JP2020083976A - ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤ - Google Patents

ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤ Download PDF

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Abstract

【課題】ハイパフォーマンスタイヤは、操縦安定性、とくにドライグリップ性能が重視されている。また近年ではさらなる高品質化の要求により、優れたウェットグリップ性能および転がり抵抗性も求められている。また、老化後の硬度の変化率も抑制し得るゴム組成物も当業界では求められている。【解決手段】ジエン系ゴム100質量部に対し、シリカを80〜150質量部、シランカップリング剤を前記シリカの質量に対し1〜20質量%、軟化点が60〜150℃の樹脂を5〜20質量部および炭素数6〜24の脂肪酸を由来とするポリグリセリン脂肪酸エステルを0.5〜20質量部してなり、平均ガラス転移温度が−45℃以上であることを特徴とするゴム組成物によって、上記課題を解決した。【選択図】なし

Description

本発明は、ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤに関するものであり、詳しくは、シリカの分散性を高め、ウェットグリップ性能、ドライグリップ性能および転がり抵抗性を同時に高めるとともに、老化後の硬度の変化率も抑制し得るゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤに関するものである。
ハイパフォーマンスタイヤは、操縦安定性、とくにドライグリップ性能が重視されている。また近年ではさらなる高品質化の要求により、優れたウェットグリップ性能および転がり抵抗性も求められている。このようなタイヤ高性能化への要求に伴い、タイヤにシリカを配合する技術が知られている。しかしシリカはゴム中での分散が極めて難しいという問題点がある。当業界では、種々のシランカップリングを開発してシリカを分散させようと試みてはいるが、十分にシリカを分散させるにはいまだ至っていない。
下記特許文献1には、グリセリン脂肪酸エステルからなり、該グリセリン脂肪酸エステルが、グリセリンと、2種以上の脂肪酸とのエステルであって、該グリセリン脂肪酸エステルを構成する2種以上の脂肪酸のうち、最も多い脂肪酸成分が全脂肪酸中に10〜90質量%であり、さらにモノエステル成分をグリセリン脂肪酸エステル中に50〜100質量%含むシリカ配合ゴム組成物用添加剤組成物が開示されている。
また下記特許文献2には、2種以上のジエン系ゴムを含むゴム成分と、石油外資源由来のグリセロール脂肪酸トリエステルとを含み、前記ゴム成分が、天然ゴム、エポキシ化天然ゴム、ブタジエンゴムからなる群より選択される少なくとも1種のジエン系ゴムを含み、前記グリセロール脂肪酸トリエステルは、オレイン酸の含有量が45質量%以上であり、ゴム成分100質量%中の天然ゴム及びブタジエンゴムの合計含有量が50質量%以上、又は、ゴム成分100質量%中の天然ゴム及びエポキシ化天然ゴムの合計含有量が50質量%以上であるサイドウォール又はベーストレッド用ゴム組成物が開示されている。
しかし、特許文献1〜2に開示された技術では、ウェットグリップ性能、ドライグリップ性能および転がり抵抗性を高次にバランスするには至っていない。また、老化後に硬度が上昇してしまうという問題点があった。
国際公開WO2016/139916号パンフレット 特許第5679798号公報
したがって本発明の目的は、シリカの分散性を高め、ウェットグリップ性能、ドライグリップ性能および転がり抵抗性を同時に高めるとともに、老化後の硬度の変化率も抑制し得るゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤを提供することにある。
本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、ジエン系ゴムに対し、シリカおよびシランカップリング剤、特定の軟化点を有する樹脂および特定のポリグリセリン脂肪酸エステルを特定量でもって配合するとともに、ゴム組成物の平均ガラス転移温度を特定値以上に設定することにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成することができた。
すなわち本発明は以下の通りである。
1.ジエン系ゴム100質量部に対し、シリカを80〜150質量部、シランカップリング剤を前記シリカの質量に対し1〜20質量%、軟化点が60〜150℃の樹脂を5〜20質量部および炭素数6〜24の脂肪酸を由来とするポリグリセリン脂肪酸エステルを0.5〜20質量部配合してなり、かつ平均ガラス転移温度が−45℃以上であることを特徴とするゴム組成物。
2.前記脂肪酸が、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸またはリノレン酸であることを特徴とする前記1に記載のゴム組成物。
3.前記ポリグリセリン脂肪酸エステルが下記式(1)で表されることを特徴とする前記1または2に記載のゴム組成物。
Figure 2020083976
式(1)中、Rは前記脂肪酸に由来する炭素鎖を表し、nは0〜8を表す。
4.前記式(1)中、nが0または1であることを特徴とする前記1〜3のいずれかに記載のゴム組成物。
5.さらに炭素数7〜20のアルキル基を有するアルキルアルコキシシランを、前記シリカに対し0.1〜20質量%配合してなることを特徴とする前記1〜4のいずれかに記載のゴム組成物。
6.前記樹脂が、芳香族変性テルペン樹脂であることを特徴とする前記1〜5のいずれかに記載のゴム組成物。
7.タイヤキャップトレッドに用いられる、前記1〜6のいずれかに記載のゴム組成物。
8.前記1〜6のいずれかに記載のゴム組成物をキャップトレッドに使用した空気入りタイヤ。
本発明によれば、ジエン系ゴムに対し、シリカおよびシランカップリング剤、特定の軟化点を有する樹脂および特定のポリグリセリン脂肪酸エステルを特定量でもって配合するとともに、ゴム組成物の平均ガラス転移温度を特定値以上に設定したので、シリカの分散性を高め、ウェットグリップ性能、ドライグリップ性能および転がり抵抗性を同時に高めるとともに、老化後の硬度の変化率も抑制し得るゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤを提供することができる。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
(ジエン系ゴム)
本発明で使用されるジエン系ゴムは、通常のゴム組成物に配合することができる任意のジエン系ゴムを用いることができ、例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム(NBR)等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、その分子量やミクロ構造はとくに制限されず、アミン、アミド、シリル、アルコキシシリル、カルボキシル、ヒドロキシル基等で末端変性されていても、エポキシ化されていてもよい。
これらのジエン系ゴムの中でも、本発明の効果の点からジエン系ゴムはBR、SBRが好ましい。
(シリカ)
本発明で使用されるシリカとしては、乾式シリカ、湿式シリカ、コロイダルシリカおよび沈降シリカなど、従来からゴム組成物において使用することが知られている任意のシリカを単独でまたは2種以上組み合わせて使用できる。
なお本発明では、本発明の効果がさらに向上するという観点から、シリカのCTAB比表面積(JIS K6217−3)は、50〜300m/gであるのが好ましく、100〜250m/gであるのがさらに好ましい。
(シランカップリング剤)
本発明で使用されるシランカップリング剤は、とくに制限されないが、含硫黄シランカップリング剤が好ましく、例えば例えばビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−オクタノイルチオプロピルトリエトキシシラン等を例示することができる。シランカップリング剤は、1種または2種以上を併用してもよい。
(樹脂)
また本発明では、ウェットグリップ性能を高めるという観点から、60〜150℃の樹脂を配合するのが好ましい。具体的には、軟化点が60〜150℃の芳香族変性テルペン樹脂を配合するのがよい。
芳香族変性テルペン樹脂としては、例えば、α−ピネン、β−ピネン、ジペンテン、リモネンなどのテルペン樹脂と、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、インデンなどの芳香族化合物とを重合させて得られる芳香族変性テルペン樹脂が有効に使用される。当該芳香族化合物の芳香族変性テルペン樹脂中での含有量は、10〜50質量%であることが好ましい。
(ポリグリセリン脂肪酸エステル)
本発明で使用されるポリグリセリン脂肪酸エステルは、炭素数6〜24の脂肪酸を由来とするエステルである。
脂肪酸としては、具体的には、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、オレイン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸等の直鎖脂肪酸類が挙げられる。
ポリグリセリン脂肪酸エステルは、1種類を使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、シリカの分散性を高め、ウェットグリップ性能、ドライグリップ性能および転がり抵抗性を同時に高めるとともに、老化後の硬度の変化率も抑制し得るという観点から、前記脂肪酸は、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸またはリノレン酸が好ましい。
本発明で使用されるポリグリセリン脂肪酸エステルは、グリセリン由来の−OH基がシリカ表面のシラノール基に吸着すると同時に、グリセリンの繰り返し単位がとくにシリカの凝集体の細孔に入り込み、留まり易く、ゴムに対するシリカの分散性に寄与する。これにより、シリカの分散性を高め、ウェットグリップ性能、ドライグリップ性能および転がり抵抗性を同時に高めることができる。なお、当該効果は、モノグリセリン脂肪酸エステルには奏されない作用効果である。またモノグリセリン脂肪酸エステルは、ゴム中での移行速度が速く、ブルームし易いという欠点があり、これにより、老化後の硬度の変化率が大きくなってしまう。これに対し、本発明で使用されるポリグリセリン脂肪酸エステルは、ゴムに対する親和性が高く、移行速度が抑制され、ブルームが防止される。したがって、上記効果を奏するとともに、老化後の硬度の変化率も抑制できる。
また、シリカの分散性を高め、ウェットグリップ性能、ドライグリップ性能および転がり抵抗性を同時に高めるとともに、老化後の硬度の変化率も抑制し得るという観点から、本発明で使用されるポリグリセリン脂肪酸エステルは、下記式(1)で表されるモノ脂肪酸エステルであることが好ましい。
Figure 2020083976
式(1)中、Rは前記脂肪酸に由来する炭素鎖を表し、nは0〜8を表し、0〜3が好ましく、0または1であることがとくに好ましい。
なお、ポリグリセリンの第2級ヒドロキシ基を選択的にエステル化したグリセリンエステル化合物では、前記式(1)で表されるモノ脂肪酸エステルに比べて、シリカの分散性を高め、ウェットグリップ性能、ドライグリップ性能および転がり抵抗性を同時に高めるとともに、老化後の硬度の変化率も抑制するという効果に乏しい。
本発明で使用されるポリグリセリン脂肪酸エステルは、市販されているものであることができ、例えば理研ビタミン株式会社製DS100A(ジグリセリンモノステアレート)、DO100V(ジグリセリンモノオレート)、S71D(ジグリセリンステアレート)、ポエムJ−4081V(テトラグリセリンステアレート)、J−0021(デカグリセリンラウレート)、J−0081HV(デカグリセリンステアレート)、J−0381V(デカグリセリンオレート)等が挙げられる。
(ゴム組成物の配合割合)
本発明のゴム組成物は、ジエン系ゴム100質量部に対し、シリカを80〜150質量部、シランカップリング剤を前記シリカの質量に対し1〜20質量%、軟化点が60〜150℃の樹脂を5〜20質量部、および炭素数6〜24の脂肪酸を由来とするポリグリセリン脂肪酸エステルを0.5〜20質量部配合してなることを特徴とする。
シリカの配合量が80質量部未満であると、ウェットグリップ性能およびドライグリップ性能が悪化し、逆に150質量部を超えると、シリカの分散性および転がり抵抗性が悪化する。
シランカップリング剤の配合量がシリカの質量に対し1質量%未満であると、配合量が少な過ぎて本発明の効果を奏することができない。逆に20質量%を超えると加工性が悪化する。
軟化点が60〜150℃の樹脂の配合量が5質量部未満であると、配合量が少な過ぎて本発明の効果を奏することができない。逆に20質量部を超えると硬度が低下し、操縦安定性が悪化する。
ポリグリセリン脂肪酸エステルの配合量が0.1質量部未満であると、配合量が少な過ぎて本発明の効果を奏することができない。逆に20質量部を超えると老化後の硬度の変化率が悪化する。
また、本発明のゴム組成物において、シリカの配合量は、ジエン系ゴム100質量部に対し、90〜120質量部であることが好ましい。
シランカップリング剤の配合量は、シリカの質量に対し6〜15質量%であることが好ましい。
軟化点が60〜150℃の樹脂の配合量は、ジエン系ゴム100質量部に対し、7〜18質量部であることが好ましい。
ポリグリセリン脂肪酸エステルの配合量は、ジエン系ゴム100質量部に対し、1〜10質量部であることが好ましい。
(その他成分)
本発明におけるゴム組成物には、前記した成分に加えて、加硫又は架橋剤;加硫又は架橋促進剤;酸化亜鉛、カーボンブラック、クレー、タルク、炭酸カルシウムのような各種充填剤;老化防止剤;可塑剤などのゴム組成物に一般的に配合されている各種添加剤を配合することができ、かかる添加剤は一般的な方法で混練して組成物とし、加硫又は架橋するのに使用することができる。これらの添加剤の配合量も、本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。
なお本発明におけるゴム組成物は、本発明の効果が向上するという観点から、炭素数7〜20のアルキル基を有するアルキルアルコキシシランを配合するのが好ましい。
本発明で使用されるアルキルアルコシキシランとしては、好適には下記式(2)で表される化合物が好ましいものとして挙げられる。
Figure 2020083976
(式(2)中、R1は炭素数7〜20のアルキル基を表し、Etはエチル基を表す。)
ここで、R1の炭素数3〜20のアルキル基としては、具体的には、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基等が挙げられる。これらのうち、ジエン系ゴムとの相溶性の観点から、炭素数8〜10のアルキル基がさらに好ましく、オクチル基、ノニル基であるのがとくに好ましい。
アルキルアルコキシシランの配合量は、シリカに対し0.1〜20質量%であるのが好ましく、0.5〜10質量%であることがさらに好ましい。
また、本発明のゴム組成物は、平均ガラス転移温度(平均Tg)が−45℃以上である。このように平均Tgを規定することにより、ドライグリップ性能が向上する。
なお本明細書で言う平均Tgは、各成分のガラス転移温度に、各成分の重量分率を乗じた積の合計、すなわち加重平均に基づき算出される値である。なお計算時には各成分の重量分率の合計を1.0とする。またガラス転移温度は、示差走査熱量測定(DSC)により20℃/分の昇温速度条件によりサーモグラムを測定し、転移域の中点の温度とする。
また、前記各成分とは、ジエン系ゴム、オイルおよび樹脂を意味する。なお、オイルは、ゴム組成物に含まれない場合もあり得る。
さらに好ましい平均Tgは、−45℃超であり、例えば−40℃以上−25℃以下である。
また本発明のゴム組成物は従来の空気入りタイヤの製造方法に従って空気入りタイヤを製造するのに適しており、トレッド、とくにキャップトレッドに適用するのがよい。
以下、本発明を実施例および比較例によりさらに説明するが、本発明は下記例に制限されるものではない。
標準例、実施例1〜5および比較例1〜5
サンプルの調製
表1に示す配合(質量部)において、加硫促進剤と硫黄を除く成分を1.7リットルの密閉式バンバリーミキサーで5分間混練し、ゴムをミキサー外に放出して室温冷却した。次いで、該ゴムを同ミキサーに再度入れ、加硫促進剤および硫黄を加えてさらに混練し、ゴム組成物を得た。次に得られたゴム組成物を所定の金型中で160℃、20分間プレス加硫して加硫ゴム試験片を得、以下に示す試験法で未加硫のゴム組成物および加硫ゴム試験片の物性を測定した。
ペイン効果(シリカ分散性):未加硫の組成物を用いてASTM P6204に準拠してRPA2000においてG’(0.56%歪)を測定した。結果は、標準例の値を100として指数表示した。指数が小さいほどシリカの分散性が高いことを意味する。
ウェットグリップ性能:JIS K6394:2007に準じて、粘弾性スペクトロメーター(東洋精機製作所製)を用い、伸張変形歪率10±2%、振動数20Hz、温度0℃の条件で、tanδ(0℃)を測定した。結果は、標準例の値を100として指数表示した。指数が大きいほどウェットグリップ性能に優れることを示す。
ドライグリップ性能:上記で得られた未加硫ゴムを加硫後、ゴム組成物をタイヤトレッド部に使用して、タイヤサイズ225/40R18の空気入りタイヤを製造した。得られた空気入りタイヤを、それぞれサイズ18×8Jのリムに組み、空気圧240kPaを充填し、テスト車両の4輪に装着し、テストドライバーがドライ条件のサーキットコース(1周約2km)を10周連続走行させたときの周回毎のラップタイムを計測した。得られた結果は、平均ラップタイムの逆数を算出した。結果は、標準例の値を100として指数表示した。指数が大きいほどドライグリップ性能に優れることを示す。
tanδ(60℃)(転がり抵抗性):JIS K6394に準拠して60℃で試験した。結果は、標準例の値を100として指数で示した。指数が大きいほど、低転がり抵抗性であることを示す。
老化後の硬度変化:試験用サンプルはリュプケサンプル(厚さ12.5mm、直径29mmの円柱状の形状のもの)を使用した。加硫ゴム試験片からなる各リュプケサンプルを2群に分けその一方を80℃で120時間の条件で空気加熱老化処理を行った。この老化処理前後の試験片を用いて、JIS K6253に準拠しデュロメータのタイプAにより温度20℃のゴム硬度を測定し、それぞれについて(老化処理後のゴム硬度/老化処理前のゴム硬度×100)により熱老化に伴うゴム硬度の増加率(%)を算出した。得られた結果は、標準例の値を100として指数表示した。指数が小さいほど熱老化に伴う硬度の変化が抑制されたことを意味する。
結果を表1に併せて示す。
Figure 2020083976
*1:SBR(旭化成(株)製E581、油展S−SBR、油展量=SBR100質量部に対し37.5質量部(表1ではゴム分の配合量を記載した)、Tg=−27℃(油展オイル分を除いた場合のTg))
*2:BR(日本ゼオン(株)製Nipol BR1220、Tg=−106℃)
*3:モノグリセリンモノステアレート(理研ビタミン株式会社製S100)
*4:ジグリセリンモノステアレート(理研ビタミン株式会社製DS100A、前記式(1)においてn=0であり、R−COOはステアリン酸に由来する)
*5:ジグリセリンモノオレート(理研ビタミン株式会社製DO100V、前記式(1)においてn=0であり、R−COOはオレイン酸に由来する)
*6:ジグリセリンステアレート(理研ビタミン株式会社製S71D、前記式(1)においてn=0であり、R−COOはステアリン酸に由来する)
*7:シリカ(Solvay社製商品名ZEOSIL1165MP、CTAB比表面積=160m/g)
*8:シランカップリング剤(Evonik Degussa社製Si69、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド)
*9:アルキルアルコキシシラン(n−オクチルトリエトキシシラン(信越化学工業(株)製KBE−3083))
*10:カーボンブラック(キャボットジャパン(株)製N339)
*11:樹脂−1(Rutgers社製ノバレスL800、フェノール変性C系石油樹脂、軟化点:-40〜-30℃)
*12:樹脂−2(芳香族変性テルペン樹脂(ヤスハラケミカル(株)製YSレジン TO−125、テルペンスチレン樹脂、Mw=2000、軟化点120〜130℃
*13:ステアリン酸(日油(株)製ビーズステアリン酸YR)
*14:亜鉛華(正同化学工業(株)製酸化亜鉛3種)
*15:老化防止剤(Solutia Europe社製Santoflex 6PPD)
*16:プロセスオイル(昭和シェル石油(株)製エキストラクト4号S)
*17:硫黄(軽井沢精錬所社製油処理イオウ)
*18:加硫促進剤CBS(大内新興化学工業(株)製ノクセラーCZ−G)
*19:加硫促進剤DPG(大内新興化学工業(株)製ノクセラーD)
なお、前記ジエン系ゴム、樹脂およびオイルのTgの加重平均に基づき算出される平均Tgを、表1に示した。
表1の結果から、実施例1〜5のゴム組成物は、ジエン系ゴムに対し、シリカおよびシランカップリング剤、特定の軟化点を有する樹脂および特定のポリグリセリン脂肪酸エステルを特定量でもって配合するとともに、ゴム組成物の平均ガラス転移温度を特定値以上に設定したので、標準例に比べて、シリカの分散性、ウェットグリップ性能、ドライグリップ性能および転がり抵抗性を同時に高め、かつ老化後の硬度の変化率も抑制していることが分かる。
これに対し、比較例1はモノグリセリンモノ脂肪酸エステルを配合した例であるので、標準例に対し老化後の硬度の変化率が悪化している。
比較例2はポリグリセリン脂肪酸エステルの配合量が本発明で規定する下限未満であるので、標準例とほぼ同様の結果を示した。
比較例3はポリグリセリン脂肪酸エステルの配合量が本発明で規定する上限を超えているので、標準例に対し老化後の硬度の変化率が悪化している。
比較例4はシリカの配合量が本発明で規定する下限未満であるので、標準例に対しウェットグリップ性能、ドライグリップ性能が悪化している。
比較例5はシリカの配合量が本発明で規定する上限を超えているので、標準例に対しシリカの分散性、転がり抵抗性が悪化している。

Claims (8)

  1. ジエン系ゴム100質量部に対し、シリカを80〜150質量部、シランカップリング剤を前記シリカの質量に対し1〜20質量%、軟化点が60〜150℃の樹脂を5〜20質量部および炭素数6〜24の脂肪酸を由来とするポリグリセリン脂肪酸エステルを0.5〜20質量部配合してなり、かつ平均ガラス転移温度が−45℃以上であることを特徴とするゴム組成物。
  2. 前記脂肪酸が、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸またはリノレン酸であることを特徴とする請求項1に記載のゴム組成物。
  3. 前記ポリグリセリン脂肪酸エステルが下記式(1)で表されることを特徴とする請求項1または2に記載のゴム組成物。
    Figure 2020083976
    式(1)中、Rは前記脂肪酸に由来する炭素鎖を表し、nは0〜8を表す。
  4. 前記式(1)中、nが0または1であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のゴム組成物。
  5. さらに炭素数7〜20のアルキル基を有するアルキルアルコキシシランを、前記シリカに対し0.1〜20質量%配合してなることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のゴム組成物。
  6. 前記樹脂が、芳香族変性テルペン樹脂であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のゴム組成物。
  7. タイヤキャップトレッドに用いられる、請求項1〜6のいずれかに記載のゴム組成物。
  8. 請求項1〜6のいずれかに記載のゴム組成物をキャップトレッドに使用した空気入りタイヤ。
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