WO2020032070A1 - 曲がり矯正方法 - Google Patents

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黒田 浩一
修治 大田尾
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    • B21D3/10Straightening or restoring form of metal rods, metal tubes, metal profiles, or specific articles made therefrom, whether or not in combination with sheet metal parts between rams and anvils or abutments

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Abstract

曲がりを有する鋼管を上方に凸にさせた状態で載置し、プレス部により鋼管を上方から目標荷重値でプレスして、鋼管を真直に矯正する曲がり矯正方法であって、(a)プレス時において、プレス部が下死点のときの下死点荷重値Pkを測定する工程と、(b)工程(a)においてプレスする前の鋼管の曲がり量と、工程(a)においてプレスした後の鋼管の曲がり量との曲がり量の変化量Δδを測定する工程と、(c)工程(a)および工程(b)を複数回繰り返し、関係式Pk=f(Δδ)を生成する工程と、(d)関係式Pk=f(Δδ)から、次のプレスの目標荷重値を決定する工程と、を備える。

Description

曲がり矯正方法
 本発明は、曲がり矯正方法に関する。
 管または棒材などの鋼材は、その製造過程において曲がりが発生する。特許文献1および特許文献2には、管または棒材の曲がりを矯正する矯正方法が開示されている。図7は、従来の曲がり矯正方法の原理を説明するための図である。
 特許文献1、2に記載の矯正方法では、プレス矯正時の荷重とたわみ量を連続的に刻々計測し,荷重がたわみ量に比例して増大する限界を越えて、予め設定した矯正量に(たわみ量-矯正荷重×比例係数)が達した時点で除荷する方法が提案されている。すなわち、この矯正方法は矯正荷重を加える前に曲がり量を事前に計測しておき、その曲りを矯正するために必要な曲げ戻し変形を付与するためのプレス中の材料たわみ量δ1を所定の方法で決定し、そのたわみ量δ1に到達するまでプレス曲げ加工を施した後、除荷することでパイプの曲がりを矯正する。
 たわみ量δを決定する考え方を以下に述べる。まず、スパンLの2つの支点上に載せた矯正前の材料の初期曲がりδを計測する。その計測方法の一例を挙げれば、2支点上に載せた材料を軸芯周りに回転させて、支点間中央部の振幅を材料下方に設置したダイヤルゲージ等の測定機で計測する。その支点間中央部の振幅の2分の1を曲がり矯正すべき曲げ加工量の目標値δとみなす。
 曲がり矯正を施す際には、材料曲がりの向きが真上方向になるように両支点上に材料をおき、材料中央部を油圧シリンダの先端に取り付けたプレス治具で下方に向かって曲げる。その際に付与される荷重Pと材料曲げ変位δとの関係は、押し始める最初の段階では、材料変形が弾性域にあり、P-δ曲線の傾きはλ1である。プレス曲げが進行し、荷重Pが徐々に増加すると、最初は傾きλ1の弾性変形域であるが、塑性変形域に到達すると荷重Pの増加が緩慢になり、材料の塑性曲げが進行する。そして事前に決定したプレス曲げたわみ量δに到達した時点でプレス操作を停止し、除荷する。除荷の際には、除荷前の作用荷重で材料に付与されていた弾性変形が解放され、完全に除荷された後に、永久変形としての塑性曲げδが残る。これによって、初期曲がり量と同じ量の曲げ戻しができ、曲がり矯正ができる。
 特許文献1、2では、荷重変位曲線において、最初に曲げ荷重を印加していく際の弾性域の傾きλ1とプレス下死点到達後に除荷し弾性変形分が開放される、所謂スプリングバック時の傾きλ2の違いを考慮に入れて、先に述べたプレス下死点位置までの曲げ量δを決定することを特徴としている。すなわち、負荷時の傾き、除荷時の傾きはそれぞれλ、λとなり、両者は一般的に一致しない点に着目しプレス操作量を決定している。その理由は被矯正材の履歴に伴うバウシンガー効果や残留応力のためと考えている。
特開昭63-199025号公報 特開平10-5872号公報
 これら特許文献1、2は、図7に示す、荷重-変位の関係の挙動を見ながら、プレス曲げ量δを決定している。これは、塑性変形の挙動が明瞭である場合、例えば、大きな曲がりを矯正する場合に有効である。しかしながら、微小な曲がりを矯正する場合において、特許文献1、2に記載の方法を用いると、以下のような問題があることを本発明者らは見出した。
 すなわち、特許文献1、2に示されている方法で曲がりを矯正したとしても、1回のプレス操作のみで高精度の真直化矯正を実施することは困難であった。例えば、1mあたり0.5mm乃至1mm以下の真直化レベルが製品仕様として要求されることが多いが、特許文献1、2に記載の方法だけでこのような真直化レベルに1回で到達することは、先に述べたバウシンガー効果や材料機械特性の微妙な変動、さらには装置ガタや装置剛性等の様々なばらつき要因により困難であった。そのため先行例の技術が実際の操業現場のプレス矯正に適用することが困難なため依然として熟練作業者のプレス操作に頼らざるを得ない状況であった。
 本発明者らが先行技術の不備を詳細に検討したところ、高精度の真直化矯正のためには、最終的に僅かな曲がり量の手直し、すなわち仕上げ矯正を施す必要があるが、その場合には、荷重変位曲線をオンライン計測により観察していても明瞭な塑性域への移行が読み取れないような軽負荷領域での矯正加工が必要となることを見出した。すなわち、図8に示すように、そのような微小曲げ加工を施す場合には、特許文献1、2で述べられているようなプレス負荷時に塑性変形域に移行することが観察され、例えば図7に示したB点を越えた領域までプレス操作するのではなく、一見すると弾性変形域と思われる軽負荷領域で除荷する操作によって、目標とする微小曲げ変形による仕上げ矯正が可能となることを見出した。図8は、様々なプレスストローク量でプレス操作した際の荷重と曲がり量との関係を示す図である。
 しかも、このような軽負荷変形領域では、除荷時の傾きλは、特許文献1、2で示されたように一定ではなく、除荷を開始するプレス下死点荷重値のレベルによって微妙に変化することを見出した。図8では、プレス下死点位置B3、B4は、図7のB点を越えてプレス加工した場合に相当する。また、プレス下死点位置B1、B2は、前記した、一見すると弾性変形域と思われる軽負荷領域でのプレス加工に相当する。ここで、B1、B2、B3、B4からそれぞれ除荷した際の傾きをλ21、λ22、λ23、λ24と図示しているが、λ23とλ24とは先行技術と同様等しいが、軽負荷領域においてλ21、λ22はそれぞれ異なる。したがってプレス操作中の荷重変位曲線の形を見ながら除荷時の傾きλ2を想定し、プレス加工の操作量を決定する従来技術の考え方では到底仕上げ矯正はできない。そこで,本発明者らは、一見弾性域と思われるようなプレス操作領域において、プレス操作時の下死点荷重Pと除荷後のパイプの曲がり量の変化Δδの関係を詳細に調査し、そのデータベースに基づき、先に述べた矯正目標量δが得られるΔδとなるプレス荷重Pまでプレス操作し除荷することとした。
 そして、従来用いられていなかった領域において、プレス制御の操作量を鋼材に加える目標荷重値とした場合、プレス中の鋼材の変位をプレス制御の操作量とした特許文献1、2の場合と比べて、プレス制御しやすく、曲がり矯正の精度を高めることができることを見出した。
 本発明は、目標荷重値を決定し、その目標荷重値でプレス制御することで、曲がり矯正の精度を高くする曲がり矯正方法を提供することを目的とする。
 本発明は、曲がりを有する管体を上方に凸にさせた状態で載置し、プレス部により前記管体を上方から目標荷重値でプレスして、前記管体を真直に矯正する曲がり矯正方法であって、(a)プレス時において、前記プレス部が下死点のときの下死点荷重値を測定する工程と、(b)前記工程(a)においてプレスする前の前記管体の曲がり量と、前記工程(a)においてプレスした後の前記管体の曲がり量との曲がり量の変化量を測定する工程と、(c)前記工程(a)および前記工程(b)を複数回繰り返し、前記下死点荷重値と、前記曲がり量の変化量との関係を生成する工程と、(d)前記関係から、次のプレスの目標荷重値を決定する工程と、を備える。
 本発明によれば、下死点荷重値と曲がり量の変化量とを収集して、下死点荷重値と曲がり量の変化量との関係を生成し、その関係から管体をプレスする目標荷重値を決定する。そして、目標荷重値をプレス制御の操作量とすることで、プレス制御しやすくし、曲がり矯正の精度を高めることができる。
図1は、鋼管をプレス矯正するプレス矯正装置を説明するための図である。 図2は、鋼管の曲がり量を説明するための図である。 図3は、変位計により測定する回転振幅値を説明するための図である。 図4は、関係式Pk=f(Δδ)を説明するための図である。 図5は、曲がり矯正方法の手順を示すフローチャートである。 図6は、関係式Pk=f(Δδ)を用いて曲がり矯正方法を行った実験結果を示す図である。 図7は、従来の曲がり矯正方法を説明するための図である。 図8は、様々なプレスストローク量でプレス操作した際の荷重と曲がり量との関係を示す図である。
 以下に説明する曲がり矯正方法は、プレス矯正装置により、管体である鋼管に発生した曲がり部分をプレスして、鋼管を真直に矯正する方法である。
 図1は、鋼管100をプレス矯正するプレス矯正装置1を説明するための図である。
 プレス矯正装置1によりプレス矯正される鋼管100は、例えば湾曲状の曲がりを有している。鋼管100の曲がりは、例えば、鋼管100の製造過程において、熱間または冷間による加工時に発生する。
 プレス矯正装置1は二点支持部2を備えている。二点支持部2は、軸方向を水平方向にした状態の鋼管100を二点支持する。鋼管100は、上方に凸にさせた状態で二点支持部2に載置される。
 プレス矯正装置1はプレス部3を備えている。プレス部3は、プレスシリンダー31およびプレスプレート32を有している。プレス部3は、二点支持部2に載置された鋼管100をプレスし、荷重を加える。
 プレスシリンダー31は不図示のロッドを有し、そのロッド先端にプレスプレート32が設けられている。プレスシリンダー31は、油圧ユニット33に接続されており、油圧ユニット33の作動によりロッドを伸縮させることで、プレスプレート32の昇降動作、および、鋼管100へのプレス制御を行う。
 プレスプレート32は、プレスシリンダー31のロッドの伸縮により昇降する。プレスプレート32は、プレスシリンダー31のロッドが伸長することで、二点支持部2に載置された鋼管100を上方からプレスし、荷重を加える。
 プレスシリンダー31にはロードセル34が設けられている。ロードセル34は、プレスプレート32が鋼管100をプレスする荷重値Pを測定する。ロードセル34は、プレスプレート32によるプレス中、荷重値Pを適宜測定し、その測定値を、後述の制御部10へ出力する。
 プレス矯正装置1は変位計4を備えている。変位計4は、プレス部3によりプレスされて曲がる鋼管100の曲がり量δを測定する。
 図2は、鋼管100の曲がり量δを説明するための図である。曲がり量δは、二点支持部2による鋼管100の支持点を基準レベルとして、その基準レベルからの変位量である。
 変位計4は、鋼管100において、鋼管100の軸方向に対して、プレス部3の曲がり量δを測定する。変位計4は、測定値を、後述の制御部10へ出力する。変位計4は、鋼管100と接触して曲がり量δを測定する接触式であってもよいし、鋼管100と非接触で曲がり量δを測定する非接触式であってもよい。
 プレス矯正装置1は、一対の回転ローラ51と、変位計4とを備えている。一対の回転ローラ51は、鋼管100の一方端を挟み込んで保持した状態で回転する。なお、プレス矯正装置1は、鋼管100をプレス部3によりプレスし、その除荷後に鋼管100を二点支持部2から持ち上げて、一対の回転ローラ51により鋼管100を回転させる。
 変位計4は、一対の回転ローラ51により回転する鋼管100の回転振幅値Sを測定する。変位計4により回転振幅値Sを測定し、その2分の1をプレス後における鋼管100の残留曲がり量δaとして測定できる。なお、変位計4は、例えばダイヤルゲージである。
 図3は、変位計4により測定する回転振幅値Sを説明するための図である。
 鋼管100は、プレス部3によるプレスが開始されると弾性変形し、さらにプレスされ続けると塑性変形する。塑性変形領域において曲がった状態で除荷されると、鋼管100は曲がった状態を維持する。除荷後の鋼管100が塑性変形した状態において、上記の基準レベルからの曲がり量δが、残留曲がり量δaある。
 変位計4は、一対の回転ローラ51により回転させた鋼管100の下側の回転振幅値Sを測定する。つまり、プレス後における鋼管100の残留曲がり量δaは、変位計4により測定した回転振幅値Sを1/2とすることで得られる。
 図1に戻る。プレス矯正装置1は制御部10を備えている。制御部10は、例えばPC等を用いた制御回路である。制御部10は、油圧ユニット33を駆動制御して、鋼管100をプレスする。また、制御部10は、一対の回転ローラ51を駆動制御して、回転軸Axを中心として、鋼管100を回転させる。
 制御部10は、ロードセル34、および、変位計4それぞれから、測定結果を取得する。
 制御部10は、ロードセル34の測定値を用いて油圧ユニット33をフィードバック制御して、プレス部3のプレス制御を行う。また、制御部10は、プレス時に、プレス部3が下死点のときの下死点荷重値Pkを測定する。プレス部3が下死点のときとは、プレスシリンダー31が有するロッド(不図示)が下死点のときである。
 また、制御部10は、変位計4の測定値から、プレスする前の鋼管100の曲がり量δと、プレスした後の鋼管100の曲がり量δとの変化量Δδを測定する。ここで、プレスした後とは、プレスした荷重を除荷し、鋼管100にプレス部3による荷重が加わっていない状態を意味する。
 さらに、制御部10は、図3で説明したように、変位計4が測定した回転振幅値Sから、鋼管100の残留曲がり量δaを測定する。
 制御部10は、下死点荷重値Pk、および変化量Δδを複数収集し、Pk-Δδの関係式Pk=f(Δδ)を生成する。
 図4は、関係式Pk=f(Δδ)を説明するための図である。図4の黒丸は、1回のプレスで測定された、下死点荷重値Pk、および変化量Δδである。図4は、外径が34mm、肉厚が2.6mmの炭素鋼鋼管を、プレススパン1500mmで支持し、プレス部3でプレスした場合のデータを示す。プレススパンは、二点支持部2が鋼管100を支持する2つの支持点の距離である。
 図4では、例えば、下死点荷重値Pkが2.9[kN]で鋼管100をプレスした場合、そのプレス前後における鋼管100の曲がり量δの変化量Δδは、約0.4[mm]である。この場合、鋼管100は塑性変形している。
 一方、例えば、下死点荷重値Pkが2.7[kN]で鋼管100をプレスした場合、そのプレス前後における鋼管100の曲がり量δの変化量Δδは、約0[mm]である。この場合、鋼管100は弾性変形している。
 制御部10は、測定した下死点荷重値Pk、および変化量Δδを複数収集すると、Pk-Δδの関係式Pk=f(Δδ)を生成する。関係式Pk=f(Δδ)は、図4に実線で示すように、複数のデータから取得される回帰式である。関係式Pk=f(Δδ)は、以下の式(1)で表される。
 Pk=a・Δδ+b・Δδ+c・Δδ+d・Δδ+e   (1)
 ただし、a=-0.0269、b=0.174、c=-0.416、d=0.467、e=2.77である。なお、式(1)は、下死点荷重値Pk、および変化量Δδが測定される都度、随時更新される。
 制御部10は、式(1)に示す関係式Pk=f(Δδ)と、鋼管100の残留曲がり量δaとから、次のプレス時の荷重値(以下、目標荷重値Paという)を決定する。関係式Pk=f(Δδ)から、鋼管100の残留曲がり量δaを塑性変形させて、曲がり矯正するのに必要な荷重値を決定することができる。例えば、鋼管100の残留曲がり量δaが、約1.8mmである場合、約1.8mmを塑性変形させるのに必要な荷重値は、約3.0kNである(図4参照)。制御部10は、目標荷重値Paを約3.0kNとして、鋼管100をプレスする。
 制御部10は、目標荷重値Paでプレスする場合、ロードセル34の測定結果を参照しつつ、油圧ユニット33をフィードバック制御し、鋼管100をプレスする。そして、制御部10は、残留曲がり量δaが閾値以下となるまで、鋼管100へのプレスを繰り返し、鋼管100の真直化を行う。閾値は、好ましくは1mm、より好ましくは、0.5mmである。
 以下に、プレス矯正装置1により行う曲がり矯正方法について詳述する。図5は、曲がり矯正方法の手順を示すフローチャートである。
 まず、制御部10は、プレス部3により鋼管100をプレスする(S1)。詳しくは、制御部10は油圧ユニット33を作動させてプレスシリンダー31のロッドを伸長させる。そして、制御部10は、プレスプレート32を介して、二点支持部2に載置した鋼管100をプレスする。このとき、制御部10は、ロードセル34の測定結果を取得しつつ、荷重値Pが目標荷重値Paとなるように、油圧ユニット33を制御する。
 なお、ステップS1がその製造初回の場合や十分なデータベースが未構築であって、上記の関係式Pk=f(Δδ)が高精度に生成されていない場合、すなわち関係式Pk=f(Δδ)から目標荷重値Paを厳密に決定できない場合には、制御部10は、当該材の材料強度レベルと簡易的な弾性曲げ変形予測式に基づき操作開始することでよい。あるいは、作業者の経験則、または、他の方法で決定された荷重値でプレスすることでも良い。
 次に、制御部10は下死点荷重値Pkを測定する(S2)。その後、制御部10は除荷し(S3)、変化量Δδを測定する(S4)。変化量Δδは、上記のように、プレス前の鋼管100の曲がり量δと、プレス後の鋼管100の曲がり量δとの差として測定される。
 ステップS5では、制御部10は、下死点荷重値Pk、および変化量Δδから、関係式Pk=f(Δδ)を生成する。このとき、関係式Pk=f(Δδ)が生成されていない場合、制御部10は、ステップS1~ステップS4を複数回繰り返し、下死点荷重値Pk、および変化量Δδを複数収集した後に、関係式Pk=f(Δδ)を生成する。一方、関係式Pk=f(Δδ)が既に生成されている場合には、制御部10は、ステップS2で測定した下死点荷重値Pk、および、ステップS4で測定した変化量Δδを用いて、既存の関係式Pk=f(Δδ)を更新する。
 続いて、制御部10は、一対の回転ローラ51の回転制御を行い、鋼管100を回転させる(S6)。制御部10は、変位計4により回転振幅値Sを測定する(S7)。そして、制御部10は、測定した回転振幅値Sから鋼管100の残留曲がり量δaを決定する(S8)。
 制御部10は、鋼管100の矯正後の残留曲がり量δaが閾値(例えば、1mmまたは0.5mm)以下であるかを判定する(S9)。残留曲がり量δaが閾値以下である場合(S9:YES)、制御部10は、鋼管100は真直であると判定する。これにより、曲がり矯正方法は終了する。
 残留曲がり量δaが閾値以下でない場合(S9:NO)、制御部10は、鋼管100は真直でないと判定する。そして、制御部10は、関係式Pk=f(Δδ)と、残留曲がり量δaとから、目標荷重値Paを決定する(S10)。詳しくは、制御部10は、残留曲がり量δaを、式(1)のΔδに代入することで、荷重値Pkを算出する。制御部10は、算出した荷重値Pkを目標荷重値Paとして決定する。
 制御部10は、ステップS1に戻り、決定した目標荷重値Paで鋼管100をプレスする。なお、ステップS1でプレスする前に、鋼管100が下方に凸となっている場合、上方に凸となるように鋼管100を回転させる。
 以上の工程を繰り返すことにより、鋼管100の曲がりが矯正され、鋼管100は真直となる。関係式Pk=f(Δδ)は随時更新されるため、曲がり矯正のプレスを繰り返すにつれて、関係式Pk=f(Δδ)から決定される目標荷重値Paの信頼度は高くなる。その結果、曲がり矯正の精度は高まる。
 図6は、関係式Pk=f(Δδ)を用いて曲がり矯正方法を行った実験結果を示す図である。図6において、「パス」とは、プレス部3によるプレスを行う工程を意味する。「パスNo」が「1」では、鋼管100を1回プレスしたことを意味し、「パスNo」が「2」では、鋼管100を2回プレスしたことを意味する。また、「実績荷重値」は、制御部10が、油圧ユニット33を制御して、「目標荷重値Pa」でプレスしようとしたときに、ロードセル34が測定した荷重値Pである。
 本実施形態の曲がり矯正方法では、プレス中の鋼管100の曲がり量を測定することなく、目標荷重値Paのみを用いてプレス制御が行われている。そして、図6に示すように、実績荷重値は目標荷重値Paとほぼ一致する。つまり、本実施形態では、プレス制御は精度よく行われている。その結果、図6から読み取れるように、4回目のプレスで、鋼管100の曲がり量δは0.5mm以下となっている。このように、本実施形態の曲がり矯正方法において、精度のよい結果が得られている。
 以上のように、従来では、図7で説明したように、塑性変形域で生成した除荷曲線の傾き傾きλ2を用いて、塑性変形域でプレス中の鋼管の変位を見つつ、曲げ矯正を行っていたのに対し、本実施形態では、図7のプレス負荷開始直後の、一見すると弾性変形域と観察される(傾きλ1で荷重が増加する領域)において、上記式(1)の関係を生成している。そして、その領域において、式(1)の関係から決定される目標荷重値Paで曲げ矯正を行っている。荷重値を制御パラメータとすることで、従来のように、曲げ矯正時にプレス中の鋼管の変位を見る必要がなく、曲がり変位量が小さくても、精度よくプレス制御が行える。特に、本実施形態は、曲がり変位が長さ1mあたり1mm乃至0.5mm以下の品質レベルが要求されるに有効である。
1 プレス矯正装置
2 二点支持部
3 プレス部
4 変位計
10 制御部
31 プレスシリンダー
32 プレスプレート
33 油圧ユニット
34 ロードセル
51 回転ローラ
100 鋼管

 

Claims (6)

  1.  曲がりを有する管体を上方に凸にさせた状態で載置し、プレス部により前記管体を上方から目標荷重値でプレスして、前記管体を真直に矯正する曲がり矯正方法であって、
    (a)プレス時において、前記プレス部が下死点のときの下死点荷重値を測定する工程と、
    (b)前記工程(a)においてプレスする前の前記管体の曲がり量と、前記工程(a)においてプレスした後の前記管体の曲がり量との曲がり量の変化量を測定する工程と、
    (c)前記工程(a)および前記工程(b)を複数回繰り返し、前記下死点荷重値と、前記曲がり量の変化量との関係を生成する工程と、
    (d)前記関係から、次のプレスの目標荷重値を決定する工程と、
    を備える、曲がり矯正方法。
  2. (e)前記工程(d)で決定した前記目標荷重値でプレスした場合に、前記プレス部が前記下死点のときの前記下死点荷重値を測定する工程と、
    (f)前記工程(e)においてプレスする前の前記管体の曲がり量と、前記工程(e)においてプレスした後の前記管体の曲がり量との曲がり量の変化量を測定する工程と、
    (g)前記工程(e)で測定した前記下死点荷重値と、前記工程(f)で測定した前記曲がり量の変化量とを用いて、前記関係を更新する工程と、
     をさらに備える、請求項1に記載の曲がり矯正方法。
  3. (h)プレス後の前記管体の残留曲がり量を測定する工程、
    をさらに備え、
     前記工程(d)では、前記関係と、前記残留曲がり量とから、前記目標荷重値を決定する、
     請求項1または請求項2に記載の曲がり矯正方法。
  4.  前記工程(h)では、プレス後に、前記管体を、軸方向を中心に回転させて、前記管体の回転振幅値を測定し、前記回転振幅値から前記残留曲がり量を測定する、
     請求項3に記載の曲がり矯正方法。
  5.  前記工程(a)~(d)は、プレス後の前記管体の曲がり量が閾値以下となるまで、繰り返される、
     請求項1から請求項4までのいずれか一つに記載の曲がり矯正方法。
  6.  前記管体は鋼管である、
     請求項1から請求項5までのいずれか一つに記載の曲がり矯正方法。

     
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