JP2012036229A - ゴム組成物及び空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】オイルや樹脂を配合した場合におけるゴム表面へのブリードを抑制する。
【解決手段】スチレンブタジエンゴムを含むジエン系ゴム成分(好ましくはガラス転移点が−40〜0℃)に、パラフィンオイル及び/又は粘着性樹脂(好ましくは石油系炭化水素樹脂)を配合したゴム組成物において、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂を、前記ジエン系ゴム成分100質量部に対して0.5〜15質量部配合する。
【選択図】なし

Description

本発明は、ゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤに関する。
従来、空気入りタイヤのグリップ性能を向上させるための手法として、ゴム成分として用いるスチレンブタジエンゴムのガラス転移点(Tg)を高くする手法があるが、耐摩耗性の低下や、低温時のグリップ性能の低下を引き起こすことが知られている。そこで、ガラス転移点の低いオイルを同時に配合することで、低温時のグリップ性能を向上させる手法が用いられている。また、グリップ性能を向上させる手法として、ゴム組成物に粘着性樹脂を配合する手法が知られており、かかる粘着性樹脂として、クマロン樹脂や、フェノール系樹脂、ロジン系樹脂、石油樹脂などが知られている(下記特許文献1〜3参照)。
特開2009−270016号公報 特開2009−235274号公報 特開2008−201824号公報
しかしながら、オイルや樹脂などは、ゴム成分との相溶性が低いと、ゴム表面から染み出し、即ちブリードしてしまうという問題が存在する。特に、ガラス転移点の高いスチレンブタジエンゴムを含むゴム配合に、オイルとしてパラフィンオイルや、粘着性樹脂として石油系炭化水素樹脂を多量に配合した場合に、このような問題が顕著となる。オイルや粘着性樹脂がブリードすると、運搬時に汚れが転写するだけでなく、ゴム中のオイルや樹脂量が少なくなることにより、実際の物性が当初の狙い通りの物性とは異なってくる、などの不具合が発生する。
本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、オイルや樹脂を配合した場合におけるゴム表面へのオイルや樹脂のブリードを抑制することができるゴム組成物、及びそれを用いた空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明者は、上記の点に鑑み鋭意検討した結果、パラフィンオイルや粘着性樹脂を含むゴム組成物に、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂を配合することにより、本来の特性を悪化させることなく、パラフィンオイルや粘着性樹脂のブリードを抑制できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明に係るゴム組成物は、スチレンブタジエンゴムを含むジエン系ゴム成分に、パラフィンオイル及び/又は粘着性樹脂を配合したゴム組成物において、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂を、前記ジエン系ゴム成分100質量部に対して0.5〜15質量部配合したことを特徴とするものである。
また、本発明に係る空気入りタイヤは、該ゴム組成物を、タイヤ接地面を構成するトレッドゴムに用いてなるものである。
本発明によれば、スチレンブタジエンゴムにパラフィンオイルや粘着性樹脂を配合したことによる本来の特性を悪化させることなく、パラフィンオイルや粘着性樹脂のブリードを抑制することができる。
以下、本発明の実施に関連する事項について詳細に説明する。
本発明のゴム組成物において、ゴム成分は、スチレンブタジエンゴム(SBR)を含むジエン系ゴムからなる。すなわち、ジエン系ゴム成分は、スチレンブタジエンゴム単独でも、スチレンブタジエンゴムと他のジエン系ゴムとのブレンドでもよい。ブレンドの場合、スチレンブタジエンゴムを主成分とすること、即ちジエン系ゴム成分100質量部中にスチレンブタジエンゴムを60質量部以上含有することが好ましく、より好ましくは80質量部以上含有することである。
上記他のジエン系ゴムとしては、特に限定はなく、例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン−イソプレン共重合体ゴム、ブタジエン−イソプレン共重合体ゴム、スチレン−イソプレン−ブタジエン共重合体ゴム、ニトリルゴムなどが挙げられ、これらはそれぞれ単独で用いても2種以上併用してもよい。この中でも特には天然ゴムが好ましい。
上記スチレンブタジエンゴムとしては、ガラス転移点(Tg)が−40〜0℃であるものを用いることが好ましい。このようなガラス転移点の高いスチレンブタジエンゴムを用いることにより、グリップ性能を向上することができる。なお、ガラス転移点が0℃を超えると、ゴムが硬くなり低温時のグリップ性能を確保することが難しくなる。ガラス転移点はより好ましくは−30〜−10℃である。ここで、ガラス転移温度は、JIS K7121に準拠して示差走査熱量測定(DSC)法により、昇温速度:20℃/分にて(測定温度範囲:−150℃〜50℃)測定される値である。このようなガラス転移点の高いスチレンブタジエンゴムは、スチレン含量やブタジエン部中のビニル含量を調整することにより得ることができ、詳細には、スチレン含量を多くしたり、ビニル含量を多くしたりすることで得られる。特に限定するものではないが、スチレン含量(St)が30〜50質量%で、ブタジエン部中のビニル含量(Vi、ブタジエン部分の全体を100質量%としたときの1,2−ビニル構造の含量)が10〜60質量%であるものが好ましく用いられる。スチレン含量とブタジエン部中のビニル含量は、HNMRスペクトルの積分比により算出される値である。
上記ジエン系ゴム成分は、グリップ性能を高めるため、ガラス転移点が−40〜0℃であることが好ましい。すなわち、上記ジエン系ゴムは、1種のスチレンブタジエンゴム単独からなる場合には、上記のように該スチレンブタジエンゴムのガラス転移点が−40〜0℃であることが好ましく、2種以上のスチレンブタジエンゴムのブレンドである場合には、それらのガラス転移点の平均値が−40〜0℃であることが好ましい。また、スチレンブタジエンゴムと他のジエン系ゴムとのブレンドである場合にも、それらのガラス転移点の平均値が−40〜0℃であることが好ましい。ここで、ガラス転移点(Tg)の平均値は、質量比率に応じたガラス転移点の平均値であり、下記式(1)により求められる。
Figure 2012036229
本発明に係るゴム組成物には、パラフィンオイル及び/又は粘着性樹脂が配合される。すなわち、パラフィンオイルと粘着性樹脂のいずれか一方、又は双方を配合することができ、好ましくはパラフィンオイルと粘着性樹脂の双方を配合することである。
パラフィンオイルとしては、パラフィン成分を50質量%以上含有する各種のパラフィン系プロセスオイルを用いることができる。パラフィンオイルは、アロマオイルに比べてガラス転移点が低いため、低温時のグリップ性能を向上させる効果を持つ一方で、ジエン系ゴム、とりわけスチレンブタジエンゴムに対する相溶性に劣り、ブリードしやすい。かかる欠点は、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂を配合することにより解消される。エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂は、スチレンブタジエンゴムとパラフィンオイルの双方に対し相溶性が良好であるため、パラフィンオイルのブリードを抑制できるものと考えられる。従って、低温時のグリップ性能を損なうことなく、パラフィンオイルのブリードを抑制することができ、よって運搬時の汚れの転写を抑制し、また低温時のグリップ性能の持続効果を高めることができる。
パラフィンオイルの配合量は、特に限定されないが、上記ジエン系ゴム100質量部に対して5〜30質量部であることが好ましい。パラフィンオイルの配合量が5質量部未満では、低温時のグリップ性能を向上する効果が小さくなり、また配合量が少なすぎて、そもそもブリードが問題とならなくなる。パラフィンオイルの配合量は、より好ましくは10〜25質量部である。なお、上記ジエン系ゴム成分として、パラフィンオイルを油展分として含む油展ゴムを使用する場合には、油展ゴム中のパラフィンオイルの量も上記配合量に含まれる。
一方、粘着性樹脂としては、例えば、石油系炭化水素樹脂、クマロン系樹脂、テルペン系樹脂、フェノール系樹脂、ロジン系樹脂などが挙げられ、軟化点が80〜120℃のものが好ましく用いられる。このような粘着性樹脂を配合することで、常温時のグリップ性を向上することができる。ここで、軟化点は、JIS K6220に準拠した環球落下法にて測定される値である。上記の中でも粘着性樹脂としては、石油系炭化水素樹脂を用いることが好ましく、より好ましくは、脂肪族系石油樹脂と脂肪族/芳香族共重合系石油樹脂から選択される少なくとも1種を用いることである。これらを用いることにより、ウェットグリップ性を向上することができる。
上記粘着性樹脂、とりわけ石油系炭化水素樹脂は、ウェットグリップ性を向上させる効果を持つ一方で、スチレンブタジエンゴムに対する相溶性に劣り、ブリードしやすい。特に脂肪族系石油樹脂や脂肪族/芳香族共重合系石油樹脂、更には脂肪族系石油樹脂ではブリードが問題となりやすい。かかる欠点は、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂を配合することにより解消される。エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂は、スチレンブタジエンゴムと石油系炭化水素樹脂の双方に対し相溶性が良好であるため、かかる樹脂のブリードを抑制できるものと考えられる。従って、ウェットグリップ性を損なうことなく、石油系炭化水素樹脂のブリードを抑制することができ、よって運搬時の汚れの転写を抑制し、またウェットグリップ性の持続効果を高めることができる。
脂肪族系石油樹脂は、炭素数4〜5個相当の石油留分(C5留分)であるイソプレンやシクロペンタジエンなどの不飽和モノマーをカチオン重合することにより得られる樹脂であり(C5系石油樹脂とも称される。)、水添したものであってもよい。また、脂肪族/芳香族共重合系石油樹脂は、上記C5留分と、炭素数8〜10個相当の石油留分(C9留分)であるビニルトルエン、アルキルスチレン、インデンなどのモノマーとをカチオン重合により共重合して得られる樹脂であり(C5/C9系石油樹脂とも称される。)、水添したものであってもよい。
粘着性樹脂の配合量は、特に限定されないが、上記ジエン系ゴム成分100質量部に対して5〜40質量部であることが好ましい。粘着性樹脂の配合量が5質量部未満では、グリップ性能を向上する効果が小さくなり、また配合量が少なすぎて、そもそもブリードが問題とならなくなる。粘着性樹脂の配合量は、より好ましくは10〜30質量部である。
また、ゴム組成物には、パラフィンオイル及び/又は粘着性樹脂が合計量で、上記ジエン系ゴム100質量部に対して、15質量部以上配合されていることが好ましく、より好ましくは20〜70質量部である。このようにパラフィンオイルと粘着性樹脂を多量に使用する場合に、ブリードが問題となりやすいからであり、また両者を多量に配合することで、ウェットグリップ性と低温時のグリップ性能の向上効果を高めることができる。
また、パラフィンオイルと粘着性樹脂を併用する場合、両者の比率(質量比)は、パラフィンオイル/粘着性樹脂=1/4〜4/1であることが好ましく、より好ましくは1/3〜3/1である。このような比率で併用することにより、ウェットグリップ性と低温時のグリップ性能をバランスよく向上することができる。
本発明に係るゴム組成物には、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)が配合される。エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂は、エチレンと酢酸ビニルを共重合した熱可塑性樹脂であり、上述したように、スチレンブタジエンゴムとの相溶性に優れるとともに、パラフィンオイルや、石油系炭化水素樹脂などの粘着性樹脂に対しても相溶性が良好である。そのため、スチレンブタジエンゴムを含むゴム組成物において、パラフィンオイルや粘着性樹脂のブリードを抑制することができる。しかも、これらのオイルや樹脂の特性であるウェットグリップ性と低温時のグリップ性能を実質的に損なうことなく、ブリードを抑制することができ、低温時のグリップ性能については向上効果も期待できる。
エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂としては、酢酸ビニル含有量(VA)が10〜30質量%であることが好ましく、より好ましくは10〜20質量%である。ここで、酢酸ビニル含有量は、JIS K7192(1999)により測定される。
エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂の配合量は、上記ジエン系ゴム成分100質量部に対して、0.5〜15質量部であることが好ましく、より好ましくは3〜15質量部である。エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂の配合量が少なすぎると、パラフィンオイルや粘着性樹脂のブリードを抑制する効果が得られない。逆に多すぎると、ウェットグリップ性が損なわれてしまう。
本発明に係るゴム組成物には、充填剤として、カーボンブラック及び/又はシリカを配合することができる。該充填剤の配合量は、特に限定されないが、上記ジエン系ゴム成分100質量部に対して40〜200質量部であることが好ましく、より好ましくは60〜120質量部である。
上記カーボンブラックとしては、特に限定するものではないが、タイヤトレッド用、とりわけモータースポーツ用タイヤのトレッドに用いられる場合、SAFクラス(N100番台)、ISAFクラス(N200番台)(ともにASTMグレード)のものが好ましく用いられる。
上記シリカとしては、湿式シリカ、乾式シリカ、コロイダルシリカ、沈降シリカなどが挙げられ、特に含水珪酸を主成分とする湿式シリカを用いることが好ましい。なお、充填剤としてシリカを配合する場合、スルフィドシランやメルカプトシランなどのシランカップリング剤を併用することが好ましく、シランカップリング剤は、通常、シリカ100質量部に対して2〜25質量部にて用いることができる。
本発明のゴム組成物には、上記の各成分の他に、アロマオイル等のパラフィンオイル以外のオイル、亜鉛華、ステアリン酸、老化防止剤、ワックス、加硫剤、加硫促進剤など、ゴム組成物において一般に使用される各種添加剤を配合することができる。
アロマオイルを配合する場合、その配合量は特に限定されないが、上記ジエン系ゴム100質量部に対して、5〜90質量部であることが好ましく、より好ましくは30〜80質量部である。また、アロマオイルとパラフィンオイルとの合計量で120質量部以下であることが好ましく、より好ましくは100質量部以下である。なお、上記ジエン系ゴム成分として、アロマオイルを油展分として含む油展ゴムを使用する場合には、油展ゴム中のアロマオイルの量も上記配合量に含まれる。
上記加硫剤としては、硫黄、硫黄含有化合物等が挙げられ、特に限定するものではないが、その配合量は上記ジエン系ゴム成分100質量部に対して0.1〜10質量部であることが好ましく、より好ましくは0.5〜5質量部である。また、加硫促進剤の配合量としては、上記ジエン系ゴム成分100質量部に対して0.1〜7質量部であることが好ましく、より好ましくは0.5〜5質量部である。
本発明のゴム組成物は、通常のバンバリーミキサーやニーダーなどのゴム用混練機を用いて、常法に従い混練することで調製される。このようにして得られるゴム組成物の用途は、特に限定されないが、トレッドやサイドウォール等のタイヤ、コンベアベルト、防振ゴムなどの各種ゴム組成物に用いることができる。
好ましくは、タイヤ用ゴム組成物として用いることであり、特には空気入りタイヤの接地面を構成するトレッドゴムに好適に用いられ、より好ましくは、モータースポーツ用タイヤのトレッドに用いることである。トレッドゴムに用いる場合、常法に従い、例えば140〜180℃で加硫成形することにより、空気入りタイヤのトレッド部を形成することができる。空気入りタイヤのトレッド部には、キャップゴムとベースゴムとの2層構造からなるものと、両者が一体の単層構造のものがあるが、接地面を構成するゴムに好ましく用いられる。すなわち、単層構造のものであれば、当該トレッドゴムが上記ゴム組成物からなり、2層構造のものであれば、キャップゴムが上記ゴム組成物からなることが好ましい。
以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
バンバリーミキサーを使用し、下記表1に示す配合に従って、常法に従いタイヤトレッド用ゴム組成物を調製した。詳細には、まず第一混合段階で、ジエン系ゴムに対し、硫黄及び加硫促進剤を除く他の配合剤を添加し混練し(排出温度=150℃)、次いで、得られた混練物に、最終混合段階で、硫黄と加硫促進剤を添加し混練して(排出温度=110℃)、ゴム組成物を調製した。表中の各成分は以下の通りである。なお、表中のSBR1,SBR2の配合量は、油展分であるアロマオイルの量を除くポリマー分のみの量を示し、表中のアロマオイルの配合量には、該油展分のアロマオイルの量が含まれる。)
・SBR1:溶液重合SBR、旭化成株式会社製「タフデン4850」(Tg=−25℃、スチレン含有量=39質量%、ビニル含有量=34質量%、アロマオイルによる油展量50phr)
・SBR2:乳化重合SBR、JSR株式会社製「SBR0122」(Tg=−40℃、スチレン含有量=37質量%、ビニル含有量=14質量%、アロマオイルによる油展量34phr)
・カーボンブラック:東海カーボン株式会社製「シースト9」(SAF)
・アロマオイル:株式会社ジャパンエナジー製「プロセスNC140」
・パラフィンオイル:株式会社ジャパンエナジー製「プロセスP200」
・EVA:三井デュポンケミカル株式会社製「エバフレックスV577」(酢酸ビニル含有量=19質量%)
・C5系石油樹脂:EXXON製「エスコレッツ1102」(軟化点94〜104℃)
・C5/C9系石油樹脂:東ソー株式会社製「ペトロタック90」(軟化点95℃)
・ロジン系樹脂:ロジン変性マレイン酸樹脂、ハリマ化成株式会社製「ハリマックR100」(軟化点100℃)
・ステアリン酸:花王株式会社製「ルナックS20」
・亜鉛華:三井金属鉱業株式会社製「亜鉛華1種」
・老化防止剤:大内新興化学工業株式会社製「ノクラック6C」
・ワックス:日本精蝋株式会社製「OZOACE0355」
・加硫促進剤DM:三新化学工業株式会社製「サンセラーDM−G」
・加硫促進剤CZ:住友化学株式会社製「ソクシノールCZ」
・硫黄:鶴見化学株式会社製「粉末硫黄」
各ゴム組成物について、160℃で30分間加硫した所定形状の試験片を用いて、ウェットグリップ性の指標としての反発弾性(23℃)、低温時のグリップ性能の指標としての貯蔵弾性率(−10℃)、及び、ブリード性を評価した。各評価方法は以下の通りである。
・反発弾性:JIS K6255に従いリュプケ式反発弾性試験を行い、23℃での反発弾性率を測定し、その逆数について比較例1の値を100とした指数(「比較例1の反発弾性率」×100/「各試験片の反発弾性率」)で示した。指数が大きいほど、反発弾性率が小さいことを示す。23℃での反発弾性率とウェットグリップ性には相関関係があり、反発弾性率が小さいほどウェットグリップ性に優れることは当業者によく知られたことである。従って、該指数が大きいほど、ウェットグリップ性に優れることを意味する。
・貯蔵弾性率E’:東洋精機株式会社製の粘弾性試験機を使用し、周波数10Hz、静歪み10%、動歪み±0.25%、温度−10℃における貯蔵弾性率E’を測定し、その逆数について比較例1の値を100とした指数(「比較例1のE’」×100/「各試験片のE’」)で示した。指数が大きいほど、貯蔵弾性率E’が小さく、従って低温時の接地面積が広く、低温時のグリップ性能に優れることを意味する。
・ブリード性:加硫ゴムサンプルを40℃で2週間暴露後、目視にて外観を観察した。ゴム表面状態を5段階で評価し、「1」はブリードが多く、数字が大きくなるに従ってブリードが少なく、「5」はブリードなしを示す。
Figure 2012036229
結果は表1に示す通りである。比較例1〜3に示すように、パラフィンオイルと石油系炭化水素樹脂を併用したゴム組成物において、EVAを配合していない場合、それらの配合量が多くなるほど、ブリードが多く、外観性に劣っていた。これに対し、EVAを配合したところ、実施例1,2では、コントロールである比較例1に対して、ウェットグリップ性や低温グリップ性能を損なうことなく、低温グリップ性能についてはむしろ向上しつつ、ブリードが顕著に抑制されていた。実施例3についてはそのコントロールである比較例2に対し、実施例5についてはそのコントロールである比較例3に対し、実施例6についてはそのコントロールである比較例5に対し、また、実施例8についてはそのコントロールである比較例7に対し、それぞれ、ウェットグリップ性や低温グリップ性能を損なうことなく、ブリードが抑制されていた。また、パラフィンオイルとともにロジン系樹脂を配合した場合も、比較例6と実施例7とを対比すると明らかなように、EVAを配合することで、ウェットグリップ性や低温グリップ性能を損なうことなく、ブリードが抑制されていた。
EVAによるブリードの抑制効果は、パラフィンオイルと粘着性樹脂の配合量が多いほど顕著であり、詳細には、パラフィンオイルと粘着性樹脂の配合量が20質量部以上の場合に効果が大きかった(実施例1〜4参照)。また、粘着性樹脂の種類としては、石油系炭化水素樹脂、特にはC5系石油樹脂の場合に、対応する比較例に対するブリード抑制効果が大きかった(実施例1〜3参照)。
また、ウェットグリップ性や低温グリップ性能のバランスとブリード性との関係では、実施例1〜4,6及び8に示されるように、パラフィンオイルと石油系炭化水素樹脂の双方を一定量以上含有し、かつEVAを配合することにより、上記バランスを向上しつつ、それらのブリードを顕著に抑制することができていた。なお、比較例4では、EVAの配合量が多すぎて、コントロールである比較例1に対して、ウェットグリップ性が損なわれていた。

Claims (6)

  1. スチレンブタジエンゴムを含むジエン系ゴム成分に、パラフィンオイル及び/又は粘着性樹脂を配合したゴム組成物において、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂を、前記ジエン系ゴム成分100質量部に対して0.5〜15質量部配合したことを特徴とするゴム組成物。
  2. 前記粘着性樹脂が、石油系炭化水素樹脂であることを特徴とする請求項1記載のゴム組成物。
  3. 前記石油系炭化水素樹脂が、脂肪族系石油樹脂であることを特徴とする請求項2記載のゴム組成物。
  4. 前記パラフィンオイルと粘着性樹脂の双方を含有し、かつ、前記パラフィンオイルと粘着性樹脂の配合量が合計量で前記ジエン系ゴム成分100質量部に対して15質量部以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のゴム組成物。
  5. 前記ジエン系ゴム成分のガラス転移点が−40〜0℃であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のゴム組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のゴム組成物を、タイヤ接地面を構成するトレッドゴムに用いてなる空気入りタイヤ。
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