JP2006010110A - 熱交換装置 - Google Patents

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洋充 濱川
Toru Fukano
徹 深野
Hidekazu Nishida
英一 西田
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Abstract

【課題】
燃焼ガスの流れの中に熱交換管群があると、管群からカルマン渦が放出され、これと熱回収装置のダクト(筐体)が共鳴し、気柱共鳴騒音が発生し問題となる。
【解決手段】
金属製ワイヤーを外周に螺旋状に固定配設したフィン付き伝熱管を、熱交換室内に設けたことを特徴とする熱交換装置。
【選択図】図5

Description

本発明は、ボイラ、加熱炉などからの高温排ガスから熱エネルギーを回収する熱交換装置に関するものである。
石炭焚き火力発電所の熱回収装置や、プラント排熱やガスタービンの排熱を回収するボイラ(排熱回収ボイラ)などでは、図6及び図7に示すように受熱側の熱伝達特性を向上させるために、ソリッドフィン03付き熱交換管01やセレイティッドフィン04付き熱交換管02等の熱交換管を設置する。このフィン付伝熱管01、02は、外部を高温の熱供給燃焼ガス流れと接して授熱し、内部を流れる液体に伝熱して蒸気に変え、この蒸気を発電用蒸気タービン等に供給している。
そこでこのような熱交換装置において、受熱用のフィン付き伝熱管(通称フィンチューブとも言う)は、熱交換室内の熱供給流体の流動方向に直交して、多数列で多段に配置される。このフィンチューブに対する熱供給流体の直交流れは、図8に示すようにフィンチューブの後方にカルマン渦Cを発生させる。カルマン渦が周期的に放出されるに伴って、フィンチューブまわりの圧力が周期的に変動する。さらにカルマン渦放出によりフィンチューブ後方の速度が周期的に変動し、それに伴い音響粒子速度が変動する。
このように熱交換室内を流動する熱供給流体がフィンチューブ群により生じる圧力と音響粒子速度の周期的な変化は、熱供給流体の流動方向に、またその幅方向に、さらに高さ方向に異なる。
熱交換室内を流動する熱供給流体がフィンチューブ群により生じる周期的な圧力と粒子速度の変動は、熱交換室を形成する筐体と共鳴し騒音を発生させる。
本発明は上記問題と解決するためになされたものであり,その手段は,熱交換室内に配列したフィン付き熱交換管の外周に金属製ワイヤーを螺旋状に固定配設したことを特徴とする熱交換装置にある。
本発明は、熱交換室内を流動する熱供給流体を上記フィン付熱交換管に金属製ワイヤーを螺旋状配置することにより、ガス流れ中の乱れを金属製ワイヤーで増加させ、カルマン渦による圧力変動および粒子速度変動を弱めると共にこのワイヤーでカルマン渦の発生位置を下流側へ移動させ、後方の熱交換管と干渉させることにより渦の発生を妨害することの二つの効果を利用して、カルマン渦に起因する熱交換室筐体の共鳴を防止し騒音の発生を低減させる優れた効果を呈する。
図1、図2には、フィンF付き伝熱管Pにカルマン渦Cを制御する金属製ワイヤーWを配置した効果を表している。フィン付き伝熱管Pの後方には図8のようにカルマン渦C列が形成されるが、金属製ワイヤーWを配設すると図1に示すようにカルマン渦Cが弱くなり、さらに渦の発生位置が下流側へ移動する。図2に示す伝熱管P群内ではカルマン渦Cが下流側の伝熱管Pと干渉するため、さらに渦を弱体化させることができる。
本発明において、 フィン付き伝熱管とは、例えば図4に示すソリッドフィンF1や図5に示すセレイティッドフィンF2等のフィンを突設したものP1、P2等を対象とする。
本発明において、熱供給流体のカルマン渦を制御する金属製ワイヤーとは、断面が○形、角形などの耐熱、耐食性金属を用い、図5に示すW2ように、その直径2rつまりフィン付き伝熱管P2の外周に螺旋配設した際の高さをフィン付き伝熱管P2の外径2Rの5〜15%にすることが好ましい。またこの金属製ワイヤーW2の螺旋配設方法として単条螺旋配設と複数条螺旋配設があるが、3〜5条螺旋で螺旋角θを10〜40°にすることが好ましい。金属製ワイヤーW2がガス流れ中の乱れを増加させ、カルマン渦による圧力変動および粒子速度変動を弱め、かつカルマン渦の発生位置を下流側へ移動させ、後方の熱交換管と干渉させることにより任意の螺旋ピッチにすることができる。
図3に、外径が57.2mmのフィン付き伝熱管Pに直径17.7mmの金属製ワイヤーWを配設した例の、伝熱管P後方のカルマン渦Cの発生位置と速度変動強さの関係グラフを示す。速度変動強さはカルマン渦Cの強さと密接に関係しており、速度変動強さが小さいほど伝熱管P周りの圧力変動と粒子速度変動が小さくなる。また速度変動強さの最大点が渦の発生位置に対応しており、下流へ移動するほど下流側の管との干渉により渦を弱体化できる。効果は流れ方向の管間の配置ピッチにより異なる。また金属製ワイヤーの螺旋条数を4本とし、螺旋ピッチ角θを14.7°にすると最も効果が大きかった。
本発明において、フィン付き伝熱管への金属製ワイヤー螺旋方向(巻き付け方向)は、フィン付き伝熱管の横並び隣接関係、及び又は上下流隣接関係で互いに逆方向または同一方法あるいは交互に方向を変更する等、フィン付き伝熱管の配列パターンの種類に応じて任意に変化させて、熱交換室内での熱供給流体の渦のパターンと強さを制御し、熱交換室筐体の共鳴を防止することができるのである。
本実施例の熱交換装置は、断面積が200m2の熱交換室筐体に700℃の高温燃焼ガスを2000t/h導入する導入ダクトと排出ダクトを接続し、熱交換室筐体内に燃焼ガス流に対して蒸気発生熱交換用フィン付き伝熱管を複数列多段に配列したものである。配列方法は格子配列や千鳥配列などがある。熱交換室筐体の筐体は断熱材と鋼板製である。個々のフィン付き伝熱管は、図4のP1、図5のP2の2例を示す。
図5において、フィン付き伝熱管P2は、伝熱管外径31.8mm、フィン外径57.2mm、高さ12.7mmのソリッドフィンF2を外周に突設したものである。このフィン付き伝熱管P2のソリッドフィンF2に金属製ワイヤーW2を3本螺旋配設する。
金属製ワイヤーW2は、断面が○形の耐熱、耐食性を有するフェライト系鋼やオーステナイト系鋼を用い、その直径つまりフィン付き伝熱管P2の外周に螺旋配設した際の高さがフィン込み外径67.2mmの26%の17.7mmである。また螺旋角度θを32.1°、螺旋ピッチPを159mmとした。
本発明において、フィン付き伝熱管P2への金属製ワイヤーW2の螺旋方向は、フィン付き伝熱管P2の横並び隣接関係、及び又は上下流隣接関係で互いに逆方向または同一方向或いは交互に方向を変更する等、フィン付き伝熱管P2の配列パターンの種類に応じて任意に変化させて、熱交換室筐体1内でのカルマン渦放出による圧力変動と粒子速度変動を制御し、熱交換室筐体1の共鳴を防止することができるのである。
本例の金属製ワイヤーW2の螺旋方向は、ガス流れの上流から下流にかけて螺旋方向を交互にして設置してある。
この結果、金属製ワイヤーを配設しなかった場合に発生した熱交換室筐体の共鳴騒音の音圧レベル95〜102dBは、金属製ワイヤーW2を配設することにより70〜81dBに低減することができた。
本発明は、前記のように、熱交換室内を流動する熱供給流体を上記フィン付熱交換管に金属製ワイヤーを螺旋状配置することにより、ガス流れ中の乱れを金属製ワイヤーで増加させ、カルマン渦による圧力変動および粒子速度変動を弱めると共にこのワイヤーでカルマン渦の発生位置を下流側へ移動させ、後方の熱交換管と干渉させることにより渦の発生を妨害することの二つの効果を利用して、カルマン渦に起因する熱交換室筐体の共鳴を防止し騒音の発生を低減させる優れた効果を呈し、以て各種ボイラ排熱や、製鉄所等の各種加熱炉からの排熱を回収する熱交換装置に有利に適用することができ等、熱エネルギー産業に利用される可能性は極めて高いものである。
本発明におけるフィン付き伝熱管によるカルマン渦の制御効果を示す。 本発明における伝熱管P群内でのカルマン渦Cの制御効果を示す説明図である。 外径が57.2mmのフィン付き伝熱管を例にした場合の、伝熱管後方のカルマン渦の発生位置と速度変動強さの関係を示す説明図である。 本発明の実施例におけるフィン付き伝熱管例を示す説明図である。 本発明の実施例における他のフィン付き伝熱管例を示す説明図である。 従来におけるフィン付き伝熱管例を示す説明図である。 従来における他のフィン付き伝熱管例を示す説明図である。 従来のフィン付き伝熱管によるカルマン渦C発生状況示す説明図である。
符号の説明
P フィン付き伝熱管
P1、P2 フィン付き伝熱管
F フィン
F1 ソリッドフィン
F2 セレイティッドフィンフィン
W 金属製ワイヤー
W1、W2 金属製ワイヤー

Claims (1)

  1. 熱交換室内に配列したフィン付きの伝熱管の外周に金属製ワイヤーを螺旋状に固定配設したことを特徴とする熱交換装置。
JP2004184215A 2004-06-22 2004-06-22 熱交換装置 Pending JP2006010110A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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