JP2020105394A - タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】加工性が良く、また低発熱性能の悪化を抑えながらウェットグリップ性能を向上することができるタイヤ用ゴム組成物を提供する。【解決手段】実施形態に係るタイヤ用ゴム組成物は、ガラス転移温度が−50℃以上のスチレンブタジエンゴムを含むジエン系ゴム成分100質量部に対して、水添率が35〜80%の部分水添ポリスチレン樹脂1〜50質量部と、シリカ50〜150質量部を含むものである。実施形態に係る空気入りタイヤは、該タイヤ用ゴム組成物を用いて作製されたものである。【選択図】なし

Description

本発明は、タイヤ用ゴム組成物、及びそれを用いた空気入りタイヤに関するものである。
空気入りタイヤにおいては、湿潤路面での高いグリップ性能(即ち、ウェットグリップ性能)を付与しつつ、低燃費性を向上することが求められている。そのため、ウェットグリップ性能と低発熱性能とを両立したタイヤ用ゴム組成物が求められるが、これらは背反性能であるため、両立することは困難である。
例えば、ウェットグリップ性能を向上するために、石油樹脂等の樹脂をゴム組成物に配合する方策がある。最近のウェットグリップ性能に対する更なる高度な要求を満たすため、石油樹脂等の汎用の樹脂を増量すると、ウェットグリップ性能は向上するものの、低発熱性能が悪化してしまう。
また、低発熱性能を改善するためにガラス転移温度の高いスチレンブタジエンゴムを用いることが考えられるが、その場合、未加硫ゴム粘度が上昇して加工性が悪化するという問題がある。
ところで、特許文献1には、タイヤ用ゴム組成物において、芳香族ビニル化合物及び共役ジエン化合物を共重合してなる共重合体の共役ジエン部を水添してなる水添共重合体と、軟化点−20〜45℃のレジンを配合すること、及び、それによりゴム破壊強度、耐摩耗性、低燃費性及びウェットグリップ性能を改善することが記載されている。
特許文献2及び3には、高分子量の芳香族ビニル化合物−共役ジエン化合物の共重合体(スチレン−ブタジエン共重合体)と、低分子量の芳香族ビニル化合物−共役ジエン化合物の共重合体(スチレン−ブタジエン共重合体)の共役ジエン化合物部分(ブタジエン部分)を水添した水添共重合体とを、タイヤ用ゴム組成物に配合すること、及び、それによりグリップ性能と耐破壊性とを両立させることが記載されている。
しかしながら、これら特許文献1〜3に記載の水添された重合体は、いずれも芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物との共重合体であって、かつその共役ジエン化合物部分を水添したものであり、部分水添ポリスチレン樹脂については記載されていない。
特開2016−056351号公報 特開2010−270314号公報 特開2010−254922号公報
本発明の実施形態は、加工性が良く、また低発熱性能の悪化を抑えながらウェットグリップ性能を向上することができるタイヤ用ゴム組成物を提供することを目的とする。
本発明の実施形態に係るタイヤ用ゴム組成物は、ガラス転移温度が−50℃以上のスチレンブタジエンゴムを含むジエン系ゴム成分100質量部に対して、水添率が35〜80%の部分水添ポリスチレン樹脂1〜50質量部と、シリカ50〜150質量部を含むものである。本発明の実施形態に係る空気入りタイヤは、該タイヤ用ゴム組成物を用いて作製されたものである。
本発明の実施形態によれば、特定のガラス転移温度を持つスチレンブタジエンゴムを含むジエン系ゴム成分に、特定の水添率を持つ部分水添ポリスチレン樹脂を添加することにより、加工性が良く、また低発熱性能の悪化を抑えながらウェットグリップ性能を向上することができる。
本実施形態に係るゴム組成物は、ジエン系ゴム成分に、部分水添ポリスチレン樹脂と、シリカを配合してなるものである。
ジエン系ゴム成分としては、ガラス転移温度(Tg)が−50℃以上であるスチレンブタジエンゴム(SBR)(以下、高Tg−SBRという。)が用いられる。このようなガラス転移温度が高いスチレンブタジエンゴムを用いることにより、低発熱性能を向上することができる。高Tg−SBRのガラス転移温度は、−45℃以上であることが好ましい。高Tg−SBRのガラス転移温度の上限は、特に限定されず、例えば、0℃以下でもよく、−10℃以下でもよく、−20℃以下でもよい。
高Tg−SBRとしては、特に限定されず、乳化重合スチレンブタジエンゴム(E−SBR)でもよく、溶液重合スチレンブタジエンゴム(S−SBR)でもよい。また、未変性スチレンブタジエンゴムでも、変性スチレンブタジエンゴムでもよく、両者を併用してもよい。
変性スチレンブタジエンゴムとしては、例えば、酸素原子及び/又は窒素原子を含む官能基が導入されたスチレンブタジエンゴムが挙げられる。高Tg−SBRが変性スチレンブタジエンゴムを含むことにより、ウェットグリップ性能と低発熱性能のバランスを更に向上することができる。
変性スチレンブタジエンゴムの官能基としては、例えば、アミノ基、アルコキシ基、ヒドロキシ基、エポキシ基、カルボキシ基及びカルボン酸誘導体基からなる群から選択された少なくとも1種が挙げられる。アミノ基としては、1級アミノ基だけでなく、2級もしくは3級アミノ基でもよい。なお、2級又は3級アミノ基の場合、置換基である炭化水素基の炭素数は合計で15以下であることが好ましい。アルコキシ基としては、−OA(但し、Aは例えば炭素数1〜4のアルキル基)として表させるメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などが挙げられ、また、例えばトリアルコキシシリル基、アルキルジアルコキシシリル基、ジアルキルアルコキシシリル基などのアルコキシシリル基(シリル基の3つの水素のうち少なくとも1つがアルコキシ基で置換されたもの)として含まれるものであってもよい。カルボン酸誘導体基としては、カルボン酸由来のエステル基(カルボン酸エステル基)や、マレイン酸やフタル酸などのジカルボン酸の無水物からなる酸無水物基が挙げられる。カルボン酸エステル基としては、例えば、アクリレート基(−O−CO−CH=CH)及び/又はメタクリレート基(−O−CO−C(CH)=CH)(以下、(メタ)アクリレート基という。)が挙げられる。一実施形態として、変性スチレンブタジエンゴムの官能基は、アミノ基、アルコキシ基及びヒドロキシ基からなる群から選択された少なくとも1種でもよい。これらの官能基は、スチレンブタジエンゴムの少なくとも一方の末端に導入されてもよく、あるいはまた分子鎖中に導入されてもよい。
ジエン系ゴム成分は、高Tg−SBR単独でもよいが、高Tg−SBRと他のジエン系ゴムとの併用でよい。他のジエン系ゴムとしては、特に限定されず、例えば、天然ゴム(NR)、合成イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、高Tg−SBR以外のスチレンブタジエンゴム、スチレン−イソプレン共重合体ゴム、ブタジエン−イソプレン共重合体ゴム、スチレン−イソプレン−ブタジエン共重合体ゴム等が挙げられ、これらをいずれか1種又は2種以上組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、天然ゴムおよび/またはブタジエンゴムを用いることが好ましい。
ジエン系ゴム成分に含まれる高Tg−SBRの量は、特に限定されない。例えば、ジエン系ゴム成分100質量部は、高Tg−SBRを50質量部以上含んでもよく、60質量部以上含んでもよく、また、高Tg−SBRを100質量部含んでもよく、90質量部以下含んでもよく、80質量部以下含んでもよい。
一実施形態において、ジエン系ゴム成分100質量部は、高Tg−SBR50〜90質量部(より好ましくは60〜80質量部)と、天然ゴムおよび/またはブタジエンゴム10〜50質量部(より好ましくは20〜40質量部)とを含んでもよい。また、一実施形態において、ジエン系ゴム成分100質量部は、高Tg−SBR50〜90質量部(より好ましくは60〜80質量部)と、天然ゴム10〜50質量部(より好ましくは20〜40質量部)とを含んでもよい。
本実施形態では、上記ジエン系ゴム成分に、水添率が35〜80%の部分水添ポリスチレン樹脂を添加する。このような樹脂を添加することにより、ウェットグリップ性能を向上させることができ、また未加硫ゴム粘度を低減して加工性を改善することができる。また、部分水添ポリスチレン樹脂は、マトリックスゴムであるスチレンブタジエンゴムと相溶性の高いスチレンユニットと、相溶性の低い水添スチレンユニットを併せ持つ。そのため、未水添のポリスチレン樹脂とは異なるミクロ相構造がマトリックスゴム中で形成されて低発熱性能の悪化を防ぐことができると考えられる。
部分水添ポリスチレン樹脂は、ポリスチレン樹脂を部分的に水添(即ち、水素化)したものである。該ポリスチレン樹脂としては、モノマーとして実質的にスチレンのみを用いた重合体が用いられ、より好ましくはスチレンの単独重合体を用いることである。ここで、実質的にスチレンのみを用いた重合体としては、モノマーの90質量%以上がスチレンである重合体が挙げられる。
部分的な水添とは、ポリスチレン樹脂の全てのスチレンユニットを水添するのではなく、未水添のスチレンユニットを残しながら、一部のスチレンユニットを水添することである。そのため、部分水添ポリスチレン樹脂は、当該部分水添ポリスチレン樹脂を構成する単量体単位として、ベンゼン環を持つ未水添のスチレンユニットとともに、ベンゼン環が水添された水添スチレンユニットとを含む。ここで、水添スチレンユニットとしては、ベンゼン環が完全に水添されてシクロヘキシル環となったものでもよく、芳香環が部分的に水添されたもの(例えば、シクロヘキセン環等)でもよく、両者が混在してもよい。
なお、ポリスチレン樹脂を部分的に水添する方法は、特に限定されず、例えば、特開昭63−43910号公報に記載のポリスチレン樹脂を水素化する方法を用いて、その反応時間及び/又は反応温度を調整することにより、水添率の異なる部分水添ポリスチレン樹脂を得ることができる。
部分水添ポリスチレン樹脂の水添率は、上記の通り35〜80%であり、水添率がこの範囲にあることにより、ウェットグリップ性能と低発熱性能のバランスを向上することができるとともに、加工性を向上することができる。水添率は、より好ましくは40〜80%であり、更に好ましくは50〜80%である。
部分水添ポリスチレン樹脂の分子量は、特に限定されないが、数平均分子量(Mn)が400〜5000であることが好ましく、より好ましくは500〜3000であり、800〜2000でもよい。このような分子量の小さい部分水添ポリスチレン樹脂を用いることにより、ウェットグリップ性能の向上効果をより一層高めることができる。
部分水添ポリスチレン樹脂の配合量は、ジエン系ゴム成分100質量部に対して1〜50質量部であることが好ましく、より好ましくは3〜50質量部であり、更に好ましくは5〜45質量部であり、10〜40質量部でもよい。部分水添ポリスチレン樹脂の配合量が多いほどウェットグリップ性能の向上効果を高めることができる。また、部分水添ポリスチレン樹脂の配合量が50質量部以下であることにより、低発熱性能の悪化を抑えることができる。
本実施形態では、上記ジエン系ゴム成分に、補強性充填剤としてシリカが配合される。シリカを配合することにより、ウェットグリップ性能と低発熱性能のバランスをより向上することができる。シリカとしては、特に限定されず、例えば、湿式沈降法シリカや湿式ゲル法シリカなどの湿式シリカを用いてもよい。
シリカの配合量は、ジエン系ゴム成分100質量部に対して、50〜150質量部であることが好ましく、より好ましくは70〜130質量部であり、80〜120質量部でもよい。
本実施形態に係るゴム組成物には、上記シリカとともに、シランカップリング剤を配合してもよい。シランカップリング剤としては、スルフィドシランやメルカプトシランなどが挙げられる。シランカップリング剤の配合量は、特に限定されず、例えば、シリカ配合量に対して2〜20質量%でもよい。
本実施形態に係るゴム組成物において、補強性充填剤としては、シリカ単独でもよく、シリカとカーボンブラックを併用してもよい。カーボンブラックとしては、特に限定されず、例えば、SAF級(N100番台)、ISAF級(N200番台)、HAF級(N300番台)、FEF級(N500番台)(ともにASTMグレード)など公知の種々の品種を、いずれか1種又は2種以上組み合わせて用いてもよい。カーボンブラックの配合量は、特に限定されず、例えば、ジエン系ゴム成分100質量部に対して、1〜30質量部でもよく、2〜15質量部でもよい。本実施形態では、シリカを主たる補強性充填剤として用いることが好ましく、例えば補強性充填剤の50質量%以上がシリカであることが好ましく、より好ましくは補強性充填剤の70質量%以上がシリカである。
本実施形態に係るゴム組成物には、上記成分の他に、オイル、ステアリン酸、酸化亜鉛、老化防止剤、ワックス、加工助剤、加硫剤、加硫促進剤など、タイヤ用ゴム組成物において一般に使用される各種添加剤を配合することができる。
加硫剤としては、硫黄が好ましく用いられる。加硫剤の配合量は、特に限定されず、例えば、ジエン系ゴム成分100質量部に対して0.1〜10質量部でもよく、0.5〜5質量部でもよい。また、加硫促進剤としては、例えば、スルフェンアミド系、チウラム系、チアゾール系、及びグアニジン系などの各種加硫促進剤が挙げられ、いずれか1種単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。加硫促進剤の配合量は、特に限定されず、例えば、ジエン系ゴム成分100質量部に対して0.1〜7質量部でもよく、0.5〜5質量部でもよい。
本実施形態に係るゴム組成物は、通常に用いられるバンバリーミキサーやニーダー、ロール等の混合機を用いて、常法に従い混練し作製することができる。すなわち、例えば、第一混合段階(ノンプロ練り工程)で、ジエン系ゴム成分に対し、部分水添ポリスチレン樹脂及びシリカとともに、加硫剤及び加硫促進剤以外の添加剤を添加混合し、次いで、得られた混合物に、最終混合段階(プロ練り工程)で加硫剤及び加硫促進剤を添加混合して未加硫のゴム組成物を調製することができる。
本実施形態に係るゴム組成物は、例えば乗用車用、トラックやバスの重荷重用など各種用途のタイヤに用いることができ、空気入りタイヤのトレッド部やサイドウォール部などのタイヤの各部位に適用することができる。好ましくは空気入りタイヤのトレッドに用いること、即ちタイヤトレッド用ゴム組成物である。
一実施形態に係る空気入りタイヤは、上記ゴム組成物を用いてゴム用押し出し機などによりトレッドゴム等のタイヤ部材を作製し、他のタイヤ部材と組み合わせて未加硫タイヤ(グリーンタイヤ)を作製した後、例えば140〜180℃で加硫成型することにより製造することができる。例えば、空気入りタイヤのトレッドゴムには、キャップゴムとベースゴムとの2層構造からなるものと、両者が一体の単層構造のものがあるが、接地面を構成するゴムに好ましく用いられる。すなわち、単層構造のものであれば、当該トレッドゴムが上記ゴム組成物からなり、2層構造のものであれば、キャップゴムが上記ゴム組成物からなることが好ましい。
以下、実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例および比較例で使用した各種薬品は以下の通りである。
・SBR1:JSR(株)製「HPR350」(アルコキシ基(詳細にはアルコキシシリル基)及びアミノ基末端変性溶液重合SBR、ガラス転移温度:−33℃)
・SBR2:JSR(株)製「JSR0122」(乳化重合SBR、ガラス転移温度:−40℃、油展ゴム:ゴム固形分100質量部に対してオイル分34質量部含有)
・SBR3:JSR(株)製「JSR1723」(乳化重合SBR、ガラス転移温度:−53℃、油展ゴム:ゴム固形分100質量部に対してオイル分37.5質量部含有)
・NR:RSS#3
・シリカ:東ソー・シリカ(株)製「ニップシールAQ」
・シランカップリング剤:エボニックインダストリーズ社製「Si69」
・カーボンブラック:東海カーボン(株)製「シースト3」
・オイル:JXTGエネルギー(株)製「プロセスNC140」
・酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製「亜鉛華1号」
・老化防止剤:大内新興化学工業(株)製「ノクラック6C」
・ステアリン酸:花王(株)製「ルナックS20」
・ワックス:日本精鑞(株)製「OZOACE0355」
・石油樹脂:東ソー(株)製「ペトロタック90」
・非水添スチレン樹脂:ヤスハラケミカル(株)製「YSレジンSX100」
・硫黄:鶴見化学工業(株)製「粉末硫黄」
・加硫促進剤1:住友化学(株)製「ソクシノールCZ」
・加硫促進剤2:大内新興化学工業(株)製「ノクセラーD」
・水添スチレン樹脂1:特開昭63−43910号公報に記載の方法に準拠して、以下の方法により合成された水添率45%の部分水添ポリスチレン樹脂。撹拌翼つきの5Lステンレス製オートクレーブに、ポリスチレン(ヤスハラケミカル(株)製「YSレジンSX100」、Mn=1200)300g、シクロヘキサン2L、5%ルテニウムカーボン(エヌ・イーケムキャット株式会社製「Ru/C,typeB(Ru5%)(wetted with water)」)100g、イソプロピルアルコール150gを加え、窒素置換した。撹拌しながら150℃まで昇温し、水素ガスを4.4MPaの圧力で導入し、10時間水素化反応を行った。水素化反応終了後、室温まで冷却し、遠心分離及び濾過を行い、無色透明となった溶液をメチルアルコール中に注いで析出させた後、メチルアルコールで洗浄し、減圧乾燥により乾燥して、水添スチレン樹脂1を得た。水添率は45%、収率は97質量%、Mnは1250であった。
・水添スチレン樹脂2:水添スチレン樹脂1の合成方法において反応時間を20時間に変更した以外は同一条件で水素化反応を行って得られた、部分水添ポリスチレン樹脂。水添率:60%、収率:95質量%、Mn:1250。
・水添スチレン樹脂3:水添スチレン樹脂2の合成方法により水素化反応を行った後、160℃まで昇温して更に10時間水素化反応を行い、その他は水添スチレン樹脂2と同様にして得られた、部分水添ポリスチレン樹脂。水添率:80%、収率:92質量%、Mn:1260。
・水添スチレン樹脂4:水添スチレン樹脂1の合成方法において反応温度を140℃に変更した以外は同一条件で水素化反応を行って得られた、部分水添ポリスチレン樹脂。水添率:20%、収率:98質量%、Mn:1260。
部分水添ポリスチレン樹脂についての水添率及び数平均分子量(Mn)の測定方法、並びにスチレンブタジエンゴムについてのガラス転移温度(Tg)の測定方法は以下の通りである。
・水添率:水素化反応前後のポリスチレン樹脂をテトラヒドロフラン(THF)に同一モル量溶解させ、UVスペクトル測定を行い、芳香環由来の260nmの吸収スペクトルの積分値の減少度により、下記式から水添率を算出した。
水添率(%)(モル比)=[(A−B)/A]×100
A=反応前ポリスチレン樹脂の260nmの吸収スペクトル積分値
B=水添ポリスチレン樹脂の260nmの吸収スペクトル積分値
・数平均分子量:ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により、ポリスチレン換算のMnを求めた。詳細には、測定装置として島津製作所製「LC−10A」を、カラムとしてPolymer Laboratories社製「PLgel−MIXED−C」を、検出器として示差屈折率検出器(RI)を用い、溶媒としてTHFを用い、測定温度を40℃、流量を1.0mL/分、濃度を1.0g/L、注入量を40μLとし、市販の標準ポリスチレンを用いてポリスチレン換算で算出した値とする。
・ガラス転移温度:JIS K6240:2011に準拠した示差走査熱量測定(DSC)法による測定。昇温速度:20℃/分、測定温度範囲:−140℃〜25℃。
実施例および比較例における評価方法は以下の通りである。
・加工性:JIS K6300に準拠して東洋精機(株)製ロータレスムーニー測定機を用い、未加硫ゴムを100℃で1分間予熱後、4分後のトルク値をムーニー単位で測定し、測定値の逆数について、比較例1の値を100とした指数で表示した。指数が大きいほどムーニー粘度が低く、加工性に優れることを表す。
・ウェットグリップ性能:東洋精機(株)製の粘弾性試験機を使用し、周波数10Hz、静歪10%、動歪1%、温度0℃で損失係数tanδを測定し、比較例1の値を100とした指数で表示した。指数が大きいほど、ウェットグリップ性能に優れることを表す。
・低発熱性能:東洋精機(株)製の粘弾性試験機を使用し、周波数10Hz、静歪10%、動歪1%、温度60℃で損失係数tanδを測定し、測定値の逆数について、比較例1の値を100とした指数で表示した。指数が大きいほど、発熱しにくく、低発熱性能(低燃費性)に優れることを表す。
[ゴム組成物の調製及び評価]
バンバリーミキサーを使用し、下記表1に示す配合(質量部)に従って、まず、第一混合段階で、ジエン系ゴム成分に対し硫黄及び加硫促進剤を除く配合剤を添加し混練し(排出温度=160℃)、次いで、得られた混練物に、最終混合段階で、硫黄と加硫促進剤を添加し混練して(排出温度=90℃)、ゴム組成物を調製した。得られた各ゴム組成物について加工性を評価するとともに、160℃×30分間加硫して試験片を作製し、ウェットグリップ性能と低発熱性能を評価した。
Figure 2020105394
結果は表1に示す通りである。石油樹脂の場合、比較例1,2及び比較例5,6に示されるように、その配合量を増やすと、ウェットグリップ性能は向上するものの、低発熱性能が大きく悪化した。石油樹脂を配合した比較例1,5に対し、部分水添ポリスチレン樹脂を配合した実施例1〜8では、石油樹脂を増量した場合のような低発熱性能の悪化を抑えながら、ウェットグリップ性能を改善することができた。また、比較例1,5に対して加工性にも優れていた。
実施例1〜3に示されるように、部分水添ポリスチレン樹脂の水添率が大きくなるほど、加工性、ウェットグリップ性能及び低発熱性能の改善効果が大きくなった。また、実施例2及び6〜8に示されるように、部分水添ポリスチレン樹脂を増量した場合、低発熱性能の悪化を抑えながら、ウェットグリップ性能を顕著に改善することができた。
比較例3,4に示されるように、スチレンブタジエンゴムのガラス転移温度が規定範囲よりも低いと、比較例1に対して、ウェットグリップ性能には優れるものの、低発熱性能に劣っていた。比較例7に示されるように、部分水添ポリスチレン樹脂の水添率が小さすぎると、比較例1に対して加工性が劣っていた。比較例8に示されるように、非水添ポリスチレン樹脂を添加しても、ウェットグリップ性能及び加工性の改善効果は得られなかった。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これら実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその省略、置き換え、変更などは、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。

Claims (2)

  1. ガラス転移温度が−50℃以上のスチレンブタジエンゴムを含むジエン系ゴム成分100質量部に対して、水添率が35〜80%の部分水添ポリスチレン樹脂1〜50質量部と、シリカ50〜150質量部を含む、タイヤ用ゴム組成物。
  2. 請求項1に記載のタイヤ用ゴム組成物を用いて作製された空気入りタイヤ。
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