JP2020084114A - ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤ - Google Patents

ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤ Download PDF

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Abstract

【課題】競技用の空気入りタイヤに求められる性能は多岐にわたり、特に高速走行時の乾燥路面および湿潤路面での操縦安定性(ドライグリップ性能およびウェットグリップ性能)が優れることに加え、サーキットで高速走行を長時間行ったときのタイヤ性能の変化(摩耗肌や熱ダレ)を抑制することが要求されている。【解決手段】ジエン系ゴム100質量部に対し、シリカを150〜300質量部、シランカップリング剤を前記シリカの質量に対し1〜20質量%、および炭素数6〜24の脂肪酸を由来とするポリグリセリン脂肪酸エステルを1〜20質量部配合してなり、かつ平均ガラス転移温度が−20℃以上であることを特徴とするゴム組成物によって、上記課題を解決した。【選択図】なし

Description

本発明は、ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤに関するものであり、詳しくは、シリカの分散性を高め、高速走行時の操縦安定性および高速走行を長時間行ったときのタイヤ性能の安定性に優れるゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤに関するものである。
一般に、競技用の空気入りタイヤに求められる性能は多岐にわたり、特に高速走行時の乾燥路面および湿潤路面での操縦安定性(ドライグリップ性能およびウェットグリップ性能)が優れることに加え、サーキットで高速走行を長時間行ったときのタイヤ性能の変化(摩耗肌や熱ダレ)を抑制することが要求されている。そのため、タイヤにシリカを配合する技術が知られている。シリカを配合することにより、耐摩耗性を高めることができるが、シリカはゴム中での分散が極めて難しいという問題点がある。当業界では、種々のシランカップリングを開発してシリカを分散させようと試みてはいるが、十分にシリカを分散させるにはいまだ至っていない。
下記特許文献1には、グリセリン脂肪酸エステルからなり、該グリセリン脂肪酸エステルが、グリセリンと、2種以上の脂肪酸とのエステルであって、該グリセリン脂肪酸エステルを構成する2種以上の脂肪酸のうち、最も多い脂肪酸成分が全脂肪酸中に10〜90質量%であり、さらにモノエステル成分をグリセリン脂肪酸エステル中に50〜100質量%含むシリカ配合ゴム組成物用添加剤組成物が開示されている。
また下記特許文献2には、2種以上のジエン系ゴムを含むゴム成分と、石油外資源由来のグリセロール脂肪酸トリエステルとを含み、前記ゴム成分が、天然ゴム、エポキシ化天然ゴム、ブタジエンゴムからなる群より選択される少なくとも1種のジエン系ゴムを含み、前記グリセロール脂肪酸トリエステルは、オレイン酸の含有量が45質量%以上であり、ゴム成分100質量%中の天然ゴム及びブタジエンゴムの合計含有量が50質量%以上、又は、ゴム成分100質量%中の天然ゴム及びエポキシ化天然ゴムの合計含有量が50質量%以上であるサイドウォール又はベーストレッド用ゴム組成物が開示されている。
しかし、特許文献1〜2に開示された技術では、シリカの分散性を高め、高速走行時の操縦安定性および高速走行を長時間行ったときのタイヤ性能の安定性に優れる空気入りタイヤを提供するまでには至っていない。
国際公開WO2016/139916号パンフレット 特許第5679798号公報
したがって本発明の目的は、シリカの分散性を高め、高速走行時の操縦安定性および高速走行を長時間行ったときのタイヤ性能の安定性に優れるゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤを提供することにある。
本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、ジエン系ゴムに対し、シリカおよびシランカップリング剤を特定量で配合するとともに、さらに特定のポリグリセリン脂肪酸エステルを特定量でもって配合し、かつ組成物の平均ガラス転移温度を特定範囲に定めることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成することができた。
すなわち本発明は以下の通りである。
1.ジエン系ゴム100質量部に対し、シリカを150〜300質量部、シランカップリング剤を前記シリカの質量に対し1〜20質量%、および炭素数6〜24の脂肪酸を由来とするポリグリセリン脂肪酸エステルを0.5〜20質量部配合してなり、かつ平均ガラス転移温度が−20℃以上であることを特徴とするゴム組成物。
2.前記脂肪酸が、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸またはリノレン酸であることを特徴とする前記1に記載のゴム組成物。
3.前記ポリグリセリン脂肪酸エステルが下記式(1)で表されることを特徴とする前記1または2に記載のゴム組成物。
Figure 2020084114
式(1)中、Rは前記脂肪酸に由来する炭素鎖を表し、nは0〜8を表す。
4.前記式(1)中、nが0または1であることを特徴とする前記3に記載のゴム組成物。
5.タイヤキャップトレッドに用いられる、前記1〜4のいずれかに記載のゴム組成物。
6.前記1〜4のいずれかに記載のゴム組成物をキャップトレッドに使用した空気入りタイヤ。
本発明によれば、ジエン系ゴムに対し、シリカおよびシランカップリング剤を特定量で配合するとともに、さらに特定のポリグリセリン脂肪酸エステルを特定量でもって配合し、かつ組成物の平均ガラス転移温度を特定範囲に定めているので、シリカの分散性を高め、高速走行時の操縦安定性および高速走行を長時間行ったときのタイヤ性能の安定性に優れるゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤを提供することができる。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
(ジエン系ゴム)
本発明で使用されるジエン系ゴムは、通常のゴム組成物に配合することができる任意のジエン系ゴムを用いることができ、例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム(NBR)、エチレン−プロピレン−ジエンターポリマー(EPDM)等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、その分子量やミクロ構造はとくに制限されず、アミン、アミド、シリル、アルコキシシリル、カルボキシル、ヒドロキシル基等で末端変性されていても、エポキシ化されていてもよい。
これらのうち、ドライおよびウェットグリップ性能を発現しやすいという観点から、SBRを用いるのが好ましい。
(シリカ)
本発明で使用するシリカは、CTAB比表面積が150m/g以上であることが好ましい。本発明では、このような高比表面積のシリカをゴム中に配合しても、良好な分散が可能となる。なお、本発明では、さらにCTAB比表面積が180m/g以上、とくに200m/g以上という超高比表面積を有するシリカであっても、ゴム中に良好に分散させることができる。
なおシリカのCTAB比表面積は、ISO5794/1に準拠して測定される。
(シランカップリング剤)
本発明で使用されるシランカップリング剤は、とくに制限されないが、メルカプト基および/またはチオールエステル基を有するシランカップリング剤であることが好ましい(以下、「チオール系カップリング剤」ということがある)。チオール系カップリング剤をシリカと共に配合することにより、シリカの分散性を向上しシリカの性能を十分に発現させることができる。チオール系カップリング剤は、その化学構造にメルカプト基(−SH)、チオールエステル基の少なくとも一つを必ず含むメルカプトシラン化合物である。このメルカプトシラン化合物は、その化学構造にSi−O結合を有する。Si−O結合としては、例えばSi−O−の酸素原子に、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子、窒素原子、ケイ素原子等が結合した構造を例示することができる。なかでもSi−O−H,Si−O−Cの構造を有する結合であるとよい。
メルカプト基を有するシランカップリング剤としては、メルカプト基(−SH)を有するシラン化合物であれば特に制限されるものではない。またチオールエステル基を有するシランカップリング剤としては、メルカプト基を有するシラン化合物のメルカプト基(−SH)の水素が、炭化水素基で置換されたシラン化合物であるとよい。炭化水素基としては、炭素数2〜10のアルカノイル基が好ましく、とりわけ−CO−(CH26CH3が好ましい。
本発明において、チオール系カップリング剤としては、好ましくは下記式(10)で表わされるメルカプト基を有するシラン化合物、または下記式(20)および(30)の構造を有する共重合物であるとよい。
Figure 2020084114
(式(10)中、R1,R2,R3は互いに独立して、水素、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、鎖長が4〜30の直鎖ポリエーテル基、炭素数6〜30のアリール基から選ばれると共に、少なくとも1つは前記アルコキシ基、少なくとも1つは前記直鎖ポリエーテル基であり、R4は炭素数1〜30のアルキレン基である。)
Figure 2020084114
(式(20)中、R5およびR6で環構造を形成してもよく、R5は水素、ハロゲン、炭素数1〜30のアルキル基或いはアルキレン基、炭素数2〜30のアルケニル基或いはアルケニレン基、炭素数2〜30のアルキニル基或いはアルキニレン基、前記アルキル基或いはアルケニル基の末端がヒドロキシル基若しくはカルボキシル基で置換された基から選ばれ、R6は炭素数1〜30のアルキレン基、炭素数2〜30のアルケニレン基、炭素数2〜30のアルキニレン基から選ばれ、xは1以上の整数である。)
Figure 2020084114
(式(30)中、R7およびR8で環構造を形成してもよく、R7は水素、ハロゲン、炭素数1〜30のアルキル基或いはアルキレン基、炭素数2〜30のアルケニル基或いはアルケニレン基、炭素数2〜30のアルキニル基或いはアルキニレン基、前記アルキル基或いはアルケニル基の末端がヒドロキシル基若しくはカルボキシル基で置換された基から選ばれ、R8は炭素数1〜30のアルキレン基、炭素数2〜30のアルケニレン基、炭素数2〜30のアルキニレン基から選ばれ、yは1以上の整数である。)
前記式(10)で表されるチオール系カップリング剤において、R1,R2,R3は互いに独立して、水素、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、鎖長が4〜30の直鎖ポリエーテル基、炭素数6〜30のアリール基である。好ましくは水素、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基、鎖長が10〜29の直鎖ポリエーテル基である。直鎖ポリエーテル基は、好ましくは式−O−(R11−O)p−R12で表される。ポリエーテル部分(R11−O)pにおいて、R11は炭素数2〜4のアルキレン基であり、好ましくはエチレン基、トリメチレン基(―CH2CH2CH2―)、プロピレン基である。R11は、一つの種類でも複数の種類でもよい。pは、エーテル部分の繰り返し数の平均値であり、2〜15の数、好ましくは3〜10、より好ましくは3.5〜8の数である。R12は炭素数10〜16、好ましくは11〜15のアルキル基である。アルキルポリエーテル基は複数種の混合物であってもよく、例えば―O―(CH2CH2−O)5−(CH210CH3、―O―(CH2CH2−O)5−(CH211CH3、―O―(CH2CH2−O)5−(CH212CH3、―O―(CH2CH2−O)5−(CH213CH3、―O―(CH2CH2−O)5−(CH214CH3、―O―(CH2CH2−O)3−(CH212CH3、―O―(CH2CH2−O)4−(CH212CH3、―O―(CH2CH2−O)6−(CH212CH3、―O―(CH2CH2−O)7−(CH212CH3等が例示される。
式(10)において、R1,R2,R3のうち、少なくとも1つは炭素数1〜8のアルコキシ基、少なくとも1つは鎖長が4〜30の直鎖ポリエーテル基であり、式(10)で表されるチオール系カップリング剤は、アルコキシ基および直鎖ポリエーテル基を必ず有する。
またR4は炭素数1〜30のアルキレン基、好ましくは炭素数1〜12のアルキレン基である。
本発明で好適に使用される上記式(10)で表されるメルカプトシラン化合物としては、例えば[C1123O(CH2CH2O)5](CH2CH2O)2Si(CH23SH、
[C1225O(CH2CH2O)3](CH2CH2O)2Si(CH23SH、
[C1225O(CH2CH2O)4](CH2CH2O)2Si(CH23SH、
[C1225O(CH2CH2O)5](CH2CH2O)2Si(CH23SH、
[C1225O(CH2CH2O)6](CH2CH2O)2Si(CH23SH、
[C1327O(CH2CH2O)3](CH2CH2O)2Si(CH23SH、
[C1327O(CH2CH2O)4](CH2CH2O)2Si(CH23SH、
[C1327O(CH2CH2O)5](CH2CH2O)2Si(CH23SH、
[C1327O(CH2CH2O)6](CH2CH2O)2Si(CH23SH、
[C1429O(CH2CH2O)3](CH2CH2O)2Si(CH23SH、
[C1429O(CH2CH2O)4](CH2CH2O)2Si(CH23SH、
[C1429O(CH2CH2O)5](CH2CH2O)2Si(CH23SH、
[C1429O(CH2CH2O)6](CH2CH2O)2Si(CH23SH、
[C1531O(CH2CH2O)5](CH2CH2O)2Si(CH23SH、
[C1123O(CH2CH2O)52(CH2CH2O)Si(CH23SH、
[C1225O(CH2CH2O)32(CH2CH2O)Si(CH23SH、
[C1225O(CH2CH2O)42(CH2CH2O)Si(CH23SH、
[C1225O(CH2CH2O)52(CH2CH2O)Si(CH23SH、
[C1225O(CH2CH2O)62(CH2CH2O)Si(CH23SH、
[C1327O(CH2CH2O)32(CH2CH2O)Si(CH23SH、
[C1327O(CH2CH2O)42(CH2CH2O)Si(CH23SH、
[C1327O(CH2CH2O)52(CH2CH2O)Si(CH23SH、
[C1327O(CH2CH2O)62(CH2CH2O)Si(CH23SH、
[C1429O(CH2CH2O)32(CH2CH2O)Si(CH23SH、
[C1429O(CH2CH2O)42(CH2CH2O)Si(CH23SH、
[C1429O(CH2CH2O)52(CH2CH2O)Si(CH23SH、
[C1429O(CH2CH2O)62(CH2CH2O)Si(CH23SH、
[C1531O(CH2CH2O)52(CH2CH2O)Si(CH23SH、等が例示される。
なかでも[C1327O−(CH2CH2O)52(CH2CH2O)Si(CH23SH、[C1327O−(CH2CH2O)5](CH2CH2O)2Si(CH23SHが好ましい。
またチオールエステル基を有するシランカップリング剤は、−S−(C=O)−R(式中、Rは炭化水素基を表す。)で表され、上記式(1)で表される化合物に基づくチオールエステル基を有するシラン化合物としては、例えば(CH3CH2O)3Si(CH23S−(C=O)−(CH26CH3(モーメンティブパフォーマンスマテリアルズ社製NXT)が例示される。
上記一般式(20)および(30)で表わされるセグメントを有するメルカプトシラン化合物において、R5およびR6で環構造を形成してもよく、R7およびR8で環構造を形成してもよい。R5およびR7は水素、ハロゲン、炭素数1〜30のアルキル基或いはアルキレン基、炭素数2〜30のアルケニル基或いはアルケニレン基、炭素数2〜30のアルキニル基或いはアルキニレン基、前記アルキル基或いはアルケニル基の末端がヒドロキシル基若しくはカルボキシル基で置換された基から選ばれる。上述したアルキル基、アルキニル基、アルキニレン基、アルキレン基、アルケニレン基およびアルキニレン基は、それぞれ分岐、非分岐のいずれでもよい。
6およびR8は、炭素数1〜30のアルキレン基、炭素数2〜30のアルケニレン基、炭素数2〜30のアルキニレン基から選ばれる。上述したアルキレン基、アルケニレン基およびアルキニレン基は、それぞれ分岐、非分岐のいずれでもよい。
上記式(20)で表わされるセグメントの含有率は好ましくは20〜99モル%、好ましくは30〜95モル%である。
上記式(30)で表わされるセグメントの含有率は好ましくは1〜80モル%、好ましくは5〜70モル%である。
本発明において、好適に使用される一般式(20)および(30)で表わされるセグメントを有するチオール系カップリング剤としては、たとえば、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製のNXT−Z30(R5,R7:エチル基、R6,R8:エチレン基、式(20)で表わされるセグメントが70モル%、式(30)で表わされるセグメントが30モル%、メルカプト基の含有量:4%)、NXT−Z45(R5,R7:エチル基、R6,R8:エチレン基、式(20)で表わされるセグメントが55モル%、式(30)で表わされるセグメントが45モル%、メルカプト基の含有量:6%)、NXT−Z60(R5,R7:エチル基、R6,R8:エチレン基、式(20)で表わされるセグメントが40モル%、式(30)で表わされるセグメントが60モル%、メルカプト基の含有量:9%)などがあげられる。
本発明で使用するチオール系カップリング剤として、上記式(10)で表わされるメルカプトシラン化合物および式(20)および(30)の構造を有する共重合物以外のメルカプトシラン化合物を使用することができる。このようなチオール系カップリング剤として、例えば3−メルカプトプロピル(トリメトキシシラン)、3−メルカプトプロピル(トリエトキシシラン)、3−メルカプトプロピル(ジエトキシメトキシシラン)、3−メルカプトプロピル(トリプロポキシシラン)、3−メルカプトプロピル(ジプロポキシメトキシシラン)、3−メルカプトプロピル(トリブトキシシラン)、3−メルカプトプロピル(ジブトキシメトキシシラン)、3−メルカプトプロピル(ジメトキシメチルシラン)、3−メルカプトプロピル(メトキシジメチルシラン)、3−メルカプトプロピル(ジエトキシメチルシラン)、3−メルカプトプロピル(エトキシジメチルシラン)、3−メルカプトプロピル(ジプロポキシメチルシラン)、3−メルカプトプロピル(プロポキシジメチルシラン)、3−メルカプトプロピル(ジイソプロポキシメチルシラン)、3−メルカプトプロピル(イソプロポキシジメチルシラン)、3−メルカプトプロピル(ジブトキシメチルシラン)、3−メルカプトプロピル(ブトキシジメチルシラン)、2−メルカプトエチル(トリメトキシシラン)、2−メルカプトエチル(トリエトキシシラン)、メルカプトメチル(トリメトキシシラン)、メルカプトメチル(トリエトキシシラン)、3−メルカプトブチル(トリメトキシシラン)、3−メルカプトブチル(トリエトキシシラン)等を例示することができる。なかでも3−メルカプトプロピル(トリメトキシシラン)、3−メルカプトプロピル(トリエトキシシラン)が好ましい。
また本発明で使用されるシランカップリング剤は、下記式(100)で表されものも好適に使用できる。
(A)a(B)b(C)c(D)d(R1)eSiO(4-2a-b-c-d-e)/2 (100)
(式(100)中、Aはスルフィド基を含有する2価の有機基、Bは炭素数5〜10の1価の炭化水素基、Cは加水分解性基、Dはメルカプト基を含有する有機基、R1は炭素数1〜4の1価の炭化水素基を表し、0≦a<1、0<b<1、0<c<3、0<d<1、0≦e<2、かつ0<2a+b+c+d+e<4の関係を満たす。)
式(100)で表される硫黄含有シランカップリング剤(ポリシロキサン)およびその製造方法は、例えば国際公開WO2014/002750号パンフレットに開示され、公知である。
上記式(100)中、Aはスルフィド基を含有する2価の有機基を表す。なかでも、下記式(120)で表される基であることが好ましい。
−(CH2n−Sx−(CH2n (120)
上記式(120)中、nは1〜10の整数を表し、なかでも、2〜4の整数であることが好ましい。
上記式(120)中、xは1〜6の整数を表し、なかでも、2〜4の整数であることが好ましい。
上記式(120)中、*は、結合位置を示す。
上記式(120)で表される基の具体例としては、例えば、−CH2−S2−CH2−C24−S2−C24−C36−S2−C36−C48−S2−C48−CH2−S4−CH2−C24−S4−C24−C36−S4−C36−C48−S4−C48などが挙げられる。
上記式(100)中、Bは炭素数5〜20の1価の炭化水素基を表し、その具体例としては、例えば、ヘキシル基、オクチル基、デシル基などが挙げられる。Bは炭素数5〜10の1価の炭化水素基であることが好ましい。
上記式(100)中、Cは加水分解性基を表し、その具体例としては、例えば、アルコキシ基、フェノキシ基、カルボキシル基、アルケニルオキシ基などが挙げられる。なかでも、下記式(130)で表される基であることが好ましい。
−OR2 (130)
上記式(130)中、R2は炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数6〜10のアラルキル基(アリールアルキル基)または炭素数2〜10のアルケニル基を表し、なかでも、炭素数1〜5のアルキル基であることが好ましい。上記炭素数1〜20のアルキル基の具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、オクタデシル基などが挙げられる。上記炭素数6〜10のアリール基の具体例としては、例えば、フェニル基、トリル基などが挙げられる。上記炭素数6〜10のアラルキル基の具体例としては、例えば、ベンジル基、フェニルエチル基などが挙げられる。上記炭素数2〜10のアルケニル基の具体例としては、例えば、ビニル基、プロぺニル基、ペンテニル基などが挙げられる。
上記式(130)中、*は、結合位置を示す。
上記式(100)中、Dはメルカプト基を含有する有機基を表す。なかでも、下記式(140)で表される基であることが好ましい。
−(CH2m−SH (140)
上記式(140)中、mは1〜10の整数を表し、なかでも、1〜5の整数であることが好ましい。
上記式(140)中、*は、結合位置を示す。
上記式(140)で表される基の具体例としては、−CH2SH、−C24SH、−C36SH、−C48SH、−C510SH、−C612SH、−C714SH、−C816SH、−C918SH、−C1020SHが挙げられる。
上記式(100)中、R1は炭素数1〜4の1価の炭化水素基を表す。
上記式(100)中、0≦a<1、0<b<1、0<c<3、0<d<1、0≦e<2、かつ0<2a+b+c+d+e<4の関係を満たす。
上記式(100)中、aは、本発明の効果が向上するという理由から、0<a≦0.50であることが好ましい。
上記式(100)中、bは、本発明の効果が向上するという理由から、0<bであることが好ましく、0.10≦b≦0.89であることがより好ましい。
上記式(100)中、cは、本発明の効果が向上するという理由から、1.2≦c≦2.0であることが好ましい。
上記式(100)中、dは、本発明の効果が向上するという理由から、0.1≦d≦0.8であることが好ましい。
上記ポリシロキサンの重量平均分子量は、本発明の効果が向上するという理由から、500〜2300であるのが好ましく、600〜1500であるのがより好ましい。本発明における上記ポリシロキサンの分子量は、トルエンを溶媒とするゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によりポリスチレン換算で求めたものである。
上記ポリシロキサンの酢酸/ヨウ化カリウム/ヨウ素酸カリウム添加−チオ硫酸ナトリウム溶液滴定法によるメルカプト当量は、加硫反応性に優れるという観点から、550〜700g/molであるのが好ましく、600〜650g/molであるのがより好ましい。
上記ポリシロキサンは、本発明の効果が向上するという理由から、シロキサン単位(−Si−O−)を2〜50個有するものであることが好ましい。
なお、上記ポリシロキサンの骨格には、ケイ素原子以外の金属(例えば、Sn、Ti、Al)は存在しない。
上記ポリシロキサンの製造方法は公知であり、例えば国際公開WO2014/002750号パンフレットに開示された方法にしたがって製造することができる。
なお、本発明で使用されるシランカップリング剤は前記以外の含硫黄シランカップリング剤も使用できる。例えばビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−オクタノイルチオプロピルトリエトキシシラン等を例示することができる。
(ポリグリセリン脂肪酸エステル)
本発明で使用されるポリグリセリン脂肪酸エステルは、炭素数6〜24の脂肪酸を由来とするエステルである。
脂肪酸としては、具体的には、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、オレイン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸等の直鎖脂肪酸類が挙げられる。
ポリグリセリン脂肪酸エステルは、1種類を使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、シリカの分散性を高め、高速走行時の操縦安定性および高速走行を長時間行ったときのタイヤ性能の安定性をさらに高めるという観点から、前記脂肪酸は、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸またはリノレン酸が好ましい。
本発明で使用されるポリグリセリン脂肪酸エステルは、グリセリン由来の−OH基がシリカ表面のシラノール基に吸着すると同時に、グリセリンの繰り返し単位がとくに高比表面積のシリカの凝集体の細孔に入り込み、留まり易く、ゴムに対するシリカの分散性に寄与する。これにより、高速走行時の操縦安定性および高速走行を長時間行ったときのタイヤ性能の安定性を高めることができる。なお、当該効果は、モノグリセリン脂肪酸エステルには奏されない作用効果である。
また、高速走行時の操縦安定性および高速走行を長時間行ったときのタイヤ性能の安定性をさらに高めるという観点から、本発明で使用されるポリグリセリン脂肪酸エステルは、下記式(1)で表されるモノ脂肪酸エステルであることが好ましい。
Figure 2020084114
式(1)中、Rは前記脂肪酸に由来する炭素鎖を表し、nは0〜8を表し、0〜3が好ましく、0または1であることがとくに好ましい。
なお、ポリグリセリンの第2級ヒドロキシ基を選択的にエステル化したグリセリンエステル化合物では、前記式(1)で表されるモノ脂肪酸エステルに比べてシリカの分散性、高速走行時の操縦安定性および高速走行を長時間行ったときのタイヤ性能の安定性を高めるという効果の改善度合いが乏しい。
本発明で使用されるポリグリセリン脂肪酸エステルは、市販されているものであることができ、式(1)で表されるモノ脂肪酸エステルとして、例えば理研ビタミン株式会社製DS100A(ジグリセリンモノステアレート)、DO100V(ジグリセリンモノオレート)、S71D(ジグリセリンステアレート)、ポエムJ−4081V(テトラグリセリンステアレート)、J−0021(デカグリセリンラウレート)、J−0081HV(デカグリセリンステアレート)、J−0381V(デカグリセリンオレート)等が挙げられる。
(ゴム組成物の配合割合)
本発明のゴム組成物は、ジエン系ゴム100質量部に対し、シリカを150〜300質量部、シランカップリング剤を前記シリカの質量に対し1〜20質量%、および炭素数6〜24の脂肪酸を由来とするポリグリセリン脂肪酸エステルを0.5〜20質量部配合してなることを特徴とする。
シリカの配合量が150質量部未満であると、ウェットグリップ性能が悪化し、逆に300質量部を超えると、シリカの分散性および耐摩耗性が悪化する。
シランカップリング剤の配合量がシリカの質量に対し1質量%未満であると、配合量が少な過ぎて本発明の効果を奏することができない。逆に20質量%を超えると耐摩耗性が悪化する。
ポリグリセリン脂肪酸エステルの配合量が0.5質量部未満であると、配合量が少な過ぎて本発明の効果を奏することができない。逆に20質量部を超えると耐摩耗性が悪化し、熱ダレが発生し、高速走行を長時間行ったときのタイヤ性能の安定性に乏しくなる。
また、本発明のゴム組成物において、シリカの配合量は、ジエン系ゴム100質量部に対し、150〜250質量部であることが好ましい。
シランカップリング剤の配合量は、シリカの質量に対し5〜15質量%であることが好ましい。
ポリグリセリン脂肪酸エステルの配合量は、ジエン系ゴム100質量部に対し、1〜20質量部であることが好ましい。
(その他成分)
本発明におけるゴム組成物には、前記した成分に加えて、加硫又は架橋剤;加硫又は架橋促進剤;酸化亜鉛、カーボンブラック、クレー、タルク、炭酸カルシウムのような各種充填剤;老化防止剤;可塑剤などのゴム組成物に一般的に配合されている各種添加剤を配合することができ、かかる添加剤は一般的な方法で混練して組成物とし、加硫又は架橋するのに使用することができる。これらの添加剤の配合量も、本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。
また本発明では、ウェットグリップ性能を高めるという観点から、60〜150℃の樹脂を配合するのが好ましい。具体的には、軟化点が60〜150℃の芳香族変性テルペン樹脂を配合するのがよい。
芳香族変性テルペン樹脂としては、例えば、α−ピネン、β−ピネン、ジペンテン、リモネンなどのテルペン樹脂と、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、インデンなどの芳香族化合物とを重合させて得られる芳香族変性テルペン樹脂が有効に使用される。当該芳香族化合物の芳香族変性テルペン樹脂中での含有量は、10〜50質量%であることが好ましい。
前記樹脂の配合割合は、ジエン系ゴム100質量部に対し、例えば1〜30質量部であり、3〜20質量部が好ましい。
また、本発明のゴム組成物は、平均ガラス転移温度(平均Tg)が−20℃以上である。このように平均Tgを規定することにより、ドライグリップ性能が向上する。
なお本明細書で言う平均Tgは、各成分のガラス転移温度に、各成分の重量分率を乗じた積の合計、すなわち加重平均に基づき算出される値である。なお計算時には各成分の重量分率の合計を1.0とする。またガラス転移温度は、示差走査熱量測定(DSC)により20℃/分の昇温速度条件によりサーモグラムを測定し、転移域の中点の温度とする。
また、前記各成分とは、ジエン系ゴム、オイルおよび樹脂を意味する。なお、オイルおよび樹脂は、ゴム組成物に含まれない場合もあり得る。
さらに好ましい平均Tgは、例えば−30℃以上であり、−30℃〜−5℃がさらに好ましい。
また本発明のゴム組成物は従来の空気入りタイヤの製造方法に従って空気入りタイヤを製造するのに適しており、キャップトレッド、とくに競技用空気入りタイヤのキャップトレッドに適用するのがよい。
以下、本発明を実施例および比較例によりさらに説明するが、本発明は下記例に制限されるものではない。
標準例、実施例1〜4および比較例1〜5
サンプルの調製
表1に示す配合(質量部)において、加硫促進剤と硫黄を除く成分を1.7リットルの密閉式バンバリーミキサーで5分間混練し、ゴムをミキサー外に放出して室温冷却した。次いで、該ゴムを同ミキサーに再度入れ、加硫促進剤および硫黄を加えてさらに混練し、ゴム組成物を得た。次に得られたゴム組成物を所定の金型中で160℃、20分間プレス加硫して加硫ゴム試験片を得、以下に示す試験法で未加硫のゴム組成物および加硫ゴム試験片の物性を測定した。
ペイン効果(シリカ分散性):未加硫の組成物を用いてASTM P6204に準拠してRPA2000においてG’(0.56%歪)を測定した。結果は、標準例の値を100として指数表示した。指数が小さいほどシリカの分散性が高いことを意味する。
ウェットグリップ性能:JIS K6394:2007に準じて、粘弾性スペクトロメーター(東洋精機製作所製)を用い、伸張変形歪率10±2%、振動数20Hz、温度0℃の条件で、tanδ(0℃)を測定した。結果は、標準例の値を100として指数表示した。指数が大きいほどウェットグリップ性能に優れることを示す。
耐摩耗性:岩本製作所(株)製のランボーン摩耗試験機を用い、荷重5kg(49N)、スリップ率25%、時間4分、室温の条件にて測定し摩耗減量を求めた。結果は、標準例の値を100として指数で示した。指数が大きいほど耐摩耗性に優れることを示す。
熱ダレ:加硫ゴム試験片と同様の加硫ゴムをキャップトレッドに用いた、195/65R15のタイヤを作成し実車にて3km周回路を10週し周回タイム差を測定することにより測定した。評価基準は以下の通りである。
3:周回タイム差が0.5s以内。
2.5:周回タイム差が0.5〜1.0s。
2:周回タイム差が1.0〜1.5s。
1.5:周回タイム差が1.5〜2.0s。
1:周回タイム差が2.5s以上。
結果を表1に併せて示す。
Figure 2020084114
*1:SBR1(旭化成ケミカルズ社製E680、溶液重合SBR、スチレン量=36質量%、ビニル含有量=64%、Tg=−13℃、重量平均分子量が147万、SBR100質量部にオイル成分37.5質量部を添加した油展品(表1では実際のSBR量を示した))
*2:SBR2(旭化成ケミカルズ社製E581、Tg=−27℃、SBR100質量部にオイル成分37.5質量部を添加した油展品(表1では実際のSBR量を示した))
*3:モノグリセリンモノステアレート(理研ビタミン株式会社製S100)
*4:ジグリセリンモノステアレート(理研ビタミン株式会社製DS100A、前記式(1)においてn=0であり、R−COOはステアリン酸に由来する)
*5:ジグリセリンモノオレート(理研ビタミン株式会社製DO100V、前記式(1)においてn=0であり、R−COOはオレイン酸に由来する)
*6:ジグリセリンステアレート(理研ビタミン株式会社製S71D、前記式(1)においてn=0であり、R−COOはステアリン酸に由来する)
*7:シリカ(solvay社製商品名1165MP、CTAB比表面積=160m/g)
*8:シランカップリング剤1(エボニクデグッサ社製Si69)
*9:シランカップリング剤2(上記式(100)を満たす化合物。組成式=(−C36−S4−C36−)0.071(−C8170.571(−OC251.50(−C36SH)0.286SiO0.75
*10:カーボンブラック(キャボットジャパン(株)製N339)
*11:樹脂(ヤスハラケミカル(株)製YSレジン TO−125、テルペンスチレン樹脂、Mw=2000、軟化点120〜130℃、Tg=70℃)
*12:ステアリン酸(日油(株)製ビーズステアリン酸YR)
*13:亜鉛華(正同化学工業(株)製酸化亜鉛3種)
*14:老化防止剤(Solutia Europe社製Santoflex 6PPD)
*15:プロセスオイル(昭和シェル石油(株)製エキストラクト4号S、Tg=-40℃)
*16:硫黄(軽井沢精錬所社製油処理イオウ)
*17:加硫促進剤CBS(大内新興化学工業(株)製ノクセラーCZ−G)
*18:加硫促進剤TOT−N(大内新興化学工業(株)製ノクセラーTOT−N)
なお、表1において平均Tgとは、前記ジエン系ゴム、樹脂およびオイルのTgの加重平均に基づき算出される値である。
表1の結果から、実施例1〜4のゴム組成物は、ジエン系ゴムに対し、シリカおよびシランカップリング剤を特定量で配合するとともに、さらに特定のポリグリセリン脂肪酸エステルを特定量でもって配合し、かつ組成物の平均ガラス転移温度を特定範囲に定めているので、標準例に比べて、シリカの分散性を高め、高速走行時の操縦安定性(ウェットグリップ性能)および高速走行を長時間行ったときのタイヤ性能の安定性(耐摩耗性、熱ダレ)に優れていることが分かる。
これに対し、比較例1はモノグリセリンモノ脂肪酸エステルを配合した例であるので、標準例に対し熱ダレが悪化している。
比較例2はポリグリセリン脂肪酸エステルの配合量が本発明で規定する下限未満であるので、標準例とほぼ同様の結果を示した。
比較例3はポリグリセリン脂肪酸エステルの配合量が本発明で規定する上限を超えているので、標準例に対し耐摩耗性および熱ダレが悪化している。
比較例4はシリカの配合量が本発明で規定する下限未満であるので、標準例に対しウェットグリップ性能が悪化している。
比較例5はシリカの配合量が本発明で規定する上限を超えているので、標準例に対しシリカの分散性および耐摩耗性が悪化している。

Claims (6)

  1. ジエン系ゴム100質量部に対し、シリカを150〜300質量部、シランカップリング剤を前記シリカの質量に対し1〜20質量%、および炭素数6〜24の脂肪酸を由来とするポリグリセリン脂肪酸エステルを0.5〜20質量部配合してなり、かつ平均ガラス転移温度が−20℃以上であることを特徴とするゴム組成物。
  2. 前記脂肪酸が、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸またはリノレン酸であることを特徴とする請求項1に記載のゴム組成物。
  3. 前記ポリグリセリン脂肪酸エステルが下記式(1)で表されることを特徴とする請求項1または2に記載のゴム組成物。
    Figure 2020084114
    式(1)中、Rは前記脂肪酸に由来する炭素鎖を表し、nは0〜8を表す。
  4. 前記式(1)中、nが0または1であることを特徴とする請求項3に記載のゴム組成物。
  5. タイヤキャップトレッドに用いられる、請求項1〜4のいずれかに記載のゴム組成物。
  6. 請求項1〜4のいずれかに記載のゴム組成物をキャップトレッドに使用した空気入りタイヤ。
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