JP4061341B2 - ひずみ制御型超高サイクル疲労試験方法および疲労試験装置 - Google Patents

ひずみ制御型超高サイクル疲労試験方法および疲労試験装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4061341B2
JP4061341B2 JP2005087548A JP2005087548A JP4061341B2 JP 4061341 B2 JP4061341 B2 JP 4061341B2 JP 2005087548 A JP2005087548 A JP 2005087548A JP 2005087548 A JP2005087548 A JP 2005087548A JP 4061341 B2 JP4061341 B2 JP 4061341B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
strain
contact
test
test piece
control
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2005087548A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006266964A (ja
Inventor
英一 吉田
章一 加藤
進 小高
勝夫 石上
徳晃 小嶺
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shimadzu Corp
Original Assignee
Shimadzu Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shimadzu Corp filed Critical Shimadzu Corp
Priority to JP2005087548A priority Critical patent/JP4061341B2/ja
Publication of JP2006266964A publication Critical patent/JP2006266964A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4061341B2 publication Critical patent/JP4061341B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Investigating Strength Of Materials By Application Of Mechanical Stress (AREA)

Description

本発明は、超高サイクル域の疲労損傷の評価に用いて好適なひずみ制御による疲労試験方法および疲労試験装置に関するものである。
鉄鋼材料の高サイクル疲労試験では、S−N曲線に水平部が現れ、疲労限が認められるのが一般的である。このため、半永久的に供用される機器構造物などの設計では、上記疲労限を基準とした設計がなされている。しかし、近年における荷重制御による疲労試験の研究例によれば、高強度鋼などでは、107〜108サイクル以上の長寿命域でもS-N 曲線に水平部が現れず、疲労限が認められない現象、若しくはS-N 曲線の二段折れ曲がり現象が報告されている。これらの現象は、鉄鋼材料の高強度化(品質向上)に伴い、多く認められる傾向にある。
一方、高速増殖炉(FBR)の機器や配管等においては、温度が異なる冷却材の合流部で、流体混合による不規則な温度ゆらぎ(サーマルストライピング)により、接液する構造物に繰返し熱応力が生じることが知られている。プラント供用中に繰返される熱応力は、109サイクル程度までの評価が必要とされており、かような超高サイクル域の疲労損傷を実験的に把握するためには、短時間で実施可能なひずみ制御による超高サイクル疲労試験が必要となってきている。
しかしながら、既存のひずみ制御による疲労試験技術では、109サイクル域の疲労損傷データを1点取得するのに、標準的なひずみ速度(0.1Hz〜1Hz)で30年以上の非常に長い時間を必要とする。
一般に、ひずみ制御方式では、図5(a)に示すように、試験片のひずみ速度を一定に保ちながら、試験片1に対して繰返し荷重(引張力、圧縮力)を作用させることによって疲労試験が行われる(図6参照)。このひずみ制御方式による疲労試験では、試験片1の標点間(試験片平行部)のひずみを計測するために、例えば図7に示すような押当て型のひずみ計10が用いられることから、疲労試験機の制御速度に限界があり、例えば図5(b)に示すように、ひずみ速度が概ね3Hz以上で、ひずみ計10にスベリが生じて、追従性や耐久性の問題が顕在化し、10Hz以上では、まったく使用できない。このため、図7に示すような従来の疲労試験機(低サイクル疲労試験装置)では、上記標準的なひずみ速度で疲労試験を行わざるを得ず、かような制御速度では、低サイクル域の疲労評価データを取得することはできても、107〜108サイクル以上の超高サイクル域の疲労評価データを取得することはできなかった。
なお、近年では、最大1kHzまでの疲労試験機が開発されているが、何れも荷重制御方式(すなわち、試験片に繰返し作用させる荷重が一定の制御方式)によるものであり、この荷重制御方式の場合、図8(a)および図8(b)に示すように、荷重が一定であっても繰返し数に応じてひずみ量が変動することから、上述したような繰返し熱応力による超高サイクル域の疲労損傷の評価に適用することはできなかった。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたもので、ひずみ制御による107〜109サイクル以上の超高サイクル疲労試験をより短時間で実施することができ、しかも従来型の低サイクル疲労試験の疲労寿命データと同等の評価を行うことができるひずみ制御型超高サイクル疲労試験方法および疲労試験装置を提供することを目的とする。
本発明に係るひずみ制御型超高サイクル疲労試験方法は、試験片の標点間のひずみを計測可能な接触式ひずみ計と、試験片に荷重を作用させたときの計測点の変位を非接触で計測可能な非接触式変位計とを用いて、ひずみ制御により試験片の疲労試験を行う試験方法であって、試験条件として、少なくとも試験片の標点間の全ひずみ範囲(試験片標点間の全変形量を標点間距離で除した値に100をかけたもの)および制御速度を設定する第1工程と、上記試験片の標点間の全ひずみ範囲の設定値に相当する非接触式変位計の目標制御範囲を求める第2工程と、上記制御速度で且つ非接触式変位計の計測値の振幅が上記目標制御範囲で一定となるように試験片に繰返し荷重を作用させて、非接触式変位計によるひずみ制御下で疲労試験を行う第3工程とを有し、上記第2工程では、接触式ひずみ計が追従可能なひずみ速度で試験片に繰返し荷重を作用させたときの接触式ひずみ計の計測値と、非接触式変位計の計測値とを取得し、それら計測値から両者の相関関係を求めて、当該相関関係に基づいて、上記試験片の標点間の全ひずみ範囲の設定値に相当する非接触式変位計の目標制御範囲を求めるようにしたことを特徴とするものである。
上記ひずみ制御型超高サイクル疲労試験方法においては、上記第1工程〜上記第3工程を順に実行した後、応力変動率が所定値に達する都度、或いは繰返し数が所定回数に達する都度、上記第2工程および上記第3工程を繰り返し行うようにすることが好ましい。また、上記第2工程では、試験片の標点間のひずみを計測できるように、接触式ひずみ計を試験片に接触する位置に配置する一方、上記第3工程では、試験片から離間した位置に接触式ひずみ計を配置することが望ましい。
また、本発明に係るひずみ制御型超高サイクル疲労試験装置は、上下のチャック間に装着された試験片に対して引張力と圧縮力を与えるための負荷部と、試験片のひずみを計測するための計測部と、この計測部の計測結果に基づいて各部の制御を行う制御部とを備え、ひずみ制御により試験片の疲労試験を行う試験装置であって、上記計測部は、試験片の標点間のひずみを計測可能な接触式ひずみ計と、試験片に荷重を作用させたときの計測点の変位を非接触で計測可能な非接触式変位計との組合せにより構成され、上記制御部は、試験開始前若しくは試験中に、接触式ひずみ計が追従可能なひずみ速度で試験片に繰返し荷重を作用させたときの接触式ひずみ計の計測値と、非接触式変位計の計測値とを取得し、それら計測値から両者の相関関係を求めて、当該相関関係に基づいて、上記試験片の標点間の全ひずみ範囲の設定値に相当する非接触式変位計の目標制御範囲を求め、その後、非接触式変位計の計測値の振幅が上記目標制御範囲で一定となるように試験片に繰返し荷重を作用させる制御を行うようになっていることを特徴とするものである。
本発明によれば、試験開始前若しくは試験中に、接触式ひずみ計が追従可能なひずみ速度で試験片に繰返し荷重を作用させたときの接触式ひずみ計の計測値と、非接触式変位計の計測値とを取得して、それら計測値から両者の相関関係を求め、当該相関関係に基づいて、試験片の標点間の全ひずみ範囲の設定値に相当する非接触式変位計の目標制御範囲を設定した後、非接触式変位計の計測値の振幅が上記目標制御範囲で一定となるように試験片に繰返し荷重を作用させて、非接触式変位計によるひずみ制御の下で疲労試験を行うようにしたので、接触式ひずみ計の追従性や耐久性に関する技術的問題を解決することができ、従来の低サイクル疲労試験装置(図7)と比較して、試験装置の制御速度(ひずみ速度の設定値)を高めることが可能となる。
したがって、短時間で疲労試験を実施することが可能となり、107〜109サイクル以上の超高サイクル域の疲労評価データを取得できるようになる。その結果、より長寿命側の評価データを設計などに反映させることが可能となり、各種構造材料の信頼性を高めることが可能となる。また、試験時間の短縮により、維持管理にかかる労務費等の費用削減を図ることもできる。
また、応力変動率が所定値に達する都度、或いは繰返し数が所定回数に達する都度、非接触式変位計の目標制御範囲を再設定するようにしたので、目標制御範囲の設定誤差を小さくすることができ、従来型の低サイクル疲労試験の疲労寿命データと同等の評価を行うことができる。
図1は、本発明に係るひずみ制御型超高サイクル疲労試験装置の一実施形態を示すもので、図中符号1が試験片である。
この試験装置は、上下のチャック2a、2b間に装着された試験片1に対して引張力と圧縮力を与えるための負荷部5(図6参照)と、試験片1のひずみを計測するための計測部6と、この計測部6の計測結果に基づいて各部の制御を行う制御部(図示省略)とを備えている。
負荷部5としては、例えば電気油圧サーボ制御式、或いは電気サーボモータ制御式の負荷装置など、周知の負荷装置を用いることが可能である。計測部6は、試験片1の標点間(試験片平行部)のひずみを計測可能な接触式ひずみ計10と、試験片1に荷重を作用させたときの計測点の変位(或いは2点の計測点間の距離の変化)を非接触で計測可能な非接触式変位計20の組合せにより構成することが可能である。本実施形態では、接触式ひずみ計10として押当て型のひずみ計を用いている。この押当て型ひずみ計は、尖鋭な先端部を有する互いに平行な一対の石英棒(またはセラミックス棒)11a,11bを備え、それら石英棒11a,11bの先端部をそれぞれ標点に押当てて試験片1に固定した状態で、石英棒11a,11b間の距離の変化量をひずみゲージ13で計測することにより、試験片1の標点間のひずみ量を計測するものである。この押当て型ひずみ計は、スライド移動テーブル12上に載置されて、試験片1に近接・離間する方向に進退自在に構成されている。また、本実施形態では、非接触式変位計20として、レーザ光を利用して反射面までの距離を三角測距方式によって測定するレーザ変位計を用いている。このレーザ変位計は、上下チャック2a、2b間の距離の変化、すなわち試験片1全体の伸縮量を測定すべく、光源や受光素子を有する本体部21が一方のチャック2aに、反射面22aを有するターゲット22が他方のチャック2bにそれぞれ取り付けられている。本体部21とターゲット22間の距離は、レーザ変位計の測定範囲内であって、試験片1に荷重を作用させたときに両者が接触しない距離に設定されている。
制御部としては、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、表示部、入力部、記憶部および通信部等を有する周知のコンピュータを用いることが可能である。この制御部の記憶部には、CPUにより実行される各種処理プログラム(後述するひずみ制御型超高サイクル疲労試験を実施するための処理プログラム等を含む。)や制御データ等を記憶する記憶領域の他、押当て型ひずみ計やレーザ変位計から取り込んだ計測データを格納する記憶領域や、入力部から入力した試験条件の設定データを格納する記憶領域などが設けられている。
次に、上記疲労試験装置を用いたひずみ制御型超高サイクル疲労試験方法の一実施形態について説明する。この疲労試験方法は、試験条件を設定する第1工程と、後述するキャリブレーション処理を実行する第2工程と、非接触式変位計20によるひずみ制御の下で疲労試験を行う第3工程とを有している。本実施形態では、第1工程〜第3工程を順に実行した後、キャリブレーション処理の実行条件(後述)が成立する都度、第2工程および第3工程を繰り返し行うようになっている。この一連の処理は、試験片1が破損するまで続けられる。
先ず、第1工程では、試験条件として、試験片1の標点間の全ひずみ範囲の設定値(以下、目標ひずみ範囲Δεtと称する。)、ひずみ速度の設定値(以下、制御速度fと称する。)、キャリブレーション処理の実行条件をそれぞれ制御部の入力部に入力して、記憶部に記憶する処理が行われる。キャリブレーション処理の実行条件としては、応力変動率や繰返し数に基づく条件(例えば応力変動率が所定値に達したとき、或いは繰返し数が所定回数に達したときに、キャリブレーション処理を実行するという条件)を設定することが可能である。
次いで、第2工程では、キャリブレーション処理が行われる。このキャリブレーション処理は、試験開始前若しくは試験中(キャリブレーション処理の実行条件が成立したとき)に、接触式ひずみ計10の目標ひずみ範囲Δεtに相当する非接触式変位計20の振幅値(以下、目標制御範囲ΔLtと称する。)を設定・補正するための処理である。
この第2工程では、先ず、制御部が接触式ひずみ計10の駆動部を制御して、接触式ひずみ計10の両石英棒11a,11bの先端を試験片1の標点に押当てる動作を行わせた後、制御部が負荷部5を制御して、接触式ひずみ計10が追従可能なひずみ速度(例えば、0.1Hz)で、接触式ひずみ計10の計測値が目標ひずみ範囲Δεt(例えば、0.3%)に到達若しくはほぼ到達するまで、荷重の振幅を徐々に大きくしながら試験片1に繰返し荷重を作用させる処理を実行する。制御部は、この処理の間、接触式ひずみ計10の計測値と非接触式変位計20の計測値を取り込んで、順次記憶部に格納する処理を行い、接触式ひずみ計10の計測値が目標ひずみ範囲Δεtに到達若しくはほぼ到達したら、負荷部5の作動を停止させるとともに、接触式ひずみ計10を試験片1から離脱させる処理を実行する。
その後、制御部は、記憶部に取り込んだ接触式ひずみ計10と非接触式変位計20の計測値から両者の相関関係を求めて、当該相関関係に基づいて、接触式ひずみ計10の目標ひずみ範囲Δεtに相当する非接触式変位計20の目標制御範囲ΔLtを求め、これを記憶部に記憶する処理を行う。図2は、制御部に取り込んだ接触式ひずみ計10の計測値と非接触式変位計20の計測値の推移をグラフに表したもので、このグラフによれば、接触式ひずみ計10と非接触式変位計20の計測値が相関的な関係にあることが分かる。両者の相関関係は、係数aを用いて、次式のように表すことができる。
係数a = 接触式ひずみ計の計測値(%) / 非接触式変位計の計測値(μm)
また、非接触式変位計20の目標制御範囲ΔLtは、上記係数aと、接触式ひずみ計10の目標ひずみ範囲Δεtとを次式に代入することにより求めることができる。
非接触式変位計の目標制御範囲ΔLt (μm)
= 接触式ひずみ計の目標ひずみ範囲Δεt (%) / 係数a
続いて、第3工程では、非接触式変位計20によるひずみ制御の下で疲労試験が行われる。具体的には、図2に示すように、制御部が負荷部5を制御して、第1工程で設定した制御速度f(例えば、100Hz)で、試験片1にかかる荷重の振幅を徐々に大きくして行き、最終的に非接触式変位計20の計測値の振幅が上記目標制御範囲ΔLt(例えば、40μm)で一定となるように試験片1に繰返し荷重を作用させて定常の疲労試験を行う。
その後、制御部は、第1工程で設定したキャリブレーション処理の実行条件が成立するか否かを監視し、実行条件の成立(例えば、繰返し数が所定回数に達したこと)を検知した際には、図2に示すように、試験片1にかかる荷重の振幅を徐々に小さくして行き、最終的に荷重の振幅が0になるように負荷部5を制御する。その後、前述した第2工程に移行して前述したキャリブレーション処理を実行することにより、目標制御範囲ΔLtの補正(再設定)を行った後、第3工程に移行して定常の疲労試験を再開する。すなわち、繰返し数が増加するに連れて係数a(接触式ひずみ計10と非接触式変位計20の計測値の相関関係)が変化することとなるので、本実施形態では、適宜に疲労試験を中断してキャリブレーション処理を行うことで目標制御範囲ΔLtを随時補正するようにしている。なお、キャリブレーション処理の実行条件は、その処理の前後で生じる目標制御範囲ΔLtの変動が十分に小さくなるように設定することが好ましく、そうすることで、目標制御範囲ΔLtの設定誤差を少なくすることができる。
こうして、目標制御範囲ΔLtを随時補正しながら疲労試験を続け、試験片1が破損したら試験を終了する。
以上のように、本実施形態によれば、試験開始前若しくは試験中に、接触式ひずみ計10が追従可能なひずみ速度で試験片1に繰返し荷重を作用させたときの接触式ひずみ計10の計測値と、非接触式変位計20の計測値とを取得して、それら計測値から両者の相関関係(係数a)を求め、当該相関関係に基づいて、試験片1の標点間の全ひずみ範囲の設定値(目標ひずみ範囲Δεt)に相当する非接触式変位計20の目標制御範囲ΔLtを設定した後、非接触式変位計20の計測値の振幅が上記目標制御範囲ΔLtで一定となるように試験片1に繰返し荷重を作用させて、非接触式変位計20によるひずみ制御の下で疲労試験を行うようにしたので、接触式ひずみ計の追従性や耐久性に関する技術的問題を解決することができ、これにより、試験装置の制御速度fを100Hz程度にまで高めることが可能となる。
したがって、試験時間を従来の1/50〜1/100に短縮でき、従来は不可能とされてきた107〜109サイクル以上の超高サイクル域の疲労評価データを取得できるようになる。その結果、より長寿命側の評価データを設計などに反映させることが可能となり、各種構造物の材料の信頼性を高めることが可能となる。また、試験時間の短縮により、維持管理にかかる労務費等の費用削減を図ることもできる。
なお、本実施形態では、試験開始前にキャリブレーション処理を実行して、非接触式変位計20によるひずみ制御を試験開始から行うようにしたが、本発明はこれに限られるものではなく、例えば、係数aの値が不安定な初期の段階(例えば、繰返し数が2000回に達するまで)は、比較的低い制御速度(例えば、0.1〜1Hz)で、接触式ひずみ計10によるひずみ制御を行い、係数aの値が安定した後は、キャリブレーション処理を実行して、高い制御速度(例えば、100Hz)で、非接触式変位計20によるひずみ制御を行うようにしてもよい。
また、本実施形態では、接触式ひずみ計10として、ひずみゲージ13をセンサ部に用いた押当て型ひずみ計を、非接触式変位計20としてレーザ変位計をそれぞれ例示したが、これ以外にも、接触式ひずみ計10として、例えば差動トランス型、静電容量式、光学的変位計をセンサ部に採用した押当て型ひずみ計を、非接触式変位計20として、渦電流式変位計などをそれぞれ用いることも可能である。
次に、本発明の効果を実施例により明らかにする。
本発明に係るひずみ制御型超高サイクル疲労試験方法により、疲労試験を実施したところ、図3および図4のグラフに示すような結果が得られた。図3には、目標ひずみ範囲Δεtを0.3%以下、温度条件を600℃として、本発明に係る超高サイクル疲労試験方法(10〜60Hz)と従来のJISで定められた低サイクル疲労試験方法(0.1Hz)により、316FR鋼の疲労試験を行ったときの応力挙動が示されている。図中、「HMH3D4(B7)」や「HB8A01(B8)」は試験片番号(ヒート番号)である。また、図4には、550℃または600℃の温度条件で、本発明に係る超高サイクル疲労試験方法と従来のJISで定められた低サイクル疲労試験方法とにより得られたSUS304鋼および316FR鋼の疲労特性が示されている。
これらグラフによれば、各サイクル域において、本発明に係る超高サイクル疲労試験方法と、従来のJISで定められた低サイクル疲労試験方法とでほぼ同じ評価データが得られ、両者の間に有意な差が無いことが分かる。つまり、本発明に係る超高サイクル疲労試験方法によれば、従来のJISで定められた低サイクル疲労試験方法では対応できなかった高サイクル領域において、当該低サイクル疲労試験方法の疲労寿命データと同等の疲労評価データを取得可能であることが分かる。
本発明に係るひずみ制御型超高サイクル疲労試験装置の一実施形態を示す要部構成図である。 接触式ひずみ計の計測値と非接触式変位計の計測値の推移を示すグラフである。 本発明による引張・圧縮応力変動の実験的検証結果を示すグラフである。 本発明による疲労特性の実験的検証結果を示すグラフである。 従来のひずみ制御法を説明するための図である。 従来の疲労試験装置(低サイクル疲労試験装置)の一例を示す概略構成図である。 図6の疲労試験装置の要部拡大図である。 荷重制御法でのひずみ挙動(ステンレス鋼の例)を説明するための図である。
符号の説明
1 試験片
10 接触式ひずみ計
20 非接触式変位計

Claims (4)

  1. 試験片の標点間のひずみを計測可能な接触式ひずみ計と、試験片に荷重を作用させたときの計測点の変位を非接触で計測可能な非接触式変位計とを用いて、ひずみ制御により試験片の疲労試験を行う試験方法であって、
    試験条件として、少なくとも試験片の標点間の全ひずみ範囲および制御速度を設定する第1工程と、上記試験片の標点間の全ひずみ範囲の設定値に相当する非接触式変位計の目標制御範囲を求める第2工程と、上記制御速度で且つ非接触式変位計の計測値の振幅が上記目標制御範囲で一定となるように試験片に繰返し荷重を作用させて、非接触式変位計によるひずみ制御下で疲労試験を行う第3工程とを有し、
    上記第2工程では、接触式ひずみ計が追従可能なひずみ速度で試験片に繰返し荷重を作用させたときの接触式ひずみ計の計測値と、非接触式変位計の計測値とを取得し、それら計測値から両者の相関関係を求めて、当該相関関係に基づいて、上記試験片の標点間の全ひずみ範囲の設定値に相当する非接触式変位計の目標制御範囲を求めるようにしたことを特徴とするひずみ制御型超高サイクル疲労試験方法。
  2. 上記第1工程〜上記第3工程を順に実行した後、応力変動率が所定値に達する都度、或いは繰返し数が所定回数に達する都度、上記第2工程および上記第3工程を繰り返し行うことを特徴とする請求項1に記載のひずみ制御型超高サイクル疲労試験方法。
  3. 上記第2工程では、試験片の標点間のひずみを計測できるように、接触式ひずみ計を試験片に接触する位置に配置する一方、上記第3工程では、試験片から離間した位置に接触式ひずみ計を配置するようにしたことを特徴とする請求項1に記載のひずみ制御型超高サイクル疲労試験方法。
  4. 上下のチャック間に装着された試験片に対して引張力と圧縮力を与えるための負荷部と、試験片のひずみを計測するための計測部と、この計測部の計測結果に基づいて各部の制御を行う制御部とを備え、ひずみ制御により試験片の疲労試験を行う試験装置であって、
    上記計測部は、試験片の標点間のひずみを計測可能な接触式ひずみ計と、試験片に荷重を作用させたときの計測点の変位を非接触で計測可能な非接触式変位計との組合せにより構成され、
    上記制御部は、試験開始前若しくは試験中に、接触式ひずみ計が追従可能なひずみ速度で試験片に繰返し荷重を作用させたときの接触式ひずみ計の計測値と、非接触式変位計の計測値とを取得し、それら計測値から両者の相関関係を求めて、当該相関関係に基づいて、上記試験片の標点間の全ひずみ範囲の設定値に相当する非接触式変位計の目標制御範囲を求め、その後、非接触式変位計の計測値の振幅が上記目標制御範囲で一定となるように試験片に繰返し荷重を作用させる制御を行うようになっていることを特徴とするひずみ制御型超高サイクル疲労試験装置。
JP2005087548A 2005-03-25 2005-03-25 ひずみ制御型超高サイクル疲労試験方法および疲労試験装置 Active JP4061341B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005087548A JP4061341B2 (ja) 2005-03-25 2005-03-25 ひずみ制御型超高サイクル疲労試験方法および疲労試験装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005087548A JP4061341B2 (ja) 2005-03-25 2005-03-25 ひずみ制御型超高サイクル疲労試験方法および疲労試験装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006266964A JP2006266964A (ja) 2006-10-05
JP4061341B2 true JP4061341B2 (ja) 2008-03-19

Family

ID=37203092

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005087548A Active JP4061341B2 (ja) 2005-03-25 2005-03-25 ひずみ制御型超高サイクル疲労試験方法および疲労試験装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4061341B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100943199B1 (ko) 2009-11-17 2010-02-19 선문대학교 산학협력단 초고주기 피로시험장치
JP5760244B2 (ja) * 2012-11-19 2015-08-05 株式会社原子力安全システム研究所 低サイクル疲労き裂進展評価方法
CN102928303B (zh) * 2012-11-26 2015-01-07 核工业理化工程研究院 金属材料的疲劳试验装置
CN111060408B (zh) * 2019-12-24 2022-04-22 合肥通用机械研究院有限公司 一种应变控制的热机械疲劳性能测试方法
CN112942450B (zh) * 2021-02-01 2022-06-03 湘电风能有限公司 基础环式风机基础疲劳损伤监测方法及系统
KR102510698B1 (ko) * 2021-09-03 2023-03-17 한국생산기술연구원 금속 판재의 인장 시험 장치

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006266964A (ja) 2006-10-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4061341B2 (ja) ひずみ制御型超高サイクル疲労試験方法および疲労試験装置
US20120053858A1 (en) Fatigue Life Estimation Method and System
RU2600518C2 (ru) Способ и устройство для измерения остаточных напряжений в детали
CN103884603A (zh) 蠕变-疲劳裂纹扩展试验装置及相应的测试方法
CN106931898B (zh) 一种基于光纤传感器高温环境下的应变测量方法
CN110308059A (zh) 一种焊接过程材料循环硬化行为测试方法
CN110595908A (zh) 一种镍基合金焊接材料的高温失延开裂准原位测试方法
JP5760244B2 (ja) 低サイクル疲労き裂進展評価方法
JP6314787B2 (ja) 材料試験機
Hyde et al. Some considerations on specimen types for small sample creep tests
JP4895302B2 (ja) 弾性率測定方法、弾性率測定装置、及びプログラム
JPH03267736A (ja) 脆性材料の破壊力学的疲労試験方法および装置
JP6226112B1 (ja) クリープ疲労試験方法、及びクリープ試験装置の制御装置
JP4859224B2 (ja) 圧縮試験方法及び圧縮試験機、並びにプログラム
JP2017187472A (ja) 疲労評価方法及び試験装置、試験方法
CN104614162B (zh) 一种螺栓联接件变形及摩擦模拟试验装置
Matvienko et al. Evolution of fracture mechanics parameters relevant to narrow notch increment as a measure of fatigue damage accumulation
JP6209489B2 (ja) 熱疲労試験方法及び試験片
JPH11183349A (ja) コーティングの割れ発生限界試験方法
RU2619046C1 (ru) Способ определения термомеханических характеристик материалов с памятью формы
US3397572A (en) Device for measuring stressstrain curve
JP6049377B2 (ja) 疲労試験装置
RU2670217C1 (ru) Способ измерения напряженно-деформированного состояния металлических конструкций без снятия статических нагрузок
Aleksic et al. Experimental and numerical investigations of the critical values of J-integral for the steel of steam pipelines
JP5562726B2 (ja) 硬化検出方法および硬化検出システム

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20061116

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20061116

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070226

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070821

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070919

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 4061341

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110111

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110111

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120111

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130111

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140111

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250