JP2021107502A - 冬用タイヤトレッド用ゴム組成物及び冬用タイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】スノー性能とウェット性能と加工性を向上する。
【解決手段】実施形態に係る冬用タイヤトレッド用ゴム組成物は、天然ゴム10〜40質量部と、スチレンブタジエンゴム20〜80質量部と、ポリブタジエンゴム10〜40質量部とを含む、ゴム成分100質量部に対して、シリカ60〜140質量部と、下記一般式(1)で表される環状アルコキシド0.1〜20質量部と、を含む。式(1)中、Mは二価金属原子を表し、R及びRは水素原子、アルキル基、ヒドロキシ基置換アルキル基、アミノ基置換アルキル基またはチオール基置換アルキル基を表す。
【化1】
Figure 2021107502

【選択図】なし

Description

本発明は、冬用タイヤのトレッドに用いられるゴム組成物、及びそれを用いた冬用タイヤに関するものである。
冬用タイヤは、ウインタータイヤとも称され、例えば欧州向けの冬用タイヤのトレッドを形成するゴム組成物には、雪道での走行性能であるスノー性能とともに、常温での湿潤路面における走行性能であるウェット性能も要求される。スノー性能とウェット性能のバランスを改良する手法としては種々知られているが、加工性や生産性の悪化を伴う。加工性を改良しつつスノー性能とウェット性能を十分に満足するには至っていない。
ところで、特許文献1には、加硫ゴムのヒステリシスを増大させることなく低歪みでの動バネ定数を向上するために、シリカ配合のゴム組成物に亜鉛グリセロレート等の特定の環状アルコキシドを配合することが開示されている。しかしながら、天然ゴムとスチレンブタジエンゴムとポリブタジエンゴムを含む系に該環状アルコキシドを添加することにより、スノー性能とウェット性能を向上しつつ加工性を改良できることは記載されておらず、冬用タイヤへの適用も示唆されていない。
米国特許第10087306号
本発明の実施形態は、以上の点に鑑み、スノー性能とウェット性能と加工性を向上することができる冬用タイヤトレッド用ゴム組成物、およびそれを用いた冬用タイヤを提供することを目的とする。
本発明の実施形態に係る冬用タイヤトレッド用ゴム組成物は、天然ゴム10〜40質量部と、スチレンブタジエンゴム20〜80質量部と、ポリブタジエンゴム10〜40質量部とを含む、ゴム成分100質量部に対して、シリカ60〜140質量部と、下記一般式(1)で表される環状アルコキシド0.1〜20質量部と、を含むものである。
Figure 2021107502
式中、Mは二価金属原子を表し、R及びRはそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、ヒドロキシ基置換アルキル基、アミノ基置換アルキル基またはチオール基置換アルキル基を表す。
本発明の実施形態に係る冬用タイヤは、該冬用タイヤトレッド用ゴム組成物からなるトレッドを備えるものである。
本発明の実施形態によれば、スノー性能とウェット性能と加工性を向上することができる。
本実施形態に係る冬用タイヤトレッド用ゴム組成物(以下、単にゴム組成物ともいう。)は、天然ゴムとスチレンブタジエンゴムとポリブタジエンゴムを含むゴム成分に、シリカと特定の環状アルコキシドとを配合してなるものである。
ゴム成分において、天然ゴム(NR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)及びポリブタジエンゴム(BR)としては、特に限定されず、一般に冬用タイヤトレッド用ゴム組成物に用いられる各種の天然ゴム、スチレンブタジエンゴム及びポリブタジエンゴムを用いることができ、未変性ゴムでも変性ゴムでもよい。
BRとしては、例えばシス含量(即ち、シス−1,4結合含有量)が90質量%以上のポリブタジエンゴムを用いてもよい。ここで、シス含量は、HNMRスペクトルの積分比により算出される値である。
SBRとしては、溶液重合スチレンブタジエンゴム(SSBR)でも、乳化重合スチレンブタジエンゴム(ESBR)でもよく、好ましくはSSBRを用いることである。SBRのガラス転移温度(Tg)は、特に限定されず、例えば−80〜−20℃でもよく、−70〜−50℃でもよい。ここで、ガラス転移温度は、JIS K7121に準拠して示差走査熱量測定(DSC)法により、昇温速度:20℃/分にて(測定温度範囲:−150℃〜50℃)測定される値である。
変性ゴム、即ち変性SBR、変性BR及び変性NRとしては、例えば、酸素原子及び/又は窒素原子を含む官能基が導入されたSBR、BR、NRが挙げられる。かかる変性ゴムであると、非変性ゴムに比べて極性が高いので、シリカとの相互作用を向上することができる。
変性ゴムの官能基としては、例えば、アミノ基、アルコキシ基、ヒドロキシ基、エポキシ基、カルボキシ基及びカルボン酸誘導体基からなる群から選択された少なくとも1種が挙げられる。アミノ基としては、1級アミノ基(−NH)だけでなく、炭化水素基(好ましくはアルキル基)を1つ又は2つ有する2級又は3級アミノ基でもよい。なお、2級又は3級アミノ基の場合、該炭化水素基の炭素数は合計で15以下であることが好ましい。アルコキシ基としては、−OA(但し、Aは例えば炭素数1〜4のアルキル基)として表させるメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などが挙げられる。また、アルコキシ基は、例えばトリアルコキシシリル基、アルキルジアルコキシシリル基、ジアルキルアルコキシシリル基などのアルコキシシリル基(シリル基の3つの水素のうち少なくとも1つがアルコキシ基で置換されたもの)として含まれるものであってもよい。カルボン酸誘導体基としては、カルボン酸由来のエステル基(カルボン酸エステル基)や、マレイン酸やフタル酸などのジカルボン酸の無水物からなる酸無水物基が挙げられる。カルボン酸エステル基としては、例えば、アクリレート基(−O−CO−CH=CH)及び/又はメタクリレート基(−O−CO−C(CH)=CH)(以下、(メタ)アクリレート基という。)が挙げられる。一実施形態として、変性ゴムの官能基は、アミノ基、アルコキシ基及びヒドロキシ基からなる群から選択された少なくとも1種でもよい。これらの官能基は、ジエン系ゴムの少なくとも一方の末端に導入されてもよく、あるいはまた分子鎖中に導入されてもよい。変性ゴムとしては、変性SBR及び/又は変性BRが好ましく用いられ、より好ましくは変性SBRを用いることである。
本実施形態において、ゴム成分100質量部は、天然ゴム10〜40質量部と、スチレンブタジエンゴム20〜80質量部と、ポリブタジエンゴム10〜40質量部とを含む。より好ましくは、ゴム成分100質量部は、天然ゴム15〜40質量部と、スチレンブタジエンゴム20〜70質量部と、ポリブタジエンゴム15〜40質量部を含むことであり、また、天然ゴム20〜40質量部と、スチレンブタジエンゴム40〜60質量部と、ポリブタジエンゴム15〜30質量部を含むものでもよい。
ゴム成分は、天然ゴムとスチレンブタジエンゴムとポリブタジエンゴムのみで構成されてもよいが、例えば、ニトリルゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、ブチルゴム(IIR)、スチレン−イソプレン共重合体ゴム、ブタジエン−イソプレン共重合体ゴム、スチレン−イソプレン−ブタジエン共重合体ゴム等の他のゴムを、本来の効果を損なわない範囲で、更に配合してもよい。
充填剤としてのシリカとしては、特に限定されず、例えば、湿式沈降法シリカや湿式ゲル法シリカなどの湿式シリカを用いてもよい。シリカのBET比表面積(JIS K6430に記載のBET法に準じて測定)は、特に限定されず、例えば100〜300m/gでもよく、150〜250m/gでもよい。
シリカの配合量は、ゴム成分100質量部に対して60〜140質量部であり、60質量部以上と比較的多量に配合することでウェット性能を高めることができる。シリカの配合量は、ウェット性能を高める観点から、ゴム成分100質量部に対して70質量部以上であることが好ましく、より好ましくは80質量部以上であり、また、加工性の観点から130質量部以下であることが好ましく、より好ましくは120質量部以下である。
充填剤としてはシリカ単独でもよいが、シリカとともにカーボンブラックを配合してもよい。カーボンブラックとしては、特に限定されず、公知の種々の品種を用いることができる。例えば、SAF級(N100番台)、ISAF級(N200番台)、HAF級(N300番台)、FEF級(N500番台)(ともにASTMグレード)のものが好ましく用いられる。これら各グレードのカーボンブラックは、いずれか1種又は2種以上組み合わせて用いることができる。カーボンブラックの配合量は、特に限定されず、ゴム成分100質量部に対して、20質量部以下でもよく、5〜15質量部でもよい。
本実施形態において、充填剤はシリカを主成分としており、充填剤の50質量%超がシリカであることが好ましく、より好ましくは充填剤の80質量%超がシリカである。
本実施形態に係るゴム組成物には、下記一般式(1)で表される環状アルコキシドが配合される。
Figure 2021107502
式(1)中、Mは二価金属原子を表し、R及びRはそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、ヒドロキシ基置換アルキル基、アミノ基置換アルキル基またはチオール基置換アルキル基を表す。
天然ゴムとスチレンブタジエンゴムとポリブタジエンゴムを含むゴム成分に、シリカとともに、かかる特定の環状アルコキシドを配合することにより、スノー性能とウェット性能を向上しつつ加工性を向上することができる。その理由は、これにより限定されることを意図するものではないが、次のように推測される。すなわち、環状アルコキシドが、シリカ表面に結合し、表面を部分的にブロックすることで、シリカの凝集が緩和され、加工性が向上するとともに、ウェット性能及びスノー性能が最大限に発揮されると考えられる。
上記式(1)において、Mは、亜鉛原子(Zn)、カルシウム原子(Ca)またはマグネシウム原子(Mg)であることが好ましく、より好ましくは亜鉛原子である。
上記R及びRにおいて、アルキル基は直鎖状でも分岐状でもよい。またアルキル基の炭素数は1〜30であることが好ましく、1〜20でもよく、1〜10でもよく、1〜5でもよい。
ヒドロキシ基置換アルキル基は、置換基としてヒドロキシ基を有するアルキル基であり、直鎖状でも分岐状でもよい。ヒドロキシ基置換アルキル基の炭素数は1〜30であることが好ましく、1〜20でもよく、1〜10でもよく、1〜5でもよい。
アミノ基置換アルキル基は、置換基としてアミノ基を有するアルキル基であり、直鎖状でも分岐状でもよい。アミノ基置換アルキル基におけるアルキル基の炭素数は1〜30であることが好ましく、1〜20でもよく、1〜10でもよく、1〜5でもよい。ここで、アミノ基としては、1級アミノ基(−NH)だけでなく、炭化水素基(好ましくはアルキル基)を1つ又は2つ有する2級又は3級アミノ基でもよい。なお、2級又は3級アミノ基の場合、該炭化水素基の炭素数は合計で15以下であることが好ましい。
チオール基置換アルキル基は、置換基としてチオール基を有するアルキル基であり、直鎖状でも分岐状でもよい。チオール基置換アルキル基の炭素数は1〜30であることが好ましく、1〜20でもよく、1〜10でもよく、1〜5でもよい。
一実施形態において、Rが水素原子かつRがヒドロキシ基置換アルキル基であることが好ましく、より好ましくは、Rが水素原子かつRが炭素数1〜5のヒドロキシ基置換アルキル基であり、更に好ましくは、Rが水素原子かつRがヒドロキシメチル基である。そのため、好ましい一実施形態に係る環状アルコキシドとしては、亜鉛グリセロレート、カルシウムグリセロレート又はマグネシウムグリセロレートが挙げられる。
式(1)で表される環状アルコキシドの配合量は、ゴム成分100質量部に対して0.1〜20質量部であり、好ましくは0.5〜15質量部であり、より好ましくは3〜10質量部である。配合量が0.1質量部以上であることにより、スノー性能とウェット性能のバランスを向上しつつ加工性を向上することができる。また、配合量が20質量部以下であることにより、ウェット性能と加工性を良好なバランスに維持できる。
本実施形態に係るゴム組成物には、更に石油樹脂が含まれてもよい。石油樹脂は、石油留分を重合して得られる樹脂であり、例えば、脂肪族系石油樹脂(C5系石油樹脂)、芳香族系石油樹脂(C9系石油樹脂)、脂肪族/芳香族共重合系石油樹脂(C5/C9系石油樹脂。)が挙げられる。
脂肪族系石油樹脂は、炭素数4〜5個相当の石油留分(C5留分)を重合して得られる樹脂であり、水添したものであってもよい。芳香族系石油樹脂は、炭素数8〜10個相当の石油留分(C9留分)を重合して得られる樹脂であり、水添したものであってもよい。脂肪族/芳香族共重合系石油樹脂は、C5留分とC9留分とを共重合して得られる樹脂であり、水添したものであってもよい。
石油樹脂を配合する場合、その含有量は、特に限定されず、例えば、ゴム成分100質量部に対して1〜20質量部でもよく、2〜15質量部でもよい。
本実施形態に係るゴム組成物には、上記成分の他に、シランカップリング剤、プロセスオイル、酸化亜鉛、ステアリン酸、老化防止剤、ワックス、加硫剤、加硫促進剤など、ゴム組成物において一般に使用される各種添加剤を配合することができる。
シランカップリング剤としては、スルフィドシランやメルカプトシランなどが挙げられる。シランカップリング剤の配合量は、特に限定されないが、シリカ配合量に対して2〜20質量%であることが好ましい。
プロセスオイルとしては、一般にゴム組成物に配合される各種オイルを用いることができる。例えば、鉱物油、即ちパラフィンオイル、ナフテンオイル、及びアロマオイルからなる群から選択される少なくとも1種の鉱物油を用いてもよい。プロセスオイルの含有量は、特に限定されず、例えば、ゴム成分100質量部に対して60質量部以下でもよく、5〜50質量部でもよい。
加硫剤としては、硫黄が好ましく用いられる。加硫剤の配合量は、特に限定するものではないが、ゴム成分100質量部に対して0.1〜10質量部であることが好ましく、より好ましくは0.5〜5質量部である。また、加硫促進剤としては、例えば、スルフェンアミド系、チウラム系、チアゾール系、及びグアニジン系などの各種加硫促進剤が挙げられ、いずれか1種単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。加硫促進剤の配合量は、特に限定するものではないが、ゴム成分100質量部に対して0.1〜7質量部であることが好ましく、より好ましくは0.5〜5質量部である。
本実施形態に係るゴム組成物は、通常に用いられるバンバリーミキサーやニーダー、ロール等の混合機を用いて、常法に従い混練し作製することができる。例えば、第一混合段階(ノンプロ練り工程)で、ゴム成分に対し、シリカ及び式(1)の環状アルコキシドとともに、加硫剤及び加硫促進剤以外の添加剤を添加混合する。次いで、得られた混合物に、最終混合段階(プロ練り工程)で加硫剤及び加硫促進剤を添加混合して未加硫のゴム組成物を調製することができる。
本実施形態に係るゴム組成物は、冬用タイヤの接地面を構成するトレッドゴムに用いられる。冬用タイヤとは、積雪路や凍結路などを走行するために開発されたタイヤであり、タイヤサイド部に「SNOW」、「M+S」または「Severe Service Emblem(シビアサービスエンブレム)」が表示されており、例えばスタッドレスタイヤやスノータイヤが挙げられ、より好ましくはスノータイヤである。冬用タイヤは、乗用車用タイヤでもよく、トラックやバスの重荷重用タイヤでもよい。
一実施形態に係る冬用タイヤは、上記ゴム組成物を用いてゴム用押し出し機などによりタイヤのトレッドゴムを作製し、他のタイヤ部材と組み合わせて未加硫タイヤ(グリーンタイヤ)を作製した後、例えば140〜180℃で加硫成型することにより製造することができる。
一実施形態において、冬用タイヤとしての空気入りタイヤのトレッドゴムには、キャップゴムとベースゴムとの2層構造からなるものと、両者が一体の単層構造のものがあるが、接地面を構成するゴムに好ましく用いられる。すなわち、単層構造のものであれば、当該トレッドゴムが上記ゴム組成物からなり、2層構造のものであれば、キャップゴムが上記ゴム組成物からなることが好ましい。
以下、実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[ゴム組成物及びタイヤの作製及び評価]
バンバリーミキサーを使用し、下記表1に示す配合(質量部)に従って、まず、第一混合段階で、ゴム成分に対し硫黄及び加硫促進剤を除く配合剤を添加し混練した(排出温度=160℃)。次いで、得られた混練物に、最終混合段階で、硫黄と加硫促進剤を添加し混練した(排出温度=90℃)。これによりゴム組成物を調製した。表1中の各成分の詳細は、以下の通りである。
・NR:RSS#3
・SSBR1:旭化成(株)製「タフデン1834」(溶液重合SBR、Tg=−68℃)(SSBR1はゴムポリマー100質量部に対して37.5質量部のオイル分を含む油展ゴムである。表1中、SSBR1の量はゴムポリマーとしての量であり、プロセスオイルの量にはSSBR1の油展分のオイル量が含まれる。)
・SSBR2:JSR(株)製「HPR340」(アルコキシル基及びアミノ基末端変性溶液重合SBR、Tg=−58℃)
・BR:宇部興産(株)製「BR150B」(シス含量:97質量%)
・カーボンブラック:東海カーボン(株)製「シーストKH」(N339)
・シリカ:東ソー・シリカ(株)製「ニップシールAQ」(BET:205m/g)
・プロセスオイル:JXTGエネルギー(株)製「プロセスNC140」
・シランカップリング剤:エボニックインダストリーズ社製「Si69」
・ステアリン酸:花王(株)製「ルナックS−20」
・酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製「亜鉛華1号」
・ワックス:日本精鑞(株)製「OZOACE0355」
・老化防止剤:大内新興化学工業(株)製「ノクラック6C」
・石油樹脂:東ソー(株)製「ペトロタック90」(C5/C9系石油樹脂)
・アミノアルコキシシラン:N−2−(アミノメチル−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン)、信越化学工業(株)製「KBM−602」
・環状アルコキシド:亜鉛グリセロレート(式(1)中、M=Zn、R=H、R=CHOH
・加硫促進剤:大内新興化学工業(株)製「ノクセラーD」
・硫黄:鶴見化学工業(株)製「粉末硫黄」。
得られた各ゴム組成物について加工性を評価した。また、各ゴム組成物をトレッドゴムに用いて、常法に従い加硫成型することにより冬用空気入りラジアルタイヤ(タイヤサイズ:215/45ZR17)を作製した。得られた試験タイヤについて、スノー性能とウェット性能を評価した。各測定・評価方法は以下の通りである。
・加工性:JIS K6300に準拠して東洋精機(株)製ロータレスムーニー測定機を用い、未加硫ゴムを100℃で1分間予熱後、4分後のトルク値をムーニー単位で測定した。測定値の逆数について、比較例1の値を100とした指数で表示した。指数が大きいほどムーニー粘度が低く、加工性に優れることを意味する。
・スノー性能:試験タイヤ4本を乗用車に装着し、気温−10℃で雪道を60km/h走行からABS作動させて20km/hまで減速したときの制動距離を測定した(n=10の平均値)。制動距離の逆数について比較例1の値を100とした指数で表示した。指数が大きいほど制動距離が短く、雪上路面での制動性能に優れることを示す。
・ウェット性能:試験タイヤ4本を乗用車に装着し、気温23℃で2〜3mmの水深で水をまいた路面上を走行し、100km/hにて摩擦係数を測定することによりウェットグリップ性能を評価した。比較例1の摩擦係数の値を100とした指数で表示した。指数が大きいほど摩擦係数が高く、ウェットグリップ性に優れることを示す。
Figure 2021107502
結果は表1に示す通りである。比較例1に対し、アミノアルコキシシランを配合した比較例2では、加工性が悪化するとともに、ウェット性能が悪化した。ゴム成分における各ポリマーの比率を変更した比較例3及び比較例4でも同様に、比較例1に対して加工性が悪化した。
これに対し、式(1)の環状アルコキシドを配合した実施例1〜9であると、比較例1に対して加工性が向上しており、またスノー性能とウェット性能についても向上効果が見られた。詳細には、実施例1〜3より、式(1)の環状アルコキシドの配合量を増やすことで、加工性とウェット性能に顕著な性能向上が見られ、スノー性能についても改善効果がみられた。実施例2と実施例4との対比より、スチレンブタジエンゴムとして変性SBRを用いることにより、スノー性能に顕著な改善効果が見られた。実施例2と実施例5との対比より、シリカの増量はスノー性能及びウェット性能の改善に有利であった。実施例2と実施例6との対比より、石油樹脂の増量はスノー性能及びウェット性能の改善に有利であった。実施例2と実施例7との対比より、シリカの減量は加工性とスノー性能の改善に有利であった。実施例2と実施例8との対比より、ゴム成分中のSBRの比率の増加はウェット性能の改善に有利であった。実施例2と実施例9との対比より、ゴム成分中のNR及びBRの比率の増加はスノー性能の改善に有利であった。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これら実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその省略、置き換え、変更などは、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。

Claims (3)

  1. 天然ゴム10〜40質量部と、スチレンブタジエンゴム20〜80質量部と、ポリブタジエンゴム10〜40質量部とを含む、ゴム成分100質量部に対して、シリカ60〜140質量部と、下記一般式(1)で表される環状アルコキシド0.1〜20質量部と、を含む、冬用タイヤトレッド用ゴム組成物。
    Figure 2021107502
    式中、Mは二価金属原子を表し、R及びRはそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、ヒドロキシ基置換アルキル基、アミノ基置換アルキル基またはチオール基置換アルキル基を表す。
  2. 更に石油樹脂をゴム成分100質量部に対して1〜20質量部含む、請求項1に記載の冬用タイヤトレッド用ゴム組成物。
  3. 請求項1又は2に記載の冬用タイヤトレッド用ゴム組成物からなるトレッドを備える冬用タイヤ。
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