JPH10101849A - タイヤトレッド用ゴム組成物 - Google Patents
タイヤトレッド用ゴム組成物Info
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- JPH10101849A JPH10101849A JP8281706A JP28170696A JPH10101849A JP H10101849 A JPH10101849 A JP H10101849A JP 8281706 A JP8281706 A JP 8281706A JP 28170696 A JP28170696 A JP 28170696A JP H10101849 A JPH10101849 A JP H10101849A
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- rubber
- weight
- aromatic hydrocarbon
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- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 耐摩耗性、耐ブローアウト性を維持しつつ、
グリップ性、更には総合的走行性能を向上する。 【解決手段】 スチレン含有量が25〜45wt%のス
チレン−ブタジエンゴム、窒素吸着比表面積(N2S
A)が140m2/g以上のカーボンブラック、アロマ
オイル、及び100℃のときの動粘度が20〜50cs
tである石油系芳香族炭化水素樹脂を含む湿式法カーボ
ンブラックマスターバッチであり、前記スチレン−ブタ
ジエンゴム中のゴム成分100重量部に対して、前記カ
ーボンブラックを少なくとも70重量部、前記アロマオ
イルと石油系芳香族炭化水素樹脂の合計を少なくとも6
0重量部配合し、かつ前記アロマオイルと石油系芳香族
炭化水素樹脂の重量比がアロマオイル/石油系芳香族炭
化水素樹脂=1〜3である湿式法カーボンブラックマス
ターバッチを含むゴム組成物であって、該ゴム組成物中
に前記湿式法カーボンブラックマスターバッチがゴム分
として少なくとも50重量部配合され、更にエチレン−
酢酸ビニル共重合体(EVA)を含む。
グリップ性、更には総合的走行性能を向上する。 【解決手段】 スチレン含有量が25〜45wt%のス
チレン−ブタジエンゴム、窒素吸着比表面積(N2S
A)が140m2/g以上のカーボンブラック、アロマ
オイル、及び100℃のときの動粘度が20〜50cs
tである石油系芳香族炭化水素樹脂を含む湿式法カーボ
ンブラックマスターバッチであり、前記スチレン−ブタ
ジエンゴム中のゴム成分100重量部に対して、前記カ
ーボンブラックを少なくとも70重量部、前記アロマオ
イルと石油系芳香族炭化水素樹脂の合計を少なくとも6
0重量部配合し、かつ前記アロマオイルと石油系芳香族
炭化水素樹脂の重量比がアロマオイル/石油系芳香族炭
化水素樹脂=1〜3である湿式法カーボンブラックマス
ターバッチを含むゴム組成物であって、該ゴム組成物中
に前記湿式法カーボンブラックマスターバッチがゴム分
として少なくとも50重量部配合され、更にエチレン−
酢酸ビニル共重合体(EVA)を含む。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、タイヤトレッド用
ゴム組成物に関し、更に詳しくは、耐摩耗性、耐ブロー
アウト性を損なうことなく、グリップ性能および総合的
走行性能を同時に向上することができる、競技用タイヤ
として好適なタイヤトレッド用ゴム組成物に関する。
ゴム組成物に関し、更に詳しくは、耐摩耗性、耐ブロー
アウト性を損なうことなく、グリップ性能および総合的
走行性能を同時に向上することができる、競技用タイヤ
として好適なタイヤトレッド用ゴム組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のゴム組成物の場合、高グ
リップ性能を得るために、スチレン含量及びビニル含量
が高く、かつガラス転移点(Tg)が高いスチレン−ブ
タジエンゴム(SBR)を使用してきた。また、その
他、カーボン量やオイル量の高配合、微粒子カーボンの
使用、またはこれらの組み合わせが提案されている。
リップ性能を得るために、スチレン含量及びビニル含量
が高く、かつガラス転移点(Tg)が高いスチレン−ブ
タジエンゴム(SBR)を使用してきた。また、その
他、カーボン量やオイル量の高配合、微粒子カーボンの
使用、またはこれらの組み合わせが提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
このタイヤトレッド用ゴム組成物では、いずれもグリッ
プ性能は向上するが、次の点で問題があった。すなわ
ち、スチレン含量及びビニル含量が高く、かつガラス転
移点(Tg)が高いスチレン−ブタジエンゴム(SB
R)を用いたゴム組成物の場合、耐摩耗性が低下する問
題があった。またカーボン量やオイル量の高配合や、微
粒子カーボンを使用したゴム組成物の場合、カーボンの
分散に悪影響を与えるとともに、ゴム成分との補強効果
が損なわれ、同じく耐摩耗性の低下を引き起こす問題点
があった。また、競技用タイヤとしてより一層のグリッ
プ性能の向上を試みると、ゴム自体の発熱が大きすぎ、
高熱によりブローアウトしてゴムがスポンジ状になりグ
リップ性能が低下する。従って、従来の競技用タイヤ
は、グリップ性能の一層の向上には限界があった。ま
た、高温でトレッドゴムも軟化するためラップタイムが
それ以上あがらないので、総合的走行性能の面で、競技
用として必ずしも好適なタイヤトレッド用ゴム組成物と
はいえなかった。
このタイヤトレッド用ゴム組成物では、いずれもグリッ
プ性能は向上するが、次の点で問題があった。すなわ
ち、スチレン含量及びビニル含量が高く、かつガラス転
移点(Tg)が高いスチレン−ブタジエンゴム(SB
R)を用いたゴム組成物の場合、耐摩耗性が低下する問
題があった。またカーボン量やオイル量の高配合や、微
粒子カーボンを使用したゴム組成物の場合、カーボンの
分散に悪影響を与えるとともに、ゴム成分との補強効果
が損なわれ、同じく耐摩耗性の低下を引き起こす問題点
があった。また、競技用タイヤとしてより一層のグリッ
プ性能の向上を試みると、ゴム自体の発熱が大きすぎ、
高熱によりブローアウトしてゴムがスポンジ状になりグ
リップ性能が低下する。従って、従来の競技用タイヤ
は、グリップ性能の一層の向上には限界があった。ま
た、高温でトレッドゴムも軟化するためラップタイムが
それ以上あがらないので、総合的走行性能の面で、競技
用として必ずしも好適なタイヤトレッド用ゴム組成物と
はいえなかった。
【0004】この発明の課題は、耐摩耗性、耐ブローア
ウト性などの他物性を損なうことなく、グリップ性能及
び総合的走行性能を向上することができるタイヤトレッ
ド用ゴム組成物を提供する点にある。
ウト性などの他物性を損なうことなく、グリップ性能及
び総合的走行性能を向上することができるタイヤトレッ
ド用ゴム組成物を提供する点にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
鋭意検討した結果、特定の動粘度を持つ石油系芳香族炭
化水素樹脂と、窒素吸着比表面積(N2SA)が少なく
とも140m2/gのカーボンブラックをあらかじめ分
散させた湿式法スチレン−ブタジエンカーボンブラック
マスターバッチを特定量配合することで、耐摩耗性、耐
ブローアウト性を維持しつつ、グリップ性、更には総合
的走行性能を向上させることができることを見出した。
鋭意検討した結果、特定の動粘度を持つ石油系芳香族炭
化水素樹脂と、窒素吸着比表面積(N2SA)が少なく
とも140m2/gのカーボンブラックをあらかじめ分
散させた湿式法スチレン−ブタジエンカーボンブラック
マスターバッチを特定量配合することで、耐摩耗性、耐
ブローアウト性を維持しつつ、グリップ性、更には総合
的走行性能を向上させることができることを見出した。
【0006】すなわち、本請求項1の発明は、スチレン
含有量が25〜45wt%のスチレン−ブタジエンゴ
ム、窒素吸着比表面積(N2SA)が140m2/g以上
のカーボンブラック、アロマオイル、及び100℃のと
きの動粘度が20〜50cstである石油系芳香族炭化
水素樹脂を含む湿式法カーボンブラックマスターバッチ
であり、前記スチレン−ブタジエンゴム中のゴム成分1
00重量部に対して、前記カーボンブラックを少なくと
も70重量部、前記アロマオイルと石油系芳香族炭化水
素樹脂の合計を少なくとも60重量部配合し、かつ前記
アロマオイルと石油系芳香族炭化水素樹脂の重量比がア
ロマオイル/石油系芳香族炭化水素樹脂=1〜3である
湿式法カーボンブラックマスターバッチを含むゴム組成
物であって、該ゴム組成物中に前記湿式法カーボンブラ
ックマスターバッチがゴム分として少なくとも50重量
部配合され、更にエチレン−酢酸ビニル共重合体(EV
A)を含むことを特徴とするタイヤトレッド用ゴム組成
物である。
含有量が25〜45wt%のスチレン−ブタジエンゴ
ム、窒素吸着比表面積(N2SA)が140m2/g以上
のカーボンブラック、アロマオイル、及び100℃のと
きの動粘度が20〜50cstである石油系芳香族炭化
水素樹脂を含む湿式法カーボンブラックマスターバッチ
であり、前記スチレン−ブタジエンゴム中のゴム成分1
00重量部に対して、前記カーボンブラックを少なくと
も70重量部、前記アロマオイルと石油系芳香族炭化水
素樹脂の合計を少なくとも60重量部配合し、かつ前記
アロマオイルと石油系芳香族炭化水素樹脂の重量比がア
ロマオイル/石油系芳香族炭化水素樹脂=1〜3である
湿式法カーボンブラックマスターバッチを含むゴム組成
物であって、該ゴム組成物中に前記湿式法カーボンブラ
ックマスターバッチがゴム分として少なくとも50重量
部配合され、更にエチレン−酢酸ビニル共重合体(EV
A)を含むことを特徴とするタイヤトレッド用ゴム組成
物である。
【0007】カーボンブラックマスターバッチ中のスチ
レン−ブタジエンゴムにおいてスチレン含有量が25w
t%未満のときはグリップ性能が不足し、45wt%を
越えるときは耐ブローアウト性が劣る。また、カーボン
ブラックの窒素吸着比表面積(N2SA )が140m2
/g 未満のとき、および当該カーボンブラックの配合
量が70重量部未満のときは、いずれもグリップ性能お
よび耐摩耗性が低下する。また、カーボンブラックの窒
素吸着比表面積(N2SA )が220 m2/gを超える
と、カーボンブラックの粒径が小さくなりすぎ、カーボ
ブラックの分散性が悪化し、発熱が大きくなり、好まし
くない。また、上記カーボンブラックの配合量が150
重量部を越えるときも、上記カーボンブラックの分散性
が低下し、発熱し易く、ブローアウトし易い。従って、
上記カーボンブラックの窒素吸着比表面積(N2SA )
は140m2/g以上、好ましくは140〜220m2/
gが適切である。また、上記カーボンブラックの配合量
は、上記マスターバッチ中のゴム成分100重量部に対
して少なくとも70重量部、好ましくは70〜150重
量部である。
レン−ブタジエンゴムにおいてスチレン含有量が25w
t%未満のときはグリップ性能が不足し、45wt%を
越えるときは耐ブローアウト性が劣る。また、カーボン
ブラックの窒素吸着比表面積(N2SA )が140m2
/g 未満のとき、および当該カーボンブラックの配合
量が70重量部未満のときは、いずれもグリップ性能お
よび耐摩耗性が低下する。また、カーボンブラックの窒
素吸着比表面積(N2SA )が220 m2/gを超える
と、カーボンブラックの粒径が小さくなりすぎ、カーボ
ブラックの分散性が悪化し、発熱が大きくなり、好まし
くない。また、上記カーボンブラックの配合量が150
重量部を越えるときも、上記カーボンブラックの分散性
が低下し、発熱し易く、ブローアウトし易い。従って、
上記カーボンブラックの窒素吸着比表面積(N2SA )
は140m2/g以上、好ましくは140〜220m2/
gが適切である。また、上記カーボンブラックの配合量
は、上記マスターバッチ中のゴム成分100重量部に対
して少なくとも70重量部、好ましくは70〜150重
量部である。
【0008】本発明では、耐摩耗性が良好であるがゴム
中では分散困難な小粒径のカーボンブラックを、ゴム組
成物中で分散性を高めるため、あらかじめゴムとアロマ
オイルとともに混合する湿式法カーボンブラックマスタ
ーバッチを用いている。しかし湿式法カーボンブラック
マスターバッチを採用する場合でも、上記の通り、一定
のカーボンブラックを特定量用いることが重要である。
またさらに、カーボンブラックマスターバッチ中にあら
かじめ配合する特定の動粘度をもつ石油系芳香族炭化水
素樹脂をアロマオイルとの配合比で特定量使用すること
が本発明では重要な要素となる。
中では分散困難な小粒径のカーボンブラックを、ゴム組
成物中で分散性を高めるため、あらかじめゴムとアロマ
オイルとともに混合する湿式法カーボンブラックマスタ
ーバッチを用いている。しかし湿式法カーボンブラック
マスターバッチを採用する場合でも、上記の通り、一定
のカーボンブラックを特定量用いることが重要である。
またさらに、カーボンブラックマスターバッチ中にあら
かじめ配合する特定の動粘度をもつ石油系芳香族炭化水
素樹脂をアロマオイルとの配合比で特定量使用すること
が本発明では重要な要素となる。
【0009】すなわち、カーボンブラックマスターバッ
チ中で使用する石油系芳香族炭化水素樹脂は、100℃
のときの動粘度が20〜50cstの石油系芳香族炭化
水素樹脂を使用しなければならない。これは、100℃
のときの動粘度が20cst未満のときは、たとえ上述
した条件が満足する場合でも所望とするグリップ性が得
られず、また反対に50cstを越えるときは総合的な
走行性能、耐摩耗性が劣る。
チ中で使用する石油系芳香族炭化水素樹脂は、100℃
のときの動粘度が20〜50cstの石油系芳香族炭化
水素樹脂を使用しなければならない。これは、100℃
のときの動粘度が20cst未満のときは、たとえ上述
した条件が満足する場合でも所望とするグリップ性が得
られず、また反対に50cstを越えるときは総合的な
走行性能、耐摩耗性が劣る。
【0010】また、カーボンブラックマスターバッチ中
のアロマオイルと石油系芳香族炭化水素樹脂の重量比
(アロマオイル/石油系芳香族炭化水素樹脂)が1未満
のときはタイヤのトレッドゴム適用時に走行していると
発熱しすぎ、耐ブローアウト性が劣る。上記重量比が3
を越えるときは満足したグリップ性能が得られない。
のアロマオイルと石油系芳香族炭化水素樹脂の重量比
(アロマオイル/石油系芳香族炭化水素樹脂)が1未満
のときはタイヤのトレッドゴム適用時に走行していると
発熱しすぎ、耐ブローアウト性が劣る。上記重量比が3
を越えるときは満足したグリップ性能が得られない。
【0011】また、アロマオイルと石油系芳香族炭化水
素樹脂との混合物が、前記マスターバッチ中のゴム成分
100重量部に対して合計で60重量部未満のときは、
グリップ性が劣り、かつ加工性も劣る。
素樹脂との混合物が、前記マスターバッチ中のゴム成分
100重量部に対して合計で60重量部未満のときは、
グリップ性が劣り、かつ加工性も劣る。
【0012】また、上記の条件を満たしたカーボンブラ
ックマスターバッチ中のゴム分は、ゴム組成物中の全ゴ
ム分100重量部に少なくとも50重量部配合しなけれ
ばならない。50重量部未満のときは、総合的走行性
能、グリップ性能及び摩耗性能の向上効果が小さい。
ックマスターバッチ中のゴム分は、ゴム組成物中の全ゴ
ム分100重量部に少なくとも50重量部配合しなけれ
ばならない。50重量部未満のときは、総合的走行性
能、グリップ性能及び摩耗性能の向上効果が小さい。
【0013】なお、本発明では、前記湿式法カーボンブ
ラックマスターバッチを含むゴム組成物中に、更にエチ
レン−酢酸ビニル共重合体(EVA)を配合することが
重要である。エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)
は、分散困難な小粒径カーボンの分散性を改良して小粒
径カーボン本来の高グリップ性能を発揮するためである
が、特に本発明ではこのエチレン−酢酸ビニル共重合体
(EVA)の配合の有無いかんで、耐摩耗性・グリップ
性・総合的走行性能の向上の有無が決定付けられる。こ
れは、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)の配合
が、前記小粒径カーボンの分散性改良以外に、予測でき
なかったことであるが、耐摩耗性・グリップ性・総合的
走行性能のバランスも全体的に向上するという作用効果
が認められた。これは、エチレン−酢酸ビニル共重合体
(EVA)と石油系芳香族炭化水素樹脂との併用に原因
があると考えられ、これは一定の相互作用がエチレン−
酢酸ビニル共重合体(EVA)と石油系芳香族炭化水素
樹脂との間に働いているためと推定される。特に、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体(EVA)はゴム分100重
量部中に2〜20重量部配合することが好ましい。エチ
レン−酢酸ビニル共重合体(EVA)がゴム分100重
量部に対して2重量部未満の場合は、耐摩耗・グリップ
・総合的走行性能のバランスの向上が認められず、また
20重量部を超えて配合してもそれ以上の効果は発揮さ
れない。
ラックマスターバッチを含むゴム組成物中に、更にエチ
レン−酢酸ビニル共重合体(EVA)を配合することが
重要である。エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)
は、分散困難な小粒径カーボンの分散性を改良して小粒
径カーボン本来の高グリップ性能を発揮するためである
が、特に本発明ではこのエチレン−酢酸ビニル共重合体
(EVA)の配合の有無いかんで、耐摩耗性・グリップ
性・総合的走行性能の向上の有無が決定付けられる。こ
れは、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)の配合
が、前記小粒径カーボンの分散性改良以外に、予測でき
なかったことであるが、耐摩耗性・グリップ性・総合的
走行性能のバランスも全体的に向上するという作用効果
が認められた。これは、エチレン−酢酸ビニル共重合体
(EVA)と石油系芳香族炭化水素樹脂との併用に原因
があると考えられ、これは一定の相互作用がエチレン−
酢酸ビニル共重合体(EVA)と石油系芳香族炭化水素
樹脂との間に働いているためと推定される。特に、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体(EVA)はゴム分100重
量部中に2〜20重量部配合することが好ましい。エチ
レン−酢酸ビニル共重合体(EVA)がゴム分100重
量部に対して2重量部未満の場合は、耐摩耗・グリップ
・総合的走行性能のバランスの向上が認められず、また
20重量部を超えて配合してもそれ以上の効果は発揮さ
れない。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の湿式法カーボンブラック
マスターバッチを得るには、例えば以下の製法を採用す
ることができる。すなわち、まず所定のスチレン含量の
スチレン−ブタジエンゴムを含むラテックスに所定のカ
ーボンブラックが超分散されているスラリーを作る。続
いて、このスラリーに、所定の石油系芳香族炭化水素樹
脂及びアロマオイルを加えてカーボンブラックマスター
バッチを得る。次に、これに硫酸を加えて凝固させ、水
洗後濾過し、更に乾燥して湿式法カーボンブラックマス
ターバッチを得る。
マスターバッチを得るには、例えば以下の製法を採用す
ることができる。すなわち、まず所定のスチレン含量の
スチレン−ブタジエンゴムを含むラテックスに所定のカ
ーボンブラックが超分散されているスラリーを作る。続
いて、このスラリーに、所定の石油系芳香族炭化水素樹
脂及びアロマオイルを加えてカーボンブラックマスター
バッチを得る。次に、これに硫酸を加えて凝固させ、水
洗後濾過し、更に乾燥して湿式法カーボンブラックマス
ターバッチを得る。
【0015】カーボンブラックマスターバッチ中のスチ
レン−ブタジエンゴム(SBR)は単独で配合するのが
好ましい。後配合のゴムは、特に限定されないが、ジエ
ン系ゴム、特にエマルジョン及びソリューション系のス
チレン−ブタジエンゴム(SBR)が好ましい。
レン−ブタジエンゴム(SBR)は単独で配合するのが
好ましい。後配合のゴムは、特に限定されないが、ジエ
ン系ゴム、特にエマルジョン及びソリューション系のス
チレン−ブタジエンゴム(SBR)が好ましい。
【0016】本発明で使用するカーボンブラックは、一
般的にはオイルファーネス法によって製造されるが、格
別この製造方法によって生産されたカーボンブラックに
限定されるものではない。なお、N2SAが少なくとも
140m2/g以上のカーボンブラック(例えばSAF
級カーボンブラック)は、通常、この種の用途では、分
散性の低下を理由にあまり使用されておらず、N2SA
が80〜120m2/gのHAF級、ISAF級等のカ
ーボンブラックの使用が主流である。しかし本発明では
湿式法カーボンブラックマスターバッチを採用し、かつ
前記配合組成とすることによって使用可能ならしめてい
るものである。
般的にはオイルファーネス法によって製造されるが、格
別この製造方法によって生産されたカーボンブラックに
限定されるものではない。なお、N2SAが少なくとも
140m2/g以上のカーボンブラック(例えばSAF
級カーボンブラック)は、通常、この種の用途では、分
散性の低下を理由にあまり使用されておらず、N2SA
が80〜120m2/gのHAF級、ISAF級等のカ
ーボンブラックの使用が主流である。しかし本発明では
湿式法カーボンブラックマスターバッチを採用し、かつ
前記配合組成とすることによって使用可能ならしめてい
るものである。
【0017】本発明で使用する石油系芳香族炭化水素樹
脂は、動粘度が20〜50cstである石油系芳香族炭
化水素樹脂であれば差し支えない。具体的には、富士興
産社製、商品名「FUKKOL RESIN」、三井石
油化学社製、商品名「ペトロジン#80」、三井石油化
学社製、商品名「ペトロジン#120」が好適である。
脂は、動粘度が20〜50cstである石油系芳香族炭
化水素樹脂であれば差し支えない。具体的には、富士興
産社製、商品名「FUKKOL RESIN」、三井石
油化学社製、商品名「ペトロジン#80」、三井石油化
学社製、商品名「ペトロジン#120」が好適である。
【0018】本発明のゴム配合組成物は、上記配合組成
以外にも、例えば加硫剤、加硫促進剤、加硫助剤、老化
防止剤、充填剤等の配合剤を適宜配合することができ
る。従って、本発明のゴム配合組成物は、実際は、上記
の湿式法カーボンブラックマスターバッチに、エチレン
−酢酸ビニル共重合体(EVA)のほか、エマルジョン
系或はソリューション系SBRなどの後配合ゴム、後添
加カーボンブラック、後添加オイル、上記のその他の配
合剤などを適宜配合して得られる。
以外にも、例えば加硫剤、加硫促進剤、加硫助剤、老化
防止剤、充填剤等の配合剤を適宜配合することができ
る。従って、本発明のゴム配合組成物は、実際は、上記
の湿式法カーボンブラックマスターバッチに、エチレン
−酢酸ビニル共重合体(EVA)のほか、エマルジョン
系或はソリューション系SBRなどの後配合ゴム、後添
加カーボンブラック、後添加オイル、上記のその他の配
合剤などを適宜配合して得られる。
【0019】なお、請求項2の発明中、エチレン−酢酸
ビニル共重合体(EVA)の酢酸ビニル量は10〜30
%であることが望ましい。10%未満ではカーボンの分
散効果が上記配合組成の系では小さく、30%を超える
と、加硫速度が遅れる点で好ましくないためである。
ビニル共重合体(EVA)の酢酸ビニル量は10〜30
%であることが望ましい。10%未満ではカーボンの分
散効果が上記配合組成の系では小さく、30%を超える
と、加硫速度が遅れる点で好ましくないためである。
【0020】
【実施例】以下、本発明の実施例、比較例を挙げて本発
明を具体的に説明するが、本発明はこの実施例によって
限定されるものではない。
明を具体的に説明するが、本発明はこの実施例によって
限定されるものではない。
【0021】表1〜表4に示す実施例及び比較例の配合
組成により、湿式法カーボンブラックマスターバッチを
作成した。すなわち、所定の結合スチレン含量のスチレ
ン−ブタジエンゴムを含むラテックスに所定のカーボン
ブラックが超分散されているスラリーに対して所定の石
油系芳香族炭化水素樹脂及びアロマオイルを加えてカー
ボンブラックマスターバッチを得、次に、これに硫酸を
加えて凝固させ、水洗後濾過し、更に乾燥して湿式法カ
ーボンブラックマスターバッチを得た。この湿式法カー
ボンブラックマスターバッチに、エチレン−酢酸ビニル
共重合体、後添加のカーボンブラック、後添加のアロマ
オイル、更には亜鉛華、ステアリン酸、老化防止剤、加
硫促進剤、硫黄と、後配合のエマルジョン系SBRとを
配合し、所定のゴム組成物を得た。各実施例及び各比較
例とも、N2SAが200m2/gのカーボンブラックは
三菱化学社製、商品名「ダイヤブラックUX10」を用
い、N2SAが150m2/gのカーボンブラックはN1
10(三菱化学社製、商品名「ダイヤブラックA」)を
用い、N2SA が120m2/g のカーボンブラックは
ISAF系のN220である三菱化学社製、商品名「ダ
イヤブラックI」を用いている。石油系芳香族炭化水素
樹脂は富士興産社製、商品名「FUKKOLRESI
N」を用いた。亜鉛華、ステアリン酸、老化防止剤、加
硫促進剤、硫黄の配合量は、それぞれゴム分100重量
部に対して、亜鉛華3重量部、ステアリン酸1重量部、
老化防止剤(大内新興化学工業社製、商品名「ノクラッ
ク6C」)1重量部、加硫促進剤CBS(大内新興化学
工業社製、商品名「ノクセラーCZ−G」)1重量部、
硫黄2重量部である。
組成により、湿式法カーボンブラックマスターバッチを
作成した。すなわち、所定の結合スチレン含量のスチレ
ン−ブタジエンゴムを含むラテックスに所定のカーボン
ブラックが超分散されているスラリーに対して所定の石
油系芳香族炭化水素樹脂及びアロマオイルを加えてカー
ボンブラックマスターバッチを得、次に、これに硫酸を
加えて凝固させ、水洗後濾過し、更に乾燥して湿式法カ
ーボンブラックマスターバッチを得た。この湿式法カー
ボンブラックマスターバッチに、エチレン−酢酸ビニル
共重合体、後添加のカーボンブラック、後添加のアロマ
オイル、更には亜鉛華、ステアリン酸、老化防止剤、加
硫促進剤、硫黄と、後配合のエマルジョン系SBRとを
配合し、所定のゴム組成物を得た。各実施例及び各比較
例とも、N2SAが200m2/gのカーボンブラックは
三菱化学社製、商品名「ダイヤブラックUX10」を用
い、N2SAが150m2/gのカーボンブラックはN1
10(三菱化学社製、商品名「ダイヤブラックA」)を
用い、N2SA が120m2/g のカーボンブラックは
ISAF系のN220である三菱化学社製、商品名「ダ
イヤブラックI」を用いている。石油系芳香族炭化水素
樹脂は富士興産社製、商品名「FUKKOLRESI
N」を用いた。亜鉛華、ステアリン酸、老化防止剤、加
硫促進剤、硫黄の配合量は、それぞれゴム分100重量
部に対して、亜鉛華3重量部、ステアリン酸1重量部、
老化防止剤(大内新興化学工業社製、商品名「ノクラッ
ク6C」)1重量部、加硫促進剤CBS(大内新興化学
工業社製、商品名「ノクセラーCZ−G」)1重量部、
硫黄2重量部である。
【0022】カーボンブラックとアロマオイルは、上述
の通り、湿式法カーボンブラックマスターバッチ中に配
合すると同時に、全カーボンブラックとアロマオイルが
重量部で120/90となるように、不足分を後添加し
ている。この後添加カーボンブラックはN110(三菱
化学社製、商品名「ダイヤブラックA」、N2SA 14
3 m2/g)を用いた。オイルはアロマオイルを用い
た。なお、本実施例及び比較例では、湿式法カーボンブ
ラックマスターバッチ中のジエンゴムはスチレン−ブタ
ジエンゴムであるが、表1〜表4に示す様に、エマルジ
ョン系スチレン−ブタジエンゴムを別途配合している。
エマルジョン系スチレン−ブタジエンゴムは、全スチレ
ン含量35%のJSR製の商品名「 SBR 0120」
を用いた。エチレン−酢酸ビニル共重合体は三井デュポ
ン社製、商品名「エヴァフレックスV577」、酢酸ビ
ニル量は19%)を用いた。
の通り、湿式法カーボンブラックマスターバッチ中に配
合すると同時に、全カーボンブラックとアロマオイルが
重量部で120/90となるように、不足分を後添加し
ている。この後添加カーボンブラックはN110(三菱
化学社製、商品名「ダイヤブラックA」、N2SA 14
3 m2/g)を用いた。オイルはアロマオイルを用い
た。なお、本実施例及び比較例では、湿式法カーボンブ
ラックマスターバッチ中のジエンゴムはスチレン−ブタ
ジエンゴムであるが、表1〜表4に示す様に、エマルジ
ョン系スチレン−ブタジエンゴムを別途配合している。
エマルジョン系スチレン−ブタジエンゴムは、全スチレ
ン含量35%のJSR製の商品名「 SBR 0120」
を用いた。エチレン−酢酸ビニル共重合体は三井デュポ
ン社製、商品名「エヴァフレックスV577」、酢酸ビ
ニル量は19%)を用いた。
【0023】次に、本実施例および比較例のゴム組成物
をタイヤトレッドゴムとして用いてタイヤサイズ210
/645 R18の競技用タイヤを試作し、下記の基準
でグリップ性、耐摩耗性及び総合的走行性能についてそ
れぞれ評価した。その結果を同じく表1〜4に示す。な
お、各評価は1周4.4kmのサーキットにて評価す
る。
をタイヤトレッドゴムとして用いてタイヤサイズ210
/645 R18の競技用タイヤを試作し、下記の基準
でグリップ性、耐摩耗性及び総合的走行性能についてそ
れぞれ評価した。その結果を同じく表1〜4に示す。な
お、各評価は1周4.4kmのサーキットにて評価す
る。
【0024】グリップ性能:平均周回タイムにて評価す
る。比較例1を100(コントロール)とし、指数表示
する。100より大きいときはグリップ性能が高く、1
00より小さいときグリップ性能は劣る。
る。比較例1を100(コントロール)とし、指数表示
する。100より大きいときはグリップ性能が高く、1
00より小さいときグリップ性能は劣る。
【0025】耐摩耗性:20周走行後、トレッド周上の
任意の5カ所の溝深さを測定し、その平均値にて評価す
る。比較例1を100(コントロール)とし、指数表示
したものである。100より大きいときは良好、100
より小さいときは耐摩耗性に劣る。
任意の5カ所の溝深さを測定し、その平均値にて評価す
る。比較例1を100(コントロール)とし、指数表示
したものである。100より大きいときは良好、100
より小さいときは耐摩耗性に劣る。
【0026】総合的走行性能:いわゆる熱ダレ性能と呼
ばれるものであるが、5周目のラップタイムと20周目
のラップタイムの差にて評価する。比較例1を100
(コントロール)とし、指数表示したものである。10
0より大きいときは良好、100より小さいときは総合
的走行性能が劣る。
ばれるものであるが、5周目のラップタイムと20周目
のラップタイムの差にて評価する。比較例1を100
(コントロール)とし、指数表示したものである。10
0より大きいときは良好、100より小さいときは総合
的走行性能が劣る。
【0027】
【表1】
【0028】
【表2】
【0029】
【表3】
【0030】
【表4】
【0031】表中、比較例1はコントロールであり、ド
ライブレンドしたものである。また、比較例1は石油系
芳香族炭化水素樹脂を配合していない。
ライブレンドしたものである。また、比較例1は石油系
芳香族炭化水素樹脂を配合していない。
【0032】表1は、カーボンブラックマスターバッチ
中に使用するスチレン−ブタジエンゴムのスチレン含有
量を各々変化させたときのグリップ性、耐摩耗性及び総
合的走行性能を示したものである。本発明のスチレン含
有量である実施例1及び2はグリップ性、耐摩耗性及び
総合的走行性能ともに比較例1を上回る結果となった。
これに対し、カーボンブラックマスターバッチ中に使用
するスチレン−ブタジエンゴムのスチレン含有量が25
wt%未満の比較例2はグリップ性が劣り、スチレン含
有量が45wt%を超える比較例3は耐摩耗性及び総合
的走行性能が低下している。
中に使用するスチレン−ブタジエンゴムのスチレン含有
量を各々変化させたときのグリップ性、耐摩耗性及び総
合的走行性能を示したものである。本発明のスチレン含
有量である実施例1及び2はグリップ性、耐摩耗性及び
総合的走行性能ともに比較例1を上回る結果となった。
これに対し、カーボンブラックマスターバッチ中に使用
するスチレン−ブタジエンゴムのスチレン含有量が25
wt%未満の比較例2はグリップ性が劣り、スチレン含
有量が45wt%を超える比較例3は耐摩耗性及び総合
的走行性能が低下している。
【0033】表2はカーボンブラックマスターバッチ中
にN2SA が各々異なるカーボンブラックを用い、更に
カーボンブラック配合量を変化させたときのグリップ
性、耐摩耗性及び総合的走行性能を評価したものであ
る。本発明の実施例3及び4は、グリップ性、耐摩耗性
及び総合的走行性能ともに比較例1を上回る結果となっ
た。これに対して、カーボンブラックのN2SAが14
0 m2/g 未満である比較例6は、カーボン粒子の大
きさが大であるため、グリップ性及び耐摩耗性が劣る結
果となった。また、カーボンブラックの含有量も70重
量部未満である比較例5は耐摩耗性及び総合的走行性能
は低下している。また、表中には示していないが、N2
SA が140 m2/g以上のカーボンブラックを15
0重量部を超えて含有させると、上記カーボンブラック
の分散性が低下し、発熱し易く、ブローアウトした。
にN2SA が各々異なるカーボンブラックを用い、更に
カーボンブラック配合量を変化させたときのグリップ
性、耐摩耗性及び総合的走行性能を評価したものであ
る。本発明の実施例3及び4は、グリップ性、耐摩耗性
及び総合的走行性能ともに比較例1を上回る結果となっ
た。これに対して、カーボンブラックのN2SAが14
0 m2/g 未満である比較例6は、カーボン粒子の大
きさが大であるため、グリップ性及び耐摩耗性が劣る結
果となった。また、カーボンブラックの含有量も70重
量部未満である比較例5は耐摩耗性及び総合的走行性能
は低下している。また、表中には示していないが、N2
SA が140 m2/g以上のカーボンブラックを15
0重量部を超えて含有させると、上記カーボンブラック
の分散性が低下し、発熱し易く、ブローアウトした。
【0034】表3は温度100℃のときの動粘度が異な
る石油系芳香族炭化水素樹脂、また該樹脂とアロマオイ
ルとの混合比率を各々変化させて使用したときのグリッ
プ性、耐摩耗性及び総合的走行性能を示したものであ
る。本発明の実施例5〜8はグリップ性、耐摩耗性及び
総合的走行性能ともに比較例1を上回る結果となった。
これに対して、カーボンブラックマスターバッチ中の石
油系芳香族炭化水素樹脂の動粘度が50cstを超える
比較例9は耐摩耗性が劣り、同動粘度が20cst未満
の比較例8ではグリップ性及び総合的走行性能ともに比
較例1より低下している。また、カーボンブラックマス
ターバッチ中の(アロマオイル+石油系芳香族炭化水素
樹脂)配合量が60重量部未満である比較例7はグリッ
プ性が劣っている。また、カーボンブラックマスターバ
ッチ中のアロマオイル/石油系芳香族炭化水素樹脂の重
量比が1未満の比較例10は耐摩耗性が劣り、同重量比
が3を超える比較例11はグリップ性の改善効果がな
い。
る石油系芳香族炭化水素樹脂、また該樹脂とアロマオイ
ルとの混合比率を各々変化させて使用したときのグリッ
プ性、耐摩耗性及び総合的走行性能を示したものであ
る。本発明の実施例5〜8はグリップ性、耐摩耗性及び
総合的走行性能ともに比較例1を上回る結果となった。
これに対して、カーボンブラックマスターバッチ中の石
油系芳香族炭化水素樹脂の動粘度が50cstを超える
比較例9は耐摩耗性が劣り、同動粘度が20cst未満
の比較例8ではグリップ性及び総合的走行性能ともに比
較例1より低下している。また、カーボンブラックマス
ターバッチ中の(アロマオイル+石油系芳香族炭化水素
樹脂)配合量が60重量部未満である比較例7はグリッ
プ性が劣っている。また、カーボンブラックマスターバ
ッチ中のアロマオイル/石油系芳香族炭化水素樹脂の重
量比が1未満の比較例10は耐摩耗性が劣り、同重量比
が3を超える比較例11はグリップ性の改善効果がな
い。
【0035】表4は、カーボンブラックマスターバッチ
中のスチレン−ブタジエンゴム分を変化させて使用した
ときのグリップ性、耐摩耗性及び総合的走行性能を示し
ている。本発明の実施例9はグリップ性、耐摩耗性及び
総合的走行性能ともに比較例1を上回る結果となった。
これに対して、カーボンブラックマスターバッチ中のス
チレン−ブタジエンゴム分が50重量部未満の比較例1
2ではカーボンブラックマスターバッチ中のスチレン−
ブタジエンゴム分が少なすぎるためグリップ性、耐摩耗
性及び総合的走行性能すべてにおいて比較例1を上回る
結果とはならなかった。また、表4中では示していない
が、カーボンブラックマスターバッチ中のスチレン−ブ
タジエンゴム分が50重量部以上であっても、150重
量部を超える場合はグリップ性、耐摩耗性及び総合的走
行性能の向上効果は頭打ちであり、コスト面で150重
量部以下であることが望ましい。
中のスチレン−ブタジエンゴム分を変化させて使用した
ときのグリップ性、耐摩耗性及び総合的走行性能を示し
ている。本発明の実施例9はグリップ性、耐摩耗性及び
総合的走行性能ともに比較例1を上回る結果となった。
これに対して、カーボンブラックマスターバッチ中のス
チレン−ブタジエンゴム分が50重量部未満の比較例1
2ではカーボンブラックマスターバッチ中のスチレン−
ブタジエンゴム分が少なすぎるためグリップ性、耐摩耗
性及び総合的走行性能すべてにおいて比較例1を上回る
結果とはならなかった。また、表4中では示していない
が、カーボンブラックマスターバッチ中のスチレン−ブ
タジエンゴム分が50重量部以上であっても、150重
量部を超える場合はグリップ性、耐摩耗性及び総合的走
行性能の向上効果は頭打ちであり、コスト面で150重
量部以下であることが望ましい。
【0036】なお、表1中、エチレン−酢酸ビニル共重
合体(EVA)を含有しない比較例4は、グリップ性、
耐摩耗性及び総合的走行性能の改善効果はないが、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体(EVA)を含有させた各実
施例はいずれも耐摩耗性・グリップ性・総合的走行性能
がバランスよく全体的に向上している。これはエチレン
−酢酸ビニル共重合体(EVA)が、小粒径カーボンの
分散性改良以外に、予測できなかったことであるが、耐
摩耗・グリップ・総合的走行性能のバランスも全体的に
向上するという作用効果が認められた。これは、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体(EVA)と石油系芳香族炭化
水素樹脂との併用に原因があると考えられ、これは一定
の相互作用がエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)
と石油系芳香族炭化水素樹脂との間に働いているためと
推定される。
合体(EVA)を含有しない比較例4は、グリップ性、
耐摩耗性及び総合的走行性能の改善効果はないが、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体(EVA)を含有させた各実
施例はいずれも耐摩耗性・グリップ性・総合的走行性能
がバランスよく全体的に向上している。これはエチレン
−酢酸ビニル共重合体(EVA)が、小粒径カーボンの
分散性改良以外に、予測できなかったことであるが、耐
摩耗・グリップ・総合的走行性能のバランスも全体的に
向上するという作用効果が認められた。これは、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体(EVA)と石油系芳香族炭化
水素樹脂との併用に原因があると考えられ、これは一定
の相互作用がエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)
と石油系芳香族炭化水素樹脂との間に働いているためと
推定される。
【0037】
【発明の効果】本発明は、特定の動粘度を持つ石油系芳
香族炭化水素樹脂と、窒素吸着比表面積(N2SA)が
少なくとも140m2/gのカーボンブラックをあらか
じめ分散させた湿式法スチレン−ブタジエンカーボンブ
ラックマスターバッチを特定量配合することで、耐摩耗
性、耐ブローアウト性を維持しつつ、グリップ性、更に
は総合的走行性能を向上させることができる。
香族炭化水素樹脂と、窒素吸着比表面積(N2SA)が
少なくとも140m2/gのカーボンブラックをあらか
じめ分散させた湿式法スチレン−ブタジエンカーボンブ
ラックマスターバッチを特定量配合することで、耐摩耗
性、耐ブローアウト性を維持しつつ、グリップ性、更に
は総合的走行性能を向上させることができる。
Claims (2)
- 【請求項1】 スチレン含有量が25〜45wt%のス
チレン−ブタジエンゴム、窒素吸着比表面積(N2S
A)が140m2/g以上のカーボンブラック、アロマ
オイル、及び100℃のときの動粘度が20〜50cs
tである石油系芳香族炭化水素樹脂を含む湿式法カーボ
ンブラックマスターバッチであり、前記スチレン−ブタ
ジエンゴム中のゴム成分100重量部に対して、前記カ
ーボンブラックを少なくとも70重量部、前記アロマオ
イルと石油系芳香族炭化水素樹脂の合計を少なくとも6
0重量部配合し、かつ前記アロマオイルと石油系芳香族
炭化水素樹脂の重量比がアロマオイル/石油系芳香族炭
化水素樹脂=1〜3である湿式法カーボンブラックマス
ターバッチを含むゴム組成物であって、該ゴム組成物中
に前記湿式法カーボンブラックマスターバッチがゴム分
として少なくとも50重量部配合され、更にエチレン−
酢酸ビニル共重合体(EVA)を含むことを特徴とする
タイヤトレッド用ゴム組成物。 - 【請求項2】 エチレン−酢酸ビニル共重合体(EV
A)がゴム分100重量部中に2〜20重量部配合され
ている請求項1記載のタイヤトレッド用ゴム組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8281706A JPH10101849A (ja) | 1996-10-02 | 1996-10-02 | タイヤトレッド用ゴム組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8281706A JPH10101849A (ja) | 1996-10-02 | 1996-10-02 | タイヤトレッド用ゴム組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10101849A true JPH10101849A (ja) | 1998-04-21 |
Family
ID=17642852
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8281706A Withdrawn JPH10101849A (ja) | 1996-10-02 | 1996-10-02 | タイヤトレッド用ゴム組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10101849A (ja) |
Cited By (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002241528A (ja) * | 2001-02-16 | 2002-08-28 | Toyo Tire & Rubber Co Ltd | タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ |
EP1900548A1 (en) * | 2006-09-08 | 2008-03-19 | The Goodyear Tire & Rubber Company | Carbon black-rich rubber composition containing particulate hydrophylic water absorbing polymer and tire with tread thereof |
JP2010084059A (ja) * | 2008-10-01 | 2010-04-15 | Sumitomo Rubber Ind Ltd | タイヤ用ゴム組成物 |
JP2012036229A (ja) * | 2010-08-03 | 2012-02-23 | Toyo Tire & Rubber Co Ltd | ゴム組成物及び空気入りタイヤ |
DE102012100321A1 (de) | 2011-02-18 | 2012-08-23 | Toyo Tire & Rubber Co., Ltd. | Gummizusammensetzung, dessen Herstellungsverfahren und luftgefüllter Reifen |
JP2013523932A (ja) * | 2010-03-31 | 2013-06-17 | コンパニー ゼネラール デ エタブリッスマン ミシュラン | トレッドがポリビニルエステル樹脂を含むゴム組成物を含むタイヤ |
JP2014098065A (ja) * | 2012-11-13 | 2014-05-29 | Toyo Tire & Rubber Co Ltd | タイヤトレッド用ゴム組成物及び空気入りタイヤ |
JP2016033194A (ja) * | 2014-07-31 | 2016-03-10 | 横浜ゴム株式会社 | タイヤ用ゴム組成物 |
JP2016176067A (ja) * | 2015-03-19 | 2016-10-06 | ハンコック タイヤ カンパニー リミテッド | タイヤトレッド用ゴム組成物及びそれを用いて製造したタイヤ |
JP2017101199A (ja) * | 2015-12-04 | 2017-06-08 | 住友ゴム工業株式会社 | ゴム組成物およびタイヤ |
JP2019056084A (ja) * | 2017-09-22 | 2019-04-11 | 住友ゴム工業株式会社 | 空気入りタイヤ |
-
1996
- 1996-10-02 JP JP8281706A patent/JPH10101849A/ja not_active Withdrawn
Cited By (12)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002241528A (ja) * | 2001-02-16 | 2002-08-28 | Toyo Tire & Rubber Co Ltd | タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ |
EP1900548A1 (en) * | 2006-09-08 | 2008-03-19 | The Goodyear Tire & Rubber Company | Carbon black-rich rubber composition containing particulate hydrophylic water absorbing polymer and tire with tread thereof |
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US8765844B2 (en) | 2011-02-18 | 2014-07-01 | Toyo Tire & Rubber Co., Ltd. | Rubber composition, its manufacturing method and pneumatic tire |
JP2014098065A (ja) * | 2012-11-13 | 2014-05-29 | Toyo Tire & Rubber Co Ltd | タイヤトレッド用ゴム組成物及び空気入りタイヤ |
JP2016033194A (ja) * | 2014-07-31 | 2016-03-10 | 横浜ゴム株式会社 | タイヤ用ゴム組成物 |
JP2016176067A (ja) * | 2015-03-19 | 2016-10-06 | ハンコック タイヤ カンパニー リミテッド | タイヤトレッド用ゴム組成物及びそれを用いて製造したタイヤ |
JP2017101199A (ja) * | 2015-12-04 | 2017-06-08 | 住友ゴム工業株式会社 | ゴム組成物およびタイヤ |
JP2019056084A (ja) * | 2017-09-22 | 2019-04-11 | 住友ゴム工業株式会社 | 空気入りタイヤ |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20031202 |