターバッ
チ中で使用する石油系芳香族炭化水素樹脂は、100℃
のときの動粘度が20〜50cstの石油系芳香族炭化
水素樹脂を使用しなければならない。これは、100℃
のときの動粘度が20cst未満のときは、たとえ上述
した条件が満足する場合でも所望とするグリップ性が得
られず、また反対に50cstを越えるときは総合的な
走行性能、耐摩耗性が劣る。
【0010】また、カーボンブラックマスターバッチ中
のアロマオイルと石油系芳香族炭化水素樹脂の重量比
(アロマオイル/石油系芳香族炭化水素樹脂)が1未満
のときはタイヤのトレッドゴム適用時に走行していると
発熱しすぎ、耐ブローアウト性が劣る。上記重量比が3
を越えるときは満足したグリップ性能が得られない。
【0011】また、アロマオイルと石油系芳香族炭化水
素樹脂との混合物が、前記マスターバッチ中のゴム成分
100重量部に対して合計で60重量部未満のときは、
グリップ性が劣り、かつ加工性も劣る。
【0012】また、上記の条件を満たしたカーボンブラ
ックマスターバッチ中のゴム分は、ゴム組成物中の全ゴ
ム分100重量部に少なくとも50重量部配合しなけれ
ばならない。50重量部未満のときは、総合的走行性
能、グリップ性能及び摩耗性能の向上効果が小さい。
【0013】なお、本発明では、前記湿式法カーボンブ
ラックマスターバッチを含むゴム組成物中に、更にエチ
レン−酢酸ビニル共重合体(EVA)を配合することが
重要である。エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)
は、分散困難な小粒径カーボンの分散性を改良して小粒
径カーボン本来の高グリップ性能を発揮するためである
が、特に本発明ではこのエチレン−酢酸ビニル共重合体
(EVA)の配合の有無いかんで、耐摩耗性・グリップ
性・総合的走行性能の向上の有無が決定付けられる。こ
れは、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)の配合
が、前記小粒径カーボンの分散性改良以外に、予測でき
なかったことであるが、耐摩耗性・グリップ性・総合的
走行性能のバランスも全体的に向上するという作用効果
が認められた。これは、エチレン−酢酸ビニル共重合体
(EVA)と石油系芳香族炭化水素樹脂との併用に原因
があると考えられ、これは一定の相互作用がエチレン−
酢酸ビニル共重合体(EVA)と石油系芳香族炭化水素
樹脂との間に働いているためと推定される。特に、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体(EVA)はゴム分100重
量部中に2〜20重量部配合することが好ましい。エチ
レン−酢酸ビニル共重合体(EVA)がゴム分100重
量部に対して2重量部未満の場合は、耐摩耗・グリップ
・総合的走行性能のバランスの向上が認められず、また
20重量部を超えて配合してもそれ以上の効果は発揮さ
れない。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の湿式法カーボンブラック
マスターバッチを得るには、例えば以下の製法を採用す
ることができる。すなわち、まず所定のスチレン含量の
スチレン−ブタジエンゴムを含むラテックスに所定のカ
ーボンブラックが超分散されているスラリーを作る。続
いて、このスラリーに、所定の石油系芳香族炭化水素樹
脂及びアロマオイルを加えてカーボンブラックマスター
バッチを得る。次に、これに硫酸を加えて凝固させ、水
洗後濾過し、更に乾燥して湿式法カーボンブラックマス
ターバッチを得る。
【0015】カーボンブラックマスターバッチ中のスチ
レン−ブタジエンゴム(SBR)は単独で配合するのが
好ましい。後配合のゴムは、特に限定されないが、ジエ
ン系ゴム、特にエマルジョン及びソリューション系のス
チレン−ブタジエンゴム(SBR)が好ましい。
【0016】本発明で使用するカーボンブラックは、一
般的にはオイルファーネス法によって製造されるが、格
別この製造方法によって生産されたカーボンブラックに
限定されるものではない。なお、N2SAが少なくとも
140m2/g以上のカーボンブラック(例えばSAF
級カーボンブラック)は、通常、この種の用途では、分
散性の低下を理由にあまり使用されておらず、N2SA
が80〜120m2/gのHAF級、ISAF級等のカ
ーボンブラックの使用が主流である。しかし本発明では
湿式法カーボンブラックマスターバッチを採用し、かつ
前記配合組成とすることによって使用可能ならしめてい
るものである。
【0017】本発明で使用する石油系芳香族炭化水素樹
脂は、動粘度が20〜50cstである石油系芳香族炭
化水素樹脂であれば差し支えない。具体的には、富士興
産社製、商品名「FUKKOL RESIN」、三井石
油化学社製、商品名「ペトロジン#80」、三井石油化
学社製、商品名「ペトロジン#120」が好適である。
【0018】本発明のゴム配合組成物は、上記配合組成
以外にも、例えば加硫剤、加硫促進剤、加硫助剤、老化
防止剤、充填剤等の配合剤を適宜配合することができ
る。従って、本発明のゴム配合組成物は、実際は、上記
の湿式法カーボンブラックマスターバッチに、エチレン
−酢酸ビニル共重合体(EVA)のほか、エマルジョン
系或はソリューション系SBRなどの後配合ゴム、後添
加カーボンブラック、後添加オイル、上記のその他の配
合剤などを適宜配合して得られる。
【0019】なお、請求項2の発明中、エチレン−酢酸
ビニル共重合体(EVA)の酢酸ビニル量は10〜30
%であることが望ましい。10%未満ではカーボンの分
散効果が上記配合組成の系では小さく、30%を超える
と、加硫速度が遅れる点で好ましくないためである。
【0020】
【実施例】以下、本発明の実施例、比較例を挙げて本発
明を具体的に説明するが、本発明はこの実施例によって
限定されるものではない。
【0021】表1〜表4に示す実施例及び比較例の配合
組成により、湿式法カーボンブラックマスターバッチを
作成した。すなわち、所定の結合スチレン含量のスチレ
ン−ブタジエンゴムを含むラテックスに所定のカーボン
ブラックが超分散されているスラリーに対して所定の石
油系芳香族炭化水素樹脂及びアロマオイルを加えてカー
ボンブラックマスターバッチを得、次に、これに硫酸を
加えて凝固させ、水洗後濾過し、更に乾燥して湿式法カ
ーボンブラックマスターバッチを得た。この湿式法カー
ボンブラックマスターバッチに、エチレン−酢酸ビニル
共重合体、後添加のカーボンブラック、後添加のアロマ
オイル、更には亜鉛華、ステアリン酸、老化防止剤、加
硫促進剤、硫黄と、後配合のエマルジョン系SBRとを
配合し、所定のゴム組成物を得た。各実施例及び各比較
例とも、N2SAが200m2/gのカーボンブラックは
三菱化学社製、商品名「ダイヤブラックUX10」を用
い、N2SAが150m2/gのカーボンブラックはN1
10(三菱化学社製、商品名「ダイヤブラックA」)を
用い、N2SA が120m2/g のカーボンブラックは
ISAF系のN220である三菱化学社製、商品名「ダ
イヤブラックI」を用いている。石油系芳香族炭化水素
樹脂は富士興産社製、商品名「FUKKOLRESI
N」を用いた。亜鉛華、ステアリン酸、老化防止剤、加
硫促進剤、硫黄の配合量は、それぞれゴム分100重量
部に対して、亜鉛華3重量部、ステアリン酸1重量部、
老化防止剤(大内新興化学工業社製、商品名「ノクラッ
ク6C」)1重量部、加硫促進剤CBS(大内新興化学
工業社製、商品名「ノクセラーCZ−G」)1重量部、
硫黄2重量部である。
【0022】カーボンブラックとアロマオイルは、上述
の通り、湿式法カーボンブラックマスターバッチ中に配
合すると同時に、全カーボンブラックとアロマオイルが
重量部で120/90となるように、不足分を後添加し
ている。この後添加カーボンブラックはN110(三菱
化学社製、商品名「ダイヤブラックA」、N2SA 14
3 m2/g)を用いた。オイルはアロマオイルを用い
た。なお、本実施例及び比較例では、湿式法カーボンブ
ラックマスターバッチ中のジエンゴムはスチレン−ブタ
ジエンゴムであるが、表1〜表4に示す様に、エマルジ
ョン系スチレン−ブタジエンゴムを別途配合している。
エマルジョン系スチレン−ブタジエンゴムは、全スチレ
ン含量35%のJSR製の商品名「 SBR 0120」
を用いた。エチレン−酢酸ビニル共重合体は三井デュポ
ン社製、商品名「エヴァフレックスV577」、酢酸ビ
ニル量は19%)を用いた。
【0023】次に、本実施例および比較例のゴム組成物
をタイヤトレッドゴムとして用いてタイヤサイズ210
/645 R18の競技用タイヤを試作し、下記の基準
でグリップ性、耐摩耗性及び総合的走行性能についてそ
れぞれ評価した。その結果を同じく表1〜4に示す。な
お、各評価は1周4.4kmのサーキットにて評価す
る。
【0024】グリップ性能:平均周回タイムにて評価す
る。比較例1を100(コントロール)とし、指数表示
する。100より大きいときはグリップ性能が高く、1
00より小さいときグリップ性能は劣る。
【0025】耐摩耗性:20周走行後、トレッド周上の
任意の5カ所の溝深さを測定し、その平均値にて評価す
る。比較例1を100(コントロール)とし、指数表示
したものである。100より大きいときは良好、100
より小さいときは耐摩耗性に劣る。
【0026】総合的走行性能:いわゆる熱ダレ性能と呼
ばれるものであるが、5周目のラップタイムと20周目
のラップタイムの差にて評価する。比較例1を100
(コントロール)とし、指数表示したものである。10
0より大きいときは良好、100より小さいときは総合
的走行性能が劣る。
【0027】
【表1】
【0028】
【表2】
【0029】
【表3】
【0030】
【表4】
【0031】表中、比較例1はコントロールであり、ド
ライブレンドしたものである。また、比較例1は石油系
芳香族炭化水素樹脂を配合していない。
【0032】表1は、カーボンブラックマスターバッチ
中に使用するスチレン−ブタジエンゴムのスチレン含有
量を各々変化させたときのグリップ性、耐摩耗性及び総
合的走行性能を示したものである。本発明のスチレン含
有量である実施例1及び2はグリップ性、耐摩耗性及び
総合的走行性能ともに比較例1を上回る結果となった。
これに対し、カーボンブラックマスターバッチ中に使用
するスチレン−ブタジエンゴムのスチレン含有量が25
wt%未満の比較例2はグリップ性が劣り、スチレン含
有量が45wt%を超える比較例3は耐摩耗性及び総合
的走行性能が低下している。
【0033】表2はカーボンブラックマスターバッチ中
にN2SA が各々異なるカーボンブラックを用い、更に
カーボンブラック配合量を変化させたときのグリップ
性、耐摩耗性及び総合的走行性能を評価したものであ
る。本発明の実施例3及び4は、グリップ性、耐摩耗性
及び総合的走行性能ともに比較例1を上回る結果となっ
た。これに対して、カーボンブラックのN2SAが14
0 m2/g 未満である比較例6は、カーボン粒子の大
きさが大であるため、グリップ性及び耐摩耗性が劣る結
果となった。また、カーボンブラックの含有量も70重
量部未満である比較例5は耐摩耗性及び総合的走行性能
は低下している。また、表中には示していないが、N2
SA が140 m2/g以上のカーボンブラックを15
0重量部を超えて含有させると、上記カーボンブラック
の分散性が低下し、発熱し易く、ブローアウトした。
【0034】表3は温度100℃のときの動粘度が異な
る石油系芳香族炭化水素樹脂、また該樹脂とアロマオイ
ルとの混合比率を各々変化させて使用したときのグリッ
プ性、耐摩耗性及び総合的走行性能を示したものであ
る。本発明の実施例5〜8はグリップ性、耐摩耗性及び
総合的走行性能ともに比較例1を上回る結果となった。
これに対して、カーボンブラックマスターバッチ中の石
油系芳香族炭化水素樹脂の動粘度が50cstを超える
比較例9は耐摩耗性が劣り、同動粘度が20cst未満
の比較例8ではグリップ性及び総合的走行性能ともに比
較例1より低下している。また、カーボンブラックマス
ターバッチ中の(アロマオイル+石油系芳香族炭化水素
樹脂)配合量が60重量部未満である比較例7はグリッ
プ性が劣っている。また、カーボンブラックマスターバ
ッチ中のアロマオイル/石油系芳香族炭化水素樹脂の重
量比が1未満の比較例10は耐摩耗性が劣り、同重量比
が3を超える比較例11はグリップ性の改善効果がな
い。
【0035】表4は、カーボンブラックマスターバッチ
中のスチレン−ブタジエンゴム分を変化させて使用した
ときのグリップ性、耐摩耗性及び総合的走行性能を示し
ている。本発明の実施例9はグリップ性、耐摩耗性及び
総合的走行性能ともに比較例1を上回る結果となった。
これに対して、カーボンブラックマスターバッチ中のス
チレン−ブタジエンゴム分が50重量部未満の比較例1
2ではカーボンブラックマスターバッチ中のスチレン−
ブタジエンゴム分が少なすぎるためグリップ性、耐摩耗
性及び総合的走行性能すべてにおいて比較例1を上回る
結果とはならなかった。また、表4中では示していない
が、カーボンブラックマスターバッチ中のスチレン−ブ
タジエンゴム分が50重量部以上であっても、150重
量部を超える場合はグリップ性、耐摩耗性及び総合的走
行性能の向上効果は頭打ちであり、コスト面で150重
量部以下であることが望ましい。
【0036】なお、表1中、エチレン−酢酸ビニル共重
合体(EVA)を含有しない比較例4は、グリップ性、
耐摩耗性及び総合的走行性能の改善効果はないが、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体(EVA)を含有させた各実
施例はいずれも耐摩耗性・グリップ性・総合的走行性能
がバランスよく全体的に向上している。これはエチレン
−酢酸ビニル共重合体(EVA)が、小粒径カーボンの
分散性改良以外に、予測できなかったことであるが、耐
摩耗・グリップ・総合的走行性能のバランスも全体的に
向上するという作用効果が認められた。これは、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体(EVA)と石油系芳香族炭化
水素樹脂との併用に原因があると考えられ、これは一定
の相互作用がエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)
と石油系芳香族炭化水素樹脂との間に働いているためと
推定される。
【0037】
【発明の効果】本発明は、特定の動粘度を持つ石油系芳
香族炭化水素樹脂と、窒素吸着比表面積(N2SA)が
少なくとも140m2/gのカーボンブラックをあらか
じめ分散させた湿式法スチレン−ブタジエンカーボンブ
ラックマスターバッチを特定量配合することで、耐摩耗
性、耐ブローアウト性を維持しつつ、グリップ性、更に
は総合的走行性能を向上させることができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スチレン含有量が25〜45wt%のス
    チレン−ブタジエンゴム、窒素吸着比表面積(N2
    A)が140m2/g以上のカーボンブラック、アロマ
    オイル、及び100℃のときの動粘度が20〜50cs
    tである石油系芳香族炭化水素樹脂を含む湿式法カーボ
    ンブラックマスターバッチであり、前記スチレン−ブタ
    ジエンゴム中のゴム成分100重量部に対して、前記カ
    ーボンブラックを少なくとも70重量部、前記アロマオ
    イルと石油系芳香族炭化水素樹脂の合計を少なくとも6
    0重量部配合し、かつ前記アロマオイルと石油系芳香族
    炭化水素樹脂の重量比がアロマオイル/石油系芳香族炭
    化水素樹脂=1〜3である湿式法カーボンブラックマス
    ターバッチを含むゴム組成物であって、該ゴム組成物中
    に前記湿式法カーボンブラックマスターバッチがゴム分
    として少なくとも50重量部配合され、更にエチレン−
    酢酸ビニル共重合体(EVA)を含むことを特徴とする
    タイヤトレッド用ゴム組成物。
  2. 【請求項2】 エチレン−酢酸ビニル共重合体(EV
    A)がゴム分100重量部中に2〜20重量部配合され
    ている請求項1記載のタイヤトレッド用ゴム組成物。
JP8281706A 1996-10-02 1996-10-02 タイヤトレッド用ゴム組成物 Withdrawn JPH10101849A (ja)

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