JP6804959B2 - タイヤトレッド用ゴム組成物及び空気入りタイヤ - Google Patents

タイヤトレッド用ゴム組成物及び空気入りタイヤ Download PDF

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Description

本発明は、タイヤトレッド用ゴム組成物、及びそれを用いた空気入りタイヤに関するものである。
空気入りタイヤ、とりわけモータースポーツ用タイヤにおいては、乾燥路面における高いグリップ性能が要求される。また、モータースポーツ用タイヤは、走行中に高温状態となることで、トレッドゴムの剛性が下がり、それにより急激な発熱が起こることで、操縦安定性及びグリップ性能が低下する。そのため、高温状態での剛性低下による急激な発熱を抑制し、操縦安定性及びグリップ性能の低下を改善することが求められる。
ところで、従来、タイヤ用ゴム組成物にシンジオタクチック−1,2−ポリブタジエン(以下、SPBということがある。)を配合することが知られている。例えば、特許文献1には、耐摩耗性、耐破壊特性及びウェットグリップ性能を低下させずに、低転がり抵抗及び加工性を向上することを目的として、ジエン系ゴムにシリカとともに、融点120〜180℃のSPBを配合することが開示されている。特許文献2には、ウェットグリップ性能を維持しつつ氷雪制御動性能を向上するために、ジエン系ゴムに融点80〜230℃の高分子化合物を配合することが開示され、該高分子化合物としてSPBが例示されている。特許文献3には、耐摩耗性、破壊特性、低発熱性能及びウェットグリップ性能のバランスを備えつつ、加工性を向上するために、官能基を持つ変性スチレンブタジエンゴムとSPBを配合することが開示されている。しかしながら、乾燥路面における高いグリップ性能を付与したゴム組成物において、その高温状態での剛性低下を抑制するためにSPBを用いることは知られていなかった。
特開平07−188461号公報 特開2001−233994号公報 特開2009−235191号公報
本発明は、高温状態での剛性低下による急激な発熱を抑制し、操縦安定性及びグリップ性能の低下を改善することができるタイヤトレッド用ゴム組成物を提供することを目的とする。
本実施形態に係るタイヤトレッド用ゴム組成物は、ジエン系ゴム100質量部に対し、窒素吸着比表面積が140〜250m/gであるカーボンブラック110〜150質量部と、融点が100℃より大きいシンジオタクチック−1,2−ポリブタジエン5〜30質量部を含有するものである。
本実施形態に係る空気入りタイヤは、該ゴム組成物からなるトレッドゴムを備えたものである。
本実施形態によれば、高温状態での剛性低下による急激な発熱を抑制し、操縦安定性及びグリップ性能の低下を改善することができる。
以下、本発明の実施に関連する事項について詳細に説明する。
本実施形態に係るゴム組成物は、ジエン系ゴムと、窒素吸着比表面積が140〜250m/gであるカーボンブラックと、融点が100℃より大きいシンジオタクチック−1,2−ポリブタジエンとを含有するものである。
ゴム成分としてのジエン系ゴムについては、特に限定されず、例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、スチレン−イソプレンゴム、ブタジエン−イソプレンゴム、スチレン−ブタジエン−イソプレンゴム、及び、ニトリルゴム(NBR)などが挙げられ、これらはそれぞれ単独で、または2種以上混合して用いることができる。
一実施形態として、ジエン系ゴムは、スチレンブタジエンゴムを含むことが好ましく、すなわち、ジエン系ゴムは、スチレンブタジエンゴム単独、又はスチレンブタジエンゴムと他のジエン系ゴムとのブレンドでもよい。例として、ジエン系ゴム100質量部中にスチレンブタジエンゴムを80〜100質量部含むことが好ましい。前記他のジエン系ゴムとしては、ブタジエンゴム及び/又は天然ゴムが好ましい。
補強性充填剤としてのカーボンブラックについては、本実施形態では窒素吸着比表面積(NSA)が140〜250m/gである極めて小粒径のカーボンブラックを用いる。このような小粒径のカーボンブラックを用いることにより、発熱性を高めてモータースポーツ用タイヤのグリップ性能を向上することができ、また補強性を向上することができる。また、カーボンブラックの窒素吸着比表面積が250m/g以下であることにより、発熱性が高くなりすぎるのを抑えることができる。カーボンブラックの窒素吸着比表面積は、160〜220m/gであることが好ましく、より好ましくは180〜200m/gである。ここで、窒素吸着比表面積は、JIS K6217−2に準拠して測定される。
カーボンブラックの含有量は、ジエン系ゴム100質量部に対して110〜150質量部である。上記のような小粒径カーボンブラックを、このように高充填にて配合することにより、発熱性を高めることができ、また補強性を向上することができる。また、カーボンブラックの含有量が150質量部以下であることにより、発熱性が高くなりすぎるのを抑えることができる。カーボンブラックの含有量は、より好ましくは110〜140質量部である。
本実施形態に係るゴム組成物には、融点が100℃より大きいシンジオタクチック−1,2−ポリブタジエン(SPB)が配合される。このような融点の高いSPBを配合することにより、小粒径カーボンブラックを高充填にて配合したゴム組成物において、高温状態での剛性低下を抑えることができ、高温時の操縦安定性の低下を改善することができる。SPBの融点は、100℃超180℃以下であることが好ましく、より好ましくは100℃超150℃以下であり、105℃以上130℃以下でもよい。ここで、融点は、JIS K7121に準拠して測定されるDSC曲線の融解ピーク温度である。
SPBとしては、結晶化度が25%以上であるものを用いることが好ましい。結晶化度が25%以上であることにより、ゴム組成物の剛性改良効果を高めることができる。SPBの結晶化度は、25〜50%であることが好ましく、より好ましくは25〜40%である。ここで、結晶化度は、結晶化度0%の1,2−ポリブタジエンの密度を0.889g/cm、結晶化度100%の1,2−ポリブタジエンの密度を0.963g/cmとして、水中置換法により測定した密度から換算した値である。
SPBの1,2−ビニル結合含量は、特に限定されないが、70モル%以上であることが好ましく、より好ましくは80モル%以上であり、更に好ましくは90モル%以上である。ここで、SPBの1,2−ビニル結合含量は、赤外吸収スペクトル法(モレロ法)によって求めた値である。
SPBの含有量は、ジエン系ゴム100質量部に対して5〜30質量部であることが好ましい。5質量部以上配合することにより、高温時の剛性低下を抑制することができる。また、30質量部以下とすることで、発熱性が高くなりすぎるのを抑えることができる。SPBの含有量は、より好ましくは10〜30質量部である。なお、SPBは、ゴム成分というよりも、剛性の高い樹脂に相当するものであるため、上記ジエン系ゴムには含まれない。
本実施形態に係るゴム組成物には、オイルを配合することが好ましい。オイルとしては、一般にゴム組成物に配合される各種オイルを用いることができる。好ましくは、オイルとしては、炭化水素を主成分とする鉱物油を用いることである。すなわち、パラフィン系オイル、ナフテン系オイル、及びアロマ系オイルからなる群から選択される少なくとも1種の鉱物油を用いることが好ましい。
オイルの含有量がSPBの含有量に対して質量比で1.5〜10.0倍であること、即ち、1.5≦オイル/SPB(質量比)≦10.0であることが好ましい。この質量比が1.5倍以上であることにより、ブローアウトを生じにくくすることができる。ここで、ブローアウトとは、加硫ゴムの動的疲労による発熱により、配合剤中の揮発性物質などがガス状になって多孔質(ポーラス)となり、外部に噴出する現象である。また、上記質量比が10.0倍以下となるようにSPBの量を確保することにより、高温時の剛性低下を抑制する効果を高めることができる。上記質量比は、より好ましくは1.7〜5.0倍である。
なお、ジエン系ゴム100質量部に対するオイルの含有量は、特に限定しないが、20〜60質量部であることが好ましく、より好ましくは40〜55質量部である。
本実施形態に係るゴム組成物には、石油樹脂、クマロン系樹脂、テルペン系樹脂、フェノール系樹脂、及びロジン系樹脂からなる群から選択される少なくとも一種の樹脂を配合してもよい。樹脂としては、軟化点が70〜100℃の樹脂が好ましく用いられる。このように高温で軟化する樹脂を配合することにより、高温でのE’を下げてグリップ性能を向上することができる。樹脂の軟化点は、より好ましくは80〜100℃であり、更に好ましくは90〜100℃である。ここで、軟化点は、JIS K2207に準拠した環球式にて測定される値である。
石油樹脂としては、脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、脂肪族/芳香族共重合系石油樹脂が挙げられる。脂肪族系石油樹脂は、炭素数4〜5個相当の石油留分(C5留分)であるイソプレンやシクロペンタジエンなどの不飽和モノマーをカチオン重合することにより得られる樹脂であり(C5系石油樹脂とも称される。)、水添したものであってもよい。芳香族系石油樹脂は、炭素数8〜10個相当の石油留分(C9留分)であるビニルトルエン、アルキルスチレン、インデンなどのモノマーをカチオン重合することにより得られる樹脂であり(C9系石油樹脂とも称される。)、水添したものであってもよい。脂肪族/芳香族共重合系石油樹脂は、上記C5留分とC9留分を共重合することにより得られる樹脂であり(C5/C9系石油樹脂とも称される。)、水添したものであってもよい。クマロン系樹脂は、クマロンを主成分する樹脂であり、クマロン樹脂、クマロン−インデン樹脂、クマロンとインデンとスチレンを主成分とする共重合樹脂などが挙げられる。テルペン系樹脂としては、ポリテルペン、テルペン−フェノール樹脂などが挙げられる。フェノール系樹脂としては、フェノール・ホルマリン樹脂、アルキルフェノールアセチレン樹脂、アルキルフェノールアセチレン樹脂などが挙げられる。ロジン系樹脂としては、例えば天然樹脂ロジン、それを水素添加、不均化、二量化、エステル化などで変性したロジン変性樹脂などを挙げることができる。これらの中でも、脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、及び脂肪族/芳香族共重合系石油樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の石油樹脂を用いることが好ましい。
上記樹脂の含有量は、特に限定されないが、ジエン系ゴム100質量部に対して20〜60質量部であることが好ましく、より好ましくは40〜60質量部である。20質量部以上であることにより、発熱性を向上することができ、また貯蔵弾性率E’を下げることができる。また、60質量部以下であることにより、発熱性が高くなりすぎるのを抑えることができる。また、樹脂とオイルの質量比は、特に限定されないが、オイルの含有量に対する樹脂の含有量の比(樹脂/オイル)で、0.5〜2.0であることが好ましく、より好ましくは0.8〜1.5である。
本実施形態に係るゴム組成物には、上記の成分の他に、ステアリン酸、亜鉛華、老化防止剤、ワックス、加硫剤、加硫促進剤など、ゴム組成物において一般に使用される各種添加剤を配合することができる。加硫剤としては、粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、不溶性硫黄、高分散性硫黄などの硫黄が挙げられ、特に限定するものではないが、その配合量はジエン系ゴム100質量部に対して0.1〜8質量部であることが好ましく、より好ましくは0.5〜5質量部である。
本実施形態に係るゴム組成物は、周波数10Hz、初期歪み10%、動歪み±1%及び温度100℃の条件下で測定した加硫物の損失係数tanδ及び貯蔵弾性率E’(MPa)の比tanδ/E’が、0.050≦tanδ/E’≦0.150を満たすものであることが好ましい。100℃でのtanδが高くなると、発熱性が向上することでグリップ性能は向上するが、E’が高いと路面に対する追従性に劣ることからゴムと路面との接地面積が十分に確保できず、グリップ性能が低下してしまう。そのため、乾燥路面でのグリップ性能を向上するためには、tanδ/E’を大きくする必要があり、特に高速走行条件下で使用されるモータースポーツ用タイヤでは、100℃におけるtanδ/E’を大きくする必要がある。一方で、tanδ/E’が大きすぎると、ブローアウトが生じやすくなる。そのため、加硫ゴム物性としての100℃でのtanδ/E’を0.050〜0.150に設定することにより、ブローアウトを抑制しつつ、グリップ性能を向上することができる。
tanδ/E’は、0.070〜0.140であることが好ましく、より好ましくは0.100〜0.140である。なお、tanδ及びE’それぞれの値は特に限定されず、例えば、tanδが0.301〜0.500でもよく、0.366〜0.453でもよい。また、E’が2.9〜4.3MPaでもよく、2.9〜3.7MPaでもよい。
本実施形態に係るゴム組成物は、通常に用いられるバンバリーミキサーやニーダー、ロール等の混合機を用いて、常法に従い混練し作製することができる。すなわち、第一混合段階で、ジエン系ゴムに対し、カーボンブラック及びSPBとともに、加硫剤及び加硫促進剤を除く他の添加剤を添加混合し、次いで、得られた混合物に、最終混合段階で加硫剤及び加硫促進剤を添加混合してゴム組成物を調製することができる。
このようにして得られるゴム組成物は、空気入りタイヤの接地面を構成するトレッドゴムに用いられる。好ましくは、モータースポーツ用タイヤのトレッドゴムに用いることである。なお、空気入りタイヤのトレッドゴムには、キャップゴムとベースゴムとの2層構造からなるものと、両者が一体の単層構造のものがあるが、接地面を構成するゴムに好ましく用いられる。すなわち、単層構造のものであれば当該トレッドゴムが上記ゴム組成物からなり、2層構造のものであればキャップゴムが上記ゴム組成物からなることが好ましい。
空気入りタイヤの製造方法は、特に限定されない。例えば、上記ゴム組成物を、常法に従い、押出加工によって所定の形状に成形して未加硫のトレッドゴム部材を作製し、該トレッドゴム部材を他の部材と組み合わせて未加硫タイヤ(グリーンタイヤ)を作製した後、例えば140〜180℃で加硫成型することにより、空気入りタイヤを製造することができる。
以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
バンバリーミキサーを使用し、下記表1に示す配合(質量部)に従って、まず、第一混合段階で、ジエン系ゴムに対し硫黄及び加硫促進剤を除く他の配合剤を添加し混練し(排出温度=160℃)、次いで、得られた混練物に、最終混合段階で、硫黄と加硫促進剤を添加し混練して(排出温度=90℃)、ゴム組成物を調製した。なお、オイル量は加硫ゴムの常温での硬度が略一定になるように変量した。表1中の各成分の詳細は、以下の通りである。
・SBR:JSR(株)製「JSR0202」
・カーボンブラック1:三菱化学(株)製「ダイヤブラックN339」(NSA:91m/g)
・カーボンブラック2:三菱化学(株)製「ダイヤブラック−UX10」(NSA:190m/g)
・カーボンブラック3:東海カーボン製「シースト9」(NSA:142m/g)
・SPB−1:融点=71℃、1,2−ビニル結合含量=90モル%、結晶化度=18%のシンジオタクチック−1,2−ポリブタジエン、JSR(株)製「RB810」
・SPB−2:融点=105℃、1,2−ビニル結合含量=93モル%、結晶化度=29%のシンジオタクチック−1,2−ポリブタジエン、JSR(株)製「RB830」
・SPB−3:融点=126℃、1,2−ビニル結合含量=94モル%、結晶化度=36%のシンジオタクチック−1,2−ポリブタジエン、JSR(株)製「RB840」
・石油樹脂:脂肪族系石油樹脂、日本ゼオン(株)製「クイントンM100」(軟化点:95℃)
・オイル:アロマ系、JX日鉱日石エネルギー(株)製「プロセスNC140」
・ステアリン酸:花王(株)製「ルナックS−20」
・亜鉛華:三井金属鉱業(株)製「亜鉛華1種」
・老化防止剤:住友化学(株)製「アンチゲン6C」
・ワックス:日本精鑞(株)製「OZOACE0355」
・加硫促進剤:住友化学(株)製「ソクシノールCZ」
・硫黄:鶴見化学工業(株)製「粉末硫黄」。
各ゴム組成物について、160℃で30分間加硫した試験片(幅5.0mm、長さ20mm、厚み1.0mm)を用いて、tanδとE’を測定し、両者の比tanδ/E’を求めた。また、160℃で30分間加硫したダンベル状3号形の試験片を作製し、高温時の剛性を測定した。また、各ゴム組成物をトレッドゴムに用いて、常法に従い加硫成型することによりモータースポーツ用タイヤ(タイヤサイズ:31/71−18)を作製した。得られたタイヤについて、運動性能(ラップタイム)とブローアウト性能を測定した。各測定方法は以下の通りである。
・tanδ:JIS K6394に準拠して、(株)東洋精機製作所製の粘弾性試験機を使用し、周波数10Hz、初期歪み10%、動歪み±1%及び温度100℃の条件下(伸長変形)でtanδを測定した。
・E’:JIS K6394に準拠して、(株)東洋精機製作所製の粘弾性試験機を使用し、周波数10Hz、初期歪み10%、動歪み±1%及び温度100℃の条件下(伸長変形)でE’を測定した。
・高温時の剛性:JIS K6251に準拠して、(株)上島製作所製の自動引張り試験機にて、100℃の条件下で100%伸び時のモジュラス(100%引張応力:S100)を測定し、比較例1の値を100とした指数で表示した。指数が大きいほど、S100が高く、すなわち高温時の剛性が高いことを示す。
・運動性能(ラップタイム):タイヤ4本を実車(レース専用車両)に装着し、プロドライバーの運転によるクローズドサーキット(1周:3.5km)の周回タイムを計測し、40周回の平均タイムを求めた。平均タイムの逆数について比較例1の値を100として指数で示した。指数が大きいほどラップタイムが速く、運動性能に優れていることを示す。
・ブローアウト性能:ラップタイム計測と併せて、トレッドに発生するブローアウトを目視にて評価した。ラップタイム計測試験終了後にブローアウトが確認された場合は「×」、ブローアウトが確認されなかった場合は「○」で示す。
Figure 0006804959
結果は、表1に示す。比較例1は、小粒径カーボンブラックを高充填で配合したものであり、tanδ/E’で表されるグリップ性能が高く、実車でもラップタイムの速いものであったが、終盤の周回で操縦安定性とグリップ性能の低下によりラップタイムが遅くなり、その結果、トータルのラップタイムが遅くなり、運動性能に劣るものであった。比較例2では、比較例1に対し、高融点のSPBを配合したことにより高温での剛性が高く、高温時の操縦安定性には優れていたが、カーボンブラックが小粒径ではないため、十分な発熱性が得られず(tanδ/E’が小さく)、そのため、実車でのラップタイムが遅く、運動性能に劣るものであった。比較例3では、比較例1に対し、融点の低いSPBを配合したものであり、十分な発熱性は得られたものの、高温での剛性が低く、そのため、実車でのラップタイム計測において終盤の周回で操縦安定性とグリップ性能が低下してラップタイムが遅くなり、運動性能が低下した。比較例5では、SPBの配合量が多すぎ、またそれに伴いオイルも増量したことにより、発熱性が高くなりすぎて、実車でのラップタイム計測において終盤の周回で操縦安定性とグリップ性能が低下してラップタイムが遅くなり、またブローアウトも発生した。
これに対し、実施例1〜7では、小粒径のカーボンブラックを高充填で配合したものにおいて、高融点のSPBを配合したことにより、tanδ/E’を所定の範囲内としつつ、高温での剛性を高めることができ、高温状態での発熱性と操縦安定性のバランスが良好であった。また、実車でのラップタイム計測において、剛性低下による急激な発熱を抑えて、操縦安定性及びグリップ性能を維持することができ、そのため、終盤の周回でのラップタイムの遅れを抑制して、優れた運動性能を示していた。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これら実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその省略、置き換え、変更などは、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。

Claims (5)

  1. スチレンブタジエンゴムを含むジエン系ゴム100質量部に対し、窒素吸着比表面積が140〜250m/gであるカーボンブラック110〜150質量部と、融点が100℃より大きいシンジオタクチック−1,2−ポリブタジエン5〜30質量部と、鉱物油20〜60質量部と、軟化点が70〜100℃の樹脂20〜60質量部を含有する、タイヤトレッド用ゴム組成物。
  2. 前記シンジオタクチック−1,2−ポリブタジエンの結晶化度が25%以上である、請求項1に記載のタイヤトレッド用ゴム組成物。
  3. 周波数10Hz、初期歪み10%、動歪み±1%及び温度100℃の条件下で測定した加硫物の損失係数tanδ及び貯蔵弾性率E’(MPa)が、0.050≦tanδ/E’≦0.150を満たす請求項1又は2に記載のタイヤトレッド用ゴム組成物。
  4. 前記鉱物油の含有量が前記シンジオタクチック−1,2−ポリブタジエンの含有量に対して質量比で1.5〜10.0倍である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のタイヤトレッド用ゴム組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のゴム組成物からなるトレッドゴムを備えた空気入りタイヤ。
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