JP2002241528A - タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ - Google Patents

タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ

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JP2002241528A
JP2002241528A JP2001040530A JP2001040530A JP2002241528A JP 2002241528 A JP2002241528 A JP 2002241528A JP 2001040530 A JP2001040530 A JP 2001040530A JP 2001040530 A JP2001040530 A JP 2001040530A JP 2002241528 A JP2002241528 A JP 2002241528A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 空気入りタイヤの耐摩耗性やウェットスキッ
ド性能などの諸特性をバランスよく維持し、軽量化およ
びノイズの低減を図るタイヤ用ゴム組成物及びそれを用
いた空気入りタイヤを提供する。 【解決手段】 スチレン含有率が20〜40重量%のス
チレンブタジエンゴムを70重量部以上含むジエン系ゴ
ムをゴム成分とするタイヤ用ゴム組成物であって、前記
タイヤ用ゴム組成物の加硫ゴムは気泡含有率3〜20%
の気泡を有し、かつ前記気泡は20%以上の連続気泡を
含む発泡ゴムであるタイヤ用ゴム組成物及びそれを用い
た空気入りタイヤ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、空気入りタイヤの
耐摩耗性やウェットスキッド性能などの諸特性をバラン
スよく維持しながら、タイヤの軽量化および走行時のノ
イズ発生を低減することができる、特定の形態を有する
発泡ゴムを形成するタイヤ用ゴム組成物およびそれを用
いた空気入りタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】自動車の燃料消費量の低減要求から自動
車の軽量化が要求され、その部品であるタイヤの軽量化
が必要不可欠となっている。また、自動車の車外騒音の
低減、車内の静粛性も同時に強く望まれ、そのためにタ
イヤ性能としてノイズを低減することが必要となってい
る。
【0003】タイヤ軽量化を達成するために、トレッド
やサイドウォールのゴムの肉厚を減じたり、ベルト層の
スチールコードを例えば芳香族ポリアミド繊維等の有機
繊維コードに置き換えることが行われている。
【0004】しかし、前者は乗り心地や耐摩耗性の低下
を招くという弊害があり、過度のゴム厚の低減は困難で
ある。また、後者は補強材の材質変更によりコードの比
重を低下させることはできるが、ベルト層のタイヤ全体
に占める重量割合が小さいため、満足のできるタイヤ軽
量化を達成できないのが現状である。
【0005】また、タイヤのノイズの低減手段として
は、トレッドの溝やサイプの配置、形状の工夫、トレッ
ドやサイドウォールのゴム硬度の改良、タイヤ構造やベ
ルト層のモジュラスの改善などによる振動特性の改良が
行われているが、充分に満足できるものには至っていな
い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記の軽量化及びノイ
ズの低減化技術として、ゴム組成物に発泡剤や熱により
気体を発生する気体封入熱可塑性エラストマーを添加
し、ゴム組成物中に発泡をを形成する技術が知られてい
るが、発泡形状を所望の形態にコントロールすることは
不可能であった。
【0007】本発明は上記の問題点を解決するものであ
り、空気入りタイヤの耐摩耗性やウェットスキッド性
能、操縦安定性などの諸特性をバランスよく維持しなが
ら、タイヤの軽量化及びノイズを低減することができ
る、特定の形態を有する発泡ゴムを形成するタイヤ用ゴ
ム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤを提供するこ
とを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1の発明によるタイヤ用ゴム組成物は、スチ
レン含有率が20〜40重量%のスチレンブタジエンゴ
ムを70重量部以上含むジエン系ゴムをゴム成分とする
タイヤ用ゴム組成物であって、前記タイヤ用ゴム組成物
の加硫ゴムは気泡含有率3〜20%の気泡を有し、かつ
前記気泡は20%以上の連続気泡を含む発泡ゴムである
ことを特徴とする。
【0009】この発明によれば、タイヤ用ゴム組成物の
耐摩耗性やウェットスキッド性能などの諸特性をバラン
スよく維持しながら、ゴムの比重を低減し、また吸音、
制振性能を向上するゴム特性が得られる。
【0010】請求項2の発明は、ゴム組成物の最終ムー
ニー粘度が80以下であり、かつ160℃でのレオメー
ター加硫速度(t30)が4分以上であって、その最大
トルク(MH)が15dNm以下であることを特徴とす
る請求項1に記載のタイヤ用ゴム組成物である。
【0011】この発明によれば、タイヤ用ゴム組成物の
加硫ゴム中の気泡含有率及び連続気泡形成のコントロー
ルを容易にし、所望の発泡ゴムを得ることができる。
【0012】請求項3の発明は、前記ゴム成分100重
量部に対しカーボンブラック40〜100重量部とシリ
カ0〜100重量部を配合してなり、かつ前記カーボン
ブラックと前記シリカの合計量が40〜100重量部で
あることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の
タイヤ用ゴム組成物である。
【0013】この発明によれば、タイヤ用ゴム組成物に
必要な耐摩耗性やウェットスキッド性能などの諸特性を
維持する発泡ゴムを得ることができる。
【0014】請求項4の発明は、請求項1〜請求項3の
いずれか1項に記載のタイヤ用ゴム組成物を使用したこ
とを特徴とする空気入りタイヤである。
【0015】請求項5の発明は、請求項4に記載のタイ
ヤ用ゴム組成物をトレッド部の少なくとも一部に使用し
たことを特徴とする空気入りタイヤである。
【0016】この発明の空気入りタイヤは、所定範囲の
気泡含有率と連続気泡を有する発泡ゴムを使用している
ので、ゴムの体積を保ちタイヤ強度への影響が極めて少
なくし耐久性を維持するとともに、空気入りタイヤに必
要な諸特性をバランスよく維持しながら、発泡ゴムのゴ
ム比重低減による軽量化及び吸音効果によるノイズの低
減を実現するものである。
【0017】本発明のタイヤ用ゴム組成物は、タイヤト
レッド用、特にタイヤ径方向外側のいわゆるキャップト
レッドに適用するのが最適であり、上記の作用をより効
果的に向上することができる。さらに、キャップトレッ
ドの内方のベースゴムとして使用してもよく、またサイ
ドウォール等のタイヤの他の部位にも使用することがで
きる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。
【0019】本発明のタイヤ用ゴム組成物は、スチレン
含有率が20〜40重量%のスチレンブタジエンゴムを
70重量部以上含むジエン系ゴムをゴム成分とする。
【0020】前記スチレン含有率が40重量%を超える
とガラス転移温度が上昇し、またスチレンブタジエンゴ
ムの配合量がゴム成分の70重量部未満であると、転が
り抵抗性、耐摩耗性、ウェットスキッド性能などの両立
が困難となる。
【0021】ジエン系ゴムとしては、上記スチレン含有
率のスチレンブタジエンゴムの他に、他の溶液重合及び
乳化重合スチレンブタジエンゴム(SBR)、天然ゴム
(NR)、各種ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴ
ム(IR)、ブチルゴム(IIR)等のジエン系ゴムの
単独又は任意のブレンドを配合し用いることができる。
【0022】本発明のタイヤ用ゴム組成物の加硫ゴムは
3〜20%の気泡含有率を有し、発泡剤を用いて通常の
加硫過程により、発泡がゴム中にほぼ均一に分散され発
泡ゴムが形成される。
【0023】前記発泡ゴムの気泡含有率が3%未満で
は、軽量化達成のための所望のゴム比重、ノイズ低減効
果が得られず、20%を超えると発泡ゴムの剛性、モジ
ュラスが低下しすぎて耐摩耗性や操縦安定性が悪化し好
ましくない。
【0024】ここで、気泡含有率(V)とは次の式によ
り算出した値である。 V(%)=(ρ0/ρ1−1)×100 ρ0は発泡ゴムのマトリックス部の密度(g/c
)、ρ1は発泡ゴムの密度(g/cm)であ
る。
【0025】この気泡の気泡径は特に限定されないが、
平均径で10〜1000μm、さらには20〜500μ
mが好ましく、より好ましくは20〜300μmの範囲
であり、気泡径が小さいとゴム比重の低減が得られず、
気泡径が大きすぎるとゴム強度や耐摩耗性が低下し、さ
らに製造時の安定した気泡の形成が困難となる。
【0026】従って、この発泡含有率が3〜20%であ
る発泡ゴムは、同一配合の未発泡ゴムに比べて5〜20
数%のゴム比重の低減を可能とする。
【0027】発泡剤としては、有機系発泡剤であるアゾ
ジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリルなどの
アゾ化合物、ジニトロソペンタメチレンテトラミンなど
のニトロソ化合物、ベンゼンスルホニルヒドラジド、ト
ルエンスルホニルヒドラジドなどのスルホニルヒドラジ
ド化合物及びこれらの誘導体、無機系発泡剤である重炭
酸ナトリウム、炭酸アンモニウム、亜硝酸アンモニウム
などが挙げられる。この中で特に、有機系発泡剤のオキ
シビス−ベンゼンスルホニルヒドラジド又はアゾジカル
ボンアミドが発泡率コントロールの観点から好適であ
る。
【0028】また、発泡率を調整するために、必要によ
り尿素、有機酸、金属酸化物、金属脂肪酸などの発泡助
剤を添加してもよい。
【0029】発泡剤の配合量はゴム成分100重量部に
対して、1〜10重量部が好ましい範囲であるが、発泡
ゴムの気泡含有率、発泡剤の種類やゴム配合系また発泡
助剤の添加の有無などにより適宜調整し、適正量を選択
することができる。
【0030】本発明のタイヤ用ゴム組成物では、ノイズ
低減の効果を有効に発揮するために、その加硫発泡ゴム
の気泡は20%以上の連続気泡をランダムに含むことが
必要である。
【0031】この連続気泡率が20%未満では、路面の
凹凸とトレッド面との衝突による衝撃音及び衝突から伝
播してくる振動によるノイズを吸収する機能が不足し、
ノイズ低減の改良効果が発揮されない。連続気泡率の上
限は、特に制限されないが、50%を越えるとゴムの剛
性、モジュラスが不足し、耐摩耗性やウェットスキッド
性能が低下し好ましくない。
【0032】この連続気泡とは、ほぼ球状をした気泡の
2個以上が、それぞれの気泡を包む膜を通じた空隙部分
を形成し連通したものであり、柔軟性、吸水性、吸音特
性に優れた性能を有している。
【0033】ここで、連続気泡率(%)とは、ゴムの単
位体積当たりに占める気泡中の連続気泡数の割合を表
し、JIS K7209 に準拠した吸水率から求めた
値である。
【0034】本発明のタイヤ用ゴム組成物では、その加
硫特性において、最終ムーニー粘度が80以下であり、
かつ160℃でのレオメーター加硫速度(t30)が4
分以上であって、その最大トルク(MH)が15dNm
以下であることが、上記の所定の発泡ゴムを形成する上
で好ましい形態である。
【0035】本発明において、前述の発泡剤と加硫促進
剤との適正な組み合わせと、さらに発泡の形成に適した
ゴム組成物の加硫特性を得ることで、加硫ゴムの気泡含
有率を3〜20%に、その連続気泡の割合を20%以上
にコントロールすることがさらに容易となる。
【0036】具体的な加硫特性としては、ゴム組成物の
160℃で測定したレオメーター加硫速度(t30)が
4分以上であれば、前記気泡含有率内にコントロールし
やすくなり、また100℃で測定した最終ムーニー粘度
が80以下であり、かつ160℃で測定したレオメータ
ー加硫速度の最大トルク(MH)が15dNm以下であ
れば、前記気泡の20%以上を連続気泡に形成すること
が容易となる。
【0037】t30が4分未満であると、加硫反応が速
く進みすぎ発泡の形成が抑えられ、また最終ムーニー粘
度が80、MHが15dNmを越えると、加硫中のゴム
粘度が高くなりすぎ連続気泡を形成しようとする気泡連
通部が押し潰され、連続気泡形成のコントロールが困難
となる。
【0038】なお、上記ムーニー粘度及びレオメーター
加硫速度はJIS K6300 に準拠し測定される。
【0039】上記加硫特性をコントロールする加硫促進
剤の使用は、加硫反応と発泡反応の両者を適正にコント
ロールし、安定した発泡を得るための重要な因子であ
り、ゴム成分や配合剤、配合量および加硫温度などの使
用条件によって選択する必要がある。
【0040】加硫促進剤としては、チアゾール系、スル
フェンアミド系、チウラム系などの各種加硫促進剤が使
用できるが、そのゴム配合系に対して比較的加硫速度の
遅い促進剤が上記加硫特性を得やすく好ましい。
【0041】また、本発明のタイヤ用ゴム組成物には、
ゴム補強剤として、ゴム成分100重量部に対しカーボ
ンブラック40〜100重量部とシリカ0〜100重量
部が配合され、かつ前記カーボンブラックと前記シリカ
の合計量が40〜100重量部であり、耐摩耗性、低転
がり抵抗性、ウェットスキッド性能などのタイヤに必要
な一般諸性能を維持するものである。
【0042】カーボンブラックの配合量が40重量部未
満では、耐摩耗性及びシリカを配合した場合の分散性の
向上効果が小さく、また、100重量部を超えると転が
り抵抗性及び耐摩耗性が低下するので好ましくない。
【0043】前記カーボンブラックは特に限定されない
が、窒素吸着比表面積(N SA)が40〜150m
/g、ジブチルフタレート吸油量(DBP)が70
〜160ml/100gにあるカーボンブラックが好ま
しい。
【0044】カーボンブラックのN SAが40m
/g未満であると耐摩耗性が悪化し、150m
/gを越えると転がり抵抗が大きくなり好ましくない。
また、DBPが70ml/100g未満であるとシリカ
配合の分散性が改良されず、160ml/100gを超
えると逆にゴムの混合加工性が悪化し好ましくない。
【0045】また、シリカ配合量は0重量部としてカー
ボンブラック配合系のゴム組成物とすることができ、配
合量が100重量部を越えると耐摩耗性や破壊強度が低
下していくので、0〜100重量部の範囲で選択するの
が好ましい。
【0046】上記シリカは、ゴム配合剤として使用され
ている任意のシリカを使用することができ、例えば湿式
シリカが挙げられる。
【0047】さらに、上記カーボンブラックとシリカの
両者の合計量は40〜100重量部が好ましい範囲であ
る。合計量が40重量部未満では、充分な補強効果及び
ウェットスキッド性能が得られず、150重量部を越え
ると耐摩耗性及び転がり抵抗性が低下し好ましくない。
【0048】ここで、シリカを配合使用する場合は、シ
リカとゴムとの結合を強化にするため、シランカップリ
ング剤を配合することが好ましく、その配合量はシリカ
配合量の2〜20重量%が好ましい範囲である。2重量
%未満ではカップリングによる補強効果が十分得られ
ず、20重量%を越えると逆に補強性が低下したり、ゴ
ム加工工程でゴム組成物がスコーチしやすくなり、さら
にコストアップの点でも好ましくない。
【0049】上記シランカップリング剤はゴム配合剤と
して使用されている通常のシランカップリング剤を使用
することができ、例えば、ビス−[3−(トリエトキシ
シリル)−プロピル]テトラスルフィド、ビス−[3−
(トリエトキシシリル)−プロピル]ジスルフィド、ビ
ス−[2−(トリエトキシシリル)−エチル]テトラス
ルフィド、ビス−[3−(トリメトキシシリル)−プロ
ピル]テトラスルフィド、ビス−[2−(トリメトキシ
シリル)−エチル]テトラスルフィド、3−メルカプト
プロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピル
トリエトキシシラン等を例示することができ、その1種
又は混合物が使用できる。
【0050】さらに、本発明のタイヤトレッド用ゴム組
成物には、前記配合剤に加えて必要に応じて、加硫剤、
加硫促進剤、老化防止剤、軟化剤、充填剤、可塑剤など
の各種ゴム用配合剤を通常の配合量の範囲で配合するこ
とができ、バンバリーミキサーやニーダーなどのゴム工
業で通常使用される混合機を用いてゴム組成物を作成す
ることができる。
【0051】上記タイヤ用ゴム組成物は、ゴム工業で通
常に用いられる押し出し機、ロール、カレンダー装置な
どによりトレッドやサイドウォール、各種ライナーなど
の未加硫ゴム部材を作成し、常法に従い空気入りタイヤ
の各部位に適用し空気入りタイヤを加硫、製造すること
ができる。
【0052】この加硫工程において、本発明の空気入り
タイヤは所望の気泡含有率と連続気泡を有する発泡ゴム
を所定部位に形成して製造することができ、空気入りタ
イヤのゴム体積を保ちながらその比重を低減することが
できるので、タイヤ強度を確保し、必要なタイヤ諸特性
を維持した上でタイヤ重量の数%〜10数%程度の軽量
化を可能とする。
【0053】また、この発泡ゴムは優れた吸音、制振性
能を有しているので、空気入りタイヤのトレッド、サイ
ドウォールやタイヤ内面層に適用することで、パターン
ノイズ、路面とのきしみ音や低周波域のゴー音などの車
内外のノイズを低減することができる。
【0054】特に、空気入りタイヤのキャップトレッド
部に適用すれば、路面の凹凸とトレッド面の衝突に起因
する衝撃音の吸収及び振動を吸収し緩和する効果を発揮
し、空気入りタイヤのノイズを大幅に低減することがで
きる。
【0055】また、キャップトレッド部の内方のいわゆ
るベースゴムとしても、勿論用いることができ、ノイズ
の低減を図ることができる。
【0056】従って、本発明の空気入りタイヤは、耐摩
耗性やウェットスキッド性能、操縦安定性などの諸特性
をバランスよく維持しながら、タイヤの軽量化及びノイ
ズを低減することができるものである。
【0057】(実施例)以下、実施例によって本発明を
さらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定
されるものではない。
【0058】表1に示す実施例および比較例に使用し
た、ゴム成分は下記スチレンブタジエンゴムであり、各
種配合剤は下記の示すものである。表1に示す各配合量
(重量部)でそれぞれのタイヤ用ゴム組成物を配合し
た。
【0059】ゴム成分 ・スチレンブタジエンゴム(SBR):乳化重合スチレ
ンブタジエンゴム スチレン含有率 35重量%、ビニ
ル含有率 18重量% 配合剤 ・カーボンブラック(CB):ASTM規定のN220
該当品 三菱化成(株)製 ダイヤブラックI ・シリカ:日本シリカ(株)製 ニプシールAQ ・発泡剤:オキシビス−ベンゼンスルホニルヒドラジド ・中空フィラー:日本フェライト(株)製 エクスパン
セル091DE−80 ・加硫促進剤A:N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾル
スルフェンアミド 大内新興化学工業(株)製 ノクセラーNS ・加硫促進剤B:ジベンゾチアジルスルフィド 大内新興化学工業(株)製 ノクセラーDM なお、各ゴム組成物の共通の配合剤及び配合量は下記の
通りである。
【0060】・亜鉛華:1号亜鉛華 2重量部 ・ステアリン酸:工業用ステアリン酸 2重量部 ・シランカップリング剤:デグッサ社製 Si−69シ
リカ配合量に対して8重量%相当の重量部 ・アロマ系プロセスオイル:50重量部 ・老化防止剤:N−フェニル−N’−(1,3−ジメチ
ルブチル)−p−フェニレンジアミン 1重量部 ・パラフィンワックス:2重量部 ・硫黄:5%油処理粉末硫黄 1.5重量部 表1及び表2の各配合を常法に従い容量20リットルの
密閉式バンバリーミキサーを用いて混合し、各実施例お
よび比較例のタイヤ用ゴム組成物を作成した。
【0061】各タイヤ用ゴム組成物の最終ムーニー粘度
及びレオメーター加硫速度を下記の方法で測定し、表1
に示した。
【0062】ムーニー粘度:JIS K6300 に準
拠し、島津製作所(株)製ムーニー粘度計を使用し、温
度100℃にて測定した。
【0063】レオメーター加硫速度:JIS K630
0 に準拠し、フレキシス社製 MDR2000を使用
し、温度160℃にて測定した。MHは最大トルク値
(dNm)を、t30は最大トルク値の30%のトルク
を得るのに要する時間(分)を示す。
【0064】また、前記各ゴム組成物の加硫ゴムの気泡
含有率(%)、連続気泡率(%)及び比重を、160℃
で20分間のプレス加硫により所定の試料を作成し測定
し、表1及び表2に示した。
【0065】なお、気泡含有率(%)及び連続気泡率
(%)は上述の方法に従い測定した値、比重は JIS
K6350に記載の「浮沈法」に準拠し測定した値を
比較例1を100とする指数表示で表1及び表2に示し
た。なお、比重は数値が小ほど軽い。
【0066】さらに、上記の各ゴム組成物を用いて、押
し出し機を用い常法によりタイヤトレッド部を作成し
た。次いで、図1の空気入りタイヤ半断面図に示す通常
のキャップ/ベース構造のトレッド1を有する、サイズ
が185/70R14の試験用ラジアルタイヤ(T)の
キャップトレッド2に適用し、各空気入りタイヤを常法
に従い製造した。各タイヤ性能を下記方法により評価
し、その結果を表1に示した。
【0067】ノイズ性能:JASO C 606に準拠
して、各試験用タイヤを試験車両に装着し実車楕行試験
を実施し、車外騒音を測定した。比較例1を基準値とし
て各試験タイヤを基準値との音圧レベル(dB)の差で
表した。数値がマイナスほどノイズが小さく良好。
【0068】ウェットスキッド性能:試験用トレーラに
規定リムを用いて装着し、湿潤アスファルト路面を走行
し、速度64.4Km/hにてタイヤロックさせブレー
キングフォースを測定しウェットスキッド性能を評価し
た。比較例1を100として指数表示し、数値が大きい
程良好である。
【0069】耐摩耗性:試験タイヤを規定リムを用い
て、空気圧180KPaに調整してタクシーに装着し、
走行5,000Km毎にローティションを行い、20,
000Km走行後の残溝深さからトレッドゴムの摩耗量
を求め、耐摩耗性を評価した。比較例1を100として
指数表示し、数値が大きい程良好である。
【0070】
【表1】 表1において、比較例1は通常の発泡剤を含まないゴム
組成物である。表1の結果に示されるように、本発明に
よるタイヤ用ゴム組成物では所定の気泡含有率と連続気
泡を有す加硫ゴムを得ることができ、ゴム比重が低減さ
れ、空気入りタイヤの軽量化を実現し、また、それをキ
ャップトレッドに用いた空気入りタイヤはノイズ性能が
大幅に向上しながら、ウェットスキッド性能や耐摩耗性
などの諸性能をバランスよく(表中のA*B/100の
値はウェットスキッド性能と耐摩耗性のバランスを示す
指標であり、100以上を可とする)維持することが分
かる。
【0071】発泡剤の配合量が少なく気泡含有率の少な
い比較例2は軽量化効果がなく、逆に配合量が多く気泡
含有率及び連続気泡の多い比較例3は軽量化及びノイズ
性能は向上するが、耐摩耗性が著しく低下する。
【0072】最終ムーニー粘度が80を越える比較例
4,加硫速度の速い加硫促進剤Bを用いた比較例5,硫
黄量の多い比較例6は加硫特性が適正でなく、所望の気
泡含有率と連続気泡を得ることができず、軽量化効果お
よびノイズ性能が満足できない。また、従来の中空フィ
ラーを用いた比較例7は、ゴム比重は低下するが、ノイ
ズ性能の向上が期待できず、またバランスのよいタイヤ
性能が得られない。
【0073】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のタイヤ用
ゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤは、スチレ
ン含有率が20〜40重量%のスチレンブタジエンゴム
を70重量部以上含むジエン系ゴムをゴム成分とするタ
イヤ用ゴム組成物であって、前記タイヤ用ゴム組成物の
加硫ゴムは気泡含有率3〜20%の気泡を有し、かつ前
記気泡は20%以上の連続気泡を含む発泡ゴムであるこ
とから、ゴム比重を低減して空気入りタイヤの軽量化を
実現し、タイヤのノイズ性能を大幅に向上することがで
きる。しかも、タイヤに必要な耐摩耗性やウェットスキ
ッド性能などの諸特性はバランスよく維持する、という
優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例の空気入りタイヤの左半断面図であ
る。
【符号の説明】
T……空気入りタイヤ 1……トレッド 2……キャップトレッド 3……ベーストレッド 4……サイドウォール 5……スチールベルト 6……カーカス 7……インナーライナー 8……ビードフィラー 9……ビードワイヤ 10……フリッパー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 9/06 C08L 9/06 Fターム(参考) 4F074 AA13 AC02 AC32 AG01 BA03 BA04 BA05 BA13 BA14 BA16 BA18 CA22 CC06Y DA13 DA59 4J002 AC011 AC031 AC061 AC081 BB181 DA036 DJ017 EX030 EX080 FD016 FD017 FD140 GN01

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スチレン含有率が20〜40重量%のス
    チレンブタジエンゴムを70重量部以上含むジエン系ゴ
    ムをゴム成分とするタイヤ用ゴム組成物であって、 前記タイヤ用ゴム組成物の加硫ゴムは気泡含有率3〜2
    0%の気泡を有し、かつ前記気泡は20%以上の連続気
    泡を含む発泡ゴムであることを特徴とするタイヤ用ゴム
    組成物。
  2. 【請求項2】 前記タイヤ用ゴム組成物の最終ムーニー
    粘度が80以下であり、かつ160℃でのレオメーター
    加硫速度(t30)が4分以上であって、その最大トル
    ク(MH)が15dNm以下であることを特徴とする請
    求項1に記載のタイヤ用ゴム組成物。
  3. 【請求項3】 前記ゴム成分100重量部に対しカーボ
    ンブラック40〜100重量部とシリカ0〜100重量
    部を配合してなり、かつ前記カーボンブラックと前記シ
    リカの合計量が40〜100重量部であることを特徴と
    する請求項1または請求項2に記載のタイヤ用ゴム組成
    物。
  4. 【請求項4】 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記
    載のタイヤ用ゴム組成物を使用したことを特徴とする空
    気入りタイヤ。
  5. 【請求項5】 前記タイヤ用ゴム組成物をトレッド部の
    少なくとも一部に使用したことを特徴とする請求項4に
    記載の空気入りタイヤ。
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