WO2020021932A1

WO2020021932A1 - 温水装置

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Publication number: WO2020021932A1
Application number: PCT/JP2019/024955
Authority: WO
Inventors: 健大東; 正樹今藤
Original assignee: 株式会社ノーリツ
Priority date: 2018-07-27
Filing date: 2019-06-24
Publication date: 2020-01-30
Also published as: CN112119267A; US20210247100A1; CN112119267B

Abstract

温水装置（ＷＨ）は、加熱用気体から熱回収を行なう１次熱交換器（Ｈ１）と、２次熱交換器（Ｈ２）と、１次熱交換器（Ｈ１）の第１のケース（２）内において第１のケース（２）の少なくとも１つの側壁部（２０）寄りの領域を流れる加熱用気体が、２次熱交換器（Ｈ２）の所定の隙間（Ｃ２，Ｃ３）に進入することを阻止するように、前記加熱用気体の流れを規制する加熱用気体流れ規制手段（４８，４０ａ）と、を備えている。このことにより、２次熱交換器（Ｈ２）の側壁部（５０）の高温化の防止、および熱効率の向上などが適切に図られる。

Description

温水装置

　本発明は、給湯装置などの温水装置に関し、さらに詳しくは、１次熱交換器および２次熱交換器を備えたタイプの温水装置に関する。

　温水装置としては、燃焼ガス（加熱用気体）から顕熱を回収する１次熱交換器に加え、この１次熱交換器によって顕熱が回収された後の燃焼ガスから潜熱をさらに回収するための２次熱交換器を備えたものがある。ここで、これら１次熱交換器および２次熱交換器は、それぞれケース内に伝熱管が収容された構成である。２次熱交換器の伝熱管としては、非直管状のたとえば蛇行管やＵ字管が用いられる場合がある（たとえば、特許文献１）。

　しかしながら、前記従来技術においては、次に述べるように改善すべき余地がある。
　すなわち、２次熱交換器のケース内に、蛇行管またはＵ字管を用いた伝熱管を収容した構成においては、前記伝熱管と前記ケースの側壁部との相互間に隙間が発生する場合がある。この場合、１次熱交換器を通過した燃焼ガスのうち、比較的多くの燃焼ガスが前記隙間に進入する虞がある。これでは、前記伝熱管による熱回収量が少なくなり、熱効率が低くなる。また、前記隙間に進入した燃焼ガスは、前記ケースの前記側壁部に直接作用するため、前記側壁部が高温に加熱される不具合も生じる。

特開２０１３－１３０３４８号公報特開平１０－３２５６１０号公報特開平７－１２７９１１号公報

　本発明の目的は、前記したような不具合を解消することが可能な温水装置を提供する点にある。

　上記の課題を解決するため、本発明では、次の技術的手段を講じている。

　本発明により提供される温水装置は、加熱用気体が内部に供給される第１のケースを有し、かつ前記加熱用気体からの熱回収が可能とされた１次熱交換器と、この１次熱交換器を通過した加熱用気体が内部に流入する第２のケース内に、伝熱管が収容されており、かつ前記第２のケースの少なくとも１つの側壁部と前記伝熱管との相互間に隙間が形成されている２次熱交換器と、前記第１のケース内において、前記第１のケースの少なくとも１つの側壁部寄りの領域を流れる加熱用気体が、前記２次熱交換器の前記隙間に進入することを阻止するように、前記加熱用気体の流れを規制する加熱用気体流れ規制手段と、を備えていることを特徴としている。

　好ましくは、前記１次熱交換器は、前記第１のケースの前後幅方向に間隔を隔てて並んだプレート状の複数のフィンを備えており、これら複数のフィンのうち、前記前後幅方向の最端部に位置する最端部フィンには、前記第１のケースの前記側壁部側に屈曲または湾曲した曲げ片部が設けられおり、前記加熱用気体流れ規制手段は、前記曲げ片部を含んでいる。

　好ましくは、前記曲げ片部は、前記最端部フィンの本体部から非直交状に屈曲または湾曲していることにより前記前後幅方向にバネ性をもち、かつ前記第１のケースの前記側壁部に対して弾発力をもって当接している。

　好ましくは、前記曲げ片部は、前記最端部フィンの加熱用気体流れ方向下流側の端縁部に設けられ、かつこの曲げ片部の少なくとも先端部は、加熱用気体流れ方向上流側に傾斜または湾曲している。

　好ましくは、本発明に係る温水装置は、前記伝熱管として、上下高さ方向に並んだ複数の直状管体部が少なくとも１つの接続管体部を介して一連に繋がった蛇行状またはＵ字状であり、かつ前記第２のケースの横幅方向に並んだ複数の伝熱管を備えており、前記隙間は、前記接続管体部と前記第２のケースの前記側壁部との相互間に形成されている。

　好ましくは、前記加熱用気体流れ規制手段は、前記第１のケース内に設けられ、かつ加熱用気体流れ方向上流側の第１の端部は、前記第１のケースの前記側壁部に接触または接近しているとともに、加熱用気体流れ方向下流側の第２の端部は、前記第１のケースの横幅方向において前記隙間よりも中央部寄りに位置するガイド部を含んでおり、このガイド部は、前記第１のケースの前記側壁部寄りの領域を流れる加熱用気体を、前記第２のケースの横幅方向の中央部側に流れるようにガイド可能である。

　好ましくは、前記１次熱交換器は、前記第１のケースの前後幅方向に間隔を隔てて並んだプレート状の複数のフィンを備えており、これら複数のフィンのそれぞれの前記横幅方向における端縁部には、加熱用気体流れ方向下流に進むほど前記第１のケースの中央部側に位置するように傾斜した屈曲片部が設けられており、前記ガイド部は、前記屈曲片部を含んでいる。

　好ましくは、本発明に係る温水装置は、前記伝熱管として、上下高さ方向に並んだ複数の直状管体部が少なくとも１つの接続管体部を介して一連に繋がった蛇行状またはＵ字状であり、かつ前記横幅方向に並んだ複数の伝熱管を備えており、前記隙間は、前記複数の伝熱管のうち、前記横幅方向の端部に位置する伝熱管と、前記第２のケースの前記側壁部との相互間に形成されている。

　好ましくは、本発明に係る温水装置は、前記複数のフィンのうち、前記最端部フィンとは別の複数の中間部フィンのそれぞれの前記横幅方向における端縁部に設けられ、かつ加熱用気体流れ方向下流に進むほど前記第１のケースの中央部側に位置するように傾斜し、前記第１のケースの前記側壁部寄りの領域を流れる加熱用気体を、前記第２のケースの横幅方向の中央部側に流れるようにガイド可能な屈曲片部を、さらに備えており、前記加熱用気体流れ規制手段は、前記屈曲片部を含んでいる。

　本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行なう発明の実施の形態の説明から、より明らかになるであろう。

本発明に係る温水装置を構成する１次熱交換器および２次熱交換器の斜視図である。図２Ａは、図１に示す１次熱交換器および２次熱交換器を備えて構成される温水装置の一例を示す断面図（図１のIIA－IIA線に沿う断面図）であり、図２Ｂは、図２Ａの要部拡大断面図である。図２Ａに示す温水装置の図２Ａとは異なる箇所における要部断面図である。図１および図２Ａに示す２次熱交換器の斜視図である。図５Ａは、図２ＡのVA－VA断面図であり、図５Ｂは、図５Ａの要部拡大図である。図５Ａで示されたフィンの要部斜視図である。図１～図３に示す１次熱交換器の最端部フィンの斜視図である。図１～図３に示す１次熱交換器の複数のフィンの伝熱管への組み付け工程の一例を示す要部断面図である。本発明の他の実施形態を示す要図断面図である。第２の伝熱管の他の例を示す正面図である。

　以下、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照して具体的に説明する。

　図２Ａに示す温水装置ＷＨは、１次熱交換器Ｈ１、２次熱交換器Ｈ２、および仮想線で一部分が示されたバーナ１を具備している。２次熱交換器Ｈ２の下側には、熱回収後の燃焼ガスを排ガスとして外部に排気するための部材（図示略）が設けられる。

　バーナ１は、従来既知の逆燃焼式のガスバーナである。このバーナ１においては、ファン（図示略）から吐出される燃焼用空気と燃料ガスとの混合気が、１次熱交換器Ｈ１の第１のケース２の上側から下向きに噴射され、通気性を有する燃焼プレート１０を通過して第１のケース２内に供給される。前記混合気には点火がなされ、第１のケース２内には加熱用気体としての燃焼ガスが供給される。

　１次熱交換器Ｈ１は、前記した第１のケース２に加え、伝熱管３、吸熱用の複数のフィン４（４Ａ，４Ｂ）および複数の補助管３９を備えている。第１のケース２は、上下両面が開口した略矩形筒状であり、図１に示すように、第１ないし第４の側壁部２０（２０ａ～２０ｄ）を有している。補助管３９は、燃焼ガスからの吸熱に加え、第１のケース２の第２ないし第４の側壁部２０ｂ～２０ｄを冷却する役割を果たし、第２ないし第４の側壁部２０ｂ～２０ｄの内面に沿って設けられた平面視略コ字状である。第１の側壁部２０ａには、複数の補助管３９を一連に繋ぐヘッダ部３５ａ，３５ｂが設けられている。第１の側壁部２０ａは、ヘッダ部３５ａ，３５ｂ内を流れる湯水により冷却される。補助管３９の入水口３８に供給された湯水は、図１の破線矢印で示す経路で補助管３９およびヘッダ部３５ａ，３５ｂを通過した後に、伝熱管３に流れ込む。伝熱管３は、第１のケース２内に横架設されて上下および水平方向に並んだ複数の直状管体部３０が、ベンド管３６を介して一連に接続された構成である。補助管３９から伝熱管３に流れ込んだ湯水は、出湯口３７に到達する。

　図２Ａにおいて、複数のフィン４は、プレート状であり、伝熱管３の直状管体部３０が貫通し、かつ直状管体部３０にロウ付け手段を用いて接合されており、直状管体部３０の長手方向（第１のケース２の前後幅方向Ｄ１）に間隔を隔てて並んでいる。これら複数のフィン４は、前後幅方向Ｄ１における両端部に位置する一対の最端部フィン４Ａと、これら一対の最端部フィン４Ａの間に位置する複数（多数）の中間部フィン４Ｂとに区別される。これらの具体的な構成については後述する。

　図２Ａおよび図３において、２次熱交換器Ｈ２は、上下両面が開口した略矩形筒状の第２のケース５内に、蛇行状伝熱管としての第１および第２の伝熱管６Ａ，６Ｂが収容された構成である。第２のケース５は、第１ないし第４の側壁部５０（５０ａ～５０ｄ）を有している。図２Ａおよび図４において、第１の伝熱管６Ａは、上下高さ方向に並んで水平方向に延びる複数の直状管体部６０が、側面視半円弧状の複数の接続管体部６１を介して一連に繋がった蛇行状である。この第１の伝熱管６Ａの両端部は、第２のケース５の外部に設けられた入水用および出湯用のヘッダ７ａ，７ｂに接続されている。

　図５Ａに示すように、複数の第１の伝熱管６Ａは、横幅方向Ｄ２に間隔を隔てて並んでいる。ただし、互いに隣り合う第１の伝熱管６Ａどうしの間には高低段差が設けられており、複数の第１の伝熱管６Ａは千鳥配列となっている。

　図３および図４において、第２の伝熱管６Ｂは、上下高さ方向に並び、かつ上下に傾斜した直状管体部６３が、側面視半円弧状の複数の接続管体部６２を介して一連に繋がった蛇行状である。この第２の伝熱管６Ｂの両端部は、第１の伝熱管６Ａと同様に、入水用および出湯用のヘッダ７ａ，７ｂに接続されている。第２の伝熱管６Ｂは、各直状管体部６３が上下に傾斜しているため、水抜き性がよい。寒冷季において、第１の伝熱管６Ａ内が凍結した場合であっても、この第２の伝熱管６Ｂに湯水を流通させることにより、温水供給が可能となる。

　図４および図５Ａに示すように、第２の伝熱管６Ｂは、横幅方向Ｄ２において、複数の第１の伝熱管６Ａの左右両外側に位置するように設けられている。ヘッダ７ａに供給された湯水は、第１および第２の伝熱管６Ａ，６Ｂを通過してヘッダ７ｂに到達し、その後は１次熱交換器Ｈ１の入水口３８に供給されて補助管３９および伝熱管３に送り込まれる。このような過程において、湯水は燃焼ガスにより加熱される。

　図２Ａおよび図２Ｂにおいて、一対の最端部フィン４Ａのそれぞれには、第１の隙間Ｃ１の下端開口部を閉塞する曲げ片部４８が設けられている。第１の隙間Ｃ１は、第１のケース２の第１および第３の側壁部２０ａ，２０ｃのそれぞれと最端部フィン４Ａとの相互間の隙間である。曲げ片部４８は、２次熱交換器Ｈ２の後述する第２の隙間Ｃ２への燃焼ガスの流入を規制するための部位（本発明でいう加熱用気体流れ規制手段の一例に相当）であり、最端部フィン４Ａの下縁部が１次熱交換器Ｈ１の前後幅方向Ｄ１の外側に曲げられることにより、最端部フィン４Ａに一体的に形成されている。図２Ｂの仮想線で示すように、曲げ片部４８は、第１のケース２内に収容されていない自然状態において、最端部フィン４Ａの本体部４１から上側に向けて傾斜した非直交状に屈曲または湾曲し、矢印Ｎａで示す方向にバネ性をもっている。曲げ片部４８の先端部４８ａは、さらに上側に屈曲または湾曲しており、その傾斜角α２は、曲げ片部４８の他の部分の傾斜角α１よりも大きい。図２Ｂの実線で示すように、曲げ片部４８は、第１のケース２の第１および第３の側壁部２０（２０ａ，２０ｃ）に先端部４８ａが当接し、前後幅方向Ｄ１において圧縮された状態で第１のケース２内に位置している。

　最端部フィン４Ａは、たとえば図７に示すような形態であり、曲げ片部４８は、最端部フィン４Ａの下端部の略全長域にわたって連設されている。また、最端部フィン４Ａには、伝熱管挿通用の開口部４２や、複数の凸状部４３が設けられている。複数の凸状部４３は、図２Ｂによく表れているように、隣接する中間部フィン４Ｂに当接させることにより、この中間部フィン４Ｂと最端部フィン４Ａとの相互間寸法を規定するための部位である。

　伝熱管３への複数のフィン４の組み付け作業は、たとえば図８に示すような工程を経て行なわれる。同図においては、直状管体部３０を下側ジグ９ａ上に起立保持させた状態において、複数のフィン４を直状管体部３０に外嵌し、かつそれらを上側ジグ９ｂによって押圧し、配列ピッチを整えている。その際、最端部フィン４Ａの曲げ片部４８は、下側および上側のジグ９ａ，９ｂの側面に当接させる。曲げ片部４８は、既述したようにバネ性をもつため、そのような設定が可能であり、このことにより複数のフィン４の組み付け作業に際して、曲げ片部４８がその支障にならないようにすることが可能である。

　図２Ａおよび図３に示すように、２次熱交換器Ｈ２内には、第２の隙間Ｃ２（Ｃ２ａ，Ｃ２ｂ）が形成されている。第２の隙間Ｃ２ａは、第１および第３の側壁部５０（５０ａ，５０ｃ）と接続管体部６１の先端部との相互間に形成されている。第２の隙間Ｃ２ｂは、第１および第３の側壁部５０（５０ａ，５０ｃ）と接続管体部６２の先端部との相互間に形成されている。これら第２の隙間Ｃ２ａ，Ｃ２ｂは、ともに第１の隙間Ｃ１の直下に位置している。

　図５Ａに示すように、２次熱交換器Ｈ２内には、第３の隙間Ｃ３もさらに形成されている。この第３の隙間Ｃ３は、第２および第４の側壁部５０（５０ｂ，５０ｄ）と第２の伝熱管６Ｂとの相互間に形成された隙間である。

　本実施形態においては、第３の隙間Ｃ３への燃焼ガスの流入を規制するための手段として、複数の中間部フィン４Ｂのそれぞれに形成されたガイド部４０ａ（本発明でいう加熱用気体流れ規制手段の他の例に相当）を具備している。

　中間部フィン４Ｂは、切欠き部４９や、伝熱管挿通用の孔部４８などが形成されたプレート状である。中間部フィン４Ｂの横幅方向Ｄ２における両端縁部には、この端縁部を中間部フィン４Ｂの前方側または後方側に屈曲させた屈曲片部４０が設けられている（図６も参照）。この屈曲片部４０の上部寄り領域は、第１のケース２の第２および第４の側壁部２０（２０ｂ，２０ｄ）に接触または接近して上下高さ方向に延びている。これに対し、屈曲片部４０の下部寄り領域は、下方に進むほど、第１および第２のケース２，５の横幅方向Ｄ２における中央部側に位置するように傾斜しており、燃焼ガスをガイドするためのガイド部４０ａとなっている。このガイド部４０ａの上端部としての第１の端部Ｐ１は、側壁部２０（２０ｂ，２０ｄ）に接触または接近しているのに対し、下端部としての第２の端部Ｐ２は、第３の隙間Ｃ３よりも適当な寸法Ｌａだけ、第１および第２のケース２，５の横幅方向Ｄ２における中央部側に位置している。

　次に、前記した温水装置ＷＨの作用について説明する。

　まず、図２Ａにおいて、バーナ１から１次熱交換器Ｈ１に供給された燃焼ガスは、補助管３９および伝熱管３による熱回収を終えた後に、２次熱交換器Ｈ２内に流入する。ここで、第２のケース５の第１および第３の側壁部５０ａ，５０ｃのうち、図２Ａに示す第２の隙間Ｃ２ａ、および図３に示す第２の隙間Ｃ２ｂに面している部分は、第１および第２の伝熱管６Ａ，６Ｂによる冷却がなされていないために、第２の隙間Ｃ２ａ，Ｃ２ｂに多くの燃焼ガスが流入した場合に、高温になり易い。これに対し、本実施形態においては、第２の隙間Ｃ２ａ，Ｃ２ｂの直上に位置する第１の隙間Ｃ１の下端開口部は、最端部フィン４Ａの曲げ片部４８により閉塞されているため、燃焼ガスが第１の隙間Ｃ１を通過してそのまま第２の隙間Ｃ２ａ，Ｃ２ｂに流入し難い。したがって、第２の隙間Ｃ２ａ，Ｃ２ｂへの燃焼ガス流入量を少なくし、第１および第３の側壁部５０ａ，５０ｃが異常な高温になることは適切に解消される。また、第２の隙間Ｃ２ａ，Ｃ２ｂに多くの燃焼ガスが進行すると熱効率が低下するが、そのような不具合も解消される。

　曲げ片部４８は、図２Ｂを参照して説明したように、バネ性をもち、弾発力をもって側壁部２０（２０ａ，２０ｃ）に当接している。このため、側壁部２０への曲げ片部４８の当接状態を安定的なものとし、側壁部２０と曲げ片部４８との間に、燃焼ガスの漏れを生じる比較的な大きな隙間が生じないようにすることが可能である。また、曲げ片部４８がバネ性をもつ構成であれば、第１のケース２内に複数のフィン４を伝熱管３の直状管体部３０とともに配置させる場合に、仮に、一対の最端部フィン４Ａの相互間隔に多少の寸法誤差があったとしても、この誤差を前記したバネ性により吸収し、各曲げ片部４８を側壁部２０に適切に当接させることが可能となる。

　曲げ片部４８の先端部４８ａの傾斜角α２は、大きくされているため、この先端部４８ａと側壁部２０（側壁部２０ａ，２０ｃ）とを面接触させ、それらの間のシール性を高めることも可能である。さらに、曲げ片部４８は、最端部フィン４Ａの下端から斜め上向きに屈曲または湾曲しており、その屈曲または湾曲方向は、最端部フィン４Ａの本体部４１に対する折り返し方向となっている。このため、最端部フィン４Ａを含む複数のフィン４を第１のケース２に組み入れる際に、曲げ片部４８が側壁部２０に対して引っ掛かりや突っ張りなどを生じることはなく、曲げ片部４８を円滑に圧縮変形させつつ、第１のケース２内にスライド挿入することが可能である。

　一方、図５Ａにおいて、第２のケース５内には、第３の隙間Ｃ３も存在しているため、仮に、この第３の隙間Ｃ３に多くの燃焼ガスが流入すると、第２および第４の側壁部５０ｂ，５０ｄのうち、第３の隙間Ｃ３に対面する箇所が高温になり易い。また、熱効率が低下する。これに対し、中間部フィン４Ｂのガイド部４０ａは、第１のケース２の第２および第４の側壁部２０ｂ，２０ｄ寄り領域を下向きに進行していた燃焼ガスを、第１および第２のケース２，５の横幅方向Ｄ２における中央部側に進むようにガイドする。

　ガイド部４０ａの第２の端部Ｐ２は、既述したように、２次熱交換器Ｈ２において、最も外側に位置する第２の伝熱管６Ｂよりも中央部側に位置しており、第３の隙間Ｃ３の直上位置は、ガイド部４０ａによって覆われた位置関係にある。このため、燃焼ガスがガイド部４０ａにガイドされて２次熱交換器Ｈ２内に流入した場合に、この燃焼ガスは、第３の隙間Ｃ３に向けて進行することはなく、または殆どない。したがって、第３の隙間Ｃ３に多くの燃焼ガスが進行することに起因する不具合、つまり第２および第４の側壁部５０ｂ，５０ｄが異常な高温に加熱されること、および熱効率が低下することを適切に防止することも可能である。ガイド部４０ａは、中間部フィン４Ｂを利用して構成されているため、それ専用の部材を設ける必要はなく、製造コストを廉価にすることも可能である。

　図９および図１０は、本発明の他の実施形態を示している。これらの図において、前記実施形態と同一または類似の要素には、前記実施形態と同一の符号を付すこととし、重複説明は省略する。

　図９に示す温水装置ＷＨａにおいては、２次熱交換器Ｈ２の向きが、前記実施形態とは９０°相違した構成とされている。なお、２次熱交換器Ｈ２の伝熱管としては、伝熱管６Ａが示されているが、前記実施形態の第２の伝熱管６Ｂが設けられていない構成とされている。

　本実施形態においては、たとえば伝熱管６Ａの接続管体部６１の各先端部６１ａが、横幅方向Ｄ２において最も外側に位置し、側壁部５０との間に第２の隙間Ｃ２を形成している。これに対し、ガイド部４０ａの第２の端部Ｐ２は、前記した先端部６１ａよりも適当な寸法Ｌｂ，Ｌｃだけ横幅方向Ｄ２における中央部側に位置している。

　このような構成によれば、１次熱交換器Ｈ１から２次熱交換器Ｈ２内に流入する燃焼ガスが、第２の隙間Ｃ２に多く進入することは適切に防止される。したがって、熱効率をよくし得るとともに、ケース５の側壁部５０が高温に加熱される不具合を適切に防止することが可能である。

　図１０は、２次熱交換器Ｈ２で用いられる伝熱管の他の例を示している。同図に示す伝熱管６Ｃは、２つの直状管体部６０と１つの接続管体部６１とを有するＵ字状である。本発明においては、蛇行状伝熱管に代えて、Ｕ字状の伝熱管６Ｃを用いることもできる。

　本発明は、上述した実施形態の内容に限定されない。本発明に係る温水装置の各部の具体的な構成は、本発明の意図する範囲内において種々に設計変更自在である。

　最端部フィン４Ａの曲げ片部４８は、好ましくは、第１のケース２の側壁部２０に当接し、第１の隙間Ｃ１の開口部を全閉するように設けられるが、本発明はこれに限定されない。曲げ片部４８は、第１の隙間Ｃ１から第２の隙間Ｃ２に向けて加熱用気体が流れていくことを規制（防止または抑制）し得るように、第１のケース２の側壁部２０側に屈曲または湾曲していればよい。曲げ片部４８と側壁部２０とが離間していてもかまわない。このような構成であっても、第２の隙間Ｃ２への加熱用気体の流入量を少なくすることが可能である。

　最端部フィン４Ａは、左右一対で存在するのが通例であり、これら一対の最端部フィン４Ａのそれぞれに曲げ片部４８を設けることが好ましいが、本発明はこれに限定されない。たとえば、一対の最端部フィン４Ａの一方のみに曲げ片部４８が設けられた構成であっても、本発明の技術的範囲に包摂される。

　上述の実施形態においては、加熱用気体流れ規制手段として、曲げ片部４８、およびガイド部４０ａの２つの手段が設けられているが、いずれか一方のみが設けられた構成とされていてもかまわない。

　上述した実施形態の温水装置は、１次および２次の熱交換器の上側にバーナを配置した逆燃焼式であり、加熱用気体（燃焼ガス）流れ方向は下向きであるが、本発明はこれに限定されない。たとえば、１次および２次の熱交換器の下側にバーナを配置し、加熱用気体（燃焼ガス）流れ方向が上向きである正燃焼式とすることもできる。
　加熱用気体は、燃焼ガスに限定されない。たとえば、コージェネレーションシステムにおいて発生する高温の排ガスを加熱用気体として用いることもできる。
　本発明でいう温水装置は、湯水を加熱して温水を生成する機能を備えたものであり、一般的な給湯装置の他、たとえば風呂給湯装置、暖房用温水装置、融雪用の温水装置なども含む。
　２次熱交換器の伝熱管としては、蛇行状またはＵ字状以外の伝熱管を用いることもできる。

Claims

　温水装置であって、
　加熱用気体が内部に供給される第１のケースを有し、かつ前記加熱用気体からの熱回収が可能とされた１次熱交換器と、
　この１次熱交換器を通過した加熱用気体が内部に流入する第２のケース内に、伝熱管が収容されており、かつ前記第２のケースの少なくとも１つの側壁部と前記伝熱管との相互間に隙間が形成されている２次熱交換器と、
　前記第１のケース内において、前記第１のケースの少なくとも１つの側壁部寄りの領域を流れる加熱用気体が、前記２次熱交換器の前記隙間に進入することを阻止するように、前記加熱用気体の流れを規制する加熱用気体流れ規制手段と、
　を備えていることを特徴としている。
　請求項１に記載の温水装置であって、
　前記１次熱交換器は、前記第１のケースの前後幅方向に間隔を隔てて並んだプレート状の複数のフィンを備えており、
　これら複数のフィンのうち、前記前後幅方向の最端部に位置する最端部フィンには、前記第１のケースの前記側壁部側に屈曲または湾曲した曲げ片部が設けられおり、
　前記加熱用気体流れ規制手段は、前記曲げ片部を含んでいる。
　請求項２に記載の温水装置であって、
　前記曲げ片部は、前記最端部フィンの本体部から非直交状に屈曲または湾曲していることにより前記前後幅方向にバネ性をもち、かつ前記第１のケースの前記側壁部に対して弾発力をもって当接している。
　請求項２に記載の温水装置であって、
　前記曲げ片部は、前記最端部フィンの加熱用気体流れ方向下流側の端縁部に設けられ、かつこの曲げ片部の少なくとも先端部は、加熱用気体流れ方向上流側に傾斜または湾曲している。
　請求項２に記載の温水装置であって、
　前記伝熱管として、上下高さ方向に並んだ複数の直状管体部が少なくとも１つの接続管体部を介して一連に繋がった蛇行状またはＵ字状であり、かつ前記第２のケースの横幅方向に並んだ複数の伝熱管を備えており、
　前記隙間は、前記接続管体部と前記第２のケースの前記側壁部との相互間に形成されている。
　請求項１に記載の温水装置であって、
　前記加熱用気体流れ規制手段は、
　前記第１のケース内に設けられ、かつ加熱用気体流れ方向上流側の第１の端部は、前記第１のケースの前記側壁部に接触または接近しているとともに、加熱用気体流れ方向下流側の第２の端部は、前記第１のケースの横幅方向において前記隙間よりも中央部寄りに位置するガイド部を含んでおり、
　このガイド部は、前記第１のケースの前記側壁部寄りの領域を流れる加熱用気体を、前記第２のケースの横幅方向の中央部側に流れるようにガイド可能である。
　請求項６に記載の温水装置であって、
　前記１次熱交換器は、前記第１のケースの前後幅方向に間隔を隔てて並んだプレート状の複数のフィンを備えており、
　これら複数のフィンのそれぞれの前記横幅方向における端縁部には、加熱用気体流れ方向下流に進むほど前記第１のケースの中央部側に位置するように傾斜した屈曲片部が設けられており、
　前記ガイド部は、前記屈曲片部を含んでいる。
　請求項６に記載の温水装置であって、
　前記伝熱管として、上下高さ方向に並んだ複数の直状管体部が少なくとも１つの接続管体部を介して一連に繋がった蛇行状またはＵ字状であり、かつ前記横幅方向に並んだ複数の伝熱管を備えており、
　前記隙間は、前記複数の伝熱管のうち、前記横幅方向の端部に位置する伝熱管と、前記第２のケースの前記側壁部との相互間に形成されている。
　請求項２に記載の温水装置であって、
　前記複数のフィンのうち、前記最端部フィンとは別の複数の中間部フィンのそれぞれの前記横幅方向における端縁部に設けられ、かつ加熱用気体流れ方向下流に進むほど前記第１のケースの中央部側に位置するように傾斜し、前記第１のケースの前記側壁部寄りの領域を流れる加熱用気体を、前記第２のケースの横幅方向の中央部側に流れるようにガイド可能な屈曲片部を、さらに備えており、
　前記加熱用気体流れ規制手段は、前記屈曲片部を含んでいる。