JPH09137906A - 排熱回収装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 側面ダクトケーシングの内面に沿って形成さ
れる偏流を防止し、熱回収効率の向上、及びエロージョ
ン等の防止を可能とする。 【解決手段】 ダクト１内に配設されたフィン付伝熱管
２群の端部を覆うように形成されたバッフル３が上記フ
ィン付伝熱管２群の排ガス上流側と下流側の両側面ダク
トケーシング４の内面に固定されたことによって、上記
側面ダクトケーシング４の内面に沿った部分に従来の装
置において発生していた排ガスの偏流は防止され、熱回
収効率の向上が可能になるとともに、各伝熱管による熱
吸収量の均等化が図られるため、伝熱管やヘッダの管内
エロージョン等の防止が可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ガスタービンの排
ガス等より熱を回収する排熱回収装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】排熱回収装置の一例について、図２及び
図３により説明する。なお、この一例は排ガスの流れが
縦流れ方式のガスタービン排ガスボイラの場合である。

【０００３】図２及び図３に示す排熱回収装置の一例に
おいて、ダクト１は側面ダクトケーシング４と前面ダク
トケーシング７と後面ダクトケーシング８により長方形
断面状に構成され、フィン付伝熱管群はガス流れの上流
側より順次過熱器９、高圧蒸発器１０、節炭器１１、及
び低圧蒸発器１２を形成している。

【０００４】各フィン付伝熱管群は、チューブ１９にス
パイラルフイン２０を取付けたフィン付伝熱管２がダク
ト１の奥行方向、すなわち図２（ａ）に示す奥行寸法Ｄ
の方向を管軸長手方向としてループ状に形成され、入口
及び出口部は入口ヘッダ１５及び出口ヘッダ１６に接続
されている。

【０００５】また、このフィン付伝熱管２は千鳥配列、
すなわちガス流れ方向に交互に半ピッチづつずらして配
置されている。フィン付伝熱管２の炉幅方向、すなわち
図２（ｂ）に示す炉幅寸法Ｗの方向の両端は、側面ダク
トケーシング４の内壁に隣接している。

【０００６】ダクト１内のフィン付伝熱管２の奥行方向
については、フィン端部に前面ダクトケーシング７と後
面ダクトケーシング８があるため、ガス偏流に対する条
件は各管共同等である。

【０００７】一方、炉幅方向については、フィン付伝熱
管２のある中央付近と両端の側面ダクトケーシング４の
近くとをガスの流れ易さの点で比較した場合、フィン付
伝熱管２が配置されている中央付近は流れ抵抗が大きい
が、側面ダクトケーシング４付近では図３（ａ）に示す
すき間ａがあり、相対的にガス偏流が生じ易い状態であ
る。図４は、この現象による流速の変化を図示したもの
である。

【０００８】従来の排熱回収装置においては、このガス
偏流を減らすため、図５（ａ），（ｂ）に示すようなバ
ッフル３ａ，３ｂが側面ダクトケーシング４の内壁に設
置され、すき間ｂを減少させていた。

【０００９】

【発明が解決しようとする課題】従来の排熱回収装置に
おいては、前記のようにバッフルの先端とフィン付伝熱
管のフィン部との間にすき間があり、バッフルの設置目
的であるガス偏流の防止は十分に実現されていなかっ
た。

【００１０】このすき間を設ける理由は、ボイラの起動
時、停止時においてダクトケーシング側とフィン付管側
との間に温度差が生じ、熱伸び量が異なるため、また、
熱伸びが時間的にずれて発生するため、最大伸び差を把
握し、製作公差、組立て順序を加味してそのすき間の大
きさを決めることが必要なためであり、すき間なしとす
ることはできなかった。

【００１１】従って、従来のバッフル構造の場合には、
すき間によりガス偏流が生じるため、熱回収効率が悪か
った。また、側面ダクトケーシングのそばをガスが偏流
することにより、その影響を受ける端部のフィン付伝熱
管のみの熱吸収量が大きくなり、蒸発器の場合は管内流
速が局部的に増大し、出口連絡管の曲り部、出口ヘッダ
の内面にエロージョンを起こし、節炭器の場合にはウオ
ータハンマーを起こすなどの課題があった。

【００１２】本発明は、上記の課題を解決し、ガス偏流
を減少させることができる排熱回収装置を提供すること
を目的とする。

【００１３】

【課題を解決するための手段】請求項１に記載の発明
は、前面、後面及び側面ダクトケーシングにより４面が
形成され内部を排ガスが通過するダクトと、同ダクト内
に設けられ上記排ガスの流れ方向と直交するように配設
され上記側面ダクトケーシングとその管軸長手方向が平
行な複数本のフィン付伝熱管により形成されたフィン付
伝熱管群を備えた排熱回収装置において、上記フィン付
伝熱管群の排ガス上流側と下流側の両側面ダクトケーシ
ングの内面にそれぞれ固定され上記管軸長手方向に沿っ
たフィン付伝熱管群の端部を覆うように形成されたバッ
フルを備えたことを特徴としている。

【００１４】上記において、両側面ダクトケーシングと
フィン付伝熱管群の端部との間のすき間はバッフルによ
って覆われるため、この部分を流れる排ガスの流速は減
速され、従来の装置においてこの部分に発生していた偏
流を防止することが可能となり、熱回収効率の向上が可
能となる。

【００１５】

【発明の実施の形態】本発明の実施の一形態に係る排熱
回収装置について、図１及び図２により説明する。

【００１６】図１及び図２に示す本実施形態は、図２に
示すように側面ダクトケーシング４、前面ダクトケーシ
ング７及び後面ダクトケーシング８によりダクト１が形
成され、そのダクト１の内部にフィン付伝熱管群により
形成された過熱器９、高圧蒸発器１０、節炭器１１及び
低圧蒸発器１２が設けられた排熱回収装置において、図
１に示すように複数本のフィン付伝熱管２が千鳥状に配
設されて形成されたフィン付伝熱管群の排ガス上流側と
下流側であってフィン付伝熱管２の管軸長手方向と平行
な側面ダクトケーシング４の内面にそれぞれ補強のため
のリブ６とともに取付けられたバッフル３を備えてい
る。

【００１７】上記バッフル３について、その幅は、側面
ダクトケーシング４の内面からフィン付伝熱管群の端部
に設置されたフィン付伝熱管２の中心まで程度の寸法で
ある。また、その長さは、スパイラルフイン２０を取付
ける部分、すなわち図２（ａ）に示す奥行寸法Ｄの範囲
である。

【００１８】上記において、バッフル３はその幅がフィ
ン付伝熱管群の端部のフィン付伝熱管２を直径方向に半
分程度覆う寸法のため、側面ダクトケーシング４の内面
に沿って流れる排ガスの流速は抑制され、従来の装置に
おいて発生していた偏流を防止することが可能となっ
た。

【００１９】なお、本実施形態においては、ガスの流れ
が縦流れ方式の場合の適用例を示しているが、横流れ方
式の場合にも適用可能であり、また、ダクトが外面保温
方式のものについてであるが、これに限らず内面保温方
式のものの場合にも適用することができ、更に、フィン
付伝熱管が千鳥配列であるが、碁盤目配列の場合でもよ
い。

【００２０】

【発明の効果】本発明の排熱回収装置は、ダクト内に配
設されたフィン付伝熱管群の端部を覆うように形成され
たバッフルが上記フィン付伝熱管群の上流側と下流側の
両側面ダクトケーシングの内面に固定されたことによっ
て、上記側面ダクトケーシングの内面に沿った部分に従
来の装置において発生していた排ガスの偏流は防止さ
れ、熱回収効率の向上が可能になるとともに、各伝熱管
による熱吸収量の均等化が図られるため、伝熱管やヘッ
ダの管内エロージョン等の防止が可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の一形態に係る排熱回収装置の説
明図で、（ａ）は要部の正面図、（ｂ）は平面図であ
る。

【図２】排熱回収装置の概要の説明図で、（ａ）は側面
図、（ｂ）は正面図である。

【図３】図２の一部の拡大図で、（ａ）は図２（ｂ）の
Ｂ部、（ｂ）は図２（ａ）のＡ部である。

【図４】従来の装置においてダクト内を流れるガス偏流
の発生状況の説明図である。

【図５】従来の装置の説明図で、（ａ）はその一例の正
面図、（ｂ）は他の例の正面図である。

【符号の説明】

１ ダクト ２ フィン付伝熱管 ３ バッフル ４ 側面ダクトケーシング ７ 前面ダクトケーシング ８ 後面ダクトケーシング

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 前面、後面及び側面ダクトケーシングに
   より４面が形成され内部を排ガスが通過するダクトと、
   同ダクト内に設けられ上記排ガスの流れ方向と直交する
   ように配設され上記側面ダクトケーシングとその管軸長
   手方向が平行な複数本のフィン付伝熱管により形成され
   たフィン付伝熱管群を備えた排熱回収装置において、上
   記フィン付伝熱管群の排ガス上流側と下流側の両側面ダ
   クトケーシングの内面にそれぞれ固定され上記管軸長手
   方向に沿ったフィン付伝熱管群の端部を覆うように形成
   されたバッフルを備えたことを特徴とする排熱回収装
   置。